説明

活性エネルギー線硬化性組成物

【課題】良好な耐擦傷性を有する硬化膜と良好な耐ブロッキング性を有する塗膜との両方を形成することができる活性エネルギー線硬化性組成物を提供する。
【解決手段】(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリル系オリゴマーと、例えばポリウレタンと多価アルコールとによる両端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーとヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとのウレタン反応生成物であるウレタン(メタ)アクリル系オリゴマーと、必要に応じて光重合開始剤と、を混合して、活性エネルギー線硬化性組成物を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(メタ)アクリル(メタ)アクリレート系オリゴマーとウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーとを含有する活性エネルギー線硬化性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、プラスチック製品、例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、酢酸セルロース、ポリプロピレン等は、その軽量性、易加工性、耐衝撃性などに優れているので種々の用途に使用されている。しかしながら、これらプラスチック製品は表面硬度が低いため傷がつき易く、ポリカーボネートのような透明な樹脂においては、その樹脂が持つ本来の透明性あるいは外観を著しく損なうという欠点があり、耐摩耗性を必要とする分野でのプラスチック製品の使用を困難なものとしている。このため、これらプラスチック製品に耐摩耗性を付与し表面硬度を高めるハードコート材料が求められている。さらに、これらプラスチック製品の表面にハードコート処理を行う場合、ハードコート材をプラスック製品(以下、ハードコート材が最終的に形成されるべき物品を「成形物」とも言う)の表面に直接塗布するのではなくて、一旦基材に塗布して基材上にハードコート材料の塗膜を形成し(以下、基材と基材上に形成された塗膜のことを「転写シート」とも言う)、必要であれば印刷、接着層の塗布等の加工の後、ハードコート材料を基材からプラスチック製品の表面に転写する方法が広く利用されている。
【0003】
このようなハードコート材料として、活性エネルギー線の照射によって短時間で硬化するラジカル重合型の活性エネルギー線硬化性組成物は耐擦傷性、耐薬品性、耐汚染性等に優れた皮膜や成型品を提供することから、各種表面加工分野及び注型成型品用途に広く用いられている。
【0004】
このような活性エネルギー線硬化性組成物としては、例えば、特定の(メタ)アクリル当量、水酸基価、及び重量平均分子量を有するポリマーと多官能イソシアネートとを含有する活性エネルギー線硬化性組成物(例えば、特許文献1参照。)、(メタ)アクリロイル基を有する重合体とシリカゾルとがスルフィド結合を介して結合してなる有機無機複合体とを含有する活性エネルギー線硬化性組成物(例えば、特許文献2参照。)、ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーとその物性低下を抑制しつつ粘度を低下させる反応性希釈モノマーと光重合開始剤とを含有する、特定の変形特性を有する硬化膜を形成する活性エネルギー線硬化性組成物(例えば、特許文献3参照。)、及び、重量平均分子量の異なる二種のウレタン(メタ)アクリレートと光重合開始剤とを含有する活性エネルギー線硬化性組成物(例えば、特許文献4参照。)が知られている。
【0005】
前記活性エネルギー線硬化性組成物による成形物へのハードコート層の供給方法は、活性エネルギー線硬化性組成物を活性エネルギー線で硬化した後に、成形物へ硬化膜を転写させる方法と、活性エネルギー線で硬化させる前に基材へ活性エネルギー線硬化性組成物の塗膜を形成し、得られた転写シートの塗膜を成形物へ転写した後に、活性エネルギー線で硬化させる方法が挙げられる。
【0006】
前者の方法では、供給される硬化膜は予め活性エネルギー線で硬化されているため、耐ブロッキング性に優れるが、硬化膜の伸びが足りず成形性を損なう問題がある。また、この伸びを高めようとすると、ハードコート材としての十分な硬度を保てず、成型性と硬度の性能をともに満足させることは困難である。
【0007】
一方、後者の方法では、活性エネルギー線で硬化させる前に、硬化膜の前駆体である塗膜が成形物の表面に供給されるため成形性に優れ、また、硬化後の硬度を十分に高めることも可能で、成型性と硬度の性能をともに満足させることが可能である。一方で、硬化前の転写シートがブロッキングし易いという問題があり、改善が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平9−290491号公報
【特許文献2】特開2003−321622号公報
【特許文献3】特開平2007−30479号公報
【特許文献4】特開2001−129938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、良好な耐擦傷性を有する硬化膜と良好な耐ブロッキング性を有する塗膜との両方を形成することができる活性エネルギー線硬化性組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、(メタ)アクリル(メタ)アクリレート系オリゴマーを含有する活性エネルギー線硬化性組成物にウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを添加することによって、硬化膜における良好な耐擦傷性と組成物の塗膜における良好な耐ブロッキング性の両方が得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0011】
すなわち本発明は、(メタ)アクリル(メタ)アクリレート系オリゴマーと、ウレタン(メタ)アクリル系オリゴマーとを含有し、
前記(メタ)アクリル(メタ)アクリレート系オリゴマーが、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリレートの一方又は両方をモノマーに含むラジカル重合体であって、(メタ)アクリロイル基を有し、
前記ウレタン(メタ)アクリル系オリゴマーが、ポリイソシアネートと、水酸基を有する(メタ)アクリレート及び多価アルコールを含む水酸基含有化合物の水酸基とのウレタン反応生成物の構造を有する、活性エネルギー線硬化性組成物を提供する。
【0012】
また本発明は、(メタ)アクリル(メタ)アクリレート系オリゴマーとウレタン(メタ)アクリル系オリゴマーとの配合比率が質量比で(メタ)アクリル(メタ)アクリレート系オリゴマー:ウレタン(メタ)アクリル系オリゴマーで10:90〜90:10である前記の活性エネルギー線硬化性組成物を提供する。
【0013】
また本発明は、前記水酸基を有する(メタ)アクリレートがヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートであり、前記多価アルコールが高分子量ポリオール及び低分子量ポリオールの一方又は両方を含む前記の活性エネルギー線硬化性組成物を提供する。
【0014】
また本発明は、高分子量ポリオールと低分子量ポリオールの配合比率が質量比で高分子量ポリオール:低分子量ポリオールで0:100〜30:70である前記の活性エネルギー線硬化性組成物を提供する。
【0015】
また本発明は、前記ラジカル重合体が、エポキシ基と一個のラジカル重合性基を有する化合物をモノマーに含む前記の活性エネルギー線硬化性組成物を提供する。
【0016】
また本発明は、光重合開始剤をさらに含有する前記の活性エネルギー線硬化性組成物を提供する。
【0017】
また、本発明は、前記の活性エネルギー線硬化性組成物の塗膜を基材上に有する転写シートの塗膜に密着して形成又は配置される成形物に基材から転写された前記塗膜に活性エネルギー線が照射されてなる硬化膜が成形物の表面に形成されてなる硬化膜形成物品を提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、活性エネルギー線硬化性組成物において、(メタ)アクリル(メタ)アクリレート系オリゴマーとウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーとを含有することから、良好な耐擦傷性を有する硬化膜と良好な耐ブロッキング性を有する塗膜との両方を形成することができる活性エネルギー線硬化性組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、(メタ)アクリル(メタ)アクリレート系オリゴマー(以下、「AA系オリゴマー」とも言う)と、ウレタン(メタ)アクリル系オリゴマー(以下、「UA系オリゴマー」とも言う)とを含有する。
【0020】
本発明において「(メタ)アクリル」は、「アクリル」及び「メタクリル」の総称であり、これらの一方又は両方を意味する。同様に、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」及び「メタクリレート」の一方又は両方を、「(メタ)アクリロイル」は「アクリロイル」及び「メタクリロイル」の一方又は両方をそれぞれ意味する。
【0021】
本発明において、活性エネルギー線とは、前記のオリゴマーの(メタ)アクリロイル基の炭素間二重結合を活性化してラジカル付加反応に供させる電磁波又は放射線である。活性エネルギー線としては、例えば赤外線、可視光線、紫外線、X線、電子線、α線、β線、及びγ線が挙げられる。
【0022】
前記(メタ)アクリル(メタ)アクリレート系オリゴマーは、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリレートの一方又は両方をモノマーとするラジカル重合体であって、(メタ)アクリロイル基を有するAA系モノマーは、一種でも二種以上でもよい。
【0023】
(メタ)アクリル(メタ)アクリレート系オリゴマーの重量平均分子量は、活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物における耐ブロッキング性、該組成物におけるウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーとの相容性、及び該組成物の塗膜の均一性の観点から、500〜100,000であることが好ましく、1,000〜10,000であることがより好ましく、2,000〜6,000であることがさらに好ましい。AA系オリゴマーの重量平均分子量が小さすぎると、前記硬化膜の耐ブロッキング性が不十分となる場合があり、一方、AA系オリゴマーの重量平均分子量が大きすぎると、ウレタン(メタ)アクリレートとの相溶性の悪化や転写シートの形成時の塗布ムラが発生しやすくなることがある。前記重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、ポリスチレン換算値として求めることができる。
【0024】
AA系オリゴマーの当該オリゴマー1g当たりの(メタ)アクリロイル当量は、前記硬化膜の耐擦傷性の観点から、1.0mmol/g以上であることが好ましく、2.0mmol/g以上であることがより好ましく、3.0mmol/g以上であることがさらに好ましい。
【0025】
(メタ)アクリロイル当量は、IRやNMR等の通常の分析装置を利用する(メタ)アクリロイル基の定量の結果を用いて求めてもよい。また、(メタ)アクリロイル当量は、(メタ)アクリロイル基の原料が実質的に全て(メタ)アクリロイル基の導入に消費され
る場合には、その原料化合物の使用量から算出してもよい。
【0026】
AA系オリゴマーは、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリレートの一方又は両方をモノマーに含むラジカル重合体に、(メタ)アクリル酸を、そのカルボキシル基でラジカル重合体と結合させることによって得ることができる。
【0027】
前記ラジカル重合体のモノマーには、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリレートが挙げられるが、ラジカル重合可能なそれ以外のモノマーを含んでいてもよい。前記(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリレートは、AA系オリゴマーの合成時における重合溶媒への溶解性、及びAA系オリゴマーとUA系オリゴマーとの相溶性の観点から、前記ラジカル重合体のモノマー中において、30モル%以上であることが好ましく、50モル%以上であることがより好ましく、90モル%以上であることがさらに好ましい。
【0028】
前記モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−へキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、i−ステアリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、n−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート四級化物、3−エポキシ(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、クロトン酸、桂皮酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、スチレン、及び無水マレイン酸が挙げられる。
【0029】
AA系オリゴマーは、UA系オリゴマーとの相溶性が良好であることが好ましく、例えば、AA系オリゴマー中に水酸基、アミノ基、カルボキシル基等の極性基を有することが好ましい。中でも水酸基が好ましい。AA系オリゴマーへの水酸基の導入は、水酸基を有するか水酸基を形成する基を有する前記ラジカル重合性のモノマーを用いることによって行うことができる。このような観点から、前記ラジカル重合体のモノマーは、エポキシ基と一個のラジカル重合性基を有する化合物を含むことが好ましく、また、前記ラジカル重合体への(メタ)アクリロイル基の導入を行う観点からも好ましい。このようなエポキシ基を有するラジカル重合性化合物は一種でも二種以上でもよく、このようなエポキシ基を有するラジカル重合性化合物としては、エポキシ基を有する(メタ)アクリル酸又はそのエステルが挙げられ、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、及び4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテルが挙げられる。
【0030】
前記エポキシ基を有するラジカル重合体を前記モノマーに含む場合は、これと併用される前記モノマーは一個のラジカル重合性基を有するモノマーであることが好ましい。このような単官能ラジカル重合性化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、及びスチレンが挙げられる。
【0031】
前記ラジカル重合体のモノマーにおける前記エポキシ基を有するラジカル重合性化合物の含有量は、AA系オリゴマー1g当たりのエポキシ基当量(mmol/g)で0.0〜7.0であることが好ましく、1.0〜6.0であることがより好ましく、2.0〜5.0であることがさらに好ましい。前記エポキシ基当量は、IRやNMR等の通常の分析装置を利用したエポキシ基の定量や、エポキシ基含有モノマーの使用量からの算出によって求めることができる。
【0032】
前記ラジカル重合体のモノマーには、本発明の効果が得られる範囲で、他の成分を添加することができる。このような他の成分としては、例えばメルカプト基を含有するシランカップリング剤やドデカンチオール等のチオール化合物が挙げられる。このチオール化合物は、メルカプタンの連鎖移動剤としての働きにより重合物の分子量を調整する目的で添加され、一種でも二種以上でもよい。より具体的には、該シランカップリング剤としては、例えばトリメトキシシリルプロピルメルカプタン及びトリエトキシシリルプロピルメルカプタンが挙げられる。メルカプト基含有シランカップリング剤の添加量は、塗膜の耐ブロッキング性及び硬化膜の硬度の観点から、前記ラジカル重合体のモノマー全体に対して0〜10質量%であることが好ましく、0〜8質量%であることがより好ましく、2〜6質量%であることがさらに好ましい。
【0033】
また、AA系オリゴマーの合成において、前記ラジカル重合体への(メタ)アクリロイル基の導入では、この導入反応における反応促進の観点から、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン等の公知の触媒を使用することができる。その使用量は、反応混合物に対して0.01〜5質量%であることが好ましく、0.05〜2質量%であることがより好ましい。
【0034】
また、本反応では(メタ)アクリロイル基によるラジカル重合を防止するために、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、カテコール、p−t−ブチルカテコール、フェノチアジン等の重合禁止剤を使用することが好ましい。重合禁止剤の使用量は、反応混合物に対して0.01〜1質量%であることが好ましく、0.05〜0.5質量%であることがより好ましい。
【0035】
前記ウレタン(メタ)アクリル系オリゴマーは、ポリイソシアネートと、水酸基を有する(メタ)アクリレート及び多価アルコールを含む水酸基含有化合物の水酸基とのウレタン反応生成物の構造を有する。UA系オリゴマーは一種でも二種以上でもよい。
【0036】
UA系オリゴマーの重量平均分子量は、活性エネルギー線硬化性組成物の塗膜における十分な耐ブロッキング性と硬化膜における十分な硬度とを得る観点から、500〜100,000であることが好ましく、1,000〜10,000であることがより好ましく、2,000〜6,000であることがさらに好ましい。UA系オリゴマーの重量平均分子量が小さすぎると前記塗膜の耐ブロッキング性が不十分となる場合があり、前記重量平均分子量が大きすぎると硬化膜の硬度が低下する場合がある。
【0037】
UA系オリゴマーにおける(メタ)アクリロイル当量は、硬化膜の硬度の観点から、UA系オリゴマー1g当たり0.1mmol/g以上であることが好ましく、0.5mmol/g以上であることがより好ましく、1.0mmol/g以上であることがさらに好ましい。UA系オリゴマーの(メタ)アクリロイル当量は、AA系オリゴマーのそれと同様に求めることができる。
【0038】
UA系オリゴマーのウレタン結合量は、塗膜の耐ブロッキング性の観点から、UA系オリゴマー1g当たり1.0mmol/g以上であることが好ましく、2.0mmol/g以上であることがより好ましく、4.0mmol/g以上であることがさらに好ましい。UA系オリゴマーのウレタン結合量も、AA系オリゴマーの(メタ)アクリロイル当量と同様に求めることができる。
【0039】
UA系オリゴマーは、以下の方法(1)〜(3)のいずれかの方法によって製造することができる。以下の方法において、ポリイソシアネートと水酸基含有化合物とは、ポリイソシアネートのイソシアネート基と、水酸基含有化合物の水酸基とが実質的に当量となる量でそれぞれ用いられる。
(1)ポリイソシアネートと水酸基含有化合物のうちの多価アルコールとをイソシアネート基過剰の条件で反応させ、次いで得られたイソシアネート末端ウレタンプレポリマーと、水酸基含有化合物のうちの水酸基を有する(メタ)アクリレートとを反応させるプレポリマー法。
(2)ポリイソシアネート及び水酸基含有化合物の全てを同時に反応させるワンショット法。
(3)ポリイソシアネートと水酸基を有する(メタ)アクリレートとを先に反応させ、分子中に(メタ)アクリロイル基とイソシアネート基とを同時に有するウレタン(メタ)アクリレートプレポリマーを合成した後、このプレポリマーと多価アルコールとを反応させる方法。
【0040】
前記ポリイソシアネートは、一分子中に二個以上のイソシアネート基を有する化合物である。ポリイソシアネートは一種でも二種以上でもよい。ポリイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、シクロヘキサンジイソシアネート、ビス(イソシアナトシクロヘキシル)メタン、イソホロンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート;トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;及び、トリス(イソシアナトヘキシル)イソシアヌレート、トリス(イソシアナトイソホロン)イソシアヌレート等のトリイソシアネート;が挙げられる。
【0041】
前記水酸基含有化合物は、多価アルコールと水酸基を含有する(メタ)アクリレートとを含む。これらはそれぞれ一種でも二種以上でもよいし、本発明の効果が得られる範囲で、これら以外の他の水酸基含有化合物を用いてもよい。
【0042】
前記水酸基含有化合物における前記多価アルコール及び前記水酸基を含有する(メタ)アクリレートの含有量は、硬化膜の機械的強度の観点から50〜100質量%であることが好ましく、80〜100質量%であることがより好ましく、90〜100質量%であることがさらに好ましい。また、前記多価アルコールと前記水酸基を含有する(メタ)アクリレートとの含有比率は、硬化膜の機械的強度の観点から多価アルコール100質量部に対して水酸基含有(メタ)アクリレートが0〜500質量部であることが好ましく、10〜300質量部であることがより好ましく、40〜150質量部であることがさらに好ましい。
【0043】
前記多価アルコールは、高分子量ポリオール及び低分子量ポリオールの一方又は両方を含むことが、AA系オリゴマーとUA系オリゴマーとの相容性及び塗膜の耐ブロッキング性の観点から好ましい。ここで高分子量ポリオールとは、数平均分子量が500以上であるポリオールを意味し、低分子量ポリオールとは、数平均分子量が500未満のポリオールを意味する。なお、高分子量ポリオールの前記分子量は、粘度の増加に伴う作業性の観点から、10,000以下であることが好ましい。
【0044】
多価アルコールにおいて、塗膜の耐ブロッキング性の観点からは、低分子量ポリオールが多いことが好ましい。低分子量ポリオールだけを使用したUA系オリゴマーが溶媒への溶解性やAA系オリゴマーとの相溶性に劣る等の場合は、低分子ポリオールと高分子量ポリオールの併用により改善できる場合がある。このような場合には、多価アルコールには更に高分子量ポリオールが含まれてもよい。多価アルコールにおける高分子量ポリオールと低分子量ポリオールの配合比率は、高分子量ポリオール:低分子量ポリオール(質量比)で0:100〜100:0であることが好ましく、0:100〜50:50であることがより好ましく、0:100〜30:70であることがさらに好ましい。高分子ポリオールの配合量が多すぎると塗膜の十分な耐ブロッキング性が得られないことがある。
【0045】
高分子量ポリオールは一種でも二種以上でもよい。高分子量ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルグリコール、ポリエステルグリコール、ポリエーテルエステルグリコール、及びポリカーボネートグリコールが挙げられる。
【0046】
ポリエーテルグリコールとしては、環状エーテルを開環重合して得られる化合物、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びポリテトラメチレングリコールが挙げられる。
【0047】
ポリエステルグリコールとしては、ジカルボン酸(コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸等の一種又は二種以上)又はその無水物と、低分子量ジオール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリテトラメチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン等の一種又は二種以上)との重縮合によって得られる化合物、例えばポリエチレンアジペート、ポリプロピレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、及びポリブチレンセバケート等;や、低分子量ジオールへのラクトンの開環重合によって得られる化合物、例えばポリカプロラクトン、ポリメチルバレロラクトン等が挙げられる。
【0048】
ポリエーテルエステルグリコールとしては、ポリエステルグリコールに環状エーテルを開環重合した化合物や、ポリエーテルグリコールとジカルボン酸とを重縮合した化合物、例えばポリ(ポリテトラメチレンエーテル)アジペートが挙げられる。
【0049】
ポリカーボネートグリコールとしては、例えば、低分子量ジオールとアルキレンカーボネート又はジアルキルカーボネートとから脱グリコール又は脱アルコールによって得られるポリブチレンカーボネート、ポリヘキサメチレンカーボネート、ポリ(3−メチル−1,5−ペンチレン)カーボネート、及びこれらの共重合体が挙げられる。
【0050】
これらの中で、高分子量ポリオールは、耐候性の観点から、ポリカーボネートグリコールであることが好ましい。
【0051】
低分子量ポリオールは、一種でも二種以上でもよい。低分子量ポリオールは、炭素数2〜12の短鎖グリコールが好ましい。
【0052】
短鎖グリコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,5−ペンタンジオール、2,3,5−トリメチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール等の脂肪族ジオール;ビスヒドロキシエトキシベンゼン、ビスヒドロキシエチルテレフタレート、ビスフェノール−A等の芳香族系ジオール;N−メチルジエタノールアミン等のジアルカノールアミン;ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、グリセリン、トリメチロールプロパンが挙げられる。
【0053】
短鎖グリコールは、これらの中で、硬化膜の耐ブロッキング性を向上させる観点から、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール等の、水酸基間の炭素数が2〜8、好ましくは1〜4のポリオールであることが好ましい。
【0054】
前記水酸基を有する(メタ)アクリレートは一種でも二種以上でもよい。水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えばヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのアルキルは、炭素数2〜4のアルキルであることが好ましい。
【0055】
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとカプロラクトンとの付加反応物、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートとカプロラクトンとの付加反応物、グリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との付加反応物、グリコールのモノ(メタ)アクリレート体、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、及びジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0056】
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、上記した中でも、硬化膜の機械的強度の観点から、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、又は4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートであることが好ましい。
【0057】
水酸基含有化合物は、本発明の効果が得られる範囲において、前述の多価アルコール及び水酸基を有する(メタ)アクリレート以外の他の水酸基含有化合物をさらに含有していてもよい。このような他の水酸基含有化合物としては、例えば、メタノール、エタノール、及びイソプロピルアルコールが挙げられる。
【0058】
さらに、UA系オリゴマーの材料は、本発明の効果が得られる範囲において、他の材料をさらに含んでいてもよい。このような他の材料としては、例えば、鎖延長剤が挙げられる。
【0059】
鎖延長剤の含有量は、活性エネルギー線硬化性組成物の液状での安定性の観点から、高分子量ポリオール、低分子量ポリオール、及び鎖延長剤の総使用量100質量部に対して0〜30質量部であることが好ましく、0〜10質量部であることがより好ましく、0〜5質量部であることがさらに好ましい。鎖延長剤としては、例えば、エチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、及び1,3−プロピレンジアミンが挙げられる。
【0060】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物において、AA系オリゴマーとUA系オリゴマーとの配合比率は、塗膜における耐ブロッキング性と硬化膜における硬度との両立の観点から、AA系オリゴマー:UA系オリゴマー(質量比)で10:90〜90:10であることが好ましく、30:70〜90:10であることがより好ましく、50:50〜90:10であることがさらに好ましい。UA系オリゴマーの配合比率が上記範囲を超えて高い場合、活性エネルギー線で硬化する前の転写シートの耐ブロッキング性は優れるが、硬化膜の耐傷付性が劣ることがある。一方、AA系オリゴマーの配合比率が上記範囲を超えて高い場合、硬化膜の耐傷付性は優れるが、活性エネルギー線で硬化する前の転写シートの耐ブロッキング性が劣ることがある。
【0061】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、本発明の効果が得られる範囲において、さらなる他の成分を含有していてもよい。このような他の成分としては、例えば光重合開始剤が挙げられる。光重合開始剤は一種でも二種以上でもよい。
【0062】
光重合開始剤は、活性エネルギー線硬化性組成物の硬化に用いる活性エネルギー線の種類に応じて用いることができる。活性エネルギー線として電子線を用いる場合には、通常、光重合開始剤を添加しない方が好ましい。活性エネルギー線として赤外線、可視光線、紫外線を用いる場合には、通常、光重合開始剤を添加することが好ましい。
【0063】
光重合開始剤の含有量は、AA系オリゴマー及びUA系オリゴマーの合計100質量部に対して、活性エネルギー線硬化性組成物の十分な硬化の観点から、0.05質量部以上であることが好ましく、0.1質量部以上であることがより好ましい。また光重合開始剤の含有量は、前記オリゴマーの合計量100質量部に対して、良好な品質の硬化膜を製造する観点から、10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましい。光重合開始剤の含有量が少なすぎると、活性エネルギー線種によっては光硬化性が極端に低下し、実質的に工業生産に適さないことがある。また多すぎると照射光量が小さい場合に、硬化膜に臭気が残ることがある。
【0064】
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルソベンゾイルベンゾエート、4−フェニルベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノンや、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン類;ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド類、メチルベンゾイルホルメート、1,7−ビスアクリジニルヘプタン、及び9−フェニルアクリジンが挙げられる。
【0065】
また、ラジカル重合性化合物として、ラジカル重合性の基と共にエポキシ基等のカチオン重合性の基を有する化合物を用いる場合は、前述した光重合開始剤と共に光カチオン重合開始剤を併用してもよい。その場合、光カチオン重合開始剤には、従来既知の開始剤を使用することができる。
【0066】
また、本発明では、前記他の成分として、塗膜の硬化性の向上の観点から光増感剤を用いることができる。光増感剤は一種でも二種以上でもよい。このような光増感剤としては、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸アミル、及び4−ジメチルアミノアセトフェノンが挙げられる。
【0067】
さらに本発明では、前記他の成分として、炭酸カルシウム、シリカ、雲母等の無機フィラー、鉄、鉛等の金属フィラー、顔料や染料等の着色剤、その他、離型剤、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、難燃助剤、重合禁止剤、充填剤、シランカップリング剤等の公知の添加剤を、用途に応じて活性エネルギー線硬化性組成物に適宜添加することができる。
【0068】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の粘度は、その用途や使用態様に応じて調節することができる。本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の粘度は、回転式E型粘度計を用いて測定したときに、25℃又は40℃のいずれかにおいて、その粘度が10〜100,000mPa・s程度であることが、取り扱い性、塗工性、成形性、立体造形性等の観点から好ましく、100〜50,000mPa・s程度であることがより好ましい。
【0069】
活性エネルギー線硬化性組成物の粘度は、AA系オリゴマーやUA系オリゴマーの種類とそれらの含有量によって調節することが可能である。また活性エネルギー線硬化性組成物の粘度は、その塗膜の形成方法によっては、有機溶剤で希釈して粘度を低減することによって調節することが可能である。このような希釈用の有機溶剤としては、例えばトルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、及びメチルイソブチルケトンが挙げられる。希釈用有機溶剤は、通常、活性エネルギー線硬化性組成物の固形分100質量部に対して400質量部未満で使用することができる。
【0070】
本発明では、前記の活性エネルギー線硬化性組成物の塗膜を基材上に有する転写シートの塗膜に密着して形成又は配置される成形物に基材から転写された前記塗膜に活性エネルギー線が照射されてなる硬化膜が成形物の表面に形成されてなる硬化膜形成物品を得ることができる。このような硬化膜形成物品は、例えば、基材上に前記の活性エネルギー線硬化性組成物の塗膜を形成して転写シートを形成し、この転写シートの塗膜に密着して成形品を配置又は形成し、塗膜を基材から成形物に転写し、転写された塗膜に活性エネルギー線を照射して成形物を被覆する前記塗膜を硬化膜とすることによって得られる。
【0071】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物が含有している場合には、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を基材に塗工等によって供給した後、乾燥することによって溶剤が除去される。本発明の硬化性組成物は被膜形成性に優れているので、この時点で加工可能な塗膜(転写シート)となる。乾燥条件は、基材の材質、塗布量等によって、好ましい範囲が異なるが、一般的には、30〜120℃で1〜30分間であり、好ましくは50〜100℃で1〜5分間である。
【0072】
前記基材の材質には、成形物への転写が可能な材質であれば特に制限はなく、例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、酢酸セルロース、ポリプロピレン、合成紙、及び紙が挙げられる。また、前記基材の形態についても、成形物への転写が可能な形態であれば特に制限はなく、シート状、フィルム状、成形体等いずれの形態であってもよい。また塗膜が転写される成形物の材質は、特に限定はなく、例えば前述の各材質の中から適宜に選ぶことができる。成形物の形態は特に制限されない。
【0073】
活性エネルギー線硬化性組成物の塗膜は、公知の塗工方法によって形成することができる。このような塗工方法としては、例えば、バーコーター法、アプリケーター法、カーテンフローコーター法、ロールコーター法、スプレー法、グラビアコーター法、コンマコーター法、リバースロールコーター法、リップコーター法、ダイコーター法、スロットダイコーター法、エアーナイフコーター法、及びディップコーター法が挙げられる。
【0074】
活性エネルギー線硬化性組成物を基材に塗工し、必要に応じて乾燥して溶剤を除去した後、得られた転写シートには、必要に応じ、基材全体に又は転写シートのみに、成形、印刷、転写等の加工処理を施すことができる。具体的には、硬化性組成物を塗布した基材を適当な温度に加熱後、真空成形、真空圧空成形、圧空成形、マット成形等の方法を用いて、転写シート全体を成形することができる。また、干渉縞等の凸凹形状をCDやレコードの表面に加工し複製するのと同様、形成された転写シート上にエンボス成形することもできる。また、形成された転写シート上に、通常の印刷機を用いて、印刷加工することができる。さらに、ポリエチレンテレフタレートフィルムのような基材に、本発明の硬化性組成物を塗布、乾燥した後、所望により前述の印刷加工、エンボス成形等を行い、その後、所望により接着層を塗布して、この塗膜による硬化膜が形成されるべき成形物に基材から塗膜を転写することもできる。
【0075】
転写シートから、成形物への塗膜の転写方法は、公知の方法により行うことができる。
【0076】
活性エネルギー線硬化性組成物の塗膜に照射する活性エネルギー線は、装置コストや生産性の観点から電子線又は紫外線を利用することが好ましく、光源としては、電子線照射装置、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、Arレーザー、He−Cdレーザー、固体レーザー、キセノンランプ、高周波誘導水銀ランプ、又は太陽光を用いることができる。
【0077】
活性エネルギー線の照射量は、用いる活性エネルギー線によって決めることができる。例えば、電子線照射で硬化させる場合には、その照射量は1〜10Mradであることが好ましい。また、紫外線照射の場合は、その照射量は50〜1,000mJ/cm2であることが好ましい。
【0078】
活性エネルギー線硬化性組成物の塗膜の硬化時の雰囲気は特に限定されず、空気、窒素、又はアルゴン等の不活性ガス中であってもよいし、フィルムやガラス等と金属金型との間の密閉空間であってもよい。
【実施例】
【0079】
以下に、合成例、実施例、及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の合成例及び実施例に記載される成分、割合、手順等は、本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に記載される具体例に制限されるものではない。
【0080】
アクリルアクリレート系オリゴマー[I]の合成
温度計、攪拌機及び還流冷却管を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテル157.3g、グリシジルメタクリレート98.0g、メチルメタクリレート2.0g、メルカプトプロピルトリメトキシシラン3.33g、及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.0gを入れ、65℃で3時間反応させ、さらに2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5gを加え3時間反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテル138.1g、p−メトキシフェノール0.45gを加え100℃まで加熱した。次に、アクリル酸50.7g、及びトリフェニルホスフィン3.08gを添加して、110℃で6時間反応させてアクリロイル基とメトキシシリル基を有する、重量平均分子量20,000でアクリロイル当量(アクリロイル基の導入量)4.47mmol/gのアクリルアクリレート系オリゴマー[I]を得た。
【0081】
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーから測定された、ポリスチレン換算の分子量である。また、アクリロイル当量は、光重合性官能基導入量を意味し、上記の合成例であればアクリル酸の、下記合成例であればアクリレートの配合量からの計算値である。
【0082】
ウレタンアクリレート系オリゴマー[II]の合成
攪拌器、還流冷却器、滴下漏斗、温度計を取り付けた4つ口フラスコに、メチルエチルケトン285.5g、イソホロンジイソシアネート300.0g、ジオクチルチンジラウレート0.020gを加え60℃に加熱した。次に、トリメチロールプロパン56.31gを加え、60℃で2時間反応を行った。次に、シクロヘキサンジメタノール49.98gをメチルエチルケトン21.42gで溶解させた溶液を滴下し、オイルバスにて80℃で加熱しながら6時間反応させた。8時間の反応後にジオクチルチンジラウレート0.130g、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−オクチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(イルガノックス1010:BASF製)0.251g、ヒドロキシエチルアクリレート95.73gとメチルエチルケトン95.73gの混合溶液を滴下することで反応を開始させた。反応はオイルバスにて70℃で加熱しながら12時間行い、IRでのNCO基に由来したピークの消失により反応の進行を確認し、重量平均分子量8,400でウレタン結合量5.4mmol/g、アクリロイル当量1.6mmol/gのウレタンアクリレートオリゴマー[II](固形分50質量%)を得た。
【0083】
なお、ウレタン結合導入量は、単量体(イソホロンジイソシアネート)の配合量からの計算値である。
【0084】
ウレタンアクリレート系オリゴマー[III]の合成
攪拌器、還流冷却器、滴下漏斗、温度計を取り付けた4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート320.0g、メチルエチルケトン417.6g、ジオクチルチンジラウレート0.021gを加え60℃に加熱した。次いで、1,4−ブタンジオール97.2gを滴下し、オイルバスにて80℃で加熱しながら6時間反応させた。6時間の反応後、ジオクチルチンジラウレート0.131g、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−オクチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(イルガノックス1010:BASF製)0.253gを加え、ヒドロキシエチルアクリレート87.80gとメチルエチルケトン87.80gの混合溶液を滴下することで反応を開始させた。反応はオイルバスにて70℃で加熱しながら12時間行い、IRでのNCO基に由来したピークの消失により反応の進行を確認し、重量平均分子量2,300でウレタン結合量5.8mmol/g、アクリロイル当量1.6mmol/gのウレタンアクリレート系オリゴマー[III](固形分50質量%)を得た。
【0085】
ウレタンアクリレート系オリゴマー[IV]の合成
攪拌器、還流冷却器、滴下漏斗、温度計を取り付けた4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート330.0g、メチルエチルケトン437.3g、ジオクチルチンジラウレート0.022gを加え60℃まで加熱した。次いで、1,4−ブタンジオール106.9gを滴下し、オイルバスにて80℃で加熱しながら6時間反応させた。6時間の反応後、ジオクチルチンジラウレート0.131g、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−オクチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(イルガノックス1010:BASF製)0.255gを加え、ヒドロキシエチルアクリレート72.46gとメチルエチルケトン72.46gの混合溶液を滴下することで反応を開始させた。反応はオイルバスにて70℃で加熱しながら12時間行い、IRでのNCO基に由来したピークの消失により反応の進行を確認し、重量平均分子量3,500でウレタン結合量5.4mmol/g、アクリロイル当量1.3mmol/gのウレタンアクリレート系オリゴマー[IV](固形分50質量%)を得た。
【0086】
ウレタンアクリレート系オリゴマー[V]の合成
攪拌器、還流冷却器、滴下漏斗、温度計を取り付けた4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート350.0g、メチルエチルケトン423.7g、ジオクチルチンジラウレート0.021gを加え60℃まで加熱した。次いで、エチレングリコール73.3gを滴下し、オイルバスにて80℃で加熱しながら8時間反応させた。8時間の反応後に70℃まで冷却した後、ジオクチルチンジラウレート0.135g、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−オクチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(イルガノックス1010:BASF製)0.260gを加え、ヒドロキシエチルアクリレート96.06gとメチルエチルケトン96.06gの混合溶液を滴下することで反応を開始させた。反応はオイルバスにて70℃で加熱しながら12時間行い、IRでのNCO基に由来したピークの消失により反応の進行を確認し、重量平均分子量2,100でウレタン結合量6.0mmol/g、アクリロイル当量1.7mmol/gのウレタンアクリレート系オリゴマー[V](固形分50質量%)を得た。
【0087】
ウレタンアクリレート系オリゴマー[VI]の合成
攪拌器、還流冷却器、滴下漏斗、温度計を取り付けた4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート350.0g、メチルエチルケトン428.6g、ジオクチルチンジラウレート0.021gを加え、60度まで加熱した。次に、エチレングリコール78.2gを滴下し、オイルバスにて80℃で加熱しながら8時間反応させた。8時間の反応後に70℃まで冷却した後、ジオクチルチンジラウレート0.130g、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−オクチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(イルガノックス1010:BASF製)0.253gを加え、ヒドロキシエチルアクリレート76.85gとメチルエチルケトン76.85gの混合溶液を滴下することで反応を開始させた。反応はオイルバスにて70℃で加熱しながら12時間行い、IRでのNCO基に由来したピークの消失により反応の進行を確認し、重量平均分子量3,500でウレタン結合量6.3mmol/g、アクリロイル当量1.4mmol/gのウレタンアクリレート系オリゴマー[VI](固形分50質量%)を得た。
【0088】
[実施例1]
アクリルアクリレート系オリゴマー[I]、ウレタンアクリレート系オリゴマー[II]、及び光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ製 商品名:イルガキュア184)を表1に示す通りに配合し、均一に混合して活性エネルギー線硬化性組成物1を得た。
【0089】
<塗布工程>
活性エネルギー線硬化性組成物1を、離型性シートである厚さ100μmの透明な二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(ヘイズ値 0.8%;三菱化学ポリエステル社製 商品名:ダイアホイルT600E)に、バーコーターを用いて、乾燥後の塗膜厚が4μmとなるように塗布し、60℃で1分間加熱乾燥して、塗膜である転写シート1を形成した。
【0090】
<硬化条件>
得られた転写シート1を、出力密度120W/cmの高圧水銀灯を光源として、光源下15cmの位置で、アイグラフィック社製EYE UV METER UVPF−A1、PD365を使用して積算光量500mJ/cm2となるようにUVを照射して、転写シート1を硬化させて硬化膜1を得た。
【0091】
<透明性>
硬化膜1を23℃、相対湿度60%の恒温室に12時間放置した後、硬化膜1の透明性をJIS K−7105に従ってヘイズ値(H%)で評価し、ポリエチレンテレフタレートフィルムのヘイズ値(H%)を差し引くことで、硬化膜1単独のヘイズ値(H%)を求めた。結果を表1に示す。
【0092】
<耐摩耗性>
硬化膜1の表面に対して、摩耗輪(Calibrase社製:CS−10F)を用いて、荷重500gで100回転テーバー摩耗試験を行い、テーバー摩耗試験後のヘイズ値とテーバー摩耗試験前のヘイズ値との差ΔH%を測定することによって、耐摩耗性を評価した。このΔH%が小さい程、耐摩耗性に優れる。結果を表1に示す。ΔH%が6.0以上を×、6.0未満を○とした。
【0093】
<耐ブロッキング性>
転写シート1を、23℃、相対湿度60%下で12時間静置した。次いで、転写シート1の表面にポリエチレンテレフタレートフィルムの裏面を重ね合わせ、プレス機により28kg/cm2の荷重を一時間かけ、活性エネルギー線硬化性組成物の塗膜とポリエチレンテレフタレートフィルムの裏面とをブロッキングさせた。除荷後、ブロッキングの生じた部位1cm2を残し、残りの部位は剥離を行った。次に、テンシロンでずり応力を測定することにより、残った1cm2のブロッキング部位の密着強度を測定した。ずり応力の測定値は小さいほど耐ブロッキング性が高い。結果を表1に示す。ずり応力測定値2.0kgf(19.6N)以上を×、2.0kgf未満を○とした。
【0094】
【表1】

【0095】
なお、表1において、アクリルアクリレート系オリゴマー、ウレタンアクリレート系オリゴマー、及び光重合開始剤の配合量は、固形分としての配合量である。
【0096】
[実施例2〜8]
表1に示す成分及び配合量とした以外は実施例1と同様に活性エネルギー線硬化性組成物2〜8を得た。また実施例1と同様に転写シート2〜8及び硬化膜2〜8を得て、それぞれ評価した。結果を表1に示す。
【0097】
[比較例1]
表1に示すように、ウレタンアクリレート系オリゴマーを用いず、表1に示す配合量とした以外は実施例1と同様に活性エネルギー線硬化性組成物C1を得た。また実施例1と同様に転写シートC1及び硬化膜C1を得て評価した。結果を表1に示す。
【0098】
[比較例2]
表1に示すように、アクリルアクリレート系オリゴマーを用いず、表1に示す配合量とした以外は実施例1と同様に活性エネルギー線硬化性組成物C2を得た。また実施例1と同様に転写シートC2及び硬化膜C2を得て評価した。結果を表1に示す。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明によれば、硬化膜の耐擦傷性と塗膜の耐ブロッキング性とを両立させることができる。したがって、本発明によれば、物品の表面に配置される新たな良好な性能の硬化膜を提供することができ、またこの硬化膜の前段階である塗膜の耐ブロッキング性にも優れることから、このような高性能な硬化膜を物品の表面に設置する際の作業性のさらなる向上や当該硬化膜の用途のさらなる拡大が期待される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(メタ)アクリル(メタ)アクリレート系オリゴマーと、ウレタン(メタ)アクリル系オリゴマーとを含有し、
前記(メタ)アクリル(メタ)アクリレート系オリゴマーが、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリレートの一方又は両方をモノマーに含むラジカル重合体であって、(メタ)アクリロイル基を有し、
前記ウレタン(メタ)アクリル系オリゴマーが、ポリイソシアネートと、水酸基を有する(メタ)アクリレート及び多価アルコールを含む水酸基含有化合物の水酸基とのウレタン反応生成物の構造を有することを特徴とする活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項2】
(メタ)アクリル(メタ)アクリレート系オリゴマーとウレタン(メタ)アクリル系オリゴマーとの配合比率が質量比で(メタ)アクリル(メタ)アクリレート系オリゴマー:ウレタン(メタ)アクリル系オリゴマーで10:90〜90:10であることを特徴とする請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項3】
前記水酸基を有する(メタ)アクリレートがヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートであり、前記多価アルコールが高分子量ポリオール及び低分子量ポリオールの一方又は両方を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項4】
高分子量ポリオールと低分子量ポリオールの配合比率が質量比で高分子量ポリオール:低分子量ポリオールで0:100〜30:70であることを特徴とする請求項3に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項5】
前記ラジカル重合体が、エポキシ基と一個のラジカル重合性基を有する化合物をモノマーに含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項6】
光重合開始剤をさらに含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物の塗膜を基材上に有する転写シートの塗膜に密着して形成又は配置される成形物に基材から転写された前記塗膜に活性エネルギー線が照射されてなる硬化膜が成形物の表面に形成されてなる硬化膜形成物品。

【公開番号】特開2012−102159(P2012−102159A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−249001(P2010−249001)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【出願人】(000005968)三菱化学株式会社 (4,356)
【Fターム(参考)】