洗濯乾燥機
【課題】乾燥フィルターやバックアップフィルターの目詰まりを簡単な方法で防止して乾燥性能を持続させるとともに、省電力と省スペースを図る。
【解決手段】ファンによって水槽から排気孔経由で吸気された空気は、風路を通過中に除湿板により除湿された後、風路に摺動可能に設けられ、乾燥フィルター8を収容する第1のケース7と、風路に固定して設けられバックアップフィルター10を収容する第2のケース9とを通過することでリントないし塵埃が付着する。第1のケース7の後部には、ブラシ13が設けられており、第1のケース7を前後に摺動させることにより、ブラシ13がバックアップフィルター10に付着したリントないし塵埃を掻き落とす。掻き落とされたリントないし塵埃は第2のケース9の床面に落ち、後部ほど下がるテーパ状床面に沿って風路に移動し、風路に落ち込む。これによりバックアップフィルター10の目詰まりを防ぐことができる。
【解決手段】ファンによって水槽から排気孔経由で吸気された空気は、風路を通過中に除湿板により除湿された後、風路に摺動可能に設けられ、乾燥フィルター8を収容する第1のケース7と、風路に固定して設けられバックアップフィルター10を収容する第2のケース9とを通過することでリントないし塵埃が付着する。第1のケース7の後部には、ブラシ13が設けられており、第1のケース7を前後に摺動させることにより、ブラシ13がバックアップフィルター10に付着したリントないし塵埃を掻き落とす。掻き落とされたリントないし塵埃は第2のケース9の床面に落ち、後部ほど下がるテーパ状床面に沿って風路に移動し、風路に落ち込む。これによりバックアップフィルター10の目詰まりを防ぐことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯および乾燥の機能を兼ね備えた洗濯乾燥機に関するものであり、特にフィルタークリーナ付き洗濯乾燥機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のフィルタークリーナ付き衣類乾燥機として、ドラムに取り付けたフィルターの正面側にクリーニング用のブラシ付きアームを取り付け、このアームを一定の条件のもとにフィルター面に接触させ、ドラムを所定時間回転させることで、制御器で駆動してフィルターに付着したリントを除去し、これをリント受けに一旦貯めてから捨てるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−910961号公報(図1、段落0013)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1で示される従来例では、専用乾燥機を用いており、一定条件の下でドラムを回転してリントを除去しているので、相当の電力を消費するという問題があった。また、洗濯機本体以外に専用乾燥機が必要であり、設置スペースの問題もあった。
【0005】
この発明は上記の課題を解決するために為されたものであり、乾燥フィルターやバックアップフィルターの目詰まりを簡単な方法で防止して乾燥性能を持続させるとともに、省電力と省スペースを図ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、洗濯または脱水を行う水槽と、この水槽から空気を吸気するファンと、このファンによって前記水槽からの空気が通過する風路と、この風路の所定位置に設けられ、挿入方向及び取出方向に摺動可能で、内部に開口部を有し、両側および挿入方向奥側の三方を上方に突出するリブで囲ったケースと、このケースの開口部を覆うように取り付けられ、前記空気からリントや塵埃を除去する乾燥フィルターと、前記ケースを出し入れ可能に収容し、前記風路の所定位置に形成され、前記ケースの開口部と連通する開口部を有する収容部と、前記乾燥フィルターの下流側に前記風路を覆うように取り付けられ、前記空気からリントや塵埃を除去するバックアップフィルターと、このバックアップフィルターの下流側に設けられ、前記ファンによって排気され再び前記水槽へ送り込まれる空気を熱する加熱手段と、前記ケースの挿入方向奥側のリブに基端が固定されると共に、その先端が前記バックアップフィルターに接触するように設けられ、前記バックアップフィルターの塵埃を掻き落とすブラシとを備えるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ケースまたは収容部のいずれかを外力によって移動させられることで乾燥フィルターやバックアップフィルターをケースまたは収容部に設けられたブラシで掃き落とすことができるので、乾燥フィルターやバックアップフィルターの目詰まりを簡単な方法で防止して乾燥性能を持続させるとともに、省電力と省スペースを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る洗濯乾燥機の実施形態を示す側面の断面図である。
【図2】本発明に係る洗濯乾燥機の実施形態における乾燥フィルター及び温風出口及び洗濯液出口を有する衣類投入口部の斜視図である。
【図3】本発明に係る洗濯乾燥機の衣類投入口部の下方斜視図である。
【図4】本発明の実施形態におけるフィルターを収容するケースの取り付け位置を示す説明図である。
【図5】本発明に係る洗濯乾燥機の実施形態における温風出口及び洗濯液出口の断面図である。
【図6】本発明の洗濯乾燥機の第1のケース7と第2のケース9の関係を示す説明図である。(第1のケースにブラシが付いている例)
【図7】本発明の洗濯乾燥機の第1のケース7と第2のケース9の関係を示す説明図である。(第1のケースにブラシが付いている別の例)
【図8】本発明の洗濯乾燥機の第1のケース7と第2のケース9の関係を示す説明図である。(第2のケースにブラシが付いている例)
【図9】本発明の洗濯乾燥機の第1のケース7と第2のケース9の関係を示す説明図である。(第2のケースにブラシが付いている別の例)
【図10】本発明の洗濯乾燥機の第1のケース7と第2のケース9の関係を示す説明図である。(第2のケースにブラシが付いているさらに別の例)
【図11】乾燥フィルター引き出し検出器14の取り付け状況を示す説明図である。
【図12】乾燥フィルター引き出しの検出と警報出力との関係を示すブロック図である。
【図13】ブラシ摩滅検出器の取り付け状況を示す説明図である。
【図14】ブラシ摩滅の検出と警報出力との関係を示すブロック図である。
【図15】第1のケースとリントないし塵埃との関係を示す説明図である。
【図16】第1のケースとポケット部とリントないし塵埃との関係を示す説明図である。
【図17】第2のケースの床面のテーパとリントないし塵埃との関係を示す説明図である。
【図18】第1のケース後部のリブとリントないし塵埃との関係を示す説明図である。
【図19】上下に摺動可能なリブの第1のケース後部への取り付けを示す説明図である。
【図20】第1のケース後部の上下に摺動可能なリブとリントないし塵埃との関係を示す説明図である。
【図21】ブラシユニットの第1のケース後部への取り付け状況を示す説明図である。
【図22】ブラシユニットの第1のケース後部への取り付け状況を示す説明図である。(詳細図)
【図23】ブラシ押し出し機構28の構成を模式的に示す説明図である。(レバー操作)
【図24】ブラシ押し出し機構28の構成を模式的に示す説明図である。(自動)
【図25】ブラシの磨耗検出から新たなブラシの設置までの一連の動作を自動化するブラシ自動交換ユニットの構成図である。
【図26】第1のケース7に上下の振動を与えてリントないし塵埃をふるい落とす例を示す説明図(側面図)である。
【図27】第1のケース7に上下の振動を与えてリントないし塵埃をふるい落とす例を示す説明図(側面図)である。
【図28】第1のケース7に水平方向に左右の振動を与えて乾燥フィルター8に付着したリントないし塵埃をふるい落とす例を示す説明図(平面図)である。
【図29】第1のケース7に上下の振動を与えてリントないし塵埃をふるい落とす例を示す説明図(側面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面について本発明の実施形態を説明する。図1は本発明に係る洗濯乾燥機の実施形態の空気の流れを示す側面の断面概略図であり、図2は本発明に係る洗濯乾燥機の実施の形態における乾燥フィルター及び温風出口及び洗濯液出口を有する衣類投入口部の斜視図、図3は本発明の実施の形態に係る洗濯乾燥機の実施形態における衣類投入口部の下方斜視図であり、図4は本発明の実施形態におけるフィルターを収容するケースの取り付け位置を示す説明図である。また、図5は温風出口および洗濯液出口の断面図である。また、図6は第1のケース7と第2のケース9の関係を示す説明図である。
【0010】
図1〜図6に示すように洗濯乾燥機1は、外箱内に内設され、洗濯または脱水を行う脱水槽を内包する水槽2と、この水槽2の上方に配設され衣類を投入するための開口部を有する衣類投入口部102と、蛇口または風呂水ポンプ(図示せず)から洗剤ケース(図示せず)を通過した水を水槽2内に供給する洗濯液出口103と、この水槽2に設けられ水分を含んだ空気が排出される排気孔3と、この排気孔3を通して水分を含んだ空気を吸気するファン4と、このファン4によって水槽2からの水分を含んだ空気が通過する風路5と、風路5内に設けられ、表面に水を流すことで空気から水分を取り除く除湿板6と、風路5の所定位置に設けられた第1のケース7(特許請求の範囲でいうケースに相当する)と、この第1のケース7の内部に設けられた第1の開口部7aを覆うように取り付けられ、除湿された空気からリントや塵埃を除去する乾燥フィルター8と、風路5の所定位置に設けられ、第1のケース7を引き出し可能に収容する第2のケース9(特許請求の範囲でいう収容部に相当する)と、乾燥フィルター8の下流側風路の所定位置に、第1の開口部7aと連通するように第2の開口部9aを設け、この第2の開口部9aを覆うように取り付けられ、除湿された空気からリントや塵埃を除去するバックアップフィルター10と、このバックアップフィルター10の下流側に設けられ、ファン4によって排気され風路12経由で再び水槽2へ送り込まれる空気を熱する加熱手段11と、この加熱手段11により熱せられた空気を水槽2へ送り込ませる衣類投入口部102に形成された温風出口104とを備えている。
なお、上記除湿板6は、除湿機や除湿空間であっても良い。
また、上記第2のケース9は、必ずしもケースである必要はなく、第1のケース7が収容され引き出し可能とする構造であれば、風路5に一体成形した構造であっても良い。
なお、温風出口104は、図3及び図5(a)に示すように、水槽2の上方に形成された衣類投入口部102に形成され、水槽2の周壁面と略平行するように配設された温風整流板104aとその左右に水槽2の周壁面と略直交するように配設される温風整流板104bおよび温風整流板104cとで形成される開口部であり、この開口部を風路5の出口5aと連通させることで温風出口104から水槽2内へ温風を送り込む。温風出口104は、乾燥フィルター9の左側、つまり洗濯乾燥機1の正面からみて中央部よりやや右側にリントフィルター9、やや左側に温風出口104および洗濯液出口103が設けられている。したがって、風路5から水槽2内に向けて送風される温風は、水槽2の左側より送風されることになるため、衣類投入口部102に設けられた左右の温風整流板104b、104cの長さを104b>104cとし、温風の流れを右方向に流れるようにしている。このように、温風出口104は、温風整流板104b、104cの長さを相違させて水槽2の略中心に向かって温風を吹き出させるようにしている。
また、洗濯液出口103は、衣類投入口部102に温風出口104と一体的に形成され、洗濯液整流板103aと温風整流板104bにより形成される開口部であり、衣類投入口部102から水槽2の上部周縁部付近に向かって延設するように、その内部に洗濯液吐出口105aを有する吐出給水ガイド105を内設して構成している(図5(b)参照)。このような構成にすることで、洗濯液が水槽2内へ確実に給水され、水槽2外に洗濯液が漏れてしまうというようなことがない。
【0011】
なお、通常は、乾燥フィルター8によってリントや塵埃を除去するようにしており、何らかの事情、例えば、乾燥フィルター8の付け忘れや乾燥フィルター8の破れ等で乾燥フィルター8が無かったときに、バックアップフィルター10が補助的に用いられる。即ち、乾燥フィルター8を取り外しているときに、排気中のリントや塵埃を含む排気が下流に流れ込むと、下流側の加熱手段11では、加熱手段にリントや塵埃が貯まり、この塵埃が所定の値以上貯まると、空気の循環が悪くなり、衣類が乾燥しないという問題や、高熱になり、場合によっては周囲のプラスチック材で構成される部材の変形などの問題を招くおそれがある。そこで、これらの問題を防ぐために、加熱手段11にリントや塵埃が入り込まないようにバックアップフィルター10を用いてリントや不要な塵埃を事前に除去するようにしている。従って、バックアップフィルター10の目は、加熱手段11の開口空間部もしくは加熱手段11のヒーターのフィンよりも細かく、また、空気の流れの圧力損失を小さくするため、乾燥フィルター9よりも敢えて粗くする。
【0012】
乾燥フィルター8またはバックアップフィルター10に付着したリントや塵埃は、使用者が第1のケース7を前方に引き出した後、後方(奥)に押し込む操作を1回以上行うことにより、ブラシ13が掃き出すように構成される。以下、この構成について説明する。なお、掃き出されたリントや塵埃は落下後処理される。詳細は後述する。また、乾燥フィルター8は引き出して水洗いすることで、目詰まりを防ぐことも可能であるが、本発明とは関係ないため、説明を省略する。
【0013】
また、図6に示すように第1のケース7を第2のケース9に収納させ、且つ前後に摺動可能とし、さらに乾燥フィルター8よりも下流側且つ後側にブラシ13を、その先端がバックアップフィルター10に接触するように設けてもよい。この場合には、第1のケース7を引き出した際にブラシ13がバックアップフィルター10を擦ることによりバックアップフィルター10に付着したリントを含む塵埃を掻き落とすので、バックアップフィルター10の目詰まりを防ぐことができる。また、従来例と異なり、電力を使用する必要がないので、このための設備も不要であり、省電力と省スペースを図ることができる。
なお、図中に示される2本の曲線は第2のケース9の取り付け位置を示すものである。
また、図7は、乾燥フィルター8及びバックアップフィルター10の取り付け状態を示すものであり、第1のケース7の内部の風路5に面して設けられた開口部を覆うように乾燥フィルター8を取り付ければよい。第2のケース9も同様であり、内部の風路5に面して設けられた開口部を覆うようにバックアップフィルター10を取り付ければよい。この場合にも同様の効果を奏する。
【0014】
また、図8に示すように第1のケース7を第2のケース9に収納させ、前後に摺動可能とし、第2のケース9の前側の床面にブラシ13をその先端が乾燥フィルター8に接触するように上向きに設ける。このように構成することで、第1のケース7を引き出した際にブラシ13が乾燥フィルター8を擦ることにより乾燥フィルター8に付着したリントを含む塵埃を掻き落とすので、乾燥フィルター8の目詰まりを防ぐことができる。また、従来例と異なり、電力を使用する必要がないので、このための設備も不要であり、省電力と省スペースを図ることができる。
なお、図9は、乾燥フィルター8及びバックアップフィルター10の取り付け状態を示すものであり、第1のケース7の内部の風路5に面して設けられた開口部を覆うように乾燥フィルター8を取り付ければよい。第2のケース9も同様であり、内部の風路5に面して設けられた開口部を覆うようにバックアップフィルター10を取り付ければよい。この場合には、ブラシ13は、第1のケース7を第2のケース9に収納したときに乾燥フィルター8の最前側に位置するように第2のケース9の下部前側に設けても良く、この場合にも同様の効果を奏する。
【0015】
なお、図10に示すように第1のケース7を第2のケース9に収納させ、前後に摺動可能とし、第2のケース9の前側の天井にブラシ13をその先端が乾燥フィルター8に接触するように下向きに設けてもよい。このように構成することで、第1のケース7を引き出した際にブラシ13が乾燥フィルター8を擦ることにより乾燥フィルター8に付着したリントを含む塵埃を掻き落とすので、上記と同様に乾燥フィルター8の目詰まりを防ぐことができる。また、従来例と異なり、電力を使用する必要がないので、このための設備も不要であり、省電力と省スペースを図ることができる。
【0016】
図11は、乾燥フィルター引き出し検出器14の取り付け状況を示す説明図であり、この乾燥フィルター引き出し検出器14は、第2のケース9の前部の所定位置に設けられ、乾燥フィルター8を収納している第1のケース7を引き出したときにOFFになり、第1のケースを閉じたときに第1のケースの前板の端部101によってONするように構成されており、この検出器14は例えばリミットスイッチで構成される。勿論、リミットスイッチに限らず、光センサで光が遮断されたか否かを判断して引き出しまたは取り出しを検出するようにしてもよいし、閉じた時に発する音が所定の値を超えたか否かを検出するようにしてもよい。このように乾燥フィルター8の引き出しまたは取り外しを乾燥フィルター引き出し検出器14が検知し、図12に示すようにマイコンなどの制御部15が検出器14からの出力を受信すると、この制御部5は警報装置16に表示または音声出力により警報を発させる。なお、警報はある一定時間後でも良いし、次回洗濯開始時または乾燥(洗濯乾燥)開始時でも良い。以上のように構成することにより、使用者は、乾燥フィルターを引き出した後で収納し忘れても、警報で知らされるので、迅速に対応することが可能となる。
なお、警報を簡単なメッセージで出力する場合には、制御部15を介さず、乾燥フィルター引き出し検出器14からの信号を直接警報装置16に接続してもよい。これにより、制御部が省略できるので、構成が簡単になり、製造コストを削減できる。
また、乾燥フィルター引き出し検出器14は、上記実施例では第2のケース9の前部に設けられているが、第2のケース9の後部の所定位置でも良く、同様の効果を得ることができる。
【0017】
また、図13は、ブラシ摩滅検出器の取り付け状況を示す説明図であり、フォトセンサ18と発光ダイオード17から構成されており、ブラシ13の所定の高さを調べるように第2のケース9の一方の側面に発光ダイオード17を取り付け、第2のケース9の他方の側面にフォトダイオードやフォトトランジスタなどから成るフォトセンサ18を取り付け、フォトセンサ18におけるフォトダイオード17からの光の受光量、即ち光の透過量に応じた信号を発する。図14に示すように、このフォトセンサ18からの信号を制御部15が基準値と比較して、光の透過量が所定の値以上になったらブラシ13が摩滅したと判断して警報装置16に表示または音声出力により警報を発させる。以上のように構成することにより、使用者は、ブラシ13の摩滅を警報で知らされるので、新品のブラシに交換するなどの迅速な対処が可能となる。
なお、警報を簡単なメッセージで出力する場合には、制御部15を介さず、乾燥フィルター引き出し検出器からの信号を直接警報装置16に接続してもよい。これにより、制御部が省略できるので、構成が簡単になり、製造コストを削減できる。
【0018】
次に、ブラシで掃き落とされたリントや塵埃の処理について説明する。図15に示すように、第2のケース9の下方の床面は、手前にブラシ13を設け、このブラシ13の後方に除湿風路5内と連通するポケット部Aを形成している。次に、リントないし塵埃の処理について図15を用いて説明する。図15の(ア)〜(ウ)に示すように第1のケース7を破線の矢印で示す方向に引き出す動作により乾燥フィルター8に付着したリントないし塵埃がブラシ13によって掻き落とされ、第2のケース9の床面に落下してリントないし塵埃の塊となり、図15の(エ)に示すように、ポケット部Aに集めることができる。そして、第1のケース7を引き出した後、ポケット部A内に集められたリントないし塵埃を捨てることができる。なお、第1のケース7を引き出した後に、ポケット部Aを取り出し可能とすれば、さらにリントないし塵埃が捨て易くなる。
また、図16に示すように、ポケット部Aを第2のケース9内より引き出し可能とする構造とすれば、ポケット部Aに集められたリントないし塵埃をポケット部Aを引き出すことで第2のケース9内より外部へ捨てることができる。
また、上記ポケット部A内の手前もしくは中間位置にブラシ13を設けるようにしても良く、上記と同様の効果を得ることができる。この場合、ポケット部Aとブラシ13とは一体でも別体であっても良い。
【0019】
図17及び図18は別な例を示しており、第2のケース9の下方の床面は、除湿風路5内に連通し、後(奥)に進むほど下がる傾斜(テーパ)が形成されている。また、図13に示すように第1のケース7の後部には下方に突き出たリブ19が形成されている。次に、リントないし塵埃の処理について図17及び図18を用いて説明する。図17(a)に示すように第1のケース7を引き出すと乾燥フィルター8またはバックアップフィルター10に付着したリントないし塵埃がブラシ13によって掻き落とされ、第2のケース9の床面に落下してリントないし塵埃の塊となり、図17(b)に示すように傾斜面に沿って風路5に向かって転がり落ちる。
また、第1のケース7の後部にリブ19が形成されている場合には、図18に示すように、第1のケースを押し込む際にリブ19によりこの塊は傾斜面に沿って風路に向かって押し出され落下し易くなるので清掃能力が向上する。また、図19に示すようにリブ19は重力により第1のケースの後部に沿って鉛直方向に摺動可能であり、ストッパー21は、リブ19を所定の位置で止め、これ以上の落下を防止する。このようにリブ19を重力により第1のケースの後部に沿って鉛直方向に摺動可能とすることで、図20に示すようにリブ19は第2のケース9の床面に沿ってリント乃至塵埃を風路5までほぼ完全に押し出すので、清掃能力が格段に向上する。
なお、この場合、第1のケースを引き出すときにブラシ13によってリントないし塵埃がストッパー21の位置に下がったままのリブ19によって風路側から遠く離れたブラシ側に掻き集められ、リブ19とブラシ13との間に挟まれることになり、次に第1のケースを押し込んでもリブ19によって押し出すことができなくなるという不具合が発生する。そこで、この問題を解決するために図19に示すようにリブ19を鉄などの磁性材料で構成し、第2のケースの前方上部に電磁石42を取付け、第1のケースを引き出すときに手操作によってONして電磁石42を励磁させ、押し込むときにはOFFになって電磁石42の励磁を停止するようなスイッチ43を第1のケースの取手44に設けることで、第1のケースを引き出すときは、リブ19が上昇した状態で引き出すことができ、これにより、上記不具合の発生を防止することができる。また、風路5に達したリントないし塵埃の塊は、風路に沿って下方に落下する。落下した塵埃は次の洗濯時に排水とともに外部へ捨てられる。
【0020】
図21は、別な例を示しており、ブラシ13をブラシ台23に植毛して構成されたブラシユニット22の構成図であり、同時にブラシユニット22を第1のケース7に設置する場合の様子を示している。図21に示すようにブラシユニット22は、ブラシ台23と、このブラシ台23の下面に突起部24が設けられ、ブラシ台23の上面にはブラシ13が植毛されている。使用者またはメンテナンス者は、このブラシユニット22を第1のケース7の後部に設けられた凹部25に挿入する。また、図22、図20に示すように、ブラシ台23の側面には両面に切り欠き部26が形成されており、第1のケース7の対応する位置には、ブラシ台23の切り欠き部26に係合する爪部27が設けられている。使用者は、ブラシユニット22を上記のように設置した後で、切り欠き部26に爪部27を係合させて固定する。以上のように使用者は、必要時、上記手順で新品のブラシユニット22に交換することで清掃能力を向上させることが可能になる。
上記の例では、ブラシユニット22を第1のケース7に設置する場合について説明したが、第2のケース9の上部前側または中間や下部前側または中間に設置する場合も同様であることはいうまでもない。
【0021】
図23は、さらに別な例を示すものであり、ブラシ押し出し機構28の構成を模式的に示す説明図である。第1のケース7の後部には、予め毛足の長さが所定の長さで揃えられたブラシ13を植毛したブラシ台23が設けられており、このブラシ台23の一方の面には上下方向に歯車29(特許請求の範囲でいう移動手段に相当)と噛み合う凹凸部が形成されており、歯車29にはレバー30(特許請求の範囲でいう操作部に相当)が回転軸31を介して接続されている。使用者は、ブラシ13が一定のレベル以上摩滅したことを知ると、第1のケース7を引き出してから、手持ちのカッター(はさみなど)を用いてブラシ13を所定の位置で切り揃え、その後、着脱自在なレバー30を回転軸31に差し込んだ上でレバー31を上下方向に回転操作する。これにより、レバー30の回転力は回転軸31、歯車29の順に伝達され、歯車29が回転すると、切り揃えられたブラシ13はブラシ台23ごと所定の量だけ上方に押し出され、新たなブラシユニット22として使用される。このように、毛足の長いブラシ13を摩滅する都度、所定の長さずつ押し出すようにしたので、1つのブラシユニット22で複数回ブラシを交換するのと同様の機能をもつので、節約が図れる。
【0022】
図24および図25は、さらに別な例を示すものであり、ブラシの磨耗検出から新たなブラシの設置までの一連の動作を自動化するブラシ自動交換ユニットの構成図である。図24は、図23におけるレバー30をモーター32に置き換え、さらに電気信号によって動作するカッター33が追加されている。このカッター33は刃35aと台座35bで構成され、第1のケース7の後部の所定位置に設置されており、刃35aが動作して、ブラシ13を切り揃えるように構成されている。
【0023】
また、図25は、上記ブラシ自動交換ユニットの構成を示すブロック図である。ブラシ自動交換ユニットの構成を図24および図25を用いて説明する。
ブラシ摩滅検出器18は、ブラシ13の摩滅状況に応じて変化する透過光を受光量の変化として受け取り、受光量に応じたレベル信号を検出信号として出力する。制御部15は、ブラシ摩滅検出器18から出力される検出信号を受信すると、この検出信号を予め設定され図示しない記憶部に保有している基準値と比較する。そして検出信号が基準値を超えると、ソレノイド34に起動信号を与えてカッター33を駆動し、ブラシ13を切り揃える。次に、制御部15はソレノイド34からの完了信号を受信すると、モーター32を駆動してブラシ押し出し部28を動作させる。
【0024】
以上のように、ブラシの磨滅検出から新たなブラシの設置までの一連の動作を自動化するので、使用者はブラシ交換作業をする必要がなくなり、作業の煩わしさから開放される。
【0025】
図26は、乾燥フィルター8に付着したリントないし塵埃を、ブラシを用いて掻き落とす代わりに、第1のケース7に上下の振動を与えてリントないし塵埃をふるい落とす例を示す説明図であり、第1のケース7と第2のケース9の側面図である。図26に示すように第2のケース9の床部の、第1のケース7の底部と接する面には、前後方向に連続した複数の凹凸部36が設けられており、第1のケース7を摺動して出し入れする際に第1のケース7が凹凸部36と接触することで上下に振動する。これにより、乾燥フィルター8に付着したリントないし塵埃は、ふるい落とされる。従って、乾燥フィルター8の目詰まりを防ぐことができる。
また、ブラシによる掻き落としと上下の振動の両方を組合わせることも可能であり、これにより清掃効果はさらに向上することはいうまでもない。
また、前記上下の振動は、上記の凹凸形状による構成のほか、モーターを使って上下の振動を行うようにしても良い。例えば、モーター40を、図27(a)および図27(b)に示すように、第2のケース9の所定位置に設ける。そして、このモーター40にアンバランスマス41を取り付け、これによる偏芯でモーター自身を振動させ、この振動により第2のケース9が上下に振動する。これにより、乾燥フィルター8に付着したリントないし塵埃は、ふるい落とされる。従って、乾燥フィルター8の目詰まりを防ぐことができる。
また、別な例として、回転軸にカムや弾性体のバーなどを取り付けたモーターを第2のケース9の所定位置に設ければ、モーターの回転によってカムや弾性体のバーが乾燥フィルター8またはその周辺を叩いて振動させ、第2のケース9が上下に振動する。これにより、乾燥フィルター8に付着したリントないし塵埃は、ふるい落とされる。従って、乾燥フィルター8の塵埃を落とし、目詰まりを防ぐことができる。
【0026】
図28は、第1のケース7に水平方向に左右の振動を与えて乾燥フィルター8に付着したリントないし塵埃をふるい落とす例を示す説明図であり、第1のケース7と第2のケース9の平面図である。第2のケース9の左右いずれか一方の、第1のケース7の外側面には複数の凹凸部37aを設け、これと接する内側面には、複数の凹凸部37bを設けてあり、他方には圧着板38と弾性部材39が第1のケース7と両側面で摺動可能かつ密着するような位置に設けられている。このような構成において、第1のケース7を摺動して出し入れする際に第1のケース7が凹凸部37bと接触することで左右に振動する。これにより、乾燥フィルター8に付着したリントないし塵埃は、ふるい落とされる。従って、乾燥フィルター8の目詰まりを防ぐことができる。
また、上記では、圧着板38と弾性部材39を用いて第1のケース7を左右に振動させているが、圧着板や弾性部材を用いずに、第1のケース7を左右に振動させるようにしても良い。例えば、図29(a)は図29(b)の第1のケース7が第2のケース9内に収容された状態でのA−A断面図であり、図29(b)に示すように、第1のケース7を引き出すためのレール部7b、9bを設け、このレール部7bの上下または左右に凹凸7cを設け(図29では左右)、第2のケース9のレール部9bの上下または左右にも凹凸9cを設け(図29では左右)、第1のケース7の引き出し時にレール部7bに設けた凹凸部7cが摺動してレール部9bに設けた凹凸部9cに接触することで、第1のケース7を振動させるようにしても良い。なお、凹凸部7c、9cをレール部7b、9bの左右に設けた場合、凹凸部7cもしくは凹凸部9cのいずれかを弾性体もしくは樹脂や金属などの薄い板(板バネ)で形成し、凹凸部7cと凹凸部9cとを若干ラップさせるようにする。これにより、乾燥フィルター8に付着したリントないし塵埃は、ふるい落とされる。従って、乾燥フィルター8の目詰まりを防ぐことができる。
また、ブラシによる掻き落としと左右の振動の両方を組み合わせることも可能であり、これにより清掃効果はさらに向上することはいうまでもない。
【符号の説明】
【0027】
1 洗濯乾燥機、2 水槽、3 排気孔、4 ファン、5 風路、6 除湿板、7 第1のケース、7a 開口部、7b レール部、7c 凹凸部、8 乾燥フィルター、9 第2のケース、9a 開口部、9b レール部、9c 凹凸部、10 バックアップフィルター、11 ヒーター、12 風路、13 ブラシ、14 乾燥フィルター引き出し検出器、15 制御部、16 警報装置、17 発光ダイオード、18 フォトダイオード、19 リブ、20 テーパ、21 ストッパー、22 ブラシユニット、23 ブラシ台、24 突起部、25 凹部、26 切り欠き部、27 爪部、28 ブラシ押し出し器、29 歯車、30 レバー、31 回転軸、32モーター、33 カッター、34 ソレノイド、35a 刃、35b 台座、36 凹凸部、37 凹凸部、38 圧着板、39 弾性部材、40 モータ、41 アンバランスマス、42 電磁石、43 スイッチ、44 取手、101 引き出し前部の端部、A ポケット部、102 衣類投入口部、103 洗濯液出口、103a 洗濯液整流板、104 温風出口、104a 温風整流板、104b 温風整流板、104c 温風整流板、105 吐出給水ガイド、105a 洗濯液吐出口。
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯および乾燥の機能を兼ね備えた洗濯乾燥機に関するものであり、特にフィルタークリーナ付き洗濯乾燥機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のフィルタークリーナ付き衣類乾燥機として、ドラムに取り付けたフィルターの正面側にクリーニング用のブラシ付きアームを取り付け、このアームを一定の条件のもとにフィルター面に接触させ、ドラムを所定時間回転させることで、制御器で駆動してフィルターに付着したリントを除去し、これをリント受けに一旦貯めてから捨てるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−910961号公報(図1、段落0013)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1で示される従来例では、専用乾燥機を用いており、一定条件の下でドラムを回転してリントを除去しているので、相当の電力を消費するという問題があった。また、洗濯機本体以外に専用乾燥機が必要であり、設置スペースの問題もあった。
【0005】
この発明は上記の課題を解決するために為されたものであり、乾燥フィルターやバックアップフィルターの目詰まりを簡単な方法で防止して乾燥性能を持続させるとともに、省電力と省スペースを図ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、洗濯または脱水を行う水槽と、この水槽から空気を吸気するファンと、このファンによって前記水槽からの空気が通過する風路と、この風路の所定位置に設けられ、挿入方向及び取出方向に摺動可能で、内部に開口部を有し、両側および挿入方向奥側の三方を上方に突出するリブで囲ったケースと、このケースの開口部を覆うように取り付けられ、前記空気からリントや塵埃を除去する乾燥フィルターと、前記ケースを出し入れ可能に収容し、前記風路の所定位置に形成され、前記ケースの開口部と連通する開口部を有する収容部と、前記乾燥フィルターの下流側に前記風路を覆うように取り付けられ、前記空気からリントや塵埃を除去するバックアップフィルターと、このバックアップフィルターの下流側に設けられ、前記ファンによって排気され再び前記水槽へ送り込まれる空気を熱する加熱手段と、前記ケースの挿入方向奥側のリブに基端が固定されると共に、その先端が前記バックアップフィルターに接触するように設けられ、前記バックアップフィルターの塵埃を掻き落とすブラシとを備えるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ケースまたは収容部のいずれかを外力によって移動させられることで乾燥フィルターやバックアップフィルターをケースまたは収容部に設けられたブラシで掃き落とすことができるので、乾燥フィルターやバックアップフィルターの目詰まりを簡単な方法で防止して乾燥性能を持続させるとともに、省電力と省スペースを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る洗濯乾燥機の実施形態を示す側面の断面図である。
【図2】本発明に係る洗濯乾燥機の実施形態における乾燥フィルター及び温風出口及び洗濯液出口を有する衣類投入口部の斜視図である。
【図3】本発明に係る洗濯乾燥機の衣類投入口部の下方斜視図である。
【図4】本発明の実施形態におけるフィルターを収容するケースの取り付け位置を示す説明図である。
【図5】本発明に係る洗濯乾燥機の実施形態における温風出口及び洗濯液出口の断面図である。
【図6】本発明の洗濯乾燥機の第1のケース7と第2のケース9の関係を示す説明図である。(第1のケースにブラシが付いている例)
【図7】本発明の洗濯乾燥機の第1のケース7と第2のケース9の関係を示す説明図である。(第1のケースにブラシが付いている別の例)
【図8】本発明の洗濯乾燥機の第1のケース7と第2のケース9の関係を示す説明図である。(第2のケースにブラシが付いている例)
【図9】本発明の洗濯乾燥機の第1のケース7と第2のケース9の関係を示す説明図である。(第2のケースにブラシが付いている別の例)
【図10】本発明の洗濯乾燥機の第1のケース7と第2のケース9の関係を示す説明図である。(第2のケースにブラシが付いているさらに別の例)
【図11】乾燥フィルター引き出し検出器14の取り付け状況を示す説明図である。
【図12】乾燥フィルター引き出しの検出と警報出力との関係を示すブロック図である。
【図13】ブラシ摩滅検出器の取り付け状況を示す説明図である。
【図14】ブラシ摩滅の検出と警報出力との関係を示すブロック図である。
【図15】第1のケースとリントないし塵埃との関係を示す説明図である。
【図16】第1のケースとポケット部とリントないし塵埃との関係を示す説明図である。
【図17】第2のケースの床面のテーパとリントないし塵埃との関係を示す説明図である。
【図18】第1のケース後部のリブとリントないし塵埃との関係を示す説明図である。
【図19】上下に摺動可能なリブの第1のケース後部への取り付けを示す説明図である。
【図20】第1のケース後部の上下に摺動可能なリブとリントないし塵埃との関係を示す説明図である。
【図21】ブラシユニットの第1のケース後部への取り付け状況を示す説明図である。
【図22】ブラシユニットの第1のケース後部への取り付け状況を示す説明図である。(詳細図)
【図23】ブラシ押し出し機構28の構成を模式的に示す説明図である。(レバー操作)
【図24】ブラシ押し出し機構28の構成を模式的に示す説明図である。(自動)
【図25】ブラシの磨耗検出から新たなブラシの設置までの一連の動作を自動化するブラシ自動交換ユニットの構成図である。
【図26】第1のケース7に上下の振動を与えてリントないし塵埃をふるい落とす例を示す説明図(側面図)である。
【図27】第1のケース7に上下の振動を与えてリントないし塵埃をふるい落とす例を示す説明図(側面図)である。
【図28】第1のケース7に水平方向に左右の振動を与えて乾燥フィルター8に付着したリントないし塵埃をふるい落とす例を示す説明図(平面図)である。
【図29】第1のケース7に上下の振動を与えてリントないし塵埃をふるい落とす例を示す説明図(側面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面について本発明の実施形態を説明する。図1は本発明に係る洗濯乾燥機の実施形態の空気の流れを示す側面の断面概略図であり、図2は本発明に係る洗濯乾燥機の実施の形態における乾燥フィルター及び温風出口及び洗濯液出口を有する衣類投入口部の斜視図、図3は本発明の実施の形態に係る洗濯乾燥機の実施形態における衣類投入口部の下方斜視図であり、図4は本発明の実施形態におけるフィルターを収容するケースの取り付け位置を示す説明図である。また、図5は温風出口および洗濯液出口の断面図である。また、図6は第1のケース7と第2のケース9の関係を示す説明図である。
【0010】
図1〜図6に示すように洗濯乾燥機1は、外箱内に内設され、洗濯または脱水を行う脱水槽を内包する水槽2と、この水槽2の上方に配設され衣類を投入するための開口部を有する衣類投入口部102と、蛇口または風呂水ポンプ(図示せず)から洗剤ケース(図示せず)を通過した水を水槽2内に供給する洗濯液出口103と、この水槽2に設けられ水分を含んだ空気が排出される排気孔3と、この排気孔3を通して水分を含んだ空気を吸気するファン4と、このファン4によって水槽2からの水分を含んだ空気が通過する風路5と、風路5内に設けられ、表面に水を流すことで空気から水分を取り除く除湿板6と、風路5の所定位置に設けられた第1のケース7(特許請求の範囲でいうケースに相当する)と、この第1のケース7の内部に設けられた第1の開口部7aを覆うように取り付けられ、除湿された空気からリントや塵埃を除去する乾燥フィルター8と、風路5の所定位置に設けられ、第1のケース7を引き出し可能に収容する第2のケース9(特許請求の範囲でいう収容部に相当する)と、乾燥フィルター8の下流側風路の所定位置に、第1の開口部7aと連通するように第2の開口部9aを設け、この第2の開口部9aを覆うように取り付けられ、除湿された空気からリントや塵埃を除去するバックアップフィルター10と、このバックアップフィルター10の下流側に設けられ、ファン4によって排気され風路12経由で再び水槽2へ送り込まれる空気を熱する加熱手段11と、この加熱手段11により熱せられた空気を水槽2へ送り込ませる衣類投入口部102に形成された温風出口104とを備えている。
なお、上記除湿板6は、除湿機や除湿空間であっても良い。
また、上記第2のケース9は、必ずしもケースである必要はなく、第1のケース7が収容され引き出し可能とする構造であれば、風路5に一体成形した構造であっても良い。
なお、温風出口104は、図3及び図5(a)に示すように、水槽2の上方に形成された衣類投入口部102に形成され、水槽2の周壁面と略平行するように配設された温風整流板104aとその左右に水槽2の周壁面と略直交するように配設される温風整流板104bおよび温風整流板104cとで形成される開口部であり、この開口部を風路5の出口5aと連通させることで温風出口104から水槽2内へ温風を送り込む。温風出口104は、乾燥フィルター9の左側、つまり洗濯乾燥機1の正面からみて中央部よりやや右側にリントフィルター9、やや左側に温風出口104および洗濯液出口103が設けられている。したがって、風路5から水槽2内に向けて送風される温風は、水槽2の左側より送風されることになるため、衣類投入口部102に設けられた左右の温風整流板104b、104cの長さを104b>104cとし、温風の流れを右方向に流れるようにしている。このように、温風出口104は、温風整流板104b、104cの長さを相違させて水槽2の略中心に向かって温風を吹き出させるようにしている。
また、洗濯液出口103は、衣類投入口部102に温風出口104と一体的に形成され、洗濯液整流板103aと温風整流板104bにより形成される開口部であり、衣類投入口部102から水槽2の上部周縁部付近に向かって延設するように、その内部に洗濯液吐出口105aを有する吐出給水ガイド105を内設して構成している(図5(b)参照)。このような構成にすることで、洗濯液が水槽2内へ確実に給水され、水槽2外に洗濯液が漏れてしまうというようなことがない。
【0011】
なお、通常は、乾燥フィルター8によってリントや塵埃を除去するようにしており、何らかの事情、例えば、乾燥フィルター8の付け忘れや乾燥フィルター8の破れ等で乾燥フィルター8が無かったときに、バックアップフィルター10が補助的に用いられる。即ち、乾燥フィルター8を取り外しているときに、排気中のリントや塵埃を含む排気が下流に流れ込むと、下流側の加熱手段11では、加熱手段にリントや塵埃が貯まり、この塵埃が所定の値以上貯まると、空気の循環が悪くなり、衣類が乾燥しないという問題や、高熱になり、場合によっては周囲のプラスチック材で構成される部材の変形などの問題を招くおそれがある。そこで、これらの問題を防ぐために、加熱手段11にリントや塵埃が入り込まないようにバックアップフィルター10を用いてリントや不要な塵埃を事前に除去するようにしている。従って、バックアップフィルター10の目は、加熱手段11の開口空間部もしくは加熱手段11のヒーターのフィンよりも細かく、また、空気の流れの圧力損失を小さくするため、乾燥フィルター9よりも敢えて粗くする。
【0012】
乾燥フィルター8またはバックアップフィルター10に付着したリントや塵埃は、使用者が第1のケース7を前方に引き出した後、後方(奥)に押し込む操作を1回以上行うことにより、ブラシ13が掃き出すように構成される。以下、この構成について説明する。なお、掃き出されたリントや塵埃は落下後処理される。詳細は後述する。また、乾燥フィルター8は引き出して水洗いすることで、目詰まりを防ぐことも可能であるが、本発明とは関係ないため、説明を省略する。
【0013】
また、図6に示すように第1のケース7を第2のケース9に収納させ、且つ前後に摺動可能とし、さらに乾燥フィルター8よりも下流側且つ後側にブラシ13を、その先端がバックアップフィルター10に接触するように設けてもよい。この場合には、第1のケース7を引き出した際にブラシ13がバックアップフィルター10を擦ることによりバックアップフィルター10に付着したリントを含む塵埃を掻き落とすので、バックアップフィルター10の目詰まりを防ぐことができる。また、従来例と異なり、電力を使用する必要がないので、このための設備も不要であり、省電力と省スペースを図ることができる。
なお、図中に示される2本の曲線は第2のケース9の取り付け位置を示すものである。
また、図7は、乾燥フィルター8及びバックアップフィルター10の取り付け状態を示すものであり、第1のケース7の内部の風路5に面して設けられた開口部を覆うように乾燥フィルター8を取り付ければよい。第2のケース9も同様であり、内部の風路5に面して設けられた開口部を覆うようにバックアップフィルター10を取り付ければよい。この場合にも同様の効果を奏する。
【0014】
また、図8に示すように第1のケース7を第2のケース9に収納させ、前後に摺動可能とし、第2のケース9の前側の床面にブラシ13をその先端が乾燥フィルター8に接触するように上向きに設ける。このように構成することで、第1のケース7を引き出した際にブラシ13が乾燥フィルター8を擦ることにより乾燥フィルター8に付着したリントを含む塵埃を掻き落とすので、乾燥フィルター8の目詰まりを防ぐことができる。また、従来例と異なり、電力を使用する必要がないので、このための設備も不要であり、省電力と省スペースを図ることができる。
なお、図9は、乾燥フィルター8及びバックアップフィルター10の取り付け状態を示すものであり、第1のケース7の内部の風路5に面して設けられた開口部を覆うように乾燥フィルター8を取り付ければよい。第2のケース9も同様であり、内部の風路5に面して設けられた開口部を覆うようにバックアップフィルター10を取り付ければよい。この場合には、ブラシ13は、第1のケース7を第2のケース9に収納したときに乾燥フィルター8の最前側に位置するように第2のケース9の下部前側に設けても良く、この場合にも同様の効果を奏する。
【0015】
なお、図10に示すように第1のケース7を第2のケース9に収納させ、前後に摺動可能とし、第2のケース9の前側の天井にブラシ13をその先端が乾燥フィルター8に接触するように下向きに設けてもよい。このように構成することで、第1のケース7を引き出した際にブラシ13が乾燥フィルター8を擦ることにより乾燥フィルター8に付着したリントを含む塵埃を掻き落とすので、上記と同様に乾燥フィルター8の目詰まりを防ぐことができる。また、従来例と異なり、電力を使用する必要がないので、このための設備も不要であり、省電力と省スペースを図ることができる。
【0016】
図11は、乾燥フィルター引き出し検出器14の取り付け状況を示す説明図であり、この乾燥フィルター引き出し検出器14は、第2のケース9の前部の所定位置に設けられ、乾燥フィルター8を収納している第1のケース7を引き出したときにOFFになり、第1のケースを閉じたときに第1のケースの前板の端部101によってONするように構成されており、この検出器14は例えばリミットスイッチで構成される。勿論、リミットスイッチに限らず、光センサで光が遮断されたか否かを判断して引き出しまたは取り出しを検出するようにしてもよいし、閉じた時に発する音が所定の値を超えたか否かを検出するようにしてもよい。このように乾燥フィルター8の引き出しまたは取り外しを乾燥フィルター引き出し検出器14が検知し、図12に示すようにマイコンなどの制御部15が検出器14からの出力を受信すると、この制御部5は警報装置16に表示または音声出力により警報を発させる。なお、警報はある一定時間後でも良いし、次回洗濯開始時または乾燥(洗濯乾燥)開始時でも良い。以上のように構成することにより、使用者は、乾燥フィルターを引き出した後で収納し忘れても、警報で知らされるので、迅速に対応することが可能となる。
なお、警報を簡単なメッセージで出力する場合には、制御部15を介さず、乾燥フィルター引き出し検出器14からの信号を直接警報装置16に接続してもよい。これにより、制御部が省略できるので、構成が簡単になり、製造コストを削減できる。
また、乾燥フィルター引き出し検出器14は、上記実施例では第2のケース9の前部に設けられているが、第2のケース9の後部の所定位置でも良く、同様の効果を得ることができる。
【0017】
また、図13は、ブラシ摩滅検出器の取り付け状況を示す説明図であり、フォトセンサ18と発光ダイオード17から構成されており、ブラシ13の所定の高さを調べるように第2のケース9の一方の側面に発光ダイオード17を取り付け、第2のケース9の他方の側面にフォトダイオードやフォトトランジスタなどから成るフォトセンサ18を取り付け、フォトセンサ18におけるフォトダイオード17からの光の受光量、即ち光の透過量に応じた信号を発する。図14に示すように、このフォトセンサ18からの信号を制御部15が基準値と比較して、光の透過量が所定の値以上になったらブラシ13が摩滅したと判断して警報装置16に表示または音声出力により警報を発させる。以上のように構成することにより、使用者は、ブラシ13の摩滅を警報で知らされるので、新品のブラシに交換するなどの迅速な対処が可能となる。
なお、警報を簡単なメッセージで出力する場合には、制御部15を介さず、乾燥フィルター引き出し検出器からの信号を直接警報装置16に接続してもよい。これにより、制御部が省略できるので、構成が簡単になり、製造コストを削減できる。
【0018】
次に、ブラシで掃き落とされたリントや塵埃の処理について説明する。図15に示すように、第2のケース9の下方の床面は、手前にブラシ13を設け、このブラシ13の後方に除湿風路5内と連通するポケット部Aを形成している。次に、リントないし塵埃の処理について図15を用いて説明する。図15の(ア)〜(ウ)に示すように第1のケース7を破線の矢印で示す方向に引き出す動作により乾燥フィルター8に付着したリントないし塵埃がブラシ13によって掻き落とされ、第2のケース9の床面に落下してリントないし塵埃の塊となり、図15の(エ)に示すように、ポケット部Aに集めることができる。そして、第1のケース7を引き出した後、ポケット部A内に集められたリントないし塵埃を捨てることができる。なお、第1のケース7を引き出した後に、ポケット部Aを取り出し可能とすれば、さらにリントないし塵埃が捨て易くなる。
また、図16に示すように、ポケット部Aを第2のケース9内より引き出し可能とする構造とすれば、ポケット部Aに集められたリントないし塵埃をポケット部Aを引き出すことで第2のケース9内より外部へ捨てることができる。
また、上記ポケット部A内の手前もしくは中間位置にブラシ13を設けるようにしても良く、上記と同様の効果を得ることができる。この場合、ポケット部Aとブラシ13とは一体でも別体であっても良い。
【0019】
図17及び図18は別な例を示しており、第2のケース9の下方の床面は、除湿風路5内に連通し、後(奥)に進むほど下がる傾斜(テーパ)が形成されている。また、図13に示すように第1のケース7の後部には下方に突き出たリブ19が形成されている。次に、リントないし塵埃の処理について図17及び図18を用いて説明する。図17(a)に示すように第1のケース7を引き出すと乾燥フィルター8またはバックアップフィルター10に付着したリントないし塵埃がブラシ13によって掻き落とされ、第2のケース9の床面に落下してリントないし塵埃の塊となり、図17(b)に示すように傾斜面に沿って風路5に向かって転がり落ちる。
また、第1のケース7の後部にリブ19が形成されている場合には、図18に示すように、第1のケースを押し込む際にリブ19によりこの塊は傾斜面に沿って風路に向かって押し出され落下し易くなるので清掃能力が向上する。また、図19に示すようにリブ19は重力により第1のケースの後部に沿って鉛直方向に摺動可能であり、ストッパー21は、リブ19を所定の位置で止め、これ以上の落下を防止する。このようにリブ19を重力により第1のケースの後部に沿って鉛直方向に摺動可能とすることで、図20に示すようにリブ19は第2のケース9の床面に沿ってリント乃至塵埃を風路5までほぼ完全に押し出すので、清掃能力が格段に向上する。
なお、この場合、第1のケースを引き出すときにブラシ13によってリントないし塵埃がストッパー21の位置に下がったままのリブ19によって風路側から遠く離れたブラシ側に掻き集められ、リブ19とブラシ13との間に挟まれることになり、次に第1のケースを押し込んでもリブ19によって押し出すことができなくなるという不具合が発生する。そこで、この問題を解決するために図19に示すようにリブ19を鉄などの磁性材料で構成し、第2のケースの前方上部に電磁石42を取付け、第1のケースを引き出すときに手操作によってONして電磁石42を励磁させ、押し込むときにはOFFになって電磁石42の励磁を停止するようなスイッチ43を第1のケースの取手44に設けることで、第1のケースを引き出すときは、リブ19が上昇した状態で引き出すことができ、これにより、上記不具合の発生を防止することができる。また、風路5に達したリントないし塵埃の塊は、風路に沿って下方に落下する。落下した塵埃は次の洗濯時に排水とともに外部へ捨てられる。
【0020】
図21は、別な例を示しており、ブラシ13をブラシ台23に植毛して構成されたブラシユニット22の構成図であり、同時にブラシユニット22を第1のケース7に設置する場合の様子を示している。図21に示すようにブラシユニット22は、ブラシ台23と、このブラシ台23の下面に突起部24が設けられ、ブラシ台23の上面にはブラシ13が植毛されている。使用者またはメンテナンス者は、このブラシユニット22を第1のケース7の後部に設けられた凹部25に挿入する。また、図22、図20に示すように、ブラシ台23の側面には両面に切り欠き部26が形成されており、第1のケース7の対応する位置には、ブラシ台23の切り欠き部26に係合する爪部27が設けられている。使用者は、ブラシユニット22を上記のように設置した後で、切り欠き部26に爪部27を係合させて固定する。以上のように使用者は、必要時、上記手順で新品のブラシユニット22に交換することで清掃能力を向上させることが可能になる。
上記の例では、ブラシユニット22を第1のケース7に設置する場合について説明したが、第2のケース9の上部前側または中間や下部前側または中間に設置する場合も同様であることはいうまでもない。
【0021】
図23は、さらに別な例を示すものであり、ブラシ押し出し機構28の構成を模式的に示す説明図である。第1のケース7の後部には、予め毛足の長さが所定の長さで揃えられたブラシ13を植毛したブラシ台23が設けられており、このブラシ台23の一方の面には上下方向に歯車29(特許請求の範囲でいう移動手段に相当)と噛み合う凹凸部が形成されており、歯車29にはレバー30(特許請求の範囲でいう操作部に相当)が回転軸31を介して接続されている。使用者は、ブラシ13が一定のレベル以上摩滅したことを知ると、第1のケース7を引き出してから、手持ちのカッター(はさみなど)を用いてブラシ13を所定の位置で切り揃え、その後、着脱自在なレバー30を回転軸31に差し込んだ上でレバー31を上下方向に回転操作する。これにより、レバー30の回転力は回転軸31、歯車29の順に伝達され、歯車29が回転すると、切り揃えられたブラシ13はブラシ台23ごと所定の量だけ上方に押し出され、新たなブラシユニット22として使用される。このように、毛足の長いブラシ13を摩滅する都度、所定の長さずつ押し出すようにしたので、1つのブラシユニット22で複数回ブラシを交換するのと同様の機能をもつので、節約が図れる。
【0022】
図24および図25は、さらに別な例を示すものであり、ブラシの磨耗検出から新たなブラシの設置までの一連の動作を自動化するブラシ自動交換ユニットの構成図である。図24は、図23におけるレバー30をモーター32に置き換え、さらに電気信号によって動作するカッター33が追加されている。このカッター33は刃35aと台座35bで構成され、第1のケース7の後部の所定位置に設置されており、刃35aが動作して、ブラシ13を切り揃えるように構成されている。
【0023】
また、図25は、上記ブラシ自動交換ユニットの構成を示すブロック図である。ブラシ自動交換ユニットの構成を図24および図25を用いて説明する。
ブラシ摩滅検出器18は、ブラシ13の摩滅状況に応じて変化する透過光を受光量の変化として受け取り、受光量に応じたレベル信号を検出信号として出力する。制御部15は、ブラシ摩滅検出器18から出力される検出信号を受信すると、この検出信号を予め設定され図示しない記憶部に保有している基準値と比較する。そして検出信号が基準値を超えると、ソレノイド34に起動信号を与えてカッター33を駆動し、ブラシ13を切り揃える。次に、制御部15はソレノイド34からの完了信号を受信すると、モーター32を駆動してブラシ押し出し部28を動作させる。
【0024】
以上のように、ブラシの磨滅検出から新たなブラシの設置までの一連の動作を自動化するので、使用者はブラシ交換作業をする必要がなくなり、作業の煩わしさから開放される。
【0025】
図26は、乾燥フィルター8に付着したリントないし塵埃を、ブラシを用いて掻き落とす代わりに、第1のケース7に上下の振動を与えてリントないし塵埃をふるい落とす例を示す説明図であり、第1のケース7と第2のケース9の側面図である。図26に示すように第2のケース9の床部の、第1のケース7の底部と接する面には、前後方向に連続した複数の凹凸部36が設けられており、第1のケース7を摺動して出し入れする際に第1のケース7が凹凸部36と接触することで上下に振動する。これにより、乾燥フィルター8に付着したリントないし塵埃は、ふるい落とされる。従って、乾燥フィルター8の目詰まりを防ぐことができる。
また、ブラシによる掻き落としと上下の振動の両方を組合わせることも可能であり、これにより清掃効果はさらに向上することはいうまでもない。
また、前記上下の振動は、上記の凹凸形状による構成のほか、モーターを使って上下の振動を行うようにしても良い。例えば、モーター40を、図27(a)および図27(b)に示すように、第2のケース9の所定位置に設ける。そして、このモーター40にアンバランスマス41を取り付け、これによる偏芯でモーター自身を振動させ、この振動により第2のケース9が上下に振動する。これにより、乾燥フィルター8に付着したリントないし塵埃は、ふるい落とされる。従って、乾燥フィルター8の目詰まりを防ぐことができる。
また、別な例として、回転軸にカムや弾性体のバーなどを取り付けたモーターを第2のケース9の所定位置に設ければ、モーターの回転によってカムや弾性体のバーが乾燥フィルター8またはその周辺を叩いて振動させ、第2のケース9が上下に振動する。これにより、乾燥フィルター8に付着したリントないし塵埃は、ふるい落とされる。従って、乾燥フィルター8の塵埃を落とし、目詰まりを防ぐことができる。
【0026】
図28は、第1のケース7に水平方向に左右の振動を与えて乾燥フィルター8に付着したリントないし塵埃をふるい落とす例を示す説明図であり、第1のケース7と第2のケース9の平面図である。第2のケース9の左右いずれか一方の、第1のケース7の外側面には複数の凹凸部37aを設け、これと接する内側面には、複数の凹凸部37bを設けてあり、他方には圧着板38と弾性部材39が第1のケース7と両側面で摺動可能かつ密着するような位置に設けられている。このような構成において、第1のケース7を摺動して出し入れする際に第1のケース7が凹凸部37bと接触することで左右に振動する。これにより、乾燥フィルター8に付着したリントないし塵埃は、ふるい落とされる。従って、乾燥フィルター8の目詰まりを防ぐことができる。
また、上記では、圧着板38と弾性部材39を用いて第1のケース7を左右に振動させているが、圧着板や弾性部材を用いずに、第1のケース7を左右に振動させるようにしても良い。例えば、図29(a)は図29(b)の第1のケース7が第2のケース9内に収容された状態でのA−A断面図であり、図29(b)に示すように、第1のケース7を引き出すためのレール部7b、9bを設け、このレール部7bの上下または左右に凹凸7cを設け(図29では左右)、第2のケース9のレール部9bの上下または左右にも凹凸9cを設け(図29では左右)、第1のケース7の引き出し時にレール部7bに設けた凹凸部7cが摺動してレール部9bに設けた凹凸部9cに接触することで、第1のケース7を振動させるようにしても良い。なお、凹凸部7c、9cをレール部7b、9bの左右に設けた場合、凹凸部7cもしくは凹凸部9cのいずれかを弾性体もしくは樹脂や金属などの薄い板(板バネ)で形成し、凹凸部7cと凹凸部9cとを若干ラップさせるようにする。これにより、乾燥フィルター8に付着したリントないし塵埃は、ふるい落とされる。従って、乾燥フィルター8の目詰まりを防ぐことができる。
また、ブラシによる掻き落としと左右の振動の両方を組み合わせることも可能であり、これにより清掃効果はさらに向上することはいうまでもない。
【符号の説明】
【0027】
1 洗濯乾燥機、2 水槽、3 排気孔、4 ファン、5 風路、6 除湿板、7 第1のケース、7a 開口部、7b レール部、7c 凹凸部、8 乾燥フィルター、9 第2のケース、9a 開口部、9b レール部、9c 凹凸部、10 バックアップフィルター、11 ヒーター、12 風路、13 ブラシ、14 乾燥フィルター引き出し検出器、15 制御部、16 警報装置、17 発光ダイオード、18 フォトダイオード、19 リブ、20 テーパ、21 ストッパー、22 ブラシユニット、23 ブラシ台、24 突起部、25 凹部、26 切り欠き部、27 爪部、28 ブラシ押し出し器、29 歯車、30 レバー、31 回転軸、32モーター、33 カッター、34 ソレノイド、35a 刃、35b 台座、36 凹凸部、37 凹凸部、38 圧着板、39 弾性部材、40 モータ、41 アンバランスマス、42 電磁石、43 スイッチ、44 取手、101 引き出し前部の端部、A ポケット部、102 衣類投入口部、103 洗濯液出口、103a 洗濯液整流板、104 温風出口、104a 温風整流板、104b 温風整流板、104c 温風整流板、105 吐出給水ガイド、105a 洗濯液吐出口。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯または脱水を行う水槽と、
この水槽から空気を吸気するファンと、
このファンによって前記水槽からの空気が通過する風路と、
この風路の所定位置に設けられ、挿入方向及び取出方向に摺動可能で、内部に開口部を有し、両側および挿入方向奥側の三方を上方に突出するリブで囲ったケースと、
このケースの開口部を覆うように取り付けられ、前記空気からリントや塵埃を除去する乾燥フィルターと、
前記ケースを出し入れ可能に収容し、前記風路の所定位置に形成され、前記ケースの開口部と連通する開口部を有する収容部と、
前記乾燥フィルターの下流側に前記風路を覆うように取り付けられ、前記空気からリントや塵埃を除去するバックアップフィルターと、
このバックアップフィルターの下流側に設けられ、前記ファンによって排気され再び前記水槽へ送り込まれる空気を熱する加熱手段と、
前記ケースの挿入方向奥側のリブに基端が固定されると共に、その先端が前記バックアップフィルターに接触するように設けられ、
前記バックアップフィルターの塵埃を掻き落とすブラシとを備えることを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項2】
前記バックアップフィルターの目は、前記乾燥フィルターより粗く、前記加熱手段の開口空間部より細かいことを特徴とする請求項1記載の洗濯乾燥機。
【請求項3】
前記加熱手段はフィンを備え、
前記バックアップフィルターの目は乾燥フィルターの目よりも粗く、前記フィンの目より細かいことを特徴とする請求項1記載の洗濯乾燥機。
【請求項4】
前記ケースの引き出しまたは取り外しを検知する検出器と、この検出器の出力に基づき警報を発する警報装置と、を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の洗濯乾燥機。
【請求項5】
前記ブラシの摩滅を検出して信号を出力する検出器と、
この検出器からの信号により警報を出力する警報装置を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の洗濯乾燥機。
【請求項1】
洗濯または脱水を行う水槽と、
この水槽から空気を吸気するファンと、
このファンによって前記水槽からの空気が通過する風路と、
この風路の所定位置に設けられ、挿入方向及び取出方向に摺動可能で、内部に開口部を有し、両側および挿入方向奥側の三方を上方に突出するリブで囲ったケースと、
このケースの開口部を覆うように取り付けられ、前記空気からリントや塵埃を除去する乾燥フィルターと、
前記ケースを出し入れ可能に収容し、前記風路の所定位置に形成され、前記ケースの開口部と連通する開口部を有する収容部と、
前記乾燥フィルターの下流側に前記風路を覆うように取り付けられ、前記空気からリントや塵埃を除去するバックアップフィルターと、
このバックアップフィルターの下流側に設けられ、前記ファンによって排気され再び前記水槽へ送り込まれる空気を熱する加熱手段と、
前記ケースの挿入方向奥側のリブに基端が固定されると共に、その先端が前記バックアップフィルターに接触するように設けられ、
前記バックアップフィルターの塵埃を掻き落とすブラシとを備えることを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項2】
前記バックアップフィルターの目は、前記乾燥フィルターより粗く、前記加熱手段の開口空間部より細かいことを特徴とする請求項1記載の洗濯乾燥機。
【請求項3】
前記加熱手段はフィンを備え、
前記バックアップフィルターの目は乾燥フィルターの目よりも粗く、前記フィンの目より細かいことを特徴とする請求項1記載の洗濯乾燥機。
【請求項4】
前記ケースの引き出しまたは取り外しを検知する検出器と、この検出器の出力に基づき警報を発する警報装置と、を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の洗濯乾燥機。
【請求項5】
前記ブラシの摩滅を検出して信号を出力する検出器と、
この検出器からの信号により警報を出力する警報装置を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の洗濯乾燥機。
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図16】
【図17】
【図19】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図1】
【図15】
【図18】
【図20】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図16】
【図17】
【図19】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図1】
【図15】
【図18】
【図20】
【公開番号】特開2010−246994(P2010−246994A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−178579(P2010−178579)
【出願日】平成22年8月9日(2010.8.9)
【分割の表示】特願2007−67550(P2007−67550)の分割
【原出願日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000004422)日本建鐵株式会社 (152)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月9日(2010.8.9)
【分割の表示】特願2007−67550(P2007−67550)の分割
【原出願日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000004422)日本建鐵株式会社 (152)
【Fターム(参考)】
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