説明

洞炎に関連する慢性の顔面痛および頭痛のボツリヌス毒素での治療

本発明は、洞誘発性の頭痛をボツリヌス毒素を用いることにより治療する方法を提供する;該毒素は、疼痛のエチオロジー(ethiology)に関係する、対応する影響を受ける洞と重なる、軟部組織およびデルマトームにおける、三叉神経の区分に対する、複数の皮下位置に注射される又は適用される。

【発明の詳細な説明】
【優先権】
【0001】
本出願は、2003年3月3日に出願された米国仮出願60/453,037の優先権を主張する。
【発明の技術分野】
【0002】
本発明は、急性再発性又は慢性の洞炎(sinusitis)に関連する、頭痛および顔面痛(facial pain)を、ボツリヌス毒素で治療する方法に関する。
【発明の背景】
【0003】
ボツリヌス神経毒(ボツリヌス菌の株から分離された毒素であり、高い濃度および量で致死的な毒素である)は、多くの神経筋疾患〔例えば、ジストニー、半側顔面痙攣、歯ぎしり、痙性麻痺(spasticity)、脳性麻痺、斜頚〕、同様に、感覚障害および皮膚障害〔顔面筋疼痛(myofacial pain)、片頭痛、緊張性頭痛、神経障害、過剰発汗(hyperhydrosis)〕の治療に有用な療法として使用されている。ボツリヌス毒素は片頭痛および緊張性頭痛(tension headach)の治療に使用されているが、ボツリヌス毒素は急性反復性又は慢性の洞炎に関連する頭痛および顔面痛の効果的な療法として認識されていない。
【0004】
洞関連の頭痛は、片頭痛、筋筋膜性頭痛(myofascial headaches)、並びに歯ぎしり、側頭顎関節症候群(TMJ;temporal mandibular joint syndrome)および側頭下顎筋機能不全(TMD;temporal mandibular muscle dysfunction)、三叉神経痛、歯に関連する顔面痛、上昇した眼内圧(intraocular pressure)に関連する疼痛、または内部眼球(internal ocular)の炎症に関連する頭痛とは明確に異なる。洞性頭痛(Sinus headaches)は、圧力、又は洞腔(sinus cavities)内の刺激プロセス(irritating processes)と関連する、ときおり炎症および粘液分泌の流れの欠陥と関連する。精密診断中の幾つかのポイントにおける、洞または鼻腔内の炎症或いは洞または鼻腔内の浮腫の過度の兆候(excessive signs)が、検査又はX線撮影法を介して実証される。本発明者らは、ボツリヌス毒素が洞炎に関連する頭痛および顔面痛を軽減(relieves)させることを発見した。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、治療を必要とする被験者における急性反復性又は慢性の洞炎に関連する頭痛および顔面痛を治療する方法を提供し、該方法は、治療上効果的な量のボツリヌス毒素を含む組成物を、鼻粘膜に又は洞に重なる皮下構造に投与する工程を含み、前記組成物の投与が急性反復性又は慢性の洞炎に関連する頭痛および顔面痛を減少させる。好適な態様において、前記洞は、篩骨(ethmoid);上顎(maxillary);乳様突起(mastoid);前頭(frontal);および蝶形骨(sphenoid)からなる群から選択される1以上の洞である。好ましくは、上記の洞に重なる皮下構造(the subcutaneous structures overlying the sinuses)は、額(forehead);頬(malar);側頭(temporal);耳後部(post auricular);および口唇(lip)からなる群から選択される1以上の領域内に存在する。
【0006】
ボツリヌス毒素は、鼻粘膜に又は洞に重なる皮下構造に、任意数の方法により投与され得る。好ましくは、前記ボツリヌス毒素を含む組成物は、注射で1以上の注射部位に投与される。より好ましくは、前記ボツリヌス毒素を含む組成物は、前記洞を神経支配している三叉神経の皮膚への投射(projections)に投与される。
【0007】
本発明の一態様において、被験者は、ボツリヌス毒素を含む組成物の投与により治療される;該被験者は、顔面痛または頭痛の発症前に、洞鼻漏(鼻の分泌過多)および化膿性鼻汁(purulent nasal discharge)の症状または病歴を呈する。
【0008】
本発明の方法は、様々なボツリヌス毒素イムノタイプで実施し得る。一態様において、前記ボツリヌス毒素は、A;B;C;D;E;F;およびGからなる群から選択される任意の1以上のボツリヌス毒素イムノタイプである。さらにまた、本発明の方法は、ボツリヌス毒素の組成物を利用し得る(ここで、前記組成物は、0.5および50,000 マウスLD50ユニットのボツリヌス毒素の間の用量で投与される)。好適な態様において、15および200マウスLD50ユニットが、洞の感覚性神経支配(sensory innervation)に対応するデルマトーム(dermatome)内での複数の注射に分散される。
【発明の詳細な記述】
【0009】
A.定義。
【0010】
本明細書中に記載される、「ボツリヌス毒素」は、タンパク質毒素及びその複合体を意味し、これらはボツリヌス菌の株(A、B、C1、C2、C3、D、E、F、およびGなどの多様なイムノタイプを含む)から単離されたものである。
【0011】
本明細書中に使用される、「治療上効果的な量(a therapeutically effective amount)」は、治療上の応答(therapeutic response)を生じさせるために十分な量である。効果的な量は、オープン(open-labeled)臨床試験または二重盲検試験(bin studies with blinded trials)における用量設定試験で決定することができる。
本明細書中に使用される、「被験者(subject)」は、哺乳類を意味する。
【0012】
B. 洞炎。
洞炎は、篩骨、上顎、前頭、または蝶形骨の洞が関与している、任意の炎症性の病理と規定される。次の事項が一般に認められている;その事項とは、急性洞炎(acute sinusitis)と共に発生する疼痛の原因には、炎症細胞を伴う洞粘液の浸潤、同様に洞内の圧力の増加が関与することである。一般的に認識されていない事項(そして、それは本明細書中で開示される)は次の事項である;その事項とは、洞炎が、洞構造に重なる、皮膚の及び皮下の組織における三叉神経の感作(sensitization)を生じさせ得ることである。感覚神経の感作が洞炎の反復性の発作から発生した場合、前記患者は慢性の顔面痛症候群または頭痛を経験する可能性がある。感覚神経がアップレギュレートされる又は感作される機構は、いまだ明らかではない。神経感作(Nerve sensitization)は、求心性の第一順序感覚神経系(the afferent first- order-sensory nervous system)における変化によって誘発される;このことは閾値が疼痛(痛覚過敏)の知覚にまで下げられ、中心性の第二順序の又は高次のニューロン変化(higher-neuronal alterations)が発生可能であり、これにより誇張された応答および感覚刺激の中断を生じさせる(中心的感作;central sensitization)ように行われる。このプロセスは、侵害受容器の膜上のNMDAレセプターの発現および/または応答性の増加、および神経細胞内でのタンパク質の転写および翻訳における可能な変化と実験的に関連している。三叉神経節は求心性の感覚ニューロンの非常に大きなコレクションを代表し、これは頭部の皮膚領域のみならず、骨性の洞構造並びに鼻および洞の腔における粘膜の内部へも投射を送る(図2を参照)。求心性感覚神経分布の樹枝状分岐パターンは広範であるが、求心性感覚神経分布の任意の領域内の反応性は、神経節内の感覚神経細胞体の遺伝的な細胞性のタンパク質発現を変化させる能力を有している。細胞生理学を変化させるプロセスは、神経の可塑性を又は感作を様々に生じさせる。変化は、神経細胞レセプター(例えば、AMPAおよびNMDAレセプター)の発現、炎症のエフェクターの調節、血管神経制御からの細胞応答の変化の形で生じえるものであり、一酸化窒素、サブスタンスP、ヒスタミン、CRGP、プロスタグランジン、他の既知の細胞のオータコイド、及びまだ定義されていないオータコイドおよびニューロペプチドを介して生じえる。ヒト神経細胞の感作の機構はいまだよく理解されていない;また、炎症性メディエータ、神経原性(neurogenic)の炎症性オータコイド、および侵害受容器および感覚ニューロンの転写上の及び表現型の変化を誘発すること(神経感作に関する唯一の機構として)は、治療的なボツリヌス毒素の本徴候に対する反応を惹起するために必要ではない。
末梢における感作は、炎症性物質への十分な又は長期の暴露後に発生すると考えられており、これによって生理の変化、ある種の生化学的なレセプターの可能なコンホメーション変化、応答性、および侵害受容器および感覚神経の脱分極に関する閾値の低下を生じる。
【0013】
洞の疼痛は、上顎の洞を越えた顔面中央(mid facial)領域で通常は始まり、側頭領域、眼球領域、頭頂(vertex)、および額の上に広がる可能性がある。時折、関連痛が、後側の頚部領域又は周囲の耳介の域に広がる可能性がある。一般的な頭痛が起こる可能性がある。三叉神経核は、ソマトトロピン性に(somatotropically)に良く組織化されており、脳幹領域から、直接的に広がって脊髄の後角の上部頸部域(upper-cervical areas)に解剖学的に連結している。加えて、介在ニューロン性の連結が、三叉神経核および他の脳神経核、自律神経系、網様体賦活系、および他の下行性の及び上行性の経路の間に存在する。この相互連結システムは、三叉神経感覚複合体(trigeminal sensory complex)として記載されている。多くのより末梢性の上部頚部の及び三叉神経の感覚神経が、より少ない中心神経とシナプス形成していることから、この事項は収束(convergence)および投射と記載されている。これにより、頭部および首の疼痛の参照パターン(referral patterns)を、および頭部および首の1領域で実施した療法が共有され参照された感覚経路(shared and referred sensory pathways)を有する、頭部および首の別の域の結果に影響することを説明できる。
【0014】
頭痛診断における区別される差異は、国際会議で体系化されており、一般的な及び研究上の実施の双方に関する基礎となっている。片頭痛に関して、4-48hrs持続する偶発性(episodic)の頭痛の存在は、光感受性(羞明)、音感受性(音声恐怖)、悪心または嘔吐、動悸の疼痛または拍動の特色、および両側性位置よりも頻回に一側性位置での頭痛と関連するものであった。
群発性頭痛(Cluster headaches)は、ある種の基礎の一過性の鼻詰まり(nasal congestion)と関連している可能性があるが、区別される期間(群発期間)を超えて発生する;また、これは、MRIまたはコンピュータ断層撮影法上での何らかの持続性の洞異常とは関連しない。筋膜の及び緊張性の頭痛は、キャップ様の圧搾性疼痛(a cap-like squeezing pain)を頭の上部を横切って且つ周囲に頻回に生じ、頚部筋骨格の疼痛位置と頻回に関連しており、発痛点(trigger points)と頻繁に関連し、また時々は下顎の運動性および歯ぎしりの減少と関連している(咀嚼筋および側頭筋が関連する場合)。眼球関連の頭痛は、細隙灯顕微鏡検査または屈折誤差測定における、眼球内圧力の増加または眼球内炎症のサインと関連する。歯関連頭痛は、歯の検査および放射線における所見と関連する。三叉神経痛は、1もしくは2つのデルマトームに通常は限定され、鋭く刺すような特色を有し、急速な「オンオフ」の偶発性パターンを有し、発痛点の刺激と時々関連している。
【0015】
慢性洞炎に関連する頭痛および顔面痛は、洞疾患の急性もしくは亜急性の発作または反復性の急性洞性頭痛の発作の後に、数ヶ月から数年の長引く可能性がある。しばしば、放射線学的なイメージング試験(例えば、コンピュータ断層撮影法および磁気共鳴映像法)が、何らかの炎症の持続的な徴候(例えば、粘膜の肥厚または流体の蓄積)を示すことに失敗した場合、患者は継続的な疼痛を訴える。しばしば絶望の末に、外科医は、内視鏡または直接的アプローチ(Culdwell luc, 外部的な篩骨洞開放術)による減圧手術を施術するが、慢性痛に関して結果は良好ではない。上記の観察によって、洞炎に起因する慢性の顔面痛および頭痛に関連する、非常に一般的な臨床的現象が説明される。積極的な洞の所見が存在しないにもかかわらず、疼痛が持続する理由は末梢性の感覚神経の上方制御(upregulation)または感作(sensitization)のためである。ボツリヌス毒素を皮下領域に注射して、感覚神経を下方制御することによる、洞関連頭痛の直接的な治療は、治癒力がある。
【0016】
洞関連頭痛の治療に関する会議は、粘膜クリアランスの増加および洞腔からの排液を増加させる鬱血除去剤(decongestants)、細菌性感染を治療するための抗生物質、抗炎症性医薬(例えば、コルチコステロイド)、および外科的除圧を含めている。
従来の鎮痛薬(例えば、アスピリンおよびアセトアミノフェン)を使用してもよい。本発明の発明者等は、次の予想外の発見をした;その発見とは、ボツリヌス毒素を、洞腔に投射しているニューロンに対応(corresponding)する感覚分枝を含んでいる表面デルマトームに対して投与することによって、洞炎に関連する顔面および頭痛が効率的に治療されることである。
【0017】
C. 洞関連の頭部および頚部の疼痛の正式な分類および疾病分類学。
1985に国際頭痛学会(I. H. S. ;International Headache Society)が開催した会議によって、別個の頭痛症候群の網羅的な分類が提起された。頭痛治療分野における専門家が、この分類をまとめた;これらの専門家達は、実践上および研究上の双方に関する、頭痛の区別の重要性に同意した。区別する理由は、臨床家の間の情報交換を促進するため、そして特定の頭痛の症候群に関するより素晴らしい療法を提供するためである。一例を挙げると、三叉神経痛を治療するために使用される処置(例えば、グリセリン注射、ガンマナイフの適用、および脳幹のレベルでの微小血管の除圧)は、再発性の洞性頭痛の治療に効果的ではない。
トリプシンに関連する薬(例えば、Imitrex-TM、Zomig-TM)は、洞性頭痛の治療に無効であろう;また、狭隅角緑内障の治療に対するレーザー虹彩切除術は、片頭痛の治療に無効であろう。群発性頭痛は、片頭痛と区別される必要がある。それ故、疼痛治療の当業者は、特定の専門的に受け入れられる診断を、合理的な療法を推奨するため又は潜在的に効果的な新しい療法での臨床試験を実施するために必要とするだろう。1985に開催された会議および引き続いてCephalgia(1988 Vol 8 (supplement 7), 1-96)において公開された事項は、過去15年間にわたりヒトの頭痛の診断および分類(疾病分類学)に関する基準となっている。
【0018】
医師にとって、疼痛を患っている患者に対して、職務を果たし治療上の相互関係を推奨するために、病気の診断基準を決定しなければならない。疾患の分類は、定量的なパラメータと共に特定されなければならない(単に記述的ではなく)。国際頭痛学会(I. H. S. )は1995に委員会を組織し、その委員会によって、国際頭痛分類が最初に採択され、それによって診断に関する均一な実践上の判定基準が順次認可された。I. H. S.は、国際的に認可され、そして疾患の世界保健機構(W. H. O.)分類に導入された。この分類は、複数の言語に翻訳され、他の分類体系とは競合しない(Jes Olesen Classification of Headache in Chapter 2, The Headaches, 2nd Edition, Lippincott, Williams and Wilkins ed Olesen, Hansen, Walsh, Philadelphia, 1999を参照されたい)。実践上の分類体系を表1に示す。
【0019】
その分類体系において、カテゴリー1-4の頭痛は、一次頭痛障害(primary headache disorders)であり、関連する解剖的な病的プロセスを伴わないものである。グループ5-11は、ある種の他の実証できる疾患プロセス(外傷、血管性疾患、頭蓋内圧の増加、物質の使用中止、全身性の感染、代謝性障害、眼、耳、鼻部、および咽頭の疾患、または歯の疾患)と関連する、頭痛および頚部痛である。グループ12は、頭蓋神経痛(cranial neuralgias)に関連する。
【0020】
前記分類は定量的なものであり、これによって特定の診断が可能である。前記分類の実践の優れた例が、普通片頭痛(common migraine)の診断と共に記載され、即ち:
【0021】
I. H. S.分類 1.1(前駆症状なしの片頭痛 ― 普通片頭痛)
前駆症状なしの片頭痛に関する診断基準:
A. B-Dの条件を満たす、少なくとも5回の発作。
B. 4〜72時間持続する頭痛発作。
C. 頭痛は次の特性のうち少なくとも2つを有する:
1. 一側性(Unilateral)での局在。
2. 拍動の特色(Pulsating quality)。
3. 中等度から重篤までの強度(日々の活動を阻害する又は妨げる)。
4. 階段の歩行または類似する日常的な身体活動による悪化。
D. 頭痛の期間に、次のうちの少なくとも1つ、即ち:
1. 悪心(Nausea)および/または嘔吐(vomiting)。
2. ホトボビア(Photobobia)および/または音声恐怖(phonophobia)。
E. 次のうちの少なくとも1つ、即ち:
1. 病歴および/または身体的および/または神経学的な検査は、グループ5-11にリストされる障害のうち任意の1つを示唆しない。
2. 病歴および/または身体的および/または神経学的な検査は、グループ5-11にリストされる障害のうち任意の1つを示唆するが、適切な調査によって除外される。
3. 係る障害(グループ5-11)が存在するが、片頭痛発作は、前記障害に対し近接した時間的関連性で最初に発生しない。
【0022】
上記の普通片頭痛のI.H.S.分類は、片頭痛の診断に最も信頼度の高い方法であり、大規模な多施設による国際的な二重盲検薬物治験に使用されており、片頭痛の治療のためのトリプタンに基づく薬物(triptan based drugs)の調査に使用された(The Subcutaneous Sumatriptan International Study Group.Treatment of Migraine Attacks with Sumatriptan.N Engl J Med 1991: 325: 316-321)。これらの試験において、前記I.H.S.が実践的に使用されて、片頭痛を全ての他のタイプの頭部および頚部の疼痛症候群から区別した。
【0023】
洞炎関連の頭痛および疼痛は、一次頭痛(例えば、片頭痛および緊張性頭痛)とは区別される(洞疾患の実証可能な証拠が存在するので)。洞内に連合性の病理(associative pathology)が存在することから、洞関連性の頭部の疼痛は、二次頭痛症候群の例であり、I.H.S.および世界保健機構診断体系下のユニークな分類に当てはまる。I. H. S.診断体系の基では、洞性頭痛は、11.5.1(急性の洞性頭痛)として分類される。この体系下での診断の実際的な判定基準は、以下の通りである:
【0024】
A. 鼻道(nasal passage)における化膿性の又は粘液性の鼻汁(吸引による又は自発性の何れか)。
B. 1以上の次の試験における病的な所見:
1. 放射線学的な試験。
2. CT/MRI。
3. 透視(Transillumination)。
C. 頭痛および洞炎の同時性の発症。
D. 頭痛の位置、即ち:
1. 急性の前頭の洞炎、直接的に洞に対する、または頭頂への、または眼の後ろの頭痛。
2. 急性の上顎洞炎において、頭痛は、洞性域(antral area)に局在し、上方の歯および額へと広がるであろう。
3. 篩骨の洞炎において、頭痛は、目の間および後ろに位置し、側頭領域へと広がる。
4. 急性の蝶形骨洞炎において、頭痛は、後頭域(occipital area)、頭頂、前頭領域、または眼の後ろに局在する。
E. 頭痛は急性洞炎の治療後に消失する。
【0025】
I.H.S.判定基準下の慢性洞炎は、急性洞炎の複数の再発であると考えられる。また、洞関連の頭部および頸部の疼痛に関する世界保健機構のコードおよび診断は、G44.845(呼吸器系の疾患に関連する頭痛)JO1(急性洞炎頭痛)およびJ32(慢性洞炎)である。
【0026】
表1: 頭痛症候群の国際頭痛学会分類の概要
1. 片頭痛
1.1 前駆症状なしの片頭痛
1.2 前駆症状を伴う片頭痛
1.2.1 典型的な前駆症状を伴う片頭痛
1.2.2 持続的前駆症状(prolonged aura)を伴う片頭痛
1.2.3 家族性の片麻痺性片頭痛
1.2.4 基底部の片頭痛(Basilar migraine)
1.2.5 頭痛なしの片頭痛前駆症状(Migraine aura without headache)
1.2.6 急性発症性の前駆症状(acute onset aura)を伴う片頭痛
1.3 眼筋麻痺性片頭痛
1.4 網膜性片頭痛
1.5 片頭痛の前兆または関連症状であろう幼児期症候群
1.5.1 幼児期の良性の発作性眩暈
1.5.2 幼児期の交代性片麻痺
1.6 片頭痛の合併症
1.6.1 片頭痛性状態(Status migrainous)
1.6.2 片頭痛性相互作用
1.7 上記判定基準に適合しない片頭痛性障害
2. 緊張型の頭痛
2.1 偶発性の緊張型頭痛
2.1.1 頭蓋周囲の筋肉の障害と関連する偶発性の緊張型頭痛
2.1.2 頭蓋周囲の筋肉の障害と非関連の偶発性の緊張型頭痛
2.2 慢性の緊張型頭痛
2.2.1 頭蓋周囲の筋肉の障害と関連する慢性の緊張型頭痛
2.2.2 頭蓋周囲の筋肉の障害を伴う慢性の緊張型頭痛
2.3 上記判定基準を満たす緊張型の頭痛
3. 群発性頭痛および慢性発作性片頭痛
3.1 群発性頭痛
3.1.1 周期性未決定(periodicity undetermined)の緊張型頭痛
3.1.2 群発性頭痛
3.1.3 慢性群発性頭痛
3.1.3.1 発症から(from onset)
3.1.3.2 偶発性からの発展型
3.2 慢性発作性片頭痛
3.3 上記判定基準に適合しない群発性頭痛様障害
4. 構造上の傷害と非関連の種々の頭痛
4.1 特発性刺痛性頭痛(Idiopathic stabbing headache)
4.2 外部圧迫性頭痛(External compression headache)
4.3 慢性刺激性頭痛(Chronic stimulus headache)
4.3.1 冷刺激の外部適用
4.3.2 冷刺激の移入
4.4 良性の咳頭痛(cough headache)
4.5 良性の労作性頭痛
4.6 性的な活動に関連する頭痛
4.6.1 鈍痛型(Dull type)
4.6.2 爆発型(Explosive type)
4.6.3 体位型(Postural type)
5. 頭部外傷に関連する頭痛
5.1 急性外傷後頭痛(Acute posttraumatic headache)
5.1.1 有意な頭部外傷および/または確証的な徴候(confirmatory signs)を伴う
5.1.2 マイナーな頭部外傷を伴う、確証的な徴候なし
5.2 慢性外傷後頭痛
5.2.1 有意な頭部外傷および/または確証的な徴候を伴う
5.2.2 マイナーな頭部外傷を伴う、確証的な徴候なし
6. 脈管に関連する頭痛
脈管性の障害
6.1 急性虚血性脳血管疾患
6.1.1 一過性脳虚血発作(T/A)
6.1.2 血栓塞栓症発作
6.2 頭蓋内血腫
6.2.1 大脳内血腫
6.2.2 硬膜下血腫
6.2.3 硬膜外血腫
6.3 くも膜上出血(Superachnoid hemorrhage)
6.4 未破損(Unruptured)の血管奇形
6.4.1 動静脈奇形
6.4.2 嚢状動脈瘤
6.5 動脈炎
6.5.1 巨細胞性動脈炎
6.5.2 他の体系―(Other systematic ―)
6.5.3 一次頭蓋内動脈炎(Primary intracranial arteritis)
6.6 頚動脈または椎骨動脈の疼痛
6.6.1 頚動脈または椎骨の解離
6.6.2 Carcidynia(特発性)
6.6.3 動脈内膜切除後頭痛(Post endarterectomy headache)
6.7 種々の血栓症
6.8 動脈性高血圧症
6.8.1 外来性因子に対する急性の昇圧性応答
6.8.2 クロム親和細胞腫
6.8.3 悪性(加速性)高血圧症
6.8.4 子癇前症および子癇
6.9 他の脈管性の障害と関連した頭痛
7. 非脈管性の頭蓋内障害に関連する頭痛
7.1 高い脳脊髄液圧力
7.1.1 良性の頭蓋内圧亢進(Benign intracranial hypertension)
7.1.2 高い圧力の水頭症
7.2 低い脳脊髄液圧力
7.2.1 腰神経下穿刺頭痛(Postlumbar puncture headache)
7.2.2 脳脊髄液瘻孔頭痛(Cerebrospinal fluid fistula headache)
7.3 頭蓋内感染
7.4 頭蓋内肉質虫症(Intracranial sarcodosus)および他の非感染性の炎症性疾患
7.5 髄腔内注射に関連する頭痛
7.5.1 直接的効果
7.5.2 化学的な髄膜炎による
7.6 頭蓋内新生物
7.7 他の頭蓋内の障害と関連した頭痛
8. 物質又はその使用中止と関連する頭痛
8.1 急性の物質使用または曝露により誘発される頭痛
8.1.1 ニトロ流入性の頭痛(Nitrate incurred headache)
8.1.2 グルタミン酸一ナトリウム誘発性の頭痛
8.1.3 一酸化炭素誘発性の頭痛
8.1.4 アルコール誘発性の頭痛
8.1.5 他の物質
8.2 慢性の物質使用または曝露により誘発される頭痛
8.2.1 エルゴタミン誘発性の頭痛
8.2.2 鎮痛剤乱用性の頭痛
8.2.3 他の物質
8.3 物質の使用中止による頭痛(急性の使用)
8.3.1 アルコール使用中止の頭痛(二日酔い)
8.3.2 他の物質
8.4 物質の使用中止による頭痛(慢性の使用)
8.4.1 エルゴタミン使用中止による頭痛
8.4.2 カフェイン使用中止による頭痛
8.4.3 麻薬物質頭痛(Narcotic substance headache)
8.4.4 他の物質
8.5 物質に関連する頭痛(しかし、機構は不確か)
8.5.1 産児調節ピルまたはエストロゲン
8.5.2 他の物質
9. 非頭部感染(noncephalic infection)に関連する頭痛
9.1 ウイルス感染
9.1.1 限局性非頭部(Focal noncephalic)
9.1.2 全身性
9.2 細菌感染
9.2.1 限局性非頭部
9.2.2 全身性(septicemia;敗血症)
10. 代謝に関連する頭痛
10.1 低酸素症
10.1.1 高山病の頭痛(High-altitude headache)
10.1.2 低酸素症頭痛(低圧力環境、低酸素症を生じる肺疾患)
10.1.3 睡眠時無呼吸症の頭痛(Sleep apnea headache)
10.2 炭酸ガス過剰症
10.3 低酸素症および炭酸ガス過剰症の混合
10.4 低血糖症
10.5 透析
10.6 他の代謝性異常に関連する頭痛
11. 頭蓋、頸部、眼、耳、鼻部、洞、歯、口、または他の顔面の又は頭蓋の構造の障害に関連する、頭痛または顔面痛
11.1 頭蓋骨
11.2 頸部
11.2.1 頚椎(Cervical spine)
11.2.2 咽頭後腱炎(Retropharyngoal tendonitis)
11.3 眼
11.3.1 急性緑内障
11.3.2 収縮のエラー(Retractive errors)
11.3.3 声音異常または異方視
11.4 耳
11.5 鼻および洞(Nose and sinuses)
11.5.1 急性洞性頭痛
11.5.2 鼻または洞の他の疾患
11.6 歯、顎、および関連する構造障害
11.7 顎関節症(機能障害はグループ2にコードされる)
12. 頭蓋の神経痛、神経幹疼痛、およびデールテレンテーション(dealterentation)の疼痛
12.1 脳神経起源の持続性(チック様のものと対照的)の疼痛
12.1.1 脳神経および第二または第三の頚部根(cervical roots)の圧縮または歪み
12.1.2 脳神経のミエリン損失(Demyelination)
12.1.2.1 視神経炎(球後視神経炎)
12.1.3 脳神経における(の)
12.1.3.1 糖尿病性神経炎
12.1.4 脳神経の炎症
12.1.4.1 帯状疱疹(Herpes zoster)
12.1.4.2 慢性の治療後神経痛(Chronic post-therapeutic neuralgia)
12.1.5 Tolosa-Hunt症候群
12.1.6 Neck-tongue症候群
12.1.7 脳神経起源の持続性疼痛の他の原因
12.2 三叉神経痛
12.2.1 特発性のインジェミナル(ingeminal)の神経痛
12.2.2 症候性のインジェミナルの神経痛
12.2.2.1 三叉神経ムート(trigeminal moot)またはガングリオンの圧縮
12.2.2.2 中心部傷害(Central lesions)
12.3 舌咽神経痛
12.3.1 特発性の舌咽
12.3.2 症候性の舌咽神経痛
12.4 神経中間神経痛(Nervus intermedius neuralgia)
12.5 上喉頭部神経痛(Superior laryngeal neuralgia)
12.6 Ocoptical神経痛
12.7 チック以外の頭部および顔面の疼痛の中心的原因
12.7.1 麻痺コロロース(Anaesthesia colorose)
12.7.2 視床の疼痛
12.8 グループ11および12の判定基準を満たさない顔面痛
13. 分類不可能な頭痛
【0027】
D. ボツリヌス毒素
本発明の方法による、再発性の又は慢性の洞炎に関連する頭痛および顔面痛の治療は、ボツリヌス毒素を生物学的に活性な用量(0.25〜50,000マウスLD50ユニットの範囲)で投与することにより実施し得る。当業者はボツリヌス毒素の投薬(dosing)を、患者特異的な因子を含む幾つかの要素に基づいて評価するが、適切な投薬(組成物およびボツリヌス毒素イムノタイプに依存して)を、局所的な除神経バイオアッセイ(a regional denervation bioassay)を用いることにより決定し得る。好ましくは、ボツリヌス毒素を含む組成物は、任意のデルマトームに沿った複数の部位へと投与される、これは副鼻腔での感覚性神経支配に対応し且つそれを共有する(図1および2を参照されたい)。
図1は、三叉神経のデルマトームを示している。V1は、前頭および篩骨の洞の投射された感覚域に対応する。V2は、上顎の、蝶形骨の、および乳様突起の洞に対応する。V3は、上顎の洞に対応する。図2は、三叉神経の、洞並びに顔の皮膚及び軟部組織構造の双方への投射を示している。三叉神経の眼の区分(opthalmic division)は、前頭および篩骨の洞へと投射される。上顎区分および下顎区分の小領域は、上顎の洞へと投射される。また、蝶形骨および乳様突起(mastoid)の洞は、部分的に三叉神経からの感覚神経支配を受ける。
【0028】
注射によるボツリヌス毒素を含む組成物の投与(本発明の方法による)は、頬骨の副次的および主要な筋肉へと直接的に注射することなく達成されて、ボツリヌス毒素の筋肉効果からの顔下部の歪曲の回避が達成される。
【0029】
本発明の方法は、任意の1以上のボツリヌス毒素イムノタイプで実施し得る。また、本発明は、ボツリヌス毒素およびアルブミンなどのゼクエストレーション因子(sequestration agents)を含む組成物の使用を意図しており、この事項は2003年12月22に出願された米国特許出願10/740,755に開示されており、この出願は本明細書中にその全体が参照によって援用される。
【実施例】
【0030】
以下の実施例は本発明をさらに説明する、これは発明の範囲を限定するものとして解釈されない。
【0031】
実施例1
RRは、43歳の男性であり、彼は洞炎の反復性の発作を患っている。放射線学的な研究により、洞炎が明らかとなった。鬱血除去剤およびコルチコステロイド型 抗炎症性医薬での治療では、持続性の薬効を得られなかった。除圧および洞排液法に関するCuldwell-Lucアプローチによる減圧手術は、症候の軽減に失敗した。頭痛が進行して、無能力となった(incapacitating)。この患者は、片頭痛または緊張型(筋収縮)頭痛の既病歴はなかった。疼痛は、側頭領域を放射状に含む、顔面中央部で経験された。ボツリヌス毒素(複数のポイントに30ゲージ針で注射された)は、疼痛の実質的な改善および減少をもたらし、これによって前記患者は日常の活動に復帰することができた。
【0032】
実施例2
JCは、36歳の女性であり、洞の手術に関連する慢性の頭痛及び顔面疼痛の病歴を有している。経口の鎮痛剤及びうっ血除去剤での治療では、如何なる有益な効果も得られなかった。彼女は、評価の数ヶ月前に鎮痛薬なしで洞の減圧手術を受けた。従来の経口の鎮痛医薬は、無効であった。
頬骨領域および額への複数部位での複数のボツリヌス注射によって、疼痛における80%減少以上が得られ、これは最低3ヶ月持続するものであった。片頭痛、筋緊張性頭痛、または三叉神経痛の既往歴はなかった。再発性のアレルギーの病歴があった。
【0033】
実施例3
JIは40歳で再発性の洞炎に関連する頭痛を有している。MRIにより、洞粘膜の浮腫の証拠が確認され、鼻の検査により、過剰な粘液および化膿性の分泌が示された。この患者は、片頭痛または緊張型(筋収縮)頭痛の既病歴はなかった。従来の疼痛医薬(うっ血除去剤、抗生物質、および抗炎症性の鼻スプレー)は、疼痛を軽減するのに効果的ではなかった。ボツリヌス毒素の複数回注射を上顎、前頭、および篩骨の洞を覆う柔組織へ投与することにより、少なくとも疼痛の50%減少が得られた。
【0034】
実施例4
WRは38歳の裁判所書記官であり、上顎洞炎に関連する重篤な前頭部の頭痛を有し、放射線診断を実施した。外部的(External)な洞手術が実施され、頭痛の軽減はなかった。疼痛の多くが左の上顎洞領域に局在しており、これは触診に敏感(tender)であった。筋緊張性頭痛または片頭痛の既往歴は、確認されていない。
【0035】
ボツリヌス毒素の複数回注射を、洞領域に、外科的な摘出部位を離れて施すことによって、疼痛の80%が軽減された。彼女は、A型ボツリヌス毒素の反復性の注射を用いることによって、少なくとも3年間、応答性が維持された。
【0036】
実施例5
重篤な洞関連頭痛を有する15患者を、本オープン試験で評価した。各患者は、洞腔の磁気共鳴映像法またはコンピュータ断層撮影法を受けた(これは流体レベル、粘膜の肥厚、または粘液蓄積を示す)。1人を除く全患者は、一般の麻酔および内視鏡的な骨切り術を介した、または外部的にCuldwell-Lucまたは前頭洞アプローチを介した減圧を受けた。多くは(>30%)は、複数の外科的な処置を受けて、洞腔をドレインおよび減圧した。
疾患の継続期間は、2〜9年の範囲であり、平均3.9年である。患者の年齢は、29〜90歳の範囲であった。8患者は女性で、7患者は男性であった。全用量/ボツリヌス毒素 注射サイクルは、25〜90国際単位の範囲であり、平均は49IUであった。注射は、関連する洞の柔組織に対する複数の位置で、同様に対応するデルマトームに対してなされた(図1および2を参照されたい)。この群において、ボツリヌス毒素イムノタイプAのみが使用された。追跡訪問は、一般的に3および12週になされた。
第一の注射サイクルにおいて最初の応答(initial response)が達成されなかった場合、追加免疫注射が与えられた。
注射に対する応答は、12週目で決定された。
【0037】
試験した15患者のうち、12患者は治療が有効だった(80%)。有効な応答は、「疼痛の重篤度または頻度において、少なくとも50%の減少を経験しましたか」との質問に対する、ポジティブな応答として考慮された。合併症は、主にボツリヌス毒素注射により引き起こされる弱さに関連したものであり、これは口の垂れ下がり又は非対称性の笑顔を生じる。副作用は永続的なものではなかった。有効性の持続時間は、多くの患者に関して約12週間であり、他の使用に関するボツリヌス毒素の既知の有効持続時間と矛盾しないものであった。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】図1は、三叉神経の、洞並びに顔の皮膚及び軟部の組織構造の双方への投射を示す。
【図2】図2は、三叉神経の主要な区分(divisions)および分岐(branches)を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療を必要とする被験者における急性反復性又は慢性の洞炎に関連する頭痛および顔面痛を治療する方法であって、治療上効果的な量のボツリヌス毒素を含む組成物を、鼻粘膜に又は洞に重なる皮下構造に投与する工程を含み、前記組成物の投与が急性反復性又は慢性の洞炎に関連する頭痛および顔面痛を減少させる方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記洞は、篩骨;上顎;乳様突起;前頭;および蝶形骨からなる群から選択される1以上の洞である方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記洞に重なる皮下構造は、額;頬;側頭;耳後部;および口唇からなる群から選択される1以上の領域内に存在する方法。
【請求項4】
請求項2に記載の方法であって、前記洞に重なる皮下構造は、額;頬;側頭;耳後部;および口唇からなる群から選択される1以上の領域内に存在する方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、前記ボツリヌス毒素が、イムノタイプA、B、C、D、E、F、またはGのうちの任意の形態である方法。
【請求項6】
請求項2に記載の方法であって、前記ボツリヌス毒素が、イムノタイプA、B、C、D、E、F、またはGのうちの任意の形態である方法。
【請求項7】
請求項3に記載の方法であって、前記ボツリヌス毒素が、イムノタイプA、B、C、D、E、F、またはGのうちの任意の形態である方法。
【請求項8】
請求項4に記載の方法であって、前記ボツリヌス毒素が、イムノタイプA、B、C、D、E、F、またはGのうちの任意の形態である方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、前記組成物が、注射により投与される方法。
【請求項10】
請求項2に記載の方法であって、前記組成物が、注射により投与される方法。
【請求項11】
請求項3に記載の方法であって、前記組成物が、注射により投与される方法。
【請求項12】
請求項4に記載の方法であって、前記組成物が、注射により投与される方法。
【請求項13】
請求項9に記載の方法であって、少なくとも2つの注射部位が存在する方法。
【請求項14】
請求項10に記載の方法であって、少なくとも2つの注射部位が存在する方法。
【請求項15】
請求項11に記載の方法であって、少なくとも2つの注射部位が存在する方法。
【請求項16】
請求項12に記載の方法であって、少なくとも2つの注射部位が存在する方法。
【請求項17】
請求項1に記載の方法であって、前記組成物が、前記洞を神経支配している三叉神経の投射に投与される方法。
【請求項18】
請求項2に記載の方法であって、前記組成物が、前記洞を神経支配している三叉神経の投射に投与される方法。
【請求項19】
請求項3に記載の方法であって、前記組成物が、前記洞を神経支配している三叉神経の投射に投与される方法。
【請求項20】
請求項4に記載の方法であって、前記組成物が、前記洞を神経支配している三叉神経の投射に投与される方法。
【請求項21】
請求項9に記載の方法であって、前記組成物が、前記洞を神経支配している三叉神経の投射に投与される方法。
【請求項22】
請求項10に記載の方法であって、前記組成物が、前記洞を神経支配している三叉神経の投射に投与される方法。
【請求項23】
請求項11に記載の方法であって、前記組成物が、前記洞を神経支配している三叉神経の投射に投与される方法。
【請求項24】
請求項12に記載の方法であって、前記組成物が、前記洞を神経支配している三叉神経の投射に投与される方法。
【請求項25】
請求項13に記載の方法であって、前記組成物が、前記洞を神経支配している三叉神経の投射に投与される方法。
【請求項26】
請求項14に記載の方法であって、前記組成物が、前記洞を神経支配している三叉神経の投射に投与される方法。
【請求項27】
請求項15に記載の方法であって、前記組成物が、前記洞を神経支配している三叉神経の投射に投与される方法。
【請求項28】
請求項16に記載の方法であって、前記組成物が、前記洞を神経支配している三叉神経の投射に投与される方法。
【請求項29】
請求項1に記載の方法であって、前記組成物が、鼻粘膜に投与される方法。
【請求項30】
請求項1に記載の方法であって、前記組成物が、0.5および50,000 マウスLD50ユニットのボツリヌス毒素の間の用量で投与される方法。
【請求項31】
請求項1に記載の方法であって、頭痛または顔面痛の発症前に、前記被験者は洞の分泌過多および化膿性鼻汁の症状または病歴を呈する方法。
【請求項32】
急性反復性又は慢性の洞炎に関連する頭痛および顔面痛を治療する医薬を製造するための、ボツリヌス毒素の使用。
【請求項33】
請求項32に記載の使用であって、前記ボツリヌス毒素が、イムノタイプA、B、C、D、E、F、またはGのうちの任意の形態である使用。
【請求項34】
請求項32に記載の使用であって、前記ボツリヌス毒素が、550および550,000μg ゼクエストレーション因子/100LD50ユニット ボツリヌス毒素の間の量のゼクエストレーション因子を含む組成物の形態で存在する使用。
【請求項35】
請求項34に記載の使用であって、前記ゼクエストレーション因子がアルブミンである使用。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−528352(P2007−528352A)
【公表日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−506302(P2006−506302)
【出願日】平成16年3月8日(2004.3.8)
【国際出願番号】PCT/IB2004/000635
【国際公開番号】WO2004/078201
【国際公開日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【出願人】(505229690)ボツリヌム・トクシン・リサーチ・アソシエイツ・インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】