活動を検出するためのシステム及び方法
【解決手段】典型的実施形態は、活動を検出し、その活動に関する情報を決定するための、システム及び方法を提供する。典型的実施形態は、活動を検出するために、1つ又は2つ以上の対象に関する1つ又は2つ以上のコンテクスト情報を使用する。コンテクスト情報の例は、対象のアイデンティティ、対象に関連付けられた役割又は活動、対象の位置/場所、対象の履歴的な位置/場所、対象間の関連付け、対象間の関連付けの持続時間などを含むがこれらに限定されない。活動を検出する際に、典型的実施形態は、検出された活動に関する情報も決定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2008年1月18日に出願され「Context Knowledge Based On Location(位置に基づくコンテクスト知識)」と題された米国仮特許出願第61/011,649号の優先権を主張する。上記出願の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
対象は、位置特定システムを使用して位置特定及び追跡することが可能である。対象を位置特定及び追跡するこの能力は、対象とその他の対象及び/又は位置との間の相互作用及び関連付けを検出及び追跡するために使用することができる。位置特定システムを使用している現場は、通常、特定の任務が実施されていることを保証する責任を負っている。例えば、位置特定システムを使用している病院は、例えば、医師及び看護師が回診していること、清掃作業員が部屋を清掃していること、外科医が手術を行っていること、看護師が薬剤を投与していること、瀉血専門医が採血していること、技師が患者の心電図(EKG)を取っていること、外来患者を遠隔計測していることなど、病院の職員が自身に割り当てられた任務を実施していることを保証する責任を負っているであろう。
【発明の概要】
【0003】
典型的実施形態は、1つ又は2つ以上の対象にかかわる活動を検出又は決定し、検出された活動に関連付けられた情報を決定するための、システム及び方法を提供する。典型的実施形態は、活動を検出するために、活動に関与している1つ又は2つ以上の対象に関するコンテクスト情報を使用する。検出される活動/活動タイプの例は、医師及び看護師が回診していること、清掃作業員が部屋を清掃していること、外科医が手術を行っていること、看護師が薬剤を投与していること、瀉血専門医が採血していること、技師が患者の心電図(EKG)を取っていること、外来患者を遠隔計測していることなどを含むが、これらに限定されない。コンテクスト情報の例は、対象のアイデンティティ、対象に関連付けられた役割及び/又は活動、対象の位置/場所、対象の履歴的な位置/場所、対象間の関連付け、対象間の関連付けの持続時間などを含むが、これらに限定されない。
【0004】
活動を検出する際に、典型的実施形態は、検出された活動に関する情報も決定する。活動情報の例は、活動のタイプ、活動に関与している対象のアイデンティティ及び役割、活動の時間、活動の持続時間、活動の主要な位置及び/又は場所、活動時における対象の主要な位置及び/又は場所などを含むが、これらに限定されない。
【0005】
本明細書に挙げられる例の多くは、病院の環境を基準にしているが、典型的実施形態は、任意の環境及び産業において活動を検出するため及び活動情報を決定するために使用することができる。
【0006】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、発明の1つ又は2つ以上の実施形態を例示するとともに、説明と相まって発明を明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】典型的実施形態にしたがった、対象の位置及び関連付けを決定するのに適した典型的な位置特定システムを示す図である。
【図2】典型的実施形態にしたがった、無線自動識別(RFID)タグ構成を使用して実装される対象の位置及び関連付けを決定するのに適した典型的な位置特定システムを示す図である。
【図3】典型的実施形態にしたがった、ネットワークの使用に依存することなく対象の位置及び関連付けを決定するのに適した典型的な位置特定システムを示す図である。
【図4A】例えば図1において使用されるものと同様の典型的な対象識別要素を示す図である。
【図4B】例えば図1において使用されるものと同様の典型的な固定位置識別要素を示す図である。
【図4C】例えば図2において使用されるものと同様の典型的な対象識別要素を示す図である。
【図4D】例えば図2において使用されるものと同様の典型的な固定位置識別要素を示す図である。
【図5】典型的実施形態にしたがった、位置及び関連付けを決定するための病院の典型的な配置を示す図である。
【図6】典型的実施形態にしたがった、決定された関連付けを解析するために使用される典型的なコンポーネントの典型的なブロック図である。
【図7】典型的実施形態にしたがった、対象の関連付けを決定するための並びに対象の関連付けを機器利用ソフトウェアモジュール及び支払い請求ソフトウェアモジュールにおいて使用するための典型的なフローチャートである。
【図8】典型的実施形態にしたがった、対象の関連付けを決定するための及び対象の関連付けを事象開始ソフトウェアモジュールにおいて使用するための典型的なフローチャートである。
【図9】典型的実施形態にしたがった、図7及び図8のステップ730及びステップ830の典型的なフローチャートである。
【図10】本発明の典型的実施形態にしたがった、活動を検出するのに及び検出された活動に関連付けられた情報を決定するのに適した典型的な環境を示す図である。
【図11A】図10の典型的な環境のための典型的な分散実装形態を示す図である。
【図11B】図10の典型的な環境のための別の典型的な分散実装形態を示す図である。
【図12】典型的実施形態にしたがった、典型的な活動決定モジュールの基本動作の典型的なフローチャートである。
【図13A】典型的実施形態にしたがった、対象にかかわる活動を対象に関する位置/場所情報を使用して検出するための典型的なフローチャートである。
【図13B】位置/場所情報を使用して活動を検出される病院内の2つの隣り合う部屋の典型的な配置を示す図である。
【図14A】典型的実施形態にしたがった、対象にかかわる活動を対象の現在位置/場所及び対象に関連付けられた役割/活動を使用して検出するための典型的なフローチャートである。
【図14B】対象の現在位置/場所及び対象に関連付けられた役割/活動を使用して活動を検出される病院内の部屋の典型的な配置を示す図である。
【図15A】典型的実施形態にしたがった、対象の現在位置/場所を一連の履歴的な位置/場所と照合することによって対象にかかわる活動を検出するための典型的なフローチャートである。
【図15B】対象の現在位置及び一連の履歴的な位置を使用して活動を検出される病院の階の一区画の典型的な配置を示す図である。
【図15C】対象の現在の場所及び一連の履歴的な場所を使用して活動を検出される図15Bの典型的な配置を示す図である。
【図16】典型的実施形態にしたがった、2つ又は3つ以上の対象間の関連付け、及び対象に関連付けられた役割/活動に基づいて活動を検出するための、典型的なフローチャートである。
【図17】典型的実施形態にしたがった、既存の手順、規則、又は方針に対する検出された活動の順守性を決定するための典型的なフローチャートである。
【図18】典型的実施形態にしたがった、検出された活動に応答して事象を開始させるための典型的なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
I.典型的な実施形態の概要
典型的実施形態は、1つ又は2つ以上の対象にかかわる活動を検出し、その検出された活動に関連付けられた情報を決定するための、システム及び方法を提供する。
【0009】
典型的実施形態は、活動を検出及び決定するために、1つ又は2つ以上の対象に関する1つ又は2つ以上のコンテクスト情報を使用する。検出される活動/活動タイプの例は、医師及び看護師が回診していること、清掃作業員が部屋を清掃していること、外科医が手術を行っていること、看護師が薬剤を投与していること、瀉血専門医が採血していること、技師が患者の心電図(EKG)を取っていること、外来患者を遠隔計測していることなどを含むがこれらに限定されない。コンテクスト情報の例は、対象のアイデンティティ、対象に関連付けられた役割又は活動、対象の位置/場所、対象の履歴的な位置/場所、対象間の関連付け、対象間の関連付けの持続時間などを含むがこれらに限定されない。
【0010】
活動を検出する際に、典型的実施形態は、検出された活動に関する情報も決定する。活動情報の例は、活動のタイプ、活動に関与している対象のアイデンティティ及び役割、活動の時間、活動の持続時間、活動の主要な位置及び/又は場所、活動時における対象の主要な位置及び/又は場所などを含むがこれらに限定されない。活動情報を引き続き使用可能にするために、典型的実施形態は、随意として、検出された活動及びそれらの活動に関する活動情報を格納及び/又は表示する。
【0011】
典型的実施形態は、例えば、検出された活動が既存の手順、規則、若しくは方針を順守しているかどうかを決定するため、又はプロセスの1つのステップが完了して次のプロセスへの用意が整っているかどうかを決定するためのように、検出された活動を解析するために、活動情報を使用する。典型的実施形態は、また、例えば、患者が透析装置に付けられたまま放っておかれた場合に警報を発する、汚れていたベッドが清掃され次の患者のための用意が整ったことを看護師長に知らせるなどのように、検出された活動に応答して事象を開始させる。
【0012】
本明細書において使用される「活動」という用語は、1つ又は2つ以上の対象及び/又は場所にかかわる任意の任務、機能、行動、移動などを含むことを意図している。活動/活動タイプの例は、医師及び看護師が回診していること、清掃作業員が部屋を清掃していること、外科医が手術を行っていること、看護師が薬剤を投与していること、瀉血専門医が採血していること、技師が患者の心電図(EKG)を取っていること、外来患者を遠隔計測していることなどを含むがこれらに限定されない。
【0013】
本明細書において使用される「活動検出」という用語は、活動を決定又は検出するための任意のプロセス、方法、又は技術を含むことを意図している。
【0014】
本明細書において使用される「活動情報」という用語は、活動の主要な位置又は場所、活動の時間、活動の持続時間、活動に関与している対象及び/又は場所などの、対象又は場所にかかわる活動に関係して提供、推察、暗示、又はそれ以外に形成若しくは決定される、任意の情報を含むことを意図している。
【0015】
本明細書において使用される「コンテクスト情報」又は「コンテクスト知識」という用語は、背景、位置、場所、役割、アイデンティティ、状況などの、提供、推察、暗示、又はそれ以外に形成若しくは決定される、対象に関する任意の情報、即ち対象を取り巻くコンテクストを含むことを意図している。
【0016】
本明細書において使用される「対象」という用語は、典型的実施形態によって提供される対象識別要素に使用する又は関連付けることができる、任意の大きさ、形状、若しくは寸法のポータブル若しくは非ポータブルな任意のアイテム若しくは物、又は人、又は実体、又は哺乳類若しくは非哺乳類を含むことを意図している。
【0017】
本明細書において使用される「役割」という用語は、対象によって実施される任務又は機能を反映して対象に割り当てられる任意のラベルを含むことを意図している。病院の設定における役割の例は、外科医、清掃作業員、看護師、病棟勤務員を含むがこれらに限定されない。
【0018】
本明細書において使用される「位置特定システム」という用語は、対象の位置を決定及び追跡するために使用される任意のシステムを指すことを意図している。このようなシステムは、バーコーディング、磁気エンコーディング、トランスミッタ、及びトランスポンダを含むがこれらに限定されない任意の数又は組み合わせの技術を使用することができる。
【0019】
本明細書において使用される「位置」という用語は、例えば空間座標を使用した空間内の点の識別を含むことを意図している。本明細書において使用される「場所」という用語は、関心を持たれている任意のエリア、現場、位置、又は点を含むことを意図している。例えば、病院は、病室、緊急治療室、手術室、集中治療室、隔離室、実験室、機器室などの、幾つかのタイプの特殊目的の部屋を有する。これらの各部屋は、病院内の場所を構成することができる。実際、このような場所は、通常、病院が主に機能している位置の細かさのレベルである。例えば、患者は部屋に割り当てられ、試料は実験室に送られ、医師は手術室の使用の予定を組む。
【0020】
本明細書に挙げられる例の多くは、病院環境を基準にしているが、典型的実施形態は、任意の環境及び産業において活動を検出するため及び活動情報を決定するために使用することができる。
【0021】
II.位置及び関連付けの決定
人又は対象がその他の人又は対象と相互作用する又は関連を持つことにかける時間の長さを自動的に且つ正確に追跡する必要がある。このような関連付け情報は、例えば、従業員の雇用のために、顧客に対して支払い請求するために、又は所定の対象に対して若しくは所定の人によって「費やされる作業」の記録を取るためなどの、会計目的で使用されてよい。情報は、在庫の記録、機器利用の調査、事象の誘発、及び類似の用途に使用されてよい。
【0022】
従来の対象関連付けシステムは、一部には、デバイスが相互作用にかける時間の長さを推定によって決定するゆえに、十分に正確でない。例えば、このようなシステムにとっては、高価な医療機器が検査中に使用される時間の長さを推定することが、極めて普通である。医療機器は、短時間の使用に対して年間何百万ドルもの支払い請求を生じる可能性があるので、推定使用時間における僅かな不正確さは、支払人に課される支払い請求に大きく影響する可能性がある。したがって、医療保険会社にとっては、特定の機器の使用の厳密な時間の記録を要求することが、普通になっている。厳密な時間の記録は、人間による監視を必要とするので、医療スタッフにとっては、対象の関連付け及びそれらの持続時間を追跡することが負担になる。
【0023】
従来の対象関連付けシステムは、人間によるデータ入力に依存しており、これは、システムにおいて誤差及び人による「企み」を生みやすくする。例えば、従来のシステムは、人間による介在なしに自動的に関連付けを決定する及び記録を取るようには設計されていない。人間による開始の必要性は、従来の関連付けシステムにとっての大きな課題である。主として、任務の完了を記録するため、タイマを開始及び停止させるため、又は時間を記録するためなどの、この手動の相互作用の必要性は、読み取りを不正確にし、不正に陥りやすくする。一部のユーザは、とりわけ実施する任務が複数あるときなどに、単純に、任務の完了を記録すること又はタイマを開始若しくは停止させることを忘れる。また、一部のユーザは、物事を簡単にしておくために、又は自身の作業の記録が遅れたゆえに、時間を推定してすませる。このようなシステムの使用では、小休憩をとるときにタイマを停止させないのが大半であり、これは、読み取りを更に不正確にする。場合によっては、ユーザは、時間追跡システムを不正に開始又は停止させることがあり、これもやはり、支払い請求を不正確にする。また、タイマとのインターフェースを持たない対象は、自身でタイマを開始させることができないので、従来のシステムにおいて、対象が相互作用にかける時間を正確に追跡することは困難である。通常は、人が何らかのかたちで関与している必要がある。
【0024】
また、従来の対象関連付けシステムは、順次的であれ同時的であれ、複数の任務を追跡することができない。「タイムクロック」タイプのシステムにおいて、もし追跡されるべき対象又は任務が複数ある場合は、複数のタイマが使用されるのが通常である。これらのタイマは、2つのデバイスの相互作用の開始を人間のオペレータが通知したときに、追跡を行うことができる。しかしながら、問題は、他のデバイスと相互作用するデバイスが複数ある場合に記録が急激に困難になることである。従来の無線テザリングシステムは、2つのデバイスが互いに接近しているときに通知することに限られる。しかしながら、これらのシステムは、開始及び停止がかかわる複数の対象相互作用を扱う能力は備えていないのが通常である。これらのシステムは、単純に、複数のデバイスが同じ空間内にあることは示すが、どの対象が相互作用しているのかも、これらの相互作用がいつ生じるのかも決定しない。
【0025】
更に、大半の従来のシステムは、生産中の未完成品(WIP)の進行具合並びに各種の器具及び人がその未完成品との相互作用にかける時間を追跡するように、対象相互作用を自動的に且つ継続的に追跡してそのような情報を関係者に「リアルタイム」で使用可能にするための能力を持たない。対象関連付けデータをリアルタイムでチェックするこのような能力を持たないと、管理者又はシステムは、生産フローにおいて問題を素早く認識することが困難である。
【0026】
位置特定システム及び対象関連付けシステムが使用される病院などの現場は、大きくて複雑であると考えられる。これは、現場内におけるリソースの追跡を複雑な作業にする恐れがある。このような場合は、1つの現場を複数の関心場所に細分することが有用であろう。本明細書において使用される「場所」という用語は、関心を持たれている任意のエリア、現場、位置、又は点を含むことを意図している。例えば、病院は、病室、緊急治療室、手術室、集中治療室、隔離室、実験室、機器室などの、幾つかのタイプの特殊目的の部屋を有する。これらの各部屋は、病院内の場所を構成することができる。実際、このような場所は、通常、病院が主に機能している位置の細かさのレベルである。例えば、患者は部屋に割り当てられ、試料は実験室に送られ、医師は手術室の使用の予定を組む。このような場所に対象又は人を関連付けることは、リソースの追跡に便利な細かさのレベルを提供するとともに、計算された対象又は人の位置についてのコンテクストを提供する。例えば、医師が手術室にいることを知ることは、医師が座標X,Y,Zにいることを知るよりも、より有用であろう。
【0027】
多くの場合、ある対象と別の対象との間の相互作用は、非論理的であると考えられる。例えば、医師は、ある患者のすぐ近くを、別の患者を治療する途中で通過する可能性がある。もし関連付けの基準が近さのみに基づく場合は、このような近くの通過は、たとえ医師が患者と実際の相互作用を持たなかった場合でも、医師と患者との間の関連付けとして誤って決定される恐れがある。
【0028】
同様に、位置の決定に使用されるハードウェアの制約は、対象又は人の位置を僅かに変化させる、又は位置の一貫性をなくする恐れがある。例えば、医師は、部屋などの第1の場所におり、その第1の場所は、別の部屋などの第2の場所にすぐ隣接していることがある。もし医師が、第2の部屋に隣接する第1の部屋の壁を背にして立っている場合は、計算された医師の位置は、たとえ医師が実際に部屋を変わったことがなくても、医師が突然第2の部屋に移り、次いで第1の部屋に戻ったことを示す可能性がある。
【0029】
大半の位置特定システム技術は、位置を正確に報告することにおいて完璧ではない。位置の分解能には誤差及び制約があり、報告される対象の位置は、たとえ対象が静止している場合でも変動する恐れがある。したがって、位置特定システムによって決定される位置データを用いる際は、このような不正確さ及び変動を考慮に入れる必要がある。
【0030】
上記のいずれの例においても、医師と患者又は場所との相互作用は、実際の相互作用が生じるには簡単すぎたので、医師と患者又は場所との間には、関連付けが形成されないことが望ましい。
【0031】
典型的実施形態は、位置特定システムを使用して関連付けを追跡、計算、及び決定するための、システム及び方法を提供する。本明細書において使用される「位置特定システム」という用語は、対象の位置を決定及び追跡するために使用される任意のシステムを指すことを意図している。このようなシステムは、バーコーディング、磁気エンコーディング、トランスミッタ、及びトランスポンダを含むがこれらに限定されない任意の数の技術を使用することができる。位置特定システムは、機器及び職員などのリソースを追跡するために、倉庫、工場、及び病院などの現場において使用されることが多い。例えば、位置特定システムは、倉庫において在庫を追跡するために使用することができる。工場においては、位置特定システムは、組み立て及び製造の最中にパーツを追跡するために使用することができる。病院においては、位置特定システムは、機器及び職員を追跡するために使用することができる。
【0032】
従来の対象関連付けシステムの制約を克服するために、典型的実施形態は、追跡されている対象又は人と、その他の対象、人、位置、又は場所との間の関連付けを、相互作用の時間及び地理的な近さに基づいて決定する。
【0033】
典型的実施形態によって可能にされる位置及び関連付けの検出と追跡とは、患者の治療プロセスをより効率良くするために使用することができる。稼働率の高い病院においては、ベッドを回転させるために必要な時間が、収容可能な患者の数に影響を及ぼす可能性がある。場合によっては、このような病院は、別の病院に患者を回す、即ち転送する必要があり、これは、収益の損失につながる。したがって、患者により効率良く治療プロセスを施し、次の患者のために遅滞なく病室を清掃及び準備する能力によって、より多くの患者を収容して収益を増やすことが可能である。
【0034】
また、典型的実施形態の位置特定システム及び関連付けシステムは、患者の治療及び満足度の向上を可能にする。例えば、患者は、しばしば病院の救急科において何時間も待つ必要がある。このような長い待ち時間は、不可避であることが多いが、重症患者が適切な救急治療を待つ必要があるのは望ましくない。適時な治療は、例えば脳卒中及び心臓麻痺などの特定の病気の予後を大幅に向上させられることがわかっている。典型的実施形態は、治療プロセスを「見張り」、もし推奨される治療が推奨される時間枠内に患者に施されない場合に臨床医に警告するために使用することができる。例えば、脳卒中を患っている患者は、その健康問題が出血又は血栓のいずれに起因するかを決定するために、脳スキャンの実施を必要とするであろう。もし問題が血栓によって引き起こされることがわかった場合は、血栓溶解剤が投与されることが望ましい。予後は、この全てのプロセスが症状から最初の1時間以内に完了する場合に最良となる。典型的実施形態は、このようなプロセスを監視するために、及びこれらのプロセスが推奨時間枠内に完了することを保証するために使用することができる。典型的実施形態は、また、例えば推奨時間を超える時間がかかっている、又は正しいステップの順序をたどっていないなどのように、患者の治療が推奨治療手順に従っていないときに、スタッフに警告するためにも使用することができる。
【0035】
典型的実施形態の位置特定システム及び関連付けシステムが、更に詳しく説明される。典型的実施形態は、対象識別要素と、レシーバと、位置決定モジュールとを含む。対象の位置は、典型的実施形態においては、対象にリンクされた対象識別要素から伝送され位置決定デバイスに転送される信号に基づいて決定される。本明細書において使用される「リンク」という用語は、対象識別要素が対象に直接的に又は間接的に任意の適切な方式で関連付けられる、結合される、接続される、添付される、又は埋め込まれることを意味することを意図している。信号の起源は、信号を受信するレシーバの既知の位置、対象の履歴的な記録位置、信号を受信するレシーバの特性(例えば範囲)、受信される信号の強度、信号のタイプ、及び信号が繰り返されたかどうかを含むがこれらに限定されない幾つかの要因に基づいて計算される。当業者ならば、本発明の教示に矛盾しないその他の位置決定の方法を決定することができるであろう。
【0036】
典型的実施形態の対象識別要素は、追跡される対象に付される。対象識別要素は、対象識別要素を付された対象を識別及び追跡するために使用される一意識別子を提供する。例えば、対象識別要素は、一意識別子を含む信号を伝送するように構成されたトランスミッタであってよい。伝送される信号は、赤外線(IR)、無線周波数(RF)、超音波(US)、セルラ、Bluetooth(BT、登録商標)、又はこれらの任意の組み合わせを含む任意のその他の無線通信プロトコルであってよい。対象識別要素は、また、バーコーディング、磁気エンコーディング、及びパッシブ無線自動識別(RFID)などの、一意識別子を取得するためにリーダを必要とするパッシブ技術を使用してもよい。
【0037】
典型的実施形態のレシーバは、対象から一意識別子を受信するように構成される。もし対象識別要素がトランスミッタである場合は、レシーバは、対象識別要素によって伝送されるタイプの信号を受信するように構成された対応するレシーバであってよい。もし対象識別要素がバーコーディング又はパッシブRFIDなどのパッシブ技術を使用する場合は、レシーバは、バーコードリーダ又はRFIDリーダを有してよい。
【0038】
レシーバは、通常、一意識別子についての位置情報を提供される。例えば、レシーバは、既知の位置に置くことができ、したがって、もしレシーバが対象識別要素から一意識別子を受信する場合は、それは、対象識別要素がレシーバの既知の位置に近いことの表れである。特定の実施形態においては、それぞれ別々の既知の位置に複数のレシーバがあってよい。(1つ又は2つ以上の)レシーバは、次いで、一意識別子を位置決定モジュールに伝送することができる。
【0039】
対象の位置は、典型的実施形態において、位置決定モジュールによって決定される。位置決定モジュールは、対象識別要素(及び対象識別要素を付された又は埋め込まれた対象)の位置を決定するために、(1つ又は2つ以上の)レシーバにおける対象識別子からの一意識別子の受信を使用する。対象識別要素の位置の決定は、一意識別子を受信した(1つ又は2つ以上の)レシーバの既知の位置、(1つ又は2つ以上の)レシーバにおいて受信される信号の信号強度、信号のタイプ、及び対象識別要素についての履歴的な位置情報を含む様々な要因に基づいて下すことができる。典型的実施形態においては、位置決定モジュールは、(1つ又は2つ以上の)レシーバの一部であってよい。別の典型的実施形態においては、位置決定モジュールは、別個のコンポーネントあってよい。
【0040】
対象の位置が決定されたら、位置決定モジュールは、位置を特定された対象がその他の対象又は場所の近くにある時間の長さに基づいて、位置を特定された対象とその他の対象又は場所との間の関連付け及び相互作用を決定することができる。この概念は、参照により本明細書に組み込まれる2006年8月29日発行の米国特許第7,099,895B5号において論じられている。
【0041】
関連付けが決定されたら、関連付けは、処理されてよい、又は関連付けの持続時間とともに格納されてよい。特定された関連付けは、次いで、ネットワークとのインターフェースを持つその他のアプリケーションによって数々の方式で活用されてよい。例えば、識別された関連付けは、支払い請求システム、在庫システム、資産管理システム、及び自動事象生成システムにおいて使用されてよい。
【0042】
本明細書において使用される「ネットワーク」という用語は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、都市規模ネットワーク、イントラネット、インターネット、衛星ネットワーク、又は幾つかのその他のタイプのネットワークを含むがこれらに限定されないことを意図している。通信は、標準電話回線、LANリンク若しくはWANリンク(例えば802.11、T1、T3、56kb、X.25)、ブロードバンド接続(例えばISDN、Frame Relay、ATM)、又はBluetoothセルラ若しくはGSMなどの無線接続、又は上記の任意若しくは全部の幾つかの組み合わせを含むがこれらに限定されない様々な接続を通じて、ネットワークとの間に確立されてよい。ネットワークとインターフェースを取るために、ネットワークインターフェースが提供されてよい。ネットワークインターフェースは、FireWireインターフェース、FlexRayインターフェース、RS−232インターフェースであってよく、内蔵式ネットワークアダプタ、ネットワークインターフェースカード、PCMCIAネットワークカード、カードバスネットワークアダプタ、無線ネットワークアダプタ、USBネットワークアダプタ、モデム、又は任意のその他の適切なデバイスを含んでよい。
【0043】
図1は、典型的実施形態にしたがった、位置及び関連付けを決定するのに適した典型的な位置特定システム111を示している。対象にリンクされた複数の対象識別要素102は、ネットワーク接続要素106に送信される信号を生成するために使用される1つ又は2つ以上のトランスミッタを含む。1つ又は2つ以上のトランスミッタは、無線周波数(RF)トランスミッタ、赤外線(IR)トランスミッタ、超音波(US)トランスミッタ、トランシーバ、又はこれらの任意の組み合わせを含んでよい。図1の典型的な位置特定システムにおいて、対象識別要素102は、IRトランスミッタ103及びRFトランスミッタ104のうちの、1つ又は2つ以上を含む。伝送される信号は、対象識別要素をそして拡張によってそのリンク先の対象を識別する一意識別子を含んでよい。
【0044】
ネットワーク接続要素106は、1つ又は2つ以上の伝送コンポーネントと、1つ又は2つ以上の受信コンポーネントとを含んでよい。1つ又は2つ以上の伝送コンポーネントは、無線周波数(RF)トランスミッタ、赤外線(IR)トランスミッタ、超音波(US)トランスミッタ、トランシーバ、又はこれらの任意の組み合わせのうちの、1つ又は2つ以上を含んでよい。1つ又は2つ以上の受信コンポーネントは、無線周波数(RF)レシーバ、赤外線(IR)レシーバ、超音波(US)レシーバ、トランシーバ、又はこれらの任意の組み合わせのうちの、1つ又は2つ以上を含んでよい。図1の典型的な位置特定システムにおいて、ネットワーク接続要素106は、IRトランスミッタ103、RFトランスミッタ104、IRレシーバ107、及びRFレシーバ108のうちの、1つ又は2つ以上を含む。IRレシーバ107は、対象識別要素102によって生成されるIR信号を受信することができる。RFレシーバ108は、対象識別要素102によって生成されるRF信号を受信することができる。
【0045】
ネットワーク接続要素106は、ネットワークインターフェースを通じてネットワーク110とインターフェースを取り、対象識別要素102から受信される信号を、やはりネットワーク110とインターフェースを取っている電子デバイス112に転送する。ネットワーク接続要素106とネットワーク110との間のインターフェースは、有線ネットワークの場合は物理インターフェースであってよく、無線ネットワークの場合は無線インターフェースであってよい。対象識別要素102及びネットワーク接続要素106は、IRトランスミッタ103、RFトランスミッタ104、IRレシーバ107、及びRFレシーバ108を含むものとして説明されているが、当業者ならば、本発明の範囲から逸脱することなくその他の構成及びレシーバとトランスミッタとのその他の組み合わせが可能であることがわかるであろう。
【0046】
電子デバイス112は、ワークステーション、デスクトップ型コンピュータ、サーバ、ウェブサーバ、ラップトップ型コンピュータ、ハンドヘルドデバイス、センサ、アクチュエータ、又はネットワーク110との無線通信若しくは有線通信が可能で且つ本明細書において説明される動作を実施するのに十分なプロセッサ電力及びメモリ容量を有するその他の形態のコンピューティングデバイス若しくは電気通信デバイスなどの、任意の電子システム又はコンピュータシステムを含んでよい。電子デバイス112は、対象識別要素102の及び対象識別要素をリンクされた対応する対象の位置を特定するために使用される位置決定モジュール114を含む。
【0047】
典型的実施形態において、位置決定モジュール114は、対象に関する位置情報を決定又は導出するための、対象及び/又は場所が互いに相互作用する時間を追跡するための、並びに対象及び/又は場所の間の関連付けを形成するための、任意の適切なソフトウェア及びハードウェアを含む。
【0048】
位置決定モジュール114は、対象位置特定モジュール115と、対象関連付けモジュール116とを含む。対象位置特定モジュール115は、対象識別要素102によって提供される、対象を識別するデータに少なくとも部分的に基づいて、対象識別要素の及び対象識別要素にリンクされた対象の位置を決定するように構成される。
【0049】
位置決定モジュール114の対象位置特定モジュール115は、やはりネットワーク110とインターフェースを取っているトポロジストレージデバイス117から読み込まれる、信号を受信するレシーバの既知の位置、対象の履歴的な記録位置、やはりネットワークとインターフェースを取っているストレージデバイス118から読み込まれる、信号を受信するレシーバの特性(例えば範囲)、受信される信号の強度、信号のタイプ、及び信号が繰り返されたかどうか(ネットワーク接続要素106から受信される信号に含まれる情報を解析することによって決定される)を含むがこれらに限定されない1つ又は2つ以上の要因を使用して、信号の起源を計算する。要因のリストは、限定的であることを意図しておらず、以下に明記されるその他の既知の要因又は方法を含むことができる。対象位置特定モジュール115によって用いることができる位置決定のための適切なシステム及び/又は方法は、本出願の譲受人に譲渡され且つ参照により本明細書に内容を組み込まれる米国特許公開第2002/0198986号並びに米国特許第7,053,831号及び第7,099,895号に説明されている。典型的実施形態において用いることができるその他の適切な位置決定のシステム及び/又は方法は、アクティブRFIDシステム及びパッシブRFIDシステム、バーコードシステム、磁気カード、固定式のビーコンタイプのシステム、三角測量システム、到着時間システム及び微分到着時間システム、並びにデッドレコニングシステムを含む。
【0050】
位置決定モジュール114は、対象関連付けモジュール116も含み、これは、典型的実施形態にしたがうと、対象位置特定モジュール115と通信する。対象関連付けモジュール116は、対象位置特定モジュール115から受信される対象の位置に基づいて、対象がしきい値時間以上の期間にわたって第2の対象又は場所の近くにあるかどうかを決定するようにプログラム又は構成される。もし対象が第2の対象又は場所の近くにある期間がしきい値時間以上である場合は、対象関連付けモジュール116は、対象と第2の対象又は場所との間に関連付けを作成する。
【0051】
位置決定モジュール114は、ソフトウェアコンポーネントとして実装されるのが普通であるが、配線によるデバイスへの組み込みによって実装することも可能である。
【0052】
対象識別要素102は、任意の適切な留め付け又は結び付けのメカニズムによって直接的に又は間接的に対象にリンクされてよい。例えば、対象識別要素102は、それを医療用の腕輪として装着している人に直接的にリンクされてよい。或いは、対象識別要素102は、衣服に留め付けられた名札に埋め込まれるなどによって、間接的にリンクされてよい。対象識別要素102は、リンク先の対象とともに移動している限り、リンク先の対象の位置を識別することができる。
【0053】
位置決定モジュール114は、対象識別要素102の現在位置を計算するために、一意識別子を使用する。対象識別要素102の位置が計算又は決定されたら、対象の位置は、その他の対象又は場所との関連付けを決定するために解析することができる。次に、計算された対象識別要素102の位置を解析するプロセスが、より詳しく説明される。識別された関連付けは、どれも、ストレージデバイス118に格納することができる。
【0054】
トポロジストレージデバイス117も、やはり、ネットワーク110とインターフェースを取っている。トポロジストレージデバイス117は、対象識別要素102の位置を決定するために位置決定モジュール114によって使用されるトポロジデータを格納する。トポロジデータは、位置特定システム111の現場若しくは場所についての間取り、並びに/又は現場に配備することができるネットワーク接続要素106及び/若しくは固定位置識別要素120の位置などの、任意の適切なタイプのデータを含むことができる。この情報を使用して、位置決定モジュール114は、現場の既知の構造的特徴(例えば階、中庭、廊下、部屋など)との関連において、対象識別要素102(並びにネットワーク接続要素106及び固定位置識別要素120)の位置を決定することができる。
【0055】
典型的実施形態において、位置特定システム内には、固定位置識別要素120も存在している。固定位置識別要素120は、1つ又は2つ以上のトランスミッタと、1つ又は2つ以上のレシーバとを含んでよい。トランスミッタは、1つ又は2つ以上の、RF、IR、USのトランスミッタ、トランシーバ、又はこれらの任意の組み合わせを含んでよい。レシーバは、1つ又は2つ以上の、RF、IR、USのレシーバ、又はこれらの任意の組み合わせを含んでよい。図1に示されるように、固定位置識別要素120は、IRトランスミッタ103と、RFトランスミッタ104と、IRレシーバ107と、RFレシーバ109とを含むことができる。IRレシーバ107は、対象識別要素102によって生成されるIR信号を受信することができ、RFレシーバ108は、対象識別要素102によって生成されるRF信号を受信することができる。固定位置識別要素120の位置は、トポロジストレージデバイス117に格納される。
【0056】
対象識別要素102から信号を受信した後、固定位置識別要素120は、自身の識別子(一意又は非一意)を信号に付加し、その信号を、ネットワーク接続要素106に伝送する。信号が最終的に位置決定モジュール114に達すると、位置決定モジュール114は、対象識別要素102の位置の決定に役立てるために、固定位置識別要素120の特性(位置及び範囲など)を使用することができる。例えば、もし位置決定モジュール114が、ともにRF信号を受信した固定位置識別要素120及びネットワーク接続要素106の両方から通知を受信する場合は、その信号は、両レシーバの範囲内の位置を起源としているとしか考えられない。当業者ならば、本発明の範囲内において多くの代替の実装形態が可能であることがわかるであろう。
【0057】
図2は、典型的実施形態にしたがった、無線自動識別(RFID)タグ構成を使用して実装される典型的な位置特定システム211を示している。図1と同様に、システム211は、対象にリンクされた複数の対象識別要素202と、1つ又は2つ以上のネットワーク接続要素206と、ネットワーク210と、ストレージデバイス218、トポロジストレージデバイス217、及び位置決定モジュール214を含む電子デバイス212と、1つ又は2つ以上の固定位置識別要素220とを含む。この典型的実施形態において、対象識別要素202は、RFレシーバ203とRFトランスミッタ204とを含むパッシブRFIDタグとして構成されるが、対象識別要素は、アクティブRFIDタグとして構成することも可能である。同様に、ネットワーク接続要素206及び固定位置識別要素220も、RFレシーバ207、223と、RFトランスミッタ208、224とを含む。
【0058】
動作にあたり、1つ又は2つ以上の対象識別要素202は、ネットワーク接続要素206又は固定位置識別要素220のRFトランスミッタ208、224から送信され対象識別子202のRFレシーバ203によって受信される信号によって問い合わせされる。1つ又は2つ以上の対象識別要素202は、パッシブRFIDタグとして構成されるので、対象識別要素202において受信される信号は、対象識別要素202に電力を供給する働きをし、対象識別要素202は、すると、一意識別子を含む応答信号を生成してRFトランスミッタ204から伝送する。伝送される応答信号は、次いで、ネットワーク接続要素206又は固定位置識別要素220のRFレシーバ207、223によって受信されるであろう。ネットワーク接続要素206は、ネットワーク210とインターフェースを取っており、対象識別要素202から受信された信号を、やはりネットワークとインターフェースを取っている電子デバイス212に転送する。
【0059】
図2の典型的実施形態において、電子デバイス212は、位置データのためのストレージデバイス218が電子デバイス212上に位置していることを除き、図1の電子デバイス112とほぼ同様に動作する。適切なストレージデバイス218は、デジタル又はアナログのデータを格納することができる任意のデバイス、コンポーネント、又はシステムを含み、ハードドライブ及び光ドライブなどのメモリドライブ、フラッシュドライブ、光媒体(CD、DVDなど)、EPROM、EEPROM、USBドライブ又はUSBストレージエレメント、RAM、ROM、データベースソフト及びデータベースハード、リムーバブルストレージデバイス及び二次ストレージデバイス、又はその他の適切なストレージ媒体を含んでよいがこれらに限定されない。この実施形態において、ストレージデバイス218は、トポロジストレージデバイス217又はそれに関連付けられた情報も含む。
【0060】
位置決定モジュール214は、対象識別要素202の及び対象識別要素をリンクされた対応する対象の位置を特定するために使用される。位置決定モジュール214は、図1の位置決定モジュール114と同様に動作する。位置決定モジュール214は、対象識別要素202の現在位置を計算するために、一意識別子を使用する。位置決定モジュール214は、トポロジデータ217から読み込まれる、信号を受信するレシーバの既知の位置、対象の履歴的な記録位置、ストレージデバイス118から読み込まれる、信号を受信するレシーバの特性(例えばレンジ)、受信される信号の強度、信号のタイプ、及びネットワーク接続要素206から受信される信号に含まれる情報を解析することによって決定される、信号が繰り返されたかどうかを含む様々な要因を使用して、信号の起源を計算する。
【0061】
対象識別要素202の位置の計算又は決定がなされたら、対象の位置は、1つ又は2つ以上のその他の対象又は場所との関連付けを決定するために解析することができる。計算された対象識別要素の位置を解析するプロセスは、以下において、より詳しく説明される。識別された関連付けは、どれも、ストレージデバイス218に格納することができる。
【0062】
図2のネットワーク接続要素206及び固定位置識別要素220は、図1のネットワーク接続要素106及び固定位置識別要素120と同様に動作する。デバイス206、220は、ともに、対象識別要素202に問い合わせするように、問い合わせ信号に応答して対象識別要素202から送信される応答信号を受信するように、及び一意識別子を含む情報を受信信号から位置決定モジュール214に引き渡すように構成される。固定位置識別子220及びネットワーク接続要素206は、受信信号内に存在する情報に情報を追加することもできる。信号が最終的に位置決定モジュール214に達すると、位置決定モジュール214は、対象識別要素202の位置の特定に役立てるために、固定位置識別要素220及びネットワーク接続要素206によって加えられた情報を使用することができる。
【0063】
ネットワーク化されていない形態の典型的実施形態も、実装可能である。図3は、典型的実施形態にしたがった、ネットワークの使用に依存することなく対象の関連付けを決定するのに適した典型的な位置特定システム311を示している。システム311は、対象にリンクされた対象識別要素302と、位置決定モジュール314とを含む。
【0064】
対象識別要素302は、対象を識別するデータを決定モジュール314に提供する。対象識別要素302は、識別データを含む信号を、信号を伝送するための伝送コンポーネントを使用して伝送してよい。伝送コンポーネントは、トランスミッタ、トランシーバ、トランスポンダ、又は類似のデバイスであってよい。一部の典型的実施形態において、対象を識別するデータは、RFID、バーコーディング、又は磁気エンコーディングなどの、識別データを取得するためにリーダを必要とするパッシブ技術によって提供されてよい。
【0065】
本明細書に示される位置決定モジュール314は、上記のように、対象位置特定モジュール315と、対象関連付けモジュール316とを含む。対象位置特定モジュール315は、対象識別要素302によって提供される、対象を識別するデータに少なくとも部分的に基づいて、対象識別要素302の位置を決定するようにプログラム又は構成される。
【0066】
対象関連付けモジュール316は、対象位置特定モジュール315によって決定される対象の位置に基づいて、対象がしきい値時間以上の期間にわたって第2の対象又は場所の近くにあるかどうかを決定するようにプログラム又は構成される。もし対象が第2の対象又は場所の近くにある期間がしきい値時間以上である場合は、対象関連付けモジュール316は、対象と第2の対象又は場所との間に関連付けを作成する。
【0067】
対象位置特定モジュール315と対象関連付けモジュール316とを含む位置決定モジュール314は、位置を決定するのに、時間の追跡を維持するのに、及び関連付けを形成するのに適した任意の構造を含むことができる。このような構造の例として、1つ又は2つ以上の対象識別要素の位置を決定する、時間の追跡を維持する、並びに近さ及び時間に基づいて関連付けを形成することができる任意のデバイスが挙げられる。
【0068】
本発明の各種の実施形態にしたがうと、位置決定モジュール314は、電子デバイスであってよい。電子デバイスは、複数の形態をとってよく、プロセッサ、コンピュータ、個人用携帯情報端末、携帯電話などの通信デバイス、ネットアプライアンス、ウェブサーバ、ネットワーク、情報を操作することができる任意のデバイス、レシーバ、トランスミッタ、インターフェース、又はこれらのデバイスの任意の組み合わせを含んでよい。更に、当業者ならば、位置決定モジュール314が、位置特定システム311の異なるパーツに組み入れ可能であることがわかるであろう。例えば、位置決定モジュールは、ネットワーク接続要素、固定位置識別要素、対象識別要素の一部を形成することができる、又はその他のシステムコンポーネントとは別個である及び/若しくはその他のシステムコンポーネントの遠くに位置していることが可能である。
【0069】
本発明の各種の実施形態にしたがうと、位置決定モジュール314は、情報を求める要求を受信する、情報を提供する、情報を格納する、位置情報に応答して行動を指示する、対象をその他の対象に又は位置に関連付ける、位置情報の使用可能性に関するプライバシー条件を確立する、各種のネットワークタイプと直接的にインターフェースを取るなどの、更なる機能を実施することが可能であってよい。本発明の更なる実施形態にしたがうと、位置決定モジュール314は、分散された複数のレシーバ又はリーダを含み、それらのなかには、ネットワークに接続されるものも、接続されないものもあってよい。本発明の各種の実施形態にしたがうと、対象識別要素310及び位置決定モジュール314は、位置の決定のためにRF信号を用いる。
【0070】
当業者ならば、本明細書に例示及び図示されるトランスミッタ及びレシーバの代わりに、信号の送受信が可能な異なるタイプのコンポーネントが使用されてよいことがわかるであろう。例えば、レシーバは、本発明の範囲から逸脱することなくトランシーバに置き換えられてよい。
【0071】
図4Aは、例えば図1において使用されるものと同様の典型的な対象識別要素を示している。図に示されるように、対象識別要素102は、IRトランスミッタ103と、RFトランスミッタ104とを含む。トランスミッタは、ともに、シグナリングプロセスを制御する組み込みプロセッサ105によって制御される。同様に、図4Bは、例えば図1において使用される典型的な固定位置識別要素120を示している。固定位置識別要素120は、シグナリングプロセスを制御する組み込みプロセッサ105によって制御されるIRトランスミッタ103とRFトランスミッタ104とを含む。固定位置識別要素120には、対象識別要素102からの信号を受信するために使用されるIRレシーバ107及びRFレシーバ109も含まれる。
【0072】
シグナリングプロセスは、RF信号及びIR信号の両方を、交互する形で併用することができる。本発明の一実施形態にしたがうと、RF信号は10秒ごとに伝送され、IR信号は20秒ごとに伝送される。この方法は、実質的に一貫したIR電力レベルを提供する一方で、RF電力レベルを変動させる。RF電力レベルの変動は、ネットワーク接続要素106が一部のRF信号のみを受信することを可能にすることによって、対象識別要素102の位置の決定を助けることができる。伝送される信号は、伝送される信号強度、伝送と伝送との間の期間、伝送の時間の長さ、対象識別要素102のための一意識別子、1つ若しくは2つ以上の入力デバイスから受信される情報、及び/又は対象識別要素のコンポーネントに関係するなどの各種の状態情報などの、追加情報を含んでもよい。本発明の一態様において、対象識別要素102は、レシーバも含んでおり、位置決定モジュール114は、伝送パラメータ(即ち30秒ごとの交互信号)を送信することによって、ネットワーク10を通じて対象識別要素を設定する。IR信号は視線信号であり、RF信号は壁を突き抜けるので、これらの信号の組み合わせは、いずれか一方のシグナリング形態のみの使用によって可能であると考えられるよりも更に正確に信号の位置を特定するために、本発明の例示的実施形態において用いられてよい。
【0073】
図4Cは、例えば図2において使用される典型的な対象識別要素202を示している。したがって、対象識別要素202は、RFレシーバ203と、RFトランスミッタ204とを含む。レシーバ203及びトランスミッタ204は、ともに、シグナリングプロセスを制御する組み込みプロセッサ205によって制御される。同様に、図4Dは、例えば図2において使用される典型的な固定位置識別要素220を示している。固定位置識別要素220は、シグナリングプロセスを制御する組み込みプロセッサ225によって制御されるRFレシーバ223とRFトランスミッタ224とを含む。
【0074】
図2に関連して上述されたように、対象識別要素202は、パッシブRFIDタグとして構成される。このように、対象識別要素のRFトランスミッタ204及び組み込みプロセッサ205は、固定位置識別要素220のRFトランスミッタ224からのRF信号によって提供される電力に依存する。動作にあたり、固定位置識別要素220の組み込みプロセッサは、問い合わせ信号を送信するようにRFトランスミッタ224に指示する。問い合わせ信号は、対象識別要素202のRFレシーバ203によって受信され、組み込みプロセッサ205及びRFトランスミッタ204を活動させる。組み込みプロセッサ205は、問い合わせ信号を解釈し、一意識別子を提供する応答信号を伝送するようにRFトランスミッタ203に指示する。応答信号は、固定位置識別要素220のRFレシーバ223において受信され、組み込みプロセッサによって処理される。組み込みプロセッサ225は、次いで、応答信号の情報に追加情報を付加し、追加情報と応答信号からの情報とを含む信号を伝送するようにRFトランスミッタ224に指示する。
【0075】
このようなパッシブRFID設計の利点は、対象識別要素202上に電源を必要としないことにある。これは、対象識別要素202の構築コストも抑える。当業者ならば、対象識別要素が必要に応じてアクティブRFIDタグとしても構成可能であることがわかるであろう。
【0076】
図5は、典型的実施形態にしたがった、位置及び関連付けを決定するための病院500の典型的な配置を示している。病院の配置は、トポロジストレージデバイス117に予め格納することができる。病院500は、やはり場所であると見なすことができる複数の部屋502、504、506、508、510、及び512を含む。各部屋502、504、506、508、510、及び512は、室内に固定位置識別要素(FLI)520を有する。廊下501は、更なる固定位置識別要素520を廊下の端に、そして1対のネットワーク接続要素(NCE)530を廊下の真ん中及び廊下の端に有する。固定位置識別要素520及びネットワーク接続要素530は、図1及び図2のもののような、上述された実装形態のうちの任意であってよい、又はその他の任意の数の実装形態であってよい。上記のように、ネットワーク接続要素530を接続されたネットワークは、有線ネットワーク又は無線ネットワークであってよく、その結果、ネットワーク接続要素530は、ネットワークに物理的に接続されている場合又は接続されていない場合がある。本発明の例示的実施形態は、既存のネットワークを通じて実行されるように設計されており、専用のプロプライエタリネットワークの作成は不要である。病院は、対象識別要素(OI)540がリンクされた複数の対象を含む。ある部屋502は、患者カルテ550を含み、そのカルテには、置き間違えがないように且つ素早い読み込みが可能であるように対象識別要素540が取り付けられている。別の部屋504は、衣服に又は腕輪として対象識別要素540を装着している患者560を含む。患者560に取り付けられた対象識別要素540は、病院全体において患者の動きを追跡することを可能にする。廊下501に出ると、点滴ポンプ570に対象識別要素540がリンクされている。対象識別要素540は、ポンプを割り当てられた病院の科で働いている適切な人に通知する時間がないままに病院の別の科が緊急でポンプを借りる場合に、点滴ポンプ570の位置を素早く特定することを可能にする。対象識別要素540は、図1及び図2のもののような、上述された実装形態のうちの任意であってよい、又はその他の任意の数の実装形態であってよい。
【0077】
ネットワーク接続要素530及び固定位置識別要素520の使用が、例を挙げて説明される。点滴ポンプ570にリンクされた対象識別要素540は、一意識別子を持つ1つ又は2つ以上の信号を発するように構成することができる。もし点滴ポンプ570が廊下501に位置する場合は、対象識別要素によって伝送されるRF信号は、幾つかの部屋504、506、510、及び512の中にある固定位置識別要素520内に位置するレシーバ、並びにポンプに最も近い廊下の端にある固定位置識別要素520内に位置するレシーバによって受信される。また、信号は、部屋504の外に位置するネットワーク接続要素530によっても受信されるであろう。IR信号は、視線信号であるので、もし点滴ポンプ570にリンクされた対象識別要素540がIR信号も伝送する場合は、その信号は、廊下501の端に位置する固定位置識別要素520及び部屋504の外に位置するネットワーク接続要素530によってのみ受信される。視線信号は、ほとんどの壁を突き抜けないので、病室502、504、506、508、510、及び512のどれかの中に位置するRFレシーバによって受信されるとは考えにくい。部屋504の外に位置するネットワーク接続要素530及び廊下501の端に位置する固定位置識別要素520は、両信号の受信を位置決定モジュール(不図示)に報告する。位置決定モジュールは、位置を決定するために、部屋504の外に位置するネットワーク接続要素530及び廊下501の端に位置する固定位置識別要素520の両者の既知の位置を使用する。もしネットワーク接続要素530及び固定位置識別要素520が、ともに、両タイプの信号を受信した場合は、点滴ポンプ570は、廊下510にあるはずだと決定することができる。更に、固定位置識別要素520は、ネットワーク接続要素530よりもRF信号の受信範囲が狭いと考えられるので、点滴ポンプ570は、廊下内であるのみならず、固定位置識別要素520上のRFレシーバの範囲内に位置すると決定することができる。或いは、レシーバに対する近さを決定するために、信号強度を使用することができる。RFレシーバの受信範囲及びRFトランスミッタの伝送強度は、実装上の選択肢であり、当業者ならば、それらが本発明の範囲から逸脱することなく調整可能であることがわかるであろう。
【0078】
位置決定モジュールが、対象識別要素540をリンクされた対象の現在位置又は現在場所を決定したら、その位置は、位置を特定された対象の、その他の対象又は場所に対する近さを決定するために、その他の対象又は場所の現在位置と比較される。事前に決定されたこの位置は、通常は、特に関心を持たれるベッドなどの個所である。場所は、例えば病院環境では部屋である。もし対象が別の対象又は場所から規定距離の範囲内にある場合は、位置決定モジュールは、2つの対象どうしが又は対象と場所とが相互作用していると決定し、ストレージデバイスにおいて関連付けを記録する。当業者ならば、1つの対象又は場所の、別の対象又は場所に対する近さ即ち距離関係が、ユーザの要求又はニーズに基づいて可変であることが容易にわかるであろう。適切な近さ即ち距離は、予め選択する若しくは事前に決定することができる、又はリアルタイムで導出、計算、若しくは決定することができる。当業者ならば、対象のタイプ、対象の状態、場所、以前の相互作用又は関連付け、システムが使用される環境、及び/又はユーザの要求若しくは指定を含む1つ又は2つ以上の要因に基づいて、適切な近さを容易に決定することができるであろう。
【0079】
位置決定モジュールは、関連付けが生じていると判定する前に、最小限時間即ちしきい値時間にわたって関連付けが生じていることを要求するであろう。これは、偽りの関連付けを回避するのに有用である。しきい値時間は、予め選択され又は事前に決定され、システム111に格納することができる。しきい値時間は、ユーザ入力、システム仕様、対象のタイプ、対象の状態、場所、以前の相互作用若しくは関連付け、システムが使用される環境、ユーザの要求若しくは指定などを含むがこれらに限定されない1つ又は2つ以上の要因に基づいて、計算、導出、又はその他の形で確立することができる。更に、しきい値時間は、上記のパラメータのうちの1つ又は2つ以上に基づいて、リアルタイムで計算又は決定することもできる。当業者ならば、関連付けを決定するために使用されるしきい値時間の値が、前述のパラメータのうちの1つ又は2つ以上のパラメータの関数として可変であることもわかるであろう。例えば、医師、看護師、又は清掃スタッフなどの職員は、かかる時間の異なる様々な方式で、異なる対象及び/又は場所と相互作用することができるであろう。例えば、看護師は、医師よりもずっと迅速に患者と相互作用することができるであろう。したがって、看護師を患者に関連付けるためのしきい値時間は、同じ患者に医師を関連付けるためのしきい値時間よりも短くてよい。
【0080】
更に、上記のように、医師は、ある患者のすぐ近くを、別の患者を治療する途中で通過する可能性がある。もし関連付けの基準が近さのみに基づく場合は、このような近くの通過は、たとえ医師が患者と実際の相互作用を持たなかった場合でも、医師と患者との間の関連付けとして決定される恐れがある。したがって、閾値は、追跡されている対象が関連付けを確立される前に別の対象又は場所の近くにある必要がある最小限時間限度即ちしきい値時間限度として設定することができる。もし閾値が満たされない場合は、関連付けは確立されない。
【0081】
別の例において、医師は、部屋などの第1の場所におり、その第1の場所は、別の部屋などの第2の場所にすぐ隣接していることがある。もし医師が、第2の部屋に隣接する第1の部屋の壁を背にして立っている場合は、計算された医師の位置は、たとえ医師が実際に部屋を変わったことがなくても、医師の位置特定に固有な変動及び/又は不正確さゆえに、医師が突然第2の部屋に移り、次いで第1の部屋に戻ったことを示す可能性がある。もし医師が第2の部屋にいるものとして示された時間が、医師が物理的に他の部屋に移動するために実際にかかると考えられる時間よりも短い場合は、この場所の変化は、実際の変化でないと見なすことができる。
【0082】
例えば、医師の位置を図式で表わすと、次のように見えるであろう。
【数1】
ここで、「L1」は、例えば第1の部屋に対応する第1の場所であり、「L2」は、例えば第2の部屋に対応する第2の場所である。「tL1」は、医師が第1の部屋の中で過ごす時間の長さに対応し、「tL2」は、医師が第2の部屋の中で過ごす時間の長さに対応する。ここでは、医師は、第1の部屋から第2の部屋に移動して第1の部屋に戻るものとして示されている。
【0083】
もし時間「tL1」がしきい値時間以上で且つ時間「tL2」がしきい値時間未満である場合は、第1の部屋との関連付けのみが確立される。上述のように、しきい値時間は、追跡されている対象のタイプ及びそれが関連付けられる場所に依存してよい。例えば、看護師は、医師よりも迅速に部屋間を移動すると考えられるので、看護師に関連付けられるしきい値時間は、より短くてよい。第2の部屋「L2」は、第1の部屋「L1」から遠く離れていることもあり、この場合は、長い移動時間が必要とされ、しきい値時間は長くなるであろう。例えば、もし「tL2」が、第1の部屋「L1」から第2の部屋「L2」まで移動して第1の部屋「L1」に戻るためにかかる時間よりも短い場合は、医師を第2の部屋「L2」にいたとする表示をシステムによって偽りの決定と見なすことができる。
【0084】
関連付けは、開始時刻、終了時刻、持続時間、及び個々の発生を交互に追跡され、それらは全て、ストレージデバイスに格納されてよい。電子デバイスは、位置決定モジュールによって決定される対象の関連付けを活用するために、様々なソフトウェアプログラムを格納する、又は様々なソフトウェアプログラムとインターフェースを取る。
【0085】
図6は、典型的実施形態にしたがった、位置決定モジュール614によって決定される関連付けを解析するために使用される典型的なコンポーネントのブロック図600を示している。電子デバイスは、図1及び図2に示された電子デバイスと、多くの点において同様である。位置決定モジュール614は、対象の関連付けを決定し、これらの関連付けの記録をストレージデバイス618に記録する。対象の関連付けの解析には、位置決定モジュール614にアクセス可能な様々なソフトウェアコンポーネント又はモジュールを使用することができる。電子デバイス612上には、機器利用ソフトウェア615、資産管理ソフトウェア616、及び事象開始ソフトウェア617が格納されている。支払い請求ソフトウェア620は、ネットワーク610とインターフェースを取っている。位置決定モジュール614によって決定される対象の関連付けの解析に使用される様々なタイプのソフトウェアの例が、以下において、更に詳しく取り上げられる。ソフトウェアは、位置決定モジュール614内に位置するJDBCインターフェースを用いてよく、これは、Java(登録商標)アプリケーションがストレージデバイス618上のデータベースにSQLコマンドを送信することを可能にする。当業者ならば、対象の関連付けを入力データとして用いる各種のソフトウェアコンポーネントの位置及びタイプが、本発明の範囲から逸脱することなく可変であることがわかるであろう。当業者ならば、対象の関連付けの決定及び/又は格納が、例示されたシステム内のその他の位置において発生可能であることもわかるであろう。
【0086】
位置決定モジュール614によって対象の関連付けが決定されると、関連付けデータは、入力データとして様々なソフトウェアプログラムに提供されてよい。図7は、典型的実施形態にしたがった、対象の関連付けを決定するための並びに対象の関連付けを機器利用ソフトウェアモジュール615及び支払い請求ソフトウェアモジュール620において使用するためのフローチャート700を示している。対象にリンクされた対象識別要素102、202、302、540は、ネットワーク接続要素106、206、530に信号をブロードキャストする(ステップ710)。図2に示されたような特定の実施形態においては、対象識別要素202は、ネットワーク接続要素206又は固定位置識別要素120、220、520から送信された信号に応答して信号を伝送してよい。信号は、固定位置識別要素120、220、520からネットワーク接続要素106、206、530に転送されてよい。ネットワーク接続要素106、206、530は、タイムスタンプ及びその識別子などの情報を信号に付加し、その信号を、電子デバイス112、121及び位置決定モジュール114、214、314に送信する(ステップ720)。或いは、位置決定モジュール114、214、314が、タイムスタンプ及びその識別子などの情報を信号に付加する(ステップ720)。位置決定モジュール114、214、314は、概説されたように対象の位置を計算し、位置を特定された対象を別の対象及び/又は場所に関連付け、その関連付け及びその関連付けが開始した時間をストレージデバイス118、218、618に記録する(ステップ730)。ネットワーク接続要素106、206、530は、対象識別要素102、202、302、540から及び/又は固定位置識別要素120、220、520から受信される信号を、関連付けが終わるまで送信する(ステップ740)。ネットワーク接続要素106、206、530が信号の送信を停止すると、位置決定モジュール114、214、314、614は、ストレージデバイス118、218、618において対象の関連付けを解除し、その関連付けが終了した時間を記録する(ステップ750)。ストレージデバイス118、218、618は、関連付けの記録を格納する。
【0087】
典型的実施形態において、機器利用ソフトウェア615又は支払い請求ソフトウェア620は、関連付けの記録をストレージデバイス118、218、618から読み込む(ステップ760)。別の典型的実施形態において、関連付けの記録は、位置決定モジュール114、214、314、614から機器利用ソフトウェア615又は支払い請求ソフトウェア620に直接送信される(ステップ760)。
【0088】
機器利用ソフトウェア615は、病院の特定の科においてポータブルX線装置がどれくらいの頻度で使用されるかを解析するために、データを使用してよい。或いは、対象関連付けデータは、部屋がどれくらいの頻度で用いられるかを示してよい。同様に、支払い請求ソフトウェア620は、外科医が手術室においてどれくらいの時間を過ごしたかを決定して患者に対する支払い請求額を決定するために、対象関連付けデータを使用してよい。
【0089】
本発明の例示的実施形態は、対象関連付けデータを数々の方式で活用することができる。一実施形態において、決定された対象の関連付けは、医療施設において感染病患者の動きを追跡するために使用される。個々の移動経路を示す計算された位置をマッピングすることによって、医療施設は、どの患者が感染に曝された可能性があるかに基づく応答を作成することができる。別の実施形態において、対象識別要素は、処方薬にリンクされてよい。例えば、対象識別要素にリンクされた静注薬の袋が患者との間に関連付けを形成するときは、その患者に既に投与されているその他の薬及び/又はアレルギーを示す患者個人の病歴に基づいて拒否反応を阻止するために、ストレージデバイスが調べられてよい。別の実施形態においては、対象の関連付けは、健康データのセキュリティ及びプライバシーを扱うHIPAA(Health Insurance Portability and Accountability Act:医療保険の携行と責任に関する法律)の順守を保証するために使用されてよい。対象識別要素102、202、302、540をスタッフ及び患者のカルテにリンクさせることによって、誰がカルテを閲覧したかを示す記録が作成されてよい。
【0090】
ストレージデバイス18に格納された対象関連付けデータは、事象開始に使用されてもよい。図8は、典型的実施形態にしたがった、対象の関連付けを決定するための及び対象の関連付けを事象開始ソフトウェアモジュール617において使用するためのフローチャート800である。順序は、対象にリンクされた対象識別要素102、202、302、540がネットワーク接続要素106、206、530に信号をブロードキャストするときに始まる(ステップ810)。図2に示されたような特定の実施形態においては、対象識別要素202は、ネットワーク接続要素206又は固定位置識別要素120、220、520から送信された信号に応答して信号を伝送してよい。信号は、固定位置識別要素20からネットワーク接続要素106、206、530に転送されてよい。ネットワーク接続要素106、206、530は、タイムスタンプ及びその識別子を信号に付加し、その信号を、電子デバイス112、121及び位置決定モジュール114、214、314、614に送信する(ステップ820)。位置決定モジュール114、214、314、614は、概説されたように対象の位置を計算し、位置を特定された対象を別の対象又は場所に関連付け、その関連付けをストレージデバイスに記録する(ステップ830)。関連付けは、次いで、事象開始ソフトウェア617によって、関連付けのテンプレートとプログラムによって比較されてよい(ステップ840)。例えば、事象開始ソフトウェア617は、もし病院の患者の対象識別要素が廊下に関連付けられる場合に、適切な科のナースステーションにおいて警報が鳴るように示すことができる。或いは、事象開始ソフトウェアは、もし企業のCEOの名前バッジに埋め込まれた対象識別要素が通用門に関連付けられた場合に、歓迎がブロードキャストされるように示すことができる。もし関連付けがテンプレート内に挙げられている場合は、その事象のための指示が、ネットワーク110、210、610にブロードキャストされる(ステップ850)。当業者ならば、対象の関連付けを解析するために、テンプレート以外の形態も本発明の範囲から逸脱することなく使用されてよいことがわかるであろう。
【0091】
本発明の一実施形態において、対象関連付けデータは、資産管理ソフトウェアモジュール616によって用いられる。資産管理ソフトウェアモジュール616は、企業によって所有される資産のリアルタイムな在庫を提供するために使用することができる。品目の位置を迅速に特定する能力は、それが失敗した場合に深刻な結果をもたらす恐れがある医療業界などの業界において、最重要であると考えられる。また、資産位置の定期的な更新は、年末の在庫調査を大幅にコストダウンできるであろう。資産が自身の位置を伝送する頻度は、設定可能であり、品目がどれくらいの頻度で動く傾向があるかに基づくことができる。例えば、あまり頻繁に動かない大型の機器の場合は、トランスミッタは、一時間に一度又は一日に一度、信号を発するように設定されてよい。トランスミッタは、より小型の品目若しくは頻繁に動かされる品目の場合は一分に一度、又は人にリンクされた対象識別要素の場合は10秒に一度、信号を発するように設定されてよい。リアルタイムな資産の位置は、次いで、ネットワーク110、210、610にブロードキャストされ、関係者個人が使用できるようにされてよい。別の実施形態においては、寝たきりの患者とベッドとの間に関連付けを形成することができる。もし関連付けが停止したことが決定された場合は、患者がベッドから落ちた可能性があることを示すために、ネットワークを通じてナースステーションに警告が送信される。
【0092】
図9は、典型的実施形態にしたがった、図7及び図8のステップ730及び830において位置特定システムの位置決定モジュール114、214、314、614によって実施されるプロセスの典型的なフローチャートである。プロセスは、対象識別要素102、202、302、540をリンクされた対象についての位置の決定から始まる(ステップ910)。特定の実施形態において、位置の決定(ステップ910)は、図1及び図3に関係して説明されたように、位置決定モジュール314の対象位置特定モジュール315によって実施されてよい。対象の位置が決定されたら(ステップ910)、位置情報は、対象が別の対象又は場所の近くにあるかどうかを決定するために使用することができる(ステップ920)。もし対象が別の対象又は場所の近くにない場合は、対象の位置は、更に監視される(ステップ910)。しかしながら、もし対象が別の対象又は場所の近くにある場合は、対象が他の対象又は場所の近くにある時間が追跡されてよい(ステップ930)。もし対象が別の対象又は場所の近くにある時間がしきい値時間未満である場合は、対象の位置は、更に監視される(ステップ910)。しかしながら、もし対象が別の対象又は場所の近くにある時間がしきい値時間以上である場合は、対象についての関連付けを形成することができる(ステップ940)。対象の関連付けは、次いで、図6〜8に関係して論じられたように使用されてよい。
【0093】
本明細書に挙げられる例の多くは、病院環境を基準にしているが、本発明の例示的実施形態は、様々なその他の環境において対象の関連付けを検出するために使用することができる。例えば、対象の関連付けは、荷物を具体的な目的地に振り分けるように指定された機械に荷物を関連付けられる空港の設定において生じることができる。或いは、対象の関連付けは、飛行機が空港から離陸する前に、預けられた各荷物が着席した乗客に関連付けられていることを確認するために使用することができる。対象の関連付けは、店内の商品の動きを追跡するために使用する、又は支払いレジにおいて用いることができる。対象の関連付けは、広告看板の有効性又はその欠如を識別するために使用することができる。対象関連付けシステムは、既存のネットワークトポロジを用いるコンポーネントを使用して機能するように設計されるので、対象の関連付けは、多くの異なる環境において決定することができ、本明細書に挙げられる環境は、包括的なものではなく単なる例示にすぎないことを意図している。
【0094】
III.活動の検出のための典型的環境
図10は、本発明の典型的実施形態にしたがった、活動を検出するのに及び検出された活動に関連付けられた情報を決定するのに適した典型的な環境を示している。環境は、電子デバイス1000を含む。典型的実施形態において、電子デバイス1000は、ワークステーション、デスクトップ型コンピュータ、サーバ、ラップトップ型コンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、又は通信が可能で且つ本明細書において説明される動作を実施するのに十分なプロセッサ電力及びメモリ容量を有するその他の形態のコンピューティングデバイス若しくは電気通信デバイスなどの、任意のコンピュータシステムであってよい。
【0095】
電子デバイス1000は、本明細書において説明されるように、1つ又は2つ以上の対象の位置を決定及び追跡するようにプログラム又は構成された位置決定モジュール1018を含む。電子デバイス1000は、また、本明細書において説明されるように、対象と1つ又は2つ以上のその他の対象/場所との間の関連付けを決定するようにプログラム又は構成された関連付け決定モジュール1020を含む。位置及び関連付けは、図1〜9を参照にして上述された典型的実施形態にしたがって、それぞれ位置決定モジュール1018及び関連付け決定モジュール1020によって決定することができる。
【0096】
電子デバイス1000は、更に、現在発生している又は過去に発生した1つ又は2つ以上の活動を検出するために及び検出された活動に関する情報を決定するためにコンテクスト情報を使用するようにプログラム又は構成された活動決定モジュール1022を含む。活動決定モジュール1022は、現在発生している又は過去に発生した1つ又は2つ以上の活動を検出するようにプログラム又は構成された活動検出サブモジュール1024を含む。活動検出サブモジュール1024は、現在位置/場所の集合を履歴的な位置/場所の集合と照合するようにプログラム又は構成されたパターン認識アプリケーション1030を含む。活動決定モジュール1022は、また、検出された活動に関する情報を決定するようにプログラム又は構成された活動情報決定サブモジュール1026を含む。活動情報決定サブモジュール1026は、検出された活動の主要な位置及び/又は場所を決定するようにプログラム又は構成された手段/モード決定部1028を含む。活動決定モジュール1022は、クロック1032も含む。
【0097】
典型的実施形態において、活動決定モジュール1022は、電子デバイス1000に一体に提供される。別の典型的実施形態において、活動決定モジュール1022は、電子デバイス1000とは別個に(活動決定モジュール1022’の形態で)提供され、この場合、活動決定モジュール1022’及び電子デバイス1000は、互いに通信するように構成される。活動決定モジュール1022’は、活動検出サブモジュール1024’及び活動情報決定サブモジュール1026’を含む。活動検出サブモジュール1024’は、パターン認識アプリケーション1030’を含む。活動情報決定サブモジュール1026’は、手段/モード決定部1028’及びクロック1032’も含む。
【0098】
電子デバイス1000は、典型的実施形態を実施するための1つ若しくは2つ以上の実行可能な命令又はソフトウェアを格納するための1つ又は2つ以上の媒体を含む。例えば、電子デバイス1000に含まれるメモリ1006は、例えば、位置決定モジュール1018、関連付け決定モジュール1020、及び活動決定モジュール1022を実装及び処理するための命令などの、実行可能な命令又はソフトウェアを格納する。典型的実施形態において、メモリ1006は、DRAM、SRAM、EDORAMなどの、コンピュータシステムメモリ又はランダムアクセスメモリを含むことができる。メモリ1006は、その他のタイプのメモリ、又はそれらの組み合わせを含むこともできる。
【0099】
電子デバイス1000は、メモリ1006に格納された命令又はソフトウェア、及びシステムハードウェアを制御するためのその他のプログラムを実行するようにプログラム又は構成された、プロセッサ1002と、1つ又は2つ以上のプロセッサ1002’とを含む。プロセッサ1002及びプロセッサ1002’は、それぞれシングルコアプロセッサ(1004)又はマルチコアプロセッサ(1004’)であってよい。
【0100】
電子デバイス1000においては、電子デバイス内のインフラ及びリソースを動的に共有可能であるように、仮想化を用いることができる。仮想化されたプロセッサは、位置決定モジュール1018、関連付け決定モジュール1020、及び活動決定モジュール1022と、そしてストレージデバイス1044内の任意のその他のアプリケーション又はソフトウェアと、併用することができる。仮想マシン1014は、複数のプロセッサ上において動いているプロセスを、そのプロセスが複数ではなく1つのコンピューティングリソースのみを使用しているように見えるように扱うために、提供することができる。複数の仮想マシンを、1つのプロセッサと併用することもできる。コード及び/又はソフトウェアを実行するために、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)、及び汎用プロセッサ(GPP)も使用することができる。
【0101】
ユーザは、モニタなどの視覚的表示デバイス1040を通じて電子デバイス1000とやり取りしてよい。視覚的表示デバイス1040は、ユーザが位置決定モジュール1018、関連付け決定モジュール1020、活動決定モジュール1022に、又は任意のその他のアプリケーション若しくはソフトウェアに、データを入力することを可能にする、1つ又は2つ以上のユーザインターフェース1042を提示する。視覚的表示デバイス1040は、位置決定モジュール1018、関連付け決定モジュール1020、活動決定モジュール1022からの、又は任意のその他のアプリケーション若しくはソフトウェアの処理からの、結果を表示する。視覚的表示デバイス1040は、例えば、ストレージデバイス1044に格納された任意のデータベースからのデータなどの、典型的実施形態の任意のその他の態様又は要素も表示する。
【0102】
典型的実施形態において、視覚的表示デバイス1040は、電子デバイス1000に一体に提供することができる。別の典型的実施形態において、視覚的表示デバイス1040は、電子デバイス1000とは別個に提供することができ、この場合、視覚的表示デバイス1040及び電子デバイス1000は、互いに通信するように構成される。
【0103】
電子デバイス1000は、キーボード又はマルチポイントタッチインターフェース1008、及び例えばマウスなどのポインティングデバイス1010などの、ユーザからの入力を受信するためのその他の入出力(I/O)デバイスを含むことができる。キーボード1008及びポインティングデバイス1010は、視覚的表示デバイス1040に接続することができる。電子デバイス1000は、その他の適切な従来のI/O周辺機器を含むこともできる。
【0104】
電子デバイス1000は、ストレージデバイス1044を含むことができる。適切なストレージデバイス1044は、デジタル又はアナログのデータを格納することができる任意のデバイス、コンポーネント、又はシステムを含み、ハードドライブ及び光ドライブなどのメモリドライブ、フラッシュドライブ、光媒体(CD、DVDなど)、EPROM、EEPROM、USBドライブ又はUSBストレージエレメント、RAM、ROM、データベースソフト及びデータベースハード、リムーバブルストレージデバイス及び二次ストレージデバイス、又はその他の適切なストレージ媒体を含んでよいがこれらに限定されない。典型的実施形態において、ストレージデバイス1044は、典型的実施形態によって追跡される対象に関連付けられたフォーマット済みデータを格納するための1つ又は2つ以上のデータベースを含むことができる。格納されるデータの例は、1つ又は2つ以上の特定の対象(例えば「Jane Doe」という名前の看護師)に関連付けられた対象識別要素についての、現在の及び履歴的な位置/場所、役割(例えば看護師)、活動(例えば、患者に薬を投与する、手術室において外科医を補佐する)、現在の及び履歴的な関連付け(患者、外科医に関連付けられる)などを含むことができるがこれらに限定されない。
【0105】
典型的実施形態において、ストレージデバイス1044は、電子デバイス1000に一体に提供することができる。別の典型的実施形態において、ストレージデバイス1044は、電子デバイス1000とは別個に提供することができ、この場合、ストレージデバイス1044及び電子デバイス1000は、互いに通信するように構成される。
【0106】
電子デバイス1000は、標準電話回線、LANリンク若しくはWANリンク(例えば802.11、T1、T3、56kb、X.25)、ブロードバンド接続(例えばISDN、Frame Relay、ATM)、無線接続、コントローラエリアネットワーク(CAN)、又は上記の任意の若しくは全部の幾つかの組み合わせを含むがこれらに限定されない様々な接続を通じて、例えばローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、又はインターネットなどのネットワークとインターフェースを取るように構成された、ネットワークインターフェース1012を含むことができる。ネットワークインターフェース1012は、内蔵式ネットワークアダプタ、ネットワークインターフェースカード、PCMCIAネットワークカード、カードバスネットワークアダプタ、無線ネットワークアダプタ、USBネットワークアダプタ、モデム、又は通信及び本明細書において説明される動作の実施が可能な任意のタイプのネットワークとのインターフェースを電子デバイス1000に取らせるのに適した任意のその他の適切なデバイスを含むことができる。
【0107】
電子デバイス1000は、各ヴァージョンのMicrosoft(登録商標)Windows(登録商標)オペレーティングシステム、異なる公開ヴァージョンのUnix(登録商標)及びLunuxオペレーティングシステム、Macintoshコンピュータ用の各ヴァージョンのMacOS(登録商標)、任意の組み込みオペレーティングシステム、任意のリアルタイムオペレーティングシステム、任意のオープンソースオペレーティングシステム、任意のプロプライエタリオペレーティングシステム、モバイルコンピューティングデバイス用の任意のオペレーティングシステム、又はコンピューティングデバイス上で動くことができ且つ本明細書において説明される動作を実施することができる任意のその他のオペレーティングシステムなどの、オペレーティングシステム1016で動くことができる。オペレーティングシステムは、ネイティブモード又はエミュレートモードで動くことができる。
【0108】
IV.活動の検出のための典型的な分散実装形態
図11Aは、図10の典型的な環境のための典型的な分散実装形態を示している。この典型的な分散実装形態では、活動決定モジュール1022は、電子デバイス1000に一体に提供される。
【0109】
電子デバイス1000、ストレージデバイス1044、及び外部のアプリケーション又はデバイス1048は、互いとインターフェースを取っており、ネットワーク1046を通じて互いに通信することができる。
【0110】
電子デバイス1000内の位置決定モジュール1018は、概説されたように、1つ又は2つ以上の対象に関連付けられた1つ又は2つ以上の位置を決定し、随意として、これらの位置の記録を表示する且つ/又はストレージデバイス1044に格納する。位置決定モジュール1018は、随意として、例えばインターフェースを通じて位置情報を活動決定モジュール1022に伝送する。
【0111】
電子デバイス1000内の関連付け決定モジュール1020は、概説されたように、対象/場所の間の関連付けを決定するために1つ又は2つ以上の対象/場所に関連付けられた位置を使用し、随意として、これらの関連付けの記録を表示する且つ/又はストレージデバイス1044に格納する。関連付け決定モジュール1020は、随意として、例えばインターフェースを通じて関連付け情報を活動決定モジュール1022に伝送する。
【0112】
電子デバイス1000内の活動決定モジュール1022は、活動を検出し、検出された活動に関する情報を決定するために、1つ又は2つ以上の対象に関するコンテクスト情報(例えば対象の位置、関連付け、役割)を使用する。活動決定モジュール1022は、随意として、検出された活動の記録及び検出された活動に関連付けられた情報をストレージデバイス1044に格納する。活動決定モジュール1022は、随意として、検出された活動の記録及び検出された活動に関連付けられた情報を表示デバイス1040に表示する。活動決定モジュール1022は、随意として、例えばインターフェースを通じて活動情報を1つ又は2つ以上の外部のモジュール又はアプリケーションに伝送する。
【0113】
典型的実施形態において、活動決定モジュール1022は、ストレージデバイス1044、メモリ1006、又は外部のストレージ、データベース、若しくはデバイスに保存されたコンテクスト情報を取得する。別の典型的実施形態において、活動決定モジュール1022は、位置決定モジュール1018及び/又は関連付け決定モジュール1020からコンテクスト情報を直接取得する。
【0114】
典型的実施形態においては、活動決定モジュール1022によって検出された活動に関する活動情報を、様々なアプリケーション、ソフトウェアコンポーネント若しくはソフトウェアモジュール、又はデバイスが解析する。アプリケーションは、電子デバイス1000内に提供することができる、且つ/又は例えば外部のアプリケーション又はデバイス1048として外部に提供することができる。このようなアプリケーションの例は、機器利用ソフトウェア、資産管理ソフトウェア、事象開始ソフトウェア、支払い請求ソフトウェアなどを含む。ストレージデバイス1044に格納された情報にアクセスするために、アプリケーションは、活動決定モジュール1022内に位置するJava Database Connectivity(JDBC)インターフェースを使用し、これは、Java(商標)アプリケーションがStructured Query Language(SQL)コマンドをストレージデバイス1044上の1つ又は2つ以上のデータベースに伝送することを可能にする。その他の典型的実施形態においては、検出された活動を解析するために、活動決定モジュール1022自身が活動情報を使用する。
【0115】
当業者ならば、入力データとして活動情報を使用する各種のコンポーネントの位置及びタイプが、本発明の範囲から逸脱することなく可変であることがわかるであろう。当業者ならば、また、対象の位置、対象の関連付け、及び対象の活動の決定並びに/又は格納が、例示されたシステムにおける任意のその他の位置において発生可能であることもわかるであろう。
【0116】
図11Bは、図10の典型的な環境のための別の典型的な分散実装形態を示している。この典型的分散実装形態において、活動決定モジュール1022’は、電子デバイス1000とは別個に提供され、ネットワーク1046を通じて電子デバイス1000、ストレージデバイス1044、及び外部のアプリケーション又はデバイス1048と通信している。
【0117】
V.活動の検出及び活動情報の決定
活動決定モジュール1022の構造、機能、及び動作が、更に詳しく説明される。図12は、典型的実施形態にしたがった、典型的な活動決定モジュール1022の基本動作の典型的なフローチャートを示している。
【0118】
活動決定モジュール1022の活動検出サブモジュール1024は、1つ又は2つ以上の活動を検出するようにプログラム又は構成される。ステップ1200において、活動決定モジュール1022の活動検出サブモジュール1024は、活動を検出する。典型的実施形態において、活動検出サブモジュール1024は、同時に活動のタイプを決定する。活動/活動タイプの例は、患者が病院から退院する、看護師が患者に薬を投与する、清掃作業員が病室を清掃するなどを含むがこれらに限定されない。
【0119】
一部の典型的実施形態において、活動検出サブモジュール1024は、対象にかかわる活動を検出するために、対象の1つ又は2つ以上の現在位置又は現在場所のみを使用する。位置情報は、対象の空間座標を含むことができるがこれに限定されない。場所情報は、例えば、特定の部屋、階、科、建物などの、関心を持たれている任意のエリア、現場、位置、又は点を含むことができるがこれらに限定されない。活動検出サブモジュール1024は、位置決定モジュール1018、ストレージデバイスなどから現在位置情報又は場所情報を取得することができる。
【0120】
その他の典型的実施形態において、活動検出サブモジュール1024は、対象にかかわる活動を検出するために、現在位置情報又は場所情報を、対象に関する1つ又は2つ以上のその他のコンテクスト情報と併せて使用する。これらのその他のコンテクスト情報は、対象のアイデンティティ、対象に関連付けられた役割、対象に関連付けられた活動、一連の履歴的な位置/場所、対象とその他の対象及び/又は場所との間の関連付けなどを含むことができるがこれらに限定されない。活動検出サブモジュール1024は、位置決定モジュール1018、関連付け決定モジュール1020、ストレージデバイスなどからこれらのその他の情報を取得することができる。
【0121】
活動の検出に使用されるその他の情報の一部は、位置情報又は場所情報に基づいて決定される。一例として、活動の検出に使用することができる一連の履歴的な位置/場所は、位置/場所情報に基づいて決定される。位置決定モジュール1018は、対象の1つ又は2つ以上の連続する位置又は場所を、その対象が履歴的な活動を実施している間に決定する。本明細書において使用される「履歴的な活動」という用語は、対象によって実施される任意の活動を含むことを意図している。位置決定モジュール1018は、履歴的な活動に対応するこの一連の履歴的な位置又は場所を格納することによって、履歴的な活動と同じタイプの活動を検出するために活動検出サブモジュール1024がこの一連の履歴的な位置又は場所を引き続き使用できるようにする。
【0122】
別の例として、活動の検出に使用することができる2つ又は3つ以上の対象/場所の間の関連付けが、位置/場所情報に基づいて決定される。関連付け決定モジュール1020は、位置情報又は場所情報を使用して、対象と1つ又は2つ以上のその他の対象及び/又は場所との間の関連付けを決定する。典型的実施形態は、対象/場所を識別するデータを提供するために、対象/場所にリンクされた対象識別要素を提供する。位置決定モジュール1018は、対象/場所の現在位置/場所を決定するために、この識別データを使用する。関連付け決定モジュール1020は、対象がしきい値時間以上の期間にわたってその他の対象/場所の近くにあるかどうかを決定するために、位置情報又は場所情報を使用する。もし対象がその他の対象/場所の近くにある期間がしきい値時間以上である場合は、関連付け決定モジュール1020は、対象とその他の対象/場所との間に関連付けを形成又は決定する。
【0123】
活動の検出に使用されるその他の情報の一部は、対象を識別するデータに基づいて決定される。典型的実施形態は、対象を識別するデータを提供するために対象にリンクされた対象識別要素を提供する。典型的実施形態は、対象のアイデンティティを決定するために、対象を識別するデータを使用する。対象のアイデンティティは、例えば、対象又は対象が所属するグループに固有な識別であってよい。典型的実施形態は、更に、例えば、対象のアイデンティティと、各対象のアイデンティティに対応する役割/活動との間のマッピングを検索するなどのように、対象のアイデンティティを使用して、対象に関連付けられた役割及び/又は対象に関連付けられた活動を決定する。
【0124】
活動決定モジュール1022の活動情報決定サブモジュール1026は、検出された活動に関するゼロの、1つの、又は2つ以上の情報を決定するようにプログラム又は構成される。ステップ1202において、活動決定モジュール1022の活動情報決定サブモジュール1026は、検出された活動に関する1つ又は2つ以上の情報を決定する。活動情報の例は、活動のタイプ、活動に関与している対象のアイデンティティ及び役割、活動の時間、活動の持続時間、活動の主要な位置及び/又は場所、活動時における対象の主要な位置及び/又は場所などを含むがこれらに限定されない。
【0125】
典型的実施形態は、例えば、検出された活動が予定の活動を順守しているかどうかを決定するためのように、検出された活動を解析するために、活動情報決定サブモジュール1026によって決定された活動情報を使用する。典型的実施形態は、また、例えば、もし患者が透析装置に付けられたまま放っておかれた場合に警報を発するなどのように、検出された活動に応答して事象を開始させるためにも活動情報を使用する。
【0126】
活動情報を引き続き任意に使用可能にするために、活動決定モジュール1022は、随意として、検出された活動及びそれらに関連付けられた活動情報を、格納及び表示する。ステップ1204において、活動決定モジュール1022は、検出された活動及びその活動に関する任意の情報を、ストレージデバイス1044に又は任意のその他のストレージ、デバイス、若しくはデータベースに格納する。ステップ1206において、活動決定モジュール1022は、検出された活動及びその活動に関する任意の情報を、ユーザによる閲覧のために視覚的表示デバイス1040に表示する。典型的実施形態において、活動決定モジュール1022は、検出された活動及びそれに関連付けられた活動情報を、任意のその他のモジュール、ソフトウェア、アプリケーション、又はデバイスによって引き続き使用可能にするために、例えばインターフェースを通じて提供することができる。
【0127】
図12のステップ1200に示されるように、活動決定モジュール1022の活動検出サブモジュール1024は、1つ又は2つ以上の対象のコンテクスト情報を使用して、1つ又は2つ以上の活動を検出する。活動検出サブモジュール1024によって用いられる典型的な方法が、図13〜16を参照にして更に詳しく説明される。
【0128】
図13Aは、典型的実施形態にしたがった、対象にかかわる活動を対象に関する位置/場所情報を使用して検出するための典型的なフローチャートを示している。ステップ1300において、対象にリンクされた対象識別要素102、202、302、540は、1つ又は2つ以上の信号をネットワーク接続要素106、206、530にブロードキャストする。図2に示された特定の典型的実施形態においては、対象識別要素202は、ネットワーク接続要素206又は固定位置識別要素120、220、520から送信される信号に応答して信号を伝送する。対象識別要素からの信号は、固定位置識別要素120、220、520からネットワーク接続要素106、206、530に転送される。ステップ1302において、ネットワーク接続要素106、206、530は、タイムスタンプ及びその識別子などの情報又はデータを信号に付加することによって、信号を変換し、その信号を、電子デバイス1000及び位置決定モジュール1018に伝送する。
【0129】
ステップ1304において、位置決定モジュール1018は、概説されたように、信号内の情報又はデータを変換することによって、対象の現在位置を決定する。ステップ1306において、位置決定モジュール1018は、対象の現在位置(例えば空間座標)を、対象の対応する現在の場所(例えば建物の部屋、階、区画など)に変換する。典型的実施形態においては、現在位置を対応する現在の場所に変換するために、位置決定モジュール1018は、電子デバイス1000、ストレージデバイス1044、又は例えば1つ若しくは2つ以上のデータベース内などの任意のその他の格納先に格納された、位置と対応する場所とののマッピングを使用する。
【0130】
ステップ1308において、活動検出サブモジュール1024は、位置決定モジュール1018又は保存先のいずれかから対象の現在の場所を取得する。活動検出サブモジュール1024は、場所と場所内において実施される対応する活動とのマッピングを調べることによって、対象の現在の場所を使用して活動を検出する。例えば、トイレという場所は、トイレ関係の活動に対応することができる。これらのマッピングは、電子デバイス1000、ストレージデバイス1044、又は例えば1つ若しくは2つ以上のデータベース内などの任意のその他の格納先に格納することができる。
【0131】
典型的実施形態において、活動検出サブモジュール1024は、対象が現在の場所に最小限時間にわたってとどまる場合にのみ、その対象が活動に従事していると決定する。この場合、活動検出サブモジュール1024は、活動と活動に対応する最小限持続時間とのマッピングを提供されてよい。例えば、活動検出サブモジュール1024は、人がトイレに最小限持続時間である5分間にわたってとどまる場合にのみ、トイレ関係の活動を検出してよい。
【0132】
図13Bは、位置/場所情報を使用して活動を検出される病院内の2つの隣り合う部屋の典型的な配置を示している。配置は、トイレ1310、及びトイレ1310と共有壁を共用する隣りの待機室1312を示している。人1314がトイレ1310内に位置しており、別の人1316が待機室1312内の共有壁近くに位置している。人1314及び1316は、位置的に極めて近くにいるが、位置決定モジュール1018は、これらの人たちが異なる場所にいると決定する、即ち人1314がトイレにいる一方で人1316は手術室にいると決定する。場所情報を使用して、活動検出サブモジュール1024は、人1314が排尿、排便、嘔吐などのトイレ関係の活動に従事していることを検出する。しかしながら、活動検出サブモジュール1024は、人1316についてはこのような活動を検出しない。
【0133】
図14Aは、典型的実施形態にしたがった、対象にかかわる活動を対象の現在位置/場所及び対象に関連付けられた役割/活動を使用して検出するための典型的なフローチャートを示している。ステップ1400において、対象にリンクされた対象識別要素102、202、302、540は、1つ又は2つ以上の信号をネットワーク接続要素106、206、530にブロードキャストする。図2に示された特定の典型的実施形態においては、対象識別要素202は、ネットワーク接続要素206又は固定位置識別要素120、220、520から送信される信号に応答して信号を伝送する。対象識別要素からの信号は、固定位置識別要素120、220、520からネットワーク接続要素106、206、530に転送される。ステップ1402において、ネットワーク接続要素106、206、530は、タイムスタンプ及びその識別子などの情報又はデータを信号に付加することによって、信号を変換し、その信号を、電子デバイス1000及び位置決定モジュール1018に伝送する。
【0134】
ステップ1404において、位置決定モジュール1018は、概説されたように、信号内の情報又はデータを変換することによって、対象の現在位置を決定する。ステップ1406において、位置決定モジュール1018は、現在位置(例えば空間座標)を、対象の現在の場所(例えば建物の部屋、階、区画など)に変換する。
【0135】
ステップ1408において、活動検出サブモジュール1024は、位置決定モジュール1018から又は保存先から対象の対象識別子を取得する。ステップ1410において、活動検出サブモジュール1024は、対象識別子に関連付けられた1つ又は2つ以上の役割/活動を検索する。例えば、X線装置は、X線スキャン活動に関連付けることができ、清掃作業員は、管理業務に関連付けることができる、などである。対象の対象識別子と対象の役割/活動との間のこのマッピングは、電子デバイス1000、ストレージデバイス1044、又は例えば1つ若しくは2つ以上のデータベース内などの任意のその他の格納先に格納することができる。ステップ1412において、活動検出サブモジュール1024は、やはり、位置決定モジュール1018から又は保存先から対象の現在の場所を取得する。
【0136】
ステップ1412において、活動検出サブモジュール1024は、活動を検出するために、対象の現在の場所、及び対象に関連付けられた1つ又は2つ以上の役割/活動を使用する。典型的実施形態において、活動検出サブモジュール1024は、対象の現在の場所と対象に関連付けられた役割/活動との各組み合わせと、対応する活動とのマッピングのなかから、対象の現在の場所と対象に関連付けられた役割/活動との組み合わせを検索する。例えば、もし「清掃作業員」の役割を持つ対象が「手術室」にいる場合は、活動決定モジュール1024は、手術室において清掃作業員によって清掃活動が実施されていることを検出する。これらのマッピングは、電子デバイス1000、ストレージデバイス1044、又は例えば1つ若しくは2つ以上のデータベース内などの任意のその他の格納先に格納することができる。
【0137】
図14Bは、対象の現在位置/場所及び対象に関連付けられた役割/活動を使用して活動を検出される病院内の部屋の典型的な配置を示している。配置は、汚れたユーティリティ/リネンのエリア1420を示しており、これは、「清掃作業員」の役割を持つ人1422及び「外科医」の役割を持つ人1424の現在の場所である。活動検出サブモジュール1024は、人の現在の場所である汚れたユーティリティ/リネンのエリア1420、及び清掃作業員としての人の役割に基づいて、人1422が管理活動を実施していることを検出する。しかしながら、活動検出サブモジュール1024は、外科医としての人の役割に基づいては、人1424に関連付けられるような活動を何も検出しない。
【0138】
同様に、活動検出サブモジュール1024は、対象にかかわる活動を検出するために、2つ又は3つ以上の対象の場所を、対象に関連付けられた役割/活動と併せて使用することができる。例えば、患者の透析治療は、患者、透析技師、及び透析装置の位置/場所を追跡することによって検出することができる。患者及び透析装置についての場所情報は、患者及び透析装置が特定の部屋に4時間(透析治療の代表的な持続時間)あったことを示すことができる。透析技師についての場所情報は、技師が部屋に最初の10分間(透析装置をセットして開始させるために必要とされる代表的な持続時間)、最後の10分間(透析装置を停止させて取り外すために必要とされる代表的な持続時間)、及びその間に定期的にいたことを示すことができる。上述された場所情報、及び関与している対象の役割を前提にして、活動検出サブモジュール1024は、患者に対して透析治療活動が実施されたことを検出することができる。
【0139】
図15Aは、典型的実施形態にしたがった、対象の現在位置/場所を一連の履歴的な位置/場所と照合することによって対象にかかわる活動を検出するための典型的なフローチャートを示している。対象の一連の履歴的な位置/場所は、その対象の、過去に記録された任意の数の連続位置/場所を指しており、特定の履歴的な活動に対応している。先ず、履歴的な活動が検出され、その履歴的な活動に関する情報(例えば、履歴的な活動に関連付けられた位置/場所)が決定され、のちの比較及び照合のために格納される。
【0140】
一連の履歴的な位置/場所は、対象によって実施される特定の履歴的な活動に特有であってよく、将来、同じ活動を識別するために使用することができる。例えば、清掃作業員の以下の一連の履歴的な場所、即ち、清掃作業員が病室に入ること、汚れたユーティリティ/リネンのエリアに移動すること、次いで清浄なユーティリティ/リネンのエリアに移動すること、及び最後に病室に戻ることは、病室を清掃する清掃作業員に特有である。一連の履歴的な位置/場所は、電子デバイス1000、ストレージデバイス1044、又は例えば1つ若しくは2つ以上のデータベース内などの任意のその他の格納先に格納することができる。
【0141】
典型的実施形態において、活動検出サブモジュール1024は、活動を検出するために、対象の現在位置/場所のみを使用する。別の典型的実施形態において、活動検出サブモジュール1024は、活動を検出するために、対象の現在位置/場所及び対象の役割を使用する。
【0142】
ステップ1500において、対象にリンクされた対象識別要素102、202、302、540は、1つ又は2つ以上の信号をネットワーク接続要素106、206、530にブロードキャストする。図2に示された特定の典型的実施形態においては、対象識別要素202は、ネットワーク接続要素206又は固定位置識別要素120、220、520から送信される信号に応答して信号を伝送する。対象識別要素からの信号は、固定位置識別要素120、220、520からネットワーク接続要素106、206、530に転送される。ステップ1502において、ネットワーク接続要素106、206、530は、タイムスタンプ及びその識別子などの情報又はデータを信号に付加することによって、信号を変換し、それを、電子デバイス1000及び位置決定モジュール1018に伝送する。
【0143】
ステップ1504において、位置決定モジュール1018は、概説されたように、信号内の情報又はデータを変換することによって、対象の現在位置を決定する。ステップ1504において、位置決定モジュール1018は、随意として、現在位置(例えば空間座標)を、対象の現在の場所(例えば建物の部屋、階、区画など)に変換する。
【0144】
ステップ1506において、活動検出サブモジュール1024は、現在位置/場所を、一連の履歴的な位置/場所のなかの位置/場所と比較する。ステップ1508において、活動検出サブモジュール1024は、対象の現在位置/場所を、一連の履歴的な位置/場所のなかの最初の位置/場所と一致させようと試みる。もし一致が見いだされた場合は、これは、対象が目下、履歴的な活動に従事している可能性があることを示す。したがって、方法は、ステップ1500に戻り、引き続き、対象の次の位置/場所を一連の履歴的なそれと照合する。即ち、活動検出サブモジュール1024は、次いで、連続する現在位置/場所のなかの次の位置/場所を一連の履歴的な位置/場所のなかの次の履歴的な位置/場所と一致させようと試みる。
【0145】
しかしながら、もしステップ1508における照合が失敗した場合は、活動検出サブモジュール1024は、ステップ1510において、照合プロセスが一連の履歴的な位置/場所の終わりに達したかどうかを決定する、即ち、一連の履歴的な位置/場所の大半又は全てが現在位置/場所と既に一致しているかどうかを決定する。もし照合プロセスが一連の履歴的な位置/場所の終わりに達している場合は、活動検出サブモジュール1024は、ステップ1512において、一連の履歴的な位置/場所に関連付けられた履歴的な活動に対象が従事していたことを検出する。しかしながら、もし照合プロセスが一連の履歴的な位置/場所の終わりに達していない場合は、活動検出サブモジュール1024は、ステップ1514において、いかなる活動も検出しない。
【0146】
典型的実施形態において、活動検出サブモジュール1024は、現在位置/場所データが決定されるのとリアルタイムで上記の照合を実施する。別の典型的実施形態において、活動検出サブモジュール1024は、現在位置/場所データがひとまとまり決定された後に上記の照合を実施する。
【0147】
典型的実施形態において、活動検出サブモジュール1024は、対象の現在位置/場所を一連の履歴的な位置/場所と最小所望確度内において比較又は照合するために、パターン認識アプリケーション1030を使用する。パターン認識アプリケーション1030は、Boyer−Mooreアルゴリズム、Knuth−Morris−Prattアルゴリズム、1つ又は2つ以上のナイーブアルゴリズム、構造類似性アルゴリズムなどを含むがこれらに限定されない1つ又は2つ以上の従来のパターン認識アルゴリズムを実装することができる。アルゴリズムは、メモリに格納されている位置/場所名に適用可能な文字に作用することができる。当業者ならば、説明されたパターンの認識又は照合を達成するために、多くの異なる技術が使用可能であることがわかるであろう。
【0148】
一連の履歴的な位置/場所に対応する履歴的な活動は、対応する主要な位置/場所を有することができる。一連の現在位置/場所を一連の履歴的な位置/場所と照合することによって現在の活動を検出する際に、典型的実施形態は、履歴的な活動の主要な位置/場所に基づいて、現在の活動の主要な位置/場所を決定することができる。
【0149】
典型的実施形態において、活動検出サブモジュール1024は、対象の現在位置/場所を一連の履歴的な位置/場所と照合することによって、且つ対象のアイデンティティ又は役割に基づいて、活動を検出する。例えば、活動検出サブモジュール1024は、追跡されている対象が特定の役割又は特定のアイデンティティを有する場合にのみ、図15Aを参照にして説明された方法に基づいて活動を検出する。
【0150】
その他の典型的実施形態において、活動検出サブモジュール1024は、対象の現在位置/場所を一連の履歴的な位置/場所と照合することによって、且つ対象とその他の対象/場所との間の関連付けに基づいて、活動を検出する。例えば、活動検出サブモジュール1024は、追跡されている対象が特定のその他の対象/場所との間に関連付けを有する場合にのみ、図15Aを参照にして説明された方法に基づいて活動を検出する。
【0151】
図15Bは、対象の現在位置及び一連の履歴的な位置を使用して活動を検出される病院の階の一区画の典型的な配置を示している。配置は、廊下1520の一方の側の病室1522、並びに廊下のもう一方の側の隣り合う汚れたユーティリティ/リネンのエリア1524及び清浄なユーティリティ/リネンのエリア1526を示している。履歴的な活動は、清掃作業員が病室を清掃することである。この履歴的な活動に対応する一連の履歴的な位置が使用可能である。典型的実施形態は、一連の履歴的な位置を例えば軌跡によってつなぐ経路1528を決定する。
【0152】
典型的実施形態の位置決定モジュール1018は、点1530〜1544によって描かれた清掃作業員の現在の連続位置を決定する。活動検出サブモジュール1024は、清掃作業員の現在の連続位置が1530〜1544が実質的に経路1528沿いに、経路1528から常に最大距離を超えない範囲内にあるかどうかを決定する。もし完全に一致すると決定された場合(即ち、もし清掃作業員が病室、汚れたユーティリティ/リネンのエリア、清浄なユーティリティ/リネンのエリア、及び病室を順番に訪れた場合)は、活動検出サブモジュール1024は、清掃作業員によって病室の清掃活動が実施されたことを検出する。
【0153】
図15Cは、対象の現在の場所及び一連の履歴的な場所を使用して活動を検出される図15Bの典型的な配置を示している。配置は、廊下1520の一方の側の病室1522、並びに廊下のもう一方の側の隣り合う汚れたユーティリティ/リネンのエリア1524及び清浄なユーティリティ/リネンのエリア1526を示している。履歴的活動は、清掃作業員が病室を清掃することである。清掃作業員が病室を清掃することについて保存された一連の履歴的な場所は、1522(病室)、1524(汚れたユーティリティ/リネンのエリア)、1526(清浄なユーティリティ/リネンのエリア)、及び1522(同じ病室)を順番に含む。活動検出サブモジュール1024は、清掃作業員の現在の連続場所を、一連の履歴的な場所のなかの連続場所と照合する。もし完全に一致すると決定された場合(即ち、もし清掃作業員が病室、汚れたユーティリティ/リネンのエリア、清浄なユーティリティ/リネンのエリア、及び病室を順番に訪れた場合)は、活動検出サブモジュール1024は、清掃作業員によって病室の清掃活動が実施されたことを検出する。
【0154】
図16は、典型的実施形態にしたがった、2つ又は3つ以上の対象の間の関連付けに基づいて且つ対象に関連付けられた役割/活動に基づいて活動を検出するための典型的なフローチャートを示している。ステップ1600において、対象にリンクされた対象識別要素102、202、302、540は、1つ又は2つ以上の信号をネットワーク接続要素106、206、530にブロードキャストする。図2に示された特定の典型的実施形態においては、対象識別要素202は、ネットワーク接続要素206又は固定位置識別要素120、220、520から送信される信号に応答して信号を伝送する。対象識別要素からの信号は、固定位置識別要素120、220、520からネットワーク接続要素106、206、530に転送される。ステップ1602において、ネットワーク接続要素106、206、530は、タイムスタンプ及びその識別子などの情報又はデータを信号に付加することによって、信号を変換し、その信号を、電子デバイス1000及び位置決定モジュール1018に伝送する。
【0155】
ステップ1604において、位置決定モジュール1018は、概説されたように、信号内の情報又はデータを変換することによって、対象の現在位置を決定する。ステップ1606において、関連付け決定モジュール1020は、対象と、1つ又は2つ以上のその他の対象との間の関連付けを決定する。ステップ1608において、活動検出サブモジュール1024は、概説されたように、関連付けに関与している対象のアイデンティティを決定する。ステップ1610において、活動検出サブモジュール1024は、概説されたように、対象のアイデンティティに基づいて、対象に関連付けられた1つ又は2つ以上の役割/活動を決定する。
【0156】
ステップ1612において、活動検出サブモジュール1024は、活動を検出するために、関連付け、及び対象に関連付けられた役割/活動を使用する。典型的実施形態において、活動検出サブモジュール1024は、関連付けと対象に関連付けられたアイデンティティ/役割/活動との各組み合わせと、対応する活動とのマッピングのなかから、関連付けと対象に関連付けられたアイデンティティ/役割/活動との組み合わせを検索する。関連付けと対象のアイデンティティ/役割/活動との組み合わせと、対応する活動とのこのマッピングは、電子デバイス1000、ストレージデバイス1044、又は例えば1つ若しくは2つ以上のデータベース内などの任意のその他の格納先に格納することができる。
【0157】
典型的実施形態において、活動検出サブモジュール1024は、活動が発生しているかどうかを検出する際に関連付けの持続時間も使用する。即ち、活動検出サブモジュール1024は、もし関連付けが最小限所要持続時間にわたって続かない場合は、活動を検出しない。例えば、薬の投与という事象を検出するために使用される、患者と、看護師と、薬の容器との間の関連付けは、少なくとも5秒間にわたって続く必要があるであろう。各タイプの関連付けと対応する最小限所要持続時間との間のマッピングが、活動検出サブモジュール1024のために提供されてよい。
【0158】
図16に示された方法の一例として、もし「X線技師」という役割を持つ対象が「X線装置」という役割を持つ対象及び「患者」という役割を持つ対象との間に関連付けを有している場合は、活動検出サブモジュール1024は、X線技師によって患者にX線スキャン活動が実施されることを検出する。
【0159】
別の例として、もし「看護師」という役割を持つ対象が「ペニシリン容器」という役割を持つ対象及び「患者」という役割を持つ対象との間に関連付けを有している場合は、活動検出サブモジュール1024は、看護師によって患者にペニシリン投与活動が実施されることを検出する。
【0160】
典型的実施形態において、活動検出サブモジュール1024は、2つ又は3つ以上の対象の間の関連付けに基づいて且つ対象の位置/場所の履歴に基づいて、活動を検出する。例えば、もし関連付け決定モジュール1020が、2つ又は3つの対象の間の関連付けを検出する場合は、活動検出サブモジュール1024は、対象の現在位置/場所を、履歴的な位置/場所と照合する。活動検出サブモジュール1024は、関連付け、及び現在位置/場所と履歴的な位置/場所との間の一致をともに検出する場合にのみ、活動を検出する。
【0161】
なお、図13〜16を参照にして上述された活動検出方法は、活動検出サブモジュール1024によって用いられる典型的な方法であることを理解されるべきである。活動検出サブモジュール1024は、1つ又は2つ以上の対象に関連付けられた任意のコンテクスト情報又は2つ若しくは3つ以上のコンテクスト情報の任意の組み合わせを使用して活動を検出するように、プログラム又は構成される。
【0162】
図12のステップ1202に示されるように、活動決定モジュール1022の活動情報決定サブモジュール1026は、活動に関する1つ又は2つ以上の情報を決定する。活動情報の例は、活動のタイプ、活動に関与している対象のアイデンティティ及び役割、活動の時間、活動の持続時間、活動の主要な位置及び/又は場所、活動時における対象の主要な位置及び/又は場所などを含むがこれらに限定されない。次に、活動情報決定サブモジュール1026によって用いられる典型的な方法が、更に詳しく説明される。
【0163】
活動情報決定サブモジュール1026は、検出された活動に関与している対象のアイデンティティ及び/又は役割を決定する。対象のアイデンティティの例は、患者識別子「123」を持つ患者、John Doeという名前の医師、識別子「345」を持つX線装置などを含むがこれらに限定されない。対象の役割の例は、患者、医師、外科医、X線技師、X線装置、ペニシリン容器などを含むがこれらに限定されない。
【0164】
典型的実施形態は、対象を識別するデータを提供するために対象にリンクされた対象識別要素を提供する。典型的実施形態は、対象のアイデンティティを決定するために、対象を識別するデータを使用する。対象のアイデンティティは、例えば、対象又は対象が所属するグループに固有な識別子であってよい。典型的実施形態は、更に、例えば、対象のアイデンティティと各対象のアイデンティティに対応する役割とのマッピングを検索するなどのように、対象のアイデンティティを使用して、対象に関連付けられた役割を決定する。
【0165】
一部の典型的実施形態において、対象識別要素は、対象の1つ又は2つ以上の役割を示すデータを直接伝送する。したがって、これらの実施形態においては、対象を識別するデータを伝送し、次いでその識別データに基づいて対象の役割を検索する必要がない。対象識別要素が役割情報を直接伝送することは、対象の役割及び活動を尚も決定しつつ、対象を匿名に維持することを可能にする。例えば、対象の役割が「家政婦」であることを、最初にその家政婦を名前によって識別する必要なく知ることが可能にされるであろう。この場合、活動決定モジュール1022は、「家政婦」という役割を持つ対象によって部屋の清掃活動が実施されたことを、その家政婦の具体的なアイデンティティを知ることなく検出することができるであろう。
【0166】
典型的実施形態において、ステップ1200において活動を検出する際に、又は活動情報決定サブモジュール1026による要求を受けた際に、活動検出サブモジュール1024は、対象のアイデンティティ及び/又は役割を決定し、それらを活動情報決定サブモジュール1026に伝送する。典型的実施形態において、活動検出サブモジュール1024は、対象識別子を既に保持している。その他の典型的実施形態において、活動検出サブモジュール1024は、対象の対象識別子を取得するために、位置決定モジュール1018又は任意の格納先に問い合わせる。活動検出サブモジュール1024は、対象に関連付けられたアイデンティティ及び/又は役割を検索するために、対象識別子を使用する。例えば、活動検出サブモジュール1024は、電子デバイス1000、ストレージデバイス1044、又は例えば1つ若しくは2つ以上のデータベース内などの任意のその他の格納先に格納された、対象の対象識別子と対象に関連付けられた対応するアイデンティティ及び/又は役割とのマッピングのなかから、対象のアイデンティティ及び/又は役割を検索することができる。
【0167】
別の典型的実施形態においては、ステップ1200における活動の検出の際に、活動情報決定サブモジュール1026が、自身で対象のアイデンティティ及び/又は役割を決定する。典型的実施形態において、活動情報決定サブモジュール1026は、対象識別子並びに対応するアイデンティティ及び/又は役割を格納先から直接取得する。別の典型的実施形態において、活動情報決定サブモジュール1026は、概説されたように、活動検出サブモジュール1024から又は位置決定モジュール1018から対象識別子を取得する。活動情報決定サブモジュール1026は、対象に関連付けられたアイデンティティ及び/又は役割を検索するために、対象識別子を使用する。例えば、活動情報決定サブモジュール1026は、電子デバイス1000、ストレージデバイス1044、又は例えば1つ若しくは2つ以上のデータベース内などの任意のその他の格納先に格納された、対象の対象識別子と対象に関連付けられた対応するアイデンティティ及び/又は役割とのマッピングのなかから、対象のアイデンティティ及び/又は役割を検索することができる。
【0168】
活動情報決定サブモジュール1026は、クロック1032を使用して、検出された活動の時間を決定する。ステップ1200において活動を検出する際に、活動検出サブモジュール1024は、活動の開始を活動情報決定サブモジュール1026に通知する。この通知の受信を受けて、活動情報決定サブモジュール1026は、検出された活動の開始時刻を決定するために、クロック1032の現時間をチェックする。
【0169】
活動情報決定サブモジュール1026は、クロック1032を使用して、検出された活動の持続時間を決定する。ステップ1200において活動を検出する際に、活動検出サブモジュール1024は、活動の開始の第1の通知を活動情報決定サブモジュール1026に伝送する。活動情報決定サブモジュール1026は、検出された活動の開始時刻を決定するために、この第1の通知を使用する。活動検出サブモジュール1024は、同じ活動の検出を、その活動がこれ以上検出できなくなるまで続ける。この段階において、活動検出サブモジュール1024は、活動の終了の第2の通知を活動情報決定サブモジュール1026に伝送する。第2の通知の受信を受けて、活動情報決定サブモジュール1026は、検出された活動の終了時刻を決定するために、クロック1032の現時間をチェックする。活動情報決定サブモジュール1026は、次いで、活動の持続時間を決定するために、開始時刻及び終了時刻を使用する。
【0170】
活動情報決定サブモジュール1026は、検出された活動に関与している1つ又は2つ以上の対象の位置/場所を解析することによって、検出された活動の主要な位置/場所を決定する。典型的実施形態は、活動に関与している対象を識別するデータを提供するためにその対象にリンクされた対象識別要素を提供する。活動情報決定サブモジュール1026は、先ず、概説されたように、活動に関与している対象の対象識別要素上の情報を取得する。
【0171】
検出された活動の開始時刻から開始して、活動情報決定サブモジュール1026は、検出された活動に関与している対象の位置を対象識別要素によって提供されるデータを使用して追跡するために、第1の要求を位置決定モジュール1018に伝送する。典型的実施形態において、位置決定モジュール1018は、対象を追跡するとともに、その対象の位置をリアルタイムで活動情報決定サブモジュール1026に伝送する。この実施形態において、検出された活動の終了時には、活動情報決定サブモジュール1026は、対象位置の伝送を停止するために、第2の要求を位置決定モジュール1018に伝送する。これに応答して、位置決定モジュール1018は、対象位置のリアルタイムな伝送を停止する。別の典型的実施形態においては、位置決定モジュール1018は、検出された活動の終了時に、活動情報決定サブモジュール1026からの第2の要求を受信して初めて、活動時に追跡された全ての対象位置を伝送する。
【0172】
活動情報決定サブモジュール1026は、活動時に追跡される対象の1つ又は2つ以上の位置(例えば空間座標)に対応する1つ又は2つ以上の場所(例えば建物の部屋、階、区画など)も決定する。例えば、活動情報決定サブモジュール1026は、電子デバイス1000、ストレージデバイス1044、又は例えば1つ若しくは2つ以上のデータベース内などの任意のその他の格納先に格納された、位置と対応する場所とのマッピングのなかから、場所を検索することができる。
【0173】
活動情報決定サブモジュール1026は、次いで、活動の主要な位置/場所を決定するために、活動時に追跡される対象の位置/場所情報を使用する。典型的実施形態において、活動情報決定サブモジュール1026は、活動の主要な位置/場所として捉えられる対象の位置/場所の手段又はモードを決定するために、手段/モード決定モジュール1028を使用する。
【0174】
同様に、活動情報決定サブモジュール1026は、検出された活動時における対象の主要な位置/場所を決定する。活動情報決定サブモジュール1026は、検出された活動に関与している1つの対象のみの追跡位置を使用して上述の方法を用いる。
【0175】
典型的実施形態において、検出された活動に関する情報を決定した後、活動情報決定サブモジュール1026は、活動の検出及び活動情報をメモリ1006、ストレージデバイス1044などに格納する。別の典型的実施形態において、活動情報決定サブモジュール1026は、活動の検出及び活動情報を、例えばインターフェースを通じて外部のアプリケーション、ソフトウェア、又はデバイスに伝送する。典型的実施形態において、検出された活動に関する情報を決定した後、活動情報決定サブモジュール1026は、また、活動の検出及び活動情報を表示デバイス1040に表示する。
【0176】
上述された活動情報決定方法は、活動情報決定サブモジュール1026によって用いられる典型的な方法であることを理解されるべきである。活動情報決定サブモジュール1026は、検出された活動に関連付けられた任意の情報を決定するようにプログラム又は構成される。
【0177】
VI.活動情報の典型的な使用
典型的実施形態において、電子デバイス1000内に提供される内部アプリケーション、及び/又は外部のアプリケーション若しくはデバイス1048は、活動決定モジュール1022によって決定される活動情報を活用することができる。その他の典型的実施形態においては、活動決定モジュール1022自身が活動情報を活用することができる。活動決定モジュール1022によって決定される活動情報の典型的な使用が、更に詳しく説明される。
【0178】
活動情報は、活動についての支払い請求額を決定するために、支払い請求ソフトウェアによって使用することができる。例えば、支払い請求ソフトウェアは、外科医によって実施される手術の持続時間を決定して、患者に請求する支払い額を決定するために、活動情報を使用することができる。
【0179】
活動情報は、既存の手順、規則、又は方針を活動が順守しているかどうかを決定するために使用することができる。病院において、追跡されている対象は、患者、病院の職員(例えば医師、看護師、技師、清掃スタッフなど)、機器(例えばモニタ、X線装置、ポンプ、点滴装置)、及び医療用品(例えば薬、血液)を含むであろう。追跡される対象は、役割及び活動を関連付けられてよく、例えば、患者は入院し、病室を割り当てられ、病院の職員による治療を受け、退院し、医師及び看護師は、患者の手当てをし、手術を行い、技師は、機器を操作し、機器は、患者に対して使用され、用品は、安全に保管され、投与される。多くの例において、病院は、追跡される対象にかかわる活動が衛生規則、安全規則、及び保険規則、並びに規定のケアプラン及び病院の方針を順守して実施されていることを保証する責任を負っている。したがって、活動を検出し、それらの活動が既存の手順、規則、又は方針を順守しているかどうかを決定することは、非常に有利であると考えられる。
【0180】
図17は、典型的実施形態にしたがった、検出された活動に関連付けられた情報を使用して、既存の手順、規則、又は方針に対する検出された活動の順守性を決定するための典型的なフローチャートを示している。例えば、職員(例えば医師、看護師、技師、清掃作業員)に関連付けられた活動情報は、それらの任務を追跡し、それらの任務が適時に実施されることを保証するために、使用することができる。
【0181】
ステップ1700において、活動決定モジュール1022は、現在の活動を検出する。ステップ1702において、活動決定モジュール1022は、例えば、活動のタイプ、活動に参加している対象のアイデンティティ、活動が生じる時間などの、現在の活動に関連付けられた情報を決定する。
【0182】
ステップ1704において、順守性を決定するアプリケーション又はソフトウェアは、予定の又は所要の活動に関する1つ又は2つ以上の情報を読み込む。情報は、活動のタイプ、活動に参加している対象のアイデンティティ、活動が生じる時間などを含むことができるがこれらに限定されない。情報は、ストレージデバイス1044、電子デバイス1000のメモリ1006、又は任意の内部若しくは外部の媒体に格納することができる。
【0183】
ステップ1706において、順守性を決定するアプリケーション又はソフトウェアは、現在の活動を、予定の又は所要の活動に関する読み込まれた情報と比較する。ステップ1708において、ステップ18における比較に基づいて、アプリケーション又はソフトウェアは、現在の活動が予定の又は所要の活動の要件を順守及び満足しているかどうかを決定する。典型的実施形態において、アプリケーション又はソフトウェアは、現在の活動に関連付けられた情報が予定の又は所要の活動に関する読み込まれた全ての情報に一致する場合に、現在の活動が予定の又は所要の活動を順守していると決定する。
【0184】
一例として、順守性の決定は、例えば患者がX線治療を受けたかどうかなど、1つ又は2つ以上の予定の又は所要の活動が生じたかどうかを確認することを伴うことができる。別の例として、順守性の決定は、例えば患者の手術の用意が整い手術が開始可能であるかどうかなど、プロセスの1つのステップが完了してプロセスの次のステップが始められるかどうかを決定することを伴うことができる。更に別の例として、順守性の決定は、例えば薬を投与する活動が午後1時に実施されたかどうかなど、現在の活動が予定の又は所要の活動と同じ活動タイプで且つ同じ活動時間であるかどうかを確認することを伴うことができる。
【0185】
予定の又は所要の活動に対する現在の活動の順守性又は非順守性を決定した後、アプリケーション又はソフトウェアは、随意として、この順守性情報をストレージデバイス1044、電子デバイス1000のメモリ1006、又は任意のその他のストレージ若しくはデバイスに格納する。アプリケーション又はソフトウェアは、随意として、順守性情報を視覚的表示デバイス1040に表示する。また、アプリケーション又はソフトウェアは、随意として、順守性又は非順守性の決定に応答して事象を開始させる。例えば、薬の非順守性に応答して、アプリケーション又はソフトウェアは、ナースステーションにおいて警告又は警報を発することができる。
【0186】
順守性の決定は、各種の位置又は場所において各種の応用を有することができる。一例として、活動情報は、薬の順守性を決定するため及び向上させるために、即ち正しい投与量で正しい時間に患者に薬が投与されるように使用することができる。患者識別子「123」を有する患者は、毎日午後1時にペニシリンの投与を必要とするであろう。この例において、追跡されている対象は、患者識別子「123」を有する患者、そのエリアに割り当てられた看護師、及び場合によってはペニシリンの容器であろう。活動決定モジュール1022は、患者識別子「123」を有する患者に看護師がペニシリンを投与するたびに、活動を検出することができる。活動決定モジュール1022は、検出された活動に関連付けられた情報、即ち活動のタイプ(薬の投与)、関与している対象のアイデンティティ(患者識別子「123」を有する患者、ペニシリン)、活動の時間(午後1時)を決定することができる。順守性を決定するために、活動情報は、このような活動が毎日午後1時に生じたかどうかを決定するために解析することができる。
【0187】
別の例として、活動情報は、適切な薬の保管を決定する及び向上させるために使用することができる。ペニシリンの容器は、使用されていないときは、冷蔵設備に保管する必要があるであろう。この例において、追跡されている対象は、患者、看護師、ペニシリンの容器、及び冷蔵設備であろう。活動決定モジュール1022は、患者、看護師、及びペニシリン容器にかかわるペニシリン投与活動を検出することができる。活動決定モジュール1022は、また、看護師がペニシリン容器を冷蔵設備に保管する薬保管活動を検出することもできる。これら2つのタイプの活動に関連付けられた活動情報は、ペニシリン容器がペニシリン投与活動とペニシリン投与活動との間に冷蔵設備内に正しく位置しているかどうかを決定するために使用することができる。
【0188】
更なる例として、活動情報は、患者が予定通りに退院したかどうかを決定するために使用することができる。患者識別子「234」を有する患者は、特定の日に退院を予定されているであろう。この例において追跡される対象は、患者識別子「234」を有する患者、及び病棟勤務員であろう。病棟勤務員が病室に入り、病棟勤務員と患者とが一緒に部屋を出た場合に、活動決定モジュール1022は、退院活動が起きたことを検出することができる。活動決定モジュール1022は、また、退院活動の時間及び関与している対象のアイデンティティ(患者識別子「234」を有する患者)も決定することができる。活動情報は、正しい患者が正しい時間に退院したかどうかを決定するために使用することができる。
【0189】
活動情報は、活動に応答して事象を開始させるために使用することもできる。図18は、典型的実施形態にしたがった、検出された活動に関連付けられた情報を使用して、検出された活動に応答して事象を開始させるための典型的なフローチャートを示している。ステップ1802において、活動決定モジュール1022は、例えば、活動のタイプ、活動に参加している対象のアイデンティティ、活動が生じた時間などの、現在の活動に関連付けられた情報を決定する。ステップ1804において、事象の開始を実施するアプリケーション又はソフトウェアは、データベース、ストレージ、又はデバイスから事象のテンプレートを読み込む。テンプレートは、事象と、各事象をトリガする対応する1つ又は2つ以上の活動(及び活動の必要特性)とを列挙したリストを含んでよい。ステップ1804において、アプリケーション又はソフトウェアは、現在の活動がテンプレート内に挙げられているかどうかを決定する。もしこのような活動がテンプレート内に存在しない場合は、アプリケーション又はソフトウェアは、活動決定モジュール1022が別の活動を検出するまで待つ。しかしながら、もし現在の活動が(その特性とともに)テンプレート内に存在している場合は、アプリケーション又はソフトウェアは、テンプレートのなかから、現在の活動に対応する事象を検索する。ステップ1806において、アプリケーション又はソフトウェアは、現在の活動に対応する事象を開始させる。
【0190】
典型的実施形態において、事象の開始は、検出された活動に応答して行動を実施することを伴う。例えば、トイレにおけるトイレ関係の活動(例えば排尿/排便)の実施に応答して、典型的実施形態は、トイレの水を流すメカニズムを自動的に開始させることができる。
【0191】
典型的実施形態において、事象の開始は、検出された活動に応答して警告を発することを伴う。典型的実施形態においては、活動に応答して更なる行動が実施されてよいことを示すために、検出された活動に応答して警告を発することができる。例えば、検出された活動が患者のベッドの清掃であるときは、典型的実施形態は、汚れていたベッドが清掃され次の患者のための用意が整ったことを看護師長に知らせるために、視覚的又は聴覚的な警告を発することができる。
【0192】
別の典型的実施形態において、警告は、例えば患者が透析装置に付けられたまま放っておかれたときなどのように、危険な可能性がある活動の検出に応答する警報として発することができる。この場合、追跡される対象は、患者及び透析装置であろう。活動決定モジュール1022は、患者が透析装置に取り付けられているときに、現在の透析活動を検出するであろう。活動決定モジュール1022は、また、現在の透析活動の持続時間も決定することができる。保存されたテンプレートは、透析活動が最大持続時間を超えて続く場合にナースステーションにおいて警報を発する指示を提供することができる。もし現在の透析活動の持続時間が長すぎる場合は、アプリケーション又はソフトウェアは、保存されたテンプレートを調べ、それに応じてナースステーションにおいて警報を発することができる。
【0193】
本明細書に挙げられる例の多くは、病院の環境を基準にしているが、典型的実施形態は、様々なその他の環境及び産業において活動を検出するため及び活動情報を決定するために使用することができる。例えば、空港の設定においては、典型的実施形態は、飛行機の離陸及び着陸を検出するため、荷物が預けられていることを確認するためなどに使用することができる。店の設定においては、典型的実施形態は、商品がレジにおいて適切に支払いされていることを確認するために使用することができる。典型的実施形態は、既存のネットワークトポロジを用いるコンポーネントを使用して機能するように設計されるので、活動は、多くの異なる環境において決定することができ、本明細書に挙げられる環境は、包括的なものではなく単なる例示にすぎないことを意図している。
【0194】
したがって、典型的実施形態は、本明細書に記載された目的を達成することがわかる。本発明の範囲から逸脱することなく特定の変更を加えることが可能であるので、上記の説明に含まれる又は添付の図面に示される全ての事柄は、文字通りの意味ではなく例示的なものと解釈されることを意図している。当業者ならば、図に示されたステップの順序が本発明の範囲から逸脱することなく可変であること、及び本明細書に含まれる例示が本発明として考えられる多数の描写の特異な例であることがわかるであろう。
【技術分野】
【0001】
本出願は、2008年1月18日に出願され「Context Knowledge Based On Location(位置に基づくコンテクスト知識)」と題された米国仮特許出願第61/011,649号の優先権を主張する。上記出願の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
対象は、位置特定システムを使用して位置特定及び追跡することが可能である。対象を位置特定及び追跡するこの能力は、対象とその他の対象及び/又は位置との間の相互作用及び関連付けを検出及び追跡するために使用することができる。位置特定システムを使用している現場は、通常、特定の任務が実施されていることを保証する責任を負っている。例えば、位置特定システムを使用している病院は、例えば、医師及び看護師が回診していること、清掃作業員が部屋を清掃していること、外科医が手術を行っていること、看護師が薬剤を投与していること、瀉血専門医が採血していること、技師が患者の心電図(EKG)を取っていること、外来患者を遠隔計測していることなど、病院の職員が自身に割り当てられた任務を実施していることを保証する責任を負っているであろう。
【発明の概要】
【0003】
典型的実施形態は、1つ又は2つ以上の対象にかかわる活動を検出又は決定し、検出された活動に関連付けられた情報を決定するための、システム及び方法を提供する。典型的実施形態は、活動を検出するために、活動に関与している1つ又は2つ以上の対象に関するコンテクスト情報を使用する。検出される活動/活動タイプの例は、医師及び看護師が回診していること、清掃作業員が部屋を清掃していること、外科医が手術を行っていること、看護師が薬剤を投与していること、瀉血専門医が採血していること、技師が患者の心電図(EKG)を取っていること、外来患者を遠隔計測していることなどを含むが、これらに限定されない。コンテクスト情報の例は、対象のアイデンティティ、対象に関連付けられた役割及び/又は活動、対象の位置/場所、対象の履歴的な位置/場所、対象間の関連付け、対象間の関連付けの持続時間などを含むが、これらに限定されない。
【0004】
活動を検出する際に、典型的実施形態は、検出された活動に関する情報も決定する。活動情報の例は、活動のタイプ、活動に関与している対象のアイデンティティ及び役割、活動の時間、活動の持続時間、活動の主要な位置及び/又は場所、活動時における対象の主要な位置及び/又は場所などを含むが、これらに限定されない。
【0005】
本明細書に挙げられる例の多くは、病院の環境を基準にしているが、典型的実施形態は、任意の環境及び産業において活動を検出するため及び活動情報を決定するために使用することができる。
【0006】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、発明の1つ又は2つ以上の実施形態を例示するとともに、説明と相まって発明を明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】典型的実施形態にしたがった、対象の位置及び関連付けを決定するのに適した典型的な位置特定システムを示す図である。
【図2】典型的実施形態にしたがった、無線自動識別(RFID)タグ構成を使用して実装される対象の位置及び関連付けを決定するのに適した典型的な位置特定システムを示す図である。
【図3】典型的実施形態にしたがった、ネットワークの使用に依存することなく対象の位置及び関連付けを決定するのに適した典型的な位置特定システムを示す図である。
【図4A】例えば図1において使用されるものと同様の典型的な対象識別要素を示す図である。
【図4B】例えば図1において使用されるものと同様の典型的な固定位置識別要素を示す図である。
【図4C】例えば図2において使用されるものと同様の典型的な対象識別要素を示す図である。
【図4D】例えば図2において使用されるものと同様の典型的な固定位置識別要素を示す図である。
【図5】典型的実施形態にしたがった、位置及び関連付けを決定するための病院の典型的な配置を示す図である。
【図6】典型的実施形態にしたがった、決定された関連付けを解析するために使用される典型的なコンポーネントの典型的なブロック図である。
【図7】典型的実施形態にしたがった、対象の関連付けを決定するための並びに対象の関連付けを機器利用ソフトウェアモジュール及び支払い請求ソフトウェアモジュールにおいて使用するための典型的なフローチャートである。
【図8】典型的実施形態にしたがった、対象の関連付けを決定するための及び対象の関連付けを事象開始ソフトウェアモジュールにおいて使用するための典型的なフローチャートである。
【図9】典型的実施形態にしたがった、図7及び図8のステップ730及びステップ830の典型的なフローチャートである。
【図10】本発明の典型的実施形態にしたがった、活動を検出するのに及び検出された活動に関連付けられた情報を決定するのに適した典型的な環境を示す図である。
【図11A】図10の典型的な環境のための典型的な分散実装形態を示す図である。
【図11B】図10の典型的な環境のための別の典型的な分散実装形態を示す図である。
【図12】典型的実施形態にしたがった、典型的な活動決定モジュールの基本動作の典型的なフローチャートである。
【図13A】典型的実施形態にしたがった、対象にかかわる活動を対象に関する位置/場所情報を使用して検出するための典型的なフローチャートである。
【図13B】位置/場所情報を使用して活動を検出される病院内の2つの隣り合う部屋の典型的な配置を示す図である。
【図14A】典型的実施形態にしたがった、対象にかかわる活動を対象の現在位置/場所及び対象に関連付けられた役割/活動を使用して検出するための典型的なフローチャートである。
【図14B】対象の現在位置/場所及び対象に関連付けられた役割/活動を使用して活動を検出される病院内の部屋の典型的な配置を示す図である。
【図15A】典型的実施形態にしたがった、対象の現在位置/場所を一連の履歴的な位置/場所と照合することによって対象にかかわる活動を検出するための典型的なフローチャートである。
【図15B】対象の現在位置及び一連の履歴的な位置を使用して活動を検出される病院の階の一区画の典型的な配置を示す図である。
【図15C】対象の現在の場所及び一連の履歴的な場所を使用して活動を検出される図15Bの典型的な配置を示す図である。
【図16】典型的実施形態にしたがった、2つ又は3つ以上の対象間の関連付け、及び対象に関連付けられた役割/活動に基づいて活動を検出するための、典型的なフローチャートである。
【図17】典型的実施形態にしたがった、既存の手順、規則、又は方針に対する検出された活動の順守性を決定するための典型的なフローチャートである。
【図18】典型的実施形態にしたがった、検出された活動に応答して事象を開始させるための典型的なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
I.典型的な実施形態の概要
典型的実施形態は、1つ又は2つ以上の対象にかかわる活動を検出し、その検出された活動に関連付けられた情報を決定するための、システム及び方法を提供する。
【0009】
典型的実施形態は、活動を検出及び決定するために、1つ又は2つ以上の対象に関する1つ又は2つ以上のコンテクスト情報を使用する。検出される活動/活動タイプの例は、医師及び看護師が回診していること、清掃作業員が部屋を清掃していること、外科医が手術を行っていること、看護師が薬剤を投与していること、瀉血専門医が採血していること、技師が患者の心電図(EKG)を取っていること、外来患者を遠隔計測していることなどを含むがこれらに限定されない。コンテクスト情報の例は、対象のアイデンティティ、対象に関連付けられた役割又は活動、対象の位置/場所、対象の履歴的な位置/場所、対象間の関連付け、対象間の関連付けの持続時間などを含むがこれらに限定されない。
【0010】
活動を検出する際に、典型的実施形態は、検出された活動に関する情報も決定する。活動情報の例は、活動のタイプ、活動に関与している対象のアイデンティティ及び役割、活動の時間、活動の持続時間、活動の主要な位置及び/又は場所、活動時における対象の主要な位置及び/又は場所などを含むがこれらに限定されない。活動情報を引き続き使用可能にするために、典型的実施形態は、随意として、検出された活動及びそれらの活動に関する活動情報を格納及び/又は表示する。
【0011】
典型的実施形態は、例えば、検出された活動が既存の手順、規則、若しくは方針を順守しているかどうかを決定するため、又はプロセスの1つのステップが完了して次のプロセスへの用意が整っているかどうかを決定するためのように、検出された活動を解析するために、活動情報を使用する。典型的実施形態は、また、例えば、患者が透析装置に付けられたまま放っておかれた場合に警報を発する、汚れていたベッドが清掃され次の患者のための用意が整ったことを看護師長に知らせるなどのように、検出された活動に応答して事象を開始させる。
【0012】
本明細書において使用される「活動」という用語は、1つ又は2つ以上の対象及び/又は場所にかかわる任意の任務、機能、行動、移動などを含むことを意図している。活動/活動タイプの例は、医師及び看護師が回診していること、清掃作業員が部屋を清掃していること、外科医が手術を行っていること、看護師が薬剤を投与していること、瀉血専門医が採血していること、技師が患者の心電図(EKG)を取っていること、外来患者を遠隔計測していることなどを含むがこれらに限定されない。
【0013】
本明細書において使用される「活動検出」という用語は、活動を決定又は検出するための任意のプロセス、方法、又は技術を含むことを意図している。
【0014】
本明細書において使用される「活動情報」という用語は、活動の主要な位置又は場所、活動の時間、活動の持続時間、活動に関与している対象及び/又は場所などの、対象又は場所にかかわる活動に関係して提供、推察、暗示、又はそれ以外に形成若しくは決定される、任意の情報を含むことを意図している。
【0015】
本明細書において使用される「コンテクスト情報」又は「コンテクスト知識」という用語は、背景、位置、場所、役割、アイデンティティ、状況などの、提供、推察、暗示、又はそれ以外に形成若しくは決定される、対象に関する任意の情報、即ち対象を取り巻くコンテクストを含むことを意図している。
【0016】
本明細書において使用される「対象」という用語は、典型的実施形態によって提供される対象識別要素に使用する又は関連付けることができる、任意の大きさ、形状、若しくは寸法のポータブル若しくは非ポータブルな任意のアイテム若しくは物、又は人、又は実体、又は哺乳類若しくは非哺乳類を含むことを意図している。
【0017】
本明細書において使用される「役割」という用語は、対象によって実施される任務又は機能を反映して対象に割り当てられる任意のラベルを含むことを意図している。病院の設定における役割の例は、外科医、清掃作業員、看護師、病棟勤務員を含むがこれらに限定されない。
【0018】
本明細書において使用される「位置特定システム」という用語は、対象の位置を決定及び追跡するために使用される任意のシステムを指すことを意図している。このようなシステムは、バーコーディング、磁気エンコーディング、トランスミッタ、及びトランスポンダを含むがこれらに限定されない任意の数又は組み合わせの技術を使用することができる。
【0019】
本明細書において使用される「位置」という用語は、例えば空間座標を使用した空間内の点の識別を含むことを意図している。本明細書において使用される「場所」という用語は、関心を持たれている任意のエリア、現場、位置、又は点を含むことを意図している。例えば、病院は、病室、緊急治療室、手術室、集中治療室、隔離室、実験室、機器室などの、幾つかのタイプの特殊目的の部屋を有する。これらの各部屋は、病院内の場所を構成することができる。実際、このような場所は、通常、病院が主に機能している位置の細かさのレベルである。例えば、患者は部屋に割り当てられ、試料は実験室に送られ、医師は手術室の使用の予定を組む。
【0020】
本明細書に挙げられる例の多くは、病院環境を基準にしているが、典型的実施形態は、任意の環境及び産業において活動を検出するため及び活動情報を決定するために使用することができる。
【0021】
II.位置及び関連付けの決定
人又は対象がその他の人又は対象と相互作用する又は関連を持つことにかける時間の長さを自動的に且つ正確に追跡する必要がある。このような関連付け情報は、例えば、従業員の雇用のために、顧客に対して支払い請求するために、又は所定の対象に対して若しくは所定の人によって「費やされる作業」の記録を取るためなどの、会計目的で使用されてよい。情報は、在庫の記録、機器利用の調査、事象の誘発、及び類似の用途に使用されてよい。
【0022】
従来の対象関連付けシステムは、一部には、デバイスが相互作用にかける時間の長さを推定によって決定するゆえに、十分に正確でない。例えば、このようなシステムにとっては、高価な医療機器が検査中に使用される時間の長さを推定することが、極めて普通である。医療機器は、短時間の使用に対して年間何百万ドルもの支払い請求を生じる可能性があるので、推定使用時間における僅かな不正確さは、支払人に課される支払い請求に大きく影響する可能性がある。したがって、医療保険会社にとっては、特定の機器の使用の厳密な時間の記録を要求することが、普通になっている。厳密な時間の記録は、人間による監視を必要とするので、医療スタッフにとっては、対象の関連付け及びそれらの持続時間を追跡することが負担になる。
【0023】
従来の対象関連付けシステムは、人間によるデータ入力に依存しており、これは、システムにおいて誤差及び人による「企み」を生みやすくする。例えば、従来のシステムは、人間による介在なしに自動的に関連付けを決定する及び記録を取るようには設計されていない。人間による開始の必要性は、従来の関連付けシステムにとっての大きな課題である。主として、任務の完了を記録するため、タイマを開始及び停止させるため、又は時間を記録するためなどの、この手動の相互作用の必要性は、読み取りを不正確にし、不正に陥りやすくする。一部のユーザは、とりわけ実施する任務が複数あるときなどに、単純に、任務の完了を記録すること又はタイマを開始若しくは停止させることを忘れる。また、一部のユーザは、物事を簡単にしておくために、又は自身の作業の記録が遅れたゆえに、時間を推定してすませる。このようなシステムの使用では、小休憩をとるときにタイマを停止させないのが大半であり、これは、読み取りを更に不正確にする。場合によっては、ユーザは、時間追跡システムを不正に開始又は停止させることがあり、これもやはり、支払い請求を不正確にする。また、タイマとのインターフェースを持たない対象は、自身でタイマを開始させることができないので、従来のシステムにおいて、対象が相互作用にかける時間を正確に追跡することは困難である。通常は、人が何らかのかたちで関与している必要がある。
【0024】
また、従来の対象関連付けシステムは、順次的であれ同時的であれ、複数の任務を追跡することができない。「タイムクロック」タイプのシステムにおいて、もし追跡されるべき対象又は任務が複数ある場合は、複数のタイマが使用されるのが通常である。これらのタイマは、2つのデバイスの相互作用の開始を人間のオペレータが通知したときに、追跡を行うことができる。しかしながら、問題は、他のデバイスと相互作用するデバイスが複数ある場合に記録が急激に困難になることである。従来の無線テザリングシステムは、2つのデバイスが互いに接近しているときに通知することに限られる。しかしながら、これらのシステムは、開始及び停止がかかわる複数の対象相互作用を扱う能力は備えていないのが通常である。これらのシステムは、単純に、複数のデバイスが同じ空間内にあることは示すが、どの対象が相互作用しているのかも、これらの相互作用がいつ生じるのかも決定しない。
【0025】
更に、大半の従来のシステムは、生産中の未完成品(WIP)の進行具合並びに各種の器具及び人がその未完成品との相互作用にかける時間を追跡するように、対象相互作用を自動的に且つ継続的に追跡してそのような情報を関係者に「リアルタイム」で使用可能にするための能力を持たない。対象関連付けデータをリアルタイムでチェックするこのような能力を持たないと、管理者又はシステムは、生産フローにおいて問題を素早く認識することが困難である。
【0026】
位置特定システム及び対象関連付けシステムが使用される病院などの現場は、大きくて複雑であると考えられる。これは、現場内におけるリソースの追跡を複雑な作業にする恐れがある。このような場合は、1つの現場を複数の関心場所に細分することが有用であろう。本明細書において使用される「場所」という用語は、関心を持たれている任意のエリア、現場、位置、又は点を含むことを意図している。例えば、病院は、病室、緊急治療室、手術室、集中治療室、隔離室、実験室、機器室などの、幾つかのタイプの特殊目的の部屋を有する。これらの各部屋は、病院内の場所を構成することができる。実際、このような場所は、通常、病院が主に機能している位置の細かさのレベルである。例えば、患者は部屋に割り当てられ、試料は実験室に送られ、医師は手術室の使用の予定を組む。このような場所に対象又は人を関連付けることは、リソースの追跡に便利な細かさのレベルを提供するとともに、計算された対象又は人の位置についてのコンテクストを提供する。例えば、医師が手術室にいることを知ることは、医師が座標X,Y,Zにいることを知るよりも、より有用であろう。
【0027】
多くの場合、ある対象と別の対象との間の相互作用は、非論理的であると考えられる。例えば、医師は、ある患者のすぐ近くを、別の患者を治療する途中で通過する可能性がある。もし関連付けの基準が近さのみに基づく場合は、このような近くの通過は、たとえ医師が患者と実際の相互作用を持たなかった場合でも、医師と患者との間の関連付けとして誤って決定される恐れがある。
【0028】
同様に、位置の決定に使用されるハードウェアの制約は、対象又は人の位置を僅かに変化させる、又は位置の一貫性をなくする恐れがある。例えば、医師は、部屋などの第1の場所におり、その第1の場所は、別の部屋などの第2の場所にすぐ隣接していることがある。もし医師が、第2の部屋に隣接する第1の部屋の壁を背にして立っている場合は、計算された医師の位置は、たとえ医師が実際に部屋を変わったことがなくても、医師が突然第2の部屋に移り、次いで第1の部屋に戻ったことを示す可能性がある。
【0029】
大半の位置特定システム技術は、位置を正確に報告することにおいて完璧ではない。位置の分解能には誤差及び制約があり、報告される対象の位置は、たとえ対象が静止している場合でも変動する恐れがある。したがって、位置特定システムによって決定される位置データを用いる際は、このような不正確さ及び変動を考慮に入れる必要がある。
【0030】
上記のいずれの例においても、医師と患者又は場所との相互作用は、実際の相互作用が生じるには簡単すぎたので、医師と患者又は場所との間には、関連付けが形成されないことが望ましい。
【0031】
典型的実施形態は、位置特定システムを使用して関連付けを追跡、計算、及び決定するための、システム及び方法を提供する。本明細書において使用される「位置特定システム」という用語は、対象の位置を決定及び追跡するために使用される任意のシステムを指すことを意図している。このようなシステムは、バーコーディング、磁気エンコーディング、トランスミッタ、及びトランスポンダを含むがこれらに限定されない任意の数の技術を使用することができる。位置特定システムは、機器及び職員などのリソースを追跡するために、倉庫、工場、及び病院などの現場において使用されることが多い。例えば、位置特定システムは、倉庫において在庫を追跡するために使用することができる。工場においては、位置特定システムは、組み立て及び製造の最中にパーツを追跡するために使用することができる。病院においては、位置特定システムは、機器及び職員を追跡するために使用することができる。
【0032】
従来の対象関連付けシステムの制約を克服するために、典型的実施形態は、追跡されている対象又は人と、その他の対象、人、位置、又は場所との間の関連付けを、相互作用の時間及び地理的な近さに基づいて決定する。
【0033】
典型的実施形態によって可能にされる位置及び関連付けの検出と追跡とは、患者の治療プロセスをより効率良くするために使用することができる。稼働率の高い病院においては、ベッドを回転させるために必要な時間が、収容可能な患者の数に影響を及ぼす可能性がある。場合によっては、このような病院は、別の病院に患者を回す、即ち転送する必要があり、これは、収益の損失につながる。したがって、患者により効率良く治療プロセスを施し、次の患者のために遅滞なく病室を清掃及び準備する能力によって、より多くの患者を収容して収益を増やすことが可能である。
【0034】
また、典型的実施形態の位置特定システム及び関連付けシステムは、患者の治療及び満足度の向上を可能にする。例えば、患者は、しばしば病院の救急科において何時間も待つ必要がある。このような長い待ち時間は、不可避であることが多いが、重症患者が適切な救急治療を待つ必要があるのは望ましくない。適時な治療は、例えば脳卒中及び心臓麻痺などの特定の病気の予後を大幅に向上させられることがわかっている。典型的実施形態は、治療プロセスを「見張り」、もし推奨される治療が推奨される時間枠内に患者に施されない場合に臨床医に警告するために使用することができる。例えば、脳卒中を患っている患者は、その健康問題が出血又は血栓のいずれに起因するかを決定するために、脳スキャンの実施を必要とするであろう。もし問題が血栓によって引き起こされることがわかった場合は、血栓溶解剤が投与されることが望ましい。予後は、この全てのプロセスが症状から最初の1時間以内に完了する場合に最良となる。典型的実施形態は、このようなプロセスを監視するために、及びこれらのプロセスが推奨時間枠内に完了することを保証するために使用することができる。典型的実施形態は、また、例えば推奨時間を超える時間がかかっている、又は正しいステップの順序をたどっていないなどのように、患者の治療が推奨治療手順に従っていないときに、スタッフに警告するためにも使用することができる。
【0035】
典型的実施形態の位置特定システム及び関連付けシステムが、更に詳しく説明される。典型的実施形態は、対象識別要素と、レシーバと、位置決定モジュールとを含む。対象の位置は、典型的実施形態においては、対象にリンクされた対象識別要素から伝送され位置決定デバイスに転送される信号に基づいて決定される。本明細書において使用される「リンク」という用語は、対象識別要素が対象に直接的に又は間接的に任意の適切な方式で関連付けられる、結合される、接続される、添付される、又は埋め込まれることを意味することを意図している。信号の起源は、信号を受信するレシーバの既知の位置、対象の履歴的な記録位置、信号を受信するレシーバの特性(例えば範囲)、受信される信号の強度、信号のタイプ、及び信号が繰り返されたかどうかを含むがこれらに限定されない幾つかの要因に基づいて計算される。当業者ならば、本発明の教示に矛盾しないその他の位置決定の方法を決定することができるであろう。
【0036】
典型的実施形態の対象識別要素は、追跡される対象に付される。対象識別要素は、対象識別要素を付された対象を識別及び追跡するために使用される一意識別子を提供する。例えば、対象識別要素は、一意識別子を含む信号を伝送するように構成されたトランスミッタであってよい。伝送される信号は、赤外線(IR)、無線周波数(RF)、超音波(US)、セルラ、Bluetooth(BT、登録商標)、又はこれらの任意の組み合わせを含む任意のその他の無線通信プロトコルであってよい。対象識別要素は、また、バーコーディング、磁気エンコーディング、及びパッシブ無線自動識別(RFID)などの、一意識別子を取得するためにリーダを必要とするパッシブ技術を使用してもよい。
【0037】
典型的実施形態のレシーバは、対象から一意識別子を受信するように構成される。もし対象識別要素がトランスミッタである場合は、レシーバは、対象識別要素によって伝送されるタイプの信号を受信するように構成された対応するレシーバであってよい。もし対象識別要素がバーコーディング又はパッシブRFIDなどのパッシブ技術を使用する場合は、レシーバは、バーコードリーダ又はRFIDリーダを有してよい。
【0038】
レシーバは、通常、一意識別子についての位置情報を提供される。例えば、レシーバは、既知の位置に置くことができ、したがって、もしレシーバが対象識別要素から一意識別子を受信する場合は、それは、対象識別要素がレシーバの既知の位置に近いことの表れである。特定の実施形態においては、それぞれ別々の既知の位置に複数のレシーバがあってよい。(1つ又は2つ以上の)レシーバは、次いで、一意識別子を位置決定モジュールに伝送することができる。
【0039】
対象の位置は、典型的実施形態において、位置決定モジュールによって決定される。位置決定モジュールは、対象識別要素(及び対象識別要素を付された又は埋め込まれた対象)の位置を決定するために、(1つ又は2つ以上の)レシーバにおける対象識別子からの一意識別子の受信を使用する。対象識別要素の位置の決定は、一意識別子を受信した(1つ又は2つ以上の)レシーバの既知の位置、(1つ又は2つ以上の)レシーバにおいて受信される信号の信号強度、信号のタイプ、及び対象識別要素についての履歴的な位置情報を含む様々な要因に基づいて下すことができる。典型的実施形態においては、位置決定モジュールは、(1つ又は2つ以上の)レシーバの一部であってよい。別の典型的実施形態においては、位置決定モジュールは、別個のコンポーネントあってよい。
【0040】
対象の位置が決定されたら、位置決定モジュールは、位置を特定された対象がその他の対象又は場所の近くにある時間の長さに基づいて、位置を特定された対象とその他の対象又は場所との間の関連付け及び相互作用を決定することができる。この概念は、参照により本明細書に組み込まれる2006年8月29日発行の米国特許第7,099,895B5号において論じられている。
【0041】
関連付けが決定されたら、関連付けは、処理されてよい、又は関連付けの持続時間とともに格納されてよい。特定された関連付けは、次いで、ネットワークとのインターフェースを持つその他のアプリケーションによって数々の方式で活用されてよい。例えば、識別された関連付けは、支払い請求システム、在庫システム、資産管理システム、及び自動事象生成システムにおいて使用されてよい。
【0042】
本明細書において使用される「ネットワーク」という用語は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、都市規模ネットワーク、イントラネット、インターネット、衛星ネットワーク、又は幾つかのその他のタイプのネットワークを含むがこれらに限定されないことを意図している。通信は、標準電話回線、LANリンク若しくはWANリンク(例えば802.11、T1、T3、56kb、X.25)、ブロードバンド接続(例えばISDN、Frame Relay、ATM)、又はBluetoothセルラ若しくはGSMなどの無線接続、又は上記の任意若しくは全部の幾つかの組み合わせを含むがこれらに限定されない様々な接続を通じて、ネットワークとの間に確立されてよい。ネットワークとインターフェースを取るために、ネットワークインターフェースが提供されてよい。ネットワークインターフェースは、FireWireインターフェース、FlexRayインターフェース、RS−232インターフェースであってよく、内蔵式ネットワークアダプタ、ネットワークインターフェースカード、PCMCIAネットワークカード、カードバスネットワークアダプタ、無線ネットワークアダプタ、USBネットワークアダプタ、モデム、又は任意のその他の適切なデバイスを含んでよい。
【0043】
図1は、典型的実施形態にしたがった、位置及び関連付けを決定するのに適した典型的な位置特定システム111を示している。対象にリンクされた複数の対象識別要素102は、ネットワーク接続要素106に送信される信号を生成するために使用される1つ又は2つ以上のトランスミッタを含む。1つ又は2つ以上のトランスミッタは、無線周波数(RF)トランスミッタ、赤外線(IR)トランスミッタ、超音波(US)トランスミッタ、トランシーバ、又はこれらの任意の組み合わせを含んでよい。図1の典型的な位置特定システムにおいて、対象識別要素102は、IRトランスミッタ103及びRFトランスミッタ104のうちの、1つ又は2つ以上を含む。伝送される信号は、対象識別要素をそして拡張によってそのリンク先の対象を識別する一意識別子を含んでよい。
【0044】
ネットワーク接続要素106は、1つ又は2つ以上の伝送コンポーネントと、1つ又は2つ以上の受信コンポーネントとを含んでよい。1つ又は2つ以上の伝送コンポーネントは、無線周波数(RF)トランスミッタ、赤外線(IR)トランスミッタ、超音波(US)トランスミッタ、トランシーバ、又はこれらの任意の組み合わせのうちの、1つ又は2つ以上を含んでよい。1つ又は2つ以上の受信コンポーネントは、無線周波数(RF)レシーバ、赤外線(IR)レシーバ、超音波(US)レシーバ、トランシーバ、又はこれらの任意の組み合わせのうちの、1つ又は2つ以上を含んでよい。図1の典型的な位置特定システムにおいて、ネットワーク接続要素106は、IRトランスミッタ103、RFトランスミッタ104、IRレシーバ107、及びRFレシーバ108のうちの、1つ又は2つ以上を含む。IRレシーバ107は、対象識別要素102によって生成されるIR信号を受信することができる。RFレシーバ108は、対象識別要素102によって生成されるRF信号を受信することができる。
【0045】
ネットワーク接続要素106は、ネットワークインターフェースを通じてネットワーク110とインターフェースを取り、対象識別要素102から受信される信号を、やはりネットワーク110とインターフェースを取っている電子デバイス112に転送する。ネットワーク接続要素106とネットワーク110との間のインターフェースは、有線ネットワークの場合は物理インターフェースであってよく、無線ネットワークの場合は無線インターフェースであってよい。対象識別要素102及びネットワーク接続要素106は、IRトランスミッタ103、RFトランスミッタ104、IRレシーバ107、及びRFレシーバ108を含むものとして説明されているが、当業者ならば、本発明の範囲から逸脱することなくその他の構成及びレシーバとトランスミッタとのその他の組み合わせが可能であることがわかるであろう。
【0046】
電子デバイス112は、ワークステーション、デスクトップ型コンピュータ、サーバ、ウェブサーバ、ラップトップ型コンピュータ、ハンドヘルドデバイス、センサ、アクチュエータ、又はネットワーク110との無線通信若しくは有線通信が可能で且つ本明細書において説明される動作を実施するのに十分なプロセッサ電力及びメモリ容量を有するその他の形態のコンピューティングデバイス若しくは電気通信デバイスなどの、任意の電子システム又はコンピュータシステムを含んでよい。電子デバイス112は、対象識別要素102の及び対象識別要素をリンクされた対応する対象の位置を特定するために使用される位置決定モジュール114を含む。
【0047】
典型的実施形態において、位置決定モジュール114は、対象に関する位置情報を決定又は導出するための、対象及び/又は場所が互いに相互作用する時間を追跡するための、並びに対象及び/又は場所の間の関連付けを形成するための、任意の適切なソフトウェア及びハードウェアを含む。
【0048】
位置決定モジュール114は、対象位置特定モジュール115と、対象関連付けモジュール116とを含む。対象位置特定モジュール115は、対象識別要素102によって提供される、対象を識別するデータに少なくとも部分的に基づいて、対象識別要素の及び対象識別要素にリンクされた対象の位置を決定するように構成される。
【0049】
位置決定モジュール114の対象位置特定モジュール115は、やはりネットワーク110とインターフェースを取っているトポロジストレージデバイス117から読み込まれる、信号を受信するレシーバの既知の位置、対象の履歴的な記録位置、やはりネットワークとインターフェースを取っているストレージデバイス118から読み込まれる、信号を受信するレシーバの特性(例えば範囲)、受信される信号の強度、信号のタイプ、及び信号が繰り返されたかどうか(ネットワーク接続要素106から受信される信号に含まれる情報を解析することによって決定される)を含むがこれらに限定されない1つ又は2つ以上の要因を使用して、信号の起源を計算する。要因のリストは、限定的であることを意図しておらず、以下に明記されるその他の既知の要因又は方法を含むことができる。対象位置特定モジュール115によって用いることができる位置決定のための適切なシステム及び/又は方法は、本出願の譲受人に譲渡され且つ参照により本明細書に内容を組み込まれる米国特許公開第2002/0198986号並びに米国特許第7,053,831号及び第7,099,895号に説明されている。典型的実施形態において用いることができるその他の適切な位置決定のシステム及び/又は方法は、アクティブRFIDシステム及びパッシブRFIDシステム、バーコードシステム、磁気カード、固定式のビーコンタイプのシステム、三角測量システム、到着時間システム及び微分到着時間システム、並びにデッドレコニングシステムを含む。
【0050】
位置決定モジュール114は、対象関連付けモジュール116も含み、これは、典型的実施形態にしたがうと、対象位置特定モジュール115と通信する。対象関連付けモジュール116は、対象位置特定モジュール115から受信される対象の位置に基づいて、対象がしきい値時間以上の期間にわたって第2の対象又は場所の近くにあるかどうかを決定するようにプログラム又は構成される。もし対象が第2の対象又は場所の近くにある期間がしきい値時間以上である場合は、対象関連付けモジュール116は、対象と第2の対象又は場所との間に関連付けを作成する。
【0051】
位置決定モジュール114は、ソフトウェアコンポーネントとして実装されるのが普通であるが、配線によるデバイスへの組み込みによって実装することも可能である。
【0052】
対象識別要素102は、任意の適切な留め付け又は結び付けのメカニズムによって直接的に又は間接的に対象にリンクされてよい。例えば、対象識別要素102は、それを医療用の腕輪として装着している人に直接的にリンクされてよい。或いは、対象識別要素102は、衣服に留め付けられた名札に埋め込まれるなどによって、間接的にリンクされてよい。対象識別要素102は、リンク先の対象とともに移動している限り、リンク先の対象の位置を識別することができる。
【0053】
位置決定モジュール114は、対象識別要素102の現在位置を計算するために、一意識別子を使用する。対象識別要素102の位置が計算又は決定されたら、対象の位置は、その他の対象又は場所との関連付けを決定するために解析することができる。次に、計算された対象識別要素102の位置を解析するプロセスが、より詳しく説明される。識別された関連付けは、どれも、ストレージデバイス118に格納することができる。
【0054】
トポロジストレージデバイス117も、やはり、ネットワーク110とインターフェースを取っている。トポロジストレージデバイス117は、対象識別要素102の位置を決定するために位置決定モジュール114によって使用されるトポロジデータを格納する。トポロジデータは、位置特定システム111の現場若しくは場所についての間取り、並びに/又は現場に配備することができるネットワーク接続要素106及び/若しくは固定位置識別要素120の位置などの、任意の適切なタイプのデータを含むことができる。この情報を使用して、位置決定モジュール114は、現場の既知の構造的特徴(例えば階、中庭、廊下、部屋など)との関連において、対象識別要素102(並びにネットワーク接続要素106及び固定位置識別要素120)の位置を決定することができる。
【0055】
典型的実施形態において、位置特定システム内には、固定位置識別要素120も存在している。固定位置識別要素120は、1つ又は2つ以上のトランスミッタと、1つ又は2つ以上のレシーバとを含んでよい。トランスミッタは、1つ又は2つ以上の、RF、IR、USのトランスミッタ、トランシーバ、又はこれらの任意の組み合わせを含んでよい。レシーバは、1つ又は2つ以上の、RF、IR、USのレシーバ、又はこれらの任意の組み合わせを含んでよい。図1に示されるように、固定位置識別要素120は、IRトランスミッタ103と、RFトランスミッタ104と、IRレシーバ107と、RFレシーバ109とを含むことができる。IRレシーバ107は、対象識別要素102によって生成されるIR信号を受信することができ、RFレシーバ108は、対象識別要素102によって生成されるRF信号を受信することができる。固定位置識別要素120の位置は、トポロジストレージデバイス117に格納される。
【0056】
対象識別要素102から信号を受信した後、固定位置識別要素120は、自身の識別子(一意又は非一意)を信号に付加し、その信号を、ネットワーク接続要素106に伝送する。信号が最終的に位置決定モジュール114に達すると、位置決定モジュール114は、対象識別要素102の位置の決定に役立てるために、固定位置識別要素120の特性(位置及び範囲など)を使用することができる。例えば、もし位置決定モジュール114が、ともにRF信号を受信した固定位置識別要素120及びネットワーク接続要素106の両方から通知を受信する場合は、その信号は、両レシーバの範囲内の位置を起源としているとしか考えられない。当業者ならば、本発明の範囲内において多くの代替の実装形態が可能であることがわかるであろう。
【0057】
図2は、典型的実施形態にしたがった、無線自動識別(RFID)タグ構成を使用して実装される典型的な位置特定システム211を示している。図1と同様に、システム211は、対象にリンクされた複数の対象識別要素202と、1つ又は2つ以上のネットワーク接続要素206と、ネットワーク210と、ストレージデバイス218、トポロジストレージデバイス217、及び位置決定モジュール214を含む電子デバイス212と、1つ又は2つ以上の固定位置識別要素220とを含む。この典型的実施形態において、対象識別要素202は、RFレシーバ203とRFトランスミッタ204とを含むパッシブRFIDタグとして構成されるが、対象識別要素は、アクティブRFIDタグとして構成することも可能である。同様に、ネットワーク接続要素206及び固定位置識別要素220も、RFレシーバ207、223と、RFトランスミッタ208、224とを含む。
【0058】
動作にあたり、1つ又は2つ以上の対象識別要素202は、ネットワーク接続要素206又は固定位置識別要素220のRFトランスミッタ208、224から送信され対象識別子202のRFレシーバ203によって受信される信号によって問い合わせされる。1つ又は2つ以上の対象識別要素202は、パッシブRFIDタグとして構成されるので、対象識別要素202において受信される信号は、対象識別要素202に電力を供給する働きをし、対象識別要素202は、すると、一意識別子を含む応答信号を生成してRFトランスミッタ204から伝送する。伝送される応答信号は、次いで、ネットワーク接続要素206又は固定位置識別要素220のRFレシーバ207、223によって受信されるであろう。ネットワーク接続要素206は、ネットワーク210とインターフェースを取っており、対象識別要素202から受信された信号を、やはりネットワークとインターフェースを取っている電子デバイス212に転送する。
【0059】
図2の典型的実施形態において、電子デバイス212は、位置データのためのストレージデバイス218が電子デバイス212上に位置していることを除き、図1の電子デバイス112とほぼ同様に動作する。適切なストレージデバイス218は、デジタル又はアナログのデータを格納することができる任意のデバイス、コンポーネント、又はシステムを含み、ハードドライブ及び光ドライブなどのメモリドライブ、フラッシュドライブ、光媒体(CD、DVDなど)、EPROM、EEPROM、USBドライブ又はUSBストレージエレメント、RAM、ROM、データベースソフト及びデータベースハード、リムーバブルストレージデバイス及び二次ストレージデバイス、又はその他の適切なストレージ媒体を含んでよいがこれらに限定されない。この実施形態において、ストレージデバイス218は、トポロジストレージデバイス217又はそれに関連付けられた情報も含む。
【0060】
位置決定モジュール214は、対象識別要素202の及び対象識別要素をリンクされた対応する対象の位置を特定するために使用される。位置決定モジュール214は、図1の位置決定モジュール114と同様に動作する。位置決定モジュール214は、対象識別要素202の現在位置を計算するために、一意識別子を使用する。位置決定モジュール214は、トポロジデータ217から読み込まれる、信号を受信するレシーバの既知の位置、対象の履歴的な記録位置、ストレージデバイス118から読み込まれる、信号を受信するレシーバの特性(例えばレンジ)、受信される信号の強度、信号のタイプ、及びネットワーク接続要素206から受信される信号に含まれる情報を解析することによって決定される、信号が繰り返されたかどうかを含む様々な要因を使用して、信号の起源を計算する。
【0061】
対象識別要素202の位置の計算又は決定がなされたら、対象の位置は、1つ又は2つ以上のその他の対象又は場所との関連付けを決定するために解析することができる。計算された対象識別要素の位置を解析するプロセスは、以下において、より詳しく説明される。識別された関連付けは、どれも、ストレージデバイス218に格納することができる。
【0062】
図2のネットワーク接続要素206及び固定位置識別要素220は、図1のネットワーク接続要素106及び固定位置識別要素120と同様に動作する。デバイス206、220は、ともに、対象識別要素202に問い合わせするように、問い合わせ信号に応答して対象識別要素202から送信される応答信号を受信するように、及び一意識別子を含む情報を受信信号から位置決定モジュール214に引き渡すように構成される。固定位置識別子220及びネットワーク接続要素206は、受信信号内に存在する情報に情報を追加することもできる。信号が最終的に位置決定モジュール214に達すると、位置決定モジュール214は、対象識別要素202の位置の特定に役立てるために、固定位置識別要素220及びネットワーク接続要素206によって加えられた情報を使用することができる。
【0063】
ネットワーク化されていない形態の典型的実施形態も、実装可能である。図3は、典型的実施形態にしたがった、ネットワークの使用に依存することなく対象の関連付けを決定するのに適した典型的な位置特定システム311を示している。システム311は、対象にリンクされた対象識別要素302と、位置決定モジュール314とを含む。
【0064】
対象識別要素302は、対象を識別するデータを決定モジュール314に提供する。対象識別要素302は、識別データを含む信号を、信号を伝送するための伝送コンポーネントを使用して伝送してよい。伝送コンポーネントは、トランスミッタ、トランシーバ、トランスポンダ、又は類似のデバイスであってよい。一部の典型的実施形態において、対象を識別するデータは、RFID、バーコーディング、又は磁気エンコーディングなどの、識別データを取得するためにリーダを必要とするパッシブ技術によって提供されてよい。
【0065】
本明細書に示される位置決定モジュール314は、上記のように、対象位置特定モジュール315と、対象関連付けモジュール316とを含む。対象位置特定モジュール315は、対象識別要素302によって提供される、対象を識別するデータに少なくとも部分的に基づいて、対象識別要素302の位置を決定するようにプログラム又は構成される。
【0066】
対象関連付けモジュール316は、対象位置特定モジュール315によって決定される対象の位置に基づいて、対象がしきい値時間以上の期間にわたって第2の対象又は場所の近くにあるかどうかを決定するようにプログラム又は構成される。もし対象が第2の対象又は場所の近くにある期間がしきい値時間以上である場合は、対象関連付けモジュール316は、対象と第2の対象又は場所との間に関連付けを作成する。
【0067】
対象位置特定モジュール315と対象関連付けモジュール316とを含む位置決定モジュール314は、位置を決定するのに、時間の追跡を維持するのに、及び関連付けを形成するのに適した任意の構造を含むことができる。このような構造の例として、1つ又は2つ以上の対象識別要素の位置を決定する、時間の追跡を維持する、並びに近さ及び時間に基づいて関連付けを形成することができる任意のデバイスが挙げられる。
【0068】
本発明の各種の実施形態にしたがうと、位置決定モジュール314は、電子デバイスであってよい。電子デバイスは、複数の形態をとってよく、プロセッサ、コンピュータ、個人用携帯情報端末、携帯電話などの通信デバイス、ネットアプライアンス、ウェブサーバ、ネットワーク、情報を操作することができる任意のデバイス、レシーバ、トランスミッタ、インターフェース、又はこれらのデバイスの任意の組み合わせを含んでよい。更に、当業者ならば、位置決定モジュール314が、位置特定システム311の異なるパーツに組み入れ可能であることがわかるであろう。例えば、位置決定モジュールは、ネットワーク接続要素、固定位置識別要素、対象識別要素の一部を形成することができる、又はその他のシステムコンポーネントとは別個である及び/若しくはその他のシステムコンポーネントの遠くに位置していることが可能である。
【0069】
本発明の各種の実施形態にしたがうと、位置決定モジュール314は、情報を求める要求を受信する、情報を提供する、情報を格納する、位置情報に応答して行動を指示する、対象をその他の対象に又は位置に関連付ける、位置情報の使用可能性に関するプライバシー条件を確立する、各種のネットワークタイプと直接的にインターフェースを取るなどの、更なる機能を実施することが可能であってよい。本発明の更なる実施形態にしたがうと、位置決定モジュール314は、分散された複数のレシーバ又はリーダを含み、それらのなかには、ネットワークに接続されるものも、接続されないものもあってよい。本発明の各種の実施形態にしたがうと、対象識別要素310及び位置決定モジュール314は、位置の決定のためにRF信号を用いる。
【0070】
当業者ならば、本明細書に例示及び図示されるトランスミッタ及びレシーバの代わりに、信号の送受信が可能な異なるタイプのコンポーネントが使用されてよいことがわかるであろう。例えば、レシーバは、本発明の範囲から逸脱することなくトランシーバに置き換えられてよい。
【0071】
図4Aは、例えば図1において使用されるものと同様の典型的な対象識別要素を示している。図に示されるように、対象識別要素102は、IRトランスミッタ103と、RFトランスミッタ104とを含む。トランスミッタは、ともに、シグナリングプロセスを制御する組み込みプロセッサ105によって制御される。同様に、図4Bは、例えば図1において使用される典型的な固定位置識別要素120を示している。固定位置識別要素120は、シグナリングプロセスを制御する組み込みプロセッサ105によって制御されるIRトランスミッタ103とRFトランスミッタ104とを含む。固定位置識別要素120には、対象識別要素102からの信号を受信するために使用されるIRレシーバ107及びRFレシーバ109も含まれる。
【0072】
シグナリングプロセスは、RF信号及びIR信号の両方を、交互する形で併用することができる。本発明の一実施形態にしたがうと、RF信号は10秒ごとに伝送され、IR信号は20秒ごとに伝送される。この方法は、実質的に一貫したIR電力レベルを提供する一方で、RF電力レベルを変動させる。RF電力レベルの変動は、ネットワーク接続要素106が一部のRF信号のみを受信することを可能にすることによって、対象識別要素102の位置の決定を助けることができる。伝送される信号は、伝送される信号強度、伝送と伝送との間の期間、伝送の時間の長さ、対象識別要素102のための一意識別子、1つ若しくは2つ以上の入力デバイスから受信される情報、及び/又は対象識別要素のコンポーネントに関係するなどの各種の状態情報などの、追加情報を含んでもよい。本発明の一態様において、対象識別要素102は、レシーバも含んでおり、位置決定モジュール114は、伝送パラメータ(即ち30秒ごとの交互信号)を送信することによって、ネットワーク10を通じて対象識別要素を設定する。IR信号は視線信号であり、RF信号は壁を突き抜けるので、これらの信号の組み合わせは、いずれか一方のシグナリング形態のみの使用によって可能であると考えられるよりも更に正確に信号の位置を特定するために、本発明の例示的実施形態において用いられてよい。
【0073】
図4Cは、例えば図2において使用される典型的な対象識別要素202を示している。したがって、対象識別要素202は、RFレシーバ203と、RFトランスミッタ204とを含む。レシーバ203及びトランスミッタ204は、ともに、シグナリングプロセスを制御する組み込みプロセッサ205によって制御される。同様に、図4Dは、例えば図2において使用される典型的な固定位置識別要素220を示している。固定位置識別要素220は、シグナリングプロセスを制御する組み込みプロセッサ225によって制御されるRFレシーバ223とRFトランスミッタ224とを含む。
【0074】
図2に関連して上述されたように、対象識別要素202は、パッシブRFIDタグとして構成される。このように、対象識別要素のRFトランスミッタ204及び組み込みプロセッサ205は、固定位置識別要素220のRFトランスミッタ224からのRF信号によって提供される電力に依存する。動作にあたり、固定位置識別要素220の組み込みプロセッサは、問い合わせ信号を送信するようにRFトランスミッタ224に指示する。問い合わせ信号は、対象識別要素202のRFレシーバ203によって受信され、組み込みプロセッサ205及びRFトランスミッタ204を活動させる。組み込みプロセッサ205は、問い合わせ信号を解釈し、一意識別子を提供する応答信号を伝送するようにRFトランスミッタ203に指示する。応答信号は、固定位置識別要素220のRFレシーバ223において受信され、組み込みプロセッサによって処理される。組み込みプロセッサ225は、次いで、応答信号の情報に追加情報を付加し、追加情報と応答信号からの情報とを含む信号を伝送するようにRFトランスミッタ224に指示する。
【0075】
このようなパッシブRFID設計の利点は、対象識別要素202上に電源を必要としないことにある。これは、対象識別要素202の構築コストも抑える。当業者ならば、対象識別要素が必要に応じてアクティブRFIDタグとしても構成可能であることがわかるであろう。
【0076】
図5は、典型的実施形態にしたがった、位置及び関連付けを決定するための病院500の典型的な配置を示している。病院の配置は、トポロジストレージデバイス117に予め格納することができる。病院500は、やはり場所であると見なすことができる複数の部屋502、504、506、508、510、及び512を含む。各部屋502、504、506、508、510、及び512は、室内に固定位置識別要素(FLI)520を有する。廊下501は、更なる固定位置識別要素520を廊下の端に、そして1対のネットワーク接続要素(NCE)530を廊下の真ん中及び廊下の端に有する。固定位置識別要素520及びネットワーク接続要素530は、図1及び図2のもののような、上述された実装形態のうちの任意であってよい、又はその他の任意の数の実装形態であってよい。上記のように、ネットワーク接続要素530を接続されたネットワークは、有線ネットワーク又は無線ネットワークであってよく、その結果、ネットワーク接続要素530は、ネットワークに物理的に接続されている場合又は接続されていない場合がある。本発明の例示的実施形態は、既存のネットワークを通じて実行されるように設計されており、専用のプロプライエタリネットワークの作成は不要である。病院は、対象識別要素(OI)540がリンクされた複数の対象を含む。ある部屋502は、患者カルテ550を含み、そのカルテには、置き間違えがないように且つ素早い読み込みが可能であるように対象識別要素540が取り付けられている。別の部屋504は、衣服に又は腕輪として対象識別要素540を装着している患者560を含む。患者560に取り付けられた対象識別要素540は、病院全体において患者の動きを追跡することを可能にする。廊下501に出ると、点滴ポンプ570に対象識別要素540がリンクされている。対象識別要素540は、ポンプを割り当てられた病院の科で働いている適切な人に通知する時間がないままに病院の別の科が緊急でポンプを借りる場合に、点滴ポンプ570の位置を素早く特定することを可能にする。対象識別要素540は、図1及び図2のもののような、上述された実装形態のうちの任意であってよい、又はその他の任意の数の実装形態であってよい。
【0077】
ネットワーク接続要素530及び固定位置識別要素520の使用が、例を挙げて説明される。点滴ポンプ570にリンクされた対象識別要素540は、一意識別子を持つ1つ又は2つ以上の信号を発するように構成することができる。もし点滴ポンプ570が廊下501に位置する場合は、対象識別要素によって伝送されるRF信号は、幾つかの部屋504、506、510、及び512の中にある固定位置識別要素520内に位置するレシーバ、並びにポンプに最も近い廊下の端にある固定位置識別要素520内に位置するレシーバによって受信される。また、信号は、部屋504の外に位置するネットワーク接続要素530によっても受信されるであろう。IR信号は、視線信号であるので、もし点滴ポンプ570にリンクされた対象識別要素540がIR信号も伝送する場合は、その信号は、廊下501の端に位置する固定位置識別要素520及び部屋504の外に位置するネットワーク接続要素530によってのみ受信される。視線信号は、ほとんどの壁を突き抜けないので、病室502、504、506、508、510、及び512のどれかの中に位置するRFレシーバによって受信されるとは考えにくい。部屋504の外に位置するネットワーク接続要素530及び廊下501の端に位置する固定位置識別要素520は、両信号の受信を位置決定モジュール(不図示)に報告する。位置決定モジュールは、位置を決定するために、部屋504の外に位置するネットワーク接続要素530及び廊下501の端に位置する固定位置識別要素520の両者の既知の位置を使用する。もしネットワーク接続要素530及び固定位置識別要素520が、ともに、両タイプの信号を受信した場合は、点滴ポンプ570は、廊下510にあるはずだと決定することができる。更に、固定位置識別要素520は、ネットワーク接続要素530よりもRF信号の受信範囲が狭いと考えられるので、点滴ポンプ570は、廊下内であるのみならず、固定位置識別要素520上のRFレシーバの範囲内に位置すると決定することができる。或いは、レシーバに対する近さを決定するために、信号強度を使用することができる。RFレシーバの受信範囲及びRFトランスミッタの伝送強度は、実装上の選択肢であり、当業者ならば、それらが本発明の範囲から逸脱することなく調整可能であることがわかるであろう。
【0078】
位置決定モジュールが、対象識別要素540をリンクされた対象の現在位置又は現在場所を決定したら、その位置は、位置を特定された対象の、その他の対象又は場所に対する近さを決定するために、その他の対象又は場所の現在位置と比較される。事前に決定されたこの位置は、通常は、特に関心を持たれるベッドなどの個所である。場所は、例えば病院環境では部屋である。もし対象が別の対象又は場所から規定距離の範囲内にある場合は、位置決定モジュールは、2つの対象どうしが又は対象と場所とが相互作用していると決定し、ストレージデバイスにおいて関連付けを記録する。当業者ならば、1つの対象又は場所の、別の対象又は場所に対する近さ即ち距離関係が、ユーザの要求又はニーズに基づいて可変であることが容易にわかるであろう。適切な近さ即ち距離は、予め選択する若しくは事前に決定することができる、又はリアルタイムで導出、計算、若しくは決定することができる。当業者ならば、対象のタイプ、対象の状態、場所、以前の相互作用又は関連付け、システムが使用される環境、及び/又はユーザの要求若しくは指定を含む1つ又は2つ以上の要因に基づいて、適切な近さを容易に決定することができるであろう。
【0079】
位置決定モジュールは、関連付けが生じていると判定する前に、最小限時間即ちしきい値時間にわたって関連付けが生じていることを要求するであろう。これは、偽りの関連付けを回避するのに有用である。しきい値時間は、予め選択され又は事前に決定され、システム111に格納することができる。しきい値時間は、ユーザ入力、システム仕様、対象のタイプ、対象の状態、場所、以前の相互作用若しくは関連付け、システムが使用される環境、ユーザの要求若しくは指定などを含むがこれらに限定されない1つ又は2つ以上の要因に基づいて、計算、導出、又はその他の形で確立することができる。更に、しきい値時間は、上記のパラメータのうちの1つ又は2つ以上に基づいて、リアルタイムで計算又は決定することもできる。当業者ならば、関連付けを決定するために使用されるしきい値時間の値が、前述のパラメータのうちの1つ又は2つ以上のパラメータの関数として可変であることもわかるであろう。例えば、医師、看護師、又は清掃スタッフなどの職員は、かかる時間の異なる様々な方式で、異なる対象及び/又は場所と相互作用することができるであろう。例えば、看護師は、医師よりもずっと迅速に患者と相互作用することができるであろう。したがって、看護師を患者に関連付けるためのしきい値時間は、同じ患者に医師を関連付けるためのしきい値時間よりも短くてよい。
【0080】
更に、上記のように、医師は、ある患者のすぐ近くを、別の患者を治療する途中で通過する可能性がある。もし関連付けの基準が近さのみに基づく場合は、このような近くの通過は、たとえ医師が患者と実際の相互作用を持たなかった場合でも、医師と患者との間の関連付けとして決定される恐れがある。したがって、閾値は、追跡されている対象が関連付けを確立される前に別の対象又は場所の近くにある必要がある最小限時間限度即ちしきい値時間限度として設定することができる。もし閾値が満たされない場合は、関連付けは確立されない。
【0081】
別の例において、医師は、部屋などの第1の場所におり、その第1の場所は、別の部屋などの第2の場所にすぐ隣接していることがある。もし医師が、第2の部屋に隣接する第1の部屋の壁を背にして立っている場合は、計算された医師の位置は、たとえ医師が実際に部屋を変わったことがなくても、医師の位置特定に固有な変動及び/又は不正確さゆえに、医師が突然第2の部屋に移り、次いで第1の部屋に戻ったことを示す可能性がある。もし医師が第2の部屋にいるものとして示された時間が、医師が物理的に他の部屋に移動するために実際にかかると考えられる時間よりも短い場合は、この場所の変化は、実際の変化でないと見なすことができる。
【0082】
例えば、医師の位置を図式で表わすと、次のように見えるであろう。
【数1】
ここで、「L1」は、例えば第1の部屋に対応する第1の場所であり、「L2」は、例えば第2の部屋に対応する第2の場所である。「tL1」は、医師が第1の部屋の中で過ごす時間の長さに対応し、「tL2」は、医師が第2の部屋の中で過ごす時間の長さに対応する。ここでは、医師は、第1の部屋から第2の部屋に移動して第1の部屋に戻るものとして示されている。
【0083】
もし時間「tL1」がしきい値時間以上で且つ時間「tL2」がしきい値時間未満である場合は、第1の部屋との関連付けのみが確立される。上述のように、しきい値時間は、追跡されている対象のタイプ及びそれが関連付けられる場所に依存してよい。例えば、看護師は、医師よりも迅速に部屋間を移動すると考えられるので、看護師に関連付けられるしきい値時間は、より短くてよい。第2の部屋「L2」は、第1の部屋「L1」から遠く離れていることもあり、この場合は、長い移動時間が必要とされ、しきい値時間は長くなるであろう。例えば、もし「tL2」が、第1の部屋「L1」から第2の部屋「L2」まで移動して第1の部屋「L1」に戻るためにかかる時間よりも短い場合は、医師を第2の部屋「L2」にいたとする表示をシステムによって偽りの決定と見なすことができる。
【0084】
関連付けは、開始時刻、終了時刻、持続時間、及び個々の発生を交互に追跡され、それらは全て、ストレージデバイスに格納されてよい。電子デバイスは、位置決定モジュールによって決定される対象の関連付けを活用するために、様々なソフトウェアプログラムを格納する、又は様々なソフトウェアプログラムとインターフェースを取る。
【0085】
図6は、典型的実施形態にしたがった、位置決定モジュール614によって決定される関連付けを解析するために使用される典型的なコンポーネントのブロック図600を示している。電子デバイスは、図1及び図2に示された電子デバイスと、多くの点において同様である。位置決定モジュール614は、対象の関連付けを決定し、これらの関連付けの記録をストレージデバイス618に記録する。対象の関連付けの解析には、位置決定モジュール614にアクセス可能な様々なソフトウェアコンポーネント又はモジュールを使用することができる。電子デバイス612上には、機器利用ソフトウェア615、資産管理ソフトウェア616、及び事象開始ソフトウェア617が格納されている。支払い請求ソフトウェア620は、ネットワーク610とインターフェースを取っている。位置決定モジュール614によって決定される対象の関連付けの解析に使用される様々なタイプのソフトウェアの例が、以下において、更に詳しく取り上げられる。ソフトウェアは、位置決定モジュール614内に位置するJDBCインターフェースを用いてよく、これは、Java(登録商標)アプリケーションがストレージデバイス618上のデータベースにSQLコマンドを送信することを可能にする。当業者ならば、対象の関連付けを入力データとして用いる各種のソフトウェアコンポーネントの位置及びタイプが、本発明の範囲から逸脱することなく可変であることがわかるであろう。当業者ならば、対象の関連付けの決定及び/又は格納が、例示されたシステム内のその他の位置において発生可能であることもわかるであろう。
【0086】
位置決定モジュール614によって対象の関連付けが決定されると、関連付けデータは、入力データとして様々なソフトウェアプログラムに提供されてよい。図7は、典型的実施形態にしたがった、対象の関連付けを決定するための並びに対象の関連付けを機器利用ソフトウェアモジュール615及び支払い請求ソフトウェアモジュール620において使用するためのフローチャート700を示している。対象にリンクされた対象識別要素102、202、302、540は、ネットワーク接続要素106、206、530に信号をブロードキャストする(ステップ710)。図2に示されたような特定の実施形態においては、対象識別要素202は、ネットワーク接続要素206又は固定位置識別要素120、220、520から送信された信号に応答して信号を伝送してよい。信号は、固定位置識別要素120、220、520からネットワーク接続要素106、206、530に転送されてよい。ネットワーク接続要素106、206、530は、タイムスタンプ及びその識別子などの情報を信号に付加し、その信号を、電子デバイス112、121及び位置決定モジュール114、214、314に送信する(ステップ720)。或いは、位置決定モジュール114、214、314が、タイムスタンプ及びその識別子などの情報を信号に付加する(ステップ720)。位置決定モジュール114、214、314は、概説されたように対象の位置を計算し、位置を特定された対象を別の対象及び/又は場所に関連付け、その関連付け及びその関連付けが開始した時間をストレージデバイス118、218、618に記録する(ステップ730)。ネットワーク接続要素106、206、530は、対象識別要素102、202、302、540から及び/又は固定位置識別要素120、220、520から受信される信号を、関連付けが終わるまで送信する(ステップ740)。ネットワーク接続要素106、206、530が信号の送信を停止すると、位置決定モジュール114、214、314、614は、ストレージデバイス118、218、618において対象の関連付けを解除し、その関連付けが終了した時間を記録する(ステップ750)。ストレージデバイス118、218、618は、関連付けの記録を格納する。
【0087】
典型的実施形態において、機器利用ソフトウェア615又は支払い請求ソフトウェア620は、関連付けの記録をストレージデバイス118、218、618から読み込む(ステップ760)。別の典型的実施形態において、関連付けの記録は、位置決定モジュール114、214、314、614から機器利用ソフトウェア615又は支払い請求ソフトウェア620に直接送信される(ステップ760)。
【0088】
機器利用ソフトウェア615は、病院の特定の科においてポータブルX線装置がどれくらいの頻度で使用されるかを解析するために、データを使用してよい。或いは、対象関連付けデータは、部屋がどれくらいの頻度で用いられるかを示してよい。同様に、支払い請求ソフトウェア620は、外科医が手術室においてどれくらいの時間を過ごしたかを決定して患者に対する支払い請求額を決定するために、対象関連付けデータを使用してよい。
【0089】
本発明の例示的実施形態は、対象関連付けデータを数々の方式で活用することができる。一実施形態において、決定された対象の関連付けは、医療施設において感染病患者の動きを追跡するために使用される。個々の移動経路を示す計算された位置をマッピングすることによって、医療施設は、どの患者が感染に曝された可能性があるかに基づく応答を作成することができる。別の実施形態において、対象識別要素は、処方薬にリンクされてよい。例えば、対象識別要素にリンクされた静注薬の袋が患者との間に関連付けを形成するときは、その患者に既に投与されているその他の薬及び/又はアレルギーを示す患者個人の病歴に基づいて拒否反応を阻止するために、ストレージデバイスが調べられてよい。別の実施形態においては、対象の関連付けは、健康データのセキュリティ及びプライバシーを扱うHIPAA(Health Insurance Portability and Accountability Act:医療保険の携行と責任に関する法律)の順守を保証するために使用されてよい。対象識別要素102、202、302、540をスタッフ及び患者のカルテにリンクさせることによって、誰がカルテを閲覧したかを示す記録が作成されてよい。
【0090】
ストレージデバイス18に格納された対象関連付けデータは、事象開始に使用されてもよい。図8は、典型的実施形態にしたがった、対象の関連付けを決定するための及び対象の関連付けを事象開始ソフトウェアモジュール617において使用するためのフローチャート800である。順序は、対象にリンクされた対象識別要素102、202、302、540がネットワーク接続要素106、206、530に信号をブロードキャストするときに始まる(ステップ810)。図2に示されたような特定の実施形態においては、対象識別要素202は、ネットワーク接続要素206又は固定位置識別要素120、220、520から送信された信号に応答して信号を伝送してよい。信号は、固定位置識別要素20からネットワーク接続要素106、206、530に転送されてよい。ネットワーク接続要素106、206、530は、タイムスタンプ及びその識別子を信号に付加し、その信号を、電子デバイス112、121及び位置決定モジュール114、214、314、614に送信する(ステップ820)。位置決定モジュール114、214、314、614は、概説されたように対象の位置を計算し、位置を特定された対象を別の対象又は場所に関連付け、その関連付けをストレージデバイスに記録する(ステップ830)。関連付けは、次いで、事象開始ソフトウェア617によって、関連付けのテンプレートとプログラムによって比較されてよい(ステップ840)。例えば、事象開始ソフトウェア617は、もし病院の患者の対象識別要素が廊下に関連付けられる場合に、適切な科のナースステーションにおいて警報が鳴るように示すことができる。或いは、事象開始ソフトウェアは、もし企業のCEOの名前バッジに埋め込まれた対象識別要素が通用門に関連付けられた場合に、歓迎がブロードキャストされるように示すことができる。もし関連付けがテンプレート内に挙げられている場合は、その事象のための指示が、ネットワーク110、210、610にブロードキャストされる(ステップ850)。当業者ならば、対象の関連付けを解析するために、テンプレート以外の形態も本発明の範囲から逸脱することなく使用されてよいことがわかるであろう。
【0091】
本発明の一実施形態において、対象関連付けデータは、資産管理ソフトウェアモジュール616によって用いられる。資産管理ソフトウェアモジュール616は、企業によって所有される資産のリアルタイムな在庫を提供するために使用することができる。品目の位置を迅速に特定する能力は、それが失敗した場合に深刻な結果をもたらす恐れがある医療業界などの業界において、最重要であると考えられる。また、資産位置の定期的な更新は、年末の在庫調査を大幅にコストダウンできるであろう。資産が自身の位置を伝送する頻度は、設定可能であり、品目がどれくらいの頻度で動く傾向があるかに基づくことができる。例えば、あまり頻繁に動かない大型の機器の場合は、トランスミッタは、一時間に一度又は一日に一度、信号を発するように設定されてよい。トランスミッタは、より小型の品目若しくは頻繁に動かされる品目の場合は一分に一度、又は人にリンクされた対象識別要素の場合は10秒に一度、信号を発するように設定されてよい。リアルタイムな資産の位置は、次いで、ネットワーク110、210、610にブロードキャストされ、関係者個人が使用できるようにされてよい。別の実施形態においては、寝たきりの患者とベッドとの間に関連付けを形成することができる。もし関連付けが停止したことが決定された場合は、患者がベッドから落ちた可能性があることを示すために、ネットワークを通じてナースステーションに警告が送信される。
【0092】
図9は、典型的実施形態にしたがった、図7及び図8のステップ730及び830において位置特定システムの位置決定モジュール114、214、314、614によって実施されるプロセスの典型的なフローチャートである。プロセスは、対象識別要素102、202、302、540をリンクされた対象についての位置の決定から始まる(ステップ910)。特定の実施形態において、位置の決定(ステップ910)は、図1及び図3に関係して説明されたように、位置決定モジュール314の対象位置特定モジュール315によって実施されてよい。対象の位置が決定されたら(ステップ910)、位置情報は、対象が別の対象又は場所の近くにあるかどうかを決定するために使用することができる(ステップ920)。もし対象が別の対象又は場所の近くにない場合は、対象の位置は、更に監視される(ステップ910)。しかしながら、もし対象が別の対象又は場所の近くにある場合は、対象が他の対象又は場所の近くにある時間が追跡されてよい(ステップ930)。もし対象が別の対象又は場所の近くにある時間がしきい値時間未満である場合は、対象の位置は、更に監視される(ステップ910)。しかしながら、もし対象が別の対象又は場所の近くにある時間がしきい値時間以上である場合は、対象についての関連付けを形成することができる(ステップ940)。対象の関連付けは、次いで、図6〜8に関係して論じられたように使用されてよい。
【0093】
本明細書に挙げられる例の多くは、病院環境を基準にしているが、本発明の例示的実施形態は、様々なその他の環境において対象の関連付けを検出するために使用することができる。例えば、対象の関連付けは、荷物を具体的な目的地に振り分けるように指定された機械に荷物を関連付けられる空港の設定において生じることができる。或いは、対象の関連付けは、飛行機が空港から離陸する前に、預けられた各荷物が着席した乗客に関連付けられていることを確認するために使用することができる。対象の関連付けは、店内の商品の動きを追跡するために使用する、又は支払いレジにおいて用いることができる。対象の関連付けは、広告看板の有効性又はその欠如を識別するために使用することができる。対象関連付けシステムは、既存のネットワークトポロジを用いるコンポーネントを使用して機能するように設計されるので、対象の関連付けは、多くの異なる環境において決定することができ、本明細書に挙げられる環境は、包括的なものではなく単なる例示にすぎないことを意図している。
【0094】
III.活動の検出のための典型的環境
図10は、本発明の典型的実施形態にしたがった、活動を検出するのに及び検出された活動に関連付けられた情報を決定するのに適した典型的な環境を示している。環境は、電子デバイス1000を含む。典型的実施形態において、電子デバイス1000は、ワークステーション、デスクトップ型コンピュータ、サーバ、ラップトップ型コンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、又は通信が可能で且つ本明細書において説明される動作を実施するのに十分なプロセッサ電力及びメモリ容量を有するその他の形態のコンピューティングデバイス若しくは電気通信デバイスなどの、任意のコンピュータシステムであってよい。
【0095】
電子デバイス1000は、本明細書において説明されるように、1つ又は2つ以上の対象の位置を決定及び追跡するようにプログラム又は構成された位置決定モジュール1018を含む。電子デバイス1000は、また、本明細書において説明されるように、対象と1つ又は2つ以上のその他の対象/場所との間の関連付けを決定するようにプログラム又は構成された関連付け決定モジュール1020を含む。位置及び関連付けは、図1〜9を参照にして上述された典型的実施形態にしたがって、それぞれ位置決定モジュール1018及び関連付け決定モジュール1020によって決定することができる。
【0096】
電子デバイス1000は、更に、現在発生している又は過去に発生した1つ又は2つ以上の活動を検出するために及び検出された活動に関する情報を決定するためにコンテクスト情報を使用するようにプログラム又は構成された活動決定モジュール1022を含む。活動決定モジュール1022は、現在発生している又は過去に発生した1つ又は2つ以上の活動を検出するようにプログラム又は構成された活動検出サブモジュール1024を含む。活動検出サブモジュール1024は、現在位置/場所の集合を履歴的な位置/場所の集合と照合するようにプログラム又は構成されたパターン認識アプリケーション1030を含む。活動決定モジュール1022は、また、検出された活動に関する情報を決定するようにプログラム又は構成された活動情報決定サブモジュール1026を含む。活動情報決定サブモジュール1026は、検出された活動の主要な位置及び/又は場所を決定するようにプログラム又は構成された手段/モード決定部1028を含む。活動決定モジュール1022は、クロック1032も含む。
【0097】
典型的実施形態において、活動決定モジュール1022は、電子デバイス1000に一体に提供される。別の典型的実施形態において、活動決定モジュール1022は、電子デバイス1000とは別個に(活動決定モジュール1022’の形態で)提供され、この場合、活動決定モジュール1022’及び電子デバイス1000は、互いに通信するように構成される。活動決定モジュール1022’は、活動検出サブモジュール1024’及び活動情報決定サブモジュール1026’を含む。活動検出サブモジュール1024’は、パターン認識アプリケーション1030’を含む。活動情報決定サブモジュール1026’は、手段/モード決定部1028’及びクロック1032’も含む。
【0098】
電子デバイス1000は、典型的実施形態を実施するための1つ若しくは2つ以上の実行可能な命令又はソフトウェアを格納するための1つ又は2つ以上の媒体を含む。例えば、電子デバイス1000に含まれるメモリ1006は、例えば、位置決定モジュール1018、関連付け決定モジュール1020、及び活動決定モジュール1022を実装及び処理するための命令などの、実行可能な命令又はソフトウェアを格納する。典型的実施形態において、メモリ1006は、DRAM、SRAM、EDORAMなどの、コンピュータシステムメモリ又はランダムアクセスメモリを含むことができる。メモリ1006は、その他のタイプのメモリ、又はそれらの組み合わせを含むこともできる。
【0099】
電子デバイス1000は、メモリ1006に格納された命令又はソフトウェア、及びシステムハードウェアを制御するためのその他のプログラムを実行するようにプログラム又は構成された、プロセッサ1002と、1つ又は2つ以上のプロセッサ1002’とを含む。プロセッサ1002及びプロセッサ1002’は、それぞれシングルコアプロセッサ(1004)又はマルチコアプロセッサ(1004’)であってよい。
【0100】
電子デバイス1000においては、電子デバイス内のインフラ及びリソースを動的に共有可能であるように、仮想化を用いることができる。仮想化されたプロセッサは、位置決定モジュール1018、関連付け決定モジュール1020、及び活動決定モジュール1022と、そしてストレージデバイス1044内の任意のその他のアプリケーション又はソフトウェアと、併用することができる。仮想マシン1014は、複数のプロセッサ上において動いているプロセスを、そのプロセスが複数ではなく1つのコンピューティングリソースのみを使用しているように見えるように扱うために、提供することができる。複数の仮想マシンを、1つのプロセッサと併用することもできる。コード及び/又はソフトウェアを実行するために、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)、及び汎用プロセッサ(GPP)も使用することができる。
【0101】
ユーザは、モニタなどの視覚的表示デバイス1040を通じて電子デバイス1000とやり取りしてよい。視覚的表示デバイス1040は、ユーザが位置決定モジュール1018、関連付け決定モジュール1020、活動決定モジュール1022に、又は任意のその他のアプリケーション若しくはソフトウェアに、データを入力することを可能にする、1つ又は2つ以上のユーザインターフェース1042を提示する。視覚的表示デバイス1040は、位置決定モジュール1018、関連付け決定モジュール1020、活動決定モジュール1022からの、又は任意のその他のアプリケーション若しくはソフトウェアの処理からの、結果を表示する。視覚的表示デバイス1040は、例えば、ストレージデバイス1044に格納された任意のデータベースからのデータなどの、典型的実施形態の任意のその他の態様又は要素も表示する。
【0102】
典型的実施形態において、視覚的表示デバイス1040は、電子デバイス1000に一体に提供することができる。別の典型的実施形態において、視覚的表示デバイス1040は、電子デバイス1000とは別個に提供することができ、この場合、視覚的表示デバイス1040及び電子デバイス1000は、互いに通信するように構成される。
【0103】
電子デバイス1000は、キーボード又はマルチポイントタッチインターフェース1008、及び例えばマウスなどのポインティングデバイス1010などの、ユーザからの入力を受信するためのその他の入出力(I/O)デバイスを含むことができる。キーボード1008及びポインティングデバイス1010は、視覚的表示デバイス1040に接続することができる。電子デバイス1000は、その他の適切な従来のI/O周辺機器を含むこともできる。
【0104】
電子デバイス1000は、ストレージデバイス1044を含むことができる。適切なストレージデバイス1044は、デジタル又はアナログのデータを格納することができる任意のデバイス、コンポーネント、又はシステムを含み、ハードドライブ及び光ドライブなどのメモリドライブ、フラッシュドライブ、光媒体(CD、DVDなど)、EPROM、EEPROM、USBドライブ又はUSBストレージエレメント、RAM、ROM、データベースソフト及びデータベースハード、リムーバブルストレージデバイス及び二次ストレージデバイス、又はその他の適切なストレージ媒体を含んでよいがこれらに限定されない。典型的実施形態において、ストレージデバイス1044は、典型的実施形態によって追跡される対象に関連付けられたフォーマット済みデータを格納するための1つ又は2つ以上のデータベースを含むことができる。格納されるデータの例は、1つ又は2つ以上の特定の対象(例えば「Jane Doe」という名前の看護師)に関連付けられた対象識別要素についての、現在の及び履歴的な位置/場所、役割(例えば看護師)、活動(例えば、患者に薬を投与する、手術室において外科医を補佐する)、現在の及び履歴的な関連付け(患者、外科医に関連付けられる)などを含むことができるがこれらに限定されない。
【0105】
典型的実施形態において、ストレージデバイス1044は、電子デバイス1000に一体に提供することができる。別の典型的実施形態において、ストレージデバイス1044は、電子デバイス1000とは別個に提供することができ、この場合、ストレージデバイス1044及び電子デバイス1000は、互いに通信するように構成される。
【0106】
電子デバイス1000は、標準電話回線、LANリンク若しくはWANリンク(例えば802.11、T1、T3、56kb、X.25)、ブロードバンド接続(例えばISDN、Frame Relay、ATM)、無線接続、コントローラエリアネットワーク(CAN)、又は上記の任意の若しくは全部の幾つかの組み合わせを含むがこれらに限定されない様々な接続を通じて、例えばローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、又はインターネットなどのネットワークとインターフェースを取るように構成された、ネットワークインターフェース1012を含むことができる。ネットワークインターフェース1012は、内蔵式ネットワークアダプタ、ネットワークインターフェースカード、PCMCIAネットワークカード、カードバスネットワークアダプタ、無線ネットワークアダプタ、USBネットワークアダプタ、モデム、又は通信及び本明細書において説明される動作の実施が可能な任意のタイプのネットワークとのインターフェースを電子デバイス1000に取らせるのに適した任意のその他の適切なデバイスを含むことができる。
【0107】
電子デバイス1000は、各ヴァージョンのMicrosoft(登録商標)Windows(登録商標)オペレーティングシステム、異なる公開ヴァージョンのUnix(登録商標)及びLunuxオペレーティングシステム、Macintoshコンピュータ用の各ヴァージョンのMacOS(登録商標)、任意の組み込みオペレーティングシステム、任意のリアルタイムオペレーティングシステム、任意のオープンソースオペレーティングシステム、任意のプロプライエタリオペレーティングシステム、モバイルコンピューティングデバイス用の任意のオペレーティングシステム、又はコンピューティングデバイス上で動くことができ且つ本明細書において説明される動作を実施することができる任意のその他のオペレーティングシステムなどの、オペレーティングシステム1016で動くことができる。オペレーティングシステムは、ネイティブモード又はエミュレートモードで動くことができる。
【0108】
IV.活動の検出のための典型的な分散実装形態
図11Aは、図10の典型的な環境のための典型的な分散実装形態を示している。この典型的な分散実装形態では、活動決定モジュール1022は、電子デバイス1000に一体に提供される。
【0109】
電子デバイス1000、ストレージデバイス1044、及び外部のアプリケーション又はデバイス1048は、互いとインターフェースを取っており、ネットワーク1046を通じて互いに通信することができる。
【0110】
電子デバイス1000内の位置決定モジュール1018は、概説されたように、1つ又は2つ以上の対象に関連付けられた1つ又は2つ以上の位置を決定し、随意として、これらの位置の記録を表示する且つ/又はストレージデバイス1044に格納する。位置決定モジュール1018は、随意として、例えばインターフェースを通じて位置情報を活動決定モジュール1022に伝送する。
【0111】
電子デバイス1000内の関連付け決定モジュール1020は、概説されたように、対象/場所の間の関連付けを決定するために1つ又は2つ以上の対象/場所に関連付けられた位置を使用し、随意として、これらの関連付けの記録を表示する且つ/又はストレージデバイス1044に格納する。関連付け決定モジュール1020は、随意として、例えばインターフェースを通じて関連付け情報を活動決定モジュール1022に伝送する。
【0112】
電子デバイス1000内の活動決定モジュール1022は、活動を検出し、検出された活動に関する情報を決定するために、1つ又は2つ以上の対象に関するコンテクスト情報(例えば対象の位置、関連付け、役割)を使用する。活動決定モジュール1022は、随意として、検出された活動の記録及び検出された活動に関連付けられた情報をストレージデバイス1044に格納する。活動決定モジュール1022は、随意として、検出された活動の記録及び検出された活動に関連付けられた情報を表示デバイス1040に表示する。活動決定モジュール1022は、随意として、例えばインターフェースを通じて活動情報を1つ又は2つ以上の外部のモジュール又はアプリケーションに伝送する。
【0113】
典型的実施形態において、活動決定モジュール1022は、ストレージデバイス1044、メモリ1006、又は外部のストレージ、データベース、若しくはデバイスに保存されたコンテクスト情報を取得する。別の典型的実施形態において、活動決定モジュール1022は、位置決定モジュール1018及び/又は関連付け決定モジュール1020からコンテクスト情報を直接取得する。
【0114】
典型的実施形態においては、活動決定モジュール1022によって検出された活動に関する活動情報を、様々なアプリケーション、ソフトウェアコンポーネント若しくはソフトウェアモジュール、又はデバイスが解析する。アプリケーションは、電子デバイス1000内に提供することができる、且つ/又は例えば外部のアプリケーション又はデバイス1048として外部に提供することができる。このようなアプリケーションの例は、機器利用ソフトウェア、資産管理ソフトウェア、事象開始ソフトウェア、支払い請求ソフトウェアなどを含む。ストレージデバイス1044に格納された情報にアクセスするために、アプリケーションは、活動決定モジュール1022内に位置するJava Database Connectivity(JDBC)インターフェースを使用し、これは、Java(商標)アプリケーションがStructured Query Language(SQL)コマンドをストレージデバイス1044上の1つ又は2つ以上のデータベースに伝送することを可能にする。その他の典型的実施形態においては、検出された活動を解析するために、活動決定モジュール1022自身が活動情報を使用する。
【0115】
当業者ならば、入力データとして活動情報を使用する各種のコンポーネントの位置及びタイプが、本発明の範囲から逸脱することなく可変であることがわかるであろう。当業者ならば、また、対象の位置、対象の関連付け、及び対象の活動の決定並びに/又は格納が、例示されたシステムにおける任意のその他の位置において発生可能であることもわかるであろう。
【0116】
図11Bは、図10の典型的な環境のための別の典型的な分散実装形態を示している。この典型的分散実装形態において、活動決定モジュール1022’は、電子デバイス1000とは別個に提供され、ネットワーク1046を通じて電子デバイス1000、ストレージデバイス1044、及び外部のアプリケーション又はデバイス1048と通信している。
【0117】
V.活動の検出及び活動情報の決定
活動決定モジュール1022の構造、機能、及び動作が、更に詳しく説明される。図12は、典型的実施形態にしたがった、典型的な活動決定モジュール1022の基本動作の典型的なフローチャートを示している。
【0118】
活動決定モジュール1022の活動検出サブモジュール1024は、1つ又は2つ以上の活動を検出するようにプログラム又は構成される。ステップ1200において、活動決定モジュール1022の活動検出サブモジュール1024は、活動を検出する。典型的実施形態において、活動検出サブモジュール1024は、同時に活動のタイプを決定する。活動/活動タイプの例は、患者が病院から退院する、看護師が患者に薬を投与する、清掃作業員が病室を清掃するなどを含むがこれらに限定されない。
【0119】
一部の典型的実施形態において、活動検出サブモジュール1024は、対象にかかわる活動を検出するために、対象の1つ又は2つ以上の現在位置又は現在場所のみを使用する。位置情報は、対象の空間座標を含むことができるがこれに限定されない。場所情報は、例えば、特定の部屋、階、科、建物などの、関心を持たれている任意のエリア、現場、位置、又は点を含むことができるがこれらに限定されない。活動検出サブモジュール1024は、位置決定モジュール1018、ストレージデバイスなどから現在位置情報又は場所情報を取得することができる。
【0120】
その他の典型的実施形態において、活動検出サブモジュール1024は、対象にかかわる活動を検出するために、現在位置情報又は場所情報を、対象に関する1つ又は2つ以上のその他のコンテクスト情報と併せて使用する。これらのその他のコンテクスト情報は、対象のアイデンティティ、対象に関連付けられた役割、対象に関連付けられた活動、一連の履歴的な位置/場所、対象とその他の対象及び/又は場所との間の関連付けなどを含むことができるがこれらに限定されない。活動検出サブモジュール1024は、位置決定モジュール1018、関連付け決定モジュール1020、ストレージデバイスなどからこれらのその他の情報を取得することができる。
【0121】
活動の検出に使用されるその他の情報の一部は、位置情報又は場所情報に基づいて決定される。一例として、活動の検出に使用することができる一連の履歴的な位置/場所は、位置/場所情報に基づいて決定される。位置決定モジュール1018は、対象の1つ又は2つ以上の連続する位置又は場所を、その対象が履歴的な活動を実施している間に決定する。本明細書において使用される「履歴的な活動」という用語は、対象によって実施される任意の活動を含むことを意図している。位置決定モジュール1018は、履歴的な活動に対応するこの一連の履歴的な位置又は場所を格納することによって、履歴的な活動と同じタイプの活動を検出するために活動検出サブモジュール1024がこの一連の履歴的な位置又は場所を引き続き使用できるようにする。
【0122】
別の例として、活動の検出に使用することができる2つ又は3つ以上の対象/場所の間の関連付けが、位置/場所情報に基づいて決定される。関連付け決定モジュール1020は、位置情報又は場所情報を使用して、対象と1つ又は2つ以上のその他の対象及び/又は場所との間の関連付けを決定する。典型的実施形態は、対象/場所を識別するデータを提供するために、対象/場所にリンクされた対象識別要素を提供する。位置決定モジュール1018は、対象/場所の現在位置/場所を決定するために、この識別データを使用する。関連付け決定モジュール1020は、対象がしきい値時間以上の期間にわたってその他の対象/場所の近くにあるかどうかを決定するために、位置情報又は場所情報を使用する。もし対象がその他の対象/場所の近くにある期間がしきい値時間以上である場合は、関連付け決定モジュール1020は、対象とその他の対象/場所との間に関連付けを形成又は決定する。
【0123】
活動の検出に使用されるその他の情報の一部は、対象を識別するデータに基づいて決定される。典型的実施形態は、対象を識別するデータを提供するために対象にリンクされた対象識別要素を提供する。典型的実施形態は、対象のアイデンティティを決定するために、対象を識別するデータを使用する。対象のアイデンティティは、例えば、対象又は対象が所属するグループに固有な識別であってよい。典型的実施形態は、更に、例えば、対象のアイデンティティと、各対象のアイデンティティに対応する役割/活動との間のマッピングを検索するなどのように、対象のアイデンティティを使用して、対象に関連付けられた役割及び/又は対象に関連付けられた活動を決定する。
【0124】
活動決定モジュール1022の活動情報決定サブモジュール1026は、検出された活動に関するゼロの、1つの、又は2つ以上の情報を決定するようにプログラム又は構成される。ステップ1202において、活動決定モジュール1022の活動情報決定サブモジュール1026は、検出された活動に関する1つ又は2つ以上の情報を決定する。活動情報の例は、活動のタイプ、活動に関与している対象のアイデンティティ及び役割、活動の時間、活動の持続時間、活動の主要な位置及び/又は場所、活動時における対象の主要な位置及び/又は場所などを含むがこれらに限定されない。
【0125】
典型的実施形態は、例えば、検出された活動が予定の活動を順守しているかどうかを決定するためのように、検出された活動を解析するために、活動情報決定サブモジュール1026によって決定された活動情報を使用する。典型的実施形態は、また、例えば、もし患者が透析装置に付けられたまま放っておかれた場合に警報を発するなどのように、検出された活動に応答して事象を開始させるためにも活動情報を使用する。
【0126】
活動情報を引き続き任意に使用可能にするために、活動決定モジュール1022は、随意として、検出された活動及びそれらに関連付けられた活動情報を、格納及び表示する。ステップ1204において、活動決定モジュール1022は、検出された活動及びその活動に関する任意の情報を、ストレージデバイス1044に又は任意のその他のストレージ、デバイス、若しくはデータベースに格納する。ステップ1206において、活動決定モジュール1022は、検出された活動及びその活動に関する任意の情報を、ユーザによる閲覧のために視覚的表示デバイス1040に表示する。典型的実施形態において、活動決定モジュール1022は、検出された活動及びそれに関連付けられた活動情報を、任意のその他のモジュール、ソフトウェア、アプリケーション、又はデバイスによって引き続き使用可能にするために、例えばインターフェースを通じて提供することができる。
【0127】
図12のステップ1200に示されるように、活動決定モジュール1022の活動検出サブモジュール1024は、1つ又は2つ以上の対象のコンテクスト情報を使用して、1つ又は2つ以上の活動を検出する。活動検出サブモジュール1024によって用いられる典型的な方法が、図13〜16を参照にして更に詳しく説明される。
【0128】
図13Aは、典型的実施形態にしたがった、対象にかかわる活動を対象に関する位置/場所情報を使用して検出するための典型的なフローチャートを示している。ステップ1300において、対象にリンクされた対象識別要素102、202、302、540は、1つ又は2つ以上の信号をネットワーク接続要素106、206、530にブロードキャストする。図2に示された特定の典型的実施形態においては、対象識別要素202は、ネットワーク接続要素206又は固定位置識別要素120、220、520から送信される信号に応答して信号を伝送する。対象識別要素からの信号は、固定位置識別要素120、220、520からネットワーク接続要素106、206、530に転送される。ステップ1302において、ネットワーク接続要素106、206、530は、タイムスタンプ及びその識別子などの情報又はデータを信号に付加することによって、信号を変換し、その信号を、電子デバイス1000及び位置決定モジュール1018に伝送する。
【0129】
ステップ1304において、位置決定モジュール1018は、概説されたように、信号内の情報又はデータを変換することによって、対象の現在位置を決定する。ステップ1306において、位置決定モジュール1018は、対象の現在位置(例えば空間座標)を、対象の対応する現在の場所(例えば建物の部屋、階、区画など)に変換する。典型的実施形態においては、現在位置を対応する現在の場所に変換するために、位置決定モジュール1018は、電子デバイス1000、ストレージデバイス1044、又は例えば1つ若しくは2つ以上のデータベース内などの任意のその他の格納先に格納された、位置と対応する場所とののマッピングを使用する。
【0130】
ステップ1308において、活動検出サブモジュール1024は、位置決定モジュール1018又は保存先のいずれかから対象の現在の場所を取得する。活動検出サブモジュール1024は、場所と場所内において実施される対応する活動とのマッピングを調べることによって、対象の現在の場所を使用して活動を検出する。例えば、トイレという場所は、トイレ関係の活動に対応することができる。これらのマッピングは、電子デバイス1000、ストレージデバイス1044、又は例えば1つ若しくは2つ以上のデータベース内などの任意のその他の格納先に格納することができる。
【0131】
典型的実施形態において、活動検出サブモジュール1024は、対象が現在の場所に最小限時間にわたってとどまる場合にのみ、その対象が活動に従事していると決定する。この場合、活動検出サブモジュール1024は、活動と活動に対応する最小限持続時間とのマッピングを提供されてよい。例えば、活動検出サブモジュール1024は、人がトイレに最小限持続時間である5分間にわたってとどまる場合にのみ、トイレ関係の活動を検出してよい。
【0132】
図13Bは、位置/場所情報を使用して活動を検出される病院内の2つの隣り合う部屋の典型的な配置を示している。配置は、トイレ1310、及びトイレ1310と共有壁を共用する隣りの待機室1312を示している。人1314がトイレ1310内に位置しており、別の人1316が待機室1312内の共有壁近くに位置している。人1314及び1316は、位置的に極めて近くにいるが、位置決定モジュール1018は、これらの人たちが異なる場所にいると決定する、即ち人1314がトイレにいる一方で人1316は手術室にいると決定する。場所情報を使用して、活動検出サブモジュール1024は、人1314が排尿、排便、嘔吐などのトイレ関係の活動に従事していることを検出する。しかしながら、活動検出サブモジュール1024は、人1316についてはこのような活動を検出しない。
【0133】
図14Aは、典型的実施形態にしたがった、対象にかかわる活動を対象の現在位置/場所及び対象に関連付けられた役割/活動を使用して検出するための典型的なフローチャートを示している。ステップ1400において、対象にリンクされた対象識別要素102、202、302、540は、1つ又は2つ以上の信号をネットワーク接続要素106、206、530にブロードキャストする。図2に示された特定の典型的実施形態においては、対象識別要素202は、ネットワーク接続要素206又は固定位置識別要素120、220、520から送信される信号に応答して信号を伝送する。対象識別要素からの信号は、固定位置識別要素120、220、520からネットワーク接続要素106、206、530に転送される。ステップ1402において、ネットワーク接続要素106、206、530は、タイムスタンプ及びその識別子などの情報又はデータを信号に付加することによって、信号を変換し、その信号を、電子デバイス1000及び位置決定モジュール1018に伝送する。
【0134】
ステップ1404において、位置決定モジュール1018は、概説されたように、信号内の情報又はデータを変換することによって、対象の現在位置を決定する。ステップ1406において、位置決定モジュール1018は、現在位置(例えば空間座標)を、対象の現在の場所(例えば建物の部屋、階、区画など)に変換する。
【0135】
ステップ1408において、活動検出サブモジュール1024は、位置決定モジュール1018から又は保存先から対象の対象識別子を取得する。ステップ1410において、活動検出サブモジュール1024は、対象識別子に関連付けられた1つ又は2つ以上の役割/活動を検索する。例えば、X線装置は、X線スキャン活動に関連付けることができ、清掃作業員は、管理業務に関連付けることができる、などである。対象の対象識別子と対象の役割/活動との間のこのマッピングは、電子デバイス1000、ストレージデバイス1044、又は例えば1つ若しくは2つ以上のデータベース内などの任意のその他の格納先に格納することができる。ステップ1412において、活動検出サブモジュール1024は、やはり、位置決定モジュール1018から又は保存先から対象の現在の場所を取得する。
【0136】
ステップ1412において、活動検出サブモジュール1024は、活動を検出するために、対象の現在の場所、及び対象に関連付けられた1つ又は2つ以上の役割/活動を使用する。典型的実施形態において、活動検出サブモジュール1024は、対象の現在の場所と対象に関連付けられた役割/活動との各組み合わせと、対応する活動とのマッピングのなかから、対象の現在の場所と対象に関連付けられた役割/活動との組み合わせを検索する。例えば、もし「清掃作業員」の役割を持つ対象が「手術室」にいる場合は、活動決定モジュール1024は、手術室において清掃作業員によって清掃活動が実施されていることを検出する。これらのマッピングは、電子デバイス1000、ストレージデバイス1044、又は例えば1つ若しくは2つ以上のデータベース内などの任意のその他の格納先に格納することができる。
【0137】
図14Bは、対象の現在位置/場所及び対象に関連付けられた役割/活動を使用して活動を検出される病院内の部屋の典型的な配置を示している。配置は、汚れたユーティリティ/リネンのエリア1420を示しており、これは、「清掃作業員」の役割を持つ人1422及び「外科医」の役割を持つ人1424の現在の場所である。活動検出サブモジュール1024は、人の現在の場所である汚れたユーティリティ/リネンのエリア1420、及び清掃作業員としての人の役割に基づいて、人1422が管理活動を実施していることを検出する。しかしながら、活動検出サブモジュール1024は、外科医としての人の役割に基づいては、人1424に関連付けられるような活動を何も検出しない。
【0138】
同様に、活動検出サブモジュール1024は、対象にかかわる活動を検出するために、2つ又は3つ以上の対象の場所を、対象に関連付けられた役割/活動と併せて使用することができる。例えば、患者の透析治療は、患者、透析技師、及び透析装置の位置/場所を追跡することによって検出することができる。患者及び透析装置についての場所情報は、患者及び透析装置が特定の部屋に4時間(透析治療の代表的な持続時間)あったことを示すことができる。透析技師についての場所情報は、技師が部屋に最初の10分間(透析装置をセットして開始させるために必要とされる代表的な持続時間)、最後の10分間(透析装置を停止させて取り外すために必要とされる代表的な持続時間)、及びその間に定期的にいたことを示すことができる。上述された場所情報、及び関与している対象の役割を前提にして、活動検出サブモジュール1024は、患者に対して透析治療活動が実施されたことを検出することができる。
【0139】
図15Aは、典型的実施形態にしたがった、対象の現在位置/場所を一連の履歴的な位置/場所と照合することによって対象にかかわる活動を検出するための典型的なフローチャートを示している。対象の一連の履歴的な位置/場所は、その対象の、過去に記録された任意の数の連続位置/場所を指しており、特定の履歴的な活動に対応している。先ず、履歴的な活動が検出され、その履歴的な活動に関する情報(例えば、履歴的な活動に関連付けられた位置/場所)が決定され、のちの比較及び照合のために格納される。
【0140】
一連の履歴的な位置/場所は、対象によって実施される特定の履歴的な活動に特有であってよく、将来、同じ活動を識別するために使用することができる。例えば、清掃作業員の以下の一連の履歴的な場所、即ち、清掃作業員が病室に入ること、汚れたユーティリティ/リネンのエリアに移動すること、次いで清浄なユーティリティ/リネンのエリアに移動すること、及び最後に病室に戻ることは、病室を清掃する清掃作業員に特有である。一連の履歴的な位置/場所は、電子デバイス1000、ストレージデバイス1044、又は例えば1つ若しくは2つ以上のデータベース内などの任意のその他の格納先に格納することができる。
【0141】
典型的実施形態において、活動検出サブモジュール1024は、活動を検出するために、対象の現在位置/場所のみを使用する。別の典型的実施形態において、活動検出サブモジュール1024は、活動を検出するために、対象の現在位置/場所及び対象の役割を使用する。
【0142】
ステップ1500において、対象にリンクされた対象識別要素102、202、302、540は、1つ又は2つ以上の信号をネットワーク接続要素106、206、530にブロードキャストする。図2に示された特定の典型的実施形態においては、対象識別要素202は、ネットワーク接続要素206又は固定位置識別要素120、220、520から送信される信号に応答して信号を伝送する。対象識別要素からの信号は、固定位置識別要素120、220、520からネットワーク接続要素106、206、530に転送される。ステップ1502において、ネットワーク接続要素106、206、530は、タイムスタンプ及びその識別子などの情報又はデータを信号に付加することによって、信号を変換し、それを、電子デバイス1000及び位置決定モジュール1018に伝送する。
【0143】
ステップ1504において、位置決定モジュール1018は、概説されたように、信号内の情報又はデータを変換することによって、対象の現在位置を決定する。ステップ1504において、位置決定モジュール1018は、随意として、現在位置(例えば空間座標)を、対象の現在の場所(例えば建物の部屋、階、区画など)に変換する。
【0144】
ステップ1506において、活動検出サブモジュール1024は、現在位置/場所を、一連の履歴的な位置/場所のなかの位置/場所と比較する。ステップ1508において、活動検出サブモジュール1024は、対象の現在位置/場所を、一連の履歴的な位置/場所のなかの最初の位置/場所と一致させようと試みる。もし一致が見いだされた場合は、これは、対象が目下、履歴的な活動に従事している可能性があることを示す。したがって、方法は、ステップ1500に戻り、引き続き、対象の次の位置/場所を一連の履歴的なそれと照合する。即ち、活動検出サブモジュール1024は、次いで、連続する現在位置/場所のなかの次の位置/場所を一連の履歴的な位置/場所のなかの次の履歴的な位置/場所と一致させようと試みる。
【0145】
しかしながら、もしステップ1508における照合が失敗した場合は、活動検出サブモジュール1024は、ステップ1510において、照合プロセスが一連の履歴的な位置/場所の終わりに達したかどうかを決定する、即ち、一連の履歴的な位置/場所の大半又は全てが現在位置/場所と既に一致しているかどうかを決定する。もし照合プロセスが一連の履歴的な位置/場所の終わりに達している場合は、活動検出サブモジュール1024は、ステップ1512において、一連の履歴的な位置/場所に関連付けられた履歴的な活動に対象が従事していたことを検出する。しかしながら、もし照合プロセスが一連の履歴的な位置/場所の終わりに達していない場合は、活動検出サブモジュール1024は、ステップ1514において、いかなる活動も検出しない。
【0146】
典型的実施形態において、活動検出サブモジュール1024は、現在位置/場所データが決定されるのとリアルタイムで上記の照合を実施する。別の典型的実施形態において、活動検出サブモジュール1024は、現在位置/場所データがひとまとまり決定された後に上記の照合を実施する。
【0147】
典型的実施形態において、活動検出サブモジュール1024は、対象の現在位置/場所を一連の履歴的な位置/場所と最小所望確度内において比較又は照合するために、パターン認識アプリケーション1030を使用する。パターン認識アプリケーション1030は、Boyer−Mooreアルゴリズム、Knuth−Morris−Prattアルゴリズム、1つ又は2つ以上のナイーブアルゴリズム、構造類似性アルゴリズムなどを含むがこれらに限定されない1つ又は2つ以上の従来のパターン認識アルゴリズムを実装することができる。アルゴリズムは、メモリに格納されている位置/場所名に適用可能な文字に作用することができる。当業者ならば、説明されたパターンの認識又は照合を達成するために、多くの異なる技術が使用可能であることがわかるであろう。
【0148】
一連の履歴的な位置/場所に対応する履歴的な活動は、対応する主要な位置/場所を有することができる。一連の現在位置/場所を一連の履歴的な位置/場所と照合することによって現在の活動を検出する際に、典型的実施形態は、履歴的な活動の主要な位置/場所に基づいて、現在の活動の主要な位置/場所を決定することができる。
【0149】
典型的実施形態において、活動検出サブモジュール1024は、対象の現在位置/場所を一連の履歴的な位置/場所と照合することによって、且つ対象のアイデンティティ又は役割に基づいて、活動を検出する。例えば、活動検出サブモジュール1024は、追跡されている対象が特定の役割又は特定のアイデンティティを有する場合にのみ、図15Aを参照にして説明された方法に基づいて活動を検出する。
【0150】
その他の典型的実施形態において、活動検出サブモジュール1024は、対象の現在位置/場所を一連の履歴的な位置/場所と照合することによって、且つ対象とその他の対象/場所との間の関連付けに基づいて、活動を検出する。例えば、活動検出サブモジュール1024は、追跡されている対象が特定のその他の対象/場所との間に関連付けを有する場合にのみ、図15Aを参照にして説明された方法に基づいて活動を検出する。
【0151】
図15Bは、対象の現在位置及び一連の履歴的な位置を使用して活動を検出される病院の階の一区画の典型的な配置を示している。配置は、廊下1520の一方の側の病室1522、並びに廊下のもう一方の側の隣り合う汚れたユーティリティ/リネンのエリア1524及び清浄なユーティリティ/リネンのエリア1526を示している。履歴的な活動は、清掃作業員が病室を清掃することである。この履歴的な活動に対応する一連の履歴的な位置が使用可能である。典型的実施形態は、一連の履歴的な位置を例えば軌跡によってつなぐ経路1528を決定する。
【0152】
典型的実施形態の位置決定モジュール1018は、点1530〜1544によって描かれた清掃作業員の現在の連続位置を決定する。活動検出サブモジュール1024は、清掃作業員の現在の連続位置が1530〜1544が実質的に経路1528沿いに、経路1528から常に最大距離を超えない範囲内にあるかどうかを決定する。もし完全に一致すると決定された場合(即ち、もし清掃作業員が病室、汚れたユーティリティ/リネンのエリア、清浄なユーティリティ/リネンのエリア、及び病室を順番に訪れた場合)は、活動検出サブモジュール1024は、清掃作業員によって病室の清掃活動が実施されたことを検出する。
【0153】
図15Cは、対象の現在の場所及び一連の履歴的な場所を使用して活動を検出される図15Bの典型的な配置を示している。配置は、廊下1520の一方の側の病室1522、並びに廊下のもう一方の側の隣り合う汚れたユーティリティ/リネンのエリア1524及び清浄なユーティリティ/リネンのエリア1526を示している。履歴的活動は、清掃作業員が病室を清掃することである。清掃作業員が病室を清掃することについて保存された一連の履歴的な場所は、1522(病室)、1524(汚れたユーティリティ/リネンのエリア)、1526(清浄なユーティリティ/リネンのエリア)、及び1522(同じ病室)を順番に含む。活動検出サブモジュール1024は、清掃作業員の現在の連続場所を、一連の履歴的な場所のなかの連続場所と照合する。もし完全に一致すると決定された場合(即ち、もし清掃作業員が病室、汚れたユーティリティ/リネンのエリア、清浄なユーティリティ/リネンのエリア、及び病室を順番に訪れた場合)は、活動検出サブモジュール1024は、清掃作業員によって病室の清掃活動が実施されたことを検出する。
【0154】
図16は、典型的実施形態にしたがった、2つ又は3つ以上の対象の間の関連付けに基づいて且つ対象に関連付けられた役割/活動に基づいて活動を検出するための典型的なフローチャートを示している。ステップ1600において、対象にリンクされた対象識別要素102、202、302、540は、1つ又は2つ以上の信号をネットワーク接続要素106、206、530にブロードキャストする。図2に示された特定の典型的実施形態においては、対象識別要素202は、ネットワーク接続要素206又は固定位置識別要素120、220、520から送信される信号に応答して信号を伝送する。対象識別要素からの信号は、固定位置識別要素120、220、520からネットワーク接続要素106、206、530に転送される。ステップ1602において、ネットワーク接続要素106、206、530は、タイムスタンプ及びその識別子などの情報又はデータを信号に付加することによって、信号を変換し、その信号を、電子デバイス1000及び位置決定モジュール1018に伝送する。
【0155】
ステップ1604において、位置決定モジュール1018は、概説されたように、信号内の情報又はデータを変換することによって、対象の現在位置を決定する。ステップ1606において、関連付け決定モジュール1020は、対象と、1つ又は2つ以上のその他の対象との間の関連付けを決定する。ステップ1608において、活動検出サブモジュール1024は、概説されたように、関連付けに関与している対象のアイデンティティを決定する。ステップ1610において、活動検出サブモジュール1024は、概説されたように、対象のアイデンティティに基づいて、対象に関連付けられた1つ又は2つ以上の役割/活動を決定する。
【0156】
ステップ1612において、活動検出サブモジュール1024は、活動を検出するために、関連付け、及び対象に関連付けられた役割/活動を使用する。典型的実施形態において、活動検出サブモジュール1024は、関連付けと対象に関連付けられたアイデンティティ/役割/活動との各組み合わせと、対応する活動とのマッピングのなかから、関連付けと対象に関連付けられたアイデンティティ/役割/活動との組み合わせを検索する。関連付けと対象のアイデンティティ/役割/活動との組み合わせと、対応する活動とのこのマッピングは、電子デバイス1000、ストレージデバイス1044、又は例えば1つ若しくは2つ以上のデータベース内などの任意のその他の格納先に格納することができる。
【0157】
典型的実施形態において、活動検出サブモジュール1024は、活動が発生しているかどうかを検出する際に関連付けの持続時間も使用する。即ち、活動検出サブモジュール1024は、もし関連付けが最小限所要持続時間にわたって続かない場合は、活動を検出しない。例えば、薬の投与という事象を検出するために使用される、患者と、看護師と、薬の容器との間の関連付けは、少なくとも5秒間にわたって続く必要があるであろう。各タイプの関連付けと対応する最小限所要持続時間との間のマッピングが、活動検出サブモジュール1024のために提供されてよい。
【0158】
図16に示された方法の一例として、もし「X線技師」という役割を持つ対象が「X線装置」という役割を持つ対象及び「患者」という役割を持つ対象との間に関連付けを有している場合は、活動検出サブモジュール1024は、X線技師によって患者にX線スキャン活動が実施されることを検出する。
【0159】
別の例として、もし「看護師」という役割を持つ対象が「ペニシリン容器」という役割を持つ対象及び「患者」という役割を持つ対象との間に関連付けを有している場合は、活動検出サブモジュール1024は、看護師によって患者にペニシリン投与活動が実施されることを検出する。
【0160】
典型的実施形態において、活動検出サブモジュール1024は、2つ又は3つ以上の対象の間の関連付けに基づいて且つ対象の位置/場所の履歴に基づいて、活動を検出する。例えば、もし関連付け決定モジュール1020が、2つ又は3つの対象の間の関連付けを検出する場合は、活動検出サブモジュール1024は、対象の現在位置/場所を、履歴的な位置/場所と照合する。活動検出サブモジュール1024は、関連付け、及び現在位置/場所と履歴的な位置/場所との間の一致をともに検出する場合にのみ、活動を検出する。
【0161】
なお、図13〜16を参照にして上述された活動検出方法は、活動検出サブモジュール1024によって用いられる典型的な方法であることを理解されるべきである。活動検出サブモジュール1024は、1つ又は2つ以上の対象に関連付けられた任意のコンテクスト情報又は2つ若しくは3つ以上のコンテクスト情報の任意の組み合わせを使用して活動を検出するように、プログラム又は構成される。
【0162】
図12のステップ1202に示されるように、活動決定モジュール1022の活動情報決定サブモジュール1026は、活動に関する1つ又は2つ以上の情報を決定する。活動情報の例は、活動のタイプ、活動に関与している対象のアイデンティティ及び役割、活動の時間、活動の持続時間、活動の主要な位置及び/又は場所、活動時における対象の主要な位置及び/又は場所などを含むがこれらに限定されない。次に、活動情報決定サブモジュール1026によって用いられる典型的な方法が、更に詳しく説明される。
【0163】
活動情報決定サブモジュール1026は、検出された活動に関与している対象のアイデンティティ及び/又は役割を決定する。対象のアイデンティティの例は、患者識別子「123」を持つ患者、John Doeという名前の医師、識別子「345」を持つX線装置などを含むがこれらに限定されない。対象の役割の例は、患者、医師、外科医、X線技師、X線装置、ペニシリン容器などを含むがこれらに限定されない。
【0164】
典型的実施形態は、対象を識別するデータを提供するために対象にリンクされた対象識別要素を提供する。典型的実施形態は、対象のアイデンティティを決定するために、対象を識別するデータを使用する。対象のアイデンティティは、例えば、対象又は対象が所属するグループに固有な識別子であってよい。典型的実施形態は、更に、例えば、対象のアイデンティティと各対象のアイデンティティに対応する役割とのマッピングを検索するなどのように、対象のアイデンティティを使用して、対象に関連付けられた役割を決定する。
【0165】
一部の典型的実施形態において、対象識別要素は、対象の1つ又は2つ以上の役割を示すデータを直接伝送する。したがって、これらの実施形態においては、対象を識別するデータを伝送し、次いでその識別データに基づいて対象の役割を検索する必要がない。対象識別要素が役割情報を直接伝送することは、対象の役割及び活動を尚も決定しつつ、対象を匿名に維持することを可能にする。例えば、対象の役割が「家政婦」であることを、最初にその家政婦を名前によって識別する必要なく知ることが可能にされるであろう。この場合、活動決定モジュール1022は、「家政婦」という役割を持つ対象によって部屋の清掃活動が実施されたことを、その家政婦の具体的なアイデンティティを知ることなく検出することができるであろう。
【0166】
典型的実施形態において、ステップ1200において活動を検出する際に、又は活動情報決定サブモジュール1026による要求を受けた際に、活動検出サブモジュール1024は、対象のアイデンティティ及び/又は役割を決定し、それらを活動情報決定サブモジュール1026に伝送する。典型的実施形態において、活動検出サブモジュール1024は、対象識別子を既に保持している。その他の典型的実施形態において、活動検出サブモジュール1024は、対象の対象識別子を取得するために、位置決定モジュール1018又は任意の格納先に問い合わせる。活動検出サブモジュール1024は、対象に関連付けられたアイデンティティ及び/又は役割を検索するために、対象識別子を使用する。例えば、活動検出サブモジュール1024は、電子デバイス1000、ストレージデバイス1044、又は例えば1つ若しくは2つ以上のデータベース内などの任意のその他の格納先に格納された、対象の対象識別子と対象に関連付けられた対応するアイデンティティ及び/又は役割とのマッピングのなかから、対象のアイデンティティ及び/又は役割を検索することができる。
【0167】
別の典型的実施形態においては、ステップ1200における活動の検出の際に、活動情報決定サブモジュール1026が、自身で対象のアイデンティティ及び/又は役割を決定する。典型的実施形態において、活動情報決定サブモジュール1026は、対象識別子並びに対応するアイデンティティ及び/又は役割を格納先から直接取得する。別の典型的実施形態において、活動情報決定サブモジュール1026は、概説されたように、活動検出サブモジュール1024から又は位置決定モジュール1018から対象識別子を取得する。活動情報決定サブモジュール1026は、対象に関連付けられたアイデンティティ及び/又は役割を検索するために、対象識別子を使用する。例えば、活動情報決定サブモジュール1026は、電子デバイス1000、ストレージデバイス1044、又は例えば1つ若しくは2つ以上のデータベース内などの任意のその他の格納先に格納された、対象の対象識別子と対象に関連付けられた対応するアイデンティティ及び/又は役割とのマッピングのなかから、対象のアイデンティティ及び/又は役割を検索することができる。
【0168】
活動情報決定サブモジュール1026は、クロック1032を使用して、検出された活動の時間を決定する。ステップ1200において活動を検出する際に、活動検出サブモジュール1024は、活動の開始を活動情報決定サブモジュール1026に通知する。この通知の受信を受けて、活動情報決定サブモジュール1026は、検出された活動の開始時刻を決定するために、クロック1032の現時間をチェックする。
【0169】
活動情報決定サブモジュール1026は、クロック1032を使用して、検出された活動の持続時間を決定する。ステップ1200において活動を検出する際に、活動検出サブモジュール1024は、活動の開始の第1の通知を活動情報決定サブモジュール1026に伝送する。活動情報決定サブモジュール1026は、検出された活動の開始時刻を決定するために、この第1の通知を使用する。活動検出サブモジュール1024は、同じ活動の検出を、その活動がこれ以上検出できなくなるまで続ける。この段階において、活動検出サブモジュール1024は、活動の終了の第2の通知を活動情報決定サブモジュール1026に伝送する。第2の通知の受信を受けて、活動情報決定サブモジュール1026は、検出された活動の終了時刻を決定するために、クロック1032の現時間をチェックする。活動情報決定サブモジュール1026は、次いで、活動の持続時間を決定するために、開始時刻及び終了時刻を使用する。
【0170】
活動情報決定サブモジュール1026は、検出された活動に関与している1つ又は2つ以上の対象の位置/場所を解析することによって、検出された活動の主要な位置/場所を決定する。典型的実施形態は、活動に関与している対象を識別するデータを提供するためにその対象にリンクされた対象識別要素を提供する。活動情報決定サブモジュール1026は、先ず、概説されたように、活動に関与している対象の対象識別要素上の情報を取得する。
【0171】
検出された活動の開始時刻から開始して、活動情報決定サブモジュール1026は、検出された活動に関与している対象の位置を対象識別要素によって提供されるデータを使用して追跡するために、第1の要求を位置決定モジュール1018に伝送する。典型的実施形態において、位置決定モジュール1018は、対象を追跡するとともに、その対象の位置をリアルタイムで活動情報決定サブモジュール1026に伝送する。この実施形態において、検出された活動の終了時には、活動情報決定サブモジュール1026は、対象位置の伝送を停止するために、第2の要求を位置決定モジュール1018に伝送する。これに応答して、位置決定モジュール1018は、対象位置のリアルタイムな伝送を停止する。別の典型的実施形態においては、位置決定モジュール1018は、検出された活動の終了時に、活動情報決定サブモジュール1026からの第2の要求を受信して初めて、活動時に追跡された全ての対象位置を伝送する。
【0172】
活動情報決定サブモジュール1026は、活動時に追跡される対象の1つ又は2つ以上の位置(例えば空間座標)に対応する1つ又は2つ以上の場所(例えば建物の部屋、階、区画など)も決定する。例えば、活動情報決定サブモジュール1026は、電子デバイス1000、ストレージデバイス1044、又は例えば1つ若しくは2つ以上のデータベース内などの任意のその他の格納先に格納された、位置と対応する場所とのマッピングのなかから、場所を検索することができる。
【0173】
活動情報決定サブモジュール1026は、次いで、活動の主要な位置/場所を決定するために、活動時に追跡される対象の位置/場所情報を使用する。典型的実施形態において、活動情報決定サブモジュール1026は、活動の主要な位置/場所として捉えられる対象の位置/場所の手段又はモードを決定するために、手段/モード決定モジュール1028を使用する。
【0174】
同様に、活動情報決定サブモジュール1026は、検出された活動時における対象の主要な位置/場所を決定する。活動情報決定サブモジュール1026は、検出された活動に関与している1つの対象のみの追跡位置を使用して上述の方法を用いる。
【0175】
典型的実施形態において、検出された活動に関する情報を決定した後、活動情報決定サブモジュール1026は、活動の検出及び活動情報をメモリ1006、ストレージデバイス1044などに格納する。別の典型的実施形態において、活動情報決定サブモジュール1026は、活動の検出及び活動情報を、例えばインターフェースを通じて外部のアプリケーション、ソフトウェア、又はデバイスに伝送する。典型的実施形態において、検出された活動に関する情報を決定した後、活動情報決定サブモジュール1026は、また、活動の検出及び活動情報を表示デバイス1040に表示する。
【0176】
上述された活動情報決定方法は、活動情報決定サブモジュール1026によって用いられる典型的な方法であることを理解されるべきである。活動情報決定サブモジュール1026は、検出された活動に関連付けられた任意の情報を決定するようにプログラム又は構成される。
【0177】
VI.活動情報の典型的な使用
典型的実施形態において、電子デバイス1000内に提供される内部アプリケーション、及び/又は外部のアプリケーション若しくはデバイス1048は、活動決定モジュール1022によって決定される活動情報を活用することができる。その他の典型的実施形態においては、活動決定モジュール1022自身が活動情報を活用することができる。活動決定モジュール1022によって決定される活動情報の典型的な使用が、更に詳しく説明される。
【0178】
活動情報は、活動についての支払い請求額を決定するために、支払い請求ソフトウェアによって使用することができる。例えば、支払い請求ソフトウェアは、外科医によって実施される手術の持続時間を決定して、患者に請求する支払い額を決定するために、活動情報を使用することができる。
【0179】
活動情報は、既存の手順、規則、又は方針を活動が順守しているかどうかを決定するために使用することができる。病院において、追跡されている対象は、患者、病院の職員(例えば医師、看護師、技師、清掃スタッフなど)、機器(例えばモニタ、X線装置、ポンプ、点滴装置)、及び医療用品(例えば薬、血液)を含むであろう。追跡される対象は、役割及び活動を関連付けられてよく、例えば、患者は入院し、病室を割り当てられ、病院の職員による治療を受け、退院し、医師及び看護師は、患者の手当てをし、手術を行い、技師は、機器を操作し、機器は、患者に対して使用され、用品は、安全に保管され、投与される。多くの例において、病院は、追跡される対象にかかわる活動が衛生規則、安全規則、及び保険規則、並びに規定のケアプラン及び病院の方針を順守して実施されていることを保証する責任を負っている。したがって、活動を検出し、それらの活動が既存の手順、規則、又は方針を順守しているかどうかを決定することは、非常に有利であると考えられる。
【0180】
図17は、典型的実施形態にしたがった、検出された活動に関連付けられた情報を使用して、既存の手順、規則、又は方針に対する検出された活動の順守性を決定するための典型的なフローチャートを示している。例えば、職員(例えば医師、看護師、技師、清掃作業員)に関連付けられた活動情報は、それらの任務を追跡し、それらの任務が適時に実施されることを保証するために、使用することができる。
【0181】
ステップ1700において、活動決定モジュール1022は、現在の活動を検出する。ステップ1702において、活動決定モジュール1022は、例えば、活動のタイプ、活動に参加している対象のアイデンティティ、活動が生じる時間などの、現在の活動に関連付けられた情報を決定する。
【0182】
ステップ1704において、順守性を決定するアプリケーション又はソフトウェアは、予定の又は所要の活動に関する1つ又は2つ以上の情報を読み込む。情報は、活動のタイプ、活動に参加している対象のアイデンティティ、活動が生じる時間などを含むことができるがこれらに限定されない。情報は、ストレージデバイス1044、電子デバイス1000のメモリ1006、又は任意の内部若しくは外部の媒体に格納することができる。
【0183】
ステップ1706において、順守性を決定するアプリケーション又はソフトウェアは、現在の活動を、予定の又は所要の活動に関する読み込まれた情報と比較する。ステップ1708において、ステップ18における比較に基づいて、アプリケーション又はソフトウェアは、現在の活動が予定の又は所要の活動の要件を順守及び満足しているかどうかを決定する。典型的実施形態において、アプリケーション又はソフトウェアは、現在の活動に関連付けられた情報が予定の又は所要の活動に関する読み込まれた全ての情報に一致する場合に、現在の活動が予定の又は所要の活動を順守していると決定する。
【0184】
一例として、順守性の決定は、例えば患者がX線治療を受けたかどうかなど、1つ又は2つ以上の予定の又は所要の活動が生じたかどうかを確認することを伴うことができる。別の例として、順守性の決定は、例えば患者の手術の用意が整い手術が開始可能であるかどうかなど、プロセスの1つのステップが完了してプロセスの次のステップが始められるかどうかを決定することを伴うことができる。更に別の例として、順守性の決定は、例えば薬を投与する活動が午後1時に実施されたかどうかなど、現在の活動が予定の又は所要の活動と同じ活動タイプで且つ同じ活動時間であるかどうかを確認することを伴うことができる。
【0185】
予定の又は所要の活動に対する現在の活動の順守性又は非順守性を決定した後、アプリケーション又はソフトウェアは、随意として、この順守性情報をストレージデバイス1044、電子デバイス1000のメモリ1006、又は任意のその他のストレージ若しくはデバイスに格納する。アプリケーション又はソフトウェアは、随意として、順守性情報を視覚的表示デバイス1040に表示する。また、アプリケーション又はソフトウェアは、随意として、順守性又は非順守性の決定に応答して事象を開始させる。例えば、薬の非順守性に応答して、アプリケーション又はソフトウェアは、ナースステーションにおいて警告又は警報を発することができる。
【0186】
順守性の決定は、各種の位置又は場所において各種の応用を有することができる。一例として、活動情報は、薬の順守性を決定するため及び向上させるために、即ち正しい投与量で正しい時間に患者に薬が投与されるように使用することができる。患者識別子「123」を有する患者は、毎日午後1時にペニシリンの投与を必要とするであろう。この例において、追跡されている対象は、患者識別子「123」を有する患者、そのエリアに割り当てられた看護師、及び場合によってはペニシリンの容器であろう。活動決定モジュール1022は、患者識別子「123」を有する患者に看護師がペニシリンを投与するたびに、活動を検出することができる。活動決定モジュール1022は、検出された活動に関連付けられた情報、即ち活動のタイプ(薬の投与)、関与している対象のアイデンティティ(患者識別子「123」を有する患者、ペニシリン)、活動の時間(午後1時)を決定することができる。順守性を決定するために、活動情報は、このような活動が毎日午後1時に生じたかどうかを決定するために解析することができる。
【0187】
別の例として、活動情報は、適切な薬の保管を決定する及び向上させるために使用することができる。ペニシリンの容器は、使用されていないときは、冷蔵設備に保管する必要があるであろう。この例において、追跡されている対象は、患者、看護師、ペニシリンの容器、及び冷蔵設備であろう。活動決定モジュール1022は、患者、看護師、及びペニシリン容器にかかわるペニシリン投与活動を検出することができる。活動決定モジュール1022は、また、看護師がペニシリン容器を冷蔵設備に保管する薬保管活動を検出することもできる。これら2つのタイプの活動に関連付けられた活動情報は、ペニシリン容器がペニシリン投与活動とペニシリン投与活動との間に冷蔵設備内に正しく位置しているかどうかを決定するために使用することができる。
【0188】
更なる例として、活動情報は、患者が予定通りに退院したかどうかを決定するために使用することができる。患者識別子「234」を有する患者は、特定の日に退院を予定されているであろう。この例において追跡される対象は、患者識別子「234」を有する患者、及び病棟勤務員であろう。病棟勤務員が病室に入り、病棟勤務員と患者とが一緒に部屋を出た場合に、活動決定モジュール1022は、退院活動が起きたことを検出することができる。活動決定モジュール1022は、また、退院活動の時間及び関与している対象のアイデンティティ(患者識別子「234」を有する患者)も決定することができる。活動情報は、正しい患者が正しい時間に退院したかどうかを決定するために使用することができる。
【0189】
活動情報は、活動に応答して事象を開始させるために使用することもできる。図18は、典型的実施形態にしたがった、検出された活動に関連付けられた情報を使用して、検出された活動に応答して事象を開始させるための典型的なフローチャートを示している。ステップ1802において、活動決定モジュール1022は、例えば、活動のタイプ、活動に参加している対象のアイデンティティ、活動が生じた時間などの、現在の活動に関連付けられた情報を決定する。ステップ1804において、事象の開始を実施するアプリケーション又はソフトウェアは、データベース、ストレージ、又はデバイスから事象のテンプレートを読み込む。テンプレートは、事象と、各事象をトリガする対応する1つ又は2つ以上の活動(及び活動の必要特性)とを列挙したリストを含んでよい。ステップ1804において、アプリケーション又はソフトウェアは、現在の活動がテンプレート内に挙げられているかどうかを決定する。もしこのような活動がテンプレート内に存在しない場合は、アプリケーション又はソフトウェアは、活動決定モジュール1022が別の活動を検出するまで待つ。しかしながら、もし現在の活動が(その特性とともに)テンプレート内に存在している場合は、アプリケーション又はソフトウェアは、テンプレートのなかから、現在の活動に対応する事象を検索する。ステップ1806において、アプリケーション又はソフトウェアは、現在の活動に対応する事象を開始させる。
【0190】
典型的実施形態において、事象の開始は、検出された活動に応答して行動を実施することを伴う。例えば、トイレにおけるトイレ関係の活動(例えば排尿/排便)の実施に応答して、典型的実施形態は、トイレの水を流すメカニズムを自動的に開始させることができる。
【0191】
典型的実施形態において、事象の開始は、検出された活動に応答して警告を発することを伴う。典型的実施形態においては、活動に応答して更なる行動が実施されてよいことを示すために、検出された活動に応答して警告を発することができる。例えば、検出された活動が患者のベッドの清掃であるときは、典型的実施形態は、汚れていたベッドが清掃され次の患者のための用意が整ったことを看護師長に知らせるために、視覚的又は聴覚的な警告を発することができる。
【0192】
別の典型的実施形態において、警告は、例えば患者が透析装置に付けられたまま放っておかれたときなどのように、危険な可能性がある活動の検出に応答する警報として発することができる。この場合、追跡される対象は、患者及び透析装置であろう。活動決定モジュール1022は、患者が透析装置に取り付けられているときに、現在の透析活動を検出するであろう。活動決定モジュール1022は、また、現在の透析活動の持続時間も決定することができる。保存されたテンプレートは、透析活動が最大持続時間を超えて続く場合にナースステーションにおいて警報を発する指示を提供することができる。もし現在の透析活動の持続時間が長すぎる場合は、アプリケーション又はソフトウェアは、保存されたテンプレートを調べ、それに応じてナースステーションにおいて警報を発することができる。
【0193】
本明細書に挙げられる例の多くは、病院の環境を基準にしているが、典型的実施形態は、様々なその他の環境及び産業において活動を検出するため及び活動情報を決定するために使用することができる。例えば、空港の設定においては、典型的実施形態は、飛行機の離陸及び着陸を検出するため、荷物が預けられていることを確認するためなどに使用することができる。店の設定においては、典型的実施形態は、商品がレジにおいて適切に支払いされていることを確認するために使用することができる。典型的実施形態は、既存のネットワークトポロジを用いるコンポーネントを使用して機能するように設計されるので、活動は、多くの異なる環境において決定することができ、本明細書に挙げられる環境は、包括的なものではなく単なる例示にすぎないことを意図している。
【0194】
したがって、典型的実施形態は、本明細書に記載された目的を達成することがわかる。本発明の範囲から逸脱することなく特定の変更を加えることが可能であるので、上記の説明に含まれる又は添付の図面に示される全ての事柄は、文字通りの意味ではなく例示的なものと解釈されることを意図している。当業者ならば、図に示されたステップの順序が本発明の範囲から逸脱することなく可変であること、及び本明細書に含まれる例示が本発明として考えられる多数の描写の特異な例であることがわかるであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象にかかわる活動を決定するためのシステムであって、
前記対象を識別するデータを提供するために前記対象にリンクされた対象識別要素と、
前記対象を識別する前記データをもとに、前記対象の位置又は場所を決定するように構成された位置決定モジュールと、
前記対象の前記位置又は場所に基づいて、前記対象にかかわる前記活動を決定するように構成された活動決定モジュールと、
を備えるシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、
前記活動決定モジュールは、前記対象の前記位置又は場所と、前記対象に関する1つ又は2つ以上のその他の情報とに基づいて、前記活動を検出する、システム。
【請求項3】
請求項2に記載のシステムであって、
前記1つ又は2つ以上のその他の情報は、前記対象のアイデンティティ、前記対象の役割、前記対象と第2の対象若しくは場所との間の関連付け、又は、一連の履歴的な位置若しくは場所を含む、システム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムであって、
前記対象識別要素は、トランスミッタ又はトランシーバを含む、システム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムであって、
前記対象識別要素は、
前記対象を識別する前記データを含む信号を伝送するように構成されたトランスミッタ、
前記対象を識別する前記データを要求する信号を受信するように構成されたレシーバ、並びに
前記対象識別要素の前記トランスミッタ及び前記レシーバを制御するためのプロセッサ、
のうちの、1つ又は2つ以上を含む、システム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムであって、
前記位置決定モジュールは、
前記対象を識別する前記データを提供する前記対象識別要素からの信号を受信するためのレシーバと、
前記対象を識別するデータを求める要求を伝送するためのトランスミッタと、
を含む、システム。
【請求項7】
請求項1に記載のシステムであって、更に、
前記位置決定モジュール及び前記活動決定モジュールが接続されたネットワークと、
信号の伝送又は受信が可能な少なくとも1つのシグナリングコンポーネントを含むネットワーク接続要素であって、前記対象識別要素によって提供される前記対象を識別する前記データを受信して、前記データを含む信号を前記位置決定モジュールに伝送するように構成されたネットワーク接続要素と、
を備えるシステム。
【請求項8】
請求項3に記載のシステムであって、更に、
前記第2の対象又は場所を識別するデータを提供するために前記第2の対象又は場所にリンクされた第2の対象識別要素であって、前記位置決定モジュールが前記第2の対象又は場所の第2の位置又は場所を決定するために、前記第2の対象又は場所を識別する前記データを使用する、第2の対象識別要素と、
前記対象の前記位置又は場所、及び前記第2の対象又は場所の前記第2の位置又は場所に基づいて、前記対象と前記第2の対象又は場所との間の前記関連付けを決定するように構成された関連付け決定モジュールと、
を備えるシステム。
【請求項9】
請求項8に記載のシステムであって、
前記関連付け決定モジュールは、
前記対象がしきい値時間以上の期間にわたって前記第2の対象又は場所の近くにあるかどうかを決定するために、前記対象の前記位置又は場所、及び前記第2の対象又は場所の前記第2の位置又は場所を使用するように、且つ
もし前記対象が前記第2の対象又は場所の近くにある前記期間が前記しきい値時間以上である場合に、前記対象と前記第2の対象又は場所との間の前記関連付けを決定するように、
構成される、システム。
【請求項10】
請求項1に記載のシステムであって、更に、
前記対象と第2の対象又は第2の位置若しくは場所との間の関連付けを決定するための関連付け決定モジュールを備えるシステム。
【請求項11】
請求項1に記載のシステムであって、
前記活動決定モジュールは、前記対象の活動を検出するように構成された活動検出サブモジュールを含む、システム。
【請求項12】
請求項11に記載のシステムであって、
前記活動検出サブモジュールは、前記対象にかかわる前記活動を検出するための手段を含む、システム。
【請求項13】
請求項11に記載のシステムであって、
前記活動検出サブモジュールは、
前記対象が前記位置又は場所に位置している持続時間を決定するように、且つ
事前に決定された持続時間にわたって前記対象が前記位置又は場所に位置している場合にのみ、前記対象の前記活動を検出するように、
構成される、システム。
【請求項14】
請求項11に記載のシステムであって、
前記活動検出サブモジュールは、
前記対象にかかわる履歴的な活動に対応する前記対象の一連の履歴的な位置又は場所を受信するように、
前記対象の前記一連の位置又は場所を前記対象の前記一連の履歴的な位置又は場所と比較するように、且つ
もし前記一連の現在位置又は現在場所が前記一連の履歴的な位置又は場所と一致する場合に、前記対象が前記履歴的な活動に関与していることを検出するように、
構成される、システム。
【請求項15】
請求項12に記載のシステムであって、
前記活動検出サブモジュールは、更に、前記対象の一連の位置又は場所を前記対象の一連の履歴的な位置又は場所と比較することによって前記活動を検出するためのパターン認識モジュールを含む、システム。
【請求項16】
請求項1に記載のシステムであって、
前記活動決定モジュールは、更に、
前記対象の活動を検出するように構成された活動検出サブモジュールと、
前記対象の前記活動に関連付けられた情報を決定するように構成された活動情報決定サブモジュールと、
を含む、システム。
【請求項17】
請求項16に記載のシステムであって、
前記活動検出サブモジュールは、更に、前記対象の前記位置又は場所の手段/モードを決定することによって前記活動の主要な位置又は場所を決定するための手段/モード決定モジュールを含む、システム。
【請求項18】
請求項16に記載のシステムであって、
前記対象の前記活動に関連付けられた前記情報は、活動のタイプ、前記対象のアイデンティティ、前記対象に関連付けられた役割、前記活動の時間、前記活動の持続時間、前記活動の主要な位置、又は前記活動の主要な場所を含む、システム。
【請求項19】
請求項16に記載のシステムであって、更に、
前記活動に関連付けられたデータ、及び前記活動に関する前記1つ又は2つ以上の情報を格納するためのストレージデバイスを備えるシステム。
【請求項20】
対象にかかわる活動を決定するためのシステムであって、
前記対象を識別するデータを提供するために前記対象にリンクされた対象識別要素と、
前記対象を識別する前記データをもとに、前記対象の一連の現在位置又は現在場所を決定するように構成された位置決定モジュールと、
前記対象の前記一連の現在位置又は現在場所に基づいて、前記対象にかかわる前記活動を決定するように構成された活動決定モジュールであって、
前記対象の前記一連の現在位置又は現在場所を、履歴的な活動に対応する一連の履歴的な位置又は場所と比較するように、且つ
もし前記一連の現在位置又は現在場所が前記一連の履歴的な位置又は場所と一致する場合に、前記対象が前記履歴的な活動に関与していることを検出するように、
構成される、活動決定モジュールと、
を備えるシステム。
【請求項21】
請求項20に記載のシステムであって、
前記活動決定モジュールは、更に、
前記対象の前記活動を検出するように構成された活動検出サブモジュールと、
前記対象の前記活動に関連付けられた情報を決定するように構成された活動情報決定サブモジュールと、
を含む、システム。
【請求項22】
請求項21に記載のシステムであって、
前記活動検出サブモジュールは、
前記一連の履歴的な位置によって表わされる経路を決定するように、且つ
前記一連の現在位置のなかの連続位置が実質的に前記経路沿いにあるかどうかを決定するように、
構成される、システム。
【請求項23】
請求項21に記載のシステムであって、
前記活動検出サブモジュールは、
更に前記対象に関する1つ又は2つ以上のその他の情報に基づいて、前記対象の前記活動を検出するように構成される、システム。
【請求項24】
請求項23に記載のシステムであって、
前記1つ又は2つ以上のその他の情報は、前記対象の役割若しくはアイデンティティ、又は前記対象と第2の対象若しくは場所との間の関連付けを含む、システム。
【請求項25】
対象にかかわる活動を決定するためのシステムであって、
複数の対象のための複数の対象識別要素であって、各対象識別要素は、前記複数の対象のなかの一つの対象を識別するデータを提供するために前記対象にリンクされている、複数の対象識別要素と、
前記対象を識別する前記データに基づいて、前記複数の対象のそれぞれの現在位置を決定するように構成された位置決定モジュールと、
前記複数の対象のそれぞれの前記現在位置に基づいて、前記複数の対象の間の関連付けを決定するように構成された関連付け決定モジュールと、
前記複数の対象の間の前記関連付け、及び前記複数の対象に関する1つ又は2つ以上のその他の情報に基づいて、前記対象にかかわる前記活動を決定するように構成された活動決定モジュールと、
を備えるシステム。
【請求項26】
請求項25に記載のシステムであって、
前記活動決定モジュールは、更に、
前記対象の前記活動を検出するように構成された活動検出サブモジュールと、
前記対象の前記活動に関連付けられた情報を決定するように構成された活動情報決定サブモジュールと、
を含む、システム。
【請求項27】
請求項25に記載のシステムであって、
前記1つ又は2つ以上のその他の情報は、前記対象の役割若しくはアイデンティティ、又は前記対象の一連の位置/場所を含む、システム。
【請求項28】
対象にかかわる活動を決定するための方法であって、
前記対象を識別するデータを提供するために前記対象にリンクされた対象識別要素を提供することと、
前記対象を識別する前記データをもとに、前記対象の位置又は場所を決定することと、
前記対象の前記位置又は場所に基づいて、前記対象にかかわる前記活動を決定することと、
を備える方法。
【請求項29】
請求項28に記載の方法であって、
前記活動は、前記対象の前記位置又は場所に、及び前記対象に関する1つ又は2つ以上のその他の情報に基づいて検出される、方法。
【請求項30】
請求項29に記載の方法であって、
前記1つ又は2つ以上のその他の情報は、前記対象のアイデンティティ、前記対象の役割、前記対象と第2の対象若しくは場所との間の関連付け、又は一連の履歴的な位置若しくは場所を含む、方法。
【請求項31】
請求項28に記載の方法であって、
前記対象識別要素は、トランスミッタ又はトランシーバを含む、方法。
【請求項32】
請求項28に記載の方法であって、
前記対象識別要素を提供することは、更に、
前記対象を識別する前記データを含む信号を伝送することと、
前記対象を識別する前記データを要求する信号を受信することと、
前記トランスミッタ及び前記レシーバを制御することと、
を含む、方法。
【請求項33】
請求項28に記載の方法であって、
前記対象の前記位置又は場所を決定することは、更に、
前記対象を識別する前記データを提供する前記対象識別要素からの信号を受信することと、
前記対象を識別するデータを求める要求を伝送することと、
を含む、方法。
【請求項34】
請求項30に記載の方法であって、更に、
前記第2の対象又は場所を識別するデータを提供するために前記第2の対象又は場所にリンクされた第2の対象識別要素を提供することと、
前記第2の対象又は場所の第2の位置又は場所を決定するために、前記第2の対象又は場所を識別する前記データを使用することと、
前記対象の前記位置又は場所、及び前記第2の対象又は場所の前記第2の位置又は場所に基づいて、前記対象と前記第2の対象又は場所との間の前記関連付けを決定することと、
を備える方法。
【請求項35】
請求項34に記載の方法であって、
前記関連付けを決定することは、更に
前記対象がしきい値時間以上の期間にわたって前記第2の対象又は場所の近くにあるかどうかを決定するために、前記対象の前記位置又は場所、及び前記第2の対象又は場所の前記第2の位置又は場所を使用することと、
もし前記対象が前記第2の対象又は場所の近くにある前記期間が前記しきい値時間以上である場合に、前記対象と前記第2の対象又は場所との間の前記関連付けを決定することと、
を含む、方法。
【請求項36】
請求項28に記載の方法であって、更に、
前記対象と第2の対象又は場所との間の関連付けを決定することを備える方法。
【請求項37】
請求項28に記載の方法であって、
前記活動を決定することは、更に、
前記活動を検出することを含む、方法。
【請求項38】
請求項37に記載の方法であって、
前記活動を検出することは、更に、
前記対象が前記位置又は場所に位置している持続時間を決定することと、
事前に決定された持続時間にわたって前記対象が前記位置又は場所に位置している場合にのみ、前記活動を検出することと、
を含む、方法。
【請求項39】
請求項37に記載の方法であって、
前記活動を検出することは、更に、
前記対象にかかわる履歴的な活動に対応する前記対象の一連の履歴的な位置又は場所を受信することと、
前記対象の前記一連の位置又は場所を前記対象の前記一連の履歴的な位置又は場所と比較することと、
もし前記一連の現在位置又は現在場所が前記一連の履歴的な位置又は場所と一致する場合に、前記対象が前記履歴的な活動に関与していることを検出することと、
を含む、方法。
【請求項40】
請求項37に記載の方法であって、
前記活動を検出することは、更に、
前記対象の一連の位置又は場所を前記対象の一連の履歴的な位置又は場所と比較するためにパターン認識を使用することを含む、方法。
【請求項41】
請求項28に記載の方法であって、
前記活動を決定することは、更に、
前記対象の前記活動を検出することと、
前記対象の前記活動に関連付けられた情報を決定することと、
を含む、方法。
【請求項42】
請求項41に記載の方法であって、
前記活動に関連付けられた前記情報を決定することは、更に、
前記対象の前記位置又は場所の手段/モードを決定することによって前記活動の主要な位置又は場所を決定することを含む、方法。
【請求項43】
請求項41に記載の方法であって、
前記対象の前記活動に関連付けられた前記情報は、活動のタイプ、前記対象のアイデンティティ、前記対象に関連付けられた役割、前記活動の時間、前記活動の持続時間、前記活動の主要な位置、又は前記活動の主要な場所を含む、方法。
【請求項44】
請求項41に記載の方法であって、更に、
前記活動に関連付けられたデータ、及び前記活動に関する前記1つ又は2つ以上の情報を格納することを備える方法。
【請求項45】
対象にかかわる活動を決定するための方法であって、
前記対象を識別するデータを提供するために前記対象にリンクされた対象識別要素を提供することと、
前記対象を識別する前記データをもとに、前記対象の一連の現在位置又は現在場所を決定することと、
前記対象の前記一連の現在位置又は現在場所を、履歴的な活動に対応する一連の履歴的な位置又は場所と比較すること、及びもし前記一連の現在位置又は現在場所が前記一連の履歴的な位置又は場所と一致する場合に、前記対象が前記履歴的な活動に関与していることを検出することによって、前記対象の前記一連の現在位置又は現在場所に基づいて、前記対象にかかわる前記活動を決定することと、
を備える方法。
【請求項46】
請求項45に記載の方法であって、更に、
前記一連の履歴的な位置によって表わされる経路を決定することと、
前記一連の現在位置のなかの連続位置が実質的に前記経路沿いにあるかどうかを決定することと、
を備える方法。
【請求項47】
請求項45に記載の方法であって、
前記活動は、更に前記対象に関する1つ又は2つ以上のその他の情報に基づいて決定される、方法。
【請求項48】
請求項47に記載の方法であって、
前記1つ又は2つ以上のその他の情報は、前記対象の役割若しくはアイデンティティ、又は前記対象と第2の対象若しくは場所との間の関連付けを含む、方法。
【請求項49】
対象にかかわる活動を決定するための方法であって、
複数の対象のための複数の対象識別要素を提供することであって、各対象識別要素は、前記複数の対象のなかの一対象を識別するデータを提供するために前記対象にリンクされている、ことと、
前記対象を識別する前記データに基づいて、前記複数の対象のそれぞれの現在位置を決定することと、
前記複数の対象のそれぞれの前記現在位置に基づいて、前記複数の対象の間の関連付けを決定することと、
前記複数の対象の間の前記関連付け、及び前記複数の対象に関する1つ又は2つ以上のその他の情報に基づいて、前記対象にかかわる前記活動を決定することと、
を備える方法。
【請求項50】
請求項49に記載の方法であって、
前記1つ又は2つ以上のその他の情報は、対象の役割若しくはアイデンティティ、又は対象の一連の位置/場所を含む、方法。
【請求項1】
対象にかかわる活動を決定するためのシステムであって、
前記対象を識別するデータを提供するために前記対象にリンクされた対象識別要素と、
前記対象を識別する前記データをもとに、前記対象の位置又は場所を決定するように構成された位置決定モジュールと、
前記対象の前記位置又は場所に基づいて、前記対象にかかわる前記活動を決定するように構成された活動決定モジュールと、
を備えるシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、
前記活動決定モジュールは、前記対象の前記位置又は場所と、前記対象に関する1つ又は2つ以上のその他の情報とに基づいて、前記活動を検出する、システム。
【請求項3】
請求項2に記載のシステムであって、
前記1つ又は2つ以上のその他の情報は、前記対象のアイデンティティ、前記対象の役割、前記対象と第2の対象若しくは場所との間の関連付け、又は、一連の履歴的な位置若しくは場所を含む、システム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムであって、
前記対象識別要素は、トランスミッタ又はトランシーバを含む、システム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムであって、
前記対象識別要素は、
前記対象を識別する前記データを含む信号を伝送するように構成されたトランスミッタ、
前記対象を識別する前記データを要求する信号を受信するように構成されたレシーバ、並びに
前記対象識別要素の前記トランスミッタ及び前記レシーバを制御するためのプロセッサ、
のうちの、1つ又は2つ以上を含む、システム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムであって、
前記位置決定モジュールは、
前記対象を識別する前記データを提供する前記対象識別要素からの信号を受信するためのレシーバと、
前記対象を識別するデータを求める要求を伝送するためのトランスミッタと、
を含む、システム。
【請求項7】
請求項1に記載のシステムであって、更に、
前記位置決定モジュール及び前記活動決定モジュールが接続されたネットワークと、
信号の伝送又は受信が可能な少なくとも1つのシグナリングコンポーネントを含むネットワーク接続要素であって、前記対象識別要素によって提供される前記対象を識別する前記データを受信して、前記データを含む信号を前記位置決定モジュールに伝送するように構成されたネットワーク接続要素と、
を備えるシステム。
【請求項8】
請求項3に記載のシステムであって、更に、
前記第2の対象又は場所を識別するデータを提供するために前記第2の対象又は場所にリンクされた第2の対象識別要素であって、前記位置決定モジュールが前記第2の対象又は場所の第2の位置又は場所を決定するために、前記第2の対象又は場所を識別する前記データを使用する、第2の対象識別要素と、
前記対象の前記位置又は場所、及び前記第2の対象又は場所の前記第2の位置又は場所に基づいて、前記対象と前記第2の対象又は場所との間の前記関連付けを決定するように構成された関連付け決定モジュールと、
を備えるシステム。
【請求項9】
請求項8に記載のシステムであって、
前記関連付け決定モジュールは、
前記対象がしきい値時間以上の期間にわたって前記第2の対象又は場所の近くにあるかどうかを決定するために、前記対象の前記位置又は場所、及び前記第2の対象又は場所の前記第2の位置又は場所を使用するように、且つ
もし前記対象が前記第2の対象又は場所の近くにある前記期間が前記しきい値時間以上である場合に、前記対象と前記第2の対象又は場所との間の前記関連付けを決定するように、
構成される、システム。
【請求項10】
請求項1に記載のシステムであって、更に、
前記対象と第2の対象又は第2の位置若しくは場所との間の関連付けを決定するための関連付け決定モジュールを備えるシステム。
【請求項11】
請求項1に記載のシステムであって、
前記活動決定モジュールは、前記対象の活動を検出するように構成された活動検出サブモジュールを含む、システム。
【請求項12】
請求項11に記載のシステムであって、
前記活動検出サブモジュールは、前記対象にかかわる前記活動を検出するための手段を含む、システム。
【請求項13】
請求項11に記載のシステムであって、
前記活動検出サブモジュールは、
前記対象が前記位置又は場所に位置している持続時間を決定するように、且つ
事前に決定された持続時間にわたって前記対象が前記位置又は場所に位置している場合にのみ、前記対象の前記活動を検出するように、
構成される、システム。
【請求項14】
請求項11に記載のシステムであって、
前記活動検出サブモジュールは、
前記対象にかかわる履歴的な活動に対応する前記対象の一連の履歴的な位置又は場所を受信するように、
前記対象の前記一連の位置又は場所を前記対象の前記一連の履歴的な位置又は場所と比較するように、且つ
もし前記一連の現在位置又は現在場所が前記一連の履歴的な位置又は場所と一致する場合に、前記対象が前記履歴的な活動に関与していることを検出するように、
構成される、システム。
【請求項15】
請求項12に記載のシステムであって、
前記活動検出サブモジュールは、更に、前記対象の一連の位置又は場所を前記対象の一連の履歴的な位置又は場所と比較することによって前記活動を検出するためのパターン認識モジュールを含む、システム。
【請求項16】
請求項1に記載のシステムであって、
前記活動決定モジュールは、更に、
前記対象の活動を検出するように構成された活動検出サブモジュールと、
前記対象の前記活動に関連付けられた情報を決定するように構成された活動情報決定サブモジュールと、
を含む、システム。
【請求項17】
請求項16に記載のシステムであって、
前記活動検出サブモジュールは、更に、前記対象の前記位置又は場所の手段/モードを決定することによって前記活動の主要な位置又は場所を決定するための手段/モード決定モジュールを含む、システム。
【請求項18】
請求項16に記載のシステムであって、
前記対象の前記活動に関連付けられた前記情報は、活動のタイプ、前記対象のアイデンティティ、前記対象に関連付けられた役割、前記活動の時間、前記活動の持続時間、前記活動の主要な位置、又は前記活動の主要な場所を含む、システム。
【請求項19】
請求項16に記載のシステムであって、更に、
前記活動に関連付けられたデータ、及び前記活動に関する前記1つ又は2つ以上の情報を格納するためのストレージデバイスを備えるシステム。
【請求項20】
対象にかかわる活動を決定するためのシステムであって、
前記対象を識別するデータを提供するために前記対象にリンクされた対象識別要素と、
前記対象を識別する前記データをもとに、前記対象の一連の現在位置又は現在場所を決定するように構成された位置決定モジュールと、
前記対象の前記一連の現在位置又は現在場所に基づいて、前記対象にかかわる前記活動を決定するように構成された活動決定モジュールであって、
前記対象の前記一連の現在位置又は現在場所を、履歴的な活動に対応する一連の履歴的な位置又は場所と比較するように、且つ
もし前記一連の現在位置又は現在場所が前記一連の履歴的な位置又は場所と一致する場合に、前記対象が前記履歴的な活動に関与していることを検出するように、
構成される、活動決定モジュールと、
を備えるシステム。
【請求項21】
請求項20に記載のシステムであって、
前記活動決定モジュールは、更に、
前記対象の前記活動を検出するように構成された活動検出サブモジュールと、
前記対象の前記活動に関連付けられた情報を決定するように構成された活動情報決定サブモジュールと、
を含む、システム。
【請求項22】
請求項21に記載のシステムであって、
前記活動検出サブモジュールは、
前記一連の履歴的な位置によって表わされる経路を決定するように、且つ
前記一連の現在位置のなかの連続位置が実質的に前記経路沿いにあるかどうかを決定するように、
構成される、システム。
【請求項23】
請求項21に記載のシステムであって、
前記活動検出サブモジュールは、
更に前記対象に関する1つ又は2つ以上のその他の情報に基づいて、前記対象の前記活動を検出するように構成される、システム。
【請求項24】
請求項23に記載のシステムであって、
前記1つ又は2つ以上のその他の情報は、前記対象の役割若しくはアイデンティティ、又は前記対象と第2の対象若しくは場所との間の関連付けを含む、システム。
【請求項25】
対象にかかわる活動を決定するためのシステムであって、
複数の対象のための複数の対象識別要素であって、各対象識別要素は、前記複数の対象のなかの一つの対象を識別するデータを提供するために前記対象にリンクされている、複数の対象識別要素と、
前記対象を識別する前記データに基づいて、前記複数の対象のそれぞれの現在位置を決定するように構成された位置決定モジュールと、
前記複数の対象のそれぞれの前記現在位置に基づいて、前記複数の対象の間の関連付けを決定するように構成された関連付け決定モジュールと、
前記複数の対象の間の前記関連付け、及び前記複数の対象に関する1つ又は2つ以上のその他の情報に基づいて、前記対象にかかわる前記活動を決定するように構成された活動決定モジュールと、
を備えるシステム。
【請求項26】
請求項25に記載のシステムであって、
前記活動決定モジュールは、更に、
前記対象の前記活動を検出するように構成された活動検出サブモジュールと、
前記対象の前記活動に関連付けられた情報を決定するように構成された活動情報決定サブモジュールと、
を含む、システム。
【請求項27】
請求項25に記載のシステムであって、
前記1つ又は2つ以上のその他の情報は、前記対象の役割若しくはアイデンティティ、又は前記対象の一連の位置/場所を含む、システム。
【請求項28】
対象にかかわる活動を決定するための方法であって、
前記対象を識別するデータを提供するために前記対象にリンクされた対象識別要素を提供することと、
前記対象を識別する前記データをもとに、前記対象の位置又は場所を決定することと、
前記対象の前記位置又は場所に基づいて、前記対象にかかわる前記活動を決定することと、
を備える方法。
【請求項29】
請求項28に記載の方法であって、
前記活動は、前記対象の前記位置又は場所に、及び前記対象に関する1つ又は2つ以上のその他の情報に基づいて検出される、方法。
【請求項30】
請求項29に記載の方法であって、
前記1つ又は2つ以上のその他の情報は、前記対象のアイデンティティ、前記対象の役割、前記対象と第2の対象若しくは場所との間の関連付け、又は一連の履歴的な位置若しくは場所を含む、方法。
【請求項31】
請求項28に記載の方法であって、
前記対象識別要素は、トランスミッタ又はトランシーバを含む、方法。
【請求項32】
請求項28に記載の方法であって、
前記対象識別要素を提供することは、更に、
前記対象を識別する前記データを含む信号を伝送することと、
前記対象を識別する前記データを要求する信号を受信することと、
前記トランスミッタ及び前記レシーバを制御することと、
を含む、方法。
【請求項33】
請求項28に記載の方法であって、
前記対象の前記位置又は場所を決定することは、更に、
前記対象を識別する前記データを提供する前記対象識別要素からの信号を受信することと、
前記対象を識別するデータを求める要求を伝送することと、
を含む、方法。
【請求項34】
請求項30に記載の方法であって、更に、
前記第2の対象又は場所を識別するデータを提供するために前記第2の対象又は場所にリンクされた第2の対象識別要素を提供することと、
前記第2の対象又は場所の第2の位置又は場所を決定するために、前記第2の対象又は場所を識別する前記データを使用することと、
前記対象の前記位置又は場所、及び前記第2の対象又は場所の前記第2の位置又は場所に基づいて、前記対象と前記第2の対象又は場所との間の前記関連付けを決定することと、
を備える方法。
【請求項35】
請求項34に記載の方法であって、
前記関連付けを決定することは、更に
前記対象がしきい値時間以上の期間にわたって前記第2の対象又は場所の近くにあるかどうかを決定するために、前記対象の前記位置又は場所、及び前記第2の対象又は場所の前記第2の位置又は場所を使用することと、
もし前記対象が前記第2の対象又は場所の近くにある前記期間が前記しきい値時間以上である場合に、前記対象と前記第2の対象又は場所との間の前記関連付けを決定することと、
を含む、方法。
【請求項36】
請求項28に記載の方法であって、更に、
前記対象と第2の対象又は場所との間の関連付けを決定することを備える方法。
【請求項37】
請求項28に記載の方法であって、
前記活動を決定することは、更に、
前記活動を検出することを含む、方法。
【請求項38】
請求項37に記載の方法であって、
前記活動を検出することは、更に、
前記対象が前記位置又は場所に位置している持続時間を決定することと、
事前に決定された持続時間にわたって前記対象が前記位置又は場所に位置している場合にのみ、前記活動を検出することと、
を含む、方法。
【請求項39】
請求項37に記載の方法であって、
前記活動を検出することは、更に、
前記対象にかかわる履歴的な活動に対応する前記対象の一連の履歴的な位置又は場所を受信することと、
前記対象の前記一連の位置又は場所を前記対象の前記一連の履歴的な位置又は場所と比較することと、
もし前記一連の現在位置又は現在場所が前記一連の履歴的な位置又は場所と一致する場合に、前記対象が前記履歴的な活動に関与していることを検出することと、
を含む、方法。
【請求項40】
請求項37に記載の方法であって、
前記活動を検出することは、更に、
前記対象の一連の位置又は場所を前記対象の一連の履歴的な位置又は場所と比較するためにパターン認識を使用することを含む、方法。
【請求項41】
請求項28に記載の方法であって、
前記活動を決定することは、更に、
前記対象の前記活動を検出することと、
前記対象の前記活動に関連付けられた情報を決定することと、
を含む、方法。
【請求項42】
請求項41に記載の方法であって、
前記活動に関連付けられた前記情報を決定することは、更に、
前記対象の前記位置又は場所の手段/モードを決定することによって前記活動の主要な位置又は場所を決定することを含む、方法。
【請求項43】
請求項41に記載の方法であって、
前記対象の前記活動に関連付けられた前記情報は、活動のタイプ、前記対象のアイデンティティ、前記対象に関連付けられた役割、前記活動の時間、前記活動の持続時間、前記活動の主要な位置、又は前記活動の主要な場所を含む、方法。
【請求項44】
請求項41に記載の方法であって、更に、
前記活動に関連付けられたデータ、及び前記活動に関する前記1つ又は2つ以上の情報を格納することを備える方法。
【請求項45】
対象にかかわる活動を決定するための方法であって、
前記対象を識別するデータを提供するために前記対象にリンクされた対象識別要素を提供することと、
前記対象を識別する前記データをもとに、前記対象の一連の現在位置又は現在場所を決定することと、
前記対象の前記一連の現在位置又は現在場所を、履歴的な活動に対応する一連の履歴的な位置又は場所と比較すること、及びもし前記一連の現在位置又は現在場所が前記一連の履歴的な位置又は場所と一致する場合に、前記対象が前記履歴的な活動に関与していることを検出することによって、前記対象の前記一連の現在位置又は現在場所に基づいて、前記対象にかかわる前記活動を決定することと、
を備える方法。
【請求項46】
請求項45に記載の方法であって、更に、
前記一連の履歴的な位置によって表わされる経路を決定することと、
前記一連の現在位置のなかの連続位置が実質的に前記経路沿いにあるかどうかを決定することと、
を備える方法。
【請求項47】
請求項45に記載の方法であって、
前記活動は、更に前記対象に関する1つ又は2つ以上のその他の情報に基づいて決定される、方法。
【請求項48】
請求項47に記載の方法であって、
前記1つ又は2つ以上のその他の情報は、前記対象の役割若しくはアイデンティティ、又は前記対象と第2の対象若しくは場所との間の関連付けを含む、方法。
【請求項49】
対象にかかわる活動を決定するための方法であって、
複数の対象のための複数の対象識別要素を提供することであって、各対象識別要素は、前記複数の対象のなかの一対象を識別するデータを提供するために前記対象にリンクされている、ことと、
前記対象を識別する前記データに基づいて、前記複数の対象のそれぞれの現在位置を決定することと、
前記複数の対象のそれぞれの前記現在位置に基づいて、前記複数の対象の間の関連付けを決定することと、
前記複数の対象の間の前記関連付け、及び前記複数の対象に関する1つ又は2つ以上のその他の情報に基づいて、前記対象にかかわる前記活動を決定することと、
を備える方法。
【請求項50】
請求項49に記載の方法であって、
前記1つ又は2つ以上のその他の情報は、対象の役割若しくはアイデンティティ、又は対象の一連の位置/場所を含む、方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図16】
【図17】
【図18】
【公表番号】特表2011−511343(P2011−511343A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−543314(P2010−543314)
【出願日】平成21年1月21日(2009.1.21)
【国際出願番号】PCT/US2009/031615
【国際公開番号】WO2009/092117
【国際公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(510196800)コンソーシアム・ピー・インコーポレーテッド (5)
【氏名又は名称原語表記】CONSORTIUM P INCORPORATED
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月21日(2009.1.21)
【国際出願番号】PCT/US2009/031615
【国際公開番号】WO2009/092117
【国際公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(510196800)コンソーシアム・ピー・インコーポレーテッド (5)
【氏名又は名称原語表記】CONSORTIUM P INCORPORATED
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