説明

活性エネルギー線硬化塗料組成物

【課題】 生物由来の活性エネルギー線硬化塗料組成物を利用し、仕上り性、鉛筆硬度、耐擦り傷性、及び耐候性及び耐溶剤性に優れる塗膜を形成することができる活性エネルギー線硬化塗料組成物を提供すること。
【解決手段】
重量平均分子量が400〜2,000で、かつ1分子あたり平均3.0〜12.0個のアクリロイル基を有する、非環状のオリゴ糖又はその誘導体のアクリル酸エステル(a1)と光重合開始剤(a2)を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化塗料組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクリロイル基を有する特定の非環状のオリゴ糖又はその誘導体のアクリル酸エステルを含有してなる活性エネルギー線硬化塗料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化に対する影響低減の視点から、世界的レベルでCO排出量の削減が求められており、石油に替わる再生可能な資源であって、地球上の炭酸ガス循環においてCOの放出量を増大させない植物由来原料を積極的に利用することが求められている。
【0003】
そのような再生可能な資源の代表的な材料の、多糖類である澱粉、あるいはアセチル化澱粉などの変性澱粉は、従来、食品工業関連、製紙工業関連で用いられてきたが、近年はプラスチックの原料としてそれらの澱粉を用いて、食品容器、包装材、緩衝材シート、農業用フィルム、使い捨てオムツなどの幅広い分野で製品化されてきている。
【0004】
澱粉を工業製品原料として利用するために、澱粉の改質とともに、加工澱粉に関する様
々な改良が積み重ねられてきた。澱粉の基本構造はα−D−グルコースが1,4−結合に
より直鎖状に連結したアミロースと分枝構造を有するアミロペクチンの混合物であり、構造中に水酸基を持つことを利用したエステル化、エーテル化等の変性が1960年代になされた。
【0005】
従来、植物由来の樹脂を用いた例として、特許文献1には、光硬化性樹脂やデンプン系樹脂を用いた樹脂組成物が開示されている。また、特許文献2には、植物由来の樹脂を用いた塗料組成物に関して開示されており、酸化重合硬化型、常温硬化型、活性エネルギー線硬化型などの硬化型のタイプが可能であることが記載されている。
【0006】
しかし、これらの塗料組成物では、仕上り性、鉛筆硬度、耐擦り傷性、耐候性及び耐溶剤性に優れた塗膜性能を得ることはできなかった。
【0007】
また、特許文献3には、シクロデキストリンの(メタ)アクリル酸エステル及びそれを含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が開示されている。
【0008】
しかし、該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物では、グルコースがグリコシド結合によって環状に結合した構造をしており立体的な自由度が低いため光硬化性が十分ではなかった。
【0009】
【特許文献1】特開2002−167520号公報
【特許文献2】特開2004−224887号公報
【特許文献3】特開平10−258202号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、製品のライフサイクルに関わる総COの排出量が少なく、環境汚染を低減できると共に、仕上り性、鉛筆硬度、耐擦り傷性、耐候性、耐溶剤性、光硬化性に優れる塗膜を形成することができる生物由来の活性エネルギー線硬化塗料組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記した従来技術の問題点を解消するために鋭意検討した結果、特定の分子量及び特定の個数のアクリロイル基を有する、非環状のオリゴ糖又はその誘導体のアクリル酸エステル(a1)と光重合開始剤(a2)を含有する活性エネルギー線硬化塗料組成物によって、かかる課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち本発明は、
1.重量平均分子量が400〜2,000で、かつ1分子あたり平均3.0〜12.0個のアクリロイル基を有する、非環状のオリゴ糖又はその誘導体のアクリル酸エステル(a1)と光重合開始剤(a2)を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化塗料組成物、
2.前記非環状のオリゴ糖又はその誘導体がデキストリン又は変性デキストリンであることを特徴とする1項に記載の活性エネルギー線硬化塗料組成物、
3.前記非環状のオリゴ糖又はその誘導体がスクロース又はトレハロースであることを特徴とする1項に記載の活性エネルギー線硬化塗料組成物、
4.さらに、活性エネルギー線硬化化合物(a3)を含有することを特徴とする1〜3項のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化塗料組成物、
5.前記重量平均分子量が400〜2,000で、かつ1分子あたり平均3.0〜12.0個のアクリロイル基を有する、非環状のオリゴ糖又はその誘導体のアクリル酸エステル(a1)が水分散化され、水性化されてなる1〜4項のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化塗料組成物、
6.1〜5項のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化塗料組成物を塗装して得られる塗装物品、
に関する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の特定の分子量及び特定の個数のアクリロイル基を有する、非環状のオリゴ糖又はその誘導体のアクリル酸エステル(a1)と光重合開始剤(a2)を含有する活性エネルギー線硬化塗料組成物は、製品のライフサイクルに関わる総COの排出量が少なく、環境汚染を低減できると共に、仕上り性、鉛筆硬度、耐擦り傷性、耐候性、耐溶剤性及び光硬化性に優れる塗膜を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の活性エネルギー線硬化塗料組成物は、重量平均分子量が400〜2,000で、かつ1分子あたり平均3.0〜12.0個のアクリロイル基を有する、非環状のオリゴ糖又はその誘導体のアクリル酸エステル(a1)〔以下、単に「本発明のアクリル酸エステル(a1)」と略すことがある〕と光重合開始剤(a2)を含有する活性エネルギー線硬化塗料組成物である。以下、詳細に説明する。
【0015】
重量平均分子量が400〜2,000で、かつ1分子あたり平均3.0〜12.0個のアクリロイル基を有する、非環状のオリゴ糖又はその誘導体のアクリル酸エステル(a1)[本発明のアクリル酸エステル(a1)]:
本発明のアクリル酸エステル(a1)は、非環状のオリゴ糖又はその誘導体のアクリル酸エステルであって、重量平均分子量が400〜2,000で、かつ1分子あたり平均3.0〜12.0個のアクリロイル基を有する。
【0016】
本明細書において、非環状のオリゴ糖とは、複数の単糖がグリコシド結合によって環状に結合した構造のオリゴ糖[具体的には例えばシクロデキストリン(別名:環状オリゴ糖)]と異なり、複数の単糖がグリコシド結合によって鎖状に結合した構造のオリゴ糖を意味する。また本明細書において、オリゴ糖は、二糖から十糖の糖類を意味する。非環状のオリゴ糖としては、具体的には、還元性二糖(マルトース、セロビオース、ラクトースなど)、非還元性二糖(スクロース、トレハロースなど)などの二糖;ラフィノース、パトース、スタキオース、デキストリンなどの三糖以上のオリゴ糖などを挙げることができる。これらの中でも、デキストリンがデンプンを加水分解することで任意の分子量のものが得られる点から好ましく、還元性のないスクロースやトレハロースが、メイラード反応(褐変反応)による褐色化が起こらないので、塗膜の耐久性の面から好ましい。
【0017】
非環状のオリゴ糖の誘導体としては、例えば、非環状のオリゴ糖における水酸基の一部が、炭素数2〜22個の飽和カルボン酸類(飽和カルボン酸、飽和カルボン酸エステル、飽和カルボン酸ハライド)から選ばれる少なくとも1種によって、カルボン酸エステル化されたものが好適に使用できる。具体的には例えば、酢酸エステル、ラウリン酸エステルなどが挙げられる。
【0018】
本発明のアクリル酸エステル(a1)は、通常、環状オリゴ糖のアクリル酸エステルよりも光硬化性に優れる。それは、前記非環状のオリゴ糖又はその誘導体は、複数の単糖がグリコシド結合によって鎖状に結合した鎖状の構造であることから、前記環状オリゴ糖よりも立体的な自由度が高いためと推定される。そして、光硬化性に優れる結果、本発明の活性エネルギー線硬化塗料組成物を光硬化して得られる塗膜は、環状オリゴ糖を光硬化して得られる塗膜よりも通常、鉛筆硬度、耐擦り傷性に優れる。
【0019】
前記本発明のアクリル酸エステル(a1)の製造は、常法に従って行うことができ、特に限定されるものではない。例えば、前記本発明のアクリル酸エステル(a1)は、非環状のオリゴ糖又はその誘導体と、アクリル酸又はメチルアクリレート等のアクリル酸エステルを反応させることにより得ることができる。具体的には例えば、非環状のオリゴ糖又はその誘導体を有機溶剤に溶解した後、非環状のオリゴ糖又はその誘導体及びアクリル酸又はメチルアクリレート等のアクリル酸エステルの合計質量を基準にして、非環状のオリゴ糖又はその誘導体を50〜99質量%、好ましくは60〜98質量%、及びアクリル酸又はメチルアクリレート等のアクリル酸エステルを1〜50質量%、好ましくは2〜40質量%の範囲となる量で、有機溶剤、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサンなどの炭化水素系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトンなどのケトン系溶剤;あるいはこれらの混合物等、中で混合し、適宜に、塩基性化合物を加え、攪拌下で60℃〜100℃、より好ましくは70〜90℃の温度で、30分間〜10時間、より好ましくは1時間〜5時間程度、エステル化又はエステル交換反応することにより製造することができる。
【0020】
本発明のアクリル酸エステル(a1)の製造において導入されるアクリロイル基の量は、製造の際の反応温度、反応時間により調節することができる。また、製造された本発明のアクリル酸エステル(a1)の1分子あたりのアクリロイル基の平均個数は、例えばエステル交換反応による製造の場合、生成するアルコールをガスクロマトグラフィ等で定量することにより求めることができる。
【0021】
また、本発明のアクリル酸エステル(a1)は、前記非環状のオリゴ糖又はその誘導体を有機溶剤に溶解し、アクリル酸ハライド(例えば、アクリル酸クロライド)を加えて、生成する酸を中和して水洗することによっても得ることができる(脱塩酸法)。
【0022】
このようにして得られる本発明のアクリル酸エステル(a1)の重量平均分子量は、400〜2,000、好ましくは500〜1,800を有することが、製造が容易となる点、塗料粘度、及び仕上り性の点から好ましい。
【0023】
なお本明細書において、数平均分子量及び重量平均分子量は、JIS K 0124−83に記載の方法に準じ、分離カラムとして「TSK GEL4000HXL」、「TSK G3000HXL」、「TSK G2500HXL」、「TSK G2000HXL」(東ソー株式会社製)の4本を用いて、溶離液としてGPC用テトラヒドロフランを用いて40℃及び流速1.0ml/分において、RI屈折計で得られたクロマトグラムとポリスチレンの検量線から求めた。
【0024】
前記本発明のアクリル酸エステル(a1)は、1分子あたり平均3.0〜12.0個、好ましくは平均4.0〜9.0個のアクリロイル基を有する。このことにより、活性エネルギー線照射時の反応性を高めて、得られた塗膜の耐擦り傷性や付着性を向上させることができる。
【0025】
本発明の活性エネルギー線硬化塗料組成物を水性化する場合には、前記本発明のアクリル酸エステル(a1)は水分散化されていることが耐水性、貯蔵安定性の点から好ましい。
【0026】
本発明のアクリル酸エステル(a1)を水分散化する方法は特に限定されるものではない。水分散化する方法としては、具体的には例えば、乳化剤を用いて強制乳化する方法が挙げられる。
【0027】
乳化剤を用いて強制乳化する方法としては、具体的には例えば、前記本発明のアクリル酸エステル(a1)又はその有機溶剤溶液と乳化剤を混合した後、攪拌しながら徐々に水を加えることによって水分散化する方法が挙げられる。前記本発明のアクリル酸エステル(a1)又はその有機溶剤溶液と乳化剤を混合する際には、後述する光重合開始剤(a2)をさらに混合しても良い。水分散化して得られる水分散体の粒子径を小さくしたい場合には、上記方法で得られた水分散体をさらにホモジナイザー、高圧乳化装置などで処理すればよい。また、本発明のアクリル酸エステル(a1)の有機溶剤溶液を用いる場合には、有機溶剤を全部もしくは一部除去してから水分散化してもよいし、水分散体を得てから有機溶剤を全部もしくは一部除去してもよい。このことにより水分散体中の有機溶剤量を減らすことができる。
【0028】
前記乳化剤は、特に限定されるものではない。乳化剤としては、例えば、反応性乳化剤、非反応性乳化剤等が挙げられる。反応性乳化剤としては、例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルアクリレート等のノニオン性反応性乳化剤;アクアロン HS-10(商品名、第一工業製薬社製)、ニューフロンティアA-229E(商品名、第一工業製薬社製)、アデカリアソープ SE-10N(商品名、旭電化工業社製)、スルホエチルメタクリレートナトリウム塩等のアニオン性基及びα,β−エチレン性二重結合を有するアニオン性反応性乳化剤;ポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩、α−スルホ−ω−(1−(アルコキシ)メチル−2−(2−プロペニルオキシ)エトキシ)−ポリ(オキシ−1、2−エタンジイル)のアンモニウム塩などのアニオン・ノニオン性反応性乳化剤;第4級アンモニウム塩基及びα,β−エチレン性二重結合を有するカチオン性反応性乳化剤;反応性高分子乳化剤等が挙げられる。
【0029】
反応性高分子乳化剤としては、例えば、硫酸エステル、燐酸エステル、カルボン酸、アミノ基、ポリエチレングリコール鎖等の親水性基を有する単官能アクリルモノマーと、その他の共重合可能なモノマーとを共重合した後、末端あるいは側鎖に二重結合を導入した反応性高分子乳化剤等が挙げられる。具体的には例えば、エポキシ基含有不飽和単量体、水酸基含有不飽和単量体及び疎水性の不飽和単量体を含有する単量体混合液を重合しアクリル重合体を得た後、該アクリル重合体存在下でカルボキシル基含有不飽和単量体、水酸基含有不飽和単量体及び親水性の不飽和単量体を含有する単量体混合液を重合することによりグラフトアクリル重合体を得て、さらに該グラフトアクリル重合体の水酸基にイソシアネート基を有する不飽和単量体を付加させてなる反応性高分子乳化剤等が挙げられる。
【0030】
非反応性乳化剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、ラウリル硫酸ソーダ、ナトリウムジオクチルスルホサクシネート、アルキルフェニルポリオキシエチレンサルフェートソーダ塩またはアンモニウム塩などのアニオン性乳化剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンーポリオキシプロピレンブロック共重合体等が挙げられる。
【0031】
これら乳化剤の中でも反応性乳化剤を用いることが、耐水性の点から好ましい。
【0032】
乳化剤量は、特に限定されるものではない。好ましくは、前記本発明のアクリル酸エステル(a1)100質量部に対して0.2〜20質量部であり、より好ましくは、2〜15質量部である。これら範囲の下限値は、安定な水分散体を得ることができる点で意義がある。これら範囲の上限値は、耐水性の点で意義がある。
【0033】
光重合開始剤(a2):
光重合開始剤(a2)は、活性エネルギー線の光エネルギーで励起されることでラジカルを発生し、本発明のアクリル酸エステル(a1)が有するラジカル重合性不飽和基(具体的にはアクリロイル基)のラジカル重合反応を開始するものである。
【0034】
光重合開始剤(a2)の具体例としては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシフォスフィンオキサイド、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ヒドロキシベンゾフェノン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロ)−S−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジンなどが挙げられる。これらの光重合開始剤(a2)は、単独で又は2種類以上を組合せて使用できる。該光重合開始剤(a2)の含有量は、本発明のアクリル酸エステル(a1)及び後述する活性エネルギー線硬化化合物(a3)の総量100質量部に対して、0.1〜10質量部、好ましくは0.2〜5質量部の範囲内である。
【0035】
本発明の活性エネルギー線硬化塗料組成物には、活性エネルギー線の照射によるラジカル重合反応を促進させるために、光重合開始剤(a2)に加えて、ラジカル発生の感度向上や波長領域拡張を目的として光増感剤を併用してもよい。
【0036】
併用し得る光増感剤としては、例えば、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、ミヒラーケトン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等の3級アミン系、トリフェニルホスフィン等のアルキルフォスフィン系、β−チオジグリコール等のチオエーテル系などが挙げられる。これらの光増感剤は、本発明のアクリル酸エステル(a1)及び後述する活性エネルギー線硬化化合物(a3)の総量100質量部に対して、0.1〜5質量部の範囲が好ましい。
【0037】
活性エネルギー線硬化化合物(a3):
本発明の活性エネルギー線硬化塗料組成物には、必要に応じて活性エネルギー線硬化化合物(a3)を配合することができる。配合する活性エネルギー線硬化化合物(a3)は、本発明のアクリル酸エステル(a1)以外のラジカル重合性不飽和モノマー、ラジカル重合性不飽和基含有樹脂、及びラジカル重合性不飽和基と熱硬化性官能基とを併有する樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマー及び/又は樹脂であるのが好ましい。なお、ラジカル重合性不飽和モノマーとしては、1官能重合性モノマー、2官能重合性モノマー、3官能以上の重合性モノマー等が挙げられる。
【0038】
1官能重合性モノマーとしては、スチレン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキセニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドブチルエーテル、アクリロイルモルホリン、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−ビニル−2−ピロリドンなどが挙げられる。
【0039】
2官能重合性モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAプロピレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1−アクリロキシ−3−メタクリロキシプロパン、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート等が挙げられる。また、2官能重合性モノマーとしては、「カヤラッドHX−220」、「カヤラッド620」、「カヤラッドR−604」、「MANDA」等の商品名で日本化薬(株)から市販されているモノマーも使用できる。
【0040】
3官能以上の重合性モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロピレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0041】
好ましいラジカル重合性不飽和モノマーとしては、光硬化性、付着性、耐擦り傷性等から2官能重合性モノマー及び/又は3官能以上の重合性モノマーである。
【0042】
ラジカル重合性不飽和基含有樹脂としては、例えば、不飽和アクリル樹脂、不飽和ウレタン樹脂、不飽和エポキシ樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート、不飽和シリコーン樹脂などが挙げられ、これらから選ばれた一種又は二種以上を使用することができる。この中でも1分子中にラジカル重合性不飽和基と熱硬化性官能基とを各1個以上有する樹脂を用いることができ、塗膜の硬化性の点から、該不飽和基と該熱硬化性官能基を複数個有する樹脂を用いることが好ましい。
【0043】
前記熱硬化官性能基としては、例えは、水酸基、酸基、エポキシ基、イソシアネート基等の官能基が挙げられる。該酸基としては、カルボキシル基、リン酸基等が挙げられる。
【0044】
ここで述べる1分子中にラジカル重合性不飽和基と熱硬化性官能基とを各1個以上有する樹脂の具体例としては、例えば、ラジカル重合性不飽和基及びエポキシ基含有アクリル樹脂、ラジカル重合性不飽和基及びイソシアネート基含有アクリル樹脂等が挙げられる。
【0045】
また、活性エネルギー線硬化化合物(a3)が熱硬化性官能基を有する場合には、例えば、アミノ樹脂、ポリイソシアネート化合物、エポキシ基含有化合物等を併用することが塗膜硬度向上の点から好ましい。前記アミノ樹脂としては、例えば、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、尿素樹脂などを用いることができる。
【0046】
本発明のアクリル酸エステル(a1)に対する活性エネルギー線硬化化合物(a3)の配合割合としては、本発明のアクリル酸エステル(a1)100質量部に対して、活性エネルギー線硬化化合物(a3)は0〜900質量部、好ましくは30〜400質量部であることが、仕上り性、耐擦り傷性の点から好ましい。
【0047】
さらに、本発明の活性エネルギー線硬化塗料組成物には、必要に応じて、艶消し剤、表面調整剤、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、有機着色剤、天然色素及び無機顔料などを使用することができる。
【0048】
前記有機着色剤としては、例えば、厚生省令第37号で定められているもの等が挙げられる。具体的には例えば、赤色202号(リソールルビンBCA)、赤色203号(レーキレッドC)、赤色204号(レーキレッドCBA)、赤色205号(リソールレッド)、赤色206号(リソールレッドCA)、赤色207号(リソールレッドBA)、赤色208号(リソールレッドSR)、赤色219号(ブリリアントレーキレッドR)、赤色220号(ディープマルーン)、赤色221号(トルイジンレッド)、赤色228号(パーマトンレッド)、だいだい色203号(パーマネントオレンジ)、だいだい色204号(ベンチジンオレンジG)、黄色205(ベンチジンエローG)、赤色404号(ブリリアントファストスカーレット)、赤色405号(パーマネントレッドF5R)、だいだい色401号(ハンザオレンジ)、黄色401号(ハンザエロー)、青色404号(フタロシアニンブルー)等が挙げられる。
【0049】
天然色素としては、具体的には例えば、カロチノイド系では、カロチン、カロチナール、カプサンチン、リコピン、ビキシン、クロシン、カンタキサンチン、アナトーなど、フラボノイド系では、シソニン、ラファニン、エノシアニンなどのようなアントシアニジン類、サフロールイエロー、ベニバナなどのようなカルコン類、ルチン、クエルセチンなどのようなフラボノール類、カカオ色素のようなフラボン類など、フラビン系では、リボフラビンなど、キノン系では、ラッカイン酸、カルミン酸(コチニール)、ケルメス酸、アリザリンなどのようなアントラキノン類、シコニン、アルカニン、エキノクロームなどのようなナフトキノン類など、ポリフィリン系では、クロロフィル、血色素など、ジケトン系では、クルクミン(ターメリック)など、ベタシアニジン系では、ベタニンなどが挙げられる。
【0050】
無機顔料としては、例えば、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、タルク、カオリン、ベントナイト、マイカ、雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸マグネシウム、重質炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、黄酸化鉄、ベンガラ、黒酸化鉄、グンジョウ、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、カラミンなどが挙げられる。有機着色剤、天然色素及び無機顔料の配合割合は、使用される用途や要求される性能に応じて適宜決定すれば良い。
【0051】
本発明の活性エネルギー線硬化塗料組成物は、有機溶剤型、無溶剤型、水性型の塗料組成物のいずれであってもよい。本発明の活性エネルギー線硬化塗料組成物を水性化することは、塗装作業性を損なうことなく、使用溶剤量を低減できる点で好ましい。
【0052】
有機溶剤型の場合、使用する有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン、エチルイソアミルケトン、ジイソブチルケトン、メチルへキシルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチル、プロピオン酸メチル等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のグリコールエーテル類;エチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類;芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類等が挙げられる。
【0053】
本発明の活性エネルギー線硬化塗料組成物を水性化する方法としては、特に限定されるものではない。水性化する方法としては、例えば、前記本発明のアクリル酸エステル(a1)又はその有機溶剤溶液、光重合開始剤(a2)及び乳化剤を混合した後、攪拌しながら徐々に水を加えることによって水分散化させ水性化する方法が挙げられる。また他の方法としては、本発明のアクリル酸エステル(a1)を水性化させて得た水分散体と、光重合開始剤(a2)等の他の成分を水性媒体中で常法に従い混合して水性化する方法が挙げられる。活性エネルギー線硬化化合物(a3)を使用する場合、該化合物をあらかじめ水分散化して得た水分散体を使用することが混合安定性の点から好ましい。活性エネルギー線硬化化合物(a3)の水分散化の方法は本発明のアクリル酸エステル(a1)の水分散化と同様の方法を採ることができる。また、光重合開始剤(a2)が水に対する溶解性の小さい固体の光重合開始剤である場合、活性エネルギー線硬化化合物(a3)に添加して溶解することが、均一な光硬化が可能な点、仕上り性、及び耐擦り傷性の点で好ましい。また、本発明の活性エネルギー線硬化塗料組成物を水性化する場合には、光重合開始剤(a2)は、イルガキュア500[商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、1−ヒドロキシ-シクロヘキシル−フェニル-ケトンとベンゾフェノンの1:1(質量比)混合物]、ダロキュア1173(商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン)等の常温で液状の光重合開始剤を用いることが混合安定性の点から好ましい。
【0054】
塗膜形成について:
本発明の活性エネルギー線硬化塗料組成物が塗装される被塗物は、金属、プラスチック、木材等、特に制限はない。金属は、例えば、冷延鋼板、錫メッキ鋼板、亜鉛メッキ鋼板、クロムメッキ鋼板、アルミニウム板などを挙げることができる。これらの金属板は、無処理のままで用いることもできるが、リン酸塩処理、ジルコニウム塩処理、クロメート処理などの表面処理を行ったものも用いることができる。プラスチックは、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂が挙げられる。
【0055】
これら被塗物には必要に応じて、下塗り塗装や光輝剤などを含有するベースコート塗料が塗装されていてもよい。
【0056】
塗膜形成は、活性エネルギー線硬化塗料組成物を乾燥膜厚として0.1〜30μm、好ましくは1〜25μm、さらに好ましくは5〜20μm塗装して、活性エネルギー線の照射、又は加熱と活性エネルギー線の照射を併用することによって硬化塗膜を得ることができる。
【0057】
塗装手段としては、例えば、ローラー塗装、刷毛塗装、浸漬塗装、スプレー塗装(非静電塗装、静電塗装など)、カーテンフロー塗装、スクリーン印刷、凸版印刷などにより塗装を行うことができる。
【0058】
活性エネルギー線硬化塗料組成物の不揮発分濃度は、塗装可能な範囲であれば特に制限はないが、スプレー塗装を行う場合は、好ましくは10〜50質量%の範囲である。
【0059】
有機溶剤又は水を含有する活性エネルギー線硬化塗料組成物を塗装する場合、塗装後に加熱もしくはセッティングすることによって有機溶剤又は水を揮発させてから活性エネルギー線を照射することが望ましい。加熱する場合の手段としては、特に限定されるものではなく、例えば、熱風炉、電気炉、赤外線誘導加熱などの乾燥設備を適用できる。加熱温度は、特に制限されるものではないが、通常、35〜100℃、好ましくは40〜90℃の範囲である。加熱時間は、特に制限されるものではないが、通常、1〜30分の範囲が好適である。
【0060】
前記硬化に用いる活性エネルギー線は、特に制限はなく、電子線、紫外線、可視光、赤外線のいずれであってもよい。波長200〜600nm、好ましくは波長300〜450nmの活性エネルギー線が、仕上り性などの点から好ましい。
【0061】
光重合開始剤(a2)の種類に応じて、感度の高い波長を有する照射源を適宜選択して使用することができる。該活性エネルギー線の照射源としては、例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、カーボンアーク、メタルハライドランプ、太陽光などを挙げることができる。
【0062】
塗膜への活性エネルギー線照射条件は、通常、積算光量が1,000〜20,000J/m、好ましくは2,000〜15,000J/mとなる範囲が適している。照射時間としては、1秒間〜5分程度で塗膜を硬化することができる。上記範囲であることが、塗膜の光硬化性、耐黄変性などの点から好ましい。
【0063】
また、本発明の活性エネルギー線硬化塗料組成物は、水又は有機溶剤の含有の有無に関わらず、活性エネルギー線を照射した後に補助的な架橋手段として加熱を施すこともできる。
【0064】
本発明の活性エネルギー線硬化塗料組成物を塗装して得られた塗装物品は、例えば、電気部品、携帯電話、照明、電気素子、半導体、自動販売機等の材料や部品として使用することができる。
【実施例】
【0065】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれにのみに限定されるものではない。なお、「部」及び「%」は、特にことわらない限り、「質量部」及び「質量%」を意味する。
【0066】
<製造例1> 本発明のアクリル酸エステルNo.1溶液の製造例(実施例用)
蒸留装置、温度計、および攪拌機を備えた反応容器にデキストリン(I)(平均重合数4のグルコース重合体、1分子あたり平均14個の水酸基を有する)80部、メチルイソブチルケトン100部、メチルヒドロキノン0.16部、水酸化リチウム1水和物5.9部およびメチルアクリレート506.2部を仕込んだ。
【0067】
次いで、この溶液中に窒素を吹き込みながら90℃に加熱攪拌し、メチルアクリレート、メタノール、メチルイソブチルケトンを少しづつ系外へ留去した。留去に伴い減少するメチルアクリレートとメチルイソブチルケトンは、減少分を反応容器内へ添加した。
【0068】
次いで、反応容器中のメタノール及び留去したメタノールをガスクロマトグラフィの測定によって定量することで反応を追跡し、前記デキストリン(I)の1分子あたり平均6.0個の水酸基がアクリル酸エステル化されたところで冷却した。さらに、反応液を減圧下で濃縮し、残留物に酢酸エチルを添加して不揮発分濃度25%、重量平均分子量1,100かつ1分子あたり平均6.0個のアクリロイル基を有する本発明のアクリル酸エステルNo.1溶液を得た。
【0069】
<製造例2> 本発明のアクリル酸エステルNo.2溶液の製造例(実施例用)
製造例1において、デキストリン(I)が有する1分子あたり平均14個の水酸基のうち平均10.0個の水酸基がアクリル酸エステル化されるまで、反応容器中のメタノール及び留去したメタノールをガスクロマトグラフィの測定によって定量することで反応を追跡し、反応時間を延長した以外は、製造例1と同様にして、重量平均分子量1,400かつ1分子あたり平均10.0個のアクリロイル基を有する本発明のアクリル酸エステルNo.2溶液を得た。
【0070】
<製造例3> 本発明のアクリル酸エステルNo.3溶液の製造例(実施例用)
製造例1において、平均重合数3のグルコース重合体であり、かつ1分子あたり平均11個の水酸基を有するデキストリン(II)を用いる以外は、製造例1と同様にして、該デキストリン(II)が有する1分子あたり平均11個の水酸基のうち平均6.0個の水酸基がアクリル酸エステル化されるまで、反応容器中のメタノール及び留去したメタノールをガスクロマトグラフィの測定によって定量することで反応を追跡し、重量平均分子量950かつ1分子あたり平均6.0個のアクリロイル基を有する本発明のアクリル酸エステルNo.3溶液を得た。
【0071】
<製造例4> 本発明のアクリル酸エステルNo.4溶液の製造例(実施例用)
製造例1において、平均重合数6のグルコース重合体であり、かつ1分子あたり平均20個の水酸基を有するデキストリン(III)を用いる以外は製造例1と同様にして、該デキストリン(III)が有する1分子あたり平均個の水酸基のうち平均6.0個の水酸基がアクリル酸エステル化されるまで、反応容器中のメタノール及び留去したメタノールをガスクロマトグラフィの測定によって定量することで反応を追跡し、重量平均分子量1,500かつ1分子あたり平均6.0個のアクリロイル基を有する本発明のアクリル酸エステルNo.4溶液を得た。
【0072】
<製造例5> アクリル酸エステルNo.5溶液の製造例(比較例用)
製造例1において、反応容器中のメタノール及び留去したメタノールをガスクロマトグラフィの測定によって定量することで反応を追跡し、デキストリン(I)の1分子あたり平均2.0個の水酸基がアクリル酸エステル化されたところで冷却する以外は、製造例1と同様にして、重量平均分子量800かつ1分子あたり平均2.0個のアクリロイル基を有するアクリル酸エステルNo.5溶液を得た。
【0073】
<製造例6> アクリル酸エステルNo.6溶液の製造例(比較例用)
製造例1において、反応容器中のメタノール及び留去したメタノールをガスクロマトグラフィの測定によって定量することで反応を追跡し、デキストリン(I)の1分子あたり平均13.0個の水酸基がアクリル酸エステル化されたところで冷却する以外は、製造例1と同様にして、重量平均分子量1,600かつ1分子あたり平均13.0個のアクリロイル基を有するアクリル酸エステルNo.6溶液を得た。
【0074】
<製造例7> アクリル酸エステルNo.7溶液の製造例(比較例用)
製造例1において、平均重合数8のグルコース重合体であり、かつ1分子あたり平均26個の水酸基を有するデキストリン(IV)を用いる以外は製造例1と同様にして、該デキストリン(IV)が有する1分子あたり平均26個の水酸基のうち平均10.0個の水酸基がアクリル酸エステル化されるまで、反応容器中のメタノール及び留去したメタノールをガスクロマトグラフィの測定によって定量することで反応を追跡し、重量平均分子量2,100かつ1分子あたり平均10.0個のアクリロイル基を有するアクリル酸エステルNo.7溶液を得た。
【0075】
<製造例8> 本発明のアクリル酸エステルNo.8溶液の製造例(実施例用)
製造例1において、デキストリン(I)の代わりにトレハロースを用い、反応容器中のメタノール及び留去したメタノールをガスクロマトグラフィの測定によって定量することで反応を追跡し、前記トレハロースの1分子あたり平均6.0個の水酸基がアクリル酸エステル化されたところで冷却する以外は、製造例1と同様にして、重量平均分子量780かつ1分子あたり平均6.0個のアクリロイル基を有するアクリル酸エステルNo.8溶液を得た。
【0076】
<製造例9> 本発明のアクリル酸エステルNo.9溶液の製造例(実施例用)
製造例1において、デキストリン(I)の代わりにトレハロースを用い、反応容器中のメタノール及び留去したメタノールをガスクロマトグラフィの測定によって定量することで反応を追跡し、前記トレハロースの1分子あたり平均3.2個の水酸基がアクリル酸エステル化されたところで冷却する以外は、製造例1と同様にして、重量平均分子量560かつ1分子あたり平均3.2個のアクリロイル基を有するアクリル酸エステルNo.9溶液を得た。
【0077】
<製造例10> アクリル酸エステルNo.10溶液の製造例(比較例用)
製造例1においてデキストリン(I)の代わりにトレハロースを用い、反応容器中のメタノール及び留去したメタノールをガスクロマトグラフィの測定によって定量することで反応を追跡し、前記トレハロースの1分子あたり平均2.0個の水酸基がアクリル酸エステル化されたところで冷却する以外は、製造例1と同様にして、重量平均分子量490かつ1分子あたり平均2.0個のアクリロイル基を有するアクリル酸エステルNo.10溶液を得た。
【0078】
<製造例11> 本発明のアクリル酸エステルNo.11溶液の製造例(実施例用)
製造例1においてデキストリン(I)の代わりにマルトースを用い、反応容器中のメタノール及び留去したメタノールをガスクロマトグラフィの測定によって定量することで反応を追跡し、前記マルトースの1分子あたり平均6.0個の水酸基がアクリル酸エステル化されたところで冷却する以外は、製造例1と同様にして、重量平均分子量780かつ1分子あたり平均6.0個のアクリロイル基を有するアクリル酸エステルNo.11溶液を得た。
【0079】
<製造例12> 本発明のアクリル酸エステルNo.12溶液の製造例(実施例用)
製造例1においてデキストリン(I)の代わりにスクロースを用い、反応容器中のメタノール及び留去したメタノールをガスクロマトグラフィの測定によって定量することで反応を追跡し、前記スクロースの1分子あたり平均6.0個の水酸基がアクリル酸エステル化されたところで冷却する以外は、製造例1と同様にして、重量平均分子量780かつ1分子あたり平均6.0個のアクリロイル基を有するアクリル酸エステルNo.12溶液を得た。
【0080】
<製造例13> アクリル酸エステルNo.13溶液の製造例(比較例用)
蒸留装置、温度計及び撹拌機を備えた容量1リットルのガラス製丸底四つ口フラスコに、β−サイクロデキストリン79.5部、ジメチルホルムアミド400部及びメチルヒドロキノン0.16部を仕込んだ。次に、この混合液を撹拌して均一状態とした後、ジブチルスズオキシド17.4部(β−サイクロデキストリン100部に対し22部に相当)を加え、混合液体中に空気を10ml/分で吹き込みながら、かつ、溶液を撹拌しながら110℃まで加熱した。次に、反応液の温度を110℃に保ちながら、反応液中にメチルアクリレート1,000部を約40部/時の速度で25時間かけて滴下した。留去を開始してから25時間後、留去液中に含まれるメタノール量は9.27部であり、脱メタノール量から、β−サイクロデキストリンの1分子あたり平均4.0個の水酸基がアクリル酸エステル化されていることが確認された。
反応液中の触媒を濾別し、濾液を減圧下で濃縮した後、残留物にイソプロパノールを添加して目的物を結晶化し、結晶を濾別した。得られた結晶をイソプロパノールで洗浄し、乾燥させてβ−サイクロデキストリンの4.0官能アクリル酸エステル72.6部を得た。得られたアクリル酸エステルを酢酸ブチルに溶解させ、不揮発分濃度25%、重量平均分子量1520かつ1分子あたり平均4.0個のアクリロイル基を有するアクリル酸エステルNo.13溶液を得た。
【0081】
<製造例14> 光硬化性樹脂溶液No.1の製造例(活性エネルギー線硬化化合物(a3)に相当)
温度計、サーモスタット、撹拌機、還流冷却器及び空気吹込装置を備え付けた反応容器に、イソホロンジイソシアネート888部、2−ヒドロキシエチルアクリレート464部及びハイドロキノンモノメチルエーテル0.7部を仕込み、反応容器内に空気を吹き込みながら、80℃に昇温してその温度に5時間保ち、加えた2−ヒドロキシエチルアクリレートの水酸基が実質的に全て反応したのを確認した後、ペンタエリスリトール136部、酢酸ブチル372部及びジブチルチンジラウレート0.2部を添加してさらに80℃に保持し、イソホロンジイソシアネートのイソシアネート基が実質的に全て反応したのを確認した後冷却し、樹脂不揮発分80%の光硬化性樹脂溶液No.1を得た。この樹脂の数平均分子量は約1,500であった。
【0082】
<製造例15> 反応性高分子乳化剤No.1溶液の製造
攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び窒素導入口を備えた4つ口フラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1,000部を加え、窒素ガスを導入しつつかき混ぜながら、120℃に加熱した。次にスチレン130部、n−ブチルメタクリレート590部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート85部、グリシジルメタクリレート5部、メチルメタクリレート40部、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル20部の混合物を滴下槽から3時間にわたって滴下した。滴下終了後、同温で0.5時間保持して共重合体を得た後、この中に、スチレン20部、n−ブチルメタクリレート45部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15部、アクリル酸60部、メチルメタクリレート10部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート10部の混合物を滴下槽から1時間にわたって滴下した。滴下終了後、同温で0.5時間保持した後、さらにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40部にt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート10部を溶解した溶液50部を30分かけて滴下した。ついで1時間熟成した。80℃まで冷却した後、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート50部とネオスタンU−100(錫系触媒)0.1部を加えて2時間攪拌した。不揮発分濃度70%になるまで溶剤を留去して反応性高分子乳化剤No.1溶液を得た。
【0083】
<実施例1> 活性エネルギー線硬化塗料組成物No.1の製造
製造例1で得られたアクリル酸エステルNo.1溶液400部(不揮発分100部)に対してイルガキュア184(商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、光重合開始剤)3部を添加して溶解した後、酢酸ブチルで不揮発分濃度20%に希釈して、有機溶剤型の活性エネルギー線硬化塗料組成物No.1を得た。
【0084】
<実施例2〜11> 活性エネルギー線硬化塗料組成物No.2〜No.11の製造
表1の配合内容とする以外は、実施例1と同様にして、有機溶剤型の活性エネルギー線硬化塗料組成物No.2〜No.11を得た。
【0085】
【表1】

【0086】
<実施例12> 活性エネルギー線硬化塗料組成物No.12の製造
製造例1で得られたアクリル酸エステルNo.1溶液から溶剤を留去して不揮発分70%の溶液を得た。この溶液142.9部(不揮発分100部)に、ダロキュア1173(商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、光重合開始剤)3部、及びRMA−506(商品名、日本乳化剤社製、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルアクリレート、ノニオン性反応性乳化剤)6部を加え、攪拌しながら脱イオン水210.4部を徐々に加えて水分散化した。さらにBYK−348(商品名、ビックケミー社製、表面調整剤)を1部加えて不揮発分30%の水性型の活性エネルギー線硬化塗料組成物No.12を得た。
【0087】
<実施例13、14> 活性エネルギー線硬化塗料組成物No.13、No.14の製造
アクリル酸エステルNo.1溶液をアクリル酸エステルNo.8溶液、アクリル酸エステルNo.12溶液へと変更した以外は、表2の配合に従い実施例12と同様にして、不揮発分30%の水性型の活性エネルギー線硬化塗料組成物No.13、及びNo.14を得た。
【0088】
<実施例15> 活性エネルギー線硬化塗料組成物No.15の製造
製造例1で得られたアクリル酸エステルNo.1溶液から溶剤を留去して不揮発分70%の溶液を得た。この溶液142.9部(不揮発分100部)に、ダロキュア1173 3部、及び製造例15で得た反応性高分子乳化剤No.1 14.3部(不揮発分10部)を加え、攪拌しながら脱イオン水218.8部を徐々に加えて水分散化した。さらにBYK−348を1部加えて不揮発分30%の水性型の活性エネルギー線硬化塗料組成物No.15を得た。
【0089】
<実施例16> 活性エネルギー線硬化塗料組成物No.16の製造
製造例14で得られた光硬化性樹脂溶液No.1に酢酸ブチルを加えて不揮発分70%の溶液を得た。この溶液142.9部(不揮発分100部)に、ダロキュア1173 3部、RMA−506 6部を加え、攪拌しながら脱イオン水210.4部を徐々に加えて水分散体を得た。さらにBYK−348を1部加えて不揮発分30%の組成物を得た。この組成物30部及び実施例12で得た不揮発分30%の水性型の活性エネルギー線硬化塗料組成物No.12 70部を混合攪拌して、不揮発分30%の水性型の活性エネルギー線硬化塗料組成物No.16を得た。
【0090】
【表2】

【0091】
<比較例1〜7> 活性エネルギー線硬化塗料組成物No.17〜No.23の製造
表3の配合内容とする以外は、実施例1と同様にして、有機溶剤型の活性エネルギー線硬化塗料組成物No.17〜No.23を得た。
【0092】
【表3】

【0093】
<比較例8〜10> 活性エネルギー線硬化塗料組成物No.24〜No.26の製造
表4の配合内容とする以外は、実施例12と同様にして、水性型の活性エネルギー線硬化塗料組成物No.24〜No.26を得た。
【0094】
<比較例11> 活性エネルギー線硬化塗料組成物No.27の製造
表4の配合内容とする以外は、実施例16と同様にして、水性型の活性エネルギー線硬化塗料組成物No.27を得た。
【0095】
【表4】

【0096】
試験用塗装板の作成:
被塗物としてポリカーボネート樹脂板(商品名、ダイヤライトP、三菱レイヨン社製、70mm×150mm×2mm)を用いた。実施例及び比較例で得た活性エネルギー線硬化塗料組成物No.1〜No.27の各々を、エアスプレーで乾燥塗膜が12μmになるように塗装して、実施例1〜11及び比較例1〜7については60℃で5分間、実施例12〜16及び比較例8〜11については60℃で10分間乾燥させた。さらに、高圧水銀ランプで6,000J/mの紫外線を照射し光硬化して、各活性エネルギー線硬化塗料組成物のNoに対応する試験用塗装板No.1〜No.27を得た。
【0097】
試験用塗装板No.1〜No.27について、下記の試験方法に従って試験に供した。実施例の結果を表5に、比較例の結果を表6に併せて示す。
【0098】
【表5】

【0099】
【表6】

【0100】
【表7】

【0101】
【表8】

【0102】
試験方法:
(注1)仕上り性:
各塗膜の塗面外観を目視で評価した。
◎:うねり、ツヤビケ、チリ肌がなく良好な仕上り性である。
○:うねり、ツヤビケ、チリ肌の少なくとも1つがごくわずかにあるが良好な仕上り性で、製品とした場合に問題のないレベル。
△:うねり、ツヤビケ、チリ肌の少なくとも1つが見られる。
×:うねり、ツヤビケ、チリ肌の少なくとも1つが著しく見られ仕上り性不良。
【0103】
(注2)鉛筆硬度:
JIS K 5600−5−4(1999)に準じて、各塗膜面に対し約45°の角度に鉛筆の芯を当て、芯が折れない程度に強く試験塗板面に押し付けながら前方に均一な速さで約10mm動かした。この操作を試験箇所を変えて5回繰り返して塗膜が破れなかった場合のもっとも硬い鉛筆の硬度記号を鉛筆硬度とした。
【0104】
(注3)耐擦り傷性(1):
各塗膜面に、市販の名刺を塗膜に押し当てて20往復こすった後、どの程度傷がつくかにより判定した。
◎:全く傷がつかない。
○:ほどんど傷がつかず、近づかないと(5cmくらい)傷がわからず、製品とした場合に問題のないレベル。
△:うすく擦り傷がついており、製品として不良。
×:擦り傷の程度がひどく、製品として不良。
【0105】
(注4)耐擦り傷性(2):
各試験用塗装板について、ASTM D1044に準じて、テーバー磨耗性試験(磨耗輪CF−10P、荷重500g、100回転)を行なった。試験前後の塗膜について、JIS K 5600−4−7(1999)の鏡面光沢度(60度)に準じて、各塗面の光沢度を測定した。試験前の光沢度に対する試験後の光沢度を光沢保持率(%)としてを求め、下記基準により評価した。
◎:光沢保持率90%以上
○:光沢保持率80%以上90%未満
△:光沢保持率60%以上80%未満
×:光沢保持率60%未満
【0106】
(注5)耐候性:
各試験板について、JIS K 5600−7−8(1999)に準拠して、サンシャインウェザオメーターを用いて500時間の耐候性試験を行った。
◎:塗膜表面に異常が全く認められず、初期と試験後における試験板において、JIS Z 8730に準拠する色差ΔEが0.3未満である。
○:僅かな黄変が認められ、初期と試験後における試験板において、JIS Z 8730に準拠する色差ΔEが0.3以上〜0.5未満であり、製品とした場合に問題がないレベル。
△:塗膜に黄変が認められ、初期と試験後における試験板において、JIS Z 8730に準拠する色差ΔEが0.5以上〜0.8未満である。
×:塗膜の黄変が著しく、初期と試験後における試験板において、JIS Z 8730に準拠する色差ΔEが0.8以上である。
【0107】
(注6)耐溶剤性:
各塗膜面に、ろ紙を2枚並べて置き、各ろ紙上にスポイトで78%エタノールと2%ホルマリンをそれぞれ滴下し、ろ紙を湿らした。このスポイトによる滴下を1時間間隔で5回行い、その後2時間経過後にろ紙を除いた塗膜表面を目視で評価した。
○:フクレやハガレなどの異常が全くない。
△:少なくとも一方の塗膜に目視で軽度なフクレやハガレなどの異常が見つかる。
×:少なくとも一方の塗膜が溶けてしまう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重量平均分子量が400〜2,000で、かつ1分子あたり平均3.0〜12.0個のアクリロイル基を有する、非環状のオリゴ糖又はその誘導体のアクリル酸エステル(a1)と光重合開始剤(a2)を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化塗料組成物。
【請求項2】
前記非環状のオリゴ糖又はその誘導体がデキストリン又は変性デキストリンであることを特徴とする請求項1に記載の活性エネルギー線硬化塗料組成物。
【請求項3】
前記非環状のオリゴ糖又はその誘導体がスクロース又はトレハロースであることを特徴とする請求項1に記載の活性エネルギー線硬化塗料組成物。
【請求項4】
さらに、活性エネルギー線硬化化合物(a3)を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化塗料組成物。
【請求項5】
前記重量平均分子量が400〜2,000で、かつ1分子あたり平均3.0〜12.0個のアクリロイル基を有する、非環状のオリゴ糖又はその誘導体のアクリル酸エステル(a1)を水分散体とし、水性化してなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化塗料組成物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化塗料組成物を塗装して得られる塗装物品。

【公開番号】特開2009−221457(P2009−221457A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−224278(P2008−224278)
【出願日】平成20年9月2日(2008.9.2)
【出願人】(000001409)関西ペイント株式会社 (815)
【Fターム(参考)】