説明

津波防止用の堤防

【課題】本発明は、緊急時に最低限必要とされる真水を発電所敷地内に貯蔵する手段を提案する。
【解決手段】本発明は、海岸近くに建設された原子力発電所の周囲に設けられるの堤防であって、当該外壁を水密性とし、内部を空洞とし真水を貯蔵した津波防止用の堤防である。内部を複数に区画し、一部が損壊しても使用可能とするとともに、廃棄すべき水の一時貯留場所ともなるようにした。本来必要とする津波防止用の堤防内部を利用することで必要な真水の貯蔵場所を確保した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子力発電所が地震、津波の被害を受けた場合の緊急用冷却用の水を提供する手段に属する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所は多量の冷却水を使用する。海水を二次冷却水として使用するため海岸近くに設置される場合が多い。津波等で海水面が下がった場合においても二次冷却水用の海水の取得に対しては特開2000-170138、特開H09-054190 にその対策が示されている。しかし、一次冷却水、使用済み燃料冷却プールには真水を使用する必要がある。テロ・地震等による配管が使用不能と成る場合においても、緊急時に最低限必要とされる真水を発電所敷地内に貯蔵しておく必要性が認識されてきた。非常時に要求される真水の貯蔵場所が要求されるが、発電所、付属施設、その他安全管理のために必要な施設用の用地を差し置いて真水の貯蔵場所を確保することが難しい。かかる施設用の用地を犠牲にすることなく必要な用地を確保する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-170138
【特許文献2】特開H09-054190
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、緊急時に最低限必要とされる真水を発電所敷地内に貯蔵する手段を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、海岸近くに建設された原子力発電所の周囲に設けられるの堤防であって、当該外壁を水密性とし、内部を空洞とし真水を貯蔵した津波防止用の堤防である。本来必要とする津波防止用の堤防内部を利用することで必要な真水の貯蔵場所を確保した。
【発明の効果】
【0006】
真水の貯蔵場所を津波防止用の堤防内部とすることで、敷地の有効活用が図れる。敷地内に貯蔵するため、真水の保守点検も容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】は、内部に真水を貯蔵した津波防止用堤防の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下本発明を、図を用いて、より詳細に説明する。
図1は、本発明による内部に真水を貯蔵した津波防止用堤防の概念図である。図1aに示すように、堤防内は空洞とされ真水が貯蔵されている。
また、図1bに示すように、内部は必要に応じて縦横に梁を巡らし堤防の強度を増強することができる。堤防の外壁は水密性コンクリートを使用し、塩水の浸透による真水の汚染の防止、真水の浸透による減少を防止する。
堤防の底部は岩盤を掘り下げその底部から立ち上げ、岩盤と一体化するように形成されることが好ましい。
【0009】
必要な真水の注入、供給用の配管、弁等必要な付帯設備を設けることはいうまでもないが、かかる付帯設備が必要時使用不能とならないための保護、保守点検用の設備を別途設けることが望ましい。
【0010】
本津波防止用堤防は、その内部を複数に独立して区画することができる。こうすることで一部損壊しても残りの部分に貯蔵した真水は使用可能となり、必要に応じて排水の一時貯留場所としてその一部を使用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0011】
原子力発電所で要求される一次冷却水用及び使用済み燃料貯蔵プール用の真水を貯蔵できる。
【符号の説明】
【0012】
1 津波防止用堤防
2 真水貯蔵部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
海岸近くに建設された原子力発電所の周囲に設けられるの堤防であって、当該外壁を水密性とし、内部を空洞とし真水を貯蔵した津波防止用の堤防。

【図1】
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【公開番号】特開2012−246714(P2012−246714A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−121204(P2011−121204)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(306024805)株式会社 林物産発明研究所 (155)
【Fターム(参考)】