説明

洗車機用洗浄ブラシのブラシ用毛材及び洗車機用洗浄ブラシ及び洗車機

【課題】 被洗浄面である車体表面に打痕傷や細かな傷を付けることが無く、高い洗浄性が発揮される洗車機用洗浄ブラシのブラシ用毛材、及びそれを用いた洗車機用洗浄ブラシ、及びその洗車機用洗浄ブラシを搭載した洗車機を提供する。
【解決手段】 自動車あるいは車両の外面の被洗浄面に付着した汚れ等を洗浄する為の洗車機に使用する洗車機用洗浄ブラシのブラシ用毛材1において、前記ブラシ用毛材1は、幅方向に複数の山部3を有する概波型形状の断面をなす長尺平板形状の発泡体であって、長手方向に長尺な気泡を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車あるいは車両の外面の被洗浄面に付着した汚れ等を洗浄する為の洗車機に使用する洗浄ブラシのブラシ用毛材、及びそれを用いた洗車機用洗浄ブラシ、及びその洗車機用洗浄ブラシを搭載した洗車機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車あるいは車両の外面の被洗浄面に付着した汚れ等を洗浄する為の洗車機に使用する洗浄ブラシのブラシ用毛材に関しては、使用目的に応じて、さまざまな改良がなされ、例えば、剛性度が1200kg/cm〜5000kg/cmの熱可塑性樹脂で構成された分岐形状の断面をなす発泡糸で、発泡倍率が1.1〜1.7倍であることを特徴とする回転ブラシ用発泡糸が、特開平4−57908号公報に開示されてある(特許文献1)。
【0003】
また、外層部及び芯部を有し、芯部は外層部の硬度よりも大の硬度を有すると共に、外層部は芯部の外周面の一部又は全部を被覆して形成されてあることを特徴とする洗車機用洗浄ブラシのブラシ用毛材が、特開2007−244815号公報に開示されてある(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4−57908号公報
【特許文献2】特開2007−244815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示されてある技術においては、熱可塑性樹脂で構成された分岐形状の断面をなす発泡糸である為、分岐形状が結合された中心部は、分岐形状の先端部に比べて、硬度が大となる為、洗浄時に、分岐形状が結合された中心部が被洗浄面である車体表面を叩き付け、容易に打痕傷を付着させてしまうという課題を有していた。また、分岐形状の先端のエッジ部が被洗浄面である車体表面を叩き付ける事により、多数の細かな傷を付着させてしまうという課題も有していた。
【0006】
また、上記特許文献2に開示されてある技術においては、外層部は芯部の外周面の一部又は全部を被覆して形成されてあるが、芯部は外層部の硬度よりも大の硬度を有する為、洗浄時に、芯部の硬度の毛腰により、被洗浄面である車体表面を叩き付け、車体に打痕傷を付着させてしまうという課題を有していた。また、先端部は芯部が露出している為、車体表面を叩き付ける事により、多数の細かな傷を付着させてしまうという課題も有していた。
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決する為になされたもので、被洗浄面である車体表面に打痕傷や細かな傷を付けることが無く、高い洗浄性が発揮される洗車機用洗浄ブラシのブラシ用毛材、及びそれを用いた洗車機用洗浄ブラシ、及びその洗車機用洗浄ブラシを搭載した洗車機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記従来の課題を解決する為に、請求項1の発明は、自動車あるいは車両の外面の被洗浄面に付着した汚れ等を洗浄する為の洗車機に使用する洗車機用洗浄ブラシのブラシ用毛材において、前記ブラシ用毛材は幅方向に複数の山部を有する概波型形状の断面をなす長尺平板形状の発泡体であって、長手方向に長尺な気泡を有することを特徴としている。したがって、洗浄時には、長尺平板形状の発泡体が車体表面にたいして、濡れ布巾で拭き取るように接触して洗浄する事により、打痕傷や細かな傷を発生させる事無く、極めて高い洗浄性が発揮できる。また、幅方向に複数の山部を有する概波型形状の断面が形成されている為、洗浄時には、車体表面と複数の山部との間に洗浄水を一時的に保持させる事ができ、洗浄水を保持させながら、車体表面を洗浄できる為、より高い洗浄性が発揮できる。また、長尺平板形状の発泡体は、長手方向に長尺な気泡を有していることから、車体表面との接触を繰り返すことによって、一端部が長手方向に裂けることとなり、先割れ部が形成されることから、この先割れ部を車体表面に柔軟に当接させることができる。その為、車体表面に傷をつける事が無い。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1記載の構成よりなる洗車機用洗浄ブラシのブラシ用毛材において、前記ブラシ用毛材は少なくとも長手方向の一端部に先割れ部が形成されてあることを特徴としている。したがって、ブラシ用毛材の先割れ部が被洗浄面にたいして、先割れ部が形成されていない場合に比べて、ブラシ用毛材は、より柔軟に当接すると共に、被洗浄面の細かな凹凸部分にも当接する。その為、被洗浄面である車体に傷を付けることが無く、飛躍的に洗浄性を向上させることができる。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の洗車機用洗浄ブラシのブラシ用毛材を配した洗車機用洗浄ブラシである。したがって、被洗浄面である車体にたいして打痕傷や細かな傷を付ける事が無く、且つ高い洗浄性を兼ね備えた洗車機用洗浄ブラシを提供することができる。
【0011】
請求項4の発明は、駆動源と、被洗浄面に散布する洗浄剤及び水を噴出させるノズルと、洗浄後の被洗浄面を乾燥させる乾燥手段を備えると共に、請求項3記載の洗車機用洗浄ブラシを搭載した洗車機である。したがって、被洗浄面である車体にたいして、打痕傷や細かな傷を付ける事が無く、且つ、高い洗浄性を兼ね備えた洗車機用洗浄ブラシが使用できる。その為、洗車機は、洗車機用洗浄ブラシを高速回転に設定すると共に、洗浄時間を短時間に設定した場合においても、被洗浄面に傷が付着すること無く、且つ洗浄残りの無い高い洗浄性が付与される。また、洗車機用洗浄ブラシの回転を、低速回転から高速回転等に急変させた場合においても、前記と同様の作用が洗車機に付与される。その為、被洗浄面である車体に傷を付けること無く、非常に高い洗浄性が発揮できる洗車機を提供することができる。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明では、濡れ布巾で拭き取るように接触して洗浄すると共に、洗浄水を保持させながら、車体表面を洗浄できる為、打痕傷や細かな傷を発生させる事無く、極めて高い洗浄性が発揮できる。また、請求項2の発明では、先割れ部が被洗浄面にたいして、柔軟に当接すると共に、被洗浄面の細かな凹凸部分にも当接する為、被洗浄面である車体に傷を付けることが無く、飛躍的に洗浄性を向上させることができる。また、請求項3の発明では、被洗浄面である車体にたいして打痕傷や細かな傷を付ける事が無く、且つ高い洗浄性を兼ね備えた洗車機用洗浄ブラシを提供することができる。また、請求項4の発明では、被洗浄面である車体に傷を付けること無く、非常に高い洗浄性が発揮できる洗車機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る洗車機用洗浄ブラシのブラシ用毛材の概観斜視図
【図2】図1のA−A断面図
【図3】延伸加工前における図2のB−B断面図
【図4】延伸加工後における図2のB−B断面図
【図5】本発明に係る洗車機用洗浄ブラシのブラシ用毛材の洗浄時の状態を示す断面図
【図6】本発明に係る洗車機用洗浄ブラシのブラシ用毛材を配した洗車機用洗浄ブラシを前面側から見た斜視図
【図7】図6のチャンネルブラシの拡大断面図
【図8】本発明に係る洗車機用洗浄ブラシのブラシ用毛材を配した洗車機用洗浄ブラシを搭載した洗車機の正面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明に係る洗車機用洗浄ブラシのブラシ用毛材の概観斜視図であり、図2は、図1のA−A断面図である。これらの図を用いて、本発明に係るブラシ用毛材の第1実施形態を説明する。ブラシ用毛材1は、幅方向に複数の山部3を有している。この複数の山部3が連続することによって、図2に示すように、概波型形状の断面をなしている。このブラシ用毛材1は、低密度ポリエチレン樹脂からなる長尺平板形状の発泡体から形成されており、後述するように、長手方向に長尺な気泡を有している。ここで、ブラシ用毛材1の幅方向の長さは、0.5mm〜80mm程度の長さにて形成されるのが好適であり、より好適には、20mm〜30mm程度が望ましい。また、ブラシ用毛材1の厚みである、底面から山部3の上部頂点までの長さは、0.1mm〜3mm程度の長さにて形成されるのが好適であり、より好適には、0.1mm〜1mm程度が望ましい。
【0015】
また、ブラシ用毛材1は、長手方向の両端部に先割れ部2、2が形成されてある。先割れ部2の長さは、10mmから150mmが好適に使用できる。また、後述する洗車機を調節することによって、先割れ部2のみが被洗浄面に接触する構成とすることも可能である。先割れ部2のみが被洗浄面に接触する構成とすれば、打痕傷や細かな傷が発生させる事をより確実に防ぐことができる。尚、本実施形態では、先割れ部2をブラシ用毛材1の長手方向の両端部に形成しているが、一方の端部に形成した構成であってもよく、この構成も本発明に含まるものである。
【0016】
図3は、延伸加工前における図2のB−B断面図であり、図4は、延伸加工後における図2のB−B断面図である。長尺平板形状の発泡体から形成されているブラシ用毛材1は、図3に示すように、延伸加工前の気泡4は、略球形状(円形の断面形状)に形成されている。そして、延伸加工を施すことによって、ブラシ用毛材1の気泡4は、図4に示すように、長手方向に長尺な形状の気泡14へと変形される。
【0017】
図5は、本発明に係る洗車機用洗浄ブラシのブラシ用毛材の洗浄時の状態を示す断面図である。この図に示すように、ブラシ用毛材1は、山部3が連続して幅方向に形成されていることによって、洗浄時には、各々の山部3、3と、被洗浄面5との間に、洗浄水6を一時的に保持させる事ができることから、ブラシ用毛材1と被洗浄面5との間に生じる摩擦力を軽減させることができ、洗浄水6を保持させながら、車体表面を洗浄することによって、より高い洗浄性が発揮できる。
【0018】
尚、ブラシ用毛材1を形成する低密度ポリエチレン樹脂の曲げ弾性率は、約370MPaであるが、使用目的に応じて、120MPa〜1000MPaの熱可塑性樹脂を、適時、採用できる。
【0019】
また、ブラシ用毛材1は、約18000デニールであるが、使用目的に応じて、3000デニール〜20000デニールの設定を、適時、採用できる。なお、1デニールとは、9000mで1gとなる繊維の太さを示す単位のことである。
【0020】
ブラシ用毛材1を形成する樹脂は、低密度ポリエチレン樹脂以外にも、各種ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、エチレンメチルアクリレート樹脂、エチレンエチルアクリレート樹脂、エチレンブチルアクリレート樹脂等のポリオレフィン系樹脂、あるいはウレタン樹脂が採用できる。
【0021】
次に、ブラシ用毛材1の製造方法について説明する。まず、ブラシ用毛材1を形成する低密度ポリエチレン樹脂に、あらかじめ発泡剤を混入しておき、押出機(図示せず)の先端に取り付けられた口金を通して押し出す。押し出し後、加熱しながら延伸機にて長手方向に延伸をかけ、延伸後、アニーリングと呼ばれる工程にて冷却固化させることにより形成される。ところで、一般的には、樹脂の成形技術には、溶融成形、固層成形、注型成形、射出成形、真空成形、圧空成形、プレス成形等があるが、前記の如くの製造方法は、溶融成形の一種の押出成形と呼ばれている。
【0022】
また、長手方向に延伸させる上記の如くの方法は、一軸延伸と呼ばれている。一軸延伸とは、一方向にのみ延伸応力をかける加工方法であり、延伸方向にたいして平行の方向は、分子配向が起こるので、引張強さが著しく向上するが、延伸方向にたいして直角の方向は、引張強さが向上しない為、延伸方向にたいして平行の方向に、裂けやすくなるという性質を有している。その為、ブラシ用毛材1は、先割れ部2を形成することが可能となる。なお、分子配向とは、線状分子が溶融または固体状態において、外力の作用により、一定方向に配列することである。また、先割れ部2の形成方法は、ブラシ用毛材1の両側先端部の所定長さを、所定回転速度の分割刃やカッターを有する細分割加工機にて細分割加工することにより形成される。
【0023】
ブラシ用毛材1の製造時に使用する発泡剤には、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、N,N´−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエンスルホニルヒドラジド、4,4´−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド等の熱分解型発泡剤がある。
【0024】
また、ブラシ用毛材1の発泡倍率は、1.3〜2.0倍程度が好適であり、1.5倍程度が、より好適である。尚、発泡倍率とは、JIS−K7112(水中置換法)により、発泡でないもの(非発泡)と発泡の密度を各々測定して、発泡倍率=ρ/ρで求めた値をいう。但し、ρは非発泡の密度で、ρは発泡の密度である。
【0025】
また、ブラシ用毛材1の発泡における気泡率は、12.5〜50%程度が好適であり、25%程度が、より好適である。尚、気泡率とは、発泡部材の全体積中に占める気泡の体積の割合を示すものである。
【0026】
また、ブラシ用毛材1の延伸倍率は、約6.5倍にて形成されてあり、前記倍率にて延伸加工する事により、前記倍率よりも高い延伸倍率にてブラシ用毛材1を形成した場合に比べて、硬度を抑制させる事ができ、被洗浄面により傷を付着させなくする事ができる。又、前記倍率よりも低い延伸倍率にてブラシ用毛材1を形成した場合に比べて、先割れ部2がより形成されやすくなる。
【0027】
ブラシ用毛材1は、長手方向に高延伸させることで、高延伸させない通常品に比べ、延伸方向にたいして平行の方向に、分子配向が著しく起こるので、引張強さが著しく向上すると共に、延伸方向にたいして直角の方向は、引張強さが向上しない為、延伸方向にたいして平行の方向に、裂けやすくなるという性質を有している。その為、先割れ部2が通常品に対し、より細かく細分割できる効果がある。先割れ部2をより細かくすることで、洗浄面に対し洗浄時の衝撃、吸収を分散できる為、キズ、ブラシ痕が発生しない。また、先割れ部2をより細かくすることで、被洗浄面の細かな凹凸部分にも当接することができ、洗浄性も良好である。なお、通常の延伸倍率とは3〜5倍であり、高延伸の倍率とは5倍以上であるが、好適には5〜8倍である。
【0028】
また、発泡剤を添加して高延伸させた場合には、先ず、材料の中に気泡4が形成される。形成された気泡4は高延伸工程で延伸方向に引き伸ばされる。引き伸ばされた気泡14は植物の茎のように延伸方向に形成される。気泡14が形成されたブラシ用毛材1は裂けやすくなり先割れ部2が発泡剤を添加させていない通常品に対し、よりいっそう細かく細分割できる効果がある。また、気泡14が形成されてある為、ブラシ用毛材1の先割れ部2の先端が摩耗しても、洗浄時の車体への衝撃時に先割れ部2がより細かく裂けが進行するため、先割れ部2として消滅することが無い。その為、長期に渡って、先割れ部2が継続的に形成される為、キズ等が発生しないブラシ用毛材1となる。従来技術においては、先割れは洗浄時の初期のみ形成されているが、消滅してしまう。消滅すると、先端部で衝撃吸収、分散が出来ないのでキズが発生するという問題がある。一方、本発明は、キズの発生が無く、車体へのブラシ材として使用されている樹脂の転写が発生しないものである。
【0029】
図6は、本発明に係る洗車機用洗浄ブラシのブラシ用毛材を配した洗車機用洗浄ブラシを前面側から見た斜視図であり、図7は、図6の洗車機用洗浄ブラシを構成するチャンネルブラシの拡大断面図である。図6において、1はブラシ用毛材、91は洗車機用洗浄ブラシ、92は台座、94は止め金具、95はチャンネルブラシである。また、98は帯状体、99は芯線である。
【0030】
洗車機用洗浄ブラシ91は、図6の如く、台座92、止め金具94、及びチャンネルブラシ95より構成されてある。台座92は、略円筒形状からなり、外周の両端部には、止め金具94が組み付けられて形成されてある。また、チャンネルブラシ95は、図7の如く、ブラシ用毛材1を、芯線99、及び概U字断面を有する帯状体98にて折り込んだ後、図6の如く、台座92の外周の周りに捩りを加えて螺旋状に形成されてあり、止め金具94にて固定されてある。
【0031】
なお、ブラシ構造に関しては、特に限定されるものではなく、上記の如くの構造以外にも、使用目的に応じて、適時、設定することができる。例えば、台座92の外周面に、ブラシ用毛材1を植え付ける植毛穴を設け、植毛穴にたいしてブラシ用毛材1をステープルで挟み付け、ブラシ用毛材1を二つ折りにして、植毛穴の底面にたいして打ち込み、ブラシ用毛材1を台座92に固定する丸線型ブラシ、あるいは植毛穴にたいしてブラシ用毛材1を薄い平板で押さえ込み、ブラシ用毛材1を二つ折りにして、植毛穴の内周面に嵌合するように植毛穴の底面にたいして前記平板を打ち込み、ブラシ用毛材1を台座92に固定する平線型ブラシ、あるいは植毛穴にたいしてブラシ用毛材1をナイロン等の引き込み線で押さえ込み、ブラシ用毛材1を二つ折りにして、前記引き込み線を台座92の内周面に這わせて、ブラシ用毛材1を台座92に固定する引き込み型ブラシ等も採用できる。なお、前記の如くの植毛穴は、台座92の外周面に等分間隔で設けても良いし、千鳥状に設けても良い。植毛穴の穴径は、ブラシ用毛材1の植毛量に応じて、適時、設定される。さらにまた、ブラシ用毛材1の長手方向の中央部を折り込むと共に、リベット等にて台座92に固定する形態、あるいは台座92の外周部に溝部を形成後、溝部に止め金具にてブラシ用毛材1を固定する形態、あるいは溝部にブラシ用毛材1を折り込んだチャンネルブラシ95を挿入して固定する形態も採用できる。
【0032】
本発明の洗車機用洗浄ブラシのブラシ用毛材1を配した洗車機用洗浄ブラシ91の動作、作用は下記の通りである。
【0033】
洗車機用洗浄ブラシ91は、洗車機用洗浄ブラシのブラシ用毛材1を配している為、洗浄時には、ブラシ用毛材1に形成された長尺平板形状の発泡体が、車体表面にたいして、濡れ布巾で拭き取るように接触して洗浄する事ができる。また、ブラシ用毛材1に形成された複数の山部を有する概波型形状の断面が、洗浄時には、車体表面と複数の山部との間に洗浄水を一時的に保持させる事ができ、洗浄水を保持させながら、車体表面に接触して洗浄する事ができる。したがって、被洗浄面である車体にたいして打痕傷や細かな傷を付ける事が無く、且つ高い洗浄性を兼ね備えた洗車機用洗浄ブラシ91を提供することができる。
【0034】
図8は、本発明の洗車機用洗浄ブラシのブラシ用毛材を配した洗車機用洗浄ブラシを搭載した洗車機の正面図である。図8において、91は洗車機用洗浄ブラシ、100は洗車機、102は駆動源、103はノズル、104は乾燥機である。
【0035】
洗車機100は、図8の如く、本発明の洗車機用洗浄ブラシのブラシ用毛材を配した洗車機用洗浄ブラシ91が搭載されてあり、前記洗車機用洗浄ブラシ91は駆動源102により回転される。ノズル103からは、被洗浄面にたいして、洗浄剤、及び水が散布され、洗車機用洗浄ブラシ91により、洗浄され、洗浄後は洗車機100の乾燥手段である乾燥機104により被洗浄面が乾燥される。尚、洗車機100の回転数は、通常、低速回転では40rpm〜100rpm、高速回転では、100rpm〜150rpmの範囲に設定されており、洗車機用洗浄ブラシ91は、120rpm程度にて好適に使用できる。
【0036】
本発明の洗車機用洗浄ブラシのブラシ用毛材を配した洗車機用洗浄ブラシ91を搭載した洗車機100の動作、作用は下記の通りである。
【0037】
洗車機100は、被洗浄面である車体にたいして、打痕傷や細かな傷を付ける事が無く、且つ、高い洗浄性を兼ね備えた洗車機用洗浄ブラシ91が使用できる。その為、洗車機100は、洗車機用洗浄ブラシ91を高速回転に設定すると共に、洗浄時間を短時間に設定した場合においても、被洗浄面に傷が付着すること無く、且つ洗浄残りの無い高い洗浄性が付与される。また、洗車機用洗浄ブラシ91の回転を、低速回転から高速回転等に急変させた場合においても、前記と同様の作用が洗車機100に付与される。その為、被洗浄面である車体に傷を付けること無く、非常に高い洗浄性が発揮できる洗車機100を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明の洗車機用洗浄ブラシのブラシ用毛材及び洗車機用洗浄ブラシ及び洗車機は、主に、自動車あるいは車両の外面の被洗浄面に付着した汚れ等を洗浄する為の洗車機、及び洗車機に搭載されてある洗車機用洗浄ブラシ、及び洗車機用洗浄ブラシのブラシ用毛材として使用する。
【符号の説明】
【0039】
1 ブラシ用毛材
2 先割れ部
3 山部
4、14 気泡
5 被洗浄面
6 洗浄水
91 洗車機用洗浄ブラシ
92 台座
94 止め金具
95 チャンネルブラシ
98 帯状体
99 芯線
100 洗車機
102 駆動源
103 ノズル
104 乾燥機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車あるいは車両の外面の被洗浄面に付着した汚れ等を洗浄する為の洗車機に使用する洗車機用洗浄ブラシのブラシ用毛材において、前記ブラシ用毛材は幅方向に複数の山部を有する概波型形状の断面をなす長尺平板形状の発泡体であって、長手方向に長尺な気泡を有することを特徴とする洗車機用洗浄ブラシのブラシ用毛材。
【請求項2】
請求項1記載の構成よりなる洗車機用洗浄ブラシのブラシ用毛材において、前記ブラシ用毛材は少なくとも長手方向の一端部に先割れ部が形成されてあることを特徴とする洗車機用洗浄ブラシのブラシ用毛材。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の洗車機用洗浄ブラシのブラシ用毛材を配した洗車機用洗浄ブラシ。
【請求項4】
駆動源と、被洗浄面に散布する洗浄剤及び水を噴出させるノズルと、洗浄後の被洗浄面を乾燥させる乾燥手段を備えると共に、請求項3記載の洗車機用洗浄ブラシを搭載した洗車機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−61983(P2012−61983A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−208670(P2010−208670)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(391044797)株式会社コーワ (283)
【Fターム(参考)】