説明

洗浄装置、剥離システム、洗浄方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体

【課題】環状のフレームの内側に配置されて、当該フレームとテープにより保持された状態の被処理基板の接合面を適切に洗浄する。
【解決手段】洗浄装置13は、被処理ウェハWを保持して回転させるウェハ保持部130と、被処理ウェハWの接合面Wを覆う供給面141を備えた洗浄治具140とを有している。洗浄治具140には、接合面Wと供給面141との間の隙間142に接着剤Gの溶剤、溶剤のリンス液、及び不活性ガスを供給する気液供給部150と、接合面Wと供給面141との間の隙間142に供給された溶剤やリンス液(混合液)を吸引する吸引部170と、段部Aに気体を供給する気体を供給する気体供給部180とが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重合基板から剥離された被処理基板が環状のフレームの内側に配置されて、且つフレームの表面と被処理基板の非接合面に貼り付けられたテープにより保持された状態で、当該被処理基板の接合面を洗浄する洗浄装置、当該洗浄装置を備えた剥離システム、当該洗浄装置を用いた剥離方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば半導体デバイスの製造プロセスにおいて、半導体ウェハ(以下、「ウェハ」とする)の大口径化が進んでいる。また、実装などの特定の工程において、ウェハの薄型化が求められている。例えば大口径で薄いウェハを、そのまま搬送したり、研磨処理すると、ウェハに反りや割れが生じる恐れがある。このため、例えばウェハを補強するために、例えば支持基板であるウェハやガラス基板にウェハを貼り付けることが行われている。そして、このようにウェハと支持基板が接合された状態でウェハの研磨処理等の所定の処理が行われた後、ウェハと支持基板が剥離される。
【0003】
かかるウェハと支持基板の剥離は、例えば剥離装置を用いて行われる。剥離装置は、例えばウェハを保持する第1ホルダーと、支持基板を保持する第2ホルダーと、ウェハと支持基板との間に液体を噴射するノズルとを有している。そして、この剥離装置では、ノズルから接合されたウェハと支持基板との間に、当該ウェハと支持基板との間の接合強度より大きい噴射圧、好ましくは接合強度より2倍以上大きい噴射圧で液体を噴射することにより、ウェハと支持基板の剥離が行われている(特許文献1)。その後、これらウェハの接合面と支持基板の接合面をそれぞれ洗浄して、ウェハと支持基板の剥離処理は終了する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−167724号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ウェハは薄型化されているため、ウェハは環状のダイシングフレームの内側に配置され、ダイシングフレームの表面とウェハの非接合面にダイシングテープにより貼り付けられて保持される場合がある。すなわち、ウェハと支持基板を剥離した後、接合面が洗浄されるウェハは、ダイシングフレーム及びダイシングテープに保持されている場合がある。
【0006】
上述したウェハの接合面の洗浄には、例えばウェハと支持基板を接合する接着剤の溶剤が用いられる。そしてウェハの洗浄中、ウェハの接合面上に供給された溶剤はウェハとダイシングフレームとの間のダイシングテープ上に流入する。そうすると、ダイシングテープが溶剤によって損傷を被る場合がある。かかる場合、ダイシングテープはウェハを適切に保持することができなくなり、当該ウェハの搬送や後続の処理に支障をきたす。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、環状のフレームの内側に配置されて、当該フレームとテープにより保持された状態の被処理基板の接合面を適切に洗浄することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するため、本発明は、被処理基板と支持基板が接着剤で接合された重合基板を剥離した後、剥離された被処理基板が環状のフレームの内側に配置されて、且つ前記フレームの表面と被処理基板の非接合面に貼り付けられたテープにより保持された状態で、当該被処理基板の接合面を洗浄する洗浄装置であって、被処理基板を保持して回転させる回転保持部と、被処理基板の接合面を覆う供給面を備えた洗浄治具と、を有し、前記洗浄治具には、前記接合面と前記供給面との間に洗浄液を供給する洗浄液供給部と、前記接合面と前記供給面との間に供給された洗浄液を吸引する洗浄液吸引部とが設けられていることを特徴としている。なお、被処理基板の接合面とは重合基板の被処理基板において支持基板と接合される面をいい、被処理基板の非接合面とは重合基板の被処理基板において支持基板と接合されていない面をいう。また、洗浄液には、接着剤の溶剤に加えて、溶剤のリンス液等も含まれる。
【0009】
本発明の洗浄装置によれば、先ず、洗浄治具の供給面が被処理基板の接合面を覆うように、洗浄治具が被処理基板に対向して配置される。その後、洗浄液供給部から供給面と接合面との間に洗浄液を供給し、回転保持部によって被処理基板を回転させながら、供給された洗浄液を接合面上に拡散させる。そうすると、この洗浄液によって、被処理基板の接合面を洗浄することができる。その後、洗浄液吸引部によって接合面上を拡散した洗浄液が吸引されるので、当該洗浄液が、被処理基板とフレームとの間のテープ上に流入することはない。したがって、溶剤によるテープの損傷を抑制しつつ、被処理基板の接合面を適切に洗浄することができる。
【0010】
前記供給面には、当該供給面と同心円状に複数の溝部が形成されていてもよい。
【0011】
前記洗浄液吸引部は、前記供給面の外周部において当該外周部に沿って環状に形成されていてもよい。また、前記洗浄治具には、被処理基板と前記フレームとの間で前記テープの上方に形成された段部に対して、気体を供給する気体供給部が設けられていてもよい。かかる場合、前記洗浄装置は、被処理基板を50rpmの回転数で回転させるように前記回転保持部を制御する制御部を有していてもよい。
【0012】
前記洗浄液吸引部は、被処理基板と前記フレームとの間で前記テープの上方に形成された段部の外側に設けられていてもよい。かかる場合、前記洗浄装置は、被処理基板を1000rpm〜2000rpmの回転数で回転させるように前記回転保持部を制御する制御部を有していてもよい。
【0013】
前記洗浄治具には、被処理基板と前記フレームとの間で前記テープの上方に形成された段部に対して進退自在に構成され、当該段部のテープを覆うカバーが設けられていてもよい。
【0014】
前記フレームには、被処理基板と前記フレームとの間で前記テープの上方に形成された段部に張り出した張出部が設けられていてもよい。
【0015】
別な観点による本発明は、前記洗浄装置を備えた剥離システムであって、重合基板を被処理基板と支持基板に剥離する剥離装置と、前記剥離装置で剥離された被処理基板を洗浄する前記洗浄装置と、前記剥離装置で剥離された支持基板を洗浄する他の洗浄装置と、を備えた処理ステーションと、前記処理ステーションに対して、被処理基板、支持基板又は重合基板を搬入出する搬入出ステーションと、前記処理ステーションと前記搬入出ステーションとの間で、被処理基板、支持基板又は重合基板を搬送する搬送装置と、を有することを特徴としている。
【0016】
また別な観点による本発明は、被処理基板と支持基板が接着剤で接合された重合基板を剥離した後、剥離された被処理基板が環状のフレームの内側に配置されて、且つ前記フレームの表面と被処理基板の非接合面に貼り付けられたテープにより保持された状態で、当該被処理基板の接合面を洗浄する洗浄方法であって、被処理基板の接合面上に前記接着剤の溶剤を供給するための洗浄治具の供給面が前記接合面を覆うように、前記洗浄治具を被処理基板に対向して配置する配置工程と、その後、前記供給面と前記接合面との間に洗浄液を供給し、被処理基板を回転させながら、前記供給された洗浄液を前記接合面上に拡散させる洗浄工程と、その後、前記接合面上を拡散した洗浄液を吸引する吸引工程と、を有することを特徴としている。
【0017】
前記供給面には、当該供給面と同心円状に複数の溝部が形成され、前記洗浄工程において、前記洗浄液は前記溝部間毎に前記接合面上を拡散してもよい。
【0018】
前記吸引工程において、前記洗浄液は前記洗浄治具の外周部から吸引されてもよい。また、前記洗浄工程において、被処理基板と前記フレームとの間で前記テープの上方に形成された段部に対して、気体を供給してもよい。かかる場合、前記洗浄工程における被処理基板の回転数は50rpmであって、前記吸引工程は、被処理基板の回転を停止した状態で行われてもよい。
【0019】
前記吸引工程において、前記洗浄液は、被処理基板と前記フレームとの間で前記テープの上方に形成された段部の外側から吸引されてもよい。かかる場合、前記洗浄工程における被処理基板の回転数は1000rpm〜2000rpmであってもよい。
【0020】
前記洗浄工程と前記吸引工程は、被処理基板と前記フレームとの間で前記テープの上方に形成された段部内において、当該段部のテープを覆うカバーが設けられた状態で行われてもよい。
【0021】
前記フレームには、被処理基板と前記フレームとの間で前記テープの上方に形成された段部に張り出した張出部が設けられていてもよい。
【0022】
また別な観点による本発明によれば、前記洗浄方法を洗浄装置によって実行させるために、当該洗浄装置を制御する制御部のコンピュータ上で動作するプログラムが提供される。
【0023】
さらに別な観点による本発明によれば、前記プログラムを格納した読み取り可能なコンピュータ記憶媒体が提供される。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、環状のフレームの内側に配置されて、当該フレームとテープにより保持された状態の被処理基板の接合面を適切に洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本実施の形態にかかる剥離システムの構成の概略を示す平面図である。
【図2】ダイシングフレームとダイシングテープに保持された重合ウェハの縦断面図である。
【図3】ダイシングフレームとダイシングテープに保持された重合ウェハの平面図である。
【図4】剥離装置の構成の概略を示す縦断面図である。
【図5】第1の保持部、第2の保持部及び第3の保持部の構成の概略を示す縦断面図である。
【図6】第2の保持部の構成の概略を示す平面図である。
【図7】第1の鉛直移動部の構成の概略を示す平面図である。
【図8】洗浄装置の構成の概略を示す縦断面図である。
【図9】洗浄治具の構成の概略を示す縦断面図である。
【図10】洗浄装置の構成の概略を示す横断面図である。
【図11】洗浄治具の構成の概略を示す平面図である。
【図12】洗浄治具の構成の概略を示す側面図である。
【図13】洗浄装置の構成の概略を示す横断面図である。
【図14】受渡アームの構成の概略を示す側面図である。
【図15】搬送装置の構成の概略を示す側面図である。
【図16】第1の搬送アームの構成の概略を示す平面図である。
【図17】第2の搬送アームの構成の概略を示す平面図である。
【図18】第1の保持部、第2の保持部及び第3の保持部で重合ウェハを保持した様子を示す説明図である。
【図19】第1の鉛直移動部によって第3の保持部外周部を鉛直下方に移動させる様子を示す説明図である。
【図20】第2の鉛直移動部によって第3の保持部を鉛直下方に移動させる様子を示す説明図である。
【図21】被処理ウェハと支持ウェハを剥離した様子を示す説明図である。
【図22】洗浄装置において被処理ウェハを洗浄する様子を示した説明図であり、(a)は洗浄治具を所定の位置に配置した様子を示し、(b)は気液供給部から供給面と接合面との間の隙間に溶剤が供給される様子を示し、(c)は上記隙間に溶剤が拡散した様子を示し、(d)は気液供給部から上記隙間にリンス液が供給される様子を示し、(e)は上記隙間に混合液が拡散した様子を示し、(f)は気液供給部から上記隙間に不活性ガスが供給される様子を示す。
【図23】他の実施の形態にかかる洗浄治具の構成の概略を示す平面図である。
【図24】他の実施の形態にかかる洗浄治具の構成の概略を示す縦断面図である。
【図25】他の実施の形態にかかる洗浄治具の構成の概略を示す縦断面図である。
【図26】他の実施の形態にかかる洗浄治具の構成の概略を示す縦断面図である。
【図27】他の実施の形態にかかる洗浄治具の構成の概略を示す縦断面図である。
【図28】他の実施の形態にかかる剥離システムの構成の概略を示す平面図である。
【図29】第2の搬送装置の構成の概略を示す側面図である。
【図30】搬送アームの構成の概略を示す平面図である。
【図31】第2の洗浄装置の構成の概略を示す縦断面図である。
【図32】第2の洗浄装置の構成の概略を示す横断面図である。
【図33】第1の保持部及び第2の保持部から搬送アームに被処理ウェハを受け渡す様子を示す説明図である。
【図34】搬送アームからウェハ保持部に被処理ウェハを受け渡す様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態にかかる剥離システム1の構成の概略を示す平面図である。
【0027】
剥離システム1では、図2及び図3に示すように被処理基板としての被処理ウェハWと支持基板としての支持ウェハSとが接着剤Gで接合された重合基板としての重合ウェハTを、被処理ウェハWと支持ウェハSに剥離する。以下、被処理ウェハWにおいて、接着剤Gを介して支持ウェハSと接合される面を「接合面W」といい、当該接合面Wと反対側の面を「非接合面W」という。同様に、支持ウェハSにおいて、接着剤Gを介して被処理ウェハWと接合される面を「接合面S」といい、当該接合面Sと反対側の面を「非接合面S」という。被処理ウェハWは、製品となるウェハであって、例えば接合面Wに複数の電子回路が形成されている。また被処理ウェハWは、例えば非接合面Wが研磨処理され、薄型化(例えば厚みが50μm)されている。支持ウェハSは、被処理ウェハWの径と同じ径を有し、当該被処理ウェハWを支持するウェハである。なお、本実施の形態では、支持基板としてウェハを用いた場合について説明するが、例えばガラス基板等の他の基板を用いてもよい。
【0028】
重合ウェハTには、ダイシングフレームFとダイシングテープPが取り付けられている。ダイシングフレームFは、平面視において略矩形状を有し、且つ内側に重合ウェハTの外周部に沿った開口部が形成された環状形状を有している。そして重合ウェハTは、ダイシングフレームFの内側の開口部に配置される。なおダイシングフレームFには、例えばステンレス鋼が用いられる。またダイシングテープPは、平面視において略円形状を有し、ダイシングフレームFの表面Fと被処理ウェハWの非接合面Wに貼り付けられている。こうして、重合ウェハTはダイシングフレームFとダイシングテープPに保持されている。なお、重合ウェハTとダイシングフレームFとの間には隙間が形成されており、当該隙間のダイシングテープPの上方に段部Aが形成されている。また、ダイシングテープPは、製作の都合上、ダイシングフレームFの表面Fの端部までは貼り付けられておらず、ダイシングテープPの厚みの分だけ、ダイシングフレームFの外周部においてダイシングテープPとの間に段差Bが存在している。なお、本実施の形態のダイシングフレームFは、平面視において略矩形状を有しているが、ダイシングフレームFは種々の形状、例えば略円形状を取り得る。またダイシングテープPも、平面視において略円形状を有しているが、種々の形状、例えば略矩形状を取り得る。
【0029】
そして剥離システム1において、重合ウェハTは、ダイシングフレームFとダイシングテープPに保持された状態で、被処理ウェハWと支持ウェハSに剥離される。また、剥離された被処理ウェハWは、ダイシングフレームFとダイシングテープPに保持された状態で搬送され、後続の処理、例えば接合面Wの洗浄が行われる。
【0030】
剥離システム1は、図1に示すように例えば外部との間で複数の被処理ウェハWと複数の重合ウェハTをそれぞれ収容可能なカセットC、Cが搬入出される第1の搬入出ステーション10と、外部との間で複数の支持ウェハSを収容可能なカセットCが搬入出される第2の搬入出ステーション11と、重合ウェハTを被処理ウェハWと支持ウェハSに剥離する剥離装置12と、剥離された被処理ウェハWを洗浄する洗浄装置13と、剥離システム1内で被処理ウェハW、支持ウェハS、重合ウェハTを搬送する搬送装置14とを有している。第1の搬入出ステーション10、第2の搬入出ステーション11、剥離装置12及び洗浄装置13は、搬送装置14の周囲に例えば平面視反時計回転方向においてこの順に並ぶように配置されている。
【0031】
第1の搬入出ステーション10には、カセット載置台20が設けられている。カセット載置台20には、例えば2つのカセット載置板21が設けられている。カセット載置板21は、Y方向(図1中の左右方向)に並べて配置されている。これらのカセット載置板21には、剥離システム1の外部に対してカセットC、Cを搬入出する際に、カセットC、Cを載置することができる。このように第1の搬入出ステーション10は、複数の被処理ウェハWと複数の重合ウェハTを保有可能に構成されている。なお、これら被処理ウェハWと重合ウェハTは、それぞれダイシングフレームFとダイシングテープPに保持されている。また、第1の搬入出ステーション10において、カセット載置板21の個数は、本実施の形態に限定されず任意に決定することができる。
【0032】
第2の搬入出ステーション11には、カセット載置台30が設けられている。カセット載置台30には、例えば1つのカセット載置板31が設けられている。カセット載置板31には、剥離システム1の外部に対してカセットCを搬入出する際に、カセットCを載置することができる。このように第2の搬入出ステーション11は、複数の支持ウェハSを保有可能に構成されている。また、カセット載置板31に隣接してX方向正方向(図1中の上方向)側には、被処理ウェハWの表裏面を反転させる反転装置32が配置されている。
【0033】
次に、上述した剥離装置12の構成について説明する。剥離装置12は、図4に示すように処理容器40を有している。処理容器40の側面には、被処理ウェハW、支持ウェハS、重合ウェハTの搬入出口(図示せず)が形成され、当該搬入出口には開閉シャッタ(図示せず)が設けられている。なお、処理容器40内には、搬送装置14が設置された領域からの雰囲気が流入するようになっている。また、被処理ウェハWと重合ウェハTは、それぞれダイシングフレームFとダイシングテープPに保持されている。
【0034】
処理容器40の底面には、当該処理容器40の内部の雰囲気を吸引する吸気口41が形成されている。吸気口41には、例えば真空ポンプなどの負圧発生装置42に連通する吸気管43が接続されている。
【0035】
処理容器40の内部には、被処理ウェハWを下面で吸着保持する第1の保持部50と、ダイシングフレームFの表面Fを吸着保持する第2の保持部51と、支持ウェハSを上面で載置して保持する第3の保持部52とが設けられている。第1の保持部50と第2の保持部51はそれぞれ第3の保持部52の上方に設けられ、第1の保持部50は第3の保持部52と対向するように配置されている。すなわち、処理容器40の内部では、被処理ウェハWを上側に配置し、且つ支持ウェハSを下側に配置した状態で、重合ウェハTに剥離処理が行われる。
【0036】
第1の保持部50は、図5に示すように略平板形状を有している。第1の保持部50の内部には、ダイシングテープPを介して被処理ウェハWの非接合面Wを吸着保持するための吸引管60が設けられている。吸引管60は、例えば真空ポンプなどの負圧発生装置(図示せず)に接続されている。
【0037】
また、第1の保持部50の内部には、被処理ウェハWを加熱する加熱機構61が設けられている。加熱機構61には、例えばヒータが用いられる。
【0038】
第2の保持部51は、第1の保持部50の外周部において当該第1の保持部50と一体に設けられている。すなわち、第2の保持部51は、ダイシングテープPの外側に配置されている。また、第2の保持部51には例えば真空ポンプなどの負圧発生装置(図示せず)が接続され、第2の保持部51はダイシングテープPの外側においてダイシングフレームFの表面Fを吸着保持することができる。なお、図6に示すように、第2の保持部51は複数個所、例えば4箇所に設けられている。4つの第2の保持部51は、ダイシングフレームFの各辺に等間隔に配置されている。
【0039】
ここで、上述したようにダイシングフレームFの外周部には、ダイシングテープPとの間に段差Bが存在している。このため、第1の保持部50でダイシングフレームFを吸着保持しようとすると、当該第1の保持部50とダイシングフレームFとの間に段差Bによる隙間が生じる。すなわち、第1の保持部50はダイシングフレームFを直接吸着保持することができない。かかる場合、ダイシングフレームFが固定されないので、第1の保持部50によって被処理ウェハWを適切に保持されない。この点、本実施の形態では、第2の保持部51によってダイシングフレームFが吸着保持されるので、第1の保持部50によって被処理ウェハWも適切に保持される。
【0040】
第3の保持部52は、図5に示すように略平板形状を有している。第3の保持部52の内部には、支持ウェハSを吸着保持するための吸引管70が設けられている。吸引管70は、例えば真空ポンプなどの負圧発生装置(図示せず)に接続されている。なお、第3の保持部52は、弾性体である例えばアルミニウムが用いられる。
【0041】
また、第3の保持部52の内部には、支持ウェハSを加熱する加熱機構71が設けられている。加熱機構71には、例えばアルミニウムからなるヒータが用いられる。
【0042】
図4に示すように第1の保持部50の上面には、当該第1の保持部50を支持する支持板80が設けられている。支持板80は、処理容器40の天井面に支持されている。なお、本実施の形態の支持板80を省略し、第1の保持部50は処理容器40の天井面に当接して支持されてもよい。
【0043】
第3の保持部52の下方には、第3の保持部52及び支持ウェハSを鉛直方向及び水平方向に移動させる移動機構90が設けられている。移動機構90は、第3の保持部52を保持し、且つ第3の保持部52の外周部のみを鉛直方向に移動させる第1の鉛直移動部91と、第1の鉛直移動部91を保持し、且つ第1の鉛直移動部91と第3の保持部52を鉛直方向に移動させる第2の鉛直移動部92と、第1の鉛直移動部91、第2の鉛直移動部92及び第3の保持部52を水平方向に移動させる水平移動部93とを有している。第1の鉛直移動部91、第2の鉛直移動部92、水平移動部93は、鉛直方向に上からこの順で配置されている。
【0044】
第1の鉛直移動部91は、第3の保持部52の外周部を円環状に鉛直方向に移動させる複数、例えば6つのシリンダ100と、第3の保持部52の中央部を支持する支持柱101と、シリンダ100と支持柱101を支持する支持板102とを有している。図7に示すように6つのシリンダ100は、支持板102と同一円周上に等間隔に配置されている。また、これらシリンダ100は、第3の保持部52の外周部に対応する位置に配置されている。支持柱101は、支持板102の中央部であって、第3の保持部52の中央部に対応する位置に配置されている。すなわち、シリンダ100によって第3の保持部52の外周部が鉛直下方に移動する際、当該第3の保持部52の中央部の鉛直方向の位置が変化しないように、支持柱101が配置されている。
【0045】
第2の鉛直移動部92は、図4に示すように支持板102を昇降させる駆動部110と、支持板102を支持する支持部材111とを有している。駆動部110は、例えばボールネジ(図示せず)と当該ボールネジを回動させるモータ(図示せず)とを有している。また、支持部材111は、鉛直方向に伸縮自在に構成され、支持板102と水平移動部93との間に例えば3箇所に設けられている。
【0046】
水平移動部93は、例えばボールネジ(図示せず)と当該ボールネジを回動させるモータ(図示せず)とを有し、第1の鉛直移動部91、第2の鉛直移動部92及び第3の保持部52を水平方向に移動させることができる。
【0047】
なお、第3の保持部52の下方には、重合ウェハT又は支持ウェハSを下方から支持し昇降させるための昇降ピン(図示せず)が設けられている。昇降ピンは第3の保持部52に形成された貫通孔(図示せず)を挿通し、第3の保持部52の上面から突出可能になっている。
【0048】
次に、上述した洗浄装置13の構成について説明する。洗浄装置13は、図8に示すように処理容器120を有している。処理容器120の側面には、被処理ウェハWの搬入出口(図示せず)が形成され、当該搬入出口には開閉シャッタ(図示せず)が設けられている。なお、処理容器120内には内部の雰囲気を清浄化するためのフィルタ(図示せず)が設けられている。また、被処理ウェハWは、ダイシングフレームFとダイシングテープPに保持されている。
【0049】
処理容器120内の中央部には、回転保持部としてのウェハ保持部130が設けられている。ウェハ保持部130は、図9に示すようにダイシングテープPを介して被処理ウェハWを保持して回転させるスピンチャック131と、ダイシングフレームFの表面Fを吸着保持する吸着パッド132とを有している。
【0050】
スピンチャック131は水平な上面を有し、当該上面には例えばダイシングテープPを吸引する吸引口(図示せず)が設けられている。またスピンチャック131は、少なくとも被処理ウェハWを覆うよう設けられている。そして吸引口からの吸引により、ダイシングテープPを介して被処理ウェハWをスピンチャック131上に吸着保持できる。また被処理ウェハWは、その接合面Wが上方を向くようにスピンチャック131に吸着保持される。
【0051】
吸着パッド132は、スピンチャック131の外周部上に設けられている。すなわち、吸着パッド132は、ダイシングテープPの外側に配置されている。また、吸着パッド132には例えば真空ポンプなどの負圧発生装置(図示せず)が接続され、吸着パッド132はダイシングテープPの外側においてダイシングフレームFの表面Fを吸着保持することができる。なお、図10に示すように、吸着パッド132は複数個所、例えば8箇所に設けられている。
【0052】
ここで、上述したようにダイシングフレームFの外周部には、図9に示すようにダイシングテープPとの間に段差Bが存在している。このため、スピンチャック131でダイシングフレームFを吸着保持しようとすると、当該スピンチャック131とダイシングフレームFとの間に段差Bによる隙間が生じる。すなわち、スピンチャック131はダイシングフレームFを直接吸着保持することができない。かかる場合、ダイシングフレームFが固定されないので、スピンチャック131によって被処理ウェハWを適切に保持されない。この点、本実施の形態では、吸着パッド132によってダイシングフレームFが吸着保持されるので、ウェハ保持部130によって被処理ウェハWも適切に保持される。
【0053】
ウェハ保持部130の下方には、図8に示すように例えばモータなどを備えた回転機構としてのチャック駆動部133が設けられている。スピンチャック131は、チャック駆動部133により所定の速度に回転できる。また、チャック駆動部133には、例えばシリンダなどの昇降駆動源が設けられており、スピンチャック131は昇降自在になっている。
【0054】
ウェハ保持部130の周囲には、被処理ウェハWから飛散又は落下する液体を受け止め、回収するカップ134が設けられている。カップ134の下面には、回収した液体を排出する排出管135と、カップ134内の雰囲気を真空引きして排気する排気管136が接続されている。
【0055】
ウェハ保持部130の上方には、被処理ウェハWの接合面Wを洗浄するための洗浄治具140が設けられている。洗浄治具140は、ウェハ保持部130に保持された被処理ウェハWに対向して配置されている。
【0056】
洗浄治具140は、図9及ぶ図11に示すように略円板形状を有している。洗浄治具140の下面には、少なくとも被処理ウェハWの接合面Wを覆うように供給面141が形成されている。なお、本実施の形態においては、供給面141と接合面Wはほぼ同じ大きさである。
【0057】
洗浄治具140の中央部には、図9に示すように供給面141と接合面Wとの間の隙間142に対して、接着剤Gの溶剤(有機溶剤)、溶剤のリンス液、及び不活性ガスを供給する気液供給部150が設けられている。気液供給部150は、洗浄治具140の厚み方向に貫通している。なお、気液供給部150は、洗浄液である溶剤とリンス液を供給する洗浄液供給部として機能するが、本実施の形態の気液供給部150は不活性ガスも供給するため、気液供給部と称している。
【0058】
気液供給部150には、供給管151が接続されている。供給管151には、接着剤Gの溶剤、溶剤のリンス液、不活性ガスの流れを切り替えるバルブ152が設けられている。バルブ152には、内部に溶剤を貯留する溶剤供給源153に連通する供給管154、内部にリンス液を貯留するリンス液供給源155に連通する供給管156、内部に不活性ガスを貯留する不活性ガス供給源157に連通する供給管158が接続されている。各供給管154、156、158には、それぞれ溶剤、リンス液、不活性ガスの流れを制御するバルブや流量調節部等を含む供給機器群159、160、161が設けられている。なお、接着剤Gの溶剤には、例えばシンナーが用いられる。リンス液には接着剤Gの主溶媒の成分に応じて種々の液が用いられ、例えば純水やIPA(イソプロピルアルコール)が用いられる。また、リンス液の乾燥を促進させるため、リンス液には揮発性の高い液を用いるのが好ましい。不活性ガスには、例えば窒素ガスが用いられる。
【0059】
洗浄治具140の外周部には、隙間142に供給された溶剤やリンス液(後述する混合液)である洗浄液を吸引する、洗浄液吸引部としての吸引部170が設けられている。吸引部170は、洗浄治具140の厚み方向に貫通して設けられている。また吸引部170は、図11に示すように洗浄治具150の外周部に沿って環状に形成されている。吸引部170には、図9に示すように例えば真空ポンプなどの負圧発生装置171に連通する吸気管172が接続されている。
【0060】
洗浄治具140の外縁部、すなわち吸引部170の外側には、段部Aに気体を供給する気体を供給する気体供給部180が設けられている。気体供給部180は、洗浄治具140の厚み方向に貫通して設けられている。また気体供給部180は、図11に示すように洗浄治具150の外縁部に複数、例えば2箇所に配置されている。気体供給部180には、図9に示すように内部に気体、例えば乾燥空気や不活性ガスを貯留する気体供給源181に連通する供給管182が接続されている。供給管180には、気体の流れを制御するバルブや流量調節部等を含む供給機器群183が設けられている。
【0061】
洗浄治具140は、図12に示すようにY方向に延伸する支持部材190に支持されている。支持部材190の両端部には、当該支持部材190を鉛直方向に昇降させる昇降機構191、191が設けられている。昇降機構191には、例えばシリンダ等が用いられる。また、昇降機構191は、図10に示すようにカップ134の外側に配置されている。
【0062】
図8に示すようにウェハ保持部130の上方には、上述した洗浄治具140に加えて、搬送装置14からウェハ保持部130に被処理ウェハWを受け渡すための受渡アーム200が設けられている。受渡アーム200は、図13及び図14に示すようにダイシングフレームFの外周部を保持できるように円環形状を有している。受渡アーム200の下面には、フレーム保持部201が複数個所、例えば4箇所に設けられている。フレーム保持部201には例えば真空ポンプなどの負圧発生装置(図示せず)が接続され、フレーム保持部201は被処理ウェハWが取り付けられたダイシングフレームFを吸着保持することができる。
【0063】
受渡アーム200は、Y方向に延伸する支持部材202に支持されている。支持部材202の両端部には、当該支持部材202を鉛直方向に昇降させる昇降機構203、203が設けられている。昇降機構203には、例えばシリンダ等が用いられる。また、昇降機構203は、昇降機構191のX方向負方向側に配置されている。
【0064】
次に、上述した搬送装置14の構成について説明する。搬送装置14は、図15に示すように重合ウェハT又は被処理ウェハWを保持して搬送する第1の搬送アーム210と、支持ウェハSを保持して搬送する第2の搬送アーム211を有している。なお、第1の搬送アーム210で搬送される重合ウェハTと被処理ウェハWは、それぞれダイシングフレームFとダイシングテープPに保持されている。
【0065】
第1の搬送アーム210は、図16に示すように先端が2本の先端部212a、212aに分岐したアーム部212と、このアーム部212と一体に形成され、且つアーム部212を支持する支持部213とを有している。アーム部212の各先端部212aには、ダイシングフレームF又はダイシングテープPを介して重合ウェハT又は被処理ウェハWを吸着して保持する吸着パッド214が設けられている。第1の搬送アーム210は、このアーム部212上に重合ウェハT又は被処理ウェハWを水平に保持することができる。
【0066】
第2の搬送アーム211は、図17に示すように支持ウェハSよりも大きい径の略3/4円環状に構成されたアーム部215と、このアーム部215と一体に形成され、且つアーム部215を支持する支持部216とを有している。アーム部215には、内側に向かって突出し、支持ウェハSの角部を保持する保持部217が例えば4箇所に設けられている。第2の搬送アーム211は、この保持部217上に支持ウェハSを水平に保持することができる。
【0067】
搬送アーム210、211の基端部には、図15に示すようにアーム駆動部218が設けられている。このアーム駆動部218により、各搬送アーム210、211は独立して水平方向に移動できる。これら搬送アーム210、211とアーム駆動部218は、基台219に支持されている。基台219の下面には、シャフト220を介して回転駆動部221が設けられている。この回転駆動部221により、基台219及び搬送アーム210、211はシャフト220を中心軸として回転でき、且つ昇降できる。
【0068】
以上の剥離システム1には、図1に示すように制御部250が設けられている。制御部250は、例えばコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、剥離システム1における被処理ウェハW、支持ウェハS、重合ウェハTの処理を制御するプログラムが格納されている。また、プログラム格納部には、上述の各種処理装置や搬送装置などの駆動系の動作を制御して、剥離システム1における後述の剥離処理を実現させるためのプログラムも格納されている。なお、前記プログラムは、例えばコンピュータ読み取り可能なハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルデスク(MO)、メモリーカードなどのコンピュータに読み取り可能な記憶媒体Hに記録されていたものであって、その記憶媒体Hから制御部250にインストールされたものであってもよい。
【0069】
次に、以上のように構成された剥離システム1を用いて行われる被処理ウェハWと支持ウェハSの剥離処理方法について説明する。
【0070】
先ず、複数枚の重合ウェハTを収容したカセットCと空のカセットCが、第1の搬入出ステーション10の所定のカセット載置板21に載置される。また空のカセットCが、第2の搬入出ステーション11の所定のカセット載置板31に載置される。その後、搬送装置14の第1の搬送アーム210によりカセットC内の重合ウェハTが取り出され、剥離装置12に搬送される。このとき、重合ウェハTは、ダイシングフレームFとダイシングテープPに保持され、被処理ウェハWを上側に配置し、且つ支持ウェハSを下側に配置した状態で搬送される。
【0071】
剥離装置12に搬入された重合ウェハTは、第3の保持部52に吸着保持される。その後、図18に示すように移動機構90の第2の鉛直移動部92により第3の保持部52を上昇させて、第1の保持部50と第3の保持部52で重合ウェハTを挟み込んで保持する。このとき、第1の保持部50によりダイシングテープPを介して被処理ウェハWの非接合面Wが吸着保持されると共に、第2の保持部51にダイシングフレームFの表面Fが吸着保持され、また第3の保持部52に支持ウェハSの非接合面Sが吸着保持される。
【0072】
その後、加熱機構61、71によって重合ウェハTが所定の温度、例えば200℃に加熱される。そうすると、重合ウェハT中の接着剤Gが軟化する。
【0073】
続いて、加熱機構61、71によって重合ウェハTを加熱して接着剤Gの軟化状態を維持しながら、図19に示すように移動機構90の第1の鉛直移動部91によって第3の保持部52の外周部のみを円環状に鉛直下方に移動させる。すなわち、シリンダ100によって第3の保持部52の外周部が鉛直下方に移動する際、第3の保持部52の中央部が支持柱101に支持され、当該第3の保持部52の中央部の鉛直方向の位置が変化しない。
【0074】
かかる場合、第3の保持部52に保持された支持ウェハSが、その外周部から中心部に向けて第1の保持部50及び第2の保持部51に保持された被処理ウェハWから連続的に剥離される。ここで、上述したように被処理ウェハWの接合面Wには電子回路が形成されているため、被処理ウェハWと支持ウェハSを一度に剥離しようとすると、接合面W、Sに多大な荷重がかかり、接合面W上の電子回路が損傷を被るおそれがある。この点、本実施の形態では、外周部から中心部に向けて支持ウェハSが被処理ウェハWから連続的に剥離されるので、接合面W、Sに大きな荷重がかからない。したがって、電子回路の損傷を抑制することができる。
【0075】
その後、被処理ウェハWの中心部と支持ウェハSの中心部のみが接着した状態で、図20に示すように第2の鉛直移動部92によって第3の保持部52全体を鉛直下方に移動させる。そして、支持ウェハSの外周部が鉛直下方に撓んだ状態で、支持ウェハSが被処理ウェハWから剥離される。その後、図21に示すように第1の鉛直移動部91によって第3の保持部52と支持ウェハSの外周部が鉛直上方に移動され、当該第3の保持部52と支持ウェハSが平坦化される。こうして、第1の保持部50及び第2の保持部51に保持された被処理ウェハWと、第3の保持部52に保持された支持ウェハSとが剥離される。
【0076】
その後、剥離装置12で剥離された被処理ウェハWは、搬送装置14の第1の搬送アーム210によって反転装置32に搬送され、当該反転装置32において被処理ウェハWの表裏面が反転される。すなわち、被処理ウェハWの接合面Wが上方に向けられる。その後、被処理ウェハWは、搬送装置14の第1の搬送アーム210によって洗浄装置13に搬送される。なお、剥離装置12から搬出され洗浄装置13に搬入される被処理ウェハWは、ダイシングフレームFとダイシングテープPに保持されている。
【0077】
一方、剥離装置12で剥離された支持ウェハSは、搬送装置14の第2の搬送アーム211によって第2の搬入出ステーション11のカセットCに搬送される。その後、支持ウェハSは、第2の搬入出ステーション11から外部に搬出され回収される。なお、支持ウェハSが第2の搬入出ステーション11に搬送されるタイミングは、任意に設定できる。支持ウェハSの搬送は、例えば被処理ウェハWを反転装置32に搬送する前であってもよいし、反転装置32において被処理ウェハWの表裏面の反転中であってもよいし、被処理ウェハWを洗浄装置13に搬送した後であってもよい。
【0078】
洗浄装置13に搬入された被処理ウェハWは、搬送装置14の第1の搬送アーム210から受渡アーム200に受け渡される。続いて、受渡アーム200によって、被処理ウェハWはウェハ保持部130に受け渡され保持される。具体的には、被処理ウェハWはダイシングテープPを介してスピンチャック131に吸着保持される。同時に、ダイシングフレームFの表面Fは吸着パッド132に吸着保持される。続いて、図22(a)に示すように、昇降機構191によって洗浄治具140を所定の位置まで下降させる。このとき、洗浄治具140の供給面141と被処理ウェハWの接合面Wが対向するように洗浄治具140が配置される。また、供給面141と接合面Wの間の所定の距離Qは、後述するように供給面141と接合面Wとの間の隙間142において、接着剤Gの溶剤が表面張力によって拡散できる距離にするのが好ましい。
【0079】
その後、スピンチャック131によって被処理ウェハWを回転させながら、図22(b)に示すように溶剤供給源153から気液供給部150に溶剤Lを供給する。このときの被処理ウェハWの回転数は、低速の50rpmである。溶剤Lは、気液供給部150から供給面141と接合面Wとの間の隙間142に供給され、当該隙間142において被処理ウェハWの回転による遠心力により、被処理ウェハWの接合面W上を拡散する。なお、発明者らが鋭意検討した結果、低速の50rpmで回転させても、溶剤Lが接合面W上を十分に拡散することが分かっている。こうして、図22(c)に示すように、隙間142において溶剤Lが被処理ウェハWの接合面Wの全面に供給される。
【0080】
なお、被処理ウェハWの接合面Wとの間が上述したように所定の距離Qに維持されていると、隙間142において溶剤Lは当該溶剤Lの表面張力によっても接合面W上を拡散する。かかる場合、溶剤Lに遠心力と表面張力の2つの外力がかかるので、溶剤Lをより円滑に拡散させることができる。
【0081】
このように溶剤Lを接合面W上で拡散させる際、被処理ウェハWの回転数は低速の50rpmであるので、溶剤Lが段部Aに流入するのが抑制される。しかも、このように気液供給部150から隙間142に溶剤Lを供給して接合面W上を拡散させる際、吸引部170によって溶剤Lの吸引を行うと共に、気体供給部180から段部Aへの気体の供給を行う。そうすると、溶剤Lが段部Aに流入するのがさらに抑制される。このため、段部AにおけるダイシングテープPが損傷を被るのを抑制することができる。
【0082】
その後、被処理ウェハWの接合面Wを溶剤Lに浸した状態を所定の時間、例えば数分間維持する。そうすると、接合面Wに残存していた接着剤G等の不純物が溶剤Lによって除去される。
【0083】
その後、不活性ガス供給源157から気液供給部150に不活性ガスを供給する。この不活性ガスによって、気液供給部150内の溶剤Lが排出される。
【0084】
その後、スピンチャック131による被処理ウェハWの回転を引き続き行った状態で、図22(d)に示すように洗浄治具140を所定の位置、すなわち隙間142にリンス液Rを供給できる位置まで上昇させる。続いて、リンス液供給源155から気液供給部150にリンス液Rを供給する。リンス液Rは、気液供給部150から隙間142に供給されて溶剤Lと混合されつつ、当該隙間142において遠心力(及び表面張力)により、被処理ウェハWの接合面W上を拡散する。こうして、図22(e)に示すように、隙間142において溶剤Lとリンス液Rとの混合液Cが、被処理ウェハWの接合面Wの全面に供給される。
【0085】
このように気液供給部150から隙間142にリンス液Rを供給して接合面W上を拡散させる際にも、吸引部170によって混合液C(リンス液Rと溶剤L)の吸引を行うと共に、気体供給部180から段部Aへの気体の供給を行う。そうすると、混合液Cが段部Aに流入するのが抑制される。
【0086】
その後、スピンチャック131による被処理ウェハWの回転を引き続き行った状態で、図22(f)に示すように洗浄治具140を所定の位置まで下降させる。そして、不活性ガス供給源157から気液供給部150を介して隙間142に、不活性ガスが供給される。この不活性ガスによって、隙間142に充填されていた混合液Cは被処理ウェハWの外周部側に押し流され、吸引部170から吸引される。こうして、隙間142の混合液Cが除去される。
【0087】
なお、上述したように隙間142に不活性ガスを供給する際に洗浄治具140を下降させるのは、隙間142の鉛直方向の距離を小さくして不活性ガスの流速を速くするためである。これによって、隙間142の混合液Cを迅速に除去することができる。
【0088】
隙間142の混合液Cが除去された後も、スピンチャック131による被処理ウェハWの回転と、隙間142への不活性ガスの供給を引き続き行う。そして、被処理ウェハWの接合面Wが乾燥される。こうして、洗浄装置13において被処理ウェハWの接合面Wが洗浄される。
【0089】
その後、洗浄装置13で洗浄された被処理ウェハWは、搬送装置14の第1の搬送アーム210によって第1の搬入出ステーション10のカセットCに搬送される。その後、被処理ウェハWは、第1の搬入出ステーション10から外部に搬出され回収される。こうして、剥離システム1における一連の被処理ウェハWと支持ウェハSの剥離処理が終了する。
【0090】
以上の実施の形態によれば、気液供給部150から供給面141と接合面Wとの間の隙間142に溶剤Lを供給し、被処理ウェハWを回転させながら、供給された溶剤Lを接合面W上に拡散させる。そうすると、この溶剤Lによって、被処理ウェハWの接合面Wを洗浄することができる。このとき、被処理ウェハWの回転数は低速の50rpmであるので、溶剤Lが段部Aに流入するのが抑制される。しかも、このように気液供給部150から隙間142に溶剤Lを供給して接合面W上を拡散させる際、吸引部170によって溶剤Lの吸引を行うと共に、気体供給部180から段部Aへの気体の供給を行う。そうすると、溶剤Lが段部Aに流入するのがさらに抑制される。したがって、段部AにおけるダイシングテープPの損傷を抑制しつつ、被処理ウェハWの接合面Wを適切に洗浄することができる。また、本実施の形態では、溶剤Lは被処理ウェハWの接合面W以外に拡散しないため、当該溶剤Lの供給量も少量に抑えることができ、溶剤Lのコストを低廉化することもできる。
【0091】
ここで、段部Aに一旦溶剤Lが流入すると、溶剤Lは段部Aから流出し難くなる。このため、段部Aは乾燥し難く、被処理ウェハWの接合面Wを洗浄するのに時間がかかる。この点、本実施の形態では、段部Aに溶剤Lが流入するのを抑制できるので、接合面Wの洗浄を迅速に行うことができる。
【0092】
また、被処理ウェハWの接合面Wを洗浄する際、隙間142に溶剤Lを供給した後、当該隙間142にリンス液Rを供給するので、当該リンス液Rによって接合面W上の接着剤Gを除去でき、被処理ウェハWの接合面Wをより適切に洗浄することができる。
【0093】
さらに、被処理ウェハWの接合面Wを洗浄する際、隙間142にリンス液Rを供給した後、当該隙間142に不活性ガスを供給するので、被処理ウェハWの接合面Wを適切に乾燥させることができる。
【0094】
以上の実施の形態において、吸引部170による溶剤Lと混合液Cの吸引は、被処理ウェハWの回転が停止した状態で行われてもよい。具体的には、図22(b)に示したように被処理ウェハWを50rpmの回転数で回転させながら、接合面W上に溶剤Lを拡散させる。そして、図22(c)に示したように溶剤Lが接合面Wの全面に拡散すると、被処理ウェハWの回転を停止し、吸引部170から溶剤Lを吸引する。かかる場合、被処理ウェハWの回転が停止しているので、溶剤Lがこれ以上拡散することがない。したがって、吸引部170によって溶剤Lを効率よく吸引することができ、溶剤Lが段部Aに流入するのをさらに抑制することができる。なお、吸引部170によって混合液Cを吸引する場合も、上記溶剤Lの吸引と同様であるので説明を省略する。
【0095】
以上の実施の形態の洗浄治具140の供給面141には、図23に示すように溝部300が形成されていてもよい。溝部300は、吸引部170の内側であって、供給面141と同心円状に複数、例えば3箇所に形成されている。かかる場合、隙間142において溶剤Lを拡散させる際、溶剤Lは溝部300間毎に接合面W上を拡散する。具体的には、気液供給部150から隙間142に供給された溶剤Lは、最内側の溝部300aまで拡散する。そして、溝部300aの内側が溶剤Lで充填される。続いて、溶剤Lは、次の溝部300bまで拡散し、さらに最外側の溝部300cまで順次拡散する。このように溶剤Lが溝部300毎に拡散するので、接合面W上で溶剤Lを均一且つ円滑に拡散させることができる。同様に、リンス液Rについても、溝部300間毎に接合面W上を拡散し、当該接合面W上を均一且つ円滑に拡散する。したがって、被処理ウェハWの接合面Wをより適切に洗浄することができる。
【0096】
以上の実施の形態では、溶剤Lやリンス液Rを接合面W上で拡散させる際、被処理ウェハWを低速の50rpmの回転数で回転させていたが、当該被処理ウェハWを高速の1000rpm〜2000rpmの回転数で回転させてもよい。発明者らが鋭意検討した結果、このように高速の1000rpm〜2000rpmで被処理ウェハWを回転させると、図24に示すように隙間142を拡散した溶剤Lは、当該隙間142の外部に飛散することが分かった。しかも溶剤Lは、高速回転の遠心力によって、段部Aに流入することなく、ダイシングフレームFの外部に飛散する。同様に、隙間142の混合液Cについても、高速回転の遠心力によって、段部Aに流入することなく、ダイシングフレームFの外部に飛散する。したがって、段部AにおけるダイシングテープPが損傷を被るのをさらに抑制することができる。
【0097】
上述のように被処理ウェハWを高速回転させる場合、高速回転力の遠心力によって、段部Aへの溶剤Lの流入を抑制できるので、上記実施の形態の洗浄治具140において気体供給部180を省略してもよい。かかる場合、洗浄治具140と被処理ウェハWを平面視においてほぼ同じ大きさとしてもよい。
【0098】
同様に、段部Aへの溶剤Lの流入を抑制できるので、上記実施の形態の洗浄治具140において吸引部170を省略してもよい。
【0099】
あるいは吸引部170に代えて、図25に示すように洗浄治具140には、隙間142に供給された溶剤Lや混合液Cを吸引する洗浄液吸引部としての吸引部310が、段部Aの外側に設けられていてもよい。吸引部310は、例えば洗浄治具140の外周部に沿って環状に設けられている。かかる場合、隙間142から外部に飛散した溶剤Lや混合液Cは、段部A上を通過して、強制的に吸引部310に吸引される。このため、溶剤Lや混合液Cが段部Aに流入するのをさらに抑制することができる。したがって、段部AにおけるダイシングテープPが損傷を被るのをさらに抑制することができる。
【0100】
以上の実施の形態の洗浄治具140には、図26に示すようにカバー320が設けられていてもよい。カバー320は、例えば洗浄治具140の外周部に沿って環状、且つ段部Aの上方に設けられている。また、カバー320は、移動機構(図示せず)によって鉛直方向に移動自在に構成され、段部Aに対して進退自在に構成されている。そして、カバー320は、段部AのダイシングテープPを覆うことができる。かかる場合、例えば隙間142から流出した溶剤Lや混合液Cが段部Aに僅かに流入しようとする場合であっても、カバー320によって溶剤Lや混合液Cが段部AのダイシングテープP上に流入するのを抑制することができる。したがって、当該ダイシングテープPが損傷を被るのをさらに抑制することができる。
【0101】
また、以上の実施の形態のダイシングフレームFには、図27に示すように張出部330が設けられていてもよい。張出部330は、段部A内において、ダイシングフレームFの外側面から内側に張り出している。また、張出部330は、ダイシングフレームFの外周部に沿って環状に設けられている。そして、張出部330は、段部AのダイシングテープPを覆うことができる。かかる場合、例えば隙間142から流出した溶剤Lや混合液Cが段部Aに僅かに流入しようとする場合であっても、張出部330によって溶剤Lや混合液Cが段部AのダイシングテープP上に流入するのを抑制することができる。したがって、当該ダイシングテープPが損傷を被るのをさらに抑制することができる。
【0102】
なお、上述したカバー320と張出部330は、段部Aのスペースに応じて両方設けてもよい。また、図26と図27において、洗浄治具140の吸引部1770、310及び気体供給部180が省略されて描図されているが、必要に応じてこれらを設けてもよい。
【0103】
以上の実施の形態の洗浄装置13では、スピンチャック131によって被処理ウェハWを回転させていたが、洗浄治具140を回転させてもよい。かかる場合、洗浄装置13には、洗浄治具140を回転させるための回転機構(図示せず)が設けられる。あるいは、洗浄治具140とスピンチャック131に保持された被処理ウェハWを共に回転させてもよい。いずれの場合でも、洗浄治具140と被処理ウェハWを相対的に回転させることによって、溶剤Lや混合液Cは遠心力により被処理ウェハWの接合面W上を拡散することができる。
【0104】
以上の実施の形態の洗浄装置13では、被処理ウェハWの接合面Wを洗浄するために溶剤L、リンス液R、不活性ガスを用いていたが、例えば溶剤Lが高い揮発性を有する場合には、リンス液Rと不活性ガスを省略することもできる。
【0105】
以上の実施の形態の剥離装置12では、第1の保持部50と第3の保持部52の内部には、それぞれ加熱機構61、71が設けられていたが、これら加熱機構61、71を省略してもよい。かかる場合、重合ウェハTを被処理ウェハWと支持ウェハSに剥離する際に、重合ウェハTは加熱されず、常温の状態を維持している。この場合であっても、上述したように支持ウェハSを被処理ウェハWから連続的に剥離できる。また、例えば接着剤Gの種類によっては当該接着剤Gを軟化させるのに加熱が必要ないものもあり、かかる場合に本実施の形態は特に有用である。
【0106】
以上の実施の形態の重合ウェハTの剥離処理は、上記剥離システム1と異なる剥離システムで行ってもよい。
【0107】
例えば図28に示すように剥離システム400は、外部との間で複数の被処理ウェハW、複数の支持ウェハS、複数の重合ウェハTをそれぞれ収容可能なカセットC、C、Cが搬入出される搬入出ステーション410と、被処理ウェハW、支持ウェハS、重合ウェハTに対して所定の処理を施す各種処理装置を備えた処理ステーション411と、処理ステーション411に隣接する後処理ステーション412との間で被処理ウェハWの受け渡しを行うインターフェイスステーション413とを一体に接続した構成を有している。なお、本実施の形態においても、被処理ウェハWと重合ウェハTは、それぞれダイシングフレームFとダイシングテープPに保持されている。
【0108】
搬入出ステーション410と処理ステーション411は、X方向(図28中の上下方向)に並べて配置されている。これら搬入出ステーション410と処理ステーション411との間には、ウェハ搬送領域414が形成されている。インターフェイスステーション413は、処理ステーション411のY方向負方向側(図28中の左方向側)に配置されている。インターフェイスステーション413のX方向正方向側(図28中の上方向側)には、後処理ステーション412に受け渡す前の被処理ウェハWを検査する検査装置415が配置されている。また、インターフェイスステーション413を挟んで検査装置415の反対側、すなわちインターフェイスステーション413のX方向負方向側(図28中の下方向側)には、検査後の被処理ウェハWを洗浄する検査後洗浄装置416が配置されている。
【0109】
搬入出ステーション410には、カセット載置台420が設けられている。カセット載置台420には、複数、例えば3つのカセット載置板421が設けられている。カセット載置板421は、Y方向(図28中の左右方向)に一列に並べて配置されている。これらのカセット載置板421には、剥離システム1の外部に対してカセットC、C、Cを搬入出する際に、カセットC、C、Cを載置することができる。このように搬入出ステーション410は、複数の被処理ウェハW、複数の支持ウェハS、複数の重合ウェハTを保有可能に構成されている。なお、カセット載置板421の個数は、本実施の形態に限定されず、任意に決定することができる。また、搬入出ステーション410に搬入された複数の重合ウェハTには予め検査が行われており、正常な被処理ウェハWを含む重合ウェハTと、欠陥のある被処理ウェハWを含む重合ウェハTとに判別されている。
【0110】
ウェハ搬送領域414には、第1の搬送装置430が配置されている。第1の搬送装置430は、例えば鉛直方向、水平方向(Y方向、X方向)及び鉛直軸周りに移動自在な2本の搬送アームを有している。これら2本の搬送アームは、上記実施の形態における重合ウェハT又は被処理ウェハWを保持して搬送する第1の搬送アーム210と、支持ウェハSを保持して搬送する第2の搬送アーム211とそれぞれ同様の構成を有している。第1の搬送装置430は、ウェハ搬送領域414内を移動し、搬入出ステーション410と処理ステーション411との間で被処理ウェハW、支持ウェハS、重合ウェハTを搬送できる。
【0111】
処理ステーション411は、重合ウェハTを被処理ウェハWと支持ウェハSに剥離する剥離装置12を有している。剥離装置12のY方向負方向側(図28中の左方向側)には、剥離された被処理ウェハWを洗浄する第1の洗浄装置13が配置されている。剥離装置12と第1の洗浄装置13との間には、第2の搬送装置440が設けられている。また、剥離装置12のY方向正方向側(図24中の右方向側)には、剥離された支持ウェハSを洗浄する他の洗浄装置としての第2の洗浄装置441が配置されている。このように処理ステーション411には、第1の洗浄装置13、第2の搬送装置440、剥離装置12、第2の洗浄装置441が、インターフェイスステーション413側からこの順で並べて配置されている。なお、剥離装置12は、上記実施の形態の剥離システム1における剥離装置12と同様の構成を有する。また、第1の洗浄装置13も剥離システム1における洗浄装置13と同様の構成を有するが、第2の洗浄装置441と区別するため、便宜上、第1の洗浄装置13と呼称する。
【0112】
検査装置415では、剥離装置12により剥離された被処理ウェハW上の接着剤Gの残渣の有無が検査される。また、検査後洗浄装置416では、検査装置415で接着剤Gの残渣が確認された被処理ウェハWの洗浄が行われる。この検査後洗浄装置416は、被処理ウェハWの接合面Wを洗浄する接合面洗浄部416a、被処理ウェハWの非接合面Wを洗浄する非接合面洗浄部416b、被処理ウェハWを上下反転させる反転部416cを有している。なお、接合面洗浄部416aと非接合面洗浄部416bは、第1の洗浄装置13と同様の構成を有する。
【0113】
インターフェイスステーション413には、Y方向に延伸する搬送路450上を移動自在な第3の搬送装置451が設けられている。第3の搬送装置451は、鉛直方向及び鉛直軸周り(θ方向)にも移動自在であり、処理ステーション411、後処理ステーション412、検査装置415及び検査後洗浄装置416との間で被処理ウェハWを搬送できる。
【0114】
なお、後処理ステーション412では、処理ステーション411で剥離された被処理ウェハWに所定の後処理を行う。所定の後処理としては、例えば被処理ウェハW上のデバイスの電気的特性の検査を行う処理などが行われる。
【0115】
次に、上述した第2の搬送装置440の構成について説明する。第2の搬送装置440は、図29に示すように被処理ウェハWを保持して搬送する搬送アーム460を有している。なお、搬送アーム460で搬送される被処理ウェハWは、ダイシングフレームFとダイシングテープPに保持されている。
【0116】
搬送アーム460は、図30に示すように先端が2本の先端部460a、460aに分岐した形状を有している。搬送アーム460には、ダイシングフレームF(又はダイシングテープP)を介して被処理ウェハWを吸着して保持する吸着パッド461が設けられている。これにより搬送アーム460は、当該搬送アーム460上に被処理ウェハWを水平に保持することができる。
【0117】
搬送アーム460は、図29に示すように支持アーム462に支持されている。支持アーム462は、第1の駆動部463に支持されている。この第1の駆動部463により、支持アーム462は水平軸周りに回動自在であり、且つ水平方向に伸縮できる。第1の駆動部463の下方には、第2の駆動部464が設けられている。この第2の駆動部464により、第1の駆動部463は鉛直軸周りに回転自在であり、且つ鉛直方向に昇降できる。
【0118】
なお、第3の搬送装置451は、上述した第2の搬送装置440と同様の構成を有している。但し、第3の搬送装置451の第2の駆動部464は、図28に示した搬送路450に取り付けられ、第3の搬送装置451は搬送路450上を移動可能になっている。
【0119】
次に、上述した第2の洗浄装置441の構成について説明する。第2の洗浄装置441は、図31に示すように処理容器470を有している。処理容器470の側面には、支持ウェハSの搬入出口(図示せず)が形成され、当該搬入出口には開閉シャッタ(図示せず)が設けられている。
【0120】
処理容器470内の中央部には、支持ウェハSを保持して回転させるスピンチャック480が設けられている。スピンチャック480は、水平な上面を有し、当該上面には、例えば支持ウェハSを吸引する吸引口(図示せず)が設けられている。この吸引口からの吸引により、支持ウェハSをスピンチャック480上に吸着保持できる。
【0121】
スピンチャック480の下方には、例えばモータなどを備えたチャック駆動部481が設けられている。スピンチャック480は、チャック駆動部481により所定の速度に回転できる。また、チャック駆動部481には、例えばシリンダなどの昇降駆動源が設けられており、スピンチャック480は昇降自在になっている。
【0122】
スピンチャック480の周囲には、支持ウェハSから飛散又は落下する液体を受け止め、回収するカップ482が設けられている。カップ482の下面には、回収した液体を排出する排出管483と、カップ482内の雰囲気を真空引きして排気する排気管484が接続されている。
【0123】
図32に示すようにカップ482のX方向負方向(図32中の下方向)側には、Y方向(図32中の左右方向)に沿って延伸するレール490が形成されている。レール490は、例えばカップ482のY方向負方向(図32中の左方向)側の外方からY方向正方向(図32中の右方向)側の外方まで形成されている。レール490には、アーム491が取り付けられている。
【0124】
アーム491には、図31及び図32に示すように支持ウェハSに洗浄液、例えば接着剤Gの溶剤Lである有機溶剤を供給する洗浄液ノズル492が支持されている。アーム491は、図32に示すノズル駆動部493により、レール490上を移動自在である。これにより、洗浄液ノズル492は、カップ482のY方向正方向側の外方に設置された待機部494からカップ482内の支持ウェハSの中心部上方まで移動でき、さらに当該支持ウェハS上を支持ウェハSの径方向に移動できる。また、アーム491は、ノズル駆動部493によって昇降自在であり、洗浄液ノズル492の高さを調節できる。
【0125】
洗浄液ノズル492には、例えば2流体ノズルが用いられる。洗浄液ノズル492には、図31に示すように当該洗浄液ノズル492に洗浄液を供給する供給管500が接続されている。供給管500は、内部に洗浄液を貯留する洗浄液供給源501に連通している。供給管500には、洗浄液の流れを制御するバルブや流量調節部等を含む供給機器群502が設けられている。また、洗浄液ノズル492には、当該洗浄液ノズル492に不活性ガス、例えば窒素ガスを供給する供給管503が接続されている。供給管503は、内部に不活性ガスを貯留する不活性ガス供給源504に連通している。供給管503には、不活性ガスの流れを制御するバルブや流量調節部等を含む供給機器群505が設けられている。そして、洗浄液と不活性ガスは洗浄液ノズル492内で混合され、当該洗浄液ノズル492から支持ウェハSに供給される。なお、以下においては、洗浄液と不活性ガスを混合したものを単に「洗浄液」という場合がある。
【0126】
なお、スピンチャック480の下方には、支持ウェハSを下方から支持し昇降させるための昇降ピン(図示せず)が設けられていてもよい。かかる場合、昇降ピンはスピンチャック480に形成された貫通孔(図示せず)を挿通し、スピンチャック480の上面から突出可能になっている。そして、スピンチャック480を昇降させる代わりに昇降ピンを昇降させて、スピンチャック480との間で支持ウェハSの受け渡しが行われる。
【0127】
また、第2の洗浄装置441において、スピンチャック480の下方には、支持ウェハSの裏面、すなわち非接合面Sに向けて洗浄液を噴射するバックリンスノズル(図示せず)が設けられていてもよい。このバックリンスノズルから噴射される洗浄液によって、支持ウェハSの非接合面Sと支持ウェハSの外周部が洗浄される。
【0128】
次に、以上のように構成された剥離システム400を用いて行われる被処理ウェハWと支持ウェハSの剥離処理方法について説明する。
【0129】
先ず、複数枚の重合ウェハTを収容したカセットC、空のカセットC、及び空のカセットCが、搬入出ステーション410の所定のカセット載置板421に載置される。第1の搬送装置430によりカセットC内の重合ウェハTが取り出され、処理ステーション411の剥離装置12に搬送される。このとき、重合ウェハTは、ダイシングフレームFとダイシングテープPに保持され、被処理ウェハWを上側に配置し、且つ支持ウェハSを下側に配置した状態で搬送される。
【0130】
剥離装置12に搬入された重合ウェハTは、被処理ウェハWと支持ウェハSに剥離される。この剥離装置12における被処理ウェハWと支持ウェハSの剥離方法は、上記実施の形態で説明した方法と同様であるので説明を省略する。
【0131】
その後、剥離装置12で剥離された被処理ウェハWは、第2の搬送装置440によって第1の洗浄装置13に搬送される。ここで、第2の搬送装置440による被処理ウェハWの搬送方法について説明する。なお、被処理ウェハWは、ダイシングフレームFとダイシングテープPに保持されている。
【0132】
図33に示すように支持アーム462を伸長させて、搬送アーム460を第1の保持部50に保持された被処理ウェハWの下方に配置する。その後、搬送アーム460を上昇させ、第1の保持部50における吸引管60からの被処理ウェハWの吸引を停止する。そして、第1の保持部50から搬送アーム460に被処理ウェハWが受け渡される。
【0133】
次に図34に示すように、支持アーム462を回動させて搬送アーム460を第1の洗浄装置13のウェハ保持部130の上方に移動させると共に、搬送アーム460を反転させて被処理ウェハWを下方に向ける。このとき、ウェハ保持部130をカップ134よりも上方まで上昇させて待機させておく。その後、搬送アーム460からウェハ保持部130に被処理ウェハWが受け渡され吸着保持される。
【0134】
このようにウェハ保持部130に被処理ウェハWが吸着保持されると、ウェハ保持部130を所定の位置まで下降させる。続いて、洗浄治具140によって被処理ウェハWの接合面Wが洗浄される。なお、この第1の洗浄装置13における被処理ウェハWの接合面Wの洗浄方法は、上記実施の形態で説明した方法と同様であるので説明を省略する。
【0135】
ここで、上述したように搬入出ステーション410に搬入された複数の重合ウェハTには予め検査が行われており、正常な被処理ウェハWを含む重合ウェハTと欠陥のある被処理ウェハWを含む重合ウェハTとに判別されている。
【0136】
正常な重合ウェハTから剥離された正常な被処理ウェハWは、第1の洗浄装置13で接合面Wが洗浄された後、第3の搬送装置451によって検査装置415に搬送される。なお、この第3の搬送装置451による被処理ウェハWの搬送は、上述した第2の搬送装置440による被処理ウェハWの搬送とほぼ同様であるので説明を省略する。
【0137】
検査装置415においては、被処理ウェハWの接合面Wにおける接着剤Gの残渣の有無が検査される。検査装置415において接着剤Gの残渣が確認された場合、被処理ウェハWは第3の搬送装置451により検査後洗浄装置416の接合面洗浄部416aに搬送され、接合面洗浄部416aで接合面Wが洗浄される。接合面Wが洗浄されると、被処理ウェハWは第3の搬送装置451によって反転部416cに搬送され、反転部416cにおいて上下方向に反転される。なお、接着剤Gの残渣が確認されなかった場合には、被処理ウェハWは接合面洗浄部416aに搬送されることなく反転部416cにて反転される。
【0138】
その後、反転された被処理ウェハWは、第3の搬送装置451により再び検査装置415に搬送され、非接合面Wの検査が行われる。そして、非接合面Wにおいて接着剤Gの残渣が確認された場合、被処理ウェハWは第3の搬送装置451によって非接合面洗浄部416cに搬送され、非接合面Wの洗浄が行われる。次いで、洗浄された被処理ウェハWは、第3の搬送装置451によって後処理ステーション412に搬送される。なお、検査装置415で接着剤Gの残渣が確認されなかった場合には、被処理ウェハWは非接合面洗浄部416bに搬送されることなくそのまま後処理ステーション412に搬送される。
【0139】
その後、後処理ステーション412において被処理ウェハWに所定の後処理が行われる。こうして、被処理ウェハWが製品化される。
【0140】
一方、欠陥のある重合ウェハTから剥離された欠陥のある被処理ウェハWは、第1の洗浄装置13で接合面Wが洗浄された後、第1の搬送装置430によって搬入出ステーション410のカセットCに搬送される。その後、欠陥のある被処理ウェハWは、搬入出ステーション410から外部に搬出され回収される。
【0141】
剥離装置12で剥離された被処理ウェハWに上述した処理が行われている間、当該剥離装置12で剥離された支持ウェハSは、第1の搬送装置430によって第2の洗浄装置441に搬送される。
【0142】
第2の洗浄装置441に搬入された支持ウェハSは、スピンチャック480に吸着保持される。その後、スピンチャック480を所定の位置まで下降させる。続いて、アーム491によって待機部494の洗浄液ノズル492を支持ウェハSの中心部の上方まで移動させる。その後、スピンチャック480によって支持ウェハSを回転させながら、洗浄液ノズル492から支持ウェハSの接合面Sに洗浄液を供給する。供給された洗浄液は遠心力により支持ウェハSの接合面Sの全面に拡散されて、当該支持ウェハSの接合面Sが洗浄される。
【0143】
その後、第2の洗浄装置441で洗浄された支持ウェハSは、第1の搬送装置430によって搬入出ステーション410のカセットCに搬送される。その後、支持ウェハSは、搬入出ステーション410から外部に搬出され回収される。こうして、剥離システム400における一連の被処理ウェハWと支持ウェハSの剥離処理が終了する。
【0144】
以上の実施の形態の剥離システム400によれば、剥離装置12において重合ウェハTを被処理ウェハWと支持ウェハSに剥離した後、第1の洗浄装置13において、剥離された被処理ウェハWを洗浄すると共に、第2の洗浄装置441において、剥離された支持ウェハSを洗浄することができる。このように本実施の形態によれば、一の剥離システム400内で、被処理ウェハWと支持ウェハSの剥離から被処理ウェハWの洗浄と支持ウェハSの洗浄までの一連の剥離処理を効率よく行うことができる。また、第1の洗浄装置13と第2の洗浄装置441において、被処理ウェハWの洗浄と支持ウェハSの洗浄をそれぞれ並行して行うことができる。さらに、剥離装置12において被処理ウェハWと支持ウェハSを剥離する間に、第1の洗浄装置13と第2の洗浄装置441において別の被処理ウェハWと支持ウェハSを処理することもできる。したがって、被処理ウェハWと支持ウェハSの剥離を効率よく行うことができ、剥離処理のスループットを向上させることができる。
【0145】
また、このように一連のプロセスにおいて、被処理ウェハWと支持ウェハSの剥離から被処理ウェハWの後処理まで行うことができるので、ウェハ処理のスループットをさらに向上させることができる。
【0146】
また、以上の実施の形態では、後処理ステーション412において被処理ウェハWに後処理を行い製品化する場合について説明したが、本発明は、例えば3次元集積技術で用いられる被処理ウェハを支持ウェハから剥離する場合にも適用することができる。なお、3次元集積技術とは、近年の半導体デバイスの高集積化の要求に応えた技術であって、高集積化した複数の半導体デバイスを水平面内で配置する代わりに、当該複数の半導体デバイスを3次元に積層する技術である。この3次元集積技術においても、積層される被処理ウェハの薄型化が求められており、当該被処理ウェハを支持ウェハに接合して所定の処理が行われる。
【0147】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明はこの例に限らず種々の態様を採りうるものである。本発明は、基板がウェハ以外のFPD(フラットパネルディスプレイ)、フォトマスク用のマスクレチクルなどの他の基板である場合にも適用できる。
【符号の説明】
【0148】
1 剥離システム
10 第1の搬入出ステーション
11 第2の搬入出ステーション
12 剥離装置
13 洗浄装置(第1の洗浄装置)
130 ウェハ保持部
131 スピンチャック
140 洗浄治具
141 供給面
142 隙間
150 気液供給部
170 吸引部
180 気体供給部
250 制御部
300 溝部
310 吸引部
320 カバー
330 張出部
400 剥離システム
410 搬入出ステーション
411 処理ステーション
414 ウェハ搬送領域
430 第1の搬送装置
A 段部
F ダイシングフレーム
G 接着剤
L 溶剤
P ダイシングテープ
R リンス液
S 支持ウェハ
T 重合ウェハ
W 被処理ウェハ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理基板と支持基板が接着剤で接合された重合基板を剥離した後、剥離された被処理基板が環状のフレームの内側に配置されて、且つ前記フレームの表面と被処理基板の非接合面に貼り付けられたテープにより保持された状態で、当該被処理基板の接合面を洗浄する洗浄装置であって、
被処理基板を保持して回転させる回転保持部と、
被処理基板の接合面を覆う供給面を備えた洗浄治具と、を有し、
前記洗浄治具には、前記接合面と前記供給面との間に洗浄液を供給する洗浄液供給部と、前記接合面と前記供給面との間に供給された洗浄液を吸引する洗浄液吸引部とが設けられていることを特徴とする、洗浄装置。
【請求項2】
前記供給面には、当該供給面と同心円状に複数の溝部が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項3】
前記洗浄液吸引部は、前記供給面の外周部において当該外周部に沿って環状に形成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の洗浄装置。
【請求項4】
前記洗浄治具には、被処理基板と前記フレームとの間で前記テープの上方に形成された段部に対して、気体を供給する気体供給部が設けられていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の洗浄装置。
【請求項5】
被処理基板を50rpmの回転数で回転させるように前記回転保持部を制御する制御部を有することを特徴とする、請求項3又は4に記載の洗浄装置。
【請求項6】
前記洗浄液吸引部は、被処理基板と前記フレームとの間で前記テープの上方に形成された段部の外側に設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の洗浄装置。
【請求項7】
被処理基板を1000rpm〜2000rpmの回転数で回転させるように前記回転保持部を制御する制御部を有することを特徴とする、請求項6に記載の洗浄装置。
【請求項8】
前記洗浄治具には、被処理基板と前記フレームとの間で前記テープの上方に形成された段部に対して進退自在に構成され、当該段部のテープを覆うカバーが設けられていることを特徴とする、請求項1〜7に記載の洗浄装置。
【請求項9】
前記フレームには、被処理基板と前記フレームとの間で前記テープの上方に形成された段部に張り出した張出部が設けられていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の洗浄装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載の洗浄装置を備えた剥離システムであって、
重合基板を被処理基板と支持基板に剥離する剥離装置と、前記剥離装置で剥離された被処理基板を洗浄する前記洗浄装置と、前記剥離装置で剥離された支持基板を洗浄する他の洗浄装置と、を備えた処理ステーションと、
前記処理ステーションに対して、被処理基板、支持基板又は重合基板を搬入出する搬入出ステーションと、
前記処理ステーションと前記搬入出ステーションとの間で、被処理基板、支持基板又は重合基板を搬送する搬送装置と、を有することを特徴とする、剥離システム。
【請求項11】
被処理基板と支持基板が接着剤で接合された重合基板を剥離した後、剥離された被処理基板が環状のフレームの内側に配置されて、且つ前記フレームの表面と被処理基板の非接合面に貼り付けられたテープにより保持された状態で、当該被処理基板の接合面を洗浄する洗浄方法であって、
被処理基板の接合面上に前記接着剤の溶剤を供給するための洗浄治具の供給面が前記接合面を覆うように、前記洗浄治具を被処理基板に対向して配置する配置工程と、
その後、前記供給面と前記接合面との間に洗浄液を供給し、被処理基板を回転させながら、前記供給された洗浄液を前記接合面上に拡散させる洗浄工程と、
その後、前記接合面上を拡散した洗浄液を吸引する吸引工程と、を有することを特徴とする、洗浄方法。
【請求項12】
前記供給面には、当該供給面と同心円状に複数の溝部が形成され、
前記洗浄工程において、前記洗浄液は前記溝部間毎に前記接合面上を拡散することを特徴とする、請求項11に記載の洗浄方法。
【請求項13】
前記吸引工程において、前記洗浄液は前記洗浄治具の外周部から吸引されることを特徴とする、請求項11又は12に記載の洗浄方法。
【請求項14】
前記洗浄工程において、被処理基板と前記フレームとの間で前記テープの上方に形成された段部に対して、気体を供給することを特徴とする、請求項11〜13のいずれかに記載の洗浄方法。
【請求項15】
前記洗浄工程における被処理基板の回転数は50rpmであって、
前記吸引工程は、被処理基板の回転を停止した状態で行われることを特徴とする、請求項13又は14に記載の洗浄方法。
【請求項16】
前記吸引工程において、前記洗浄液は、被処理基板と前記フレームとの間で前記テープの上方に形成された段部の外側から吸引されることを特徴とする、請求項11又は12に記載の洗浄方法。
【請求項17】
前記洗浄工程における被処理基板の回転数は1000rpm〜2000rpmであることを特徴とする、請求項16に記載の洗浄方法。
【請求項18】
前記洗浄工程と前記吸引工程は、被処理基板と前記フレームとの間で前記テープの上方に形成された段部内において、当該段部のテープを覆うカバーが設けられた状態で行われることを特徴とする、請求項11〜17のいずれかに記載の洗浄方法。
【請求項19】
前記フレームには、被処理基板と前記フレームとの間で前記テープの上方に形成された段部に張り出した張出部が設けられていることを特徴とする、請求項11〜18のいずれかに記載の洗浄方法。
【請求項20】
請求項11〜19のいずかに記載の洗浄方法を洗浄装置によって実行させるために、当該洗浄装置を制御する制御部のコンピュータ上で動作するプログラム。
【請求項21】
請求項20に記載のプログラムを格納した読み取り可能なコンピュータ記憶媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate


【公開番号】特開2013−105974(P2013−105974A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250379(P2011−250379)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】