洗濯機
【課題】洗濯機の重量を増やすことなく、支持系の耐久性を維持し、静かに振動性能を向上させた洗濯機を提供すること。
【解決手段】洗濯機において、外槽2の下部に、洗濯工程時に外槽2がドラム5内に入った衣類や水の重量によって、下方へ変位した時のみ外槽2の揺れを低減する揺動規制手段13を設けることによって、弾性支持手段3、上部支持手段4とベローズ8等の支持系の剛性を低く設定することができ、それによって、脱水工程中の外槽2の共振振動や、定常時の外枠1への振動伝達を低減するものである。
【解決手段】洗濯機において、外槽2の下部に、洗濯工程時に外槽2がドラム5内に入った衣類や水の重量によって、下方へ変位した時のみ外槽2の揺れを低減する揺動規制手段13を設けることによって、弾性支持手段3、上部支持手段4とベローズ8等の支持系の剛性を低く設定することができ、それによって、脱水工程中の外槽2の共振振動や、定常時の外枠1への振動伝達を低減するものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類等の洗濯を行う洗濯機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の洗濯機は、衣類の偏心荷重による脱水起動時の外槽の大きな振動を抑えるために外槽の重量を重くしていた(例えば、特許文献1参照)。図16に示すように、外枠1と、外枠1内にサスペンション2によって支持された外槽3と、外槽3内に水平軸を中心に回転するドラム4と、ドラム4を駆動するモータ5と、外槽3の下部と本体1との間に設けたダンパー6と、外槽3の振動具合を検知する振動センサ7と、その振動具合に応じて水を溜める振動抑制用のタンク8を備えたものであり、脱水起動時には、このタンク8に水を満たし、脱水起動時の大きな振動は、タンク8に満たした水の重量によって抑えることができるようにしたものである。
【特許文献1】特開平5−131075号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来の構成のように、タンク8に水を満たし、水の重量を増すことによって外槽3の振動を抑えようとした場合、外槽3を支持するサスペンション2やダンパー6にかかる負荷も増してしまうために耐久性が下がってしまう。また、タンク8内の水の揺動エネルギを利用して制振効果を得る場合も、水の揺動モードの固有振動数を、外槽3の共振周波数に近くなるように調整する必要があり、その外槽3の共振周波数は、衣類の量によって変化するため調整が困難である。また、外槽3の振動を検知するための振動センサ7や、振動抑制のために新たにタンク8を設けることや、さらにタンク8内に水を給排水するための装置も必要なためコストも増加してしまう。
【0004】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、外槽の重量を重くすることなく、設置のために複雑な調整も必要とすることなく、振動性能を向上させた洗濯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記従来の課題を解決するために、本発明の洗濯機は、外槽下部に棒状体で構成される揺動規制手段を設けたものである。この揺動規制手段は、棒状体の一端が外槽の下部に取り付けられており、洗濯時にドラム内に衣類および水が入り、外槽が下方へ変位した時、棒状体の他端が、外枠下部に接触するようにしたものである。
【0006】
これによって、外槽を支持するサスペンションや、外槽の水密のためのベローズ等の弾性力(硬さ)が小さくても、洗濯時にドラムに水や衣類が入った時に外槽が倒れないような静的つりあいを確保し、また、洗濯時に発生してしまうことのあるドラムの回転数が低い時の、外槽が外枠に衝突してしまうほどの大きな揺動を抑えることができるため、サスペンションやベローズの弾性力を小さくすることにより脱水起動時の外槽の振動を低減する効果や、脱水定常時の外槽から外枠への振動の伝達を小さくする効果が得られる。
【0007】
本発明の洗濯機は、外槽の下部に揺動規制手段となる棒状体を取り付けるだけの構成となっており、振動センサを用いて外槽の振動を検知したり、水の給排水の制御をする等の複雑な調整をすることなく外槽の振動を低減させるものであり、比較的少ないコストで構成でき、さらには、洗濯機の重量を重くすることがないので、外槽を支持する支持手段への負荷を増やすことがなく、耐久性を下げずに、防振性能を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
第1の発明は、外枠と、前記外枠内に弾性支持した外槽と、前面側に開口部を設けて前記外槽内に回転可能に設けられた筒状のドラムと、前記ドラムを回転駆動する駆動モータと、前記外槽を支持し振動を抑制する弾性支持手段と、前記外槽の下部に設けられた揺動規制手段とを備え、前記揺動規制手段は、棒状体の一端が前記外槽の下部に取り付けられており、洗濯時に前記ドラム内に衣類および水が入り前記外槽が下方へ変位した時、前記棒状体の他端が前記外枠下部に接触するようにしたものであり、洗濯時にドラムに水や衣類が入った時に、前記揺動規制手段が前記外槽を下方から支持する役割をし、前記外槽が倒れないような静的つりあいを確保し、また、前記棒状体が前記外枠下部に接触することによる摩擦力が減衰力となり、洗濯時にドラムが低回転数で回転した時にドラム内に衣類が偏った時に生じてしまう前記外槽の揺動を効果的に低減させることができる。また、これにより、洗濯時のドラムが低回転数で回転した時に発生する外槽の揺動を小さくするために、前記弾性支持手段のばね等の剛性を大きくする必要がないため、脱水起動時の前記外槽の共振振動や、脱水定常時の前記外槽から前記外枠に伝わる振動の伝達を低減することができる。
【0009】
第2の発明は、特に第1の発明において、棒状体の他端または外枠下部のいずれか一方に弾性体を設けることによって、前記棒状体と前記外枠下部が接触した時に、摩擦力だけでなく、前記弾性体が変形することによる減衰力も発生させることができ、外槽の揺動を低減する効果をより向上させることができる。
【0010】
第3の発明は、特に第1または2の発明において、棒状体の揺動を制限する制限手段を外枠下部に設けることにより、前記棒状体が規定値以上に大きく揺れないように規制し、洗濯時に衣類の偏りが大きいときは外槽の揺動が大きくなるが、外槽が外枠に衝突しようとするのを防ぐことができる。
【0011】
第4の発明は、特に、第1〜第3のいずれかの発明において、揺動規制手段を外槽の左右方向に複数設けることにより、より安定して外槽を支持し、外槽の左右方向の揺動を、さらに効果的に低減することができる。
【0012】
第5の発明は、特に、第1〜第4のいずれかの発明において、棒状体の他端の前後方向の長さよりも左右方向の長さが長くなるようにすることにより、外槽が左右方向に倒れこむような動きに対する踏ん張り力を、より向上させることができ、より安定して前記外槽を支持し、前記外槽の左右方向の揺動を効果的に低減することができる。
【0013】
第6の発明は、特に、第1〜第5のいずれかの発明において、揺動規制手段を外槽の前後方向に複数設けることにより、洗濯時に衣類がドラム内の前方、後方のどちらに偏った場合でも、外槽の前側と後側の揺動をともに低減することができる。
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0015】
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態における洗濯機を側面から見た断面図であり、図2は正面図である。
【0016】
図1に示すように、外枠1の内部には前面側に開口部を設けた円筒状の外槽2が設けられており、外槽2の下方から2本の弾性支持手段3で、上方からは、上部支持手段4によって弾性支持され、弾性支持手段3によって洗濯、脱水工程での外槽2の振動を吸収し、上部支持手段4によって、外槽2が倒れないように支持する構成となっている。
【0017】
弾性支持手段3は、図3に示すように例えば、外槽2を弾性支持するばね30と外槽2の振動を抑制するダンパ31で構成し、その外槽2および外枠1への取り付け方法としては、弾性支持手段3の上端と下端に、防振ゴム32を設け、ワッシャ33を介して、外槽2あるいは外枠1の床面に予め固定されている治具34を挟み込むことにより固定する。また、上部支持手段4としては、ばねを用い、両端をそれぞれ外枠1と外槽2に固定する。また、外槽2の内部には、衣類20を収容する円筒状のドラム5を回転可能に設け、駆動モータ6により回転駆動される。ここで、外枠1内において外槽2及びドラム5は、ユーザーが衣類を取り出しやすいように、前面よりも背面が下がるように設けられており、ドラム5の回転軸方向が水平方向から10〜30度傾斜している。外枠1の前面には、衣類20を出し入れする開口部1aと、これを開閉する扉7が設けられている。外槽2およびドラム5の前面側にも同様の開口部2a、5aを有し、この外槽2の開口部2aはベローズ8によって外枠1の開口部1aと水密に連結されている。外槽2の底部には洗濯水を排出する排水口9を有し排水弁10に連結されている。
【0018】
また、外槽2には溢水口50が設けられ、所定の水位以上に水が供給された場合には、溢れた水は溢水ホース51を介して排水ホース11へ流れて機外に排出される。
【0019】
また、制御手段12は駆動モータ6や排水弁10等を駆動して洗濯、脱水工程を制御する。
【0020】
さらに、本発明の洗濯機では、外槽3の下部に揺動規制手段13を設けている。揺動規制手段13を設ける位置は、外槽3の下部の空きスペースであればどこに配置しても構わないが、本発明では、後述に示すような外槽3の揺動抑制効果をより発揮できると思われる図1および2に示すように外槽3の下部比較的前面側で正面から見て中央の位置に設けている。図1で示すように揺動規制手段13が無い従来の洗濯機では、弾性支持手段3は、外槽2の比較的後方側で支持しているため、外槽3の後方の揺れは抑えやすいが、前方は、支持するものが少ないため比較的揺れやすい構造となっている。
【0021】
次に、揺動規制手段13の具体的構成について説明する。
【0022】
本発明の揺動規制手段13は、図4で示すように主に棒状体14で構成され、棒状体14の一端が、外槽2の下部に、弾性支持手段3を外槽2に取り付けるのと同様に、防振ゴム15、取り付け治具16、ワッシャ17を介して、取り付けられている。そして、棒状体14の他端は、図1、図2で示すようにドラム5に水と衣類が入っていない状態では、外枠下部18に接触しないように隙間ができるようになっている。
【0023】
棒状体14の他端は、図5で示すように、洗濯工程中にドラム5に水21や衣類20が入ると、その重量により外槽2が下方へ変位し、それとともに外枠下部18に接触するようになっている。この状態になると、外槽2が開口部(正面)からみて左右方向に揺れようとした時に、棒状体14と外枠18との接触部で摩擦力が発生するため外槽2の揺動が規制される。つまり、棒状体14は洗濯工程中のみ外枠下部18に接触するようにし構成し、洗濯行程中のみ効果を発揮するようにする。次に、このように構成する理由について説明する。
【0024】
本発明で提示しているような洗濯機は、脱水工程中に、衣類20がドラム5内の一部に偏ってしまうことによって生じる振動が大きいという課題がある。この振動を大きく分類すると、脱水起動時の外槽2の共振振動と、脱水定常時の外槽2の振動が、外枠2に伝わることによる外枠2の振動とに分けられる。
【0025】
この外槽2の振動について、脱水工程中の衣類20の偏り具合にもよるが、そのほとんどが図6で示すような振動となっており、脱水工程時にドラム5の回転数が増加するにつれて、まず、左右方向の振動が特に大きくなる1次共振が発生し、その後、上下方向の振動が特に大きくなる2次共振を経て、振動がだんだん小さくなっていき、定常状態に至る。洗濯機においては、これらの振動をできるだけ小さくする必要があるが、その方法として、起動時の外槽2の共振振動に対しては、外槽2を支持する弾性支持手段3や上部支持手段4、ベローズ8等の支持系の剛性を小さくし、支持系の減衰を増やすこと等が考えられる。また、定常時の外槽2の振動の外枠1への伝達を減らす方法としては、支持系の剛性も減衰も小さくする必要がある。
【0026】
このうち、減衰については、起動時と定常時で対策が異なるので、両方のバランスを考えて各支持手段を構成する必要がある。剛性については、小さくすることで起動時と定常時の両方の振動対策となるが、あまりに小さくすると、外槽2を安定して支持できなくなるとともに、洗濯行程中にドラム5が低回転数(外槽2の共振点よりも回転数が低い帯域)で回転しているときに、外槽2の左右方向の振動が大きくなり、ひどい時には、外槽2が外枠1に衝突してしまうというような問題が発生する。
【0027】
ここで、外槽2の水平方向の振動が大きくなるのは、ドラム5が低回転数の時には、図6で示すように左右方向の振動が大きくなる1次共振が存在するためである。これを図7を用いて説明すると、洗濯行程中ドラム5は、外槽2の1次共振点よりも低い回転数で回転するため、その時には、支持系の剛性が大きい方が外槽2の振動を抑えることができる。
【0028】
以上、述べてきたことを整理すると、脱水工程中の振動を低減するためには、支持系の剛性を小さくする必要があるが、外槽2の支持安定性や、洗濯工程中の比較的低い回転数での揺動も考慮すると、ある程度支持系の剛性を大きくする必要があるということである。上述した揺動規制手段13の棒状体14を、洗濯行程中のみ外枠下部18に接触させ、外槽2の揺動を規制するようにしたのはこの問題を解消するためである。
【0029】
洗濯工程中、まず棒状体14が外枠下部18に接触することで、揺動規制手段13は外槽2を支持する支持体となり、外槽2をより安定して支持できるようになる。そして、その状態で、外槽2が開口部からみて(正面)左右方向に揺動したときには、棒状体14と外枠下部18との接触部で摩擦が発生し、それが減衰力となり外槽2の揺動を抑える。
【0030】
よって、洗濯行程中は、揺動規制手段13の働きにより、外槽2の支持安定性や揺動抑制効果が大きくなるので、その分、支持系の剛性を小さくすることができる。支持系の剛性を小さくすることは、上述したように脱水行程時の起動時、定常時の両方の振動を小さくする効果があるため、これにより脱水工程中の振動を低減することができる。
【0031】
ここで、洗濯工程中のみ、棒状体14を外枠下部18に接触させる必要があるのは、脱水工程中に接触した状態であると、支持系に余分な剛性や減衰を追加してしまい、外槽2の振動を悪化させてしまうことがあるためである。
【0032】
次に、棒状体14と外枠下部18との隙間について説明する。この隙間について、上述したように、脱水工程中には空けるようにして、洗濯行程中のみなくなるようにする必要がある。これを実現するためには次のような状態を考慮する必要がある。
【0033】
((1)脱水工程中の衣類の重量による外槽2の下方への変位量)と((2)脱水工程中の外槽2の振動による下方への最大変位量)を加えたものよりも、((3)洗濯行程中の水と衣類の重量による外槽2の下方への最小の変位量)が大きいこと、が必要となる。
【0034】
次に、隙間の具体例について示す。まず、(1)について説明する。これは洗濯する衣類の重量にもよるが、現在市販されている8〜9kg容量タイプの洗濯機において、標準的な衣類容量で、かつ、脱水時の振動が大きくなりやすい衣類容量である5〜6kgの衣類とすると、衣類は水を含んだ状態で約2倍の10kg程度となると考えられ、その時の支持系の剛性10N/mmとすると、(1)の変位量は10mm程度である。(2)については、振動試験より最大でも15mm程度である。これらから、脱水工程中の外槽2の下方向への変位量は25mmぐらいである。(3)については、洗濯する衣類や水の容量によって、30〜40mm程度となる。ここで、最大値の40mmというのは、弾性支持手段3のばねがほぼ全圧縮した時である。
【0035】
これらを考慮した場合、棒状体14と外枠下部8との隙間は30mmぐらいにしておけばよい。ここでの数値は、一部のタイプの洗濯機を取り上げた一例であるが、ここで示したような各値を考慮しておけば、隙間をどれぐらいに設定すればよいかを決定するのは容易であると考えられる。
【0036】
以上のような構成において、次にこの動作について説明する。洗濯工程では、排水弁10を閉じた状態で外槽2内に所定の水位に達するまで給水を行い、駆動モータ6により衣類20と洗浄水の入ったドラム5を回転させて衣類20の洗濯を行う。この時、外槽2は、衣類20と洗浄水の重量により下方へ変位し、外槽2の下方に設けている揺動規制手段13が外枠下部18に接触した状態となる。この状態になると、洗濯工程時に、衣類20の偏りにより、外槽2の揺れが大きくなった場合でも、上述した揺動規制手段13の揺動を抑える効果により、外槽2が外枠1に衝突することはなくなる。
【0037】
洗濯工程後は濯ぎ工程に入る。洗濯後の濯ぎ工程でも、洗濯工程と同様に外槽2内に給水を行い、ドラム5を回転させて衣類20の濯ぎを行う。脱水工程では、排水弁10を開いて機外へ水を排水した後、駆動モータ6により衣類20の入ったドラム5を高速回転して脱水する。
【0038】
この時、水を排水した時点で外槽2は重量が軽くなり、上方へ変位し、揺動規制手段13は外枠下部18から離れた状態となる。脱水工程において、ドラム5の回転は徐々に速くなっていくわけであるが、洗濯行程中に衣類20がドラム5の一部に偏った状態、すなわち衣類20がアンバランス状態となっている場合は、ドラム5の回転による振動周波数が、外槽2の共振周波数に近づくと外槽2の振動は大きくなり、アンバランス状態が大きい場合には、外槽2は外枠1に衝突し、激しい時は、外枠1が移動する。上でも述べたが、脱水工程時の外槽2の振動は、特にそれを支持する支持系(弾性支持手段3、上部支持手段4、ベローズ8等)の剛性に大きく依存する。
【0039】
一般に洗濯機においては、このような振動を、主に外槽2を下方から支持する弾性支持手段3のダンパにより吸収することにより低減するわけであるが、本発明の洗濯機の構成では、上述したように、洗濯工程時のドラム5の低い回転数の時の外槽2の振動は揺動規制手段13により抑えられるので、支持系の剛性を小さくすることができ、その分、脱水工程時の外槽2の共振振動や、定常時の外枠1の振動を小さくすることができる。有効に弾性支持手段3の振動吸収効果を発揮し、より効果的に外槽2の振動を低減させることができ、また、本発明においては、外槽2の重量を増やすこともなく外槽2の振動による弾性支持手段3にかかる余分な力も少なく振動を低減することができるので、弾性支持手段3等の支持系の耐久性をより向上させることができる。
【0040】
(実施の形態2)
本発明の第2の実施の形態における洗濯機を図8に、揺動規制手段13を図9に示す。本発明では、特に、実施の形態1の揺動規制手段13の棒状体14と外枠下部18の接触部に弾性体19を設け、弾性体19は、棒状体14または外枠下部18の少なくともいずれか一方に設ける。弾性体19には例えば防振ゴムを用いる。
【0041】
これによって、揺動規制手段13と外枠下部18の接触部には、摩擦力のみでなく防振ゴムの変形による減衰力も付与することができる。実施の形態1では、洗濯工程の外槽2の揺動は左右方向の成分が大きいことを考慮して、特に外槽2の左右方向の揺動を低減することを目的にしていたが、実際には、外槽2は左右方向の並進運動のみだけでなく図8のAで示すような回転運動も行い、それが外槽2の左右方向の振動をより大きくする力となっていると考えられる。
【0042】
本発明の洗濯機では、力Aが発生した時に、揺動規制手段13にも図8のBで示すような力が働き、この力Bによって弾性体19の防振ゴムが変形し、減衰力が発生することにより力Bを減衰させることができ、外槽2の揺動をより効果的に低減することができる。また、接触部が弾性体19であるため、揺動規制手段13と外枠下部18が接触し、揺動が発生している時に接触部で騒音が発生しにくくなる。さらに、図9(b)で示しているように、揺動規制手段13と外枠下部18との接触部に突起状のようなものを付けておけば、接触した時の摩擦力をより大きくすることができ、外槽2の揺動をさらに低減することができる。
【0043】
本実施の形態で示したように、接触部に弾性体19を設けるのには、もう1つの効果がある。実施の形態1では、揺動規制手段13と外枠下部13との隙間を決めるのに、脱水工程時には、揺動規制手段13と外枠下部18は接触しないようにするため、脱水工程時の外槽2の最大振幅を考慮する必要があるとし、その時の最大振幅は振動試験により決めると述べたが、実際にユーザーが使用する時には、製品の経年劣化等が原因で、ごくまれに外槽2が想定した以上の振幅で振動することも考えられる。
【0044】
そうなると、脱水工程時であっても揺動規制手段13と外枠下部18が接触してしまうことも考えられる。しかし、ここで接触部に弾性体19を設けておけば、仮に接触が発生してしまった場合であっても、弾性体19の変形により、外槽2の振動を減衰させることができる。この外槽2の最大振幅は、外槽2が共振状態となった時に発生するものであるので、接触が発生したとしても、それは脱水起動時の時である。脱水定常時では、外槽2の振動は大きくなったとしても、揺動規制手段13と外枠下部18が接触する程、大きくなることはない。
【0045】
実施の形態1でも述べたが、脱水起動時に外槽2に減衰を付与するのは、振動を低減するのに効果的であり、本発明では、たとえ接触が発生したとしても、脱水起動時のみなので、本実施の形態で示したように洗濯機を構成することで、振動性能をさらに向上させることができる。
【0046】
(実施の形態3)
本発明の第3の実施の形態における揺動規制手段13と、外枠下部18との接触部を図10に示す。本実施の形態では、実施の形態1および2における洗濯機において、外枠下部18と揺動規制手段13との接触部の外枠下部18側に、揺動規制手段13の揺れを制限する制限手段50を設けたものである。制限手段50は、図10(a)で示すように、揺動規制手段13を囲うような壁になるように設けてもよいし、図10(b)で示すように外枠下部18に空洞部を設けて、その空洞部内で揺動規制手段13が揺れるように設けてもよい。こうすることによって、揺動規制手段13は制限以上に揺れることはできなくなる。
【0047】
制限手段50の制限の幅は、外槽2が外枠2に衝突しないように調整して設ける。制限手段50の制限幅をあまりにも小さく設定しすぎると、外槽2の揺れが小さい時まで揺動規制手段13が制限手段50にぶつかってしまい、その時に騒音が発生してしまうので良くない。つまり、本実施の形態の制限手段30は、外槽2が想定していた以上に大きく揺動した場合に、外槽2が外枠1に衝突するのを防ぐためのものである。
【0048】
(実施の形態4)
本発明の第4の実施の形態における洗濯機の構成図を図11に示す。本実施の形態では、図11に示すように、揺動規制手段13を左右方向に2個設けている。2個の揺動規制手段13はドラム5の重心を通る中心線を隔てて等間隔の距離となるようにできるだけ間隔をあけて設けている。このように揺動規制手段13を左右方向に複数設けることによって、外槽2を支持する安定性が向上する。
【0049】
これについて図12の振動モデル図を用いて説明する。ここでは、外槽2を振動体40、揺動規制手段13を支持体41として説明する。図11では振動体40を下方から2個の支持体41で支持している様子を示している。2個の支持体41は、振動体40の重心を通る中心線を隔てて等間隔の距離Wとなるように設けている。振動体40が左右方向に振動しようとする時、振動体40には力Fが働いている。この力Fにより振動体40には、振動体40を倒そうとするモーメントRが生じる。またこの時、支持体41を通して垂直方向に抗力fが働いているが、この抗力fによってモーメントrが生じ、これがモーメントRに対抗する力となり振動体40が倒れるのを防いでいる。
【0050】
振動体40が倒れないようにするには常に、R<rの関係を保つ必要があり、Rとrの差が大きいほど、より安定性が高いことになる。ここで、モーメントRとrはそれぞれ下記式によって表現できる。
【0051】
R=F×L
r=f×W
この式より、Wが大きいほどより安定性が高くなるといえる。
【0052】
これが本実施の形態において、外槽2を支持する安定性が向上する理由である。また、揺動規制手段13を複数設けていることにより、外枠下部18との接触部での摩擦力と減衰力も増加するので、外槽2の揺動をより低減することができる。減衰力の増加ということについて説明しておくと、揺動規制手段13において、実施の形態2で示したように弾性体19を利用した場合、図12の振動モデル図における力fとしては抗力だけでなく、弾性体19が変形することによる減衰力も発生しているのでその分、力fも大きくなり、モーメントrにも減衰力によるモーメントが加わることになり、これが左右方向の振動を低減する力となると考えられる。
【0053】
(実施の形態5)
本発明の第5の実施の形態における揺動規制手段13の構成図を図13に示す。本実施の形態においては、揺動規制手段13の外枠下部18との接触する側の一端の左右方向の長さが前後方向の長さよりも長くなるようにしている。ここでは、実施の形態2で示した棒状体14の先端に弾性体19を取り付けた場合について示す。
【0054】
これによる効果について図14の揺動規制手段13を正面から見た図を用いて説明する。前述の実施の形態でも述べてきたように、外槽2の左右方向の振動により、揺動規制手段13の外枠下部18との接触部には図14のRで示しているようなモーメントが働く。このモーメントRにより弾性体19は変形し、その変形により弾性体19は減衰力fを発生し、さらに減衰モーメントrを発生する。この減衰モーメントrは弾性体19の中心から端までの距離Wが長い方が大きくなる。ここで、洗濯行程では外槽2の振動は左右方向の成分が大きいということを考慮して、弾性体19の左右方向の長さを長くしておけば、それだけモーメントRに対する減衰モーメントを大きくすることができ、外槽2の左右方向の振動をより効果的に低減することができると考えられる。
【0055】
また、モーメントrに関しては、この場合、外槽2が倒れようとするのを防ぐ反力モーメントにもなるので、外槽2を倒れないように支持する安定性もより向上させることができる。
【0056】
(実施の形態6)
本発明の第6の実施の形態における洗濯機の構成図を図15に示す。本実施の形態では、図15に示すように揺動規制手段13を外槽2の前後方向に2個設けている。前側の前部揺動規制手段13aは、外槽2の下方の空きスペースの中で制御手段12に当たらない程度で、できるだけ前方に、後側の揺動規制手段13bも空きスペースのできるだけ後方の駆動手段6の下方あたりに設ける。
【0057】
外槽2の揺れを考える場合、左右方向の揺れであっても、外槽2の前側と後側では、振動の仕方が異なる。その違いについては、1つは衣類の偏り具合が上げられる。衣類20が後側よりで偏っていれば、外槽2の後側の揺れが大きくなり、前側で偏っていれば、前側の揺れが大きくなる。もう1つは、弾性支持手段3の位置によるものである。弾性支持手段3は、たいてい外槽2の重心位置の真下あたりで支持するように構成するので、比較的外槽2の後側寄りに付いている。そのため、外槽2の揺れは、後側に比べて前側の方が揺れやすい。先の実施の形態で揺動規制手段13を外槽2の前側よりに配置していたのもこれを考慮してのことである。とはいっても、衣類20の偏り具合によっては、外槽2の後側の揺れもかなり大きくなることはあるので、前部揺動規制手段および、後部揺動規制手段13bを設けることによって、外槽2の前側と後側の揺れの両方を低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
以上のように、本発明にかかる洗濯機は、外槽に取り付ける錘に重量物を使用しないので、支持系等の耐久性を維持し、静かに防振性能を向上することができ、洗濯機等の用途に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施の形態1における洗濯機の断面図
【図2】同洗濯機の正面図
【図3】本発明の実施の形態1における弾性支持手段の構成図
【図4】本発明の実施の形態1における揺動規制手段の構成図
【図5】本発明の実施の形態1におけるドラム内に水が入った時の洗濯機の断面図
【図6】本発明の実施の形態1における脱水運転中の外槽の振動を示す図
【図7】本発明の実施の形態1における支持系の剛性の違いによる外槽の振動の差を示す図
【図8】本発明の実施の形態2における洗濯機の構成図
【図9】本発明の実施の形態2における揺動規制手段の構成図
【図10】本発明の実施の形態3における揺動規制手段と外枠下部との接触部を示す図
【図11】本発明の実施の形態4における洗濯機の構成図
【図12】本発明の実施の形態4における振動モデル図
【図13】本発明の実施の形態5における揺動規制手段の構成図
【図14】本発明の実施の形態5における揺動規制手段に作用する力を示す図
【図15】本発明の実施の形態6における洗濯機の構成図
【図16】従来の洗濯機の断面図
【符号の説明】
【0060】
1 外枠
2 外槽
3 弾性支持手段
4 上部支持手段
5 ドラム
5a 開口部
6 駆動モータ
8 ベローズ
13 揺動規制手段
14 棒状体
18 外枠下部
19 弾性体
50 制限手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類等の洗濯を行う洗濯機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の洗濯機は、衣類の偏心荷重による脱水起動時の外槽の大きな振動を抑えるために外槽の重量を重くしていた(例えば、特許文献1参照)。図16に示すように、外枠1と、外枠1内にサスペンション2によって支持された外槽3と、外槽3内に水平軸を中心に回転するドラム4と、ドラム4を駆動するモータ5と、外槽3の下部と本体1との間に設けたダンパー6と、外槽3の振動具合を検知する振動センサ7と、その振動具合に応じて水を溜める振動抑制用のタンク8を備えたものであり、脱水起動時には、このタンク8に水を満たし、脱水起動時の大きな振動は、タンク8に満たした水の重量によって抑えることができるようにしたものである。
【特許文献1】特開平5−131075号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来の構成のように、タンク8に水を満たし、水の重量を増すことによって外槽3の振動を抑えようとした場合、外槽3を支持するサスペンション2やダンパー6にかかる負荷も増してしまうために耐久性が下がってしまう。また、タンク8内の水の揺動エネルギを利用して制振効果を得る場合も、水の揺動モードの固有振動数を、外槽3の共振周波数に近くなるように調整する必要があり、その外槽3の共振周波数は、衣類の量によって変化するため調整が困難である。また、外槽3の振動を検知するための振動センサ7や、振動抑制のために新たにタンク8を設けることや、さらにタンク8内に水を給排水するための装置も必要なためコストも増加してしまう。
【0004】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、外槽の重量を重くすることなく、設置のために複雑な調整も必要とすることなく、振動性能を向上させた洗濯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記従来の課題を解決するために、本発明の洗濯機は、外槽下部に棒状体で構成される揺動規制手段を設けたものである。この揺動規制手段は、棒状体の一端が外槽の下部に取り付けられており、洗濯時にドラム内に衣類および水が入り、外槽が下方へ変位した時、棒状体の他端が、外枠下部に接触するようにしたものである。
【0006】
これによって、外槽を支持するサスペンションや、外槽の水密のためのベローズ等の弾性力(硬さ)が小さくても、洗濯時にドラムに水や衣類が入った時に外槽が倒れないような静的つりあいを確保し、また、洗濯時に発生してしまうことのあるドラムの回転数が低い時の、外槽が外枠に衝突してしまうほどの大きな揺動を抑えることができるため、サスペンションやベローズの弾性力を小さくすることにより脱水起動時の外槽の振動を低減する効果や、脱水定常時の外槽から外枠への振動の伝達を小さくする効果が得られる。
【0007】
本発明の洗濯機は、外槽の下部に揺動規制手段となる棒状体を取り付けるだけの構成となっており、振動センサを用いて外槽の振動を検知したり、水の給排水の制御をする等の複雑な調整をすることなく外槽の振動を低減させるものであり、比較的少ないコストで構成でき、さらには、洗濯機の重量を重くすることがないので、外槽を支持する支持手段への負荷を増やすことがなく、耐久性を下げずに、防振性能を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
第1の発明は、外枠と、前記外枠内に弾性支持した外槽と、前面側に開口部を設けて前記外槽内に回転可能に設けられた筒状のドラムと、前記ドラムを回転駆動する駆動モータと、前記外槽を支持し振動を抑制する弾性支持手段と、前記外槽の下部に設けられた揺動規制手段とを備え、前記揺動規制手段は、棒状体の一端が前記外槽の下部に取り付けられており、洗濯時に前記ドラム内に衣類および水が入り前記外槽が下方へ変位した時、前記棒状体の他端が前記外枠下部に接触するようにしたものであり、洗濯時にドラムに水や衣類が入った時に、前記揺動規制手段が前記外槽を下方から支持する役割をし、前記外槽が倒れないような静的つりあいを確保し、また、前記棒状体が前記外枠下部に接触することによる摩擦力が減衰力となり、洗濯時にドラムが低回転数で回転した時にドラム内に衣類が偏った時に生じてしまう前記外槽の揺動を効果的に低減させることができる。また、これにより、洗濯時のドラムが低回転数で回転した時に発生する外槽の揺動を小さくするために、前記弾性支持手段のばね等の剛性を大きくする必要がないため、脱水起動時の前記外槽の共振振動や、脱水定常時の前記外槽から前記外枠に伝わる振動の伝達を低減することができる。
【0009】
第2の発明は、特に第1の発明において、棒状体の他端または外枠下部のいずれか一方に弾性体を設けることによって、前記棒状体と前記外枠下部が接触した時に、摩擦力だけでなく、前記弾性体が変形することによる減衰力も発生させることができ、外槽の揺動を低減する効果をより向上させることができる。
【0010】
第3の発明は、特に第1または2の発明において、棒状体の揺動を制限する制限手段を外枠下部に設けることにより、前記棒状体が規定値以上に大きく揺れないように規制し、洗濯時に衣類の偏りが大きいときは外槽の揺動が大きくなるが、外槽が外枠に衝突しようとするのを防ぐことができる。
【0011】
第4の発明は、特に、第1〜第3のいずれかの発明において、揺動規制手段を外槽の左右方向に複数設けることにより、より安定して外槽を支持し、外槽の左右方向の揺動を、さらに効果的に低減することができる。
【0012】
第5の発明は、特に、第1〜第4のいずれかの発明において、棒状体の他端の前後方向の長さよりも左右方向の長さが長くなるようにすることにより、外槽が左右方向に倒れこむような動きに対する踏ん張り力を、より向上させることができ、より安定して前記外槽を支持し、前記外槽の左右方向の揺動を効果的に低減することができる。
【0013】
第6の発明は、特に、第1〜第5のいずれかの発明において、揺動規制手段を外槽の前後方向に複数設けることにより、洗濯時に衣類がドラム内の前方、後方のどちらに偏った場合でも、外槽の前側と後側の揺動をともに低減することができる。
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0015】
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態における洗濯機を側面から見た断面図であり、図2は正面図である。
【0016】
図1に示すように、外枠1の内部には前面側に開口部を設けた円筒状の外槽2が設けられており、外槽2の下方から2本の弾性支持手段3で、上方からは、上部支持手段4によって弾性支持され、弾性支持手段3によって洗濯、脱水工程での外槽2の振動を吸収し、上部支持手段4によって、外槽2が倒れないように支持する構成となっている。
【0017】
弾性支持手段3は、図3に示すように例えば、外槽2を弾性支持するばね30と外槽2の振動を抑制するダンパ31で構成し、その外槽2および外枠1への取り付け方法としては、弾性支持手段3の上端と下端に、防振ゴム32を設け、ワッシャ33を介して、外槽2あるいは外枠1の床面に予め固定されている治具34を挟み込むことにより固定する。また、上部支持手段4としては、ばねを用い、両端をそれぞれ外枠1と外槽2に固定する。また、外槽2の内部には、衣類20を収容する円筒状のドラム5を回転可能に設け、駆動モータ6により回転駆動される。ここで、外枠1内において外槽2及びドラム5は、ユーザーが衣類を取り出しやすいように、前面よりも背面が下がるように設けられており、ドラム5の回転軸方向が水平方向から10〜30度傾斜している。外枠1の前面には、衣類20を出し入れする開口部1aと、これを開閉する扉7が設けられている。外槽2およびドラム5の前面側にも同様の開口部2a、5aを有し、この外槽2の開口部2aはベローズ8によって外枠1の開口部1aと水密に連結されている。外槽2の底部には洗濯水を排出する排水口9を有し排水弁10に連結されている。
【0018】
また、外槽2には溢水口50が設けられ、所定の水位以上に水が供給された場合には、溢れた水は溢水ホース51を介して排水ホース11へ流れて機外に排出される。
【0019】
また、制御手段12は駆動モータ6や排水弁10等を駆動して洗濯、脱水工程を制御する。
【0020】
さらに、本発明の洗濯機では、外槽3の下部に揺動規制手段13を設けている。揺動規制手段13を設ける位置は、外槽3の下部の空きスペースであればどこに配置しても構わないが、本発明では、後述に示すような外槽3の揺動抑制効果をより発揮できると思われる図1および2に示すように外槽3の下部比較的前面側で正面から見て中央の位置に設けている。図1で示すように揺動規制手段13が無い従来の洗濯機では、弾性支持手段3は、外槽2の比較的後方側で支持しているため、外槽3の後方の揺れは抑えやすいが、前方は、支持するものが少ないため比較的揺れやすい構造となっている。
【0021】
次に、揺動規制手段13の具体的構成について説明する。
【0022】
本発明の揺動規制手段13は、図4で示すように主に棒状体14で構成され、棒状体14の一端が、外槽2の下部に、弾性支持手段3を外槽2に取り付けるのと同様に、防振ゴム15、取り付け治具16、ワッシャ17を介して、取り付けられている。そして、棒状体14の他端は、図1、図2で示すようにドラム5に水と衣類が入っていない状態では、外枠下部18に接触しないように隙間ができるようになっている。
【0023】
棒状体14の他端は、図5で示すように、洗濯工程中にドラム5に水21や衣類20が入ると、その重量により外槽2が下方へ変位し、それとともに外枠下部18に接触するようになっている。この状態になると、外槽2が開口部(正面)からみて左右方向に揺れようとした時に、棒状体14と外枠18との接触部で摩擦力が発生するため外槽2の揺動が規制される。つまり、棒状体14は洗濯工程中のみ外枠下部18に接触するようにし構成し、洗濯行程中のみ効果を発揮するようにする。次に、このように構成する理由について説明する。
【0024】
本発明で提示しているような洗濯機は、脱水工程中に、衣類20がドラム5内の一部に偏ってしまうことによって生じる振動が大きいという課題がある。この振動を大きく分類すると、脱水起動時の外槽2の共振振動と、脱水定常時の外槽2の振動が、外枠2に伝わることによる外枠2の振動とに分けられる。
【0025】
この外槽2の振動について、脱水工程中の衣類20の偏り具合にもよるが、そのほとんどが図6で示すような振動となっており、脱水工程時にドラム5の回転数が増加するにつれて、まず、左右方向の振動が特に大きくなる1次共振が発生し、その後、上下方向の振動が特に大きくなる2次共振を経て、振動がだんだん小さくなっていき、定常状態に至る。洗濯機においては、これらの振動をできるだけ小さくする必要があるが、その方法として、起動時の外槽2の共振振動に対しては、外槽2を支持する弾性支持手段3や上部支持手段4、ベローズ8等の支持系の剛性を小さくし、支持系の減衰を増やすこと等が考えられる。また、定常時の外槽2の振動の外枠1への伝達を減らす方法としては、支持系の剛性も減衰も小さくする必要がある。
【0026】
このうち、減衰については、起動時と定常時で対策が異なるので、両方のバランスを考えて各支持手段を構成する必要がある。剛性については、小さくすることで起動時と定常時の両方の振動対策となるが、あまりに小さくすると、外槽2を安定して支持できなくなるとともに、洗濯行程中にドラム5が低回転数(外槽2の共振点よりも回転数が低い帯域)で回転しているときに、外槽2の左右方向の振動が大きくなり、ひどい時には、外槽2が外枠1に衝突してしまうというような問題が発生する。
【0027】
ここで、外槽2の水平方向の振動が大きくなるのは、ドラム5が低回転数の時には、図6で示すように左右方向の振動が大きくなる1次共振が存在するためである。これを図7を用いて説明すると、洗濯行程中ドラム5は、外槽2の1次共振点よりも低い回転数で回転するため、その時には、支持系の剛性が大きい方が外槽2の振動を抑えることができる。
【0028】
以上、述べてきたことを整理すると、脱水工程中の振動を低減するためには、支持系の剛性を小さくする必要があるが、外槽2の支持安定性や、洗濯工程中の比較的低い回転数での揺動も考慮すると、ある程度支持系の剛性を大きくする必要があるということである。上述した揺動規制手段13の棒状体14を、洗濯行程中のみ外枠下部18に接触させ、外槽2の揺動を規制するようにしたのはこの問題を解消するためである。
【0029】
洗濯工程中、まず棒状体14が外枠下部18に接触することで、揺動規制手段13は外槽2を支持する支持体となり、外槽2をより安定して支持できるようになる。そして、その状態で、外槽2が開口部からみて(正面)左右方向に揺動したときには、棒状体14と外枠下部18との接触部で摩擦が発生し、それが減衰力となり外槽2の揺動を抑える。
【0030】
よって、洗濯行程中は、揺動規制手段13の働きにより、外槽2の支持安定性や揺動抑制効果が大きくなるので、その分、支持系の剛性を小さくすることができる。支持系の剛性を小さくすることは、上述したように脱水行程時の起動時、定常時の両方の振動を小さくする効果があるため、これにより脱水工程中の振動を低減することができる。
【0031】
ここで、洗濯工程中のみ、棒状体14を外枠下部18に接触させる必要があるのは、脱水工程中に接触した状態であると、支持系に余分な剛性や減衰を追加してしまい、外槽2の振動を悪化させてしまうことがあるためである。
【0032】
次に、棒状体14と外枠下部18との隙間について説明する。この隙間について、上述したように、脱水工程中には空けるようにして、洗濯行程中のみなくなるようにする必要がある。これを実現するためには次のような状態を考慮する必要がある。
【0033】
((1)脱水工程中の衣類の重量による外槽2の下方への変位量)と((2)脱水工程中の外槽2の振動による下方への最大変位量)を加えたものよりも、((3)洗濯行程中の水と衣類の重量による外槽2の下方への最小の変位量)が大きいこと、が必要となる。
【0034】
次に、隙間の具体例について示す。まず、(1)について説明する。これは洗濯する衣類の重量にもよるが、現在市販されている8〜9kg容量タイプの洗濯機において、標準的な衣類容量で、かつ、脱水時の振動が大きくなりやすい衣類容量である5〜6kgの衣類とすると、衣類は水を含んだ状態で約2倍の10kg程度となると考えられ、その時の支持系の剛性10N/mmとすると、(1)の変位量は10mm程度である。(2)については、振動試験より最大でも15mm程度である。これらから、脱水工程中の外槽2の下方向への変位量は25mmぐらいである。(3)については、洗濯する衣類や水の容量によって、30〜40mm程度となる。ここで、最大値の40mmというのは、弾性支持手段3のばねがほぼ全圧縮した時である。
【0035】
これらを考慮した場合、棒状体14と外枠下部8との隙間は30mmぐらいにしておけばよい。ここでの数値は、一部のタイプの洗濯機を取り上げた一例であるが、ここで示したような各値を考慮しておけば、隙間をどれぐらいに設定すればよいかを決定するのは容易であると考えられる。
【0036】
以上のような構成において、次にこの動作について説明する。洗濯工程では、排水弁10を閉じた状態で外槽2内に所定の水位に達するまで給水を行い、駆動モータ6により衣類20と洗浄水の入ったドラム5を回転させて衣類20の洗濯を行う。この時、外槽2は、衣類20と洗浄水の重量により下方へ変位し、外槽2の下方に設けている揺動規制手段13が外枠下部18に接触した状態となる。この状態になると、洗濯工程時に、衣類20の偏りにより、外槽2の揺れが大きくなった場合でも、上述した揺動規制手段13の揺動を抑える効果により、外槽2が外枠1に衝突することはなくなる。
【0037】
洗濯工程後は濯ぎ工程に入る。洗濯後の濯ぎ工程でも、洗濯工程と同様に外槽2内に給水を行い、ドラム5を回転させて衣類20の濯ぎを行う。脱水工程では、排水弁10を開いて機外へ水を排水した後、駆動モータ6により衣類20の入ったドラム5を高速回転して脱水する。
【0038】
この時、水を排水した時点で外槽2は重量が軽くなり、上方へ変位し、揺動規制手段13は外枠下部18から離れた状態となる。脱水工程において、ドラム5の回転は徐々に速くなっていくわけであるが、洗濯行程中に衣類20がドラム5の一部に偏った状態、すなわち衣類20がアンバランス状態となっている場合は、ドラム5の回転による振動周波数が、外槽2の共振周波数に近づくと外槽2の振動は大きくなり、アンバランス状態が大きい場合には、外槽2は外枠1に衝突し、激しい時は、外枠1が移動する。上でも述べたが、脱水工程時の外槽2の振動は、特にそれを支持する支持系(弾性支持手段3、上部支持手段4、ベローズ8等)の剛性に大きく依存する。
【0039】
一般に洗濯機においては、このような振動を、主に外槽2を下方から支持する弾性支持手段3のダンパにより吸収することにより低減するわけであるが、本発明の洗濯機の構成では、上述したように、洗濯工程時のドラム5の低い回転数の時の外槽2の振動は揺動規制手段13により抑えられるので、支持系の剛性を小さくすることができ、その分、脱水工程時の外槽2の共振振動や、定常時の外枠1の振動を小さくすることができる。有効に弾性支持手段3の振動吸収効果を発揮し、より効果的に外槽2の振動を低減させることができ、また、本発明においては、外槽2の重量を増やすこともなく外槽2の振動による弾性支持手段3にかかる余分な力も少なく振動を低減することができるので、弾性支持手段3等の支持系の耐久性をより向上させることができる。
【0040】
(実施の形態2)
本発明の第2の実施の形態における洗濯機を図8に、揺動規制手段13を図9に示す。本発明では、特に、実施の形態1の揺動規制手段13の棒状体14と外枠下部18の接触部に弾性体19を設け、弾性体19は、棒状体14または外枠下部18の少なくともいずれか一方に設ける。弾性体19には例えば防振ゴムを用いる。
【0041】
これによって、揺動規制手段13と外枠下部18の接触部には、摩擦力のみでなく防振ゴムの変形による減衰力も付与することができる。実施の形態1では、洗濯工程の外槽2の揺動は左右方向の成分が大きいことを考慮して、特に外槽2の左右方向の揺動を低減することを目的にしていたが、実際には、外槽2は左右方向の並進運動のみだけでなく図8のAで示すような回転運動も行い、それが外槽2の左右方向の振動をより大きくする力となっていると考えられる。
【0042】
本発明の洗濯機では、力Aが発生した時に、揺動規制手段13にも図8のBで示すような力が働き、この力Bによって弾性体19の防振ゴムが変形し、減衰力が発生することにより力Bを減衰させることができ、外槽2の揺動をより効果的に低減することができる。また、接触部が弾性体19であるため、揺動規制手段13と外枠下部18が接触し、揺動が発生している時に接触部で騒音が発生しにくくなる。さらに、図9(b)で示しているように、揺動規制手段13と外枠下部18との接触部に突起状のようなものを付けておけば、接触した時の摩擦力をより大きくすることができ、外槽2の揺動をさらに低減することができる。
【0043】
本実施の形態で示したように、接触部に弾性体19を設けるのには、もう1つの効果がある。実施の形態1では、揺動規制手段13と外枠下部13との隙間を決めるのに、脱水工程時には、揺動規制手段13と外枠下部18は接触しないようにするため、脱水工程時の外槽2の最大振幅を考慮する必要があるとし、その時の最大振幅は振動試験により決めると述べたが、実際にユーザーが使用する時には、製品の経年劣化等が原因で、ごくまれに外槽2が想定した以上の振幅で振動することも考えられる。
【0044】
そうなると、脱水工程時であっても揺動規制手段13と外枠下部18が接触してしまうことも考えられる。しかし、ここで接触部に弾性体19を設けておけば、仮に接触が発生してしまった場合であっても、弾性体19の変形により、外槽2の振動を減衰させることができる。この外槽2の最大振幅は、外槽2が共振状態となった時に発生するものであるので、接触が発生したとしても、それは脱水起動時の時である。脱水定常時では、外槽2の振動は大きくなったとしても、揺動規制手段13と外枠下部18が接触する程、大きくなることはない。
【0045】
実施の形態1でも述べたが、脱水起動時に外槽2に減衰を付与するのは、振動を低減するのに効果的であり、本発明では、たとえ接触が発生したとしても、脱水起動時のみなので、本実施の形態で示したように洗濯機を構成することで、振動性能をさらに向上させることができる。
【0046】
(実施の形態3)
本発明の第3の実施の形態における揺動規制手段13と、外枠下部18との接触部を図10に示す。本実施の形態では、実施の形態1および2における洗濯機において、外枠下部18と揺動規制手段13との接触部の外枠下部18側に、揺動規制手段13の揺れを制限する制限手段50を設けたものである。制限手段50は、図10(a)で示すように、揺動規制手段13を囲うような壁になるように設けてもよいし、図10(b)で示すように外枠下部18に空洞部を設けて、その空洞部内で揺動規制手段13が揺れるように設けてもよい。こうすることによって、揺動規制手段13は制限以上に揺れることはできなくなる。
【0047】
制限手段50の制限の幅は、外槽2が外枠2に衝突しないように調整して設ける。制限手段50の制限幅をあまりにも小さく設定しすぎると、外槽2の揺れが小さい時まで揺動規制手段13が制限手段50にぶつかってしまい、その時に騒音が発生してしまうので良くない。つまり、本実施の形態の制限手段30は、外槽2が想定していた以上に大きく揺動した場合に、外槽2が外枠1に衝突するのを防ぐためのものである。
【0048】
(実施の形態4)
本発明の第4の実施の形態における洗濯機の構成図を図11に示す。本実施の形態では、図11に示すように、揺動規制手段13を左右方向に2個設けている。2個の揺動規制手段13はドラム5の重心を通る中心線を隔てて等間隔の距離となるようにできるだけ間隔をあけて設けている。このように揺動規制手段13を左右方向に複数設けることによって、外槽2を支持する安定性が向上する。
【0049】
これについて図12の振動モデル図を用いて説明する。ここでは、外槽2を振動体40、揺動規制手段13を支持体41として説明する。図11では振動体40を下方から2個の支持体41で支持している様子を示している。2個の支持体41は、振動体40の重心を通る中心線を隔てて等間隔の距離Wとなるように設けている。振動体40が左右方向に振動しようとする時、振動体40には力Fが働いている。この力Fにより振動体40には、振動体40を倒そうとするモーメントRが生じる。またこの時、支持体41を通して垂直方向に抗力fが働いているが、この抗力fによってモーメントrが生じ、これがモーメントRに対抗する力となり振動体40が倒れるのを防いでいる。
【0050】
振動体40が倒れないようにするには常に、R<rの関係を保つ必要があり、Rとrの差が大きいほど、より安定性が高いことになる。ここで、モーメントRとrはそれぞれ下記式によって表現できる。
【0051】
R=F×L
r=f×W
この式より、Wが大きいほどより安定性が高くなるといえる。
【0052】
これが本実施の形態において、外槽2を支持する安定性が向上する理由である。また、揺動規制手段13を複数設けていることにより、外枠下部18との接触部での摩擦力と減衰力も増加するので、外槽2の揺動をより低減することができる。減衰力の増加ということについて説明しておくと、揺動規制手段13において、実施の形態2で示したように弾性体19を利用した場合、図12の振動モデル図における力fとしては抗力だけでなく、弾性体19が変形することによる減衰力も発生しているのでその分、力fも大きくなり、モーメントrにも減衰力によるモーメントが加わることになり、これが左右方向の振動を低減する力となると考えられる。
【0053】
(実施の形態5)
本発明の第5の実施の形態における揺動規制手段13の構成図を図13に示す。本実施の形態においては、揺動規制手段13の外枠下部18との接触する側の一端の左右方向の長さが前後方向の長さよりも長くなるようにしている。ここでは、実施の形態2で示した棒状体14の先端に弾性体19を取り付けた場合について示す。
【0054】
これによる効果について図14の揺動規制手段13を正面から見た図を用いて説明する。前述の実施の形態でも述べてきたように、外槽2の左右方向の振動により、揺動規制手段13の外枠下部18との接触部には図14のRで示しているようなモーメントが働く。このモーメントRにより弾性体19は変形し、その変形により弾性体19は減衰力fを発生し、さらに減衰モーメントrを発生する。この減衰モーメントrは弾性体19の中心から端までの距離Wが長い方が大きくなる。ここで、洗濯行程では外槽2の振動は左右方向の成分が大きいということを考慮して、弾性体19の左右方向の長さを長くしておけば、それだけモーメントRに対する減衰モーメントを大きくすることができ、外槽2の左右方向の振動をより効果的に低減することができると考えられる。
【0055】
また、モーメントrに関しては、この場合、外槽2が倒れようとするのを防ぐ反力モーメントにもなるので、外槽2を倒れないように支持する安定性もより向上させることができる。
【0056】
(実施の形態6)
本発明の第6の実施の形態における洗濯機の構成図を図15に示す。本実施の形態では、図15に示すように揺動規制手段13を外槽2の前後方向に2個設けている。前側の前部揺動規制手段13aは、外槽2の下方の空きスペースの中で制御手段12に当たらない程度で、できるだけ前方に、後側の揺動規制手段13bも空きスペースのできるだけ後方の駆動手段6の下方あたりに設ける。
【0057】
外槽2の揺れを考える場合、左右方向の揺れであっても、外槽2の前側と後側では、振動の仕方が異なる。その違いについては、1つは衣類の偏り具合が上げられる。衣類20が後側よりで偏っていれば、外槽2の後側の揺れが大きくなり、前側で偏っていれば、前側の揺れが大きくなる。もう1つは、弾性支持手段3の位置によるものである。弾性支持手段3は、たいてい外槽2の重心位置の真下あたりで支持するように構成するので、比較的外槽2の後側寄りに付いている。そのため、外槽2の揺れは、後側に比べて前側の方が揺れやすい。先の実施の形態で揺動規制手段13を外槽2の前側よりに配置していたのもこれを考慮してのことである。とはいっても、衣類20の偏り具合によっては、外槽2の後側の揺れもかなり大きくなることはあるので、前部揺動規制手段および、後部揺動規制手段13bを設けることによって、外槽2の前側と後側の揺れの両方を低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
以上のように、本発明にかかる洗濯機は、外槽に取り付ける錘に重量物を使用しないので、支持系等の耐久性を維持し、静かに防振性能を向上することができ、洗濯機等の用途に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施の形態1における洗濯機の断面図
【図2】同洗濯機の正面図
【図3】本発明の実施の形態1における弾性支持手段の構成図
【図4】本発明の実施の形態1における揺動規制手段の構成図
【図5】本発明の実施の形態1におけるドラム内に水が入った時の洗濯機の断面図
【図6】本発明の実施の形態1における脱水運転中の外槽の振動を示す図
【図7】本発明の実施の形態1における支持系の剛性の違いによる外槽の振動の差を示す図
【図8】本発明の実施の形態2における洗濯機の構成図
【図9】本発明の実施の形態2における揺動規制手段の構成図
【図10】本発明の実施の形態3における揺動規制手段と外枠下部との接触部を示す図
【図11】本発明の実施の形態4における洗濯機の構成図
【図12】本発明の実施の形態4における振動モデル図
【図13】本発明の実施の形態5における揺動規制手段の構成図
【図14】本発明の実施の形態5における揺動規制手段に作用する力を示す図
【図15】本発明の実施の形態6における洗濯機の構成図
【図16】従来の洗濯機の断面図
【符号の説明】
【0060】
1 外枠
2 外槽
3 弾性支持手段
4 上部支持手段
5 ドラム
5a 開口部
6 駆動モータ
8 ベローズ
13 揺動規制手段
14 棒状体
18 外枠下部
19 弾性体
50 制限手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外枠と、前記外枠内に弾性支持した外槽と、前面側に開口部を設けて前記外槽内に回転可能に設けられた筒状のドラムと、前記ドラムを回転駆動する駆動モータと、前記外槽を支持し振動を抑制する弾性支持手段と、前記外槽の下部に設けられた揺動規制手段とを備え、前記揺動規制手段は、棒状体の一端が前記外槽の下部に取り付けられており、洗濯時に前記ドラム内に衣類および水が入り前記外槽が下方へ変位した時、前記棒状体の他端が前記外枠下部に接触するようにした洗濯機。
【請求項2】
棒状体の他端または外枠下部の少なくともいずれか一方に弾性体を設けた請求項1記載の洗濯機。
【請求項3】
棒状体の揺動を制限する制限手段を外枠下部に設けた請求項1または2に記載の洗濯機。
【請求項4】
揺動規制手段は、外槽の左右方向に複数設けた請求項1〜3のいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項5】
棒状体の他端は、前後方向よりも左右方向の長さが長くなるようにした請求項1〜4のいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項6】
揺動規制手段は、外槽の前後方向に複数設けた請求項1〜5のいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項1】
外枠と、前記外枠内に弾性支持した外槽と、前面側に開口部を設けて前記外槽内に回転可能に設けられた筒状のドラムと、前記ドラムを回転駆動する駆動モータと、前記外槽を支持し振動を抑制する弾性支持手段と、前記外槽の下部に設けられた揺動規制手段とを備え、前記揺動規制手段は、棒状体の一端が前記外槽の下部に取り付けられており、洗濯時に前記ドラム内に衣類および水が入り前記外槽が下方へ変位した時、前記棒状体の他端が前記外枠下部に接触するようにした洗濯機。
【請求項2】
棒状体の他端または外枠下部の少なくともいずれか一方に弾性体を設けた請求項1記載の洗濯機。
【請求項3】
棒状体の揺動を制限する制限手段を外枠下部に設けた請求項1または2に記載の洗濯機。
【請求項4】
揺動規制手段は、外槽の左右方向に複数設けた請求項1〜3のいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項5】
棒状体の他端は、前後方向よりも左右方向の長さが長くなるようにした請求項1〜4のいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項6】
揺動規制手段は、外槽の前後方向に複数設けた請求項1〜5のいずれか1項に記載の洗濯機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2009−153651(P2009−153651A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−333762(P2007−333762)
【出願日】平成19年12月26日(2007.12.26)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月26日(2007.12.26)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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