説明

洗濯機

【課題】部品点数を増やすことなく洗濯機本体を容易に運搬および設置が可能な洗濯機を提供する。
【解決手段】底枠20は、上部底枠20aと下部底枠20bとが一体に形成されてなり、上部底枠20aは本体1と連結され、下部底枠20bは防水パン23内に収まるように形成されている。下部底枠20bの前面側板から本体1の前面方向に直角に折れ曲がって形成された上部底枠20aの底板に、本体1の幅方向に長く内側に窪んで一体に形成された凹部の取っ手21を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機本体を運搬するための取っ手に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の洗濯機は、洗濯機本体の両側板に樹脂製などで形成された凹部状の取っ手が設けられている。この取っ手で洗濯機本体を運んだり、防水パンに設置している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−192887号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、最近の洗濯機は、高機能化・大容量化に伴い、洗濯機本体の重量が増加し、縦方向の寸法も高くなっているため、洗濯機本体の両側に設けられた取っ手では、特に狭い階段や廊下での運搬がしづらくなっていた。
本発明は、前述のような課題を解決するためになされたもので、部品点数を増やすことなく洗濯機本体を容易に運搬および設置が可能な洗濯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る洗濯機は、洗濯機本体の底枠に一体に形成され、洗濯機本体を運搬するための取っ手を備えたものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明においては、取っ手を洗濯機本体の底枠に設けたので、洗濯機本体を持ち上げ易くなり、洗濯機本体と運搬者とが進行方向一列になるので、狭い階段や廊下を容易に運べることができる。また、取っ手が底枠に一体に形成されているので、部品点数の削減が可能になっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1を示す洗濯機の側面側の説明図、図2は底枠の側面側を示す断面図、図3は底枠の下面側斜視図、図4は底枠の上面側斜視図である。
実施の形態1の洗濯機は、図1に示すように、洗濯機本体1(以下、単に「本体1」という)のトップカバー4が前面に向かうに従い下方に傾斜し、その傾斜部分に外蓋5が開閉自在に設けられている。また、本体1の下部には底枠20が設けられている。本体1内に収納された水槽2は、上部に開口部が設けられた有底円筒状に形成され、その中に洗濯兼脱水槽(図示せず)が回転自在に配設されている。また、水槽2の開口部側には内蓋(図示せず)が設けられており、その内蓋は、機械的または電気的に外蓋5の開閉に連動して開いたり閉じたりするようになっている。
【0008】
水槽2内に配設された洗濯兼脱水槽の側板には脱水のための複数の通水孔(図示せず)が設けられている。また、洗濯兼脱水槽の底部には、投入された衣類および水を攪拌する攪拌翼(図示せず)が回動自在に配置されている。水槽2の下方に配設されたモータ3は、ギア、クラッチなどの機構を介して攪拌翼や洗濯兼脱水槽と連結される。吊り下げ手段8、12は、上部側が本体1の四隅に固定された吊り板6に、下部側が水槽2に固定されたフランジ7にそれぞれ揺動可能に取り付けられ、水槽2を懸架している。手前側の吊り下げ手段8は、支持部9と、吊り棒10と、防振部11とを備え、奧に設けられた吊り下げ手段12は、吊り棒駆動部15と、吊り棒13と、防振部11とを備えている。その吊り棒駆動部15は、洗い工程および乾燥工程において洗濯物の量が少ないときや洗濯終了時に、水槽1が洗濯機の前方に傾くように吊り棒13を上方に移動させる。
【0009】
前述した底枠20は、図2に示すように、上部底枠20aと下部底枠20bとが一体に形成されてなり、上部底枠20aは本体1と連結され、下部底枠20bは防水パン23内に収まるように形成されている。下部底枠20bの底板には4つのゴム足22が取り付けられている。下部底枠20bの前面側板から本体1の前面方向に略直角に折れ曲がって形成された上部底枠20aの底板には、本体1の幅方向に長く内側に窪んで一体に形成された凹部の取っ手21が設けられている。
【0010】
この取っ手21は、防水パン23の側壁より外側に配置され、その凹部の深さが指先から第一関節までの長さ(例えば25mm)以上に形成されている。また、この取っ手21は、図3に示すように幅方向に2コ併設され、その凹部の長手方向の長さは、少なくとも4本の指が入るように形成されている。また、図4に示すように、凹部の長手方向の外側側面には補強用の複数のリブ24がそれぞれ設けられている。上部底枠20aの取っ手21側の底板と床面との間の距離は、指を曲げた手が入るようになっている。
なお、取っ手21は、図3では、幅方向に2コ併設されているが、4本の指が入る1コの凹部からなる取っ手でも、さらに両手の4本の指がそれぞれ入る幅広の1コの凹部からなる取っ手でも良い。また、取っ手21は、所定位置にリブ等を設けて形成しても良い。
そして、この取っ手21の凹部は、2コでも1コでも、本体1の前面から100mm以内の位置の底枠20に凹部を設けると持ちやすい。
また、取っ手21の深さは、約15mm〜25mm以上で形成すると、さらに持ち易くなる。なお、凹部の周りにリブ等を設けることで一定以上の深さを確保するようにしても良い。
【0011】
本体1を運搬する際には、本体1を後方に傾けて前面側を床面からさらに離し、底枠20の底面(上部底枠20aの底板)に設けられた取っ手21に指を入れて本体1後方の人と持ち上げる。
【0012】
このように、取っ手21が凹部からなり、その深さが指先から第一関節までの長さ以上あるため、本体1を持ち上げ易くなり、本体1と運搬者とが進行方向一列になり、運搬時の高さ方向がコンパクトになるため、足が突っかかることもなく、狭い階段や廊下を容易に運べることができる。
【0013】
また、取っ手21が底枠20と一体に形成されているので、部品点数の削減が可能になり、取っ手21の長手方向の外側側面に複数のリブ24を設けているので、運搬時の荷重に対する強度を確保できる。
【0014】
また、取っ手21が底枠20と一体に形成されて隙間が無いため、洗濯機駆動時の音漏れを抑えることができる。
【0015】
また、取っ手21の配置位置は、取っ手21が防水パン23の側壁より外側に配置すれば、防水パン23への設置や、防水パン23からの取り出しが容易になるという効果を奏するが、取っ手21の配置位置は、防水パン23の側壁より外側に限るものではない。
【0016】
なお、前記の実施の形態1では、取っ手21が凹部からなっていることを述べたが、図5に示すように凹部の内側上面にゴムなどの弾性体25を取り付けるようにしてもよい。この場合の凹部の深さは、弾性体25の底までの深さ(弾性体圧縮時の深さ)が25mm以上となるように形成されている。このように取っ手21に弾性体25を設けた場合、本体1を運搬しているときの指先への負担が軽減され、持ちやすくなっている。
【0017】
また、取っ手21を形成する凹部の内側上面が平らであることを述べたが、図6に示すようにその部分を底枠20の内側に突出するように曲面状に形成してもよい。この場合の凹部の深さは、前記と同様に25mm以上となるように形成されている。このように構成した場合、本体1を運搬しているときの指先への負担が軽減され、持ちやすくなっている。
【0018】
また、上部底枠20aの本体1前面側の底板に、本体1の幅方向に長く内側に窪んで一体に形成された凹部の取っ手21を設けたことを述べたが、図7に示すように下部底枠20bの本体1前面側の側板に、上向きに窪んで一体に形成された凹部の取っ手21を設けるようにしてもよい。この場合、凹部の内側先端面を底枠20の内側に突出するように曲面状に形成し、その深さを前記と同様に25mm以上とする。このように構成した場合、本体1を傾けることなく持ち上げることができ、運搬がさらに容易になっている。
【0019】
また、実施の形態1では、取っ手20を形成する凹部の長手方向の外側側面に補強用の複数のリブ24を設けたことを述べたが、図8に示すように、本体1の運搬時に荷重の加わる側のみに複数のリブ24を設けて、運搬時の荷重に対する強度を確保するようにしてもよい。
【0020】
また、実施の形態1で述べた取っ手21を、図9に示すように制御基板BOX27の水平位置決め用として流用してもよい。本体1前面側の側板に設けられた取付部26に制御基板BOX27を固定する際、取っ手21である凹部の外側上面に載せて水平を保ち、その状態で取付部26の側面に当てることでネジ28による取り付けが容易となる。
【0021】
実施の形態2.
図10は本発明の実施の形態2に係る洗濯機の取っ手を説明するための側面図である。
本実施の形態の取っ手は、図中に示すように上部取っ手21aと下部取っ手21bとからなり、これら上部取っ手21aと下部取っ手21bは、本体1の重心をほぼ通る対角線上(一点鎖線)で対称となるように配置され、本体1の幅方向にそれぞれ2コずつ併設されている。
なお、上部取っ手21a、下部取っ手21bは幅方向に2コ併設されているが、1コでも良く、4本の指が入る1コの凹部でも、両手の4本の指がそれぞれ入る幅広の1コの凹部からなる取っ手でも良い。
【0022】
上部取っ手21aは、本体1の背面側の上部側板に本体1の幅方向に長く内側に窪んで一体に形成された凹部からなり、下部取っ手21bは、上部底枠20aの本体1前面側の底板に本体1の幅方向に長く内側に窪んで一体に形成された凹部からなり、その位置は防水パン23の側壁より外側に配置されている(図2参照)。上部取っ手21aと下部取っ手21bの凹部は、深さが指先から第一関節までの長さ(例えば25mm)以上に形成され、凹部の長手方向の長さは、少なくとも4本の指が入るように形成され、また、凹部の長手方向の外側側面には補強用の複数のリブ24(図4参照)がそれぞれ設けられている。
【0023】
以上のように構成された上部取っ手21aと下部取っ手21bとを備えているので、本体1を持ち上げ易くなり、本体1と運搬者とが進行方向一列になり、運搬時の高さ方向がコンパクトになるため、足が突っかかることもなく、狭い階段や廊下を容易に運べることができる。
【0024】
また、上部取っ手21aと下部取っ手21bとが本体1の重心をほぼ通る対角線上に配置されているので、本体1を運搬しているときのバランスがよくなるという効果がある。
【0025】
また、上部取っ手21aが本体1の側板に、下部取っ手21bが底枠20(上部底枠20a側)にそれぞれ一体に形成されているので、部品点数の削減が可能になり、各取っ手21a、21bの長手方向の外側側面に複数のリブ24を設けているので、運搬時の荷重に対する強度を確保できる。
【0026】
また、上部取っ手21aが本体1の側板に、下部取っ手21bが底枠20(上部底枠20a側)にそれぞれ一体成形されているので、洗濯機駆動時の音漏れを抑えることができる。
【0027】
さらに、下部取っ手21bが防水パン23の側壁より外側に配置されているので、防水パン23への設置や、防水パン23からの取り出しが容易である。
【0028】
なお、前記の実施の形態2では、上部取っ手21aと下部取っ手21bが凹部からなっていることを述べたが、上部取っ手21aにおいては凹部の内側側面に、下部取っ手21bにおいては図5に示すように凹部の内側上面にそれぞれゴムなどの弾性体25を取り付けるようにしてもよい。この場合の凹部の深さは、弾性体25の底までの深さ(弾性体圧縮時の深さ)が25mm以上となるように形成されている。このように取っ手21に弾性体25を設けた場合、本体1を運搬しているときの指先への負担が軽減され、持ちやすくなっている。
【0029】
また、上部取っ手21aと下部取っ手21bを形成する凹部の各面が平らであることを述べたが、上部取っ手21aにおいては凹部の内側側面が本体1内に突出するように曲面状に形成し、下部取っ手21bにおいては図6に示すように凹部の内側上面が底枠20の内側に突出するように曲面状に形成してもよい。この場合の各凹部の深さは、前記と同様に25mm以上となるように形成されている。このように構成した場合、本体1を運搬しているときの指先への負担が軽減され、持ちやすくなっている。
【0030】
また、上部取っ手21aと下部取っ手21bを形成する凹部の長手方向の外側側面に補強用の複数のリブ24を設けたことを述べたが、本体1の運搬時に荷重の加わる側のみに複数のリブ24を設けて、運搬時の荷重に対する強度を確保するようにしてもよい。
【0031】
また、下部取っ手21bを、制御基板BOX27の水平位置決め用として流用してもよい(図9参照)。本体1前面側の側板に設けられた取付部26に制御基板BOX27を固定する際、下部取っ手21bである凹部の外側上面に載せて水平を保ち、その状態で取付部26の側面に当てることでネジ28による取り付けが容易となる。
【0032】
また、実施の形態2では、上部取っ手21aは下部取っ手21bと対称となるように本体1の背面側の上部側板に設けたことを述べたが、上部取っ手1aと下部取っ手21bとが本体1の重心をほぼ通る対角線上で対称位置となるように、例えば図11に示すように本体1のトップカバー4の背面側の側板、もしくは本体1の側板の上部に設けてもよい。
【0033】
また、上部取っ手21aを本体1の背面側の上部側板に、下部取っ手21bを上部底枠20aの本体1前面側の底板にそれぞれ設けたことを述べたが、図12に示すように、上部取っ手21aを本体1前面側の上部側板に、下部取っ手21bを上部底枠20aの本体1背面側の側板にそれぞれ設けてもよい。この場合、それぞれの取っ手20a、20bが本体1の重心をほぼ通る対角線上(一点鎖線)で対称となる位置に設けられている。
【0034】
実施の形態3.
図13は本発明の実施の形態3に係る洗濯機の取っ手を説明するための側面図である。 図中に示す取っ手21は、本体1を防水パン23に載せるときに前方に傾けるためのもので、本体1のトップカバー4の背面側の側板に幅方向に2コ併設されている。この取っ手21は、前述したように本体1の幅方向に長く内側に窪んで一体に形成された凹部からなり、その深さは前記のように25mm以上で、長手方向の長さは、少なくとも4本の指が入るように形成されている。また、凹部の長手方向の外側側面には補強用の複数のリブ24がそれぞれ設けられている。
【0035】
このように、本体1のトップカバー4の背面側の側板に取っ手21を設けているので、本体1を手前側に傾ける際に大きな力を要することなく傾けることができ、本体1を容易に防水パン23に載せることが可能になる。
【0036】
また、取っ手21が本体1のトップカバー4の背面側の側板と一体に形成されているので、部品点数の削減が可能になり、取っ手21の長手方向の外側側面に複数のリブ24を設けているので、本体1を防水パン23に載せるときの荷重に対する強度を確保できる。
【0037】
また、取っ手21が本体1のトップカバー4の背面側の側板と一体に形成されているので、洗濯機駆動時の音漏れを抑えることができる。
【0038】
なお、前記の実施の形態3では、取っ手21は幅方向に2コ併設されているが、4本の指が入る一コの凹部からなる取っ手でも、さらに両手の4本の指がそれぞれ入る幅広の1コの凹部からなる取っ手でも良い。また、取っ手の深さは、凹部の周りにリブ等を設けることで一定以上の深さを確保するようにしても良い。
また、前記の実施の形態3では、取っ手21が凹部からなっていることを述べたが、その凹部の奧の側面にゴムなどの弾性体25を取り付けるようにしてもよい。この場合の凹部の深さは、前述したように弾性体25の底までの深さ(弾性体圧縮時の深さ)が25mm以上となるように形成されている。このように取っ手21に弾性体25を設けた場合、本体1を傾けるときの指先への負担が軽減され、持ちやすくなっている。
【0039】
また、取っ手21を形成する凹部の各面が平らであることを述べたが、その凹部の奧の側面がトップカバー4内に突出するように曲面状に形成してもよい。この場合の凹部の深さは、前記と同様に25mm以上となるように形成されている。このように構成した場合、本体1を傾けるときの指先への負担が軽減され、持ちやすくなっている。
【0040】
また、取っ手21を形成する凹部の長手方向の外側側面に補強用の複数のリブ24を設けたことを述べたが、本体1を傾けるときに荷重の加わる側のみに複数のリブ24を設けて、本体1を傾けたときの荷重に対する強度を確保するようにしてもよい。
【0041】
実施の形態4.
図14は本発明の実施の形態4に係る洗濯機の底枠を示す下面側斜視図である。
実施の形態4においては、本体1の底部を構成する底枠20は、図中に示すように底板が平らに形成され、底枠20の本体1前面側の底板に幅方向に2コの取っ手21が併設されている。この取っ手21は、底板に幅方向に長く内側に窪んで一体に形成された凹部からなり、その深さは前記のように25mm以上で、長手方向の長さは、少なくとも4本の指が入るように形成されている。また、凹部の長手方向の外側側面には補強用の複数のリブ24がそれぞれ設けられている(図4参照)。
【0042】
このように、取っ手21が凹部で、その深さが25mm以上あるため、本体1を持ち上げ易くなり、本体1と運搬者とが進行方向一列になり、運搬時の高さ方向がコンパクトになるため、足が突っかかることもなく、狭い階段や廊下を容易に運べることができる。
【0043】
また、取っ手21が底枠20と一体に形成されているので、部品点数の削減が可能になり、取っ手21の長手方向の外側側面に複数のリブ24を設けているので、運搬時の荷重に対する強度を確保できる。
【0044】
また、取っ手21が底枠20と一体に形成されているので、洗濯機駆動時の音漏れを抑えることができる。
【0045】
なお、前記の実施の形態4では、取っ手21は幅方向に2コ併設されているが、4本の指が入る一コの凹部からなる取っ手でも、さらに両手の4本の指がそれぞれ入る幅広の1コの凹部からなる取っ手でも良い。また、取っ手の深さは、凹部の周りにリブ等を設けることで一定以上の深さを確保するようにしても良い。
また、前記の実施の形態4では、取っ手21が凹部からなっていることを述べたが、図5に示すように凹部の内側上面にゴムなどの弾性体25を取り付けるようにしてもよい。この場合の凹部の深さは、弾性体25の底までの深さ(弾性体圧縮時の深さ)が25mm以上となるように形成されている。このように取っ手21に弾性体25を設けた場合、本体1を運搬しているときの指先への負担が軽減され、持ちやすくなっている。
【0046】
また、取っ手21を形成する凹部の内側上面が平らであることを述べたが、図6に示すようにその部分を底枠20の内側に突出するように曲面状に形成してもよい。この場合の凹部の深さは、前記と同様に25mm以上となるように形成されている。このように構成した場合、本体1を運搬しているときの指先への負担が軽減され、持ちやすくなっている。
【0047】
また、実施の形態4では、取っ手20を形成する凹部の長手方向の外側側面に補強用の複数のリブ24を設けたことを述べたが、図8に示すように、本体1の運搬時に荷重の加わる側のみに複数のリブ24を設けて、運搬時の荷重に対する強度を確保するようにしてもよい。
【0048】
また、取っ手21を、図9に示すように制御基板BOX27の水平位置決め用として流用してもよい。本体1前面側の側板に設けられた取付部26に制御基板BOX27を固定する際、取っ手21である凹部の外側上面に載せて水平を保ち、その状態で取付部26の側面に当てることでネジ28による取り付けが容易となる。
【0049】
実施の形態5.
図15は本発明の実施の形態5に係る洗濯機の底枠を示す下面側斜視図である。
実施の形態5における取っ手31は、略U字状に形成され、底枠20の本体1前面側の底板に一体に形成された凹部30の中に取り付けられている。この取っ手31の高さは、凹部30の深さより短くなっている。凹部30には、長手方向の外側側面に補強用の複数のリブ(図示せず)が設けられている。
【0050】
このように、底枠20の本体1前面側の底板に形成された凹部30の中にU字状の取っ手31を備えているので、本体1を持ち上げ易くなり、本体1と運搬者とが進行方向一列になり、運搬時の高さ方向がコンパクトになるため、足が突っかかることもなく、狭い階段や廊下を容易に運べることができる。
【0051】
また、取っ手31が凹部30の中に収まって入るので、新たなゴム足を製作する必要がなく、既存のゴム足22を使用できる。
なお、取っ手31の高さは、凹部30より短くするようにしたが、これに限るものではない。本体1の載置面の床に接触しなければ凹部30より長くても良く、つまり、凹部30+本体1の載置面の床とのクリアランス分の高さまでの長さ(高さ)であれば良い。
【0052】
実施の形態6.
図16は本発明の実施の形態6に係る洗濯機の底枠を示す下面側斜視図である。
実施の形態6における取っ手31は、略U字状に形成され、底枠20の本体1前面側の底板に設けられた一対の取付穴32にそれぞれ着脱可能に取り付けられるようになっている。この取っ手31は、本体1を運搬するときのみに取付穴32に装着して使用する。また、本体1を防水パン23に載せた際に、取っ手31を外すことになるが、取付穴32を防振ゴムなどで塞ぐようになっている。これは、洗濯機駆動時に発生する音漏れを抑えるためである。
【0053】
このように、取っ手31を一対の取付穴32に着脱可能に取り付けられるようにしているので、取っ手31を洗濯機毎に付属品として用意する必要がなくなり、機種の異なる洗濯機にも展開が可能になり、コスト削減に繋がる。また、取っ手31が略U字状であるため、本体1を持ち上げ易くなり、本体1と運搬者とが進行方向一列になり、運搬時の高さ方向がコンパクトになるため、足が突っかかることもなく、狭い階段や廊下を容易に運べることができる。
【0054】
なお、前記の実施の形態6では、取っ手31を底枠20の底板に設けられた一対の取付穴32にそれぞれ着脱可能に取り付けられるようにしたが、図17に示すように底枠20の本体1前面側の側板にそれぞれ着脱可能に取り付けられるようにしてもよい。このようにした場合も、本体1を持ち上げ易くなり、本体1と運搬者とが進行方向一列になるので、狭い階段や廊下を容易に運べることができる。
【0055】
また、図18に示すように底枠20の側面側の側板にそれぞれ着脱可能に取り付けられるようにしてもよい。このようにした場合も本体1を持ち上げ易くなり、容易に運べることができる。
なお、底枠20の側板(正面又は側面)に取付穴32が設けられた洗濯機を防水パン23に載せた後は、その取付穴32を防振ゴムなどで塞ぐようになっている。これは、前述したように洗濯機駆動時に発生する音漏れを抑えるためである。
【0056】
なお、上記実施の形態1〜4は、懸架された水槽が前方に揺動可能とし内蓋を設けた洗濯機に取っ手を設けたものであるが、これに限るものではなく、水槽が揺動しないタイプの洗濯機や、内蓋レスの洗濯機、水槽の開口部が前面方向に開口したドラム式の洗濯機、DDモータ搭載の洗濯機などに上記取っ手を設けたものであっても良く、同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施の形態1を示す洗濯機の側面側の説明図である。
【図2】底枠の側面側を示す断面図である。
【図3】底枠の下面側斜視図である。
【図4】底枠の上面側斜視図である。
【図5】底枠の取っ手の他の例を示す断面図である。
【図6】底枠の取っ手の他の例を示す断面図である。
【図7】底枠の取っ手の他の例を示す断面図である。
【図8】底枠の取っ手の他の例を示す上面側斜視図である。
【図9】底枠の取っ手に設けられた制御基板BOXの説明図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係る洗濯機の取っ手を説明するための側面図である。
【図11】取っ手の他の例を示す洗濯機の側面図である。
【図12】取っ手の他の例を示す洗濯機の側面図である。
【図13】本発明の実施の形態3に係る洗濯機の取っ手を説明するための側面図である。
【図14】本発明の実施の形態4に係る洗濯機の底枠を示す下面側斜視図である。
【図15】本発明の実施の形態5に係る洗濯機の底枠を示す下面側斜視図である。
【図16】本発明の実施の形態6に係る洗濯機の底枠を示す下面側斜視図である。
【図17】底枠の取っ手の他の例を示す下面側斜視図である。
【図18】底枠の取っ手の他の例を示す下面側斜視図である。
【符号の説明】
【0058】
1 本体、4 トップカバー、20 底枠、20a 上部底枠、20b 下部底枠、
21 取っ手、21a 上部取っ手、21b 下部取っ手、22 ゴム足、23 防水パン、24 リブ、25 弾性体、26 取付部、27 制御基板BOX、28 ネジ、
30 凹部、31 取っ手、32 取付穴。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯機本体の底枠に一体に形成され、洗濯機本体を運搬するための取っ手を備えたことを特徴とする洗濯機。
【請求項2】
前記取っ手は、底枠の洗濯機本体前面側の底面に設けられていることを特徴とする請求項1記載の洗濯機。
【請求項3】
前記底枠の洗濯機本体前面側の底面が防水パンの側壁より高い位置となるように段差を有して前方に延びて形成され、前記取っ手は、その底枠の防水パン外側の底面に配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載の洗濯機。
【請求項4】
前記底枠の洗濯機本体前面側の底面が防水パンの側壁より高い位置となるように段差を有して前方に延びて形成され、前記取っ手は、その段差部分の面に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の洗濯機。
【請求項5】
洗濯機本体の重心をほぼ通る対角線上で対称となるように配置され、一方が洗濯機本体の底枠に、他方が洗濯機本体の上部にそれぞれ一体に形成され、洗濯機本体を運搬するための取っ手を備えたことを特徴とする洗濯機。
【請求項6】
底枠の取っ手は、底枠の洗濯機本体前面側の底面に設けられ、
洗濯機本体上部の取っ手は、その底面に設けられた取っ手と対称となるように洗濯機本体の背面上部に配置されていることを特徴とする請求項5記載の洗濯機。
【請求項7】
底枠の取っ手は、底枠の背面に設けられ、
洗濯機本体上部の取っ手は、その背面に設けられた取っ手と対称となるように洗濯機本体の前面上部に配置されていることを特徴とする請求項5記載の洗濯機。
【請求項8】
洗濯機本体の背面上部に設けられ、洗濯機本体を防水パンに載せるときに前方に傾けるための取っ手を備えたことを特徴とする洗濯機。
【請求項9】
前記取っ手は、凹部からなっていることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の洗濯機。
【請求項10】
前記凹部の深さが指先から第一関節までの長さ以上とすることを特徴とする請求項9記載の洗濯機。
【請求項11】
前記凹部は、所定位置にリブを設けてなることを特徴とする請求項9又は10記載の洗濯機。
【請求項12】
前記凹部の一面に弾性部材が設けられていることを特徴とする請求項9乃至11の何れかに記載の洗濯機。
【請求項13】
前記凹部の一面が曲面になっていることを特徴とする請求項9乃至11の何れかに記載の洗濯機。
【請求項14】
底枠の底面に一体に形成された取っ手の凹部の外側上面に制御基板が設けられていることを特徴とする請求項9乃至12の何れかに記載の洗濯機。
【請求項15】
前記凹部の側面外周あるいは力の加わる側面に複数のリブが設けられていることを特徴とする請求項9乃至14の何れかに記載の洗濯機。
【請求項16】
底枠の洗濯機本体前面側の底面に一体に形成された凹部と、
該凹部の中に取り付けられ、洗濯機本体を運搬するためのU字状の取っ手と
を備えたことを特徴とする洗濯機。
【請求項17】
底枠の洗濯機本体前面側の底面に設けられた取付穴と、
該取付穴に着脱可能に取り付けられ、洗濯機本体を運搬するためのU字状の取っ手と
を備えたことを特徴とする洗濯機。
【請求項18】
前記取付穴は底枠の前面に設けられていることを特徴とする請求項17記載の洗濯機。
【請求項19】
前記取付穴は底枠の前面に変えて側面に設けられていることを特徴とする請求項18記載の洗濯機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate