説明

活動支援装置および活動支援方法

【課題】ユーザの身体活動への意欲をより確実に増進することができる活動支援装置を提供すること。
【解決手段】活動支援サーバ300は、身体の活動量に関連するデータをユーザから取得する端末から、データを収集する装置であって、複数の端末からデータを収集して蓄積する蓄積部303と、任意の端末のランキングを行う際の母集団となるデータ群を蓄積部303に蓄積されたデータ群から抽出する際の、母集団の条件を決定する母集団条件決定部304と、母集団の条件を満たすデータ群を蓄積部303に蓄積されたデータ群から抽出し、抽出したデータ群を、上述の任意の端末へ送信する通信部301とを有し、母集団条件決定部304は、上述の任意の端末から取得した所定の条件に適合する条件を、母集団の条件として決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体の活動量に関連するデータをユーザから取得する端末を、複数有するシステムで用いられる活動支援装置および活動支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医療費の急激な増加は国家予算を圧迫しており、最も多く医療費を占める生活習慣病への対策は国家的な課題となっている。政府は、医療制度の改革により治療重視から予防重視へと方向転換し、2008年から開始した特定健康診査・特定保健指導では、運動を第一とした生活習慣を呼びかけている。
【0003】
従来は、脂肪が燃焼し始めるには20分以上の運動が必要であると言われていた。ところが、近年、姿勢維持および立座り等のような日常的な身体活動においても、脂肪の燃焼が起こる事が分かってきている。このような非運動の身体活動によるエネルギー消費は、身体の活動強度を示し、NEAT(non-exercise activity thermogenesis:非運動性熱産生)と呼ばれている。
【0004】
NEATと運動とを合わせた身体活動の強度は、METs(metabolic equivalence)を単位として表される。1METsは、安静時の身体活動強度である。
【0005】
1999年に、Levineらは、3METs未満のNEATに相当する家事作業や日常作業等の身体活動の不足が、肥満の一要因であることを示した(例えば非特許文献1参照)。以来、NEATに関する研究が進み、行動が連続的であるか断続的であるかによらず、NEATの時間積分値に応じて肥満抑制の効果が得られることが分かっている。すなわち、細切れの時間の活動であっても、繰り返し行うことによって、肥満抑制の効果を十分に得られる事が分かっている。
【0006】
身体活動強度の時間積分値は、身体活動量であり、Ex(エクササイズ)を単位として表される。例えば、3METsの活動を2時間続けた場合や、2METsの活動を1時間ずつ3回行った場合は、身体活動量は6Exとなる。
【0007】
非特許文献2に記載されているように、身体活動と生活習慣病予防との関連を確かな根拠に基づいて調べた論文を世界中から集めて、内容を精査することが行われている。この結果、生活習慣病予防に効果がある身体活動量は、週当たり19〜26Ex(但し運動強度が3METs以上)であることが特定されている。そして、週当たり3METs以上の活動を23Ex以上、かつ、4METs以上の活発な運動を4Ex以上行うことが推奨されている。また、メタボリック・シンドローム該当者とその予備群に対しては、週当たり10Exの身体活動量を得られるように積極的な運動を行う事が推奨されている。各人は、このような身体活動量の目安を目標値として活動を行うことにより、病気の予防を図ることができる。
【0008】
ところが、一般人が自己の身体活動量を把握することは難しい。また、目標値が存在したとしても、活動継続のモチベーションを維持することは難しい。
【0009】
そこで、各ユーザの身体の物理的活動量(物理的に測定可能な身体活動量)を測る指標として、単位時間当たりの歩数を測定し、かつ、ユーザ群におけるランクをユーザ毎に算出して提示するシステムが、例えば特許文献1に記載されている。
【0010】
特許文献1記載のシステムは、複数のユーザのそれぞれの単位時間当たりの歩数を測定する複数の端末と、これら複数の端末から測定データを収集するサーバとを有する。各測定データは、そのユーザの性別や年齢等の属性の少なくとも一部に対応付けられている。
【0011】
サーバは、任意の端末から属性の指定を受け付ける。そして、サーバは、複数のユーザから収集されたデータのうち、指定された属性に対応するデータを母集団として、その端末のデータのランクを算出する。そして、各端末は、そのユーザの単位時間当たりの歩数と、サーバが算出したランクとを、ユーザに提示する。これにより、特許文献1記載のシステムは、ユーザに対して、他者との競争意識や連帯意識を生じさせることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2003−307431号公報
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】James A. Levine, Norman L. Eberthardt, Michael D. Jensen, "Role of Nonexercise Activity Thermogenesis in Resistance to Fat Gain in Humans," Science, 1999, Vol. 283, pp.212-214
【非特許文献2】「健康づくりのための運動指針2006 〜生活習慣病予防のために〜」、エクササイズガイド2006、運動所要量・運動指針の策定検討会、2006
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、特許文献1記載の技術では、ユーザの身体活動の継続に対する意欲を増進させることができない場合がある。理由は以下の通りである。例えば、50人中3位程度のランキングのときには、1位を取ることが強いモチベーションとなり身体活動への意欲は湧き易い。一方で、50人中30位程度のランキングのときには、1位になることは困難であるため、身体活動への意欲は湧き難い。ところが、各ユーザは、前者のような、自ら意味合いを持って取り組めるようなランクを獲得することができるとは限らない。特に、ランキングの母集団が不特定多数である場合は、このようなランクを獲得することはより困難となる。
【0015】
本発明の目的は、ユーザの身体活動への意欲をより確実に増進することができる活動支援装置およびその方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の活動支援装置は、身体の活動量に関連するデータをユーザから取得する端末から、前記データを収集する活動支援装置であって、複数の前記端末から前記データを収集して蓄積する蓄積部と、任意の前記端末のランキングを行う際の母集団となるデータ群を前記蓄積部に蓄積されたデータ群から抽出する際の、前記母集団の条件を決定する母集団条件決定部と、前記母集団の条件を満たすデータ群を前記蓄積部に蓄積されたデータ群から抽出し、抽出したデータ群を、前記任意の端末へ送信する送信部とを有し、前記母集団条件決定部は、前記任意の端末から取得した所定の条件に適合する条件を、前記母集団の条件として決定する。
【0017】
本発明の活動支援方法は、身体の活動量に関連するデータをユーザから取得する端末から、前記データを収集する活動支援方法であって、複数の前記端末から前記データを収集して蓄積するステップと、任意の前記端末から取得した所定の条件に適合する条件を、前記任意の端末のランキングを行う際の母集団となるデータ群を前記蓄積されたデータ群から抽出する際の、前記母集団の条件として決定するステップと、前記母集団の条件を満たすデータ群を前記蓄積されたデータ群から抽出し、抽出したデータ群を、前記任意の端末へ送信するステップとを有する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、端末から取得された条件に適合する条件で母集団が絞り込まれるので、ユーザの身体活動への意欲をより確実に増進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態1に係る活動支援装置を含む活動支援システムの構成の一例を示すシステム構成図
【図2】本実施の形態1に係る活動支援端末の構成および活動支援サーバの構成の一例を示すブロック図
【図3】本実施の形態1における活動支援端末の動作の一例を示すフローチャート
【図4】本実施の形態1における母集団条件指定メニュー画面の一例を示す図
【図5】本実施の形態1におけるランキング表示画面の一例を示す図
【図6】本実施の形態1に係る活動支援サーバの動作の一例を示すフローチャート
【図7】本実施の形態1におけるデータ群の構成の一例を示す図
【図8】本実施の形態1における母集団条件決定処理の一例を示すフローチャート
【図9】本実施の形態1における母集団条件抽出処理の一例を示すフローチャート
【図10】本実施の形態1における複数のレベルの一例を示す図
【図11】本発明の実施の形態2における持久力判定処理の一例を示すフローチャート
【図12】本実施の形態2における持久力算出用情報テーブルの一例を示す図
【図13】本実施の形態2における筋力判定処理の一例を示すフローチャート
【図14】本実施の形態2における筋力算出用情報テーブルの一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の各実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る活動支援装置を含む活動支援システムの構成の一例を示すシステム構成図である。本実施の形態は、本発明を、不特定多数のユーザから身体の物理的活動量に関連するデータ(以下「測定データ」という)を収集し、収集した測定データに基づいて各ユーザの身体活動の促進を支援するシステムに適用した例である。
【0022】
図1において、活動支援システム100は、それぞれ別のユーザによって携帯される複数の活動支援端末200と、本発明に係る活動支援装置を含む活動支援サーバ300と、地図情報サーバ400とを有する。各活動支援端末200、活動支援サーバ300、および地図情報サーバ400は、インターネット500を介して互いに通信可能に接続されている。
【0023】
活動支援端末200は、逐次、その活動支援端末200を携帯する不特定多数のユーザ(以下適宜「参加者」という)から測定データを取得し、取得した測定データを活動支援サーバ300へ送信する。一方、活動支援端末200は、活動支援サーバ300から、他の参加者の測定データおよび状態データを含むデータ群(以下単に「データ群」という)を受信する。ここで、状態データとは、参加者の活動エリア等の各種属性の状態を記述するデータである。また、活動支援端末200は、受信したデータ群に基づいてその活動支援端末200のランクを定義する際の、母集団の条件(以下「母集団条件」という)を、活動支援サーバ300から受信する。そして、活動支援端末200は、受信したデータ群に対して、受信した母集団条件を適用したときのランクを、そのユーザに提示する。
【0024】
なお、ここで、ランクとは、「3位」等の具体的な順位だけでなく、「3位〜10位」等の順位範囲、「上位から5%」等の相対的な位置、「上位から5%〜8%」等の相対的な位置範囲等を含む広い概念とする。
【0025】
活動支援サーバ300は、複数の活動支援端末200から測定データおよび状態データを収集して蓄積する。また、活動支援サーバ300は、任意の活動支援端末200に対して、母集団条件を決定し、決定した母集団条件と蓄積する最新のデータ群とを送信する。但し、このとき、活動支援サーバ300は、その活動支援端末200の現在のランクが所定のランクとなるような母集団条件を決定する。
【0026】
ここで、所定のランクは、所定の上位ランクまたは活動支援端末200のユーザが指定したレベルのランク等、ユーザが自ら意味合いを持って取り組めるようなランクである。
【0027】
地図情報サーバ400は、少なくともサービス提供の対象となる地域の地図情報を格納する。地図情報サーバ400が格納する地図情報は、各活動支援端末200および活動支援サーバ300から参照および取得が可能となっている。
【0028】
このような活動支援システム100は、ユーザが自ら意欲を持って取り組めるランクに現在のランクがなるように母集団を決定し、その母集団におけるランクの変化をユーザに提示することができる。これにより、活動支援システム100は、各ユーザの身体活動への意欲をより確実に増進することができる。
【0029】
次に、各装置の構成について説明する。
【0030】
図2は、活動支援端末200の構成および活動支援サーバ300の構成の一例を示すブロック図である。
【0031】
まず、活動支援端末200の構成について説明する。図2において、活動支援端末200は、操作部201、加速度センサ202、方位センサ203、活動量検出部204、記憶部205、通信部206、時計207、ランク算出部208、出力部209、心拍センサ210、負荷量検出部211、GPS受信部212、および位置検出部213を有する。
【0032】
操作部201は、キースイッチ(図示せず)を有し、ランク算出部208に対する各種操作をユーザから受け付ける。特に、操作部201は、母集団条件に含まれるべき付随的な条件(以下「付随条件」という)の指定(以下「条件指定」という)をユーザから受け付ける。付随条件は、例えば、男性ユーザのデータ群のみを採用するというように、ランキングの母集団であるデータ群のユーザの属性を絞り込むための条件である。そして、操作部201は、条件指定の内容を示すデータ(以下「条件指定データ」という)を、ランク算出部208を介して、記憶部205へ出力する。
【0033】
加速度センサ202は、3次元方向の加速度を検知し、活動支援端末200に掛かる加速度の加速度値を活動量検出部204へ出力する。
【0034】
方位センサ203は、地磁気を検知し、活動支援端末200の活動位置における移動方向を活動量検出部204へ出力する。
【0035】
活動量検出部204は、活動支援端末200に掛かる加速度および活動支援端末200の移動速度と、その活動支援端末200を携帯するユーザの身体活動量との相関関係を、予め格納している。この相対関係は、例えば実験により得ることができる。活動量検出部204は、加速度センサ202および方位センサ203から入力される加速度値および移動方向に基づいて、活動支援端末200に掛かる加速度および移動速度を算出する。なお、移動速度は、後述のGPS受信部212が取得するGPS情報に基づき、位置の時間変化から求めることもできる。そして、活動量検出部204は、加速度および移動速度と上述の相関関係とから、単位時間当たりのユーザの身体活動量を、検出結果として取得する。そして、活動量検出部204は、単位時間当たりの身体活動量のデータ(測定データの1つ、以下「活動量データ」という)を、記憶部205へ出力する。
【0036】
なお、ここで、加速度とは、活動量に寄与する成分(鉛直方向成分)のみをいい、移動に寄与する成分(移動方向成分)を含まないものとする。この加速度成分の分離は、例えば、活動支援端末200の移動方向と重力方向とに基づいて行うことができる。
【0037】
記憶部205は、入力される各種データを記憶する。記憶部205が活動支援端末200自身のデータとして記憶するデータは、状態データ、活動量データ、および条件指定データを含む。また、記憶部205が活動支援サーバ300からのデータとして記憶するデータは、母集団条件データおよびデータ群を含む。
【0038】
ここで、状態データが記述するユーザの属性は、活動時間、活動位置、活動エリア、経路(活動経路)、強度(活動強度)、年齢、および性別のうち少なくとも1つを含む。活動時間は、NEATおよび運動に相当する活動量が一定強度以上となっている状態が、一定時間長以上継続した区間の、時間長である。活動位置、活動エリア、および経路は、後述の位置検出部213が生成する位置データから取得される。ある時刻における緯度経度は、活動位置として取得される。また、ある時刻からある時間長の範囲における緯度経度の時系列(移動履歴または軌跡)は、経路として取得される。また、ある時刻からある時間長の範囲における緯度経度の時系列の範囲は、活動エリアとして取得される。強度は、後述の負荷量検出部211が生成する負荷量データから取得される。年齢および性別は、操作部201のユーザ操作によって入力される。
【0039】
また、活動量データは、上述の通り、ユーザの身体活動量のデータである。また、条件指定データは、上述の通り、条件指定の内容を示すデータである。母集団条件データは、活動支援サーバ300から送られてくるデータであり、上述の母集団条件を記述するデータである。データ群は、上述の通り、活動支援サーバ300が収集した複数の活動支援端末200の測定データおよび状態データの集合である。
【0040】
通信部206は、定期的に、記憶部205に記憶されている最新の活動量データおよび状態データを、活動支援サーバ300へ送信する。また、通信部206は、活動支援サーバ300から送られてくる母集団条件データおよびデータ群を受信し、記憶部205へ出力する。
【0041】
時計207は、活動支援サーバ300の時刻と同期して、時刻を計時する。時刻の同期は、例えば、通信部206が活動支援サーバ300と通信を行う際に、時計207と活動支援サーバ300とが時刻情報を交換することにより行われる。
【0042】
ランク算出部208は、記憶部205に格納された、データ群、母集団条件データ、および活動支援端末200の活動量データから、活動支援端末200の現在のランクを算出する。但し、ランクを定義する際の母集団は、データ群のうち、母集団条件データが示す母集団の条件を満たすデータ群である。
【0043】
出力部209は、液晶ディスプレイ等の表示装置およびラウドスピーカ等の音響装置(いずれも図示せず)を有し、各種の情報を出力する。特に、出力部209は、母集団条件指定メニュー画面およびランキング表示画面を表示する。
【0044】
母集団条件指定メニュー画面は、条件指定をユーザから受け付けるための画面である。ランキング表示画面は、ランキング結果をユーザに提示する画面である。
【0045】
心拍センサ210は、ユーザの心拍を検出し、心拍を検出する毎に、検出信号を負荷量検出部211へ出力する。
【0046】
負荷量検出部211は、心拍センサ210から入力される検出信号に基づいて心拍数を算出し、単位時間当たりの負荷量のデータ(以下「負荷量データ」という)を記憶部205へ出力する。この負荷量データは、状態データの1つとして扱われる。
【0047】
GPS受信部212は、GPS(global positioning system)信号を受信し、GPS情報を取得して、位置検出部213へ出力する。
【0048】
位置検出部213は、GPS受信部212から入力されるGPS情報に基づいて、活動支援端末200の位置を取得し、位置データを記憶部205へ出力する。この位置データは、状態データの1つとして扱われる。
【0049】
活動支援端末200は、例えば、CPU(central processing unit)、制御プログラムを格納したROM(read only memory)等の記憶媒体、RAM(random access memory)等の作業用メモリ、および通信回路等を有する。この場合、上記した各部の機能は、CPUが制御プログラムを実行することにより実現される。
【0050】
このような構成を有する活動支援端末200は、活動支援サーバ300に対して、定期的な測定データおよび状態データの送信を行いつつ、条件指定をユーザから受け付け、随時の条件指定データの送信を行うことができる。また、活動支援端末200は、活動支援サーバ300から、データ群および母集団条件データを受信し、母集団条件データが示す母集団条件をデータ群に適用したときのランクを、そのユーザに提示することができる。
【0051】
次に、活動支援サーバ300の構成について説明する。図2において、活動支援サーバ300は、通信部301、時計302、蓄積部303、母集団条件決定部304、およびデータ抽出部305を有する。
【0052】
通信部301は、定期的に、複数の活動支援端末200のそれぞれから定期的に送られてくる活動量データおよび状態データを受信し、蓄積部303へ出力する。また、通信部301は、活動支援端末200から随時に送られてくる条件指定データを受信し、母集団条件決定部304へ出力する。更に、通信部301は、母集団条件決定部304およびデータ抽出部305からの制御を受けて、母集団条件データおよびデータ群の活動支援端末200への送信を行う。
【0053】
時計302は、活動支援端末200の時刻と同期して、時刻を計時する。
【0054】
蓄積部303は、入力される各種データを蓄積する。蓄積部303が蓄積するデータは、上述の、複数の活動支援端末200の活動量データおよび状態データからなるデータ群である。
【0055】
母集団条件決定部304は、母集団条件決定処理を行う。母集団条件決定処理は、条件指定データの送信元の活動支援端末200(以下「要求元」という)の活動量データおよび状態データと、蓄積部303に蓄積されるデータ群とから、その条件指定データに従って母集団条件を決定する処理である。このとき、母集団条件決定部304は、要求元の現在のランクが所定のランクとなるような母集団条件を決定する。そして、母集団条件決定部304は、決定した母集団条件を記述する母集団条件データを、通信部301を介して、要求元へ送信する。
【0056】
データ抽出部305は、蓄積部303に蓄積されるデータ群に、母集団条件や母集団が変化するような更新が行われる毎に、複数の活動支援端末200のそれぞれに対して、通信部301を介して、最新のデータ群を送信する。母集団条件や母集団の変化は、例えば、母集団条件に含まれている他の参加者が、活動を止める等して母集団条件に含まれないこととなった場合に発生する。
【0057】
活動支援サーバ300は、例えば、CPU、制御プログラムを格納したROM等の記憶媒体、RAM等¥の作業用メモリ、および通信回路等を有する。この場合、上記した各部の機能は、CPUが制御プログラムを実行することにより実現される。
【0058】
このような構成を有する活動支援サーバ300は、複数の活動支援端末200から測定データおよび状態データを収集して、そのデータ群を、各活動支援端末200へ送信することができる。また、活動支援サーバ300は、活動支援端末200が指定する付随条件を満たし、かつ、現在のランクが所定のランクとなるような母集団条件データを、その活動支援端末200に返信することができる。すなわち、活動支援サーバ300は、活動支援端末200のユーザが要求する付随条件を満たしつつ、その活動支援端末200が所定のランクが得られるような母集団(データ群)を、その活動支援端末200に取得させることができる。
【0059】
次に、各装置の動作について説明する。まず、活動支援端末200の動作について説明する。
【0060】
なお、記憶部205には、操作部201のユーザ操作、負荷量検出部211が生成する負荷量データ、および位置検出部213が生成する位置データに基づいて、活動支援端末200の状態データが、常に格納されている状態とする。また、記憶部205には、加速度値および移動方向に基づいて活動量検出部204が生成した活動量データが、常に格納された状態になっているものとする。また、記憶部205には、出力部209が新たな条件指定をユーザから受け付ける毎に、その内容を示す条件指定データが出力部209から格納されるものとする。
【0061】
図3は、活動支援端末200の動作の一例を示すフローチャートである。
【0062】
まず、ステップS1010において、通信部206は、活動量データおよび状態データを、活動支援サーバ300へ送信する。具体的には、通信部206は、記憶部205に格納された活動量データおよび状態データのうち、活動支援サーバ300へ未送信のものを取得し、活動支援サーバ300へ送信する。
【0063】
そして、ステップS1020において、通信部206は、条件指定の内容が更新された否かを判断する。具体的には、通信部206は、記憶部205に新たな条件指定データが格納されたか否かを判断する。条件指定データは、上述の通り、出力部209が母集団条件指定メニューに対するユーザ操作を受けて生成するものである。
【0064】
図4は、母集団条件指定メニュー画面の一例を示す図である。
【0065】
図4に示すように、母集団条件指定メニュー画面610は、指定条件欄611と、選択条件欄612とを有する。但し、選択条件欄612は、活動支援サーバ300から母集団条件データを受信していない初期の状態では、表示されない。指定条件欄611は、対象選択欄613、人数選択欄614、性別選択欄615、年齢選択欄616、活動レベル選択欄617、および地域選択欄618を有する。また、選択条件欄612は、条件候補選択欄619および条件候補図示欄620を有する。
【0066】
対象選択欄613は、ランキングの比較基準となる測定データを限定する際の選択肢として、例えば、「活動時間、歩数、回数・・・」等を表示する。人数選択欄614は、ランキングの母集団の参加者の人数を限定する際のその人数の入力を受け付ける。性別選択欄615は、ランキングの母集団の参加者の性別を限定する際の選択肢として、「M(男性)、F(女性)」を表示する。年齢選択欄616は、ランキングの母集団の参加者の年齢または年代を限定する際の、その年齢または年代の入力を受け付ける。地域選択欄618は、ランキングの母集団の参加者の地域を限定する際の、その地域の位置および範囲の入力を受け付ける。具体的には、地域選択欄618は、拡大縮小操作およびスクロール操作が可能な地図を表示し、任意の点および範囲の入力を受け付ける。出力部209は、例えば、地図情報サーバ400から取得した地図情報に基づいて、地図を表示するとともに、指定された点および範囲の緯度経度情報を取得する。
【0067】
活動レベル選択欄617は、ユーザが上位にランキングされるための難易度の活動レベル(以下単に「レベル」という)を限定する際に、そのレベルの入力を受け付ける。具体的には、活動レベル選択欄617は、横軸を対象選択欄613で指定された項目の測定データ(図4では「活動時間」が選択されている場合を示す)の値、縦軸を測定データの改善率とするグラフを示す。ここで、改善率とは、例えば、単位時間当たりの測定データの値の改善率の平均値または最大値である。そして、活動レベル選択欄617は、ユーザの測定データに対応するユーザレベル点621の入力と、ランキングの母集団の範囲に対応する母集団レベル枠622の入力とを受け付ける。すなわち、活動レベル選択欄617は、母集団レベル枠622に対するユーザレベル点621の相対位置の入力によって、レベルを入力する。
【0068】
条件候補選択欄619は、活動支援サーバ300から受信した1つまたは複数の母集団条件を、選択対象(複数の場合は選択肢)として表示する。条件候補図示欄620は、条件候補選択欄619が表示する母集団条件のうち地図で表すことができる内容(例えば経路)を、選択対象(選択肢)として、地図に重畳して図示する。出力部209は、例えば、地図情報サーバ400から取得した地図情報に基づいて、地図および地図に重畳される情報の表示を行う。
【0069】
出力部209は、例えば「対象:活動時間、かつ、性別:M(男性)」というように母集団条件指定メニュー画面610において条件指定が行われると、その内容を示す条件指定データを生成し、記憶部205へ格納する。
【0070】
通信部206は、条件指定の内容が更新されていない場合(つまり、母集団条件指定メニュー画面における新たな条件指定が行われていない場合)(S1020:NO)は、後述のステップS1080へ進む。また、通信部206は、条件指定の内容が更新された場合(S1020:YES)は、ステップS1030へ進む。
【0071】
ステップS1030において、通信部206は、新たな条件指定データを活動支援サーバ300へ送信する。この結果、活動支援サーバ300からは、母集団条件データが返信される。
【0072】
ステップS1040おいて、通信部206は、活動支援サーバ300から返信される母集団条件データを受信し、記憶部205へ格納する。
【0073】
そして、ステップS1050において、出力部209は、記憶部205への新たな母集団条件データの格納を受けて、その母集団条件データの内容(母集団条件)を表示する。具体的には、出力部209は、母集団条件指定メニュー画面の指定条件欄611(図4参照)に、受信した1つまたは複数の母集団条件を、選択対象(選択肢)として表示する。
【0074】
そして、ステップS1060において、出力部209は、母集団条件指定メニュー画面において、いずれかの母集団条件が選択されたか否かを判断する。出力部209は、母集団条件が選択されていない場合(S1060:NO)は、ステップS1070へ進む。
【0075】
ステップS1070において、出力部209は、所定の時間が経過するのを待ち、ステップS1010へ戻る。
【0076】
そして、出力部209は、母集団条件が選択された場合(S1060:YES)は、選択された母集団条件をランク算出部208へ出力して、ステップS1080へ進む。
【0077】
ステップS1080において、通信部206は、活動支援サーバ300からデータ群を受信したか否かを判断する。通信部206は、データ群を受信していない場合(S1080:NO)は、ステップS1010へ戻る。また、通信部206は、データ群を受信した場合(S1080:YES)は、受信したデータ群を記憶部205へ出力して、ステップS1090へ進む。
【0078】
ステップS1090において、ランク算出部208は、活動支援端末200の現在のランクを算出する。具体的には、ランク算出部208は、まず、記憶部205に新たに格納されたデータ群のうち、出力部209から入力された母集団条件を満たすデータ群を母集団として抽出する。そして、ランク算出部208は、記憶部205から活動支援端末200の活動量データを抽出し、抽出した活動量データにおけるランクを算出し、出力部209へ出力する。
【0079】
そして、ステップS1100において、出力部209は、ランクの入力を受けて、活動支援端末200のユーザが活動中(例えば、ランニング中)であるか、つまり出力部209の画面を視認することが困難であるか否を判断する。ユーザが活動中であるか否かは、例えば、記憶部205に格納されている活動量データから判断することができる。出力部209は、ユーザが活動中ではない場合(S1100:NO)は、ステップS1110へ進む。なお、出力部209は、入力されたランクを、少なくとも次のランクが入力されるまで保持する。
【0080】
ステップS1110において、出力部209は、現在のランクを表示する。具体的には、出力部209は、ランキング表示画面を生成して表示する。
【0081】
図5は、ランキング表示画面の一例を示す図であり、図4に示す母集団条件指定メニュー画面に対応するものである。図4と同一部分には同一符号を付し、これについての説明を省略する。
【0082】
図5に示すように、ランキング表示画面630は、指定条件欄611と、選択条件欄612とを有する。但し、選択条件欄612は、選択条件表示欄632、選択条件図示欄633、およびランク表示欄634を有する。
【0083】
選択条件表示欄632は、母集団条件指定メニュー画面610の指定条件欄611(図4参照)において選択された母集団条件を表示する。選択条件図示欄633は、選択条件表示欄632が表示する母集団条件のうち地図で表すことができる内容(例えば経路)等を、地図に重畳して図示する。具体的には、選択条件図示欄633は、母集団条件の経路635、活動支援端末200の現在位置および移動方向636、ランキングの母集団の他の参加者(他の活動支援端末200)の現在位置637を表示する。ランク表示欄634は、現在のランクと、ランキングの母集団の参加者の人数とを表示する。
【0084】
出力部209は、現在のランクを表示すると、ステップS1120へ進む。なお、出力部209は、ユーザが活動中である場合(S1100:YES)は、ステップS1110を経ずに、ステップS1120へ進む。すなわち、ユーザが活動中であり、表示を視認することが難しいときには、ランクの表示は行われない。これにより、活動支援端末200は、電力の消耗を抑えることができる。
【0085】
そして、ステップS1120において、出力部209は、活動支援端末200のランクが改善されたか、つまり、現在のランクが1つ前に取得したランクよりも上がったか否かを判断する。出力部209は、ランクが改善されている場合(S1120:YES)は、ステップS1130へ進み、ランクが改善されていない場合(S1120:NO)は、ステップS1140へ進む。
【0086】
ステップS1130において、出力部209は、予め定められた第1の鳴動を行う。
【0087】
また、ステップS1140において、出力部209は、第1の鳴動との区別が容易な、予め定められた第2の鳴動を行う。なお、出力部209は、第1および第2の鳴動のいずれか一方または両方を、振動、光の点滅等、他の情報の出力形態としてもよいし、または複数の出力形態を組み合わせてもよい。
【0088】
そして、ステップS1150において、活動支援端末200は、ユーザ操作等により処理の終了を指示されたか否かを判断する。活動支援端末200は、処理の終了を指示されていない場合(S1150:NO)は、ステップS1010へ戻り、処理の終了を指示された場合(S1150:YES)は、一連の処理を終了する。
【0089】
このような動作により、活動支援端末200は、適切なタイミングで活動支援サーバ300との各種データの送受信を行い、適切な手段で現在のランクをユーザに提示することができる。
【0090】
次に、活動支援サーバ300の動作について説明する。
【0091】
図6は、活動支援サーバ300の動作の一例を示すフローチャートである。
【0092】
まず、ステップS2010において、通信部301は、複数の活動支援端末200のいずれかから活動量データおよび状態データを受信したか否かを判断する。通信部301は、活動量データおよび状態データを受信した場合(S2010:YES)は、ステップS2020へ進む。また、通信部301は、活動量データおよび状態データを受信していない場合(S2010:NO)は、次のステップS2030へ進む。
【0093】
ステップS2020において、通信部301は、受信した活動量データおよび状態データを、蓄積部303へ出力し、複数の活動支援端末200のデータ群を構成するデータとして記録する。
【0094】
図7は、蓄積部303に蓄積されるデータ群の構成(格納フォーマット)の一例を示す図である。
【0095】
図7に示すように、データ群700は、例えば、ユーザID710に対応した、属性720、身体活動強度(単位はMETs)730、身体活動量(単位はEx)740、歩行履歴750、および運動履歴760等を含む。
【0096】
属性720は、ユーザの年齢、性別、および地域を含む。身体活動強度730は、身体活動強度の単位時間当たりの平均値、最高値、および最低値を含む。身体活動量740は、3METs以上4METs未満の身体活動強度値が持続した区間における身体活動量の積算値の、週当たりの累計値の平均値を含む。また、身体活動量740は、4METs以上の身体活動強度値が持続した区間における身体活動量の積算値の、週当たりの累計値の平均値を含む。また、身体活動量740は、3METs以上の身体活動強度値が持続した区間における身体活動量の積算値の、週当たりの累計値の平均値を含む。
【0097】
歩行履歴750は、時間ID751、歩行距離752、歩数753、速度754、ピッチ755、心拍数756、時刻757、および経路758を含むリストの構成となっている。歩行履歴750は、例えば、100ミリ秒単位に測定した値の、1分単位の累積値の記録である。歩数753、速度754、ピッチ755、および心拍数756は、それぞれ、単位時間当たりの平均値、最高値、および最低値を含む。そして、時刻757は、開始時刻と終了時刻とを含む。更に、経路758は、細かい時間単位で、緯度、経度、および高度からなる位置と、その位置にいたときの時刻とを対応付けて記述するリストの構成となっている。開始時刻は、歩数がある一定ピッチで測定される時刻とし、終了時刻は、歩数はある一定ピッチで測定されなくなる時刻とする。
【0098】
運動履歴は、時間ID761、回数762、ピッチ763、心拍数764、時刻765、および位置766を含むリストの構成となっている。運動履歴は、例えば、100ミリ秒単位に測定した値の、1分単位の累積値の記録である。ピッチ763および心拍数764は、それぞれ、単位時間当たりの平均値、最高値、および最低値を含む。時刻765は、開始時刻と終了時刻とを含む。位置は、緯度、経度、および高度からなる。開始時刻は、ある一定強度以上の身体活動量がある一定時間以上継続される区間の先頭の時刻とし、終了時刻は、ある一定強度以上の身体活動量がある一定時間以上継続されなくなった時刻とする。
【0099】
そして、図6のステップS2030において、通信部301は、複数の活動支援端末200のいずれかから条件指定データを受信したか否かを判断する。通信部301は、条件指定データを受信した場合(S2030:YES)は、受信した条件データを母集団条件決定部304へ出力し、ステップS2040へ進む。また、通信部301は、条件指定データを受信していない場合(S2030:NO)は、後述のステップS2060へ進む。
【0100】
ステップS2040において、母集団条件決定部304は、条件指定データの入力を受けて、上述の母集団条件決定処理を行い、要求元に送信すべき母集団条件を決定する。母集団条件決定処理の詳細については後述する。
【0101】
そして、ステップS2050において、母集団条件決定部304は、決定した母集団条件の内容を示す母集団条件データを生成し、通信部301を介して要求元へ送信する。
【0102】
そして、ステップS2060において、データ抽出部305は、蓄積部303に格納されたデータ群が更新されたか、つまり、新たな活動量データおよび状態データが蓄積部303に格納されたか否かを判断する。データ抽出部305は、データ群が更新されていない場合(S2060:NO)は、ステップS2010へ戻り、データ群が更新された場合(S2060:YES)は、ステップS2070へ進む。
【0103】
ステップS2070において、データ抽出部305は、蓄積部303に格納された最新のデータ群を、通信部301を介して複数の活動支援端末200のそれぞれに送信する。
【0104】
そして、ステップS2080において、活動支援サーバ300は、オペレータ操作等により処理の終了を指示されたか否かを判断する。活動支援サーバ300は、処理の終了を指示されていない場合(S2080:NO)は、ステップS2010へ戻り、処理の終了を指示された場合(S2080:YES)は、一連の処理を終了する。
【0105】
このような動作により、活動支援サーバ300は、適切なタイミングで活動支援端末200との各種データの送受信を行うと共に、適切な母集団条件を活動支援端末200に通知することができる。
【0106】
次に、母集団条件決定処理の詳細について説明する。
【0107】
図8は、母集団条件決定処理の一例を示すフローチャートである。
【0108】
まず、ステップS3010において、母集団条件決定部304は、通信部301から入力された条件指定データから、送信元のユーザによる条件指定の内容を取得する。条件指定の内容は、活動支援端末200において、母集団条件指定メニュー画面で指定された内容である(図4参照)。
【0109】
そして、ステップS3020において、母集団条件決定部304は、条件指定に、レベル指定が含まれるか否かを判断する。母集団条件決定部304は、レベル指定が含まれている場合(S3020:YES)は、ステップS3030へ進み、レベル指定が含まれていない場合(S3020:NO)は、次のステップS3040へ進む。
【0110】
ステップS3030において、母集団条件決定部304は、予め定められたデフォルトのレベルを、指定レベルに設定する。
【0111】
そして、ステップS3040において、母集団条件決定部304は、条件指定に、人数指定が含まれるか否かを判断する。母集団条件決定部304は、人数指定が含まれている場合(S3040:YES)は、ステップS3050へ進み、人数指定が含まれていない場合(S3040:NO)は、次のステップS3060へ進む。
【0112】
ステップS3050において、母集団条件決定部304は、条件指定が指定する人数を、指定人数として記憶する。
【0113】
そして、ステップS3060において、母集団条件決定部304は、条件指定に、性別指定が含まれるか否かを判断する。母集団条件決定部304は、性別指定が含まれている場合(S3060:YES)は、ステップS3070へ進み、性別指定が含まれていない場合(S3060:NO)は、次のステップS3080へ進む。
【0114】
ステップS3070において、母集団条件決定部304は、蓄積部303に格納されたデータ群を、条件指定が指定する性別で絞る。
【0115】
そして、ステップS3080において、母集団条件決定部304は、条件指定に、年齢(年代、年齢の幅)指定が含まれるか否かを判断する。母集団条件決定部304は、年齢指定が含まれている場合(S3080:YES)は、ステップS3090へ進み、年齢指定が含まれていない場合(S3080:NO)は、次のステップS3100へ進む。
【0116】
ステップS3090において、母集団条件決定部304は、ステップS3070で絞られたデータ群を、条件指定が指定する年齢で更に絞る。
【0117】
そして、ステップS3100において、母集団条件決定部304は、条件指定に、地域指定が含まれるか否かを判断する。母集団条件決定部304は、地域指定が含まれている場合(S3100:YES)は、ステップS3110へ進み、地域指定が含まれていない場合(S3100:NO)は、次のステップS3120へ進む。
【0118】
ステップS3110において、母集団条件決定部304は、ステップS3090で絞られたデータ群を、条件指定が指定する地域(緯度経度範囲)で更に絞る。
【0119】
そして、ステップS3120において、母集団条件決定部304は、条件指定に、対象(測定データ)指定が含まれるか否かを判断する。母集団条件決定部304は、対象指定が含まれていない場合(S3120:NO)は、ステップS3130へ進み、対象指定が含まれている場合(S3120:YES)は、ステップS3140へ進む。
【0120】
ステップS3130において、母集団条件決定部304は、全ての対象(測定データ)を、指定対象に設定する。
【0121】
そして、ステップS3140において、母集団条件決定部304は、母集団条件抽出処理を行う。母集団条件抽出処理は、指定対象と、指定レベルと、適宜絞り込んだデータ群とに基づいて、母集団条件を抽出し、母集団条件データを生成する処理である。以下、ステップS3060〜S3120の処理を経て、適宜絞り込みが行われたデータ群(結果として絞り込みが行われていないものも含む)を、「絞り込み後データ群」という。
【0122】
ここで、母集団条件抽出処理について説明する。
【0123】
図9は、母集団条件抽出処理の一例を示すフローチャートである。
【0124】
まず、ステップS4010において、母集団条件決定部304は、指定対象を1つ選択する。指定対象は、条件指定が対象を指定するものであればその指定された対象であり、条件指定が対象を特に指定しないものであれば全ての対象(活動時間、歩数、回数)である。
【0125】
そして、ステップS4020において、母集団条件決定部304は、指定レベルに応じた、指定対象の抽出窓を設定する。この抽出窓は、母集団条件指定メニュー画面の活動レベル選択欄に設定された母集団レベル枠の横軸の範囲に相当する(図4参照)。
【0126】
そして、ステップS4030において、母集団条件決定部304は、条件指定に、人数指定が含まれるか否かを判断する。母集団条件決定部304は、人数指定が含まれていない場合(S4030:NO)は、ステップS4040へ進み、人数指定が含まれている場合(S4030:YES)は、次のステップS4050へ進む。
【0127】
ステップS4040において、母集団条件決定部304は、指定レベルに応じた、指定対象の改善率の抽出窓を設定する。この抽出窓は、母集団条件指定メニュー画面の活動レベル選択欄に設定された母集団レベル枠の縦軸の範囲に相当する(図4参照)。
【0128】
そして、ステップS4060において、母集団条件決定部304は、採用し得る母集団条件の各パターンにおける、母集団の参加者の人数を抽出する。
【0129】
具体的には、まず、母集団条件決定部304は、絞り込み後データ群を様々な付随条件(例えば、要求元のユーザと同年代の参加者のデータ群に絞るという条件)で絞った複数のパターンのそれぞれについて、要求元の現在のランクを算出する。そして、母集団条件決定部304は、算出したランクが所定のランクとなっている母集団条件のパターンを、採用し得るパターンとして決定する。そして、母集団条件決定部304は、決定したパターンにおいて母集団となるデータ群(例えば、要求元のユーザと同年代の参加者のデータ群)の参加者の人数を算出する。
【0130】
ここで決定される母集団条件の各パターンは、要求元の現在のランクが所定のランクとなるような母集団条件である。この母集団条件では、母集団の人数が制限されなくても良い。
【0131】
そして、ステップS4070において、母集団条件決定部304は、全ての指定対象を処理したか否かを判断する。母集団条件決定部304は、処理していない指定対象が存在する場合(S4070:NO)は、ステップS4010へ戻り、未処理の指定対象を選択する。
【0132】
一方、ステップS4050において、母集団条件決定部304は、ステップS4020で設定した抽出窓で絞り込み後データ群からデータの抽出を行ったときの抽出人数を算出し、抽出人数が指定人数を超えているか否かを判断する。母集団条件決定部304は、抽出人数が指定人数を超えている場合(S4050:YES)は、ステップS4080へ進み抽出人数が指定人数以下である場合(S4050:NO)は、ステップS4090へ進む。
【0133】
ステップS4080において、母集団条件決定部304は、指定レベルに応じた、指定対象の改善率の抽出窓を設定する。この抽出窓は、母集団条件指定メニュー画面の活動レベル選択欄に設定された母集団レベル枠の縦軸の範囲に相当する(図4参照)。
【0134】
そして、ステップS4100において、母集団条件決定部304は、ステップS4020で設定した抽出窓とステップS4080で設定した抽出窓とを組み合わせた抽出窓での抽出人数を算出する。次に、母集団条件決定部304は、再度、抽出人数が指定人数を超えているか否かを判断する。母集団条件決定部304は、抽出人数が指定人数を超えている場合(S4100:YES)は、ステップS4110へ進み、抽出人数が指定人数以下である場合(S4100:NO)は、ステップS4090へ進む。上述の組み合わせた抽出窓は、母集団条件指定メニュー画面の活動レベル選択欄に設定された母集団レベル枠の範囲に相当する(図4参照)。
【0135】
ステップS4110において、母集団条件決定部304は、指定人数に抽出人数が絞られるような母集団条件の各パターンを抽出して、ステップS4070へ進む。
【0136】
具体的には、まず、母集団条件決定部304は、絞り込み後データ群を、上述の組み合わせた抽出枠を適用して、更に絞り込む。そして、母集団条件決定部304は、絞り込まれたデータ群を、様々な付随条件で更に絞った複数のパターンのそれぞれについて、要求元の現在の現在のランクを算出し、母集団の参加者の人数を抽出する。そして、母集団条件決定部304は、算出したランクが所定のランクとなっており、かつ、抽出人数が最も指定人数に近くなるような母集団条件のパターンを、採用し得るパターンとして決定する。
【0137】
ここで決定される母集団条件のパターンは、要求元の現在のランクが所定のランクとなり、かつ、母集団の人数が指定人数に最も近くなるような母集団条件である。
【0138】
また、ステップS4090において、母集団条件決定部304は、抽出枠を設定した段階での抽出人数が指定人数を超える方向に、指定レベルを修正する。具体的には、母集団条件決定部304は、抽出枠のバリエーションを、複数の異なるレベル(ユーザが上位にランキングされるための難易度のレベル)として、予め保持している。そして、母集団条件決定部304は、指定レベルを、別のレベルに設定し直す。
【0139】
図10は、母集団条件決定部304が保持する複数のレベルの一例を示す図である。
【0140】
図10に示すように、複数のレベルは、指定対象のデータにおいて、要求元の値に対する相対関係が異なっている。例えば、図10(A)に示すように、母集団条件決定部304は、要求元の値が、母集団の最上位、上位25%、上位50%、上位75%、最下位となるようなレベルを、順に、レベル1〜5とする。また、例えば、図10(B)に示すように、母集団条件決定部304は、要求元の値の改善率が、母集団の最上位、上位25%、上位50%、上位75%、最下位となるようなレベルを、順に、レベル1〜5とする。また、母集団条件決定部304は、要求元の値およびその改善率のデフォルトレベルを、レベル1とする。なお、本実施の形態では、レベル毎に、母集団が異なることが望ましい。したがって、母集団の分布が適切となるように、レベルを調節可能であることが望ましい。
【0141】
母集団条件決定部304は、指定レベルを、母集団が異なる別のレベルに修正しながら、ステップS4050、S4100の判断を繰り返すことにより、最終的に、抽出人数が指定人数を超えるような抽出枠を設定することができる。ここで、抽出人数が指定人数を超える必要があるのは、ステップS4110において更なるデータ群の絞り込みを行いながら、抽出人数を指定人数に近付けるためである。
【0142】
そして、ステップS4070において、母集団条件決定部304は、全ての指定対象を処理した場合(S4070:YES)は、ステップS4120へ進む。
【0143】
ステップS4120において、母集団条件決定部304は、各指定対象について、ステップS4060で決定した母集団条件のパターンとその抽出人数、または、ステップS4110で決定した母集団条件のパターンを、統合して(1つのデータにまとめて)、母集団条件抽出処理を終了する。この統合された母集団条件の内容は、上述の通り、図6のステップS2050において、母集団条件データとして要求元へ送信される。
【0144】
人数指定がされていない場合は、決定される母集団条件が複数となり得る。この場合は、図4に示すように、母集団条件指定メニューの選択条件欄に、その複数の母集団条件が選択肢として表示される。したがって、ユーザは、自分の希望に最も合った母集団条件を選択することができる。
【0145】
また、人数指定がされている場合は、決定される母集団条件は1つである。この場合は、母集団条件指定メニューの選択条件欄には、1つの母集団条件が選択対象として表示される。したがって、ユーザは、自分が行った人数指定に沿う母集団条件を選択するか否かを選択することができる。
【0146】
そして、ユーザによって母集団条件が選択されると、活動支援端末200は、図5に示すように、その選択された母集団条件における現在のランクと、その母集団の参加者の人数とを表示する。また、この表示は、条件指定の変化や、時間の経過に伴う母集団およびデータ群の変化に応じて、リアルタイムに変化する。したがって、ユーザは、活動継続への意欲が沸くような情報をリアルタイムに得て、身体活動を継続することができる。
【0147】
以上説明したように、本実施の形態に係る活動支援システム100は、複数の活動支援端末200から活動量データを収集し、任意の活動支援端末200をランキングする際の母集団条件を、現在のランクが所定のランクとなるように決定する。これにより、活動支援システム100は、各ユーザに対して、活動継続の意欲が湧き易いようなランキング結果を提示する事ができ、その身体活動への意欲をより確実に増進することができる。
【0148】
また、活動支援システム100は、各ユーザから条件指定を受け付け、指定された付随条件を満たすような母集団条件を決定する。これにより、活動支援システム100は、ユーザの好みの母集団条件を決定することができ、ユーザの身体活動への意欲を更に確実に増進することができる。
【0149】
(実施の形態2)
平均レベルが年齢や性別によって大きく異なるような測定データ(対象)についてのランキング表示を行う例について説明する。
【0150】
例えば、体力は、その平均レベルが年齢や性別によって大きく異なる。そこで、本実施の形態に係る活動支援システムは、体力をランキングの対象とする際に、年齢や性別毎の平均レベルを基準とした値を、ユーザ間の比較対象として用いる。
【0151】
本実施の形態に係る活動支援システムの構成は、実施の形態1に係る活動支援システムの構成と同様であるため、その説明および図示を省略する。以下、実施の形態1で用いた符号を適宜用いて、各部の説明を行う。
【0152】
本実施の形態において、データ抽出部305は、例えば、予め保持する後述の持久力算出用情報テーブル810(図12参照)、筋力算出用情報テーブル820(図14参照)を用いる。データ抽出部305は、歩行履歴(図7参照)から、ユーザの歩行速度および歩行時間をそれぞれ算出する。そして、データ抽出部305は、算出した歩行速度および歩行時間のそれぞれについて、ユーザと同年代および同性別の平均値との差分を算出する。そしてデータ抽出部305は、算出結果を、持久力算出用情報テーブル810および筋力算出用情報テーブル820と比較し、持久力評価値および筋力評価値を得る。ここで、持久力評価値と筋力評価値との組み合わせは、体力として定義する。体力の評価は、持久力評価値が高くなった(持久時間が伸びた)場合と、筋力評価値が高くなった(筋力が増えた)場合の、少なくともいずれか一つを満たす場合に体力が改善したとする。体力は、例えば、母集団条件指定メニュー画面の活動レベル選択欄(図4参照)において、横軸を持久力とし縦軸を筋力とするグラフの範囲で示される。
【0153】
以下、データ抽出部305が持久力評価値および筋力評価値を取得する動作について説明する。
【0154】
図11は、データ抽出部305における持久力判定処理の一例を示すフローチャートである。データ抽出部305は、母集団の参加者毎に、以下に説明する持久力判定処理を行い、持久力評価値を算出する。
【0155】
まず、ステップS5010において、データ抽出部305は、データ群から、参加者の歩行履歴を読み込む。
【0156】
そして、ステップS5020において、データ抽出部305は、読み込んだ歩行履歴から、参加者の歩行速度のログを取得する。ここで、歩行速度は、1分当たりの移動距離を示す値であり、例えば、歩行履歴に含まれる速度の1分間毎の平均値(図7参照)である。
【0157】
そして、ステップS5030において、データ抽出部305は、取得した歩行速度のログの中から1つのログを選択し、選択した歩行速度のログが、対応する評価歩行速度を超えているか否かを判断する。評価歩行速度とは、比較の基準となる歩行速度である。データ抽出部305は、評価歩行速度を年代毎および性別毎に記述した持久力算出用情報テーブルを予め格納している。データ抽出部305は、この持久力算出用情報テーブルを参照して、評価歩行速度を取得する。
【0158】
図12は、持久力算出用情報テーブルの一例を示す図である。
【0159】
図12に示すように、持久力算出用情報テーブル810は、年代(年齢の範囲)の区分811と、性別の区分812との組み合わせ毎に、評価歩行速度および評価歩行距離を記述する。評価歩行距離とは、比較の基準となる歩行距離である。ここでは、歩行距離は、3分間の歩行による移動距離であるものとする。
【0160】
データ抽出部305は、選択した歩行速度のログが評価歩行速度を超えている場合は(S5030:YES)、ステップS5040へ進む。また、データ抽出部305は、選択した歩行速度のログが評価歩行速度以下である場合は(S5030:NO)、次のステップS5050へ進む。
【0161】
ステップS5040において、データ抽出部305は、ステップS5020で取得した歩行速度から、そのログにおける平均の歩行距離を算出する。但し、データ抽出部305は、3分間継続しない歩行については除外して、平均の歩行距離を算出するものとする。
【0162】
そして、ステップS5050において、データ抽出部305は、最終ログについての処理を完了したか、つまり、全ての歩行速度のログについて処理したか否かを判断する。データ抽出部305は、処理していない歩行速度のログが存在する場合は(S5050:NO)、ステップS5030へ戻り、次の歩行速度のログを選択する。また、データ抽出部305は、最終ログについての処理を完了した場合は(S5050:YES)、ステップS5060へ進む。
【0163】
ステップS5060において、データ抽出部305は、ステップS5040で算出した各平均の歩行距離について、対応する評価歩行距離との差分を算出する。
【0164】
そして、ステップS5070において、データ抽出部305は、算出した差分を、持久力評価値として取得する。なお、平均の歩行距離が、時間軸上において不定間隔で間欠的に算出されることから、持久力評価値も不定間隔で間欠的に取得される。データ抽出部305は、この間欠的に得られる持久力評価値を、持久力が線形に変化するものと仮定する等して補間し、一定間隔の連続的なデータに変換しても良い。
【0165】
図13は、データ抽出部305における筋力判定処理の一例を示すフローチャートである。データ抽出部305は、母集団の参加者毎に、以下に説明する筋力判定処理を行い、筋力評価値を算出する。
【0166】
まず、ステップS6010において、データ抽出部305は、データ群から、参加者の歩行履歴を読み込む。
【0167】
そして、ステップS6020において、データ抽出部305は、読み込んだ歩行履歴のログの中から1つのログを選択し、選択した歩行履歴における継続歩行平均時間を算出する。ここで、継続歩行平均時間とは、歩行が10歩継続した場合の、その10歩の歩行に要する平均時間である。歩行の有無および歩数は、例えば、上下方向の加速度値の変化が閾値以上となる場合を1歩として扱うことにより、検出可能である。
【0168】
そして、ステップS6030において、データ抽出部305は、最終ログについての処理を完了したか、つまり、全ての歩行履歴のログについて処理したか否かを判断する。データ抽出部305は、処理していない歩行履歴のログが存在する場合は(S6030:NO)、ステップS6020へ戻り、次の歩行履歴のログを選択する。また、データ抽出部305は、最終ログについての処理を完了した場合は(S6030:YES)、ステップS6040へ進む。
【0169】
ステップS6040において、データ抽出部305は、ステップS6020で算出した各継続歩行平均時間について、対応する評価継続歩行平均時間との差分を算出する。評価継続歩行平均時間とは、比較の基準となる継続歩行平均時間である。データ抽出部305は、評価継続歩行平均時間を年代毎および性別毎に記述した筋力算出用情報テーブルを予め格納している。データ抽出部305は、この筋力算出用情報テーブルを参照して、継続歩行平均時間を取得する。
【0170】
図14は、筋力算出用情報テーブルの一例を示す図である。
【0171】
図14に示すように、筋力算出用情報テーブル820は、年代(年齢の範囲)の区分821と、性別の区分822との組み合わせ毎に、評価継続歩行平均時間を記述する。
【0172】
そして、ステップS6050において、データ抽出部305は、算出した各継続歩行平均時間と評価継続歩行平均時間との差分を、筋力評価値として取得する。なお、継続歩行平均時間が、時間軸上において不定間隔で間欠的に算出されることから、筋力評価値も不定間隔で間欠的に取得される。データ抽出部305は、この間欠的に得られる筋力評価値を、筋力が線形に変化するものと仮定する等して補間し、一定間隔の連続的なデータに変換しても良い。
【0173】
このような動作により、本実施の形態に係る活動支援システムは、年齢および性別を考慮した体力を、測定データとして取り扱うことができる。すなわち、本実施の形態に係る活動支援システムは、年齢の違いや性別の違いを考慮した母集団条件およびランキング結果を、ユーザに提示するので、ユーザの活動継続に対する興味と熱意とを更に促すことができる。
【0174】
なお、以上説明した各実施の形態では、活動支援サーバ300による最新のデータ群の送信は、蓄積部303に蓄積されるデータ群が更新される毎に行われるとしたが、更新の有無に関わらず、定期的に行われても良い。
【0175】
また、以上説明した各実施の形態では、母集団条件に基づくデータ群の絞り込みを、活動支援端末200で行うようにしたが、これに制限されない。母集団条件に基づくデータ群の絞り込みは、活動支援サーバ300や他の装置で行うようにしても良い。この場合、活動支援端末200の受信データのサイズを抑えることができる。一方、上述の各実施の形態のように、データ群の絞り込みを活動支援端末200で行う場合は、活動支援サーバ300や他の装置の処理負荷を軽減することができる。
【0176】
また、以上説明した各実施の形態では、母集団条件の決定を活動支援サーバで行うようにしたが、これに制限されない。なお、母集団条件の決定は、活動支援端末で行うようにしても良い。その場合に、母集団条件の決定に必要なデータ群は、予め端末に内蔵しておくか、任意に外部から取得するようにしてもよい。
【0177】
また、ランキングの対象となる測定データ、測定データの属性、付随条件は、各実施の形態に記載したものに制限されない。例えば、測定データとして、身体活動強度、心拍数、血圧値、および発汗量を採用することができる。
【0178】
また、特に、実施の形態2の体力に相当する測定データとしては、歩数の同性の平均値との差分等、身体の物理的活動量に関連する他の各種データを採用することができる。
【0179】
また、以上説明した各実施の形態では、指定レベルが母集団の測定データに対するユーザの測定データの相対位置で定義されるものとしたが、これに制限されない。指定レベルは、具体的な順位や順位の範囲で定義されても良い。この場合、活動支援システムは、サービスの参加者の人数が非常に大きく、上位からのパーセンテージを非常に小さくしてもなかなかランクが小さい値にならないような場合でも、容易に小さい値のランクを得ることができる。
【0180】
また、母集団となる測定データは、必ずしも実測データでなくても良く、仮想的な測定データであっても良い。この場合、活動支援端末200は、活動支援サーバ300からデータ群を受信する必要がなくなる。また、母集団条件の決定から活動支援端末200側で行うことが容易となる。
【0181】
また、以上説明した各実施の形態は、本発明を、測定データに基づいて各ユーザの身体活動の促進を支援するサービスのシステムに適用した例であるが、本発明の適用はこれに制限されない。例えば、本発明は、活動量計を用いたシステムの用途に応用することができる。このようなシステムとしては、例えば、個人用、スポーツ施設用、または特定健康診断用の健康管理システム、およびPHR(personal healthcare record)システムが挙げられる。また、本発明は、インターネットを介して利用者間の活動を共有するシステムの用途に応用することができる。このようなシステムとしては、例えば、携帯端末用ゲーム、携帯電話用ゲーム、ゲームエンタテイメントシステム、SNS(social networking service)システム、SLS(social lifestreaming service)システム、およびセンサネットワーキングサービスが挙げられる。
【産業上の利用可能性】
【0182】
本発明に係る活動支援装置および活動支援方法は、ユーザの身体活動への意欲をより確実に増進することができる活動支援装置および活動支援方法として有用である。すなわち、本発明は、健康増進、娯楽、および生活習慣改善等のために、ユーザが競争意識を低下させることなく、活動を継続するモチベーションを向上することができる活動支援装置および活動支援方法として有用である。
【符号の説明】
【0183】
100 活動支援システム
200 活動支援端末
201 操作部
202 加速度センサ
203 方位センサ
204 活動量検出部
205 記憶部
206 通信部
207 時計
208 ランク算出部
209 出力部
210 心拍センサ
211 負荷量検出部
212 GPS受信部
213 位置検出部
300 活動支援サーバ
301 通信部
302 時計
303 蓄積部
304 母集団条件決定部
305 データ抽出部
400 地図情報サーバ
500 インターネット


【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体の活動量に関連するデータをユーザから取得する端末から、前記データを収集する活動支援装置であって、
複数の前記端末から前記データを収集して蓄積する蓄積部と、
任意の前記端末のランキングを行う際の母集団となるデータ群を前記蓄積部に蓄積されたデータ群から抽出する際の、前記母集団の条件を決定する母集団条件決定部と、
前記母集団の条件を満たすデータ群を前記蓄積部に蓄積されたデータ群から抽出し、抽出したデータ群を、前記任意の端末へ送信する送信部と、を有し、
前記母集団条件決定部は、
前記任意の端末から取得した所定の条件に適合する条件を、前記母集団の条件として決定する、
活動支援装置。
【請求項2】
前記所定の条件は、前記任意の端末の現在のランクが所定のランクとなることを含む、
請求項1記載の活動支援装置。
【請求項3】
前記データは、複数の属性の少なくとも一部に対応付けられており、前記母集団の条件は、前記属性を絞り込む内容を含む、
請求項1記載の活動支援装置。
【請求項4】
前記所定のランクは、所定の上位ランクである、
請求項2記載の活動支援装置。
【請求項5】
前記母集団条件決定部は、
前記任意のデータの出力元から、前記所定のランクの指定を受け付ける、
請求項2記載の活動支援装置。
【請求項6】
前記母集団条件決定部は、
前記蓄積部において蓄積された前記任意のデータと、前記蓄積部において蓄積された他のデータとを照らし合わせて、前記母集団の条件を決定する、
請求項1記載の活動支援装置。
【請求項7】
前記母集団条件決定部は、
前記データ群を構成する各データに対応する前記属性を取得し、
前記複数の属性は、活動時間、活動位置、活動エリア、活動経路、活動強度、年齢、および性別のうち少なくとも1つを含み、前記データは、身体活動の強度、身体活動の量、心拍数、血圧値、および発汗量のうち少なくとも1つを含む、
請求項3記載の活動支援装置。
【請求項8】
前記母集団条件決定部は、
前記任意のデータの出力元から、前記母集団の条件に含まれるべき付随条件の指定を受け付け、指定された前記付随条件に基づいて前記母集団の条件を決定し、
前記付随条件は、前記属性を、活動時間、活動位置、活動エリア、活動経路、活動強度、年齢、および性別のうち少なくとも1つで絞り込む内容、並びに、前記母集団に対応する人数を制限する内容のいずれかを少なくとも含む、
請求項3記載の活動支援装置。
【請求項9】
前記母集団の条件を満たす最新のデータ群を、前記蓄積部に蓄積されたデータ群から抽出して、前記任意のデータの出力元に対して継続的に送信するデータ抽出部、を更に有する、
請求項1記載の活動支援装置。
【請求項10】
前記母集団の条件を満たすデータ群に対応する最新のデータ群を、前記蓄積部に蓄積されたデータ群から抽出し、抽出したデータ群を母集団としたときの前記任意のデータのランクを算出し、算出した前記ランクを前記任意のデータの出力元に対して送信するデータ抽出部、を更に有する、
請求項1記載の活動支援装置。
【請求項11】
身体の活動量に関連するデータをユーザから取得する端末から、前記データを収集する活動支援方法であって、
複数の前記端末から前記データを収集して蓄積するステップと、
任意の前記端末から取得した所定の条件に適合する条件を、前記任意の端末のランキングを行う際の母集団となるデータ群を前記蓄積されたデータ群から抽出する際の、前記母集団の条件として決定するステップと、
前記母集団の条件を満たすデータ群を前記蓄積されたデータ群から抽出し、抽出したデータ群を、前記任意の端末へ送信するステップと、を有する、
活動支援方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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