Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、FRP金属蒸着用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、及び塗装物に関する。
説明

活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、FRP金属蒸着用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、及び塗装物に関する。

【課題】貯蔵安定性に優れ、かつ硬化塗膜が外観、耐熱性、及び基材密着性に優れる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、これを用いたFRP金属蒸着用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、及び耐熱性と基材密着性に優れるアンダーコート層を有する塗装物を提供すること。
【解決手段】不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸エステルを用いて得られる油変性アルキド樹脂(A)と、(メタ)アクリロイル基を有する単量体(B)と、フェノール核を1つ又は2つ有し、さらに、OH、アルコキシ基、又は炭化水素基を含有、又は含有しないフェノール化合物(C)とを必須成分として含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯蔵安定性に優れ、更に硬化塗膜の外観、基材密着性、及び耐熱性を高いレベルで兼備する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車ライトの反射鏡等の金属層を有する成形体は、繊維強化複合材料(以下、「FRP」と略記する)からなる基体の表面に、アルミニウムやスズなどの金属を真空蒸着又はスパッタリングすることによって作製されている。この際、基体と金属層との密着性を高め、更に金属層の光学特性を高めるために、予め基材の表面にアンダーコート層と呼ばれる樹脂層を形成する。アンダーコート層用に用いられる塗料用樹脂としては、例えば、アクリル樹脂及び消化綿系樹脂よりなるラッカー、ウレタン樹脂塗料、アルキド樹脂塗料、紫外線硬化型塗料等の種々のものが知られているが、中でも、硬化時間が短く、耐熱性に優れる特徴を有するアルキド樹脂含有紫外線硬化型塗料が注目されている。
【0003】
このような紫外線硬化型塗料として、分子量分布(Mw/Mn)が20〜50の範囲であるウレタン変性アルキド樹脂と、多官能(メタ)アクリレート化合物とを含む樹脂組成物に、キノン系の重合禁止剤を添加する技術が知られている(特許文献1参照)。しかしながら、キノン系の重合禁止剤はラジカルをトラップする能力は高いものの、二量化による失活も進みやすいため、長期に渡って増粘やゲル化を抑制し得るものではなく、十分な貯蔵安定性を付与できるものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3720770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明が解決しようとする課題は、貯蔵安定性に優れ、かつ硬化塗膜の外観、耐熱性、及び基材密着性に優れる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、これを用いたFRP金属蒸着用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、及び耐熱性と基材密着性に優れるアンダーコート層を有する塗装物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が、不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸エステルを用いて得られる油変性アルキド樹脂(A)と、(メタ)アクリロイル基を有する単量体(B)とを必須成分として含有することにより、塗膜の外観、耐熱性、及び基材密着性に優れる硬化塗膜が得られること、更に、下記一般式(1)又は(2)の構造式で表される分子構造を有する化合物(C)を添加することにより、アルキド樹脂の二重結合に起因する経時的な増粘やゲル化が効果的に抑制されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
【化1】

【0008】
(式中RはH、OH、炭素原子数が1〜10の範囲であるアルコキシ基、又は炭素原子数が1〜10の範囲である炭化水素基のいずれかであり、R、Rはそれぞれ炭素原子数が2〜10の範囲である炭化水素基)
【0009】
【化2】

【0010】
(式中R、RはそれぞれH、OH、炭素原子数が1〜10の範囲であるアルコキシ基、又は炭素原子数が1〜10の範囲である炭化水素基のいずれかであり、R、Rはそれぞれ炭素原子数が2〜10の範囲である炭化水素基)
【0011】
即ち、本発明は不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸エステルを用いて得られる油変性アルキド樹脂(A)と、(メタ)アクリロイル基を有する単量体(B)と、下記一般式(1)又は(2)の構造式で表される分子構造を有する化合物(C)とを必須成分として含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に関する。
【0012】
【化1】

【0013】
(式中RはH、OH、炭素原子数が1〜10の範囲であるアルコキシ基、又は炭素原子数が1〜10の範囲である炭化水素基のいずれかであり、R、Rはそれぞれ炭素原子数が2〜10の範囲である炭化水素基)
【0014】
【化2】

【0015】
(式中R、RはそれぞれH、OH、炭素原子数が1〜10の範囲であるアルコキシ基、又は炭素原子数が1〜10の範囲である炭化水素基のいずれかであり、R、Rはそれぞれ炭素原子数が2〜10の範囲である炭化水素基)
【0016】
本発明は、更に、前記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を含むFRP金属蒸着用活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤に関する。
【0017】
本発明は、更に、前記FRP金属蒸着用活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤からなるアンダーコート層を有する成形体に関する。
【0018】
本発明は、更に、前記成形体の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、従来の粉体塗料用樹脂組成物と比較して、貯蔵安定性に優れ、かつ硬化塗膜が耐熱性と基材密着性に優れる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を得ることが出来る。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明で用いる油変性アルキド樹脂(A)は、アルコール類と、カルボン酸類と、不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸エステルとを含む原料を反応させて得られる。これらのうち、得られるアルキド樹脂(A)が着色し難い点で、不飽和脂肪酸エステルを反応させて得られるものが好ましい。
【0021】
前記アルコール類としては、ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、オクタノール、n−デカノール、n−ウンデカノール、n−ドデカノール、n−トリデカノール、n−テトラデカノール、n−ペンタデカノール、n−ヘプタデカノール、n−オクタデカノール、n−ノナデカノール、エイコサノール、5−エチル−2−ノナノール、トリメチルノニルアルコール、2−ヘキシルデカノール、3,9−ジエチル−6−トリデカノール、2−イソヘプチルイソウンデカノール、2−オクチルドデカノール、2−デシルテトラデカノール等のモノアルコール類;
【0022】
エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2,2−トリメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−3−イソプロピル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘサン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール等の脂肪族ポリオール類;
【0023】
ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール等のエーテルグリコール類;
【0024】
前記脂肪族ポリオール類と、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等の種々の環状エーテル結合含有化合物との開環重合によって得られる変性ポリエーテルポリオール類;
【0025】
前記脂肪族ポリオール類と、ε−カプロラクトン等の種々のラクトン類との重縮合反応によって得られるラクトン系ポリエステルポリオール類などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。これらの中でも、架橋密度を向上させ、より強靭な塗膜物性が得られる点で3官能以上の多価アルコールが好ましく、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、又はペンタエリスリトールがより好ましい。
【0026】
前記カルボン酸類としては、メタン酸、エタン酸、プロパン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、安息香酸等のモノカルボン酸;
【0027】
マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸;
【0028】
(無水)フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;
【0029】
ヘキサヒドロフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸;
【0030】
テトラヒドロフタル酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸等の脂肪族不飽和ジカルボン酸;
【0031】
1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、トリメリット酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸等の各種トリカルボン酸などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で使用しても良いし、二種類以上を併用しても良い。これらの中でも、より強靭な塗膜物性が得られる点で、比較的高Tgの安息香酸、(無水)フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族カルボン酸が好ましい。
【0032】
前記不飽和脂肪酸は、例えば、クロトン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エラジイン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、ネルボン酸等のモノ不飽和脂肪酸;リノール酸、エイコサジエン酸、ドコサジエン酸等のジ不飽和脂肪酸;リノレン酸、γ−リノレン酸、ピノレン酸、エレオステアリン酸、β−エレオステアリン酸、ミード酸、ジホモ−γ−リノレン酸、エイコサトリエン酸等のトリ不飽和脂肪酸;ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサテトラエン酸、アドレン酸等のテトラ不飽和脂肪酸;ボセオペンタン酸、エイコサペンタエン酸、オズボンド酸、イワシ酸、テトラコサペンタエン酸等のペンタ不飽和脂肪酸;ドコサヘキサエン酸、ニシン酸等のヘキサ不飽和脂肪酸等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で使用しても良いし、二種類以上を併用しても良い。
【0033】
前記不飽和脂肪酸エステルは、例えば、前記不飽和脂肪酸を各種のアルコールでエステル化したものが挙げられる。前記各種のアルコールとしては、前記アルコール類として列記した各種の多価アルコール類が挙げられる。これらのアルコール類はそれぞれ単独で使用しても良いし、二種類以上を併用しても良い。不飽和脂肪酸エステルとしては、油脂類が好ましい。
【0034】
前記油脂は、乾性油、半乾性油、又は不乾性油のいずれでも良く、具体的には、亜麻仁油、大豆油、キリ油、トール油、ヤシ油、サフラワー油、ヒマシ油等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。これらの中でも、塗膜が硬化性に優れる点で亜麻仁油が好ましい。
【0035】
前記油変性アルキド樹脂(A)は、例えば、エステル化触媒の存在下、不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸エステルとアルコール類とを200〜240℃の範囲である温度条件下、1〜5時間反応させてエステル化反応又はエステル交換反応を行い、次いで、カルボン酸類を加え、200〜240℃の範囲である温度条件下、6〜15時間反応させて系中の残存水酸基とカルボン酸類のカルボキシル基とをエステル化反応させる方法で得られる。
【0036】
前記エステル化触媒は、水酸化リチウム等が挙げられる。触媒の使用量は、例えば、前記油変性アルキド樹脂(A)の原料の総質量に対し、50ppm〜500ppmとなる範囲で用いる。
【0037】
本発明では前記油変性アルキド樹脂(A)に種々の有機溶剤を添加しても良い。該有機溶剤は、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキソラン等の環状エーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、トルエン、キシレン等の芳香族類、カルビトール、セロソルブ、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール類が挙げられる。これらは単独で使用しても二種類以上を併用しても良い。
【0038】
このような油変性アルキド樹脂(A)の市販品は、例えば、アマニ油変性アルキド樹脂として、ベッコゾール45−163(DIC株式会社製、油長28%)、ベッコゾールEL−4501−50(DIC株式会社製、油長45%)、ベッコゾールEL−6501−70(DIC株式会社製、油長65%);大豆油変性アルキド樹脂として、ベッコゾールES−6505−70(DIC株式会社製、油長65%)、ベッコゾールOD−E−198−50(DIC株式会社製、油長28%)、ベッコゾールES−4020−55(DIC株式会社、油長40%)、ベッコゾールP−470−70(DIC株式会社製、油長65%);トール油変性アルキド樹脂として、ベッコゾールET−6502−60(DIC株式会社製、油長65%);ヤシ油変性アルキド樹脂として、ベッコゾール1323−60−EL(DIC株式会社製、油長28%);サフラワー油変性アルキド樹脂として、ベッコゾールJ−577(DIC株式会社製、油長51%);等が挙げられる。
【0039】
前記油変性アルキド樹脂(A)において、原料であるアルコール類、カルボン酸類、及び不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸エステルの質量の総和に対する油脂成分の質量比を油長と言い、本発明の油変性アルキド樹脂の油長は、化合物(B)との相溶性及び基材に対する付着性に優れる点で、20〜70%の範囲であることが好ましく、20〜50%の範囲であることがより好ましい。
【0040】
また、前記油変性アルキド樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)は、塗装作業性と塗膜物性に優れる点で、10,000〜500,000の範囲であることが好ましい。なかでも、塗膜のレベリング性等外観により優れる点では、重量平均分子量(Mw)が20,000〜100,000の範囲であることがより好ましく、30,000〜60,000の範囲であることが更に好ましい。また、塗膜が耐熱性や基材付着性により優れる点では、重量平均分子量(Mw)が100,000〜500,000の範囲であることがより好ましく、200,000〜400,000範囲であることが更に好ましい。本願発明によれば、いずれの分子量の油変性アルキド樹脂(A)を用いた場合にも、高い貯蔵安定性が得られる。
【0041】
本発明で用いる(メタ)アクリロイル基を有する単量体(B)は、例えば、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどのジ(メタ)アクリレート化合物;
【0042】
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス2―ヒドロキシエチルイソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート化合物;
【0043】
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンヘキサ(メタ)アクリレート等の4官能以上の(メタ)アクリレート化合物;
【0044】
および、上記した(メタ)アクリレートの一部をアルキル基やε−カプロラクトンで置換した(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、二種類以上を併用しても良い。これらの中でも、得られる樹脂組成物が硬化性に優れる点で、一分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好ましく、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートがより好ましい。
【0045】
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物中の油変性アルキド樹脂(A)と、(メタ)アクリロイル基を有する単量体(B)との含有量の質量比[(A)/(B)]は80/20〜20/80の範囲であることが、相溶性が良好であり、且つ強靭な塗膜が得られる点で好ましい。なかでも、強靭な塗膜が得られる点で60/40〜40/60の範囲であることがより好ましい。
【0046】
本発明で用いる化合物(C)は、下記一般式(1)又は(2)の構造式で表される分子構造を有する化合物であり、樹脂組成物の貯蔵安定性を高める為の重合禁止剤として機能する。これらの化合物(C)はオルト位に置換基を有するフェノール性水酸基を有することで、オルト位の置換基が無いフェノール性水酸基を有するものに比べるとラジカルのトラップ性能は若干低下するが、自身の二量化による失活が生じ難く、増粘やゲル化等を長期的に抑制できる効果がある。モノマーやオリゴマーを主成分とする紫外線硬化樹脂では、反応性の高い(メタ)アクリロイル基を多く有する為ラジカルが発生し易い。このため、発生するラジカルを瞬時にトラップする必要があり、ラジカルのトラップ性能を優先させて重合抑制剤が選ばれる。これに対し、アルキド樹脂の二重結合は(メタ)アクリロイル基に比べ反応性が低くラジカルの発生頻度も低いが、分子量が大きいため、僅かに重合が進んだ場合であっても著しい粘度上昇となる。アルキド樹脂含有紫外線硬化型樹脂組成物は(メタ)アクリロイル基の含有量はさほど多くないが、前述の通り少しの重合でも著しい粘度上昇を生じるアルキド樹脂を含有する為、長期的に安定貯蔵するためには、自身の二量化による失活が生じ難く、より長期的に重合禁止能が持続する本発明の重合抑制剤(C)が効果的である。
【0047】
【化1】

【0048】
(式中RはH、OH、炭素原子数が1〜10の範囲であるアルコキシ基、又は炭素原子数が1〜10の範囲である炭化水素基のいずれかであり、R、Rはそれぞれ炭素原子数が2〜10の範囲である炭化水素基)
【0049】
【化2】

【0050】
(式中R、RはそれぞれH、OH、炭素原子数が1〜10の範囲であるアルコキシ基、又は炭素原子数が1〜10の範囲である炭化水素基のいずれかであり、R、Rはそれぞれ炭素原子数が2〜10の範囲である炭化水素基)
【0051】
上記化合物(C)はそれぞれ単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。これらの中でも、油変性アルキド樹脂(A)と(メタ)アクリロイル基を有する単量体(B)との混合物に対する相溶性に優れる点で、一般式(2)で表される化合物が好ましい。
【0052】
前記化合物(C)は、フェノール性水酸基のオルト位に炭素原子数が2〜10の範囲である炭化水素基を有し、かつ、フェノール性水酸基のパラ位にH、OH、炭素原子数が1〜10の範囲であるアルコキシ基、又は炭素原子数が1〜10の範囲である炭化水素基のいずれかを有する。フェノール性水酸基のオルト位の炭化水素基は、相溶性と重合禁止効果の持続性に優れる点で、炭素原子数2〜7の炭化水素基が好ましく、炭素原子数が2〜4の炭化水素基がより好ましく、ターシャリーブチル基がさらに好ましい。また、フェノール性水酸基のパラ位置の置換基は、相溶性と重合禁止効果の持続性に優れる点で、炭素原子数が1〜6のアルコキシ基又は炭素原子数1〜6のアルキル基が好ましい。
【0053】
前記化合物(C)のうち、一般式(1)の構造式で表される分子構造を有する化合物は、2,6−ジ−エチルフェノール、2,6−ジ−エチル−4−ヒドロキシフェノール、2,6−ジ−エチル−4−メトキシフェノール、2,6−ジ−エチル−4−エトキシフェノール、2,6−ジ−エチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−エチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−エチル−4−n−プロピルフェノール、2,6−ジ−エチル−4−i−プロピルフェノール、2,6−ジ−エチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−エチル−4−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−エチル−4−シクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−n−プロピルフェノール、2,6−ジ−n−プロピル−4−ヒドロキシフェノール、2,6−ジ−n−プロピル−4−メトキシフェノール、2,6−ジ−n−プロピル−4−エトキシフェノール、2,6−ジ−n−プロピル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−n−プロピル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−n−プロピル−4−n−プロピルフェノール、2,6−ジ−n−プロピル−4−i−プロピルフェノール、2,6−ジ−n−プロピル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−n−プロピル−4−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−n−プロピル−4−シクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−i−プロピルフェノール、2,6−ジ−i−プロピル−4−ヒドロキシフェノール、2,6−ジ−i−プロピル−4−メトキシフェノール、2,6−ジ−i−プロピル−4−エトキシフェノール、2,6−ジ−i−プロピル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−i−プロピル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−i−プロピル−4−n−プロピルフェノール、2,6−ジ−i−プロピル−4−i−プロピルフェノール、2,6−ジ−i−プロピル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−i−プロピル−4−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−i−プロピル−4−シクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−n−ブチル−4−ヒドロキシフェノール、2,6−ジ−n−ブチル−4−メトキシフェノール、2,6−ジ−n−ブチル−4−エトキシフェノール、2,6−ジ−n−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−n−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−n−ブチル−4−n−プロピルフェノール、2,6−ジ−n−ブチル−4−i−プロピルフェノール、2,6−ジ−n−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−n−ブチル−4−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−n−ブチル−4−シクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−n−プロピルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−i−プロピルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−シクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−シクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェノール、2,6−ジ−シクロヘキシル−4−メトキシフェノール、2,6−ジ−シクロヘキシル−4−エトキシフェノール、2,6−ジ−シクロヘキシル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−シクロヘキシル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−シクロヘキシル−4−n−プロピルフェノール、2,6−ジ−シクロヘキシル−4−i−プロピルフェノール、2,6−ジ−シクロヘキシル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−シクロヘキシル−4−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−シクロヘキシル−4−シクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−(1−メチルシクロヘキシル)フェノール、2,6−ジ−(1−メチルシクロヘキシル)−4−ヒドロキシフェノール、2,6−ジ−(1−メチルシクロヘキシル)−4−メトキシフェノール、2,6−ジ−(1−メチルシクロヘキシル)−4−エトキシフェノール、2,6−ジ−(1−メチルシクロヘキシル)−4−メチルフェノール、2,6−ジ−(1−メチルシクロヘキシル)−4−エチルフェノール、2,6−ジ−(1−メチルシクロヘキシル)−4−n−プロピルフェノール、2,6−ジ−(1−メチルシクロヘキシル)−4−i−プロピルフェノール、2,6−ジ−(1−メチルシクロヘキシル)−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−(1−メチルシクロヘキシル)−4−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−(1−メチルシクロヘキシル)−4−シクロヘキシルフェノール等が挙げられる。
【0054】
また、一般式(2)の構造式で表される分子構造を有する化合物は、2,2′−メチレンビス(6−エチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−エチル−4−ヒドロキシフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−エチル−4−メトキシフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−エチル−4−エトキシフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−エチル−4−メチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−エチル−4−エチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−エチル−4−n−プロピルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−エチル−4−i−プロピルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−エチル−4−n−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−エチル−4−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−エチル−4−シクロヘキシルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−n−プロピルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−n−プロピル−4−ヒドロキシフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−n−プロピル−4−メトキシフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−n−プロピル−4−エトキシフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−n−プロピル−4−メチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−n−プロピル−4−エチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−n−プロピル−4−n−プロピルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−n−プロピル−4−i−プロピルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−n−プロピル−4−n−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−n−プロピル−4−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−n−プロピル−4−シクロヘキシルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−i−プロピルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−i−プロピル−4−ヒドロキシフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−i−プロピル−4−メトキシフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−i−プロピル−4−エトキシフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−i−プロピル−4−メチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−i−プロピル−4−エチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−i−プロピル−4−n−プロピルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−i−プロピル−4−i−プロピルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−i−プロピル−4−n−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−i−プロピル−4−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−i−プロピル−4−シクロヘキシルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−n−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−n−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−n−ブチル−4−メトキシフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−n−ブチル−4−エトキシフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−n−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−n−ブチル−4−エチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−n−ブチル−4−n−プロピルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−n−ブチル−4−i−プロピルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−n−ブチル−4−n−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−n−ブチル−4−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−n−ブチル−4−シクロヘキシルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メトキシフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−t−ブチル−4−エトキシフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−t−ブチル−4−エチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−t−ブチル−4−n−プロピルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−t−ブチル−4−i−プロピルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−t−ブチル−4−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−t−ブチル−4−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−t−ブチル−4−シクロヘキシルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メトキシフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−t−ブチル−4−エトキシフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−t−ブチル−4−エチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−t−ブチル−4−n−プロピルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−t−ブチル−4−i−プロピルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−t−ブチル−4−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−t−ブチル−4−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−t−ブチル−4−シクロヘキシルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−シクロヘキシルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−シクロヘキシル−4−メトキシフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−シクロヘキシル−4−エトキシフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−シクロヘキシル−4−メチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−シクロヘキシル−4−エチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−シクロヘキシル−4−n−プロピルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−シクロヘキシル−4−i−プロピルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−シクロヘキシル−4−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−シクロヘキシル−4−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−シクロヘキシル−4−シクロヘキシルフェノール)、2,2′−メチレンビス[6−(1−メチルシクロヘキシル)フェノール]、2,2′−メチレンビス[6−(1−メチルシクロヘキシル)−4−ヒドロキシフェノール]、2,2′−メチレンビス[6−(1−メチルシクロヘキシル)−4−メトキシフェノール]、2,2′−メチレンビス[6−(1−メチルシクロヘキシル)−4−エトキシフェノール]、2,2′−メチレンビス[6−(1−メチルシクロヘキシル)−4−メチルフェノール]、2,2′−メチレンビス[6−(1−メチルシクロヘキシル)−4−エチルフェノール]、2,2′−メチレンビス[6−(1−メチルシクロヘキシル)−4−n−プロピルフェノール]、2,2′−メチレンビス[6−(1−メチルシクロヘキシル)−4−i−プロピルフェノール]、2,2′−メチレンビス[6−(1−メチルシクロヘキシル)−4−t−ブチルフェノール]、2,2′−メチレンビス[6−(1−メチルシクロヘキシル)−4−t−ブチルフェノール]、2,2′−メチレンビス[6−(1−メチルシクロヘキシル)−4−シクロヘキシルフェノール]等が挙げられる。
【0055】
本発明で用いる化合物(C)は、一般に使われるメトキノン系の重合禁止剤と比べて、少ない量で高い貯蔵安定性能を発揮する。これは、前述の通り、フェノール性水酸基のオルト位に置換基を有することで、自身の二量化による失活が生じ難い為、少量でも長期に渡って活性を保ったまま樹脂組成物中に存在できることによる。
【0056】
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物中の上記化合物(C)の含有量は、油変性アルキド樹脂(A)と(メタ)アクリロイル基を有する単量体(B)との固形分の合計質量に対し、10〜1500ppmの範囲であり、50〜1000ppmの範囲であることがより好ましく、100〜500ppmの範囲であることが更に好ましい。化合物(C)の含有量を上記範囲とすることで、増粘及びゲル化に対する十分な抑制効果が発現され、かつ、その後の活性エネルギー線による硬化が阻害されない。
【0057】
本発明の活性エネルギー線樹脂組成物は、更に光重合開始剤(D)を含有する。光重合開始剤としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、チオキサントン及びチオキサントン誘導体、2,2′−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン等が上げられる。
【0058】
前記光重合開始剤の市販品は、例えば、イルガキュア−184、同149、同261、同369、同500、同651、同754、同784、同819、同907、同1116、同1664、同1700、同1800、同1850、同2959、同4043、ダロキュア−1173(チバスペシャルティーケミカルズ社製)、ルシリンTPO(ビーエーエスエフ社製)、カヤキュア−DETX、同MBP、同DMBI、同EPA、同OA(日本化薬株式会社製)、バイキュア−10、同55(ストウファ・ケミカル社製)、トリゴナルP1(アクゾ社製)、サンドレイ1000(サンドズ社製)、ディープ(アプジョン社製)、クオンタキュア−PDO、同ITX、同EPD(ワードブレンキンソップ社製)等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。
【0059】
前記光重合開始剤は、光の感度を良好に保ち、かつ、結晶の析出や塗膜物性の劣化等を生じない点で、本発明の成形同時加飾用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物100質量部に対し、0.05〜20質量部の範囲であることが好ましく、0.1〜10質量部の範囲であることがより好ましい。
【0060】
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、更に光増感剤紫外線吸収剤、酸化防止剤、シリコン系添加剤、フッ素系添加剤、レオロジーコントロール剤、脱泡剤、帯電防止剤、防曇剤等の各種添加剤を含有しても良い。これらの添加量は、添加剤の効果を十分発揮し、また紫外線硬化を阻害しない範囲で用いることが出来る。
【0061】
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、FRP金属蒸着用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物として好適に用いることができる。具体的には、FRP基体に金属蒸着層を形成する際のアンダーコート層として用いる。以下、本発明の活性エネルギー硬化型樹脂組成物をFRP基体に金属蒸着層を形成する際のアンダーコート層として用いる際の各種条件等について詳述する。
【0062】
前記アンダーコート層を形成するに際し、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、スプレーコート等の方法によりFRP基体上に塗布される。その際の塗布量は、硬化後の膜厚が5〜60μmの範囲となることが好ましく、10〜40μmの範囲となることがより好ましい。硬化塗膜の膜厚を上記範囲内とすることで、接着効果の発現と塗膜の硬化性発現の点で好ましい。
【0063】
上記方法でFRP基体上に活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を塗布した後、樹脂組成物中の有機溶剤を揮発させる目的で、50〜150℃の範囲である温度条件下、5〜25分間プレヒートする。
【0064】
上記プレヒート工程終了後、活性エネルギー線を照射して樹脂組成物を硬化させ、前記アンダーコート層を形成する。本発明で使用する活性エネルギー線は、例えば、紫外線や電子線が挙げられる。紫外線により硬化させる場合、光源としてキセノンランプ、高圧水銀灯、メタルハライドランプを有する紫外線照射装置が使用でき、必要に応じて光量、光源の配置などを調整する。本発明においては、紫外線を積算光量が50〜5000mJ/cmとなるように照射するのが好ましく、積算光量が500〜2000mJ/cmとなるように照射するのがより好ましい。
【0065】
以上のようにして本発明のアンダーコート層が設置されたFRP基体は、その上に金属蒸着層が設置され、その上に更にトップコート層が設置される。その際の金属蒸着層の膜厚は30nm〜3μmの範囲であり、トップコート層の硬化後の膜厚は3〜40μmの範囲である。このような成型品としては、自動車反射鏡等が挙げられる。本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を金属蒸着層のアンダーコート層として用いることで、該金属層の金属光沢、FRP基体への密着性、及び耐熱性に優れる成型品が得られる。また、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は貯蔵安定に優れる特徴を有する。
【0066】
以下に本発明を具体的な合成例、実施例を挙げてより詳細に説明する。
【0067】
[重量平均分子量(Mw)の測定方法]
重量平均分子量(Mw)は下記条件のゲルパーミアーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
【0068】
測定装置 ;東ソー株式会社製 HLC−8220GPC
カラム ;東ソー株式会社製 TSK−GUARDCOLUMN SuperHZ−L
+東ソー株式会社製 TSK−GEL SuperHZM−M×4
検出器 ;RI(示差屈折計)
データ処理;東ソー株式会社製 マルチステーションGPC−8020modelII
測定条件 ;カラム温度 40℃
溶媒 テトラヒドロフラン
流速 0.35ml/分
標準 ;単分散ポリスチレン
試料 ;樹脂固形分換算で0.2質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(100μl)
【0069】
実施例・比較例で用いたアルキド樹脂(A)
合成例1
油変性アルキド樹脂(A1)の合成
攪拌棒、温度センサー、精留管を有するフラスコに不飽和脂肪酸エステルとして亜麻仁油1269gを仕込み、次いでペンタエリスリトール593gを仕込んだ。乾燥窒素を10ml/分となる量でフラスコ内部にフローさせ、攪拌を行いながら190℃まで2時間で昇温させ、エステル化触媒として水酸化リチウムを0.07g添加した。その後、240℃に加熱し、エステル交換反応を行った。エステル交換反応後、140℃まで降温し、無水フタル酸880gを仕込み、220℃でエステル化反応を行った。トルエンを加えて不揮発分(NV)が55質量%となるように希釈し、酸価4.3、ガードナー粘度V−Wである油変性アルキド樹脂(A1)を得た。油変性アルキド樹脂(A1)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量(Mw)は303,000であり、油長は45質量%であった。
【0070】
合成例2
油変性アルキド樹脂(A2)の合成
攪拌棒、温度センサー、精留管を有するフラスコに不飽和脂肪酸として亜麻仁油674gを仕込み、次いでトリメチロールエタン666g、安息香酸266gを仕込んだ。乾燥窒素を10ml/分となる量でフラスコ内部にフローさせ、攪拌を行いながら190℃まで2時間で昇温させ、水酸化リチウムを0.1g添加した。その後、240℃に加熱し、エステル交換反応を行った。エステル交換反応後、140℃まで降温し、無水フタル酸936gを仕込み、220℃でエステル化反応を行った。トルエンを加えて不揮発分(NV)が50質量%となるように希釈し、酸価5.1、ガードナー粘度M−Nである油変性アルキド樹脂(A2)を得た。油変性アルキド樹脂(A2)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量(Mw)は205,000であり、油長は26質量%であった。
【0071】
合成例3
油変性アルキド樹脂(A3)の合成
攪拌棒、温度センサー、精留管を有するフラスコに不飽和脂肪酸として亜麻仁油658gを仕込み、次いでペンタエリスリトール289g、安息香酸163gを仕込んだ。乾燥窒素を10ml/分となる量でフラスコ内部にフローさせ、攪拌を行いながら180℃まで2時間で昇温させ、水酸化リチウムを0.1g添加した。その後、240℃に加熱し、エステル交換反応を行った。エステル交換反応後、140℃まで降温し、無水フタル酸387gを仕込み、220℃でエステル化反応を行った。トルエンを加えて不揮発分(NV)が50質量%となるように希釈し、酸価4.5、ガードナー粘度S−Tである油変性アルキド樹脂(A3)を得た。油変性アルキド樹脂(A3)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量(Mw)は55,000であり、油長は45質量%であった。
【0072】
実施例・比較例で用いた(メタ)アクリロイル基を有する単量体(B)
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートと、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとを、質量比[ジペンタエリスリトールペンタアクリート]/[ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート]が60/40となるように混合し、組成物(B1)とした。
混合物の(メタ)アクリロイル当量は99.7g/eqであった。
【0073】
実施例・比較例で用いた化合物(C)
重合抑制剤(C1):2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール:精工化学株式会社製「BHTスワノックス」
【0074】
【化4】

【0075】

重合抑制剤(C2):2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール):精工化学株式会社製「ノンフレックスMBP」
【0076】
【化5】

【0077】

重合抑制剤(C3):2,2′−メチレンビス[6−(1−メチルシクロヘキシル)−p−クレゾール]:精工化学株式会社製「ノンフレックスCBP」
【0078】
【化6】

【0079】

重合抑制剤(C1’):ハイドロキノンモノメチルエーテル:精工化学株式会社製「メトキノン」
【0080】
【化7】

【0081】

重合抑制剤(C2’):フェノチアジン:精工化学株式会社製「フェノチアジン」
【0082】
【化8】

【0083】

重合抑制剤(C3’):N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン・アルミニウム塩:和光純薬工業株式会社製「Q−1301」
【0084】
【化9】

【0085】

重合抑制剤(C4’)2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン:精工化学株式会社製「ノンフレックスアルバ」
【0086】
【化10】

【0087】
実施例・比較例で用いた光開始剤(D)
【0088】
【化11】

【0089】
チバ・ジャパン社製「Irgacure 184」
【0090】
実施例1〜9および比較例1′〜9′
[価塗膜の作成方法]
表1又は表2に示す配合で実施例樹脂組成物1〜9及び比較例樹脂組成物1′〜9′を調整した。イソプロピルアルコールで洗浄したFRP成形品上に、先に調整した樹脂組成物をエアースプレーで塗布し、組成物中の溶剤を揮発させるため100℃のオーブンで10分間乾燥させた。次いで、80W高圧水銀灯を用いて積算光量2000mJ/cmの紫外線を照射し、FRP成形品の表面に膜厚10〜20μmのアンダーコート層を形成した。得られたアンダーコート層の表面にアルミニウムを真空蒸着した後、更にその上から、トップコート用樹脂組成物(※)を乾燥膜厚が3μmになるようにエアースプレーで塗布し、120℃で10分間焼き付けてトップコート層を形成し、FRP製反射鏡を作製した。
※トップコート層用樹脂組成物:日本ユピカ社製「ユピカコート3002A」20質量部、トルエン35質量部、工業用溶剤(エクソン化学株式会社製「ソルベッソ#100」)40質重部、n−ブタノール5質量部を混合したもの。
【0091】
上記方法で得たFRP製反射鏡について、塗膜外観、光沢性、密着性、耐熱性、及び貯蔵安定性の評価を行い、結果を実施例については表1に、比較例については表2にまとめた。
【0092】
評価方法
[塗膜外観]
外観を目視で観察し、虹、白化、クラック、膨れの欠陥の有無を検査し、以下の通り評価した。
【0093】
○・・・虹、白化、クラック、膨れの欠陥がない。
【0094】
×・・・虹、白化、クラック、膨れの欠陥がある。
[光沢性]
目視観察により、光沢具合を以下の通り評価した。
【0095】
○・・・十分な光沢があるもの。
【0096】
×・・・光沢が不十分なもの。
[密着性]
カッターナイフで反射鏡表面を100個の2mm巾の碁盤目に切り、この上からセロハン粘看テープ(ニチバン製 登録商標「セロテープ」)を貼って剥離し、剥離せずに残った碁盤目の数を測定した。
[耐熱性]
180℃の熱風循環感想炉の中に100時間静置した後に取り出し、室温まで冷却したものについて、外観と密着性を上記と同様の方法で評価した。
[貯蔵安定性]
各樹脂組成物を60℃の温度条件下で100時間静置した後の組成物の状態を以下のように評価した。
【0097】
○・・・着色しておらず、粘度の上昇及びゲル化が生じていない。
【0098】
△・・・着色はしているが、粘度の上昇及びゲル化は生じていない。
【0099】
×・・・ゲル化している。
【0100】
【表1】

【0101】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸エステルを用いて得られる油変性アルキド樹脂(A)と、(メタ)アクリロイル基を有する単量体(B)と、下記一般式(1)又は(2)の構造式で表される分子構造を有する化合物(C)とを必須成分として含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
【化1】

(式中RはH、OH、炭素原子数が1〜10の範囲であるアルコキシ基、又は炭素原子数が1〜10の範囲である炭化水素基のいずれかであり、R、Rはそれぞれ炭素原子数が2〜10の範囲である炭化水素基)
【化2】

(式中R、RはそれぞれH、OH、炭素原子数が1〜10の範囲であるアルコキシ基、又は炭素原子数が1〜10の範囲である炭化水素基のいずれかであり、R、Rはそれぞれ炭素原子数が2〜10の範囲である炭化水素基)
【請求項2】
前記不飽和脂肪酸エステルが、亜麻仁油、大豆油、キリ油、及びトール油からなる群から選ばれる1種類以上の油脂である請求項1記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
【請求項3】
前記(メタ)アクリロイル基を有する単量体(B)が、一分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する単量体である請求項1記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
【請求項4】
前記(メタ)アクリロイル基を有する単量体(B)が、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレートからなる群から選ばれる1種類以上の化合物である請求項1記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
【請求項5】
前記不飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸エステルを用いて得られる油変性アルキド樹脂(A)と、前記(メタ)アクリロイル基を有する単量体(B)との質量比〔(A)/(B)〕が80/20〜20/80の範囲である請求項1記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
【請求項6】
前記化合物(C)を表す前記一般式(1)又は(2)において、R及びR、又はR及びRがターシャリーブチル基である請求項1記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
【請求項7】
前記不飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸エステルを用いて得られる油変性アルキド樹脂(A)と、前記(メタ)アクリロイル基を有する単量体(B)との合計質量に対し、前記化合物(C)を10〜1500ppm含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
【請求項8】
前記不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸エステルを用いて得られる油変性アルキド樹脂(A)と、前記(メタ)アクリロイル基を有する単量体(B)と、前記ヒンダード型クレゾール系重合禁止剤(C)と、さらに光重合開始剤(D)とを含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一つに記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を含んでなるFRP金属蒸着用活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤。
【請求項10】
請求項9記載のアンダーコート剤からなるアンダーコート層を有する成形体。

【公開番号】特開2012−67162(P2012−67162A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−212069(P2010−212069)
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【出願人】(000002886)DIC株式会社 (2,597)
【Fターム(参考)】