説明

活性剤のデリバリーのための化合物及び組成物

【課題】様々な生物学的、化学的、及び物理的バリアを経る、多種多様な活性剤のデリバリーを可能にする。
【解決手段】所定のカルボン酸及び/またはその塩の形態の化合物を、活性剤のデリバリー剤として使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物学的または化学的活性剤等の活性剤をターゲットへデリバリーするための化合物に関する。これらの化合物は、経口、結腸内、あるいは別の経路からの動物への投与のための、活性剤との非共有結合混合物の生成に非常に好適である。こうした組成物の調製及び投与の方法もまた開示する。
【背景技術】
【0002】
活性剤のデリバリーのための従来の方法は、生物学的、化学的、及び物理的バリアによってしばしば厳しく制限される。典型的には、これらのバリアは、デリバリーが起きる環境、デリバリーのターゲットの環境、及び/またはターゲット自身によって負わされる。生物学的または化学的活性剤は、特にこうしたバリアに対して脆弱である。
【0003】
生物学的に活性または化学的に活性な薬理及び治療剤の動物へのデリバリーにおいては、バリアは身体によって課される。物理的バリアの例は、所定の活性剤にとっては比較的に非浸透性であるが、循環器系などのターゲットに到達する前には越えねばならない、皮膚、脂質二重層、及び様々な器管の膜である。化学的バリアには、これらに制限されるものではないが、胃腸(GI)管内におけるpH変化及び分解酵素が含まれる。
【0004】
これらのバリアは、経口デリバリーシステムの設計において、特に顕著である。生物学的、化学的、及び物理的バリアがないとすれば、多くの生物学的または化学的活性剤の経口デリバリーは、動物への投与のために選択すべき経路となるであろう。典型的には経口投与になじみにくい多数の剤の中には、生物学的または化学的に活性なペプチド、例えばカルシトニン及びインスリン;多糖類、特に限定するものではないがヘパリンを含むムコ多糖類;ヘパリノイド;抗生物質;及び他の有機物質がある。これらの剤は、胃腸管内で、酸加水分解、酵素などによって、迅速に不活性化または破壊される。さらに、巨大分子薬剤のサイズ及び構造は、吸収を妨げうる。
【0005】
脆弱な薬理剤の経口投与のための初期の方法は、腸壁の透過性を人工的に増大させるための助剤(例えば、レゾルシノール及び非イオン性界面活性剤、例えばポリオキシエチレンオレイルエーテル及びn-ヘキサデシルポリエチレンエーテル)の共投与、並びに酵素による分解を抑制するための酵素阻害剤(例えば、膵臓トリプシン阻害剤、ジイソプロピルフルオロホスファート(DFF)及びトラシロール(trasylol))の共投与に依存してきた。リポソームがまた、インスリン及びヘパリンのための薬剤デリバリーシステムとして開示されている。例えば、米国特許第4,239,754号公報;Patel et al. (1976), FEBS Letters, Vol. 62, pg. 60;及びHashimoto et al. (1979), Endocrinology Japan, Vol. 26, pg. 337.を参照のこと。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第4,239,754号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Patel et al. (1976), FEBS Letters, Vol. 62, pg. 60
【非特許文献2】Hashimoto et al. (1979), Endocrinology Japan, Vol. 26, pg. 337.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、こうした薬剤デリバリーシステムの多種多様な使用は、不可能である。なぜなら、(1)該システムが、助剤または阻害剤の毒性量を要する;(2)好適な低分子量の貨物、すなわち活性剤が入手できない;(3)該システムが、安定性に乏しく、不適当な貯蔵寿命を呈する;(4)該システムが、製造困難である;(5)該システムが、活性剤(貨物)を保護できない;(6)該システムが、活性剤を不利に変質させる;または(7)該システムが、活性剤を吸収させるまたは活性剤の吸収を促進することができない;ためである。
【0009】
近年、混合アミノ酸の人口ポリマー(プロテイノイド)のミクロスフィアが、薬理剤のデリバリーに使用されている。例えば、米国特許第4,925,673号公報には、プロテノイドミクロスフィア担体を含む薬剤並びにその調製法及び使用が開示されている。これらのプロテノイドミクロスフィアは、多数の活性剤のデリバリーに有用である。さらに、所定の変性アミノ酸が、薬理剤のデリバリーに使用されている。例えば、米国特許第5,629,020号公報;米国特許第5,643,957号公報;米国特許第5,650,386号公報;及び米国特許第5,776,888号公報を参照のこと。
しかしながら、簡便且つ安価で、容易に調製され、広範な活性剤を多様な経路からデリバリー可能なデリバリーシステムが、依然として望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
活性剤のデリバリーに有用な化合物及び組成物を提供する。該化合物には、下記の化合物またはその塩が含まれる。
【0011】
【化1A】

【化1B】

【化1C】

【化1D】

【0012】
本発明の組成物は、少なくとも一の活性剤、好ましくは生物学的または化学的活性剤、及び本発明の少なくとも一の化合物またはその塩を含む。こうした組成物の調製及び投与の方法もまた提供する。前記化合物及び前記活性剤を含む組成物は、選択された生物システムへの活性剤のデリバリーにおいて及び、活性剤単独の投与と比較して、活性剤の生物学的利用能を増大または向上させることにおける有用性を有する。
【0013】
本発明の組成物は、活性剤及びデリバリー剤を含む。これらの組成物は、多様な活性剤を、様々な生物学的、化学的、及び物理的バリアを経てデリバリーするために使用可能であり、特に環境により分解しがちな活性剤のデリバリーに好適である。
本発明の別の利点には、調製が容易で、安価な原料の使用が含まれる。本発明の組成物及び製剤方法は、コスト的に有効であり、簡便に実行でき、商業ベースの製造のための工業スケールアップになじみやすいものであることが含まれる。
【0014】
(化合物)
当該化合物は、カルボン酸及び/またはその塩の形態であるとよい。塩には、これらに制限するものではないが、有機または無機の塩、例えばナトリウム塩が含まれる。さらに、これらの化合物を一以上含むポリアミノ酸及びペプチドが使用可能である。
【0015】
アミノ酸は、少なくとも一の遊離のアミン基を有するあらゆるカルボン酸であって、天然産及び合成のアミノ酸を含む。ポリアミノ酸は、ペプチド(ペプチド結合で結合されてなる二以上のアミノ酸)であるか、あるいは結合可能な他の基によって形成される結合、例えばエステル、または酸無水物結合によって結合してなる二以上のアミノ酸である。ペプチドは、アミノ酸が二つのジペプチドから、アミノ酸が数百のポリペプチドまで、長さが様々である。Chambers Biological Dictionary, editor Peter M.B. Waker, Cambridge, England: Chambers Cambridge, 1989, page 215.を参照のこと。アミノ酸またはペプチドユニットの一以上が、アシル化またはスルホン化されていてよい。
【0016】
ここに記載した化合物の多数が、アミノ酸から誘導可能であり、本開示に基づき、当業者の通常の知識の範囲内の方法、及び国際特許出願96/30036号公報、国際特許出願97/36480号公報、米国特許第5,643,957号公報及び米国特許第5,650,386号公報に記載の方法により、アミノ酸から容易に調製可能である。例えば、該化合物は、単一のアミノ酸を、アミノ酸中に存在する遊離のアミノ部分と反応する、適当なアシル化剤またはアミン変性剤と反応させ、アミドを生成させることによって調製可能である。保護基が、当業者には周知の望ましからぬ副反応を回避するために使用可能である。保護基については、T. W. Greene, Protecting Group in Organic Synthesis, Wiley, New York (1981)が参照されるが、その開示を、参照のためにここに取り込むこととする。
【0017】
該化合物は、再結晶、または単独もしくはタンデムに接合した一以上の固体クロマトグラフィー支持体上での分画によって精製可能である。好適な再結晶溶媒システムには、これらに制限されるものではないが、アセトニトリル、メタノール、及びテトラヒドロフランが含まれる。分画は、メタノール/n-プロパノール混合物を溶離液として使用してアルミナなどの適当なクロマトグラフィー支持体にて;トリフルオロ酢酸/アセトニトリル混合物を溶離液として使用して逆相カラム支持体にて;さらに水または好適な緩衝液を溶離液として使用してイオン交換クロマトグラフィーにて;実行可能である。アニオン交換クロマトグラフィーを行う場合には、好ましくは0−500mMの塩化ナトリウム勾配を採用する。
【0018】
(活性剤)
本発明における使用に好適な活性剤には、これらに制限されるものではないが、殺虫剤、薬理剤及び治療剤を含む、生理学的及び化学的な活性剤が含まれる。
例えば、本発明における使用に好適な生理学的または化学的な活性剤には、これらに制限されるものではないが、タンパク質;ポリペプチド;ペプチド;ホルモン、特に単独では胃腸粘膜を通過しない(または投与量の一部のみが通過する)、及び/または胃腸管内で酸及び酵素により化学開裂しがちであるホルモン;多糖類、特にムコ多糖類の混合物;炭化水素:脂質;他の有機化合物;またはこれらのあらゆる組み合わせが含まれる。
【0019】
さらなる例には、これらに制限されるものではないが、合成、天然または組換え由来のものを含む以下のもの:ヒト成長ホルモン(hGH)、組換えヒト成長ホルモン(rhGH)、ウシ成長ホルモン、及びブタ成長ホルモンを含む成長ホルモン;成長ホルモン放出ホルモン;α、β及びγを含むインターフェロン;インターロイキン-1;インターロイキン-2;ブタ、ウシ、ヒト、及びヒト組換えの、任意にナトリウム、亜鉛、カルシウム及びアンモニウムを含むカウンターイオンを有するインスリン;IGF-1を含むインスリン様増殖因子;未分画ヘパリン、ヘパリノイド、デルマタン、コンドロイチン、低分子量ヘパリン、極低分子量ヘパリン、超低分子量ヘパリンを含むヘパリン;サケ、ウナギ及びヒトのカルシトニン;エリトロポエチン;心房性ナトリウム利尿因子;抗原;モノクローナル抗体;ソマトスタチン;プロテアーゼインヒビター;アドレノコルチコトロピン;ゴナドトロピン放出ホルモン;オキシトシン;黄体形成ホルモン放出ホルモン;卵胞刺激ホルモン;グルコセレブロシダーゼ;トロンボポエチン;フィルグラスチム;プロスタグランジン;シクロスポリン;バソプレシン;クロモリンナトリウム(ナトリウムまたは二ナトリウムのクロモグリカート);バンコマイシン;デフェロキサミン(DFO);そのフラグメントを含むパラチロイドホルモン(PTH);抗真菌剤を含む抗菌剤;これらの化合物の類似物、フラグメント、擬剤及びポリエチレングリコール(PEG)変性誘導体;及びこれらのあらゆる組み合わせが含まれる。
【0020】
(デリバリーシステム)
本発明の組成物は、デリバリー剤及び一以上の活性剤を含有する。
一の実施態様において、一以上のデリバリー剤化合物もしくはこれらの化合物の塩、またはこれらの化合物または塩がその一以上のユニットを形成してなるポリアミノ酸またはペプチドは、デリバリー剤として、投与前に活性剤と混合することによって使用可能である。
【0021】
投与混合物は、該化合物の水溶液を活性成分の水溶液と、投与の直前に混合することによって調製される。あるいはまた、該化合物と生物学的または化学的活性成分とを、製造工程中に混合することも可能である。
該溶液は、リン酸緩衝液塩、クエン酸、グリコール、または他の分散剤などの添加剤を任意に含有可能である。安定化添加剤は、好ましくは約0.1から20%(w/v)の濃度で該溶液に導入可能である。
【0022】
本発明のデリバリー組成物はまた、一以上の酵素インヒビターを含有可能である。こうした酵素インヒビターには、これらに制限されるものではないが、アクチノニンまたはエピアクチノニン及びこれらの誘導体が含まれる。これら化合物の誘導体は、米国特許第5,206,384号公報に記載されている。他の酵素インヒビターには、これらに制限されるものではないが、アプロチニン(Trasylol)及びBowman-Birkインヒビターが含まれる。
【0023】
活性剤の量は、ターゲット支持のための個々の活性剤の目的を達成するのに有効な量である。当該組成物中の活性剤の量は、典型的には、薬理学的、生物学的、治療上、または化学的に有効な量である。しかしながら、この量は、該組成物がカプセル、錠剤、粉末、または液体などの投薬ユニット形態で使用される場合には前記の量未満であっても良く、なぜなら、投薬ユニット形態は、複数の化合物/生物学的または化学的活性剤の混合物を含有しても、または薬理学的、生物学的、治療上、または化学的に有効な量を分割して含有してもよい。全有効量を、総計で生物学的または薬理学的な活性剤の薬理学的、生物学的、治療上、または化学的に有効な量を含有する累積ユニットとして投与することも可能である。
【0024】
使用する活性剤の総量は、当業者に周知の方法によって決定可能である。しかしながら、当該組成物は、従来の組成物よりも有効な活性剤をデリバリー可能であり、依然として同様の血中濃度及び/または治療効果を達成しつつ、従来の投薬ユニット形態において使用されるよりも低量の生物学的または化学的活性剤を被験者に投与可能である。
【0025】
本発明により開示される化合物は、特に経口、鼻内、舌下、十二指腸内、頬、結腸内、直腸、腟、粘膜、肺、経皮、真皮内、非経口、静脈内、筋内、及び視覚系から、並びに血液脳関門の通過により、生物学的または化学的活性剤をデリバリーする。
【0026】
投薬ユニット形態はまた、賦形剤、希釈剤、崩壊剤、潤滑剤、可塑剤、着色剤、香料、テイスト・マスキング剤、糖類、甘味料、塩、及びこれらに限定されるものではないが、水、1,2-プロパンジオール、エタノール、オリーブオイル、またはこれらのあらゆる組み合わせを含む投薬媒体をいずれか一つあるいは組み合わせを含有可能である。
【0027】
懸かる発明の化合物及び組成物は、これらに制限するものではないが、鶏等の鳥;ウシ、ブタ、犬、猫、霊長類、及び特に人間等のほ乳類;及び昆虫への、生物学的または化学的な活性剤の投与に有用である。前記システムは、これによらなければ、ターゲット領域(すなわち、デリバリー組成物の活性剤が放出される領域)に達する前及び投与された動物の身体内で遭遇する条件によって破壊されるか、または効力が低下する、化学的または生物学的な活性剤のデリバリーに特に有利である。本発明の化合物及び組成物はまた、活性剤、特に、特定の経路、特に経口経路によっては通常デリバリー不可能であるもの、または改善されたデリバリーが所望されるもの等の投与において有用である。デリバリーは、一定時間内、または特定の時間内に、より大量の活性剤をデリバリーする(より迅速なデリバリーを行う)ことによって改善可能である。
【0028】
投与に次いで、当該組成物または投薬ユニット中に存在する活性剤は循環器系に取り込まれる。前記剤の生物学利用能は、血液中の既知の薬理活性、例えば、ヘパリンによって引き起こされる血液凝固時間の増大、またはカルシトニンによって引き起こされる循環カルシウム濃度の低下を測定することによって容易に評価される。あるいはまた、活性剤自体の循環濃度を直接測定することも可能である。
【0029】
以下の実施例は、本発明を限定なしに詳説する。全ての部は、特記のない限り重量部として表した。
【実施例】
【0030】
(実施例1:化合物調製)
(方法A:化合物26の調製)
マグネチック・スターラーを取り付けた1Lの丸底フラスコに、2-アミノ-p-クレゾール(1.71g、13.88mmol、1等量)及び2Mの水酸化ナトリウム水溶液(20ml)を入れた。0℃にて攪拌した該溶液に、メチルアゼロイルクロライド(3.08g、13.96mmol、1.01等量)を滴々と加えた。添加の後、反応混合物を環境温度に温め、環境温度にて4−5時間攪拌した。溶液のpHは、20%の水酸化ナトリウムの添加によって約11−12に維持した。その後、該溶液を酢酸エチルで抽出した(3×30ml)。混成有機相を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をTHF(50ml)に溶解させ、2NのNaOH(20ml)で処理した。得られた混合物を、室温にて8時間攪拌した。TLCは、反応が完了したことを示した。該混合物を真空下で濃縮し、酸性化した。得られた固体を回収し、メタノール/アセトン/水から再結晶し、生成物2.5gを得た。
化合物11−15、18−21、24、25、27−35、48−50、54−56、58、65−68、73、83、110、120及び131−133もまた、この方法により、適当な出発物質を使用して調製した。化合物120、122及び123もまた、THFを含有したまま反応を行ったこと以外はこの方法により、適当な出発物質を使用して調製した。
【0031】
(方法B:化合物60の調製)
3-アミノ-4-フルオロヒドロケイ皮酸1.03g(5.62mmol)及び塩化メチレン20mlのスラリーを、塩化トリメチルシリル1.45ml(1.24g、11.4mmol)で処理し、150分間加熱還流させた。該反応混合物を0℃に冷却し、トリエチルアミン2.4ml(1.74g、17.2mmol)で処理した。5分間攪拌した後、この混合物を滴下漏斗に注入し、O-アセチルサリチロイルクロライド1.21g(6.09mmol)及び塩化メチレン10mlの0℃溶液にゆっくりと添加した。反応混合物を25℃に加温し、18時間攪拌した。3%塩酸(2×20ml)、水(1×20ml)及び塩水(1×15ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮することによって、褐色を帯びた黄色固体を得た。該固体を、15mlの65%エタノール/水から再結晶し、褐色固体を得た。該固体を、飽和重炭酸水素ナトリウム溶液に溶解させた。酢酸塩が割裂(HPLCにて確認)するまで攪拌した後、該溶液を酸性化し、沈殿を進行させた。濾過による単離によって、生成物0.58g(収率38%)、融点202−4℃を得た。
化合物59、61、74−81、107、109及び111−113もまた、この方法により、適当な出発物質を使用して調製した。化合物37、42、44及び134もまた、この方法により、適当な出発物質を使用して調製可能であった。
【0032】
(方法C:化合物1の調製)
アルゴンで不活性とし、マグネチック攪拌棒及び冷水コンデンサーを取り付けた250mLの丸底フラスコ中で、アセトニトリル(75ml)に1,4-ベンゾジオキサン-2-オン(4.50g、30mmol)を溶解させた。トリエチルアミン(4.17ml、3.03g、30mmol)及び4-(4-アミノフェニル)酪酸(5.37g、30mmol)を添加した。反応混合物を2時間加熱還流させ、25℃にて一晩攪拌し、真空下で濃縮した。褐色の残渣を塩化メチレン中に取り出し、1Nの塩酸水溶液で洗浄した(1×100ml)。生成した固体を濾過によって単離し、1Nの塩酸水溶液及び水で洗い流した。得られた固体を真空オーブン中で一晩乾燥させ、黄褐色固体として化合物(9.19g、収率93%)を得た。
化合物53を、ジヒドロクマリン及び8-アミノカプリル酸から出発し、この方法によって合成した。
【0033】
(方法D:化合物36の調製)
8-(N-3,5-ジニトロサリチロイル)アミノカプリル酸を、3,5-ジニトロサリチル酸及び8-アミノカプリル酸から出発し、方法Tを用いて調製した。8-(N-3,5-ジニトロサリチロイル)アミノカプリル酸0.7g(1.9mmol)及び酢酸エチル40mlの溶液を、10%Pd/C70mgで処理し、水素雰囲気下に18時間おいた。濾過によって触媒を除去した。濾液を真空下で濃縮した。残渣をメタノール/アセトン/水から再結晶し、生成物0.4g(収率62%)、融点156−7℃を得た。
【0034】
(方法E:化合物2の調製)
4-(4-(4-ベンジルオキシフェノキシアセチル)アミノ)フェニル)酪酸を、方法Cを用いて、4-(4-アミノフェニル)酪酸の4-ベンジルオキシフェノキシアセチルクロライドとの反応によって調製した。
4-(4-(4-ベンジルオキシフェノキシアセチル)アミノ)フェニル)酪酸5.00g(11.9mmol)及びメチルアルコール150mlのスラリーを、約20分間、アルゴン雰囲気下で攪拌した。白金10%を担持した炭素の触媒量(0.4g)を一度に添加した。反応容器から脱気した。該反応を、水素雰囲気下、室温にて一晩維持した。その後、パラジウムを担持した炭素を濾過して除去し、濾液を減圧下で濃縮し、白色固体として生成物を得た。
化合物8、9、及び38もまた、適当な出発物質を使用し、この方法によって調製した。
【0035】
(方法F:化合物39の調製)
5-フルオロイサトン酸無水物(5-fluoroisatoic anhydride)10.82g(59.7mmol)、8-アミノカプリル酸9.50g、50重量%KCO/水16.8g、及びジオキサン40mlの懸濁液を加熱還流した。2時間後、反応が完了した(HPLCにより測定)。濃紫色の溶液を25℃に冷却し、3%の塩酸水溶液でpH=4.00にまで酸性化したところ、暗色の沈殿を生じた。かかる固体を濾過によって単離し、65%エタノール/水から再結晶して、黄色固体として生成物11.86g(収率67%)、融点108−9℃を得た。
化合物3−7、10、40及び43もまた、適当な出発物質を用い、この方法によって調製した。
【0036】
(方法G:化合物62の調製)
4-(4-アミノフェニル)酪酸(1.0等量)及び6Nの塩酸水溶液(5.44等量)の5C混合物を、温度が5℃未満に保たれるように、3Nの硝酸ナトリウム水溶液1.05等量をゆっくりと添加することによって処理した。2.8Nのヨウ化カリウム水溶液(1.01等量)を添加した。反応物を一晩攪拌した。層が分離した。有機相を、メタノール/塩化メチレンを溶離剤として使用するフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、4-(4-ヨードフェニル)酪酸を得た。
4-(4-ヨードフェニル)酪酸(0.86M)及びジメチルホルムアミドの溶液を、2等量の炭酸カリウム、1.5等量の2-ヒドロキシチオフェノール及び触媒量の酢酸第二銅(cuperic acetate)(0.01等量)で処理した。該反応混合物を18時間還流させ、25℃に冷却し、酸水溶液で酸性化し、酢酸エチルで抽出した。有機相を濃縮した。残渣を、酢酸エチル/ヘキサンを溶離剤として使用するフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、4-(4-(2-ヒドロキシフェニル)チオフェニル)酪酸を得た。
4-(4-(2-ヒドロキシフェニル)チオフェニル)酪酸及び酢酸エチル/酢酸の0.33M溶液を、過酸化水素の9.8M水溶液で処理した。12時間攪拌した後、層が分離した。有機相を濃縮した。トルエン/アセトン/ヘキサンを溶離剤として使用するフラッシュクロマトグラフィーによって、残渣を精製し、生成物を得た。
【0037】
(方法H:化合物82の調製)
9-ブロモ-1-ノナノール3.97g(17.8mmol)及び塩化メチレンの0℃溶液を、2-ニトロフェニルイソシアナート2.91g及び塩化メチレン10mlの溶液で処理した。該反応混合物を2時間加熱還流させ、25℃にて16時間攪拌し、真空下で濃縮した。黄色固体が、9-ブロモノニル=N-(2-ニトロフェニル)カルバマートと同定され、このものとして使用した。
9-ブロモノニル=N-(2-ニトロフェニル)カルバマート2.99g(7.72mmol)、硝酸ナトリウム1.61g(23.3mmol)、酢酸4.50ml(4.72g、78.5mmol)、及びジメチルスルホキシド15mLを、35℃にて7時間攪拌した。該反応混合物を3%の塩酸水溶液で酸性化し、ジエチルエーテルで抽出した(3×20ml)。混成有機相を、2N水酸化ナトリウム水溶液で抽出した(3×20ml)。塩基性の水相を、3%の塩酸水溶液で酸性化し、沈殿を生成させた。固体を、濾過によって回収し、化合物0.79g(収率30%)、融点90−1℃を得た。
【0038】
(方法I:化合物64の調製)
イサトン酸無水物及び4-(4アミノフェニル)酪酸から出発し、方法Fを用いて、4-(4-(2-アミノベンゾイル)アミノフェニル)酪酸を調製した。
4-(4-(2-アミノベンゾイル)アミノフェニル)酪酸4.73g(16.0mmole)及びトリエチルオルトフォルマート40mlのスラリーを、アルゴン雰囲気下におき、18時間加熱還流した。該反応物は、還流中により透明になった。該反応混合物を、室温に冷却し、得られた固体を濾過によって回収し、生成物4.47g(収率88%)、融点201−204℃を得た。
【0039】
(方法J:化合物63の調製)
4-(4-(2-ヒドロキシフェニル)チオフェニル)酪酸の、塩化メチレン中0.05Mの溶液を、0℃にてm-クロロペル安息香酸4等量で処理した。
該反応混合物を、25℃に加温し、12時間攪拌した。溶媒を除去した。残渣を、酢酸エチル/ヘキサン/酢酸を溶離剤として使用するフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、生成物を得た。
【0040】
(方法K:化合物84の調製)
8-N-(2-アミノベンゾイル)アミノカプリン酸を、イサトン酸無水物及び8-アミノカプリン酸から出発し、方法Fを使用して調製した。
8-N-(2-アミノベンゾイル)アミノカプリン酸6.88g(24.7mmol)及び塩化メチレン100mlのスラリーを、0℃に冷却し、ヘキサメチレンジイソシアナート2.00ml(2.08g、12.4mmol)及び塩化メチレン5mlの溶液で処理した。該反応混合物を、2時間加熱還流し、25℃に冷却し、エタノール20mlで希釈した。得られた固体を、濾過によって単離し、1/2/1の酢酸エチル/エタノール/水から再結晶し、黄褐色固体として生成物5.15g(収率57%)、融点138−142℃を得た。
化合物135もまた、適当な出発物質を用い、この方法によって調製可能であった。
【0041】
(方法L:化合物51の調製)
8-(N-6-クロロ-2-メトキシベンゾイル)アミノカプリン酸を、2-クロロ-6-メトキシ安息香酸及び8-アミノカプリン酸から出発し、方法Aを使用して調製した。
塩化メチレン200ml中、8-(N-6-クロロ-2-メトキシベンゾイル)アミノカプリン酸1.27g(3.72mmol)の懸濁液を、アルゴン雰囲気下で0℃に冷却し、塩化メチレン中1.0Mのトリ臭化ホウ素溶液8mlで処理した。60分間攪拌した後、TLCは、反応が完了したことを示した。該反応混合物を、水でクエンチし、30分間攪拌した。層が分離した。水相を、塩化メチレンで抽出した(2×30ml)。混成有機相を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた白色固体を、メタノール/アセトン/水から再結晶させ、生成物0.5g(収率43%)、融点156−7℃を得た。
【0042】
(方法M:化合物17の調製)
ジヒドロクマリン4.28mL(0.034mole)、アセトニトリル75ml、トリエチルアミン(3.48g、0.0343mole)、及び3-(4-アミノフェニル)プロピオン酸(0.034mole)の溶液を、アルゴン雰囲気下で攪拌し、当該フラスコを18時間加熱還流した。該反応物を室温に冷却し、アセトニトリルを真空下で除去した。残渣を塩化メチレン及び1Nの塩酸水溶液中で攪拌し、白色固体を生成させた。該固体を濾過し、水及び塩化メチレンで濯いだ後、50℃にて真空乾燥させ、生成物9.17g(収率86.1%)、融点163−165℃を得た。
化合物16もまた、適当な出発物質を使用し、この操作によって調製した。
【0043】
(方法N:化合物52の調製)
キシレン50ml中、3-ヒドロキシフェニル酢酸10.0g(65.8mmol)の溶液を、酢酸無水物6.45ml(68.4mmol)で処理した。この混合物を、キシレン及び酢酸副生成物のほとんどが蒸留により除去されるまで、約2.5時間還流させた。オリゴ-(3-ヒドロキシフェニル酢酸)が、褐色オイルとして単離された。
このオイルを、1,4-ジオキサン150mlに溶解させた。8-アミノカプリン酸9.97g(62.7mmol)及び2NのNaOH溶液34.5mlの溶液を、該オリゴマー溶液に添加した。反応混合物を一晩加熱還流させた。ジオキサンを真空下で除去した。褐色の残渣を、2NのNaOH中に取り出し、酢酸エチルを100mlずつ二回用いて抽出した。水相を2Nの硫酸溶液で酸性化した後、酢酸エチルを100mlずつ三回用いて抽出した。混成酢酸エチル層を活性炭で脱色し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮した。生じた褐色オイルを、溶離液として酢酸エチル:ヘキサン:酢酸(60:40:1)を用い、シリカゲルカラムを使用するカラムクロマトグラフィーによって精製した。生じた白色固体を、温水(40−50℃)で洗浄し、生成物を白色固体として得た。
化合物41、45及び47もまた、適当な出発物質を用いてこの方法により調製した。
【0044】
(方法O:化合物22の調製)
3(-4-(2アミノベンゾイル)アミノフェニル)プロプリオン(proprionic)3.0g(11.0mmol)及び塩化メチレン10mlの溶液。酢酸無水物(1.12g、1.04ml、11.0mmol)を、30分間に渡り滴々と加えた。酢酸無水物を全て添加したところで、該反応物を室温にて18時間攪拌した。該反応は、HPLCによって測定されるように完了した。生成した固体を濾過により単離した。生成した白色固体を、減圧オーブン中で一晩乾燥させ、生成物を得た。
【0045】
(方法P:化合物23の調製)
2-スルホ安息香酸環状無水物5.13g(27.9mmol)、4-(4-アミノフェニル)酪酸5.0g(27.9mmol)及びアセトニトリル100mlの混合物を、18時間攪拌した。乳状の溶液を濃縮した。残渣を冷温の塩酸水溶液50ml中に取り出し、酢酸エチルで抽出(5×50ml)し、濃縮した。
残渣を、溶離剤としてアセトニトリルを使用するカラムクロマトグラフィーによって精製し、生成物を得た。
【0046】
(方法Q:化合物57の調製)
5-クロロ-2-ヒドロキシベンズアミド(58.0mmol)、ピリジン(22ml)、及びアセトニトリル(25ml)の溶液10gを、アイスバス中で攪拌した。クロロ蟻酸エチル(6.1ml、0.0638mol)を滴々と添加した。淡赤色の溶液を10℃未満で30分間攪拌した。アイスバスを、オイルバスと交換した。該反応混合物を95℃に加熱し、揮発物を蒸留によって除いた(43ml)。該反応物を室温に冷却したところ、白色固体が生成した。該混合物を水(100ml)に注ぎ、濃塩酸水溶液で酸性化した。生じた固体を濾過し、高温のエタノールから再結晶して6-クロロ-2H-1,3-ベンズオキサジン-2,4(3H)-ジオン9.77gを得た。
6-クロロ-2H-1,3-ベンズオキサジン-2,4(3H)-ジオン9.77g(50mmol)及びDMF60mlのスラリーを、1,10-ジブロモデカン(52.52g、0.175mol)で処理し、DMF(60ml)を添加した。ジイソプロピルエチルアミン(9.6ml、55mmol)を滴々と添加した。温度計及びコンデンサーを取り付け、当該フラスコをオイルバス中に設置した。該反応物を約3時間、60℃に加熱し、47℃に冷却し、ヘキサン(150ml)を添加した。該混合物を水(175ml)で希釈した。生じた固体を、濾過によって除去した。水相を加温したヘキサンで洗浄した。生じた固体をヘキサン層から濾過により除去し、加温したヘキサンから再結晶させたところ、6-クロロ-(10-ブロモデシル)-2H-1,3-ベンズオキサジン-2,4(3H)-ジオン10.39gが得られた。
6-クロロ-(10-ブロモデシル)-2H-1,3-ベンズオキサジン-2,4(3H)-ジオン(10.39g、0.025mol)、硝酸ナトリウム(5.52g、0.08mol)及びDMSO(60ml)の混合物を、アルゴン雰囲気下で攪拌した。酢酸(14.9ml)を添加し、該反応物を75℃に6時間加熱した。室温に冷却した後、該反応混合物を酢酸エチルに溶解させ、0.5NのHCl(×2)及び2NのNaOH(×2)で洗浄した。水酸化ナトリウム層を、2時間20分間攪拌し、該溶液を2MのHSOで酸性化した。固体を濾過し、塩化メチレン及びヘキサンから再結晶した。収量は3.0gであった。
【0047】
(方法R:化合物71の調製)
モノ-メチルフタラート3.22g(18.4mmol)、トリエチルアミン2.90ml(2.11g、20.8mmol)及びアセトン20mlの溶液をアイス(塩)バス中で冷却し、クロロ蟻酸エチル2.00ml(2.27g、20.9mmol)及びアセトン10mlの溶液を20分間に渡って滴々と添加して処理した。白色の懸濁溶液を15分間攪拌し、ナトリウムアジド2.53g(38.9mmol)及び水8mlの溶液で処理した。30分間攪拌した後、依然懸濁した溶液を氷水50mlに注ぎ、トルエンで抽出した(3×30ml)。トルエン相を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、80分間加熱還流させた。該反応混合物を0℃に冷却した。3-(4-アミノフェニル)プロピオン酸3.11g(18.8mmol)を、数回に分け、5分間に渡って添加した。64時間攪拌した後、該反応混合物を、3:1のジオキサン/水の溶液80mlで希釈し、3時間加熱還流した。冷却した混合物を2N(1×30ml)及び0.5N(2×30ml)の水酸化ナトリウムで抽出した。混成水相を酸性化したところ、白色の固体が形成した。濾過により単離し、酢酸エチルに溶解させ、不溶性の物質を濾過し、濾液を濃縮して、固形生成物1.13gを得た。
【0048】
(方法S:化合物69の調製)
4-ヒドロキシキノアゾリン3.17g(21.7mmol)、ジメチルホルムアミド3滴及び塩化チオニル20.0mlのスラリーを加熱還流した。150分後、黄色透明の溶液を30℃に冷却した。過剰の塩化チオニルを、50mmの真空下にて蒸留して除いた。1.0mmの真空下にて15分後、フラスコの乳白/黄色の内容物を塩化メチレン30ml中に取り出し、3-(4-アミノフェニル)プロピオン酸3.61g(21.9mmol)及びイソプロパノール40mlのスラリーで処理した。該反応混合物を18時間攪拌した。明黄色固体が濾過により単離され、これを真空オーブン中で乾燥させて生成物を得た。
遊離のアミンを単離するため、酸性化をpH4.56にまでしか行わなかったこと以外は、この方法に従い、化合物70もまた、調製された。
【0049】
(方法T:化合物46の調製)
酢酸無水物(6.45ml、6.98g、68.4mmol)、4-ヒドロキシフェニル酢酸(10.00g、65.8mmol)、及びキシレン(50ml)を、マグネチック攪拌棒、温度計、及びコンデンサーを備えたDean-Starkトラップを取り付けた100mL三口フラスコに入れた。該フラスコを加熱還流したところ、反応混合物は澄んで約100℃の黄色溶液となった。揮発性有機物のほとんど(キシレン及び酢酸)が2時間に渡ってDean-Starkトラップ内に蒸留除去された(135−146℃)。蒸留を更に1時間続け、その間に容器温度を190℃にゆっくりと上昇させたところ、留出液は減衰して滴状になった。残渣を高温のままアルミニウムトレイにあけた。冷却すると、褐色のワックス状固体が生成した。
2Nの水酸化ナトリウム(34.4ml、36g、68.7mmol)及びアミノカプリン酸(9.94g、62.5mmol)の溶液を、オリゴ(4-ヒドロキシフェニル酢酸)(11.06g、81.3mmol)及びジオキサン(150ml)の溶液に、5分間に渡って添加した。該反応混合物を90℃に5.5時間加熱した(HPLCによれば、この時間で当該反応は完了したと測定された)。橙色透明の反応混合物を40℃に冷却した。真空中でジオキサンを除去した。褐色の残渣を、2Nの水酸化ナトリウム中に取り出し、酢酸エチルで抽出し(2×100ml)、酸性化した。酢酸エチルで抽出し(3×100ml)、炭素で脱色し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空中で濃縮したところ、褐色のオイルが得られた。温水と共に粉砕した(2度)ところ、黄褐色固体が得られ、これをエタノール/水から二度再結晶させ、黄褐色固体として生成物2.48gが得られた。
化合物106及び108もまた、適当な出発物質を使用し、この方法によって調製された。
【0050】
(方法U:化合物72の調製)
4-ヒドロキシクマリン4.11g(25.3mmol)、4-(4-アミノフェニル)酪酸4.54g(25.3mmol)及び酢酸20mlの溶液を、7日間加熱還流した。該反応混合物を25℃に冷却したところ、乳白色固体が生成し、これを濾過により回収した。濾液を水50mlで希釈したところ、第二固形物が生成し、これもまた濾過によって回収した。二つの固体を混合し、65%エタノール/水から再結晶し、生成物0.62gを得た。
【0051】
(方法V:化合物85の調製)
塩化メチレン70ml中10-アミノデカン酸5.00g(26.7mmol)のスラリーを、クロロトリメチルシラン(5.80g、53.5mmol)6.78mlで処理し、140分間還流させた。反応混合物を0℃に冷却し、次いでトリエチルアミン(4.1g、40.1mmol)で処理した。この混合物を約20分間攪拌した後、塩化メチレン10ml中にo-フルオロベンゾイルクロライド3.91ml(4.24g、26.7mmol)の溶液を、15分間に渡って当該反応混合物に滴々と添加した。該反応混合物を0℃にて30分間、その後25℃にて18時間攪拌した。真空下で塩化メチレンを除去し、NaOH溶液(2N)100mlを残渣に添加した。この混合物を、1時間攪拌した後に塩酸水溶液(2M)でpH=1に酸性化した。該酸性化混合物を、酢酸エチルで抽出し(2×100ml)、活性炭で脱色し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮した。生じた白色固体を、50%のエタノール/水混合物から再結晶し、白色固体を得、これを真空中25℃にて24時間乾燥させた。
生成物の収量は、6.57g(79.5%)、mp=85−86℃であった。
化合物86−101もまた、適当なアミノ酸を適当な酸塩化物と反応させることにより、この方法によって調製した。
【0052】
(方法W:化合物102の調製)
塩化メチレン150ml中のグリシン20.72g(0.276mol)のスラリーを、クロロトリメチルシラン70.06ml(59.97g、0.552mmol)で処理し、2時間還流させた。該反応混合物を0℃に冷却した後、トリエチルアミン115.41ml(83.79g、0.828mol)で処理した。この混合物を約20分間攪拌した後、塩化メチレン75ml中4-メトキシ-2-アセチルベンゾイルクロライド20.72g(0.276mol)の溶液(58.70g、0.276mol)を、15分間に渡って反応混合物に滴々と添加した。該反応混合物を0℃にて30分間、25℃にて18時間攪拌した。塩化メチレンを真空中で除去し、残渣にNaOH溶液(2N)200mlを添加した。この混合物を数時間攪拌した後、該混合物を塩酸溶液(2M)でpH=3に酸性化した。生じた固体を真空中40℃にて濾過して除去した。該固体を水/エタノール(3/1)から再結晶して固体を得、真空中25℃にて24時間乾燥させた。生成物の収量は、27.35g(44%)、融点は185.5−189℃であった。
上記固体から、加温しつつエタノール150ml中に溶解させることによって、ナトリウム塩を合成した。水酸化ナトリウム(水14.5ml中4.95g)をエタノール溶液に添加し、室温に冷却した。生じた固体を、濾過を補助し、固体を洗浄するためにヘプタンを使用して濾過して採った。乾燥後、黄褐色の固体が得られた(27.73,92.37%)。融点230℃より高温。CHN(C1010Na・0.40HO:C,47.21;H,4.28;N,5.51;Na,9.04について算出);実測値:C,47.14;H,4.32;N,5.36;Na,8.45及び水2.83%。
【0053】
(方法X:化合物103の調製)
塩化メチレン300ml中β-アラニン25.0g(0.281mol)のスラリーを、クロロトリメチルシラン71.33ml(61.06g、0.562mol)で処理し、1.5時間還流させた。該反応混合物を0℃に冷却し、トリエチルアミン117.50ml(85.30g、0.843mol)で処理した。この混合物を約20分間攪拌した後、塩化メチレン150ml中アセチルサリチロイルクロライド(55.73g、0.281mol)の溶液を15分間に渡って該反応混合物に滴々と添加した。反応混合物を0℃にて30分間、次いで25℃にて18時間攪拌した。真空下で塩化メチレンを除去し、NaOH溶液(2N)200mlを残渣に添加した。この混合物を、1時間攪拌した後に硫酸(2M)でpH=1に酸性化した。生じたオイルを、酢酸エチルで抽出し(3×200ml)、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で溶媒を除去した。固形物を酢酸エチル/ヘキサン(1/1)から再結晶して固体を得、これを真空中25℃にて24時間乾燥させた。生成物の収量は9.20g(16%)であった。CHN(C1011:C,57.03;H,5.27;N,6.67について算出);実測値:C,57.41;H,5.30;N,6.69。上記固体から、加温しつつエタノール50ml中に溶解させることによって、ナトリウム塩を合成した。水酸化ナトリウム(水5.25ml中1.79g)をエタノール溶液に添加し、室温に冷却した。生じた固体を濾過して採った。乾燥後、固体が得られた(5.80g)。融点231−235℃。CHN(C1010Na・0.35HO:C,50.56;H,4.54;N,5.90;Na,9.68について算出);実測値:C,50.30;H,4.37;N,5.72;Na,9.55及び水2.68%。
【0054】
(方法Y:化合物104の調製)
4-メトキシサリチル酸(98.74g、0.59mol)を、アイスバス中、塩化メチレン(500ml)中で攪拌した。トリエチルアミン(123.4ml、1.5等量)及び塩化アセチル(46.2ml、1.1等量)を、それぞれ滴々と添加した。該溶液をアイスバスから取り出し、室温にて二晩攪拌した。該反応経過をHPLCで追った。反応混合物を0.5NのHCl(2×200ml)及び水(2×200ml)で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空中で減量させた。生じた固体を塩化メチレン/ヘキサンから再結晶した。収量は、4-メトキシ-2-アセチル安息香酸61.72gであった。H NMRによって構造を確認した。
4-メトキシ-2-アセチル安息香酸(20g、0.195mol)及び塩化メチレン(100ml)の混合物に、塩化チオニル(13.8ml、2等量)及びDMF1滴を添加した。該混合物を1.5時間還流させた後、室温に冷却し、真空中で減量させたところオイルを生じた。4-メトキシ-2-アセチルベンゾイルクロライドを、精製せずに使用した。
塩化メチレン(100ml)中、4-(4-アミノフェニル)酪酸(7.87g、0.044mol)のスラリーを、TMSクロライド(11.2ml)で処理し、1.5時間還流させた。該反応混合物を0℃に冷却し、トリエチルアミン(18.4ml)を滴々と加えて処理した。この混合物を約20分間攪拌した後、上記の通り調製した4-メトキシ-2-アセチルベンゾイルクロライド(10g)の塩化メチレン(10ml)中の溶液を、該反応混合物に15分間に渡って滴々と添加した。アイスバスを除き、該混合物を室温にて一晩攪拌した。塩化メチレンを真空中で除去し、2NのNaOH溶液(100ml)を残渣に添加した。この混合物を1時間攪拌した後、該混合物を2MのHClでpH=1にまで酸性化した。その後、酸性化混合物を、酢酸エチルで抽出し(2×100ml)、活性炭素で脱色し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮した。生じた白色固体を、50%のエタノール/水混合物から抽出し、白色固体を得、これを真空中25℃にて24時間乾燥させた。CHN(C1819NO:C,65.54;H,5.81;N,4.25について算出);実測値:C,65.49;H,5.84;N,4.23。7.76g(53.6%)、融点=177−182℃。
【0055】
(方法Z:化合物105の調製)
4-ブロモ酪酸(26.17g、0.16mol)をメタノール(150ml)に加え、硫酸数滴を添加した。この溶液を3・1/4時間還流させた。TLC(1:1EtOAc/Hex)を行い、エステル生成の完了が示された。この混合物を真空中でオイルに減量させた。該オイルを塩化メチレンに溶解させ、水、飽和炭酸ナトリウム及び塩水で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空中でで減量した。構造をH NMRで確認し、メチル(4-ブロモ)ブタノアート20.26gを得た。
6-クロロカルサラム(6-Chlorocarsalam)(12.4g、1.12等量)、メチル(4-ブロモ)ブタノアート(10.13g、1.0等量)及び炭酸ナトリウム10.13g(10.13g、1.12等量)を、DMA50ml中で攪拌した。該溶液を、4.5時間還流させた後、一晩室温にまで冷却した。固体を濾過して採り、エタノールで洗浄した。水及び2NのNaOHを濾液に添加した。該混合物を2.5時間加熱した。HPLCを行い、加水分解の完了を示した。該溶液を濃HClでpHおよそ1に酸性化した。得られた白色固体を濾過して採り、真空中で一晩Pを作用させた。固体をメタノール/水中で再結晶させ、濾過し、乾燥させて、化合物7.35gを得た。CHN(C1112NOCl:C,51.28;H,4.69;N,5.44について算出);実測値:C,50.92;H,4.59;N,5.46。融点136−140℃。この化合物の、同様の方法で調製した別のバッチは、元素分析によって、より純粋な生成物であることが示され、その融点は153−155℃であった。
【0056】
(方法AA:化合物118の調製)
炭酸ナトリウム(5.37g、0.0506mol)を、6-クロロカルサラム(10.0g、0.0506mol)及びジメチルアセトアミド(50ml)を収容してなる250mlの三口丸底フラスコに添加した。エチル-5-ブロモへプタノアート(10.91g、0.0460mol)を、攪拌した反応混合物に一度に加え、該反応混合物の加熱を開始した。反応温度を80℃に維持し、16時間加熱した。加熱を中止し、該反応混合物を室温に冷却した。該反応混合物を真空濾過し、濾過ケークをエチルアルコール20mlで二度洗浄した。橙褐色固体が沈殿したことが確認されるまで、濾液に水を加えた。この固体を、真空濾過にて単離し、まずエチルアルコール20mlで、次いでヘプタン20mlで洗浄した。この固体を丸底フラスコに移し、2NのNaOH200mlを添加した。加熱還流を開始し、1時間継続した。該反応物を25℃に冷却し、反応混合物を2NのHCl溶液で酸性化した。沈殿してきた白色固体を濾過によって単離し、30:70のエチルアルコール:水から再結晶し、真空中で一晩乾燥させた。生成物9.55g(63.0%)を単離した。融点:115−116℃。燃焼分析:%C:56.09(理論値)、55.93(実測値);%H:6.01(理論値)、6.09(実測値);%N:4.67(理論値)、4.64(実測値)。H NMR分析:(d−DMSO):δ12.7,s,1H(COOH);δ12.0,s,1H(OH);δ8.88,t,1H(NH);δ7.94,d,1H(H、アミドに対してオルト);δ7.42,dd,1H(H、アミドに対してパラ);δ6.92,d,1H(H、ヒドロキシドに対してオルト);δ3.27,q,2H(CH、アミドに対してアルファ);δ2.20,t,2H(CH、COOHに対してアルファ);δ1.40,m,4H(CH、アミドに対してベータ、CH、COOHに対してベータ);δ1.30,m,4H(残留脂肪族CH)。
化合物114、116及び117もまた、適当な出発物質を使用してこの方法により調製された。
【0057】
(方法BB:化合物121の調製)
無水トルエン160mL中、2-アミノ-4-クロロフェノール(17.88g、124.5mmol)、8-エトキシ-8-オキソオクタン酸(25.19g、124.5mmol)、ホウ酸(0.385g、6.23mmol)、及び2-アミノ-5-メチルピリジン(0.675g、6.23mmol)の懸濁液を、窒素雰囲気下で4時間加熱還流(110℃)し、その間該反応にて生成した水(2.5mL)は、共沸蒸留によってDean-Stark分離ユニット内へ除去した。シリカゲル上での薄層クロマトグラフィー(溶離剤:EtOAc/ヘプタン:1/1)により、反応の完了が示された。冷却した反応混合物にNaOHの2N溶液(125mL、250mmol)を添加した。該反応物を4時間加熱還流した後、冷却した。冷却した反応混合物を、酢酸エチル(300mL)及び水(150mL)で希釈した。水相を酢酸エチル(250mL)で二度洗浄した。注意深く分離した後、水相を冷蔵し、塩酸の10%溶液(86.20mL、250mmol)で酸性化したところ固体が生成し、これを濾過し、ヘキサンで洗浄し、真空中で乾燥させた。ジクロロメタンと共に粉砕したところ、所望の酸(8-(5-クロロ-2-ヒドロキシアニリノ)-8-オキソオクタン酸)(22.39g、60%)が乳白色固体として生成した。HPLC(カラム:Higgins Kromasil 100 C18、水/アセトニトリル/酢酸:950/50/1、3mL/分、220nm)R5.38分;融点123−124℃;
[元素分析データ]
化合物119を、適当な出発物質を使用して同様の方法により調製した。化合物124−130もまた、この方法を適当な出発物質に使用して調製可能であった。
【0058】
(実施例2:パラチロイドホルモンデリバリー)
デリバリー剤化合物及びパラチロイドホルモン残基1−34(PTH)(化合物103を含む溶液には残基1−38)の経口栄養(PO)または結腸内(IC)投薬溶液を調製した。化合物の溶液は、該化合物のナトリウム塩を使用して調製するか、もしくは該化合物の溶液を調製し、攪拌し、1等量の水酸化ナトリウム(1.0N)を添加し、さらに水(PO溶液向け)または25%プロピレングリコール水溶液(IC向け)で希釈することにより当該遊離酸をそのナトリウム塩に変換することによって調製した。最終投薬溶液は、該化合物溶液をPTHストック溶液(典型的には5mg PTH/mlの濃度を有する)と混合し、所望の体積(通常は3.0ml)に希釈することによって調製した。該化合物及びPTH投薬量は、下記の表1に列挙した。
体重200−250gオスのSprague-Dawleyラットを、24時間断食させ、投薬の15分前にケタミン(44mg/kg)及びクロルプロマジン(1.5mg/kg)を投与した。ラットに、投薬溶液の一つを、PO向けに1ml/kgで、IC向けには0.5ml/kgで投与した。血液サンプルを、PTH濃度の血清測定のため、尾の動脈から逐次採取した。血清PTH濃度は、PTH放射免疫測定キット(Peninsula Laboratories, Inc.(San Carlos, CA)製、Kit# RIK 6101)によって定量化した。結果を下記の表1に示した。
【0059】
【表1】

【0060】
(実施例3:ヘパリンデリバリー)
25%プロピレングリコール水溶液中にデリバリー剤化合物及びヘパリンナトリウムUSPを含有する結腸内投薬(IC)組成物を、混合によって調製した。当該化合物のナトリウム塩を使用するか、または遊離酸を、1等量の水酸化ナトリウム(1.0N)でナトリウム塩に変換した。典型的には、化合物及びヘパリン粉末を混合し、25%プロピレングリコール水溶液を添加し、NaOH溶液を添加し、内容物に超音波処理を施した後、希釈して体積3.0とした。pHをチェックし、必要であればpH=7−8に調整した。最終的な化合物及びヘパリンの投薬量は、下記の表2に列挙した。
体重200−250gオスのSprague-Dawleyラットを、24時間断食させ、投薬の15分前にケタミン(44mg/kg)及びクロルプロマジン(1.5mg/kg)を投与した。該投薬溶液を、断食させたラットに、1ml/kgの投薬体積で投与した。ケタミン(44mg/kg)の投与に次いで、血液サンプルを、心臓穿刺により採取した。Henry, J. B., Clinical Diagnosis and Management by Laboratory Methods; Philadelphia, PA; W.B. Saunders (1979).の方法に従い、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)を利用してヘパリン活性を測定した。結果を下記の表2にまとめた。
【0061】
【表2】

【0062】
(実施例4:組換えヒト成長ホルモン(rhGH)経口デリバリー)
リン酸緩衝液中、デリバリー剤化合物及びrhGHの経口栄養(PO)投薬溶液を調製した。該化合物の溶液は、該化合物のナトリウム塩を使用して調製するか、もしくは該化合物の溶液を調製し、攪拌し、1等量の水酸化ナトリウム(1.0N)を添加し、さらにリン酸緩衝液で希釈することにより当該遊離酸をそのナトリウム塩に変換することによって調製した。最終投薬溶液は、該化合物溶液をrhGHストック溶液(典型的には15mg rhGH/mlの濃度を有する)と混合し、所望の体積(通常は3.0ml)に希釈することによって調製した。該化合物及びrhGH投薬量は、下記の表3に列挙した。
体重200−250gオスのSprague-Dawleyラットを、24時間断食させ、投薬の15分前にケタミン(44mg/kg)及びクロルプロマジン(1.5mg/kg)を投与した。ラットに、投薬溶液1ml/kgを投与した。血液サンプルを、血清rhGH濃度の測定のため、尾の動脈から逐次採取した。血清rhGH濃度は、rhGH免疫測定テストキット(Genzyme Corporation Inc.(Cambridge, MA)製、Kit# K1F4015)によって定量化した。結果を下記の表3に示した。
【0063】
【表3】

【0064】
(実施例5:サケカルシトニン(sCT)デリバリー)
水中、デリバリー剤化合物及びサケカルシトニン(sCT)の経口栄養(PO)投薬組成物を調製した。量は表4にまとめた。化合物450mgを水2.0mlに加えた。該化合物のナトリウム塩を使用するか、または、得られた溶液を攪拌して1等量の水酸化ナトリウム(1.0N)を添加し、更に水で希釈することによって、遊離の酸をナトリウム塩に変換した。sCT90μgを当該溶液に加えた。その後水を加え、全体積を3.0mlとした。該溶液は、150mg/mlの最終化合物濃度を有していた。(化合物118及び123については、当該溶液を6.0mlに希釈し、投薬体積を二倍にした)。総sCT濃度は、30μ/mlであった。(化合物123については、異なる量のsCTを使用して、2.0mg/kgを投薬する場合の最終sCT投薬を100μg/kgとした)。
体重200−250gオスのSprague-Dawleyラットを、24時間断食させ、投薬の15分前にケタミン(44mg/kg)及びクロルプロマジン(1.5mg/kg)を投与した。ラットに、投薬溶液1ml/kg(化合物118及び123については2ml/kg)を投与した。血液サンプルを尾の動脈から逐次採取した。血清sCTは、EIAキット(Peninsula Laboratories, Inc.(San Carlos, CA)製、Kit# EIAS-6003)で試験することにより測定した。化合物14及び105については、キットの標準プロトコルを下記の通り変更した:ペプチド抗体50μlと共に2時間、振盪しつつ暗所にてインキュベートし、プレートを洗浄し、血清及びビオチニル化ペプチドを加え、さらに緩衝液4mlで希釈し、暗所にて一晩振盪した。結果を下記の表4に示す。
【0065】
【表4】

【0066】
上記の特許、特許出願、試験方法、及び文献は、参照のため、ここにその全体を取り込むこととする。
上記詳細な説明に鑑みれば、当業者には、本発明の多数の変形が自ずから示唆される。こうした明白な変形全てが、添付の請求の範囲に完全に包含されることを企図したものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化合物26−35、58−61、63、119−132、及び134−135:
【化1A】

【化1B】

【化1C】

【化1D】

並びにその塩からなる群より選択される化合物。
【請求項2】
(A)活性剤;及び
(B)請求項1に記載の化合物;
を含む組成物。
【請求項3】
前記活性剤が、生物学的活性剤、化学的活性剤、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記生物学的活性剤が、少なくとも一のタンパク質、ポリペプチド、ペプチド、ホルモン、多糖類、ムコ多糖類、炭水化物、または脂質を含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記生物学的活性剤が、成長ホルモン、ヒト成長ホルモン(hGH)、組換えヒト成長ホルモン(rhGH)、ウシ成長ホルモン、ブタ成長ホルモン、成長ホルモン放出ホルモン、インターフェロン、α-インターフェロン、β-インターフェロン、γ-インターフェロン、インターロイキン-1、インターロイキン-2、インスリン、ブタインスリン、ウシインスリン、ヒトインスリン、及びヒト組換えインスリン、インスリン様増殖因子(IGF)、IGF-l、ヘパリン、未分画ヘパリン、ヘパリノイド、デルマタン、コンドロイチン、低分子量ヘパリン、極低分子量ヘパリン、超低分子量ヘパリン、カルシトニン、サケカルシトニン、ウナギカルシトニン、ヒトカルシトニン;エリトロポエチン(EPO)、心房性ナトリウム利尿因子(atrial naturetic factor)、抗原、モノクローナル抗体、ソマトスタチン、プロテアーゼインヒビター、アドレノコルチコトロピン、ゴナドトロピン放出ホルモン、オキシトシン、黄体形成ホルモン放出ホルモン、卵胞刺激ホルモン、グルコセレブロシダーゼ、トロンボポエチン(thrombopoietin)、フィルグラスチム(filgrastim)、プロスタグランジン、シクロスポリン、バソプレシン、クロモリンナトリウム、クロモグリカートナトリウム、クロモグリカート二ナトリウム、バンコマイシン、デフェロキサミン(DFO)、パラチロイドホルモン(PTH)、PTHのフラグメント、抗菌剤、抗真菌剤;これらの化合物の類似物、フラグメント、擬剤(mimetics)及びポリエチレングリコール(PEG)変性誘導体;及びこれらのあらゆる組み合わせからなる群より選択される、請求項3に記載の組成物。
【請求項6】
前記生物学的活性剤が、インスリン、未分画ヘパリン、低分子量ヘパリン、極低分子量ヘパリン、超低分子量ヘパリン、カルシトニン、パラチロイドホルモン、エリトロポエチン、ヒト成長ホルモン、及びこれらのあらゆる組み合わせからなる群より選択される、請求項3に記載の組成物。
【請求項7】
(A)請求項2に記載の組成物;及び
(B)(a)賦形剤、
(b)希釈剤、
(c)崩壊剤、
(d)潤滑剤、
(e)可塑剤、
(f)着色剤、
(g)投薬媒体、または
(h)これらのあらゆる組み合わせ;
を含む投薬ユニット形態。
【請求項8】
前記活性剤が、生物学的活性剤、化学的活性剤、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項7に記載の投薬ユニット形態。
【請求項9】
前記生物学的活性剤が、少なくとも一のタンパク質、ポリペプチド、ペプチド、ホルモン、多糖類、ムコ多糖類、炭水化物、または脂質を含む、請求項8に記載の投薬ユニット形態。
【請求項10】
前記生物学的活性剤が、成長ホルモン、ヒト成長ホルモン(hGH)、組換えヒト成長ホルモン(rhGH)、ウシ成長ホルモン、ブタ成長ホルモン、成長ホルモン放出ホルモン、インターフェロン、α-インターフェロン、β-インターフェロン、γ-インターフェロン、インターロイキン-1、インターロイキン-2、インスリン、ブタインスリン、ウシインスリン、ヒトインスリン、及びヒト組換えインスリン、インスリン様増殖因子(IGF)、IGF-l、ヘパリン、未分画ヘパリン、ヘパリノイド、デルマタン、コンドロイチン、低分子量ヘパリン、極低分子量ヘパリン、超低分子量ヘパリン、カルシトニン、サケカルシトニン、ウナギカルシトニン、ヒトカルシトニン;エリトロポエチン(EPO)、心房性ナトリウム利尿因子、抗原、モノクローナル抗体、ソマトスタチン、プロテアーゼインヒビター、アドレノコルチコトロピン、ゴナドトロピン放出ホルモン、オキシトシン、黄体形成ホルモン放出ホルモン、卵胞刺激ホルモン、グルコセレブロシダーゼ、トロンボポエチン、フィルグラスチム、プロスタグランジン、シクロスポリン、バソプレシン、クロモリンナトリウム、クロモグリカートナトリウム、クロモグリカート二ナトリウム、バンコマイシン、デフェロキサミン(DFO)、パラチロイドホルモン(PTH)、PTHのフラグメント、抗菌剤、抗真菌剤;これらの化合物の類似物、フラグメント、擬剤及びポリエチレングリコール(PEG)変性誘導体;及びこれらのあらゆる組み合わせからなる群より選択される、請求項8に記載の投薬ユニット形態。
【請求項11】
前記生物学的活性剤が、インスリン、未分画ヘパリン、低分子量ヘパリン、極低分子量ヘパリン、超低分子量ヘパリン、カルシトニン、パラチロイドホルモン、エリトロポエチン、ヒト成長ホルモン、またはこれらの組み合わせを含む、請求項8に記載の投薬ユニット形態。
【請求項12】
投薬ユニット形態が、錠剤、カプセル、粉末、または液体を含む投薬媒体を含む、請求項7に記載の投薬ユニット形態。
【請求項13】
前記投薬媒体が、水、1,2-プロパンジオール、エタノール、及びこれらのあらゆる組み合わせからなる群より選択される液体である、請求項7に記載の投薬ユニット形態。
【請求項14】
活性剤を、前記活性剤を必要とする動物に投与する方法であって、前記動物への請求項2に記載の組成物の経口投与を含む方法。
【請求項15】
(A)少なくとも一の活性剤;
(B)請求項1の化合物;及び
(C)任意に投薬媒体;
を混合することを含む、組成物1に記載の調製方法。
【請求項16】
化合物105及びその塩を含む化合物。
【請求項17】
(A)活性剤;及び
(C)請求項16に記載の化合物;
を含む組成物。

【公開番号】特開2010−24236(P2010−24236A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−246615(P2009−246615)
【出願日】平成21年10月27日(2009.10.27)
【分割の表示】特願2000−563614(P2000−563614)の分割
【原出願日】平成11年8月6日(1999.8.6)
【出願人】(500139958)エミスフェアー・テクノロジーズ・インク (28)
【Fターム(参考)】