洗浄装置

【課題】タイヤ、タイヤハウスおよび車体底部を洗浄でき、また、温度が低い環境でも適切に洗浄作業を行うことができる洗浄装置を提供する。
【解決手段】車両2のタイヤ5、タイヤハウス6および車体底部7を洗浄する洗浄装置1である。この洗浄装置1は、タイヤ5、タイヤハウス6および車体底部7へ向かって洗浄液を噴射する噴射手段11と、この噴射手段を制御する制御手段12とを備える。噴射手段11は、洗浄液を貯留するタンク13と、車体底部7に環状に位置するように配設した接続管14と、タンク13から接続管14へ洗浄液を圧送するポンプ15と、接続管14に取り付けられ、予め設定された設定圧力を基準に開閉状態が切り替わる複数の圧力バルブ16と、これらの各圧力バルブ16に取り付けられ洗浄液を噴射可能な噴射ノズル17とを有する。そして、制御手段12は、ポンプ15を制御することにより、循環状態と、噴射状態とに切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に取り付けられ、車両を洗浄する洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、牧場等の畜産施設においては、口蹄疫等の伝染病から家畜を護るための防疫対策が重要視されている。
【0003】
また、農場等の農業施設においては、例えば、シストセンチュウ、ダイズシストセンチュウおよびキタネグサセンチュウ等の病原微生物によって、馬鈴薯等の農作物に感染する土壌伝染病への対策が重要視されている。
【0004】
これらの家畜の伝染病や土壌伝染病は、畜産施設や農業施設等にて使用する車両に付着した土や泥を介して伝染することが、感染の原因の1つとされている。
【0005】
感染対策の1つとして、車両に付着した土や泥を除去するための洗浄が手作業で行われていたが、車両が走行することにより土や泥が付着しやすいタイヤ、タイヤハウスおよび車体底部は、車両の構造上、手作業では洗浄しにくく、適切に洗浄できない。
【0006】
そこで、例えば特許文献1に記載されたような、車両に取り付けられた洗浄装置により、運転しながらタイヤを洗浄するものが知られている。
【0007】
この従来の洗浄装置としての消毒剤噴射装置は、消毒剤用のタンクと、消毒剤をタイヤに噴射可能な複数の噴射ノズルと、タンク内の消毒剤を噴射ノズルに圧送する圧送手段と、消毒剤の噴霧開始および噴霧停止を切り替える操作スイッチとを備え、圧送手段は、エアブレーキ作動用の圧搾空気を利用している。なお、従来の洗浄装置としては、圧送手段として従来の圧送ポンプを利用する構成も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−104175号公報(第2頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記従来の構成では、タイヤしか洗浄できないため、手作業では洗浄しにくいタイヤハウスおよび車体底部を洗浄できず、また、例えば冬季等の温度が低い環境では、非噴射時に配管内に残留した洗浄液がそのまま配管内で凍結するため、適切に洗浄作業を行えない問題が考えられる。
【0010】
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、タイヤ、タイヤハウスおよび車体底部を洗浄でき、また、温度が低い環境でも適切に洗浄作業を行うことができる洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載された洗浄装置は、車両のタイヤ、タイヤハウスおよび車体底部を洗浄する洗浄装置であって、タイヤ、タイヤハウスおよび車体底部へ向かって洗浄液を噴射する噴射手段と、この噴射手段を制御する制御手段とを備え、前記噴射手段は、洗浄液が貯留されたタンクと、このタンクに接続されタンクからの洗浄液が内部を流動可能であり車体底部に環状に位置するように配設された接続管と、前記タンクから前記接続管へ洗浄液を圧送するポンプと、前記接続管に取り付けられ予め設定された設定圧力を基準に開閉状態が切り替わる複数の圧力バルブと、これらの各圧力バルブに取り付けられ洗浄液を噴射可能な噴射ノズルとを有し、前記制御手段は、前記ポンプを制御することにより、前記タンクから洗浄液が設定圧力より低い圧力で供給されて前記接続管内を洗浄液が循環する循環状態と、前記タンクから洗浄液が設定圧力以上の圧力で供給されて前記噴射ノズルから洗浄液が噴射される噴射状態とに選択的に切り替えるものである。
【0012】
請求項2に記載された洗浄装置は、請求項1に記載された洗浄装置において、噴射ノズルであるタイヤ用ノズルは、噴射口がタイヤに向けられ、タイヤに洗浄液を噴射し、噴射ノズルであるタイヤハウス用ノズルは、噴射口がタイヤハウスに向けられ、タイヤハウスに洗浄液を噴射し、噴射ノズルである車体底部用ノズルは、噴射口が車体底部に向けられ、車体底部に洗浄液を噴射するものである。
【0013】
請求項3に記載された洗浄装置は、請求項1または2に記載された洗浄装置において、接続管は、外部を覆う外側管を有し、この外側管は、噴射ノズルに対応する箇所に設けられた開口部と、この開口部を開閉する開閉体とを有するものである。
【0014】
請求項4に記載された洗浄装置は、請求項1ないし3いずれかに記載された洗浄装置において、接続管は、タンクからの洗浄液が流動し圧力バルブを介して噴射ノズルが接続された洗浄液管部と、この洗浄液管部内の洗浄液を加熱するための加熱用流体が流動する加熱管部とを有するものである。
【0015】
請求項5に記載された洗浄装置は、車両のタイヤ、タイヤハウスおよび車体底部を洗浄する洗浄装置であって、タイヤ、タイヤハウスおよび車体底部へ向かって洗浄液を噴射する噴射手段と、この噴射手段を制御する制御手段とを備え、前記噴射手段は、洗浄液が貯留されたタンクと、このタンクに接続されタンクからの洗浄液が内部を流動可能であり車体底部に環状に位置するように配設された接続管と、前記タンクから前記接続管へ洗浄液を圧送するポンプと、前記接続管側からの洗浄液を噴射可能な複数の噴射ノズルとを有し、前記接続管は、タンクから洗浄液が流動する洗浄液管部と、この洗浄液管部内の洗浄液を加熱するための加熱用流体が流動する加熱管部とを有し、前記制御手段が前記ポンプを制御することにより、前記タンクから洗浄液が供給されて前記噴射ノズルから洗浄液が噴射されるものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、タイヤ、タイヤハウスおよび車体底部へ向かって洗浄液を噴射する噴射手段を備え、この噴射手段が、車体底部に環状に位置するように配設された接続管を有するため、タイヤ、タイヤハウスおよび車体底部を洗浄でき、また、制御装置は、接続管内を洗浄液が循環する循環状態と、噴射ノズルから洗浄液が噴射される噴射状態とに選択的に切替可能であるため、非噴射時に洗浄液を循環させて洗浄液の凍結を防止でき、温度が低い環境でも適切に洗浄作業を行うことができる。
【0017】
また、本発明によれば、タイヤ、タイヤハウスおよび車体底部へ向かって洗浄液を噴射する噴射手段を備え、この噴射手段が、車体底部に環状に位置するように配設された接続管を有するため、タイヤ、タイヤハウスおよび車体底部を洗浄でき、また、接続管は、洗浄液が流動する洗浄液管部と、加熱用流体が流動する加熱管部とを有するため、非噴射時に洗浄液の凍結を防止でき、温度が低い環境でも適切に洗浄作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施の形態に係る洗浄装置の構成を示す構成図である。
【図2】同上洗浄装置が取り付けられた車両を示す側面図である。
【図3】同上洗浄装置の接続管を示す斜視図である。
【図4】同上洗浄装置の接続管を示す断面図である。
【図5】同上洗浄装置の接続管を示す端面図である。
【図6】同上洗浄装置の接続管の変形例を示す斜視図である。
【図7】同上洗浄装置の接続管の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の一実施の形態の構成について図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
図1において、1は洗浄装置であり、この洗浄装置1は、図2に示すような車両2に取り付けられて、車両2を洗浄するものである。
【0021】
ここで、車両2は、車体3と、この車体3にシャフト4を介して取り付けられたタイヤ5とを備え、車体3は、タイヤ5に対向するタイヤハウス6と、車体底部7とを有している。タイヤハウス6は、タイヤ5の円弧面状の外周面の一部、例えばタイヤ5の上方部、前方部および後方部を覆うようにタイヤ5に対向して設けられたもので、車両2が走行することにより、タイヤ5や車体底部7とともに土や泥が付着しやすい箇所である。
【0022】
そして、洗浄装置1は、車両2が走行することにより土や泥が付着しやすいタイヤ5、タイヤハウス6および車体底部7を洗浄して、土や泥を除去する。
【0023】
洗浄装置1は、タイヤ5、タイヤハウス6および車体底部7へ向かって、例えば次亜塩素酸を含む消毒液である洗浄液を噴射する噴射手段11と、この噴射手段11を制御する制御手段12とを備えている。
【0024】
噴射手段11は、洗浄液が貯留されたタンク13と、このタンク13に接続されタンク13からの洗浄液が内部を流動する接続管14と、タンク13から接続管14へ洗浄液を圧送するポンプ15と、接続管14に互いに間隔をおいて取り付けられた複数の圧力バルブ16と、これらの各圧力バルブ16に取り付けられ洗浄液を噴射可能な噴射ノズル17とを有している。
【0025】
制御手段12は、ポンプ15を制御することにより、噴射手段11を循環状態と噴射状態と選択的に切替可能である。
【0026】
また、制御手段12は、制御を切り替えるスイッチ等の切替手段(図示せず)を有し、この切替手段は、例えば運転席等のように走行中に制御を切り替えやすい箇所に取り付けられている。
【0027】
タンク13およびポンプ15は、例えば車両の所定箇所に設置されている。そして、ポンプ15は制御手段12により制御され、タンクに貯留された洗浄液がポンプ15の出力により接続管14へ圧送される。なお、タンク13には、例えばヒータやサーモスタット等の洗浄液加熱手段(図示せず)が設けられ、タンク13内の洗浄液が設定温度(例えば70℃)に維持される。
【0028】
接続管14は、図1に示すように、タンク13に接続された基端配管部21と、この基端配管部21に連通し、車体底部7の形状に対応するようにタイヤ5より内側にて車体3の長手方向に沿って配設された長手方向配管部22と、この長手方向配管部22に連通し、タイヤ5およびタイヤハウス6の形状に対応するように長手方向配管部22から車体3の幅方向に沿って配設された幅方向配管部23とを有しており、車体底部7に環状に位置するように配設されている。
【0029】
幅方向配管部23は、タイヤ5側に位置する第1幅方向配管部24と、タイヤハウス6側に位置する第2幅方向配管部25と、これら第1幅方向配管部24と第2幅方向配管部25との間に位置する折返管部26とを有している。
【0030】
接続管14は、円筒状の接続管本体31と、この接続管本体31の内部に設けられ、タンク13からの洗浄液が流動可能な洗浄液管部32と、接続管本体31内において洗浄液管部32の周囲を覆う断熱層33とを有している。
【0031】
また、洗浄液管部32における長手方向に沿って間隔をおいた複数箇所には、洗浄液管部32から外側へ延びる連通路34が設けられ、この連通路34に圧力バルブ16が接続されている。
【0032】
圧力バルブ16は、タンク13から接続管14へ供給される洗浄液の圧力に応じて、予め設定された設定圧力を基準に開閉状態が自動的に切り替わるものである。すなわち、圧力バルブ16は、タンク13から接続管14へ供給される洗浄液の圧力が設定圧力より低い低圧力の場合には閉状態となり、供給される洗浄液の圧力が上昇して設定圧力以上の高圧力になった場合には閉状態から開状態に切り替わって、噴射ノズル17に洗浄液が供給される。また一方、供給される洗浄液の圧力が高圧力から低圧力になった場合には、開状態から閉状態に切り替わって、噴射ノズル17への洗浄液の供給が停止される。
【0033】
噴射ノズル17は、圧力バルブ16の作動にともなって洗浄液を霧状またはジェット状に噴射するものである。
【0034】
なお、圧力バルブ16および噴射ノズル17は、タイヤ5、タイヤハウス6および車体底部7の略全域にわたって洗浄液が噴射されるように噴射量や噴射角度等を考慮して、設置間隔が適宜設定される。
【0035】
噴射ノズル17であるタイヤ用ノズル35は、第1幅方向配管部24に設置された圧力バルブ16に取り付けられており、噴射口がタイヤ5に向けられてタイヤ5へ向かって洗浄液を噴射する。
【0036】
噴射ノズル17であるタイヤハウス用ノズル36は、第2幅方向配管部25に設置された圧力バルブ16に取り付けられており、噴射口がタイヤハウス6に向けられてタイヤハウス6へ向かって洗浄液を噴射する。
【0037】
噴射ノズル17である車体底部用ノズル37は、長手方向配管部22に設置された圧力バルブ16に取り付けられており、噴射口が車体底部7に向けられて車体底部7へ向かって洗浄液を噴射する。
【0038】
ここで、図3および図4に示すように、接続管14は、接続管本体31の外部を覆う角筒状の外側管38を有している。
【0039】
この外側管38は、図5に示すように、噴射ノズル17に対応する箇所に設けられ噴射ノズル17の噴射口に近接して対向する開口部39と、この開口部39を開閉する開閉体40とを有している。
【0040】
開口部39は、噴射ノズル17の数に対応して設けられており、噴射ノズル17の噴射口より大きい矩形状に開口されている。
【0041】
開閉体40は、板状のもので、外側管38の外側面において開口部39に対応して設けられている。また、開閉体40は、例えばモータ等の駆動装置(図示せず)の駆動力により、開口部39を開閉するように外側管38に沿ってスライド移動する。すなわち、噴射ノズル17にて洗浄液を噴射させる際には、図5に実線で示すように開閉体40を移動させて開口部39を開状態とする。また、噴射停止後には、図5に二点鎖線で示すように開閉体40を移動させて、開口部39を閉状態とする。なお、駆動装置は、各開閉体40を個別に移動させる構成、および、各開閉体40を一斉に移動させる構成のいずれでもよい。
【0042】
次に、洗浄装置1の作用等を説明する。
【0043】
洗浄液を噴射させない場合には、開口部39が閉状態にされ、制御手段12によって、洗浄液の圧力が設定圧力より低い低圧力に保たれるようにポンプ15が制御されて、洗浄液が接続管14内を低圧力で流動する。
【0044】
洗浄液が接続管14内を低圧力で流動する場合には、各圧力バルブ16が閉状態となる。したがって、洗浄液が噴射ノズル17から噴射されることなく、基端配管部21、長手方向配管部22および幅方向配管部23を低圧力で流動して接続管14内を循環する循環状態となる。
【0045】
そして、洗浄液を噴射させる場合には、まず、開閉体40をスライド移動させて開口部39を開状態にする。
【0046】
開口部39を開状態にした後、切替手段にて制御手段12の制御を切り替える。制御手段12の制御が切り替わると、制御手段12によって、洗浄液の圧力を設定圧力以上の高圧力に上昇させるようにポンプ15が制御され、洗浄液が接続管14内を高圧力で流動する。
【0047】
洗浄液が接続管14内を高圧力で流動する場合には、各圧力バルブ16が開状態となる。したがって、洗浄液を噴射ノズル17から噴射する噴射状態となる。
【0048】
噴射状態では、タイヤ用ノズル35からタイヤ5に向かって洗浄液が噴射され、タイヤハウス用ノズル36からタイヤハウス6に向かって洗浄液が噴射され、車体底部用ノズル37から車体底部7に向かって洗浄液が噴射される。
【0049】
このように洗浄液を噴射することにより、タイヤ5、タイヤハウス6および車体底部7に付着した土および泥を除去して、土や泥に含まられる伝染病や土壌伝染病の病原微生物を除去する。
【0050】
洗浄液を所定量または所定時間噴射して洗浄した後は、切替手段により、制御手段12の制御を切り替えて、噴射手段11を噴射状態から循環状態にする。また、開閉体40をスライド移動させて開閉体40を閉状態にする。
【0051】
そして、このような洗浄装置1によれば、タイヤ5、タイヤハウス6および車体底部7へ向かって洗浄液を噴射する噴射手段11を備え、この噴射手段11が、車体底部7に環状に位置するように配置された接続管14を有するため、圧力バルブ16および噴射ノズル17をタイヤ5、タイヤハウス6および車体底部7に対応するように設置しやすい。
【0052】
したがって、噴射手段11によりタイヤ5、タイヤハウス6および車体底部7へ洗浄液を適切に噴射でき、土や泥が付着しやすいが手作業では洗浄しにくいタイヤ5、タイヤハウス6および車体底部7を適切に洗浄できる。
【0053】
また、車体底部7に環状に位置するように接続管14を配設することにより、その接続管14に圧力バルブ16を取り付けるとともに圧力バルブ16に噴射ノズル17を取り付けると、制御装置にてポンプ15を制御して、タンク13から供給される洗浄液の圧力に応じて、洗浄液が接続管14内で循環される循環状態と、洗浄液が噴射ノズル17から噴射される噴射状態とに選択的に切替可能にできる。
【0054】
したがって、循環状態と噴射状態とに適宜切り替えることにより、洗浄液の無駄な消費を防止できるのみならず、非噴射時には洗浄液を環状の接続管14内で循環させて洗浄液の凍結を防止でき、温度が低い環境であっても適切に洗浄作業を行うことができる。
【0055】
接続管14は、車体底部7の形状に対応した長手方向配管部22と、タイヤ5およびタイヤハウス6の形状に対応した幅方向配管部23とを有することにより、接続管14の形状をタイヤ5、タイヤハウス6および車体底部7により正確に対応させることができ、タイヤ5、タイヤハウス6および車体底部7を適切に洗浄できる。
【0056】
また、噴射手段11は、圧力バルブ16を有するため、制御手段12によりポンプを制御することによってタンク13から接続管14へ供給される洗浄液の圧力を変化させるだけで、循環状態と噴射状態とを選択的に切替可能である。
【0057】
噴射ノズル17は、噴射口がタイヤ5の向けられたタイヤ用ノズル35と、噴射口がタイヤハウス6に向けられたタイヤハウス用ノズル36と、噴射口が車体底部7に向けられた車体底部用ノズル37とを有することにより、タイヤ5、タイヤハウス6および車体底部7へ向かって洗浄液を確実に噴射でき、適切に洗浄できる。
【0058】
接続管14は、外側管38を有し、この外側管38が、開口部39と開閉体40とを有することにより、非噴射時に開閉体40を閉状態にして噴射ノズル17が露出しないため、温度が低い環境における噴射ノズル17内での洗浄液の凍結を防止でき、適切に洗浄できる。
【0059】
また、接続管14は、断熱層33を有することにより、接続管14内が外部の温度環境に影響されにくく、温度が低い環境であっても洗浄液の凍結をより確実に防止できる。特に、タンク13に洗浄液加熱手段が設けられ、タンク13の洗浄液が設定温度に維持される構成では、接続管14内を流動する洗浄液の温度がタンク13内での設定温度から低下しにくく、接続管14内での洗浄液の凍結をより確実に防止できる。
【0060】
なお、上記一実施の形態では、図2において車両2は、乗用車として示したが、車体3とタイヤ5とタイヤハウス6とを備えた車両2であればよく、例えば、トラクターやトラック等にも適用できる。
【0061】
洗浄液は、次亜塩素酸を含む消毒液としたが、このような構成には限定されず、噴射することにより土や泥を除去できるものであれば、例えば、他の消毒作用を有する洗剤を含む消毒液や、水等を洗浄液として用いてもよい。
【0062】
噴射手段11は、タンク13に洗浄液加熱手段が設けられた構成としたが、このような構成には限定されず、洗浄液加熱手段が設けられていない構成にしてもよい。
【0063】
噴射ノズル17は、タイヤ用ノズル35、タイヤハウス用ノズル36および車体底部用ノズル37のいずれかである構成としたが、このような構成には限定されず、タイヤ5、タイヤハウス6および車体底部7に洗浄液を噴射できる構成であればよい。
【0064】
接続管14は、基端配管部21、長手方向配管部22および幅方向配管部23を有する構成としたが、このような構成には限定されず、車体底部7に環状に位置するように取り付けられた構成であればよい。
【0065】
また、接続管14は、断熱層33を有する構成としたが、このような構成には限定されず、断熱層33を有さない構成にしてもよい。
【0066】
さらに、接続管14に取り付けられた圧力バルブ16の数や間隔は、図1に示す構成に限定されず、適宜設計できる。
【0067】
また、接続管14は、外側管38を有し、この外側管38が開口部39と開閉体40とを有する構成にしたが、このような構成には限定されず、外側管38を有さない構成や、開閉体40が設けられず開口部39が開口したままの構成にしてもよい。例えば、外気の温度が−10℃程度までであれば、開口部39が開口したままであっても、接続管14内を洗浄液が循環することにより洗浄液の凍結を防止できる。したがって、外気の気温やシステム上の設置状況を考慮して、開閉体40を設けるかどうかを選択できる。
【0068】
ここで、接続管14の変形例を図6および図7に示す。
【0069】
接続管51は、接続管本体52とこの接続管本体52の外部を覆う外側管53とを有している。
【0070】
また、接続管本体52は、洗浄液管部54と、この洗浄液管部54に平行に配設された加熱管部55とを有し、これら洗浄液管部54および加熱管部55が断熱層56により覆われている。
【0071】
洗浄液管部54は、タンク13からの洗浄液が流動するもので、圧力バルブ16を介して噴射ノズル17が接続されている。
【0072】
加熱管部55は、例えば温水や温風等の加熱用流体が流動して循環し、洗浄液管部54内の洗浄液を加熱する。なお、加熱管部55は、温水や温風だけでなく電熱線を設けて、電気により加熱する構成にしてもよい。
【0073】
そして、このような接続管51は、洗浄液が流動する洗浄液管部54と、この洗浄液管部54内の洗浄液を加熱する加熱用流体が流動する加熱管部55とを有するため、加熱管部55による加熱効果により洗浄液管部54内の洗浄液の温度が低下しにくい。
【0074】
したがって、温度の低い環境であっても洗浄液が凍結することを防止でき、適切に洗浄できる。
【0075】
また、洗浄液として消毒液を用いる場合においては、液温の低下による殺菌効果および消毒効果の低下を防止でき、適切に洗浄できる。
【0076】
なお、接続管51は、洗浄液管部54内を洗浄液が循環する構成としたが、加熱管部55により洗浄液管部54内の洗浄液を加熱できるため、洗浄液が洗浄液管部54内を循環しない構成にしてもよい。
【0077】
また、洗浄液が洗浄液管部54内を循環しない構成の場合は、圧力バルブ16を設けずに、接続管51に噴射ノズル17を直接取り付ける構成にしてもよい。
【0078】
このような構成では、制御手段12がポンプ15を制御することにより、タンク13から洗浄液が供給されて、噴射ノズル17から洗浄液が噴射される。
【0079】
そして、このような構成の洗浄装置1によれば、タイヤ5、タイヤハウス6および車体底部7へ向かって洗浄液を噴射する噴射手段11を備え、この噴射手段11が、車体底部7に環状に位置するように配設された接続管51を有するため、タイヤ5、タイヤハウス6および車体底部7を洗浄できる。
【0080】
また、接続管51は、洗浄液が流動する洗浄液管部54と、加熱用流体が流動する加熱管部55とを有するため、非噴射時に洗浄液の凍結を防止でき、温度が低い環境でも適切に洗浄作業を行うことができる。
【符号の説明】
【0081】
1 洗浄装置
2 車両
5 タイヤ
6 タイヤハウス
7 車体底部
11 噴射手段
12 制御手段
13 タンク
14 接続管
15 ポンプ
16 圧力バルブ
17 噴射ノズル
32 洗浄液管部
35 タイヤ用ノズル
36 タイヤハウス用ノズル
37 車体底部用ノズル
38 外側管
39 開口部
40 開閉体
51 接続管
53 外側管
54 洗浄液管部
55 加熱管部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のタイヤ、タイヤハウスおよび車体底部を洗浄する洗浄装置であって、
タイヤ、タイヤハウスおよび車体底部へ向かって洗浄液を噴射する噴射手段と、この噴射手段を制御する制御手段とを備え、
前記噴射手段は、洗浄液が貯留されたタンクと、このタンクに接続されタンクからの洗浄液が内部を流動可能であり車体底部に環状に位置するように配設された接続管と、前記タンクから前記接続管へ洗浄液を圧送するポンプと、前記接続管に取り付けられ予め設定された設定圧力を基準に開閉状態が切り替わる複数の圧力バルブと、これらの各圧力バルブに取り付けられ洗浄液を噴射可能な噴射ノズルとを有し、
前記制御手段は、前記ポンプを制御することにより、前記タンクから洗浄液が設定圧力より低い圧力で供給されて前記接続管内を洗浄液が循環する循環状態と、前記タンクから洗浄液が設定圧力以上の圧力で供給されて前記噴射ノズルから洗浄液が噴射される噴射状態とに選択的に切り替える
ことを特徴とする洗浄装置。
【請求項2】
噴射ノズルであるタイヤ用ノズルは、噴射口がタイヤに向けられ、タイヤに洗浄液を噴射し、
噴射ノズルであるタイヤハウス用ノズルは、噴射口がタイヤハウスに向けられ、タイヤハウスに洗浄液を噴射し、
噴射ノズルである車体底部用ノズルは、噴射口が車体底部に向けられ、車体底部に洗浄液を噴射する
ことを特徴とする請求項1記載の洗浄装置。
【請求項3】
接続管は、外部を覆う外側管を有し、
この外側管は、噴射ノズルに対応する箇所に設けられた開口部と、この開口部を開閉する開閉体とを有する
ことを特徴とする請求項1または2記載の洗浄装置。
【請求項4】
接続管は、タンクからの洗浄液が流動し圧力バルブを介して噴射ノズルが接続された洗浄液管部と、この洗浄液管部内の洗浄液を加熱するための加熱用流体が流動する加熱管部とを有する
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の洗浄装置。
【請求項5】
車両のタイヤ、タイヤハウスおよび車体底部を洗浄する洗浄装置であって、
タイヤ、タイヤハウスおよび車体底部へ向かって洗浄液を噴射する噴射手段と、この噴射手段を制御する制御手段とを備え、
前記噴射手段は、洗浄液が貯留されたタンクと、このタンクに接続されタンクからの洗浄液が内部を流動可能であり車体底部に環状に位置するように配設された接続管と、前記タンクから前記接続管へ洗浄液を圧送するポンプと、前記接続管側からの洗浄液を噴射可能な複数の噴射ノズルとを有し、
前記接続管は、タンクから洗浄液が流動する洗浄液管部と、この洗浄液管部内の洗浄液を加熱するための加熱用流体が流動する加熱管部とを有し、
前記制御手段が前記ポンプを制御することにより、前記タンクから洗浄液が供給されて前記噴射ノズルから洗浄液が噴射される
ことを特徴とする洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−6530(P2013−6530A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−140895(P2011−140895)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(506310050)株式会社アクト (16)
【Fターム(参考)】