洗面所のディスペンサー及び製品を計量、監視、及び制御するためのシステム及び方法
製品を分配するための装置が提供される。本装置は、製品を分配するように構成されたディスペンサーと通信するディスペンサーセンサユニットを含むことができる。ディスペンサーセンサユニットは、製品に関する情報を検出し、ディスペンサーの分配パラメータを変更するように構成することができる。また、ディスペンサーセンサユニットと通信するデータ通信ユニットを提供することができ、ディスペンサーセンサユニットからの情報を受信するように構成することができる。また、データ通信ユニットと通信する洗面所監視ステーションが存在することができ、データ通信ユニットからの情報を受信するように構成することができる。ディスペンサーセンサユニットは、ディスペンサーの分配パラメータを変更するため通信を受けるように構成することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、発明者がPaul Francis Tramontina,David W.Kapiloff,Stephen L.Phelps,Darrell R.Johnson,及びGerald L. Clarkである「Dispenser with Electronic Sensing Device to Control Delivered Sheet Length(供給されるシート長を制御するための電子感知装置を備えたディスペンサー)」と題された、2003年12月31日に出願の米国特許出願番号10/750,238の一部継続出願である。出願番号10/750,238は、本明細書において引用により全体が組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
商業用ビル及び住宅内の洗面所は通常、トイレットペーパー、紙タオル、オムツ、女性用品、石けんなどの液体製品、及び消臭スプレーなどのエアロゾル製品を含む。これらの製品は通常、ディスペンサーにより収容され、ユーザの必要に応じて分配される。現在では、清掃員又はメンテナンス作業員は、作業しているビルを移動して回り、洗面所をサービスし、或いは、問題が発生後に派遣されて特定の洗面所又はディスペンサーをサービスする。洗面所に関する問題の事後解決は、多数のテナントの苦情及び全体的不満を生じる結果となる。加えて、清掃又はメンテナンスの人的資源が緊急対応に集中し、他の作業から引き離される。更に、清掃員又はメンテナンス作業員は、ディスペンサーを再度サービスするために戻る前に製品が使い果たされるのを回避するために、ディスペンサーが空になる前に製品全体を取替える傾向があるので、製品の無駄が多くなる。
【0003】
商業用及び住宅用不動産における他システムの効率的作業を可能とするためには、遠隔回収及びリアルタイム情報の使用が望ましいことが判っている。例えば、安全で生産的な環境を提供し、商業用及び住宅用不動産における居住者の満足レベルを維持するために、セキュリティシステム、火災システム、及び冷暖房空調制御システム(HVAC)のリアルタイムの計測、監視、及び制御が開発されてきた。しかしながら、製品の供給停止を回避し、不必要な無駄を低減し、安全性を向上させ、清掃員及びメンテナンス作業員の生産性を改善し、洗面所の使用量を追跡し、洗面所の在庫を監視し、製品ディスペンサーを制御し、及び製品の追加発注を容易にするように洗面所をより良好に管理することを目的として、製品ディスペンサー及び洗面所の他の構成部品を計測し、監視し、及び制御するシステム並びに方法に対する当該技術分野におけるニーズがある。
【0004】
個体の存在を検出することに基づいて紙タオルなどの製品を自動的に分配するディスペンサーは、ユーザがディスペンサーに物理的に接触する必要がなく、このため病原菌の拡散が予防されるので望ましい。しかしながら、これらのタイプのディスペンサーは、シート材料が柔らかく吸収力が高いかどうか、或いは極めて吸収力が低いシート材料であるかどうかに関わらず、ユーザに同じ量のシート材料を供給する予め定められた設定値で分配する点で不利となる場合がある。これらの例では、ユーザを満足するように手を乾燥させるためには、ユーザに分配されるシート材料が多すぎるか又は少なすぎることになる。シート材料の分配が多すぎると製品の不必要な無駄が生じ、シート材料の分配が少なすぎると、ユーザは製品からシート材料を再度分配することが必要となり、場合によっては更に無駄が生じる結果になる。無駄なシート材料は、ディスペンサーにシート材料を維持するためのコストが上昇し、更に大きな環境への影響を引き起こす。
【0005】
従来技術のディスペンサーは、シート材料の新しいロールを導入する前にディスペンサーを手動で操作することにより分配されるシート材料長の変更ができるように設計されてきた。しかしながら、この種類の調節は、清掃員又はメンテナンス作業員がロールの交換時にシート材料長を手動で調節することが必要となる。清掃員又はメンテナンス作業員による時間、労力及び技能を必要とするだけでなく、再設定作業における人的ミスが発生する危険性がある。
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,620,148号公報
【特許文献2】米国特許第6,224,010号公報
【特許文献3】米国特許第4,131,044号公報
【特許文献4】米国特許第6,079,035号公報
【特許文献5】米国特許第6,607,160号公報
【特許文献6】米国特許第4,757,337号公報
【特許文献7】米国特許第4,960,248号公報
【特許文献8】米国特許第6,259,367号公報
【特許文献9】米国特許第6,451,154号公報
【特許文献10】米国特許第6,354,493号公報
【特許文献11】米国特許第6,362,738号公報
【特許文献12】PCT公開WO 02/48955公報
【特許文献13】米国特許第6,363,057号公報
【特許文献14】米国特許出願番号10/750,238公報
【特許文献15】米国特許第6,360,181号公報
【特許文献16】米国特許第6,411,920号公報
【特許文献17】米国特許第6,209,752号公報
【特許文献18】米国特許出願番号10/950,965公報
【特許文献19】米国特許第5,878,381号公報
【発明の開示】
【0007】
本発明の種々の特徴及び利点は、以下の説明で部分的に示され、又はこの説明から明らかとすることができ、或いは本発明を実施することにより確認することができる。
【0008】
1つの実施形態では、清掃員又はメンテナンス作業員によるディスペンサーの手動調節を必要とせずにディスペンサーの分配パラメータを変更することを可能にする装置を洗面所又は別の場所で製品を分配するために提供することができる。
【0009】
1つの実施形態によれば、製品を分配するように構成されたディスペンサーを設けることができる。ディスペンサーセンサユニットは、ディスペンサーと通信する状態で配置することができ、製品に関する情報を検出するように構成することができる。ディスペンサーセンサユニットは、ディスペンサーの分配パラメータを変更するように構成することができる。データ通信ユニットは、ディスペンサーセンサユニットと通信する状態に配置することができ、該センサから情報を受信するように構成することができる。洗面所監視ステーションは、データ通信ユニットと通信する状態に配置することができ、同様にこれから情報を受信するように構成することができる。ディスペンサーセンサユニットは、ディスペンサーの分配パラメータを変更するために通信を受けるように構成することができる。分配パラメータは、限定ではないが、射出量、シート長、時間遅延、光感受性及び/又は音量などの複数の種々のパラメータから選択することができる。
【0010】
別の例示的な実施形態によれば、ディスペンサーセンサユニットは、ディスペンサーに分配パラメータを変更させるためにデータ通信ユニットにより洗面所監視ステーションから通信を受けるように構成することができる。代替的に、或いは追加として、本装置は、ディスペンサーセンサユニットが分配パラメータの変更を起こすために携帯電話又はPDAから通信を受けるように構成することができる。
【0011】
更に含まれるのは、ディスペンサーセンサユニットが製品を識別してデータ通信ユニットを介して製品の識別を洗面所監視ステーションに報告するように構成することができる、上述のような装置の1つの例示的な実施形態である。更に、製品を識別するために、RFIDリーダー、バーコードリーダー、印刷ラベルリーダー、磁気ストリップリーダー、スマートタグリーダー、ホログラムリーダー、ルミネッセンスリーダー及び/又は蛍光リーダーとすることができるリーダーを含めることができる。
【0012】
別の例示的な実施形態によれば、ディスペンサーは、データ通信ユニットを介して洗面所監視ステーションと通信する画像ディスプレイを有することができる。画像ディスプレイは、洗面所監視ステーションを通じて変更することができる情報を表示するように構成することができる。更に或いは代替的に、本装置は、別の例示的な実施形態において、音声メッセージを報知するように構成された音声モジュールを含むことができる。音声モジュールは、データ通信ユニットを介して洗面所監視ステーションと通信し、これにより洗面所監視ステーションを音声モジュールの音声メッセージを変更するように構成することができる。
【0013】
別の例示的な実施形態によれば、ディスペンサーセンサユニットは、製品を識別し、製品の識別とディスペンサー内に残る製品レベルとをデータベースに報告するように構成することができる。製品再発注機構を含むことができ、データベースを使用して低レベル時に製品を再発注し、該再発注された製品に対して顧客に請求するように構成することができる。
【0014】
更に含まれるのは、洗面所内で情報を伝達するための装置とすることができる。本装置は、情報を伝達するように構成されたディスプレイと、該ディスプレイと通信するデータ通信ユニットとを含むことができる。洗面所監視ステーションも含むことができ、データ通信ユニットと通信することができる。洗面所監視ステーションは、ディスプレイによって伝達される情報を修正するために、データ通信ユニットを通じてディスプレイと通信するように構成することができる。ディスプレイは、いずれのタイプのものであってもよい。例えば、ディスプレイは、画像ディスプレイ及び/又は音声モジュールとすることができる。
【0015】
別の例示的な実施形態は、洗面所内で水の存在を監視するための装置を提供する。本装置は、水の存在を検出するためのオーバーフローセンサを含むことができる。データ通信ユニットは、オーバーフローセンサと無線通信することができる。更に、洗面所監視ステーションを含むことができ、データ通信ユニットと、該データ通信ユニットを介してオーバーフローセンサと無線通信することができる。洗面所監視ステーションは、オーバーフローセンサによって水が検出されたときに水の存在を示すように構成することができる。オーバーフローセンサは、限定ではないが、水分検出器、圧力センサ及び/又はフロートスイッチを含む種々のセンサから選択することができる。
【0016】
また、水が出たままの蛇口、便器及び小便器により過剰な水が使用されているか否かを判定するために水流量の監視が可能な上述のような装置を提供することができる。データ通信ユニットは、流量センサと通信することができる。更に、洗面所監視ステーションを含むことができ、データ通信ユニット及び該データ通信ユニットを介して流量センサと通信することができる。洗面所監視ステーションは、流量センサによって検出されたときに水流量を示すように構成することができる。流量センサは、限定ではないが、回転ベーン及び/又は差圧ユニットを含む種々のセンサから選択することができる。
【0017】
更に別の例示的な実施形態によって提供されるのは、洗面所での手洗い順守を監視可能にすることができる上述のような装置である。本装置は、洗面所のユーザの存在を示し且つユーザを識別するためのセンサを含むことができる。ディスペンサーセンサユニットは、ディスペンサーからの製品の取り出しを検出可能にすることができる。データ通信ユニットをまた含むことができ、センサと通信することができる。洗面所監視ステーションは、データ通信ユニットと通信して配置することができる。データ通信ユニットは、個人よる製品の取出しを監視するためディスペンサーセンサユニット及びデータ通信ユニットから情報を受信するように構成することができる。
【0018】
更に別の例示的な実施形態に従って提供されるのは、直ぐ上で説明したように、洗面所監視ステーションが、携帯電話、PDA、ページャー及び/又は電話用いて製品の取り出しが無いことを個人に報告するように構成することができる装置である。
【0019】
更に別の例示的な実施形態に従って提供されるのは、上述のように、ディスペンサーが、紙タオルディスペンサー、石鹸ディスペンサー、トイレットペーパーディスペンサー、及び/又は流し台、便器又は小便器とすることができる装置である。
【0020】
製品を分配するためのディスペンサーにおいて別の例示的な実施形態がある。ディスペンサーは、製品を保持するように構成されたディスペンサーハウジングを含むことができる。レバーを設けることができ、ディスペンサーハウジングに枢動可能に装着され、製品に係合するたように構成することができる。レバーは、製品の分配によって引き起こされた製品量の減少に応じて製品低レベル位置まで枢動するように構成することができる。スイッチを設けることができ、レバーが製品低レベル位置まで枢動したときに、レバーと係合するように構成することができる。スイッチは、レバーが製品低レベル位置まで枢動したときに、製品低レベル信号を生成するように構成することができる。
【0021】
更に、別の例示的な実施形態に従って提供されるのは、石鹸を分配するための装置である。本装置は、石鹸ディスペンサーと通信するディスペンサーセンサユニットを含むことができる。ディスペンサーセンサユニットは、ディスペンサー内の石鹸の量を検出可能にし、ディスペンサーの射出量を変更可能にすることができる。更に、データ通信ユニットを設けることができ、ディスペンサーセンサユニットと無線通信することができる。データ通信ユニットは、ディスペンサー内に残る石鹸の量を少なくとも含む情報をディスペンサーセンサユニットから受信するように構成することができる。洗面所監視ステーションを設けることができ、データ通信ユニットと無線通信することができる。洗面所監視ステーションは、ディスペンサー内に残っている石鹸の量を少なくとも含む情報をデータ通信ユニットから受信するように構成することができる。洗面所監視ステーションは、ディスペンサーの射出量を変更するために、データ通信ユニットを介してディスペンサーセンサユニットと通信するように構成することができる。
【0022】
製品を分配するためのディスペンサーはまた、別の例示的な実施形態に従って提供することができる。ディスペンサーは、製品を保持するように構成されたディスペンサーハウジングを含むことができる。ディスペンサーセンサユニットを含むことができ、ディスペンサー内の製品の量を検出するように構成することができる。また、洗面所監視ステーションを含むことができ、ディスペンサーセンサユニットと無線通信することができる。洗面所監視ステーションは、ディスペンサー内の製品の量に関係する情報を受信するように構成することができる。
【0023】
製品を分配するための別の例示的な実施形態による装置を提供することができる。本装置は、製品を保持するように構成されたディスペンサーハウジングを含むことができる。ディスペンサーセンサユニットを含むことができ、赤外光を放出するように構成されたエミッタを有することができる。検出器を設けることができ、製品が赤外光の光路内に存在するか否かを示すために、ディスペンサーセンサユニットから赤外光を受光するよう構成することができる。
【0024】
ディスペンサーセンサユニット及び検出器をディスペンサー内の製品低レベル地点に位置付けされることができる上述の装置において、別の例示的な実施形態がある。更に、製品は、別の例示的な実施形態による紙スタックとすることができる。
【0025】
更に提供されるのは、別の例示的な実施形態による製品を分配するための装置である。本装置は、製品を分配するように構成されたディスペンサーと、製品低レベル状態を検出するように構成されたディスペンサーセンサユニットとを含むことができる。データ通信ユニットは、ディスペンサーセンサユニットと通信することができ、ディスペンサーセンサユニットから情報を受信するように構成することができる。洗面所監視ステーションは、データ通信ユニットと通信することができ、データ通信ユニットから情報を受信するように構成することができる。洗面所監視ステーションは、製品低レベル状態が検出されたときに製品の在庫をチェックすることができ、十分な製品が在庫に存在しない場合には製品を再発注することができる。
【0026】
洗面所監視ステーションが製品低レベル状態を検出した回数の記録を保持することができる、直ぐ上で説明された装置において、別の例示的な実施形態がある。加えて或いは代替的に、洗面所監視ステーションは、ディスペンサーから分配された製品の量に対して顧客に請求することができる。
【0027】
洗面所の床を見るように構成されたカメラを含む洗面所を監視するための装置において、別の例示的な実施形態が存在する。データ通信ユニットは、カメラと通信することができ、洗面所監視ステーションは、データ通信ユニットと通信することができる。洗面所監視ステーションは、洗面所の床の上の水及び/又はごみのような物体の存在を示すように構成することができる。
【0028】
本発明のこれら及び他の特徴、態様、並びに利点は、以下の説明及び添付の請求項を参照することによってより理解されるであろう。本明細書に組み込まれ且つその一部を構成する添付図面は、本発明の実施形態を例示し、その説明と共に本発明の原理の説明を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明の最良の形態を含む、当業者を対象とした本発明の十分な及び実施可能にする開示は、添付図面を参照する本明細書の残りの部分において更に具体的に説明される。
本明細書及び図面における参照符号の反復的な使用は、本発明の同じ又は類似した特徴又は要素を表すものとする。
【0030】
(定義)
本明細書で使用する用語「識別」とは、名詞として使用される場合には対象物に関して該対象物を識別する役目を果たす何らかのものを意味する。
【0031】
本明細書で使用する用語「識別器」とは、対象物に関する識別により該対象物を識別するための機構又は装置を意味する。
【0032】
本明細書で使用する用語「含む」とは、包括的であり、又は制約しないものであることが意図され、本発明の作用を妨げない追加の要素又は方法の段階を除外するものではない。
【0033】
本明細書で使用する用語「ファスナ」は、構成部品を互いに、締結、接合、結合、固定、保持、又はクランプする装置を意味する。ファスナは、限定ではないが、ネジ、ナット及びボルト、リベット、スナップ嵌め、留め鋲、釘、ループファスナ、及び釣り針コネクタのようなインターロッキング雄/雌コネクタを含み、釣り針コネクタは、その周囲に突起部を備える雄部分を含む。雄部分を雌部分へ挿入することにより、半永久的に2つの部分が互いに固定される。
【0034】
本明細書で使用する用語「坪量」(以下「BW」として言及する場合がある)は、サンプルの単位面積当たりの重量であり、グラム/平方メートル(gsm)として記録することができる。坪量は、試験手順ASTM D 3776−96又はTAPPI試験方法T−220を使用して測定することができる。
【0035】
本明細書で使用する用語「ヒンジ」とは、静止構成部品に対してある部分を枢動又は回転可能に結合する接合装置又は可撓性装置を意味する。ヒンジは、限定ではないが、ドアをフレームに締結するのに使用されるもののような金属製の枢動可能なコネクタ、及び一体蝶番を含む。一体蝶番は、プラスチックで構成され、2つの部材間に一体的に形成することができる。一体蝶番は、一方の部材が他方の結合された部材に対して回転運動することができる。
【0036】
本明細書で使用する用語「連結」とは、限定ではないが、2つの物を一体に又は隙間を介した接合、結合、締結、連接、又は関連付けることを含む。
【0037】
本明細書で使用する用語「シート材料」及び「紙」とは、その長さ及び幅に比べて厚さが薄い材料を意味する。一般的に言えば、シート材料は、相対的に平坦な平面形状を示し、折り畳み、巻き取り、積み重ね、及び同様のことができるよう柔軟であるべきである。例示的なシート材料及び紙には、限定ではないが、ティッシュペーパー、バス/トイレットペーパー、紙タオル、拭き材、ラベルロール、或いは他の繊維、フィルム、ポリマー、又はフィラメント状製品が含まれる。用語「シート材料」及び「紙」は同義的に使用することができる。
【0038】
本明細書で使用する用語「製品」は、限定ではないが、単一のシート又はロール、複数のシート又はロール、又は、単一又は複数のスタック(積み重ね)を含む。従って、用語「製品」とは、限定ではないが、複数形又は単数形であるかに関わらずディスペンサーによって保持又は分配されるもの(水、洗剤、紙)のようなあらゆる品目を対象とするほど広義である。この用語は、個々のシート又は複数のシートの両方、並びにロール、スタック又はカートリッジ全体を対象とすることができる。
【0039】
これらの用語は、本明細書の残りの部分において言葉が追加されて定義されることがある。
【0040】
本発明の実施形態を以下に詳細に参照するが、その1つ又はそれ以上の実施例は図面に示されている。各実施例は、本発明を説明するために提供され、本発明を限定するものではない。例えば、1つの実施形態の一部として図示又は説明される特徴を別の実施形態と共に用いて、更に第3の実施形態を得ることができる。本発明は、これら及び他の修正及び変更を含むものとする。
【0041】
本明細書で記載される範囲及び限界は、内部にある全ての範囲、及び規定された限界を下回る又は上回る全ての値を含む点を理解されたい。例えば、範囲100−200はまた、110−150、170−190及び153−162の範囲を含む。更に、最大約7の限界はまた、最大約5の限界、最大約3の限界及び最大約4.5の限界を含む。
【0042】
各図面のうちの図1は、本発明の1つの実施形態による連続ロール14からシート材料12のウェブを分配するためのディスペンサー10を示す。本実施形態でのシート材料のウェブは、紙タオルなどのような吸収性材料を含み、分離用に周期的に穿孔することができる。
【0043】
更に、各図面のうち図2を参照すると、ディスペンサー10は、壁又は同様の垂直面に装着可能なバックパネル18と、一対の対向するサイドパネル20及び22と、フロントカバー24とを有するディスペンサーハウジング16を含むのが見える。フロントカバー24は、限定を目的とするものではないが、図1に示すような閉じた状態と図2に示すような開いた状態との間を移動できるように、ヒンジ28を用いてハウジング16の下側部分に枢動可能に結合されるのが望ましい。フロントカバー24は、ファスナ、ネジ、及び当該技術分野で公知のいずれかの他の機構によって結合されても良いことは理解されるであろう。ディスペンサーハウジング16のフロントカバー24は、サービス又はディスペンサー10内への交換シート材料の装填のために通常は開いている。ラッチ(図示せず)により、ハウジング16内のディスペンサー構成部品の認められない変更を阻止するために、フロントカバー24を閉じた状態に固定することが可能となる。
【0044】
シート材料のロール14は、コア又はスリーブ30を含むことができる。代替的にシート材料のロール14は、J.Mitchellに付与された米国特許第5,620,148号で開示されるようなコアレスロールであってもよく、該特許は、本明細書において引用により全体が組み込まれる。シート材料のロール14は、一対の装着ハブ32及び34によってハウジング16内に回転可能に支持することができ、本発明の実施形態では、ロールホールダ36及び38を用いてハウジング16のサイドパネル20及び22に結合されるように示されている。シート材料のロール14の外周は、ロール14の巻き解きのために別の支持がない状態でハウジングの一部によって支持することができる。このような1つの実施例は、米国特許第6,224,010号に開示されており、該特許は、本明細書において引用により全体が組み込まれる。しかしながら、ハウジング16は、これに接続される機構が殆ど無いか又は全く無い個別ユニットとして提供されてもよいことは理解されるであろう。この場合には、本明細書で図示され及び/又は説明されるディスペンサー機構の一部又は全ては、図7に示すように、ハウジング内に挿入される1つ又はそれ以上のモジュールとして設けることができる。このようなディスペンサーハウジング及びモジュールの実施例は、米国特許第4,131,044号及び第6,079,035号に記載され、その両方は、本明細書において引用により全体が組み込まれる。
【0045】
図示のようにシート材料12は、ロール14から一対のローラー40及び42の間を通り、例えばハウジング16の下側端部45内にある分配開口44を通って出る。或いは、分配開口は、フロントカバー内、又はフロントカバーの一部分と下側端部の一部分(図示せず)の両方に形成することもできる。開口44は、鋸歯状縁部(図示せず)を有してもよく、或いは、シート材料のウェブ(穿孔されていない場合)を供するための歯(同様に図示せず)を保持することができる。ローラー40の一端は、ハウジング16又はモジュールハウジング(図7)のサイドパネル20にロールホールダ46を用いて回転可能に装着することができ、ローラー42の一端は、ハウジング16又はモジュールハウジング(図7)のサイドパネル20にロールホールダ48を用いて回転可能に装着することができる。ローラー40及び42の他端は、変速機ハウジング50内に隠されるロールホールダを用いてサイドパネル22に回転可能に装着することができる。変速機ハウジング50は、電気モータ52からの動力をローラー40に伝達してローラーを回転させるようにする変速機(図では見えない)を含む。或いは、米国特許第6,607,160号において概略的に開示されるように、ローラーの少なくとも1つをフロントカバー内に装着することができ、該特許は、本明細書において引用により全体が組み込まれる。
【0046】
ローラー40及び42は共に、望ましくはロール14上のシート材料の厚さよりも僅かに小さい間隙を有するニップ54を定める。シート材料12は、図1に最も明瞭に示すようにニップ54を通過し、駆動ローラー40及び従動ローラー42の回転によってロール14からシート材料が引き出されて、分配開口44を通って分配されるようにする。
【0047】
起動センサ56は、図1に示すように、レンズ58に隣接してハウジング16の下側端部45に(或いは、代替的にハウジング内のモジュール(図示せず)に)装着することができる。しかしながら、起動センサ56及び/又はレンズ58、或いは本明細書で図示され及び/又は説明されるか、若しくは当該技術分野で公知の何らかの起動システムは、本明細書で説明するように動作する限りはハウジングのあらゆる区域に装着することができる点は理解されるであろう。本発明の本実施形態では、センサ56は、限定を目的とするものではないが、赤外線を検出する従来型の受動センサであるのが望ましい。受動的赤外線検出器は、当該技術分野で公知であり、例えば、Shikaumiに付与された米国特許第4,757,337号及びBauer他に付与された米国特許第4,960,248号に記載されており、両特許は本明細書において引用により全体が組み込まれる。ディスペンサー10と共に使用可能な受動的赤外線検出器は、Eltec Instrument Inc.より販売されているモデル40623がある。しかしながら、当業者であれば、様々な赤外線検出器が利用可能であり、この利用可能な検出器の大部分がディスペンサー10と共に使用するのに好適であることが理解されるであろう。実際に、センサ56は、レンズ58の下方に置かれたユーザの手からの赤外線を検出し、赤外線を検出すると電気モータ52を起動する信号を送信して分配開口44を通じてある長さのシート材料を分配するように配置される。
【0048】
しかしながら、静電容量式及び超音波式などの別の起動機構を本発明で使用可能であることは理解されるであろう。静電容量式近接センサは、金属物体と、紙、ガラス、液体及び布などの非金属材料の両方を感知する静電場を発生する。超音波式近接センサは、変換器を使用して高周波音波信号を送信及び受信する。ターゲットがビームに入ると、音波が反射されてセンサに戻り、これが出力回路の通電又は遮断を引き起こす。他の種類のセンサには誘導性センサがある。この場合電磁場が使用されるが、検出は金属物体だけに限定される。
【0049】
ここで図面のうちで特に図3を参照すると、ディスペンサー10は、ハウジング16又はモジュール(図7)に関する非限定的な実施例において位置付けられたリーダー又はスキャナ60を含み、非限定的な別の実施例として、ロール14のコア30は、本実施形態では受動的「スマート」チップ又はタグ62を備える高周波識別装置(RFID)の形態で識別符号を保持している。リーダー又はスキャナ60は、本明細書で図示し説明する方法で動作することができるディスペンサーのいずれかの部分又は近辺に位置付けることができる点は理解されるであろう。同様に、スマートタグ62は、コアレスロール内に埋め込まれたスマートタグ62を図示する図3Aに示すように、シート材料上のいずれかの場所又は幾つかの場所に位置付けることができる点は理解されるであろう。加えて、1つより多いスマートタグ62を各シート材料のロール14で使用することができる。
【0050】
スマートタグ62は、ロール14上のシート材料の種類に関係する情報、例えば、シート材料12の吸収力、坪量、製造業者などに関係する情報を含む。使用中、スキャナ60は、電子信号でスマートタグ62に問い合わせし、その結果、内部アンテナ(図では見えない)を含むスマートタグ62が、ロール14上のシート材料の種類を識別するためにスキャナによって読み取り可能な電磁波パルスを発生して伝送する。スキャナ60は通常、スマートタグ62からの情報を検索して該情報を復号するよう構成される。
【0051】
RFIDスマートタグ技術は、公知であり且つ当業者には理解されているので、その詳細な説明は本発明のディスペンサー及び方法を説明する目的に対しては必ずしも必要ではない。一般に、誘導型又は受動的スマートタグは、シリコン又は他の半導体、エッチング又はスタンピングされたコイルアンテナ、キャパシタ、及び各構成部品が搭載又は埋め込まれた基板からなる。該基板を封入しシールするために保護カバーが通常使用される。誘導型又は受動的スマートタグは、Motorola社によってBISTATIX(登録商標)の名称で導入されている。BISTATIX(登録商標)デバイスの詳細な説明は、Kleinに付与された米国特許第6,259,367号で見ることができ、その全内容は引用により本明細書に組み込まれる。スマートタグ及び関連技術に関する詳細な情報は、Grabau他に付与された米国特許第6,451,154号、Monに付与された米国特許第6,354,493号、Vebaに付与された米国特許第6,362,738号、及びPCT公開WO 02/48955において開示されている。様々なRFIDタグ及びスキャナが利用可能である。ディスペンサー10と共に使用するのに好適なRFIDタグ及びスキャナは、例えば、オランダ国EindhovenのPhilips Semiconductors;スイス国LausanneのSokymat;Florida州MiamiのCheckpoint Systems Inc.;及び日本国TokyoのOmron Companyから入手可能である。
【0052】
或いは、スマートタグ62は能動的素子であってもよい。本構成では、スマートタグ62は、スキャナによって送信されるコード化されたリクエスト信号に対し選択的に応答する機能を有する能動的送受信回路を含む。能動的スマートタグ62は、その固定コード内に含まれる情報を超える付加的情報を受信し保存する機能を含むことができる。能動的スマートタグ62は、マイクロバッテリー、薄膜バッテリー、及び同様のもの(図示せず)などの内部電源を必要とする。
【0053】
ディスペンサーハウジング16は、ディスペンサー10内の種々の電気及び電子構成部品に電力を供給する少なくとも1つのバッテリー64(図1及び図2を参照)を含むのが望ましい。しかしながら、1つより多い、すなわち複数のバッテリーを使用してもよいことは理解されるであろう。或いは、ディスペンサーは、交流又は交流電源による変圧器アダプタ(図示せず)により電力を供給されてもよい。
【0054】
次に各図面の中で図4を参照すると、ディスペンサー10は、ロール14上のシート材料の種類に関係するデータをスキャナ60から受け取るプロセッサ66を含む。プロセッサ66は、本実施形態ではディスペンサーハウジング16内のプリント基板上に埋め込まれるチップセット内に記憶されたアルゴリズムを含み、該アルゴリズムを用いてスキャナ60からのデータを処理し、コントローラ68に向けた出力コマンドを生成する。コントローラは、電気モータ52の作動、従ってシート材料12の分配を以下により詳細に説明する方法で制御する。
【0055】
遅延スイッチ70は、電気モータ52の連続起動の間に、例えば、限定の目的ではないが、3秒の最小遅延を確保するのに設けられるのが望ましい。この遅延は、電気モータの偶発的再起動、従ってユーザによる不必要なシート材料の分配を回避するよう設計される。ディスペンサー10はまた、望ましくはロックアウトスイッチ72を含み、フロントカバー24が閉じた状態から枢動したときに開いて、センサ56とコントローラ68間の通信を阻止するようにする。これにより、ディスペンサー10が開いている間は電気モータ52の作動が阻止される。フロントカバー24が閉じた状態に戻されると、ロックアウトスイッチ72は自動的に閉じてコントローラ68及び電気モータ52の作動が可能になる。このようにして、スイッチ72は、サービス又はシート材料のロールの取替え中にハウジング16内で構成部品が回転することからオペレータを保護する。
【0056】
起動スイッチ74は、フロントカバー24が開けられるときに閉じて、スキャナ60を起動するのが望ましい。これにより、ロール14がディスペンサー10内に挿入されたときにスキャナがスマートタグ62から情報を読み取ることが可能となる。また、駆動ローラー40の所定数の回転(例えば9回)又は電気モータ52の所定数の起動(例えば3回)の後にスキャナ60を起動解除してエネルギーを節約する起動解除スイッチ76が設けられる。起動解除スイッチに対してどのような数の回転又は起動を設定してもよいことは理解されるであろう。
【0057】
或いはディスペンサー10は、リセットシステム、例えば再装填(図示せず)のためにフロントカバー24が開けられたときに作動することになるスイッチが装着されるフロントカバー24を備えてもよい。別の代替形態では、製品ロールの交換時(図示せず)のように、燃料ゲージが完全にゼロ位置に至ると作動することになるスイッチを燃料ゲージと関連して設けることもできる。システムがリセットされると、離散的又は限定的増分、例えば駆動ローラーが3回転する間にその読み取り又は感知回路が使用可能になる。この間隔及び製品感知の後に、次のリセットまで読み取り又は感知システムは遮断され、電力が節約されることになる。更に別の代替形態では、モーメンタリ接触スイッチが、例えばロールホールダの1つのアームと連動して設けられ、シート材料の新しいロールを装填するためのアームの運動により読み取り又は感知回路に電力を供給するようにしてもよい。
【0058】
次にディスペンサー10の動作を図4を参照しながら説明する。最初に、シート材料12を交換するためにディスペンサーハウジング16のフロントカバー24が開くと、起動スイッチ74が閉じてスキャナ60を起動するのが望ましい。次いで、スキャナは、スマートタグ62から交換ロール14のシート材料12のタイプに関係する情報を読み取り、解読して、シート材料のタイプに関係するデータをプロセッサ66に送信する。プロセッサは、データを受信し、該データを処理して、コントローラ68の設定を調節するための出力コマンドを生成し、該コントローラ68が、好適な長さのシート材料を分配するように電気モータ52を制御する。このようにして、計量され又は分配されたシート材料12の長さは、ロール14上で検出されたシート材料12のタイプに応じて変化する。例えば、ディスペンサー10は、異なる程度の柔軟性及び吸収力を有する3つの異なる種類のシート材料A、B及びCを分配するように設定することができる。タオルAが最も吸収力が高く、タオルCが最も吸収力が低い場合には、プロセッサ66は通常、タオルCよりもタオルAの長さを短く分配するようにコントローラ68を調節する出力コマンドを生成するよう設定される。例えば、コントローラ68は、12インチのシート材料A、14インチのシート材料B、及び18インチのシート材料Cを分配するように調節することができる。このようにして、高品質のより高い吸収力のシート材料が有意な無駄を生じること無く効率的に分配され、一方、低品質のより低い吸収力のシート材料は、ユーザの手を適切に乾燥させるように十分な長さに分配される。望ましい結果は、ユーザの手を乾かす1つのシート材料を提供することであり、すなわち、提供される長さは、手を乾燥させる事象毎に1つのシートだけを使用するように、吸収力、坪量及びその他などのシート材料の特性に基づいて適切な乾燥度を提供することを意味する。
【0059】
コントローラ68の設定を完了し、フロントカバー24が閉じられると(及び望ましくはロックされ)、シート材料12は、センサ56のトリガによってユーザに分配される。この件に関しては、センサ56がユーザの手を検出すると、スイッチ70及び72を通して信号をコントローラ68に送信し、次いで、コントローラが、電気モータ52を起動して所定の長さのシート材料をユーザに分配する。本発明の本実施形態では、コントローラ68が、電気モータ52の回転数を制限して、ユーザに望ましい長さのシート材料の分配を行うカウンタを含むのが望ましい。遅延スイッチ70は、コントローラ68による電気モータ52の起動解除によって開き、このスイッチは、所定の時間間隔の間、例えば、限定する目的ではないが3秒間は開いたままであり、センサ56とコントローラ68との間の通信が阻止される。このようにして、遅延スイッチ70によって、ユーザがディスペンサー10からシート材料12を取り出すことによる電気モータ52の偶発的な再起動、従って、シート材料の不必要な分配が回避されるのが望ましい。遅延スイッチ70はまた、大量分配を無効にすることにより破壊を阻止するよう機能する。
【0060】
オペレータがフロントカバー24を開けてロール14を交換するときには、起動スイッチ74は、非限定的な例示として、再度スキャナ60を起動し、ディスペンサー10内に挿入されたシート材料の交換ロール上のスマートタグを読み取ることができるようにする。交換ロールが以前のロールと異なるシート材料を含む場合では、プロセッサ66は、コントローラ68の設定、すなわち電気モータ52によって分配されるべきシート材料の長さを調節するための新しい出力コマンドを生成する。また、ディスペンサーハウジング16のフロントカバー24が開けられると直ちに、ロックアウトスイッチ72が開いて、電気モータ52の作動を阻止し、これによってハウジング16内で構成部品が運動することからオペレータを保護する。
【0061】
認識されないシート材料のロール(本明細書で使用する「認識されないロール」、「認識されないシート材料」及び/又は「認識されない紙」とは、スキャンされるが、(1)期待される信号が返信されないか、又は(2)いかなる信号も返信されないシート材料のロールを指す)がディスペンサー10内に装填され、スキャナ60がロールのシート材料の種類に関する情報を読み取り及び/又は受信することができない事象において、プロセッサ66は、コントローラ68をデフォルト設定値に設定し、該デフォルト設定値は通常、直近に記憶された設定値又は最大設定値であり、例えばシート材料A、B及びCについて18インチである。このようにして、ディスペンサー10を用いて、分配するように設計されていない製品などの認識されない製品を分配する場合には、該ディスペンサーは、任意の設定値で製品を分配するか、或いは吸収力が小さいシート材料用の最大の設定値で分配するように調節される。或いは、このような場合には、プロセッサ66は、コントローラ68の作動を完全に阻止し、電気モータ52の作動すなわちシート材料の分配を防ぐようにする出力コマンドを生成するよう設計することができる。認識されない製品を使用することにより、ディスペンサーの目詰まり、ディスペンサーの損傷、及び/又は製品の不満足な分配を生じる可能性があるので、このような機能が有利である。
【0062】
図5は、本発明の第2の実施形態によるディスペンサー110の一部分を示す。本実施形態では、シート材料ロール114に対する支持体112は、ロールホールダ126及び128を用いてディスペンサーハウジング124のサイドパネル120及び122(又は図7に示すような装着モジュール)に結合された一対の装着ハブ116及び118を含む。図から判るように、ロール114は、反射ラベル130を保持し、更に支持体112は、装着ハブ116内に赤外線エミッタ132と、装着ハブ118内に赤外線検出器134とを含む。エミッタ132は、図示のようにロール114のコア内に傾斜した赤外光を放出するように配置され、該赤外線は、反射ラベル130に反射されると、赤外線検出器134によって検出されて赤外線エミッタ/検出器回路が成立する。認識されない製品がディスペンサー110内に挿入される場合には、赤外線エミッタ/検出器回路が成立せず、通常は、ディスペンサーは、比較的長尺のシート材料が分配される吸収力の低いシート材料用の設定値をデフォルトにする。本実施形態でのシート材料の異なるロールの識別は、ラベルの相対反射率、すなわち種々のシート材料の全反射光を調節することによって達成することができる。赤外線エミッタ/検出器回路は別として、ディスペンサー110は、他の全ての点で上述のディスペンサー10と同様である。
【0063】
図面の図6では、本発明の第3の実施形態によるディスペンサー210の一部が、シート材料ロール216の側面上に通常スタンプ又はインクジェットすることができるロゴ214、バーコード、又は同様のものを読み取るリーダー212を含むように示されている。しかしながら、バーコードは、ロール216及び/又はロール216のいずれかのシート材料上のどこに位置付けられてもよいことは理解されるであろう。本実施形態におけるリーダー212は、ディスペンサーハウジング220内でロール216を回転可能に支持する支持アーム218上に配置され、ロゴ214が進む経路と整列するように位置決めされるのが望ましいが、バーコードと同様に、リーダー212は、本明細書で説明されるバーコードを読み出すよう動作する限りは、ディスペンサーハウジング220内のどこに位置付けられてもよい点は理解されるであろう。従って、ロール216が支持アーム218上で回転すると、ロゴ214がリーダー212を通過し、ロールが特定される。シート材料の種類が特定されると、ディスペンサー210は、適切な長さのシート材料を分配するように自動的に設定される。要求されるマーキング214を備えない認識されない製品がディスペンサー210内に挿入された場合には、通常、比較的長尺のシート材料が分配される、吸収力の弱いシート材料用のデフォルト設定値が取られる。支持アーム218及びリーダー212は別として、ディスペンサー210は、他の全ての点で上述のディスペンサー10と同様である。
【0064】
リーダー212は、ロール216のいずれかのシート材料上のいずれかの位置に位置付けされた、特定のラベル、特定のロゴ、磁気ストリップ、ホログラム、及びその他を読み取り及び/又は認識するように構成することができる点は理解されるであろう。従って、本実施形態は、非限定的な実施例であることが意図される。
【0065】
本発明の第4の実施形態によるディスペンサー310の一部を図面の図7に示す。ディスペンサー310は、多くの点でディスペンサー10に類似し、分配機構が、非限定的な例示として分配ハウジング316内に挿入される側壁322及び後壁318の少なくとも一部分を有するモジュール311形態で装着される点だけが異なる。そのほかの点では、ディスペンサー310は、本明細書で上述したようにディスペンサー10の特性及び動作を有する。
【0066】
次に、図8を参照すると、ディスペンサー10の別の実施形態のコントローラ400が提示される。コントローラ400は、マイクロプロセッサ又はマイクロコントローラ402(本明細書では「マイクロプロセッサ」と「マイクロコントローラ」は同義的に使用される)、起動センサ404(IR受信器404a及びIR送信器404bを含む)、紙タイプセンサ406、モータ408、リレー410及び各種センサ、タイマー、調節器、及びLEDインジケータ(以下でより詳細に説明する)を含む。コントローラ400は、交流電源412又は直流電源414によって給電される。通信接続部416は、マイクロコントローラ402のプログラミング/再プログラミング及び/又はディスペンサー10と遠隔コンピュータ間の通信を可能にするために設けられる。
【0067】
マイクロコントローラ402は、プログラムメモリー内に記憶されたコードを実行することによってディスペンサー10の機能を制御する。理想的には、マイクロコントローラ402は、オンボードプログラムメモリー及びデータメモリーを有する。このようなメモリーは、望ましくは不揮発性メモリーであるが、しかしながら、揮発性メモリーを使用してもよい。好適なマイクロコントローラの一一例は、Microchip Technologyにより製造されたPIC16F72マイクロコントローラ(PICmicro(登録商標)ファミリー)である。
【0068】
マイクロコントローラ402、モータ408並びにコントローラ400の個々の構成部品は、交流電源412又は直流電源414のいずれかにより給電される。120ボルトの交流ライン入力電圧を変圧器を使用して12ボルトまで降圧するのが望ましい。降圧された電圧は、整流されて線形レギュレータ413に供給され、該線形レギュレータ413は、ディスペンサー10が必要とする所要の直流電圧レベルを維持する。直流電源の1つの利用可能な実施形態は、バッテリーである。
【0069】
センサ56について上述したように、起動センサ404は、送信器404b及び受信器404aを備えた、赤外(IR)放射を検出するための従来の受動センサである。このような受動的赤外線検出器は、当該技術分野で公知である。IR送信器404bは、周期的な(ランダムな間隔又は必要に応じて固定間隔で)パルスIR信号を送信する。IR受信器404aは、送信信号と同一パターンの反射IR信号を検出するように構成されている。このような信号が検出されると、起動センサ404は、シート材料又は紙を分配すべきであることをマイクロコントローラ402に通知する出力信号を生成する。
【0070】
望ましくは、紙の長さ調節及びIR感度調節は、遠隔コンピュータを用いて通信接続部416を介して自動的に実行される。しかしながら、ディスペンサー10では、紙の長さ調節器430及びIR感度調節器428をそれぞれ使用してマニュアルによる紙の長さ調節及びマニュアルによるIR感度調節を可能にする点に留意されたい。
【0071】
起動センサ404が起動しており且つディスペンサー10が紙を分配する状態にあることをマイクロコントローラ402が判定すると、マイクロコントローラ402は、リレー410を係合させて電気モータ408に電力を印加することによりディスペンサー10から紙を分配させる。電気モータ408が回転すると、紙ロール14が回転して、紙がディスペンサー10の前方から押し出される。紙が分配されているときには、マイクロコントローラ402は、各モータ回転(又は紙ロール14の回転又はその割合)についての信号を出力する回転カウンタ418を監視する。回転カウンタ418が所定の数の回転信号を生成すると、マイクロコントローラ402は、リレー410を係合解除し、これによりモータ408への電力が遮断される。従って、当業者であれば、分配される紙の長さは、マイクロコントローラ402が監視する回転信号の所定数(すなわち、マイクロコントローラ402がモータ408をターンオフする値)を操作することによって制御することができる点を理解するであろう。
【0072】
リレー410を係合させる前に、マイクロコントローラ402は、遅延タイマー421のステータスをチェックする。遅延タイマー421の目的は、所定量の時間が経過するまで連続的な紙の分配事象を防止することである。紙の分配事象後にリレー410が係合解除されると、遅延タイマー421が起動される。遅延タイマー421が起動されている間は、マイクロコントローラ402はリレー410を無効にする。遅延タイマー421は、所定量の時間後に「タイムアウト」するように設計される。このような機能は、カウントダウンタイマー、カウントアップタイマー又はいずれかの他の好適な計時技術を使用して達成することができる。例えば、遅延タイマー421は、起動後10秒で「タイムアウト」するように設定することができる。このような構成では、連続的な紙分配事象は、各10秒毎に一回よりも早く起こることはあり得ない。
【0073】
リレー410を係合させる前に、マイクロコントローラ402は、ドア開放センサ420のステータスをチェックする。ユーザが紙ロール14の交換又はディスペンサー10の別のサービスのためにフロントカバー24を開けると、ドア開放センサ420は、マイクロコントローラ402によって感知されるドア開放信号をアサートする。ドア開放信号を感知すると、マイクロコントローラ402は、リレー410を無効にし、これにより電気モータ408を無効にする。
【0074】
マイクロコントローラ402は、センサ423の出力を監視する。直流電圧センサ423は、直流電源114の出力電圧レベルを監視する。このような電圧レベルが所定量を下回る場合には、マイクロコントローラ402は、直流電源低電圧LED422に電圧信号をアサートする。このような低い信号がアサートされるときには、LED422は発光して、直流電源(おそらくはバッテリー)がコントローラ400に適正な電力を供給していないことをユーザに通知することになる。
【0075】
マイクロコントローラ402はまた、紙低レベルセンサ424を監視する。紙が低レベル状態であることを感知する1つの方法は、紙ロール14上に載る機械式アームを使用して達成可能である。紙ロール14からの紙がディスペンサー10によって分配されると、紙ロール14の寸法が縮小する。最終的にはこのような機械式アームは、紙低レベルセンサ424を起動させ、紙低レベル信号がアサートされることになる。マイクロコントローラ402が紙低レベル信号を検出すると、マイクロコントローラ402は、紙低レベルLED426に対する信号をアサートし、LED426は発光して、供給紙が殆ど使い尽くされていることをユーザに通知する。
【0076】
次に、紙タイプセンサ送信器/受信器406に関して注目する。ユーザが紙ロール14の交換又はディスペンサー10の別のサービスを行うためにフロントカバー24を開けると、ドア開放センサ420は、マイクロコントローラ402によって感知されるドア開放信号をアサートする。次いで、マイクロコントローラ402は、紙タイプセンサ送信器/受信器406に関係付けられた送信器/受信器を起動する。紙タイプセンサ送信器/受信器の1つの利用可能な実施形態は、RFIDベースのセンサである。理想的には、紙ロール14はRFIDスマートタグに関係付けられる。このような構成では、紙タイプセンサ送信器/受信器406は、RFIDスマートタグトリガ信号を送信し、紙ロール14に関係付けられたRFIDスマートタグからの送信をリッスンする。受信されたスマートタグデータの少なくとも一部は、マイクロコントローラ402に関係付けられたメモリー内に格納される。このようなスマートタグデータは、紙タイプ識別情報を含むのが理想的である。このような情報は、マイクロコントローラ402によって、ディスペンサー10内に挿入される紙タイプに基づいて自動的に構成されるディスペンサー10の作動に用いることができる。
【0077】
次に図12を参照すると、ネットワーク可能なディスペンサーネットワークシステム450が示されている。複数のディスペンサー10装置が、インターフェース452を介し、有線又は無線通信リンク454を通じて遠隔コンピュータ456に全て相互接続されて示されている。このような通信技術は、当該技術分野では公知であり、Wi−Fi(ワイヤレス・フィディリティ)及びブルートゥースを含む。
【0078】
インターフェース452は、2つの別の互換性のないシステムを接続し、又は2つの互換性のあるシステム間を簡単に接続できるようにするためのゲートウエイを備えることができる。本明細書で使用するゲートウエイは、2つの別の互換性のないシステムを接続するか、又は2つの互換性のあるシステム間を簡単に接続可能にする電子装置である。インターフェース452はまた、遠隔コンピュータ456内に組み込まれてもよい。
【0079】
このような構成では、TCP/IPプロトコルスーツは、通信リンク454に接続された遠隔コンピュータとディスペンサー10装置との間にゲートウエイを形成するインターフェース452に組み込むことができ、理想的にはこのような装置への連続的なリモートアクセスを可能にする。ゲートウエイは、複数のディスペンサー10装置からデータをアクセスするため、及び個々のディスペンサー10装置にデータを送信するためのHTTPサーバを組み込むことができる。
【0080】
上述のシステム10の構成では、通信リンク460は、所定のプロトコル(TCP/IPは1つの実施例)に従って動作する第1のネットワーク(インターネットなど)へのアクセスを提供する。複数のディスペンサー10装置は、LANなどの第2のネットワークを備えることができる。ゲートウエイ(インターフェース452)は、第1のネットワークを第2のネットワークに作動可能に結合する。最終的には、HTTPサーバは、ゲートウエイか又は複数のディスペンサー装置のいずれかに埋め込まれて、2つのネットワーク間のデータ伝送を容易にする。このような構成では、当業者であれば、個々のディスペンサー10装置又はディスペンサー10装置のグループが、このような装置があたかもウェブサイトにあるようにアクセスでき、これらの情報をウェブブラウザ上で表示することができることを理解するであろう。このような技術は、電子計測器と通信するシステムにおいて使用するための米国特許第6,363,057号においてArdalan他により十分に開示されており、該特許は本明細書において引用により全体が組み込まれる。
【0081】
次に、ディスペンサー10を制御するための例示的アルゴリズムを考察する。このようなアルゴリズムは、紙分配ルーチン、ディスペンサーステータスチェックルーチン及び紙ルーチンを含む。理想的には、こうしたアルゴリズムは、プログラミングコード形態で、プロセッサ66又はマイクロコントローラ402と関係付けられた不揮発性メモリー内に記憶されることになる。しかしながら、以下ではプロセッサ66は、開示されるアルゴリズムを実行するものとして説明する。通常、ディスペンサー10に電源が入るか又はリセットされると、必要なスタートアップルーチンの実行後、プロセッサ66は、必要に応じてこのようなプログラミングコードにアクセスして実行する。しかしながら、このようなプログラミングコードは、ディスペンサー10に関係付けられたどのようなプロセッサによっても実行可能であることを理解されたい。
【0082】
次に図9を参照すると、例示的な紙分配ルーチンのハイレベルブロック図が提示される。ステップ500は、紙分配ルーチンへの入口を示す。ステップ502で、ディスペンサー10のステータスが、後で詳細に説明する例示的なディスペンサーステータスチェックルーチンを実行することによってチェックされる。概略的に云えば、ディスペンサーステータスチェックルーチンは、ディスペンサー10に関係付けられた種々のセンサの状態を評価し、ディスペンサー10が紙を分配する準備ができていない場合にはステータス・オフ・ラインフラグを「セット」し、又はディスペンサー10が紙を分配する準備ができている場合には該ステータス・オフ・ラインフラグを「リセット」する。ステップ504で、ステータス・オフ・ラインフラグの値を検査する。ステータス・オフ・ラインフラグがセットされている場合には、ディスペンサー10は紙を分配する準備ができておらず、プログラムの制御はステップ502に戻り、ディスペンサーステータスチェックルーチンを再び実行する。このループは、ディスペンサー10が紙を分配する準備ができていることをディスペンサーステータスチェックルーチンが判断し、ステータス・オフ・ラインフラグをリセットするまで続くことになる。
【0083】
ステップ504で、ステータス・オフ・ラインフラグがセットされていない(すなわち、ステータス・オフ・ラインフラグが既にリセットされている)ことをプロセッサ66が判断した場合には、プログラム制御はステップ506に進み、そこで、プロセッサ66が、紙が分配されるべきであることを示す信号をチェックする。開示された例示的な実施形態では、プロセッサ66は、所定のパターンを有する受信IR信号をチェックする。適切なIR信号が受信された場合には、回転カウンタが初期化され(ステップ510)、プログラムの制御はステップ512に進み、そこで電気モータ52が起動される。電気モータ52が回転すると、紙タオルロール14が回転し、回転カウンタが増分される。ステップ514で、プロセッサ66は、回転カウンタ値を評価して、所望の回転数が記録されたか否かを判断する。所望の回転カウンタ値が未だ記録されていない場合には、任意選択の「ウオッチドッグ」プロセスを実行することができる(ステップ516)。
【0084】
「ウオッチドッグ」プロセスは、単に、無限ループを防止するように設計されたプロセスに過ぎない。例えば、電気モータ52が機能不全を生じた場合には、電気モータ52は回転しないので所要の回転カウンタ値には到達しない。このような状況でウオッチドッグプロセスがない場合、プロセッサ66は、連続して回転カウンタ値をチェックする無限ループに陥ることになる。電気モータ52がこのような状況の間に電力を消費している場合には、不必要な電力消費が存在し(特にバッテリー駆動の実施形態では望ましくない)、電気モータ52を制御する電気構成部品は、不必要なストレスを受けて製品寿命が短くなる。例示的なウオッチドッグプロセスは、紙の移動のチェックと経過時間の監視を含むことができる。エラー状態が検出される場合、ウオッチドッグプロセスは、モータ駆動回路を無効にしてエラー状態を記録するのが理想的であろう。
【0085】
ステップ516の後、プログラムの制御はステップ514に戻り、プロセッサ66が再び回転カウンタ値のステータスを評価する。所望の回転カウンタ値が記録されていた場合には、プログラムの制御はステップ518に進み、そこで電気モータ52への電力が中断され、遅延フラグがセットされ、遅延カウンタが初期化されて、ステータス・オフ・ラインフラグがセットされる。次いで、プログラムの制御はステップ502に戻り、ディスペンサーステータスチェックルーチンを実行する。
【0086】
ここで図10を参照すると、ステップ530は、例示的なディスペンサーステータスチェックルーチンへの入口を示す。このルーチンに入ると、遅延フラグのステータスが、チェックされる(ステップ532)。遅延フラグがセットされた場合には、プログラムの制御は、ステップ534に進み、遅延カウンタ値が検査される(ステップ536)。所定の遅延カウンタ値に到達していた場合には、遅延フラグがリセットされて(ステップ540)、プログラムの制御は、ステップ542に進む。しかしながら、この所定の遅延カウンタ値に到達していなかった場合には、遅延カウンタ値の情報が提供されて(ステップ538)、プログラムの制御は、ステップ534に戻る。このような遅延カウンタ値は、カウントダウンタイマー、カウントアップタイマー、経過時間モニタ、又は経過時間の監視に好適なあらゆる他のプロセスとすることができる。遅延カウンタ値の情報を提供する例示的な方法は、カウンタ値の増分、カウンタ値の減分、及び時間値の更新を含む。
【0087】
ステップ532に戻ると、遅延フラグがセットされていない場合には、プログラムの制御はステップ542に進み、紙センサのステータスが検査される。このような紙センサは、理想的にはディスペンサー10の紙が切れる時点を判定する。ディスペンサー10内での供給紙が使い尽くされたことを紙センサが示す場合には、ステータス・オフ・ラインフラグがセットされ、プログラムの制御は、呼出ルーチン(すなわち、紙分配ルーチン)に戻る。ステップ544で、ディスペンサー10内での供給紙が使い尽くされていないことを紙センサが示す場合には、プログラムの制御はステップ548に進む。
【0088】
ステップ548で、ドアセンサが評価される。このようなドアセンサは、ディスペンサー10のアクセス手段(フロントカバー24など)が開けられた(おそらくはディスペンサーをサービスするため)時点を判定するのが理想的である。監視されるアクセスポイントが開いたことをドアセンサが示す場合には、ステータス・オフ・ラインフラグがセットされ、紙ルーチン(本明細書で説明される)を実行する。プログラムの制御が紙ルーチンから戻ると、プログラムの制御は、呼出ルーチン(すなわち紙分配ルーチン)に戻る。
【0089】
ステップ550に戻ると、監視されるアクセスポイントが開いていないことをドアセンサが示す場合には、プログラムの制御はステップ554に進む。ステップ554では、ステータス・オフ・ラインフラグがリセットされる(すなわち、ディスペンサー10は紙を分配する準備ができている)。任意選択的に、検出及び警報ルーチン(開示せず)をこの時点で実行することができる。このようなルーチンは、バッテリー低レベル、紙低レベル等のような警報センサのステータスをチェックして、必要時に警報(LED点灯又は遠隔デバイスへの信号/メッセージの送信)を発することになる。ステータス・オフ・ラインフラグをリセットした後に、プログラムの制御は紙分配ルーチンに戻る。
【0090】
ここで図11を参照すると、ステップス580は、例示的な紙ルーチンへの入口を示す。紙ルーチンの一般的な目的は、ディスペンサー10内に挿入された紙のタイプを自動的に検出して、検出された紙タイプに関係付けられた所定の紙分配パラメータに従ってディスペンサー10を自動的に構成することである。このような分配パラメータは、分配されるべき紙の長さ及び/又は連続する紙分配事象間の遅延を含むことができる。ステップ582で、プロセッサ66は、紙タイプセンサの送信器及び受信器を起動して、紙情報をリッスンする(ステップ584)。例えば、紙タイプセンサがRFIDベースのセンサである場合には、RFIDトリガ信号が送信され、RFIDスマートタグ送信を起動し、受信回路がこのスマートタグの送信をリッスンする。
【0091】
このような送信は、ディスペンサー10内に挿入された紙のタイプに関係付けられた紙情報を含むのが理想的である。上述のように、このような紙情報を用いて、例えば、分配されるべき紙の長さ及び分配事象間の遅延を求めることができる。従って紙情報は、2つのカウンタ値、すなわち回転カウンタ値(ステップ512)と遅延カウンタ値(ステップ534)とを含むことができる。或いは、このような紙情報は、プロセッサ66に関係付けられたメモリーから適切な紙タイプ情報を検索/アクセスするのに使用される単純なコードであってもよい。ステップ586で、有効な紙情報を受信したとプロセッサ66が判断した場合には、受信した紙タイプ情報と一致する紙タイプ値が設定される。更にPVRフラグが設定される(PVR−Paper Value Received)。PVRフラグは、有効な紙情報の受信を記録するのに使用される。
【0092】
ステップ586に戻ると、有効でない紙情報を受信したとプロセッサ66が判断した場合には、ドアセンサのステータスが、ステップ548(図10)で行われたのと同一又は類似の方法でチェックされる(ステップ590)。アクセスポイントが閉じられていないことをドアセンサが示す場合には、プログラムの制御は、ステップ584にジャンプして戻る。しかしながら、アクセスポイントが閉じられていることをドアセンサが示す場合には、プログラムの制御は、ステップ594に進み、PVRフラグのステータスがチェックされる。
【0093】
PVRフラグが設定されている場合には、プログラムの制御はステップ598に進む。ステップ598では、紙タイプセンサの送信器/受信器を起動解除することができ、プログラムの制御は、呼出ルーチン、この場合はディスペンサーステータスチェックルーチンに戻る。
【0094】
しかしながら、ステップ594で、PVRフラグが設定されていない場合には、プログラムの制御はステップ595に進む。ステップ595では、紙センサが、ステップ542(図10)におけるのと同一又は類似の方法でチェックされる。ディスペンサー10内に紙が存在することを紙センサが示す場合には、未知の紙のタイプがディスペンサー10内に挿入されたと考えられる。このような状況下では、紙タイプ値はデフォルト値に設定される(ステップ597)。このようなデフォルト値は、単に前回の紙タイプ値(すなわち値は変わらない)であってもよく、又は、未知の紙タイプに特別に使用される所定の値であってもよい。次に、ステップ598で、紙タイプセンサの送信器/受信器を起動解除することができ、プログラムの制御は呼出ルーチンに戻る。しかしながら、ステップ595で、ディスペンサー10内に紙が存在しないことを紙センサが示す場合には、ステータス・オフ・ラインフラグが設定され、プログラムの制御は、ステップ598に進む。
【0095】
本発明を、電気モータを用いてシート材料を自動的に分配するディスペンサーに関して上記に説明してきたが、本ディスペンサーは、シート材料のロールからシート材料を引き出すためにマニュアル動作のレバー又は同様のものを含むことができることが理解されるであろう。レバーを備えたマニュアル動作のディスペンサーでは、コントローラは、例えば、行うことのできる操作の回数又は各操作の範囲(図示せず)のようなレバーの動作を制限するように配置されるであろう。
【0096】
本発明によるディスペンサーの利点は、分配されるシート材料の長さを自動的に制御する点である。従って、分配されるシート材料の長さの変更を行うために、オペレータがディスペンサーを調節する必要がない。更に、本ディスペンサーは、自動的に、吸収力のより大きな製品は相対的に短く分配し、吸収力のより小さな製品は相対的に長く分配することができる点で効率的である。また、本ディスペンサーは、通常廉価でより吸収力の弱いシート材料である認識されない製品の装填を検出し、より長いシートが分配されるようにデフォルト値を設定する。このようにして、本ディスペンサーは、より高い吸収力又はより低い吸収力のシート材料製品が分配されるかを問わず、手を乾燥させる事象毎に単一のシートを使用する点でユーザに満足を提供するために単一のシートを分配する。
【0097】
本発明の本ディスペンサーは、紙タオルなどの1つのタイプのシート材料の分配に限定されるものではない点を理解されたい。逆に、本ディスペンサーはまた、限定の目的ではないが、化粧シート、トイレットペーパーシート、拭き材、及びその他などの種々の他のタイプのシート材料の分配に使用することができる。
【0098】
図面の図13A及び図13Bは、折り畳み紙タオル、折り畳みトイレットペーパー、折り畳み化粧紙、及びその他などの折り畳みシート材料を分配するためのディスペンサー1000を示す。図13Aは、ディスペンサー1000の正面図であり、図13Bはその側面図である。ディスペンサーセンサユニット(DSU)1014は、ディスペンサー1000の内部側壁1012によって保持される。DSU1014は、ディスペンサー1000の補給が必要となる時点を検出するのに使用することができる。DSU1014は、赤外線センサ1016を使用して、紙スタックが低レベル給紙点1020を下回る時点を検出する。細い赤外光ビームが、エミッタ1021から送り出され、隣接する検出器1023によって受信される。紙スタックの上端が赤外センサ1016より上に位置するときには、検出器1023は赤外光を受信しない。紙スタックの上端が赤外センサ1016より下に位置するときには、エミッタ1021からの赤外光は検出器1023に見える。
【0099】
DSU1014は、種々の製品低レベル位置に対応するようにディスペンサー1000内の様々な位置に取り付けることができる。しかしながら、静電容量式、超音波式、及び/又は機械式レバーなどの他の位置検出機構を本発明の範囲内で使用可能であることは理解されるであろう。静電容量式近接センサは、紙及び非金属物体並びに金属性物体を感知できる静電場を発生する。超音波式近接センサは、変換器を使用して高周波音波信号を送受信する。紙がセンサに近接して存在するときには、反射された音波はより短い経路を有する。機械式レバーは、電気スイッチに直接又は間接的に取り付けることができる。レバーが紙スタックに接触するときには、紙の残存量が許容可能であることを示し、レバーが紙スタックに接触しないときには、DSU1014は、紙のレベルが低いことを示す。更にDSU1014は、上記で説明した赤外センサ1016とは異なるように構成された赤外線センサを使用することができる。
【0100】
図14は、1つの例示的な実施形態によるDSU1014の内部構成を示す。DSU1014は、プロセッサ1022を含む。プロセッサ1022は、有線又は無線のいずれかによってDSU1014が外部から通信することができる通信用電子機器1024に接続される。通信用電子機器1024は、送信器又はトランシーバのいずれかを含むことができる。加えて、特定の例示的な実施形態によれば双方向通信を利用することができる。無線通信は、限定ではないがFCC Part15の要件に準拠した2.4GHz又は915MHzのIEEE802.15.4を含む、1つ又はそれ以上のライセンス免除規格に基づくことができる。有線装置は、限定ではないが、EIA RS485を含む電気バス規格に基づくことができる。
【0101】
DSU1014は、電力を供給するためのバッテリー1026を含むことができ、更に、バッテリー取替えが必要な時点を判断するためにバッテリー1026を監視するバッテリーレベルセンサ1028を含むことができる。バッテリーレベルセンサ1028は、単純な電圧基準の形態を取ることができる。或いは、DSU1014は、適切な外部電源によって給電することができ、或いは、有線構成の場合には、DSU1014は、通信バスから給電することができる。DSU1014は、プロセッサ1022と通信する赤外線送信器1030及び赤外線受信器1032を含むことができる。赤外線送信器1030及び赤外線受信器1032は、実際には赤外線トランシーバを構成する。DSU1014は、固有識別器1034を含むことができる。固有識別器1034は、各特定のDSU1014の位置特定するためにシステム全体内部で使用される。プロセッサ1022は、当業者には公知の起動タイマー1036を介して間欠的に起動することができる。
【0102】
DSU1014の例示的な実施形態の動作を図面の図15に示す。プロセッサ1022は、DSU1014の内部でプリント基板上に埋め込まれるチップセット内に記憶されたアルゴリズムを含み、該アルゴリズムは、DSU1014の種々の要素に対するデータを制御及び処理するのに使用される。DSU1014は通常、バッテリー電力を節約するために低電力状態にある。赤外線送信器1030は、指定時間の間有効にされ、赤外線受信器1032からの受信信号がチェックされる。
【0103】
赤外線受信器1032が赤外線送信器1030からの赤外線を検出した場合には、給紙低レベルフラグが生成される。赤外線有効期間の終端時に、赤外線送信器1030が無効にされる。赤外線受信器1032が赤外線送信器1030からの赤外光を検出しない場合には、給紙低レベルフラグはリセットされる。次いで、給紙低レベルフラグのステータスは、通信機器を使用して送信される。バッテリー1026レベルはまた、各DSU1014の起動後にチェックされる。バッテリー1026レベルが低い場合には、このステータスは、通信機器を使用して送信される。起動サイクル終了後、DSU1014は、低電力状態に置かれ、再度起動タイマーがプロセッサ1022を起動するのを待機する。
【0104】
図16は、複数のDSU1014、データ通信ユニット(DCU)1038及び洗面所監視ステーション(WMS)1040を含むシステムの概略図である。一意に識別されるDCU1038は、種々のタイプの洗面所ディスペンサー内に配置することができる。ディスペンサーは、第1の洗面所1042及び第2の洗面所1044内に配置される。図16に示す6つのDSU1014の各々は、一対のDCU1038のいずれか1つと通信する。通常、1つの洗面所1042、1044内のDSU1014は、同じDCUと通信する。しかしながら、本構成は、特に無線通信においてはDCU1038のDSU1014に対する近接度に依存する場合がある点を理解されたい。他の構成では、1つの洗面所が1つ又はそれ以上のDCU1038全体に及ぶことができるようにすることも可能である。或いは、幾つかの洗面所が種々の例示的な実施形態による単一のDCU1038と通信状態にあるものとすることができる。
【0105】
DCU1038は、当業者には一般に知られている標準通信メカニズムを用いて相互通信することができる。本システムは、洗面所監視ステーション(WMS)1040から監視することができる。WMS1040は、DCU1038と通信状態にある。WMS1040は、限定ではないが、製品低レベルステータス、バッテリー1026ステータス、及び通信の完全性を含む、各DSU1014及びDCU1038のステータスに関する情報を表示する。WMS1040は、限定ではないが、レポート出力及び種々のフォーマットでのデータエクスポートを含む機能を備えた、パーソナルコンピュータ(PC)上で実行される専用アプリケーションとすることができる。WMS1040はまた、システム内の各DCU1038がシステム内のDSU1014及びDCU1038に関する情報が含まれるウェブページを提供するウェブブラウザを実行するPC関連をベースとすることができる。加えて、WMS1040の機能の全て又は一部は、専用表示ユニット内に含めてもよい。
【0106】
図面の図17は、DCU1038の内部構成の1つの例示的な実施形態を示す。DCU1038の電子機器は、適切な電源1048から給電することができる。DCU1038は、3つの通信要素に接続されたプロセッサ1050を含む。プロセッサ1050は、本実施形態ではDSU1014内でプリント基板上に埋め込まれるチップセット内に記憶され、且つDSU1014の種々の要素に対するデータを制御及び処理するのに使用されるアルゴリズムを含む。第1の通信要素1046は、DSU1014との通信専用である。通信要素1046は、有線及び無線機能を備えるトランシーバである。通信要素1046に採用される規格は、DSU1014通信と適合する。
【0107】
第2の通信要素1052は、別のDSU1038及びWMS1040との通信専用とすることができる。第2の通信要素1052は、限定ではないが、IEEE802.3i(Ethernet 10BaseT)及びIEEE802.11b(11MHz WiFi)を含む1つ又はそれ以上の規格に基づく。このようにして、DCU1038は、標準ネットワーク技術を使用して接続することができる。DCU1038通信は、TCP/IPなどの好適なネットワークプロトコルを介して実行される。これにより、HTTPウェブサーバを各DCU1038内に組み込むことができ、ウェブページをネットワーク上に位置するウェブブラウザに提供することができるようになる。DCU1038は、標準RJ45ソケットを介してローカルエリアネットワーク(LAN)に接続することができる。ウェブブラウザを使用すると、ユーザは、DCU1038内に含まれる情報を通じて移動することができる。許可されたユーザだけがDCU1038内の情報にアクセスできることを保証するために、パスワード保護をウェブサーバ内に実装することができる。ユーザがDCU内の情報にアクセスすることができる位置に関する柔軟性を許容するために、PDAを用いることができる。
【0108】
第3の通信要素1054は、DCU1038を構成可能な通信専用とすることができる。第3の通信要素1054は、限定ではないが、EIA RS232を含む1つ又はそれ以上の規格に基づく。DCU1038の通信要素1054は、動作用に構成することができる。不揮発性メモリー1056は、構成情報を記憶するのに使用され、DCU1038が電源オフの間に構成及び他の有用な情報を保持するようにする。DCU1038は、該DCU1038を位置付け且つ識別することができるように固有識別器1058を有する。
【0109】
図面の図18Aは、自動ロールタオルディスペンサー1060を示す。しかしながら、折り畳み製品、又は、オムツ及び女性用品などの個々に積み重ねられた製品などの種々の他のタイプのディスペンサーを本発明の別の例示的な実施形態に従って使用できる点を理解されたい。例えば、2003年12月31日に出願され表題が「Dispenser with Electronic Sensing Device to Control Delivered Sheet Length(供給されるシート長さを制御するために電子感知装置を備えたディスペンサー)」である同時係属中で且つ同一出願人の米国特許出願番号10/750,238に記載されたディスペンサーを用いることもできる。米国特許出願番号10/750,238は、引用により全体が本明細書に組み込まれる。
【0110】
図18Aに戻り参照すると、枢動部1064上に配置された機械式レバー1062を用いて、製品低レベル状態に至った時点を判定することができる。完全な紙ロール1068がディスペンサー1060内に置かれたときには、レバー1062は、その最も遠い程度に達する。枢動部1064の近くに配置されたマイクロスイッチ1066又は他の適切な装置を用いて、信号をディスペンサーセンサユニット(DSU)1014に配線接続又は無線のいずれかを介して送信することができる。限定ではないが、アナログ装置のような当該技術分野で一般的に知られている別の装置を用いて、「燃料ゲージ」として機能するように紙ロール1068サイズのフルレンジを感知することができる。この事例においては、製品残量は、10%、20%、30%等のように報告することができる。回転センサ又は赤外線センサのような当該技術分野で一般的に知られているどのようなセンサを使用してもよい。完全な紙ロール1068サイズを感知するのに使用可能な装置の別の実施例は可変抵抗器である。レバー1062が、マイクロスイッチ1066が入る地点に達すると、DSU1014は、製品低レベル状態の信号を送ることができる。しかしながら、上記で説明した赤外線法のような、製品低レベル状態を感知する他の機構を使用してもよい点を理解されたい。加えて、DSU1014は、特定の実施形態では電気構成部品だけを含むことができるが、代替的に別の実施形態では、マイクロスイッチ1066、枢動部1064及びレバー1062などの電気構成部品及び機械構成部品の両方を含むことができる。
【0111】
図33は、図18A及び図18Bの紙ロール1068の代わりに紙スタックが使用されるディスペンサー1000を示す。機械式レバー1062は、枢動部1064上に配置することができ、図18A及び図18Bと同様の方法で製品低レベル状態に達した時点を判定するのに用いることができる。しかしながらこの場合は、機械式レバー1062が紙スタック1018の上端部分に接触する。
【0112】
全体として図18Aに戻り参照すると、別の例示的な実施形態によれば、本システムはまた、製品ディスペンサーの広い範囲に対して製品の使用量を信号で送ることができる。これは、米国特許第6,360,181号及び第6,411,920号において詳細に記載されており、該特許は引用により全体が本明細書に組み込まれる。紙が自動的に分配されるときには、ピンチローラー1070の1つに取り付けられた回転センサ1072が紙の分配される量を測定する。製品が分配された後、ピンチローラー1070を通過した紙の長さが、DCU1038に信号で送られる。回転センサ1072は、ロータリーエンコーダ型とすることができ、その出力はDSU1014に接続される。しかしながら、移動マグネットとリードスイッチの組合せ、光エンコーダ、又はスロット付きホイールを備えるフォトインタラプタのような回転運動を検出可能な他の何らかのセンサタイプを本発明と共に使用することができる点を理解されたい。それぞれのディスペンサー及び関係する製品から収集された製品の使用量に関する情報は、WMS1040を介して処理及び報告することができる。製品低レベル状態を検出する機能は、製品在庫の補充方法を提供する。本システムは、データベースを介して、それぞれのディスペンサー及び関係する製品についての低供給レベルが警報された回数の記録を保持する。ユーザは、それぞれのディスペンサーについて製品タイプを手動で入力することを担う場合がある。現在の在庫の記録、次いで自動的な再発注、及び消費された製品の量に対する顧客への請求の方法は、本発明の別の態様として提供される。
【0113】
別の例示的な実施形態によれば、DSU1014は、ディスペンサー1060の製品認識部分と直接又は間接的にインターフェースで接続することによって、使用中の製品のタイプを判定することができる。図18Bを参照すると、ディスペンサー1060内の紙ロール1068の位置が示される。紙ロール1068は、ディスペンサー1060の側壁に取り付けられた2つのスプリングアーム1074間に懸架される。RFIDリーダー1076は、スプリングアーム1074の一方に配置され、DSU1014と通信状態にある。紙ロール1068内に埋め込まれているのは、RFIDリーダー1076に隣接して位置付けられたRFIDタグ1078である。
【0114】
RFIDタグ1078は、紙ロール1068のタイプに関する情報を含む。使用中、DSU1014は、RFIDタグ1078の内容を読み取り、製品のタイプ情報をDCU1038に信号で送る。RFIDタグ1078が発見されない場合、又は認識されないRFIDタグ1078が識別された場合には、このステータスはDCU1038に信号で送られる。「識別された紙」が使用される場合には、DCU1038は、製品低レベル報告機能を有効にするオプションを有する。RFID技術は、当業者には公知であり且つ理解されるので、その詳細な説明は、本発明を説明する目的において必ずしも必要ではない。更に本発明は、別の機構を用いて製品を識別する例示的な実施形態を含むことを理解されたい。例えば、バーコードリーダー、或いは、ラベル、ロゴ、磁気ストリップ、「スマート」タグ、ホログラム又はルミネッセンス/蛍光などの別の識別機構を別の例示的な実施形態に従って使用してもよい。DSU1014は、RFIDリーダー1076又はバーコードリーダー又は別の機構を含むことができ、或いは、RFIDリーダー1076又はバーコードリーダー又は別の機構は、DSU1014から分離され、該DSU1014と通信する構成部品とすることができる。
【0115】
DSU1014は、DSU1014に関係付けられた電子機器及びソフトウエアがディスペンサー1060の電子機器内に内蔵又は包含されるという点で直接接続を利用することができる。或いは、ディジタル入力と出力、又はシリアルデータリンクのような、DSU1014とディスペンサー1060電子機器との間に別個の電気的経路が形成されるように間接接続を用いても良い。
【0116】
図18Aを参照しながら別の例示的な実施形態では、DSU1014は、製品低レベル検出機構及び製品使用量検出機構と連動して、紙詰まり又は目詰まりを信号で送ることができる。紙を分配するための機構が起動されると、この動作は、上述及び米国特許出願シリアル番号10/750,238に記載されているように、ディスペンサーの紙起動センサに直接に又は間接的にインターフェースで接続することによってDSU1014により検出することができる。紙が分配されず且つ紙ロール1068上に紙が残存していることをDSU1014が検出した場合には、紙詰まりをDCU1038に信号で送ることができる。この信号を用いて、ディスペンサー1060をサービスする必要があることを示すことができる。
【0117】
図面の図19A及び19Bは、自動ロールタオルディスペンサー1060について上述したものと類似するが、米国特許第6,209,752号に記載されたような自動石鹸ディスペンサー1088に関係する実施形態を示しており、該特許は引用により全体が本明細書に組み込まれる。石鹸は、石鹸ディスペンサー機構1084により石鹸補給カートリッジ1082から洗剤ノズル1086を出て自動的に分配することができる。この実施形態では、DSU1014はまた、石鹸補給カートリッジ1082内の石鹸の存在を検出するための静電容量式近接センサ1080を含む。
【0118】
静電容量式近接センサ1080は、石鹸補給カートリッジ1082の満量時と部分的に空いているときの絶縁耐力の差を用いて、製品低レベル状態を判定する。赤外線センサ、機械式レバー、及び機械式歪みゲージなどの製品の存在を検出することができる別のセンサのタイプが適切であり、自動又はマニュアル石鹸ディスペンサー1088、或いは別のディスペンサー1060に使用することができる。近接センサ1080は、石鹸が事前に設定された低レベル点に達した時点を検出できるように、ディスペンサー1088内にある地点に位置付けられる。使用中、DSU1014は、周期的に近接センサ1080をチェックし、製品低レベル状態が存在するときに予め定義された地点でDCU1038に信号を送る。別の実施形態では、DSU1014は、石鹸の分配動作を担う電子機器に直接又は間接的にインターフェースで接続する。次にDSU1014は、DCU1038に製品の使用量を信号で送ることができる。荷重による使用量又は射出量の決定に用いることができる液体製品ディスペンサーの一例は、米国特許第6,411,920号に見出され、該特許は引用により全体が本明細書に組み込まれる。
【0119】
別の実施形態では、DSU1014は、石鹸補給カートリッジ1082を保持するディスペンサー1088の一部に接近して位置付けられたRFIDリーダー又はスキャナ1076を含む。石鹸補給カートリッジ1082は、RFIDタグ1078の形態の識別符号をRFIDリーダー1076がRFIDタグ1078を読み取ることができる位置において保持する。RFIDタグ1078は、石鹸補給カートリッジ1082内に含まれる石鹸製品のタイプに関係する情報を含む。使用中、DSU1014は、RFIDタグ1078の内容を読み取り、この情報をDCU1038に信号で送る。タグが発見できなかった場合又は認識されないRFIDタグ1078が識別された場合には、このステータスはまた、DCU1038に送信される。DCU1038は、「認識されない石鹸」が使用される場合には、製品低レベル報告機能を無効にするオプションを有する。
【0120】
他の種々の例示的な実施形態はまた、本システムが製品を認識できない場合には、製品低レベル表示機能又は別のより高レベルの機能を有効可能にする能力を有する。本システムは、製品が認識されない場合でも該製品を分配することができる。しかしながら本システムは、認識されない製品が検出された場合には、ディスペンサーへの損傷を防止し、又は超過又は過少分配を防止するために一時的に無効にすることができる。本システムは、デフォルト設定値を利用して十分な量の認識されない製品を確実に分配することができるので、認識されない製品を「締め出す」必要はない。この機能は、限定ではないが、折り畳み紙、オムツ、女性用品及び同様のものなどの他の製品形式に適用することができる。
【0121】
製品低レベルの検出能力及び製品タイプの検出能力は共に、製品在庫の補給方法を提供する。本システムは、データベースを介して、識別された製品の低供給レベルが警報された回数の記録を保持することができる。現在の在庫を記録し、次いで自動的に再発注して、消費された製品の量について顧客に請求する方法が、本発明の別の態様として提供される。図30は、製品消費及び自動再発注機構のシーケンス図を示す。製品消費プロセス及び自動再発注プロセスを共通の在庫データベース上で動作する2つの別個のプロセスとして示している。このデータベースは、WMS1040上に保持することができ、或いは中央位置にあるデータベース上に保持してもよい。
【0122】
図30の製品消費図は、製品低レベル警報のためのWMS1040のチェックを示している。警報は、製品識別機能により指定された製品タイプに関係付けられる。警報が報知されると、在庫データベース内の製品は減分される。データベースがWMS1040上でホストされる場合には、データベースの減分は、ローカルで実施することができる。データベースが、リモートでホストされる場合には、インターネットを介してデータベースにメッセージを送信することによってデータベースを減分することができる。警報がキャンセルされる場合には、プロセスは新しい警報を探す段階に戻る。
【0123】
図30の自動製品再発注図は、在庫レベルを更新する製品送出を示す。次に、在庫レベルは、事前に定義された最小値を下回るまでチェックされる。次いで、製品が自動的に再発注される。このプロセスは、データベース動作全体の一部とすることができる。データベースがWMS1040上でホストされる場合には、再発注は、電子メール又はこのような他の方法で実施することができる。データベースが、中央でホストされる場合には、再発注は、製品在庫管理プロセス全体に組み込むことができる。
【0124】
図面の図20を参照すると、システムの動作の例示的な実施形態が示される。図20は、2つの同一の洗面所、すなわち第1の洗面所1042と第2の洗面所1044を示す。第1の洗面所1042は、第1のタオルディスペンサー1090、第1のティシュディスペンサー1092、及び第1の石鹸ディスペンサー1094が取付られている。第2の洗面所1044は、第2のタオルディスペンサー1096、第2のティシュディスペンサー1098、及び第2の石鹸ディスペンサー1100が取付られている。各ディスペンサーは、ディスペンサーセンサユニット(DSU)1014が取付られ、全てが、同一基本仕様の製品低レベル検出機構、無線送信器、及びバッテリーレベルセンサ1028を備えるバッテリー1026を有する。送信器は、902MHzから920MHzまでのFM周波数帯域において最大出力1mWで動作する。
【0125】
各洗面所1042及び1044のDSU1014は、別個のDCU1102及び1104に送信する。各DCU1102及び1104は、対応する無線受信器を有する。図20は、その一部分がWMS1040を含む施設管理スーツを示す。WMS1040、並びにDCU1102及び1104は、スイッチデバイス又はハブ1108を通じて10BaseT Ethenetにより通信する。WMS1040はまた、標準電話回線網1110に接続され、清掃員又はメンテナンス作業員が保持する携帯電話1112に対して関連の警報を行うことができる。
【0126】
この実施形態では、DCU1102及び1104の機能は、DSU1090、1092、1094、1096、1098及び1100からの信号を受信して、該信号を処理することである。各DCU1102及び1104は、製品低レベル、バッテリー低レベル、又は他の障害を示す警報をWMS1040に中継する。加えて、各DCU1102及び1104はウェブサーバを含み、これにより情報はネットワークに接続されたコンピュータ1106上で実行されるウェブブラウザから閲覧することができる。ネットワークがインターネットに接続される場合には、情報はリモートで閲覧することができる。
【0127】
図20に示す例示的な実施形態では、WMS1040の機能は、この構成においてDSU1090、1092、1094、1096、1098及び1100から警報を受信して処理することである。警報は、WMS1040によって表示され、音声で報知することができる。更に、警報の一部又は全ては、携帯電話1112に送信することができる。携帯電話1112への好ましい報知方法は、ほとんどの携帯電話サービスプロバイザから通常利用可能な機能であるショートメッセージサービス(SMS)を介したものである。しかしながら、本システムは、この報知方法に限定されず、電子メール、無線ページング、及び電話による音声警報を介した警報を含むことができる。
【0128】
図20の通信は、DSU1090、1092、1094、1096、1098及び1100又はこれらと関係付けられたディスペンサーをPC及びウェブブラウザ1106、DCU1102、1104、WMS1040、又は携帯電話1112によって再プログラム又は制御することができる点において、双方向性とすることができる。種々のディスペンサー1000、1060又は1088内に含まれる電気制御回路又はモータは、上述の構成部品と通信状態にすることができ、その結果、ディスペンサーから分配されるシート材料又は石鹸の量をリモートで制御することができるようになる。例えば、ユーザは、WMS1040を介してディスペンサー1088内でモータが作動する時間量を調節することができ、従って、ディスペンサー1088が様々な量で分配できるようにする。双方向制御は、清掃員又はメンテナンス作業員が実際に洗面所を訪れることなくこの調節がリモートで実施される点で有利とすることができる。
【0129】
種々の例示的な実施形態によれば、WMS1040は、DCU1038が存在する必要無しにDSU1014と直接通信することができる点を理解されたい。
【0130】
図21−図26の図面は、洗面所ユーザ、システム構成部品、及び清掃員の職務間の活動及び事象の特定のセットを示すシーケンス図である。図21は、製品低レベル警報及び再補給シーケンスを示す。清掃員又はメンテナンス作業員は、WMS1040からシステム内のディスペンサーのステータスを周期的にチェックし、製品低レベル警報が発生すると、ディスペンサーを再補給する措置を講じる。図22は、WMS1040を周期的にチェックする必要がないように清掃員又はメンテナンス作業員が保持する携帯電話1112に対し警報を行うこと以外は、図21と同様の線図である。
【0131】
図23は、ディスペンサーバッテリー低レベル警報の後の清掃員又はメンテナンス作業員によるバッテリー1026の交換を示す。図24は、DSU1014の通信障害及びそれに続く警報を示す。DCU1038がDSU1014からの製品ステータス信号を受信するので、この障害はDCU1038によって検出される。これらのステータス信号が存在しなくなると、所定の時間期間の後で警報が生成される。この警報は、システムがサービスされた後でクリアされる。
【0132】
図25は、識別される製品が使用される場合の製品識別機能を組み込むDSU1014を示す。この事例では、製品低レベルステータスのような高度な機能を起動させることができる。図26は、認識されない製品が使用される場合の製品識別機能を備えたDSU1014を示す。この事例では、ユーザがディスペンサーのステータスを監視することができる高度な機能は無効にされている。しかしながら、ディスペンサーはそれでも尚、認識された製品を分配するように構成されていることになる。
【0133】
図19A及び図19Bを参照しながら、ディスペンサーパラメータの制御の実施形態をここで説明する。ディスペンサーパラメータは、限定ではないが、石鹸ディスペンサー又は消臭剤ディスペンサーの射出量、タオル又はティッシュディスペンサーのシート長、時間遅延、光感受性、及び音量として定義することができる。図19A及び図19Bは、自動石鹸ディスペンサー1088を示すが、本発明の範囲を1つのタイプのディスペンサーに限定するよう意図するものではない。種々のタイプのディスペンサーを本発明のこの態様で使用することができ、自動石鹸ディスペンサー1088は、例証として使用される。
【0134】
通常このタイプのディスペンサー1088は、使用毎に製品の一定量を分配する。この特定の量が一般に射出量と呼ばれる。射出量は通常、特定のタイプのディスペンサーに対して固定される。DSU1014が通信用トランシーバを含み、且つ石鹸の分配制御に関係する電子機器に直接又は間接的に接続されている、DSU1014の実施形態では、システム管理者は、DSUに信号を送ることによって射出量を変更することができる。システム管理者は、これをWMS1040から行うことができ、或いは、携帯電話1112又はシステムの他の構成部品から行うことができる。従って、本発明は、1つの実施形態において、単方向性のシステムとは対照的に、人がDSU1014又は製品ディスペンサー1088に通信することができるシステムを提供する。この機能は、例えば、ユーザの手がひどく汚れる区域に対してはより大きな射出量を設定し、或いは、濃縮度が高いタイプの石鹸が使用される場合には少ない射出量を選択するように使用されるであろう。別の例示的な実施形態によれば、DSU1014は、DCU1038と通信することができる電子構成部品を含むことができ、更にDSU1014は、ディスペンサー1088の射出量又は他の分配パラメータを変更可能な機械式構成部品を含むことができる。
【0135】
更に、ディスペンサー1088が、使用される製品のタイプを識別する能力を有し、且つ射出量及び/又は分配間の時間遅延を自動的に設定する場合には、ユーザは、自動設定を無効にする能力を有する。上述と同様の方法で、図18A及び図18Bは、使用される製品のタイプを識別して、タオル長及び/又は分配間の時間遅延を自動的に設定する能力を備えるロールタオルディスペンサー1060に特に関係する別の実施例を示す。この例示的な実施形態では、ユーザは、自動設定を無効にする能力を有する。
【0136】
図27A及び図27Bを参照すると、別の実施形態が示されている。ディスペンサー1060のパラメータを制御する能力と共に、追加機能をディスペンサー1060に組み込むことができる。図27A及び図27Bは、図18Aの1つに類似したロールタオルディスペンサー1060の正面図と側面図をそれぞれ示す。ディスペンサー1060は、画像ディスプレイ1114とすることができるディスプレイモジュールが取付られる。画像ディスプレイ1114は、液晶型(LCD)或いは、モノクロ又はカラーのテキスト及び/又はグラフィックスの別の好適なディスプレイ技術のものとすることができる。画像ディスプレイ1114は、DSU1014に接続され、該DSUは直接又は間接的にディスペンサーの電子機器に接続される。図29は、図27A及び図27Bのディスペンサー1060で使用可能なDSU1014の内部構成の例示的な実施形態を示す。DSU1014は、システム管理者からの制御信号を受信する無線トランシーバ又は通信電子機器1024が取付られる。製品低レベルセンサは、赤外線送信器及び受信器1030及び1032などの上述のいずれのタイプのものとすることができる。
【0137】
別の実施形態は、例えば図32に示すようにディスペンサー1060に接続されないスタンドアロンの洗面所ディスプレイユニット1124とすることができる。洗面所ディスプレイユニット1124は、上述と同じ基本内部構成を有することができるが、製品低レベルセンサは備えていない。洗面所ディスプレイユニット1124は、DCU1038と通信することができ、DCUはWMS1040と通信状態にある。WMS1040は、洗面所ディスプレイユニット1124によって送信されるメッセージを変更するために、DCU1038を介して洗面所ディスプレイユニット1124に返信するように構成することができる。メッセージの変更は、自動的に行うことができ、或いはオペレータを介して行うこともできる。
【0138】
使用中、画像ディスプレイ1114は、上述の両方の実施形態において、限定ではないが、ユーザへの十分な手洗いの指示、広告情報、及び気象警報を含む種々のタイプの情報を洗面所のユーザに示すことができる。システム管理者は、WMS1040を介して表示情報を何時でも変更することができる。
【0139】
別の実施形態を図28A及び図28Bに示す。ここでは、ディスペンサー1060は、図27A及び図27Bに示す実施形態に類似するが、代わりに、音声メッセージを発する装置又は機器を含む。ディスペンサー1060は、音声モジュール1116を含む。音声モジュール1116は、リモートで更新及び変更することができる実施例として、事前に記録された音声又はテキストツーボイスを備えるソリッドステート技術を用いることができる。音声モジュール1116は、DSU1014に接続することができ、該DSUはディスペンサー電子機器1116に直接又は間接的に接続される。図29は、本発明の1つの例示的な実施形態で使用可能なDSU1014の内部構成を示す。DSU1014は、システム管理者からの制御信号を受信するために無線トランシーバ又は通信用電子機器1024が取付られる。音声モジュール1116は、図32に示し上記で説明したように音声メッセージだけを備えるようなスタンドアロンとすることができ、或いは、消臭剤、タオルディスペンサー又は同様のものなどの別の物品内に組み込むこともできる。音声モジュール1116は、洗面所のユーザに対して音楽、ホワイトノイズ、或いは特別な奨励、イベント、又はリマインダーを非限定的に含む種々のタイプの情報を放送し、洗面所を離れる前に手を洗わせるようにすることができる。システム管理者は、限定ではないが、各メッセージ間の時間間隔、音量、性別音声、多言語、及び同様のもののような装置の特定のパラメータを調節することができる。システム管理者は、WMS1040を介して音声情報を何時でも変更することができる。更に、スタンドアロンモジュールは、無線又は有線のいずれかでDCU1038と通信する視覚メッセージを表示する特定の例示的な実施形態内に含めることができる。本モジュールはまた、視覚及び音声メッセージの両方を示すように構成することができる。
【0140】
スタンドアロンとして構成される場合には、音声モジュール1116は、ディスペンサー1060には接続されない。この例示的な実施形態は、上述と同じ基本内部構成を有するが、製品低レベルセンサ又は製品識別機能を備えていない。このような装置の1つのタイプが、2004年9月27日出願の「A Device For Encouraging Hand Wash Compliance(手洗い順守を奨励するための装置)」と題された米国特許出願番号10/950,965に記載されており、該特許は引用により全体が本明細書に組み込まれる。しかしながら、音声モジュール1116は、別の例示的な実施形態では視覚メッセージだけ、或いは音声及び視覚メッセージの両方を示すように構成することができる点を理解されたい。
【0141】
図34は、別の例示的な実施形態の概略図である。ここでは、カメラ1132が、洗面所の床を見ることができるように位置付けられる。カメラ1132は、流し台、便器又は小便器から溢れ出て床上に存在する可能性のある水1134を見ることができる。加えて、カメラ1132は、使用済み紙タオルのような洗面所の床上に投げ捨てられている可能性のあるゴミ1136を見ることができる。カメラ1132は、あらゆるプライバシーの懸案にも対処する目的で、洗面所の床の上端から約3インチ以下だけを見ることができるように構成することができる。
【0142】
カメラ1132はDCU1038と通信することができ、該DCUは、WMS1040と通信状態にある。ユーザは、洗面所の床をWMS1040を介して監視することができ、水1134及び/又はごみ1136が検出された場合には、メンテナンス作業員に警報することができる。更に、或いは代替的に、システムは、カメラ1132、DCU1038又はWMS1040が水1134及び/又はごみ1136が存在するようになった場合には、これらの存在を自動的に警告するように構成することができる。
【0143】
小便器又は便器を流すための自動装置では通常、小便器の使用が完了した時点を判定する赤外線検出器が使用される。本発明によれば、このような装置は、小便器又は便器の使用を信号で送り、図27A、27B、28A又は28Bで上記で説明した洗面所ディスプレイを介して洗面所1042を離れる前にユーザに手洗いを指示するためのDSU1014に類似したユニットを組み込むことができる。
【0144】
ディスペンサー1060の動作に対し重要ではないが、種々の機器の監視及び制御に関連した洗面所の機能性に関係のある装置及び機能を伴う別の例示的な実施形態もまた含まれる。第1の実施形態は、水のオーバーフロー又は冠水状態の高度な警告を提供するために、個々の流し台、便器、小便器及び/又はこれらに隣接する床区域に対して、例えば図31において示されるオーバーフローセンサ1118を説明する。オーバーフローセンサ1118は、水の存在を検出するために流し台、便器又は小便器に離散的に取付け可能にすることができる。オーバーフローセンサは、DCU1038と通信するために上述のDSU1014に類似する内部構造部を有することができる。
【0145】
オーバーフローセンサ1118は、以下のものに限定されるものではないが、水分検出器、圧力センサ及びフロートスイッチを含む。水分検出器は、水との接触がブリッジの一方側を形成する抵抗ブリッジを含む。ブリッジは、開回路と5MΩより小さい抵抗との間の差を検出可能にすることができる。圧力センサは、無水状態と公称2cmを越える水中への浸漬又は約0.2kPaとの間の僅かな圧力差を検出可能な耐水ダイアフラムを含むことができる。フロートスイッチは、水が所定レベルに達したときにスイッチが入るアームに取付られた小型フロートを有することができる。
【0146】
DSU1014は、防水ケース内に収容して、電子機器及びバッテリー1026を保護することができる。使用中、オーバーフローセンサ1118は、水の存在の有無を検出する。水の存在が通常の水洗期間を超える時間期間の間持続する場合には、警報が、DSU1014、又はオーバーフローセンサ1118と通信する別の構成部品に信号で送られる。例えば、オーバーフローセンサ1118は、20秒、30秒、40秒を超える時間、或いは30秒から45秒の間の時間に水が検出される場合に水が存在することを信号で送ることができる。WMS1040管理者は、WMS1040によってオーバーフロー状態に対し警報され、警報が発生した場合に措置を講じる。水の流量を検出して更にオーバーフロー又は起こり得る冠水状態を判定するために、1つのセンサをDSUと共に使用することができる。図22は、WMS1040を周期的にチェックする必要がないように清掃員又はメンテナンス作業員が保持する携帯電話又は携帯情報端末1112に対し警報を行う以外は同様の線図である。
【0147】
加えて、水の流量を監視及び制御して、水が出たままの蛇口、便器及び/又は小便器により過剰な水が使用されているかどうかを判定するための装置を含むことができる。図31に示すように、データ通信ユニット1038を流量センサ1130と通信した状態にすることができる。更に、WMS1040は、データ通信ユニット1038、及び該データ通信ユニット1038を介して流量センサ1130と通信した状態にすることができる。WMS1040は、流量センサ1130によって検出されたときの水の流量を示すように構成することができる。流量センサ1130は、限定ではないが、回転ベーン及び/又は差圧ユニットを含む種々のセンサから選択することができる。
【0148】
下記の実施形態は、監視及び制御を利用するために上記で説明したもの以外の洗面所装置の能力を組み込む。以下の実施形態は、例証の目的のものであり、すなわち自動空気清浄機器は通常、エアロゾル弁を周期的に開放するための機構を使用する。この装置へのDSU1014の組み込みは有利とすることができる。第1に、エアロゾルが取替えを必要とするときには、DSU1014は、一般的な方法のように騒音を発するのではなく警報信号を送ることができる。第2に、システムは、空気清浄機器がエアロゾルを開放するときに製品を効率的な方法で使用するように制御することができる。DSU1014は、監視又は制御の目的のために洗面所1042又は1044の内部で使用される廃棄物容器のような他の装置内に組み込まれ、空になる時点を判定するか、又はオーバーフロー状態を検出することができる。WMS1040管理者は、WMS1040から廃棄物容器センサのステータスを周期的にチェックして、警報が発生した場合に措置を講じる。
【0149】
DSU1014は、上記で説明したように、洗面所内で使用される廃棄物容器などの他の装置内に監視又は制御の目的のために組み込まれ、空になる時点を判定し、又はオーバーフロー状態を検出することができる。廃棄物容器1126のセンサ1128は、限定ではないが、機械式スイッチ、赤外線又は他の近接感知装置、歪みゲージ又は圧力センサを含む。機械式スイッチは、廃棄物容器1126の蓋に装着することができる。廃棄物容器1126が満杯になり、蓋及びスイッチが長い時間の間開いたままであるときには、警報信号を送ることができる。或いは、スイッチは、蓋の開閉回数をカウントするように使用してもよい。DSU1014は、各廃棄物容器1126タイプ毎に事前に決められた特定のカウント数を超えると廃棄物容器1126が満杯であることを推測することができる。赤外線センサは、廃棄物容器1126の側面に装着することができ、廃棄物を収容するのに使用されるライナーが透明である限り、センサは、廃棄物のレベルが特定の時点に達したときに警報信号を送るように用いることができる。歪みゲージ又は圧力センサを用いて、容器の内容物を計量することができる。予め定められた重量になると警報信号を送ることができる。
【0150】
図31は、DCU1038又はDSU1014などの他の構成部品を介してWMS1040と通信状態にすることができる廃棄物容器センサ1128を含む廃棄物容器1126を示している。使用可能な装置の実施例は、赤外線計測センサ又は機械式スイッチであるが、別の装置が使用可能であることを理解されたい。WMS1040管理者は、WMS1040から廃棄物容器センサ1128のステータスを周期的にチェックして、警報が発生した場合に措置を講じる。図22は、WMS1040を周期的にチェックする必要がないように清掃員又はメンテナンス作業員が保持する携帯電話又は携帯情報端末1112に対し警報を行う同様の構成を示す。
【0151】
別の実施形態は、公共洗面所、種々の医療単位での看護士及び医師の休憩室並びにナースステーション、調理施設、又は食品加工施設における手洗い順守の監視及び報告機能を提供する。本実施形態は、上述の実施形態に基づき、製品使用量に関連付けられる洗面所通行量又は訪問数を計測し、ディスペンサーパラメータの制御と患者又は食品或いはその他との接触の前後に手洗いをするようにユーザに気付かせるための音声、テキスト又は画像による指示のいずれかの組み合わせとを連動させて、手洗いの順守を奨励し、定量化し、且つ報告するように拡張することができる。
【0152】
この例示的な実施形態は、米国特許第5,878,381号、第6,360,181号及び第6,411,920号で詳細に説明された使用量計測機能を有し、3つの全ての内容は引用により全体が本明細書に組み込まれる。上述の画像ディスプレイ1114及び音声モジュール1116の実施形態を用いることにより、洗面所通行量及び手洗い順守を監視するため追加の機能を加えることができる。図31は、男性用洗面所とすることができる第1の洗面所1042と、女性用洗面所とすることができる第2の洗面所1044とを示す。ドア又は入口センサ1120、同様に区画ドアセンサ1122が設けられ、ドア又は区画が開閉された時点を判定し、又はこれと共に移動を検出するのに使用される。更に、或いは代替的に、限定ではないが赤外線又は周辺光センサなどのセンサを用いて、洗面所1042、1044内のユーザの存在を感知することができる。事象は、タイムスタンプ及び日付スタンプを付けられ、限定ではないがタオルディスペンサー1060、ティッシュディスペンサー1060、石鹸ディスペンサー1088及び同様のものからの使用量と洗面所1042、1044への訪問者数を関連付けて順守の判定を可能にする。このような構成はまた、洗面所1042、1044のドア又は区画ドアに取り付けられ、移動を検出するためのマグネット及び関連するリードスイッチを含むことができる。
【0153】
動作中、ユーザは、洗面所1042又は1044に入り、ユーザの存在がセンサ1120又は1122の1つによって認識される。個人がディスペンサー1060又は1088を使用すると、製品の変位が監視され記録される。このような分析の成果は更に、追加の分析及び/又は検索のためにディスペンサー1060又は1088の記憶域内に格納することができる。ユーザが洗面所1042、1044から出るときには、このことはまた、上記で参照されたセンサ1120又は1122の1つによって記録される。洗面所1042又は1044内で個人を監視するのに使用されるセンサは、限定ではないが、RFID技術又はバーコードを含む当業者には一般的に知られている機構を介して洗面所の個々のユーザの識別情報を検出又は識別可能であるように構成することができる。2004年9月27日出願の「A Device For Encouraging Hand Wash Compliance(手洗い順守を奨励するための装置)」と題された米国特許出願番号10/950,965は、手洗い順守を案内することができる種々のタイプの方法を示しており、該特許は引用により全体が本明細書に組み込まれる。
【0154】
システムは、非ネットワーク音声モジュール1116又は画像ディスプレイ装置1114を使用して、連続的又は断続的にリマインダーを送ることができ、或いは、ユーザが洗面所1042又は1044に入る事象、区画に出入りする事象、及び/又は相関するタオルディスペンサー1060事象及び/又は石鹸ディスペンサー1088事象が発生することなく洗面所1042又は1044を離れる事象において放送するように設定することができる。ネットワーク装置に関しては、システム管理者は、限定ではないが、各メッセージ間の時間間隔、音量、性別音声、多言語、及び同様のもののような装置の特定のパラメータを調節することができる。システム管理者は、WMS1040を介して音声情報を何時でも変更することができる。
【0155】
小便器を洗い流す自動装置は通常、赤外線検出器を使用して、小便器又は便器の使用が完了した時点を判定する。DSU1014を組み込むこのような装置は、その使用を信号で送り、上述のような洗面所ディスプレイ又は音声リマインダーを使用して洗面所1042又は1044を離れる前にユーザに手洗いを指示することができる。システム管理者は、WMS1040を介して、音声及び/又はディスプレイ情報を何時でも変更することができる。センサの機能性、統計、ディスペンサーの再補給ステータス等は、WMS1040の管理者がリアルタイムで監視することができる。
【0156】
限定ではないが、RFID、バーコード又はキーパッドエントリのような個人を識別する種々の方法は、当業者には公知である。個人の識別情報は、WMS1040を介してアクセス可能なプロファイルの形態で保持することができ、該WMS1040ではリアルタイムで監視されて警報が送られる。例示的な実施形態は、WMS1040を介してアクセス可能なプロファイルの形態で個人の識別情報を保持する能力を提供する。その個人の携帯電話1112、ページャー、又は同様のものに控えめなメッセージを送り、洗面所1042又は1044を離れる前に手洗いをしなかったことをその個人に気付かせることができる。
【0157】
(1つの例示的な実施形態に従って実施されたサンプルテスト)
SCOTTFOLD(登録商標)タオル、コード01999(Loudon)を用いて洗面所において1つのシステムを試験した。標準スマートディスペンサープロトコルを用いた。調査対象間で10%の相違を識別するために、男性及び女性について最低限の200事象が得られた。1ケースの製品は、約3.5日間にわたる約800の両手の乾燥もたらすこととなる。手の乾燥は、女性について約225、男性について約760まで失敗した。データは3つの調査期間で収集した。
【0158】
調査1は、「対照」使用量データを生成する目的で、口頭リマインダーを使用する前に3から4日間にかけて実施した。調査2は、口頭リマインダーを行い3から4日間にかけて実施した。調査3は、口頭リマインダー後、リマインダー無しで使用量が減少するかどうかを測定するために3から4日間にかけて実施した。
【0159】
単純なオーディオ機器(リピート機能及び個別スピーカを備えたブックケースステレオシステム)を洗面所の上方の天井に設置した。天井タイルは、音質を改善するために修正した。各メッセージ間に45秒のシーケンスを備える連続ループで口頭リマインダーを録音し且つ再生するために、CDを使用した。女性用洗面所では女性の音声を、男性用洗面所では男性の音声を使用した。
【0160】
また、2つのSCOTTFOLD(登録商標)ディスペンサー、データ収集ユニット、5つの標準ロールトイレットペーパーディスペンサー、及び対応する区画ドアセンサ並びに一次ドア用の2つのドアセンサを実験用に用いた。
【0161】
洗面所に出入する人数を計測するために、ドアセンサを一次ドア上に配置した。事象は時間スタンプ及び日付スタンプされた。トイレットペーパー事象は、特に女性用洗面所において、その量が手の乾燥の回数と一致するかどうかを判定するよう監視した。スマート機器は、調査当たりの手の乾燥回数及び手の乾燥当たりのタオル数を計測した。手の乾燥回数を洗面所訪問数で除算したものが、順守比率に等しい(♯HD/♯Visit=%Compliance)。
【0162】
得られたデータにあるばらつきをもたらす可能性のある幾つかの「制御不能変数」が実験内に存在した。第1に、調査内で計測された「訪問」数が、同時に複数の人々が洗面所に出入りする可能性を考慮していない。第2に、真の事象から清掃、メンテナンス、又は種々雑多の訪問を特定する方法が無い。最後に、ドア信号はマニュアルでカウントした。得られたデータを表1に示す。
(表1)
女性
男性
男性女性総計
【0163】
男性及び女性の両方における洗面所訪問当たりの手洗い数において、初期対照期間から口頭リマインダーを行った期間までの調査1と調査2との間で12.7%の増加が存在することが見出された。この増加は、口頭リマインダーが手洗いの順守に影響を与えたものと推測される。更に、調査1と調査3との間には11.1%の増加が存在することが見出された。
【0164】
手洗いの順守は、口頭メッセージが打切られた直後の4日間依然として高いレベルを維持した。手洗いの順守は、口頭リマインダーが終了すると徐々に減少すると予想された。しかしながら、調査2及び調査3における結果の間に認識できる差異は存在しなかった。口頭メッセージ中止後にメッセージが順守に影響を与える期間がどれくらいであるかを求める追加のテストを行うことは望ましいものとすることができる。更に或いは代替的に、繰り返し再生される同一のメッセージが有効である時間量を求めることが望ましいとすることができる。
【0165】
本発明を特定の好ましい実施形態に関して説明したが、本発明として包含される主題は、これらの特定の実施形態に限定されるものではない点を理解されたい。逆に、本発明の主題は、添付の請求項の精神及び範囲に含むことのできる全ての代替形態、修正形態及び均等物を含むものとする。
【図面の簡単な説明】
【0166】
【図1】例示的な実施形態によるシート材料ディスペンサーの部分断面側面図である。
【図2】開状態における図1のディスペンサーの一部の正面図である。
【図3】図2の線3−3に沿った断面図である。
【図3A】例示的な実施形態によるRFIDタグを備えるコアレスロールを使用するディスペンサーの断面図である。
【図4】図1に示すディスペンサーのブロック図である。
【図5】別の例示的な実施形態によるディスペンサーの一部の断面図である。
【図6】別の例示的な実施形態によるディスペンサーの一部の斜視図である。
【図7】ディスペンサーハウジング内に挿入されるモジュールを示す、開状態における図1のディスペンサーの一部の正面図である。
【図8】更に別の例示的な実施形態のブロック図である。
【図9】紙分配ルーチンの論理チャートである。
【図10】チェックディスペンサーステータスルーチンの論理チャートである。
【図11】紙ルーチンの論理チャートである。
【図12】更に別の例示的な実施形態のブロック図である。
【図13A】例示的な実施形態による、紙タオルのスタックの位置とディスペンサーセンサユニットとを示す折り畳みタオルディスペンサーの正面断面図である。
【図13B】図13Aのディスペンサーの側断面図である。
【図14】図13A及び図13Bのディスペンサー内で使用されるディスペンサーセンサユニットの内部構成の概略図である。
【図15】図13A及び図13Bのディスペンサー内で使用されるディスペンサーセンサユニットの動作フロー図である。
【図16】例示的な実施形態による、ディスペンサーセンサユニット、データ通信ユニット及び洗面所監視ステーション間の論理関係の概略図である。
【図17】例示的な実施形態によるデータ通信ユニットの内部構成の概略図である。
【図18A】例示的な実施形態によるディスペンサーセンサユニットを組み込む自動ロールタオルディスペンサーの側断面図である。
【図18B】図18Aに示すロールタオルディスペンサーの部分正面図である。
【図19A】例示的な実施形態によるディスペンサーセンサユニットを使用する自動石鹸ディスペンサーの正面図である。
【図19B】図19Aの石鹸ディスペンサーの側面図である。
【図20】例示的な実施形態によるディスペンサーセンサユニット、データ通信ユニット、洗面所監視ステーション及び他の構成部品間の物理的関係の概略図である。
【図21】例示的な実施形態による製品低レベル警報及び再補給シーケンスのシーケンス図である。
【図22】例示的な実施形態による清掃員又は他のメンテナンス作業員の携帯電話に送信される製品低レベル警報のシーケンス図である。
【図23】例示的な実施形態によるバッテリー低レベル警報及びバッテリー取替えのシーケンス図である。
【図24】例示的な実施形態によるディスペンサーセンサユニット通信エラー並びに関係する警報及びサービスのシーケンス図である。
【図25】例示的な実施形態による製品認識機能を組み込むシステムのシーケンス図である。
【図26】例示的な実施形態による製品認識機能及び高度機能無効化を組み込むシステムのシーケンス図である。
【図27A】例示的な実施形態による画像ディスプレイを組み込むロールタオルディスペンサーの正面図である。
【図27B】図27Aのロールタオルディスペンサーの側面図である。
【図28A】例示的な実施形態による音声モジュールを組み込むロールタオルディスペンサーの正面図である。
【図28B】図28Aロールタオルディスペンサーの側面図である。
【図29】例示的な実施形態による図27A及び図28Aのロールタオルディスペンサーで使用可能なディスペンサー電子機器の概略図である。
【図30】例示的な実施形態による自動製品再発注のシーケンス図である。
【図31】例示的な実施形態による、種々の洗面所構成部品を監視、報告及び分析するためのシステムの概略図である。
【図32】例示的な実施形態によるデータ通信ユニット及び洗面所監視ステーションと通信する洗面所ディスプレイユニットの概略図である。
【図33】例示的な実施形態による紙スタックの製品低レベル状態を検出可能なディスペンサーの一部の正面図である。
【図34】例示的な実施形態によるデータ通信ユニット及び洗面所監視ステーションと通信するカメラの概略図である。
【符号の説明】
【0167】
1014 DSU、ディスペンサーセンサユニット
1038 DCU、データ通信ユニット
1040 WMS、洗面所監視ステーション
1042 第1の洗面所
1044 第2の洗面所
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、発明者がPaul Francis Tramontina,David W.Kapiloff,Stephen L.Phelps,Darrell R.Johnson,及びGerald L. Clarkである「Dispenser with Electronic Sensing Device to Control Delivered Sheet Length(供給されるシート長を制御するための電子感知装置を備えたディスペンサー)」と題された、2003年12月31日に出願の米国特許出願番号10/750,238の一部継続出願である。出願番号10/750,238は、本明細書において引用により全体が組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
商業用ビル及び住宅内の洗面所は通常、トイレットペーパー、紙タオル、オムツ、女性用品、石けんなどの液体製品、及び消臭スプレーなどのエアロゾル製品を含む。これらの製品は通常、ディスペンサーにより収容され、ユーザの必要に応じて分配される。現在では、清掃員又はメンテナンス作業員は、作業しているビルを移動して回り、洗面所をサービスし、或いは、問題が発生後に派遣されて特定の洗面所又はディスペンサーをサービスする。洗面所に関する問題の事後解決は、多数のテナントの苦情及び全体的不満を生じる結果となる。加えて、清掃又はメンテナンスの人的資源が緊急対応に集中し、他の作業から引き離される。更に、清掃員又はメンテナンス作業員は、ディスペンサーを再度サービスするために戻る前に製品が使い果たされるのを回避するために、ディスペンサーが空になる前に製品全体を取替える傾向があるので、製品の無駄が多くなる。
【0003】
商業用及び住宅用不動産における他システムの効率的作業を可能とするためには、遠隔回収及びリアルタイム情報の使用が望ましいことが判っている。例えば、安全で生産的な環境を提供し、商業用及び住宅用不動産における居住者の満足レベルを維持するために、セキュリティシステム、火災システム、及び冷暖房空調制御システム(HVAC)のリアルタイムの計測、監視、及び制御が開発されてきた。しかしながら、製品の供給停止を回避し、不必要な無駄を低減し、安全性を向上させ、清掃員及びメンテナンス作業員の生産性を改善し、洗面所の使用量を追跡し、洗面所の在庫を監視し、製品ディスペンサーを制御し、及び製品の追加発注を容易にするように洗面所をより良好に管理することを目的として、製品ディスペンサー及び洗面所の他の構成部品を計測し、監視し、及び制御するシステム並びに方法に対する当該技術分野におけるニーズがある。
【0004】
個体の存在を検出することに基づいて紙タオルなどの製品を自動的に分配するディスペンサーは、ユーザがディスペンサーに物理的に接触する必要がなく、このため病原菌の拡散が予防されるので望ましい。しかしながら、これらのタイプのディスペンサーは、シート材料が柔らかく吸収力が高いかどうか、或いは極めて吸収力が低いシート材料であるかどうかに関わらず、ユーザに同じ量のシート材料を供給する予め定められた設定値で分配する点で不利となる場合がある。これらの例では、ユーザを満足するように手を乾燥させるためには、ユーザに分配されるシート材料が多すぎるか又は少なすぎることになる。シート材料の分配が多すぎると製品の不必要な無駄が生じ、シート材料の分配が少なすぎると、ユーザは製品からシート材料を再度分配することが必要となり、場合によっては更に無駄が生じる結果になる。無駄なシート材料は、ディスペンサーにシート材料を維持するためのコストが上昇し、更に大きな環境への影響を引き起こす。
【0005】
従来技術のディスペンサーは、シート材料の新しいロールを導入する前にディスペンサーを手動で操作することにより分配されるシート材料長の変更ができるように設計されてきた。しかしながら、この種類の調節は、清掃員又はメンテナンス作業員がロールの交換時にシート材料長を手動で調節することが必要となる。清掃員又はメンテナンス作業員による時間、労力及び技能を必要とするだけでなく、再設定作業における人的ミスが発生する危険性がある。
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,620,148号公報
【特許文献2】米国特許第6,224,010号公報
【特許文献3】米国特許第4,131,044号公報
【特許文献4】米国特許第6,079,035号公報
【特許文献5】米国特許第6,607,160号公報
【特許文献6】米国特許第4,757,337号公報
【特許文献7】米国特許第4,960,248号公報
【特許文献8】米国特許第6,259,367号公報
【特許文献9】米国特許第6,451,154号公報
【特許文献10】米国特許第6,354,493号公報
【特許文献11】米国特許第6,362,738号公報
【特許文献12】PCT公開WO 02/48955公報
【特許文献13】米国特許第6,363,057号公報
【特許文献14】米国特許出願番号10/750,238公報
【特許文献15】米国特許第6,360,181号公報
【特許文献16】米国特許第6,411,920号公報
【特許文献17】米国特許第6,209,752号公報
【特許文献18】米国特許出願番号10/950,965公報
【特許文献19】米国特許第5,878,381号公報
【発明の開示】
【0007】
本発明の種々の特徴及び利点は、以下の説明で部分的に示され、又はこの説明から明らかとすることができ、或いは本発明を実施することにより確認することができる。
【0008】
1つの実施形態では、清掃員又はメンテナンス作業員によるディスペンサーの手動調節を必要とせずにディスペンサーの分配パラメータを変更することを可能にする装置を洗面所又は別の場所で製品を分配するために提供することができる。
【0009】
1つの実施形態によれば、製品を分配するように構成されたディスペンサーを設けることができる。ディスペンサーセンサユニットは、ディスペンサーと通信する状態で配置することができ、製品に関する情報を検出するように構成することができる。ディスペンサーセンサユニットは、ディスペンサーの分配パラメータを変更するように構成することができる。データ通信ユニットは、ディスペンサーセンサユニットと通信する状態に配置することができ、該センサから情報を受信するように構成することができる。洗面所監視ステーションは、データ通信ユニットと通信する状態に配置することができ、同様にこれから情報を受信するように構成することができる。ディスペンサーセンサユニットは、ディスペンサーの分配パラメータを変更するために通信を受けるように構成することができる。分配パラメータは、限定ではないが、射出量、シート長、時間遅延、光感受性及び/又は音量などの複数の種々のパラメータから選択することができる。
【0010】
別の例示的な実施形態によれば、ディスペンサーセンサユニットは、ディスペンサーに分配パラメータを変更させるためにデータ通信ユニットにより洗面所監視ステーションから通信を受けるように構成することができる。代替的に、或いは追加として、本装置は、ディスペンサーセンサユニットが分配パラメータの変更を起こすために携帯電話又はPDAから通信を受けるように構成することができる。
【0011】
更に含まれるのは、ディスペンサーセンサユニットが製品を識別してデータ通信ユニットを介して製品の識別を洗面所監視ステーションに報告するように構成することができる、上述のような装置の1つの例示的な実施形態である。更に、製品を識別するために、RFIDリーダー、バーコードリーダー、印刷ラベルリーダー、磁気ストリップリーダー、スマートタグリーダー、ホログラムリーダー、ルミネッセンスリーダー及び/又は蛍光リーダーとすることができるリーダーを含めることができる。
【0012】
別の例示的な実施形態によれば、ディスペンサーは、データ通信ユニットを介して洗面所監視ステーションと通信する画像ディスプレイを有することができる。画像ディスプレイは、洗面所監視ステーションを通じて変更することができる情報を表示するように構成することができる。更に或いは代替的に、本装置は、別の例示的な実施形態において、音声メッセージを報知するように構成された音声モジュールを含むことができる。音声モジュールは、データ通信ユニットを介して洗面所監視ステーションと通信し、これにより洗面所監視ステーションを音声モジュールの音声メッセージを変更するように構成することができる。
【0013】
別の例示的な実施形態によれば、ディスペンサーセンサユニットは、製品を識別し、製品の識別とディスペンサー内に残る製品レベルとをデータベースに報告するように構成することができる。製品再発注機構を含むことができ、データベースを使用して低レベル時に製品を再発注し、該再発注された製品に対して顧客に請求するように構成することができる。
【0014】
更に含まれるのは、洗面所内で情報を伝達するための装置とすることができる。本装置は、情報を伝達するように構成されたディスプレイと、該ディスプレイと通信するデータ通信ユニットとを含むことができる。洗面所監視ステーションも含むことができ、データ通信ユニットと通信することができる。洗面所監視ステーションは、ディスプレイによって伝達される情報を修正するために、データ通信ユニットを通じてディスプレイと通信するように構成することができる。ディスプレイは、いずれのタイプのものであってもよい。例えば、ディスプレイは、画像ディスプレイ及び/又は音声モジュールとすることができる。
【0015】
別の例示的な実施形態は、洗面所内で水の存在を監視するための装置を提供する。本装置は、水の存在を検出するためのオーバーフローセンサを含むことができる。データ通信ユニットは、オーバーフローセンサと無線通信することができる。更に、洗面所監視ステーションを含むことができ、データ通信ユニットと、該データ通信ユニットを介してオーバーフローセンサと無線通信することができる。洗面所監視ステーションは、オーバーフローセンサによって水が検出されたときに水の存在を示すように構成することができる。オーバーフローセンサは、限定ではないが、水分検出器、圧力センサ及び/又はフロートスイッチを含む種々のセンサから選択することができる。
【0016】
また、水が出たままの蛇口、便器及び小便器により過剰な水が使用されているか否かを判定するために水流量の監視が可能な上述のような装置を提供することができる。データ通信ユニットは、流量センサと通信することができる。更に、洗面所監視ステーションを含むことができ、データ通信ユニット及び該データ通信ユニットを介して流量センサと通信することができる。洗面所監視ステーションは、流量センサによって検出されたときに水流量を示すように構成することができる。流量センサは、限定ではないが、回転ベーン及び/又は差圧ユニットを含む種々のセンサから選択することができる。
【0017】
更に別の例示的な実施形態によって提供されるのは、洗面所での手洗い順守を監視可能にすることができる上述のような装置である。本装置は、洗面所のユーザの存在を示し且つユーザを識別するためのセンサを含むことができる。ディスペンサーセンサユニットは、ディスペンサーからの製品の取り出しを検出可能にすることができる。データ通信ユニットをまた含むことができ、センサと通信することができる。洗面所監視ステーションは、データ通信ユニットと通信して配置することができる。データ通信ユニットは、個人よる製品の取出しを監視するためディスペンサーセンサユニット及びデータ通信ユニットから情報を受信するように構成することができる。
【0018】
更に別の例示的な実施形態に従って提供されるのは、直ぐ上で説明したように、洗面所監視ステーションが、携帯電話、PDA、ページャー及び/又は電話用いて製品の取り出しが無いことを個人に報告するように構成することができる装置である。
【0019】
更に別の例示的な実施形態に従って提供されるのは、上述のように、ディスペンサーが、紙タオルディスペンサー、石鹸ディスペンサー、トイレットペーパーディスペンサー、及び/又は流し台、便器又は小便器とすることができる装置である。
【0020】
製品を分配するためのディスペンサーにおいて別の例示的な実施形態がある。ディスペンサーは、製品を保持するように構成されたディスペンサーハウジングを含むことができる。レバーを設けることができ、ディスペンサーハウジングに枢動可能に装着され、製品に係合するたように構成することができる。レバーは、製品の分配によって引き起こされた製品量の減少に応じて製品低レベル位置まで枢動するように構成することができる。スイッチを設けることができ、レバーが製品低レベル位置まで枢動したときに、レバーと係合するように構成することができる。スイッチは、レバーが製品低レベル位置まで枢動したときに、製品低レベル信号を生成するように構成することができる。
【0021】
更に、別の例示的な実施形態に従って提供されるのは、石鹸を分配するための装置である。本装置は、石鹸ディスペンサーと通信するディスペンサーセンサユニットを含むことができる。ディスペンサーセンサユニットは、ディスペンサー内の石鹸の量を検出可能にし、ディスペンサーの射出量を変更可能にすることができる。更に、データ通信ユニットを設けることができ、ディスペンサーセンサユニットと無線通信することができる。データ通信ユニットは、ディスペンサー内に残る石鹸の量を少なくとも含む情報をディスペンサーセンサユニットから受信するように構成することができる。洗面所監視ステーションを設けることができ、データ通信ユニットと無線通信することができる。洗面所監視ステーションは、ディスペンサー内に残っている石鹸の量を少なくとも含む情報をデータ通信ユニットから受信するように構成することができる。洗面所監視ステーションは、ディスペンサーの射出量を変更するために、データ通信ユニットを介してディスペンサーセンサユニットと通信するように構成することができる。
【0022】
製品を分配するためのディスペンサーはまた、別の例示的な実施形態に従って提供することができる。ディスペンサーは、製品を保持するように構成されたディスペンサーハウジングを含むことができる。ディスペンサーセンサユニットを含むことができ、ディスペンサー内の製品の量を検出するように構成することができる。また、洗面所監視ステーションを含むことができ、ディスペンサーセンサユニットと無線通信することができる。洗面所監視ステーションは、ディスペンサー内の製品の量に関係する情報を受信するように構成することができる。
【0023】
製品を分配するための別の例示的な実施形態による装置を提供することができる。本装置は、製品を保持するように構成されたディスペンサーハウジングを含むことができる。ディスペンサーセンサユニットを含むことができ、赤外光を放出するように構成されたエミッタを有することができる。検出器を設けることができ、製品が赤外光の光路内に存在するか否かを示すために、ディスペンサーセンサユニットから赤外光を受光するよう構成することができる。
【0024】
ディスペンサーセンサユニット及び検出器をディスペンサー内の製品低レベル地点に位置付けされることができる上述の装置において、別の例示的な実施形態がある。更に、製品は、別の例示的な実施形態による紙スタックとすることができる。
【0025】
更に提供されるのは、別の例示的な実施形態による製品を分配するための装置である。本装置は、製品を分配するように構成されたディスペンサーと、製品低レベル状態を検出するように構成されたディスペンサーセンサユニットとを含むことができる。データ通信ユニットは、ディスペンサーセンサユニットと通信することができ、ディスペンサーセンサユニットから情報を受信するように構成することができる。洗面所監視ステーションは、データ通信ユニットと通信することができ、データ通信ユニットから情報を受信するように構成することができる。洗面所監視ステーションは、製品低レベル状態が検出されたときに製品の在庫をチェックすることができ、十分な製品が在庫に存在しない場合には製品を再発注することができる。
【0026】
洗面所監視ステーションが製品低レベル状態を検出した回数の記録を保持することができる、直ぐ上で説明された装置において、別の例示的な実施形態がある。加えて或いは代替的に、洗面所監視ステーションは、ディスペンサーから分配された製品の量に対して顧客に請求することができる。
【0027】
洗面所の床を見るように構成されたカメラを含む洗面所を監視するための装置において、別の例示的な実施形態が存在する。データ通信ユニットは、カメラと通信することができ、洗面所監視ステーションは、データ通信ユニットと通信することができる。洗面所監視ステーションは、洗面所の床の上の水及び/又はごみのような物体の存在を示すように構成することができる。
【0028】
本発明のこれら及び他の特徴、態様、並びに利点は、以下の説明及び添付の請求項を参照することによってより理解されるであろう。本明細書に組み込まれ且つその一部を構成する添付図面は、本発明の実施形態を例示し、その説明と共に本発明の原理の説明を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明の最良の形態を含む、当業者を対象とした本発明の十分な及び実施可能にする開示は、添付図面を参照する本明細書の残りの部分において更に具体的に説明される。
本明細書及び図面における参照符号の反復的な使用は、本発明の同じ又は類似した特徴又は要素を表すものとする。
【0030】
(定義)
本明細書で使用する用語「識別」とは、名詞として使用される場合には対象物に関して該対象物を識別する役目を果たす何らかのものを意味する。
【0031】
本明細書で使用する用語「識別器」とは、対象物に関する識別により該対象物を識別するための機構又は装置を意味する。
【0032】
本明細書で使用する用語「含む」とは、包括的であり、又は制約しないものであることが意図され、本発明の作用を妨げない追加の要素又は方法の段階を除外するものではない。
【0033】
本明細書で使用する用語「ファスナ」は、構成部品を互いに、締結、接合、結合、固定、保持、又はクランプする装置を意味する。ファスナは、限定ではないが、ネジ、ナット及びボルト、リベット、スナップ嵌め、留め鋲、釘、ループファスナ、及び釣り針コネクタのようなインターロッキング雄/雌コネクタを含み、釣り針コネクタは、その周囲に突起部を備える雄部分を含む。雄部分を雌部分へ挿入することにより、半永久的に2つの部分が互いに固定される。
【0034】
本明細書で使用する用語「坪量」(以下「BW」として言及する場合がある)は、サンプルの単位面積当たりの重量であり、グラム/平方メートル(gsm)として記録することができる。坪量は、試験手順ASTM D 3776−96又はTAPPI試験方法T−220を使用して測定することができる。
【0035】
本明細書で使用する用語「ヒンジ」とは、静止構成部品に対してある部分を枢動又は回転可能に結合する接合装置又は可撓性装置を意味する。ヒンジは、限定ではないが、ドアをフレームに締結するのに使用されるもののような金属製の枢動可能なコネクタ、及び一体蝶番を含む。一体蝶番は、プラスチックで構成され、2つの部材間に一体的に形成することができる。一体蝶番は、一方の部材が他方の結合された部材に対して回転運動することができる。
【0036】
本明細書で使用する用語「連結」とは、限定ではないが、2つの物を一体に又は隙間を介した接合、結合、締結、連接、又は関連付けることを含む。
【0037】
本明細書で使用する用語「シート材料」及び「紙」とは、その長さ及び幅に比べて厚さが薄い材料を意味する。一般的に言えば、シート材料は、相対的に平坦な平面形状を示し、折り畳み、巻き取り、積み重ね、及び同様のことができるよう柔軟であるべきである。例示的なシート材料及び紙には、限定ではないが、ティッシュペーパー、バス/トイレットペーパー、紙タオル、拭き材、ラベルロール、或いは他の繊維、フィルム、ポリマー、又はフィラメント状製品が含まれる。用語「シート材料」及び「紙」は同義的に使用することができる。
【0038】
本明細書で使用する用語「製品」は、限定ではないが、単一のシート又はロール、複数のシート又はロール、又は、単一又は複数のスタック(積み重ね)を含む。従って、用語「製品」とは、限定ではないが、複数形又は単数形であるかに関わらずディスペンサーによって保持又は分配されるもの(水、洗剤、紙)のようなあらゆる品目を対象とするほど広義である。この用語は、個々のシート又は複数のシートの両方、並びにロール、スタック又はカートリッジ全体を対象とすることができる。
【0039】
これらの用語は、本明細書の残りの部分において言葉が追加されて定義されることがある。
【0040】
本発明の実施形態を以下に詳細に参照するが、その1つ又はそれ以上の実施例は図面に示されている。各実施例は、本発明を説明するために提供され、本発明を限定するものではない。例えば、1つの実施形態の一部として図示又は説明される特徴を別の実施形態と共に用いて、更に第3の実施形態を得ることができる。本発明は、これら及び他の修正及び変更を含むものとする。
【0041】
本明細書で記載される範囲及び限界は、内部にある全ての範囲、及び規定された限界を下回る又は上回る全ての値を含む点を理解されたい。例えば、範囲100−200はまた、110−150、170−190及び153−162の範囲を含む。更に、最大約7の限界はまた、最大約5の限界、最大約3の限界及び最大約4.5の限界を含む。
【0042】
各図面のうちの図1は、本発明の1つの実施形態による連続ロール14からシート材料12のウェブを分配するためのディスペンサー10を示す。本実施形態でのシート材料のウェブは、紙タオルなどのような吸収性材料を含み、分離用に周期的に穿孔することができる。
【0043】
更に、各図面のうち図2を参照すると、ディスペンサー10は、壁又は同様の垂直面に装着可能なバックパネル18と、一対の対向するサイドパネル20及び22と、フロントカバー24とを有するディスペンサーハウジング16を含むのが見える。フロントカバー24は、限定を目的とするものではないが、図1に示すような閉じた状態と図2に示すような開いた状態との間を移動できるように、ヒンジ28を用いてハウジング16の下側部分に枢動可能に結合されるのが望ましい。フロントカバー24は、ファスナ、ネジ、及び当該技術分野で公知のいずれかの他の機構によって結合されても良いことは理解されるであろう。ディスペンサーハウジング16のフロントカバー24は、サービス又はディスペンサー10内への交換シート材料の装填のために通常は開いている。ラッチ(図示せず)により、ハウジング16内のディスペンサー構成部品の認められない変更を阻止するために、フロントカバー24を閉じた状態に固定することが可能となる。
【0044】
シート材料のロール14は、コア又はスリーブ30を含むことができる。代替的にシート材料のロール14は、J.Mitchellに付与された米国特許第5,620,148号で開示されるようなコアレスロールであってもよく、該特許は、本明細書において引用により全体が組み込まれる。シート材料のロール14は、一対の装着ハブ32及び34によってハウジング16内に回転可能に支持することができ、本発明の実施形態では、ロールホールダ36及び38を用いてハウジング16のサイドパネル20及び22に結合されるように示されている。シート材料のロール14の外周は、ロール14の巻き解きのために別の支持がない状態でハウジングの一部によって支持することができる。このような1つの実施例は、米国特許第6,224,010号に開示されており、該特許は、本明細書において引用により全体が組み込まれる。しかしながら、ハウジング16は、これに接続される機構が殆ど無いか又は全く無い個別ユニットとして提供されてもよいことは理解されるであろう。この場合には、本明細書で図示され及び/又は説明されるディスペンサー機構の一部又は全ては、図7に示すように、ハウジング内に挿入される1つ又はそれ以上のモジュールとして設けることができる。このようなディスペンサーハウジング及びモジュールの実施例は、米国特許第4,131,044号及び第6,079,035号に記載され、その両方は、本明細書において引用により全体が組み込まれる。
【0045】
図示のようにシート材料12は、ロール14から一対のローラー40及び42の間を通り、例えばハウジング16の下側端部45内にある分配開口44を通って出る。或いは、分配開口は、フロントカバー内、又はフロントカバーの一部分と下側端部の一部分(図示せず)の両方に形成することもできる。開口44は、鋸歯状縁部(図示せず)を有してもよく、或いは、シート材料のウェブ(穿孔されていない場合)を供するための歯(同様に図示せず)を保持することができる。ローラー40の一端は、ハウジング16又はモジュールハウジング(図7)のサイドパネル20にロールホールダ46を用いて回転可能に装着することができ、ローラー42の一端は、ハウジング16又はモジュールハウジング(図7)のサイドパネル20にロールホールダ48を用いて回転可能に装着することができる。ローラー40及び42の他端は、変速機ハウジング50内に隠されるロールホールダを用いてサイドパネル22に回転可能に装着することができる。変速機ハウジング50は、電気モータ52からの動力をローラー40に伝達してローラーを回転させるようにする変速機(図では見えない)を含む。或いは、米国特許第6,607,160号において概略的に開示されるように、ローラーの少なくとも1つをフロントカバー内に装着することができ、該特許は、本明細書において引用により全体が組み込まれる。
【0046】
ローラー40及び42は共に、望ましくはロール14上のシート材料の厚さよりも僅かに小さい間隙を有するニップ54を定める。シート材料12は、図1に最も明瞭に示すようにニップ54を通過し、駆動ローラー40及び従動ローラー42の回転によってロール14からシート材料が引き出されて、分配開口44を通って分配されるようにする。
【0047】
起動センサ56は、図1に示すように、レンズ58に隣接してハウジング16の下側端部45に(或いは、代替的にハウジング内のモジュール(図示せず)に)装着することができる。しかしながら、起動センサ56及び/又はレンズ58、或いは本明細書で図示され及び/又は説明されるか、若しくは当該技術分野で公知の何らかの起動システムは、本明細書で説明するように動作する限りはハウジングのあらゆる区域に装着することができる点は理解されるであろう。本発明の本実施形態では、センサ56は、限定を目的とするものではないが、赤外線を検出する従来型の受動センサであるのが望ましい。受動的赤外線検出器は、当該技術分野で公知であり、例えば、Shikaumiに付与された米国特許第4,757,337号及びBauer他に付与された米国特許第4,960,248号に記載されており、両特許は本明細書において引用により全体が組み込まれる。ディスペンサー10と共に使用可能な受動的赤外線検出器は、Eltec Instrument Inc.より販売されているモデル40623がある。しかしながら、当業者であれば、様々な赤外線検出器が利用可能であり、この利用可能な検出器の大部分がディスペンサー10と共に使用するのに好適であることが理解されるであろう。実際に、センサ56は、レンズ58の下方に置かれたユーザの手からの赤外線を検出し、赤外線を検出すると電気モータ52を起動する信号を送信して分配開口44を通じてある長さのシート材料を分配するように配置される。
【0048】
しかしながら、静電容量式及び超音波式などの別の起動機構を本発明で使用可能であることは理解されるであろう。静電容量式近接センサは、金属物体と、紙、ガラス、液体及び布などの非金属材料の両方を感知する静電場を発生する。超音波式近接センサは、変換器を使用して高周波音波信号を送信及び受信する。ターゲットがビームに入ると、音波が反射されてセンサに戻り、これが出力回路の通電又は遮断を引き起こす。他の種類のセンサには誘導性センサがある。この場合電磁場が使用されるが、検出は金属物体だけに限定される。
【0049】
ここで図面のうちで特に図3を参照すると、ディスペンサー10は、ハウジング16又はモジュール(図7)に関する非限定的な実施例において位置付けられたリーダー又はスキャナ60を含み、非限定的な別の実施例として、ロール14のコア30は、本実施形態では受動的「スマート」チップ又はタグ62を備える高周波識別装置(RFID)の形態で識別符号を保持している。リーダー又はスキャナ60は、本明細書で図示し説明する方法で動作することができるディスペンサーのいずれかの部分又は近辺に位置付けることができる点は理解されるであろう。同様に、スマートタグ62は、コアレスロール内に埋め込まれたスマートタグ62を図示する図3Aに示すように、シート材料上のいずれかの場所又は幾つかの場所に位置付けることができる点は理解されるであろう。加えて、1つより多いスマートタグ62を各シート材料のロール14で使用することができる。
【0050】
スマートタグ62は、ロール14上のシート材料の種類に関係する情報、例えば、シート材料12の吸収力、坪量、製造業者などに関係する情報を含む。使用中、スキャナ60は、電子信号でスマートタグ62に問い合わせし、その結果、内部アンテナ(図では見えない)を含むスマートタグ62が、ロール14上のシート材料の種類を識別するためにスキャナによって読み取り可能な電磁波パルスを発生して伝送する。スキャナ60は通常、スマートタグ62からの情報を検索して該情報を復号するよう構成される。
【0051】
RFIDスマートタグ技術は、公知であり且つ当業者には理解されているので、その詳細な説明は本発明のディスペンサー及び方法を説明する目的に対しては必ずしも必要ではない。一般に、誘導型又は受動的スマートタグは、シリコン又は他の半導体、エッチング又はスタンピングされたコイルアンテナ、キャパシタ、及び各構成部品が搭載又は埋め込まれた基板からなる。該基板を封入しシールするために保護カバーが通常使用される。誘導型又は受動的スマートタグは、Motorola社によってBISTATIX(登録商標)の名称で導入されている。BISTATIX(登録商標)デバイスの詳細な説明は、Kleinに付与された米国特許第6,259,367号で見ることができ、その全内容は引用により本明細書に組み込まれる。スマートタグ及び関連技術に関する詳細な情報は、Grabau他に付与された米国特許第6,451,154号、Monに付与された米国特許第6,354,493号、Vebaに付与された米国特許第6,362,738号、及びPCT公開WO 02/48955において開示されている。様々なRFIDタグ及びスキャナが利用可能である。ディスペンサー10と共に使用するのに好適なRFIDタグ及びスキャナは、例えば、オランダ国EindhovenのPhilips Semiconductors;スイス国LausanneのSokymat;Florida州MiamiのCheckpoint Systems Inc.;及び日本国TokyoのOmron Companyから入手可能である。
【0052】
或いは、スマートタグ62は能動的素子であってもよい。本構成では、スマートタグ62は、スキャナによって送信されるコード化されたリクエスト信号に対し選択的に応答する機能を有する能動的送受信回路を含む。能動的スマートタグ62は、その固定コード内に含まれる情報を超える付加的情報を受信し保存する機能を含むことができる。能動的スマートタグ62は、マイクロバッテリー、薄膜バッテリー、及び同様のもの(図示せず)などの内部電源を必要とする。
【0053】
ディスペンサーハウジング16は、ディスペンサー10内の種々の電気及び電子構成部品に電力を供給する少なくとも1つのバッテリー64(図1及び図2を参照)を含むのが望ましい。しかしながら、1つより多い、すなわち複数のバッテリーを使用してもよいことは理解されるであろう。或いは、ディスペンサーは、交流又は交流電源による変圧器アダプタ(図示せず)により電力を供給されてもよい。
【0054】
次に各図面の中で図4を参照すると、ディスペンサー10は、ロール14上のシート材料の種類に関係するデータをスキャナ60から受け取るプロセッサ66を含む。プロセッサ66は、本実施形態ではディスペンサーハウジング16内のプリント基板上に埋め込まれるチップセット内に記憶されたアルゴリズムを含み、該アルゴリズムを用いてスキャナ60からのデータを処理し、コントローラ68に向けた出力コマンドを生成する。コントローラは、電気モータ52の作動、従ってシート材料12の分配を以下により詳細に説明する方法で制御する。
【0055】
遅延スイッチ70は、電気モータ52の連続起動の間に、例えば、限定の目的ではないが、3秒の最小遅延を確保するのに設けられるのが望ましい。この遅延は、電気モータの偶発的再起動、従ってユーザによる不必要なシート材料の分配を回避するよう設計される。ディスペンサー10はまた、望ましくはロックアウトスイッチ72を含み、フロントカバー24が閉じた状態から枢動したときに開いて、センサ56とコントローラ68間の通信を阻止するようにする。これにより、ディスペンサー10が開いている間は電気モータ52の作動が阻止される。フロントカバー24が閉じた状態に戻されると、ロックアウトスイッチ72は自動的に閉じてコントローラ68及び電気モータ52の作動が可能になる。このようにして、スイッチ72は、サービス又はシート材料のロールの取替え中にハウジング16内で構成部品が回転することからオペレータを保護する。
【0056】
起動スイッチ74は、フロントカバー24が開けられるときに閉じて、スキャナ60を起動するのが望ましい。これにより、ロール14がディスペンサー10内に挿入されたときにスキャナがスマートタグ62から情報を読み取ることが可能となる。また、駆動ローラー40の所定数の回転(例えば9回)又は電気モータ52の所定数の起動(例えば3回)の後にスキャナ60を起動解除してエネルギーを節約する起動解除スイッチ76が設けられる。起動解除スイッチに対してどのような数の回転又は起動を設定してもよいことは理解されるであろう。
【0057】
或いはディスペンサー10は、リセットシステム、例えば再装填(図示せず)のためにフロントカバー24が開けられたときに作動することになるスイッチが装着されるフロントカバー24を備えてもよい。別の代替形態では、製品ロールの交換時(図示せず)のように、燃料ゲージが完全にゼロ位置に至ると作動することになるスイッチを燃料ゲージと関連して設けることもできる。システムがリセットされると、離散的又は限定的増分、例えば駆動ローラーが3回転する間にその読み取り又は感知回路が使用可能になる。この間隔及び製品感知の後に、次のリセットまで読み取り又は感知システムは遮断され、電力が節約されることになる。更に別の代替形態では、モーメンタリ接触スイッチが、例えばロールホールダの1つのアームと連動して設けられ、シート材料の新しいロールを装填するためのアームの運動により読み取り又は感知回路に電力を供給するようにしてもよい。
【0058】
次にディスペンサー10の動作を図4を参照しながら説明する。最初に、シート材料12を交換するためにディスペンサーハウジング16のフロントカバー24が開くと、起動スイッチ74が閉じてスキャナ60を起動するのが望ましい。次いで、スキャナは、スマートタグ62から交換ロール14のシート材料12のタイプに関係する情報を読み取り、解読して、シート材料のタイプに関係するデータをプロセッサ66に送信する。プロセッサは、データを受信し、該データを処理して、コントローラ68の設定を調節するための出力コマンドを生成し、該コントローラ68が、好適な長さのシート材料を分配するように電気モータ52を制御する。このようにして、計量され又は分配されたシート材料12の長さは、ロール14上で検出されたシート材料12のタイプに応じて変化する。例えば、ディスペンサー10は、異なる程度の柔軟性及び吸収力を有する3つの異なる種類のシート材料A、B及びCを分配するように設定することができる。タオルAが最も吸収力が高く、タオルCが最も吸収力が低い場合には、プロセッサ66は通常、タオルCよりもタオルAの長さを短く分配するようにコントローラ68を調節する出力コマンドを生成するよう設定される。例えば、コントローラ68は、12インチのシート材料A、14インチのシート材料B、及び18インチのシート材料Cを分配するように調節することができる。このようにして、高品質のより高い吸収力のシート材料が有意な無駄を生じること無く効率的に分配され、一方、低品質のより低い吸収力のシート材料は、ユーザの手を適切に乾燥させるように十分な長さに分配される。望ましい結果は、ユーザの手を乾かす1つのシート材料を提供することであり、すなわち、提供される長さは、手を乾燥させる事象毎に1つのシートだけを使用するように、吸収力、坪量及びその他などのシート材料の特性に基づいて適切な乾燥度を提供することを意味する。
【0059】
コントローラ68の設定を完了し、フロントカバー24が閉じられると(及び望ましくはロックされ)、シート材料12は、センサ56のトリガによってユーザに分配される。この件に関しては、センサ56がユーザの手を検出すると、スイッチ70及び72を通して信号をコントローラ68に送信し、次いで、コントローラが、電気モータ52を起動して所定の長さのシート材料をユーザに分配する。本発明の本実施形態では、コントローラ68が、電気モータ52の回転数を制限して、ユーザに望ましい長さのシート材料の分配を行うカウンタを含むのが望ましい。遅延スイッチ70は、コントローラ68による電気モータ52の起動解除によって開き、このスイッチは、所定の時間間隔の間、例えば、限定する目的ではないが3秒間は開いたままであり、センサ56とコントローラ68との間の通信が阻止される。このようにして、遅延スイッチ70によって、ユーザがディスペンサー10からシート材料12を取り出すことによる電気モータ52の偶発的な再起動、従って、シート材料の不必要な分配が回避されるのが望ましい。遅延スイッチ70はまた、大量分配を無効にすることにより破壊を阻止するよう機能する。
【0060】
オペレータがフロントカバー24を開けてロール14を交換するときには、起動スイッチ74は、非限定的な例示として、再度スキャナ60を起動し、ディスペンサー10内に挿入されたシート材料の交換ロール上のスマートタグを読み取ることができるようにする。交換ロールが以前のロールと異なるシート材料を含む場合では、プロセッサ66は、コントローラ68の設定、すなわち電気モータ52によって分配されるべきシート材料の長さを調節するための新しい出力コマンドを生成する。また、ディスペンサーハウジング16のフロントカバー24が開けられると直ちに、ロックアウトスイッチ72が開いて、電気モータ52の作動を阻止し、これによってハウジング16内で構成部品が運動することからオペレータを保護する。
【0061】
認識されないシート材料のロール(本明細書で使用する「認識されないロール」、「認識されないシート材料」及び/又は「認識されない紙」とは、スキャンされるが、(1)期待される信号が返信されないか、又は(2)いかなる信号も返信されないシート材料のロールを指す)がディスペンサー10内に装填され、スキャナ60がロールのシート材料の種類に関する情報を読み取り及び/又は受信することができない事象において、プロセッサ66は、コントローラ68をデフォルト設定値に設定し、該デフォルト設定値は通常、直近に記憶された設定値又は最大設定値であり、例えばシート材料A、B及びCについて18インチである。このようにして、ディスペンサー10を用いて、分配するように設計されていない製品などの認識されない製品を分配する場合には、該ディスペンサーは、任意の設定値で製品を分配するか、或いは吸収力が小さいシート材料用の最大の設定値で分配するように調節される。或いは、このような場合には、プロセッサ66は、コントローラ68の作動を完全に阻止し、電気モータ52の作動すなわちシート材料の分配を防ぐようにする出力コマンドを生成するよう設計することができる。認識されない製品を使用することにより、ディスペンサーの目詰まり、ディスペンサーの損傷、及び/又は製品の不満足な分配を生じる可能性があるので、このような機能が有利である。
【0062】
図5は、本発明の第2の実施形態によるディスペンサー110の一部分を示す。本実施形態では、シート材料ロール114に対する支持体112は、ロールホールダ126及び128を用いてディスペンサーハウジング124のサイドパネル120及び122(又は図7に示すような装着モジュール)に結合された一対の装着ハブ116及び118を含む。図から判るように、ロール114は、反射ラベル130を保持し、更に支持体112は、装着ハブ116内に赤外線エミッタ132と、装着ハブ118内に赤外線検出器134とを含む。エミッタ132は、図示のようにロール114のコア内に傾斜した赤外光を放出するように配置され、該赤外線は、反射ラベル130に反射されると、赤外線検出器134によって検出されて赤外線エミッタ/検出器回路が成立する。認識されない製品がディスペンサー110内に挿入される場合には、赤外線エミッタ/検出器回路が成立せず、通常は、ディスペンサーは、比較的長尺のシート材料が分配される吸収力の低いシート材料用の設定値をデフォルトにする。本実施形態でのシート材料の異なるロールの識別は、ラベルの相対反射率、すなわち種々のシート材料の全反射光を調節することによって達成することができる。赤外線エミッタ/検出器回路は別として、ディスペンサー110は、他の全ての点で上述のディスペンサー10と同様である。
【0063】
図面の図6では、本発明の第3の実施形態によるディスペンサー210の一部が、シート材料ロール216の側面上に通常スタンプ又はインクジェットすることができるロゴ214、バーコード、又は同様のものを読み取るリーダー212を含むように示されている。しかしながら、バーコードは、ロール216及び/又はロール216のいずれかのシート材料上のどこに位置付けられてもよいことは理解されるであろう。本実施形態におけるリーダー212は、ディスペンサーハウジング220内でロール216を回転可能に支持する支持アーム218上に配置され、ロゴ214が進む経路と整列するように位置決めされるのが望ましいが、バーコードと同様に、リーダー212は、本明細書で説明されるバーコードを読み出すよう動作する限りは、ディスペンサーハウジング220内のどこに位置付けられてもよい点は理解されるであろう。従って、ロール216が支持アーム218上で回転すると、ロゴ214がリーダー212を通過し、ロールが特定される。シート材料の種類が特定されると、ディスペンサー210は、適切な長さのシート材料を分配するように自動的に設定される。要求されるマーキング214を備えない認識されない製品がディスペンサー210内に挿入された場合には、通常、比較的長尺のシート材料が分配される、吸収力の弱いシート材料用のデフォルト設定値が取られる。支持アーム218及びリーダー212は別として、ディスペンサー210は、他の全ての点で上述のディスペンサー10と同様である。
【0064】
リーダー212は、ロール216のいずれかのシート材料上のいずれかの位置に位置付けされた、特定のラベル、特定のロゴ、磁気ストリップ、ホログラム、及びその他を読み取り及び/又は認識するように構成することができる点は理解されるであろう。従って、本実施形態は、非限定的な実施例であることが意図される。
【0065】
本発明の第4の実施形態によるディスペンサー310の一部を図面の図7に示す。ディスペンサー310は、多くの点でディスペンサー10に類似し、分配機構が、非限定的な例示として分配ハウジング316内に挿入される側壁322及び後壁318の少なくとも一部分を有するモジュール311形態で装着される点だけが異なる。そのほかの点では、ディスペンサー310は、本明細書で上述したようにディスペンサー10の特性及び動作を有する。
【0066】
次に、図8を参照すると、ディスペンサー10の別の実施形態のコントローラ400が提示される。コントローラ400は、マイクロプロセッサ又はマイクロコントローラ402(本明細書では「マイクロプロセッサ」と「マイクロコントローラ」は同義的に使用される)、起動センサ404(IR受信器404a及びIR送信器404bを含む)、紙タイプセンサ406、モータ408、リレー410及び各種センサ、タイマー、調節器、及びLEDインジケータ(以下でより詳細に説明する)を含む。コントローラ400は、交流電源412又は直流電源414によって給電される。通信接続部416は、マイクロコントローラ402のプログラミング/再プログラミング及び/又はディスペンサー10と遠隔コンピュータ間の通信を可能にするために設けられる。
【0067】
マイクロコントローラ402は、プログラムメモリー内に記憶されたコードを実行することによってディスペンサー10の機能を制御する。理想的には、マイクロコントローラ402は、オンボードプログラムメモリー及びデータメモリーを有する。このようなメモリーは、望ましくは不揮発性メモリーであるが、しかしながら、揮発性メモリーを使用してもよい。好適なマイクロコントローラの一一例は、Microchip Technologyにより製造されたPIC16F72マイクロコントローラ(PICmicro(登録商標)ファミリー)である。
【0068】
マイクロコントローラ402、モータ408並びにコントローラ400の個々の構成部品は、交流電源412又は直流電源414のいずれかにより給電される。120ボルトの交流ライン入力電圧を変圧器を使用して12ボルトまで降圧するのが望ましい。降圧された電圧は、整流されて線形レギュレータ413に供給され、該線形レギュレータ413は、ディスペンサー10が必要とする所要の直流電圧レベルを維持する。直流電源の1つの利用可能な実施形態は、バッテリーである。
【0069】
センサ56について上述したように、起動センサ404は、送信器404b及び受信器404aを備えた、赤外(IR)放射を検出するための従来の受動センサである。このような受動的赤外線検出器は、当該技術分野で公知である。IR送信器404bは、周期的な(ランダムな間隔又は必要に応じて固定間隔で)パルスIR信号を送信する。IR受信器404aは、送信信号と同一パターンの反射IR信号を検出するように構成されている。このような信号が検出されると、起動センサ404は、シート材料又は紙を分配すべきであることをマイクロコントローラ402に通知する出力信号を生成する。
【0070】
望ましくは、紙の長さ調節及びIR感度調節は、遠隔コンピュータを用いて通信接続部416を介して自動的に実行される。しかしながら、ディスペンサー10では、紙の長さ調節器430及びIR感度調節器428をそれぞれ使用してマニュアルによる紙の長さ調節及びマニュアルによるIR感度調節を可能にする点に留意されたい。
【0071】
起動センサ404が起動しており且つディスペンサー10が紙を分配する状態にあることをマイクロコントローラ402が判定すると、マイクロコントローラ402は、リレー410を係合させて電気モータ408に電力を印加することによりディスペンサー10から紙を分配させる。電気モータ408が回転すると、紙ロール14が回転して、紙がディスペンサー10の前方から押し出される。紙が分配されているときには、マイクロコントローラ402は、各モータ回転(又は紙ロール14の回転又はその割合)についての信号を出力する回転カウンタ418を監視する。回転カウンタ418が所定の数の回転信号を生成すると、マイクロコントローラ402は、リレー410を係合解除し、これによりモータ408への電力が遮断される。従って、当業者であれば、分配される紙の長さは、マイクロコントローラ402が監視する回転信号の所定数(すなわち、マイクロコントローラ402がモータ408をターンオフする値)を操作することによって制御することができる点を理解するであろう。
【0072】
リレー410を係合させる前に、マイクロコントローラ402は、遅延タイマー421のステータスをチェックする。遅延タイマー421の目的は、所定量の時間が経過するまで連続的な紙の分配事象を防止することである。紙の分配事象後にリレー410が係合解除されると、遅延タイマー421が起動される。遅延タイマー421が起動されている間は、マイクロコントローラ402はリレー410を無効にする。遅延タイマー421は、所定量の時間後に「タイムアウト」するように設計される。このような機能は、カウントダウンタイマー、カウントアップタイマー又はいずれかの他の好適な計時技術を使用して達成することができる。例えば、遅延タイマー421は、起動後10秒で「タイムアウト」するように設定することができる。このような構成では、連続的な紙分配事象は、各10秒毎に一回よりも早く起こることはあり得ない。
【0073】
リレー410を係合させる前に、マイクロコントローラ402は、ドア開放センサ420のステータスをチェックする。ユーザが紙ロール14の交換又はディスペンサー10の別のサービスのためにフロントカバー24を開けると、ドア開放センサ420は、マイクロコントローラ402によって感知されるドア開放信号をアサートする。ドア開放信号を感知すると、マイクロコントローラ402は、リレー410を無効にし、これにより電気モータ408を無効にする。
【0074】
マイクロコントローラ402は、センサ423の出力を監視する。直流電圧センサ423は、直流電源114の出力電圧レベルを監視する。このような電圧レベルが所定量を下回る場合には、マイクロコントローラ402は、直流電源低電圧LED422に電圧信号をアサートする。このような低い信号がアサートされるときには、LED422は発光して、直流電源(おそらくはバッテリー)がコントローラ400に適正な電力を供給していないことをユーザに通知することになる。
【0075】
マイクロコントローラ402はまた、紙低レベルセンサ424を監視する。紙が低レベル状態であることを感知する1つの方法は、紙ロール14上に載る機械式アームを使用して達成可能である。紙ロール14からの紙がディスペンサー10によって分配されると、紙ロール14の寸法が縮小する。最終的にはこのような機械式アームは、紙低レベルセンサ424を起動させ、紙低レベル信号がアサートされることになる。マイクロコントローラ402が紙低レベル信号を検出すると、マイクロコントローラ402は、紙低レベルLED426に対する信号をアサートし、LED426は発光して、供給紙が殆ど使い尽くされていることをユーザに通知する。
【0076】
次に、紙タイプセンサ送信器/受信器406に関して注目する。ユーザが紙ロール14の交換又はディスペンサー10の別のサービスを行うためにフロントカバー24を開けると、ドア開放センサ420は、マイクロコントローラ402によって感知されるドア開放信号をアサートする。次いで、マイクロコントローラ402は、紙タイプセンサ送信器/受信器406に関係付けられた送信器/受信器を起動する。紙タイプセンサ送信器/受信器の1つの利用可能な実施形態は、RFIDベースのセンサである。理想的には、紙ロール14はRFIDスマートタグに関係付けられる。このような構成では、紙タイプセンサ送信器/受信器406は、RFIDスマートタグトリガ信号を送信し、紙ロール14に関係付けられたRFIDスマートタグからの送信をリッスンする。受信されたスマートタグデータの少なくとも一部は、マイクロコントローラ402に関係付けられたメモリー内に格納される。このようなスマートタグデータは、紙タイプ識別情報を含むのが理想的である。このような情報は、マイクロコントローラ402によって、ディスペンサー10内に挿入される紙タイプに基づいて自動的に構成されるディスペンサー10の作動に用いることができる。
【0077】
次に図12を参照すると、ネットワーク可能なディスペンサーネットワークシステム450が示されている。複数のディスペンサー10装置が、インターフェース452を介し、有線又は無線通信リンク454を通じて遠隔コンピュータ456に全て相互接続されて示されている。このような通信技術は、当該技術分野では公知であり、Wi−Fi(ワイヤレス・フィディリティ)及びブルートゥースを含む。
【0078】
インターフェース452は、2つの別の互換性のないシステムを接続し、又は2つの互換性のあるシステム間を簡単に接続できるようにするためのゲートウエイを備えることができる。本明細書で使用するゲートウエイは、2つの別の互換性のないシステムを接続するか、又は2つの互換性のあるシステム間を簡単に接続可能にする電子装置である。インターフェース452はまた、遠隔コンピュータ456内に組み込まれてもよい。
【0079】
このような構成では、TCP/IPプロトコルスーツは、通信リンク454に接続された遠隔コンピュータとディスペンサー10装置との間にゲートウエイを形成するインターフェース452に組み込むことができ、理想的にはこのような装置への連続的なリモートアクセスを可能にする。ゲートウエイは、複数のディスペンサー10装置からデータをアクセスするため、及び個々のディスペンサー10装置にデータを送信するためのHTTPサーバを組み込むことができる。
【0080】
上述のシステム10の構成では、通信リンク460は、所定のプロトコル(TCP/IPは1つの実施例)に従って動作する第1のネットワーク(インターネットなど)へのアクセスを提供する。複数のディスペンサー10装置は、LANなどの第2のネットワークを備えることができる。ゲートウエイ(インターフェース452)は、第1のネットワークを第2のネットワークに作動可能に結合する。最終的には、HTTPサーバは、ゲートウエイか又は複数のディスペンサー装置のいずれかに埋め込まれて、2つのネットワーク間のデータ伝送を容易にする。このような構成では、当業者であれば、個々のディスペンサー10装置又はディスペンサー10装置のグループが、このような装置があたかもウェブサイトにあるようにアクセスでき、これらの情報をウェブブラウザ上で表示することができることを理解するであろう。このような技術は、電子計測器と通信するシステムにおいて使用するための米国特許第6,363,057号においてArdalan他により十分に開示されており、該特許は本明細書において引用により全体が組み込まれる。
【0081】
次に、ディスペンサー10を制御するための例示的アルゴリズムを考察する。このようなアルゴリズムは、紙分配ルーチン、ディスペンサーステータスチェックルーチン及び紙ルーチンを含む。理想的には、こうしたアルゴリズムは、プログラミングコード形態で、プロセッサ66又はマイクロコントローラ402と関係付けられた不揮発性メモリー内に記憶されることになる。しかしながら、以下ではプロセッサ66は、開示されるアルゴリズムを実行するものとして説明する。通常、ディスペンサー10に電源が入るか又はリセットされると、必要なスタートアップルーチンの実行後、プロセッサ66は、必要に応じてこのようなプログラミングコードにアクセスして実行する。しかしながら、このようなプログラミングコードは、ディスペンサー10に関係付けられたどのようなプロセッサによっても実行可能であることを理解されたい。
【0082】
次に図9を参照すると、例示的な紙分配ルーチンのハイレベルブロック図が提示される。ステップ500は、紙分配ルーチンへの入口を示す。ステップ502で、ディスペンサー10のステータスが、後で詳細に説明する例示的なディスペンサーステータスチェックルーチンを実行することによってチェックされる。概略的に云えば、ディスペンサーステータスチェックルーチンは、ディスペンサー10に関係付けられた種々のセンサの状態を評価し、ディスペンサー10が紙を分配する準備ができていない場合にはステータス・オフ・ラインフラグを「セット」し、又はディスペンサー10が紙を分配する準備ができている場合には該ステータス・オフ・ラインフラグを「リセット」する。ステップ504で、ステータス・オフ・ラインフラグの値を検査する。ステータス・オフ・ラインフラグがセットされている場合には、ディスペンサー10は紙を分配する準備ができておらず、プログラムの制御はステップ502に戻り、ディスペンサーステータスチェックルーチンを再び実行する。このループは、ディスペンサー10が紙を分配する準備ができていることをディスペンサーステータスチェックルーチンが判断し、ステータス・オフ・ラインフラグをリセットするまで続くことになる。
【0083】
ステップ504で、ステータス・オフ・ラインフラグがセットされていない(すなわち、ステータス・オフ・ラインフラグが既にリセットされている)ことをプロセッサ66が判断した場合には、プログラム制御はステップ506に進み、そこで、プロセッサ66が、紙が分配されるべきであることを示す信号をチェックする。開示された例示的な実施形態では、プロセッサ66は、所定のパターンを有する受信IR信号をチェックする。適切なIR信号が受信された場合には、回転カウンタが初期化され(ステップ510)、プログラムの制御はステップ512に進み、そこで電気モータ52が起動される。電気モータ52が回転すると、紙タオルロール14が回転し、回転カウンタが増分される。ステップ514で、プロセッサ66は、回転カウンタ値を評価して、所望の回転数が記録されたか否かを判断する。所望の回転カウンタ値が未だ記録されていない場合には、任意選択の「ウオッチドッグ」プロセスを実行することができる(ステップ516)。
【0084】
「ウオッチドッグ」プロセスは、単に、無限ループを防止するように設計されたプロセスに過ぎない。例えば、電気モータ52が機能不全を生じた場合には、電気モータ52は回転しないので所要の回転カウンタ値には到達しない。このような状況でウオッチドッグプロセスがない場合、プロセッサ66は、連続して回転カウンタ値をチェックする無限ループに陥ることになる。電気モータ52がこのような状況の間に電力を消費している場合には、不必要な電力消費が存在し(特にバッテリー駆動の実施形態では望ましくない)、電気モータ52を制御する電気構成部品は、不必要なストレスを受けて製品寿命が短くなる。例示的なウオッチドッグプロセスは、紙の移動のチェックと経過時間の監視を含むことができる。エラー状態が検出される場合、ウオッチドッグプロセスは、モータ駆動回路を無効にしてエラー状態を記録するのが理想的であろう。
【0085】
ステップ516の後、プログラムの制御はステップ514に戻り、プロセッサ66が再び回転カウンタ値のステータスを評価する。所望の回転カウンタ値が記録されていた場合には、プログラムの制御はステップ518に進み、そこで電気モータ52への電力が中断され、遅延フラグがセットされ、遅延カウンタが初期化されて、ステータス・オフ・ラインフラグがセットされる。次いで、プログラムの制御はステップ502に戻り、ディスペンサーステータスチェックルーチンを実行する。
【0086】
ここで図10を参照すると、ステップ530は、例示的なディスペンサーステータスチェックルーチンへの入口を示す。このルーチンに入ると、遅延フラグのステータスが、チェックされる(ステップ532)。遅延フラグがセットされた場合には、プログラムの制御は、ステップ534に進み、遅延カウンタ値が検査される(ステップ536)。所定の遅延カウンタ値に到達していた場合には、遅延フラグがリセットされて(ステップ540)、プログラムの制御は、ステップ542に進む。しかしながら、この所定の遅延カウンタ値に到達していなかった場合には、遅延カウンタ値の情報が提供されて(ステップ538)、プログラムの制御は、ステップ534に戻る。このような遅延カウンタ値は、カウントダウンタイマー、カウントアップタイマー、経過時間モニタ、又は経過時間の監視に好適なあらゆる他のプロセスとすることができる。遅延カウンタ値の情報を提供する例示的な方法は、カウンタ値の増分、カウンタ値の減分、及び時間値の更新を含む。
【0087】
ステップ532に戻ると、遅延フラグがセットされていない場合には、プログラムの制御はステップ542に進み、紙センサのステータスが検査される。このような紙センサは、理想的にはディスペンサー10の紙が切れる時点を判定する。ディスペンサー10内での供給紙が使い尽くされたことを紙センサが示す場合には、ステータス・オフ・ラインフラグがセットされ、プログラムの制御は、呼出ルーチン(すなわち、紙分配ルーチン)に戻る。ステップ544で、ディスペンサー10内での供給紙が使い尽くされていないことを紙センサが示す場合には、プログラムの制御はステップ548に進む。
【0088】
ステップ548で、ドアセンサが評価される。このようなドアセンサは、ディスペンサー10のアクセス手段(フロントカバー24など)が開けられた(おそらくはディスペンサーをサービスするため)時点を判定するのが理想的である。監視されるアクセスポイントが開いたことをドアセンサが示す場合には、ステータス・オフ・ラインフラグがセットされ、紙ルーチン(本明細書で説明される)を実行する。プログラムの制御が紙ルーチンから戻ると、プログラムの制御は、呼出ルーチン(すなわち紙分配ルーチン)に戻る。
【0089】
ステップ550に戻ると、監視されるアクセスポイントが開いていないことをドアセンサが示す場合には、プログラムの制御はステップ554に進む。ステップ554では、ステータス・オフ・ラインフラグがリセットされる(すなわち、ディスペンサー10は紙を分配する準備ができている)。任意選択的に、検出及び警報ルーチン(開示せず)をこの時点で実行することができる。このようなルーチンは、バッテリー低レベル、紙低レベル等のような警報センサのステータスをチェックして、必要時に警報(LED点灯又は遠隔デバイスへの信号/メッセージの送信)を発することになる。ステータス・オフ・ラインフラグをリセットした後に、プログラムの制御は紙分配ルーチンに戻る。
【0090】
ここで図11を参照すると、ステップス580は、例示的な紙ルーチンへの入口を示す。紙ルーチンの一般的な目的は、ディスペンサー10内に挿入された紙のタイプを自動的に検出して、検出された紙タイプに関係付けられた所定の紙分配パラメータに従ってディスペンサー10を自動的に構成することである。このような分配パラメータは、分配されるべき紙の長さ及び/又は連続する紙分配事象間の遅延を含むことができる。ステップ582で、プロセッサ66は、紙タイプセンサの送信器及び受信器を起動して、紙情報をリッスンする(ステップ584)。例えば、紙タイプセンサがRFIDベースのセンサである場合には、RFIDトリガ信号が送信され、RFIDスマートタグ送信を起動し、受信回路がこのスマートタグの送信をリッスンする。
【0091】
このような送信は、ディスペンサー10内に挿入された紙のタイプに関係付けられた紙情報を含むのが理想的である。上述のように、このような紙情報を用いて、例えば、分配されるべき紙の長さ及び分配事象間の遅延を求めることができる。従って紙情報は、2つのカウンタ値、すなわち回転カウンタ値(ステップ512)と遅延カウンタ値(ステップ534)とを含むことができる。或いは、このような紙情報は、プロセッサ66に関係付けられたメモリーから適切な紙タイプ情報を検索/アクセスするのに使用される単純なコードであってもよい。ステップ586で、有効な紙情報を受信したとプロセッサ66が判断した場合には、受信した紙タイプ情報と一致する紙タイプ値が設定される。更にPVRフラグが設定される(PVR−Paper Value Received)。PVRフラグは、有効な紙情報の受信を記録するのに使用される。
【0092】
ステップ586に戻ると、有効でない紙情報を受信したとプロセッサ66が判断した場合には、ドアセンサのステータスが、ステップ548(図10)で行われたのと同一又は類似の方法でチェックされる(ステップ590)。アクセスポイントが閉じられていないことをドアセンサが示す場合には、プログラムの制御は、ステップ584にジャンプして戻る。しかしながら、アクセスポイントが閉じられていることをドアセンサが示す場合には、プログラムの制御は、ステップ594に進み、PVRフラグのステータスがチェックされる。
【0093】
PVRフラグが設定されている場合には、プログラムの制御はステップ598に進む。ステップ598では、紙タイプセンサの送信器/受信器を起動解除することができ、プログラムの制御は、呼出ルーチン、この場合はディスペンサーステータスチェックルーチンに戻る。
【0094】
しかしながら、ステップ594で、PVRフラグが設定されていない場合には、プログラムの制御はステップ595に進む。ステップ595では、紙センサが、ステップ542(図10)におけるのと同一又は類似の方法でチェックされる。ディスペンサー10内に紙が存在することを紙センサが示す場合には、未知の紙のタイプがディスペンサー10内に挿入されたと考えられる。このような状況下では、紙タイプ値はデフォルト値に設定される(ステップ597)。このようなデフォルト値は、単に前回の紙タイプ値(すなわち値は変わらない)であってもよく、又は、未知の紙タイプに特別に使用される所定の値であってもよい。次に、ステップ598で、紙タイプセンサの送信器/受信器を起動解除することができ、プログラムの制御は呼出ルーチンに戻る。しかしながら、ステップ595で、ディスペンサー10内に紙が存在しないことを紙センサが示す場合には、ステータス・オフ・ラインフラグが設定され、プログラムの制御は、ステップ598に進む。
【0095】
本発明を、電気モータを用いてシート材料を自動的に分配するディスペンサーに関して上記に説明してきたが、本ディスペンサーは、シート材料のロールからシート材料を引き出すためにマニュアル動作のレバー又は同様のものを含むことができることが理解されるであろう。レバーを備えたマニュアル動作のディスペンサーでは、コントローラは、例えば、行うことのできる操作の回数又は各操作の範囲(図示せず)のようなレバーの動作を制限するように配置されるであろう。
【0096】
本発明によるディスペンサーの利点は、分配されるシート材料の長さを自動的に制御する点である。従って、分配されるシート材料の長さの変更を行うために、オペレータがディスペンサーを調節する必要がない。更に、本ディスペンサーは、自動的に、吸収力のより大きな製品は相対的に短く分配し、吸収力のより小さな製品は相対的に長く分配することができる点で効率的である。また、本ディスペンサーは、通常廉価でより吸収力の弱いシート材料である認識されない製品の装填を検出し、より長いシートが分配されるようにデフォルト値を設定する。このようにして、本ディスペンサーは、より高い吸収力又はより低い吸収力のシート材料製品が分配されるかを問わず、手を乾燥させる事象毎に単一のシートを使用する点でユーザに満足を提供するために単一のシートを分配する。
【0097】
本発明の本ディスペンサーは、紙タオルなどの1つのタイプのシート材料の分配に限定されるものではない点を理解されたい。逆に、本ディスペンサーはまた、限定の目的ではないが、化粧シート、トイレットペーパーシート、拭き材、及びその他などの種々の他のタイプのシート材料の分配に使用することができる。
【0098】
図面の図13A及び図13Bは、折り畳み紙タオル、折り畳みトイレットペーパー、折り畳み化粧紙、及びその他などの折り畳みシート材料を分配するためのディスペンサー1000を示す。図13Aは、ディスペンサー1000の正面図であり、図13Bはその側面図である。ディスペンサーセンサユニット(DSU)1014は、ディスペンサー1000の内部側壁1012によって保持される。DSU1014は、ディスペンサー1000の補給が必要となる時点を検出するのに使用することができる。DSU1014は、赤外線センサ1016を使用して、紙スタックが低レベル給紙点1020を下回る時点を検出する。細い赤外光ビームが、エミッタ1021から送り出され、隣接する検出器1023によって受信される。紙スタックの上端が赤外センサ1016より上に位置するときには、検出器1023は赤外光を受信しない。紙スタックの上端が赤外センサ1016より下に位置するときには、エミッタ1021からの赤外光は検出器1023に見える。
【0099】
DSU1014は、種々の製品低レベル位置に対応するようにディスペンサー1000内の様々な位置に取り付けることができる。しかしながら、静電容量式、超音波式、及び/又は機械式レバーなどの他の位置検出機構を本発明の範囲内で使用可能であることは理解されるであろう。静電容量式近接センサは、紙及び非金属物体並びに金属性物体を感知できる静電場を発生する。超音波式近接センサは、変換器を使用して高周波音波信号を送受信する。紙がセンサに近接して存在するときには、反射された音波はより短い経路を有する。機械式レバーは、電気スイッチに直接又は間接的に取り付けることができる。レバーが紙スタックに接触するときには、紙の残存量が許容可能であることを示し、レバーが紙スタックに接触しないときには、DSU1014は、紙のレベルが低いことを示す。更にDSU1014は、上記で説明した赤外センサ1016とは異なるように構成された赤外線センサを使用することができる。
【0100】
図14は、1つの例示的な実施形態によるDSU1014の内部構成を示す。DSU1014は、プロセッサ1022を含む。プロセッサ1022は、有線又は無線のいずれかによってDSU1014が外部から通信することができる通信用電子機器1024に接続される。通信用電子機器1024は、送信器又はトランシーバのいずれかを含むことができる。加えて、特定の例示的な実施形態によれば双方向通信を利用することができる。無線通信は、限定ではないがFCC Part15の要件に準拠した2.4GHz又は915MHzのIEEE802.15.4を含む、1つ又はそれ以上のライセンス免除規格に基づくことができる。有線装置は、限定ではないが、EIA RS485を含む電気バス規格に基づくことができる。
【0101】
DSU1014は、電力を供給するためのバッテリー1026を含むことができ、更に、バッテリー取替えが必要な時点を判断するためにバッテリー1026を監視するバッテリーレベルセンサ1028を含むことができる。バッテリーレベルセンサ1028は、単純な電圧基準の形態を取ることができる。或いは、DSU1014は、適切な外部電源によって給電することができ、或いは、有線構成の場合には、DSU1014は、通信バスから給電することができる。DSU1014は、プロセッサ1022と通信する赤外線送信器1030及び赤外線受信器1032を含むことができる。赤外線送信器1030及び赤外線受信器1032は、実際には赤外線トランシーバを構成する。DSU1014は、固有識別器1034を含むことができる。固有識別器1034は、各特定のDSU1014の位置特定するためにシステム全体内部で使用される。プロセッサ1022は、当業者には公知の起動タイマー1036を介して間欠的に起動することができる。
【0102】
DSU1014の例示的な実施形態の動作を図面の図15に示す。プロセッサ1022は、DSU1014の内部でプリント基板上に埋め込まれるチップセット内に記憶されたアルゴリズムを含み、該アルゴリズムは、DSU1014の種々の要素に対するデータを制御及び処理するのに使用される。DSU1014は通常、バッテリー電力を節約するために低電力状態にある。赤外線送信器1030は、指定時間の間有効にされ、赤外線受信器1032からの受信信号がチェックされる。
【0103】
赤外線受信器1032が赤外線送信器1030からの赤外線を検出した場合には、給紙低レベルフラグが生成される。赤外線有効期間の終端時に、赤外線送信器1030が無効にされる。赤外線受信器1032が赤外線送信器1030からの赤外光を検出しない場合には、給紙低レベルフラグはリセットされる。次いで、給紙低レベルフラグのステータスは、通信機器を使用して送信される。バッテリー1026レベルはまた、各DSU1014の起動後にチェックされる。バッテリー1026レベルが低い場合には、このステータスは、通信機器を使用して送信される。起動サイクル終了後、DSU1014は、低電力状態に置かれ、再度起動タイマーがプロセッサ1022を起動するのを待機する。
【0104】
図16は、複数のDSU1014、データ通信ユニット(DCU)1038及び洗面所監視ステーション(WMS)1040を含むシステムの概略図である。一意に識別されるDCU1038は、種々のタイプの洗面所ディスペンサー内に配置することができる。ディスペンサーは、第1の洗面所1042及び第2の洗面所1044内に配置される。図16に示す6つのDSU1014の各々は、一対のDCU1038のいずれか1つと通信する。通常、1つの洗面所1042、1044内のDSU1014は、同じDCUと通信する。しかしながら、本構成は、特に無線通信においてはDCU1038のDSU1014に対する近接度に依存する場合がある点を理解されたい。他の構成では、1つの洗面所が1つ又はそれ以上のDCU1038全体に及ぶことができるようにすることも可能である。或いは、幾つかの洗面所が種々の例示的な実施形態による単一のDCU1038と通信状態にあるものとすることができる。
【0105】
DCU1038は、当業者には一般に知られている標準通信メカニズムを用いて相互通信することができる。本システムは、洗面所監視ステーション(WMS)1040から監視することができる。WMS1040は、DCU1038と通信状態にある。WMS1040は、限定ではないが、製品低レベルステータス、バッテリー1026ステータス、及び通信の完全性を含む、各DSU1014及びDCU1038のステータスに関する情報を表示する。WMS1040は、限定ではないが、レポート出力及び種々のフォーマットでのデータエクスポートを含む機能を備えた、パーソナルコンピュータ(PC)上で実行される専用アプリケーションとすることができる。WMS1040はまた、システム内の各DCU1038がシステム内のDSU1014及びDCU1038に関する情報が含まれるウェブページを提供するウェブブラウザを実行するPC関連をベースとすることができる。加えて、WMS1040の機能の全て又は一部は、専用表示ユニット内に含めてもよい。
【0106】
図面の図17は、DCU1038の内部構成の1つの例示的な実施形態を示す。DCU1038の電子機器は、適切な電源1048から給電することができる。DCU1038は、3つの通信要素に接続されたプロセッサ1050を含む。プロセッサ1050は、本実施形態ではDSU1014内でプリント基板上に埋め込まれるチップセット内に記憶され、且つDSU1014の種々の要素に対するデータを制御及び処理するのに使用されるアルゴリズムを含む。第1の通信要素1046は、DSU1014との通信専用である。通信要素1046は、有線及び無線機能を備えるトランシーバである。通信要素1046に採用される規格は、DSU1014通信と適合する。
【0107】
第2の通信要素1052は、別のDSU1038及びWMS1040との通信専用とすることができる。第2の通信要素1052は、限定ではないが、IEEE802.3i(Ethernet 10BaseT)及びIEEE802.11b(11MHz WiFi)を含む1つ又はそれ以上の規格に基づく。このようにして、DCU1038は、標準ネットワーク技術を使用して接続することができる。DCU1038通信は、TCP/IPなどの好適なネットワークプロトコルを介して実行される。これにより、HTTPウェブサーバを各DCU1038内に組み込むことができ、ウェブページをネットワーク上に位置するウェブブラウザに提供することができるようになる。DCU1038は、標準RJ45ソケットを介してローカルエリアネットワーク(LAN)に接続することができる。ウェブブラウザを使用すると、ユーザは、DCU1038内に含まれる情報を通じて移動することができる。許可されたユーザだけがDCU1038内の情報にアクセスできることを保証するために、パスワード保護をウェブサーバ内に実装することができる。ユーザがDCU内の情報にアクセスすることができる位置に関する柔軟性を許容するために、PDAを用いることができる。
【0108】
第3の通信要素1054は、DCU1038を構成可能な通信専用とすることができる。第3の通信要素1054は、限定ではないが、EIA RS232を含む1つ又はそれ以上の規格に基づく。DCU1038の通信要素1054は、動作用に構成することができる。不揮発性メモリー1056は、構成情報を記憶するのに使用され、DCU1038が電源オフの間に構成及び他の有用な情報を保持するようにする。DCU1038は、該DCU1038を位置付け且つ識別することができるように固有識別器1058を有する。
【0109】
図面の図18Aは、自動ロールタオルディスペンサー1060を示す。しかしながら、折り畳み製品、又は、オムツ及び女性用品などの個々に積み重ねられた製品などの種々の他のタイプのディスペンサーを本発明の別の例示的な実施形態に従って使用できる点を理解されたい。例えば、2003年12月31日に出願され表題が「Dispenser with Electronic Sensing Device to Control Delivered Sheet Length(供給されるシート長さを制御するために電子感知装置を備えたディスペンサー)」である同時係属中で且つ同一出願人の米国特許出願番号10/750,238に記載されたディスペンサーを用いることもできる。米国特許出願番号10/750,238は、引用により全体が本明細書に組み込まれる。
【0110】
図18Aに戻り参照すると、枢動部1064上に配置された機械式レバー1062を用いて、製品低レベル状態に至った時点を判定することができる。完全な紙ロール1068がディスペンサー1060内に置かれたときには、レバー1062は、その最も遠い程度に達する。枢動部1064の近くに配置されたマイクロスイッチ1066又は他の適切な装置を用いて、信号をディスペンサーセンサユニット(DSU)1014に配線接続又は無線のいずれかを介して送信することができる。限定ではないが、アナログ装置のような当該技術分野で一般的に知られている別の装置を用いて、「燃料ゲージ」として機能するように紙ロール1068サイズのフルレンジを感知することができる。この事例においては、製品残量は、10%、20%、30%等のように報告することができる。回転センサ又は赤外線センサのような当該技術分野で一般的に知られているどのようなセンサを使用してもよい。完全な紙ロール1068サイズを感知するのに使用可能な装置の別の実施例は可変抵抗器である。レバー1062が、マイクロスイッチ1066が入る地点に達すると、DSU1014は、製品低レベル状態の信号を送ることができる。しかしながら、上記で説明した赤外線法のような、製品低レベル状態を感知する他の機構を使用してもよい点を理解されたい。加えて、DSU1014は、特定の実施形態では電気構成部品だけを含むことができるが、代替的に別の実施形態では、マイクロスイッチ1066、枢動部1064及びレバー1062などの電気構成部品及び機械構成部品の両方を含むことができる。
【0111】
図33は、図18A及び図18Bの紙ロール1068の代わりに紙スタックが使用されるディスペンサー1000を示す。機械式レバー1062は、枢動部1064上に配置することができ、図18A及び図18Bと同様の方法で製品低レベル状態に達した時点を判定するのに用いることができる。しかしながらこの場合は、機械式レバー1062が紙スタック1018の上端部分に接触する。
【0112】
全体として図18Aに戻り参照すると、別の例示的な実施形態によれば、本システムはまた、製品ディスペンサーの広い範囲に対して製品の使用量を信号で送ることができる。これは、米国特許第6,360,181号及び第6,411,920号において詳細に記載されており、該特許は引用により全体が本明細書に組み込まれる。紙が自動的に分配されるときには、ピンチローラー1070の1つに取り付けられた回転センサ1072が紙の分配される量を測定する。製品が分配された後、ピンチローラー1070を通過した紙の長さが、DCU1038に信号で送られる。回転センサ1072は、ロータリーエンコーダ型とすることができ、その出力はDSU1014に接続される。しかしながら、移動マグネットとリードスイッチの組合せ、光エンコーダ、又はスロット付きホイールを備えるフォトインタラプタのような回転運動を検出可能な他の何らかのセンサタイプを本発明と共に使用することができる点を理解されたい。それぞれのディスペンサー及び関係する製品から収集された製品の使用量に関する情報は、WMS1040を介して処理及び報告することができる。製品低レベル状態を検出する機能は、製品在庫の補充方法を提供する。本システムは、データベースを介して、それぞれのディスペンサー及び関係する製品についての低供給レベルが警報された回数の記録を保持する。ユーザは、それぞれのディスペンサーについて製品タイプを手動で入力することを担う場合がある。現在の在庫の記録、次いで自動的な再発注、及び消費された製品の量に対する顧客への請求の方法は、本発明の別の態様として提供される。
【0113】
別の例示的な実施形態によれば、DSU1014は、ディスペンサー1060の製品認識部分と直接又は間接的にインターフェースで接続することによって、使用中の製品のタイプを判定することができる。図18Bを参照すると、ディスペンサー1060内の紙ロール1068の位置が示される。紙ロール1068は、ディスペンサー1060の側壁に取り付けられた2つのスプリングアーム1074間に懸架される。RFIDリーダー1076は、スプリングアーム1074の一方に配置され、DSU1014と通信状態にある。紙ロール1068内に埋め込まれているのは、RFIDリーダー1076に隣接して位置付けられたRFIDタグ1078である。
【0114】
RFIDタグ1078は、紙ロール1068のタイプに関する情報を含む。使用中、DSU1014は、RFIDタグ1078の内容を読み取り、製品のタイプ情報をDCU1038に信号で送る。RFIDタグ1078が発見されない場合、又は認識されないRFIDタグ1078が識別された場合には、このステータスはDCU1038に信号で送られる。「識別された紙」が使用される場合には、DCU1038は、製品低レベル報告機能を有効にするオプションを有する。RFID技術は、当業者には公知であり且つ理解されるので、その詳細な説明は、本発明を説明する目的において必ずしも必要ではない。更に本発明は、別の機構を用いて製品を識別する例示的な実施形態を含むことを理解されたい。例えば、バーコードリーダー、或いは、ラベル、ロゴ、磁気ストリップ、「スマート」タグ、ホログラム又はルミネッセンス/蛍光などの別の識別機構を別の例示的な実施形態に従って使用してもよい。DSU1014は、RFIDリーダー1076又はバーコードリーダー又は別の機構を含むことができ、或いは、RFIDリーダー1076又はバーコードリーダー又は別の機構は、DSU1014から分離され、該DSU1014と通信する構成部品とすることができる。
【0115】
DSU1014は、DSU1014に関係付けられた電子機器及びソフトウエアがディスペンサー1060の電子機器内に内蔵又は包含されるという点で直接接続を利用することができる。或いは、ディジタル入力と出力、又はシリアルデータリンクのような、DSU1014とディスペンサー1060電子機器との間に別個の電気的経路が形成されるように間接接続を用いても良い。
【0116】
図18Aを参照しながら別の例示的な実施形態では、DSU1014は、製品低レベル検出機構及び製品使用量検出機構と連動して、紙詰まり又は目詰まりを信号で送ることができる。紙を分配するための機構が起動されると、この動作は、上述及び米国特許出願シリアル番号10/750,238に記載されているように、ディスペンサーの紙起動センサに直接に又は間接的にインターフェースで接続することによってDSU1014により検出することができる。紙が分配されず且つ紙ロール1068上に紙が残存していることをDSU1014が検出した場合には、紙詰まりをDCU1038に信号で送ることができる。この信号を用いて、ディスペンサー1060をサービスする必要があることを示すことができる。
【0117】
図面の図19A及び19Bは、自動ロールタオルディスペンサー1060について上述したものと類似するが、米国特許第6,209,752号に記載されたような自動石鹸ディスペンサー1088に関係する実施形態を示しており、該特許は引用により全体が本明細書に組み込まれる。石鹸は、石鹸ディスペンサー機構1084により石鹸補給カートリッジ1082から洗剤ノズル1086を出て自動的に分配することができる。この実施形態では、DSU1014はまた、石鹸補給カートリッジ1082内の石鹸の存在を検出するための静電容量式近接センサ1080を含む。
【0118】
静電容量式近接センサ1080は、石鹸補給カートリッジ1082の満量時と部分的に空いているときの絶縁耐力の差を用いて、製品低レベル状態を判定する。赤外線センサ、機械式レバー、及び機械式歪みゲージなどの製品の存在を検出することができる別のセンサのタイプが適切であり、自動又はマニュアル石鹸ディスペンサー1088、或いは別のディスペンサー1060に使用することができる。近接センサ1080は、石鹸が事前に設定された低レベル点に達した時点を検出できるように、ディスペンサー1088内にある地点に位置付けられる。使用中、DSU1014は、周期的に近接センサ1080をチェックし、製品低レベル状態が存在するときに予め定義された地点でDCU1038に信号を送る。別の実施形態では、DSU1014は、石鹸の分配動作を担う電子機器に直接又は間接的にインターフェースで接続する。次にDSU1014は、DCU1038に製品の使用量を信号で送ることができる。荷重による使用量又は射出量の決定に用いることができる液体製品ディスペンサーの一例は、米国特許第6,411,920号に見出され、該特許は引用により全体が本明細書に組み込まれる。
【0119】
別の実施形態では、DSU1014は、石鹸補給カートリッジ1082を保持するディスペンサー1088の一部に接近して位置付けられたRFIDリーダー又はスキャナ1076を含む。石鹸補給カートリッジ1082は、RFIDタグ1078の形態の識別符号をRFIDリーダー1076がRFIDタグ1078を読み取ることができる位置において保持する。RFIDタグ1078は、石鹸補給カートリッジ1082内に含まれる石鹸製品のタイプに関係する情報を含む。使用中、DSU1014は、RFIDタグ1078の内容を読み取り、この情報をDCU1038に信号で送る。タグが発見できなかった場合又は認識されないRFIDタグ1078が識別された場合には、このステータスはまた、DCU1038に送信される。DCU1038は、「認識されない石鹸」が使用される場合には、製品低レベル報告機能を無効にするオプションを有する。
【0120】
他の種々の例示的な実施形態はまた、本システムが製品を認識できない場合には、製品低レベル表示機能又は別のより高レベルの機能を有効可能にする能力を有する。本システムは、製品が認識されない場合でも該製品を分配することができる。しかしながら本システムは、認識されない製品が検出された場合には、ディスペンサーへの損傷を防止し、又は超過又は過少分配を防止するために一時的に無効にすることができる。本システムは、デフォルト設定値を利用して十分な量の認識されない製品を確実に分配することができるので、認識されない製品を「締め出す」必要はない。この機能は、限定ではないが、折り畳み紙、オムツ、女性用品及び同様のものなどの他の製品形式に適用することができる。
【0121】
製品低レベルの検出能力及び製品タイプの検出能力は共に、製品在庫の補給方法を提供する。本システムは、データベースを介して、識別された製品の低供給レベルが警報された回数の記録を保持することができる。現在の在庫を記録し、次いで自動的に再発注して、消費された製品の量について顧客に請求する方法が、本発明の別の態様として提供される。図30は、製品消費及び自動再発注機構のシーケンス図を示す。製品消費プロセス及び自動再発注プロセスを共通の在庫データベース上で動作する2つの別個のプロセスとして示している。このデータベースは、WMS1040上に保持することができ、或いは中央位置にあるデータベース上に保持してもよい。
【0122】
図30の製品消費図は、製品低レベル警報のためのWMS1040のチェックを示している。警報は、製品識別機能により指定された製品タイプに関係付けられる。警報が報知されると、在庫データベース内の製品は減分される。データベースがWMS1040上でホストされる場合には、データベースの減分は、ローカルで実施することができる。データベースが、リモートでホストされる場合には、インターネットを介してデータベースにメッセージを送信することによってデータベースを減分することができる。警報がキャンセルされる場合には、プロセスは新しい警報を探す段階に戻る。
【0123】
図30の自動製品再発注図は、在庫レベルを更新する製品送出を示す。次に、在庫レベルは、事前に定義された最小値を下回るまでチェックされる。次いで、製品が自動的に再発注される。このプロセスは、データベース動作全体の一部とすることができる。データベースがWMS1040上でホストされる場合には、再発注は、電子メール又はこのような他の方法で実施することができる。データベースが、中央でホストされる場合には、再発注は、製品在庫管理プロセス全体に組み込むことができる。
【0124】
図面の図20を参照すると、システムの動作の例示的な実施形態が示される。図20は、2つの同一の洗面所、すなわち第1の洗面所1042と第2の洗面所1044を示す。第1の洗面所1042は、第1のタオルディスペンサー1090、第1のティシュディスペンサー1092、及び第1の石鹸ディスペンサー1094が取付られている。第2の洗面所1044は、第2のタオルディスペンサー1096、第2のティシュディスペンサー1098、及び第2の石鹸ディスペンサー1100が取付られている。各ディスペンサーは、ディスペンサーセンサユニット(DSU)1014が取付られ、全てが、同一基本仕様の製品低レベル検出機構、無線送信器、及びバッテリーレベルセンサ1028を備えるバッテリー1026を有する。送信器は、902MHzから920MHzまでのFM周波数帯域において最大出力1mWで動作する。
【0125】
各洗面所1042及び1044のDSU1014は、別個のDCU1102及び1104に送信する。各DCU1102及び1104は、対応する無線受信器を有する。図20は、その一部分がWMS1040を含む施設管理スーツを示す。WMS1040、並びにDCU1102及び1104は、スイッチデバイス又はハブ1108を通じて10BaseT Ethenetにより通信する。WMS1040はまた、標準電話回線網1110に接続され、清掃員又はメンテナンス作業員が保持する携帯電話1112に対して関連の警報を行うことができる。
【0126】
この実施形態では、DCU1102及び1104の機能は、DSU1090、1092、1094、1096、1098及び1100からの信号を受信して、該信号を処理することである。各DCU1102及び1104は、製品低レベル、バッテリー低レベル、又は他の障害を示す警報をWMS1040に中継する。加えて、各DCU1102及び1104はウェブサーバを含み、これにより情報はネットワークに接続されたコンピュータ1106上で実行されるウェブブラウザから閲覧することができる。ネットワークがインターネットに接続される場合には、情報はリモートで閲覧することができる。
【0127】
図20に示す例示的な実施形態では、WMS1040の機能は、この構成においてDSU1090、1092、1094、1096、1098及び1100から警報を受信して処理することである。警報は、WMS1040によって表示され、音声で報知することができる。更に、警報の一部又は全ては、携帯電話1112に送信することができる。携帯電話1112への好ましい報知方法は、ほとんどの携帯電話サービスプロバイザから通常利用可能な機能であるショートメッセージサービス(SMS)を介したものである。しかしながら、本システムは、この報知方法に限定されず、電子メール、無線ページング、及び電話による音声警報を介した警報を含むことができる。
【0128】
図20の通信は、DSU1090、1092、1094、1096、1098及び1100又はこれらと関係付けられたディスペンサーをPC及びウェブブラウザ1106、DCU1102、1104、WMS1040、又は携帯電話1112によって再プログラム又は制御することができる点において、双方向性とすることができる。種々のディスペンサー1000、1060又は1088内に含まれる電気制御回路又はモータは、上述の構成部品と通信状態にすることができ、その結果、ディスペンサーから分配されるシート材料又は石鹸の量をリモートで制御することができるようになる。例えば、ユーザは、WMS1040を介してディスペンサー1088内でモータが作動する時間量を調節することができ、従って、ディスペンサー1088が様々な量で分配できるようにする。双方向制御は、清掃員又はメンテナンス作業員が実際に洗面所を訪れることなくこの調節がリモートで実施される点で有利とすることができる。
【0129】
種々の例示的な実施形態によれば、WMS1040は、DCU1038が存在する必要無しにDSU1014と直接通信することができる点を理解されたい。
【0130】
図21−図26の図面は、洗面所ユーザ、システム構成部品、及び清掃員の職務間の活動及び事象の特定のセットを示すシーケンス図である。図21は、製品低レベル警報及び再補給シーケンスを示す。清掃員又はメンテナンス作業員は、WMS1040からシステム内のディスペンサーのステータスを周期的にチェックし、製品低レベル警報が発生すると、ディスペンサーを再補給する措置を講じる。図22は、WMS1040を周期的にチェックする必要がないように清掃員又はメンテナンス作業員が保持する携帯電話1112に対し警報を行うこと以外は、図21と同様の線図である。
【0131】
図23は、ディスペンサーバッテリー低レベル警報の後の清掃員又はメンテナンス作業員によるバッテリー1026の交換を示す。図24は、DSU1014の通信障害及びそれに続く警報を示す。DCU1038がDSU1014からの製品ステータス信号を受信するので、この障害はDCU1038によって検出される。これらのステータス信号が存在しなくなると、所定の時間期間の後で警報が生成される。この警報は、システムがサービスされた後でクリアされる。
【0132】
図25は、識別される製品が使用される場合の製品識別機能を組み込むDSU1014を示す。この事例では、製品低レベルステータスのような高度な機能を起動させることができる。図26は、認識されない製品が使用される場合の製品識別機能を備えたDSU1014を示す。この事例では、ユーザがディスペンサーのステータスを監視することができる高度な機能は無効にされている。しかしながら、ディスペンサーはそれでも尚、認識された製品を分配するように構成されていることになる。
【0133】
図19A及び図19Bを参照しながら、ディスペンサーパラメータの制御の実施形態をここで説明する。ディスペンサーパラメータは、限定ではないが、石鹸ディスペンサー又は消臭剤ディスペンサーの射出量、タオル又はティッシュディスペンサーのシート長、時間遅延、光感受性、及び音量として定義することができる。図19A及び図19Bは、自動石鹸ディスペンサー1088を示すが、本発明の範囲を1つのタイプのディスペンサーに限定するよう意図するものではない。種々のタイプのディスペンサーを本発明のこの態様で使用することができ、自動石鹸ディスペンサー1088は、例証として使用される。
【0134】
通常このタイプのディスペンサー1088は、使用毎に製品の一定量を分配する。この特定の量が一般に射出量と呼ばれる。射出量は通常、特定のタイプのディスペンサーに対して固定される。DSU1014が通信用トランシーバを含み、且つ石鹸の分配制御に関係する電子機器に直接又は間接的に接続されている、DSU1014の実施形態では、システム管理者は、DSUに信号を送ることによって射出量を変更することができる。システム管理者は、これをWMS1040から行うことができ、或いは、携帯電話1112又はシステムの他の構成部品から行うことができる。従って、本発明は、1つの実施形態において、単方向性のシステムとは対照的に、人がDSU1014又は製品ディスペンサー1088に通信することができるシステムを提供する。この機能は、例えば、ユーザの手がひどく汚れる区域に対してはより大きな射出量を設定し、或いは、濃縮度が高いタイプの石鹸が使用される場合には少ない射出量を選択するように使用されるであろう。別の例示的な実施形態によれば、DSU1014は、DCU1038と通信することができる電子構成部品を含むことができ、更にDSU1014は、ディスペンサー1088の射出量又は他の分配パラメータを変更可能な機械式構成部品を含むことができる。
【0135】
更に、ディスペンサー1088が、使用される製品のタイプを識別する能力を有し、且つ射出量及び/又は分配間の時間遅延を自動的に設定する場合には、ユーザは、自動設定を無効にする能力を有する。上述と同様の方法で、図18A及び図18Bは、使用される製品のタイプを識別して、タオル長及び/又は分配間の時間遅延を自動的に設定する能力を備えるロールタオルディスペンサー1060に特に関係する別の実施例を示す。この例示的な実施形態では、ユーザは、自動設定を無効にする能力を有する。
【0136】
図27A及び図27Bを参照すると、別の実施形態が示されている。ディスペンサー1060のパラメータを制御する能力と共に、追加機能をディスペンサー1060に組み込むことができる。図27A及び図27Bは、図18Aの1つに類似したロールタオルディスペンサー1060の正面図と側面図をそれぞれ示す。ディスペンサー1060は、画像ディスプレイ1114とすることができるディスプレイモジュールが取付られる。画像ディスプレイ1114は、液晶型(LCD)或いは、モノクロ又はカラーのテキスト及び/又はグラフィックスの別の好適なディスプレイ技術のものとすることができる。画像ディスプレイ1114は、DSU1014に接続され、該DSUは直接又は間接的にディスペンサーの電子機器に接続される。図29は、図27A及び図27Bのディスペンサー1060で使用可能なDSU1014の内部構成の例示的な実施形態を示す。DSU1014は、システム管理者からの制御信号を受信する無線トランシーバ又は通信電子機器1024が取付られる。製品低レベルセンサは、赤外線送信器及び受信器1030及び1032などの上述のいずれのタイプのものとすることができる。
【0137】
別の実施形態は、例えば図32に示すようにディスペンサー1060に接続されないスタンドアロンの洗面所ディスプレイユニット1124とすることができる。洗面所ディスプレイユニット1124は、上述と同じ基本内部構成を有することができるが、製品低レベルセンサは備えていない。洗面所ディスプレイユニット1124は、DCU1038と通信することができ、DCUはWMS1040と通信状態にある。WMS1040は、洗面所ディスプレイユニット1124によって送信されるメッセージを変更するために、DCU1038を介して洗面所ディスプレイユニット1124に返信するように構成することができる。メッセージの変更は、自動的に行うことができ、或いはオペレータを介して行うこともできる。
【0138】
使用中、画像ディスプレイ1114は、上述の両方の実施形態において、限定ではないが、ユーザへの十分な手洗いの指示、広告情報、及び気象警報を含む種々のタイプの情報を洗面所のユーザに示すことができる。システム管理者は、WMS1040を介して表示情報を何時でも変更することができる。
【0139】
別の実施形態を図28A及び図28Bに示す。ここでは、ディスペンサー1060は、図27A及び図27Bに示す実施形態に類似するが、代わりに、音声メッセージを発する装置又は機器を含む。ディスペンサー1060は、音声モジュール1116を含む。音声モジュール1116は、リモートで更新及び変更することができる実施例として、事前に記録された音声又はテキストツーボイスを備えるソリッドステート技術を用いることができる。音声モジュール1116は、DSU1014に接続することができ、該DSUはディスペンサー電子機器1116に直接又は間接的に接続される。図29は、本発明の1つの例示的な実施形態で使用可能なDSU1014の内部構成を示す。DSU1014は、システム管理者からの制御信号を受信するために無線トランシーバ又は通信用電子機器1024が取付られる。音声モジュール1116は、図32に示し上記で説明したように音声メッセージだけを備えるようなスタンドアロンとすることができ、或いは、消臭剤、タオルディスペンサー又は同様のものなどの別の物品内に組み込むこともできる。音声モジュール1116は、洗面所のユーザに対して音楽、ホワイトノイズ、或いは特別な奨励、イベント、又はリマインダーを非限定的に含む種々のタイプの情報を放送し、洗面所を離れる前に手を洗わせるようにすることができる。システム管理者は、限定ではないが、各メッセージ間の時間間隔、音量、性別音声、多言語、及び同様のもののような装置の特定のパラメータを調節することができる。システム管理者は、WMS1040を介して音声情報を何時でも変更することができる。更に、スタンドアロンモジュールは、無線又は有線のいずれかでDCU1038と通信する視覚メッセージを表示する特定の例示的な実施形態内に含めることができる。本モジュールはまた、視覚及び音声メッセージの両方を示すように構成することができる。
【0140】
スタンドアロンとして構成される場合には、音声モジュール1116は、ディスペンサー1060には接続されない。この例示的な実施形態は、上述と同じ基本内部構成を有するが、製品低レベルセンサ又は製品識別機能を備えていない。このような装置の1つのタイプが、2004年9月27日出願の「A Device For Encouraging Hand Wash Compliance(手洗い順守を奨励するための装置)」と題された米国特許出願番号10/950,965に記載されており、該特許は引用により全体が本明細書に組み込まれる。しかしながら、音声モジュール1116は、別の例示的な実施形態では視覚メッセージだけ、或いは音声及び視覚メッセージの両方を示すように構成することができる点を理解されたい。
【0141】
図34は、別の例示的な実施形態の概略図である。ここでは、カメラ1132が、洗面所の床を見ることができるように位置付けられる。カメラ1132は、流し台、便器又は小便器から溢れ出て床上に存在する可能性のある水1134を見ることができる。加えて、カメラ1132は、使用済み紙タオルのような洗面所の床上に投げ捨てられている可能性のあるゴミ1136を見ることができる。カメラ1132は、あらゆるプライバシーの懸案にも対処する目的で、洗面所の床の上端から約3インチ以下だけを見ることができるように構成することができる。
【0142】
カメラ1132はDCU1038と通信することができ、該DCUは、WMS1040と通信状態にある。ユーザは、洗面所の床をWMS1040を介して監視することができ、水1134及び/又はごみ1136が検出された場合には、メンテナンス作業員に警報することができる。更に、或いは代替的に、システムは、カメラ1132、DCU1038又はWMS1040が水1134及び/又はごみ1136が存在するようになった場合には、これらの存在を自動的に警告するように構成することができる。
【0143】
小便器又は便器を流すための自動装置では通常、小便器の使用が完了した時点を判定する赤外線検出器が使用される。本発明によれば、このような装置は、小便器又は便器の使用を信号で送り、図27A、27B、28A又は28Bで上記で説明した洗面所ディスプレイを介して洗面所1042を離れる前にユーザに手洗いを指示するためのDSU1014に類似したユニットを組み込むことができる。
【0144】
ディスペンサー1060の動作に対し重要ではないが、種々の機器の監視及び制御に関連した洗面所の機能性に関係のある装置及び機能を伴う別の例示的な実施形態もまた含まれる。第1の実施形態は、水のオーバーフロー又は冠水状態の高度な警告を提供するために、個々の流し台、便器、小便器及び/又はこれらに隣接する床区域に対して、例えば図31において示されるオーバーフローセンサ1118を説明する。オーバーフローセンサ1118は、水の存在を検出するために流し台、便器又は小便器に離散的に取付け可能にすることができる。オーバーフローセンサは、DCU1038と通信するために上述のDSU1014に類似する内部構造部を有することができる。
【0145】
オーバーフローセンサ1118は、以下のものに限定されるものではないが、水分検出器、圧力センサ及びフロートスイッチを含む。水分検出器は、水との接触がブリッジの一方側を形成する抵抗ブリッジを含む。ブリッジは、開回路と5MΩより小さい抵抗との間の差を検出可能にすることができる。圧力センサは、無水状態と公称2cmを越える水中への浸漬又は約0.2kPaとの間の僅かな圧力差を検出可能な耐水ダイアフラムを含むことができる。フロートスイッチは、水が所定レベルに達したときにスイッチが入るアームに取付られた小型フロートを有することができる。
【0146】
DSU1014は、防水ケース内に収容して、電子機器及びバッテリー1026を保護することができる。使用中、オーバーフローセンサ1118は、水の存在の有無を検出する。水の存在が通常の水洗期間を超える時間期間の間持続する場合には、警報が、DSU1014、又はオーバーフローセンサ1118と通信する別の構成部品に信号で送られる。例えば、オーバーフローセンサ1118は、20秒、30秒、40秒を超える時間、或いは30秒から45秒の間の時間に水が検出される場合に水が存在することを信号で送ることができる。WMS1040管理者は、WMS1040によってオーバーフロー状態に対し警報され、警報が発生した場合に措置を講じる。水の流量を検出して更にオーバーフロー又は起こり得る冠水状態を判定するために、1つのセンサをDSUと共に使用することができる。図22は、WMS1040を周期的にチェックする必要がないように清掃員又はメンテナンス作業員が保持する携帯電話又は携帯情報端末1112に対し警報を行う以外は同様の線図である。
【0147】
加えて、水の流量を監視及び制御して、水が出たままの蛇口、便器及び/又は小便器により過剰な水が使用されているかどうかを判定するための装置を含むことができる。図31に示すように、データ通信ユニット1038を流量センサ1130と通信した状態にすることができる。更に、WMS1040は、データ通信ユニット1038、及び該データ通信ユニット1038を介して流量センサ1130と通信した状態にすることができる。WMS1040は、流量センサ1130によって検出されたときの水の流量を示すように構成することができる。流量センサ1130は、限定ではないが、回転ベーン及び/又は差圧ユニットを含む種々のセンサから選択することができる。
【0148】
下記の実施形態は、監視及び制御を利用するために上記で説明したもの以外の洗面所装置の能力を組み込む。以下の実施形態は、例証の目的のものであり、すなわち自動空気清浄機器は通常、エアロゾル弁を周期的に開放するための機構を使用する。この装置へのDSU1014の組み込みは有利とすることができる。第1に、エアロゾルが取替えを必要とするときには、DSU1014は、一般的な方法のように騒音を発するのではなく警報信号を送ることができる。第2に、システムは、空気清浄機器がエアロゾルを開放するときに製品を効率的な方法で使用するように制御することができる。DSU1014は、監視又は制御の目的のために洗面所1042又は1044の内部で使用される廃棄物容器のような他の装置内に組み込まれ、空になる時点を判定するか、又はオーバーフロー状態を検出することができる。WMS1040管理者は、WMS1040から廃棄物容器センサのステータスを周期的にチェックして、警報が発生した場合に措置を講じる。
【0149】
DSU1014は、上記で説明したように、洗面所内で使用される廃棄物容器などの他の装置内に監視又は制御の目的のために組み込まれ、空になる時点を判定し、又はオーバーフロー状態を検出することができる。廃棄物容器1126のセンサ1128は、限定ではないが、機械式スイッチ、赤外線又は他の近接感知装置、歪みゲージ又は圧力センサを含む。機械式スイッチは、廃棄物容器1126の蓋に装着することができる。廃棄物容器1126が満杯になり、蓋及びスイッチが長い時間の間開いたままであるときには、警報信号を送ることができる。或いは、スイッチは、蓋の開閉回数をカウントするように使用してもよい。DSU1014は、各廃棄物容器1126タイプ毎に事前に決められた特定のカウント数を超えると廃棄物容器1126が満杯であることを推測することができる。赤外線センサは、廃棄物容器1126の側面に装着することができ、廃棄物を収容するのに使用されるライナーが透明である限り、センサは、廃棄物のレベルが特定の時点に達したときに警報信号を送るように用いることができる。歪みゲージ又は圧力センサを用いて、容器の内容物を計量することができる。予め定められた重量になると警報信号を送ることができる。
【0150】
図31は、DCU1038又はDSU1014などの他の構成部品を介してWMS1040と通信状態にすることができる廃棄物容器センサ1128を含む廃棄物容器1126を示している。使用可能な装置の実施例は、赤外線計測センサ又は機械式スイッチであるが、別の装置が使用可能であることを理解されたい。WMS1040管理者は、WMS1040から廃棄物容器センサ1128のステータスを周期的にチェックして、警報が発生した場合に措置を講じる。図22は、WMS1040を周期的にチェックする必要がないように清掃員又はメンテナンス作業員が保持する携帯電話又は携帯情報端末1112に対し警報を行う同様の構成を示す。
【0151】
別の実施形態は、公共洗面所、種々の医療単位での看護士及び医師の休憩室並びにナースステーション、調理施設、又は食品加工施設における手洗い順守の監視及び報告機能を提供する。本実施形態は、上述の実施形態に基づき、製品使用量に関連付けられる洗面所通行量又は訪問数を計測し、ディスペンサーパラメータの制御と患者又は食品或いはその他との接触の前後に手洗いをするようにユーザに気付かせるための音声、テキスト又は画像による指示のいずれかの組み合わせとを連動させて、手洗いの順守を奨励し、定量化し、且つ報告するように拡張することができる。
【0152】
この例示的な実施形態は、米国特許第5,878,381号、第6,360,181号及び第6,411,920号で詳細に説明された使用量計測機能を有し、3つの全ての内容は引用により全体が本明細書に組み込まれる。上述の画像ディスプレイ1114及び音声モジュール1116の実施形態を用いることにより、洗面所通行量及び手洗い順守を監視するため追加の機能を加えることができる。図31は、男性用洗面所とすることができる第1の洗面所1042と、女性用洗面所とすることができる第2の洗面所1044とを示す。ドア又は入口センサ1120、同様に区画ドアセンサ1122が設けられ、ドア又は区画が開閉された時点を判定し、又はこれと共に移動を検出するのに使用される。更に、或いは代替的に、限定ではないが赤外線又は周辺光センサなどのセンサを用いて、洗面所1042、1044内のユーザの存在を感知することができる。事象は、タイムスタンプ及び日付スタンプを付けられ、限定ではないがタオルディスペンサー1060、ティッシュディスペンサー1060、石鹸ディスペンサー1088及び同様のものからの使用量と洗面所1042、1044への訪問者数を関連付けて順守の判定を可能にする。このような構成はまた、洗面所1042、1044のドア又は区画ドアに取り付けられ、移動を検出するためのマグネット及び関連するリードスイッチを含むことができる。
【0153】
動作中、ユーザは、洗面所1042又は1044に入り、ユーザの存在がセンサ1120又は1122の1つによって認識される。個人がディスペンサー1060又は1088を使用すると、製品の変位が監視され記録される。このような分析の成果は更に、追加の分析及び/又は検索のためにディスペンサー1060又は1088の記憶域内に格納することができる。ユーザが洗面所1042、1044から出るときには、このことはまた、上記で参照されたセンサ1120又は1122の1つによって記録される。洗面所1042又は1044内で個人を監視するのに使用されるセンサは、限定ではないが、RFID技術又はバーコードを含む当業者には一般的に知られている機構を介して洗面所の個々のユーザの識別情報を検出又は識別可能であるように構成することができる。2004年9月27日出願の「A Device For Encouraging Hand Wash Compliance(手洗い順守を奨励するための装置)」と題された米国特許出願番号10/950,965は、手洗い順守を案内することができる種々のタイプの方法を示しており、該特許は引用により全体が本明細書に組み込まれる。
【0154】
システムは、非ネットワーク音声モジュール1116又は画像ディスプレイ装置1114を使用して、連続的又は断続的にリマインダーを送ることができ、或いは、ユーザが洗面所1042又は1044に入る事象、区画に出入りする事象、及び/又は相関するタオルディスペンサー1060事象及び/又は石鹸ディスペンサー1088事象が発生することなく洗面所1042又は1044を離れる事象において放送するように設定することができる。ネットワーク装置に関しては、システム管理者は、限定ではないが、各メッセージ間の時間間隔、音量、性別音声、多言語、及び同様のもののような装置の特定のパラメータを調節することができる。システム管理者は、WMS1040を介して音声情報を何時でも変更することができる。
【0155】
小便器を洗い流す自動装置は通常、赤外線検出器を使用して、小便器又は便器の使用が完了した時点を判定する。DSU1014を組み込むこのような装置は、その使用を信号で送り、上述のような洗面所ディスプレイ又は音声リマインダーを使用して洗面所1042又は1044を離れる前にユーザに手洗いを指示することができる。システム管理者は、WMS1040を介して、音声及び/又はディスプレイ情報を何時でも変更することができる。センサの機能性、統計、ディスペンサーの再補給ステータス等は、WMS1040の管理者がリアルタイムで監視することができる。
【0156】
限定ではないが、RFID、バーコード又はキーパッドエントリのような個人を識別する種々の方法は、当業者には公知である。個人の識別情報は、WMS1040を介してアクセス可能なプロファイルの形態で保持することができ、該WMS1040ではリアルタイムで監視されて警報が送られる。例示的な実施形態は、WMS1040を介してアクセス可能なプロファイルの形態で個人の識別情報を保持する能力を提供する。その個人の携帯電話1112、ページャー、又は同様のものに控えめなメッセージを送り、洗面所1042又は1044を離れる前に手洗いをしなかったことをその個人に気付かせることができる。
【0157】
(1つの例示的な実施形態に従って実施されたサンプルテスト)
SCOTTFOLD(登録商標)タオル、コード01999(Loudon)を用いて洗面所において1つのシステムを試験した。標準スマートディスペンサープロトコルを用いた。調査対象間で10%の相違を識別するために、男性及び女性について最低限の200事象が得られた。1ケースの製品は、約3.5日間にわたる約800の両手の乾燥もたらすこととなる。手の乾燥は、女性について約225、男性について約760まで失敗した。データは3つの調査期間で収集した。
【0158】
調査1は、「対照」使用量データを生成する目的で、口頭リマインダーを使用する前に3から4日間にかけて実施した。調査2は、口頭リマインダーを行い3から4日間にかけて実施した。調査3は、口頭リマインダー後、リマインダー無しで使用量が減少するかどうかを測定するために3から4日間にかけて実施した。
【0159】
単純なオーディオ機器(リピート機能及び個別スピーカを備えたブックケースステレオシステム)を洗面所の上方の天井に設置した。天井タイルは、音質を改善するために修正した。各メッセージ間に45秒のシーケンスを備える連続ループで口頭リマインダーを録音し且つ再生するために、CDを使用した。女性用洗面所では女性の音声を、男性用洗面所では男性の音声を使用した。
【0160】
また、2つのSCOTTFOLD(登録商標)ディスペンサー、データ収集ユニット、5つの標準ロールトイレットペーパーディスペンサー、及び対応する区画ドアセンサ並びに一次ドア用の2つのドアセンサを実験用に用いた。
【0161】
洗面所に出入する人数を計測するために、ドアセンサを一次ドア上に配置した。事象は時間スタンプ及び日付スタンプされた。トイレットペーパー事象は、特に女性用洗面所において、その量が手の乾燥の回数と一致するかどうかを判定するよう監視した。スマート機器は、調査当たりの手の乾燥回数及び手の乾燥当たりのタオル数を計測した。手の乾燥回数を洗面所訪問数で除算したものが、順守比率に等しい(♯HD/♯Visit=%Compliance)。
【0162】
得られたデータにあるばらつきをもたらす可能性のある幾つかの「制御不能変数」が実験内に存在した。第1に、調査内で計測された「訪問」数が、同時に複数の人々が洗面所に出入りする可能性を考慮していない。第2に、真の事象から清掃、メンテナンス、又は種々雑多の訪問を特定する方法が無い。最後に、ドア信号はマニュアルでカウントした。得られたデータを表1に示す。
(表1)
女性
男性
男性女性総計
【0163】
男性及び女性の両方における洗面所訪問当たりの手洗い数において、初期対照期間から口頭リマインダーを行った期間までの調査1と調査2との間で12.7%の増加が存在することが見出された。この増加は、口頭リマインダーが手洗いの順守に影響を与えたものと推測される。更に、調査1と調査3との間には11.1%の増加が存在することが見出された。
【0164】
手洗いの順守は、口頭メッセージが打切られた直後の4日間依然として高いレベルを維持した。手洗いの順守は、口頭リマインダーが終了すると徐々に減少すると予想された。しかしながら、調査2及び調査3における結果の間に認識できる差異は存在しなかった。口頭メッセージ中止後にメッセージが順守に影響を与える期間がどれくらいであるかを求める追加のテストを行うことは望ましいものとすることができる。更に或いは代替的に、繰り返し再生される同一のメッセージが有効である時間量を求めることが望ましいとすることができる。
【0165】
本発明を特定の好ましい実施形態に関して説明したが、本発明として包含される主題は、これらの特定の実施形態に限定されるものではない点を理解されたい。逆に、本発明の主題は、添付の請求項の精神及び範囲に含むことのできる全ての代替形態、修正形態及び均等物を含むものとする。
【図面の簡単な説明】
【0166】
【図1】例示的な実施形態によるシート材料ディスペンサーの部分断面側面図である。
【図2】開状態における図1のディスペンサーの一部の正面図である。
【図3】図2の線3−3に沿った断面図である。
【図3A】例示的な実施形態によるRFIDタグを備えるコアレスロールを使用するディスペンサーの断面図である。
【図4】図1に示すディスペンサーのブロック図である。
【図5】別の例示的な実施形態によるディスペンサーの一部の断面図である。
【図6】別の例示的な実施形態によるディスペンサーの一部の斜視図である。
【図7】ディスペンサーハウジング内に挿入されるモジュールを示す、開状態における図1のディスペンサーの一部の正面図である。
【図8】更に別の例示的な実施形態のブロック図である。
【図9】紙分配ルーチンの論理チャートである。
【図10】チェックディスペンサーステータスルーチンの論理チャートである。
【図11】紙ルーチンの論理チャートである。
【図12】更に別の例示的な実施形態のブロック図である。
【図13A】例示的な実施形態による、紙タオルのスタックの位置とディスペンサーセンサユニットとを示す折り畳みタオルディスペンサーの正面断面図である。
【図13B】図13Aのディスペンサーの側断面図である。
【図14】図13A及び図13Bのディスペンサー内で使用されるディスペンサーセンサユニットの内部構成の概略図である。
【図15】図13A及び図13Bのディスペンサー内で使用されるディスペンサーセンサユニットの動作フロー図である。
【図16】例示的な実施形態による、ディスペンサーセンサユニット、データ通信ユニット及び洗面所監視ステーション間の論理関係の概略図である。
【図17】例示的な実施形態によるデータ通信ユニットの内部構成の概略図である。
【図18A】例示的な実施形態によるディスペンサーセンサユニットを組み込む自動ロールタオルディスペンサーの側断面図である。
【図18B】図18Aに示すロールタオルディスペンサーの部分正面図である。
【図19A】例示的な実施形態によるディスペンサーセンサユニットを使用する自動石鹸ディスペンサーの正面図である。
【図19B】図19Aの石鹸ディスペンサーの側面図である。
【図20】例示的な実施形態によるディスペンサーセンサユニット、データ通信ユニット、洗面所監視ステーション及び他の構成部品間の物理的関係の概略図である。
【図21】例示的な実施形態による製品低レベル警報及び再補給シーケンスのシーケンス図である。
【図22】例示的な実施形態による清掃員又は他のメンテナンス作業員の携帯電話に送信される製品低レベル警報のシーケンス図である。
【図23】例示的な実施形態によるバッテリー低レベル警報及びバッテリー取替えのシーケンス図である。
【図24】例示的な実施形態によるディスペンサーセンサユニット通信エラー並びに関係する警報及びサービスのシーケンス図である。
【図25】例示的な実施形態による製品認識機能を組み込むシステムのシーケンス図である。
【図26】例示的な実施形態による製品認識機能及び高度機能無効化を組み込むシステムのシーケンス図である。
【図27A】例示的な実施形態による画像ディスプレイを組み込むロールタオルディスペンサーの正面図である。
【図27B】図27Aのロールタオルディスペンサーの側面図である。
【図28A】例示的な実施形態による音声モジュールを組み込むロールタオルディスペンサーの正面図である。
【図28B】図28Aロールタオルディスペンサーの側面図である。
【図29】例示的な実施形態による図27A及び図28Aのロールタオルディスペンサーで使用可能なディスペンサー電子機器の概略図である。
【図30】例示的な実施形態による自動製品再発注のシーケンス図である。
【図31】例示的な実施形態による、種々の洗面所構成部品を監視、報告及び分析するためのシステムの概略図である。
【図32】例示的な実施形態によるデータ通信ユニット及び洗面所監視ステーションと通信する洗面所ディスプレイユニットの概略図である。
【図33】例示的な実施形態による紙スタックの製品低レベル状態を検出可能なディスペンサーの一部の正面図である。
【図34】例示的な実施形態によるデータ通信ユニット及び洗面所監視ステーションと通信するカメラの概略図である。
【符号の説明】
【0167】
1014 DSU、ディスペンサーセンサユニット
1038 DCU、データ通信ユニット
1040 WMS、洗面所監視ステーション
1042 第1の洗面所
1044 第2の洗面所
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品を分配するための装置であって、
前記製品を分配するように構成されたディスペンサーと、
前記ディスペンサーと通信し、前記製品に関する情報を検出するよう構成され、前記ディスペンサーの分配パラメータを変更するように構成されたディスペンサーセンサユニットと、
前記ディスペンサーセンサユニットと通信し、前記ディスペンサーセンサユニットから情報を受信するように構成されたデータ通信ユニットと、
前記データ通信ユニットと通信し、前記データ通信ユニットから情報を受信するように構成された洗面所監視ステーションと、
を含み、
前記ディスペンサーセンサユニットが、前記ディスペンサーの分配パラメータを変更するため通信を受けるように構成されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記分配パラメータが、射出量、シート長、時間遅延、光感受性、及び音量からなるグループから選択されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記洗面所監視ステーションが、前記ディスペンサーに前記ディスペンサーの分配パラメータを変更させるために前記データ通信ユニットを介して前記ディスペンサーセンサユニットに送信するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ディスペンサーセンサユニットが、前記ディスペンサーに前記ディスペンサーの分配パラメータを変更させるために携帯電話から通信を受けるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
ディスペンサーセンサユニットが、前記ディスペンサーに前記ディスペンサーの分配パラメータを変更させるためにPDAから通信を受けるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記データ通信ユニットが、前記洗面所監視ステーションに無線で情報を送信することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記ディスペンサーセンサユニットが、前記製品を識別し、該製品の識別を前記データ通信ユニットを介して前記洗面所監視ステーションに報告するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記ディスペンサーセンサユニットと通信するリーダーを更に含み、前記リーダーが、RFIDリーダー、バーコードリーダー、印刷ラベルリーダー、磁気ストリップリーダー、スマートタグリーダー、ホログラムリーダー、ルミネッセンスリーダー、及び蛍光リーダーからなるグループから選択されることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記データ通信ユニットが、製品低レベル状態を報告するように構成されており、前記データ通信ユニットが、認識された製品が識別された場合に前記製品低レベル状態を報告することが可能になることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記ディスペンサーセンサユニットが、製品を識別し、該製品の識別と前記ディスペンサー内に残る製品レベルとをデータベースに報告するように構成され、前記データベースを使用して低レベル時に製品を再発注し、該再発注された製品に対して請求するように構成された製品再発注機構を更に含む請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記データ通信ユニット及び前記洗面所監視ステーションの両方と相互接続するハブと、
前記ハブと相互接続するコンピュータと、
を更に含み、
前記コンピュータが、前記ハブを介して送られる情報を閲覧するためウェブブラウザを利用することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記ディスペンサーが、情報を表示するように構成された画像ディスプレイを有し、前記画像ディスプレイが前記データ通信ユニットを介して前記洗面所監視ステーションと通信し、これにより前記洗面所監視ステーションが前記画像ディスプレイの表示情報を変更するように構成されていることになる請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記ディスペンサーが、音声メッセージを報知するように構成された音声モジュールを有し、前記音声モジュールが前記データ通信ユニットを介して前記洗面所監視ステーションと通信し、これにより前記洗面所監視ステーションが前記音声モジュールの音声メッセージを変更するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記ディスペンサーが、紙タオルディスペンサー、液体又は泡状石鹸ディスペンサー、トイレットペーパーディスペンサー、消臭剤ディスペンサー、トイレットシートカバーディスペンサー、おむつディスペンサー、及び女性用品ディスペンサーからなるグループから選択されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記データ通信ユニットを介して前記洗面所監視ステーションと通信するオーバーフローセンサを更に含み、前記オーバーフローセンサが、水の存在を検出するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記データ通信ユニットを介して前記洗面所監視ステーションと通信する水流量センサを更に含み、前記水流量センサが、水流量を検出するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記データ通信ユニットを介して前記洗面所監視ステーションと通信する廃棄物容器センサを更に含み、前記廃棄物容器センサが、廃棄物容器内で廃棄物の存在を検出するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記ディスペンサーがバッテリーを有し、前記センサユニットが、前記バッテリーのバッテリーレベルを計測し、前記データ通信ユニットを介して前記洗面所監視ステーションに該バッテリーレベルを伝達するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記ディスペンサーセンサユニットがバッテリーを有し、前記ディスペンサーセンサユニットが、前記バッテリーのバッテリーレベルを計測して、前記データ通信ユニットを介して前記洗面所監視ステーションに該バッテリーレベルを伝達するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記ディスペンサーセンサユニットが、前記ディスペンサー内に残っている製品量、前記ディスペンサー内から取り出された製品量、及び前記ディスペンサー内からの製品取り出し速度からなるグループから選択される、製品に関する情報を検出するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項21】
前記洗面所監視ステーションが、携帯電話、携帯情報端末、ページャー及び電話からなるグループから選択される装置を用いて製品低レベル状態を報告するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項22】
洗面所の個々のユーザの存在を示し且つ前記個々のユーザを識別するように構成されたセンサを更に含み、前記ディスペンサーセンサユニットが前記ディスペンサーからの製品の取り出しを検出するように構成されており、前記データ通信ユニットが前記センサと通信状態にあり、
前記装置が前記データ通信ユニットと通信する洗面所監視ステーションを更に含み、
前記データ通信ユニットが、個人による製品取り出しを監視するために前記ディスペンサーセンサユニット及び前記データ通信ユニットから情報を受信するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項23】
前記ディスペンサーが、紙タオルディスペンサー、石鹸ディスペンサー、トイレットペーパーディスペンサー、流し台、便器、及び小便器からなるグループから選択されることを特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記洗面所監視ステーションが、携帯電話、PDA、ページャー及び電話からなるグループから選択される装置を用いて製品の取り出しが無いことを個人に報告するように構成されていることを特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項25】
前記センサが、存在及び識別情報が前記センサから前記ディスペンサーセンサユニットを介して前記データ通信ユニットに伝達されるように前記ディスペンサーセンサユニットと通信することを特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項26】
情報を伝達するように構成され且つ前記洗面所監視ステーションと通信するディスプレイを更に含み、前記洗面所監視ステーションが、表示情報をもたらすように構成されることを特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項27】
前記ディスプレイが、画像ディスプレイ及び音声モジュールからなるグループから選択されることを特徴とする請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記ディスペンサーセンサユニットが前記データ通信ユニットと無線通信しており、前記データ通信ユニットが、前記洗面所監視ステーションと無線通信していることを特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項29】
洗面所内で情報を伝達するための装置であって、
情報を伝達するように構成されたディスプレイと、
前記ディスプレイと通信するデータ通信ユニットと、
前記データ通信ユニットと通信し、前記ディスプレイによって伝達される情報を修正するために、前記データ通信ユニットを介して前記ディスプレイと通信するように構成された洗面所監視ステーションと、
を含む装置。
【請求項30】
前記ディスプレイが、画像ディスプレイ及び音声モジュールからなるグループから選択されることを特徴とする請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記ディスプレイを保持するディスペンサーと、
前記ディスプレイと通信し、前記ディスプレイが前記データ通信ユニットと通信状態になるように経由させる前記ディスペンサーセンサユニットと、
更に含む請求項29に記載の装置。
【請求項32】
洗面所内で水の存在を監視するための装置であって、
水の存在を検出するように構成されたオーバーフローセンサと、
前記オーバーフローセンサと無線通信するデータ通信ユニットと、
前記データ通信ユニットと無線通信し、該データ通信ユニットを介して前記オーバーフローセンサと通信する洗面所監視ステーションと、
を含み、
前記洗面所監視ステーションが、前記オーバーフローセンサによって水が検出されたときに水の存在を示すように構成されていることを特徴とする装置。
【請求項33】
前記オーバーフローセンサが、水分検出器、圧力センサ、及びフロートスイッチからなるグループから選択されることを特徴とする請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記オーバーフローセンサが、予め決定された時間量の間に水の存在を検出すると、該オーバーフローセンサは、水が存在することを信号で送るように構成されることを特徴とする請求項32に記載の装置。
【請求項35】
製品を分配するためのディスペンサーであって、
前記製品を保持するように構成されたディスペンサーハウジングと、
前記ディスペンサーハウジングに枢動可能に装着され、前記製品に係合するように構成され、前記製品の分配によって引き起こされた製品量の減少に応じて製品低レベル位置まで枢動するように構成されたレバーと、
前記レバーが製品低レベル位置まで枢動したときに、前記レバーと係合するように構成され、且つ製品低レベル信号を生成するように構成されたスイッチと、
を含むディスペンサー。
【請求項36】
前記スイッチと通信するディスペンサーセンサユニットを更に含み、前記ディスペンサーセンサユニットが、前記スイッチから製品低レベル信号を受信するように構成されていることを特徴とする請求項35に記載のディスペンサー。
【請求項37】
前記ディスペンサーハウジングによって保持され、前記ディスペンサーハウジングからの製品の取り出しを検出するように構成された回転センサを更に含む請求項35に記載のディスペンサー。
【請求項38】
前記製品が、ロール製品である請求項35に記載のディスペンサー。
【請求項39】
前記製品が、スタック状製品である請求項35に記載のディスペンサー。
【請求項40】
石鹸を分配するための装置であって、
石鹸を分配するように構成された石鹸ディスペンサーと、
前記ディスペンサーと通信し、前記ディスペンサー内の石鹸の量を検出するように構成され、前記ディスペンサーの射出量を変更するように構成されたディスペンサーセンサユニットと、
前記ディスペンサーセンサユニットと無線通信し、前記ディスペンサー内に残っている石鹸の量を少なくとも含む情報を前記ディスペンサーユニットから受信するように構成されたデータ通信ユニットと、
前記データ通信ユニットと無線通信し、前記ディスペンサー内の残っている石鹸の量を少なくとも含む情報を前記データ通信ユニットから受信するように構成された洗面所監視ステーションと、
を含み、
前記洗面所監視ステーションが、前記データ通信ユニットを介して前記ディスペンサーセンサユニットと通信して前記ディスペンサーの射出量を変更するように構成されていることを特徴とする装置。
【請求項41】
製品を分配するためのディスペンサーであって、
製品を保持するように構成されたディスペンサーハウジングと、
前記ディスペンサー内での製品の量を検出するように構成されたディスペンサーセンサユニットと、
前記ディスペンサーセンサユニットと無線通信し、前記ディスペンサー内の製品の量に関する情報を受信するように構成された洗面所監視ステーションと、
を含むディスペンサー。
【請求項42】
前記ディスペンサーセンサユニットと無線通信し、前記ディスペンサーセンサユニット内の製品の量に関する情報を受信するように構成されたデータ通信ユニットを更に含む請求項41に記載のディスペンサー。
【請求項43】
製品を分配するための装置であって、
製品を保持するように構成されたディスペンサーハウジングと、
赤外光を放出するように構成されたエミッタを有するディスペンサーセンサユニットと、
前記製品が前記赤外光の光路内に存在しないことを示すために前記ディスペンサーセンサユニットから赤外光を受光するように構成された検出器と、
含む装置。
【請求項44】
前記ディスペンサーセンサユニット及び前記検出器が、前記ディスペンサー内の製品低レベル地点に位置付けられることを特徴とする請求項43に記載の装置。
【請求項45】
前記製品が紙スタックであることを特徴とする請求項43に記載の装置。
【請求項46】
前記ディスペンサーセンサユニットと通信し、前記ディスペンサーセンサユニットから情報を受信するように構成されたデータ通信ユニットと、
前記データ通信ユニットと通信し、前記データ通信ユニットから情報を受信するように構成された洗面所監視ステーションと、
を更に含む請求項43に記載の装置。
【請求項47】
製品を分配するための装置であって、
前記製品を分配するように構成されたディスペンサーと、
製品低レベル状態を検出するように構成されたディスペンサーセンサユニットと、
前記ディスペンサーセンサユニットと通信し、前記ディスペンサーセンサユニットから情報を受信するように構成されたデータ通信ユニットと、
前記データ通信ユニットと通信し、前記データ通信ユニットから情報を受信するように構成された洗面所監視ステーションと、
を含み、
前記洗面所監視ステーションが、製品低レベル状態が検出されたときに前記製品の在庫をチェックして、十分な製品が在庫に存在しない場合に前記製品を再発注することを特徴とする装置。
【請求項48】
前記洗面所監視ステーションが、製品低レベル状態が検出された回数の記録を保持することを特徴とする請求項47に記載の装置。
【請求項49】
前記洗面所監視ステーションが、前記ディスペンサーから分配された製品の量に対し顧客に請求することを特徴とする請求項47に記載の装置。
【請求項50】
前記洗面所監視ステーションが、複数のディスペンサーセンサユニットから情報を受信し、製品低レベル状態が特定のディスペンサーから検出されたときに在庫をチェックして、十分な製品が在庫に存在しない場合には前記製品を再発注するように構成されていることを特徴とする請求項47に記載の装置。
【請求項51】
洗面所を監視するための装置であって、
洗面所の床を見るように構成されたカメラと、
前記カメラと通信するデータ通信ユニットと、
前記データ通信ユニットと通信する洗面所監視ステーションと、
を含み、
前記洗面所監視ステーションが、前記洗面所の床の上の物体の存在を示すように構成されていることを特徴とする装置。
【請求項52】
前記カメラが、前記洗面所の床の上端から3インチ以下を見るように構成されることを特徴とする請求項51に記載の装置。
【請求項53】
前記物体が水であることを特徴とする請求項51に記載の装置。
【請求項1】
製品を分配するための装置であって、
前記製品を分配するように構成されたディスペンサーと、
前記ディスペンサーと通信し、前記製品に関する情報を検出するよう構成され、前記ディスペンサーの分配パラメータを変更するように構成されたディスペンサーセンサユニットと、
前記ディスペンサーセンサユニットと通信し、前記ディスペンサーセンサユニットから情報を受信するように構成されたデータ通信ユニットと、
前記データ通信ユニットと通信し、前記データ通信ユニットから情報を受信するように構成された洗面所監視ステーションと、
を含み、
前記ディスペンサーセンサユニットが、前記ディスペンサーの分配パラメータを変更するため通信を受けるように構成されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記分配パラメータが、射出量、シート長、時間遅延、光感受性、及び音量からなるグループから選択されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記洗面所監視ステーションが、前記ディスペンサーに前記ディスペンサーの分配パラメータを変更させるために前記データ通信ユニットを介して前記ディスペンサーセンサユニットに送信するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ディスペンサーセンサユニットが、前記ディスペンサーに前記ディスペンサーの分配パラメータを変更させるために携帯電話から通信を受けるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
ディスペンサーセンサユニットが、前記ディスペンサーに前記ディスペンサーの分配パラメータを変更させるためにPDAから通信を受けるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記データ通信ユニットが、前記洗面所監視ステーションに無線で情報を送信することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記ディスペンサーセンサユニットが、前記製品を識別し、該製品の識別を前記データ通信ユニットを介して前記洗面所監視ステーションに報告するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記ディスペンサーセンサユニットと通信するリーダーを更に含み、前記リーダーが、RFIDリーダー、バーコードリーダー、印刷ラベルリーダー、磁気ストリップリーダー、スマートタグリーダー、ホログラムリーダー、ルミネッセンスリーダー、及び蛍光リーダーからなるグループから選択されることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記データ通信ユニットが、製品低レベル状態を報告するように構成されており、前記データ通信ユニットが、認識された製品が識別された場合に前記製品低レベル状態を報告することが可能になることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記ディスペンサーセンサユニットが、製品を識別し、該製品の識別と前記ディスペンサー内に残る製品レベルとをデータベースに報告するように構成され、前記データベースを使用して低レベル時に製品を再発注し、該再発注された製品に対して請求するように構成された製品再発注機構を更に含む請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記データ通信ユニット及び前記洗面所監視ステーションの両方と相互接続するハブと、
前記ハブと相互接続するコンピュータと、
を更に含み、
前記コンピュータが、前記ハブを介して送られる情報を閲覧するためウェブブラウザを利用することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記ディスペンサーが、情報を表示するように構成された画像ディスプレイを有し、前記画像ディスプレイが前記データ通信ユニットを介して前記洗面所監視ステーションと通信し、これにより前記洗面所監視ステーションが前記画像ディスプレイの表示情報を変更するように構成されていることになる請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記ディスペンサーが、音声メッセージを報知するように構成された音声モジュールを有し、前記音声モジュールが前記データ通信ユニットを介して前記洗面所監視ステーションと通信し、これにより前記洗面所監視ステーションが前記音声モジュールの音声メッセージを変更するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記ディスペンサーが、紙タオルディスペンサー、液体又は泡状石鹸ディスペンサー、トイレットペーパーディスペンサー、消臭剤ディスペンサー、トイレットシートカバーディスペンサー、おむつディスペンサー、及び女性用品ディスペンサーからなるグループから選択されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記データ通信ユニットを介して前記洗面所監視ステーションと通信するオーバーフローセンサを更に含み、前記オーバーフローセンサが、水の存在を検出するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記データ通信ユニットを介して前記洗面所監視ステーションと通信する水流量センサを更に含み、前記水流量センサが、水流量を検出するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記データ通信ユニットを介して前記洗面所監視ステーションと通信する廃棄物容器センサを更に含み、前記廃棄物容器センサが、廃棄物容器内で廃棄物の存在を検出するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記ディスペンサーがバッテリーを有し、前記センサユニットが、前記バッテリーのバッテリーレベルを計測し、前記データ通信ユニットを介して前記洗面所監視ステーションに該バッテリーレベルを伝達するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記ディスペンサーセンサユニットがバッテリーを有し、前記ディスペンサーセンサユニットが、前記バッテリーのバッテリーレベルを計測して、前記データ通信ユニットを介して前記洗面所監視ステーションに該バッテリーレベルを伝達するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記ディスペンサーセンサユニットが、前記ディスペンサー内に残っている製品量、前記ディスペンサー内から取り出された製品量、及び前記ディスペンサー内からの製品取り出し速度からなるグループから選択される、製品に関する情報を検出するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項21】
前記洗面所監視ステーションが、携帯電話、携帯情報端末、ページャー及び電話からなるグループから選択される装置を用いて製品低レベル状態を報告するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項22】
洗面所の個々のユーザの存在を示し且つ前記個々のユーザを識別するように構成されたセンサを更に含み、前記ディスペンサーセンサユニットが前記ディスペンサーからの製品の取り出しを検出するように構成されており、前記データ通信ユニットが前記センサと通信状態にあり、
前記装置が前記データ通信ユニットと通信する洗面所監視ステーションを更に含み、
前記データ通信ユニットが、個人による製品取り出しを監視するために前記ディスペンサーセンサユニット及び前記データ通信ユニットから情報を受信するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項23】
前記ディスペンサーが、紙タオルディスペンサー、石鹸ディスペンサー、トイレットペーパーディスペンサー、流し台、便器、及び小便器からなるグループから選択されることを特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記洗面所監視ステーションが、携帯電話、PDA、ページャー及び電話からなるグループから選択される装置を用いて製品の取り出しが無いことを個人に報告するように構成されていることを特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項25】
前記センサが、存在及び識別情報が前記センサから前記ディスペンサーセンサユニットを介して前記データ通信ユニットに伝達されるように前記ディスペンサーセンサユニットと通信することを特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項26】
情報を伝達するように構成され且つ前記洗面所監視ステーションと通信するディスプレイを更に含み、前記洗面所監視ステーションが、表示情報をもたらすように構成されることを特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項27】
前記ディスプレイが、画像ディスプレイ及び音声モジュールからなるグループから選択されることを特徴とする請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記ディスペンサーセンサユニットが前記データ通信ユニットと無線通信しており、前記データ通信ユニットが、前記洗面所監視ステーションと無線通信していることを特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項29】
洗面所内で情報を伝達するための装置であって、
情報を伝達するように構成されたディスプレイと、
前記ディスプレイと通信するデータ通信ユニットと、
前記データ通信ユニットと通信し、前記ディスプレイによって伝達される情報を修正するために、前記データ通信ユニットを介して前記ディスプレイと通信するように構成された洗面所監視ステーションと、
を含む装置。
【請求項30】
前記ディスプレイが、画像ディスプレイ及び音声モジュールからなるグループから選択されることを特徴とする請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記ディスプレイを保持するディスペンサーと、
前記ディスプレイと通信し、前記ディスプレイが前記データ通信ユニットと通信状態になるように経由させる前記ディスペンサーセンサユニットと、
更に含む請求項29に記載の装置。
【請求項32】
洗面所内で水の存在を監視するための装置であって、
水の存在を検出するように構成されたオーバーフローセンサと、
前記オーバーフローセンサと無線通信するデータ通信ユニットと、
前記データ通信ユニットと無線通信し、該データ通信ユニットを介して前記オーバーフローセンサと通信する洗面所監視ステーションと、
を含み、
前記洗面所監視ステーションが、前記オーバーフローセンサによって水が検出されたときに水の存在を示すように構成されていることを特徴とする装置。
【請求項33】
前記オーバーフローセンサが、水分検出器、圧力センサ、及びフロートスイッチからなるグループから選択されることを特徴とする請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記オーバーフローセンサが、予め決定された時間量の間に水の存在を検出すると、該オーバーフローセンサは、水が存在することを信号で送るように構成されることを特徴とする請求項32に記載の装置。
【請求項35】
製品を分配するためのディスペンサーであって、
前記製品を保持するように構成されたディスペンサーハウジングと、
前記ディスペンサーハウジングに枢動可能に装着され、前記製品に係合するように構成され、前記製品の分配によって引き起こされた製品量の減少に応じて製品低レベル位置まで枢動するように構成されたレバーと、
前記レバーが製品低レベル位置まで枢動したときに、前記レバーと係合するように構成され、且つ製品低レベル信号を生成するように構成されたスイッチと、
を含むディスペンサー。
【請求項36】
前記スイッチと通信するディスペンサーセンサユニットを更に含み、前記ディスペンサーセンサユニットが、前記スイッチから製品低レベル信号を受信するように構成されていることを特徴とする請求項35に記載のディスペンサー。
【請求項37】
前記ディスペンサーハウジングによって保持され、前記ディスペンサーハウジングからの製品の取り出しを検出するように構成された回転センサを更に含む請求項35に記載のディスペンサー。
【請求項38】
前記製品が、ロール製品である請求項35に記載のディスペンサー。
【請求項39】
前記製品が、スタック状製品である請求項35に記載のディスペンサー。
【請求項40】
石鹸を分配するための装置であって、
石鹸を分配するように構成された石鹸ディスペンサーと、
前記ディスペンサーと通信し、前記ディスペンサー内の石鹸の量を検出するように構成され、前記ディスペンサーの射出量を変更するように構成されたディスペンサーセンサユニットと、
前記ディスペンサーセンサユニットと無線通信し、前記ディスペンサー内に残っている石鹸の量を少なくとも含む情報を前記ディスペンサーユニットから受信するように構成されたデータ通信ユニットと、
前記データ通信ユニットと無線通信し、前記ディスペンサー内の残っている石鹸の量を少なくとも含む情報を前記データ通信ユニットから受信するように構成された洗面所監視ステーションと、
を含み、
前記洗面所監視ステーションが、前記データ通信ユニットを介して前記ディスペンサーセンサユニットと通信して前記ディスペンサーの射出量を変更するように構成されていることを特徴とする装置。
【請求項41】
製品を分配するためのディスペンサーであって、
製品を保持するように構成されたディスペンサーハウジングと、
前記ディスペンサー内での製品の量を検出するように構成されたディスペンサーセンサユニットと、
前記ディスペンサーセンサユニットと無線通信し、前記ディスペンサー内の製品の量に関する情報を受信するように構成された洗面所監視ステーションと、
を含むディスペンサー。
【請求項42】
前記ディスペンサーセンサユニットと無線通信し、前記ディスペンサーセンサユニット内の製品の量に関する情報を受信するように構成されたデータ通信ユニットを更に含む請求項41に記載のディスペンサー。
【請求項43】
製品を分配するための装置であって、
製品を保持するように構成されたディスペンサーハウジングと、
赤外光を放出するように構成されたエミッタを有するディスペンサーセンサユニットと、
前記製品が前記赤外光の光路内に存在しないことを示すために前記ディスペンサーセンサユニットから赤外光を受光するように構成された検出器と、
含む装置。
【請求項44】
前記ディスペンサーセンサユニット及び前記検出器が、前記ディスペンサー内の製品低レベル地点に位置付けられることを特徴とする請求項43に記載の装置。
【請求項45】
前記製品が紙スタックであることを特徴とする請求項43に記載の装置。
【請求項46】
前記ディスペンサーセンサユニットと通信し、前記ディスペンサーセンサユニットから情報を受信するように構成されたデータ通信ユニットと、
前記データ通信ユニットと通信し、前記データ通信ユニットから情報を受信するように構成された洗面所監視ステーションと、
を更に含む請求項43に記載の装置。
【請求項47】
製品を分配するための装置であって、
前記製品を分配するように構成されたディスペンサーと、
製品低レベル状態を検出するように構成されたディスペンサーセンサユニットと、
前記ディスペンサーセンサユニットと通信し、前記ディスペンサーセンサユニットから情報を受信するように構成されたデータ通信ユニットと、
前記データ通信ユニットと通信し、前記データ通信ユニットから情報を受信するように構成された洗面所監視ステーションと、
を含み、
前記洗面所監視ステーションが、製品低レベル状態が検出されたときに前記製品の在庫をチェックして、十分な製品が在庫に存在しない場合に前記製品を再発注することを特徴とする装置。
【請求項48】
前記洗面所監視ステーションが、製品低レベル状態が検出された回数の記録を保持することを特徴とする請求項47に記載の装置。
【請求項49】
前記洗面所監視ステーションが、前記ディスペンサーから分配された製品の量に対し顧客に請求することを特徴とする請求項47に記載の装置。
【請求項50】
前記洗面所監視ステーションが、複数のディスペンサーセンサユニットから情報を受信し、製品低レベル状態が特定のディスペンサーから検出されたときに在庫をチェックして、十分な製品が在庫に存在しない場合には前記製品を再発注するように構成されていることを特徴とする請求項47に記載の装置。
【請求項51】
洗面所を監視するための装置であって、
洗面所の床を見るように構成されたカメラと、
前記カメラと通信するデータ通信ユニットと、
前記データ通信ユニットと通信する洗面所監視ステーションと、
を含み、
前記洗面所監視ステーションが、前記洗面所の床の上の物体の存在を示すように構成されていることを特徴とする装置。
【請求項52】
前記カメラが、前記洗面所の床の上端から3インチ以下を見るように構成されることを特徴とする請求項51に記載の装置。
【請求項53】
前記物体が水であることを特徴とする請求項51に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図3A】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18A】
【図18B】
【図19A】
【図19B】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27A】
【図27B】
【図28A】
【図28B】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図2】
【図3】
【図3A】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18A】
【図18B】
【図19A】
【図19B】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27A】
【図27B】
【図28A】
【図28B】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【公表番号】特表2007−525258(P2007−525258A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−547363(P2006−547363)
【出願日】平成16年12月22日(2004.12.22)
【国際出願番号】PCT/US2004/043302
【国際公開番号】WO2005/065509
【国際公開日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ETHERNET
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月22日(2004.12.22)
【国際出願番号】PCT/US2004/043302
【国際公開番号】WO2005/065509
【国際公開日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ETHERNET
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)
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