説明

活性エネルギー線硬化性組成物および積層体

【課題】 外観、耐摩耗性、耐擦傷性、基材密着性、耐熱性、耐湿熱性及び耐候性に優れ、クラックの発生や剥れの発生の無い、積層体を提供する。
【解決手段】 基材の少なくとも一つの面に、アクリル樹脂からなるプライマー層、および活性エネルギー線硬化性組成物からなるハードコート層を少なくともこの順に有する積層体であって、該活性エネルギー線硬化性組成物が、下記(A)(B)(C)からなる組成物であることを特徴とする積層体
(A)多官能(メタ)アクリレート 50〜90重量部
(B)脂環構造を有するジオール(b−1)、ラクトン類(b−2)、ポリイソシアネート(b−3)および水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート 10〜50重量部
(C)紫外線吸収剤 0.1〜20重量部

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性エネルギー線の照射により硬化し、外観、耐擦傷性、基材に対する密着性及び耐候性に優れたハードコート層を形成することのできる活性エネルギー線硬化性組成物、アクリル樹脂からなるプライマー層と該活性エネルギー線硬化性組成物を硬化してなるハードコート層とを有する積層体、および該積層体よりなる樹脂製窓並びに自動車用窓材に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリカーボネート樹脂は、優れた透明性、耐熱性、機械的強度、易加工性の長所を有するため、電気、自動車、医療用途等に広く用いられている。しかしポリカーボネートは表面硬度が不足し耐擦傷性が不十分である、また長期の屋外使用では黄変してしまうという欠点があった。これらの欠点を改良する目的でポリカーボネート成形品の表面を種々のコーティング剤で被覆する方法が提案されている。しかしハードコート剤はプラスチック表面に高硬度の被膜を形成する事ができるが、硬度が高すぎるためにクラックを発生しやすいという欠点があった。
【0003】
これらの課題を解決する方法として、コロイドシリカ、アクリル酸アルコキシシリルの加水分解性生物、ヘキサンジオールジアクリレート、分岐或いは炭素環式の単官能アクリル酸エステルよりなる紫外線硬化型ハードコート剤が提案されている(特許文献1)。またカルド構造を有する2官能アクリレート、3個以上のアクリロイル基を有するウレタンアクリレート、ラクトン変性ポリペンタエリスリトールポリアクリレート、コロイダルシリカ、紫外線吸収剤からなる被覆剤組成物(特許文献2)が提案されている。また重合性単量体と重合性ベンゾフェノンまたは重合性ベンゾトリアゾールを含有するハードコート剤(特許文献3)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−306374号広報
【特許文献2】特開平7−247382号公報
【特許文献3】特開平10−60307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来特許文献などで知られていた被覆剤組成物は、2官能性アクリレートを増やすと表面硬度不十分になったり、逆に2官能性アクリレートを減らすとクラックが発生しやすかったりし、両方の要求を満たすことが困難であった。
また、例えば基材が紫外線により劣化することを防止するために紫外線吸収性を有する被覆層の形成を目的として、重合性紫外線吸収剤を使用しようとすると、重合性紫外線吸収剤のアクリルモノマーへの溶解性が不十分であるために未反応の紫外線吸収剤によりクラックが発生しやすいという欠点があった。
【0006】
そして、アクリル樹脂よりなる層の上にハードコート層を形成した積層体では、該層や該ハードコート層が、白化したりクラックが発生したりするという欠点を有していた。また、硬化層の架橋反応が経時で進行するために被膜に歪が生じやすく、ハードコート層にクラックが発生したり、ハードコート層が剥離したりしやすいという欠点を有しており、特に長期間の耐候性の維持には不十分であった。更に、積層体内層の樹脂の硬度が高すぎるために、最外層との密着力が不足し剥離が起こりやすいという問題が生じることもあった。
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、外観、耐摩耗性、耐候性、基材密着性に優れたハードコート層を形成することのできる活性エネルギー線硬化性組成物、該活性エネルギー線硬化性組成物からなるハードコート層を有する積層体、外観、耐摩耗性、耐候性、基材密着性に優れたハードコート層を有する樹脂製窓、および外観、耐摩耗性、耐候性、基材密着性に優れたハードコート層を有する自動車用窓材を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、係る問題点を解決すべく鋭意検討を行ったところ、特定の材料を含有することで、非常に優れた性能を有するハードコート層を形成しうる組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第一の要旨は、活性エネルギー線により硬化することのできるハードコート層を形成するための活性エネルギー線硬化性組成物であって、下記(A)(B)(C)からなることを特徴とする活性エネルギー線硬化性組成物に存する(請求項1)。
【0009】
(A)多官能(メタ)アクリレート:50〜90重量部
(B)脂環構造を有するジオール(b−1)、ラクトン類(b−2)、ポリイソシアネート(b−3)および水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート:10〜50重量部
(C)紫外線吸収剤 0.1〜20重量部
更に、前記活性エネルギー線硬化性組成物が、さらに体積平均粒子径200nm以下の(D)コロイド状シリカを含むことが好ましく(請求項2)、当該コロイド状シリカが、加水分解性ケイ素基を有する化合物により表面修飾されていることが好ましい(請求項3)。
【0010】
また、前記脂環構造を有するジオール(b−1)が、トリシクロデカンジメタノールであることが好ましく(請求項4)、更に前記活性エネルギー線硬化性組成物が、(E)ヒンダードアミン系光安定剤を0.1〜10重量部含有することが好ましく(請求項5)、更に(F)光重合開始剤を0.1〜10重量部を含有することが好ましい(請求項6)。
本発明の第二の要旨は、基材の少なくとも一つの面に、アクリル樹脂からなるプライマー層、および前記活性エネルギー線硬化性組成物からなるハードコート層を少なくともこの順に有する積層体に存し(請求項7)、特にポリカーボネート樹脂の射出成形により成形されてなることが好ましいく(請求項8)、該積層体を樹脂製窓に用いることが好ましい(請求項9)。
【0011】
そして本発明の第三の要旨は、基材の少なくとも一つの面に、アクリル樹脂からなるプライマー層、および活性エネルギー線硬化性組成物からなるハードコート層を少なくともこの順に有する積層体であって、該活性エネルギー線硬化性組成物が、下記(A)(B)(C)からなる組成物であることを特徴とする積層体からなる、自動車用窓材に存する(請求項10)。
【0012】
(A)多官能(メタ)アクリレート
(B)脂環構造を有するジオール(b−1)、ラクトン類(b−2)、ポリイソシアネート(b−3)および水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート
(C)紫外線吸収剤
【発明の効果】
【0013】
本発明の積層体は、外観、耐摩耗性、耐候性、基材密着性に優れた被覆膜を有するものであり、活性エネルギー線により硬化させたハードコート層を有するため、耐熱性の低いプラスチック基材に対しても適用して、高性能の積層体を得ることができる。また、本発明の積層体は外観、耐摩耗性、耐候性、基材密着性が優れておりヘッドランプカバー、風防ガラス、車両用窓ガラス、車両用屋根材、建築物用窓ガラス、建築物用外壁材、道路用防音壁、ディスプレイ用面板及び携帯電話用部材等に有用である。更に、高い透明性を維持しながら同時に高い耐摩耗性、耐候性、基材密着性を有する積層体であって、樹脂製窓材として好適である。特に、屋外で使用され、長期間にわたり温度変化、湿度変化、紫外線照射、赤外線照射、に曝される自動車用の窓材として好適である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態につき詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は本発明の実施形態の代表例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変形して実施することができる。なお、本発明において、「(メタ)アクリロイル」との記載は「アクリロイルおよびメタクリロイルからなる群より選ばれる少なくとも1つ」を意味し、「(メタ)アクリレート」との記載は「アクリレートおよびメタクリレートからなる群より選ばれる少なくとも一つ」を意味する。
【0015】
本発明の組成物は、活性エネルギー線により硬化することのできるハードコート層を形成するための組成物であって、下記(A)(B)(C)からなる。
(A)多官能(メタ)アクリレート:50〜90重量部
(B)脂環構造を有するジオール(b−1)、ラクトン類(b−2)、ポリイソシアネート(b−3)および水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート:10〜50重量部
(C)紫外線吸収剤 0.1〜20重量部
そして本発明の積層体は、基材の少なくとも一つの面に、アクリル樹脂からなるプライマー層、および前記活性エネルギー線硬化性組成物からなるハードコート層を少なくともこの順に有し、本発明の樹脂製窓は本発明の積層体からなる。
【0016】
さらに本発明の自動車用窓材は、基材の少なくとも一つの面に、アクリル樹脂からなるプライマー層と、(A)多官能(メタ)アクリレート、(B)脂環構造を有するジオール(b−1)、ラクトン類(b−2)、ポリイソシアネート(b−3)および水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート、および(C)紫外線吸収剤からなる活性エネルギー線硬化性組成物からなるハードコート層とを少なくともこの順に有する積層体からなる。
【0017】
[1.積層体]
[1−1.積層体の物性]
・機械的強度
本発明の積層体に要求される機械的強度について、特に制限は無いが、積層体の用途に応じて必要とされる強度を有することが好ましい。積層体の各層の接着性や、その耐久性、耐候性などの性質については、後述する。
【0018】
[1−2.積層体の構成]
本発明の積層体は、基材の少なくとも一つの面にプライマー層、および活性エネルギー線硬化性組成物からなるハードコート層を少なくともこの順に有するものであり、通常プライマー層は基材に接するように形成されるが、基材とプライマー層とは必ずしも接するように形成されていなくても構わず、基材とプライマー層との間に別種の層が形成されていても構わない。
【0019】
基材とプライマー層とが接していなくても、本発明に特定の優れた効果が発現する理由は定かではないが、プラスチック基材およびプライマー層の弾性変形率や、温湿度変化による各々の層の膨張や収縮による形状変化の影響が、別種の層を経たとしても及ぶことによるものと考えられる。但し、本発明の効果は、基材とプライマー層とが接するように形成した場合に特に顕著なものとなるので、本発明の積層体では基材にプライマー層が接するように形成することが好ましい。
【0020】
また、プライマー層と活性エネルギー線硬化性組成物からなるハードコート層との関係も同様に、接していても接していなくても構わないが、プライマー層と活性エネルギー線硬化性組成物からなるハードコート層とが接するように形成した場合に特に顕著なものとなるので、本発明の積層体ではプライマー層と活性エネルギー線硬化性組成物からなるハードコート層とが接するように形成することが好ましい。
【0021】
[2.基材]
[2−1.基材の構成]
本発明の積層体に係る基材に特に制限は無く、通常、広く一般に用いられているプラスチック材料を用いることができる。
プラスチック材料としては、加工の容易性から熱可塑性樹脂を用いることが好ましく、例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン等のスチレン樹脂、酢酸セルロース、ポリプロピレンを使用することができるが、本発明に係るプライマー層との接着性の観点から、カルボニル基を有する重合体がより好ましい。また、前記基材の物性を好ましく満たすという観点から、ポリエステル、ポリアリレート、ポリカーボネート、酢酸セルロースが好ましく、更にはポリカーボネートが好ましく、中でも芳香族ポリカーボネートが好ましい。
【0022】
本発明に係る芳香族ポリカーネートは、二価アルコールとしてニ価フェノールを用いて、カーボネート前駆体とを界面法または溶融法で反応させて得られる樹脂であり、2種以上のポリカーボネートの混合物であっても良い。カーボネート前駆体としては例えば、ホスゲン等のカルボニルハライド、ジフェニルカーボネート等のカルボニルエステル、ハロホルメート等が挙げられる。本発明に係る芳香族ポリカーネートは、GPC法によるポリスチレン換算で、数平均分子量15000〜50000程度のものが好ましい。更にポリカーボネート樹脂には本発明の目的を損なわない範囲で各種の添加剤、例えば、離型剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、着色剤、増白剤、難燃剤を含有しても良い。
【0023】
基材に好適な、カルボニル基を有する重合体を構成するモノマーユニットとしては、通常知られる如何なるものも使用することができるが、ポリエステル、ポリアリレート、ポリカーボネートのモノマーユニットとして通常用いられる二価アルコールを用いることが好ましい。
【0024】
具体的には、ハイドロキノン、レゾルシノール、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,8−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン等の2官能性フェノール化合物;
4,4’−ビフェノール、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’−ジ(t−ブチル)−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’,5,5’−テトラ(t−ブチル)−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、2,4’−ビフェノール、3,3’−ジメチル−2,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’−ジ(t−ブチル)−2,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、2,2’−ビフェノール、3,3’−ジメチル−2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’−ジ(t−ブチル)−2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル等のビフェノール化合物;
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等の芳香族環上に置換基を有しないビスフェノール化合物;
【0025】
ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン等の芳香族環上に置換基としてアリール基を有するビスフェノール化合物;
ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−(sec−ブチル)フェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)シクロヘキサン等の芳香族環上に置換基としてアルキル基を有するビスフェノール化合物;
【0026】
ビス(4−ヒドロキシフェニル)(フェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)(ジフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)(ジベンジル)メタン等の芳香族環を連結する2価基が置換基としてアリール基を有するビスフェノール化合物;
4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル等の芳香族環をエーテル結合で連結したビスフェノール化合物;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン等の芳香族環をスルホン結合で連結したビスフェノール化合物;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド等の芳香族環をスルフィド結合で連結したビスフェノール化合物;
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エーテル、フェノールフタルレイン、などがあげられる。
【0027】
[2−2.基材の形態]
本発明に係る基材の形態について特に制限はなく、シート状、フィルム状、成形体等いずれの形態であっても構わない。
[3.プライマー層]
[3−1.プライマー層の物性]
本発明に係るプライマー層の給水率に特に制限は無いが、環境の湿度変動の影響を受け難い方が好ましく、特に吸水性が低い方が好ましい。
【0028】
本発明の積層体に用いるプライマー層の厚みは、積層体の耐候性を向上させるために、通常1μm以上、好ましくは5μm以上、より好ましくは8μm以上、さらに好ましくは10μm以上であって、プライマー層を、溶媒を用いた塗布液を塗布乾燥して形成する際の乾燥性に優れるという理由から、通常50μm以下、好ましくは20μm以下、より好ましくは15μm以下である。
【0029】
本発明に係るプライマー層の波長300nmの光透過率は、分光光度計により測定されるものであって、耐候性を向上させる観点から、プライマー層の厚みによらず、通常10%以下、好ましくは5%以下、より好ましくは2%以下である。
本発明に係るプライマー層のヘーズに特に制限は無いが、本発明の積層体を、例えばガラス代替用途に使用する場合には、プライマー層のヘーズは低いことが好ましい。具体的にはJIS K7136:2000に準拠した試験方法によって測定されるヘーズが15%以下であることが好ましく、より好ましくは5%以下であって、特に好ましくは2%以下である。
【0030】
[3−2.プライマー層の構成]
本発明に係るプライマー層は、アクリル樹脂からなるものであって、(メタ)アクリロイル基を有する化合物群から選ばれる少なくとも1種の化合物を重合してなる樹脂を含有するものであるが、これは化合物端の炭素−炭素間の二重結合を利用して重合が行われるためであり、その技術的理由から、(メタ)アクリロイル基を有する化合物群には、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有するか、アクリロイル基およびメタクリロイル基を有するものであれば、如何なる化合物も含まれる。
【0031】
(メタ)アクリロイル基を有する化合物群から選ばれる少なくとも1種の化合物を重合してなる樹脂は、プライマー層の物性を調整するために、(メタ)アクリロイル基を有する化合物群から選ばれる複数種の化合物による共重合体であることが好ましい。この場合に用いられる(メタ)アクリロイル基を有する化合物の種類、および共重合比率に特に制限は無いが、本発明の効果を得るために、後述するような、(メタ)アクリロイル基を有する化合物の特性に係る技術思想に基づいて、適宜選択される。
【0032】
但し、当該化合物の分子量が大きすぎると、重合体の製造が困難になるため、当該化合物の炭素数は50以下が好ましく、より好ましくは40以下、特に好ましくは35以下である。
本発明において(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、典型的には下記式(1)で表される化合物が用いられる。
CH=C(R)COOR (1)
式(1)において、R,Rは有機置換基を表す。
【0033】
本発明の積層体に係るプライマー層の特性を、本発明に規定するものとするために、以下に記載の特性を勘案して、RおよびRは適宜調整される。好ましくは、R,Rは置換基を有していてもよいアルキル基であって、該アルキル基は分岐や環状構造を有していても構わない。更に、Rは炭素数5以下のアルキル基であることがより好ましく、更には炭素数5以下の直鎖アルキル基であることがより好ましい。
【0034】
プライマー層の機械的強度、接着性、吸水性の調整を容易にするためには、R,Rは直鎖のアルキル基であることが好ましい。特に、Rは、プライマー層の含有する樹脂の特性に大きく影響し、プライマー層の機械的強度、接着性、吸水性を調整する場合、その炭素数は30以下であることが好ましい。更に同様の理由から、Rは炭素数5以下の直鎖アルキル基が好ましく、特には水素原子、メチル基またはエチル基である。
【0035】
積層体において、プライマー層と他の層との接着性を高める観点においては、Rで表されるアルキル基の炭素数は3以下であることが好ましく、特にはメチル基が好ましい。

一方で、プライマー層の吸水率を調整するためには、Rは炭素数8以上のアルキル基であることが好ましく、該アルキル基の炭素数は、より好ましくは炭素数10以上、更に好ましくは12以上、特に好ましくは炭素数16以上であって、好ましくは炭素数30以下、より好ましくは炭素数25以下である。なかでも、前記式(1)において、Rが水素原子、メチル基またはエチル基であって、Rが炭素数8以上30以下の分岐を有していてもよいアルキル基であることを特徴とする(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好ましい。
【0036】
より具体的には例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、等を挙げることができる。
また、先にプライマー層の物性について記載したとおり、積層体の耐候性を向上させる観点から、プライマー層の厚みによらずプライマー層全体として、300nmの光の光透過率が一定以下であることが好ましいが、300nmの光の光透過率を調整するためには、Rで表される置換基が300nm近傍の光を吸収または遮断する基であることが好ましく、より具体的には、通常紫外線吸収剤として用いられている化合物に由来する、いわゆる紫外線吸収性基を有する(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好ましい。
【0037】
プライマー層の300nmの光の光透過率を調整するために、Rで表される有機置換基に用いられる紫外線吸収性基としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン骨格を有する基、トリアジン骨格を有する基、2−(5’−メチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール骨格を有する基、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート骨格を有する基、フェニルサリシレート等のサリシレート骨格を有する基、ジエチル−p−メトキシベンジリデンマロネート等のベンジリデンマロネート骨格を有する基が、好ましく用いられる。なかでも、ベンゾフェノン骨格を有する基、トリアジン骨格を有する基およびベンゾトリアゾール骨格を有する基が好ましく、特にはベンゾトリアゾール骨格を有する基が好ましく用いられる。
【0038】
より具体的に、プライマー層の300nmの光の光透過率を調整するために用いられる(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、例えば、式(3)に代表されるようなベンゾトリアゾール骨格を有する化合物、式(4)に代表されるようなベンゾフェノン骨格を有する化合物、及び式(5)に代表されるようなトリアジン骨格を有する化合物を挙げることができる。
【0039】
【化1】

【0040】
式(3)中、Xは水素原子または塩素原子を表し、Rは水素原子、メチル基、または炭素数4〜8の第3級アルキル基を表す。Rは直鎖状または分岐鎖状の炭素数2〜10のアルキレン基を表し、Rは水素原子又はメチル基を表す。nは0又は1を表す。
式(4)中Rは式(3)のRと同じ意味を表し、Rは炭素数1〜10の直鎖状または分岐状のアルキレン基を表す。R10は水素原子または水酸基を表し、R11は水素原子、水酸基または炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。
【0041】
式(5)中Rは式(3)のRと同じ意味を表し、R12は直接結合、−CHCHO−または−CHCH(OH)−CHO−を表し、mは1〜5の整数を表す。R13は各々孤立して水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基を表し、oは、0〜4の整数を表し、p,qは、各々独立に0〜5の整数を表す。
本発明に係るプライマー層は、(メタ)アクリロイル基を有する化合物群から選ばれる少なくとも1種の化合物を重合してなる樹脂を含有するものであるが、当該樹脂は、複数種の(メタ)アクリロイル基を有する化合物群から選ばれる化合物を用いた共重合体であっても構わない。
当該樹脂が共重合体である場合に、共重合することが可能である不飽和単量体としては例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、アルキルビニルエーテル、アルキルビニルエステル、スチレンまたはこれらの誘導体を挙げることができる。
【0042】
これらの中で、(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、(メタ)アクリル酸、2−アクリロイルオキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタレート、2−(メタ)アクリロイルプロピルフタレート、(メタ)アクリロイルオキシエチルサクシネート、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルトリエトキシシランが挙げられる。
【0043】
また、(メタ)アクリロニトリルの具体例としては、α−クロロアクリロニトリル、α−クロロメチルアクリロニトリル、α−トリフルオロメチルアクリロニトリル、α−メトキシアクリロニトリル、α−エトキシアクリロニトリル、シアノ化ビニリデンが挙げられる。
また、(メタ)アクリルアミド誘導体の具体例としては、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−エメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシ(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメトキシ(メタ)アクリルアミド、N−エトキシ(メタ)アクリルアミド、N,N−エトキシ(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N−エチレンビス(メタ)アクリルアミド等を挙げることができる。
【0044】
アルキルビニルエーテルの具体例としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、等を挙げることができる。
アルキルビニルエステルの具体例としては、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、アクリル酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等を挙げることができる。
スチレン誘導体の具体例としては、スチレン、P−スチリルトリメトキシシラン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロメチルスチレン等を挙げることができる。
【0045】
さらに、(メタ)アクリロイル基を有する化合物群から選ばれる少なくとも1種の化合物を重合してなる樹脂は、(メタ)アクリロイル基を有さない他の繰り返し単位との共重合体であっても構わない。この場合、(メタ)アクリロイル基を有する化合物群から選ばれる少なくとも1種の化合物と、他の繰り返し単位との共重合比率に特に制限は無いが、本発明の効果を充分に得るために、他の繰り返し単位の比率は、50mol%以下であることが好ましく、より好ましくは30mol%以下であって、更には20mol%以下が好ましく、特には10mol%以下が好ましい。
【0046】
本発明に係るプライマー層には、樹脂を合成する際の利便性や、プライマー層を形成する際に塗布形成法を採用する場合の塗工性を向上する目的で、溶剤を含有することができる。
用いられる溶剤は、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;2−メトキシエチルアセタート、2−エトキシエチルアセタート、2−メトキシプロピルアセテート、2−ブトキシエチルアセタート等のエーテルエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類;等が挙げられ、更にこれらの溶剤の任意の比率での混合物であっても構わない。
【0047】
[3−3.その他の成分]
本発明に係るプライマー層は安定剤(例えば、ヒンダードアミン系安定剤)、酸化防止剤(例えば、フェノール系、硫黄系、リン系酸化防止剤)、ブロッキング防止剤、レベリング剤、シランカップリング剤等のこの種の組成物に配合される種々の添加剤を、被膜形成成分の重量に対し、それぞれ0.01〜10重量部を配合することができる。
【0048】
・光安定剤
光安定剤としては、例えばビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)カーボネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)サクシネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−オクタノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ジフェニルメタン−p,p’−ジカーバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ベンゼン−1,3−ジスルホネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)フェニルホスファイト等のヒンダードアミン類、ニッケルビス(オクチルフェニルサルファイド、ニッケルコンプレクス−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルリン酸モノエチラート、ニッケルジブチルジチオカーバメート等のニッケル錯体があげられる。これらの剤は単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
【0049】
・シランカップリング剤
シランカップリング剤としては、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン・塩酸塩、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチル〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕アンモニウムクロライド、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等が挙げられ、また上記シランカップリング剤の部分加水分解縮合物も使用できる。かかる剤を添加することにより、ポリカーボネート基材と第一層および第一層と第二層の密着力が長期にわたり持続される。これらの剤は単独で使用しても2種以上を併用しても良い。
【0050】
[3−4.プライマー層の形成方法]
プライマー層は、従前知られる如何なる方法によって形成されても構わないが、大量生産が容易であるという利点から、通常、プライマー層形成用の組成物を塗布形成することにより行う。
塗布形成するための塗布方法についても特に制限されず、ディップコート法、フローコート法、スプレー法、スピンコート法、バーコート法、カーテンコート法、ダイコート法、グラビアコート法、ロールコート法、ブレードコート法、エアーナイフコート法等、従前知られるいずれの塗工方法によっても塗布することができる。
【0051】
また、この際、最終的に形成されたプライマー層の厚みが所望の厚みになるのであれば、塗布されたプライマー層形成用の組成物層の厚みに制限は無いが、通常10μm以上、好ましくは30μm以上、より好ましくは50μm以上、また、通常300μm以下、好ましくは200μm以下、より好ましくは120μm以下となるように塗布する。また、塗布は1回の工程で行なっても、2回以上に分けて行なってもよいが、通常は、1回で行なう方が経済的に有利であり、好ましい。
【0052】
本発明に係るプライマー層の形成に、所望により溶剤を用いた場合、プライマー層形成用の組成物層を塗布形成した後、乾燥して溶剤を除去する。乾燥条件は溶剤の沸点、基材の材質、塗布量等によって、好ましい範囲が異なるが、一般的には、30〜150℃で1〜60分間行い、好ましくは80〜120℃で1〜10分間行う。
【0053】
[4.ハードコート層]
[4−1.活性エネルギー線硬化性組成物]
本発明に係るハードコート層は、ポリイソシアネート化合物やトリアルコキシシラン加水分解物に代表される架橋材により、架橋硬化された樹脂からなる層であって、活性エネルギー線硬化性組成物を活性エネルギー線の照射により硬化したものである。
【0054】
(A)多官能(メタ)アクリレート
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物に使用される、(A)多官能(メタ)アクリレートとしては例えば、
1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド(以下、EOと略記することがある)変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アウリレート、イソシアヌル酸エトキシ変性ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エトキシ変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクロン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の(メタ)アクリレート;
【0055】
上記3官能以上の(メタ)アクリレートとγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランの付加物とコロイダルシリカおよび/またはシリケート加水分解縮合物;
グリセリンジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等の水酸基含有アクリレートとイソシアネートプロピルトリエトキシシランの付加物とコロイダルシリカおよび/またはシリケート加水分解縮合物;
イソホロンジイソシアネートや水添ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂環骨格イソシアネート化合物に、(ポリ)ブタジエンジオール、(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレングリコール、(ポリ)テトラメチレングリコール、(ポリ)エステルジオール、(ポリ)カプロラクトン変性ジオール、(ポリ)カーボネートジオール、(ポリ)スピログリコール等の1種又は2種以上の化合物の水酸基を付加させた後、残ったイソシアネート基に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等の水酸基を持つ(メタ)アクリレートを反応させたウレタンポリ(メタ)アクリレート類;
ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ノボラック型エポキシ樹脂類、トリスフェノールメタントリグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、2,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサノン−メタ−ジオキサン、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、EHPE−3150(ダイセル化学工業(株)製、脂環式エポキシ樹脂)等を(メタ)アクリル酸で変性したエポキシ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
【0056】
これらの分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するアクリレートは単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物において、(A)多官能(メタ)アクリレートの含有量は、耐擦傷性の理由から(A)多官能(メタ)アクリレートと(B)ウレタン(メタ)アクリレート成分の合計量を100重量部とした場合に50〜90重量部であることが好ましく、より好ましくは60〜90重量部であって、更に好ましくは60〜80重量部である。
【0057】
(B)ウレタン(メタ)アクリレート
本発明に係る、脂環構造を有するジオール(b−1)、ラクトン類(b−2)、ポリイソシアネート(b−3)および水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られる(B)ウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、下記の原料を使用して合成されたものを使用することが出来る。
【0058】
脂環構造を有するジオール(b−1)としては、例えば、インデン、ナフタレン、アズレン、アントラセン等をヒドロキシアルキル化した化合物;ビシクロ[5,3,0]デカンジメタノール、ビシクロ[4,4,0]デカンジメタノール、ビシクロ[4,3,0]ノナンジメタノール、ノルボルナンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、1,3−アダマンタンジオール(1,3−ジヒドロキシトリシクロ[3,3,1,13,7]デカン、3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、イソソルバイド、水添ビスフェノールA、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
【0059】
ラクトン類(b−2)としては、例えば、β−プロピオラクトン、ε―カプロラクトン、δ―バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、α,β,γ−トリメトキシ−δ−バレロラクトン、β−メチル−ε−イソプロピル−ε−カプロラクトン、ラクチド、グリコリド等が挙げられる。
ポリイソシアネート(b−3)としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,5ナフタレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等が挙げられる。
【0060】
水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等が挙げられる。
【0061】
本発明に係る(B)ウレタン(メタ)アクリレートは、脂環構造を有するカプロラクトン変性ジオールを合成し、さらに該ジオールに、ジイソシアネートを20〜100℃、好ましくは40〜80℃で1〜20時間反応することによりジイソシアネートを合成し、さらに水酸基含有(メタ)アクリレートを20〜100℃にて1〜20時間反応させることにより得ることができる。例えば、脂環構造を有するカプロラクトン変性ジオールは、脂環構造を有するジオール(b−1)としてトリシクロデンカンジメタノールを用い、ラクトン類(b−2)としてε−カプロラクトンを用いた場合、触媒の存在下、50〜220℃、好ましくは100〜200℃に加熱することにより付加反応を行うことで合成できる。この時低温では反応速度が遅く、高温では熱分解がおこるので好ましくない。この反応に使用される触媒としては無機塩類、無機酸、有機アルカリ金属、スズ化合物、チタン化合物、アルミニウム化合物、亜鉛化合物、タングステン化合物、モリブデン化合物および、ジルコニウム化合物が使用できる。
【0062】
ジオールとジシアネート、ジシアネートと水酸基含有(メタ)アクリレートの反応にあたっては、反応を促進するために触媒を使用することが好ましい。ここで使用できる触媒としてはジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテートに代表される有機錫化合物やトリエチルアミン等の3級アミン化合物を使用することができる。
【0063】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物において、(B)ウレタン(メタ)アクリレートの含有量は、耐候性の理由から(A)多官能(メタ)アクリレートと(B)ウレタン(メタ)アクリレート成分との合計量を100重量部とした場合に10〜50重量部であることが好ましく、より好ましくは10〜40重量部であって、更に好ましくは20〜40重量部である。
【0064】
(C)紫外線吸収剤
(C)紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、シアノアクリレート系の紫外線吸収剤が挙げられる。
これらの具体例としては例えば、2−(2−ヒドロキシ−5−メチル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2’ヒドロキシ−3’,5’−t−ペンチルベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3,−
テトラメチルブチル)]ベンゾトリアゾール、2−(2’ヒドロキシ−3’−s−ブチル
−5’−t−ブチルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3−ドデシル−5’−メチルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス[4−1,1,3,3−テ
トラメチルブチル]−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、3−[
3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネートとポリエチレングリコールの反応物等のベンゾトリアゾール類、2−
ヒドロキシベンゾフェノン、5−クロロ2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、2-(4,6-ジフェニル−1,3,5−トリアジンー2−イル)−5−[(メチル)オキシ]-フェノール、2−(4,6−ジフェニルー1,3,5−トリアジンー2−イル)−5−[(エチル)オキシ]−フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジンー2−イルー[(プロピル)オキシ]−フェノール、2-(4,6-ジフェニル−1,3,5−トリアジンー2−イル)−5−[(ブチル)オキシ]-フェノール、2-(4,6-ジフェニル−1,3,5−トリアジンー2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]-フェノール等のトリアジン類、フェニルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート等のサリシレート類3−ヒドロキシフェニルベンゾエート、フェニレン−1,3−ベンゾエート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2―イル)−5−ヘキシルオキシフェノール等が挙げられる。これらの紫外線吸収剤は単独または二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0065】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物において、(C)紫外線吸収剤の含有量は、耐候性の理由からを(A)多官能(メタ)アクリレートと(B)ウレタン(メタ)アクリレート成分の合計量を100重量部とした場合に0.1〜20重量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜10重量部であって、更に好ましくは0.5〜5重量部である。
【0066】
(D)コロイド状シリカ
(D)コロイド状シリカとしては、例えば、水、メタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、エチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジメチルアセトアミド、キシレン及びこれらの混合溶剤を分散媒とし、平均粒子径が1〜200nmのシリカが好ましい、さらに好ましくは平均粒子径5〜50nmである。平均粒子径の測定は走査型電子顕微鏡(日本電子社製JSM−7401F)を用いて粒子を撮影し、この画像の50個の粒子について画像解析ソフトImageProPlus(MediaCybernetics社製)を用いて測定した。本発明で使用されるコロイド状シリカは固形分として(A)多官能(メタ)アクリレートと(B)ウレタン(メタ)アクリレート成分の合計量を100重量部とした場合に、10〜40重量%含有することが好ましい。特に、有機溶剤に分散したコロイド状シリカを利用すると、塗膜とした場合に、高い透明性を発現するので好ましく、代表的には水酸基を有する溶剤、又はケトン基を有する極性溶媒に分散したオルガノシリカゾルを用いることが好ましい。具体的には、「IPA−ST」(IPA分散オルガノシリカゾル、日産化学)、「MEK−ST」(MEK分散オルガノシリカゾル、日産化学)、「MIBK−ST」(MIBK分散オルガノシリカゾル、日産化学)等、又はこれらを原料に他の水酸基を有する溶剤に溶媒置換したゾル(例えばPGM分散オルガノシリカゾル等)を挙げることができる。
【0067】
コロイド状シリカとしては、表面修飾がなされたものを使用しても、未修飾のものを使用しても構わないが、好ましくは表面修飾されたコロイド状シリカが用いられる。コロイド状シリカの修飾は加水分解性ケイ素基または水酸基が結合したケイ素基有する化合物を用いることができる。加水分解性ケイ素基は加水分解によりシラノール基が生成し、それらのシラノール基がコロイド状シリカ表面に存在するシラノール基と反応して結合することにより表面修飾コロイド状シリカが生成する。コロイド状シリカの修飾に使用される。
【0068】
ケイ素基含有化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルオリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、p−ビニルフェニルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−、P−スチリルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。ケイ素基含有化合物は単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0069】
コロイド状シリカの表面修飾方法としては、コロイド状シリカと加水分解性ケイ素基を含有する化合物、触媒、水を20〜100℃にて1〜40時間反応させることにより合成することができる。
本反応に使用する触媒としては塩酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸;ギ酸、酢酸、シュウ酸、p−トルエンスルホン酸、アクリル酸、メタクリル酸等の有機酸;アルカリ;アセチルアセトンアルミニウム、アルミニウム2,2,6,6,−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート、アルミニウムジイソプロポキシドエチルアセトアセテート、アルミニウムジイソブトキシドエチルアセトアセテート、ホウ酸ブトキシド、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクテート等を使用することができる。これらの触媒の使用量はコロイド状シリカと加水分解性ケイ素基含有化合物の合計量100重量部に対して0.0001〜5重量部、好ましくは0.01〜1重量部である。また、加水分解に必要な水の量は加水分解性ケイ素基に対して0.5〜100当量、好ましくは1〜30当量である。
本反応に使用されるコロイド状シリカとしては酸性または塩基性の分散形態のコロイド状シリカが使用できるが、好ましくは酸性のコロイド状シリカである。
【0070】
(E)ヒンダードアミン系光安定剤
(E)ヒンダードアミン系光安定剤としては例えば、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ヘキサノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−オクタノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアオイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、コハク酸−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)、セバシン酸−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)、セバシン酸−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジン)、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4,5]デカン−2,4−ジオン、N−メチル−3−ドデシル−1−(−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)ピロリジン−2,5−ジオン、N−アセチル−3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)、トリメシン酸−トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)等が挙げられる。これらの光安定剤は単独または二種以上を組み合わせて用いることができる。光安定剤の添加量は被覆物の硬度の点から組成物100重量部に対して10重量部以下が好ましい。
【0071】
(F)光重合開始剤
(F)光重合開始剤としては例えば、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、などのベンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、 2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチル
アミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノンなどのアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノンなどのアントラキノン類が挙げられる。
【0072】
更に2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなどのケタール類、ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類またはキサントン類、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ1−1(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1等のαアミノケトン類、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニルチタニウム、η5−シクロペンタジエニル−η6−クメニルアイアン(1+)−ヘキサフルオロフォスフェイト(1−)等を挙げることができる。これらの光重合開始剤は単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。光重合開始剤の含有量は被覆物の硬度の点から組成物100重量部に対して0.1〜20重量部が好ましい。更に好ましくは1〜5重量部である。
【0073】
溶剤
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物には、組成物の取り扱い上の点から溶剤を含有することができる。例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、3-メトキシプロピルアセタート等のエーテルエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類;等が挙げられる。これらを溶剤は単独または2種以上を組み和せて用いることができる。
【0074】
また、本発明の硬化性組成物を適応する基材には、密着性向上、平滑化、模様つけなどを目的として予め表面処理を施す事もできる。表面処理の例としては例えばプラズマ処理、コロナ放電処理、紫外線照射処理、火炎処理、薬品処理、脱脂、酸化処理、蒸着処理、ブラスト処理、イオン処理などが挙げられる。
前記活性エネルギー線硬化性組成物を基材に塗工する方法として特に限定されず、公知慣用の方法が使用できる。塗工方法としては例えば、ディッピング法、フローコート法、スプレー法、スピンコート法、グラビアコート法、ロールコート法、ブレードコート法、エアーナイフコート法、オフセット法、バーコート法等のいずれの方法によっても塗布することもできる。また、印刷等により画像様に塗工することもできる。
【0075】
なお、塗布量については特に制限されないが、活性エネルギー線の照射によって硬化した被膜の膜厚が、0.1〜50μm、好ましくは1〜10μmとなるように塗工するのが好ましい。
本発明の硬化性組成物に、所望により溶剤を用いた場合、硬化性組成物を基材に供給した後、乾燥して溶剤を除去する。乾燥条件は溶剤の沸点、基材の材質、塗布量等によって、好ましい範囲が異なるが、一般的には、30〜120℃で1〜30分間行い、好ましくは50〜100℃で1〜5分間行う。
【0076】
次に、活性エネルギー線を照射して硬化させる。活性エネルギー線としては、キセノンランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、タングステンランプ等の光源から発せられる紫外線、通常20〜2000kVの粒子加速器から取り出される電子線、α線、β線、γ線等を用いることができる。
本発明の積層体は、上記基材として例えば、膜厚が200μm以下、より好ましくは膜厚が5〜150μm、のプラスチックフィルムを用い、上記方法に従って、該フィルムの表面に本発明の活性エネルギー線硬化性組成物からなる被膜を形成することによって作製することができる。
【実施例】
【0077】
以下に製造例及び実施例を記載して、本発明をさらに具体的に説明する。以下の製造例及び実施例に記載される成分、割合、手順等は、本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に記載される具体例に制限されるものではない。なお、製造例及び実施例に記載される「部」及び「%」は、「質量部」及び「質量%」をそれぞれ意味する。
【0078】
(製造例1:表面修飾コロイド状シリカ)
温度計、攪拌機および還流冷却管を備えたフラスコに、2−プロパノールに分散させたコロイド状シリカ(シリカ含有量30%、体積平均粒子径14nm)100g、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン5g、アセチルアセトンアルミニウム0.35g、水1g、およびプロピレングリコールモノメチルエーテル11.5gを加え70℃にて6時間加熱攪拌した後、12時間室温下で熟成することにより、不揮発分30%の表面修飾コロイド状シリカ(以下、シリカ2ということがある)を得た。
【0079】
(製造例2:プライマー層形成用重合体)
温度計、攪拌機および還流冷却管を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテル300g、メチルメタクリレート150g、ステアリルメタクリレート40g、(2,[2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール(大塚化学社製RUVA93)10g、および2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1gを加え、65℃にて3時間反応させ、さらに2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2gを加え3時間反応し不揮発分40%、重量平均分子量68000の共重合体(P−1)を得た。
【0080】
(製造例3:ウレタンアクリレート2)
温度計、攪拌機および還流冷却管を備えたフラスコにヘキサメチレンジイソシアネート168.2g、ポリカプロラクトンモノアクリレート(ダイセル化学工業社製 プラクセルFA2D 水酸基価163KOHmg/g)344g、ジブチルスズラウレート0.8gおよびハイドロキノンモノメチルエーテル0.8gを加え70℃にて5時間加熱攪拌した後、反応液にプロピレングリコールモノメチルエーテル128.5gを加えて、ウレタンアクリレート2(不揮発分80%)を得た。
【0081】
(製造例4:ウレタンアクリレート1)
温度計、攪拌機および還流冷却管を備えたフラスコにトリシクロデカンジメタノール39.3g、ε−カプロラクトン46.6g、テトラオクチルスズ0.1gを加え窒素気流下180℃にて15時間加熱撹拌した後、イソホロンジイソシアネート88.9g、2−ヒドロキシエチルアクリレート46.5g、フェノキシジエチレングリコールアクリレート55.3g、ジブチルスズラウレート0.2gおよびハイドロキノンモノメチルエーテル0.1gを空気気流下80℃にて5時間加熱撹拌し、ウレタンアクリレート1を得た。
【0082】
(実施例1)
脱脂処理を行ったポリカーボネート板(厚さ3mm、ヘーズ0.1%)にフィルムアプリケータを用いて乾燥後の塗膜厚さが10μmとなるように製造例2で製造した共重合体(P−1)を塗布し、熱風乾燥機にて120℃、5分間乾燥してプライマー層を形成した。
【0083】
多官能アクリレートとしてカヤラッドDPHA(日本化薬社製)23.4部、ウレタンアクリレートとして製造例4で製造したウレタンアクリレート1を23.4部、紫外線吸収剤としてチヌビン400(チバスペシャリティーケミカルズ社製)2.3部、安定剤としてチヌビン123(チバスペシャリティーケミカルズ社製)0.5部、光重合開始剤としてチヌビン184(チバスペシャリティーケミカルズ社製)0.5部、およびプロピレングリコールモノメチルエーテル50部を混合し、よく攪拌して活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
【0084】
前記プライマー層の上に、この活性エネルギー線硬化性組成物を、バーコーターを用いて、乾燥後の塗膜厚が6μmとなるように塗布し、80℃で5分間加熱乾燥した。次いで、この塗布膜に、出力120w/cmの高圧水銀灯を光源として照射強度400mW/cmにて積算光量3J/cmとなるように紫外線を照射し、塗膜を硬化させてハードコート層を形成し、積層体を作製した。
【0085】
(実施例2〜8及び比較例1〜5)
下記表−1および表−2に示す組成(単位:重量部)の活性エネルギー線硬化性組成物を使用した以外は、実施例1と同様にしてハードコート層を形成し、実施例2〜8および比較例1〜5の積層体を作製した。
【0086】
【表1】

【0087】
【表2】

表−1および表−2中の各記号は下記材料の意味であり、−はそれを使用していないことを示す。
【0088】
多官能アクリレート1:日本化薬社製 ジペンタリスリトール(商品名:カヤラッドD
PHA)
多官能アクリレート2:大阪有機化学社製 ペンタエリスリトールトリアクリレート
(商品名:ビスコート300)
多官能アクリレート3:東亞合成社製 イソシアヌル酸EO変性アクリレート(商品
名:アロニックスM313)
多官能アクリレート4:東亞合成社製 カプロラクトン変性イソシアヌル酸アクリレー
ト(商品名:アロニックスA9300−3CL
多官能アクリレート5:新中村化学社製 トリシクロデカンジメタノールアクリレート
(商品名:NKエステルA−DCP)
多官能アクリレート6:日本化薬社製 カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘ
キサアクリレート(商品名:カヤラッドDPCA60)
ウレタンアクリレート1:製造例4で製造したウレタンアクリレート
ウレタンアクリレート2:製造例3で製造したウレタンアクリレート
シリカ1 :日産化学社製オルガノシリカゾル(商品名:IPA−ST
平均粒子径13nm 30%2−プロパノール溶液)
シリカ2 :製造例1で製造した表面修飾コロイド状シリカ
UVA1 :チバスペシャルティーケミカルズ社製トリアジン系紫外線吸
収剤(商品名:TINUVIN400)
UVA2 :チバスペシャルティーケミカルズ社製ベンゾトリアゾール系
紫外線吸収剤(商品名:TINUVIN213)
HALS1 :チバスペシャルティーケミカルズ社製ヒンダードアミン系光
安定剤(商品名:TINUVIN123)
PGM :プロピレングリコールモノメチルエーテル
光重合開始剤1 :チバスペシャルティーケミカルズ社製(商品名:イルガキュ
ア184)
【0089】
(評価方法)
以上のようにして作製した積層体を、下記の評価方法に従って評価した。結果を表−3および表―4に示す。
ヘーズ:JIS K−7105に従って、ヘーズ値(H%)で評価した。
耐摩耗性:JIS K5600に従って摩耗輪CS−10F、荷重500g、回転数500サイクルの条件にて、テーバー摩耗試験を行い試験前後のヘーズ値の差ΔH%を測定した。
耐擦傷性:学振型摩耗試験器にてスチールウール#0000の上に500gの荷重をか
けて10往復させ、傷の状況を目視にて判断した。
◎:全く傷が付かない
○:1〜5本の傷が付く
△:5〜10本の傷が付く
×:10本以上の傷が付く
初期密着性:試験片に2mm間隔にて100個のます目をつくりセロハンテープ(ニチ
バン製24mm)を圧着させて上方に剥がし、剥離を目視にて観察した。○:剥離無し
×:剥離あり
耐湿熱性:試験片を50℃、湿度98%の恒温恒湿槽の中に360時間放置した後、2
3℃、50%の環境下にて24時間放置した後に下記の密着性評価方法によ
り評価した。
耐候性:試験片をキセノンウェザーメーター(アトラス社製Ci4000)にセット
し、UV照射強度180mW/m2、ブラックパネル温度63℃にて照射
102分、降雨18分のサイクルにて、紫外線積算照射量が1000MJ/m
に達するまで試験を行い、下記の密着性および外観評価方法により、評価し
た。
密着性:試験片に2mm間隔にて100個のます目をつくりセロハンテープ(ニチバン
製24mm)を圧着させて上方に剥がし、剥離を目視にて観察した。
○:剥離無し
△:剥離3ます目以下
×:剥離4ます目以上
外観:クラックの発生を目視にて観察した
○:変化なし
×:クラック、剥離、白化のいずれかが観察される
【0090】
【表3】

【0091】
【表4】

【0092】
以上の結果より、本発明によれば、×の評価項目の無い高品質の積層体を得ることができる。しかも特に耐候性に優れ、屋外で使用される物品に適用した場合に好ましい性能を有しており、樹脂製窓材として好適であって自動車用窓材として使用する場合に特に好ましい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性エネルギー線により硬化することのできるハードコート層を形成するための活性エネルギー線硬化性組成物であって、下記(A)(B)(C)からなることを特徴とする活性エネルギー線硬化性組成物
(A)多官能(メタ)アクリレート:50〜90重量部
(B)脂環構造を有するジオール(b−1)、ラクトン類(b−2)、ポリイソシアネート(b−3)および水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート:10〜50重量部
(C)紫外線吸収剤 0.1〜20重量部
【請求項2】
前記活性エネルギー線硬化性組成物が、さらに体積平均粒子径200nm以下の(D)コロイド状シリカを含む、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項3】
前記(D)コロイド状シリカが、加水分解性ケイ素基を有する化合物により表面修飾されている、請求項1または請求項2に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項4】
前記脂環構造を有するジオール(b−1)が、トリシクロデカンジメタノールである、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項5】
前記活性エネルギー線硬化性組成物が、更に(E)ヒンダードアミン系光安定剤を0.1〜10重量部を含有する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項6】
前記活性エネルギー線硬化性組成物が、更に(F)光重合開始剤を0.1〜10重量部を含有する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項7】
基材の少なくとも一つの面に、アクリル樹脂からなるプライマー層、および前記活性エネルギー線硬化性組成物からなるハードコート層を少なくともこの順に有する積層体。
【請求項8】
前記基材が、ポリカーボネート樹脂の射出成形により成形されてなるものである、請求項7に記載の積層体。
【請求項9】
請求項7または請求項8に記載の積層体からなる樹脂製窓。
【請求項10】
基材の少なくとも一つの面に、アクリル樹脂からなるプライマー層、および活性エネルギー線硬化性組成物からなるハードコート層を少なくともこの順に有する積層体であって、該活性エネルギー線硬化性組成物が、下記(A)(B)(C)からなる組成物であることを特徴とする積層体からなる、自動車用窓材
(A)多官能(メタ)アクリレート
(B)脂環構造を有するジオール(b−1)、ラクトン類(b−2)、ポリイソシアネート(b−3)および水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート
(C)紫外線吸収剤

【公開番号】特開2010−215843(P2010−215843A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−66086(P2009−66086)
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【出願人】(000005968)三菱化学株式会社 (4,356)
【Fターム(参考)】