説明

洗車機用洗浄ブラシ

【課題】高い洗浄性を有すると共に、洗い残しが無く、被洗浄面に傷を付ける事が無く、かつ、高い耐久性を有する洗車機用洗浄ブラシを提供する。
【解決手段】自動車洗浄用あるいは車両洗浄用の洗車機に使用する洗浄ブラシにおいて、前記洗浄ブラシは不織布及び極微細な気泡を有する多孔質化されたポリウレタンよりなる二重構造体にて形成されてあるブラシ片が使用されてあるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車あるいは車両の外面の被洗浄面に付着した汚れ等を洗浄する為の洗車機に使用する洗浄ブラシに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車あるいは車両の外面の被洗浄面に付着した汚れ等を洗浄する為の洗車機に使用する洗浄ブラシに関しては、使用目的に応じて、洗浄ブラシに使用するブラシ片に、さまざまな改良がなされ、合成樹脂繊維、布、フィルム、独立気泡発泡体等を使用したブラシ片からなる各種の洗浄ブラシが提案されてある。ところで、合成樹脂繊維は、洗浄性が良好で、洗い残しが少ないが、被洗浄面に傷を付けやすく、洗浄時の音が大きいという特徴を有している。布は、被洗浄面に柔らかく接触する為、被洗浄面に傷を付けにくいが、洗い残しが多く、高価格であるという特徴を有している。フィルムは、洗浄時の音が小さく、被洗浄面に傷を付けにくいが、毛腰が弱く、洗浄性が低いという特徴を有している。独立気泡発泡体は、耐久性が良好で被洗浄面に傷を付けにくいが、洗浄時の音が大きいという特徴を有している。
【0003】
従来のブラシ片は、上記の如くの特徴を有しているが、合成樹脂繊維においては、例えば、ブラシ用毛材として、熱可塑性樹脂と熱可塑性エラストマーとを配合した樹脂組成物が、特開平10−25619号公報に開示されてある。前記ブラシ用毛材は、熱可塑性樹脂と熱可塑性エラストマーとを配合し、それを成型する事により、柔軟かつ弾性保持率の高いブラシ用毛材を実現しているという特徴を有している。
【0004】
また、布においては、例えば、車両洗浄装置の洗浄体として、長繊維不織布を使用した洗浄体が、特許第3098630号に開示されてある。前記洗浄体は、洗浄中に車両の塗装面を痛めることが無く、かつ破れ難いという特徴を有している。
【0005】
【特許文献1】 特開平10−25619号公報
【特許文献2】 特許第3098630号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の洗車機用洗浄ブラシは、例えば、上記の如くの各種の特徴を有する技術が開示されてあるが、合成樹脂繊維の長所である良好な洗浄性及び洗い残しの少なさを維持させつつ、短所である被洗浄面にたいする傷の付けやすさを改善することが求められていた。また、布の長所である被洗浄面にたいする傷の付けにくさを維持させつつ、短所である洗い残しの多さを改善することが求められていた。本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、高い洗浄性を有すると共に、洗い残しが無く、被洗浄面に傷を付ける事が無く、かつ、高い耐久性を有する洗車機用洗浄ブラシを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかる洗車機用洗浄ブラシは、次のように構成したものである。
(1)自動車洗浄用あるいは車両洗浄用の洗車機に使用する洗浄ブラシにおいて、前記洗浄ブラシは不織布及び極微細な気泡を有する多孔質化されたポリウレタンよりなる二重構造体にて形成されてあるブラシ片が使用されてあるものである。
【0008】
(2)上記(1)記載の洗車機用洗浄ブラシにおいて、前記不織布の材質に、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ウレタンゴムの内、少なくとも1種類以上の前記材質が使用されてあるものである。
【0009】
(3)上記(1)あるいは(2)記載の洗車機用洗浄ブラシにおいて、前記ブラシ片の見掛け密度が0.1g/cm以上、空隙率が80%以下、前記不織布に使用されてある繊維の繊度が10デニール以下にて形成されてあるものである。
【0010】
(4)上記(1)から(3)記載の洗車機用洗浄ブラシにおいて、前記ブラシ片の見掛け密度が0.3g/cm〜0.5g/cm、空隙率が70%〜40%、前記不織布に使用されてある繊維の繊度が0.2デニール以下にて形成されてあるものである。
【0011】
(5)上記(1)から(4)記載の洗車機用洗浄ブラシにおいて、前記ブラシ片に撥水処理加工がされてあるものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の洗車機用洗浄ブラシは、次に示すような効果を得ることができる。なお、説明にあたっては、請求項の番号と同じ番号を付して説明する。
【0013】
(1)見掛け密度を、0.1g/cm〜0.5g/cmに設定した場合には、ブラシ片は、剛性、耐摩耗性、及び柔軟性を高く設定することができ、高い洗浄性を有すると共に、高い耐久性を有する洗車機用洗浄ブラシを製作することができる。また、より高い剛性、耐摩耗性、及び柔軟性を設定する場合には、見掛け密度は、0.3g/cm〜0.5g/cmに設定する事が、より好適である。
【0014】
また、空隙率を80%〜40%に設定した場合には、ブラシ片は、剛性、耐摩耗性、及び柔軟性を高く設定することができ、高い洗浄性を有すると共に、高い耐久性を有する洗車機用洗浄ブラシを製作することができる。また、より高い剛性、耐摩耗性、及び柔軟性を設定する場合には、空隙率は70%〜40%に設定する事が、より好適である。
【0015】
繊維の繊度を、10デニール以下に設定した場合には、ブラシ片の厚みを、薄く設定するように製造することが、容易であるので、繊維の繊度は、10デニール以下に設定する事が、好適である。繊維の繊度を0.2デニール以下に設定した場合には、ブラシ片は、必要とされる剛性を保持しつつ、柔軟性を有することができ、厚みの薄いブラシ片を製造する事が、容易である。したがって、繊維の繊度は、0.2デニール以下に設定する事が、より好適である。
【0016】
また、不織布の材質に、ポリエステルが使用されてある場合には、ポリエステルの有する、耐熱性、及び強酸から弱アルカリにおける耐薬品性の高さ、吸水率の低さ、価格の低さ等の特性を、ブラシ片は有することができる。また、ナイロンを使用した場合には、ナイロンの有する、耐摩耗性、耐熱性、及び弱酸から強アルカリにおける耐薬品性の高さ等の特性を、ブラシ片は有することができる。また、ポリエチレンを使用した場合には、ポリエチレンの有する、酸、及びアルカリにおける耐薬品性の高さ、吸水率が0%、価格の低さ等の特性を、ブラシ片は有することができる。また、ポリプロピレンを使用した場合には、ポリプロピレンの有する、吸水率が0%、価格の低さ、軽量である等の特性を、ブラシ片は有することができる。また、別名、ウレタン弾性糸とも呼ばれるウレタンゴムを使用した場合には、ウレタンゴムの有する、親油性の高さ、弾性の高さ等の特性を、ブラシ片は有することができる。
【0017】
ブラシ片には、不織布、及び極微細な気泡を有する多孔質化されたポリウレタンの基部からなる二重構造体が形成されてあり、ポリウレタンの基部は、高い耐摩耗性を有している為、耐久性の優れたブラシ片を、製造することができる。また、基部は、極微細な気泡を有している為、ブラシ片の重量を軽くすることができると共に、ブラシ片に加えられた衝撃を吸収することができる。また、ブラシ片は、不織布、及び基部よりなる二重構造体にて形成されてあり、不織布と基部の間には、空隙部が形成されてあると共に、基部は、極微細な気泡を有する多孔質化されたポリウレタンにて形成されてある為、ブラシ片を、被洗浄面にたいして、柔軟に接触させることができ、高い洗浄力を有することができる。また、基部は、多孔質化されたポリウレタンから形成されてある為、被洗浄面に傷を付ける事が無い。
【0018】
また、不織布には、ポリエステルが使用されてあると共に、他の材質として、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレンを使用することができる為、前記材質の有する特性を、ブラシ片は有することができると共に、高い剛性を有することができる。また、繊維の繊度を0.2デニール以下に設定した場合には、ブラシ片は、必要とされる剛性を保持しつつ、柔軟性を有することができ、厚みの薄いブラシ片を製造する事が、容易である。
【0019】
また、ブラシ片にたいして、撥水処理加工がされてある場合には、撥水処理加工されてある表面は、洗浄水等を吸水することが無い為、高い洗浄性を有することができる。また、撥水処理加工されて無い表面は、極微細な気泡を有する多孔質化されたポリウレタンから形成されてある為、高い拭き取り性を有することができる。
【0020】
洗車機用洗浄ブラシは、上記の如くの長所を有するブラシ片が形成されてある為、高い洗浄性を有すると共に、洗い残しが無く、被洗浄面に傷を付ける事が無く、かつ、高い耐久性を有することができる。
【0021】
(1)他の実施の形態として、単繊維からなる不織布及び極微細な気泡を有する多孔質化されたポリウレタンよりなる二重構造体にて形成されてあるブラシ片を使用した場合には、単繊維からなる不織布は、高い剛性及び高い耐久性を有することができる。その為、ブラシ片を、被洗浄面にたいして、強力に接触させることができ、被洗浄面の汚れ等が、強力な付着力を有する場合であっても、高い洗浄力を発揮できると共に、高い耐久性を有することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
高い洗浄性を有すると共に、洗い残しが無く、被洗浄面に傷を付ける事が無く、かつ、高い耐久性を有する洗車機用洗浄ブラシを提供するという目的を、自動車洗浄用あるいは車両洗浄用の洗車機に使用する洗浄ブラシにおいて、前記洗浄ブラシは不織布及び極微細な気泡を有する多孔質化されたポリウレタンよりなる二重構造体にて形成されてあるブラシ片が使用されてある構成において実現した。
【実施例1】
【0023】
図1から図5にて実施例1を示す。図1は、本発明の洗車機用洗浄ブラシを前面側から見た斜視図である。図1において、1は洗車機用洗浄ブラシ、2は台座、3はチャンネルブラシ、4は止め金具、5はブラシ片である。図2は、図1に使用するブラシ片を前面側から見た斜視図である。図2において、23はスリットである。図3は、図2の部分拡大図である。図3において、7は不織布、8は空隙部、9は基部である。図4は、図3の部分拡大図である。図4において、6は繊維、10は気泡である。図5は、本発明の他の実施の形態のブラシ片を、前面側から見た斜視図である。図5において、15はブラシ片、16は繊維、17は不織布、18は空隙部、19は基部、40は気泡である。
【0024】
洗車機用洗浄ブラシ1は、図1の如く、台座2、チャンネルブラシ3、及び止め金具4より構成されてある。台座2は、略円筒形状からなり、外周の両端部には、止め金具4が組みつけられて形成されてある。チャンネルブラシ3は、ブラシ片5を、芯線、及び概U字断面を有する帯状体にて挟みつけて折り込んだ後、台座2の外周の周りに捩りを加えて螺旋状に形成されてあり、止め金具4にて固定されてある。
【0025】
ブラシ片5は、図2の如く、平板状に形成されてあり、複数のスリット23が形成されてある。また、ブラシ片5は、図3の如く、不織布7、及び基部9よりなる二重構造体にて形成されてあり、不織布7と基部9の間には、空隙部8が形成されてある。不織布7は、図4の如く、複数本の繊維6から形成されてあり、材質には、ポリエステルが使用されてある。また、基部9は、極微細な気泡10を有する多孔質化された構造体にて形成されてあり、材質には、ポリウレタンが使用されてある。
【0026】
ブラシ片5は、次の手順にて、製造される。まず、複数本の繊維6を、平板状に集積させて布状体を形成し、前記布状体を複数枚、重ね合わせた後、特殊な針を突き刺して、3次元に絡合された不織布7を形成する。前記の製造方法は、一般的には、ニードルパンチングと呼ばれている。次に、不織布7を、ポリウレタン溶液中に含浸させる事により、不織布7に、ポリウレタン溶液を充填させる。次に、ポリウレタン溶液を充填させた不織布7を、水中に、浸漬させることにより、不織布7、及び極微細な気泡10を有する多孔質化されたポリウレタンの基部9からなる二重構造体が、形成される。また、必要に応じて撥水処理加工がされる。加工方法としては、撥水処理剤にブラシ片5を浸漬させてコーティングする方法、あるいは、撥水処理剤をブラシ片5に吹付けてコーティングさせる方法が、採用される。
【0027】
ブラシ片5は、見掛け密度が0.1g/cm以上、空隙率が80%以下にて形成されてある。なお、見掛け密度とは、物質の単位体積当りの質量であり、g/cmで表わされる。見掛け密度の測定時における標準温度は、通常23℃が使用されてある。また、空隙率とは、空洞率、あるいは気泡率とも呼ばれ、材料内部に存在する空洞の割合であり、容積百分率で表わされる。実施例1においては、前記の如く、見掛け密度、及び空隙率が設定されてあるが、より好適には、見掛け密度が0.3g/cm〜0.5g/cm、空隙率が70%〜40%に設定される場合がある。
【0028】
見掛け密度を0.1g/cm以下に設定した場合には、ブラシ片5は、軽量になるが、剛性、及び耐摩耗性が低く、ブラシ片5に求められる耐久性を、満足する事ができない。見掛け密度を0.5g/cm以上に設定した場合には、ブラシ片5は、剛性、及び耐摩耗性は高くなるが、柔軟性が低く、ブラシ片5の使用は可能であるが、ブラシ片5に求められる柔軟性を、十分に満足する事ができない。見掛け密度を、0.1g/cm〜0.5g/cmに設定した場合には、ブラシ片5は、剛性、耐摩耗性、及び柔軟性を高く設定することができ、高い洗浄性を有すると共に、高い耐久性を有する洗車機用洗浄ブラシを製作することができる。また、より高い剛性、耐摩耗性、及び柔軟性を設定する場合には、見掛け密度は、0.3g/cm〜0.5g/cmに設定する事が、より好適である。
【0029】
また、空隙率を80%以上に設定した場合には、ブラシ片5は軽量になるが、剛性、及び耐摩耗性が低く、引き裂き等の形状劣化を発生しやすく、ブラシ片5に求められる耐久性を、満足する事ができない。空隙率を40%以下に設定した場合には、ブラシ片5は、剛性、及び耐摩耗性は高くなるが、柔軟性が低く、ブラシ片5の使用は可能であるが、ブラシ片5に求められる柔軟性を、十分に満足する事ができない。空隙率を80%〜40%に設定した場合には、ブラシ片5は、剛性、耐摩耗性、及び柔軟性を高く設定することができ、高い洗浄性を有すると共に、高い耐久性を有する洗車機用洗浄ブラシを製作することができる。また、より高い剛性、耐摩耗性、及び柔軟性を設定する場合には、空隙率は70%〜40%に設定する事が、より好適である。
【0030】
不織布7に使用されてある繊維の繊度は、10デニール以下にて、形成されてある。なお、繊度とは、繊維の太さを表わす単位であり、糸長9000m当りの重量で表わされる。例えば、糸長9000m当りの重量が1gの繊維の繊度は、1デニールである。実施例1においては、前記の如く、繊維の繊度が設定されてあるが、より好適には、繊維の繊度が0.2デニール以下に設定される場合がある。
【0031】
繊維の繊度を、10デニール以上に設定した場合には、ブラシ片5は、剛性は高く設定できるが、柔軟性が低く、ブラシ片5に求められる柔軟性を、満足する事ができない。また、ブラシ片5の厚みを薄く設定するように製造することが、困難である。繊維の繊度を、10デニール以下に設定した場合には、ブラシ片5の厚みを、薄く設定するように製造することが、容易であるので、繊維の繊度は、10デニール以下に設定する事が、好適である。繊維の繊度を0.2デニール以下に設定した場合には、ブラシ片5は、必要とされる剛性を保持しつつ、柔軟性を有することができ、厚みの薄いブラシ片5を製造する事が、容易である。したがって、繊維の繊度は、0.2デニール以下に設定する事が、より好適である。
【0032】
実施例1においては、不織布7の材質には、ポリエステルが使用されてあるが、他の材質として、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレンを使用することができる。また、前記の材質を組み合わせて使用することができる。ポリエステルが使用されてある実施例1の場合には、ポリエステルの有する、耐熱性、及び強酸から弱アルカリにおける耐薬品性の高さ、吸水率の低さ、価格の低さ等の特性を、ブラシ片5は有することができる。また、ナイロンを使用した場合には、ナイロンの有する、耐摩耗性、耐熱性、及び弱酸から強アルカリにおける耐薬品性の高さ等の特性を、ブラシ片5は有することができる。また、ポリエチレンを使用した場合には、ポリエチレンの有する、酸、及びアルカリにおける耐薬品性の高さ、吸水率が0%、価格の低さ等の特性を、ブラシ片5は有することができる。また、ポリプロピレンを使用した場合には、ポリプロピレンの有する、吸水率が0%、価格の低さ、軽量である等の特性を、ブラシ片5は有することができる。また、別名、ウレタン弾性糸とも呼ばれるウレタンゴムを使用した場合には、ウレタンゴムの有する、親油性の高さ、弾性の高さ等の特性を、ブラシ片5は有することができる。
【0033】
実施例1の洗車機用洗浄ブラシ1は、上記の如くの構成となっているので、ブラシ片5には、不織布7、及び極微細な気泡10を有する多孔質化されたポリウレタンの基部9からなる二重構造体が形成されてある。ポリウレタンの基部9は、高い耐摩耗性を有している為、耐久性の優れたブラシ片5を、製造することができる。また、基部9は、極微細な気泡10を有している為、ブラシ片5の重量を、軽くすることができると共に、ブラシ片5に加えられた衝撃を、吸収することができる。また、ブラシ片5は、不織布7、及び基部9よりなる二重構造体にて形成されてあり、不織布7と基部9の間には、空隙部8が形成されてあると共に、基部9は、極微細な気泡10を有する多孔質化されたポリウレタンにて形成されてある為、ブラシ片5を、被洗浄面にたいして、柔軟に接触させることができ、高い洗浄力を有することができる。また、基部9は、多孔質化されたポリウレタンから形成されてある為、被洗浄面に傷を付ける事が無い。
【0034】
また、不織布7には、ポリエステルが使用されてあると共に、他の材質として、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレンを使用することができる為、前記材質の有する特性を、ブラシ片5は有することができると共に、高い剛性を有することができる。また、繊維の繊度を0.2デニール以下に設定した場合には、ブラシ片5は、必要とされる剛性を保持しつつ、柔軟性を有することができ、厚みの薄いブラシ片5を製造する事が、容易である。
【0035】
また、ブラシ片5にたいして、撥水処理加工がされてある場合には、撥水処理加工されてある表面は、洗浄水等を吸水することが無い為、高い洗浄性を有することができる。また、撥水処理加工されて無い表面は、極微細な気泡10を有する多孔質化されたポリウレタンから形成されてある為、高い拭き取り性を有することができる。
【0036】
洗車機用洗浄ブラシ1は、上記の如くの長所を有するブラシ片5が形成されてある為、高い洗浄性を有すると共に、洗い残しが無く、被洗浄面に傷を付ける事が無く、かつ、高い耐久性を有することができる。
【0037】
実施例1の洗車機用洗浄ブラシ1は、上記の如くの構成となっているが、ブラシ片5の製造方法については、上記記載の方法以外にも、不織布7、及び極微細な気泡10を有する多孔質化されたポリウレタンの基部9からなる二重構造体が形成可能な方法であるならば、他の製造方法を採用できる。また、気泡10の種類についても、連続発泡、独立発泡のいずれの種類を採用しても良いが、独立発泡の場合には、ブラシ片5の内部に、洗浄水等が入り込むことが無い為、ブラシ片5の重量変化を、極力抑えることができる。また、洗車機用洗浄ブラシの構造についても、上記の如く、ブラシ片5を、芯線、及び概U字断面を有する帯状体にて挟みつけて折り込んで、チャンネルブラシ3を製作後、台座2の外周の周りに捩りを加えて螺旋状に巻き付けて、止め金具4にて固定されてある構造以外にも、例えば、チャンネルブラシ3を製作する事無く、台座2にたいして、ブラシ片5が、固定金具等にて、組付けられて固定されてある構造を採用する等、使用目的に応じて、適時、設定できる。さらにまた、ブラシ片5の詳細形状についても、上記の如く、スリット23が形成されてある形状以外にも、例えば、スリット23が形成されてない形状を採用する等、使用目的に応じて、適時、設定できる。
【0038】
次に、図5にて、本発明の実施例1の洗車機用洗浄ブラシに使用するブラシ片の他の実施の形態を説明する。実施例1の他の実施の形態のブラシ片15は、図5の如く、不織布17、及び基部19よりなる二重構造体にて形成されてあり、不織布17と基部19の間には、空隙部18が形成されてある。不織布17は、単繊維16にて形成されてあり、材質には、ポリエステルが使用されてある。また、基部19は、極微細な気泡40を有する多孔質化された構造体にて形成されてあり、材質には、ポリウレタンが使用されてある。
【0039】
本発明の実施例1の他の実施の形態のブラシ片15は、上記の如くの構成となっているので、単繊維16にて形成されてある不織布17は、高い剛性及び高い耐久性を有することができる。その為、ブラシ片15を、被洗浄面にたいして、強力に接触させることができ、被洗浄面の汚れ等が、強力な付着力を有する場合であっても、高い洗浄力を発揮できると共に、高い耐久性を有することができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明の洗車機用洗浄ブラシは、主に、自動車あるいは車両の外面の被洗浄面に付着した汚れ等を洗浄する為の洗車機に搭載する洗浄ブラシとして使用する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】 本発明の洗車機用洗浄ブラシを前面側から見た斜視図である。
【図2】 図1に使用するブラシ片を前面側から見た斜視図である。
【図3】 図2の部分拡大図である。
【図4】 図3の部分拡大図である。
【図5】 本発明の他の実施の形態のブラシ片を、前面側から見た斜視図である。
【符号の説明】
【0042】
1 洗車機用洗浄ブラシ 2 台座 3 チャンネルブラシ 4 止め金具
5、13、15 ブラシ片 6、16 繊維 7、17 不織布 8、18 空隙部
9、19 基部 10、40 気泡 23 スリット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車洗浄用あるいは車両洗浄用の洗車機に使用する洗浄ブラシにおいて、前記洗浄ブラシは不織布及び極微細な気泡を有する多孔質化されたポリウレタンよりなる二重構造体にて形成されてあるブラシ片が使用されてあることを特徴とする洗車機用洗浄ブラシ。
【請求項2】
請求項1記載の構成よりなる洗車機用洗浄ブラシにおいて、前記不織布の材質に、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ウレタンゴムの内、少なくとも1種類以上の前記材質が使用されてあることを特徴とする洗車機用洗浄ブラシ。
【請求項3】
請求項1あるいは2記載の構成よりなる洗車機用洗浄ブラシにおいて、前記ブラシ片の見掛け密度が0.1g/cm以上、空隙率が80%以下、前記不織布に使用されてある繊維の繊度が10デニール以下にて形成されてあることを特徴とする洗車機用洗浄ブラシ。
【請求項4】
請求項1から3記載の構成よりなる洗車機用洗浄ブラシにおいて、前記ブラシ片の見掛け密度が0.3g/cm〜0.5g/cm、空隙率が70%〜40%、前記不織布に使用されてある繊維の繊度が0.2デニール以下にて形成されてあることを特徴とする洗車機用洗浄ブラシ。
【請求項5】
請求項1から4記載の構成よりなる洗車機用洗浄ブラシにおいて、前記ブラシ片に撥水処理加工がされてあることを特徴とする洗車機用洗浄ブラシ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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