説明

洗浄装置及び洗浄方法

【課題】高圧で洗浄を行なう必要がなく、異物が混入しても詰まるようなことなく、気泡の発生を防止して高い洗浄効果で洗浄を行なうことができる洗浄装置を提供する。
【解決手段】液体を圧送する加圧部1。液体に気体を注入する気体注入部2。気体を注入された液体が加圧部1で圧送されることによる加圧で液体に気体を溶解させる加圧溶解部3。加圧溶解部3で気体を溶解させた気体溶解液の圧力を、気体溶解液の流入側から流出側に向かって順次大気圧まで減圧する減圧部4(流路長さの調整で気体溶解液の圧力を大気圧にまで減圧するように形成された流路6で構成)。減圧部4で減圧された気体溶解液を吐出する吐出部12。これらを備え、加圧部1、気体注入部2、加圧溶解部3の各部を連続的に運転させて、減圧部4に気体溶解液を乱流状態で連続的に供給し、吐出部12から気泡の発生のない気体溶解液を連続的に吐出させるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械加工での部品洗浄、外壁や車の洗浄、浴槽や便器等住宅分野での洗浄、食品や衣服の洗浄など、洗浄一般に用いられる洗浄装置及び洗浄方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
洗浄装置として、水などの液体と空気などの気体とを混合して被洗浄物に噴射させるようにしたものが従来から種々提供されている。
【0003】
例えば特許文献1には、液体と圧縮気体とをノズルに供給し、圧縮気体の流れで液体を吸い込むと共に液体を分散させた液滴を形成し、この液滴をノズルの先端の噴射口から被洗浄物に噴射させることによって、洗浄を行なうようにした洗浄装置が提案されている。
【0004】
また特許文献2には、高圧の液体と高圧の気体をノズルに供給し、この高圧の気体と液体を混合して形成した液体ミストをノズルの先端の噴出口から被洗浄物に噴射させることによって、洗浄を行なうようにした洗浄装置が提案されている。
【0005】
しかし、上記の特許文献1,2のものはいずれも、液体と気体の混合液を高圧で被洗浄物に噴射して洗浄を行なうものであり、被洗浄物には高圧が作用することになる。従って、被洗浄物の種類によっては表面に傷が付くことがあり、洗浄の対象物が限定されるという問題があった。また高圧で作動させるために、動力費が高くなってランニングコストが高額になるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明者等は、水などの液体に気体を加圧して溶解することによって、高濃度に気体を溶解させた気体溶解液を調製し、この気体溶解液を洗浄液として使用することを検討している。このような高濃度で気体が溶解した気体溶解液を被洗浄物に吐出すると、被洗浄物の表面において気体溶解液から溶解気体が析出するキャビテーションによって、汚れ物質を被洗浄物から剥離して除去することができるものであり、洗浄液を高圧で被洗浄物に噴射するような必要なく、高い洗浄効果で洗浄を行なうことができるものである。
【0007】
しかしこのように加圧して気体を高濃度で溶解させた気体溶解液を吐出する際に、圧力の急激な低下で液体中に気泡が発生し、気体溶解量が減少して洗浄効果が低下するという問題がある。このような問題に対して、気体を高濃度で溶解させた気体溶解液を、液体中に気泡が発生しない状態で吐出することができるようにした技術も提案されている。
【0008】
例えば特許文献3では、水などの溶媒にオゾンを混合して加圧することによって溶解させた後、オゾン溶解液を細路に層流状態で通して減圧することによって、オゾンの気泡が発生しない状態でオゾン溶解液を吐出させるようにしている。しかし特許文献3においてこの細路は、直径0.5mm程度の細管の集合体からなるものであり、洗浄液の種類や、異物の混入によって、細路の詰まりで清掃等のメンテナンスの手間がかかるという問題があった。
【0009】
また特許文献4では、水中に処理ガスを溶存させたガス富化流体を、複数の流体通路を有するノズルを通して減圧することによって、気泡が発生しない状態でガス富化流体を吐出させるようにしている。しかし特許文献4において流体通路は、内径約150乃至450μmの毛細管などからなるものであり、上記と同様に流体通路に詰りが発生し易いという問題があった。
【0010】
また特許文献5は、液体を圧縮してキャビテーション核を除去した後に、液体とガスを圧縮してガス過飽和液体を形成し、ガス過飽和液体を送出系統を通して噴射させるようにしたものであり、キャビテーション核を除去しておくことによって、気泡が発生しない状態でガス過飽和液体を送出系統を通して噴射できるようにしたものである。しかし特許文献5では、このように液体を圧縮してキャビテーション核を除去するために、小さな毛管流路を使用するようにしており、上記と同様に毛管流路に詰りが発生し易いという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2005−327833号公報
【特許文献2】特開2006−187707号公報
【特許文献3】特開2000−334283号公報
【特許文献4】特表2004−505752号公報
【特許文献5】特表平10−507400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、高圧で洗浄を行なう必要がなく、洗浄の対象物が限定されるようなことがないと共にランニングコストが安価になり、さらに異物が混入等しても詰まるようなことなく気体溶解液の減圧を行なうことができ、気泡の発生を防止して高い洗浄効果で洗浄を行なうことができる洗浄装置及び洗浄方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の請求項1に係る洗浄装置は、液体を圧送する加圧部1と、液体に気体を注入する気体注入部2と、気体を注入された液体が加圧部1で圧送されることによる加圧で液体に気体を溶解させる加圧溶解部3と、加圧溶解部3で気体を溶解させた気体溶解液の圧力を、気体溶解液の流入側から流出側に向かって順次大気圧まで減圧する減圧部4と、減圧部4で減圧された気体溶解液を吐出する吐出部12と、を備え、減圧部4を、流路長さの調整で気体溶解液の圧力を大気圧にまで減圧するように形成された、加圧溶解部3から気体溶解液を送り出す流路6で構成し、加圧部1、気体注入部2、加圧溶解部3の各部を連続的に運転させて、減圧部4に気体溶解液を乱流状態で連続的に供給し、吐出部12から気泡の発生のない気体溶解液を連続的に吐出させるようにして成ることを特徴とするものである。
【0014】
この発明によれば、液体に気体を加圧溶解させると共に、液中に気泡を発生させず高濃度に気体が溶解した気体溶解液を、吐出部12から洗浄液として被洗浄物に吐出することによって、被洗浄物の表面において気体溶解液から溶解気体が析出するキャビテーションで、汚れ物質を被洗浄物から剥離して除去することができるものであり、洗浄液を高圧で被洗浄物に噴射するような必要なく、高い洗浄効果で洗浄を行なうことができるものである。また気体を溶解した気体溶解液を減圧部4で減圧した後に吐出するため、吐出の際に気体溶解液に気泡が発生することを防止して、高い洗浄効果で洗浄を行なうことができるものである。そしてこの減圧部4は気体溶解液の圧力を流入側から流出側に向かって順次大気圧まで減圧するものであるため、細い流路などで形成する必要なく比較的太い流路などで形成することができるものであり、異物等が混入しても詰まるようなことなく気体溶解液の減圧を行なうことができるものである。さらにこのような減圧部4を設けることによって、減圧部4を流れる気体溶解液のレイノルズ数が臨界レイノルズ数(Re=2320)より大きなレイノルズ数である乱流状態でも対応することが可能になるものである。
【0015】
また請求項2の発明は、請求項1において、加圧溶解部3で液体に溶解しない余剰気体を排出する余剰気体排出部5を備えて成ることを特徴とするものである。
【0016】
この発明によれば、気体の溶解飽和量以上の溶解できない余剰気体を加圧溶解部3から排出することによって、加圧溶解部3内の気体と液体の比率が余剰気体の残留で変わるようなことがなく安定させて圧力変動を防ぐことができ、気体の溶解効率を高く維持することができるものである。
【0017】
また請求項3の発明は、請求項1又は2において、減圧部4を構成する上記流路6が、さらに流路断面積の調整で気体溶解液の圧力を大気圧にまで減圧するように形成されていることを特徴とするものである。
【0018】
この発明によれば、加圧溶解部3から気体溶解液を送り出す流路6の流路断面積と流路長によって、気体溶解液の圧力を下げることができ、装置の構造を簡単なものに形成することができるものである。
【0019】
また請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、減圧部4は、一つの流路で形成されていることを特徴とするものである。
【0020】
この発明によれば、複数の流路を設けて減圧部4を形成する場合のような、装置構成が複雑になることがないものである。
【0021】
また請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、加圧溶解部3から気体溶解液を送り出す流路6の圧力損失とこの流路6に付加した延長流路8の圧力損失の和が、加圧部1で圧送される液体と気体の押し込み圧によって加圧溶解部3内で液体と気体を加圧するのに必要な圧力となるように、流路6に延長流路8を付加して成ることを特徴とするものある。
【0022】
この発明によれば、流路6に延長流路8を付加することによって、絞り弁を用いる必要なく、加圧部1からの押し込み圧で加圧溶解部3内の圧力を確保することができ、この圧力で液体に気体を溶解させることができるものである。
【0023】
また請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかにおいて、気体注入部2に余剰気体排出部5を連結部10で連結して成ることを特徴とするものである。
【0024】
この発明によれば、加圧溶解部3で液体に溶解しない余剰気体を気体注入部2で再度液体に混合することができ、余剰気体を大気に放出して捨てる必要がなくなるものである。
【0025】
また請求項7の発明は、加圧部1を、気体注入部2に水を圧送する水道配管11で形成して成ることを特徴とするものである。
【0026】
この発明によれば、所定の圧力で水道水が供給される水道配管11を利用して気体注入部2に水を圧送することができ、気体注入部2に水を圧送するための動力が不要になるものである。
【0027】
また請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれかにおいて、加圧溶解部3から気体溶解液を送り出す流路6に、気体溶解液中の気体を微細気泡として発生させるための微細気泡抽出流路9を設けて成ることを特徴とするものである。
【0028】
この発明によれば、気体溶解液を洗浄に利用することができると共に微細気泡を発生させて利用することができるものである。
【0029】
本発明の請求項9に係る洗浄方法は、液体を圧送し、圧送された液体に気体を注入し、気体を注入された液体が圧送されることによる加圧で液体に気体を溶解し、気体が溶解された液体を流路長さの調整でその圧力を大気圧にまで減圧するように形成された流路6に乱流状態で送りながら順次大気圧まで減圧することにより、気泡の発生のない気体溶解液を連続的に生成し、生成した気体溶解液を被洗浄物27に吐出することを特徴とするものである。
【0030】
この発明によれば、液体に気体を加圧溶解させると共に、液中に気泡を発生させず高濃度に気体が溶解した気体溶解液を、洗浄液として被洗浄物に吐出することによって、被洗浄物の表面において気体溶解液から溶解気体が析出するキャビテーションで、汚れ物質を被洗浄物から剥離して除去することができるものであり、洗浄液を高圧で被洗浄物に噴射するような必要なく、高い洗浄効果で洗浄を行なうことができるものである。また気体を溶解した気体溶解液を大気圧まで減圧した後に吐出するため、吐出の際に気体溶解液に気泡が発生することを防止して、高い洗浄効果で洗浄を行なうことができるものである。そして気体溶解液の圧力を流入側から流出側に向かって順次大気圧まで減圧するものであるため、細い流路などで減圧する必要なく比較的太い流路などで減圧することができるものであり、異物等が混入しても詰まるようなことなく気体溶解液の減圧を行なうことができるものである。さらにこのような減圧を行うことによって、送られる気体溶解液のレイノルズ数が臨界レイノルズ数(Re=2320)より大きなレイノルズ数である乱流状態でも対応することが可能になるものである。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、高濃度に気体が溶解した気体溶解液を洗浄液として用いて高い洗浄効果で洗浄を行なうことができ、洗浄液を高圧で被洗浄物に噴射するような必要がないものであり、洗浄の対象物が限定されるようなことがなくなると共に、ランニングコストが安価になるものである。また吐出の際に気体溶解液に気泡が発生することを防止して、高い洗浄効果で洗浄を行なうことができるものである。さらに減圧部4は気体溶解液の圧力を流入側から流出側に向かって順次大気圧まで減圧するものであるため、細い流路などで形成する必要なく比較的太い流路などで形成することができるものであり、異物が混入しても詰まるようなことなく気体溶解液の減圧を行なうことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a)は洗浄装置の概略図、(b)は洗浄の状態を示す概略図である。
【図2】洗浄の試験結果を示すグラフである。
【図3】参考例の一例を示す一部の概略図である。
【図4】本発明を説明する参考例の一例を示す一部の概略図である。
【図5】参考例の他の一例を示すものであり、(a)(b)(c)はそれぞれ一部の概略図である。
【図6】本発明の実施の形態の一例を示す一部の概略図である。
【図7】本発明の他の実施の形態の一例を示す一部の概略図である。
【図8】本発明の他の実施の形態の一例を示す概略図である。
【図9】本発明の他の実施の形態の一例を示す一部の概略図である。
【図10】本発明を説明する参考例の他の一例を示す斜視図である。
【図11】本発明の他の実施の形態の一例を示すものであり、(a)は概略図、(b)は微細気泡発生ノズルの斜視図である。
【図12】0.5MPaの圧力で空気を水に溶解させる場合の、水温と溶存酸素濃度(DO)との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
【0034】
図1(a)は本発明の実施の形態の一例を示すものであり、加圧溶解部3の流出側と流入側にそれぞれ配管で形成される流路15,6が接続してある。流入側の流路15は一端を加圧溶解部3に、他端を水などの液体16を貯留する液体槽17に接続してあり、この流路15の途中に加圧部1が設けてある。加圧部1は、例えば、液体槽17から液体16を吸い上げて加圧溶解部3に圧送するポンプ18などで形成されるものである。
【0035】
またこの流入側の流路15に気体注入部2が接続してある。気体注入部2は気体を流路15に供給して注入するためのものであり、例えば気体として空気を供給する場合には、一端を大気中に開放させた管体の他端を流路15に接続して気体注入部2を形成するようにしてある。あるいは気体として酸素ガス、窒素ガス、水素ガス、炭酸ガス、アルゴンガス、オゾン等を供給する場合には、これらの気体を封入したボンベなどを流路15に接続して気体注入部2を形成するようにしてある。流路15への気体注入部2の接続位置は、加圧溶解部3より上流側の位置であればよく、図1のように加圧部1より上流側の流路15に接続するようにしても、あるいは加圧部1より下流側の流路15に接続するようにしてもいずれでもよい。
【0036】
一方、流出側の流路6は一端を加圧溶解部3に接続し、他端には吐出部12が設けてある。またこの流路6には減圧部4が設けてある。さらに加圧溶解部3には余剰気体排出部5が設けてある。余剰気体排出部5は、例えば、一端を大気に開放した管体を、加圧溶解部3内の気圧が所定の圧力以上になると開口するガス抜き弁などを介して加圧溶解部3に接続することによって、形成してある。
【0037】
上記のように形成される洗浄装置にあって、ポンプ18で形成される加圧部1を作動させ、液体槽17から液体を吸い上げ、流路15を通して加圧溶解部3へ液体を圧送して供給する。このように流路15内を液体が流れる際に、気体注入部2から気体が流路15内に吸引されて液体に気体が注入される。そしてこのように気体が注入された液体を加圧部1で加圧溶解部3へ圧送して送り込むことによって、この圧送による押し込み力で加圧溶解部3内において液体と気体に圧力が加わって高圧になる。このように加圧溶解部3内で液体と気体を加圧することによって、液体に気体を効率高く飽和量以上に溶解させることができ、液体に気体が高濃度で溶解した気体溶解液を得ることができるものである。図12は本発明の洗浄装置を用いて、0.5MPaの圧力で空気を水に溶解させる場合の、水温と溶存酸素濃度(DO)との関係を示すグラフである。このグラフにみられるように、水温27℃の水に空気を混合して加圧溶解部3内で0.5MPaの圧力を加圧すると、溶存酸素濃度35mg/Lの高濃度酸素溶解水を造ることができるものである。
【0038】
また、上記のように加圧溶解部3内において液体と気体を加圧して強制的に効率良く溶解させ、高濃度で気体が溶解した気体溶解液を短時間で生成することができるため、加圧溶解部3内で生成された気体溶解液を流路6を通して送り出しながら、加圧溶解部3内で液体に気体を溶解させるようにすることができるものである。従って、加圧溶解部3をタンクのような容積の大きなもので形成する必要がなくなるものであり、装置規模を小さくして装置のコストを低減することが可能になるものである。
【0039】
ここで、気体の全量が液体に溶解しないと、加圧溶解部3内で液体に溶解しない余剰気体が生じるが、加圧溶解部3に余剰気体排出部5を設け、気体の溶解飽和量以上の溶解できない余剰気体を加圧溶解部3から排出することによって、加圧溶解部3内の気体と液体の比率を安定させて圧力変動を防ぐことができ、気体の溶解効率を高く維持することができるものである。
【0040】
そして、上記のように加圧溶解部3で生成された気体溶解液は、流路6を通して送り出されるが、加圧溶解部3内で気体溶解液は高圧に加圧された状態にあるので、そのまま大気圧下にある外部に排出されると、急激な圧力低下によって、気体溶解液中に気泡が発生するおそれがあり、気体溶解量が減少し、またキャビテーションが発生することがある。このために本発明では、流路6に減圧部4を設け、加圧溶解部3内で加圧された状態の気体溶解液を流路6を通して送り出す際に、乱流状態で送りながら減圧部4で大気圧まで気泡を発生させることなく減圧をした後に吐出するようにしてある。すなわち、加圧溶解部3内で加圧された状態の気体溶解液を流路6を通して吐出する際に、減圧部4で大気圧まで気泡を発生させることなく減圧をした後に、吐出部12から吐出するようにしてある。
【0041】
ここで、加圧溶解部3内で生成されるのと同じ濃度の気体溶解液について、加圧溶解部3内で加圧されている圧力と同じ圧力から大気圧まで減圧する際に、気泡が発生しない減圧度を、予め計算や測定で求めておき、減圧部4をこの予め求めた減圧度で、気体溶解液が流入側する側から流出側に向かって、気体溶解液の圧力を段階的に、あるいは連続的に、順次大気圧まで減圧できるように設定してある。従って、加圧溶解部3内で加圧された気体溶解液を乱流状態で送りながら減圧部4において気泡が発生しない減圧度で徐々に大気圧まで減圧した後に吐出することによって、気体溶解液に気泡が発生することなく吐出部12から気体溶解液を吐出することができるものであり、加圧溶解部3で飽和量以上に気体が溶解された気体溶解液を、安定した高濃度の状態のまま吐出部12から洗浄液として吐出して利用することが可能になるものである。
【0042】
そしてこのように高濃度に気体が溶解した気体溶解液26を被洗浄物27の表面に吐出すると、被洗浄物27に付着する汚れ28の微細な凹凸表面で図1(b)に示すように、気体溶解液26に溶解している気体が数μmの微細気泡29として析出するキャビテーションが発生し、このキャビテーションによる微細気泡29が汚れ28の物質を吸着して、微細気泡29の流れとともに汚れ28が被洗浄物27の表面から剥がされるものであり、高い洗浄効果で洗浄を行なうことができるものである。特に、数μmの微細気泡29で汚れを吸着して除去するため、微小な汚れ28をも容易に除去することが可能になるものである。
【0043】
このように本発明の洗浄装置による洗浄は、高濃度に気体が溶解した気体溶解液26によるキャビテーションの作用で行なわれるものであり、高圧で洗浄液を噴射して洗浄を行なうような必要はない。従って被洗浄物27を傷付けるようなおそれなく洗浄を行なうことができるものであり、洗浄の対象物が限定されるようなことがないものである。また液体に気体を溶解させる際の圧力は0.5MPa程度でよく、高圧で洗浄液を噴射させる必要もないので、動力費が安くて済み、ランニングコストを安価にすることができるものである。
【0044】
ここで、本発明の洗浄装置による洗浄の試験結果を図2に示す。試験は、被洗浄物としてアクリル板を用い、アクリル板の表面にアカデミアナッツオイルによって油汚れを付着させ、通常の水を吐出させた場合と、水に酸素を溶解させた気体溶解液を吐出させた場合とで行なった(水温はいずれも25℃、吐出水量は同じ)。そして図2は汚れの除去率と洗浄時間との関係を示すものであり、60秒の洗浄時間で、通常の水では汚れの除去率は約60%であるのに対して、水に酸素を溶解させた気体溶解液では約90%である。このように水に酸素を溶解させた気体溶解液を用いることによって、汚れの除去率が50%向上することが確認される。尚、高い洗浄効果を得るうえで、水に溶解させる気体としては、このような酸素の他に、空気、窒素ガス、炭酸ガス、アルゴンガスなどが好ましい。
【0045】
図3は、減圧部4の参考例の一例を示すものであり、加圧溶解部3に接続される流路6に、液体の流れ方向に沿って複数の圧力調整弁7(7a,7b,7c)を設けることによって、減圧部4を形成するようにしてある。このように減圧部4を複数の圧力調整弁7を備えて形成することによって、気泡が発生しない減圧度で気体溶解液の圧力を段階的に徐々に下げることができるものである。
【0046】
各圧力調整弁7a,7b,7cは、気体溶解液に気泡発生が生じない減圧度で減圧するように設定されているものであり、この減圧度は予め計算や測定で求めた数値に設定されるものである。例えば、加圧溶解部3から流路6に送り出された気体溶解液の加圧圧力が0.5MPaであるとき、気泡が発生しない減圧量が0.12MPaであると測定によって判明しているとすると、圧力調整弁7aで気体溶解液の圧力を0.12MPa減圧して、0.38MPaに落とす。また気体溶解液の加圧圧力が0.38MPaであるとき、気泡が発生しない減圧量が0.16MPaであると測定によって判明しているとすると、次の圧力調整弁7bで気体溶解液の圧力を0.16MPa減圧して、0.22MPaに落とす。さらに気体溶解液の加圧圧力が0.22MPaであるとき、気泡が発生しない減圧量が0.22MPa以上であると測定によって判明しているとすると、次の圧力調整弁7cで気体溶解液の圧力を0.22MPa減圧して、加圧圧力を0MPaに落とし、大気圧まで減圧することができるものであり、このように大気圧まで減圧した状態で気体溶解液を吐出させるものである。尚、圧力調整弁7による減圧量は、液体の種類、温度、気体の種類、溶解濃度、加圧溶解部3内の圧力、流路6の径などに応じて変動するものであり、装置毎に、計算や測定をして、適宜設定されるものである。
【0047】
ここで、上記の図1や図3の形態では、加圧溶解部3をタンクほどの大きな容積は必要ではないにしても一定の容積を有する容器で形成したが、加圧部1から所定の水圧で液体が供給されるので、加圧部1から液体を流路6に送り込むことによる押し込み圧で、流路6内を加圧することができるものであり、流路6自体で加圧溶解部3を形成するようにすることもできる。図4は、加圧部1に接続される流路6で加圧溶解部3を形成するようにした参考例を示すものであり、流路6のうち、流路6に接続した気体注入部2と、流路6に設けた圧力調整弁7からなる減圧部4との間の部分が、加圧溶解部3となるものである。流路6で形成される加圧溶解部3には、必要に応じて余剰気体排出部5を設ければよい。従ってこのものでは、容器などを用いて加圧溶解部3を形成する必要がなくなるので、装置を小型化することができると共に装置の製造コストを低減することができるものである。
【0048】
図5は、減圧部4の参考例の他の一例を示すものであり、加圧溶解部3に接続される流路6を流路断面積が異なる複数の管体20a,20b,20cを備えて形成し、この流路断面積の異なる複数の管体20a,20b,20cで減圧部4が形成されるようにしてある。
【0049】
図5(a)の形態では、流路断面積が異なる、つまり内径の異なる複数の管体20a,20b,20cを一体に連ねるようにしてあり、気体溶解液の流れの上流側から下流側へと、徐々に管体20a,20b,20cの径が小さくなるようにしてある。また図5(b)の形態では、内径の異なる複数の管体20a,20b,20cをレジューサ21を介して接続して連ねるようにしてあり、気体溶解液の流れの上流側から下流側へと、徐々に管体20a,20b,20cの径が小さくなるようにしてある。さらに図5(c)の形態では、気体溶解液の流れの上流側から下流側へと連続的に径が小さくなる管体20a,20b,20cを一体に連ねるようにしてある。
【0050】
この図5のものにあって、各管体20a,20b,20cの内径はφd>φd>φdであるので、各管体20a,20b,20c内の気体溶解液の流速はV<V<Vとなり、各管体20a,20b,20c内の気体溶解液の圧力はP>P>Pとなる。従って、加圧溶解部3から送り出される気体溶解液の圧力Pを気泡が発生しない減圧度で、図5(a)(b)のものでは段階的に減圧して、また図5(c)のものでは連続的に減圧して、Pの大気圧まで徐々に下げることができるものである。
【0051】
図6は、減圧部4の具体的な実施の形態の一例を示すものであり、加圧溶解部3に接続される流路6を通して気体溶解液を排出する際に、流路6内を気体溶解液が流れる際の圧力損失によって、気体溶解液に気泡が発生しない減圧速度で気体溶解液の圧力を徐々に連続的に低下させ、気体溶解液の圧力を大気圧にまで低下させるようにしてある。従って図6の実施の形態では、加圧溶解部3内での圧力がPの気体溶解液を、流路6内を通過させる際にP〜Pn−1へと、気体溶解液に気泡が発生しない減圧速度で徐々に連続的に圧力を低下させ(P>P>Pn−1)、流路6の終端では気体溶解液の圧力Pが大気圧にまで低下するように、流路6の流路断面積と管路長Lを設定するようにしてあり、このような流路断面積と管路長さLを有する流路6によって減圧部4が形成されるものである。
【0052】
この管路長さLは、次の式から設定することができる。すなわち、
流体の関係式P=λ・(L/d)・(v/2g)
[Pは加圧溶解部3内の圧力、λは管摩擦係数、dは内径、vは流速、gは加速度]
から、L=(P・d・2g)/(λ・v)を導くことができ、この式から計算して流路6の管路長さLを求めることができるものである。このように、流路6の管路長さLを所定長さに形成するだけで減圧部4を形成することができるものであり、洗浄装置の構造をより簡単なものに形成することができるものである。
【0053】
上記のように本発明では加圧部1によって液体と気体を加圧溶解部3に圧送し、この際の押し込み圧によって加圧溶解部3内で液体と気体を加圧して気体を溶解させるようにしているが、この押し込み圧を受けて加圧溶解部3内に必要な圧力が発生するようにする必要がある。このように加圧部1からの押し込み圧を受ける圧力を確保するために、加圧溶解部3の流出側の流路6に絞り弁などの絞り部を設けることが考えられるが、このように絞り部を流路6に設けると、加圧溶解部3で生成された気体溶解液を流路6に送り出して排出する際に、絞り部の前後で大きな圧力差が生じ、気体溶解液が急激に減圧されることになり、気体溶解液に気泡が発生するおそれがある。
【0054】
そこで図7の実施の形態では、流路6の圧力損失を利用して、流路6に絞り部を設ける必要なく、押し込み圧を受ける圧力を確保するようにしている。このとき、上記各実施形態の流路6の長さでは、流路6の圧力損失で押し込み圧を受ける圧力を確保することは難しいので、流路6の加圧溶解部3と反対側の端部に延長流路8を付加するようにしてある。すなわち、流路6の減圧部4も含めた全体の圧力損失を算出し、加圧部1からの押し込み圧によって加圧溶解部3内で液体と気体を加圧するのに必要な圧力と、この流路6の圧力損失との差を算出し、さらにこの差の圧力損失が生じる管路の長さを上記の式から算出して、この管路長さの延長流路8を流路6に付加するようにしてある。このように、流路6の圧力損失と延長流路8の圧力損失の和が、加圧部1で圧送される液体と気体の押し込み圧によって加圧溶解部3内で液体と気体を加圧するのに必要な圧力となるように、流路6に延長流路8を付加することによって、絞り弁などの絞り部を用いる必要なく、加圧部1からの押し込み圧で加圧溶解部3内の加圧力を確保して、液体に気体を溶解させることができるものである。本実施例では、気体注入部2を加圧部1の前段に配置しているが、加圧部1の後段に配置してもよい。
【0055】
図8は本発明の他の実施の形態を示すものであり、加圧溶解部3の余剰気体排出部5を気体注入部2に連結部10で連結するようにしてある。このように余剰気体排出部5を気体注入部2に接続することによって、加圧溶解部3で液体に溶解しなかった余剰気体を気体注入部2に返送して、再度液体に溶解させるようにすることができるものである。従って、加圧溶解部3で液体に溶解しなかった気体を捨てることなく有効利用することができるものであり、またオゾンなどの有害気体が外部に排出されて環境が汚染されることを防ぐことができるものである。
【0056】
ここで、上記の各実施の形態では、加圧部1をポンプ18で形成するようにしたが、加圧部1を所定の水圧で水が供給される水道配管11で形成することもできる。図9は加圧部1を水道配管11で形成するようにした実施の形態を示すものであり、加圧溶解部3の流入側の流路15に水道配管11の蛇口などが接続してある。水道配管11は加圧溶解部3に直接接続するようにしてもよい。水道配管11は所定の水圧で水を供給するので、水を加圧溶解部3に供給する際の押し込み圧で加圧溶解部3内を加圧することができ、加圧溶解部3内で液体と気体を加圧して気体を溶解させることができるものである。従ってこのものでは、ポンプ18などの動力が不要になり、装置を小型化することができると共に装置の製造コストを低減することができるものである。また気体注入部2からの気体の注入は、コンプレッサーを用いた強制注入による他、水道水が流れる際のエゼクタ効果による吸引で気体を注入させるようにしてもよい。このようにエゼクタによる自吸作用で気体を注入する場合には、動力が一切不要になって、電気配線なども不要になるものである。
【0057】
図10は本発明の洗浄装置を説明する具体的な参考例の一例を示すものであり、液体槽17から供給される水は流路15に導入口30から導入される。流路15には空気が導入される気体注入部2が接続してあり、空気が注入された水はポンプで形成される加圧部1によって、小容量のタンクで形成される加圧溶解部3に圧送される。このように空気が注入された水が加圧溶解部3に圧送されることによって、加圧溶解部3内で水に空気が溶解された気体溶解液が生成される。そしてこの気体溶解液は加圧溶解部3から流路6に送り出され、流路6の先端の開口の吐出部12から吐出される。この流路6には減圧部4が設けてあり、加圧溶解部3から送り出された気体溶解液は大気圧まで減圧された後に吐出部12から吐出され、気泡が発生しない状態で気体溶解液を洗浄液として吐出することができる。図10の形態では、減圧部4は、図5(a)の内径が異なる管体20a,20b,20cを連ねたもので形成してある。なお、本発明においては、この減圧部4を、流路長さの調整で気体溶解液の圧力を大気圧にまで減圧するように形成された流路6にて構成するものである。
【0058】
この洗浄装置にあって、ポンプで形成される加圧部1を連続運転することによって、気体注入部2、加圧溶解部3を連続的に運転させて、減圧部4に気体溶解液を連続的に供給するようにすることができるものであり、吐出部12から気泡の発生のない気体溶解液を洗浄液として連続的に吐出させることができるものである。
【0059】
また、減圧部4は加圧溶解部3から気体溶解液を送り出す流路6の一部として設けられており、そしてこの減圧部4は気体溶解液の圧力を流入側から流出側に向かって順次大気圧まで減圧するものであるため、減圧部4を例えば内径2〜50mm程度の比較的大きい流路として形成することができるものであり、異物が混入しても減圧部4内が詰まるようなことがないものである。さらにこのような構成の減圧部4を設けることによって、減圧部4を流れる気体溶解液のレイノルズ数が臨界レイノルズ数(Re=2320)より大きなレイノルズ数である乱流状態でも対応することが可能になるものである。
【0060】
さらに、減圧部4をこのように内径の大きな流路として形成することによって、気体溶解液の供給量を多くすることができ、減圧部4を一つの流路のみで形成することが可能になるものであり、装置構成を簡単なものに形成することができるものである。
【0061】
図11は本発明の他の実施の形態の一例を示すものであり、加圧溶解部3の流出側に接続される流路6に分岐接続して、微細気泡抽出流路9が設けてある。図11(a)に示すように微細気泡抽出流路9は加圧溶解部3と減圧部4との間の箇所において、あるいは減圧部4より下流側の箇所において、流路6に分岐接続されるものである。また微細気泡抽出流路9の先端には図11(b)に示すような微細気泡発生ノズル23が設けてあり、この微細気泡発生ノズル23は吐出口に多数の微細穴24を設けて形成してある。図11(a)の実施の形態では、洗浄水槽31の底部にポンプ18で形成される加圧部1が流路15によって接続してあり、微細気泡発生ノズル23は洗浄水槽31の底部内に接続してある。図11(a)において32は、洗浄水槽31の液面付近に設けられた排出口である。
【0062】
このものにあって、加圧溶解部3で生成された気体溶解液のうち一部を、流路6を通して吐出部12から吐出させて、被洗浄物27の洗浄に使用することができる。このように洗浄に使用された気体溶解液の液体16は、洗浄で除去された汚れ物質と共に洗浄水槽31に回収されるようになっている。また加圧溶解部3で生成された気体溶解液の他の一部は、流路6から微細気泡抽出流路9を通して微細気泡発生ノズル23に供給され、微細気泡発生ノズル23の微細穴24から洗浄水槽31の下部内に吐出させるようになっている。そしてこのように気体溶解液が微細気泡発生ノズル23の微細穴24から吐出されると、微細気泡が洗浄水槽31内で発生し、洗浄水槽31内の液体16中に混入している汚れ物質はこの微細気泡によって捕集されると共に液面に浮上し、汚れ物質を排出口32から排出することができるものである。このように、洗浄水槽31に回収された液体16から汚れ物質を分離して除去した状態で、この液体16をポンプ18で汲み上げて再利用することができるものであり、汚れ物質と共に排出される分のみを補給するだけで、液体16を何度も洗浄に利用することができるものである。従って、一台の装置で生成される気体溶解液を、洗浄に利用することができると共に液体16からの汚れ物質の分離にも利用することができるものである。
【0063】
上記のように形成される本発明の洗浄装置は、酸素やオゾンなどの気体を高濃度で溶解した気体溶解液を洗浄液として用いるものであり、製造・産業分野、農林水産分野、家庭用分野など各種の分野において使用することができるものである。
【0064】
例えば、製造・産業分野では、ビル等建物の外壁やガラスの洗浄、半導体の精密洗浄、加工部品の洗浄、ガソリンスタンド等での車の洗浄、業務用食器洗浄器としての使用、ペットショップでのペットの洗浄、エステティック産業での美容器具としての使用、介護用風呂での身体洗浄、食品の洗浄などに使用することができる。
【0065】
農林水産分野では、野菜や魚介類の洗浄に使用することができ、オゾンを高濃度に溶解した気体溶解液を用いることによって、野菜や魚介類の殺菌に使用することができる。
【0066】
家庭用分野では、洗濯機、食器洗浄器、美顔器などの家庭用エステティック器具、電気整髪器などのスタイラー、頭皮洗浄器、口腔内洗浄器、かみそりの刃洗浄、風呂洗浄、トイレ洗浄、キッチン洗浄、流し台洗浄、洗米用の水として使用、身体の汚れ落とし用の水としての使用などがある。
【符号の説明】
【0067】
1 加圧部
2 気体注入部
3 加圧溶解部
4 減圧部
5 余剰気体排出部
6 流路
7 圧力調整弁
8 延長流路
10 連結部
11 水道配管
12 吐出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を圧送する加圧部と、液体に気体を注入する気体注入部と、気体を注入された液体が加圧部で圧送されることによる加圧で液体に気体を溶解させる加圧溶解部と、加圧溶解部で気体を溶解させた気体溶解液の圧力を、気体溶解液の流入側から流出側に向かって順次大気圧まで減圧する減圧部と、減圧部で減圧された気体溶解液を吐出する吐出部と、を備え、減圧部を、流路長さの調整で気体溶解液の圧力を大気圧にまで減圧するように形成された、加圧溶解部から気体溶解液を送り出す流路で構成し、加圧部、気体注入部、加圧溶解部の各部を連続的に運転させて、減圧部に気体溶解液を乱流状態で連続的に供給し、吐出部から気泡の発生のない気体溶解液を連続的に吐出させるようにして成ることを特徴とする気体溶解液を用いた洗浄装置。
【請求項2】
加圧溶解部で液体に溶解しない余剰気体を排出する余剰気体排出部を備えて成ることを特徴とする請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項3】
減圧部を構成する上記流路が、さらに流路断面積の調整で気体溶解液の圧力を大気圧にまで減圧するように形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の洗浄装置。
【請求項4】
減圧部は、一つの流路で形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の洗浄装置。
【請求項5】
加圧溶解部から気体溶解液を送り出す流路の圧力損失とこの流路に付加した延長流路の圧力損失の和が、加圧部で圧送される液体と気体の押し込み圧によって加圧溶解部内で液体と気体を加圧するのに必要な圧力となるように、流路に延長流路を付加して成ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の洗浄装置。
【請求項6】
気体注入部に余剰気体排出部を連結部で連結して成ることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の洗浄装置。
【請求項7】
加圧部を、気体注入部に水を圧送する水道配管で形成して成ることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに1項に記載の洗浄装置。
【請求項8】
加圧溶解部から気体溶解液を送り出す流路に、気体溶解液中の気体を微細気泡として発生させるための微細気泡抽出流路を設けて成ることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の洗浄装置。
【請求項9】
液体を圧送し、圧送された液体に気体を注入し、気体を注入された液体が圧送されることによる加圧で液体に気体を溶解し、気体が溶解された液体を流路長さの調整でその圧力を大気圧にまで減圧するように形成された流路に乱流状態で送りながら順次大気圧まで減圧することにより、気泡の発生のない気体溶解液を連続的に生成し、生成した気体溶解液を被洗浄物に吐出することを特徴とする洗浄方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−160587(P2009−160587A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−107047(P2009−107047)
【出願日】平成21年4月24日(2009.4.24)
【分割の表示】特願2007−2665(P2007−2665)の分割
【原出願日】平成19年1月10日(2007.1.10)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】