説明

活性エネルギー線硬化型コーティングニスおよび印刷物

【課題】本発明は、活性エネルギー線による硬化性を有し、特に発光ピーク波長が350〜420nmの範囲の紫外線を発生する発光ダイオードにより照射される紫外線を硬化波長として設計され、発光ピーク波長が350〜420nmの範囲の紫外線を発生する発光ダイオードにより照射される紫外線に対して、優れた硬化性を有し、さらに黄変がほとんどない活性エネルギー線硬化型コーティングニスの提供。
【解決手段】エチレン性二重結合を有する化合物、光重合開始剤および蛍光増白剤を含有する活性エネルギー線硬化型コーティングニスにおいて、光重合開始剤が、α−アミノアルキルフェノン化合物およびアシルフォスフィンオキサイド化合物であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型コーティングニス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性エネルギー線硬化型コーティングニス、該活性エネルギー線硬化型コーティングニスの硬化物の製造方法および印刷物に関し、単色または多色印刷後さらに印刷機で印刷される透明なコーティングニスやオーバープリントニスなどのインキ、黄、紅、藍、墨等のカラー印刷用インキに関する。さらに、詳細には、本発明は、発光ピーク波長が350〜420nmの範囲の紫外線を発生する発光ダイオード(以下UV−LEDと記述する)による硬化に特に適した活性エネルギー線硬化型コーティングニス、このコーティングニスからなる硬化物の製造方法および印刷物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フォーム用印刷物、各種書籍印刷物、カルトン紙等の各種包装用印刷物、各種プラスチック印刷物、シール、ラベル用印刷物、美術印刷物、金属印刷物(美術印刷物、飲料缶印刷物、缶詰等の食品印刷物)などの種々の印刷物を得るため、平版(湿し水を使用する通常の平版および湿し水を使用しない水無し平版)、凸版、凹版、孔版印刷など種々の印刷方式が採用されており、これら印刷には各々の印刷方式に適したインキが使用されている。そのようなインキの一つとして活性エネルギー線硬化型インキあるいは活性エネルギー線硬化型コーティングニスが知られている。
【0003】
従来の活性エネルギー線硬化型インキまたは活性エネルギー線硬化型コーティングニスは、水銀ランプやメタルハライドランプといった光源を用いて硬化が行われており、それらの光源の発光波長に合わせた光重合開始剤が用いられている。前記のごとき紫外線照射光源は幅広い波長領域にわたり発光領域を有し、このため従来の活性エネルギー線硬化型インキまたは活性エネルギー線硬化型コーティングニスは、吸収波長の異なる光重合開始剤が組み合わせて用いられている(特許文献1参照)。
【0004】
このように活性エネルギー線硬化型インキまたは活性エネルギー線硬化型コーティングニスは吸収波長が異なる光重合開始剤を用いることから、水銀ランプやメタルハライドランプなどによるインキ硬化に対して対応できるが、発光ピーク波長が350〜420nmの範囲の紫外線を発生する発光ダイオードUV−LEDでは、十分な硬化が得られなかった。
【0005】
また、これら従来の活性エネルギー線硬化型インキまたは活性エネルギー線硬化型コーティングニスを、UV−LEDで硬化させようとする場合、波長350〜420nm付近に吸収を有する光重合開始剤を使用する必要があるが、インキに用いられる顔料は、その吸収が大きいか小さいかの違いはあるが、多くの場合、波長350〜420nmに吸収を有する光重合開始剤を使用したとしても、光重合開始剤に十分な光エネルギーを与えることができず硬化性が劣っている。
【0006】
通常、プロセスインキの場合、墨、藍、紅、黄の順でインキの多色重ね刷りが行われるが、印刷物の色濃度の高い部分や色の重ね部分では、インキの膜厚が厚くなるために、深さ方向に向かって、光の透過率が低下していき、インキの内部硬化性が低下する。そこで、UV−LEDによる硬化性を付与する方法として、トリアジン開始剤を用いたインキ組成物が提案されている(特許文献2参照)。
【0007】
しかし、トリアジン開始剤によっても種々の印刷態様すべてにおいて十分に満足できるとまでいえる活性エネルギー線、特に発光ピーク波長が350〜420nmの範囲の紫外線を発生するUV−LEDに対する硬化特性を有するインキが得られているわけでない。
【0008】
また、UV−LEDによる硬化性を付与する別の方法として、特定のα−アミノアルキルフェノン化合物、(A2)アシルフォスフィンオキサイド化合物およびベンゾフェノン化合物を組合わせたインキ組成物も提案されており、一定の硬化特性が得られているが、昨今さらに高硬化性のインキ組成物が求められている(特許文献3〜6)。
【0009】
また、さらに、透明なコーティングニスについては、上記の様々な開始剤の組合せをすると透明のはずのニスが、黄変を引き起こすことがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平06−157962号公報
【特許文献2】特開2007−23151号公報
【特許文献3】WO2009/008226号公報
【特許文献3】特許4289441号公報
【特許文献4】特開2009−035730号公報
【特許文献5】特開2009−057546号公報
【特許文献6】特開2009−057547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明者らは、活性エネルギー線による硬化性を有し、特に350〜420nmの範囲の紫外線を発生する発光ダイオード(UV−LED)が発生する紫外線を硬化波長として設計され、UV−LEDの紫外線照射により優れた光重合性、硬化性を有し、かつ黄変がほとんどない活性エネルギー線硬化型コーティングニスあるいは活性エネルギー線硬化型インキを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者ら鋭意研究の結果、エチレン性二重結合を有する化合物、光重合開始剤および蛍光漂白剤を含有する活性エネルギー線硬化型コーティングニスであって、光重合開始剤が、(A1)α−アミノアルキルフェノン化合物および(A2)アシルフォスフィンオキサイド化合物である場合には、波長350〜420nmの紫外線により、優れた光重合成性を有し、かつ黄変がほとんどない活性エネルギー線硬化型コーティングニスが得られることを見出し、本発明を完成した。
【0013】
すなわち、本発明は、エチレン性二重結合を有する化合物、光重合開始剤および蛍光増白剤を含有する活性エネルギー線硬化型コーティングニスであって、
光重合開始剤が、
(A1)α−アミノアルキルフェノン化合物
および
(A2)アシルフォスフィンオキサイド化合物
であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型コーティングニスに関するものである。
【0014】
また、本発明は、前記蛍光増白剤が、2,5−チオフェンジイルビス−(5−tert−ブチル−1,3−ベンゾオキサゾール)であることを特徴とする上記の活性エネルギー線硬化型コーティングニスに関するものである。
【0015】
さらに、本発明は、(A1)α−アミノアルキルフェノン化合物が、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オンおよび2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンから選ばれる1種類以上であることを特徴とする上記の活性エネルギー線硬化型コーティングニスに関するものである。
【0016】
また、本発明は、(A2)アシルフォスフィンオキサイド化合物が、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイドであることを特徴とする上記の活性エネルギー線硬化型コーティングニスに関するものである。
【0017】
さらに、本発明は、さらに、(B1)チオキサントン化合物を含有することを特徴とする上記の活性エネルギー線硬化型コーティングニスに関するものである。
【0018】
また、本発明は、(B1)チオキサントン化合物が、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントンおよび2−イソプロピルチオキサントンから選ばれる1種類以上であることを特徴とする上記の活性エネルギー線硬化型コーティングニスに関するものである。
【0019】
さらに、本発明は、上記いずれかに記載の活性エネルギー線硬化型コーティングニスを用いて印刷し、印刷されたコーティングニスを波長350〜420nmの輝線を発する発光ダイオードを用いて硬化させることを特徴とするコーティングニス硬化物の製造方法に関するものである。
【0020】
また、本発明は、上記のコーティングニス硬化物の製造方法で得られた印刷物に関するものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、活性エネルギー線による硬化性、特に350〜420nmの範囲の紫外線を発生する発光ダイオード(UV−LED)による紫外線照射に対し、優れた硬化特性を有するコーティングニス及びインキを得ることができ、また得られたインキは、オフセットインキ、凸版印刷用インキ、凹版印刷用インキ、孔版印刷用インキなど、従来の公知の種々の印刷方式のインキとして利用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の活性エネルギー線硬化型コーティングニスは、単色光であるUV−LEDを紫外線照射装置として用いた場合でも、従来の高圧水銀ランプやメタルハライドランプなどを用いて硬化した場合と同様の印刷特性、硬化特性を得ることができる。このように、本発明の活性エネルギー線硬化型コーティングニスは、350〜420nmの範囲の紫外線を発生する発光ダイオード(UV−LED)などの単色光に最適となるように設計されている。
【0023】
もちろん、高圧水銀ランプやメタルハライドランプなどを用いて硬化させても何ら問題なく硬化させることができる。
【0024】
なお、本発明における活性エネルギー線とは、硬化反応の出発物質が基底状態から遷移状態に励起するのに必要なエネルギーのことを表し、本発明における活性エネルギー線とは、紫外線や電子線をさす。
【0025】
本発明において、モル吸光係数の単位(l/mol・cm)中「l」は、体積の単位であるリットルを表している。
【0026】
活性エネルギー線硬化型コーティングニスの光硬化方法には、一般的に有電極高圧水銀ランプ、有電極メタルハライドランプ、無電極高圧水銀ランプ、無電極メタルハライドランプのような紫外線を発光する光源を用いる。本発明における活性エネルギー線硬化型コーティングニスを光硬化する方法としては、一般的な前述の光源を用いても良いが、350〜420nmの範囲の紫外線を発生する発光ダイオード(UV−LED)を用いることが好ましい。
【0027】
本発明は、エチレン性二重結合を有する化合物、光重合開始剤および蛍光増白剤を含有する活性エネルギー線硬化型コーティングニスであって、光重合開始剤が、(A1)α−アミノアルキルフェノン化合物および(A2)アシルフォスフィンオキサイド化合物
であることを特徴とする。
【0028】
本発明の活性エネルギー線硬化型コーティングニスにおいて、着色剤である顔料を含有させず、透明な構成にすれば、コーティングニスになり、下記に示す顔料を含有させた場合には、黄、紅、藍、墨等のカラー印刷用インキとなり得る。その意味においても、本発明の活性エネルギー硬化型コーティングニスは、インキの一種とも言え、権利範囲を包含するものである。
そのため、本発明の活性エネルギー線硬化型コーティングニスは、活性エネルギー線硬化型コーティングニスおよび活性エネルギー線硬化型インキとしての権利範囲を包含するものである。
【0029】
なお、本発明において、波長365nmにおけるモル吸光係数とは、各光重合開始剤をアセトニトリル溶液に溶解させて、365nmにおけるモル吸光係数を測定したものである(測定装置:UV−3600((株)島津製作所)、測定条件:スキャン波長範囲200〜800nm、スリット幅5nmで測定)。
【0030】
本発明において、光重合開始剤として使用される(A1)α−アミノアルキルフェノン化合物および(A2)アシルフォスフィンオキサイド化合物は、光開裂型開始剤であり、波長365nmにおけるモル吸光係数が100〜1000,000(l/mol・cm)である化合物が好ましい。
【0031】
波長365nmにおけるモル吸光係数が、100〜1000,000(l/mol・cm)である(A1)α−アミノアルキルフェノン化合物として、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、3,6−ビス(2−メチル−2−モルフォリノプロパノニル)−9−ブチルカルバゾール、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,2−ジエトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン等が挙げられ、これらは単独あるいは2種以上が併用されてもよい。特に、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ジメチルアミ
ノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンが好ましい。
【0032】
また、波長365nmにおけるモル吸光係数が、100〜1,000,000(l/mol・cm)である(A2)アシルフォスフィンオキサイド化合物として、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドが挙げられる。
【0033】
本発明において、光重合開始剤として使用される(B1)チオキサントン化合物は、水素引き抜き型重合開始剤であり、波長365nmにおけるモル吸光係数が1,000〜1,000,000(l/mol・cm)である化合物が好ましい。
【0034】
波長365nmにおけるモル吸光係数が、1,000〜1,000,000(l/mol・cm)である(B1)チオキサントン化合物としては、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−ジイソプロピルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9−オキソ−9Hチオキサントン−2−イロキシ−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミン塩酸塩などが挙げられ、好ましくは、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントンが良く、これらの(B1)チオキサントン化合物は単独で使用しても良いし、2種類以上を併用してもよい。
【0035】
本発明において使用される蛍光増白剤とは、紫外線を選択的に吸収し、紫〜青色の光(可視光)に変え、発光させる能力を持ったものである。すなわち、本発明の蛍光増白剤は、蛍光着色剤でも良く、紫外線を吸収、好ましくは315nm〜450nm、さらに好ましくは、350nm〜410nmの紫外線を吸収するときに基底状態から励起状態へと変化することにより、無色から有色に発光するものであれば、特に制限されるものではなく、蛍光着色剤、蛍光増白剤などいずれも使用でき、染料でも顔料でもよい。
【0036】
例えば、ベンゾオキサゾール系、オキサゾール系、スチルベン系、クマリン系、ピラゾリン系、イミダゾール系、ナフタルイミド系、ビスベンゾオキサゾール系、ビススチリルビフェニル系の化合物、ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体等が挙げられる。
【0037】
具体的には、2,5−チオフェンジイルビス−(5−tert−ブチル−1,3−ベンゾオキサゾール)、ベンゾオキサゾール−2,2’−(2,5−チオフェンジイル)−ビス−[5−(1,1−ジメチルエチル)]、2,2’−(1,2−エテンジイルジ−4,1−フェニレン)ビス−ベンゾオキサゾール、2,2’−(2,5−チオフェンジイル)ビス−(5−tert−ブチルベンゾオキサゾール)1,4,5,8−ナフタレン−テトラカルボン酸イミド、2,5−ジアリール−1,3,4−オキサジアゾール、2,2’−ビス−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール)、3−フェニル−7−(4−メチル−6−ブチルオキシベンゾオキサゾール)クマリン、4,4’−ビス(ベンゾオキサゾル−2−イル)スチルベン、4−メチル−7−ジエチルアミノクマリン、2,4−ジメトキシ−6−(1’−ピレニル)1,3,5−トリアジン、1,4−ビス(ベンゾオキサゾル−2−イル)ナフタレン、4,4’−ビス(ベンゾオキサゾル−2−イル)スチルベン、4−(ベンゾオキサゾル−2−イル)−4’−(5−メチルベンゾオキサゾル−2−イル)スチルベン、4,4’−ビス−(5−メチルベンゾオキサゾル−2−イル)スチルベン、3−フェニル−7−(2H−ナフト−[[1,2−d]]トリアゾル−2−イル)クマリン、4,4’−ビス(2−メチトキシスチリル)−ビフェニル、2,5−ビス−(5−tert−ブチルベンゾオキサゾル−2−イル)チオフェン、1,1’−ビフェニル−4,4’−ビス−(2−(メトキシフェニル)エテニル)が挙げられ、特に、ビスベンゾオキサゾール系の化合物が好ましく、一般式(1)で表される化合物である2,5−チオフェンジイルビス(5−tert−ブチル−1,3−ベンゾオキサゾール)がより好ましい。
【0038】
一般式(1)
【化1】




【0039】
蛍光増白剤の添加量は0.01〜5重量%が良い。添加量が0.01質量%未満では紫外線を照射したときの発色が見られず、5重量%を超えると溶解性が劣ったりする。
【0040】
上記のように、本発明においては、光重合開始剤として、波長365nmにおけるモル吸光係数が、100〜1,000,000(l/mol・cm)である(A1)α−アミノアルキルフェノン化合物および(A2)アシルフォスフィンオキサイド化合物である光開裂型光重合開始剤と、蛍光増白剤と、さらに、必要に応じて、波長365nmにおけるモル吸光係数が、波長365nmにおけるモル吸光係数が、1,000〜1,000,000(l/mol・cm)である(B1)チオキサントン化合物とを組み合わせて用いることにより、紫外線照射光源としてUV−LED(波長350〜385nm)を用いた場合にも、硬化特性を初めとして優れた印刷特性を有する活性エネルギー線硬化型コーティングニスを得ることができるものであるが、その理由は未だ明確になったというわけではない。しかし、(A2)アシルフォスフィンオキサイド化合物の増感剤として、蛍光増白剤が作用していると推測される。
【0041】
本発明における活性エネルギー線硬化型コーティングニスの(A1)α−アミノアルキルフェノン化合物、(A2)アシルフォスフィンオキサイド化合物、蛍光増白剤、(B1)チオキサントン化合物以外の成分は、本発明の効果を損なわず、ラジカル重合性インキ組成物に配合される成分であれば特に限定されないが、その他の光重合開始剤、顔料、樹脂、エチレン性二重結合を有する化合物例えば(メタ)アクリル基含有化合物および添加剤が挙げられる。
【0042】
(A1)α−アミノアルキルフェノン化合物、(A2)アシルフォスフィンオキサイド化合物および(B1)チオキサントン化合物以外の開始剤として、ベンゾフェノン、4−メチル−ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、2,3,4−トリメチルベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、4−(1,3−アクリロイル−1,4,7,10,13−ペンタオキソトリデシル)ベンゾフェノン、メチル−o−ベンゾイルベンゾエート、〔4−(メチルフェニルチオ)フェニル〕フェニルメタノン、(4−ベンゾイルベンジル)塩化トリメチルアンモニウム、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−スチリルプロパン−1−オン重合物、ジエトキシアセトフェノン、ジブトキシアセトフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインノルマルブチルエーテル、などが挙げられ、これらを併用してもよい。
【0043】
樹脂としては、熱硬化性または熱可塑性樹脂等があり、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、ニトロセルロース)、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、ポリアマイド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ブタジエンーアクリルニトリル共重合体のような合成ゴム等が挙げられる。これらの樹脂は、その中の1種または2種以上を用いることができる。さらに油性インキと活性エネルギー線硬化性インキの特性を併用して持つハイブリッドインキ用樹脂は上記ロジン類フェノール樹脂、ロジン類アルキッド樹脂、石油樹脂変性アルキッド樹脂、スチレンアクリル樹脂(例えばスチレンイソボルニルアクリル樹脂)が使用される。さらに上記動植物油またはその脂肪酸モノエステルが使用される。
【0044】
本発明の活性エネルギー線硬化型コーティングニスを、活性エネルギー線硬化型インキとして使用する場合の顔料としては、無機顔料および有機顔料を示すことができる。無機顔料としては黄鉛、亜鉛黄、紺青、硫酸バリウム、カドミウムレッド、酸化チタン、亜鉛華、弁柄、アルミナホワイト、炭酸カルシウム、群青、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウム粉、ベンガラなどが、有機顔料としては、β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系、β−オキシナフトエ酸系アニリド系、アセト酢酸アニリド系、ピラゾロン系などの溶性アゾ顔料、β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系アニリド系、アセト酢酸アニリド系モノアゾ、アセト酢酸アニリド系ジスアゾ、ピラゾロン系などの不溶性アゾ顔料、銅フタロシアニンブルー、ハロゲン化(塩素または臭素化)銅フタロシアニンブルー、スルホン化銅フタロシアニンブルー、金属フリーフタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、キナクリドン系、ジオキサジン系、スレン系(ピラントロン、アントアントロン、インダントロン、アントラピリミジン、フラバントロン、チオインジゴ系、アントラキノン系、ペリノン系、ペリレン系など)、イソインドリノン系、金属錯体系、キノフタロン系などの多環式顔料および複素環式顔料などの公知公用の各種顔料が使用可能である。
【0045】
エチレン性二重結合を有する化合物のひとつとして、(メタ)アクリル基含有化合物が挙げられ、その単官能モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどのカーボン数が1〜18の(アルキル)(メタ)アクリレートがあり、さらにベンジル(メタ)アクリレート、ブチルフェノール、オクチルフェノールまたはノニルフェノールまたはドデシルフェノールのようなアルキルフェノール、エチレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンモノメチロール(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-ブトキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-メトキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、アクリオロキシエチルフタレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシエチルフタレート、2-(メタ)アクリロイロキシプロピルフタレート、β-カルボキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ダイマー、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N-ビニルピロリドン、N-ビニルホルムアミド、(メタ)アクリロイルモルフォリン等が例示される。
【0046】
さらに、2官能モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジ(メタ)アクリレート(通称マンダ)、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,14−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,16−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2,4−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールオクタンジ(メタ)アクリレート、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,14−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,16−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2,4−ペンタンジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールオクタンジ(メタ)アクリレート(三菱化学社製)、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレートトリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添加ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添加ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添加ビスフェノーAジ(メタ)アクリレート、水添加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート等が例示される。
【0047】
3官能モノマーとしては、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリカプロラクトネートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールヘキサントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が例示される。
【0048】
4官能以上のモノマーとしては、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラカプロラクトネートテトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラカプロラクトネートテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールエタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールブタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールオクタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリアルキレンオキサイドヘプタ(メタ)アクリレート等が例示される。
【0049】
さらに本発明のエチレン性二重結合を有する化合物のひとつとしての(メタ)アクリル基を含有する化合物としては、脂肪族アルコール化合物のアルキレンオキサイド付加体(メタ)アクリレートがある。脂肪族アルコール化合物のアルキレンオキサイド付加体(メタ)アクリレートモノマーとして脂肪族アルコール化合物のモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、ペンチレンオキサイド、ヘキシレンオキサイド他)モノまたはポリ(1〜10)(メタ)アクリレートがある。
【0050】
1官能モノマーとして、カーボン数が2〜20アルキレンオキサイド付加体(メタ)アクリレート、例えばメタノールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレート、エタノールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレート、ブタノールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレート、ヘキサノールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレート、オクタノールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレート、ドデカノールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレート、ステアリルモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドがある。さらにブチルフェノール、オクチルフェノールまたはノニルフェノールまたはドデシルフェノールのポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレート等が例示される。
【0051】
さらに2官能モノマーとしてエチレングリコールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノまたはポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、ペンチルグリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタネオペンチルグリコールポリ(2〜20)(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加体ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート(通称マンダ)、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジカプロラクトネートポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールポリ(2〜20)アルキレンオキサイド付加体(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)ジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ヘキサンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2,5−ヘキサンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,2−オクタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレートジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2 〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,2−ドデカンジオールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,14−テトラデカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,2−テトラデカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,16−ヘキサデカンジオールモノまたはポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサデカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2,4−ペンタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオ−ルモノまたはポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノまたはポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、ジメチロールオクタンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2 〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレートが例示される。
【0052】
3官能モノマーとしてグリセリンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールヘキサンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタンポリ(3〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)トリ(メタ)アクリレート等が例示される。
【0053】
4官能以上のモノマーとしてペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンポリ(2〜20)アルキレンオキサイド(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラカプロラクトネート、テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールエタンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールエタンポリ(2〜20)アルキレンオキサイド(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールブタンポリ(2〜20)アルキレンオキサイド(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールヘキサンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールヘキサンポリ(2〜20)アルキレンオキサイド(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールオクタン(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールオクタンポリ(4〜200)アルキレンオキサイド(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)テトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(5〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)ヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサカプロラクトネートポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2 〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2 〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)オクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2 〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリアルキレンオキサイドヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2 〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)オクタ(メタ)アクリレート等が例示されるがこれに限るものではない。
【0054】
さらに、本発明の活性エネルギー線硬化型コーティングニスには、必要に応じてその他の添加剤等を使用することが可能である。
【0055】
例えば、増感剤としての第三級アミン化合物が挙げられ、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4,4‘−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジブチルエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシルが挙げられ、好ましくは、メチルジエタノールアミンが良い。第三級アミン化合物を含有させる場合には、0.1〜10重量%が良く、好ましくは2.1〜10重量%が良く、さらに好ましくは、2.1〜5重量%が良い。
【0056】
例えば、耐摩擦性、ブロッキング防止性、スベリ性、スリキズ防止性を付与する添加剤としては、カルナバワックス、木ろう、ラノリン、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの天然ワックス、フィッシャートロプスワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス、ポリアミドワックス、およびシリコーン化合物などの合成ワックス等を例示することができる。
【0057】
例えば、該コーティングニスの保存安定性を付与する添加剤としては、(アルキル)フェノール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、p −メトキシフェノール、t −ブチルカテコール、t −ブチルハイドロキノン、ピロガロール、1,1−ピクリルヒドラジル、フェノチアジン、p −ベンゾキノン、ニトロソベンゼン、2,5−ジ−tert−ブチル−p −ベンゾキノン、ジチオベンゾイルジスルフィド、ピクリン酸、クペロン、アルミニウムN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、トリ−p −ニトロフェニルメチル、N−(3−オキシアニリノ−1,3−ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ジブチルクレゾール、シクロヘキサノンオキシムクレゾール、グアヤコール、o−イソプロピルフェノール、ブチラルドキシム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム等の重合禁止剤が例示される。
【0058】
その他、要求性能に応じて、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗菌剤等の添加剤を添加することができる。
次に、本発明における活性エネルギー線硬化型コーティングニスとしての使用形態について説明する。本発明における活性エネルギー線硬化型コーティングニスは、一般的には、樹脂0〜30重量%、エチレン性二重結合を有する化合物40〜90重量% 、ラジカル
重合禁止剤0〜1重量%、活性エネルギー線用光開始剤およびまたは増感剤1〜 20重
量%、その他添加剤0〜10重量%からなる組成にて使用される。インキとして使用する場合には、さらに、顔料10〜30重量%を含有させて使用する。
【0059】
したがって、本発明の活性エネルギー線硬化型コーティングニスの組成としては、全量に対して
(1)波長365nmにおけるモル吸光係数が100〜1,000,000(l
/mol・cm)である光開裂型重合開始剤
((A1)α−アミノアルキルフェノン化合物および
(A2)アシルフォスフィンオキサイド化合物の合計量))
1〜20重量%
(2)蛍光増白剤 0.1〜 5重量%
(3)波長365nmにおけるモル吸光係数が1,000〜1,000,000
(l/mol・cm)である水素引き抜き型重合開始剤
((B1)チオキサントン化合物の合計量))
0〜10重量%
(4)モノマー
(エチレン性二重結合を有する化合物のうち(メタ)アクリル基
を含有する化合物)
40〜90重量%
(5)樹脂 0〜30重量%
(6)顔料 10〜30重量%
(7)その他添加剤 0〜10重量%
などが好ましい組成として挙げられるが、この範囲に限定されるわけではない。
【0060】
活性エネルギー線硬化型コーティングニスの製造は、従来の紫外線硬化型コーティングニスと同様の方法によって行えばよく、例えば、常温から100℃の間で、前記(インキの場合、顔料)、樹脂、アクリル系モノマーもしくはオリゴマー、重合禁止剤、開始剤およびその他添加剤などコーティングニス組成物成分を、ディスパー、ニーダー、三本ロール、アトライター、サンドミル、ゲートミキサーなどの混合、練肉、調整機を用いて製造される。
【実施例】
【0061】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。本発明中、特に断らない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」を表す。
【0062】
表1、2の組成(部)に従って、実施例1〜12および比較例1〜32の原料をディスパーによって良く混合し、活性エネルギー線硬化型コーティングニスを得た。得られた活性エネルギー線硬化型コーティングニスを、OKトップコート(57.5kg/A全、王子製紙社製)に0.2cc/1000cm2展色させ、「黄変性」および「表面硬化性」について評価した。その結果をあわせて表1、2に示す。なお、RIテスターとは、紙やフィルムにインキを展色させる試験機であり、インキの転移量や印圧を調整することができる。
【0063】
<黄変性の評価>
パナソニック電工株式会社製高出力UV−LED照射装置を使用し、照射距離10mm、波長350〜420nm(中心波長385nm)で、コンベア速度を30(m/分)に固定し、紫外線を照射させ、直後に目視で評価を行った。評価は、○(良好)、○△、△、△×、×(不良)の5段階により評価を行った。
なお、実用レベルは、「○」、「○△」である。
【0064】
<表面硬化性の評価>
パナソニック電工株式会社製高出力UV−LED照射装置を使用し、照射距離10mm、波長350〜420nm(中心波長385nm)で、コンベア速度(30、50、100、120(m/分))を変化させながら、紫外線を照射し、表面を指で触ってタックの有無を確認し、タックが無い速度を「○」とし、タックが少しでもある場合には「×」した。ここで、コンベア速度の速いもの、すなわち、照射光量が少ないものほど表面硬化性が良好なるものであると判断できる。
【0065】
【表1】



【0066】
【表2】



【0067】
表1、2の結果より本発明の実施例によれば、発光ピーク波長が350〜420nmの範囲の紫外線を発生する発光ダイオードにより照射される紫外線に対する光重合性に優れ(表面硬化性)、黄変性がほとんど無い優れた活性エネルギー線硬化型コーティングニスを得ることができることが分った。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エチレン性二重結合を有する化合物、光重合開始剤および蛍光増白剤を含有する活性エネルギー線硬化型コーティングニスであって、
光重合開始剤が、
α−アミノアルキルフェノン化合物
および
アシルフォスフィンオキサイド化合物
であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型コーティングニス。
【請求項2】
前記蛍光増白剤が、2,5−チオフェンジイルビス−(5−tert−ブチル−1,3−ベンゾオキサゾール)であることを特徴とする請求項1記載の活性エネルギー線硬化型コーティングニス。
【請求項3】
α−アミノアルキルフェノン化合物が、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オンおよび2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンから選ばれる1種類以上であることを特徴とする請求項1または2記載の活性エネルギー線硬化型コーティングニス。
【請求項4】
アシルフォスフィンオキサイド化合物が、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイドであることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の活性エネルギー線硬化型コーティングニス。
【請求項5】
さらに、チオキサントン化合物を含有することを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の活性エネルギー線硬化型コーティングニス。
【請求項6】
チオキサントン化合物が、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントンおよび2−イソプロピルチオキサントンから選ばれる1種類以上であることを特徴とする請求項5記載の活性エネルギー線硬化型コーティングニス。
【請求項7】
請求項1〜6いずれか記載の活性エネルギー線硬化型コーティングニスを用いて印刷し、印刷されたコーティングニスを波長350〜420nmの輝線を発する発光ダイオードを用いて硬化させることを特徴とするコーティングニス硬化物の製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載のコーティングニス硬化物の製造方法で得られた印刷物。



【公開番号】特開2012−188660(P2012−188660A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−37159(P2012−37159)
【出願日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【出願人】(000222118)東洋インキSCホールディングス株式会社 (2,229)
【Fターム(参考)】