説明

洗浄装置

【課題】洗浄装置の熱湯消毒に用いる熱湯供給装置のタンクが少しでも小型化できるように、タンク内の熱湯がタンクの下部に案内された給湯器の湯と混ざりにくくする。
【解決手段】洗浄装置10の熱湯供給装置40は、給湯管42からタンク41内に供給された湯をヒータ44により熱湯に加熱した状態で、給湯管42から供給された湯をガイド43によりタンク41下部に案内し、この案内された湯によりタンク41内の水位を押し上げたときにオーバーフロー管46から溢出する熱湯を貯水部に送出するものであり、タンク41下部の熱湯がガイド43の下端開口43cからタンク41下部に案内された湯によって撹拌されて上昇するのを抑制する撹拌抑制手段として、タンク41の一側側に沿って立設させたガイド43の下部をタンク41の他側側に曲げ、ガイド43の下端開口43cをタンクの他側側に向けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として医療用器具を洗浄することを目的とした洗浄装置に関し、特に熱湯により医療用器具を消毒するようにした洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、食器等の被洗浄物を収容して下部に洗浄水を貯えた洗浄槽と、給水源から送液された原水を加熱する熱水器と、この熱水器で加熱された高温のすすぎ水を貯えるタンクと、タンクのすすぎ水を洗浄槽に供給するすすぎポンプと、すすぎポンプにより圧送されたすすぎ水を被洗浄物に向けて噴射するすすぎノズルとを備えた洗浄機が開示されている。この洗浄機では、被洗浄物を洗浄する本洗浄工程後に、すすぎ洗浄工程として、タンクに貯えられた高温のすすぎ水をすすぎポンプの圧力によりすすぎノズルから洗浄槽内の被洗浄物に噴射させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−261054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献1の洗浄機は、タンクに貯えられた高温のすすぎ水をすすぎポンプにより洗浄槽に供給しているが、すすぎポンプが高温のすすぎ水により劣化しやすい問題があった。そこで、本願に記載された洗浄装置のように、熱湯を貯えるタンクと、このタンクの上部に給湯源の湯を供給する給湯管と、給湯管の給湯口の下側位置にてタンク内に立設されてこの給湯管から供給される湯を下端開口からタンク下部に案内する筒状のガイドと、タンク内に設けられて給湯管から供給された湯を熱湯に加熱するヒータと、タンク内にて上端開口が貯水部より高い位置に設けられてこの上端開口を超えて溢出する熱湯を貯水部に送出するオーバーフロー管とを有した熱湯供給装置を用いれば、タンク内に供給された湯をヒータにより熱湯に加熱した状態で、給湯管から供給された湯をガイドによりタンク下部に案内し、この案内された湯によりタンク内の水位を押し上げたときにオーバーフロー管から溢出する熱湯を貯水部に送出するものであるので、上述した特許文献1に記載された洗浄機のように、熱湯の供給にポンプ等の機器を用いず、ポンプ等の機器が熱湯により劣化する問題が解決できる。
【0005】
この熱湯供給装置は、タンク内に供給された湯をヒータにより熱湯に加熱した状態で、給湯管から供給された湯をガイドによりタンク下部に案内し、この案内された湯によりタンク内の水位を押し上げたときにオーバーフロー管から溢出する熱湯を洗浄槽の貯水部に供給するものであるために、オーバーフロー管から溢出する熱湯は供給開始直後は高温であるが、徐々に供給される給湯器の湯と混ざって温度が低くなる。特に、給湯管から供給された給湯器の湯がガイドによりタンク下部に案内されたときに、ガイドの下端開口から導出された湯がタンクの底面とぶつかってタンク内の熱湯を撹拌しながら上昇し、タンク内のオーバーフロー管の上端開口の周囲の熱湯はこの湯によって温度が低下することがあった。このように熱湯供給装置から供給される熱湯の温度が低下すると、この熱湯を用いて洗浄槽内の被洗浄物を熱湯消毒できなくなったり、洗浄槽の貯水部で再び熱湯消毒できる温度となるまで加熱するのに時間を要することがあった。これを解消するには、例えば、タンクの容量を大きくすることで熱湯の量を多くすれば、タンク内のオーバーフロー管の上端開口の周囲の熱湯の温度の低下を抑制することができる。しかし、タンクの容量を大きくすると、この熱湯供給装置を内蔵する洗浄装置が大型化する問題があった。そこで、本発明は、洗浄装置の熱湯消毒に用いる熱湯供給装置のタンクが少しでも小型化できるように、タンク内の熱湯がタンクの下部に案内された給湯器の湯と混ざりにくくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記課題を解決するため、被洗浄物を収容して下部に洗浄水を貯える貯水部を有した洗浄槽と、貯水部に洗浄水を供給する洗浄水供給手段と、貯水部に熱湯を供給する熱湯供給装置と、洗浄槽内に収容した被洗浄物に貯水部の洗浄水を噴射する洗浄ノズルと、貯水部の洗浄水を洗浄ノズルに送出する洗浄ポンプとを備え、洗浄槽内に収容した被洗浄物を洗浄ポンプによって洗浄ノズルから噴出される洗浄水により洗浄し、洗浄後に熱湯供給装置から貯水部に供給される熱湯を洗浄ポンプによって洗浄ノズルから被洗浄物に噴射して熱湯消毒する洗浄装置であって、熱湯供給装置は、熱湯を貯えるタンクと、このタンクの上部に給湯源の湯を供給する給湯管と、給湯管の給湯口の下側位置にてタンク内に立設されてこの給湯管から供給される湯を下端開口からタンク下部に案内する筒状のガイドと、タンク内に設けられて給湯管から供給された湯を熱湯に加熱するヒータと、タンク内にて上端開口が貯水部より高い位置に設けられてこの上端開口を超えて溢出する熱湯を貯水部に送出するオーバーフロー管とを有して、タンク内に供給された湯をヒータにより熱湯に加熱した状態で、給湯管から供給された湯をガイドによりタンク下部に案内し、この案内された湯によりタンク内の水位を押し上げたときにオーバーフロー管から溢出する熱湯を貯水部に送出するものであり、タンク下部の熱湯がガイドの下端開口からタンク下部に案内された湯によって撹拌されて上昇するのを抑制する撹拌抑制手段を有したことを特徴とする洗浄装置を提供するものである。
【0007】
上記のように構成した洗浄装置においては、熱湯供給装置はタンク下部の熱湯がガイドの下端開口からタンク下部に案内された湯によって撹拌されて上昇するのを抑制する撹拌抑制手段を有したので、タンク下部の熱湯は撹拌抑制手段によりガイドの下端開口からタンク下部に案内された湯によって撹拌されて上昇しにくくなり、タンク内のオーバーフロー管の上端開口から溢出される熱湯の温度はタンク下部に案内された湯による影響を受けにくくなって低下しにくくなる。これにより、タンクの容量を必要以上に大きくすることなく、オーバーフロー管から高温の熱湯を多く溢出させることができる。
【0008】
上記のように構成した洗浄装置の一実施形態として、撹拌抑制手段はタンクの一側側に沿って立設させたガイドの下端開口をタンクの他側側に向けるようにしてもよい。また、上記のように構成した洗浄装置の他の実施形態として、撹拌抑制手段はガイドの下端開口より上側位置のタンクに取り付けられて下端開口から導出された湯が熱湯を撹拌するのを抑制する撹拌抑制板としてもよい。上記のように構成した洗浄装置の他の実施形態として、撹拌抑制手段はタンクの水平方向の断面積を下側につれて小さくなるようにしてもよい。上記のように構成した洗浄装置の他の実施形態として、撹拌抑制手段はタンクのガイドの下端開口より上側位置に取り付けられたヒータであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明による洗浄装置の概略図である。
【図2】(a)は熱湯供給装置の平面図であり、(b)はA−A線における縦断面図である。
【図3】制御装置のブロック図である
【図4】熱湯供給装置の作動を示すフローチャートである。
【図5】洗浄装置のアルカリ洗剤コースの洗浄プログラムを示すフローチャートである。
【図6】(a)は他の実施形態の熱湯供給装置の平面図であり、(b)はB−B線における縦断面図である。
【図7】他の実施形態の熱湯供給装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明による洗浄装置を図面を参照して説明する。本発明による洗浄装置10は、主として医療用器具を洗浄するためのものであり、図1に示すように、医療用器具等の被洗浄物を収容して下部に洗浄水を貯える貯水部21を有した洗浄槽20と、貯水部21に洗浄水を供給する洗浄水供給手段として給水管28、給湯管29と、貯水部21に熱湯を供給する熱湯供給装置40と、洗浄槽20内に収容した医療用器具に貯水部21の洗浄水を噴射する洗浄ノズル24、25と、貯水部21の洗浄水を洗浄ノズル24、25に送出する洗浄ポンプ27とを備えている。
【0011】
図1に示すように、この洗浄装置10は、ハウジング11内に洗浄槽20を備えており、洗浄槽20は下部に洗浄水を貯える貯水部21を一体的に有している。洗浄槽20の貯水部21の底部には、洗浄水の温度を検出する温度センサ22と、洗浄水を加熱するためのヒータ23が設けられている。なお、このヒータ23は後述する洗浄プログラムの熱湯消毒工程をするときに温度の低下した貯水部21の洗浄水を消毒に適した温度に再加熱するためのものである。
【0012】
洗浄槽20内の上面及び下面には医療用器具に洗浄水を噴射する洗浄ノズル24、25が回転可能に支持されており、これら洗浄ノズル24、25には洗浄槽20の下部の貯水部21から導出した循環パイプ26が接続されている。循環パイプ26には貯水部21の洗浄水を洗浄ノズル24、25に送出する洗浄ポンプ27が介装されている。洗浄ポンプ27を作動させると、貯水部21内の洗浄水は循環パイプ26を介して洗浄ノズル24、25に送られ、洗浄ノズル24、25は洗浄水の噴出反力により回転しながら洗浄水を医療用器具に向けて噴射する。なお、医療用器具に噴射された洗浄水は落下して貯水部21に還流する。
【0013】
図1に示すように、洗浄槽20の後壁上部には洗浄水を供給するための給水口20aと給湯口20bが形成されている。給水口20aには洗浄水供給手段を構成する給水管28が接続されており、給水管28は水道等の図示しない給水源に接続されている。給水管28には給水弁28aが介装されており、給水源の水は給水弁28aの開放により給水管28を通って洗浄槽20の貯水部21に供給される。給湯口20bには給湯管29が接続されており、給湯管29は給湯器30等の給湯源に接続されている。給湯管29には給湯弁29aが介装されており、給湯器30の湯は給湯弁29aの開放により給湯管29を通って洗浄槽20の貯水部21に供給される。
【0014】
図1に示すように、洗浄槽20の貯水部21にはその底面に形成した排水口21aに排水管31が接続され、排水管31には排水ポンプ32が介装されている。排水ポンプ32を作動させると、貯水部21の洗浄水は排水管31を通して外部に排出される。また、洗浄槽20の貯水部21には水位検出タンク33が接続されており、水位検出タンク33内にはフロートスイッチ(水位センサ)34が収容されている。フロートスイッチ34は貯水部21の洗浄水が洗浄に必要な所定水位L以上であることを検出するものであり、所定水位L以上となればオンとなり、所定水位Lより低ければオフとなる。なお、本実施形態の洗浄装置10においては、貯水部21の所定水位Lとなるときの洗浄水の水量は5Lとなっている。洗浄槽20には、洗剤を供給する洗剤供給装置35が設けられている。洗剤供給装置35は、洗剤を貯えた図示しない洗剤タンクを着脱可能に装着し、洗剤タンク内の洗剤を洗浄槽20内に供給するものである。この洗浄装置10ではアルカリ性洗剤またはプロテアーゼ等の酵素を含んだ酵素入り洗剤が用いられ、これら洗剤を貯えた洗剤タンクを交換することでアルカリ性洗剤と酵素入り洗剤を選択的に使用可能となっている。なお、酵素入り洗剤は、プロテアーゼ等の酵素が失活しない温度として50℃以下での使用が適している。
【0015】
熱湯供給装置40は洗浄槽20の貯水部21に熱湯を供給するものである。図1及び図2に示すように、熱湯供給装置40は熱湯を貯える熱湯タンク41を備えており、この熱湯タンク41の上部には給湯器30から導出された給湯管42が接続されている。給湯管42には給湯弁42aが介装されており、給湯器30の湯は給湯弁42aの開放により給湯管42を通って熱湯タンク41に供給される。
【0016】
図2に示すように、熱湯タンク41内には給湯管42から供給される湯を下部に案内するガイド43が設けられている。ガイド43は上端及び下端に開口を有する筒状部材よりなり、熱湯タンク41の後壁(一側側)に沿って立設されている。ガイド43の上端開口43aは給湯管42の給湯口42bの直下に位置している。図2(b)に示すように、ガイド43の下部43bは熱湯タンク41の下部にて前壁側(他側側)に屈曲されており、この下部43bの先端の下端開口43cは撹拌抑制手段として前壁側に向けられている。このガイド43の下部43bが熱湯タンク41の下部にて後壁側(一側側)から前壁側(他側側)に折り曲げられて、下部の先端となる下端開口43cを前壁側に向けるようにした撹拌抑制手段により、ガイド43の下端開口43cから熱湯タンク41下部に案内された湯は熱湯タンク41の底面にぶつからずに後壁側から前壁側に静かに導入され、熱湯タンク41下部の熱湯がガイド43の下端開口43cから熱湯タンク41下部に案内された湯によって撹拌されて上昇するのを抑制されている。
【0017】
熱湯タンク41内にはヒータ44が設けられており、このヒータ44は給湯管42から熱湯タンク41内に供給された湯を熱湯消毒に適した温度として91℃以上に加熱するものである。このヒータ44は熱湯タンク41のガイド43の下端開口43cより上側に取り付けられて他の撹拌抑制手段を構成している。ガイド43の下端開口43cから熱湯タンク41下部に案内された湯は撹拌抑制手段を構成するヒータ44に遮られて熱湯タンク41の上部に上昇しにくくなっている。熱湯タンク41内には温度センサ45が設けられており、この温度センサ45は熱湯タンク41内の湯または熱湯の温度を検出するものである。
【0018】
また、熱湯タンク41内にはオーバーフロー管46が設けられており、このオーバーフロー管46は上端開口46aを超えて溢出する熱湯を貯水部21に送出するものである。オーバーフロー管46は略L形をした管部材よりなり、この垂直部46bの大部分は熱湯タンク41内に立設され、熱湯タンク41の底壁を貫通した垂直部46bの下端から延出する下部46cの先端開口が洗浄槽20の側壁に形成された給湯口20cに連通接続されている。オーバーフロー管46の上端開口46aは、貯水部21の洗浄に適した所定水位Lより高い位置で、貯水部21に充分な熱湯を供給できる高さ位置に配置されている。なお、この実施形態においては、後述する熱湯消毒の際に貯水部21に5Lの熱湯を供給するために、オーバーフロー管46の上端開口46aの位置を熱湯タンク41に10Lの熱湯を貯えられる位置にしている。この熱湯供給装置40により洗浄槽20の貯水部21に熱湯を供給するときには、熱湯タンク41内に供給された湯をヒータ44により熱湯に加熱した状態で、給湯管42から供給された湯をガイド43により熱湯タンク41下部に案内すれば、熱湯タンク41内の水位はこの案内された湯により押し上げられ、熱湯タンク41内の熱湯はオーバーフロー管46から溢出して貯水部に送出される。
【0019】
この洗浄装置10は制御装置50を備えており、図3に示すように、この制御装置50には温度センサ22、ヒータ23、洗浄ポンプ27、給水弁28a、給湯弁29a、排水ポンプ32、フロートスイッチ34、洗剤供給装置35、給湯弁42a、ヒータ44及び温度センサ45が接続されている。制御装置50はマイクロコンピュータ(図示省略)を有しており、マイクロコンピュータは、バスを介してそれぞれ接続されたCPU、RAM、ROM及びタイマ(いずれも図示省略)を備えている。CPUは、温度センサ22及び46の検出温度、フロートスイッチ34からのオンオフ信号及びタイマの計時に基づいて、ヒータ23、洗浄ポンプ27、給水弁28a、給湯弁29a、排水ポンプ32、洗剤供給装置35、ヒータ44及び給湯弁42aの作動を制御して下記に示す洗浄プログラムを実行する。RAMは洗浄プログラムを実行するのに必要な変数等を一時的に記憶するものであり、ROMは洗浄プログラムを記憶するものである。制御装置50は、ハウジング11のフロントパネルに設けられた操作パネルに接続されており、この操作パネルを操作することでアルカリ性洗剤を用いた洗浄プログラムまたは酵素入り洗剤を用いた洗浄プログラムを選択可能となっている。
【0020】
次に、この洗浄装置10の洗浄プログラムの一例として、アルカリ洗剤コースの洗浄プログラムについて説明する。アルカリ洗剤コースの洗浄プログラムは、予備洗浄工程と、本洗浄工程と、すすぎ洗浄工程及び熱湯消毒工程を順に実行するものである。このアルカリ洗剤コースの洗浄プログラムについて説明する前に、先ず熱湯消毒工程に用いられる熱湯供給装置40の熱湯準備工程を中心として説明する。
【0021】
洗浄装置10の電源をオンさせると、図4に示すように、制御装置50は、ステップ101において、熱湯タンク41用の給湯弁42aを開放させる。給湯器30の湯は給湯管42を通って熱湯タンク41内に送出され、熱湯タンク41内の湯の水位は徐々に上昇する。熱湯タンク41内の湯の水位がオーバーフロー管46の上端を超えると、熱湯タンク41内の湯はオーバーフロー管46により洗浄槽20の貯水部21に送出される。制御装置50は、ステップ102において、フロートスイッチ34により熱湯タンク41からオーバーフロー管46によって貯水部21に溢出させた湯が所定水位Lとなったか否かを判定することにより、熱湯タンク41内にオーバーフロー管46の上端位置まで湯が供給されたか否かを判定する。制御装置50は、ステップ102において、貯水部21の湯が所定水位Lとなるまで「NO」と繰り返し判定しているなかで、貯水部21の湯が所定水位Lとなってフロートスイッチ34からオン信号が入力されると「YES」と判定してステップ103に進める。制御装置50は、ステップ103において、熱湯タンク41用の給湯弁42aを閉止させて熱湯タンク41内への給湯処理を終了する。
【0022】
次に、制御装置50は、ステップ104において、排水ポンプ32を所定時間として30秒間作動させ、熱湯タンク41から貯水部21に溢出させた湯を排水させる。また、制御装置50は、ステップ104による処理と同時に、ステップ105において、ヒータ44に通電させて熱湯タンク41内の湯を熱湯となるように加熱させる。
【0023】
制御装置50は、ステップ106において、洗浄プログラムの開始から熱湯消毒工程の給湯処理終了までのタイミングであるか否かを判定し、洗浄プログラムの開始から熱湯消毒工程の給湯処理終了までのタイミングでないときには「NO」と判定してステップ107に進める。洗浄プログラムの開始から熱湯消毒工程の給湯処理終了までのタイミングでないときには、熱湯タンク41内の湯を熱湯消毒に適した温度として91℃に直ちに加熱できるように60℃まで加熱しておく。制御装置50は、ステップ107において、熱湯タンク41の温度センサ45により湯の温度が60℃以上となったか否かを判定し、熱湯タンク41内の湯の温度が60℃以上となっていなければステップ105に戻す。
【0024】
制御装置50は、熱湯タンク41内の湯の温度が60℃以上となるまでステップ105〜107の処理を繰り返し実行しているなかで、熱湯タンク41用の温度センサ45による検出温度が60℃以上となると、ステップ107において「YES」と判定してステップ108に進める。制御装置50は、ステップ108において、ヒータ44への通電を停止させてステップ106に戻す。このように、洗浄プログラムの開始から熱湯消毒工程の給湯処理終了までのタイミングでないときには、熱湯タンク41内の湯の温度は熱湯消毒工程の給湯処理開始までに熱湯消毒に適した温度として91℃(熱湯消毒温度)に加熱できるように60℃(熱湯消毒温度より低い温度となる熱湯消毒待機温度)以上になるように制御される。これにより、熱湯消毒工程の給湯処理が終了してから次の洗浄プログラムを実行するまでは、60℃以上になるように制御されるので、熱湯消毒工程の給湯処理が開始するまでに遅滞なく91℃以上にすることができ、また、常に91℃以上となるように制御したときと比べて省エネルギーとなってランニングコストを抑制することができる。
【0025】
これに対し、洗浄プログラムを開始させてから熱湯消毒工程の給湯処理終了までのタイミングのときには、熱湯消毒工程の給湯処理開始までに熱湯タンク41内の湯を熱湯消毒に適した温度として91℃以上にする必要がある。そのため、洗浄プログラムを開始させてから熱湯消毒工程の給湯処理終了までのタイミングのときには、制御装置50は、ステップ106において、「YES」と判定してステップ109に進める。制御装置50は、ステップ109において、熱湯タンク41の温度センサ45により湯の温度が91℃以上となったか否かを判定し、熱湯タンク41内の湯の温度が91℃以上となっていなければステップ105に戻す。制御装置50は、熱湯タンク41内の湯の温度が91℃以上となるまでステップ105、106及び109の処理を繰り返し実行しているなかで、熱湯タンク41用の温度センサ45による検出温度が91℃以上となると、ステップ109において「YES」と判定してステップ108に進める。制御装置50は、ステップ108において、ヒータ44への通電を停止させてステップ106に戻す。このように、洗浄プログラムの開始から熱湯消毒工程の給湯処理終了までのタイミングまでは、熱湯タンク41内の湯の温度は熱湯消毒工程の熱湯消毒に適した温度として91℃以上になるように制御される。
【0026】
次に、この熱湯供給装置40の熱湯を熱湯消毒に用いたアルカリ洗剤コースの洗浄プログラムについて説明する。ユーザが操作パネルによりアルカリ洗剤コースの洗浄プログラムを開始させると、図5に示すように、制御装置50は、先ずステップ201〜205により予洗浄工程を実行させる。制御装置50は、ステップ201において、給水弁28aと洗浄槽20用の給湯弁29aとを開放させて、予洗浄工程での給水処理を開始させる。これにより、給水源及び給湯器30の水及び湯は給水管28及び給湯管29を通って洗浄槽20の貯水部21に送出される。制御装置50は、ステップ202において、フロートスイッチ34の検出により貯水部21の洗浄水が所定水位Lとなったか否かを判定する。制御装置50は、ステップ202において、貯水部21の洗浄水が所定水位Lとなるまで「NO」と繰り返し判定しているなかで、貯水部21の洗浄水が所定水位Lとなってフロートスイッチ34からオン信号が入力されると「YES」と判定してステップ203に進める。制御装置50は、ステップ203において、給水弁28aと洗浄槽20用の給湯弁29aとを閉止させて給水処理を終了させる。
【0027】
次に、制御装置50は、ステップ204において、予洗浄工程での洗浄処理として洗浄ポンプ27を1分間作動させる。これにより、貯水部21内の洗浄水は循環パイプ26を介して洗浄ノズル24、25に圧送され、洗浄ノズル24、25は回転しながら洗浄水を医療用器具に噴射して洗浄する。この洗浄処理後、制御装置50は、ステップ205において、排水処理として排水ポンプ32を所定時間として30秒間作動させる。これにより、貯水部21内の洗浄水は排水管31を通って機外に排出される。
【0028】
ステップ201〜205による予洗浄工程が終了すると、制御装置50は、ステップ211〜216により本洗浄工程を実行させる。この本洗浄工程では、制御装置50は、ステップ211において、洗浄槽20用の給湯弁29aを開放させて、本洗浄工程での給湯処理を開始させる。これにより、給湯器30の湯は給湯管29を通って洗浄槽20の貯水部21に送出される。制御装置50は、ステップ212において、フロートスイッチ34による検出により貯水部21の洗浄水が所定水位Lとなったか否かを判定する。制御装置50は、ステップ212において、貯水部21の洗浄水が所定水位Lとなるまで「NO」と繰り返し判定しているなかで、貯水部21の洗浄水が所定水位Lとなってフロートスイッチ34からオン信号が入力されると「YES」と判定してステップ213に進める。制御装置50は、ステップ213において、洗浄槽20用の給湯弁29aを閉止させて給湯処理を終了させる。
【0029】
次に、制御装置50は、本洗浄工程での洗浄処理として、ステップ214において、洗剤供給装置35により洗浄槽20内にアルカリ性洗剤を供給させ、ステップ215において、洗浄ポンプ27を3分間作動させる。これにより、貯水部21内のアルカリ性洗剤を含んだ洗浄水は循環パイプ26を介して洗浄ノズル24、25に圧送され、洗浄ノズル24、25は回転しながらこの洗浄水を医療用器具に噴射して洗浄する。この洗浄処理後、制御装置50は、ステップ216において、排水処理として排水ポンプ32を所定時間として30秒間作動させる。これにより、貯水部21内の洗浄水は排水管31を通って機外に排出される。
【0030】
ステップ211〜216による本洗浄工程が終了すると、制御装置50は、ステップ221〜225により濯ぎ洗浄工程を実行させる。この濯ぎ洗浄工程では、制御装置50は、ステップ221において、洗浄槽20用の給湯弁29aを開放させて、濯ぎ洗浄工程での給湯処理を開始させる。これにより、給湯器30の湯は給湯管29を通って洗浄槽20の貯水部21に送出される。制御装置50は、ステップ222において、フロートスイッチ34の検出により洗浄槽20内の貯水部21の洗浄水が所定水位Lとなったか否かを判定する。制御装置50は、ステップ222において、貯水部21の洗浄水が所定水位Lとなるまで「NO」と繰り返し判定しているなかで、貯水部21の洗浄水が所定水位Lとなってフロートスイッチ34からオン信号が入力されると「YES」と判定してステップ223に進める。制御装置50は、ステップ223において、洗浄槽20用の給湯弁29aを閉止させて給湯処理を終了させる。
【0031】
次に、制御装置50は、ステップ224において、濯ぎ洗浄工程での洗浄処理として洗浄ポンプ27を15秒間作動させる。これにより、貯水部21内の洗浄水は循環パイプ26を介して洗浄ノズル24、25に圧送され、洗浄ノズル24、25は回転しながら洗浄水を医療用器具に噴射して、洗剤を含んだ洗浄水を洗い流す。この洗浄処理後、制御装置50は、ステップ225において、排水処理として排水ポンプ32を所定時間として30秒間作動させる。これにより、貯水部21内の洗浄水は排水管31を通って機外に排出される。
【0032】
ステップ221〜225による濯ぎ洗浄工程が終了すると、制御装置50は、ステップ231〜247により熱湯消毒工程を実行させる。この熱湯消毒工程では、制御装置50は、ステップ231において、熱湯タンク41用の給湯弁42aを開放させて、熱湯消毒工程での熱湯の供給処理を開始させる。これにより、給湯器30の湯は給湯管42を通って熱湯タンク41内に送出され、熱湯タンク41内の熱湯は増加した湯によりオーバーフロー管46から貯水部21に溢出することで送出される。このとき、給湯管42から熱湯タンク41内に供給された湯はガイド43により熱湯タンク41の下部に案内されるので、熱湯タンク41のオーバーフロー管46の上端開口の周囲の熱湯は温度が低下しにくくなっている。制御装置50は、ステップ232において、フロートスイッチ34の検出により貯水部21の熱湯が所定水位Lとなったか否かを判定する。制御装置50は、ステップ232において、貯水部21の熱湯が所定水位Lとなるまで「NO」と繰り返し判定しているなかで、貯水部21の熱湯が所定水位Lとなってフロートスイッチ34からオン信号が入力されると「YES」と判定してステップ233に進める。制御装置50は、ステップ233において、熱湯タンク41用の給湯弁42aを閉止させて熱湯の供給処理を終了させる。
【0033】
次に、制御装置50は、ステップ234において、洗浄ポンプ27を作動させて、熱湯消毒処理を開始させる。貯水部21内の熱湯は洗浄ポンプ27により循環パイプ26を介して洗浄ノズル24、25に圧送され、洗浄ノズル24、25は回転しながら熱湯を医療用器具に噴射する。制御装置50は、ステップ235において、洗浄槽20用の温度センサ22による検出温度が消毒に適した温度範囲の80℃以上か否かを判定する。貯水部21内の熱湯の温度が80℃以上であれば、消毒に適した温度であるので、制御装置50は、ステップ235において、「YES」と判定してステップ237に進める。
【0034】
これに対し、ステップ234によって貯水部21内の熱湯を洗浄ノズル24、25から噴射させたときに、この熱湯は医療用器具及び洗浄槽20の内壁と熱交換されて温度が低下して80℃より低くなることがある。このときには、制御装置50は、ステップ235において「NO」と判定してステップ236に進め、ステップ236において、洗浄槽20用のヒータ23に通電させる。これにより、貯水部21内の熱湯は洗浄ノズル24、25から噴射されながらヒータ23により加熱されて徐々に温度が上昇する。
【0035】
ステップ235による「YES」の判定後またはステップ236の処理後、制御装置50は、ステップ237において、タイマにより熱湯消毒時間の計時を開始する。次に、制御装置50は、ステップ238において、洗浄槽20用の温度センサ22による検出温度が91℃以上か否かを判定する。貯水部21内の熱湯が91℃以上となると、制御装置50は、ステップ238において「YES」と判定し、ステップ239に進める。制御装置50は、ステップ239において、洗浄槽20用のヒータ23の通電を停止させて、ステップ240に進める。これに対し、貯水部21内の熱湯が91℃以上となっていなければ、制御装置50は、ステップ238において「NO」と判定してステップ240に進める。
【0036】
制御装置50は、ステップ240において、洗浄槽20用の温度センサ22による検出温度が81℃以上か否かを判定する。貯水部21内の熱湯が81℃以上であれば、制御装置50は、ステップ240において「YES」と判定し、ステップ241に進める。制御装置50は、ステップ241において、ステップ237において計時開始した熱湯消毒時間が10分経過したか否かを判定する。熱湯消毒時間が10分経過していなければ、制御装置50は、ステップ241において「NO」と判定してステップ238に戻す。
【0037】
一方、ステップ240において、洗浄槽20用の温度センサ22による検出温度が81℃以上か否かを判定したときに、貯水部21内の熱湯が81℃以上でなければ、制御装置50は、ステップ240において「NO」と判定して、ステップ242に進める。制御装置50は、ステップ242において、さらに貯水部21内の熱湯が80℃以上か否かを判定する。貯水部21内の熱湯が80℃以上であれば、制御装置50は、ステップ242において「YES」と判定し、ステップ243に進める。制御装置50は、ステップ243において、洗浄槽20用のヒータ23に通電させ、ステップ238に戻す。これにより、貯水部21内の熱湯はヒータ23により加熱されて80℃以上に維持される。
【0038】
これに対し、貯水部21内の熱湯が80℃以上でなければ、制御装置50は、ステップ242において「NO」と判定し、ステップ236に戻す。このように、貯水部21内の熱湯が80℃より低くなれば、ステップ236に戻されて、貯水部21内の熱湯は加熱されるともに、熱湯消毒時間の計時が新たに開始される。
【0039】
貯水部21内の熱湯が80℃以上に維持された状態で、ステップ237から計時を開始させた熱湯消毒時間が10分経過すると、制御装置50は、ステップ241において「YES」と判定して、ステップ244に進める。制御装置50は、ステップ244において、洗浄槽20用のヒータ23の通電を停止させ、ステップ245において、洗浄ポンプ27の作動を停止させる。このように、医療用器具は80℃以上に維持された熱湯を10分間、洗浄ノズル24、25から噴射されることによって熱湯消毒される。
【0040】
次に、制御装置50は、ステップ246において、排水処理のために給水弁28aを所定時間として10秒間開放して、給水管28から貯水部21に水を供給する。貯水部21内の熱湯は給水管28からの水により温度が低くなり、これを排水しても排水管31及び排水ポンプ32を含めた排水経路が熱湯によって劣化しにくくなる。次に、制御装置50は、ステップ247において、排水ポンプ32を所定時間として30秒間作動させる。これにより、貯水部21内の熱湯は排水管31を通って機外に排出される。
【0041】
上述した洗浄プログラムを実行したときに、洗浄プログラムの開始から熱湯消毒工程の給湯処理終了までのタイミングまでは、熱湯タンク41内の湯の温度は熱湯消毒工程の熱湯消毒に適した温度として91℃以上になるように制御され、熱湯消毒工程の給湯処理終了後から次の洗浄プログラムを開始させるまでは、60℃以上になるように制御されている。これにより、洗浄装置10の熱湯供給装置は、熱湯消毒工程の給湯処理が開始するまでに遅滞なく91℃以上にすることによって洗浄時間を短くでき、また、常に91℃以上となるように制御したときと比べて省エネルギーとなってランニングコストを抑制することができる。
【0042】
このように構成した洗浄装置10においては、熱湯供給装置40は熱湯タンク41下部の熱湯がガイド43の下端開口からタンク下部に案内された湯によって撹拌されて上昇するのを抑制する撹拌抑制手段として、熱湯タンク41の後壁(一側側)に沿って立設させたガイド43の下部を熱湯タンク41の前壁側に曲げ、ガイド43の下端開口43cをタンクの前壁側(他側側)に向けるようにした。これにより、ガイド43の下端開口43cから熱湯タンク41下部に案内された湯は熱湯タンク41の底面にぶつからずに後壁側から前壁側に静かに導入され、熱湯タンク41下部の熱湯がガイド43の下端開口43cから案内された湯によって撹拌されて上昇するのを抑制されている。よって、熱湯タンク41内のオーバーフロー管46の上端開口46aから溢出される熱湯は熱湯タンク41の下部に案内された湯による影響を受けにくくなって温度が低下しにくくなる。これにより、熱湯タンク41の容量を必要以上に大きくすることなく、オーバーフロー管46から高温の熱湯を多く溢出させることができる。また、オーバーフロー管46の上端開口46aから溢出される熱湯は熱湯タンク41の下部に案内された湯による影響を受けにくくなって温度が低下しにくくなるので、貯水部21で洗浄槽用20のヒータ23により加熱する時間をなしとするまたは短くすることができ、熱湯消毒を含めた洗浄時間を短くすることができる。
【0043】
本実施形態の洗浄装置10においては、撹拌抑制手段として、熱湯タンク41の後壁(一側側)に沿って立設させたガイド43の下部を熱湯タンク41の前壁側に曲げ、ガイド43の下端開口43cを熱湯タンク41の前壁側(他側側)に向けるようにしている。しかし、本発明はこれに限られるものでなく、図6に示す他の実施形態のように、ガイド43の下端開口43cを熱湯タンク41の底面に向けたときに、撹拌抑制手段はガイド43の下端開口43cより上側位置の熱湯タンク41に取り付けられて下端開口43cから導出された湯が熱湯を撹拌するのを抑制する撹拌抑制板47としてもよい。このようにしたときにも、熱湯タンク41下部の熱湯がガイド43の下端開口43cから案内された湯によって撹拌されて上昇するのを抑制され、上述した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0044】
さらに、図7に示す他の実施形態のように、撹拌抑制手段は熱湯タンク41の水平方向の断面積を下側につれて小さくなるようにしたものであってもよい。このようにしたときにも、ガイド43の下端開口43cから案内された湯が熱湯タンク41下部の熱湯と混ざる部分の熱湯タンク41の体積を減らすことによって、上述した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0045】
本実施形態の洗浄装置10においては、洗浄水供給手段として給水管28と給湯器30から導出された給湯管29とを用いたが、本発明はこれに限られるものでなく、給水管28または給湯管29の一方を用いたものであってもよい。また、本実施形態の洗浄装置10においては、熱湯供給装置40は洗浄プログラムの熱湯消毒工程の消毒用の熱湯のみを供給するようにしているが、本発明はこれに限られるものでなく、熱湯供給装置40の熱湯を他の洗浄工程の洗浄水の一部または全部として用いてもよい。
【符号の説明】
【0046】
10…洗浄装置、20…洗浄槽、21…貯水部、24、25…洗浄ノズル、27…洗浄ポンプ、28、29…洗浄水供給手段(給水管、給湯管)、40…熱湯供給装置、41…タンク(熱湯タンク)、42…給湯管、43…ガイド、43c…下端開口、44…ヒータ、46…オーバーフロー管、46a…上端開口、47…撹拌抑制板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被洗浄物を収容して下部に洗浄水を貯える貯水部を有した洗浄槽と、前記貯水部に洗浄水を供給する洗浄水供給手段と、前記貯水部に熱湯を供給する熱湯供給装置と、前記洗浄槽内に収容した被洗浄物に前記貯水部の洗浄水を噴射する洗浄ノズルと、前記貯水部の洗浄水を前記洗浄ノズルに送出する洗浄ポンプとを備え、前記洗浄槽内に収容した被洗浄物を前記洗浄ポンプによって前記洗浄ノズルから噴出される洗浄水により洗浄し、洗浄後に前記熱湯供給装置から前記貯水部に供給される熱湯を前記洗浄ポンプによって前記洗浄ノズルから前記被洗浄物に噴射して熱湯消毒する洗浄装置であって、
前記熱湯供給装置は、熱湯を貯えるタンクと、このタンクの上部に給湯源の湯を供給する給湯管と、前記給湯管の給湯口の下側位置にて前記タンク内に立設されてこの給湯管から供給される湯を下端開口から前記タンク下部に案内する筒状のガイドと、前記タンク内に設けられて前記給湯管から供給された湯を熱湯に加熱するヒータと、前記タンク内にて上端開口が前記貯水部より高い位置に設けられてこの上端開口を超えて溢出する熱湯を前記貯水部に送出するオーバーフロー管とを有して、前記タンク内に供給された湯を前記ヒータにより熱湯に加熱した状態で、前記給湯管から供給された湯を前記ガイドにより前記タンク下部に案内し、この案内された湯により前記タンク内の水位を押し上げたときに前記オーバーフロー管から溢出する熱湯を前記貯水部に送出するものであり、前記タンク下部の熱湯が前記ガイドの下端開口から前記タンク下部に案内された湯によって撹拌されて上昇するのを抑制する撹拌抑制手段を有したことを特徴とする洗浄装置。
【請求項2】
請求項1に記載の洗浄装置において、
前記撹拌抑制手段は前記タンクの一側側に沿って立設させた前記ガイドの下端開口を前記タンクの他側側に向けるようにしたことを特徴とする洗浄装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の洗浄装置において、
前記撹拌抑制手段は前記ガイドの下端開口より上側位置の前記タンクに取り付けられて前記下端開口から導出された湯が熱湯を撹拌するのを抑制する撹拌抑制板であることを特徴とする洗浄装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載の洗浄装置において、
前記撹拌抑制手段は前記タンクの水平方向の断面積を下側につれて小さくなるようにしたことを特徴とする洗浄装置。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1項に記載の洗浄装置において、
前記撹拌抑制手段は前記タンクの前記ガイドの下端開口より上側位置に取り付けられた前記ヒータであることを特徴とする洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−39196(P2013−39196A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−177098(P2011−177098)
【出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【出願人】(000194893)ホシザキ電機株式会社 (989)
【Fターム(参考)】