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活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ組成物
説明

活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ組成物

【課題】
特に従来と比較し高周波数、高射出速度で印字した場合の射出特性に優れ、且つ高い色再現性と高硬化性を両立させた、特に1Pass硬化型のインキを提供すること。
【解決手段】
顔料としてローダミン系染料の金属レーキ顔料を含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ組成物。さらには、ローダミン系染料の金属レーキ顔料として、ピグメントバイオレット1、ピグメントバイオレット1:1、ピグメントバイオレット2、ピグメントバイオレット2:2、ピグメントレッド81、ピグメントレッド81:1、ピグメントレッド81:2、ピグメントレッド81:3、ピグメントレッド81:4、ピグメントレッド81:5、ピグメントレッド169、ピグメントレッド173をインキの全重量に対して0.5〜10重量%含むことを特徴とする上記活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性エネルギー線硬化型着色インクジェットインキに関する。特に従来と比較し高周波数、高射出速度で印字した場合の射出特性に優れ、且つ高い色再現性と高硬化性を両立させた、特に1Pass硬化型のインキの提供に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、活性エネルギー線硬化型インクジェットインキは、その溶剤タイプと比較し、乾燥性の速さから高速印字型のサイネージプリンタに、または基材密着性に優れる面から、多種基材対応のフラットベット型プリンタに搭載され、用途に応じた配合の開発が進められてきた。
【0003】
これらプリンタは、ヘッドをスキャンさせることで、大型化、厚膜化、高濃度化に対応させることができた。近年、ヘッドの技術進展により、高周波数で微小の液滴を射出することのできるヘッド技術が確立されてきた。この技術の実現により、生産性、画質の面で劣っていたインクジェット印刷が、デジタル化のメリットを併せて既存の印刷方式を代替する可能性が高まった。しかし、この技術革新の実現には、従来にも増して高周波数適性に優れ、かつ低粘度、高感度のインキの開発が必要であった。低粘度化は、着弾精度の向上に寄与し、高精細な画質を得るためにインキに求められる仕様である。それに加え、インクジェット印刷を従来のオフセット印刷の代替として使用するにあたり、色再現性の向上も求められている。しかしながら、特に活性エネルギー線硬化型インクジェットインキにおいては、画像の色再現性、硬化性、吐出安定性などの要求される全ての特性を満足することは非常に難しい。
広い色再現性を得ようとして、インク組成物液滴付与量を増やしたりした場合は、硬化膜の割れによる画像の乱れや定着性の悪化が懸念される。また、広い色再現性を得ようとして、顔料濃度を上げてインク組成物を作製した場合、インク組成物が高粘度になったり、また、インク組成物中の粗大粒子の濃度が高くなったりして、長時間の吐出安定性が問題となる場合がある。
【0004】
文献1では、通常使用されるマゼンタ、イエロー、シアンインクに加えて、水溶性オレンジ色素及び/又は緑色素及び/又はバイオレット色素を含むオレンジインク及び/又は緑インク及び/又はバイオレットインクを含んで成るカラー印刷用カラーインクジェットインクセットにより従来技術のインクセットよりも優れた色域を有する画像を生成できるインクセットを提供する方法が提案されている。また文献2では、オレンジ、バイオレット、又はグリーン色を呈する有機顔料の少なくとも1種と特定の増感剤との組み合わせにより、色再現性及び生産性に優れたインクが提案されている。しかし、インク色数の増加は記録ヘッド数の増加を意味するため、装置価格や装置サイズを増大させる要因になってしまう。従って、インク色数をむやみに増加させることは現実的には困難であり、そのため、取得できる画像品質にも限界が生じていた。
【0005】
また、文献3、4ではオフセットインキにおいて、ローダミン系染料の金属レーキ顔料を含む顔料を用いて、色域を拡大させる検討を行っているが、樹脂や6官能モノマーを多量に使用し、粘度が非常に高いため、現存しているインクジェットヘッドでは、吐出することは非常に困難であり、インクジェットに適したインキ組成を発明する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003-34765号公報
【特許文献2】特開2010-13574号公報
【特許文献3】特開2008-087333号公報
【特許文献4】特開2008-087334号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明では、高周波数適性、低粘度、高感度でかつ色再現性に優れたインキを提供することにより、既存の印刷と同等品位、高生産性のデジタル印刷機提供の実現を目的とする。
【発明を実施するための形態】
【0008】
すなわち本発明は、顔料としてローダミン系染料の金属レーキ顔料を含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ組成物に関する。
また本発明は、ローダミン系染料の金属レーキ顔料として、ピグメントバイオレット1、ピグメントバイオレット1:1、ピグメントバイオレット2、ピグメントバイオレット2:2、ピグメントレッド81、ピグメントレッド81:1、ピグメントレッド81:2、ピグメントレッド81:3、ピグメントレッド81:4、ピグメントレッド81:5、ピグメントレッド169、ピグメントレッド173をインキの全重量に対して0.5〜10重量%含むことを特徴とする上記活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ組成物に関する。
また本発明は、上記記載の顔料を、ウレタン骨格を含有する樹脂型顔料分散剤を用いて分散することを特徴とする上記活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ組成物に関する。
また本発明は、少なくとも単官能及び又は二官能モノマーを含有することを特徴とする上記活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ組成物に関する。
さらに本発明は、開始剤および増感剤として、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2(ジメチルアミノ)−2−(4−メチルベンジル)1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、[4-[(4-メチルフェニル)チオ]フェニル]フェニルメタノン、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル] −2-ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、4,4’-ビス‐(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンから選ばれる、少なくとも1種類、もしくは2種類以上を含有し、該開始剤の含有量がモノマーに対し2〜25重量%であることを特徴とする上記活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ組成物に関する。
【0009】
本発明のインクジェットインキ組成物は、モノマー、顔料分散剤と共に、顔料をサンドミル等の通常の分散機を用いてよく分散することにより製造された顔料分散体にモノマー、開始剤を添加して作製される。この方法により、通常の分散機による分散においても充分な分散が可能であり、このため、過剰な分散エネルギーがかからず、多大な分散時間を必要としないため、インク成分の分散時の変質を招きにくく、安定性に優れたインクが調製される。顔料分散体作製時の条件としては、微小ヒ゛ース゛を使用することが好ましく、具体的には0.1mm〜2mmの微小ヒ゛ース゛を用いることが低粘度で安定な分散体を作製するために好ましく、さらには0.1mm〜0.5mmの微小ヒ゛ース゛を用いることが生産性向上と吐出性良好な分散体を作製するために好ましい。インク組成物は分散後、孔径3μm以下さらには、1μm以下のフィルターにて濾過することが好ましい。
【0010】
(顔料分散体)
本発明で使用する顔料分散体は、顔料としてローダミン系染料の金属レーキ顔料を必須成分として含有する。
ローダミン系染料の金属レーキ顔料としては、具体的には、ピグメントバイオレット1、ピグメントバイオレット1:1、ピグメントバイオレット2、ピグメントバイオレット2:2、ピグメントレッド81、ピグメントレッド81:1、ピグメントレッド81:2、ピグメントレッド81:3、ピグメントレッド81:4、ピグメントレッド81:5、ピグメントレッド169、ピグメントレッド173等が挙げられる。
これら顔料は、着色力が非常に高く、低い顔料濃度で良好な色再現性を示す。またマゼンタ顔料として理想的な分光反射スペクトルをとり、短波長領域でその他マゼンタ顔料に比べて高い反射率を示すため、開始剤に効率的に光エネルギーを与えることができ、同量の光照射を行った場合でも開始剤の反応性を高くすることができる。さらにこれら顔料は染料と比較して良好な耐光性を示すため、実使用において退色しづらく長期的に良好な色再現性を保つことができる。
レーキ顔料としてはこれら以外にも、メチン染料の金属レーキ顔料、アジン系染料の金属レーキ顔料など各種存在するが、活性エネルギー線硬化型インクジェットインキに用いられる単官能・二官能モノマー中での分散安定性が悪く、インクジェットインキとして重要な品質である吐出性が悪いためインクジェットインキには使用できない。ところがローダミン系染料の金属レーキ顔料はこれら単官能・二官能モノマー中での分散性が良好であるため、インクジェットインキとして重要な品質である良好な吐出性を示し、インクジェットインキに使用することができる。
顔料の添加量は、所望の安定性を確保する上で任意に選択されるが、インキ全量に対し顔料は0.5%〜10重量%であることが望ましい。0.5重量%以下では、1Passでは十分な色再現性を示すことが出来ない。また10重量%以上では、インキ組成物が高粘度になってしまい、安定な吐出ができない。またインキの安定性が悪くなってしまう。
【0011】
本発明では、顔料の分散性およびインク組成物の保存安定性を向上させるために顔料分散剤を添加するのが好ましい。顔料分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ステアリルアミンアセテート等を用いることができる。
【0012】
分散剤の具体例としては、BYK Chemie社製「Disperbyk−101(ポリアミノアマイド燐酸塩と酸エステル)、107(水酸基含有カルボン酸エステル)、110、111(酸基を含む共重合物)、130(ポリアマイド)、161、162、163、164、165、166、167、168、170(高分子共重合物)」、「400」、「Bykumen」(高分子量不飽和酸エステル)、「BYK−P104、P105(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸)」、「P104S、240S(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸とシリコン系)」、「Lactimon(長鎖アミンと不飽和酸ポリカルボン酸とシリコン)」が挙げられる。
また、Efka CHEMICALS社製「エフカ44、46、47、48、49、54、63、64、65、66、71、701、764、766」、「エフカポリマー100(変性ポリアクリレート)、150(脂肪族系変性ポリマー)、400、401、402、403、450、451、452、453(変性ポリアクリレート)、745(銅フタロシアニン系)」、共栄社化学社製「フローレン TG−710(ウレタンオリゴマー)、「フローノンSH−290、SP−1000」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合物)」、楠本化成社製「ディスパロン KS−860、873SN、874(高分子分散剤)、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル型)」が挙げられる。
さらに、花王社製「ホモゲノールL−18(ポリカルボン酸型高分子)、「エマルゲン920、930、931、935、950、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)、「アセタミン24(ココナッツアミンアセテート)、86(ステアリルアミンアセテート)」、ルーブリゾール社製「ソルスパース5000(フタロシアニンアンモニウム塩系)、13940(ポリエステルアミン系)、17000(脂肪酸アミン系)、24000GR、32000、33000、39000、41000、53000、76400、76500、J100」、日光ケミカル社製「ニッコール T106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)、Hexagline 4−0(ヘキサグリセリルテトラオレート)」、味の素ファインテクノ社製「アジスパーPB821、822、824、827、711」、テゴケミサービス社製「TEGODisper685」等が挙げられる。
中でも、ウレタン骨格をもつ ルーブリゾール社製ソルスパース76400、76500、J100およびDisperbyk−161、162、163、164、165、166、167、168では、高周波数特性に優れ、かつ保存安定性良好な顔料分散体が得られるため好適に用いられる。
分散樹脂の添加量は、所望の安定性を確保する上で任意に選択される。インキの流動特性に優れるのは、顔料に対し分散樹脂の有効成分が25〜150重量%の場合であった。この範囲内ではインキの分散安定性が良好となり、長期経時後も初期と同等の品質を示すため、好適に用いることができる。さらに顔料に対し分散樹脂の有効成分が40〜100重量%の場合、分散が非常に安定となり、かつ20kHz以上の高周波数領域でも安定した吐出性を示すため高精度・高生産性を実現することができることからより好ましい。
【0013】
本発明のインクジェットインキ組成物には、顔料の分散性およびインク組成物の保存安定性をより向上させるために、有機顔料の誘導体を顔料の分散時に配合しても構わない。
【0014】
また、顔料分散体に含有される活性エネルギー線硬化モノマーとしては特に限定しないが、具体的には単官能アクリルモノマー、2官能アクリルモノマー、3官能以上のアクリルモノマーなどのアクリルモノマー、またはビニルモノマー、ビニルエーテルモノマー、アクリルとビニル基を分子内に包含する異種モノマーなどが挙げられる。インクジェットインキとして吐出するためには、インキは低粘度である必要があり、単官能もしくは2官能モノマーが好適に用いられる。中でも、25℃において粘度1〜20mPa secのモノマーが好ましい。
【0015】
本発明においては、他のモノマーと比べて特に低粘度であり、インクジェット適性、印刷安定性が非常に優れることからラウリルアクリレート、1,9ノナンジオールジアクリレート、1,10デカンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、EO変性1,6ヘキサンジオールジアクリレート、PO変性1,6ヘキサンジオールジアクリレート、t-ブチルシクロヘキシルアクリレート、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、トリデシルアクリレートが好ましい。これらモノマーは、一種または必要に応じて二種以上用いてもよい。
【0016】
本発明においては、分散性の点から低粘度で安定な分散体を作製できることから、ジプロピレングリコールジアクリレート(DPGDA)、1,9ノナンジオールジアクリレート(1,9−NDDA)、1,10デカンジオールジアクリレート(1,10−DDDA)、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(VEEA)、ラウリルアクリレート(LA)をさらに好適に用いることができる。
【0017】
(活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ)
活性エネルギー線で硬化するために、上記顔料分散体に活性エネルギー線硬化モノマーを添加して作成する。活性エネルギー線硬化モノマーとしては特に限定しないが、具体的には単官能アクリルモノマー、2官能アクリルモノマー、3官能以上のアクリルモノマーなどのアクリルモノマー、またはビニルモノマー、ビニルエーテルモノマー、アクリルとビニル基を分子内に包含する異種モノマーなどが挙げられる。
【0018】
ローダミン系染料の金属レーキ顔料は、染料が金属に配位した構造を取るため非常に不安定であり、使用する活性エネルギー線硬化モノマーや溶剤によっては、ローダミン系染料の金属レーキ顔料が溶解してしまう。ローダミン系染料の金属レーキ顔料が溶解すると、原理は定かではないが、溶解した染料が活性エネルギー線を吸収することによって硬化不良が起きる。また、溶解した染料が活性エネルギー線で劣化し、色域が極端に狭くなる。
【0019】
また本発明においては、3官能以上のモノマーは粘度が高く、またローダミン系染料の金属レーキ顔料と併用した際、理由は定かではないがインキとしての粘度安定性が悪く、経時での吐出性が悪化してしまうため、これを主モノマーとして使用するには適さない。ここでいう主モノマーとは、インキ中のモノマー成分の中で最も含有割合の高いモノマーをさす。
【0020】
具体的には、単官能モノマーとしてフェノキシエチルアクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、(エトキシ(またはプロポキシ)化)2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(オキシエチル) (メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、β-カルボキシルエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンフォルマル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、N-ビニルホルムアミド、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミドを挙げることができる。
【0021】
また、2官能モノマーとしては、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリ(2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート)トリアクリレート、プロポキシレートグリセリルトリアクリレート、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート等が挙げられる。
【0022】
これらモノマーは、一種または必要に応じて二種以上用いてもよい。
インクジェットインキとして吐出するためには、ンキは低粘度である必要があり、単官能もしくは2官能モノマーが好適に用いられる。中でもラウリルアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、EO変性1,6ヘキサンジオールジアクリレート、PO変性1,6ヘキサンジオールジアクリレート、t-ブチルシクロヘキシルアクリレート、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、トリデシルアクリレートから選択されるモノマーは、硬化性が高く、また比較的低粘度であるため好適に用いることができる。同時にこれらモノマーは本発明で使用するローダミン系染料の金属レーキ顔料に対する溶解性が低いため、印刷時の画像にじみを抑制するといった点からも好適に用いられる。
【0023】
インキ中のモノマーの含有量は硬化性および吐出性などのインキ特性に寄与するため、単官能・2官能モノマーの含有量はインキ中50重量%以上であることが、硬化性が高くかつインクジェットインキとして良好な吐出性を示すことから好ましい。より好ましくは70重量%以上であれば低照度でも十分に高い硬化性を示す。
【0024】
本発明のインク組成物には、上記重合性モノマー以外にもオリゴマー、プレポリマーを使用できる。具体的には、ダイセルUCB社製「Ebecryl230、244、245、270、280/15IB、284、285、4830、4835、4858、4883、8402、8803、8800、254、264、265、294/35HD、1259、1264、4866、9260、8210、1290.1290K、5129、2000、2001、2002、2100、KRM7222、KRM7735、4842、210、215、4827、4849、6700、6700−20T、204、205、6602、220、4450、770、IRR567、81、84、83、80、657、800、805、808、810、812、1657、1810、IRR302、450、670、830、835、870、1830、1870、2870、IRR267、813、IRR483、811、436、438、446、505、524、525、554W、584、586、745、767、1701、1755、740/40TP、600、601、604、605、607、608、609、600/25TO、616、645、648、860、1606、1608、1629、1940、2958、2959、3200、3201、3404、3411、3412、3415、3500、3502、3600、3603、3604、3605、3608、3700、3700−20H、3700−20T、3700−25R、3701、3701−20T、3703、3702、RDX63182、6040、IRR419」、サートマー社製「CN104、CN120、CN124、CN136、CN151、CN2270、CN2271E、CN435、CN454、CN970、CN971、CN972、CN9782、CN981、CN9893、CN991」、BASF社製「Laromer EA81、LR8713、LR8765、LR8986、PE56F、PE44F、LR8800、PE46T、LR8907、PO43F、PO77F、PE55F、LR8967、LR8981、LR8982、LR8992、LR9004、LR8956、LR8985、LR8987、UP35D、UA19T、LR9005、PO83F、PO33F、PO84F、PO94F、LR8863、LR8869、LR8889、LR8997、LR8996、LR9013、LR9019、PO9026V、PE9027V」、コグニス社製「フォトマー3005、3015、3016、3072、3982、3215、5010、5429、5430、5432、5662、5806、5930、6008、6010、6019、6184、6210、6217、6230、6891、6892、6893−20R、6363、6572、3660」、根上工業社製「アートレジンUN−9000HP、9000PEP、9200A、7600、5200、1003、1255、3320HA、3320HB、3320HC、3320HS、901T、1200TPK、6060PTM、6060P」、日本合成化学社製「紫光 UV−6630B、7000B、7510B、7461TE、3000B、3200B、3210EA、3310B、3500BA、3520TL、3700B、6100B、6640B、1400B、1700B、6300B、7550B、7605B、7610B、7620EA、7630B、7640B、2000B、2010B、2250EA、2750B」、日本化薬社製「カヤラッドR−280、R−146、R131、R−205、EX2320,R190、R130、R−300,C−0011、TCR−1234、ZFR−1122、UX−2201,UX−2301,UX3204、UX−3301、UX−4101,UX−6101、UX−7101、MAX−5101、MAX−5100,MAX−3510、UX−4101」等が挙げられる。

【0025】
本発明のインク組成物には、低粘度化および基材への濡れ広がり性を向上させるために、インク組成物中に有機溶剤を含有させてもよい。
有機溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノブチルエーテルプロピオネート、ジエチルジグリコール、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノメチルエーテルブチレート、エチレングリコールモノエチルエーテルブチレート、エチレングリコールモノブチルエーテルブチレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルブチレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルブチレート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルブチレート、プロピレングリコールモノメチルエーテルブチレート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルブチレート等のグリコールモノアセテート類、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールジアセテート、エチレングリコールアセテートプロピオネート、エチレングリコールアセテートブチレート、エチレングリコールプロピオネートブチレート、エチレングリコールジプロピオネート、エチレングリコールアセテートジブチレート、ジエチレングリコールアセテートプロピオネート、ジエチレングリコールアセテートブチレート、ジエチレングリコールプロピオネートブチレート、ジエチレングリコールジプロピオネート、ジエチレングリコールアセテートジブチレート、プロピレングリコールアセテートプロピオネート、プロピレングリコールアセテートブチレート、プロピレングリコールプロピオネートブチレート、プロピレングリコールジプロピオネート、プロピレングリコールアセテートジブチレート、ジプロピレングリコールアセテートプロピオネート、ジプロピレングリコールアセテートブチレート、ジプロピレングリコールプロピオネートブチレート、ジプロピレングリコールジプロピオネート、ジプロピレングリコールアセテートジブチレート等のグリコールジアセテート類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル等の乳酸エステル類があげられる。この中でも、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテルが好ましい。
上記有機溶剤の多量の配合は硬化性が阻害されるため、添加量はインキ組成物に対し10重量%以下が好ましい。さらに好ましくは、7重量%以下が好ましい。
【0026】
本発明のインキ組成物中の水分量は5重量%以下であることが好ましい。水分を多く含むとローダミン系染料の金属レーキ顔料の分散性が悪くなり、インキの経時吐出安定性が悪化してしまうのと同時に、ローダミン系染料の金属レーキ顔料が一部分解してしまい、彩度が低下してしまう。さらには1重量%以下であることがより好ましい。
【0027】
本発明で説明する活性エネルギー線とは、電子線、紫外線、赤外線などの被照射体の電子軌道に影響を与え、ラジカル、カチオン、アニオンなどの重合反応の引き金と成りうるエネルギー線を示すが、重合反応を誘発させるエネルギー線であれば、これに限定しない。
【0028】
なお、活性エネルギー線の光源として紫外線を照射する場合、例えば高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、低圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、紫外線レーザー、LED、および太陽光を使用することができる。印刷機に搭載する活性エネルギー線の光源として、紫外線照射機が利便性や価格などの面から使用されることが多い。
【0029】
活性エネルギー線で硬化させるためには、光ラジカル重合開始剤や増感剤を用いることができる。 光ラジカル重合開始剤や増感剤としては、硬化速度、硬化塗膜物性、着色材料により自由に選択することができる。
【0030】
本発明で使用するローダミン系染料の金属レーキ顔料を用いる際には、開始剤や増感剤として、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、[4−[4−メチルフェニル]チオ]フェニル〕フェニルメタノン、p-ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、4,4’-ビス‐(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンを用いることで、良好な硬化性を示す。より好ましくは、上記開始剤を2種類以上併用した際に、さらに良好な硬化性を示す。
【0031】
上記重合開始剤は、重合性モノマーに対し、2〜25重量%含有することが好ましい。2〜25重量%である場合、優れた硬化速度と色再現を両立することができる。
【0032】
また本発明で用いられるインキには、既存のレベリング剤、消泡剤、流動性改質剤、蛍光増白剤、重合禁止剤、酸化防止剤などを所望の品質を満たす限り用いることができる。
【0033】
本発明のインク組成物は、25℃での粘度が5〜14mPa secであることが好ましい。5mPa sec未満では、良好に吐出することができず、14mPa secを超えるインキ粘度では、吐出精度が低下し、画質が著しく低下するためである。さらに高周波数適性を持たせるためには6〜12 mPa secが好ましい。
【0034】
以下に、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例における「部」は、「重量部」を表す。
【0035】
(顔料分散体の作成)
表1記載の原料を配合量の通りに混合したのち、マイクロビーズ型分散機(DCPミル)にて1時間分散し、顔料分散体A〜AEを得た。分散にはZrビーズの0.3mm径タイプを体積充填率75%にて実施した。
【0036】
(インキの作成)
表2、表3の通り、各顔料分散体20部に、下記記載のモノマー混合液をゆっくりと添加し撹拌した。その後、重合開始剤をそれぞれ添加し、シェーカーにて6時間振盪し溶解した。得られた液体をポア径0.5ミクロンのPTFEフィルターで濾過を行い、粗大粒子を除去し、評価インキを作成した。
(モノマー添加)
顔料分散体に以下のモノマー混合液をあらかじめ準備、配合しインキ前駆体を作成した。
モノマー混合液1
Laromer DPGDA (BASF社製) 40部
VEEA (日本触媒社製) 40部
モノマー混合液2
Laromer DPGDA (BASF社製) 40部
ヒ゛スコート260 (大阪有機社製) 40部
モノマー混合液3
Laromer DPGDA (BASF社製) 70部
V-Cap RC (ISP社製) 10部
モノマー混合液4
VEEA−AI (日本触媒社製) 40部
ヒ゛スコート260 (大阪有機社製) 40部
モノマー混合液5
VEEA (日本触媒社製) 40部
SR 595 (Sartomer社製) 40部
モノマー混合液6
Laromer DPGDA (BASF社製) 40部
VEEA (日本触媒社製) 25部
V-Cap RC (ISP社製) 15部
モノマー混合液7
Laromer DPGDA (BASF社製) 20部
ビスコート192 (大阪有機社製) 60部
モノマー混合液8
Laromer DPGDA (BASF社製) 60部
VEEA (日本触媒社製) 60部
モノマー混合液9
VEEA−AI (日本触媒社製) 60部
ヒ゛スコート260 (大阪有機社製) 60部
モノマー混合液10
VEEA (日本触媒社製) 60部
SR 595 (Sartomer社製) 60部
モノマー混合液11
Laromer DPGDA (BASF社製) 40部
ラウリルアクリレート (大阪有機社製)40部
【0037】
(原料説明)
Laromer DPGDA :シ゛フ゜ロヒ゜レンク゛リコールシ゛アクリレート
VEEA/VEEA-AI :アクリル酸2-(2-ヒト゛ロキシエトキシ)エチル
ヒ゛スコート260 :1,9-ノナンシ゛オールシ゛アクリレート
SR 595 :1,10-ノナンシ゛オールシ゛アクリレート
V-Cap RC :N-ヒ゛ニルカフ゜ロラクタム
ビスコート192 :フェノキシエチルアクリレート
【0038】
(開始剤の溶解)
上記の通りにモノマーを混合して得た各インキ前駆体に対し、以下の9処方で重合開始剤を添加し、インキを作成した。
開始剤添加例1
インキ前駆体 100部
Darocur TPO (BASF社製) 5部
Irgacure 819 (BASF社製) 5部
開始剤添加例2
インキ前駆体 (BASF社製) 100部
Irgacure 819 (BASF社製) 5部
KAYACURE DETX-S(日本化薬社製) 5部
開始剤添加例3
インキ前駆体 100部
Darocur TPO (BASF社製) 5部
SPEEDCURE ITX (Lambson Ltd社製5部
開始剤添加例4
インキ前駆体 100部
Darocur TPO (BASF社製) 10部
Irgacure 819 (BASF社製) 10部
開始剤添加例5
インキ前駆体 (BASF社製) 100部
Irgacure 819 (BASF社製) 10部
KAYACURE DETX-S(日本化薬社製) 10部
開始剤添加例6
インキ前駆体 100部
Darocur TPO (BASF社製) 10部
SPEEDCURE ITX (Lambson Ltd社製) 10部
開始剤添加例7
インキ前駆体 100部
Esacure ONE (lamberti社製) 5部
Irgacure369 (BASF社製) 5部
開始剤添加例8
インキ前駆体 100部
Irgacure 379 (BASF社製) 5部
KAYACURE BMS (日本化薬社製) 2.5部
SPEEDCURE EDB (Lambson社製) 2.5部
開始剤添加例9
インキ前駆体 100部
Iragacure2959 (BASF社製) 5部
Darocure 1173 (BASF社製) 2.5部
EAB(保土谷化学社製) 2.5部
【0039】
(原料説明)
Darocur TPO : 2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド
Irgacure 819 :ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド
KAYACURE DETX-S : 2,4−ジエチルチオキサントン
SPEEDCURE ITX :2−イソプロピルチオキサントン
Esacure ONE :オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン
Irgacure369 :2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1
Irgacure 379 :2(ジメチルアミノ)2(4メチルベンジル)1(4モルホリノフェニル)ブタン1オン
KAYACURE BMS :[4-[(4-メチルフェニル)チオ]フェニル]フェニルメタノン
SPEEDCURE EDB :p-ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル
Iragacure2959 :1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン
EAB :4,4’-ビス‐(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン
【0040】
(シアンインキ、イエローインキの調整)
シアンインキでは顔料としてLIONOL BLUE FG−7400G(東洋インキ(株)製 フタロシアニン顔料)を、イエローインキでは顔料としてNovoperm Yellow P−HG(クラリアント社製 C.I.Pigment Yellow180)を用いた以外は、実施例Aと同様にしてインキを作製した。
【0041】
(粘度測定)
作成したインキの粘度は、東機産業社製E型粘度計を用いた。測定条件は、25℃の循環チラー環境にて、適宜測定に適する回転数に合わせた後、3分後の測定値を粘度として用いた。
・インキ安定性:60℃1週間で促進経時後の粘度変化率を確認した。粘度変化率とは、{(60℃1週間保管後の粘度値)−(初期粘度値)}/(初期粘度値)×100であり、インキの保存安定性の目安となる。○以上をインキ安定性実用レベルと判断した。
◎:粘度変化率が5%未満。
○:5%以上10%未満。
△:10%以上15%未満。
×:15%以上

【0042】
(吐出性評価)
また、京セラ社製(KJ4A)ヘッドを用いインキが吐出された様子をストロボ撮影で観察することにより、周波数特性を評価した。波形はFire1モードを選択した。
評価のポイントは、周波数を5、20KHzと変えた場合の吐出開始時と10分連続吐出後の液滴の分裂の様子を観察した。
・分滴評価:吐出後1mm時点と、2mm時点の液滴の様子を観察した。液滴分裂の発生がなく、かつ安定であることが好ましい。○以上を吐出性実用レベルと判断した。
◎:2mmまで液滴に分裂なく、連続している。安定である。
○:1mmで分裂しているが、2mmで液滴が合一している。または破断の様子が初期から大きく変化している。
×:1mmで分裂しており、2mmでも液滴は合一しない。初期、または10分後に吐出不良が発生している。
【0043】
(印字評価)
これら調整されたインキは、京セラ社製(KJ4A)ヘッドを搭載した吐出機構、着弾した基材を所望の速度で搬送するコンベア部で搬送する機構、続けてUVランプで照射される機構を有するシングルパス式のインクジェットプリンター(トライテック社製)を用いて、インキ液滴量14plで印字評価を行った。UVランプは、ノードソン社製、140W/cmのメタルハライドランプとインテグレーションテクノロジー社製、LEDランプ(385nm,10m/sec時積算光量566mw/cm2)の2水準で評価した。吐出時のヘッド温度は一律40℃に設定した。印字基材はOKトップコートN(王子製紙社製)を用いた。得られた印字物から、硬化性と彩度を評価した。
【0044】
・硬化性:コンベア速度を25m/min, 50m/minに変えたときの硬化性を指触法により判断した。○以上を硬化性実用レベルと判断した。
◎:強く擦っても、にじみが発生しない
○:硬化はしているが、強くこすると若干にじむ
×:硬化していない。(指にインキが付着する)
【0045】
・彩度:得られた印刷物を分光測色計X−RITE528を用い、光源D50、視野角2°にてL***値を測定した。上記マゼンタ、イエロー、シアンインキにおいて、マゼンタインキ:イエローインキ=1:1で混色した際の色相をレッド領域と定義し、マゼンタインキ:シアンインキ=1:1で混色した際の色相をブルー領域と定義した。マゼンタインキ、イエローインキ、シアンインキはそれぞれ100%ベタで印字した。マゼンタ、レッド、ブルー領域において、ジャパンカラー2007および欧州の色標準であるFOGRA39と比較した際に、鮮やかさの度合いを数値化した彩度C=√(a*2+b*2)が高い値になっていて各ガモットの外側に位置するかで評価した。○以上を彩度実用レベルと判断した。
◎:マゼンタ、レッド、ブルー領域全てで彩度がジャパンカラー2007およびFOGRA39よりも高く、各ガモットの外側に位置する。
○:マゼンタ、レッド、ブルー領域いずれか1つの領域で彩度がジャパンカラー2007およびFOGRA39よりも低く、いずれか1つのガモットの内側に位置する。
△:マゼンタ、レッド、ブルー領域いずれか2つの領域で彩度がジャパンカラー2007およびFOGRA39よりも低く、いずれか2つのガモットの内側に位置する。
×:マゼンタ、レッド、ブルー領域3つ全ての領域で彩度がジャパンカラー2007およびFOGRA39よりも低く、3つ全てのガモットの内側に位置する。

【0046】
評価結果を表2(実施例)、表3(比較例)に示した。実施例A〜AB3までは、インキ粘度、安定性、吐出性、硬化性、彩度ともに良好であった。ローダミン系染料の金属レーキ顔料は分散により低粘度かつ吐出性良好なインキとなった。
一方、比較例Q〜Vでは、その他顔料を用いたが、吐出性、硬化性、彩度いずれかの品質が悪く、1Pass硬化に適したインキはできなかった。Q2〜V2では顔料濃度を下げ、インキ粘度や安定性、吐出性を改善させたが、彩度が低く、色再現性の悪いインキとなってしまった。Q3〜V3では、開始剤量を増加させ、硬化性は良化したが、粘度が高くなってしまい、インキ安定性や吐出性の悪いインキとなってしまった。

【0047】
【表1】

【0048】
【表2】

【0049】
【表3】





【特許請求の範囲】
【請求項1】
顔料としてローダミン系染料の金属レーキ顔料を含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ組成物。
【請求項2】
ローダミン系染料の金属レーキ顔料として、ピグメントバイオレット1、ピグメントバイオレット1:1、ピグメントバイオレット2、ピグメントバイオレット2:2、ピグメントレッド81、ピグメントレッド81:1、ピグメントレッド81:2、ピグメントレッド81:3、ピグメントレッド81:4、ピグメントレッド81:5、ピグメントレッド169、ピグメントレッド173から選択される顔料をインキの全重量に対して0.5〜10重量%含むことを特徴とする請求項1記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ組成物。
【請求項3】
上記顔料を、ウレタン骨格を含有する樹脂型顔料分散剤を用いて分散することを特徴とする請求項1または2記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ組成物。
【請求項4】
少なくとも単官能及び又は二官能モノマーを含有することを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ組成物。
【請求項5】
開始剤および増感剤として、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル) −フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、[4−[(4−メチルフェニル)チオ]フェニル]フェニルメタノン、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル] −2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、4,4’ −ビス−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンから選ばれる、少なくとも1種類、もしくは2種類以上を含有し、該開始剤の含有量がモノマーに対し2〜25重量%であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ組成物。

【公開番号】特開2013−108052(P2013−108052A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−117740(P2012−117740)
【出願日】平成24年5月23日(2012.5.23)
【出願人】(000222118)東洋インキSCホールディングス株式会社 (2,229)
【Fターム(参考)】