説明

活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物

【課題】プラスチック、特にポリオレフィン樹脂やポリエステル樹脂やアラミド樹脂で形成されたフィルムや成型体に対する優れた付着性を有し、簡易な組成であって簡便に製造できる安価で安全な活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物、およびそれを硬化させた高密着性で耐剥離性の被膜で強固に被覆された安全なプラスチック製品を提供する。
【解決手段】活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物は、ウレタン(メタ)アクリレート類の20〜95重量%と、無水マレイン酸モノマー及びそれに共重合可能な不飽和モノマーが25〜65:75〜35の重量比で共重合しており重量平均分子量が2000〜100000でありガラス転移点が最低でも50℃である無水マレイン酸共重合物の80〜5重量%とが、含有されている。プラスチック製品は、プラスチック製のフィルム又は成型体に、この活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物で被覆されて、硬化被膜が形成されたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック、特にポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)のようなポリエステル樹脂、アラミド樹脂で形成されたフィルムや成型体に対する良好な付着性を有する活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物、およびそれを硬化させた高密着性被膜で被覆されたプラスチック製のフィルムや成型体であるプラスチック製品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プラスチックは、様々な製品の原料として用いられている。特に、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂は、安価で、成形性、耐薬品性、耐水性、電気特性等の幅広い優れた性質を有するため、シート、フィルム、成型品のような基材の原材料として、汎用されている。PETのようなポリエステル樹脂は、その透明性に優れることから各種包装材料、液晶ディスプレイ等で使用される各種光学用材料、フラットパネルディスプレイ等の前面板および反射防止板のような基材の原材料として、使用されている。また、ポリ-p-フェニレンテレフタラミドのようなアラミド樹脂は、引張強度、耐熱性、耐摩擦性、耐切創性、耐衝撃性に優れた性質を有するため、ラジアルタイヤのタイヤコード、ファイバケーブルのシース線、ヘルメットなどのエンジニアリングプラスチックとして、使用されている。
【0003】
ポリオレフィン樹脂は、非極性であり、結晶性である。そのため、ポリオレフィン樹脂で成形されたこれらの基材に、コーティング剤を塗布する際、それの湿潤性や付着性が悪い。その所為で、強固に密着したコーティング剤塗膜の形成が、困難である。またPET樹脂やアラミド樹脂で形成された基材にコーティング剤を塗布する場合でも同様に、付着性が悪いため、コーティング剤塗膜の形成が、困難である。
【0004】
ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、アラミド樹脂で形成された基材の表面に、予めコロナ放電処理やプラズマ処理を施して、付着性を向上させる方法が知られているが、それらの処理のための大掛かりで高価な設備を必要とするうえ、面倒な処理のために生産性が低い。
【0005】
表面処理を施さずにポリオレフィン樹脂やポリエステル樹脂やアラミド樹脂へ密着させるコーティング組成物として、特許文献1に、エポキシ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート及びトリシクロデカニル(メタ)アクリレートを含有する組成物が開示され、特許文献2に、オキセタン化合物とエポキシ化合物とを含有する組成物が開示され、特許文献3に、イソシアネート化合物とそれに反応する(メタ)アクリル化合物との反応生成物及びメタクリル樹脂を含有する組成物が開示されている。しかし、簡易な構成で、ポリオレフィン樹脂やポリエステル樹脂やアラミド樹脂への密着が一層優れ生産性に優れた安価なコーティング組成物が望まれている。
【0006】
また、ポリオレフィン樹脂との親和性や接着性が高いポリ塩化ポリプロピレンのような塩素化ポリオレフィン樹脂を含有する組成物や、特許文献4に記載されているようにフッ素置換アルキル(メタ)アクリレート共重合物と硬化性化合物とが含有された組成物も、知られている。しかし、ハロゲン含有組成物は、それを用いた製品の焼却・廃棄の際に有害物質が発生する恐れがあるので、環境保全・安全性確保の観点から、敬遠されている。
【0007】
【特許文献1】特開平10−310621号公報
【特許文献2】特開2003−261819号公報
【特許文献3】特開2005−60713号公報
【特許文献4】特開2007−99883号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、プラスチック、特にポリオレフィン樹脂やポリエステル樹脂やアラミド樹脂で形成されたフィルムや成型体に対する優れた付着性を有し、簡易な組成であって簡便に製造できる安価で安全な活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物、およびそれを硬化させた高密着性で耐剥離性の被膜で強固に被覆された安全なプラスチック製のフィルムや成型体のようなプラスチック製品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するためになされた特許請求の範囲の請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物は、ウレタン(メタ)アクリレート類の20〜95重量%と、無水マレイン酸モノマー及びそれに共重合可能な不飽和モノマーが25〜65:75〜35の重量比で共重合しており重量平均分子量が2000〜100000でありガラス転移点が最低でも50℃である無水マレイン酸共重合物の80〜5重量%とが、含有されていることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物は、請求項1に記載されたもので、前記ウレタン(メタ)アクリレート類が、OH基を有する(メタ)アクリレート化合物とNCO基を有するイソシアネート化合物とが縮合したウレタンプレポリマー、及び/又は、OH基を有する(メタ)アクリレート化合物とNCO基を有するイソシアネート化合物と重量平均分子量500〜5000で両末端OH基を有するポリオール化合物とが縮合したポリオール含有ウレタンプレポリマーであることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物は、請求項2に記載されたもので、前記ウレタンプレポリマーが、その前記(メタ)アクリレート化合物と前記イソシアネート化合物とを、夫々のOH基数/NCO基数で1〜1.3となるモル比にして、前記縮合させたものであることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物は、請求項2に記載されたもので、前記ポリオール含有ウレタンプレポリマーが、その前記ポリオール化合物と前記イソシアネート化合物とを、夫々の両末端OH基数/NCO基数で0.4〜0.8となるモル比にして縮合させイソシアネート中間体とし、前記(メタ)アクリレート化合物と前記イソシアネート中間体とを、夫々のOH基数/未反応のNCO基数で1〜1.3となるモル比にして縮合させたもので、重量平均分子量を500〜20000とするものであることを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物は、請求項1に記載されたもので、前記不飽和モノマー中、その100重量部に対し、スチレンを少なくとも50重量部含んでいることを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物は、請求項1に記載されたもので、前記不飽和モノマー中、その100重量部に対し、炭素数8〜16のα-オレフィンを少なくとも50重量部含んでいることを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載のプラスチック製品は、プラスチック製のフィルム又は成型体に、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物で被覆されて、硬化被膜が形成されていることを特徴とする。
【0016】
請求項8に記載のプラスチック製品は、請求項7に記載されたもので、前記プラスチック製のフィルム又は成型体が、前記硬化被膜との接触部位でポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、又はアラミド樹脂により形成されていることを特徴とする。
【0017】
請求項9に記載のプラスチック製品は、請求項8に記載されたもので、前記ポリオレフィン樹脂がα−オレフィン重合体又はα−オレフィン共重合体であり、前記ポリエステル樹脂がポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物は、プラスチック、特にポリオレフィン樹脂やポリエステル樹脂やアラミド樹脂で形成されたプラスチック製のフィルムや成型体へ塗布したときにその表面に対する優れた付着性を有する。この組成物は、簡易であり簡便に製造でき安価で安全なものである。
【0019】
この組成物をこれらフィルム又は成型体へ塗布した後、硬化させることにより形成された被膜で被覆されたプラスチック製品は、基材と被膜との密着性や耐剥離性が優れたものであり、使用途中であってもその後に焼却等の処分をしても有害物質を発生しないので、環境保全、安全性確保に資する。
【発明を実施するための好ましい形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための好ましい形態について詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。
【0021】
本発明の活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物の一形態は、下記化学式(1)
A-{NH-CO-O-B-(O-CO-CR1=CH2)p}q ・・・(1)
(式(1)中、Aはイソシアネート化合物の脱イソシアネート基残基、Bはアルコール化合物の脱水酸基残基、Rは水素原子又はメチル基、pは1〜5の数、qは2〜3の数。)で表されるウレタンプレポリマーであるウレタン(メタ)アクリレート類の20〜95重量%と、不飽和モノマー及び無水マレイン酸モノマーの共重合物の5〜80重量%との配合比で、含有されたものである。配合比がこの範囲から外れると、活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物を硬化させた被膜とプラスチック製のフィルム又は成型体との密着性・耐剥離性が、悪くなってしまう。その配合比が、40〜90重量%:60〜10重量%であると、一層好ましい。
【0022】
化学式(1)のウレタンプレポリマーは、アルコール化合物の一部のOH基を(メタ)アクリル酸エステル化したOH基含有(メタ)アクリレート化合物とNCO基を有するイソシアネート化合物とを、[(メタ)アクリレート化合物のOH基数]/[イソシアネート化合物のNCO基数]で1〜1.3となるモル比にして、縮合させてウレタン結合を形成させたものである。
【0023】
化学式(1)のウレタンプレポリマーを構成する(メタ)アクリレート化合物は、単数又は複数の水酸基と単数又は複数のアクリロイル又はメタクリロイルである(メタ)アクリロイル基とを有する(メタ)アクリレートであれば特に限定されない。
【0024】
(メタ)アクリレート化合物は、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、カプロラクトン1〜10モルが2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートに付加された変性(メタ)アクリレート(ダイセル化学工業株式会社製、商品名:プラクセルFシリーズ)のようなモノ(メタ)アクリレート;
トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリス2―ヒドロキシエチルイソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート等の3価のアルコールのジ(メタ)アクリレート、これらジ(メタ)アクリレートの水酸基にε−カプロラクトンを付加させて変性した変性ジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレートのようなジ(メタ)アクリレート;
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートのような4価以上のアルコールと(メタ)アクリル酸とからなる水酸基含有多官能(メタ)アクリレート、これら水酸基含有多官能(メタ)アクリレートの水酸基にε−カプロラクトンを付加したりした水酸基含有多官能の変性(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0025】
化学式(1)のウレタンプレポリマーを構成するイソシアネート化合物は、ジイソシアネート、ジイソシアネートと多官能ポリオールとから合成されるアダクト型ポリイソシアネート、脂肪族系ジイソシアネートの3量体からなるイソシアヌレート型ポリイソシアネート、ビウレット型ポリイソシアネートのようなポリイソシアネート化合物であってもよい。ジイソシアネ−ト化合物として、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、メチレンビスフェニルイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン(水添XDI)、メチレンビス4−シクロヘキシルイソシアネート(水添MDI)が挙げられる。
【0026】
ウレタン(メタ)アクリレート類は、OH基含有(メタ)アクリレート化合物とイソシアネート化合物とが縮合したウレタンプレポリマーに代えて、下記化学式(2)
(H2C=R2C-CO-O)r-D-O-(CO-NH-E-NH-CO-O-G-O)s-
-CO-NH-E-NH-CO-O-D-(O-CO-CR2=CH2)r ・・・(2)
(式(2)中、Rは水素原子又はメチル基、Dは前記と同様なアルコール化合物、特にジアルコール化合物の脱水酸基残基、Eは前記と同様なイソシアネート化合物、特にジイソシアネート化合物の脱イソシアネート基残基、Gは両末端に水酸基を有するポリオール化合物の脱水酸基残基、rは1〜5の数、sは1〜3の数。)で表されるポリオール含有ウレタンプレポリマーであってもよい。
【0027】
化学式(2)のポリオール含有ウレタンプレポリマーは、ポリオール化合物と前記例示されたイソシアネート化合物とを、[ポリオール化合物のOH基数]/[イソシアネート化合物のNCO基数]を官能基数比で0.4〜0.8となるモル比にして縮合させイソシアネート中間体とし、前記例示された(メタ)アクリレート化合物とこのイソシアネート中間体とを、[(メタ)アクリレート化合物のOH基数]/[イソシアネート中間体の未反応NCO基数]で1〜1.3となるモル比にして縮合させたものである。その重量平均分子量は、500〜20000であることが、好ましい。その重量平均分子量が、この範囲から外れると、活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物を硬化させた被膜とプラスチック製のフィルム又は成型体との密着性・耐剥離性が、悪くなってしまう。
【0028】
化学式(2)のポリオール含有ウレタンプレポリマーを構成するポリオール化合物は、水酸基を両末端に持つポリオールであれば特に限定されない。
【0029】
ポリオール化合物は、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールのようなポリエーテルポリオール;
アジピン酸、フタル酸、セバチン酸、ダイマー酸のようなジカルボン酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,3−ブタンジオールのようなグリコールとが縮合したポリエステルポリオール;
カプロラクトンを開環重合させたポリカプロラクトンポリオール;
ポリカーボネートポリオール;
ポリエーテル・ポリエステルポリオール;
アミド結合を有するエステル・ポリアミドポリオールが挙げられる。
【0030】
ポリオールは、重量平均分子量を500〜5000とするものであることが好ましい。その重量平均分子量がこの範囲から外れると、活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物を硬化させた被膜とプラスチック製のフィルム又は成型体との密着性・耐剥離性が、悪くなってしまう。
【0031】
ウレタン(メタ)アクリレート類は、前記のウレタンプレポリマーであってもよく、前記のポリオール含有ウレタンプレポリマーであってもよく、単独で用いられてもよく複数混合して用いられてもよい。
【0032】
ウレタン(メタ)アクリレート類は、市販品であってもよい。具体的には、共栄社化学株式会社製のフェニルグリシジルエーテルアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー(商品名:AH−600)、フェニルグリシジルエーテルアクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー(商品名:AT−600)、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー(商品名:UA−306H)、ペンタエリスリトールトリアクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー(商品名:UA−306T)、ペンタエリスリトールトリアクリレートイソホロンジイソシアネートウレタンプレポリマー(商品名:UA−306I)、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー(商品名:UA−510H)、無黄変オリゴウレタンアクリレート(商品名:UF−8001)が、挙げられる。
【0033】
ウレタン(メタ)アクリレート類は、ウレタンアクリレートであってもウレタンメタクリレートであってもよく、それらの混合物であってもよいが、紫外線での反応性が高いウレタンアクリレートであることが好ましい。
【0034】
ウレタン(メタ)アクリレート類1分子中の(メタ)アクリル基数は、4〜9であることが好ましい。この範囲であると、活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物を硬化させた被膜とプラスチック製のフィルム又は成型体との密着性・耐剥離性が、特に優れる。
【0035】
無水マレイン酸モノマーと不飽和モノマーとの共重合物は、重量平均分子量を2000〜100000とし、ガラス転移点を50℃以上とするものである。その重量平均分子量が2000より低いと、活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物を硬化させた被膜とプラスチック製のフィルム又は成型体との密着性・耐剥離性が、悪くなってしまう。一方その重量平均分子量が100000より高いとウレタン(メタ)アクリレート類との相溶性が悪くなり、活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物を硬化させたときに得られた被膜が白化し不均一になってしまう。ガラス転移点が、50℃より低いと、活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物を硬化させた被膜とプラスチック製のフィルム又は成型体との密着性・耐剥離性が、悪くなってしまう。共重合物は、重量平均分子量を3000〜30000とし、ガラス転移点を50℃以上、好ましくは50〜180℃、さらに好ましくは70〜160℃とするものである。なお、これらの重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフ法によりポリスチレン換算値として求められる。また、ガラス転移点は示差走査熱量測定装置(DSC)を用いて求められる。
【0036】
その不飽和モノマーは、無水マレイン酸モノマーと共重合可能なもので、共重合物のガラス転移点を50℃以上、好ましくは50〜180℃にするものであれば、特に限定されない。
【0037】
不飽和モノマーは、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、ターシャリーブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートのような(メタ)アクリレート類;
(メタ)アクリルアミド、アクロイルモルフォリンのような(メタ)アクリルアミド類;
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンのような芳香族炭化水素ビニル系化合物;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル類;
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ノルマルプロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、ノルマルブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、ターシャリーブチルビニルエーテル、ノルマルオクチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテルのようなビニルエーテル類;
デセン、ドデセン、テトラデセンなどのような炭素数4〜30のα-オレフィン類
が挙げられる。
【0038】
不飽和モノマーは、単独で用いられてもよく、複数混合して用いられてもよい。不飽和モノマーは、これらの内でも、芳香族炭化水素ビニル系化合物、ビニルエーテル類、炭素数6〜18のα-オレフィン類であることが好ましく、スチレン、炭素数8〜16のα-オレフィンであると一層好ましい。不飽和モノマーは、その100重量部に対し、スチレン、炭素数8〜16のα-オレフィンを50〜100重量部とするものであると、なお一層好ましい。
【0039】
共重合物は、無水マレイン酸モノマー及び不飽和モノマーが25〜65:75〜35の重量比で共重合していることが好ましい。この範囲から外れると、活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物を硬化させた被膜とプラスチック製のフィルム又は成型体との密着性・耐剥離性が、悪くなってしまう。その比率が30〜60:70〜40であると、一層好ましい。
【0040】
無水マレイン酸モノマーと不飽和モノマーとの共重合物の共重合方法は、特に限定されない。共重合反応を、無溶剤下で行っても溶剤中で行ってもよい。無水マレイン酸と不飽和モノマーとを反応容器に同時に仕込んで行ってもよく、一方が入っている反応容器に他方を徐々に滴下してもよく、反応容器に両方を別々に徐々に滴下して行ってもよい。
【0041】
活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物は、必要に応じて添加剤や溶媒を含んでいてもよい。
【0042】
添加剤として、重合開始剤、例えば光重合開始剤が挙げられる。光重合開始剤として、例えば、ベンゾインエチルエーテル、アセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン、p−クロルベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オンが、用いられる。光重合開始剤の添加量は、溶媒以外の組成物成分100重量部に対し、通常0.1〜15重量部、好ましくは3〜10重量部である。光重合開始剤の割合が少なすぎると、活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物の光硬化性が不十分となり易く、多すぎると活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物を硬化して被膜の硬度等の特性が低下してしまう。別な重合開始剤、例えばアゾビスイソブチロニトリルのような有機アゾ化合物、過酸化ベンゾイルのような有機過酸化物を用いてもよい。重合開始剤の種類、数量は、特に限定されない。
【0043】
溶媒としては、構成成分を溶解させることができれば良く、品種に限定されない。メチルイソブチルケトンやメチルエチルケトンは溶解性が高く好ましい。
【0044】
この活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物は、プラスチック製基材への付着性の特性を生かしてインク、塗料、接着剤、蒸着用アンカーコート、トップコートなどとして用いることができる。
【0045】
本発明のプラスチック製品は、この活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物をプラスチック製のフィルム又は成型体に付して塗装被膜を形成し、そこに紫外線や赤外線や電子線のような活性エネルギー線を照射して硬化被膜を形成したものである。
【0046】
そのフィルム又は成型体は、少なくとも硬化被膜との接触部位が、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、又はアラミド樹脂で形成されていることが好ましい。
【0047】
ポリオレフィン樹脂として、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブデン−1のようなα−オレフィン重合体;
エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、イソブテン−イソプレン共重合体のようなα−オレフィンと共役ジエンとの共重合体;
α−オレフィンと他のビニルモノマー、例えば酢酸ビニルなどのビニルエステル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、無水マレイン酸、スチレン、ビニルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランなどのビニルシランとの共重合体などが挙げられる。
【0048】
ポリエステル樹脂として、ポリエチレンテレフタレートが挙げられる。
【0049】
アラミド樹脂として、ポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)、ポリ(p−フェニレンイソフタルアミド)が挙げられる。
【0050】
プラスチック製のフィルム又は成型体へ活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物を付すには、印刷、塗布、噴霧、刷毛塗りのような方法で行われる。
【0051】
この組成物をインクとして用いる場合には、この組成物からなるインクを、オフセット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、凸版印刷、感熱転写方式、溶融転写方式、昇華感熱転写方式、インクジェット方式などを用いてプラスチック製のフィルム又は成型体上に印刷し、得られたインク塗装被膜を乾燥した後、活性エネルギー線を照射し、インクを硬化させると、硬化被膜が得られる。
【0052】
この組成物を、塗料、蒸着用アンカーコート剤、接着剤、表面保護剤などとして用いる場合には、この組成物を、バーコーター、スピンコータ、ナイフコータ、グラビアコータ、ロールコータなどを用いてプラスチック製のフィルム又は成型体に塗布し、得られた塗装被膜を乾燥した後、活性エネルギー線を照射し、組成物を硬化させると、塗膜、蒸着用アンカーコート材、接着材、表面保護材となる硬化被膜が得られる。この硬化被膜を積層させてもよく、さらに上塗りして積層させてもよい。
【0053】
プラスチック製のフィルム又は成型体の耐磨耗性を向上させるための表面保護材として、硬化被膜を形成させる場合には、塗装被膜の乾燥後の厚さが1〜15μm、好ましくは3〜15μmとなるようにプラスチック製のフィルム又は成型体にこの組成物を塗布し、乾燥後、活性エネルギー線、例えば紫外線を照射して硬化させることが好ましい。
【0054】
プラスチック製のフィルム又は成型体は、例えば薄膜状やシート状やカード状のフィルム、立体的な成型物のような成形品であり、その成形方法は特に限定されない。フィルムやシートは、例えば、一般的な押出し機により成形、又はキャストされたものがあげられ、立体成型物は、例えば、射出成形、押出し成型、切り出し成型されたものが挙げられる。
【0055】
活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物を硬化させる活性エネルギー線としては、紫外線、電子線、放射線などが挙げられ、好ましくは紫外線が用いられる。紫外線の光源としては、通常、キセノンランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、タングステンランプなどが用いられる。
【実施例】
【0056】
以下に、本発明を適用する活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物を調製し、それを用いてプラスチック製のフィルム又は成型体上に硬化被膜を形成させたプラスチック製品を試作した例を実施例1〜2に示し、本発明を適用外の活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物を調製しプラスチック製品を試作した例を比較例1〜4に示す。
【0057】
(実施例1)
(1.1 スチレン・無水マレイン酸共重合物溶液の調製)
撹拌装置、還流冷却管、滴下ロート、温度計及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mLの反応容器に、無水マレイン酸の98重量部、メチルイソブチルケトンの200重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら115℃に昇温した。そこへ、スチレンの105重量部、メチルイソブチルケトンの50重量部、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエイトの15重量部が混合された溶液を、滴下ロートにより、2時間で等速滴下した。滴下終了後、115℃の温度を維持しつつ4時間反応させ、スチレン・無水マレイン酸共重合物を合成した。この溶液を、さらにメチルイソブチルケトンで希釈して、固形分として40重量%となるように調整し、スチレン・無水マレイン酸共重合物のメチルイソブチルケトン液を調製した。この共重合物は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法によりポリスチレン換算値として求められる重量平均分子量を5000とし、示差走査熱量測定によるガラス転移点を150℃とするものであった。
【0058】
(1.2 活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物の調製)
ウレタン(メタ)アクリレート類としてペンタエリスリトールトリアクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマーを組成分とするUA−306T(共栄社化学株式会社製、商品名、重量平均分子量:1000)の60重量部、無水マレイン酸共重合物として得られたスチレン・無水マレイン酸共重合物のメチルイソブチルケトン液の100重量部、光重合開始剤として2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オンであるイルガキュア907(チバスペシャリティーケミカルズ社製、イルガキュアは登録商標)の6重量部、溶媒としてメチルエチルケトンの97.5重量部を、混合し、塗布液として活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物を調製した。
【0059】
(1.3 プラスチック製品の試作)
活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物を、厚さ2mmのポリプロピレンシートと未処理PETフィルムとの夫々に、乾燥後の膜厚が5μmとなるようにバーコーターを用いて塗布し塗装被膜を形成し、80℃で2分間乾燥させた。さらに高圧水銀灯(80w/cm、高さ10cm)を使用し、紫外線積算光量480mJ/cmの紫外線を照射し、塗装被膜を硬化させて、硬化被膜がポリプロピレンシートと未処理PETフィルムとの夫々に密着しているフィルムであるプラスチック製品を得た。
【0060】
(実施例2)
(2.1 α-オレフィン・無水マレイン酸共重合物溶液の調製)
撹拌装置、還流冷却管、滴下ロート、温度計及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mLの反応容器に、無水マレイン酸の98重量部、メチルイソブチルケトンの200重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら115℃に昇温した。そこへ、炭素数12のα−オレフィンの84重量部、炭素数14のα−オレフィンの98重量部、メチルイソブチルケトンの50重量部、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエイトの4重量部が混合された溶液を、滴下ロートにより、2時間で等速滴下した。滴下終了後、115℃の温度を維持しつつ4時間反応させ、α-オレフィン・無水マレイン酸共重合物を合成した。この溶液を、さらにメチルイソブチルケトンで希釈して、固形分として40重量%となるように調整し、α-オレフィン・無水マレイン酸共重合物のメチルイソブチルケトン液を調製した。この共重合物は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法によりポリスチレン換算値として求められる重量平均分子量を10000とし、示差走査熱量測定によるガラス転移点を80℃とするものであった。
【0061】
(2.2 活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物の調製)
実施例1中のウレタン(メタ)アクリレート類であるUA−306Tに代えて、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマーUA−306H(共栄社化学株式会社製、商品名、重量平均分子量:1000)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物を調製した。
【0062】
(2.3 プラスチック製品の試作)
実施例1と同様にして、フィルムであるプラスチック製品を得た。
【0063】
(比較例1〜4)
実施例1のウレタン(メタ)アクリレート類であるUA−306Tの60重量部に代えて、表1に示すように、UA−306T及びUA−306H(何れも共栄社化学株式会社製、商品名)を所定量用いたことと、無水マレイン酸共重合物を用いなかったことと、溶媒としてメチルエチルケトンを所定量用いたこと以外は、実施例1と同様にして、活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物を調製し、フィルムであるプラスチック製品を試作した。
【0064】
【表1】

【0065】
得られた活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物を用いて作製したフィルムであるプラスチック製品について、以下のようにして物性評価を行った。
【0066】
(硬化被膜の外観評価)
実施例1〜2及び比較例1〜2で得たプラスチック製品上の硬化被膜の外観について、目視により観察した。硬化被膜が白化することなく透明で均一に塗布されているものを○、硬化被膜の一部にハジキが認められるものを△、硬化被膜の全面にハジキが認められるものを×とする3段階で評価した。その結果を、表2に示す。
【0067】
(硬化被膜の密着性評価)
硬化被膜の表面に、1mm角で100マスの碁盤目状の切れ目をカッターナイフで作製し、そこにセロファンテープを貼り付けた後、それを剥がして、密着性を評価した。100マス中、剥離しなかったマス数を計測した。その結果を表2に示す。
以下に結果を示した。
【0068】
【表2】

【0069】
表2から明らかな通り、本発明を適用する活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物を用いてプラスチック製のフィルム又は成型体上に形成した硬化被膜は、本発明を適用外の組成物を用いて形成した硬化被膜よりも、密着性や耐剥離性が、優れていた。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明の活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物は、プラスチック、特にポリオレフィン樹脂やポリエステル樹脂やアラミド樹脂で形成されたフィルムや成型体上に、塗膜、蒸着用アンカーコート材、接着材、表面保護材となる硬化被膜を形成するのに、用いられる。この硬化被膜で被覆されたプラスチック製品は、屋内外で使用され、耐衝撃性、耐摩擦性、耐水性、耐薬品性、耐光性、耐候性、耐熱性などが求められる各種工業製品、日用品、電化製品などとして用いられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウレタン(メタ)アクリレート類の20〜95重量%と、
無水マレイン酸モノマー及びそれに共重合可能な不飽和モノマーが25〜65:75〜35の重量比で共重合しており重量平均分子量が2000〜100000でありガラス転移点が最低でも50℃である無水マレイン酸共重合物の80〜5重量%とが、
含有されていることを特徴とする活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物。
【請求項2】
前記ウレタン(メタ)アクリレート類が、OH基を有する(メタ)アクリレート化合物とNCO基を有するイソシアネート化合物とが縮合したウレタンプレポリマー、及び/又は、OH基を有する(メタ)アクリレート化合物とNCO基を有するイソシアネート化合物と重量平均分子量500〜5000で両末端OH基を有するポリオール化合物とが縮合したポリオール含有ウレタンプレポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物。
【請求項3】
前記ウレタンプレポリマーが、その前記(メタ)アクリレート化合物と前記イソシアネート化合物とを、夫々のOH基数/NCO基数で1〜1.3となるモル比にして、前記縮合させたものであることを特徴とする請求項2に記載の活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物。
【請求項4】
前記ポリオール含有ウレタンプレポリマーが、その前記ポリオール化合物と前記イソシアネート化合物とを、夫々の両末端OH基数/NCO基数で0.4〜0.8となるモル比にして縮合させイソシアネート中間体とし、前記(メタ)アクリレート化合物と前記イソシアネート中間体とを、夫々のOH基数/未反応のNCO基数で1〜1.3となるモル比にして縮合させたもので、重量平均分子量を500〜20000とするものであることを特徴とする請求項2に記載の活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物。
【請求項5】
前記不飽和モノマー中、その100重量部に対し、スチレンを少なくとも50重量部含んでいることを特徴とする請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物。
【請求項6】
前記不飽和モノマー中、その100重量部に対し、炭素数8〜16のα-オレフィンを少なくとも50重量部含んでいることを特徴とする請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物。
【請求項7】
プラスチック製のフィルム又は成型体に、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性被膜形成組成物で被覆されて、硬化被膜が形成されていることを特徴とするプラスチック製品。
【請求項8】
前記プラスチック製のフィルム又は成型体が、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、又はアラミド樹脂により形成されていることを特徴とする請求項7に記載のプラスチック製品。
【請求項9】
前記ポリオレフィン樹脂がα−オレフィン重合体又はα−オレフィン共重合体であり、前記ポリエステル樹脂がポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項8に記載のプラスチック製品。

【公開番号】特開2010−65118(P2010−65118A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−232144(P2008−232144)
【出願日】平成20年9月10日(2008.9.10)
【出願人】(000162076)共栄社化学株式会社 (67)
【Fターム(参考)】