説明

洗浄装置、洗浄槽、洗浄方法、及び物品の製造方法

【課題】被洗浄物の洗浄対象のエリアのみ洗浄することによって、被洗浄物を洗浄及び乾燥する際の該被洗浄物への異物の付着を抑制する洗浄装置、洗浄槽、洗浄方法、及び物品の製造方法を提供する。
【解決手段】洗浄装置内の洗浄槽2が備える超音波発生手段21が、供給口200から洗浄槽2に供給された洗浄流体に超音波を印加し、被洗浄物1の洗浄エリア11と対応する位置に開口部220を持つ流体噴出手段22が、上記超音波が印加された洗浄流体を上記開口部220から被洗浄物1の洗浄エリアに噴出させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被洗浄物の洗浄対象のエリアのみ洗浄する洗浄装置、洗浄槽、洗浄方法、及び物品の製造方法に関する。本発明は、例えば、HDD(Hard Disk Drive )の磁気ヘッド、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)、及び、光学部品(ミラー、レンズ等)などの小型デバイスの製造工程における洗浄技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、HDDの磁気ヘッド、MEMS、及び光学部品などの小型デバイスの高精度化や小型化に伴い、製造工程で生じるサブミクロンの異物を除去する精密洗浄が不可欠である。
【0003】
従来の小型デバイスの洗浄装置として、特許文献1は、超音波発生装置を組み込んだ洗浄槽内に洗浄液を貯留し、その中で洗浄物を洗浄する超音波洗浄装置について提案している。図12は、特許文献1が提案する従来の洗浄技術の概要を説明する図である。図12に示す洗浄装置は、被洗浄物1を洗浄流体で満たされた洗浄槽10に浸漬した状態で、超音波発生手段21により洗浄流体に超音波を印加し、キャビテーション現象により被洗浄物表面の異物を剥離する。洗浄流体は、常時洗浄槽10に供給されており、剥離した異物100は洗浄槽10上面より洗浄流体のオーバーフローと共に洗浄槽外に排出される。
【特許文献1】特開平6−55151号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、図12を参照して説明した従来の洗浄装置では、被洗浄物1の近傍や洗浄槽10の隅などにおいて、異物100が滞留してしまい排出されず、被洗浄物1を洗浄槽10から引き上げる際に、洗浄流体中の異物100が被洗浄物1に付着するという問題がある。特に、従来の洗浄装置は、被洗浄物1の一部のエリアのみを洗浄したい場合においても被洗浄物1全体を洗浄流体中に浸漬させるので、被洗浄物1の洗浄するべき部位である洗浄エリア(図12中の洗浄エリア11)以外のエリアから剥離した異物100が洗浄流体を汚染し、洗浄流体の清浄度を著しく低下させてしまう。
【0005】
また、上記従来の洗浄装置を用いて被洗浄物1を洗浄した場合、被洗浄物1には、洗浄エリア11以外にも洗浄流体が付着するので、被洗浄物1全体を乾燥する時間が長くなり、効率が悪い。さらに、図13に示すように、洗浄された被洗浄物1を洗浄槽10から引き上げて乾燥装置に移載する際に、被洗浄物1に異物100が付着するという問題がある。
【0006】
本発明は、被洗浄物の洗浄対象のエリアのみ洗浄することによって、被洗浄物を洗浄及び乾燥する際の該被洗浄物への異物の付着を抑制する洗浄装置の提供を目的とする。
【0007】
また、本発明は、被洗浄物の洗浄対象のエリアのみ洗浄することによって、被洗浄物を洗浄及び乾燥する際の該被洗浄物への異物の付着を抑制する洗浄装置における洗浄槽の提供を目的とする。
【0008】
また、本発明は、被洗浄物の洗浄対象のエリアのみ洗浄することによって、被洗浄物を洗浄及び乾燥する際の該被洗浄物への異物の付着を抑制する洗浄方法の提供を目的とする。
【0009】
また、本発明は、物品の製造工程において被洗浄物の洗浄対象のエリアのみ洗浄することによって、被洗浄物を洗浄及び乾燥する際の該被洗浄物への異物の付着を抑制する物品の製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本洗浄装置は、洗浄槽内に被洗浄物を設置し、洗浄流体を用いて被洗浄物表面の異物を除去する洗浄装置であって、前記洗浄槽内に、洗浄流体に超音波を印加する超音波発生手段と、被洗浄物の洗浄するべき部位である洗浄エリアと対応する位置に開口部を持つ流体噴出手段とを備え、前記超音波発生手段により超音波を印加された前記洗浄流体が、前記流体噴出手段が持つ開口部を経て、前記被洗浄物の洗浄エリアに噴出する。
【0011】
好ましくは、本洗浄装置において、前記超音波発生手段と前記流体噴出手段との間の空間に、前記洗浄流体を前記流体噴出手段の底面と異なる面に衝突させながら供給する構造を有する。
【0012】
好ましくは、本洗浄装置が、更に、前記超音波発生手段と前記流体噴出手段との間の距離を調整する手段と、前記流体噴出手段と前記洗浄エリアとの間の距離を調整する手段とを備える。
【0013】
好ましくは、本洗浄装置が、更に、乾燥流体を前記洗浄槽内に循環させ、該乾燥流体を前記流体噴出手段が持つ開口部を通じて噴射又は吸引して、前記被洗浄物の洗浄エリアに付着している洗浄流体を乾燥させる乾燥手段を備える。
【0014】
また、本洗浄槽は、洗浄流体を用いて被洗浄物表面の異物を除去する洗浄装置に設けられる洗浄槽であって、被洗浄物を設置する設置手段と、洗浄流体に超音波を印加する超音波発生手段と、前記設置された被洗浄物の洗浄するべき部位である洗浄エリアと対応する位置に開口部を持つ流体噴出手段とを備え、前記超音波発生手段により超音波を印加された前記洗浄流体が、前記流体噴出手段が持つ開口部を経て、前記被洗浄物の洗浄エリアに噴出する。
【0015】
好ましくは、本洗浄槽において、前記超音波発生手段と前記流体噴出手段との間の空間に、前記洗浄流体を前記流体噴出手段の底面と異なる面に衝突させながら供給する構造を有する。
【0016】
好ましくは、本洗浄槽において、前記超音波発生手段と前記流体噴出手段との間の距離を調整する手段と、前記流体噴出手段と前記洗浄エリアとの間の距離を調整する手段とを備える。
【0017】
好ましくは、本洗浄槽において、乾燥流体を前記洗浄槽内に循環させる乾燥手段から供給された乾燥流体を前記流体噴出手段が持つ開口部を通じて噴射又は吸引して、前記被洗浄物の洗浄エリアに付着している洗浄流体を乾燥させる。
【0018】
また、本洗浄方法は、洗浄槽内に被洗浄物を設置し、洗浄流体を用いて被洗浄物表面の異物を除去する洗浄装置における洗浄方法であって、前記洗浄槽が備える超音波発生手段が、前記洗浄流体に超音波を印加し、前記洗浄槽が備える流体噴出手段が、前記被洗浄物の洗浄するべき部位である洗浄エリアと対応する位置に設けられた開口部から、前記超音波が印加された洗浄流体を該被洗浄物の洗浄エリアに噴出する。
【0019】
また、本物品の製造方法は、物品を製造する製造方法であって、洗浄槽内に前記物品を設置し、洗浄流体を用いて被洗浄物表面の異物を除去する洗浄工程を有し、前記洗浄工程は、前記洗浄槽が備える超音波発生手段が、前記洗浄流体に超音波を印加する工程と、前記洗浄槽が備える流体噴出手段が、前記被洗浄物の洗浄するべき部位である洗浄エリアと対応する位置に設けられた開口部から、前記超音波が印加された洗浄流体を該被洗浄物の洗浄エリアに噴出する工程とを有する。
【発明の効果】
【0020】
本洗浄装置、洗浄槽、洗浄方法、及び物品の製造方法は、超音波発生手段により超音波が印加された洗浄流体を、流体噴出手段が持つ開口部から被洗浄物の洗浄エリアに噴出して、該洗浄エリアのみを洗浄する。従って、本洗浄装置、洗浄槽、洗浄方法、及び物品の製造方法によれば、被洗浄物の洗浄時に、被洗浄物の洗浄エリア以外のエリアからの異物の発生を抑えることができ、高い洗浄品質を実現することができる。また、洗浄エリア以外のエリアへの洗浄流体が付着が少なくなるので、洗浄後被洗浄物を乾燥するときの異物の付着を抑えることができ、かつ、乾燥時間を短くすることができる。
【0021】
また、本洗浄装置及び本洗浄槽は、超音波発生手段と流体噴出手段との間の空間に、洗浄流体を上記流体噴出手段の底面と異なる面に衝突させながら供給する構造を有する。従って、本洗浄装置及び本洗浄槽によれば、上記空間内の洗浄流体の圧力を均一にすることができ、流体噴出手段が持つ各々の開口部から一定の流量で洗浄流体を噴出することが可能となる。
【0022】
また、本洗浄装置及び本洗浄槽は、超音波発生手段と流体噴出手段との間の距離を調整する手段を有する。従って、本洗浄装置及び本洗浄槽によれば、超音波発生手段と流体噴出手段との間の距離を、被洗浄物へ超音波を印加する際の超音波発生手段の使用周波数に応じて決まる適切な距離(洗浄効率が良い距離)に調整することが可能となる。
【0023】
また、本洗浄装置及び本洗浄槽は、流体噴出手段と洗浄エリアとの間の距離を調整する手段とを備える。従って、本洗浄装置及び本洗浄槽によれば、流体噴出手段(の開口部)と洗浄エリアとの距離を、洗浄流体の表面張力、被洗浄物の材料、除去する異物の大きさ等に応じて決まる適切な距離に調整することが可能となる。
【0024】
また、本洗浄装置、本洗浄槽は、乾燥流体を洗浄槽内に循環させ、該乾燥流体を開口部を通じて噴射又は吸引して、被洗浄物の洗浄エリアに付着している洗浄流体を乾燥させる。従って、本洗浄装置、本洗浄槽によれば、開口部に対応する洗浄エリアを重点的に乾燥することができる。その結果、被洗浄を短時間で乾燥することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に、本実施形態について、図を用いて説明する。図1は、本実施形態の洗浄装置の基本的構成の例を示す図である。図1に示す洗浄装置は、洗浄槽2内に被洗浄物1を設置し、洗浄流体を用いて被洗浄物表面の異物を除去する装置である。図1に示す洗浄装置が備える構成要素のうち、洗浄槽2は、洗浄流体を供給する供給口200、洗浄流体を排出する排出口202を有し、洗浄流体を貯留する。洗浄流体は、例えば、純水、有機溶剤などである。
【0026】
洗浄槽2には、超音波発生手段21と流体噴出手段22とが設けられている。超音波発生手段21は、流体噴出手段22と対向して設置されている。超音波発生手段21は、1個以上の超音波振動子を備えている。超音波発生手段21は、供給口200を通じて洗浄槽2の超音波発生手段21と流体噴出手段22との間の空間(エリア)に洗浄流体が供給されると、超音波振動子によって該洗浄流体に超音波を印加する。流体噴出手段22は、被洗浄物1と超音波発生手段22との間に、被洗浄物1と対向して設置されている。流体噴出手段22には、洗浄槽2に設置された被洗浄物1の各々の洗浄エリア11と対応する位置(各々の洗浄エリア11と対向する位置)に開口部220が設けられている。洗浄エリア11は、被洗浄物1の洗浄するべき部位であり、図1に示す例では、被洗浄物1は複数の洗浄エリア11を有する。上記開口部220は洗浄エリア方向にノズル状に突出した形状を有している。開口部220が流体噴出手段22から脱着可能であってもよい。また、流体噴出手段22は、開口部220と洗浄エリア11との間の距離を調整する構造(例えば、図8を参照して後述する高さ調整部材26)を有する。上記超音波発生手段21により超音波を印加された洗浄流体が、流体噴出手段22の開口部220を経て、被洗浄物1の洗浄エリア11に噴出して被洗浄物1の洗浄エリア11を洗浄する。
【0027】
流体回収手段3は、洗浄流体の排出口201を有し、流体噴出手段22から流出する洗浄流体を排出口201を通じて槽外に排出する。従って、被洗浄物1の洗浄時には、被洗浄物1は洗浄流体内に浸漬されない。循環手段4は、洗浄槽2の供給口200、排出口202、及び流体回収手段3の排出口201に接続されている。循環手段4は、供給口200から洗浄流体を洗浄槽2内の超音波発生手段21と流体噴出手段22との間の空間内に供給し、排出口202から洗浄流体を排出する。循環手段4が所定の流量の洗浄流体を洗浄槽2内に供給することにより、該所定の流量の洗浄流体が流体噴出手段22の開口部220から洗浄エリア11の方向に噴出する。循環手段4が、例えば洗浄流体の循環経路に設けられたフィルタで洗浄流体を浄化するようにしてもよい。
【0028】
乾燥手段5は、乾燥流体を洗浄槽2内に循環させ、該乾燥流体を流体噴出手段22が持つ開口部220を通じて噴射又は吸引して、被洗浄物1の洗浄エリア11に付着している洗浄流体を乾燥させる。例えば、被洗浄物1の洗浄が終了した後、乾燥手段5が乾燥流体を供給口203から洗浄槽2内に供給するとともに、排出口204から該乾燥流体を吸引する。その結果、洗浄槽2内に供給された乾燥流体は、被洗浄物1の洗浄エリア11と対応する位置に設けられた開口部220を通じて吸引され、該洗浄エリア11が乾燥される。乾燥流体は、例えばクリーンドライエアである。
【0029】
乾燥手段5が乾燥流体を排出口204から洗浄槽2内に供給するとともに、供給口203から該乾燥流体を吸引するようにしてもよい。乾燥手段5が乾燥流体を排出口204から洗浄槽2内に供給する場合、洗浄槽2内に供給された乾燥流体が被洗浄物1の洗浄エリア11と対応する位置にある開口部220を通じて、洗浄エリア11に対して噴射されて、該洗浄エリア11が乾燥される。
【0030】
乾燥手段5が、乾燥流体の供給路にフィルタを有するようにしてもよく、乾燥手段5が、該フィルタを用いて乾燥流体を浄化してもよい。また、被洗浄物1の乾燥時間を短縮するため、乾燥流体の供給路にヒーターを設置するようにしてもよい。
【0031】
図2は、図1に示す洗浄装置を用いた洗浄処理を説明する図である。循環手段4が洗浄流体を供給口200から洗浄槽2内に供給する(図2の#1を参照)。洗浄槽2内の、流体噴出手段22と超音波発生手段21との間の空間に洗浄流体が満たされる。超音波発生手段21が、洗浄流体に対して超音波を印加する(図2の#2を参照)。流体噴出手段22が、該超音波が印加された洗浄流体を開口部220を通じて被洗浄物1の洗浄エリア11に対して噴出して、洗浄エリア11を洗浄する。洗浄エリア11と接触した洗浄流体は、流体回収手段3の排出口201から排出される。本実施形態の洗浄装置によれば、超音波を印加した洗浄流体を、被洗浄物1の洗浄エリア11のみに噴出させることができる。また、洗浄エリア11と接触した洗浄流体が即時排出されるため、洗浄エリア11の清浄度を維持することが可能である。また、被洗浄物1の洗浄エリア11以外のエリアに対する洗浄流体の付着が少ないので、該洗浄エリア11以外のエリアに対する異物の付着を抑えることができる。その結果、総合的な洗浄品質が向上する。
【0032】
図3は、図1に示す洗浄装置を用いた乾燥処理を説明する図である。乾燥手段5が洗浄流体を供給口203から洗浄槽2内に供給し(図3の#1を参照)、排出口204から吸引する。洗浄槽2内に供給された乾燥流体は、開口部200を通じて排出口204側に吸引され(図3の#2を参照)、洗浄エリア11を乾燥させる。本実施形態の洗浄装置によれば、開口部200が洗浄エリア11の方向に対して突出しているため、洗浄エリア11近傍の乾燥流体の流速が、被洗浄物1の洗浄エリア11以外のエリア近傍の流速より速くなる。従って、洗浄エリア11の乾燥を促進することができる。また、被洗浄物の洗浄エリア11以外のエリアからの発塵を抑えることができる。さらに、本実施形態の洗浄装置によれば、洗浄槽2内で乾燥処理を行うことができるため、効率が良い。
【0033】
以下に、本発明の実施例について説明する。図4は、被洗浄物の一例を示す図である。被洗浄物は、例えばデジタルカメラなどに使用される撮像素子61が複数並んだプレート60である。外形が150〜200mm×50〜70mmのプレート内に、数十個の撮像素子61が配列されている。撮像素子61には、CCDやCMOSなどのイメージセンサ62、コンデンサ63などが実装されており、洗浄エリアは、10mm×10mm程度の実装面である。
【0034】
図5(A)、(B)は、本発明の実施例の洗浄装置の内部構成例を示す図である。図5(A)は洗浄装置を上から見たときの内部構成例を示し、図5(B)は洗浄装置を正面から見たときの内部構成例を示す。図5(A)、(B)に示す洗浄装置は、図1を参照して前述した洗浄装置が備える基本構成(例えば、流体噴出手段、超音波発生手段、循環手段、乾燥手段、流体回収手段等)を備える。開口部220は、被洗浄物1の洗浄エリアの数に応じた数だけ設けられている。また、図5(A)、(B)に示す洗浄装置は、被洗浄物1を洗浄装置内の供給位置に待機させる供給台6、被洗浄物1を洗浄装置内の回収位置に待機させる回収台7、被洗浄物1を供給台6から洗浄槽2に移動させ、洗浄槽2から回収台7に移動させる移載手段8を備える。図5(A)中の51、52、53は、それぞれ、供給台6が有する設置部、洗浄槽2が有する設置部、回収台7が有する設置部である。設置部は、被洗浄物1を設置する部分である。移載手段8が、被洗浄物1を受ける受け部81(受け部A)、受け部82(受け部C)を上下左右に移動させることで、被洗浄物1が、供給位置、洗浄槽2、回収位置に移動する。受け部は、被洗浄物1を停止させる位置の数より1個少ない数だけ設置されており、それぞれが連動して動作する。発塵を考慮し、移載手段8の駆動部(図示を省略)は被洗浄物1より下方に設置している。
【0035】
超音波発生手段21、流体噴出手段22、図示を省略する流体回収手段を含む洗浄槽2と、移載手段8とは、密閉した筐体内に収納されている。洗浄槽2が、供給台6と回収台7との間に複数設置されるようにしてもよい。
【0036】
本実施例の洗浄装置が、図6(A)、(B)に示すように、洗浄槽2と回収台7との間に、乾燥手段5が設置される構成を採るようにしてもよい。乾燥手段5は、例えば、被洗浄物1の下方に被洗浄物1の外形より大きい開口を有し、該開口より上方の雰囲気を吸引する構造を有している。図6(A)、(B)に示す構成例では、移載手段8は、受け部81(受け部A)、受け部82(受け部C)、受け部83(受け部B)という3個の受け部を備えている。図6(A)中に示す54は乾燥手段5が有する設置部である。本実施例で使用される洗浄流体は、例えば純水であり、乾燥流体は、例えばクリーンドライエアである。なお、供給台6が有する設置部51、洗浄槽2が有する設置部52、回収台7が有する設置部53、及び、乾燥手段5が有する設置部54は、それぞれ、被洗浄物1が自設置部に設置されているかを検出し、検出結果を移載手段8に通知するフォトセンサ(図示を省略)を備える。
【0037】
以下に、図7及び図8を参照して本実施例の洗浄装置が備える洗浄槽の構成について詳述する。図7は、本実施例の洗浄装置が備える洗浄槽を上から見た時の構成の詳細例を示す図である。また、図8は、本実施例の洗浄装置が備える洗浄槽を側面から見た時の構成の詳細例を示す図である。洗浄槽2は、例えば直方体であり、図7に示すように、上面が被洗浄物1の出し入れのため開放されている。洗浄流体の供給口300と排出口301とが底面に設置されている。また、超音波発生手段21は、槽内の底面に設置される。図8に示すように、超音波発生手段21の上部には、複数の高さ調整部材23を介して、流体噴出手段22が設置されており、超音波発生手段21と流体噴出手段22との間の空間は、密閉された中空構造となっている。超音波発生手段21と流体噴出手段22との間の距離は、超音波発生手段21の使用周波数(超音波の印加のために用いる周波数)に応じて決まる適切な距離(洗浄効率の良い距離)となるように、高さ調整部材23の挿入数で調整される。高さ調整部材23のベース部24の継手25と洗浄槽2の底面の供給口300とがチューブで繋がれている。供給口300及び排出口301と接続されている循環手段4は、供給口300から継手25を通じて上記中空構造内に洗浄流体を送り込む。上記中空構造内に洗浄流体が満たされた後、洗浄流体が開口部220から設置部52の方向に噴出する。
【0038】
流体噴出手段22が有する複数の開口部220は、ノズル状を呈している。本実施例では、洗浄エリアは例えば矩形であり、開口部220の上面は同一形状を有している。なお、開口部220が、流体噴出手段22から脱着可能であるように構成してもよい。洗浄エリアの形状や配置に応じて、開口部220の対向面の形状や配置を変更するようにしてもよい。例えば、高さが異なる洗浄エリアを有する被洗浄物を洗浄する場合は、開口部220と洗浄エリアとの間の距離が一定になるように、開口部220の高さを調整することができる。また、継手25からの洗浄流体が、超音波発生手段21の上面で衝突することで、上記中空構造内の洗浄流体の圧力を均一にすることができ、各々の開口部220から一定の流量で洗浄流体を噴出することが可能となる。すなわち、図8に示す洗浄装置は、超音波発生手段21と流体噴出手段22との間の空間に、洗浄流体を流体噴出手段22の底面と異なる面(例えば、超音波発生手段21の上面)に衝突させながら供給する構造を有する。
【0039】
流体噴出手段22の上面には、被洗浄物1を設置する設置部52が設けられている。流体噴出手段22の上面に設けられた高さ調整部材26が、例えば、洗浄流体の表面張力、被洗浄物の材料、除去する異物の大きさなどに応じて、流体噴出手段22の開口部220と、設置部52に設置された被洗浄物1の洗浄エリアとの間の距離を調整可能である。高さ調整部材26は、例えば、ネジとナットとを用いて調整される。
【0040】
なお、例えば、移載手段8(図6を参照)を用いて、洗浄エリアと超音波発生手段21との間の距離を、洗浄及び乾燥時に可変にすることができる構造としても良い。また、洗浄エリアと超音波発生手段21との間の距離を、洗浄時と乾燥時とで異なる距離に設定できる構造としても良い。
【0041】
開口部220より噴出した洗浄流体が流体噴出手段22の上面に沿って洗浄槽2の底面に流れ落ちると、該洗浄流体は、洗浄槽2の底面の排出口301を通じて洗浄槽外に排出される。
【0042】
洗浄エリアと開口部220との間の洗浄流体を効率良く回収するために、開口部220の外周に吸引口を設けても良い。また、開口部220と洗浄流体との接触面に親水性の表面処理を施しても良い。さらに、開口部220の材料として、セラミックなどの多孔質体を用いても良い。
【0043】
図9乃至図11は、本実施形態の洗浄処理例を説明する図である。図9乃至図11では、前述した図6乃至図8に示す構成を有する洗浄装置による洗浄処理を例にとって説明する。1個の被洗浄物1に対する一連の洗浄動作は、供給ステップ(図9のステップS1乃至S6’)、超音波洗浄ステップ(図9のステップS12乃至S14)、すすぎ洗浄ステップ(図10のステップS15乃至S19’)、乾燥ステップ(図10のステップS25及び図11のステップS26乃至S29’)の順に行われる。
【0044】
供給ステップとして、まず、図6に示す移載手段8が、受け部Aを供給位置に移動させる(図9のステップS1)。受け部Aが供給位置の下方にある状態で、筐体のドアを開け、被洗浄物1を供給台6に設置する。ドアを閉め、スタートボタンを押下すると、移載手段8が、供給台6の設置部51に取り付けられているフォトセンサによる被洗浄物1の検出結果に基づいて、被洗浄物1が設置部51に正しく設置されているかを判断する(ステップS2)。移載手段8が、被洗浄物1が設置部51に正しく設置されていないと判断した場合は、アラーム処理となる(ステップS2’)。移載手段8が、被洗浄物1が設置部51に正しく設置されていると判断した場合は、移載手段8が、受け部Aを上昇させる(ステップS3)。受け部Aの上昇の途中で、受け部Aの上面が被洗浄物1の下面と接触し、被洗浄物1が持ち上げられる。移載手段8は、後述する流量検出手段から洗浄流体の流量が所定の流量に達したことを通知されると、受け部Aが被洗浄物1を持ち上げた状態で、受け部Aを洗浄槽2の設置部52上まで移動させる(ステップS4)。受け部Aが洗浄槽2の設置部52上に移動すると、移載手段8が、受け部Aを下降させる(ステップS5)。その結果、被洗浄物1が設置部52に設置される。
【0045】
次に、移載手段8が、設置部52が備えるフォトセンサによる被洗浄物1の検出結果に基づいて、被洗浄物1が設置部52に正しく設置されているかを判断する(ステップS6)。移載手段8が、被洗浄物1が設置部52に正しく設置されていないと判断した場合は、受け部Aを上昇後(ステップS6’)、ステップS5に戻る。移載手段8が、被洗浄物1が設置部52に正しく設置されていると判断した場合、移載手段8は、受け部Aを供給位置まで移動させる(ステップS7)。
【0046】
一方、上記供給ステップとは別個に、例えば循環手段4、又は排出口301(図8を参照)近傍に設けられた流量検出手段(図示を省略)が、洗浄槽2への洗浄流体の流量が所定の量に達したかを検出し、検出結果を移載手段8に通知する処理を行う。すなわち、図9中のステップS8において、循環手段4が供給口300から洗浄流体を供給し(ステップS8)、排出口301から排出される洗浄流体を検出する(ステップS9)。流量検出手段が、洗浄流体の流量が所定の流量であるかを判断する(ステップS10)。流量検出手段が、洗浄流体の流量が所定の流量でないと判断した場合は、ステップS10に戻る。流量検出手段が、洗浄流体の流量が所定の流量であると判断した場合は、流量検出手段は、洗浄流体の流量が所定の流量に達したことを移載手段8に通知し(ステップS11)、上記ステップS4に進む。該洗浄流体の流量が所定の流量に達したことは、流体噴出手段22の開口部220より該所定の流量が洗浄エリアに噴出していることを意味する。
【0047】
次に、超音波洗浄ステップについて説明する。超音波発生手段21は、被洗浄物1が設置部52に正しく設置されると、該洗浄流体に超音波を印加する(ステップS12)。このとき、超音波を印加された洗浄流体が被洗浄物1上の洗浄エリア11に対して下方から当たり、洗浄エリア11のみが洗浄される。超音波発生手段21が、所定の超音波印加時間が経過したかを判断する(ステップS13)。超音波発生手段21が、所定の超音波印加時間が経過していないと判断した場合は、ステップS13に戻る。超音波発生手段21が、所定の超音波印加時間が経過したと判断した場合、超音波発生手段21は、超音波の印加処理を停止し(ステップS14)、図10のステップS15に進む。
【0048】
次に、すすぎ洗浄ステップについて説明する。移載手段8が、流体噴出手段22の開口部220から所定の流量が洗浄エリア11に噴出している状態で、所定時間の経過を待つ(図10のステップS15)。移載手段8が所定時間の経過を待っている間、超音波洗浄によって洗浄流体中に浮遊した異物が洗浄エリア11近傍から除去される。所定時間が経過した後、移載手段8が受け部Bを上昇させる(ステップS16)。その結果、受け部Bの上面と被洗浄物1の下面とが接触し、被洗浄物1が持ち上げられる。移載手段8は、後述する温度検出手段から乾燥流体の温度が所定の温度に達したことを通知されると、被洗浄物1を持ち上げた状態で、受け部Bを乾燥手段5の設置部54上まで移動させる(ステップS17)。そして、移載手段8が、受け部Bを下降させる(ステップS18)。その結果、被洗浄物1が設置部54に設置される。移載手段8が、設置部54に取り付けられているフォトセンサによる被洗浄物1の検出結果に基づいて、被洗浄物1が設置部54に正しく設置されているかを判断する(ステップS19)。移載手段8が、被洗浄物1が設置部54に正しく設置されていないと判断した場合は、受け部Bを上昇後(ステップS19’)、ステップS18に戻る。移載手段8が、被洗浄物1が設置部54に正しく設置されていると判断した場合、移載手段8は、受け部Bを洗浄槽2に移動させる(ステップS20)。一方、受け部Aは、受け部Bと連動して、被洗浄物1の供給時と同様に動作する。供給台6に被洗浄物1が設置されている場合は、受け部Aが、被洗浄物1を洗浄槽2の設置部52に設置し、該被洗浄物1が超音波洗浄される。
【0049】
上記すすぎ洗浄ステップとは別個に、例えば乾燥手段5が備える温度検出手段(図示を省略)が、乾燥手段5から被洗浄物1が設置されている設置部54付近に対して供給される乾燥流体の温度が所定の温度に達したかを判断し、判断結果を移載手段8に通知する処理を行う。すなわち、図10中のステップS21において、乾燥手段5が乾燥流体を設置部54付近に対して供給し(ステップS21)、乾燥流体を加熱する(ステップS22)。乾燥手段5が備える温度検出手段が、乾燥流体の温度が所定の温度であるかを判断する(ステップS23)。温度検出手段が、乾燥流体の温度が所定の温度でないと判断した場合はステップS22に戻る。温度検出手段が、乾燥流体の温度が所定の温度であると判断した場合は、温度検出手段は、乾燥流体の温度が所定の温度に達したことを移載手段8に通知し(ステップS24)、上記ステップS17に進む。
【0050】
次に、乾燥ステップについて説明する。被洗浄物1が設置部54に正しく設置されると、移載手段8が、所定時間の経過を待つ(ステップS25)。該所定時間の経過を待っている間、すすぎ洗浄によって洗浄エリア11に付着した洗浄流体が蒸発し、除去される。所定時間が経過した後、図11のステップS26において、移載手段8が、受け部Cを上昇させる(ステップS26)。受け部Cの上面と被洗浄物1の下面とが接触し、被洗浄物1が持ち上げられる。移載手段8が、被洗浄物1を持ち上げた状態の受け部Cを回収台7上まで移動させる(ステップS27)。移載手段8が受け部Cを下降させ(ステップS28)、被洗浄物1が回収台7の設置部53に設置される。移載手段8が、設置部53に取り付けられているフォトセンサによる被洗浄物1の検出結果に基づいて、被洗浄物1が設置部53に正しく設置されているかを判断する(ステップS29)。移載手段8が、被洗浄物1が設置部53に正しく設置されていないと判断した場合は、受け部Cを上昇後(ステップS29’)、ステップS28に戻る。移載手段8が、被洗浄物1が設置部53に正しく設置されていると判断した場合、移載手段8は、受け部Cを乾燥手段5に移動させる(ステップS30)。一方、受け部A、受け部Bは、受け部Cの動作と連動して、被洗浄物1の供給時、超音波洗浄及びすすぎ洗浄処理時と同様に動作する。例えば、供給台6に設置されている被洗浄物1は、受け部Aによって洗浄槽2の設置部52まで移動して超音波洗浄及びすすぎ洗浄され、該設置部52に設置されて超音波洗浄及びすすぎ洗浄されていた被洗浄物1は、受け部Bによって乾燥手段5の設置部54まで移動して乾燥される。
【0051】
図4に示すプレート60を従来の洗浄方法を用いて洗浄した時の外観不良率は10〜20%であった。一方、図6乃至図8に示す本発明の実施例の洗浄装置を用いてプレート60を洗浄した場合、外観不良率は0.2%となり、洗浄品質が大きく改善される。また、本発明の実施例の洗浄装置は、洗浄エリアのみを洗浄するため、洗浄から乾燥までにかかる時間を従来技術に比べて1/10に短縮できる。
【0052】
本実施形態の洗浄装置は、例えば、HDDの磁気ヘッド、MEMS、及び光学部品などの物品の製造工程における、被洗浄物(例えば、物品又は該物品を構成する部材)の洗浄に適用することができる。すなわち、本実施形態の物品の製造方法は、物品を製造する製造方法であって、例えば、図1に示す洗浄槽2内に上記物品を設置し、循環手段4によって洗浄槽2内に供給された洗浄流体を用いて被洗浄物(例えば、上記物品又は該物品を構成する部材)表面の異物を除去する洗浄工程を有する。上記洗浄工程においては、例えば、洗浄槽2が備える超音波発生手段21が、洗浄槽2内に供給された洗浄流体に超音波を印加し、洗浄槽2が備える流体噴出手段22が、上記被洗浄物の洗浄するべき部位である洗浄エリア11と対応する位置に設けられた開口部220から、上記超音波が印加された洗浄流体を洗浄エリア11に噴出する。
【産業上の利用可能性】
【0053】
以上、説明したように、本洗浄装置、洗浄槽、洗浄方法、物品の製造方法によれば、被洗浄物の洗浄時に、被洗浄物の洗浄エリア以外のエリアからの異物の発生を抑えることができ、高い洗浄品質を実現することができる。また、洗浄エリア以外のエリアへの洗浄流体が付着が少なくなるので、洗浄後被洗浄物を乾燥するときの異物の付着を抑えることができ、かつ、乾燥時間を短くすることができる。
【0054】
また、本洗浄装置及び本洗浄槽によれば、流体噴出手段が持つ各々の開口部から一定の流量で洗浄流体を噴出することが可能となる。また、本洗浄装置及び本洗浄槽によれば、超音波発生手段と流体噴出手段との間の距離を、被洗浄物へ超音波を印加する際の超音波発生手段の使用周波数に応じて決まる適切な距離(洗浄効率が良い距離)に調整することが可能となる。
【0055】
また、本洗浄装置及び本洗浄槽によれば、流体噴出手段(の開口部)と洗浄エリアとの距離を、洗浄流体の表面張力、被洗浄物の材料、除去する異物の大きさ等に応じて決まる適切な距離に調整することが可能となる。また、本洗浄装置、本洗浄槽、及び本洗浄方法によれば、開口部に対応する洗浄エリアを重点的に乾燥することができる。その結果、被洗浄を短時間で乾燥することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本実施形態の洗浄装置の基本的構成の例を示す図である。
【図2】洗浄装置を用いた洗浄処理を説明する図である。
【図3】洗浄装置を用いた乾燥処理を説明する図である。
【図4】被洗浄物の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施例の洗浄装置の内部構成例を示す図である。
【図6】本発明の実施例の洗浄装置の他の内部構成例を示す図である。
【図7】本実施例の洗浄装置が備える洗浄槽を上から見た時の構成の詳細例を示す図である。
【図8】本実施例の洗浄装置が備える洗浄槽を側面から見た時の構成の詳細例を示す図である。
【図9】本実施形態の洗浄処理例を説明する図である。
【図10】本実施形態の洗浄処理例を説明する図である。
【図11】本実施形態の洗浄処理例を説明する図である。
【図12】従来の洗浄技術の概要を説明する図である。
【図13】洗浄後の被洗浄物への異物の付着を説明する図である。
【符号の説明】
【0057】
1 被洗浄物
2 洗浄槽
3 流体回収手段
4 循環手段
5 乾燥手段
11 洗浄エリア
21 超音波発生手段
22 流体噴出手段
200、203 供給口
201、202、204 排出口
220 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄槽内に被洗浄物を設置し、洗浄流体を用いて被洗浄物表面の異物を除去する洗浄装置であって、前記洗浄槽内に、
洗浄流体に超音波を印加する超音波発生手段と、
被洗浄物の洗浄するべき部位である洗浄エリアと対応する位置に開口部を持つ流体噴出手段とを備え、
前記超音波発生手段により超音波を印加された前記洗浄流体が、前記流体噴出手段が持つ開口部を経て、前記被洗浄物の洗浄エリアに噴出する
ことを特徴とする洗浄装置。
【請求項2】
請求項1に記載の洗浄装置において、
前記超音波発生手段と前記流体噴出手段との間の空間に、前記洗浄流体を前記流体噴出手段の底面と異なる面に衝突させながら供給する構造を有する
ことを特徴とする洗浄装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の洗浄装置が、更に、
前記超音波発生手段と前記流体噴出手段との間の距離を調整する手段と、
前記流体噴出手段と前記洗浄エリアとの間の距離を調整する手段とを備える
ことを特徴とする洗浄装置。
【請求項4】
請求項1、2、又は請求項3に記載の洗浄装置が、更に、
乾燥流体を前記洗浄槽内に循環させ、該乾燥流体を前記流体噴出手段が持つ開口部を通じて噴射又は吸引して、前記被洗浄物の洗浄エリアに付着している洗浄流体を乾燥させる乾燥手段を備える
ことを特徴とする洗浄装置。
【請求項5】
洗浄流体を用いて被洗浄物表面の異物を除去する洗浄装置に設けられる洗浄槽であって、
被洗浄物を設置する設置手段と、
洗浄流体に超音波を印加する超音波発生手段と、
前記設置された被洗浄物の洗浄するべき部位である洗浄エリアと対応する位置に開口部を持つ流体噴出手段とを備え、
前記超音波発生手段により超音波を印加された前記洗浄流体が、前記流体噴出手段が持つ開口部を経て、前記被洗浄物の洗浄エリアに噴出する
ことを特徴とする洗浄槽。
【請求項6】
請求項5に記載の洗浄槽において、
前記超音波発生手段と前記流体噴出手段との間の空間に、前記洗浄流体を前記流体噴出手段の底面と異なる面に衝突させながら供給する構造を有する
ことを特徴とする洗浄槽。
【請求項7】
請求項5又は請求項6に記載の洗浄槽において、
前記超音波発生手段と前記流体噴出手段との間の距離を調整する手段と、
前記流体噴出手段と前記洗浄エリアとの間の距離を調整する手段とを備える
ことを特徴とする洗浄槽。
【請求項8】
請求項5、6、又は請求項7に記載の洗浄槽において、
乾燥流体を前記洗浄槽内に循環させる乾燥手段から供給された乾燥流体を前記流体噴出手段が持つ開口部を通じて噴射又は吸引して、前記被洗浄物の洗浄エリアに付着している洗浄流体を乾燥させる
ことを特徴とする洗浄槽。
【請求項9】
洗浄槽内に被洗浄物を設置し、洗浄流体を用いて被洗浄物表面の異物を除去する洗浄装置における洗浄方法であって、
前記洗浄槽が備える超音波発生手段が、前記洗浄流体に超音波を印加し、
前記洗浄槽が備える流体噴出手段が、前記被洗浄物の洗浄するべき部位である洗浄エリアと対応する位置に設けられた開口部から、前記超音波が印加された洗浄流体を該被洗浄物の洗浄エリアに噴出する
ことを特徴とする洗浄方法。
【請求項10】
物品を製造する製造方法であって、
洗浄槽内に前記物品を設置し、洗浄流体を用いて被洗浄物表面の異物を除去する洗浄工程を有し、
前記洗浄工程は、
前記洗浄槽が備える超音波発生手段が、前記洗浄流体に超音波を印加する工程と、
前記洗浄槽が備える流体噴出手段が、前記被洗浄物の洗浄するべき部位である洗浄エリアと対応する位置に設けられた開口部から、前記超音波が印加された洗浄流体を該被洗浄物の洗浄エリアに噴出する工程とを有する
ことを特徴とする物品の製造方法。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2009−213996(P2009−213996A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−59071(P2008−59071)
【出願日】平成20年3月10日(2008.3.10)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【出願人】(000237570)富士通オートメーション株式会社 (10)
【Fターム(参考)】