説明

洗濯機の槽乾燥方法

【課題】
生乾きコースで乾燥させようする洗濯物の量が定格容量以上であっても、一定の範囲内であれば乾燥行程を実行して多少でも乾燥させて、洗濯終了後の衣類の重量を低減し、洗濯物干し場にまで運搬する労力を低減でき、また、自然乾燥に要する時間も短縮できる洗濯乾燥機を得る。
【解決手段】
洗濯兼脱水槽内の乾燥させる洗濯物の量を検出する負荷量検出手段と、前記負荷量検出手段で検出された負荷量に基づき、前記温風供給手段の動作時間を制御する制御手段とを有し、生乾きコースが設定されると、前記制御手段は、前記負荷量検出手段で検出された負荷量が予め設定されている定格容量以上の場合に、前記負荷量検出手段で検出された負荷量の結果によらず、前記温風供給手段の動作時間を一定になるよう制御する洗濯乾燥機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯物を洗濯兼脱水槽内で脱水後、乾燥させることのできる洗濯乾燥機の運転制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
脱水行程終了後の乾燥行程で、洗濯兼脱水槽内に加熱装置および送風機より発生する温風を送り、乾燥行程の途中で回転翼を回転させて洗濯物をほぐしながら洗濯物を乾かす洗濯乾燥機として、例えば図5に示すものがあり、1は外箱、2はこの外箱1内に配設する水槽、3は外箱1の内底部に配置される加熱装置4および送風機5より発生する温風を後述する洗濯兼脱水槽の上方開口部へ案内するためのフレキシブルチューブ、27は該フレキシブルチューブ3の先端部に装着されて温風を吹き出すための吹き出しノズル、6は水槽2の上部周縁に設けられる防水板である。
【0003】
また、7は水槽2の外底部に配置するモータ、8はモータ7の回転駆動をモータプーリ9から主軸プーリ10へ伝達するベルト、11は減速機12からの回転駆動を後述する洗濯兼脱水槽に伝達するかまたは回転翼に伝達するかを切り換えるためのクラッチ、13は水槽2の下方端部に取り付けられる排水ホース14から洗濯液を外部へ排出制御するための排水バルブ、15は水槽2内に回転自在に設けられる洗濯兼脱水槽、16は洗濯兼脱水槽15の上部周縁に設けられるバランサー、17は洗濯兼脱水槽15の壁面に形成する脱水孔、18は洗濯兼脱水槽15内に入っている洗濯物、19は洗濯兼脱水槽15の内底部に配設する回転翼である。
【0004】
20は外箱1の上部のトップカバー21内に配置されモータ7の回転数および回転時間、加熱装置4、送風機5などの駆動を制御する制御部、22は外箱1の底部に形成する吸気孔、23は外箱1の上部壁面に形成する排気孔、24は水槽2と洗濯兼脱水槽15との空間の最上部に連通するフレキシブル排気ダクト、25は水槽2と洗濯兼脱水槽15との空間の上部に配置する温度検出器、26は主軸プーリ10の回転数を検出する回転数検出器、28は回転翼19に形成された回転翼通気孔である。
【0005】
なお、前記クラッチ11は、従来周知のようにクラッチ11の作動時は主軸プーリ10の回転を洗濯兼脱水槽15へ直に伝達し、不作動時は主軸プーリ10の回転を減速機12を介して回転翼19へ伝達するように構成される。
【0006】
かかる構成の洗濯乾燥機では、洗い行程、すすぎ行程が終了した後に洗濯兼脱水槽15を高速回転させて洗濯物18に含まれている水分を遠心力で飛ばす脱水行程へと移行し、この脱水行程に続く乾燥行程では外箱1の内底部に配置される加熱装置4および送風機5より発生する温風を洗濯兼脱水槽15の上方開口部へフレキシブルチューブ3により案内し、その先端に装着されている吹き出しノズル27から洗濯兼脱水槽15の上方開口部へ吹き出して温風を供給し、洗濯兼脱水槽15内の洗濯物18に温風を当てて乾燥させる。
【0007】
この乾燥行程では、洗濯物18の乾燥が進行すると、洗濯物18の空気層が増し、全体の容量が増えて洗濯兼脱水槽15から溢れるおそれもあるために、洗濯行程では洗濯物18の定格容量が例えば7Kgであっても、乾燥行程では定格容量を1Kgに設定している。そして、乾燥運転時間は、この定格容量を基準にして予め所定時間が設定されており、この乾燥時間に達すれば、乾燥行程が終了する。
【0008】
そこで洗濯物18の負荷量が設定されている乾燥時間に対応する定格容量であるかを判定する必要があるが、この負荷量判定の方法は、先行する脱水行程で洗濯兼脱水槽15の側壁にへばりついた洗濯物18をほぐすために、乾燥行程の初期の段階で回転翼19を回転させるようにしているが、この時に、回転翼19にかかる負荷によって変化する回転翼19の慣性回転パルス数を計測して洗濯物18の負荷量を検出したり、あるいは、負荷量により変動するモータ7の電流値を測定することなどにより行う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
乾燥行程の定格時間が予め設定されているため、定格容量を越えた量が洗濯物
が洗濯兼脱水槽内に投入され場合は、定格時間内では乾燥しきれないことから、また、製品保護のために、従来は過負荷と判断して乾燥運転を停止し、または異常表示を行って使用者に停止を促していた。このため、例えば、定格容量を僅かに越えただけのような場合で、洗濯兼脱水槽から洗濯物が溢れるおそれもないような場合でも、乾燥行程が全く開始せず、その結果、脱水行程まで終了した後の洗濯物を洗濯物干し場へ運搬することになり、水分を含んで重量の大きい洗濯物を持ち運ばねばならず、労力を要して、自然乾燥に要する時間も長時間を要した。
【0010】
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、乾燥行程で乾燥させようする洗濯物の量が定格容量以上であっても、一定の範囲内であれば乾燥行程を実行して多少でも乾燥させて、洗濯終了後の衣類の重量を低減し、洗濯物干し場にまで運搬する労力を低減でき、また、自然乾燥に要する時間も短縮できる洗濯乾燥機の運転制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は前記目的を達成するため、第1に、外箱と、この外箱内に配設する水槽と、上面を開口し底部に回転翼を備え、前記水槽内に回転自在に配設する洗濯兼脱水槽と、乾燥行程時にこの洗濯兼脱水槽の内に温風を供給する温風供給手段とを具備する洗濯乾燥機において、前記洗濯兼脱水槽内の乾燥させる洗濯物の量を検出する負荷量検出手段と、この負荷量検出手段で検出された負荷量に基づき、前記温風供給手段の動作時間を制御する制御手段とを有し、この制御手段は検出された負荷量が予め設定されている定格負荷量以上の場合に、前記温風供給手段を、定格時間動作させた後、さらに所定時間動作させて停止するようにしたから、洗濯物の量が定格負荷量よりも多少多くても、定格時間に所定時間をプラスした時間で温風供給手段を動作させて洗濯物を多少でも乾燥させる。よって、洗濯物が定格容量以上であっても、乾燥させ、または生乾きの状態にまではできる。
【0012】
第2に、外箱と、この外箱内に配設する水槽と、上面を開口し底部に回転翼を備え、前記水槽内に回転自在に配設する洗濯兼脱水槽と、乾燥行程時にこの洗濯兼脱水槽の内に温風を供給する温風供給手段とを具備する洗濯乾燥機において、前記洗濯兼脱水槽内の乾燥させる洗濯物の量を検出する負荷量検出手段と、前記負荷量検出手段で検出された負荷量に基づき、前記温風供給手段の動作時間を制御するコースを有し、このコースは、負荷量検出手段で検出された負荷量の値によって、定格負荷量のn倍以下の場合は温風供給手段の動作時間を標準のコースより所定時間を短く設定し、n倍以上の場合は定格時間+αに設定するようにしたから、洗濯物の量が定格負荷量以下であっても以上であっても、負荷量に応じた生乾きで運転が終了するような温風供給手段の動作時間が設定されて洗濯物の量に適した乾燥時間が設定される。
【発明の効果】
【0013】
以上述べたように本発明の洗濯乾燥機の運転制御方法は、第1に、外箱と、この外箱内に配設する水槽と、上面を開口し底部に回転翼を備え、前記水槽内に回転自在に配設する洗濯兼脱水槽と、乾燥行程時にこの洗濯兼脱水槽の内に温風を供給する温風供給手段とを具備する洗濯乾燥機において、前記洗濯兼脱水槽内の乾燥させる洗濯物の量を検出する負荷量検出手段と、この負荷量検出手段で検出された負荷量に基づき、前記温風供給手段の動作時間を制御する制御手段とを有し、この制御手段は検出された負荷量が予め設定されている定格負荷量以上の場合に、前記温風供給手段を、定格時間動作させた後、さらに所定時間動作させて停止するようにしたから、洗濯物の量が定格負荷量よりも多少多くても、定格時間に所定時間をプラスした時間で温風供給手段を動作させて洗濯物を多少でも乾燥させる。よって、洗濯物が定格容量以上であっても、乾燥させ、または生乾きの状態にまではでき、洗濯物の重量を低減できて洗濯物を洗濯物干し場に運搬する労力を低減でき、また、自然乾燥に要する時間も短縮できる。
【0014】
第2に、外箱と、この外箱内に配設する水槽と、上面を開口し底部に回転翼を備え、前記水槽内に回転自在に配設する洗濯兼脱水槽と、乾燥行程時にこの洗濯兼脱水槽の内に温風を供給する温風供給手段とを具備する洗濯乾燥機において、前記洗濯兼脱水槽内の乾燥させる洗濯物の量を検出する負荷量検出手段と、前記負荷量検出手段で検出された負荷量に基づき、前記温風供給手段の動作時間を制御するコースを有し、このコースは、負荷量検出手段で検出された負荷量の値によって、定格負荷量のn倍以下の場合は温風供給手段の動作時間を標準のコースより短く設定し、n倍以上の場合は定格時間+αに設定するようにしたから、洗濯物の量が定格負荷量以下であっても以上であっても、負荷量に応じた温風供給手段の動作時間が設定されて生乾き乾燥される。よって、洗濯物の重量を低減できて洗濯物を洗濯物干し場に運搬する労力を低減でき、また、自然乾燥に要する時間も短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の洗濯乾燥機の運転制御方法の第1実施形態を示す乾燥行程のフローチャートである。
【図2】本発明の洗濯乾燥機の運転制御方法の第1実施形態を示す乾燥時間と負荷量の関係を示すグラフである。
【図3】本発明の洗濯乾燥機の運転制御方法の第2実施形態を示す乾燥行程のフローチャートである。
【図4】本発明の洗濯乾燥機の運転制御方法の第2実施形態を示す乾燥時間と負荷量の関係を示すグラフである。
【図5】本発明方法が実施される選択乾燥機の縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面について本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の洗濯乾燥機の運転制御方法の第1実施形態を示す乾燥行程のフローチャートで、本発明方法が実施される洗濯乾燥機は図4の縦断側面図について既に説明したとおりであるから、ここでの詳細な説明は省略する。本発明の方法も洗い行程、すすぎ行程、脱水行程、さらに乾燥行程と運転が進行し、または乾燥行程だけを単独で運転するものであるが、乾燥させる洗濯物18の量を検出する負荷量検出手段として、回転翼19の回転状態を検出する、例えばモータ7に取り付けたパルス発生装置、主軸プーリ10の回転数を検出する回転数検出器26などを設ける。
【0017】
また、乾燥行程時に洗濯兼脱水槽15内に温風を供給する温風供給手段として、外箱1の内底部に加熱装置4および送風機5を配置し、ここから発生する温風を洗濯兼脱水槽15の上方開口部へフレキシブルチューブ3で案内し、その先端に吹き出しノズル27を装着した。
【0018】
そして、トップカバー21内に配設したマイクロコンピュータなどを利用する制御部20の入力側に前記負荷量検出手段を接続し、出力側に温風供給手段を接続した。
【0019】
次に乾燥運転方法の第1実施形態を図1のフローチャートについて説明する。洗濯兼脱水槽15内に洗濯物18を投入し〔ステップ(イ)〕、乾燥行程が開始すると〔ステップ(ロ)〕、初期の段階で洗濯物の負荷量が判定される〔ステップ(ハ)〕。この負荷量判定は、例えば、回転翼19を正逆反転させて洗濯物18を回転させ、この回転翼19の回転状態を検出し、ここからの出力を制御部20に導入する。
【0020】
該回転翼回転状態の検出方法は、例えばモータ7に取り付けたパルス発生装置、主軸プーリ10の回転数を検出する回転数検出器26、モータ7を使用するもので、パルス発生装置で検出される慣性回転パルス数や変動するモータ7の電流値により回転翼19の回転の変化を検知するものであり、回転翼19の上にある洗濯物18の量により回転翼19が慣性で回転した後に停止するまでの時間が異なるから、この慣性回転パルス数を計測して、洗濯物18の負荷量(重量)を検出する。
【0021】
判定された負荷量が定格負荷量、例えば1Kgのn倍以上でなければ〔ステップ(ニ)〕、負荷量に応じた乾燥時間が制御部20で設定され〔ステップ(ホ)〕、この設定時間だけ制御部20からの出力に基づいて加熱装置4および送風機5に通電されこれらが動作し、洗濯兼脱水槽15内に温風が供給され乾燥運転が行われる〔ステップ(ヘ)〕。そして、設定時間が経過すれば乾燥行程が終了する〔ステップ(ト)〕。この場
合は、前記のように負荷量に応じた乾燥時間が設定されるから、図2の乾燥時間と負荷量の関係を示すグラフに示すように洗濯物は定格容量以上であっても定格量の場合と同様に完全に乾燥される。
【0022】
一方、前記〔ステップ(ニ)〕の段階で、判定された負荷量が定格負荷量、例えば1Kgのn倍以上であれば、制御部20では負荷量が定格容量の場合に乾燥に必要な時間として設定されている定格時間に所定時間αをプラスして、この所定時間αをプラスした時間を乾燥時間として設定し〔ステップ(チ)〕、この設定時間だけ加熱装置4および送風機5に通電してこれらを動作し、洗濯兼脱水槽15内に温風を供給して乾燥運転を行う〔ステップ(ヘ)(ト)〕。
【0023】
この場合は、図2に示すように負荷量が所定時間としてプラスαされた時間内で完全に乾燥される量であれば、洗濯物は完全に乾燥するが、負荷量が大きい場合はプラスαされた時間内に乾燥しきれず、生乾きの状態で乾燥行程が終了する。
【0024】
ここで、前記〔ステップ(ニ)〕の段階で判定する負荷量の、定格負荷量に対するn倍値は、例えば1,5倍、2倍、2,5倍など、定格容量よりもオーバーした場合の値であって、乾燥時に洗濯兼脱水槽15から溢れ出ない程度の値を任意に選択して設定可能である。
【0025】
以上のようにして洗濯物の負荷量が定格容量以上であっても、定格時間以上に乾燥運転を実行することで負荷量が一定の範囲内であれば完全に乾燥され、一定の範囲以上であれば生乾きの状態にまでは乾燥を行う。
【0026】
図3は第2実施形態を示し、洗濯物を完全に乾燥させる標準コースとは別に、洗濯物に水分を多少残したままの生乾きの状態で乾燥運転を終了することのできるコースとして、温風供給手段の動作時間を制御するコースを制御部20に設定したもので、負荷量が定格負荷量のn倍以下の場合は温風供給手段の動作時間を標準のコースより所定時間を短く設定し、n倍以上の場合は定格時間+αに設定する。なお、図示は省略するが洗濯乾燥機の操作部にこのコースを選択する設定スイッチを設けることができる。
【0027】
そして、洗濯兼脱水槽15内に洗濯物18を投入し〔ステップ(リ)〕、コース選択を行い〔ステップ(ヌ)〕、選択したコースが標準コースの場合は〔ステップ(ル)〕、第1実施形態の場合と同様にして洗濯物の負荷量を判定し〔ステップ(ヲ)〕、その結果、定格負荷量以上でなければ〔ステップ(ワ)〕、制御部20で負荷量に応じた乾燥時間を設定して〔ステップ(カ)〕、この設定時間だけ加熱装置4および送風機5に通電してこれらを動作し、洗濯兼脱水槽15内に温風を供給して乾燥運転を行う〔ステップ(ヨ)(タ)〕。この状態で洗濯物は完全に乾燥する。
【0028】
この標準コースは定格容量の洗濯物を定格時間内で完全に乾燥させるコースであるから、判定した負荷量が前記〔ステップ(ワ)〕の段階で定格負荷量以上であると判断されると、過負荷とされてその旨を表示部に表示し、乾燥運転は行わない〔ステップ(レ)〕。
【0029】
一方、コース選択を行い〔ステップ(ヌ)〕、選択したコースが負荷量に基づいて温風供給手段の動作時間を設定するコースの場合も〔ステップ(ソ)〕、第1実施形態の場合と同様にして洗濯物の負荷量を判定し〔ステップ(ツ)〕、その結果、判定された負荷量が定格負荷量、例えば1Kgのn倍以上であれば〔ステップ(ネ)〕、制御部20では負荷量が定格容量の場合に乾燥に必要な時間として設定されている定格時間に所定時間αをプラスして、この所定時間αをプラスした時間を乾燥時間として設定し〔ステップ(ウ)〕、この設定時間だけ加熱装置4および送風機5に通電してこれらを動作し、洗濯兼脱水槽15内に温風を供給して乾燥運転を行う〔ステップ(ラ)(ム)〕。
【0030】
この場合の所定時間としてプラスαする時間は、このコースが負荷量に基づいて温風供給手段の動作時間を設定するコースであることから、図4にも示すように負荷量が定格負荷量、例えば1Kgの2倍以上の場合、すなわち2Kg以上の場合に、この2Kgの負荷量に対し完全には乾燥されずに生乾き状態で乾燥運転が終了する時間として設定する。よって、この設定した乾燥時間に到達した時点で、洗濯物は生乾き状態である。
【0031】
一方、前記〔ステップ(ツ)〕の段階で判定された負荷量が定格負荷量、例えば1Kgのn倍以下であれば〔ステップ(ネ)〕、制御部20では負荷量に応じた乾燥時間から所定時間βを差し引いた時間を乾燥時間として設定し〔ステップ(ナ)〕、この設定時間だけ加熱装置4および送風機5に通電してこれらを動作し、洗濯兼脱水槽15内に温風を供給して乾燥運転を行う〔ステップ(ラ)(ム)〕。
【0032】
この場合も、負荷量に応じた乾燥時間から所定時間βを差し引いた時間が乾燥時間として設定されるから、図4に示すように同じ負荷量に対して乾燥時間は標準コースよりも短時間に設定され、洗濯物は完全には乾燥されず設定した運転時間が終了した時点で洗濯物は生乾き状態である。
【0033】
この生乾き乾燥コースは、例えは洗濯物の容量が大きく、標準のコースでは定格時間に乾燥しきれないことが予め明白な場合や、洗濯物の布質などにより完全には乾燥させたくない場合などに設定して有効であり、かかる場合に、多少でも水分を減少させることで洗濯物干し場に洗濯物を運搬する労力を低減できる。
【符号の説明】
【0034】
1…外箱, 2…水槽, 3…フレキシブルチューブ,4…加熱装置, 5…送風機, 6…防水板,7…モータ,8…ベルト, 9…モータプーリ,10…主軸プーリ, 11…クラッチ, 12…減速機,13…排水バルブ, 14…排水ホース, 15…洗濯兼脱水槽,16…バランサー, 17…脱水孔,18…洗濯物,19…回転翼, 20…制御部, 21…トップカバー,22…吸気孔,23…排気孔, 24…排気ダクト,25…温度検出器, 26…回転数検出器,27…吹き出しノズル,28…回転翼通気孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯兼脱水槽と、
前記洗濯兼脱水槽内に温風を供給する温風供給手段と、
前記洗濯兼脱水槽内の洗濯物の量を負荷量として検出する負荷量検出手段と、
前記負荷量検出手段により検出された負荷量に基づき、前記温風供給手段の動作時間を制御する制御手段とを備え、
前記温風供給手段からの温風によって洗濯物を乾燥させる乾燥工程において、標準コースと、同一負荷量における標準コースにて設定される乾燥時間よりも前記温風供給手段の動作時間を短く終了させる生乾きコースとを有し、
前記生乾きコースが設定されると、
前記制御手段は、
前記負荷量検出手段により検出された負荷量が定格容量より多い所定量以下の場合、前記温風供給手段の動作時間を負荷量の増加に応じて増加するよう制御し、
前記負荷量検出手段により検出された負荷量が定格容量より多い所定量を超過する場合、
前記負荷量検出手段により検出された負荷量の結果によらず、前記温風供給手段の動作時間を一定になるよう制御することを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項2】
前記標準コースが設定されると、
前記制御手段は、
前記負荷量検出手段により検出された負荷量が定格容量より多い所定量以下の場合、前記温風供給手段の動作時間を負荷量の増加に応じて増加するよう制御し、
前記負荷量検出手段により検出された負荷量が定格容量より多い所定量を超過する場合、
前記負荷量検出手段により検出された負荷量の結果によらず、前記温風供給手段の動作時間を一定になるよう制御することを特徴とする請求項1記載の洗濯乾燥機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−227635(P2010−227635A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−159607(P2010−159607)
【出願日】平成22年7月14日(2010.7.14)
【分割の表示】特願平11−87767の分割
【原出願日】平成11年3月30日(1999.3.30)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000004422)日本建鐵株式会社 (152)
【Fターム(参考)】