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活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂、活性エネルギー線硬化性展色剤、着色剤組成物および硬化物
説明

活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂、活性エネルギー線硬化性展色剤、着色剤組成物および硬化物

【課題】活性エネルギー線硬化型展色剤または着色剤組成物の調製に用いたときに、嫌気性重合や、熱重合或いはメカノラジカル重合による増粘、ゲル化などの発生を抑制し、調製後においては、分散剤および活性エネルギー線硬化性成分として機能して、顔料の分散性が高く、粘度の上昇を抑制し、優れた硬化塗膜を得ることができる活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂を提供する。
【解決手段】活性エネルギー線硬化性環状イミド基を側鎖に有するジオール化合物(a)をモノマー原料としてウレタン反応させてなることを特徴とする活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂、活性エネルギー線硬化性展色剤、着色剤組成物および硬化物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、家電製品、自動車、車両、事務用品、鋼製家具、建材等の広範な分野において熱硬化型のインキや塗料が用いられてきたが、熱硬化型のインキや塗料は、塗装時に大掛かりな有機溶剤蒸気の回収装置が必要である上に、通常アフターバーナーと呼ばれる燃焼装置(ガスバーナー)で有機溶剤蒸気を焼却するため、大量の炭酸ガスを大気中に放出せざるを得ないものであった。
【0003】
一方、活性エネルギー線硬化型のインキや塗料は、熱硬化型のインキや塗料に比べ、高エネルギーの活性エネルギー線を瞬時に照射して硬化するものであるために、低温で硬化することができ、長大な熱オーブンラインを必要とせず、硬化時間がきわめて短く、しかも無溶剤であるため大気中に大量の有機溶剤を放出することもない。
また、活性エネルギー線硬化型のインキや塗料は、硬化時に加熱する必要がないことから、被印刷物や被塗装物が耐熱性の低いプラスチックス等であっても硬化時に被印刷物の変形を生ずることがなく、しかも硬化処理によって塗膜が架橋されるため、硬度や耐溶剤性等に優れるという特徴を有している。
【0004】
このように、活性エネルギー線硬化型のインキや塗料は、省エネルギー、省資源、エコロジーであることから、近年、実用化開発が重ねられてきた。
活性エネルギー線硬化型インキや塗料の実用化には、ビニル基又は(メタ)アクリロイル基を有するモノマー又はオリゴマー、光開始剤等のインキや塗料用の原材自体の開発とともに、アプリケーション、ランプ、ランプハウス、電源等の照射装置の開発が必要となる。
【0005】
上記硬化処理に用いられる活性エネルギー線照射装置として、高エネルギー線である電子線(EB)の照射装置が知られており、近年においては、小型で廉価な製品が出現しているものの、高エネルギー線であるが故にEBのシールド構造等を必要とし、小型化、低廉化には限界がある。一方、紫外線(UV)照射装置は、比較的装置の小型化が容易であることから、活性エネルギー線硬化型のインキや塗料の照射装置として有望視されている。
【0006】
また、このような事情から、活性エネルギー線硬化型のインキや塗料として、特に、UV硬化が可能な、UV硬化型のインキや塗料が開発されるようになっており、特に、オンデマンドで印刷可能なUV硬化型インクジェットインキは、被塗装物又は被印刷物を選ばないことから、プラスチックフイルムへの印刷、携帯電話、液晶表示カラーフィルターなどの電子材料への適用も可能である。
【0007】
上記活性エネルギー線硬化型のインキや塗料として、従来より、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートおよびポリエステル(メタ)アクリレート等のオリゴマーを活性エネルギー線硬化性物質として含む活性エネルギー線硬化性の着色剤組成物が知られており、殊に顔料を着色料として含む活性エネルギー線硬化型のインキや塗料が、染料を着色料として含む活性エネルギー線硬化型のインキや塗料に比べ、塗膜の耐候性に優れるとされている。
【0008】
しかしながら、顔料は染料に比べ展色剤(ビヒクル)に対する分散性が低く、顔料の粒子を分散媒中に細かく均一に分散するためには、三本ロールやミルなどの分散機を用いて顔料とともに分散剤をビヒクルに分散する必要があることから、種々の分散剤が採用され、顔料に対し数%〜200%程度を配合する必要がある。このため、分散工程を終えた活性エネルギー線硬化型の着色剤組成物中には、UV硬化に寄与しない分散剤が存在することになる。
【0009】
また、活性エネルギー線硬化性物質として、ウレタン(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート化合物を予備重合させたポリウレタンアクリレートを用いたインキ等も知られているが、アクリロイル基やメタクロイル基等のアクリロイル基を有するポリウレタンアクリレートは、全般に共重合性が高く反応性が高いことから、ポリウレタンアクリレートを構成するアクリロイル基の二重結合の活性により暗反応を起こして増粘したり、分散機中でメカノラジカル反応を生じて、増粘、ゲル化を生じ易い。
【0010】
一方、活性エネルギー線硬化型の印刷材料として、環状イミド(メタ)アクリレートを含んでなる紫外線硬化型ソルダーレジスト樹脂組成物が報告されている(特許文献1参照)が、特許文献1においては、活性エネルギー線硬化性成分として主にエポキシアクリレートが使用され、環状イミド(メタ)アクリレートは活性エネルギー線硬化性を示さないことから、特許文献1記載の組成物もUV硬化に寄与しない分散剤を含むものに過ぎない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平1−242569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
引用文献1に記載の環状イミド(メタ)アクリレートをモノマーとして、該モノマーの(メタ)アクリロイル基と他のモノマーとを共重合反応させることによって、環状イミド(メタ)アクリレートを変性することも考えられるが、上記共重合反応はラジカル重合反応であり、得られるポリマーはランダム共重合体であることから、活性エネルギー線硬化型のインキや塗料として、顔料分散性が低いものしか得られない。
【0013】
さらに、上記方法で得られる共重合体は、塗料の塗工粘度、インキの印刷適性粘度に調整するために活性エネルギー線硬化性の多官能モノマーで希釈する必要がある上に、共重合体の製造時に使用されるアクリル樹脂の重合開始剤は、多官能モノマーとの暗反応を避けるために予め除去する必要がある。
【0014】
加えて、低粘度であることが要求されるリキッドインキ、特にインクジェットインキの場合は、分子量が低く、低粘度である共重合体が求められるが、上記ラジカル重合を制御して分子量を低減し、粘度を抑制することは困難である。
【0015】
従って、本発明は、活性エネルギー線硬化型展色剤または着色剤組成物の調製に用いたときに、嫌気性重合や、熱重合或いはメカノラジカル重合による増粘、ゲル化などの発生を抑制し、調製後においては、分散剤として機能するとともに活性エネルギー線硬化性成分として機能し、顔料の分散性が高く、粘度の上昇を抑制し、優れた硬化塗膜を得ることができる活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂を提供するとともに、該活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂を含む活性エネルギー線硬化型展色剤、着色剤組成物および硬化物を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、本発明者等が鋭意検討したところ、活性エネルギー線硬化性環状イミド基を側鎖に有するジオール化合物(a)をモノマー原料としてウレタン反応させてなることを特徴とする活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂により、上記技術課題を解決し得ることを見出し、本知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0017】
すなわち、本発明は、
(1)活性エネルギー線硬化性環状イミド基を側鎖に有するジオール化合物(a)をモノマー原料としてウレタン反応させてなることを特徴とする活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂、
(2)前記活性エネルギー線硬化性環状イミド基を側鎖に有するジオール化合物(a)が、下記一般式(I)
【化1】


(但し、RおよびRは、水素原子または炭素数1〜6の直鎖状及び分岐構造のアルキル基であって、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、RおよびRが結合して環状構造を成していてもよい。Rは、炭素数1〜22のアルキレン基、RおよびRは、炭素数0〜22のアルキレン基であって、それぞれ同一であっても異なってもよいが、少なくとも何れか一方の炭素数が1〜22である。)で表わされる化合物、下記一般式(II)
【化2】


(但し、RおよびRは、水素原子または炭素数1〜6の直鎖アルキル基であって、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、RおよびRが結合して環状構造を成していてもよい。Rは、炭素数1〜22のアルキレン基、RおよびR10は炭素数0〜22のアルキレン基であって、それぞれ同一であっても異なっていてもよいが、少なくとも何れか一方の炭素数が1〜22である。R11およびR12は、炭素数2〜22のポリエステル残基または炭素数2〜6のポリオキシアルキレンエーテル残基であって、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。)で表わされる化合物および下記一般式(III)
【化3】


(但し、R13およびR14は、炭素数2〜22のアルキレン基、炭素数2〜22のポリエステル残基または炭素数2〜6のポリオキシアルキレンエーテル残基であって、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、R15は、炭素数2〜6のアルキレン基である。)で表わされる化合物から選ばれる一種以上である上記(1)に記載の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂、
(3)さらに極性分子鎖を有するジオール化合物(b)と、低極性分子鎖を有するジオール化合物(c)とをモノマー原料としてウレタン反応させてなる上記(1)または(2)に記載の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂、
(4)ポリウレタン主鎖の末端にさらに活性エネルギー線硬化性二重結合を有するモノオール化合物(e)をウレタン反応させてなる上記(1)〜(3)のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂、
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂を含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化性展色剤、
(6)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂または上記(5)に記載の活性エネルギー線硬化性展色剤に顔料を分散してなることを特徴とする着色剤組成物、
(7)前記着色剤組成物がインクジェットインキ組成物である上記(6)に記載の着色剤組成物、および
(8)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂または上記(6)若しくは(7)に記載の着色剤組成物に活性エネルギー線を照射してなることを特徴とする硬化物、
を提供するものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、活性エネルギー線硬化性不飽和基としてアクリル基やメタクリル基ではなく活性エネルギー線硬化性環状イミド基を有するために、活性エネルギー線硬化性展色剤または着色剤組成物の調製に用いたときに、嫌気性重合や、熱重合、或いはメカノラジカル重合による増粘、ゲル化などの発生を抑制することができ、また、環状イミド基自身が極性の低い構造部分と極性の高い構造部分を有する基であるために、被印刷物や被塗装物に対する接着性や顔料に対する濡れ性および分散性を向上することができ、さらに、着色剤組成物の調製後においては、上記側鎖に導入した環状イミド基が通常の末端にのみ不飽和基を導入したウレタンアクリレートに比べて活性エネルギー線硬化性、とくに紫外線(UV)硬化性に優れることから、優れた硬化塗膜を得ることができる活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂を提供することができる。
また、本発明によれば、上記活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂を含む活性エネルギー線硬化性展色剤、着色剤組成物および硬化物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
先ず、本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂について説明する。
本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、活性エネルギー線硬化性環状イミド基を側鎖に有するジオール化合物(a)をモノマー原料としてウレタン反応させてなることを特徴とするものである。
【0020】
本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂において、上記活性エネルギー線硬化性環状イミド基を側鎖に有するジオール化合物(a)としては、下記一般式(I)
【化4】


(但し、RおよびRは、水素原子または炭素数1〜6の直鎖状及び分岐構造のアルキル基であって、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、RおよびRが結合して環状構造を成していてもよい。Rは、炭素数1〜22のアルキレン基、RおよびRは、炭素数0〜22のアルキレン基であって、それぞれ同一であっても異なってもよいが、少なくとも何れか一方の炭素数が1〜22である。)で表わされる化合物、下記一般式(II)
【化5】


(但し、RおよびRは、水素原子または炭素数1〜6の直鎖アルキル基であって、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、RおよびRが結合して環状構造を成していてもよい。Rは、炭素数1〜22のアルキレン基、RおよびR10は炭素数0〜22のアルキレン基であって、それぞれ同一であっても異なっていてもよいが、少なくとも何れか一方の炭素数が1〜22である。R11およびR12は、炭素数2〜22のポリエステル残基または炭素数2〜6のポリオキシアルキレンエーテル残基であって、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。)で表わされる化合物および下記一般式(III)
【化6】


(但し、R13およびR14は、炭素数2〜22のアルキレン基、炭素数2〜22のポリエステル残基または炭素数2〜6のポリオキシアルキレンエーテル残基であって、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、R15は、炭素数2〜6のアルキレン基である。)で表わされる化合物から選ばれる一種以上であることが好ましい。
【0021】
本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂において、活性エネルギー線硬化性環状イミド基を側鎖に有するジオール化合物(a)が下記一般式(I)
【化7】


で表わされる化合物である場合、RおよびRは水素原子または炭素数1〜6の直鎖状及び分岐構造のアルキル基であって、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、RおよびRが結合して環状構造を成していてもよい。
上記RおよびRが直鎖状及び分岐構造のアルキル基である場合、具体的には、
メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル等のアルキルを挙げることができる。
【0022】
また、上記一般式(I)で表わされる化合物において、Rは、炭素数1〜22、好ましくは炭素数1〜18、より好ましくは炭素数1〜12のアルキレン基であり、RおよびRは、炭素数0〜22、好ましくは炭素数0〜18、より好ましくは炭素数0〜12のアルキレン基であって、それぞれ同一であっても異なってもよいが、少なくとも何れか一方の炭素数が1〜22であり、好ましくは炭素数1〜18、より好ましくは炭素数 1〜12のであることが好ましい。
で表わされるアルキレン基として、具体的には、メチレン、エチレン、トリメチレン[propane-1,3-diyl]、テトラメチレン[butane-1,4-diyl]、ペンタメチレン[pentane-1,5-diyl]、ヘキサメチレン[hexane-1,6-diyl]、ヘプタメチレン[heptane-1,7-diyl]オクタメチレン[octane-1,8-diyl]、ノナメチレン[nonane-1,9-diyl]、ドデカメチレン[dodecane-1,12-diyl]、オクタデカメチレン[octadecane-1,18-diyl]、ドコサメチレン[docosane-1,22-diyl]等を挙げることができる。
また、RおよびRで表わされるアルキレン基として、具体的には、メチレン、エチレン、トリメチレン[propane-1,3-diyl]、テトラメチレン[butane-1,4-diyl]、ペンタメチレン[pentane-1,5-diyl]、ヘキサメチレン[hexane-1,6-diyl]、ヘプタメチレン[heptane-1,7-diyl]、オクタメチレン[octane-1,8-diyl]、ノナメチレン[nonane-1,9-diyl]、ドデカメチレン[dodecane-1,12-diyl]等を挙げることができる。
【0023】
上記一般式(I)で表わされる化合物は、RおよびRで表わされるアルキレン基の少なくともいずれか一方の炭素数が1〜22のアルキレン基であるジオール化合物の形態を採り、ポリウレタン樹脂を構成するポリマー鎖の内部に位置することが望ましい。
【0024】
上記一般式(I)で表わされる好適な化合物としては、R1,R2が環状をなしたテトラヒドロ無水フタル酸とアミンジオールから導入される化合物が挙げられる。該化合物の具体的好適な例としては、下記式(I’)で表わされる化合物(1−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミド)−2,3ヒドロキシプロパン)を挙げることができる。
【0025】
【化8】

【0026】
上記一般式(I)で表わされる化合物が上記式(I’)で表わされる化合物である場合、3,4,5,6−テトラヒドロキシフェニル構造が低極性の親油性構造であり、イミド基は極性が高い構造であるため、この極性の低い構造および極性の高い構造が分散性に寄与すると考えられ、また、1,2位の二重結合は活性エネルギー線硬化性を有するため、優れた顔料分散性と活性エネルギー線硬化性を発揮することができる。
【0027】
上記一般式(I)で表わされる化合物は、酸無水物と分子中に一級アミノ基と水酸基を2個有するアミノジオールとを反応させることにより得ることができる。
上記反応によって酸無水物が開環し、アミド基とカルボキシル基を有するアミック酸が生成し、生成したアミック酸を脱水閉環することで一般式(I)で表わされる化合物を得ることができる。上記反応時における反応温度は100〜150℃で行うことが好ましく、脱水閉環工程では縮合水を系外に溜去するために有機溶剤を用いることが好ましい。
脱水閉環反応は無触媒で、或いは公知任意の脱水縮合を促すとされるジルコニウム、チタン、錫、アルミ系のポリエステル用触媒を用いることができる。
縮合水溜去に用いる有機溶剤は水に溶けないトルエンなどの溶剤が好ましく、窒素ガス吹き込みをしながら環流温度に保温し、脱水反応を促進させることが好ましい。閉環するとアミック酸のカルボキシル基が減るため酸価を測定することにより反応率を求めることができる。すべてのアミック酸が閉環してイミド基になると酸価が0mgKOH/gになる。
【0028】
例えば、上記一般式(I)で表わされる化合物が、上記一般式(I')で表わされる1−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミド)−2,3ヒドロキシプロパンである場合、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸と1−アミノプロパンジオールとを反応させて(酸無水物と一級アミンとを反応させて)アミック酸を生成し、得られたアミック酸を脱水閉環することにより、作製することができる。
【0029】
本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂において、活性エネルギー線硬化性環状イミド基を側鎖に有するジオール化合物(a)が下記一般式(II)
【化9】


で表わされる化合物である場合、RおよびRは、水素原子または炭素数1〜6の直鎖アルキル基であって、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、RおよびRが結合して環状構造を成していてもよい。
【0030】
また、上記一般式(II)で表わされる化合物において、Rは、炭素数1〜22、好ましくは炭素数1〜12、より好ましくは炭素数1〜6のアルキレン基であり、RおよびR10は炭素数0〜22、好ましくは炭素数0〜12、より好ましくは炭素数0〜6のアルキレン基であって、それぞれ同一であっても異なっていてもよいが、少なくとも何れか一方の炭素数が1〜22であり、好ましくは炭素数1〜12、より好ましくは炭素数1〜6のアルキレン基である。
で表わされるアルキレン基として、具体的には、メチレン、エチレン、トリメチレン[propane-1,3-diyl]、テトラメチレン[butane-1,4-diyl]、ペンタメチレン[pentane-1,5-diyl]、ヘキサメチレン[hexane-1,6-diyl]、ヘプタメチレン[heptane-1,7-diyl]オクタメチレン[octane-1,8-diyl]、ノナメチレン[nonane-1,9-diyl]、ドデカメチレン[dodecane-1,12-diyl]、オクタデカメチレン[octadecane-1,18-diyl]、ドコサメチレン[docosane-1,22-diyl]等を挙げることができる。
また、RおよびR10で表わされるアルキレン基として、具体的には、メチレン、エチレン、トリメチレン[propane-1,3-diyl]、テトラメチレン[butane-1,4-diyl]、ペンタメチレン[pentane-1,5-diyl]、ヘキサメチレン[hexane-1,6-diyl]、ヘプタメチレン[heptane-1,7-diyl]オクタメチレン[octane-1,8-diyl]、ノナメチレン[nonane-1,9-diyl]、ドデカメチレン[dodecane-1,12-diyl]、オクタデカメチレン[octadecane-1,18-diyl]、ドコサメチレン[docosane-1,22-diyl]等を挙げることができる。
【0031】
上記一般式(II)で表わされる化合物において、R11およびR12は、炭素数2〜22、好ましくは炭素数2〜12、より好ましくは炭素数2〜6のポリエステル残基、または炭素数2〜22、好ましくは炭素数2〜12、より好ましくは炭素数2〜6のポリオキシアルキレンエーテル残基であって、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
【0032】
上記一般式(II)で表わされる化合物は、RおよびR10で表わされるアルキレン基の少なくともいずれか一方の炭素数が1〜22のアルキレン基であるジオール化合物の形態を採り、ポリウレタン樹脂を構成するポリマー鎖の内部に位置する事が好ましい。
【0033】
上記一般式(II)で表わされる化合物は、上記一般式(I)で表わされる化合物の水酸基1当量に対して、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを1個以上付加したり、ラクトンモノマーを1モル以上反応させることにより、R11やR12がポリオキシアルキレンエーテル残基である一般式(II)で表わされる化合物を得ることができる。
また、上記一般式(II)で表わされる化合物は、上記一般式(I)で表わされる化合物の水酸基1当量に対して、酸無水物を1モル以上反応させた後、モノエポキシ化合物、アルキレンオキサイド等のオキシラン環化合物との反応を繰り返すことにより、即ち、酸無水物−オキシラン環化合物の反応を一回以上繰り返すことにより、R11やR12がポリエステル残基である一般式(II)で表わされる化合物を得ることができる。
【0034】
本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂において、活性エネルギー線硬化性環状イミド基を側鎖に有するジオール化合物(a)が下記一般式(III)
【化10】


で表わされる化合物である場合、R13およびR14は、炭素数2〜22、好ましくは炭素数2〜12、より好ましくは炭素数2〜6のアルキレン基、炭素数2〜22、好ましくは炭素数2〜12、より好ましくは炭素数2〜6のポリエステル残基または炭素数2〜22、好ましくは炭素数2〜12、より好ましくは炭素数2 〜6のポリオキシアルキレンエーテル残基であって、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
13およびR14表わされるアルキレン基として、具体的には、エチレン、トリメチレン[propane-1,3-diyl]、テトラメチレン[butane-1,4-diyl]、ペンタメチレン[pentane-1,5-diyl]、ヘキサメチレン[hexane-1,6-diyl]、ヘプタメチレン[heptane-1,7-diyl]オクタメチレン[octane-1,8-diyl]、ノナメチレン[nonane-1,9-diyl]、ドデカメチレン[dodecane-1,12-diyl]、オクタデカメチレン[octadecane-1,18-diyl]、ドコサメチレン[docosane-1,22-diyl]等を挙げることができる。
【0035】
一般式(III)で表わされる化合物において、R15は、炭素数2〜6、好ましくは炭素数2〜4、より好ましくは炭素数2〜3のアルキレン基である。
15表わされるアルキレン基として、具体的には、エチレン、イソプロピレン等を挙げることができる。
【0036】
上記一般式(III)で表わされる化合物は、環状イミドとアクリロイル基を一分子内に有する環状イミドアクリレート、例えば東亞合成株式会社製アロニックスM−145として市販されている、下記式(IV)で表わされる化合物のアクリロイル基と、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミンなどのジアルカノールアミンとを40〜80℃でマイケル付加反応させることにより得ることができる。
【0037】
【化11】

【0038】
本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、活性エネルギー線硬化性不飽和基としてアクリル基やメタクリル基ではなく、上記ジオール化合物(a)に由来する活性エネルギー線硬化性環状イミド基を有するものであるために、活性エネルギー線硬化性展色剤または着色剤組成物の調製に用いたときに、嫌気性重合や、熱重合、或いはメカノラジカル重合による増粘、ゲル化などの発生を抑制することができる。
また、本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、環状イミド基自身が極性の低い構造部分と極性の高い構造部分を有する基であるため、被印刷物、被塗装物に対する接着性や、顔料に対する濡れ性、分散性を向上させることができる。特に、ジオール化合物(a)に由来する活性エネルギー線硬化性環状イミド基が側鎖として櫛の歯状に設けられてなるものであることから、このような櫛の歯状の構造が顔料の分散性を向上させると考えられる。
さらに、本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、着色剤組成物の調製に用いたときに、上記側鎖に導入した環状イミド基が、通常の末端にのみ不飽和基を導入したウレタンアクリレートに比べて活性エネルギー線硬化性、特に紫外線(UV)硬化性に優れることから、優れた硬化塗膜を発揮することができる。
【0039】
本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、活性エネルギー線硬化性環状イミド基を側鎖に有するジオール化合物(a)とともに、さらに極性分子鎖を有するジオール化合物(b)と、低極性分子鎖を有するジオール化合物(c)とをモノマー原料としてウレタン反応させてなるものであることが好ましい。
【0040】
本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂において、極性分子鎖を有するジオール化合物(b)としては、極性の高い塩基性官能基を有するジオール化合物(b1)を挙げることができる。
【0041】
極性の高い塩基性官能基を有するジオール化合物(b1)としては、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ジヒドロキシエチルグリシン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−カルボキシ−プロピオンアミド等のカチオン系ジオール、ジメチルアミノエチルアクリレートとジエタノールアミン、ジプロパノールアミン等のジアルカノールアミンとのマイケル付加反応物、エチルアミン、ブチルアミンなどのモノアルキルアミンと2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートなどのヒドロキシアルキルアクリレートのマイケル付加反応物を挙げることができる。
【0042】
また、極性の高い塩基性官能基を有するジオール化合物(b1)としては、ジメチルアミノエチルアミン、ジエチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン等のジアルキルアミノアルキルアミンなどの3級アミンと1級アミンからなるジアミンと、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートなどのヒドロキシアルキルアクリレートのマイケル付加反応物を挙げることができる。
【0043】
更に、極性の高い塩基性官能基を有するジオール化合物(b1)としては、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノエチル−4−ピペコリン、N−アミノプロピル−4−ピペコリン、N−アミノプロピルモロホリンなどの複素環アミンと1級アミンからなる化合物と、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートなどのヒドロキシアルキルアクリレートのマイケル付加反応物を挙げることができる。
【0044】
本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂において、極性分子鎖を有するジオール化合物(b)としては、ノニオン系極性分子鎖を有するジオール化合物(b2)を挙げることができる。
ノニオン系極性分子鎖を有するジオール化合物(b2)としては、分子鎖の主鎖にノニオン系極性分子鎖を有するものと分子鎖の側鎖にノニオン系極性分子鎖を有するものが挙げられる。
分子鎖の主鎖にノニオン系極性分子鎖を有するジオール化合物(b2)としては、二塩基酸、ジオール類にエチレンオキサイドを付加して分子鎖の主鎖に3以上のポリオキシエチレンエーテル繰り返し単位を有するポリオキシエチレンエーテルジオールや、ポリオキシプロピレンエーテルグリコール、ポリオキシブチレンエーテルグリコール等のポリオキシアルキレンエーテルグリコールとポリオキシエチレンエーテルのブロック共重合ジオール、ポリマージオールとポリオキシエチレンエーテルのブロック共重合ジオール等が挙げられる。
【0045】
分子鎖の側鎖にノニオン系極性分子鎖を有するジオール化合物(b2)としては、以下の一般式(V)
【0046】
【化12】

で表わされる化合物を挙げることができる。
【0047】
上記一般式(V)で表わされる化合物において、R16およびR17は、−C2k−OHで表わされる直鎖状または分岐鎖状のアルキルヒドロキシ基であって、同一であってもよいし異なっていてもよく、kは2〜6の数であり、また、R18は、以下の一般式(VI)
【0048】
【化13】


(一般式(VI)中、aは1〜4の整数、bは5〜30の整数である。)
で表わされるノニオン系極性分子鎖を含む基であるか、又は下記一般式(VII)
【化14】


(一般式(VII)中、cは1〜4の整数、dは5〜30の整数、eは正の整数、{e/(e+d)}<0.2である。)
で表わされるノニオン系極性分子鎖を含む基である。
【0049】
上記一般式(V)で表わされる化合物としては、例えば、ポリオキシエチレンエーテルを繰り返し単位として5〜30有するメトキシポリオキシエチレンエーテルアクリレートと、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミンなどのジアルカノールアミンとをマイケル付加反応することにより、作製することができる。
【0050】
本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂において、極性分子鎖を有するジオール化合物(b)としては、極性の高い酸性官能基を有するジオール化合物(b3)を挙げることができる。
極性の高い酸性官能基を有するジオール化合物(b3)としては、トリメチロールプロパンモノリン酸エステル、トリメチロールプロパンモノ硫酸エステル、二塩基酸成分の少なくとも一部がナトリウムスルホ琥珀酸又はナトリウムスルホイソフタル酸であるポリエステルジオール、リシン、シスチン、3,5−ジアミノカルボン酸等のジアミノカルボン酸類、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、ビス(ヒドロキシメチル)酢酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、酒石酸、カルボキシ基含有ポリカプロラクトンジオール、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシエチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシプロピル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸等のジヒドロキシアルカン酸類、ジヒドロキシアルカン酸類のカプロラクトン付加物など、あるいは、これらの化合物の酸性官能基が塩基性化合物で中和された化合物を挙げることできる。
【0051】
本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂において、低極性分子鎖を有するジオール化合物(c)としては、油脂由来のアルキル基、アルケニル基を有するジオール化合物(c1)が挙げられる。
油脂由来のアルキル基、アルケニル基を有するジオール化合物(c1)としては、ひまし油変性ジオール、ひまし油変性ポリオール等の油脂由来の長鎖ポリオール;グリセリンラウリル酸モノエステル、グリセリンステアリン酸モノエステル、グリセリンオレイン酸モノエステルなどの、グリセリン脂肪酸モノエステル。
【0052】
本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂において、低極性分子鎖を有するジオール化合物(c)としては、炭素数6以上のアルキル基またはアルケニル基を有するジオール化合物(c2)が挙げられる。
【0053】
炭素数6以上のアルキル基またはアルケニル基を有するジオール化合物(c2)としては、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、1,6−ヘキサンジオール、 3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,8 −オクタンジオール、1,9−ノナンジオールなどの両末端に水酸基を有するジオール類、側鎖にエステル基を介して長鎖アルキル基或いはアルケニルを有するジオール類、側鎖にエステル基を介して長鎖アルキル基或いはアルケニル基を有するジオール類などを挙げる事ができる。
また、炭素数6以上のアルキル基またはアルケニル基を有するジオール化合物(c2)としては、下記一般式
【化15】


(R19は、炭素数6以上のアルキル基またはアルケニル基を示す。)
または下記一般式
【化16】


(R20は、炭素数6以上のアルキル基またはアルケニル基を示す。)
で表わされる化合物を挙げることができる。
【0054】
本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂において、低極性分子鎖を有するジオール化合物(c)としては、炭素数4以上の分子単位を4個以上繰り返し単位として有するジオール化合物(c3)を挙げることができる。
炭素数4以上の分子単位を4個以上繰り返し単位として有するジオール化合物(c3)としては、炭素数4以上の分子単位を4個以上繰り返し単位として有する、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリラクトンジオール、ポリブタジエンジオールなどのポリマージオールが挙げられる。
【0055】
炭素数4以上の分子単位を4個以上繰り返し単位として有するポリエステルジオールとしては、炭素数4以上の分子鎖を有するグリコールと二塩基酸からなるジオール化合物を挙げることができる。
【0056】
炭素数4以上の分子鎖を有するグリコールとしては、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、 3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,8 −オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、シクロヘキシルジメタノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、水添ビスフェノールA、水添ビスフェ ノールF、ひまし油変性ジオール、ひまし油変性ポリオール等を挙げることができる。
【0057】
また、炭素数4以上の分子鎖を有するグリコールとしては、ジオール同効の化合物である、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、ラウリルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル等のアルキルモノグリシジルエーテル類、あるいは、アルキルグリシジルエステル(製品名カージュラE10:シェルジャパン製)等から選ばれる1種以上のモノエポキシ化合物が挙げられる。
【0058】
また、二塩基酸としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ダイマー酸等の脂肪族二塩基酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水トリメリット酸等の芳香族多塩基酸またはその無水物、無水ヒドロフタル酸、ジメチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族多塩基酸またはその無水物等から選ばれる1種以上の多塩基酸あるいは酸無水物(以下、多塩基酸)が挙げられる。
【0059】
また、炭素数4以上の分子単位を4個以上繰り返し単位として有するポリエステルジオールとしては、ε−カプロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトンなどの開環重合によって得られるポリエステルポリオールが挙げられる。
【0060】
炭素数4以上の分子単位を4個以上繰り返し単位として有するポリエステルジオールとしては、数平均分子量が300〜5000の範囲のものが好ましい。
【0061】
炭素数4以上の分子単位を4個以上繰り返し単位として有する、ポリカーボネートジオールとしては、1,6−ヘキサンジオール、 3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,8 −オクタンジオール、1,9−ノナンジオールの一種以上からなるカーボネートジオールが挙げられる。
【0062】
炭素数4以上の分子単位を4個以上繰り返し単位として有する、ポリラクトンジオールとしては、グリコール、ポリエステルポリオールなどの水酸基末端化合物を出発物質として、ε−カプロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトンなどのラクトン環を持つモノマーの開環付加重合によって得られるポリラクトンジオールが挙げられる。
【0063】
炭素数4以上の分子単位を4個以上繰り返し単位として有する、ポリブタジエンジオールポリブタジエンジオールとしては、下記式:
【0064】
【化17】


(ただし、f=0.2、g=0.2,h=0.6で、iは正の整数である。)
で表されるポリブタジエンジオールPoly bdR−15HT、R−45HT(出光興産社製)や、ポリイソプレンジオールPoly ip(出光興産社製)や、下記式:
【0065】
【化18】


(式中、jは正の整数を示す。)
で表わされるα、ω―ポリブタジエングリコールG−1000、G−2000、G−3000(日本曹達社製)などが挙げられる。
【0066】
本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂において、低極性分子鎖を有するジオール化合物(c)としては、ロジン骨格又は水添ロジン骨格を有するジオール化合物でもよく、具体的には、パインキリスタルD−6011、Dー6240(荒川化学工業社製)等が挙げられる。
【0067】
また、発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂において、低極性分子鎖を有するジオール化合物(c)としては、下記一般式(VIII)
【0068】
【化19】


が挙げられる。
【0069】
上記一般式(VIII)で表わされる化合物において、R21およびR22は、−Ck’2k’−OHで表わされる直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基または−Cl’2l’−COO−Cm’2m’−で表わされる基であり、k’は2〜6の数、l’は2〜3の数、m’は2〜4の数であって、R21およびR22は同一であっても異なっていてもよい。
【0070】
また、上記一般式(VIII)で表わされる化合物において、R23は、
【化20】


(ただし、nは5〜30の数である。)、
【化21】


(ただし、oは5〜30の数である。)、
【化22】


(ただし、pは5〜30の数である。)、
【化23】


(ただし、qは6以下の数であり、rは5〜30の数である。)、
または炭素数4以上の単量体の繰り返し単位が4個以上のポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリカプロラクトンからなる分子鎖から選ばれる基である。
【0071】
本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、分子内に極性分子鎖と低極性分子鎖を有するジオール化合物由来の構成単位を有するものであってもよい。
【0072】
分子内に極性分子鎖と低極性分子鎖を有するジオール化合物としては、下記一般式(IX)で表わされる化合物が挙げられる。
【化24】

【0073】
上記一般式(IX)で表わされる化合物において、R24およびR25は、−Ck’’2k’’−OHで表わされる直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基または−Cl’’2l’’−COO−Cm’’2m’’−で表わされる基であり、k’’は2〜6の数、l’’は2〜3の数、m’’は2〜4の数であって、R24およびR25は同一であっても異なっていてもよい。
【0074】
また、上記一般式(IX)で表わされる化合物において、R26は、
【化25】


(ただし、sは5〜30の数であり、tは6〜30の数である。)、
【化26】


(ただし、u/u+v<0.2、vは5〜30の数であり、wは6〜30の数である。)、
【化27】


(ただし、xは5〜30の数であり、yは6〜30の数である。)
から選ばれる何れかの基である。
【0075】
また、本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、グリセリンモノ(メタ)アクリレート等のジヒドロキシモノ(メタ)アクリレート由来の構成単位を有していてもよく、さらには、(メタ)アクリロイル基とイソシアネート基を有する化合物に40℃以下の低温でジエタノールアミン、ジプロパノールアミンなどのジアルカノールアミンを反応して得られる(メタ)アクリロイル基が1つと水酸基が2つ同一分子内にあるジオール化合物由来の構成単位を有するものであってもよい。
【0076】
本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、活性エネルギー硬化性環状イミド基を側鎖に有するジオール化合物(a)をモノマー原料としてウレタン反応させてなるものであり、上記ウレタン反応には、通常、ポリイソシアネート化合物(d)が用いられる。
【0077】
ポリイソシアネート化合物(d)はジイソシアネート化合物等の複数のイソシアネート基を有する化合物であり、本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂において、ポリイソシアネート化合物(d)としては、例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、上記脂肪族ジイソシアネートの三量体、低分子トリオールと上記脂肪族イソシアネートのアダクト体等の脂肪族ポリイソシアネート、あるいはイソホロンジイソシアネート、水添MDI、水添トリレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、イソプロピリデンシクロヘキシル−4,4’−ジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート、前記脂 環族ジイソシアネートの三量体、低分子トリオールと前記脂環族イソシアネートのアダクト体等の脂環族ポリイソシアネート、あるいはキシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートの三量体、低分子トリオールと前記芳香脂肪族イソシアネートのアダクト体等の芳香脂環 族ポリイソシアネート、あるいは4、4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、前記芳香族ジイソシアネートの三量体、低分子トリオールと前記芳香族イソシアネートのアダクト体等の芳香族ポリイソシアネート、ポリ メチレンポリフェニルイソシアネート等の3官能以上のポリイソシアネート、あるいはコスモネートLL(三井化学(株)製:カルボジイミド化した4,4’− ジフェニルメタンジイソシアネートと4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの混合物)、或いは、カルボジライトV−05(日清紡(株)製:ポリカルボジイミド基を有する末端脂肪族ポリイソシアネート化合物)等のカルボジイミド基を有するポリイソシアネート化合物類等から選ばれる一種以上のポリイソシアネート化合物を挙げることができる。
【0078】
本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、ポリウレタン主鎖の末端にさらに活性エネルギー線硬化性二重結合を有するモノオール化合物(e)をウレタン反応させてなるものであってもよい。
上記活性エネルギー線硬化性二重結合を有するモノオール化合物(e)としては、末端NCO基と反応するヒドロキシビニル化合物を挙げることができ、具体的には、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のモノヒドロキシモノ (メタ)アクリレート、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、ライトエステルG−201P(共栄社化学製)、ライトエステルG−101(共栄社化学製)などのグリセリンジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0079】
本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、活性エネルギー線硬化性環状イミド基を側鎖に有するジオール化合物(a)をポリイソシアネート化合物(d)とウレタン反応させることにより、作製することができる。
また、本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、活性エネルギー線硬化性環状イミド基を側鎖に有するジオール化合物(a)とともにさらに極性分子鎖を有するジオール化合物(b)と、低極性分子鎖を有するジオール化合物(c)とをモノマー原料として、ポリイソシアネート化合物(d)とウレタン反応させることにより作製することもできる。
さらに、本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、活性エネルギー線硬化性環状イミド基を側鎖に有するジオール化合物(a)をポリイソシアネート化合物(d)とウレタン反応させてなるポリウレタン樹脂や、活性エネルギー線硬化性環状イミド基を側鎖に有するジオール化合物(a)とともにさらに極性分子鎖を有するジオール化合物(b)と、低極性分子鎖を有するジオール化合物(c)とをモノマー原料としてポリイソシアネート化合物(d)とウレタン反応させてなるポリウレタン樹脂において、ポリウレタン主鎖の末端のイソシアネート基にさらに活性エネルギー線硬化性二重結合を有するモノオール化合物(e)をウレタン反応させることによっても、作製することができる。
このように、本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、各化合物を種々の順番で逐次反応させることにより作製することができる。
【0080】
本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂が、両末端にイソシアネート基を有するものである場合、例えば、活性エネルギー線硬化性環状イミド基を側鎖に有するジオール化合物(a)に対し、適宜極性分子鎖を有するジオール化合物(b)と、低極性分子鎖を有するジオール化合物(c)とを混合し、次いで、得られたジオール混合物に対し、該混合物を構成する全ジオールのモル数よりもモル数が多くなるようにポリイソシアネート化合物(d)であるジイソシアネート化合物を加えてウレタン反応させることにより、目的とする活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂を調製することができる。
上記反応において、上記ジオール混合物を構成する全ジオールのモル数をnとした場合、ポリイソシアネート化合物(d)であるジイソシアネート化合物を(n+1)モル加えることにより、両末端にイソシアネート基を有する活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂を調製することができる。
【0081】
本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂が、両末端に活性エネルギー線硬化性二重結合を有するものである場合、例えば、上記と同様の方法によって両末端にイソシアネート基を有する活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂を作製して、これをポリウレタン樹脂中間体とし、その後、該中間体の末端イソシアネート基に対し、該末端イソシアネート基と当モルの活性エネルギー線硬化性二重結合を有するモノオール化合物(e)を反応させることにより、目的とする活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂を調製することができる。
上記反応において、活性エネルギー線硬化性二重結合を有するモノオール化合物(e)は、上記中間体の両末端イソシアネート基(NCO基)に対し、2モルで等当量となり、両末端に活性エネルギー線硬化性二重結合を有するモノオール化合物(e)由来の構成単位が導入された活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂を調製することができる。
【0082】
上記ウレタン反応においては、一般的な反応温度を採用することができ、反応温度60〜100℃が適当である。上記反応温度が高すぎるとアロファネート結合などの副反応が生じ、低すぎると反応時間が長くなり、製造効率が低下する。
【0083】
また、上記ウレタン反応において、反応溶媒としては、無溶媒下において、イソシアネート基と反応しないものから選定することができる。反応溶媒として、反応後に除去し得るものを選定する場合には、沸点が70℃以上110℃未満のポリウレタン樹脂の良溶媒の中から選ぶことが好ましい。
【0084】
上記ウレタン反応において、反応触媒としては、公知任意のウレタン反応触媒から選定することができる。代表的なものとしては、ジブチル錫ジラウリレート、オクチル酸第一錫等の錫系触媒、有機チタン、ジルコニウム触媒等の金属系触媒、トリエチルアミン、トリブチルアミンなどの3級アミン、トリエチレンジアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7及びこれらの中和塩などのアミン系触媒を挙げることができる。
【0085】
本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、ポリウレタン樹脂を構成する全てのジオール化合物に由来する構成単位に対し、活性エネルギー線硬化性環状イミド基を側鎖に有するジオール化合物(a)に由来する構成単位を5〜100モル%有するものであることが好ましく、10〜90モル%有するものであることがより好ましく、15〜80モル%有するものであることがさらに好ましい。
【0086】
本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、ポリウレタン樹脂を構成する全てのジオール化合物に由来する構成単位に対し、極性分子鎖を有するジオール化合物(b)に由来する構成単位を0〜50モル%有するものであることが好ましく、5〜45モル%有するものであることがより好ましく、10〜40モル%有するものであることがさらに好ましい。
【0087】
本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、ポリウレタン樹脂を構成する全てのジオール化合物に由来する構成単位に対し、低極性分子鎖を有するジオール化合物(c)に由来する構成単位を0〜50モル%有するものであることが好ましく、5〜45モル%有するものであることがより好ましく、10〜40モル%有するものであることがさらに好ましい。
【0088】
本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂において、ウレタン樹脂を構成する、活性エネルギー線硬化性環状イミド基を側鎖に有するジオール化合物(a)に由来する構成単位、極性分子鎖を有するジオール化合物(b)に由来する構成単位および低極性分子鎖を有するジオール化合物(c)に由来する構成単位の含有割合は、ウレタン反応に供する各ジオール化合物の割合を調整することにより制御することができる。ポリウレタン反応は逐次反応であることから、上記各ジオール化合物に由来する構成単位数のコントールは容易に行うことができる。
【0089】
本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、活性エネルギー線硬化性環状イミド基を側鎖に有するジオール化合物(a)に対して、極性分子鎖を有するジオール化合物(b)と低極性分子鎖を有するジオール化合物(c)とをポリイソシアネート化合物(d)であるジイソシアネートで繋いだブロック共重合ポリマーの分子形態を採ることが望ましく、このような分子形態を採ることにより、顔料分散性を更に向上させることができる。
ポリウレタン反応は逐次反応であることから、極性の異なるジオール化合物をポリイソシアネート化合物(d)で繋ぐことにより、ブロック的な構造を有するポリウレタン樹脂を容易に得ることができる。
【0090】
本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、ジオール化合物(a)に由来する活性エネルギー線硬化性環状イミド基が側鎖として櫛の歯状に設けられてなるものであり、このような櫛の歯状の構造が顔料の分散性を向上させると考えられるが、極性分子鎖を有するジオール化合物(b)と低極性分子鎖を有するジオール化合物(c)に由来する極性の異なる分子鎖がブロック的に繋がることにより分散効果を高めることができると考えられる。
【0091】
本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂の数平均分子量は、特に制限されないが、紫外線硬化型インクジェットインキに用いる場合には、数平均分子量が500〜20000であることが適当であり、750〜17500であることがより適当であり、1000〜15000であることがさらに適当である。
上述したポリウレタン反応は逐次反応であることから、本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂の数平均分子量も、各反応成分(モノマー)の量を調整することにより容易に調整することができる。
【0092】
本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂の数平均分子量は、以下の方法により算出することができる。
【0093】
すなわち、活性エネルギー線硬化性環状イミド基を側鎖に有するジオール化合物(a)、極性分子鎖を有するジオール化合物(b)および低極性分子鎖を有するジオール化合物(c)の分子量をそれぞれA,B,Cとし、それぞれのモル数をa,b,cとすると、ジオール化合物の数平均分子量Xは、X=(aA+bB+cC)/(a+b+c)で表わされる。
また、、ポリイソシアネート化合物(d)として、ジイソシアネート化合物d1とジイソシアネート化合物d2を選定し、それぞれの分子量をD1、D2、それぞれのモル数をd1、d2とした場合に、ポリイソシアネート化合物(d)としてジイソシアネート化合物d1のみ使用する場合には、ポリイソシアネート化合物の数平均分子量Yは、Y=D1で表わされ、ポリイソシアネート化合物(d)としてジイソシアネート化合物d1およびジイソシアネート化合物d2を使用する場合には、ポリイソシアネート化合物の数平均分子量Yは、Y=(d1D1+d2D2)/(d1+d2)で表わされる。
【0094】
そして、本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂が両末端にイソシアネート基を有するものである場合、ポリウレタン樹脂の数平均分子量Zは、次式により算出することができる。
Z=nX+(n+1)Y
(ただし、nはジオ−ル化合物の全モル数であり、Xはジオール化合物の数平均分子量であり、Yはポリイソシアネート化合物の数平均分子量である。)
また、本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂が両末端に活性エネルギー線硬化性二重結合を有するものである場合、ポリウレタン樹脂の数平均分子量Z’は、活性エネルギー線硬化性二重結合を有するモノオール化合物(e)の分子量をEとした場合、次式
Z’=Z+2E
により算出ことができる。
【0095】
このため、本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂の調製にあたっては、上記式によって目的とする数平均分子量を求め、各化合物を配合することによって、得られる活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂n数平均分子量を調整することができる。
【0096】
本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、活性エネルギー線硬化性不飽和基としてアクリル基やメタクリル基ではなく活性エネルギー線硬化性環状イミド基を有するために、活性エネルギー線硬化性展色剤または着色剤組成物の調製に用いたときに、嫌気性重合や、熱重合、或いはメカノラジカル重合による増粘、ゲル化などの発生を抑制することができる。また、環状イミド基自身が極性の低い構造部分と極性の高い構造部分を有する基であるため、被印刷物、被塗装物に対する接着性や、顔料に対する濡れ性、分散性を向上させることができる。さらに、着色剤組成物の調製後においては、上記側鎖に導入した環状イミド基が、通常の末端にのみ不飽和基を導入したウレタンアクリレートに比べて活性エネルギー線硬化性、とくに紫外線(UV)硬化性に優れることから、優れた硬化塗膜を得ることができる。
【0097】
次に、本発明の活性エネルギー線硬化性展色剤について説明する。
本発明の活性エネルギー線硬化性展色剤は、本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂を含むことを特徴とするものである。
【0098】
展色剤(ビヒクル)は、液体状態にあるときに顔料を分散させている媒質部分を意味し、本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂の他に、通常、有機溶媒を含み、アクリルモノマーや該アクリルモノマーが重合したオリゴマーを含んでもよい。
【0099】
本発明の活性エネルギー線硬化性展色剤において、有機溶媒としては特に制限されないが、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル等のエステル系溶剤、酢酸メチルグリコールエーテル、酢酸エチルグリコールエーテル、酢酸ブチルグリコールエーテル、酢酸プロピレングリコールメチルエーテルなどのエステルエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、イソブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
また、アクリルモノマーとしては、例えばテクノネット社版「光硬化技術データブック」材料編6〜74頁(整理番号A−101〜A−360,M−101〜M−305、C−01〜C−24)に記載されているモノマーを挙げることができ、アクリルモノマーが重合したオリゴマーとしては、同著84〜118頁に記載されているものを挙げることができる。
【0100】
本発明の活性エネルギー線硬化性展色剤において、本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂の含有割合は、5〜60重量%であることが好ましく、8〜50重量%であることがより好ましく、10〜50重量%であることがさらに好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性展色剤は、着色剤組成物の作製時における発熱やメカノラジカル重合を抑制するという観点から、本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂以外の活性エネルギー線硬化性樹脂を含まないことが好ましい。
【0101】
本発明の活性エネルギー線硬化性展色剤は、本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂の所望量と、上記有機溶媒やアクリルモノマー等の所望量とを、適宜3本ロール、ビーズミルなどの公知任意の分散機により分散することで作製することができる。
【0102】
本発明の活性エネルギー線硬化性展色剤は、以下に記述する本発明の着色剤組成物に好適に使用することができる。
【0103】
次に、本発明の着色剤組成物について説明する。
本発明着色剤組成物は、本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂または本発明の活性エネルギー線硬化性展色剤に顔料を分散してなることを特徴とするものである。
本発明の着色剤組成物としては、種々のものを挙げることができ、紫外線硬化型インクジェットインキ、紫外線硬化型塗料、紫外線硬化型コーティング剤等を調製するための塗布材料予備混合物(ミルベース)であってもよいし、紫外線硬化型インクジェットインキ、紫外線硬化型塗料、紫外線硬化型コーティング剤等の塗布材料自体であってもよい。
【0104】
本発明の着色剤組成物において、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂または活性エネルギー線硬化性展色剤の詳細は、上述したとおりである。
【0105】
本発明の着色剤組成物において、顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン、酸化鉄等の無機顔料、不溶性アゾ顔料、溶性アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、ペリレン顔料、イソインドリン顔料、ベンズイミダゾロン顔料、ピランスロン顔料、チオインジゴ顔料、キノフタロン顔料等の有機顔料が挙げられる。
上記カーボンブラックとしては、チャネルブラック、ローラーブラック、ディスクブラックと呼ばれているコンタクト法で製造されたもの、ガスファーネスブラック、オイルファーネスブラックと呼ばれているファーネスト法で製造されたもの、サーマルブラック、アセチレンブラックと呼ばれているサーマル法で製造されたもの等を挙げることができ、これ等のカーボンブラックのうち、生産性に優れたファーネスブラックが好ましい。
【0106】
特に本発明の着色剤組成物をフォトレジスト用の組成物として用いる場合は、顔料としては、フタロシアニンスルフォン酸などで表面処理することによって、表面に酸性基を導入したものが好ましい。
【0107】
上記表面に酸性基を導入した顔料の例としては、表面に酸性基を導入したカーボンブラックを挙げることができ、具体的には、カーボンブラック表面を酸化剤により酸化してカルボキシル基や水酸基等の酸性基を導入してなる酸性カーボンブラックや、ジアゾニウム塩のカップリング反応により、スルホン酸基、リン酸基、カルボキシル基等の酸性基を導入したカーボンブラックを挙げることができる。
【0108】
カーボンブラックの表面にカルボキシル基や水酸基を導入する方法としては、カーボンブラックを、高温下で遊離酸素と接触させて酸化する方法や、オゾン、NOなどの酸化剤によって酸化する方法や、臭素及び水によって常圧下又は加圧下で処理する方法や、硝酸や硫酸などの酸化性の溶液で酸化する方法や、これらの方法を組み合わせた方法や、過酸化水素によって酸化する方法等を挙げることができる。
【0109】
表面に酸性基を導入したカーボンブラックとしては、キャボットコーポレーション社製CAB−O−JET(登録商標)200、CAB−O−JET(登録商標)300、CAB−O−JET(登録商標)400、オリエント化学工業株式会社製BONJET(登録商標)CW−1、BONJET(登録商標)CW−2、東海カーボン株式会社製AquaBlack(登録商標)162等の水分散性カーボンブラックの水分を乾燥除去したもの等を挙げることができる。
【0110】
本発明の着色剤組成物が、紫外線硬化型インクジェットインキ、紫外線硬化型塗料、紫外線硬化型コーティング剤等を調製するためのミルベースである場合、有機溶剤を含まないミルベースと、有機溶剤を含むミルベースを挙げることができる。
【0111】
本発明の着色剤組成物が、有機溶剤を含まないミルベースである場合、その調製方法としては、本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂または本発明の活性エネルギー線硬化性展色剤と、顔料および有機溶剤とを、分散ミルを用いて混合、分散し、さらに揮発性の低いアクリルモノマーなどのビニルモノマーを加えてさらに混合した後、有機溶媒を減圧溜去し、有機溶剤をビニルモノマーに置換する方法を挙げることができる。
また、本発明の着色剤組成物が、有機溶剤を含まないミルベースである場合、その調製方法としては、本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂または本発明の活性エネルギー線硬化性展色剤に対し、揮発性の低いアクリルモノマーなどのビニルモノマーを加えて混合、分散し、有機溶媒を減圧溜去することにより、有機溶媒をビニルモノマーに置換した活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂ビニルモノマーを作製し、得られたモノマーに対し、さらに顔料および重合禁止剤を混合し、分散ミルで分散する方法を挙げることができる。
また、本発明の着色剤組成物が、有機溶剤を含まないミルベースである場合、ビニルモノマー又は(メタ)アクリレートモノマー等の活性エネルギー線硬化性モノマーに、顔料及び本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂を加え、更に、必要に応じ、(メタ)アクリレートオリゴマー、公知任意の樹脂、重合禁止剤を加え、公知の分散機を用いて、顔料を活性エネルギー線硬化性モノマーに分散させる方法を挙げることができる。
【0112】
本発明の着色剤組成物が、有機溶剤を含むミルベースである場合、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂を製造する際に、適当な有機溶剤を反応溶媒に選定し、得られた活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂含有液に顔料を加え分散ミルにて混合、分散することによって、有機溶剤を含むミルベースを作製することができる。
【0113】
また、本発明の着色剤組成物が、有機溶剤を含むミルベースである場合、有機溶剤に対し、顔料及び本発明の本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂を加え、更に、必要に応じ、重合禁止剤を加え、公知の分散機を用いて、顔料を有機溶剤に分散させることにより作製することもできる。
上記有機溶媒としては、本発明の活性エネルギー線硬化性展色剤に使用し得るものと同様のものを挙げることができる。
上記重合禁止剤としては、ハイドロキノン、メトキノン、P−メトキシフェノール、ニトロソアミン塩等公知のものを挙げることができる。
上記分散は、いずれも、被処理対象物中の顔料濃度が5〜20%でミル分散に適当な粘度となる顔料濃度下で行うことが好ましい。
【0114】
本発明の着色剤組成物が、紫外線硬化型インクジェットインキ、紫外線硬化型塗料、紫外線硬化型コーティング剤等を調製するためのミルベースである場合、該ミルベースとしては、ビニルモノマー又は(メタ)アクリレートモノマー等の活性エネルギー線硬化性低粘度モノマーか、またはこれ等のモノマーおよび有機溶剤の中に、顔料が本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂により分散されてなるものを挙げることができる。
【0115】
本発明の着色剤組成物が、紫外線硬化型インクジェットインキ、紫外線硬化型塗料、紫外線硬化型コーティング剤等を調製するためのミルベースである場合、該ミルベースとしては、ビニルモノマー又は(メタ)アクリレートモノマー等の活性エネルギー線硬化性低粘度モノマーと、(メタ)アクリレートオリゴマーと、必要に応じて公知任意の樹脂とを加えた混合液中に、顔料が本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂により分散されてなるものを挙げることができる。
【0116】
本発明の着色剤組成物が、紫外線硬化型インクジェットインキ、紫外線硬化型塗料、紫外線硬化型コーティング剤等を調製するためのミルベースである場合、該ミルベースは、顔料を5〜35重量%含むものが適当であり、7〜15重量%含むものがより適当である。
また、本発明の着色剤組成物が、紫外線硬化型インクジェットインキ、紫外線硬化型塗料、紫外線硬化型コーティング剤等を調製するためのミルベースである場合、該ミルベースに含まれる本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂の含有割合は、上記顔料の含有割合に応じて適宜選定することができる。
【0117】
本発明の着色剤組成物が、本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂および顔料とともに活性エネルギー線硬化性モノマーを含むものである場合、活性エネルギー線硬化性のリキッドインキ又は塗料、特に紫外線硬化型インクジェットインキを調製するためのミルベースとして好適に用いることができる。
【0118】
本発明の着色剤組成物が、紫外線硬化型インクジェットインキ、紫外線硬化型塗料、紫外線硬化型コーティング剤である場合、本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂および顔料の他に含有し得る成分としては、活性エネルギー線硬化性化合物、光重合開始剤や、増感剤、塗膜平滑助剤、接着性助剤、重合禁止剤等の助剤又は添加剤、あるいは、表面張力や被印刷材料への接着性を調整し得る樹脂又は添加剤を挙げることができる。
【0119】
本発明の着色剤組成物に含み得る活性エネルギー線硬化性化合物としては、1官能(メタ)アクリレートや多官能(メタ)アクリレートを挙げることができる。
1官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、2−エチルヘキシル、イソオクチル、ノニル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、シクロヘキシル、ベンジル、メトキシエチル、ブトキシエチル、フェノキシエチル、ノニルフェノキシエチル、グリシジル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル、イソボルニル、ジシクロペンタニル、ジシクロペンテニル、ジシクロペンテニロキシエチル等の置換基を有する(メタ)アクリレートから選ばれる一種以上を挙げることができる。
【0120】
また、多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5 −ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、トリシクロデカンジメタ ノール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリ コール等のジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加してなるジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに2モルのエチレンオキサ イドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのジまたはトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしく はプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ (メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性 アルキルリン酸(メタ)アクリレート等から選ばれる一種以上が挙げられる。
【0121】
本発明の着色剤組成物に含み得る光重合開始剤としては、通常、活性エネルギー線硬化型インキに用いられる光重合開始剤であれば、特に制限されないが、分子開裂型又は水素引き抜き型のものが好適である。
【0122】
上記光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインイソブチルエーテル、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルエトキシフォスフィンオキシド、6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モロフォリノプロパン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド等の分子開裂型の光重合開始剤から選ばれる一種以上を挙げることができ、さらにこれら以外の分子開裂型のものとして、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オンおよび2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン等から選ばれる一種以上を併用してもよいし、さらに水素引き抜き型光重合開始剤である、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチル−ジフェニルスルフィド等を併用してもよい。
上記光重合開始剤としては、活性エネルギー線硬化性化合物への溶解性に優れ、活性エネルギー線の透過性を阻害しないものが好ましい。
【0123】
本発明の着色剤組成物は、上記光重合開始剤とともに増感剤を含んでもよく、増感剤としては、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミンおよび4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等、活性エネルギー線硬化性化合物と付加反応を起こさないアミン類を挙げることができる。増感剤としては、活性エネルギー線硬化性化合物への溶解性に優れ、活性エネルギー線の透過性を阻害しないものが好ましい。
【0124】
本発明の着色剤組成物に含み得る重合禁止剤としては、特に制限されず、例えば、ハイドロキノン、メトキノン、P−メトキシフェノール、ニトロソアミン塩等が挙げられる。
【0125】
本発明の着色剤組成物において、各成分の配合割合は、着色剤組成物の用途に応じて適宜選定することができる。
本発明の着色剤組成物は、概ね、本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂を1〜30重量%含むことが好ましく、2〜20重量%含むことがより好ましい。また、顔料を1.5〜30重量%含有することが好ましく、2〜20重量%含有することがより好ましい。
本発明の着色剤組成物は、活性エネルギー線硬化性化合物を20〜95重量%含むことが好ましく、45〜90重量%含むことがより好ましい。
本発明の着色剤組成物は、光重合開始剤を2〜20重量%含むことが好ましく、4〜15重量%含むことがより好ましい。
本発明の着色剤組成物は、重合禁止剤を0.01〜0.5重量%含むことが好ましい。
【0126】
本発明の着色剤組成物が、紫外線硬化型インクジェットインキである場合、本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂を1〜30重量%含むことが好ましく、2〜20重量%含むことがより好ましい。また、顔料を1.5〜20重量%含有することが好ましく、2〜10重量%含有することがより好ましい。顔料の含有量が上記範囲内にあることにより、十分な画像濃度及び印刷画像の光沢性を発揮する紫外線硬化型インクジェットインキを得ることができる。
本発明の着色剤組成物が、紫外線硬化型インクジェットインキである場合、活性エネルギー線硬化性化合物を20〜95重量%含むことが好ましく、45〜90重量%含むことがより好ましい。
本発明の着色剤組成物が、紫外線硬化型インクジェットインキである場合、光重合開始剤を2〜20重量%含むことが好ましく、4〜15重量%含むことがより好ましい。
本発明の着色剤組成物が、紫外線硬化型インクジェットインキである場合、重合禁止剤を0.01〜0.5重量%含むことが好ましい。
【0127】
本発明の着色剤組成物は、用途又は使用状況等に応じて、各成分の種類又は含有量を適宜選択することによって、また、必要に応じて溶剤を含有させることにより、印刷又は塗工に適する粘度に調節して作製することができる。
【0128】
本発明の着色剤組成物が、紫外線硬化型インクジェットインキ、紫外線硬化型塗料、紫外線硬化型コーティング剤等である場合、その作製方法は特に制限されず、例えば、上述したミルベースに活性エネルギー線硬化性化合物(活性エネルギー線硬化性を有するモノマー、オリゴマー又は樹脂)及び光重合開始剤を加え、更に、必要に応じて、塗膜平滑助剤、接着性助剤、重合禁止剤等の助剤又は添加剤を加えて、粘度や各配合物の含有量を調節することにより、作製することができる。
【0129】
本発明の着色剤組成物が紫外線硬化型インクジェットインキであり、顔料としてカーボンブラックを用いる場合、カーボンブラックの顔料濃度は3〜8%であることが好ましい。
上記紫外線硬化型インクジェットインキは、カーボンブラック等の顔料の濃度が所望濃度範囲になるように各成分を順次分散することにより調製してもよいし、顔料を所望濃度の1.5〜4倍程度の濃度で含むミルベースを、(メタ)アクリルモノマー等で希釈して印刷適正粘度とした上で、光重合開始剤、増感剤、消泡剤、表面平滑助剤、シランカップリング剤などの接着性向上助剤、ワックス、樹脂、重合禁止剤など公知任意の成分を必要に応じて添加することにより調製してもよい。
【0130】
本発明の着色剤組成物が紫外線硬化型塗料であり、顔料としてカーボンブラックを用いる場合、スプレー塗料のカーボンブラックの顔料濃度は4〜10%であることが好ましい。
上記紫外線硬化型塗料は、カーボンブラック等の顔料の濃度が所望濃度範囲になるように各成分を順次分散することにより調製してもよいし、顔料を所望濃度の1.5〜4倍程度の濃度で含むミルベースを、(メタ)アクリルモノマー等で希釈して印刷適正粘度とした上で、光重合開始剤、増感剤、消泡剤、表面平滑助剤、シランカップリング剤などの接着性向上助剤、ワックス、樹脂、重合禁止剤など公知任意の成分を必要に応じて添加することにより調製してもよい。
【0131】
本発明の着色剤組成物が紫外線硬化型コーティング剤である場合、本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂に対し、揮発性の低いアクリルモノマーなどのビニルモノマーを加えて混合した後、有機溶媒を減圧溜去することによって、予めビニルモノマーに置換した活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂ビニルモノマー溶液を作製し、このビニルモノマーに置換した活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂ビニルモノマー溶液に対して、光重合開始剤、増感剤、消泡剤、表面平滑助剤、ワックス、シランカップリング剤などの接着性向上助剤、樹脂、重合禁止剤など公知任意の成分を必要に応じて添加することによってクリヤーコーティング剤を作製することができ、更に、亜鉛華、水酸化アルミニウム・炭酸カルシウム・酸化チタン、沈降性硫酸バリウムなど隠蔽力の低い体質顔料、光沢を調整するシリカ、クレー、タルク、珪藻土、ポリマービーズなどのフィラー、充填剤等を混合分散させることによって半透明、或いは半光沢クリヤーコーティング剤、或いはマット調コーティング剤を調製することができる。
【0132】
本発明の着色剤組成物は、本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂を含むものであることから、着色剤組成物の調製時に、嫌気性重合や、熱重合、或いはメカノラジカル重合による増粘、ゲル化などの発生を抑制することができ、また、被印刷物や被塗装物に対する接着性や顔料に対する濡れ性および分散性を向上することができ、さらに、通常の末端にのみ不飽和基を導入したウレタンアクリレートに比べて活性エネルギー線硬化性、とくに紫外線(UV)硬化性に優れることから、優れた硬化塗膜を得ることができる。
【0133】
次に、本発明の硬化物について説明する。
本発明の硬化物は、本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂または本発明の着色剤組成物に活性エネルギー線を照射してなることを特徴とするものである。
上記硬化物の形成時に照射する活性エネルギー線の照射条件は、硬化対象物の組成や得ようとする硬化物の硬度に応じて適宜選定することができる。
本発明の硬化物は、本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂に活性エネルギー線を照射して硬化してなるものであることから、優れた硬化塗膜を得ることができる。
【実施例】
【0134】
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
【0135】
(実施例1)(活性エネルギー性硬化性ポリウレタン樹脂の製造例)
(1)イミドジオール化合物の合成
攪拌機、環流管(コンデンサー)、縮合水を分離するデカンターおよび窒素導入管を備えた反応容器に、3,4,5,6−テトラヒドロキシ無水フタル酸(新日本理化社製「リカシッドHT−1A」)433.8重量部と、1−アミノプロパンジオール(ダイセル化学工業(株)製「1APD」)265.2重量部と、トルエン300重量部とを仕込み、90℃まで昇温した。更に1時間かけて115℃まで昇温し、均一に溶解したらテトライソプロポキシチタン(日本曹達社製「A−1」)1.4重量部を加えて環流温度で反応を続けた。脱水縮合水が51重量部に達したところで酸価を測定し、酸価が1.6mgKOH/g以下になったときに反応を終了させた。
得られた反応物は、酸価が1.2mgKOH/gであり、ゲルパーミッションクロマトグラフ(GPC)ではほぼ単一ピークを示すことを確認した。
上記反応物を60〜70℃の温度条件下、微量の空気を吹き込みながらトルエン残量が2%未満になるまで減圧溜去することにより、120℃で30分加熱したときの不揮発分が98重量%である粘調液体状のイミドジオール化合物IMD−1(1−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミド)−2,3ヒドロキシプロパン)を得た。このイミドジオール化合物IMD−1は、室温下で保存したところ数日後に結晶性固体となった。
【0136】
(2)活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂の合成
攪拌機、環流管(コンデンサー)、窒素導入管を備えた反応容器に、上記(1)で得たイミドジオール化合物IMD−1を50.1重量部、ひまし油変性ジオール(豊国製油社製HS−2G−120(Mn928))を101.3重量部、ポリエステルジオール(クラレ社製クラポールP−1050(Mn994))を54.2重量部、ポリオキシプロピレンエーテルジオール(三井化学社製PPG−1000(Mn993))を108.4重量部、イソホロンジイソシアネート(住友バイエルウレタン社製ディスモジュールI)を133.4重量部、メチルエチルケトン(MEK)を214.2重量部仕込み、攪拌しながら65℃まで昇温し、この温度を維持しつつ6時間反応させた。
その後、ライトエステルG−201P(共栄社化学社製)を62.9重量部、ターシャリー−ブチルハイドロキノンを0.1重量部、オクチル酸第一錫を0.15重量部、メチルエチルケトン(MEK)を285.6重量部加え、窒素吹き込み管に換えて空気吹き込み管を使用し、空気を吹き込みながら反応温度75℃で3時間反応させることにより、固形分が50重量%で、数平均分子量が4700である、淡黄色で液体状の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂PUV−1を得た。
【0137】
(実施例2)(活性エネルギー性硬化性ポリウレタン樹脂の製造例)
(1)イミドジオール化合物の合成
実施例1(1)と同様の方法でイミドジオール化合物IMD−1を作製した。
【0138】
(2)イミドアルコール化合物の合成
攪拌機、環流管(コンデンサー)、縮合水を分離するデカンターおよび窒素導入管を備えた反応容器に、3,4,5,6−テトラヒドロキシ無水フタル酸(新日本理化社製「リカシッドHT−1A」)433.8重量部と、3−アミノ−1−プロパノール(広栄化学工業社製)265.2重量部と、トルエン300重量部とを仕込み、90℃まで昇温した。更に1時間かけて115℃まで昇温し、均一に溶解したらテトライソプロポキシチタン(日本曹達社製「A−1」)1.4重量部を加えて環流温度で反応を続けた。脱水縮合水が51重量部に達したところで酸価を測定し、酸価が1.6mgKOH/g以下になったときに反応を終了させた。得られた反応物は、得られた反応物は、酸価が1.0mgKOH/gであり、GPCではほぼ単一ピークを示すことを確認した。
上記反応物を60〜70℃の温度条件下、微量の空気を吹き込みながらトルエン残量が2%未満になるまで減圧溜去することにより、120℃で30分加熱したときの不揮発分が99重量%である粘調液体状のイミドアルコール化合物IMA−1を得た。このイミドアルコール化合物IMA−1は、室温下で保存したところ数日後に結晶性固体となった。
【0139】
(3)活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂の合成
攪拌機、環流管(コンデンサー)および窒素導入管を備えた反応容器に、上記(1)で得たイミドジオール化合物IMD−1を50.7重量部、ひまし油変性ジオール(豊国製油社製HS−2G−120(Mn928))を102.5重量部、ポリエステルジオール(クラレ社製クラポールP−1050(Mn994))を54.9重量部、ポリオキシプロピレンエーテルジオール(三井化学社製PPG−1000(Mn993))を109.7重量部、イソホロンジイソシアネート(住友バイエルウレタン社製ディスモジュールI)を135重量部、メチルエチルケトン(MEK)を214.2重量部仕込み、攪拌しながら65℃まで昇温し、この温度で6時間反応させた。
その後、上記(2)で得たイミドアルコールIMA−1を47.1重量部、ターシャリー−ブチルハイドロキノンを0.05重量部、オクチル酸第一錫を0.15重量部 メチルエチルケトン(MEK)を285.6重量部加え、窒素吹き込み管に換えて空気吹き込み管を用いて微量の空気を吹き込みながら、反応温度75℃で3時間反応させることにより、固形分が50重量%で、数平均分子量が4700である、淡黄色で液体状の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂PUV−2を得た。
【0140】
(実施例3)(カーボンブラックミルベース1の製造例)
実施例1で得られた活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂PUV−1を12重量部(固形分換算で6重量部)、ターシャリー−ブチルハイドロキノン0.05重量部、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジオールのジアクリレート(共栄社化学社製ライトエステル−HPPA)を63重量部と、フェノキシエチルアクリレート(東亜合成社製アロニックスM−101A)を14重量部、2−メトキシエチルアクリレート(大阪有機社製2−MTA)を7重量部を混合して、展色剤MV−1を得た。
次いで、展色剤MV−1を85.3質量部と酸化カーボンブラックTK−1を8重量部と1φmmジルコニアビーズを200重量部とをガラス瓶に入れ、ペイントシェーカー(浅田鉄工社製PC−1777)を用いて5時間分散処理した。得られた分散物に微量の空気を吹き込みながら、50℃の温度条件下、30mbarで1時間減圧処理することにより活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂PUV−1の製造時に使用した反応溶媒を溜去することにより、顔料含有率が10重量%である、酸化カーボンブラックTK−1を分散させたミルベース組成物(カーボンブラックミルベース1)を得た。
得られたカーボンブラックミルベース1においては、嫌気性重合や、熱重合、或いはメカノラジカル重合による増粘、ゲル化などの発生は観察されなかった。
なお、酸化カーボンブラックTK−1は、未中和の酸化カーボンブラック水分散体(AquaBlack162(東海カーボン株式会社製))をろ過、乾燥して得たもので、該酸性官能基が導入されたカーボンブラックTK−1のカルボキシル基量を以下の方法で測定したところ、124μmol/gであった。
<カルボキシル基量の測定方法>
0.976mol/dmの炭酸水素ナトリウム0.5dmに、カーボンブラック2gを添加して、6時間振騰した後、カーボンブラックを反応液からろ過分離し、濾液を0.05mol/dmの水酸化ナトリウム水溶液にて中和滴定し、カルボキシル基量を定量した。
【0141】
(実施例4)(カーボンブラックミルベース2の製造例)
実施例2で得た活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂PUV−2を12重量部(固形分換算で6重量部)、ターシャリー−ブチルハイドロキノンを0.05重量部、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジオールのジアクリレート(共栄社化学社製ライトエステル−HPPA)を63重量部混合し、50℃の温度条件下、空気を吹き込みながら30mbarで1時間減圧処理することにより、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂PUV−2の製造時に使用した反応溶媒を溜去した。これにフェノキシエチルアクリレート(東亜合成社製アロニックス M−101A)を14重量部、2−メトキシエチルアクリレート(大阪有機社製2−MTA)を7重量部加えて展色剤MV−2とした。
次いで、展色剤MV−2を80質量部と酸化カーボンブラックTK−1を8質量部と、1φmmジルコニアビーズ200重量部とをガラス瓶に入れ、ペイントシェーカー(浅田鉄工(株)社製PC−1777)を用いて5時間分散処理することにより、顔料含有率が10重量%である、酸化カーボンブラックTK−1を分散させたミルベース組成物(カーボンブラックミルベース2)を得た。
得られたカーボンブラックミルベース2においては、嫌気性重合や、熱重合、或いはメカノラジカル重合による増粘、ゲル化などの発生は観察されなかった。
【0142】
(実施例5)(カーボンブラックミルベース3の製造例)
実施例2で得た活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂PUV−2を12重量部(固形分換算で5重量部)、ターシャリー−ブチルハイドロキノンを0.05重量部、1,9−ノナンジオールアクリレート(共栄社化学社製ライトエステル−)を63重量部混合し、50℃の温度条件下、空気を吹き込みながら30mbarで1時間減圧処理することにより、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂PUV−2の製造時に使用した反応溶媒を溜去した。これにフェノキシエチルアクリレート(東亜合成社製アロニックス M−101A)を14重量部、2−メトキシエチルアクリレート(大阪有機社製2−MTA)を7重量部を加えて展色剤MV−3とした。
展色剤MV−3を80質量部と酸化カーボンブラックTK−1を8質量部と1φmmジルコニアビーズ200重量部とをガラス瓶に入れ、ペイントシェーカー(浅田鉄工(株)社製PC−1777)を用いて5時間分散処理することにより、顔料含有率が10重量%である、酸化カーボンブラックTK−1を分散させたミルベース組成物(カーボンブラックミルベース3)を得た。
得られたカーボンブラックミルベース3においては、嫌気性重合や、熱重合、或いはメカノラジカル重合による増粘、ゲル化などの発生は観察されなかった。
【0143】
(比較例1〜比較例3)
活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂PUV−1に代えて、比較例1では味の素ファインテクノ社製アジスパー−PB821を用い、比較例2ではルーブリゾール社製ソルスパーズ32000を用い、比較例3ではルーブリゾール社製ソルスパーズ39000を用い、反応溶媒を溜去する処理を行わなかったことを除けは、実施例3と同様にして、それぞれ酸化カーボンブラック顔料TK−1を分散させたミルベース組成物(比較カーボンブラックミルベース1〜比較カーボンブラックミルベース3)を得た。
【0144】
実施例3〜実施例5および比較例1〜比較例3で得られた各ミルベースの組成を表1に示す。なお、表1は、t−ブチルハイドロキノン以外の成分の合計量を100重量%とした場合における、各成分量を重量%で表示したものである。
【0145】
(カーボンブラックミルベースの粘度)
E型粘度計(東機産業製 TVE−20L)を用いて、実施例3〜実施例5および比較例1〜比較例3で得られたカーボンブラックミルベースの25℃における粘度を測定した。結果を表1に示す。
【0146】
(カーボンブラックミルベースの平均粒径)
ヘテロダインレーザードップラー方式粒度分布測定装置(マイクロトラック社製UPA model 9340)を用いるとともに、粘度調整用の溶媒として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いて、実施例3〜実施例5および比較例1〜比較例3で得られたミルベースを構成するカーボンブラック粒子凝集体の粒度分布曲線をそれぞれ求めることにより、体積積算粒度分布における積算粒度で50%の粒径を求め、これを平均粒径とした。結果を表1に示す。
【0147】
【表1】

【0148】
表1より、実施例3〜実施例5で得られたカーボンブラックミルベース1〜3は、比較例1〜比較例3で得られた比較カーボンブラックミルベース1〜3に比べ、ミルベースの粘度およびミルベースの平均粒径が小さいことから、顔料分散性に優れることが分かる。
【0149】
(実施例6)(紫外線硬化用インクジェットインキ1の調製例)
表2に示すように、実施例3で得たカーボンブラックミルベース1を35重量部、トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート(東亞合成株式会社製アロニックスM−350)を18重量部、1、9−ノナンジオールジアクリレートを32重量部、2−メトキシエチルアクリレート(大阪有機社製2−MTA)を8重量部、メタクリル酸エチルリン酸エステル(日本化薬社製カヤマーPM−21)を2重量部、4,4’−ビス(ジエチルアミン)ベンゾフェノンを1重量部、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(CIBA社製光開始剤イルガキュア127)を3重量部、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(CIBA社製光開始剤イルガキュア369)を1重量部を添加し攪拌することにより、紫外線硬化用インクジェットインキ1を作製した。
【0150】
(実施例7〜実施例8)(紫外線硬化用インクジェットインキ2〜3の調製例)
表2に示すように、実施例7においては、カーボンブラックミルベース1に代えてカーボンブラックミルベース2を用い、実施例8においては、カーボンブラックミルベース1に代えてカーボンブラックミルベース3を用いた以外は、実施例6と同様にして、それぞれ、紫外線硬化用インクジェットインキ2および紫外線硬化用インクジェットインキ3を作製した。
【0151】
(比較例4〜比較例6)(紫外線硬化用比較インクジェットインキ1〜3の調製例)
表2に示すように、比較例4においては、カーボンブラックミルベース1に代えて比較カーボンブラックミルベース1を用い、比較例5においては、カーボンブラックミルベース1に代えて比較カーボンブラックミルベース2を用い、比較例6においては、カーボンブラックミルベース1に代えて比較カーボンブラックミルベース3を用いた以外は、実施例6と同様にして、それぞれ、紫外線硬化用比較インクジェットインキ1、紫外線硬化用比較インクジェットインキ2および紫外線硬化用比較インクジェットインキ3を作製した。
【0152】
【表2】

【0153】
(実施例9〜実施例11、比較例7〜比較例9)(インクジェットインキ硬化塗膜の作製例)
実施例6〜実施例8で得られた紫外線硬化用インクジェットインキ1〜3および比較例4〜比較例6で得られた紫外線硬化用比較インクジェットインキ1〜3を用い、それぞれ、0.3mm厚の未処理アルミニウム板に対し、No.3ドローダウンロッドにて7μm厚になるように各インクジェットインキを塗布した。
上記インクジェットインキを塗布したアルミニウム板に対し、UV照射試験機(アイグラフィックス社製4kW アイグランテージ(ECS−4011GX))にて、以下の条件で紫外線を照射して、UV硬化塗膜を作製した。
(照射条件)
UVランプ:メタルハライドランプ 一灯、コールドミラー集光
照射距離 :100mm
ランプ出力:4kw−コンベア速度:20m
UVメーター:UVPF−A1
最高照度 :1320mW/cm
積算光量 :455mJ/cm
【0154】
得られた各UV硬化塗膜において、以下の方法により、硬化塗膜の硬化性と耐薬品性の指標となるMEKラビングを行うとともに、黒色度および光沢度を測定した。結果を表3に示す。
【0155】
(MEKラビング)
上皿電子天秤に載せた各UV硬化塗膜を有するアルミニウム板に対し、300g程度の荷重が掛かるようにMEKを染み込ませた綿棒を押し当てて2〜3センチ間の同じ箇所往復させて塗膜を擦り(ラビングし)、塗膜が剥がれ下地が見るまでの往復ラビング回数を計測した。
【0156】
(黒色度)
マクベス濃度計(コルモーゲン社製 RD−927)を用いて反射光学的濃度(OD値)測定した。
【0157】
(光沢度)
BYKガードナー社の60度グロスメーターで光沢度を測定した。
【0158】
【表3】

【0159】
表2および表3より、実施例9〜実施例11で得られたUV硬化塗膜は、比較例7〜比較例9で得られたUV硬化インクジェットインキ塗膜に比べ、塗布、硬化に用いたインクジェットインキに含まれる光重合開始剤の含有量が少ないにも拘らず、硬化塗膜のMEKラビング試験結果に優れ、硬化性および耐溶剤性が高いばかりか、黒色度に優れ、光沢度に優れることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0160】
本発明によれば、活性エネルギー線硬化性展色剤または着色剤組成物の調製に用いたときに、嫌気性重合や、熱重合、或いはメカノラジカル重合による増粘、ゲル化などの発生を抑制することができ、また、被印刷物や被塗装物に対する接着性や顔料に対する濡れ性および分散性を向上することができ、さらに、着色剤組成物の調製後においては、活性エネルギー線硬化性、特に紫外線(UV)硬化性に優れることから、優れた硬化塗膜を得ることができる活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂を提供することができる。
また、本発明によれば、上記活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂を含む活性エネルギー線硬化性展色剤、着色剤組成物および硬化物を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性エネルギー線硬化性環状イミド基を側鎖に有するジオール化合物(a)をモノマー原料としてウレタン反応させてなることを特徴とする活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂。
【請求項2】
前記活性エネルギー線硬化性環状イミド基を側鎖に有するジオール化合物(a)が、下記一般式(I)
【化1】


(但し、RおよびRは、水素原子または炭素数1〜6の直鎖状及び分岐構造のアルキル基であって、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、RおよびRが結合して環状構造を成していてもよい。Rは、炭素数1〜22のアルキレン基、RおよびRは、炭素数0〜22のアルキレン基であって、それぞれ同一であっても異なってもよいが、少なくとも何れか一方の炭素数が1〜22である。)で表わされる化合物、下記一般式(II)
【化2】


(但し、RおよびRは、水素原子または炭素数1〜6の直鎖アルキル基であって、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、RおよびRが結合して環状構造を成していてもよい。Rは、炭素数1〜22のアルキレン基、RおよびR10は炭素数0〜22のアルキレン基であって、それぞれ同一であっても異なっていてもよいが、少なくとも何れか一方の炭素数が1〜22である。R11およびR12は、炭素数2〜22のポリエステル残基または炭素数2〜6のポリオキシアルキレンエーテル残基であって、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。)で表わされる化合物および下記一般式(III)
【化3】


(但し、R13およびR14は、炭素数2〜22のアルキレン基、炭素数2〜22のポリエステル残基または炭素数2〜6のポリオキシアルキレンエーテル残基であって、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、R15は、炭素数2〜6のアルキレン基である。)で表わされる化合物から選ばれる一種以上である請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂。
【請求項3】
さらに極性分子鎖を有するジオール化合物(b)と、低極性分子鎖を有するジオール化合物(c)とをモノマー原料としてウレタン反応させてなる請求項1または請求項2に記載の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂。
【請求項4】
ポリウレタン主鎖の末端にさらに活性エネルギー線硬化性二重結合を有するモノオール化合物(e)をウレタン反応させてなる請求項1〜請求項3のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂を含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化性展色剤。
【請求項6】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂または請求項5に記載の活性エネルギー線硬化性展色剤に顔料を分散してなることを特徴とする着色剤組成物。
【請求項7】
前記着色剤組成物がインクジェットインキ組成物である請求項6に記載の着色剤組成物。
【請求項8】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂または請求項6若しくは請求項7に記載の着色剤組成物に活性エネルギー線を照射してなることを特徴とする硬化物。

【公開番号】特開2012−140519(P2012−140519A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−293404(P2010−293404)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000219576)東海カーボン株式会社 (155)
【Fターム(参考)】