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洗浄装置および水質計
説明

洗浄装置および水質計

【課題】洗浄対象に液体の微小な滴を打ち当てるようにし、洗浄対象の汚濁物質の引き剥がし力を増加させて洗浄力の向上を図る洗浄装置、および、このような洗浄装置を搭載して長期間の連続測定を実現する水質計を提供する。
【解決手段】供給される圧縮エアを噴射する気体噴射部31と、一端から被検液が供給され他端の開口部まで被検液が通流するノズル32と、を有し、ノズル32の開口部が気体噴射部31の噴射流路と連通し、圧縮エアの噴射とともにアスピレータとしての作用によりノズル32の開口部から被検液を吸引して滴状とし、圧縮エアに滴を含めた圧縮流体を洗浄対象に噴射する流体噴射部3を備える洗浄装置1とした。またこのような洗浄装置を搭載する水質計とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検液中の洗浄対象を洗浄する洗浄装置、および、この洗浄装置を搭載した水質計に関する。
【背景技術】
【0002】
被検液中で洗浄される洗浄対象の一例として、例えば、工業用水や河川水などの被検液に浸漬され、この被検液の性状を検出する検出部が挙げられる。被検液中の検出部は、時間経過につれて被検液中に含まれる汚濁物質(例えば、被測定対象が河川・湖沼・下水・排水の被検液ならば微生物など)が付着し、検出能力が劣化してくる。そこで、このような検出部を一定期間経過毎に洗浄して、検出能力を維持する保守作業が必要となってくる。このような検出部の洗浄では特にデータの欠測を回避する必要があるため、検出部を引き上げることなく被検液中に浸漬したまま洗浄を行う。
【0003】
このように被検液中の検出部を洗浄する従来技術として、例えば、特許文献1,2,3が開示されている。
特許文献1に記載された従来技術は、測定セルを洗浄する洗浄ノズルを測定セルの周囲に配置し、ノズル噴射液を加圧気体とともに洗浄ノズルから測定セルに噴射して洗浄するというものである。
特許文献2に記載された従来技術は、センサーによる測定時以外では加圧空気の導入や加圧洗浄水の導入によって測定セル内から被測定水を排除し、センサーの検出部が被測定水に触れる機会を少なくすることでセンサーの汚れを少なくし、長時間の継続的な測定を可能とするものである。
特許文献3に記載された従来技術は、プローブ内に洗浄用流体(例えば水)が、プローブヘッドのスリットを勢いよく通過し、その状態で光学窓のそれぞれに勢いよく噴射され、これによって各光学窓が洗浄される、というものである。
【0004】
また、一般的に検出部を洗浄する従来技術は、例えば薬液洗浄、エア洗浄、超音波洗浄、水ジェット洗浄、拭取洗浄などがあった。
薬液洗浄は、検出部に対して近傍に設けたノズルから薬液を噴射して検出部の汚れを除去する方式である。
エア洗浄は、検出部に対して近傍に設けたノズルから圧縮エアを噴射して検出部の汚れを除去する方式である。さらにこのエア洗浄は継続して圧縮エアを吹き付ける単純吹き付け方式と、高圧の圧縮エアの供給・停止を繰り返してパルス状に吹き付けるパルスジェット方式と、に分類される。
【0005】
超音波洗浄は、検出部に対して超音波を照射して検出部の汚れを除去する方式である。
水ジェット洗浄は、検出部に対して近傍に設けたノズルから水をジェット噴射して検出部の汚れを除去する方式である。
拭取洗浄は、例えばワイパー機構などを用いて検出部の汚れを直接接触除去する方式である。
【0006】
【特許文献1】実開昭63−159753号公報(第1図)
【特許文献2】特開平7−167853号公報(段落番号0019,0023,図1)
【特許文献3】特開2000−206106号公報(段落番号0025,図1,図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
薬液洗浄の洗浄効果は高いが、水質検出を行う検出部に対して薬液を使うことには制約があるため全ての現場に薬液洗浄を導入できない。そこで薬液洗浄に代わる効果的な洗浄方法が検討されてきた。上記のように洗浄方式が多種ある理由は汚染状況に応じて洗浄効果の得られるものを取捨選択してきた結果である。
【0008】
このうち被検液の性状に与える影響が低く、かつ洗浄力が高い方式としてエアー洗浄が考えられる。このエアー洗浄方式では検出器に付着した汚れを圧縮気体の噴射力により力学的に除去するものであるが、単純吹き付け方式では空気圧の増加に上限があって噴射力の増加に限界があり、強力な引き剥がし力を得ることが困難で洗浄力の向上に限界があった。
また、パルスジェット式はこの点を改良し、一瞬ではあるが強力な引き剥がし力を発生させることができるため、洗浄力を増加させている。しかし、強力な引き剥がし力は一瞬しか発生しないため、持続的にこの力を与え続けることが原理的に困難で洗浄力の向上に限界があった。
【0009】
また、洗浄対象となる検出部に汚濁物質が強固に付着して洗浄不能になったとき、検出部を引き上げて接触洗浄により洗浄することとなり、洗浄を行っている期間ではデータの欠測が発生するという問題があった。欠測を生じさせないように洗浄力をより向上させたいという要請があった。
【0010】
そこで、本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、洗浄対象に液体の微小な滴を打ち当てるようにし、洗浄対象の汚濁物質の引き剥がし力を増加させて洗浄力の向上を図る洗浄装置、および、このような洗浄装置を搭載して長期間の連続測定を実現する水質計を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る洗浄装置は、
被検液に接液する洗浄対象に付着した汚濁物質を除去する洗浄装置であって、
供給される圧縮気体を噴射する気体噴射部と、一端から液体が供給され他端の開口部まで液体が通流するノズルと、を有し、ノズルの開口部が気体噴射部の噴射流路と連通し、圧縮気体の噴射とともにノズルの開口部から液体を吸引して滴状とし、滴を含む圧縮流体を洗浄対象に噴射する流体噴射部を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項2に係る洗浄装置は、
請求項1に記載の洗浄装置において、
前記ノズルは、一端の開口部から被検液を流入させ、被検液による滴を含む圧縮流体を噴射することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項3に係る洗浄装置は、
請求項1に記載の洗浄装置において、
前記ノズルは、一端から水または洗浄液が供給され、水または洗浄液による滴を含む圧縮流体を噴射することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項4に係る洗浄装置は、
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の洗浄装置において、
前記気体噴射部は噴射流路内で前記ノズルを同軸に配置して形成した環状流路であり、かつ前記ノズルの開口部は噴射流路の開口部の中側の近傍に配置されて噴射流路と連通するものであり、前記流体噴射部は、環状流路から圧縮気体が噴射されるとともに中央のノズルの開口部から液体を吸引して滴状とし、滴を含む圧縮流体を噴射することを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項5に係る水質計は、
被検液と接液し、被検液の性状についての検出信号を取得する洗浄対象としての検出部と、
検出部を洗浄する請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の洗浄装置と、
を備えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の請求項6に係る水質計は、
請求項5に記載の水質計において、
前記検出部は、
発光ユニットに接続されて被検液に光を照射する発光部と、
受光ユニットに接続されて被検液を通過した発光部からの光を受光する受光部と、
を備え、
前記洗浄装置が、発光部および受光部をそれぞれ洗浄することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
以上の本発明によれば、洗浄対象に液体の微小な滴を打ち当てるようにし、洗浄対象の汚濁物質の引き剥がし力を増加させて洗浄力の向上を図る洗浄装置、および、このような洗浄装置を搭載して長期間の連続測定を実現する水質計を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
続いて、本発明を実施するための最良の形態の洗浄装置および水質計について、図を参照しつつ一括して説明する。図1は本形態の水質計の構成図、図2はセンサ部の構成図、図3は洗浄装置の構成図である。図1〜図3において図の複雑化を避けるためねじ等の締結部の図示を省略している。水質計1000は、水質の検査が必要な海(内湾・沿岸等)、湖沼、ダム水、河川などの被検液中で使用されるものである。このような水質計1000の構成は、大別してセンサ部10、ブッシング11、封止部12、蓋部13、導入ベース部14、端子部15、コード16、基板17、継手18、継手19、エアチューブ20、継手21、受光ユニット収容ケース22、発光ユニット収容ケース23、電源部24、コード25、蓋部26を備えている。
【0019】
続いて、水質計1000の構成について概略説明する。
センサ部10は、被検液に紫外線を照射し、この紫外線の吸光度から、水中の有機汚濁物質の濃度を測定する。このセンサ部10は、詳しくは、図2で示すように、センサベース部100、検出空間101、発光部側ロッドレンズ102、光源ランプ103、ソケット104、ランプベース105、受光部側ロッドレンズ106、光学ベース107、ハーフミラー108、第1受光部109、第2受光部110、接続コード111、シール112、洗浄装置1を備えている。
【0020】
センサベース部100は各部が取付けられるように孔等が形成されたベースである。
検出空間101は、被検液が導入されるようにセンサベース部100内に窪んだ空間として形成されている。なお図ではセンサベース部100に切り欠きを設けたものであるが、機械的強度を高めるため、検出空間101の側面をセンサベース部100の上下を結ぶ図示しない側壁や側柱で補強するように形成しても良い。
【0021】
発光部側ロッドレンズ102は、発光ユニット(後述)に接続されて被検液に紫外線による光を照射する発光部であり、センサベース部100の孔に埋め込まれて配置されている。
光源ランプ103は、その照射部の光軸と発光部側ロッドレンズ102の光軸とを一致させて光学的に接続されており、光源ランプ103からの光が発光部側ロッドレンズ102を介して被検液に照射される。
【0022】
ソケット104は、光源ランプ103との電気的な接続を行う。
ランプベース105は、これら光源ランプ103とソケット104とを一体に固定する。また、センサベース部100に嵌め込むときに光源ランプ103とソケット104との位置決めを容易にする。
【0023】
受光部側ロッドレンズ106は、受光ユニット(後述)に接続されて被検液を通過した発光部側ロッドレンズ102(発光部)からの光を受光する受光部であり、センサベース部100の孔に埋め込まれて配置されている。発光部側ロッドレンズ102と受光部側ロッドレンズ106とは光軸を一致させた状態で対向している。
光学ベース107は、光路107aが形成されており、その光路107a上でハーフミラー108、第1受光部109、第2受光部110を位置決めしつつ、保持する。
ハーフミラー108は、受光部側ロッドレンズ106を介して入射する光を図2で示すように上側と左側とに分光する。光は第1受光部109と第2受光部110とへ入射する。
【0024】
第1受光部109は、光学ベース107に固定されて左側に配置されており、ハーフミラー108で左側に反射した光を受光し、光強度に比例した検出信号を出力する。第1受光部109は基板17に電気的に接続されており、検出信号は基板17に搭載された信号処理部へ出力される。
【0025】
第2受光部110は、光学ベース107に固定されて上側に配置されており、ハーフミラー108で上側に透過した光を受光し、光強度に比例した検出信号を出力する。第2受光部110は接続コード111を介して基板17に電気的に接続されており、検出信号は基板17に搭載された信号処理部へ出力される。
【0026】
シール112は、センサベース部100の外周に配置される例えばOリングであり、センサベース部100と受光ユニット収容ケース22とを封止する。同様に、センサベース部100と発光ユニット収容ケース23とを封止する。これにより被検液が内部に流入する事態を防止する。
洗浄装置1は、本形態ではセンサ部10に一体に形成されている。この洗浄装置1の詳細については後述する。センサ部10はこのようなものである。
【0027】
図1で示す水質計1000に戻るが、ブッシング11は、封止部12の信号ケーブル(図示せず)が導入する箇所に配置されて信号ケーブルが過度に折れ曲がらないよう機械的に補強し、川や海のような流れを伴う被検液でも水質計1000を使用できるようにする。
封止部12は、蓋部13における図示しない信号ケーブルと端子部15との接続箇所に配置され、信号ケーブルと端子部15との接続箇所に被検液が侵入しないように配慮している。
【0028】
蓋部13は、端子部15および継手18を突出させるための二個の孔が形成された円板であり、導入ベース部14の上側に固定される。端子部15および継手18は蓋部13の孔で外界から封止される。
導入ベース部14は、端子部15および継手18を保持する回転体であり、受光ユニット収容ケース22の上側の開口部に固定される。端子部15を介して信号を、また、継手18を介して圧縮気体の具体例である圧縮エアを導入する。
端子部15は信号ケーブルと電気的に接続されており、導入ベース部14に固定されている。
【0029】
コード16は端子部15と電気的に接続されている。
基板17はコード16と電気的に接続されている。基板17には図示しない信号処理回路が搭載されており、図2で示す基板17に搭載される第1受光部109、また、接続コード111を介して接続される第2受光部110がそれぞれ信号処理回路と接続されており、第1受光部109および第2受光部110での検出信号を増幅等信号処理してコード16、端子部15、信号ケーブルを介して図示しない本体装置へ送信する。この本体装置は検出信号を受信し、各種分析処理を行う。
【0030】
継手18は、図示しないエア供給ホースと流路が接続されており、導入ベース部14に固定されている。
継手19は、継手18と流路が接続されており、継手18の反対側で導入ベース部14に固定されている。
エアチューブ20は、継手19と流路が接続されている。
【0031】
継手21は、エアチューブ20と流路が接続されており、センサ部10のセンサベース部100に固定されている。そして図2,図3で示すようにセンサベース部100のエア流路2と連通している。このように図示しないエア供給ホース、継手18、継手19、エアチューブ20、継手21を介してエア流路2に圧縮エアが供給される。なお、これら継手18,19,21はいわゆるワンタッチジョイント・クイック継手であり、エア供給ホース、エアチューブ20を簡単に接続できる。
【0032】
受光ユニット収容ケース22は、筒体であり、上側の開口部に蓋部13および導入ベース部14が、また、下側の開口部にセンサ部10が配置固定される。この受光ユニット収容ケース22に収容される受光部側ロッドレンズ106、光学ベース107、ハーフミラー108、第1受光部109、第2受光部110、接続コード111、基板17等により受光ユニットが構成される。
発光ユニット収容ケース23は、筒体であり、上側の開口部にセンサ部10が配置固定される。この発光ユニット収容ケース23に収容される発光部側ロッドレンズ102、光源ランプ103、ソケット104、ランプベース105、電源部24、コード25等により発光ユニットが構成される。
電源部24は、発光ユニット収容ケース23内に収納される。
コード25は、一方が電源部24に他方がソケット104に電気的に接続される。電源部24から発光に充分な電力がソケット104を介して光源ランプ103へ供給される。
蓋部26は、段付の円板であり、発光ユニット収容ケース23の下側の開口部に固定される。
【0033】
続いて本発明の洗浄装置1について説明する。
洗浄装置1は、詳しくは、図2,図3で示すように、エア流路2、流体噴射部3を備えている。そして詳しくは、図3で示すように、流体噴射部3は、気体噴射部31、ノズル32を備える。このノズル32は、さらに噴射部321、噴射路322、吸引部323、流入路324、シール325を備える。なお、図3では発光部側ロッドレンズ102側にのみ符号を付しているが、受光部側ロッドレンズ106側も同じ構成であり、重複する符号を省略している。
【0034】
エア流路2は、センサベース部100に穿設された流路であり、図中で上下方向に伸びる基幹流路である。また、この基幹流路と連通するとともに、接液部である発光部側ロッドレンズ102の発光面および受光部側ロッドレンズ106の受光面に向いた噴射流路が形成されている。
気体噴射部31は、詳しくは環状流路である。この環状流路は、噴射流路内にノズル32の噴射部321が中心軸を同じくして同軸に配置されるため環状の流路が形成されたものである。
噴射部321は開口部が小径の筒体であり、噴射路322が形成されている。
吸引部323は開口部が大径の筒体であり、流入路324が形成されている。
【0035】
これら噴射部321と吸引部323とは連結され、吸引部323の流入路324の開口面積を大きく、噴射部321の噴射路322の開口面積を狭くしている。ノズル32の吸引部323とセンサベース部100との間にはシール325を配設し、流入路324以外からエア流路2へ被検液が侵入しないようにしている。
【0036】
続いて、洗浄装置1の使用方法について説明する。
図示しないエア給気装置を稼働させて、図示しないエア供給ホース、継手18、継手19、エアチューブ20、継手21を介してエア流路2に圧縮エアが供給される。この圧縮エアの供給は一定の圧力で継続的に供給される。すると、流体噴射部3の気体噴射部(環状流路)31から圧縮エアが連続して噴射される。図3では図を見やすくするため、気体噴射部(環状流路)31の開口部を広く図示しているが、実際は充分に狭くすることで噴射速度を大きくしている。この場合、充分な量の圧縮エアを送ることで、発光部側ロッドレンズ102の発光面および受光部側ロッドレンズ106の受光面は圧縮エアのエア噴射領域4(図3中の実線領域)で覆われた状態となっている。なお、実際はエア噴射領域4はこのような直線状になるわけではないが、説明上このような領域になるものとして説明する。エア噴射領域4では大きな気泡が占めたり、気泡が移動したりする事態がランダムに起きるような領域である。これらの発光面および受光面は被検液の接液部であり、洗浄対象となるが、気泡に覆われたり、気泡の境界面と接触することとなる。このように圧縮エアを被検液中で急激に膨張させて気泡を含んだ高速な水流を発生させ、この水流の勢いと、発光面および受光面に付着した汚濁物質に被検液(液相)と気泡(気相)との境界部が無秩序に接触する際に、汚濁物質に振動が引き起こされることとの相乗作用によって、効率的に汚濁物質が剥離除去される。
【0037】
さらに流体噴射部3では、噴射流路の開口部の中側であってこの開口部の近傍にノズル32の噴射部321の開口部が配置されており、気体噴射部(環状流路)31から圧縮エアが噴射されるとアスピレータの原理により噴射路322の出口側開口部付近は低圧部5が形成されて被検液が吸引されるというものであり、大きな気泡で覆われたエア噴射領域4となったときその中央において小さい滴が噴射されている滴噴射領域6(図3中の点線領域)が形成される。この滴噴射領域6では細かい滴が発光面および受光面に打ち当てられる。滴は先の気泡等より重く引き剥がし力が大きくなっており、発光面および受光面に付着する汚濁物質を引き剥がしていく。
【0038】
このように吹き付ける圧縮エアの勢いを利用して、アスピレータとしての作用を生じさせることで他の流体(本形態では被検液)を混入させ、圧縮エアと滴とを含む圧縮流体を噴射する。この圧縮流体のうち圧縮エアは大きな気泡となってエア噴射領域4を形成し、同時に飛び出す被検液は細かい滴になって滴噴射領域6を形成して洗浄対象に衝突するので、換言すれば洗浄対象に水の礫が当たり続ける状況となる。このため、従来技術のように空気のような軟質素材が吹き付けられるだけの状態と比較しても引き剥がし力が強力になっており、洗浄力を高めることができる。
さらに滴が当たるときには圧縮エアも噴射している状態であり、剥がれ落ちそうな汚濁物質に対して圧縮エアの噴射力で汚濁物質を吹き飛ばすという作用もある。
【0039】
これらのようにエア噴射領域4および滴噴射領域6により形成される圧縮流体噴射領域では、(1)被検液(液相)と気泡(気相)との境界部が洗浄対象と無秩序に接触して生じる引き剥がし力、(2)滴が洗浄対象に打ち当てられて生じる引き剥がし力、(3)圧縮エアの噴射力による引き剥がし力、がランダムに生じて洗浄対象から汚濁物質が除去されることとなり、洗浄能力を高めている。
【0040】
また、本形態では被検液の接液部である発光部側ロッドレンズ102および受光部側ロッドレンズ106の受光面は先端が曲面凸形状を形成しており、これにより、汚濁物質が付着しても剥がれ易くなるようになっている。
そのため、この曲面凸形状と本発明による圧縮エアおよび滴による引き剥がし効果との相乗効果により、さらに洗浄力の向上を実現することができる。
【0041】
以上本形態について説明した。なお、このような洗浄では、一定期間にわたり連続して圧縮エアと滴とを吹き付ける洗浄方式として説明したが、交互に吹き付けと休止を繰り返すパルスジェット方式を採用することも可能である。また、圧縮エアの圧力を変えて大きな気泡と小さな気泡を当てることで汚濁物質に接触する気泡の量や大きさを変化させて引き剥がし力に強弱を加えて汚濁物質を剥離除去するようにしても良い。
【0042】
また、流入路324は被検液を吸引するものとして説明したが、被検液の吸引に代えて、流入路324に図示しないチューブの一端を接続し、陸上・船上に設置されるタンクをチューブの他端に接続し、このタンクから純水や洗浄液を供給して純水や洗浄液による滴噴射を行ってもよい。このような場合引き剥がし力の強化に加えて、純水や洗浄液のすすぎにより付着物が除去され、洗浄力をさらに高めることができる。
【0043】
また、本形態では洗浄対象として発光部側ロッドレンズ102の発光面および受光部側ロッドレンズ106の受光面という接液部について説明した。しかしながら、洗浄対象を限定する主旨ではなく、水質を検出するための各種検出部の接液部を洗浄対象として良い。
また、本形態では圧縮気体として、空気を圧縮した圧縮エアを例に挙げて説明を行ったが、被検液の性状に影響を与えない他の流体を採用しても良い。圧縮気体は適宜選択される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明を実施するための最良の形態の水質計の構成図である。
【図2】センサ部の構成図である。
【図3】洗浄装置の構成図である。
【符号の説明】
【0045】
1000:水質計
10:センサ部
100:センサベース部
101:検出空間
102:発光部側ロッドレンズ
103:光源ランプ
104:ソケット
105:ランプベース
106:受光部側ロッドレンズ
107:光学ベース
107a:光路
108:ハーフミラー
109:第1受光部
110:第2受光部
111:接続コード
112:シール
11:ブッシング
12:封止部
13:蓋部
14:導入ベース部
15:端子部
16:コード
17:基板
18:継手
19:継手
20:エアチューブ
21:継手
22:受光ユニット収容ケース
23:発光ユニット収容ケース
24:電源部
25:コード
26:蓋部
1:洗浄装置
2:エア流路
3:流体噴射部
31:気体噴射部(環状流路)
32:ノズル
321:噴射部
322:噴射路
323:吸引部
324:流入路
325:シール
4:エア噴射領域
5:低圧部
6:滴噴射領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検液に接液する洗浄対象に付着した汚濁物質を除去する洗浄装置であって、
供給される圧縮気体を噴射する気体噴射部と、一端から液体が供給され他端の開口部まで液体が通流するノズルと、を有し、ノズルの開口部が気体噴射部の噴射流路と連通し、圧縮気体の噴射とともにノズルの開口部から液体を吸引して滴状とし、滴を含む圧縮流体を洗浄対象に噴射する流体噴射部を備えることを特徴とする洗浄装置。
【請求項2】
請求項1に記載の洗浄装置において、
前記ノズルは、一端の開口部から被検液を流入させ、被検液による滴を含む圧縮流体を噴射することを特徴とする洗浄装置。
【請求項3】
請求項1に記載の洗浄装置において、
前記ノズルは、一端から水または洗浄液が供給され、水または洗浄液による滴を含む圧縮流体を噴射することを特徴とする洗浄装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の洗浄装置において、
前記気体噴射部は噴射流路内で前記ノズルを同軸に配置して形成した環状流路であり、かつ前記ノズルの開口部は噴射流路の開口部の中側の近傍に配置されて噴射流路と連通するものであり、前記流体噴射部は、環状流路から圧縮気体が噴射されるとともに中央のノズルの開口部から液体を吸引して滴状とし、滴を含む圧縮流体を噴射することを特徴とする洗浄装置。
【請求項5】
被検液と接液し、被検液の性状についての検出信号を取得する洗浄対象としての検出部と、
検出部を洗浄する請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の洗浄装置と、
を備えることを特徴とする水質計。
【請求項6】
請求項5に記載の水質計において、
前記検出部は、
発光ユニットに接続されて被検液に光を照射する発光部と、
受光ユニットに接続されて被検液を通過した発光部からの光を受光する受光部と、
を備え、
前記洗浄装置が、発光部および受光部をそれぞれ洗浄することを特徴とする水質計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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