Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
洗濯耐久性に優れるセルロース系織物
説明

洗濯耐久性に優れるセルロース系織物

【課題】水洗い洗濯を繰り返した後でも防シワ性に優れ、着用快適性に優れるセルロース系織物の提供。
【解決手段】セルロース繊維が50重量%以上で配されてなる織物であって、該織物は、アミノ変性シリコーンで処理されたものであり、かつ、その洗濯10回繰り返し後のW&W性が3.5級以上であることを特徴とする前記織物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水洗い洗濯を繰り返した後でも防シワ性に優れ、着用快適性に優れるセルロース系織物に関する。
【背景技術】
【0002】
セルロース繊維からなる織物は、発色性の高さ、独特の風合い、吸湿性や制電性能の高さ、滑り性の良さなど数多くの特徴を持つが、反面、水洗い洗濯時に収縮したり、シワになり易く、また、強度面でも劣るといった欠点がある。これらの欠点を改善するために後加工により樹脂架橋を施して防縮性や防シワ性を向上させる技術が種々検討されてきたが、セルロース繊維100%使いの織物においては、家庭での水洗い洗濯(以下、単に「水洗い」ともいう。)後にシワが発生しないものは存在しない。
【0003】
以下の特許文献1、2に記載されるように、例えば、綿100%使いの織物は、洗濯乾燥時にシワになり易く、アイロンがけが必要になるため、通常、グリオキザール樹脂を使用し、セルロース繊維に防シワ処理を施すのが一般的である。
しかしながら、このような防シワ加工が施された織物であっても、水洗い洗濯後のW&W性は3級程度かそれ以下であり、例えば、裏地のような平滑な表面が求められる分野においては、水洗い洗濯後にアイロン掛けが必要となるのが実情である。
【0004】
一方、以下の特許文献3、4に記載されるように、経糸及び/又は緯糸のいずれかにセルロース繊維と合繊繊維を用いた交織織物は両者の特徴を活かした織物として公知である。これらの織物の場合、家庭で水洗いすることができる織物は得られるが、セルロース繊維の混率が50%前後となるため風合いや吸湿性・制電性の観点から充分満足のいく織物とは言い難い。
【0005】
以下の特許文献5には、かかる交織織物において、セルロース繊維の混率を高くしたときの防シワ性を改善するために、樹脂加工時にエポキシ変性シリコーンで処理する方法が提案されている。これにより、セルロース繊維の混率が70%以上であってW&W性が3.5級以上の交織織物が得られている。
しかしながら、該処理では洗濯を5回以上繰り返すことによって洗濯後の防シワ性能が低下するという問題がある。
かかる状況下、セルロース繊維混率が高い織物であっても、家庭での繰り返し水洗い洗濯後の防シワ効果が高く、ノンアイロンでシワのないセルロース繊維含有織物の開発が要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭61−34281号公報
【特許文献2】特開平2−84561号公報
【特許文献3】特開平6−25937号公報
【特許文献4】特開平7−42044号公報
【特許文献5】特開2006−176916号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述の従来技術の問題点を解決し、セルロース繊維の特徴を維持したまま家庭での繰り返し水洗い洗濯が可能で、かつ、着用快適性に優れたセルロース繊維含有織物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、かかる課題を解決すべく、鋭意検討し、実験を重ねた結果、セルロ−ス繊維の風合いや物性を損ねることなく、染色仕上げ加工において、イージーケア性を付与できることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0009】
すなわち、本発明は以下の通りのものである。
[1]セルロース繊維が50重量%以上で配されてなる織物であって、該織物は、アミノ変性シリコーンで処理されたものであり、かつ、その洗濯10回繰り返し後のW&W性が3.5級以上であることを特徴とする前記織物。
【0010】
[2]前記セルロース繊維が再生セルロース繊維である、前記[1]に記載の織物。
【0011】
[3]前記セルロース繊維が、下記式(1):
K=(0.9×D)0.5×T (1)
{式中、Dは繊度(dtex)、そしてTは撚糸回数(t/m)を意味する。}で定義される撚り係数(K)が2,000以上15,000以下のセルロース長繊維である、前記[1]又は[2]に記載の織物。
【0012】
[4]前記[1]〜[3]のいずれかに記載の織物からなる裏地。
【0013】
[5]以下のステップ:
セルロース繊維が50重量%以上で配されてなる織物を、アミノ変性シリコーンを含有する水溶液に浸漬・絞液し、次いで
熱処理を施す、
を含む、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の織物の製造方法。
【0014】
[6]前記アミノ変性シリコーンを含有する水溶液にウレタン系化合物が含有されている、前記[4]に記載の方法。
【0015】
[7]前記アミノ変性シリコーンを含有する水溶液にグリオキザール系樹脂が含有されている、前記[5]又は[6]に記載の方法。
【0016】
[8]前記熱処理を施すステップの後に、水処理するステップをさらに含む、前記[5]〜[7]のいずれかに記載の方法。
【0017】
[9]前記水処理ステップは温水中での揉布処理である、前記[8]に記載の方法。
【発明の効果】
【0018】
本発明の織物は、セルロース混率が高く、吸湿性や制電性能に優れる織物であるうえに、繰り返し水洗い洗濯後のW&W性に優れており、家庭で充分水洗い洗濯が可能なイージーケア性を有する織物である。したがって、本発明の織物は、特に裏地適性を有するセルロース交織裏地又はセルロース繊維からなる裏地として好適に利用しうる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明に用いられるセルロース繊維としては、綿、麻などの天然セルロース繊維、キュプラアンモニウムレーヨン、ビスコース法レーヨンなどの再生セルロース繊維、アセテート繊維、リヨセルに代表される精製セルロース系繊維等が挙げられ、再生セルロース繊維が好ましい。必要に応じて撚糸されたり、混紡されたものであってもよい。
単糸繊度としては0.5〜5.5dtex、フィラメント数20〜100本、トータル繊度は30〜167dtex程度のものが好ましく用いられる。紡績糸の場合は20番から80番のものを用いることができる。
【0020】
本発明の織物は、少なくとも経糸及び/又は緯糸にセルロース繊維が用いられ、セルロース繊維が50重量%以上で配されてなる(以下、単に「混率」ともいう。)織物である。セルロース繊維の混率が50重量%未満では、セルロース繊維の特徴が得られないため好ましくない。セルロース繊維の混率が高いほどセルロース繊維の特性を生かすことができ、混率は70重量%以上が好ましく、90重量%以上がより好ましく、97重量%以上が特に好ましい。実質的にセルロース繊維のみからなる織物であることが最も好ましい。
【0021】
本発明の織物には、必要に応じて絹やウールなどの天然繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリル系繊維、ポリウレタン系繊維などが複合されていても構わない。複合形態としては、混紡、混繊、交織などが挙げられる。
【0022】
本発明で使用されるセルロース繊維は、下記式(1):
K=(0.9×D)0.5×T (1)
{式中、Dは繊度(dtex)であり、そしてTは撚糸回数(t/m)を意味する。}で定義される撚り係数(K)が2,000以上15,000以上のセルロース系長繊維であることが、洗濯後シワ回復性に優れる点から、好ましい。
撚り係数(K)が15,000を超えると解撚し易くなるため、シボの発生やふかつき感が出易くなったり、見掛けの繊度が低下するため透け感が高まったりするので好ましくない。一方、撚り係数(K)が2,000未満では、撚糸による効果が発現し難い。
【0023】
本発明の織物を製造するに当たっては、通常の製織条件でよい。本発明に適用される織物組織としては、平組織、綾組織、朱子組織、その変形組織が挙げられる。織密度は特に限定されず、使用する糸種の素材、繊度に応じて適宜選定すればよい。
【0024】
織物の目付けは、特に制限されないが、40〜120g/mの範囲であれば特に問題はない。裏地として40〜90g/mの範囲が特に好ましい。本発明の織物を製織する方法としては、普通織機、レピア織機、エアージェットルーム、ウォータージェットルームが代表的に挙げられるが、単にこれらに限定されるものではない。
【0025】
本発明の織物の染色加工については、生機を常法の精練、染色、仕上げ加工で処理することで得ることができる。例えば、精練は、オープンソーパー型連続精練機やリラックスタイプの精練機、液流染色機、浴中懸垂型連続精練機などを用いて行うことができる。また、染色加工としては、コールド・パッド・バッチ法、パッド・スチーム法、パッド・ロール法などのパッディング方式、あるいはジッガー染色機、液流染色機、ウインス染色機、ビーム染色機などのバッチ染色を行うことができ、織物の特性に応じて選択すればよい。
【0026】
本発明の織物は、仕上げ加工において、アミノ変性シリコーンを含有する水溶液に浸漬・絞液した後、熱処理を施すことによりで好適に得られる。
本明細書中、「アミノ変性シリコーン」とは、シリコーンオイル、すなわちジメチルポリシロキサンオイルのメチル基の一部を有機アミノ基で置換したものである。該アミノ基は、セルロースの水酸基と反応する。
本発明に用いるアミノ変性シリコーンは、「超分子技術」を適用して得られたアミノ変性シリコーンの「超分子」であることが好ましい。ここで、「超分子技術」とは、複数の分子が非共有結合(=弱い結びつき)で物理的に集合し、それまでにない機能を発現することであり、その集合体を「超分子」という。
従来、アミノ変性シリコーンを高分子量化するには、アミノ基に架橋剤を反応させて他の分子と結合させるため、アミノ基が減少し、アミノ変性シリコーンの特性である風合い改善効果等が劣ることがあった。しかし、超分子技術によるアミノ変性シリコーンは、アミノ基を封鎖せず、ポリシロキサン骨格同士が結合され、高分子量化されているため、アミノ変性による特性を損なうことがなく、好適である。具体的には、数平均分子量10、000〜200,000の超分子化アミノ変性シリコーンであることが好ましい。
【0027】
アミノ変性シリコーンを含有する仕上げ加工剤水溶液中の該アミノ変性シリコーンの濃度は1.5〜5.5重量%であることが好ましい。
【0028】
前記仕上げ加工剤水溶液には、アミノ変性シリコーン以外に、ウレタン系化合物が含有されていることが好ましい。本発明に用いるウレタン系化合物における、ポリウレタンを形成するイソシアネート成分としては、従来からよく用いられている芳香族、脂肪族、脂環族のポリイソシアネートを使用する。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0029】
ポリウレタンを形成するポリオール成分としては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフランなどの環状エーテルを単独又は2種以上を重合して得られるポリエーテルポリオール、アルキルグリシジルエーテルなどを、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0030】
鎖伸長剤としては、各種の低分子ポリオールや低分子ポリアミンを用いることができる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。前記仕上げ加工剤水溶液中のウレタン系化合物濃度は1.5〜3.5重量%であることが好ましい。
【0031】
前記仕上げ加工剤水溶液には、アミノ変性シリコーン以外に、グリオキザール系樹脂が含有されていることが好ましい。本発明に使用できるグリオキザール系樹脂加工剤としては、ジメチル・ジヒドロキシ・エチレン尿素系樹脂、ジメトキシ・ジヒドロキシ・エチレン尿素系樹脂、ジエトキシ・ジヒドロキシ・エチレン尿素系樹脂、ジメチロール・ジヒドロキシ・エチレン尿素系樹脂などが挙げられる。使用する触媒としては、前記樹脂との組み合わせで適宜決めればよく、グリオキザール系樹脂用の触媒である酸性触媒や潜在酸性触媒を使用すればよい。例えば、潜在酸性触媒としては、塩化マグネシウムなどの無機金属塩等が挙げられる。前記仕上げ加工剤水溶液中のグリオキザール系樹脂濃度は3.0〜10.0重量%であること好ましい。
【0032】
本発明の織物は、前記仕上げ加工剤水溶液中に浸漬・絞液処理された後、予備乾燥し、その後熱処理される。浸漬方法としては、ディップ・ニップ法、キスロール法等の方法が挙げられ、特に限定されない。浸漬処理時温度は10〜25℃、浸漬処理時時間は10〜30秒間であることが好ましい。熱処理としては、テンター式乾燥機を用いたもの、ローラーセツター方式等の方法が挙げられる。熱処理温度は150〜180℃、熱処理時間は3〜0.5分間であることが好ましい。
前記仕上げ加工剤水溶液(処理液)には、それ以外にも目的に応じて適宜蛍光増白剤、染料、pH調整剤、界面活性剤、シリコン系樹脂等の柔軟剤、ポリエチレン系樹脂等の引裂強力低下防止剤を併用させることができる。
【0033】
本発明の織物の製造方法は、好ましい態様として、以下のステップ:
セルロース繊維が50重量%以上で配されてなる織物を、アミノ変性シリコーンを含有する水溶液に浸漬・絞液し、次いで
熱処理を施し、その後さらに、
水処理する
を含むことを特徴とする。該水処理としては、具体的には、熱処理を経た織物を拡布状で、水に浸漬・絞液したのち、ピンテンター式乾燥機にて乾燥する。水温は限定されないが、20〜40℃の温水であることが好ましく、該温水中にて揉布処理されることが好ましい。該揉布処理としては、具体的には液流染色機などによる20〜40℃の温水中での10〜30分間の揉布処理であることが好ましい。その後、エアータンブラーなどの揉布乾燥機で、80〜110℃で20〜60分間処理すれば、水処理によって織物にリラックス効果が施されるので好ましい。
次いで、織物表面の光沢、平滑性、風合い等を改善するために、カレンダー処理を施しても構わない。カレンダー処理機としてはペーパーカレンダー、プラストカレンダー、フェルトカレンダーが好ましい。
【0034】
本発明の織物は、洗濯10回繰り返し後のW&W性が3.5級以上であり、洗濯耐久性に優れる。具体的にはJIS−L−1096:A法により、タンブル乾燥後のシワの状態を官能評価する。3人の評価者がn=3のサンプルについて観察し、AATCC評価版をもとに1級から5級に格付け評価を行い、その結果が3.5級以上である。この条件を満足することによって初めて家庭水洗いが可能で着用快適性に優れた織物となる。
【0035】
本発明の織物は、風合いや吸湿性・制電性に優れる上に、繰り返し洗濯後の防シワ性が高いことから、衣料の裏地用途、特に家庭選択可能な衣料の裏地として適用することができる。
【実施例】
【0036】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
以下の試験により、得られた織物の物性を評価した。
(1)W&W性
JIS−L−1096:A法でタンブル乾燥後のシワの状態を官能評価する。
具体的には、JIS L 0217 103法による洗濯を10回繰り返した後、JIS L 1042 6.9.2 I−2法によるタンブル乾燥を行い、サンプルを20℃、65%RHの室内に一晩放置した後、AATCC124−1984の5段階レプリカ法(5級(良好)〜1級(不良))に基づき判定した。
以下、部は重量部、%は重量%を示す。
【0037】
(2)寸法変化率(経/緯(%))
洗濯前の織物の寸法(a)と、上記(1)の方法による洗濯10回繰り返し後の織物の寸法(b)を、JIS L 1096法に準拠して経緯方向について測定し、下記式によって寸法変化率を算出した。洗濯によって収縮していれば、マイナスの値となる。
寸法変化率(%)=((b)−(a))×100/(a)
【0038】
(3)縫目滑脱(経/緯(mm))
JIS L 1096 8.21.1 B法に準拠して、上記(1)の方法による洗濯10回繰り返し後の織物の経緯方向の縫目滑脱性能を評価した。
【0039】
[実施例1]
経糸に、撚り係数(K)が1720(S撚り)の84dtex/45fのキュプラアンモニウムレーヨン、緯糸に、撚り係数(K)が1720(SZ撚り)の84dtex/45fのキュプラアンモニウムレーヨンを用いて平織物を製織した。
該生機をオープンソーパー型連続精練機を用いて、30℃の3.15wt%水酸化ナトリウム水溶液(5°ボーメ度)に浸漬した後、80℃の湯洗及び水洗を繰り返し、脱水した後、120℃のシリンダ乾燥機を用いて乾燥させた。
次に、染色において、染料としてビニルスルフォン系反応染料(SUMIFIX NAVY BLUE GS:1%owf)を、助剤として水酸化ナトリウム10g/lを含む染料溶液を用いて、浸漬・絞液するコールド・バッチ法にて、25℃で15時間のエイジングを行った。ついで、オープンソーパー型連続水洗機を用いて、80℃の湯洗及び水洗を繰り返し、脱水した後、120℃のシリンダ乾燥機を用いて乾燥させ、紺色の染色物を得た。
【0040】
その後、仕上げ加工として、樹脂としてノンホルマリン系樹脂(ユニオン化学社製、ユニレジンNF−168N:5wt%)を、触媒として金属塩系触媒(ユニオン化学社製、ユニカタリストMS−8:1.5wt%)を、そして超分子化アミノ変性シリコーン(大原パラヂウム化学(株)製、パラシリコンBS230(数平均分子量12,000):2wt%)を用いて、ディップ・ニップ後、ピンテンター式乾燥機で100℃で1分間乾燥し、架橋のための熱処理をピンテンター式乾燥機で170℃で90秒間行い、ペーパーカレンダー処理して、経糸密度130本/インチ、緯糸密度89本/インチの裏地を得た。得られた織物の物性の評価結果を以下の表1に示す。
【0041】
[実施例2]
実施例1で用いたキュプラアンモニウムレーヨン平織物を、実施例1と同条件にて精練・染色して、紺色の染色物を得た。
次いで、樹脂加工にて、実施例1の処理液にウレタン系加工剤(大原パラヂウム化学(株)製、パラレジンUT―730:2wt%)を追加してディップ・ニップ後、ピンテンター式乾燥機で100℃で1分乾燥し、架橋のための熱処理をピンテンター式乾燥機で170℃で90秒を行い、ペーパーカレンダー処理して、経糸密度130本/インチ、緯糸密度89本/インチの裏地を得た。得られた織物の物性の評価結果を以下の表1に示す。
【0042】
[実施例3]
経糸に撚り係数(K)が1720(S撚り)の84dtex/45fのキュプラアンモニウムレーヨン、緯糸が110dtex/60fのキュプラアンモニウムレーヨンの平織物を実施例1と同条件にて精練・染色して、紺色の染色物を得た。
次いで、実施例1と同条件にて仕上げ加工を行い、ペーパーカレンダー処理して、経糸密度120本/インチ、緯糸密度86本/インチの裏地を得た。得られた織物の物性の評価結果を以下の表1に示す。
【0043】
[実施例4]
経糸に撚り係数(K)が1,720(S撚り)の56dtex/30fのポリエステル系合成繊維、緯糸に撚り係数(K)が14,789(SZ撚り)の84dtex/45fのキュプラアンモニウムレーヨンを用いて平織物を製織した。
該生機を25℃の水に約5秒浸漬した後、脱水後、連続的にピンテンターにて、製織後170℃×30秒の条件で行った。精練を、実施例1と同様にオープンソーパー型連続精練機を用いて行った。ポリエステルの染色は液流染色機を用いて120℃で60分行った。染色条件は、浴比1:20、浴pH5.5、薬剤として、分散染料(C.I DISPERSE BLUE 291:1%owf)、分散剤(明成化学社製、ディスパーTL:1g/l)を用いた。キュプラレアンモニウムレーヨンの染色は、染料としてビニルスルフォン系反応染料(SUMIFIX NAVY BLUE GS:1%owf)を、助剤として炭酸ナトリウム15g/lと硫酸ナトリウム50g/lを用いて、60℃で60分間行った。
次いで、酢酸による中和を行い、90℃で15分間洗浄し、ピンテンター式乾燥機にて110℃で2分間乾燥して紺色の染色物を得た。
次に、実施例1と同条件にて仕上げ加工を行い、ペーパーカレンダー処理して、経糸密度119本/インチ、緯糸密度92本/インチの裏地を得た。得られた織物の物性の評価結果を以下の表1に示す。
【0044】
[実施例5]
実施例1で得られた仕上げ加工品を水パッドして、乾燥した後、ペーパーカレンダー処理して、経糸密度129本/インチ、緯糸密度89本/インチの裏地を得た。得られた織物の物性の評価結果を以下の表1に示す。
【0045】
[比較例1]
実施例1で用いたキュプラアンモニウムレーヨン平織物を、実施例1と同条件にて精練・染色して、紺色の染色物を得た。
次いで、仕上げ加工において、樹脂としてノンホルマリン系樹脂(ユニオン化学社製、ユニレジンNF−168N:5wt%)を、触媒として金属塩系触媒(ユニオン化学社製、ユニカタリストMS−8:1.5wt%)を、そしてメチロール・ステアリン酸アミド系柔軟剤(日華化学社製、ニッカMS−1F:2wt%)を用いて、ディップ・ニップ後、ピンテンター式乾燥機で100℃で1分間乾燥し、架橋のための熱処理をピンテンター式乾燥機で170℃で90秒間行い、ペーパーカレンダー処理して、経糸密度129本/インチ、緯糸密度89本/インチの裏地を得た。裏地を得た。得られた織物の物性の評価結果を以下の表1に示す。
【0046】
[実施例6]
経糸に撚り係数(K)が13,391(SZ撚り)のキュプラアンモニウムレーヨン、緯糸に綿60綿番手を用いて、平織物を製織した。
該生機を液流染色機にて精練した後、染色を、染料としてビニルスルフォン系反応染料(SUMIFIX NAVY BLUE GS:1%owf)を、助剤として炭酸ナトリウム15g/lと硫酸ナトリウム50g/lを用いて、60℃で60分間行った。
次いで、酢酸による中和を行い、90℃で15分洗浄し、ピンテンター式乾燥機にて110℃で2分間乾燥して紺色の染色物を得た。
次に、実施例1と同条件にて仕上げ加工を行い、ロータリー式ドラム染色機を用いて、40℃温水にて揉布処理を施し、脱水後、ピンテンター式乾燥機にて110℃で2分間乾燥を施し、経糸密度120本/インチ、緯糸密度79本/インチの交織織物を得た。得られた織物の物性の評価結果を以下の表1に示す。
【0047】
[比較例2]
実施例6の紺色織物を、比較例1と同条件にて仕上げ加工を施し、経糸密度120本/インチ、緯糸密度79本/インチの交織織物を得た。得られた織物の物性の評価結果を以下の表1に示す。
【0048】
[比較例3]
経糸にキュプラアンモニウムレーヨンフィラメント56dtex/30fを用い、緯糸にキュプラアンモニウムレーヨン56dtex/45fとポリトリメチレンテレフタレート56dtex/24f加工糸(Z加撚)を逆追撚S900t/mした糸を用いて、一本交互に緯打ちした。この生機をオープンソーパータイプの精練機で精練した後、ジッカー染色機でポリトリメチレンテレフタレートを、染色条件(浴比1:10、浴pH5.5)下、薬剤として、分散染料(C.I DISPERSE BLUE 291:1%owf)、分散剤(明成化学社製、ディスパーTL:1g/l)を用いて130℃で60分間染色し、ソーピングをジッカー染色機にて80℃で20分間行い、湯洗いを60℃で10分間行った後、120℃のシリンダー乾燥機を用いて乾燥させた。続いて、キュプラアンモニウムレーヨン側を、染料としてビニルスルフォン系反応染料(SUMIFIX NAVY BLUE GS:1%owf)を、助剤として水酸化ナトリウム10g/lを含む染料溶液を用いて、コールド・パッド・バッチ法で浸漬・絞液し、25℃で15時間のエイジングを行った。
【0049】
次いで、オープンソーパー型連続水洗機を用いて、80℃の湯洗及び水洗を繰り返し、脱水した後、120℃のシリンダ乾燥機を用いて乾燥させ、紺色の染色物を得た。
これに続く樹脂加工において、樹脂としてノンホルマリン系樹脂(ユニオン化学社製、ユニレジンNF−168N:5wt%)を、触媒として金属塩系触媒(ユニオン化学社製、ユニカタリストMS−8:1.5wt%)を、エポキシ変性シリコーンとして(大日本インキ社製「DICシリコンソフナー Y−8 1wt%」)を用いて、ディップ・ニップ後、ピンテンター式乾燥機で100℃で1分間乾燥し、架橋のための熱処理をピンテンター式乾燥機で170℃で90秒間行い、その後、水パッドし乾燥させ、最後にコールドペーパー処理を行い風合い調整を行った。経糸密度は150本/吋、緯糸密度96本/吋の交織織物を得た。得られた織物の物性の評価結果を以下の表1に示す。水洗い洗濯5回程度まではW&W性3.5級以上を達成できていたが、上述の洗濯10回後評価では3級に低下した。
【0050】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明の織物は、セルロース混率が高く、吸湿性や制電性能に優れる織物であるうえに、繰り返し水洗い洗濯後のW&W性に優れており、家庭で充分水洗い洗濯が可能なイージーケア性を有する織物であり、特に水洗い洗濯可能な衣料の裏地として好適に使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルロース繊維が50重量%以上で配されてなる織物であって、該織物は、アミノ変性シリコーンで処理されたものであり、かつ、その洗濯10回繰り返し後のW&W性が3.5級以上であることを特徴とする前記織物。
【請求項2】
前記セルロース繊維が再生セルロース繊維である、請求項1に記載の織物。
【請求項3】
前記セルロース繊維が、下記式(1):
K=(0.9×D)0.5×T (1)
{式中、Dは繊度(dtex)、そしてTは撚糸回数(t/m)を意味する。}で定義される撚り係数(K)が2,000以上15,000以下のセルロース長繊維である、請求項1又は2に記載の織物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の織物からなる裏地。
【請求項5】
以下のステップ:
セルロース繊維が50重量%以上で配されてなる織物を、アミノ変性シリコーンを含有する水溶液に浸漬・絞液し、次いで
熱処理を施す、
を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の織物の製造方法。
【請求項6】
前記アミノ変性シリコーンを含有する水溶液にウレタン系化合物が含有されている、請求項4記載の方法。
【請求項7】
前記アミノ変性シリコーンを含有する水溶液にグリオキザール系樹脂が含有されている、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
前記熱処理を施すステップの後に、水処理するステップをさらに含む、請求項5〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記水処理ステップは温水中での揉布処理である、請求項8に記載の方法。

【公開番号】特開2012−1830(P2012−1830A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−135257(P2010−135257)
【出願日】平成22年6月14日(2010.6.14)
【出願人】(303046303)旭化成せんい株式会社 (548)
【Fターム(参考)】