説明

活性化プロテインC又はプロテインC様化合物投与に対する反応予測因子としてのプロテインCパスウェイ関連多型性

本発明は、活性化プロテインCによる処置からより大きな利益を受ける対象者を決定するために、活性化プロテインC又はプロテインC様化合物による処置に対する対象者の反応を予測する方法、核酸、組成物及びキットを提供する。本方法は、一般的には、プロテインCパスウェイ関連遺伝子内の1つ以上の多型について、対象者のこれらプロテインCパスウェイ関連遺伝子多型の遺伝子型を決定する工程、前記決定された遺伝子型を既知の遺伝子型と反応向上型多型に該当する多型について比較し、活性化プロテインC又はプロテインC様化合物による処置及びその後の炎症症状の回復処置からより利益を受けやすい、炎症症状を有する潜在的対象者を決定する工程を含む。本発明はまた、対象者の遺伝子型に基づいて抗炎症剤又は抗凝固剤でそのような対象者を処置する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、炎症症状を有する対象者の評価(ないし判定)及び/又は治療ないし処置に関する。
【背景技術】
【0002】
敗血性炎症反応は、前炎症性サイトカインと抗炎症性サイトカイン、前凝固因子とフィブリン溶解因子、前アポトーシス活性と抗アポトーシス活性間の対抗調節、及び関連パスウェイにおける更なる対抗調節活性を必要とする。これら対抗調節パスウェイのバランスの変化は、炎症症状、例えば重篤な敗血症を有する対象者の臨床徴候の変化をもたらす。個体間の遺伝的多様性はこれらパスウェイのバランスを変化させえる一因であり、臨床徴候の変化をもたらしえる。実際に、遺伝子型は炎症性疾患及び感染性疾患における対象者の結末予測で役割を果たすことが示された(W. McGuire et al. Nature (1994) 371(6497):508-10;J.P. Mira et al. JAMA (1999) 282(6):561-8;S. Nadel et al. J Infec Dis (1996) 174(4):878-80;M. Majestschak et al. Ann Surg (1999) 230(2):207-14;F. Stuber et al. Crit Care Med (1996) 24(3):381-4;F. Stuber et al. J Inflammation (1996) 46(1):42-50;及びJ.H. Weitkamp et al. Infection (2000) 28(2):92-6)。
【0003】
重篤な敗血症のための新しい治療ないし処置法は、しばしばこれら特異的なパスウェイの一以上を標的とする戦術を用いてこの対抗調節のバランスを有利に変化させることを目的とする。特に、XIGRIS(商標)(活性型ドロトレコジンアルファ、活性化プロテインC(APC))(前記は抗炎症性、抗凝固性、前フィブリン溶解性、及び抗アポトーシス活性を有する)は、PROWESS臨床試験のフェーズIIIで重篤な敗血症を示す患者で死亡率を28日改善した(G.R. Bernard et al. New Engl J Med (2001) 344(10):699-709)。
【0004】
プロテインCは、活性化されて活性化プロテインCないしプロテインC様化合物(APC)を形成するとき、敗血性又は非敗血性刺激(例えば大手術)によって惹起される炎症性パスウェイ、凝固パスウェイ、フィブリン溶解パスウェイ及びアポトーシスパスウェイ(“プロテインC関連パスウェイ”)の調節において主要な役割を果たす。APCは、凝固因子Va(F.J. Walker et al. Biochim Biophys Acta (1979) 571(2):333-42)及び凝固因子VIIIa(C.A. Fulcher et al. Blood (1984) 63(2):486-9)を不活化し、さらにプラスミノゲン活性化因子インヒビター1型の合成を低下させる(SERPINE1)(V.W. Van Hinsbergh et al. Blood (1985) 65(2):444-51)。内皮細胞のプロテインCレセプターに結合したAPCは、プロテアーゼ活性化レセプター1を活性化して(M. Riewald et al. Science (2002) 296(5574):1880-2)、下流のNFκB及びその後に続くTNFα、IL1β及びIL6の発現を低下させる(K. Murakami et al. Am J Physiology (1997) 272(2Pt1):L197-202;W.W. Hancock et al. Transplantation (1995) 60(12):1525-32;及びS.T. Grey et al. J Immunology (1994) 153(8):3664-72)。活性化されたプロテインCないしプロテインC様化合物はまた好中球の内皮細胞との粘着及び活性化を低下させ、内皮細胞及びニューロンのアポトーシスを低下させ、さらに好中球の化学走性を低下させる(D.E. Joyce et al. J Biol Chem (2001) 276(14):11199-203;B.W. Grinnell et al. Glycobiology (1994) 4(2):221-5;D. Liu et al. Nat Med (2004) 10(12):1379-83;及びD.H. Sturn et al. Blood (2003) 102(4):1499-505)。したがって、プロテインCは、全身性炎症反応症候群の病理生理学において中心的な役割を果たすであろうと暗示されてきた。
【0005】
感染及び炎症はプロテインC調節に影響を与える。プロテインCは不活化形として肝臓で産生される。感染、大手術又はショックによる急性炎症状態は、プロテインCレベルを低下させ(S.L. Blamey et al. Thromb Haemost (1985) 54(3):622-5;K. Fijnvandraat et al. Thrombosis & Haemostasis (1995) 73(1):15-20;J.H. Griffin et al. Blood (1982) 60(1):261-4;J.F. Hesselvik et al. Thromb Haemost (1991) 65(2):126-9;及びF.B. Taylor et al. J Clinical Investigation (1987) 79(3):918-25)、前記は予後不良と関係がある(J.A. Lorente et al. Chest (1993) 103(5):1536-42;C.J. Fisher Jr & S.B. Yan Crit Care Med (2000) 28(9Suppl):S49-56;M.G. Vervloet et al. Semin Thromb Hemost (1998) 24(1):33-44;及びS.B. Yan & J.F. Dhainaut Crit Care Med (2001) 29(7 Suppl):S69-74)。プロテインC活性化に必要な内皮細胞パスウェイ(内皮細胞上でのスロンボモジュリン及び内皮細胞プロテインCレセプター(EPCR)の発現を含む)は、プロ(pro-)炎症性サイトカインによって(D.J. Stearns-Kurosawa et al. PNAS USA (1996) 93(19):10212-6)、さらに重篤な髄膜炎菌性敗血症において損なわれる(S.N. Faust et al. N Eng J Med (2001) 345(6):408-16)。
【0006】
遺伝子型は治療ないし処置的介入に対する反応を変化させることができる。ジェネンテク社(Genentech)のハーセプチン(HERCEPTIN(商標))はその総合的フェーズIII臨床試験では有効ではなかったが、ヒト上皮増殖因子レセプター2(HER2)陽性の転移性乳癌患者の遺伝的サブセットでは有効であることが示された。同様に、ノバルティス社(Novartis)のグリベック(GLEEVEC(商標))は、染色体9と22との間で相互転座をもつ慢性骨髄性白血病患者のサブセットに対してのみ適用される。
【0007】
多数の遺伝子が、凝固、フィブリン溶解及び炎症性パスウェイにおいて知られており、さらに活性化プロテインC又はプロテインC様化合物の作用、例えばフィブリノゲンBベータポリペプチド(FGB)、凝固因子II(F2)、凝固因子IIレセプター(F2R)、凝固因子III(F3)、凝固因子V(F5)、凝固因子VII(F7)、凝固因子X(F10)、セリン(又はシステイン)プロテアーゼインヒビター、クレードEタイプ1(SERPINE1又はPAI-1)、プロテインCインヒビター(SERPINA5)、インターロイキン6(IL6)、インターロイキン10(IL10)、インターロイキン12A(IL12A)、腫瘍壊死因子アルファレセプター-1(TNFRSF1A)、血管内皮増殖因子(VEGF)、プロテインC(PROC)及びプロテインCレセプター(PROCR)と密接な関連を有することが報告されている。
【0008】
ヒトフィブリノゲンBベータポリペプチド(FGB)又はフィブリノゲン-ベータポリペプチド鎖は、フィブリノゲンのベータ成分によってコードされ、染色体4q28にマッピングされる。代表的なホモ・サピエンス(Homo sapiens)のFGB遺伝子配列は、受入番号AF388026.1(GI:14423574)及びM64983.1(GI:182597)によりGenBankに収載されている。FGBは血液に含まれる糖タンパク質であり、同一ではない3対のポリペプチド鎖で構成される。フィブリノゲンは、血管の損傷に続いて血餅を形成するためにトロンビンによって切断される。フィブリノゲンの切断生成物及びフィブリンは、細胞粘着及び分散を調節し、血管収縮及び走化性活性を示し、さらにいくつかの細胞タイプに対してマイトジェンとしての活性を示すことが報告されている。この遺伝子の変異は無フィブリノゲン血症、異常フィブリノゲン血症、機能不全低フィブリノゲン血症(hypodysfibrinogenemia)及び血栓形成傾向と密接に関連している。
【0009】
ヒト凝固因子II(F2)は染色体11p11-q12にマッピングされる。代表的なホモ・サピエンスのF2遺伝子配列は、受入番号AF478696.1(GI:18653447)及びBC051332.1(GI:30802114)によりGenBankに収載されている。F2は、凝固カスケードの第一段階でタンパク分解により切断されてトロンビンを形成し、血管完全性の維持に関与する。この遺伝子の変異は血栓症及び異常プロトロンビン血症と密接に関連している。
【0010】
ヒト凝固因子IIレセプター(F2R又はCF2R)、トロンビンレセプター(TR)、又はプロテアーゼ活性化レセプター1(PAR1)は染色体5q13にマッピングされる。代表的なホモ・サピエンスF2R遺伝子配列は、受入番号AF391809.2(GI:14971463)及びM62424.1(GI:339676)によりGenBankに収載されている。F2Rは、血栓性反応の調節に必要とされる7-トランスメンブレンレセプターである。F2RはG-プロテイン結合レセプターファミリーのメンバーであり、このレセプターのタンパク分解切断が活性化をもたらす。
【0011】
ヒト凝固因子III(F3)又は組織因子(TF)又は組織トロンボプラスチンは染色体1p22-p21にマッピングされる。代表的なホモ・サピエンスF3遺伝子配列は、受入番号AF540377.1(GI:22536175)及びJ02846.1(GI:339505)によりGenBankに収載されている。F3遺伝子は細胞表面糖タンパク質をコードする。前記タンパク質は血液凝固カスケードの開始に関与し、凝固因子VIIに対し高い親和性を有するレセプターとして機能する。F3-F7複合体は、凝固プロテアーゼカスケードの開始を触媒する。今日まで、F3と先天的欠損症との関連付けはなされていない。
【0012】
ヒト凝固因子V(F5)又はタンパク質c補助因子は染色体1q23にマッピングされる。代表的なホモ・サピエンスF5遺伝子配列は、受入番号AY364535.1(GI:33867366)及びM16967.1(GI:182411)によりGenBankに収載されている。F5は血液凝固カスケードで必須であり、血漿中を循環している。F5は、凝固時にトロンビンによる活性化ペプチドの放出によって活性形に変換される。活性なF5は活性化された凝固因子Xに関する補助因子である(凝固因子Xはプロトロンビンをトロンビンに活性化する)。この遺伝子の変異は、常染色体性の劣性出血性素質又は栓友病の常染色体性優性形と密接に関連しており、このことは活性化プロテインCないしプロテインC様化合物耐性として知られている。
【0013】
ヒト凝固因子VII(F7)は染色体13q34にマッピングされる。代表的なホモ・サピエンスF7遺伝子配列は、受入番号AY212252.1(GI:37781362)及びAF466933.2(GI:38112686)によりGenBankに収載されている。F7は、止血に必須のビタミンK依存性因子であり、血中を不活性形で循環し、IXa因子、Xa因子、XIIa因子又はトロンビンのいずれかによって弱いタンパク分解に続いて活性形に変換される。活性なF7及びF3は、カルシウムイオンの存在下で、IX因子からIXa因子へ及び/又はX因子からXa因子へ変換させることによって凝固カスケードを活性化する。この遺伝子の変異は凝固障害と密接に関係している。
【0014】
ヒト凝固因子X(F10)は染色体13q34にマッピングされる。代表的なホモ・サピエンスF10遺伝子配列は、受入番号AF503510.1(GI:20336662)及びNM_000504.2(GI:9961350)によりGenBankに収載されている。F10は、血液凝固カスケードに関与するビタミンK依存性凝固因子X前駆体をコードし、トリペプチドRKRの切離しによって成熟二鎖形に変換される。成熟F10は、IXa因子により(固有のパスウェイで)、又はVIIa因子により(固有のパスウェイで)活性化ペプチドの切断によって活性化される。活性化されたF10は、血液凝固時に、Va因子、Ca2+及びリン脂質の存在下でプロトロンビンをトロンビンに変換することができる。この遺伝子の変異は、X因子欠乏症(種々の重篤度を示す出血症状)と密接に関連している。
【0015】
ヒトSERPINE1(プラスミノーゲン活性化因子インヒビター1型(PAI-1))遺伝子は染色体7q21-q22にマッピングされる。代表的なホモ・サピエンスSERPINE1遺伝子配列は、受入番号AF386492.2(GI:14488407)によりGenBankに収載されている。Dawsonら(J Biol Chemistry (1993) 268(15):10739-45)は、SERPINE1プロモーター配列の-675位で挿入/欠失多型(4G/5G)を同定した(前記位置は配列番号:14の201位に対応する)。この多型はまた前記に付随するA対立遺伝子を有するが、この対立遺伝子の頻度は調べた集団内で一般的には低い。4G(又は“del”又は“−”)対立遺伝子はSERPINE1遺伝子の一塩基対欠失プロモーター多型であり、SERPINE1のタンパク質レベルの増加と密接に関連する(S.J. Dawson et al. (1993);S.J. Dawson et al. Arteriosclerosis & Thrombosis (1991) 11(1):183-90)。この一ヌクレオチド多型(SNP)の4G対立遺伝子は深部静脈血栓症(R. Segui et al. British J Haematology (2000) 111(1):122-8)、卒中(L.A. Hindorff et al. J Cadiovascular Risk (2000) 9(2):131-7)、急性心筋梗塞(S.M. Boekholdt et al. Circulation (2001) 104(25):3063-8;P. Eriksson et al. PNAS (1995) 92(6):1851-5)、冠状動脈ステント設置後の後発性管腔縮小(J.R. Ortleppg et al. Clin Cardiol (2001) 24(9):585-91)及び心臓性突然死(A. Anvari et al. Thrombosis Res (2001) 103(2):103-7;J. Mikkelsson et al. Thrombosis & Haemostasis (2000) 84(1):78-82)のリスク増加と密接に関連する。極めて重篤な患者では、4G対立遺伝子はまた、重篤な外傷を受けた患者で(T. Menges et al. Lancet (2001) 357(9262):1096-7)及び髄膜炎菌血症に罹患した患者で(P.W. Hermans et al. Lancet (1999) 354(9178):556-60)生存率の低下と密接に関連するとともに、髄膜炎菌血症に罹患した患者におけるショックのリスク増加にも密接に関連する(R.G. Westendorp et al. Lancet (1999) 354(9178):561-3)。SERPINE1の4G遺伝子型はまた悪化に至る患者の発生と密接に関連している(Menges et al. (2001);Hermans et al. (1999);R.G. Westendorp et al. (1999);G. Endler et al. Br J Haematology (2000) 110(2):469-71;A. Gardemann et al. Thrombosis & Haemostasis (1999) 82(3):1121-6;W.C. Hooper et al. Thrombosis Res (2000) 99(3):223-30;K. Jones et al. European J Vascular & Endovascular Surgery (2002) 23(5):421-5;E. Haralambous et al. Crit Care Med (2003) 31(12):2788-93;及びM. Roest et al. Circulation (2000) 101(1):67-70)。SERPINE1の4G/4G(-/-)遺伝子型は、急性肺障害ないし損傷(以下、急性肺損傷と称する)を受けた患者のSERPINE1レベルと密接な関連を示した(J.A. Russell, Crit Care Med (2003) 31(4):S243-S247)。
【0016】
ヒト セリン(又はシステイン)プロテイナーゼインヒビター、クレードA(アルファ-1抗プロテイナーゼ、アンチトリプシン)、メンバー5(SERPINA5)、プロテインCインヒビター、又はプラスミノーゲン活性化因子インヒビター-3(PAI-3)は染色体14q32.1にマッピングされる。代表的なホモ・サピエンスSERPINA5遺伝子配列は、受入番号AF361796.1(GI:13448931)及びNM_000624.3(GI:34147643)によりGenBankに収載されている。
【0017】
ヒトインターロイキン6(IL6)又はインターフェロンベータ2(IFNB2)、BSF2、HGF又はHSFは染色体7p21にマッピングされる。代表的なホモ・サピエンスIL6遺伝子配列は、受入番号AF372214.2(GI:14278708)及びM54894.1(GI:186351)によりGenBankに収載されている。
【0018】
ヒトインターロイキン10(IL10)は染色体1q31−q32にマッピングされる。代表的なホモ・サピエンスIL10遺伝子配列は、受入番号NM_000572、M57627及びAF418271によりGenBankに収載されている。
【0019】
ヒトインターロイキン12A(IL12A)は染色体3p12−q13.2にマッピングされ、cDNAは約1.4kbに及ぶ。代表的なホモ・サピエンスIL12A遺伝子配列は、受入番号NM_000882及びAF404773によりGenBankに収載されている。IL12A遺伝子はIL12サイトカインのサブユニットをコードする。IL12はヘテロダイマーであり、IL12A遺伝子によってコードされる35kDのサブユニット及び40kDのサブユニット(IL12B)で構成される。IL12はインターフェロン(IFN)γのT-細胞非依存性誘発に必要で、Th1及びTh2細胞の両方の分化に重要である。IL12に対するリンパ球の応答は、転写タンパク質STAT4の活性化によって仲介される。酸化窒素シンターゼ2A(NOS2A/NOS2)は、先天性免疫でこのサイトカインのシグナリングプロセスのために必要であることが判明している。
【0020】
ヒト腫瘍壊死因子アルファレセプター-1(TNFRSF1A)は染色体12p13.2にマッピングされ、cDNAは約2.2kbに及ぶ。代表的なホモ・サピエンスTNFRSF1A遺伝子配列は、受入番号NM_001065及びAY131997によりGenBankに収載されている。TNFRSF1A遺伝子はTNFレセプタースーパーファミリーのメンバーであり、腫瘍壊死因子-アルファのための主要なレセプターの1つである。TNFRSF1Aは、NF-カッパBを活性化し、アポトーシスを仲介し、炎症を調節することが知られている。抗アポトーシスタンパク質BCL2関連アタノジーン4(athanogene 4)(BAG4/SODD)及びアダプタータンパク質TRADD及びTRAF2はTNFRSF1Aと相互作用し、TNFRSF1Aによって仲介されるシグナルトランスダクションでおそらく役割を果たすであろうということが示された。このレセプターの細胞外ドメインの生殖細胞系列変異は、常染色体性で優性の周期発熱症候群と密接に関連し、これにより、障害された関連レセプター(associated impaired receptor)の排除が前記疾患のメカニズムであると考えられる。
【0021】
ヒト血管内皮増殖因子(VEGF)は染色体6p12にマッピングされる。代表的なホモ・サピエンスVEGF遺伝子配列は、受入番号AF022375、AF437895、AL136131、NM_001025366、NM_003376、NM_001025367、NM_001025368、NM_001025369、NM_001025370及びNM_001033756によりGenBankに収載されている。VEGF遺伝子は、PDGF/VEGF増殖因子ファミリーのメンバーであり、内皮細胞で特異的に作用するグリコシル化マイトジェンであるタンパク質をコードする(前記グリコシル化マイトジェンは血管透過性増進の仲介、脈管形成、血管形成及び内皮細胞増殖の誘発、細胞遊走の促進、並びにアポトーシスの抑制を含む多様な作用を有する)。このタンパク質レベルの上昇は、POEMS症候群と密接に関連する。VEGF遺伝子の変異は、増殖性及び非増殖性糖尿病網膜症と密接に関係する。
【0022】
ヒトプロテインC(PROC)は染色体2q13−q14にマッピングされ、1.1kbに及ぶ。代表的なホモ・サピエンスプロテインC遺伝子配列は、受入番号AF378903によりGenBankに収載されている。3つの一ヌクレオチド多型(SNP)が、プロテインC遺伝子の5'非翻訳プロモーター領域で同定されていて、それぞれ-1654C/T、-1641A/G、及び-1476A/T(D.C. Fosterら(Proc Natl Acad Sci USA (1985) 82(14):4673-4677)の番号付与形式にしたがう)、又は-153C/T、-140A/G、及び+26A/T(D.S. Millar et al. Hum Genet (2000) 106:646-653の651ページ)と表示される。
【0023】
-1654C/-1641G/-1476Tについてホモ接合の遺伝子型は、-1654T/-1641A/-1476Aホモ接合遺伝子型と比較したときプロテインC遺伝子の転写速度の低下を伴う(D. Scopes et al. Blood Coagul Fibrinolysis (1995) 6(4):317-321)。-1654C/-1641G/-1476T遺伝子型についてホモ接合の患者は、-1654T/-1641A/-1476A遺伝子型についてホモ接合の患者と比較したとき血中プロテインCレベル及びプロテインC活性レベルが22%低下することを示している(C.A. Spek et al. Arteriosclerosis, Thrombosis and Vascular Biology (1995) 15:214-218)。-1654C/-1641Gハプロタイプは、-1654T/-1641Aと比較したときホモ接合体及びヘテロ接合体の両方で低プロテインC濃度を伴う(M. Aiach et al. Arterioscler Thromb Vasc Biol (1999) 19(6):1573-1576)。
【0024】
ヒト内皮プロテインCレセプター(PROCR)は染色体20に位置し、染色体20q11.2にマッピングされる。プロモーターを含む代表的なヒトのPROCR遺伝子配列は、受入番号AF106202(8167bp)によりGenBankに収載されている。この遺伝子で多数の多型が観察されている(E. Biguzzi et al. Thromb Haemost (2002) 87:1085-6;及びF. Franchi et al. Br J Haematol (2001) 114:641-6)。さらにまた、PROCRの多型はまた以下の文献に記載されている:E. Biguzzie et al. Thromb Haemost (2001) 86:945-8;L. Galligan et al. Thromb Haemost (2002) 88:163-5;G. Zecchina et al. Br J Haematol (2002) 119:881-2;J.K. French et al. Am Heart J (2003) 145:118-24; M. von Depka et al. Thromb Haemost (2001) 86:1360-2;及びB. Saposnik et al. Blood (2004 Feb 15) 103(4):1311-8)。
〔発明の開示〕
【0025】
発明の概要
本発明は、フィブリノゲンBベータポリペプチド(FGB)、凝固因子II(F2)、凝固因子IIレセプター(F2R)、凝固因子III(F3)、凝固因子V(F5)、凝固因子VII(F7)、凝固因子X(F10)、セリン(又はシステイン)プロテイナーゼインヒビター、クレードEタイプ1(SERPINE1)、プロテインCインヒビター(SERPINA5)、インターロイキン6(IL6)、インターロイキン10(IL10)、インターロイキン12A(IL12A)、腫瘍壊死因子アルファレセプター-1(TNFRSF1A)、血管内皮増殖因子(VEGF)、プロテインC(PROC)及びプロテインCレセプター(PROCR)遺伝子から選択される、プロテインCパスウェイ関連SNPは、活性化プロテインC又はプロテインC様化合物による治療ないし処置に対する対象者の反応の予測に役立つという驚くべき知見に一部基づく。
【0026】
本発明はまた、フィブリノゲンBベータポリペプチド(FGB)、凝固因子II(F2)、凝固因子IIレセプター(F2R)、凝固因子III(F3)、凝固因子V(F5)、凝固因子VII(F7)、凝固因子X(F10)、セリン(又はシステイン)プロテイナーゼインヒビター、クレードEタイプ1(SERPINE1)、プロテインCインヒビター(SERPINA5)、インターロイキン6(IL6)、インターロイキン10(IL10)、インターロイキン12A(IL12A)、腫瘍壊死因子アルファレセプター-1(TNFRSF1A)、血管内皮増殖因子(VEGF)、プロテインC(PROC)及びプロテインCレセプター(PROCR)遺伝子から選択される、プロテインCパスウェイ関連SNPは単独で又は組み合わされて、炎症症状を有する患者の活性化プロテインCによる治療ないし処置に対する反応の予測に有用であるという驚くべき知見にも一部基づく。これにより、反応向上型多型を有する対象者は、活性化プロテインC又はプロテインC様化合物治療ないし処置又は類似の薬剤による治療ないし処置からよりいっそう利益を受け易く、さらに前記治療ないし処置に対する反応の向上を示す。
【0027】
本発明の一視点にしたがえば、プロテインCパスウェイ関連遺伝子において反応向上型多型を有する対象者を同定する方法が提供される。前記方法は、対象者のプロテインCパスウェイ関連遺伝子配列又はその組合せの一以上の多型部位で対象者の遺伝子型を決定することを含み、前記遺伝子型は、活性化プロテインC又はプロテインC様化合物の投与に対する対象者の反応の指標である。前記方法は、さらに前記決定遺伝子型と既知の遺伝子型(それらはプロテインC又はプロテインC様化合物投与に対する対象者の反応の指標であることが知られている)を比較することを含むことができる。前記方法はさらに、患者のプロテインCパスウェイ関連遺伝子配列情報を入手することを含むことができる。前記方法はさらに、対象者から核酸サンプルを入手する工程を含むことができる。前記方法はさらに、活性化プロテインC又はプロテインC様化合物の投与について、対象者のプロテインCパスウェイ関連遺伝子配列内に一以上の反応向上型多型を有する対象者を選別する工程を含むことができる。前記方法はさらに、対象者のプロテインCパスウェイ関連遺伝子配列内に一以上の反応向上型多型をもたない対象者を、活性化プロテインC又はプロテインC様化合物の投与から除外する工程を含むことができる。
【0028】
本発明の別の視点にしたがえば、活性化プロテインC又はプロテインC様化合物の投与に対する反応の向上と相関性を示す、プロテインCパスウェイ関連遺伝子配列における多型を同定する方法が提供される。前記方法は以下の工程を含む:炎症症状を有する対象者群からプロテインCパスウェイ関連遺伝子配列情報を入手する工程;前記対象者のプロテインCパスウェイ関連遺伝子配列で多型を示す少なくとも1つのヌクレオチドの位置を同定する工程;前記対象者群内の個々の対象者について多型部位の遺伝子型を決定する工程;活性化プロテインC又はプロテインC様化合物の投与に対する反応を決定する工程;及び工程(c)で決定した遺伝子型と工程(d)の活性化プロテインC又はプロテインC様化合物の投与に対する反応の相互関係を調べ、それにより活性化プロテインC又はプロテインC様化合物の投与に対する反応と相関性を示すプロテインCパスウェイ関連遺伝子配列多型を同定する工程。
【0029】
本発明の別の視点にしたがえば、対象者のプロテインCパスウェイ関連遺伝子配列中の多型部位内の限定ヌクレオチド箇所の遺伝子型を決定し、活性化プロテインC又はプロテインC様化合物の投与に対する対象者の反応を予測するためのキットが提供される。前記キットは、多型部位の変動ヌクレオチドを識別することができる制限酵素;又は多型部位と十分な相補性を有し前記変動ヌクレオチドと弁別的にハイブリダイズすることができる標識オリゴヌクレオチドを含む。前記キットはさらに、多型部位を含む領域を増幅するために機能しえるオリゴヌクレオチド又はオリゴヌクレオチドセットを含むことができる。前記キットはさらに、重合化剤を含むことができる。前記キットはさらに、前記キットを用いて遺伝子型を決定するための指示(書)(instructions)を含むことができる。
【0030】
本発明の別の視点にしたがえば、炎症症状の治療ないし処置に有用であることが判明しているか、又は有用であると推測される候補薬剤の有効性を決定するための対象者の群を選別(選択)する方法を提供する。前記方法は、各対象者についてプロテインCパスウェイ関連遺伝子配列内の一以上の多型部位の遺伝子型を決定する工程(この場合、前記遺伝子型は候補薬剤に対する対象者の反応の指標となる)、さらにそれらの遺伝子型を基準に対象者を分類する工程を含む。前記方法はさらに、対象者又は対象者の部分集団(subset)に候補薬剤を投与し、前記炎症症状から回復する各対象者の能力を決定する工程を含むことができる。前記方法はさらに、対象者の遺伝子型を基準にして対象者の候補薬剤に対する反応を比較する工程を含むことができる。
【0031】
本発明の別の視点にしたがえば、その必要がある対象者で炎症症状を治療ないし処置する方法が提供される。前記方法は、活性化プロテインC又はプロテインC様化合物を対象者に投与することを含み、この場合、前記対象者はそのプロテインCパスウェイ関連遺伝子配列内に反応向上型多型を有する。
【0032】
本発明の別の視点にしたがえば、その必要がある対象者で炎症症状を治療ないし処置する方法が提供される。前記方法は以下の工程を含む:そのプロテインCパスウェイ関連遺伝子配列内に反応向上型多型を有する対象者を選別する工程;及び前記対象者に活性化プロテインC又はプロテインC様化合物を投与する工程。
【0033】
本発明の別の視点にしたがえば、活性化プロテインCを投与することにより炎症症状を有する対象者を治療ないし処置する方法が提供される。前記方法は、そのプロテインCパスウェイ関連遺伝子配列内に反応向上型多型を有する対象者に活性化プロテインC又はプロテインC様化合物を投与することを含み、この場合、前記反応向上型多型は、活性化プロテインC又はプロテインC様化合物による炎症症状の治療ないし処置に対する反応性の増加を予測させる(の指標となる)。
【0034】
本発明の別の視点にしたがえば、活性化プロテインC又はプロテインC様化合物による炎症症状の治療ないし処置に対し反応性(応答性)が増加した対象者を同定する方法が提供される。前記方法は、対象者集団をスクリーニングして、そのプロテインCパスウェイ関連遺伝子配列内に反応向上型多型を有する対象者を同定する工程を含み、この場合、そのプロテインCパスウェイ関連遺伝子配列内に反応向上型多型を有する対象者の同定は、活性化プロテインC又はプロテインC様化合物による炎症症状の治療ないし処置に対する反応性の増加を予測させる。
【0035】
本発明の別の視点にしたがえば、活性化プロテインC又はプロテインC様化合物で炎症症状を治療ないし処置するために対象者を選別する方法が提供される。前記方法は、そのプロテインCパスウェイ関連遺伝子配列内に反応向上型多型を有する対象者を同定する工程を含み、この場合、反応向上型多型を有する対象者の同定は、活性化プロテインC又はプロテインC様化合物による炎症症状の治療ないし処置に対する反応性の増加を予測させる。
【0036】
本発明の別の視点にしたがえば、対象者における炎症症状を治療ないし処置する方法が提供される。前記方法は、対象者に活性化プロテインC又はプロテインC様化合物を投与することを含み、この場合、前記対象者はプロテインCパスウェイ関連遺伝子配列内に反応向上型多型を有する。
【0037】
本発明の別の視点にしたがえば、対象者における炎症症状を治療ないし処置する方法が提供される。前記方法は、そのプロテインCパスウェイ関連遺伝子配列内に反応向上型多型を有する対象者を同定する工程、及び活性化プロテインC又はプロテインC様化合物を対象者に投与する工程を含む。
【0038】
本発明の別の視点にしたがえば、炎症症状の治療ないし処置を目的とする薬物ないし薬剤(医薬(medicament))の製造における活性化プロテインC又はプロテインC様化合物の使用が提供され、この場合、治療ないし処置される対象者は、そのプロテインCパスウェイ関連遺伝子配列内に反応向上型多型を有する。
【0039】
本発明の別の視点にしたがえば、対象者の部分集団における炎症症状の治療ないし処置を目的とする薬物ないし薬剤(医薬)の製造における活性化プロテインC又はプロテインC様化合物の使用が提供され、この場合、対象者の部分集団は、それらのプロテインCパスウェイ関連遺伝子配列内に反応向上型多型を有する。
【0040】
本発明の別の視点にしたがえば、活性な医薬成分として、活性化プロテインC若しくはプロテインC様化合物又はその医薬的に許容されえる塩を、対象者における炎症症状の治療ないし処置的又は予防的処置に前記を使用するための指示書と一緒に含む市販パッケージが提供される。この場合、治療ないし処置される対象者はそのプロテインCパスウェイ関連遺伝子配列内に反応向上型多型を有する。
【0041】
本発明の別の視点にしたがえば、約10ないし約400ヌクレオチドの2以上のオリゴヌクレオチド又はペプチド核酸が提供され、前記オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸は、対象者のプロテインCパスウェイ関連遺伝子配列より構成されるヒトのターゲット配列、前記ターゲット配列の相補的配列、又は前記ターゲット配列のRNA等価物に含まれる配列と特異的にハイブリダイズし、さらにこの場合、前記オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸は、下記の多型部位:rs1800791;rs3136516;rs253073;rs2227750;rs1361600;rs9332575;rs4656687;rs9332630;rs9332546;rs2774030;rs2026160;rs3211719;rs3093261;rs1799889;rs1050813;rs2069972;rs2069840;rs1800795;rs1800872;rs2243154;rs4149577;rs1413711;rs2069895;rs2069898;rs2069904;rs1799808;rs2069910;rs2069915;rs2069916;rs2069918;rs2069919;rs2069920;rs2069924;rs5937;rs2069931;rs777556;rs1033797;rs1033799;rs2295888;及びrs867186、又は、これらと連鎖不平衡にある一以上の多型部位から選択される、プロテインCパスウェイ関連遺伝子配列内の2以上の反応向上型多型の有無の決定に機能を発揮することができる。
【0042】
本発明の別の視点にしたがえば、本明細書に記載の方法にしたがってプロテインCパスウェイ関連遺伝子配列内の多型を同定するために用いることができるオリゴヌクレオチド又はペプチド核酸が提供される。前記オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸は、配列番号1−243又はそれらの相補鎖によって特定される配列の1つの領域と通常のハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズして、ターゲット配列内の一以上のプロテインCパスウェイ関連遺伝子配列多型の有無を決定するという点において特徴的である。
【0043】
本発明の別の視点にしたがえば、配列番号1−243の一部又はそれらの相補鎖を含むオリゴヌクレオチドプライマーが提供される。この場合、前記プライマーは長さが12から54ヌクレオチドであり、さらに前記プライマーは配列番号1−243の一領域又はそれらの相補鎖と特異的にハイブリダイズし、本明細書に記載のプロテインCパスウェイ関連遺伝子配列多型を同定することができる。或いは、前記プライマーは長さが16から24ヌクレオチドでもよい。
【0044】
本発明の別の視点にしたがえば、約10から約400ヌクレオチドのオリゴヌクレオチド又はペプチド核酸が提供され、これらは、配列番号1−243を含むヒトターゲット配列、前記ターゲット配列の相補的配列、又は前記ターゲット配列のRNA等価物に含まれる配列と特異的にハイブリダイズし、さらにこの場合、前記オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸は、本明細書記載のプロテインCパスウェイ関連遺伝子配列多型の一以上の位置の多型について対立遺伝子又は遺伝子型を決定する際に機能を発揮することができる。
【0045】
本発明の別の視点にしたがえば、以下から選択される2以上のオリゴヌクレオチド又はペプチド核酸が提供される:表1Cに記載の多型から選択される或る多型についての第一の対立遺伝子を含むオリゴヌクレオチド又はペプチド核酸分子と高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズすることができるが、表1Cに記載の多型から選択される前記或る多型についての第二の対立遺伝子を含むオリゴヌクレオチド又はペプチド核酸分子とは高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズすることができないオリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;及び表1Cに記載の多型から選択される或る多型についての第二の対立遺伝子を含むオリゴヌクレオチド又はペプチド核酸分子と高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズすることができるが、表1Cに記載の多型から選択される前記或る多型についての第一の対立遺伝子を含むオリゴヌクレオチド又はペプチド核酸分子とは高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズすることができないオリゴヌクレオチド又はペプチド核酸。
【0046】
本発明の別の視点にしたがえば、以下から選択される2以上のオリゴヌクレオチド又はペプチド核酸が提供される:表1Dに記載の多型から選択される或る多型についての第一の対立遺伝子を含むオリゴヌクレオチド又はペプチド核酸分子と高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズすることができるが、表1Dに記載の多型から選択される前記或る多型についての第二の対立遺伝子を含むオリゴヌクレオチド又はペプチド核酸分子とは高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズすることができないオリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;及び表1Dに記載の多型から選択される或る多型についての第二の対立遺伝子を含むオリゴヌクレオチド又はペプチド核酸分子と高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズすることができるが、表1Dに記載の多型から選択される前記或る多型についての第一の対立遺伝子を含むオリゴヌクレオチド又はペプチド核酸分子とは高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズすることができないオリゴヌクレオチド又はペプチド核酸。
【0047】
本発明の別の視点にしたがえば、固体状支持体に付着(attach)されるオリゴヌクレオチド又はペプチド核酸のアレイが提供される。前記アレイは本明細書に示す2以上のオリゴヌクレオチド又はペプチド核酸を含む。
【0048】
本発明の別の視点にしたがえば、2以上のオリゴヌクレオチド又はペプチド核酸のアドレッサブル・コレクション(addressable collection)を含む組成物が提供される。前記2以上のオリゴヌクレオチド又はペプチド核酸は、本明細書に示すオリゴヌクレオチド又はペプチド核酸から選択される。
【0049】
本発明の別の視点にしたがえば、2以上のオリゴヌクレオチド又はペプチド核酸のアドレッサブル・コレクションを含む組成物が提供される。前記2以上のオリゴヌクレオチド又はペプチド核酸は、本質的に配列番号:1−243に示す2以上の核酸分子、そのコンプリメント(compliments)、断片、変種(variants)又は類似体から成る。
【0050】
本発明の別の視点にしたがえば、2以上のオリゴヌクレオチド又はペプチド核酸のアドレッサブル・コレクションを含む組成物が提供される。前記2以上のオリゴヌクレオチド又はペプチド核酸は、本質的に表1C及び1Dに示す2以上の核酸分子、そのコンプリメント、断片、変種又は類似体から成る。
【0051】
本発明の別の視点にしたがえば、表1EのプロテインCパスウェイ関連遺伝子SNPの相関性から選択される複数のコード遺伝子型相関性を含むコンピュータ読み出し可能媒体が提供される。この場合、前記複数のコード遺伝子型の各相関性は、活性化プロテインCによる治療ないし処置に対する反応性の指標を表す数値を有する。前記のコードされる遺伝子型はデジタル暗号化される。
【0052】
遺伝子型は対象者の核酸サンプルを用いて決定することができる。遺伝子型は以下の一以上の技術を用いて決定することができる:制限断片長の分析;シークエンシング;マイクロシークエンシング・アッセイ;ハイブリダイゼーション;インベーダー・アッセイ;ジーンチップ・ハイブリダイゼーション・アッセイ;オリゴヌクレオチド・ライゲーション・アッセイ;ライゲーション・ローリング・サークル・アンプリフィケーション;5'ヌクレアーゼ・アッセイ;ポリメラーゼ・プルーフリーディング方法;アレル特異的PCR;マトリックス支援レーザー脱離イオン化−飛行時間型(MALDI-TOF)質量分析;リガーゼ連鎖反応アッセイ;酵素増幅電気的形質導入;一塩基対伸長アッセイ;及び配列データの解読。
【0053】
多型部位は、下記、rs1800791;rs3136516;rs253073;rs2227750;rs136100;rs9332575;rs4656687;rs9332630;rs9332546;rs2774030;rs2026160;rs3211719;rs3093261;rs1799889;rs1050813;rs2069972;rs2069840;rs1800795;rs1800872;rs2243154;rs4149577;rs1413711;rs2069895;rs2069898;rs2069904;rs1799808;rs2069910;rs2069915;rs2069916;rs2069918;rs2069919;rs2069920;rs2069924;rs5937;rs2069931;rs777556;rs1033797;rs1033799;rs2295888及びrs867186の一以上、又は、これらと連鎖不平衡にある一以上の多型部位から選択することができる。反応向上型多型は、下記、rs1800791A;rs3136516G;rs3136516GG;rs253073G;rs253073GG;rs2227750GG;rs1361600GG;rs9332575G;rs4656687T;rs9332630A;rs9332546A;rs2774030AG;rs2026160C;rs3211719G;rs3093261T;rs1799889G;rs1050813A;rs1050813AG;rs2069972TT;rs2069840C;rs1800795G;rs1800872A;rs2243154A;rs2243154AG;rs4149577CT;rs1413711AA;rs2069895AG;rs2069898CT;rs2069904AG;rs1799808CT;rs2069910C;rs2069910CT;rs2069915AG;rs2069916CT;rs2069918A;rs2069918AA;rs2069919AG;rs2069920CT;rs2069924CT;rs5937CT;rs2069931CT;rs777556C;rs1033797C;rs1033799A;rs2295888G;rs867186AG;及びrs867186Gの一以上、又は、これらと連鎖不平衡にある一以上の多型部位から選択することができる。前記と連鎖不平衡にある一以上の多型部位は、表1Bに記載されている多型部位の一以上から選択することができる。
【0054】
対象者の遺伝子型は、活性化プロテインC又はプロテインC様化合物の投与に対する対象者の反応の指標でありえる。前記対象者では炎症症状は極めて重篤でありうる。前記炎症症状は以下から成る群から選択することができる:セプシス、敗血症、肺炎、敗血症性ショック、全身性炎症反応症候群(SIRS)、急性呼吸促迫症候群(ARDS)、急性肺損傷、アスピレーション・ニューマニティス(aspiration pneumanitis)、感染症、膵臓炎、菌血症、腹膜炎、腹部膿瘍、外傷による炎症、外科手術による炎症、慢性炎症性疾患、虚血、器官若しくは組織の虚血再灌流障害ないし損傷、疾患による組織の障害ないし損傷、化学療法若しくは放射線療法による組織の障害ないし損傷、及び、経口摂取、吸入、注入、注射、若しくは送達(デリバー)(delivered)された物質に対する反応、糸球体腎炎、腸感染、日和見感染、及び、大手術若しくは透析を受けている対象者、免疫和解状態(免疫が抑制されている状態)(immunocompromised)の対象者、免疫抑制剤が投与されている対象者、HIV/AIDS罹患者、心内膜炎が疑われる対象者、発熱を示す対象者、原因不明の発熱を示す対象者、嚢胞性線維症罹患者、真性糖尿病罹患者、慢性腎不全罹患者、急性腎不全、乏尿罹患者、急性腎機能障害、糸球体腎炎、間質性腎炎、急性尿細管壊死(ATN)罹患者、気管支拡張症罹患者、慢性閉塞性肺疾患、慢性気管支炎、肺気腫若しくは喘息罹患者、発熱性好中球減少症罹患者、髄膜炎罹患者、敗血症性関節炎罹患者、尿路感染罹患者、壊死性筋膜炎罹患者、他のグループA連鎖球菌感染が疑われる対象者、脾臓摘出を受けた対象者、再発性腸球菌感染者若しくは腸球菌感染が疑われる対象者、感染の危険性が高い他の医療及び手術状況、グラム陽性敗血症、グラム陰性敗血症、培養陰性敗血症、真菌性敗血症、髄膜炎菌血症、ポスト−ポンプ症候群、カーディアック・スタン・シンドローム(cardiac stun syndrome)、心筋梗塞、脳卒中、うっ血性心不全、肝炎、喉頭蓋炎、大腸菌O157:H7、マラリア、ガス壊疽、毒素性ショック症候群、子癇前症、子癇、HELP症候群、マイコバクテリア結核症、カリニ肺炎(Pneumocystic carinii, pneumonia)、リーシュマニア症、溶血性尿毒症症候群/血栓性血小板減少性紫斑病、デング出血熱、骨盤内炎症性疾患、レジオネラ、ライム病、インフルエンザA、エプスタイン・バーウイルス、脳炎、炎症性疾患及び自己免疫疾患(関節リウマチ、変形関節症、進行性全身性硬化症、全身性紅斑性狼瘡、炎症性腸疾患、特発性肺線維症、サルコイドーシス、過敏性肺炎、全身性血管炎、ウェゲナー肉芽腫症を含む)、心臓、肝臓、肺臓、腎臓、骨髄を含む移植、移植片対宿主病、移植拒絶反応、鎌状赤血球貧血、ネフローゼ症候群、OKT3、サイトカイン療法などの薬剤の毒性、及び肝硬変。炎症性症状はSIRS又は敗血症でもよい。
【0055】
活性化プロテインC又はプロテインC様化合物は活性型ドロトレコジンアルファであってよい。活性化プロテインC又はプロテインC様化合物は一以上の以下の活性を有することができる:セリンプロテアーゼ活性、抗凝固活性、抗炎症活性、前フィブリン溶解(ないしプラスミノーゲン、pro-fibrinolytic)活性、及び抗アポトーシス活性。
【0056】
前記方法又は使用は、対象者のAPACHE IIスコアを対象者のリスクないし危険性(subject risk)の評価(判定)として決定する工程を含むことができる。対象者の危険性は、活性化プロテインC又はプロテインC様化合物の投与が適切であるということの更なる指標として用いることができる。前記方法又は使用はさらに、対象者の危険性の評価(判定)として対象者の臓器系不全の数を決定する工程を含むことができる。対象者のAPACHE IIスコアは25以上のときに高い危険性(高リスク)を示す指標でありえる。同様に2以上の臓器系の機能不全は対象者が高い危険性を示す指標でありえる。
【0057】
オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸はさらに以下の一以上を含むことができる:検出可能な標識;クエンチャー;モビリティ・モディファイャー;ターゲット配列に対して5'若しくは3'又はターゲット配列に対して5'及び3'に位置するコンティギュアス非ターゲット配列(contiguous non-target sequence)。前記オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸は、また別には約10から約400ヌクレオチド、約15から約300ヌクレオチドであってもよい。前記オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸は、また別には約20から約200ヌクレオチド、約25から約100ヌクレオチドであってもよい。前記オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸は、また別には約20から約80ヌクレオチド、約25から約50ヌクレオチドであってもよい。
〔実施の形態〕
【0058】
発明の詳細な説明
1.定義
以下の記述において、多数の用語が広範囲に用いられてあり、本発明の理解を容易にするために以下の定義を提供する。
【0059】
本明細書で用いられる“活性化プロテインC”又は“プロテインC様化合物”には、任意のプロテインC分子、プロテインC誘導体、プロテインC変種(variant)、プロテインC類似体及びその任意のプロドラッグ、その代謝物、その異性体、その異性体の組合せ、又は前述のいずれかの医薬組成物が含まれる。活性化プロテインC又はプロテインC様化合物は合成又は精製してうることができる。例えば、ドロトレコジンアルファ(活性型)は、イーライ・リリー社(Eli Lilly and Company)によりXIGRISTMとして販売され、ヒト血漿由来活性化プロテインCと同じアミノ酸配列を有する。誘導体、変種(variants)、類似体又は組成物などの例は、米国特許出願20050176083;20050143283;20050095668;20050059132;20040028670;20030207435;20030027299;20030022354;及び20030018175並びに米国特許6,933,367号;6,841,371号;6,815,533号;6,630,138号;6,630,137号;6,436,397号;6,395,270号;6,162,629号;6,159,468号;5,837,843号;5,453,373号;5,330,907号;5,766,921号;5,753,224号;5,516,650号;及び5,358,932号で見出すことができる。
【0060】
“遺伝物質”には任意の核酸が含まれ、一本鎖又は二本鎖形のデオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチドポリマーでありえる。
【0061】
“プリン(purine)”は、縮合ピリミジン及びイミダゾール環(fused rings)を含む複素環式有機化合物であり、プリン塩基(アデニン(A)及びグアニン(G))のための親化合物として機能する。
【0062】
“ヌクレオチド”は、一般的にはペントース(通常はリボース又はデオキシリボース)と共有結合したプリン(R)又はピリミジン(Y)塩基であり、この場合、糖は一以上のリン酸基を有する。
【0063】
核酸は、一般的には3'−5'ホスホジエステル結合によって結合したヌクレオチドのポリマーである。本明細書で用いられるように“プリン”はプリン塩基(A及びG)を指すために用いられ、より広範囲には、ポリヌクレオチド鎖の成分としてヌクレオチドモノマー、デオキシアデノシン-5'-ホスフェート及びデオキシグアノシン-5'-ホスフェートを含む。
【0064】
“ピリミジン”は、ヌクレオチド塩基(シトシン(C)、チミン(T)及びウラシル(U))を形成する単環有機塩基である。本明細書で用いられるように、“ピリミジン”は、ピリミジン塩基(C、T及びU)を指すために用いられ、より広範囲には、プリンヌクレオチドとともにポリヌクレオチド鎖の成分であるピリミジンヌクレオチドモノマーを含む。
【0065】
記号Mで表されるヌクレオチドはA又はCのどちらかであり、記号Wで表されるヌクレオチドはT/U又はAのどちらかであり、記号Yで表されるヌクレオチドはC又はT/Uのどちらかであり、記号Sで表されるヌクレオチドはG又はCのどちらかでありえるが、一方、記号Rで表されるヌクレオチドはG又はAのどちらかであり、さらに記号Kで表されるヌクレオチドはG又はT/Uのどちらかでありえる。同様に、記号Vで表されるヌクレオチドはA又はG又はCのいずれかであり、一方、記号Dで表されるヌクレオチドはA又はG又はTのいずれかであるが、一方、記号Bで表されるヌクレオチドはG又はC又はTのいずれかであり、さらに記号Hで表されるヌクレオチドはA又はC又はTのいずれかである。さらに、欠失又は挿入は、 “-”又は“del”及び“+”又は“ins”又は“I”によってそれぞれ表される。また別には、多型は、下記、A/-(配列番号:75)、-/A/AT/G(配列番号:104)、-/AAC(配列番号:113)、-/T(配列番号:119)、-/A/CG/G(配列番号:130)、-/A/C(配列番号:132)、A/-(配列番号:140)、-/A(配列番号:145)、-/AGG(配列番号:147)、-/TTTA(配列番号:148)、-/G/GGA(配列番号:154)、-/GTTT(配列番号:159)、-/CAAA(配列番号:175)、-/CT(配列番号:192)、-/T(配列番号:221)、及び-/A/G(配列番号:14)のように表すことができるが、この場合、多型部位の対立遺伝子の自由選択ヌクレオチドは前方のスラッシュ(“/”)によって分離される。例えば“-/AGG”は欠失又はAGGのどちらかでありえる。
【0066】
本明細書で用いられる“多型部位”又は“多型”又は“一ヌクレオチド多型部位”(SNP部位)又は“一ヌクレオチド多型”(SNP)は、相違が生じた或る配列内の遺伝子座又は位置である。“多型”とは、母集団内における遺伝子又は遺伝子(対立遺伝子)内の位置の2以上の形態の出現であって、そのもっとも稀少な形態の存在が突然変異だけでは説明することができない頻度での形態の出現である。その意味する所は、多型性対立遺伝子(複数)は宿主に何らかの選択性利点を付与することと考えられる。好ましい多型部位は少なくとも2つの対立遺伝子を有し、各々が、選択集団の1%を超える、より好ましくは10%又は20%を超える頻度で発生する。多型部位は、核酸配列内の既知の位置にあっても、又は本明細書に記載の方法を用いて存在が決定されてもよい。多型は、遺伝子のコード領域及び非コード領域(例えばプロモーター、エンハンサー及びイントロン)の両方で生じうる。多型は単一(single)ヌクレオチド部位(SNPs)で生じうるが、又本明細書に記載するように挿入又は欠失を含むこともできる。
【0067】
本明細書で用いられる“反応向上型多型”は、活性化プロテインC又はプロテインC様化合物の処置に対する対象者の反応を予測すると本明細書に記載された、下記、フィブリノゲンBベータポリペプチド(FGB)、凝固因子II(F2)、凝固因子IIレセプター(F2R)、凝固因子III(F3)、凝固因子V(F5)、凝固因子VII(F7)、凝固因子X(F10)、セリン(又はシステイン)プロテアーゼインヒビター、クレード(clade)Eタイプ1(SERPINE1)、プロテインCインヒビター(SERPINA5)、インターロイキン6(IL6)、インターロイキン10(IL10)、インターロイキン12A(IL12A)、腫瘍壊死因子アルファレセプター-1(TNFRSF1A)、血管内皮増殖因子(VEGF)、プロテインC(PROC)及びプロテインCレセプター(PROCR)から選択されるプロテインCパスウェイ関連遺伝子配列内の一以上の多型部位の対立遺伝子変種(allelic variant)又は遺伝子型を指す(例えばrs1800791A;rs3136516G;rs3136516GG;rs253073G;rs253073GG;rs2227750GG;rs1361600GG;rs9332575G;rs4656687T;rs9332630A;rs9332546A;rs2774030AG;rs2026160C;rs3211719G;rs3093261T;rs1799889G;rs1050813A;rs1050813AG;rs2069972TT;rs2069840C;rs1800795G;rs1800872A;rs2243154A;rs2243154AG;rs4149577CT;rs1413711AA;rs2069895AG;rs2069898CT;rs2069904AG;rs1799808CT;rs2069910C;rs2069910CT;rs2069915AG;rs2069916CT;rs2069918A;rs2069918AA;rs2069919AG;rs2069920CT;rs2069924CT;rs5937CT;rs2069931CT;rs777556C;rs1033797C;rs1033799A;rs2295888G;rs867186AG;及びrs867186G)。
【0068】
本明細書で用いられる“ハプロタイプ(haplotype)”は、一緒に遺伝される傾向にある染色体上の緊密に連関する遺伝子座の対立遺伝子セットである。そのような対立遺伝子セットはパターンとして出現し、ハロタイプと称される。したがって、あるSNP部位の特定のSNP又は他の多型の対立遺伝子は、近傍の第二のSNP部位又は他の多型部位の特定のSNP又は他の多型の対立遺伝子としばしば密接に関連する。このような場合、前記2つのSNP又は他の多型は、それらが単にランダムな関係(連鎖平衡)にはないので連鎖不平衡であるという。
【0069】
一般的には、サンプル中の核酸の検出は、オリゴヌクレオチドを“高ストリンジェンシー”の条件下でサンプル中の核酸とアニールさせ、続いてアニールさせることができたオリゴヌクレオチドを検出する具体的な核酸ハイブリダイゼーション技術に依存する(例えば以下の文献を参照されたい:S. Spiegelman, Scientific American Vol. 210, p48(1964))。高ストリンジェンシー条件下でのハイブリダイゼーションは、主としてハイブリダイゼーションに用いられる方法、オリゴヌクレオチドの長さ、塩基組成及びミスマッチの位置(ミスマッチが存在する場合)に左右される。高ストリンジェンシーハイブリダイゼーションは、分子生物学者により日常的に実施される多数の技術、例えば高ストリンジェンシーPCR、DNAシークエンシング、一本鎖形状多型分析(single strand conformational polymorphismanalysis)、及びin situハイブリダイゼーションの成功のために必要である。ノザン及びサザンハイブリダイゼーションとは対照的に、これらの技術は通常、相対的に短いプローブで実施される(例えば通常、PCR又はシークエンシングの場合は約16ヌクレオチド又はそれより長く、in situハイブリダイゼーションの場合は約40ヌクレオチド又はそれより長い)。これらの技術で用いられる高ストリンジェンシー条件は分子生物学分野の当業者にはよく知られており、それらの例は、例えば以下の文献で見出すことができる:Ausubel et al. Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, New York, N.Y., (1998)。
【0070】
本明細書で用いられる“オリゴヌクレオチド”は様々な長さの核酸であり、前記は、プローブ、プライマー、及び特定の核酸の検出及び/又は増幅用マイクロアレイ(アレイ)の製造で役立ちうる。そのようなDNA又はRNA鎖は、成長鎖(不溶性支持体に結合させることができる)への活性化モノマーのシーケンシャルな付加(5'-3'又は3'-5')によって合成することができる。その後の個々の使用にあわせて、又は不溶性支持体(例えばアレイ)の部分としてオリゴヌクレオチドを合成する多数の方法が当分野で知られている(M.R. Bernfield and F.M. Rottman, J Biol Chem (1967) 242(18):4134-43;J. Sulston et al. PNAS (1968) 60(2):409-415;S. Gillams et al. Nucleic Acid Res. (1975) 2(5):613-624;G.M. Bonora et al. Nucleic Acid Res. (1990) 18(11):3155-9;D.A. Lashkari et al. PNAS (1995) 92(17):7912-5;G. McGall et al. PNAS (1996) 93(24):13555-60;T.J. Albert et al. Nucleic Acid Res (2003) 31(7):e35;X. Gao et al. Biopolyers (2004) 73(5):579-96;及びM.J. Moorcroft et al. Nucleic Acid Res (2005) 33(8):e75)。一般的には、オリゴヌクレオチドは、使用方法に応じて種々の条件下で活性化し保護したモノマーを工程毎に付加することによって合成される。続いて特定の保護基を除去してから更なる伸長をさせ、その後合成が完了したら全ての保護基を除去し、さらに所望される場合には、完成した鎖を精製するためにオリゴヌクレオチドを固体状支持体から取り出す。
【0071】
本明細書で用いられる“ペプチド核酸”は、核酸の糖リン酸エステル骨格がN-(2-アミノエチル)-グリシン骨格に変換された修飾核酸を指す。DNA/RNAの糖リン酸エステル骨格は中性条件下で陰性に荷電され、相補鎖間で静電気的反発を生じるが、PNAの骨格構造は本来的に電荷をもたない。したがって、静電気的反発は存在しない。結果として、PNAは、通常の核酸と比較して、より強い二本鎖形成能能力を有し、より強い塩基配列認識能力を有する。さらにまた、PNAは一般的に核酸よりも強靭である。PNAはまた、アレイで、並びに他のハイブリダイゼーション又は上記及び本明細書中にオリゴヌクレオチドについて述べた他の反応で用いることができる。
【0072】
本明細書で用いられる“アドレッサブル・コレクション”は、例えばハイブリダイゼーション技術の使用によって、又は当業者に公知の他の任意の検出手段によって検出することができる核酸分子又はペプチド核酸の組合せである。DNAマイクロアレイは“アドレッサブル・コレクション”の例と考えられよう。
【0073】
集団遺伝学で用いられるように、“連鎖”(linkage)という用語は一般的には、同一染色体上で遺伝子座が極めて近接するために、2以上の非対立遺伝子又は配列が一緒に遺伝することをいい、これにより、減数分裂後にそれらは非連鎖遺伝子で期待される50%よりも高い頻度で結びつきを維持する。しかしながら、減数分裂の間、個々の染色分体間の物理的交差は組換えをもたらすことがありうる。一般的には“組換え”(recombination)は、大きなDNAセグメント間で発生し、それによって連続(contiguous)した一続きのDNA及び遺伝子は組換え現象(交差)に際して一緒に移動しやすい。逆に、或る染色体上で離れて存在するDNA領域は、近接して存在するDNA領域よりも交差過程ではるかに分離されやすい。多型性分子マーカー(例えば単一ヌクレオチド多型(SNPs))は、染色体上の位置マーカーとして減数分裂組換え現象でしばしば有用である。
【0074】
1つの染色体上のマーカーセットのパターンは“ハプロタイプ”(haplotype)と称される。したがって、同一染色体の小セグメント上の対立遺伝子群は一緒に伝達される傾向がある。或る染色体セグメント上のハプロタイプは、組換え現象が存在しないかぎり一般的には一緒に子孫に伝達される。組換え現象が存在しなければ、ハプロタイプは、マッピングのために単一の高度に多型性の遺伝子座の対立遺伝子として取り扱うことができる。さらにまた、連関マーカー(例えばSNP又は他の多型)をもつ特定の対立遺伝子と密接に関連する疾病遺伝子の優先的発生は、“連鎖不平衡”(LD)と呼ばれる。この種の不平衡は一般的には、疾病染色体の大部分が同じ変異を保有し、さらに調べられたマーカーは前記疾病遺伝子と相対的に近接していることが示唆されている。
【0075】
例えば、SNPに基づく関連性分析及び連鎖不平衡マッピングでは、SNPは、病理学的状態(例えば敗血症)と密接に関連する多型の同定を目的とする関連性研究で有用でありえる。連鎖研究とは異なり、関連性研究は一般集団内で実施することが可能で、罹患家族の血縁個体で実施される研究に限定されない。SNP関連性研究では、或る対立遺伝子(すなわちSNP対立遺伝子)の頻度は、問題の症状を有する多数の対象者及び適切なコントロール群で決定される。続いて、特定のSNP又はSNPハプロタイプと表現型の特徴との間の有意な関連性を、当分野で公知の多数の統計的方法によって決定することができる。
【0076】
関連性分析は、直接的又はLDを基にする分析のどちらでもよい。直接的関連性分析では、潜在的に原因となるSNPを病原性配列の候補としてテストすることができる。LDに基づくSNP関連性分析では、連鎖不平衡にあるSNPは、SNPについてテストしようとする病原性配列又は病原性SNPを有するゲノムの大きな領域で又はゲノム全体から任意に選択することができる。また別には、問題の症状と密接に関連する候補配列をSNP同定及び関連性分析のための標的とすることができる。そのような候補配列は通常、対象とする症状の病理発生に関与する。炎症症状と密接に関連するSNPの同定に際して、候補配列は、対象とする症状又は疾病の経路において既に示唆された配列から選択することができる。いったん同定されたら、続いて、そのような配列内で見出されたSNP又はそのような配列と密接に関連するSNPを、個体の予後又は前記症状に対する感受性との統計的な関連性についてテストすることができる。
【0077】
LDに基づく関連性分析のためには、高密度SNPマップは未知の病原性遺伝子座に対しランダムなSNPの相対的な位置決定に有用である。さらにまた、SNPはゲノム全体で極めて高頻度で発生する傾向があり、多くの場合、均一に間隔を置いて配置される。したがって、SNPは、他のタイプの多型と比較したとき、問題の遺伝子座ときわめて接近して見出される確率が高い。SNPはまた、数が変動しえるタンデムリピート(VNTR)よりも突然変異的に安定である。
【0078】
集団遺伝学では、連鎖不平衡は、“個々の対立遺伝子(例えば疾病に関する対立遺伝子変異体)の近傍の遺伝子座に存在する特定の対立遺伝子との偶然により予想される頻度より高い優先的結びつき”を指し、前記は、別個の遺伝子座に存在する対立遺伝子が一ユニットとして遺伝することを示唆している(T.D. Gelehrter, F.S. Collins (1990) Principles of Medical Genetics. Baltimore: Williams & Wilkens)。したがって、これら遺伝子座(loci)に存在する対立遺伝子(alleles)、及びそれらの多様な組合せから構築されるハプロタイプは、個々の位置(例えば配列番号:1の86位)における臨床的に関連する多様性を表示するそれらの能力により表現型のバリエーションの有用なマーカーとして機能する(以下の文献を参照されたい:J. Akey et al. (2001) Haplotypes vs single marker linkage disequilibrium tests: what do we gain? European journal of Human Genetics. 9:291-300;及びK. Zhang et al. (2002) Haplotype block structure and its applications to association studies: power and study designs. American journal of Human Genetics. 71:1386-1394)。この見解はKhouryら(Fundametals of Genetic Epidemiology. New York (1993): Oxford University Press 160ページ)によってさらに裏づけされた。これらの著者は以下のように述べている:「マーカーとなる対立遺伝子が実際の感受性対立遺伝子と近接してリンク(closely linked)されていて、さらに前記感受性対立遺伝子と〔連鎖〕不平衡にあるときは常に、前記マーカー対立遺伝子は、潜在する感受性対立遺伝子の代理として機能しうる、と考えることができる。」
【0079】
本明細書で用いられる“連鎖不平衡”(linkage disequilibrium LD)とは、ある種の組合せで連結された対立遺伝子が前記遺伝子座の対立遺伝子頻度から予想されるよりもはるかに高率で集団内に出現することである。例えば、連結マーカー(例えばSNP)を有する特定の対立遺伝子と密接に関連する疾病遺伝子の優先的な出現、又は連結マーカーを有する特定の対立遺伝子間における疾病遺伝子の優先的な出現はLDであると考えられる。この種の連鎖不平衡は一般的に、疾病染色体の大半が同じ変異を保有し、テストされるマーカーは相対的に疾病遺伝子に接近していることを示唆する。したがって、第一の遺伝子座の遺伝子型が第二の遺伝子座(又は第三の遺伝子座・・・)とLDにある場合、ただ1つの遺伝子座を決定することによって、必然的に他の遺伝子座の対立遺伝子のアイデンティティ(何であるかの対応関係 identity)が提供されるであろう。LDについて遺伝子座を判定するとき、高度の連鎖不平衡(すなわちD'について≧0.5の絶対値又はr2≧0.5)を有する或る集団内のそのような部位は、対象とする対立遺伝子のアイデンティティ(identity)(すなわち対象とする症状と密接に関連する)の予測に潜在的に有用である。高度の連鎖不平衡は、D'について≧0.6の絶対値又はr2≧0.6によって表すことができる。また別には、高度の連鎖不平衡は、D'について≧0.7の絶対値又はr2≧0.7、又はD'について≧0.8の絶対値又はr2≧0.8によって表すことができる。さらにまた、高度の連鎖不平衡は、D'について≧0.85の絶対値又はr2≧0.85、又はD'について≧0.9の絶対値又はr2≧0.9によって表すことができる。したがって、高度のLDを有する2つのSNPは、問題の対立遺伝子又は疾病対立遺伝子のアイデンティティの決定で等しく有用でありえる。したがって、あるSNPをもつ対立遺伝子のアイデンティティを知ることによって、LDにある別のSNPを有する対立遺伝子のアイデンティティを表すことができると我々は仮定することができる。したがって、ただ1つの遺伝子座の遺伝子型の決定によって、それとLDにある任意の遺伝子座の遺伝子型の実体の提供が可能であり、さらに、連鎖不平衡の度合いが高ければ高いほど、2つのSNPを相互に用いることができる蓋然性は高くなる。例えば、ある集団において、それからのタグを付けた(tagged)SNPsが、rs2069972により同定されるSNPから識別された場合、それはrs2069973により同定されるSNPとは“連鎖不平衡”にあり、これにより、rs2069972の遺伝子型がTであるとき、rs2069973の遺伝子型はGである。同様に、rs2069972の遺伝子型がCのときは、rs2069973の遺伝子型はCである。したがって、rs2069972の遺伝子型の決定は、rs2069973又は前記と“連鎖不平衡”にある他の任意の遺伝子座の遺伝子型のアイデンティティ(対応する特定の型)を提供するであろう。そのような遺伝子座が前記と高度の連鎖不平衡を持つ場合にはなおさらである。
【0080】
連鎖不平衡は遺伝子型-表現型関連研究で有用である。例えば、遺伝的関連研究において、1つのSNP部位(例えば“A”)の特定の対立遺伝子が特定の臨床徴候の原因である場合(例えばこの臨床徴候を“B”と呼ぶ)、第一のSNPと顕著な連鎖不平衡にある任意のSNP(例えば“C”)も数学的推論によって前記臨床徴候とある程度の関連を示すであろう。すなわち、AがBと関連(〜)し(すなわちA〜B)、さらにC〜Aであるならば、C〜Bということになる。もちろん特定の臨床徴候、Bともっとも緊密に関連するSNPが、因果関係(causal)にあるSNP(前記臨床徴候に対して機序的(メカニカル)に原因となる遺伝的バリエーション)である。したがって、任意のSNPと、Cと臨床徴候との間の関連性の度合いはAとCの間の連鎖不平衡に左右されるであろう。
【0081】
特定の臨床徴候に辺在する遺伝子寄与の基本的メカニズムが完全に理解されるまでは、連鎖不平衡は、因果関係を有する潜在的(potential)な候補SNPの同定に役立ち、さらにまた臨床徴候又は治療ないし処置効果の予後判定に臨床的に有用でありえる一連のSNPの同定に役立つ。遺伝子内の1つのSNPが特定の臨床徴候と密接に関連することが見出された場合、連鎖不平衡にある他のSNPもまたある程度の関連を有し、したがって予後(判定)に関しある程度の有用性を有する。仮想例として、多数の多型を、我々のICU患者のうちSIRS/敗血症グループで、活性化プロテインC又はプロテインC様化合物投与に対する反応の向上との個々の関連について試験した場合(ただしこの場合、前記多数の多型は、SERPINA5多型のrs2069972と一連の連鎖不平衡を有し、さらにrs2069972は因果関係を有する多型であると仮定され、さらに我々はrs2069972との連鎖不平衡の程度によって多型を区分(order)できると想定)、rs2069972と高度の連鎖不平衡を有する多型はまたこの特定の臨床徴候と高度の関連性を有すると期待するであろう。連鎖不平衡が低下するにつれて、我々は、活性化プロテインC又はプロテインC様化合物投与に対する反応の向上に対する多型の関連性の程度もまた低下すると期待するであろう。したがって、論理的では、AがBに関連し(A〜B)、CがAに関連する(C〜A)ならば、CはBに関連する(C〜B)と結論される。すなわち、本明細書に記載の反応向上型多型の1つと連鎖不平衡にあるいずれかの多型は、既に発見されていようと未だ未発見であろうと、おそらくrs2069972がそうであるのと同じ臨床徴候の予測因子(predictor)でありえよう。この既知若しくは未知の多型とrs2069972との間の予測における類似性は、そのような多型とrs2069972との間の連鎖不平衡の度合いに左右されよう。
【0082】
多数の部位が、プロテインCパスウェイ関連遺伝子内で多型部位として同定された(表1A参照)。さらにまた、表1Aの多型は、下記の表1Bに示す多数の多型と連関し(連鎖不平衡で)、したがって対象(者)の予後の指標となりえる。
【0083】
【表1】





【0084】
【表2】













【0085】
さらに別の連鎖(linked)多型部位及び組合せ多型部位を決定することができることは当業者には理解されよう。プロテインCパスウェイ連鎖遺伝子のハプロタイプは、予想最大化アルゴリズムを有するプログラム(すなわちPHASE)を用いて、正常対象者でプロテインCパスウェイ連鎖遺伝子内の多型を判定することによって作成することができる。プロテインCパスウェイ連鎖遺伝子配列から構築されたハプロタイプを用いて、本明細書で同定されるハプロタイプ添付SNP(htSNP)と連鎖不平衡(LD)にあるSNPの組合せを見つけることができる。したがって、個体のハプロタイプは、本明細書で同定されるhtSNPとLDにある他のSNP又は他の多型の遺伝子型を知ることによって決定することができる。LDにある単一多型部位又は組合せ多型部位についてもまた、活性化プロテインC又はプロテインC様化合物処置に対する対象(者)の反応を判定するために遺伝子型が決定される。
【0086】
配列内の多型の位置の数字呼称は個々の配列に関連することは当業者には理解されよう。さらにまた、等価の多型(rs1799889)のまた別の番号付与によって示されるように、配列に番号を付与する方法および選択された配列に応じて、同じ位置に異なる数字呼称が割り当てられることがあり、これにより、同一の多型が、SERPINE1プロモーター配列の-675位(配列番号:14の201位に対応する)の挿入/欠失多型(4G/5G)とみなされる(Dawson et al. J Biol Chem (1993) 268(15):10739-45)。さらにまた集団内の配列バリエーション(例えば挿入又は欠失)は相対的な位置を変更させ、したがって多型部位及び多型部位周辺の個々のヌクレオチドの数字呼称を変更させることがある。
【0087】
配列番号:1−40及び配列番号:41−243の多型部位はそれらの変種の呼称(varient designation)によって識別される(すなわちM、W、Y、S、R、K、V、B、D、H、又は欠失については“-”、挿入については“+”若しくは“G”などによって)。
【0088】
“rs”なる接頭辞は、データベースのSNPはNCBI SNPデータベース(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?db=Snp)で見出されることを意味する。“rs”番号はNCBI|rsSNP IDフォームである。
【0089】
下記の表1CはプロテインCパスウェイ関連遺伝子のSNPの選別のためのフランキング配列を示し、それらのrs呼称、対立遺伝子及び対応する配列番号呼称を提供する。各多型は、特段の指示がなければフランキング配列内の201位に存在し、太字及び下線によって識別される。
【0090】
【表3】











【0091】
上記の表1C(配列番号:1−40)及び表1D(配列番号:41−243)で提供される配列は、プロテインCパスウェイ関連遺伝子SNP対立遺伝子及び/又は本明細書に記載の遺伝子型の同定用プライマー及びプローブ又は他のオリゴヌクレオチド若しくはペプチド核酸の設計において当業者には有用であろう。
【0092】
下記の表1Dは、(表1CにLD SNPが既に存在しない限り)表1CのタッグSNPとLDにあるプロテインCパスウェイ関連遺伝子SNPを選別するためのフランキング配列を示し、それらのrs呼称、対立遺伝子及び対応する配列番号呼称を提供する。各SNPは、特段の指示がなければフランキング配列内の201位に存在し、太字及び下線によって識別される。
【0093】
【表4】































































【0094】
“対立遺伝子”(allele)とは、或る遺伝子の任意の一以上の別(alternative)の形態と定義される。二倍体細胞又は生物では、対立遺伝子対(すなわち或る遺伝子の2つの対立遺伝子)のメンバーは、1対の相同染色体の対応する位置(遺伝子座)を占有し、これらの対立遺伝子が遺伝的に同一である場合、前記細胞又は生物は前記個々の遺伝子に関して“ホモ接合性”(homozygous)と呼ばれるが、遺伝的に異なる場合、前記細胞又は生物は“ヘテロ接合性”(heterozyrous)と呼ばれる。
【0095】
“遺伝子”(gene)は、固有の機能的生成物をコードし、さらにコード領域の近傍に(コード配列の5'及び3')翻訳されず転写されない配列を含むことができる、個別の染色体上の個別の位置に配置された秩序あるヌクレオチドの配列である。そのような非コード配列は、配列又はイントロンなどの転写及び翻訳に必要な調節配列を含むことができ、またこれまでのところでは問題のSNPの出現以外にそれらに帰することができる何らかの機能を有しうる。例えば前記配列は表1C及び1Dで確認される。
【0096】
“遺伝子型”(genotype)は、通常は1つの遺伝子又は数個の遺伝子或いは特定の文脈ないし表記型(particular context)に関連した遺伝子の領域(すなわち特定の表現型をもたらす遺伝子座(loci))に関する、生物の遺伝子構成と定義される。
【0097】
下記表1Eは、活性化プロテインC又はプロテインC様化合物による炎症性症状の処置に対する反応性(応答性、responsiveness)の指標を表す値とプロテインCパスウェイ関連遺伝子SNPの遺伝子型との相関性を示す。
【0098】
【表5】



【0099】
“表現型”は生物の観察しえる特徴と定義される。
“一ヌクレオチド多型”(SNP)はただ1つのヌクレオチドによって占められる多型部位で生じ、前記部位は対立遺伝子配列間でバリエーションが存在する部位である。この部位には通常は、対立遺伝子の高度に保存された配列が前後に存在する(高度に保存された配列とは例えば集団の1/100未満又は1/1000未満のメンバーで変動を示す配列である)。一ヌクレオチド多型は通常、あるヌクレオチドから別のヌクレオチドへの置換により多型部位で生じる。“トランジション”はあるプリンから別のプリン又はあるピリミジンから別のピリミジンへの置換である。“トランスバージョン”は、プリンのピリミジンによる又はその逆の置換である。一ヌクレオチド多型はまた、参照対立遺伝子に対してヌクレオチドの欠失(“-”又は“del”によって表される)又はヌクレオチドの挿入(“+”又は“ins”又は“I”によって表される)から生じうる。さらにまた、ある配列内の挿入又は欠失は相対的な位置を変更させ、したがって前記配列の別の多型の位置番号も変更させうることは当業者には理解されよう。さらにまた、挿入または欠失は、或る位置に2以上の単一ヌクレオチドの欠失又は挿入が含まれうるときは、いくつかの定義ではSNPとみなすことはできないが、本明細書で用いられるようにそのような多型もまた、一般的には或る配列内の単一部位の挿入又は欠失から生じるので、SNPと称される。
【0100】
“全身性炎症反応症候群”又は(SIRS)は、敗血症性(すなわちセプシス又は敗血症性ショック)及び非敗血症性全身性炎症反応(すなわち術後全身性炎症反応)の両方を含むと定義される。“SIRS”はさらにACCP(American College of Chest Physicians)ガイドラインにしたがって、下記の項目中、A)体温>38℃又は<36℃、B)心拍数>90心拍動/分、C)呼吸数>20呼吸/分、及びD)白血球数>12,000/mm3又は<4,000/mm3、2以上の存在と定義される。以下の記載では、“SIRS”判定基準の2、3又は4つの存在について28日の観察期間の間毎日採点が実施された。
【0101】
“セプシス”(sepsis)は、 “SIRS”判定基準の少なくとも2つ及び既知又は疑われる感染源の存在と定義される。敗血症性ショックは、セプシス+ブリュッセル(Brussels)判定基準による新たな1つの臓器の機能不全+血管収縮薬の投薬治療ないし処置の必要性と定義された。
【0102】
本明細書で用いられる(対象者の)問題とする結果又は予後(subject outcome or prognosis)は、炎症症状から回復する対象者の能力を指し、治療ないし処置方法、例えば活性化プロテインC又はプロテインC様化合物の投与の有効性を決定するために用いることができる。炎症症状は下記から成る群から選択することができる:セプシス、敗血症、肺炎、敗血症性ショック、全身性炎症反応症候群(SIRS)、急性呼吸促迫症候群(ARDS)、急性肺損傷、アスピレーション・ニューマニティス(aspiration pneumanitis)、感染、膵臓炎、菌血症、腹膜炎、腹部膿瘍、外傷による炎症、外科手術による炎症、慢性炎症性疾患、虚血、器官若しくは組織の虚血再灌流障害ないし損傷、疾患による組織の障害ないし損傷、化学療法若しくは放射線療法による組織の障害ないし損傷、及び、経口摂取、吸入、注入、注射、若しくは送達(デリバー)物質に対する反応、糸球体腎炎、腸感染、日和見感染、及び、大手術若しくは透析を受けている対象者、免疫和解状態(免疫が抑制されている状態)(immunocompromised)の対象者、免疫抑制剤が投与されている対象者、HIV/AIDS罹患者、心内膜炎が疑われる対象者、発熱を示す対象者、原因不明の発熱を示す対象者、嚢胞性線維症罹患者、真性糖尿病罹患者、慢性腎不全罹患者、急性腎不全、乏尿罹患者、急性腎機能障害、糸球体腎炎、間質性腎炎、急性尿細管壊死(ATN)罹患者、気管支拡張症罹患者、慢性閉塞性肺疾患、慢性気管支炎、肺気腫若しくは喘息罹患者、発熱性好中球減少症罹患者、髄膜炎罹患者、敗血症性関節炎罹患者、尿路感染罹患者、壊死性筋膜炎罹患者、他のグループA連鎖球菌感染が疑われる対象者、脾臓摘出を受けた対象者、再発性腸球菌感染者若しくは腸球菌感染が疑われる対象者、感染の危険性が高い他の医療及び手術状況、グラム陽性敗血症、グラム陰性敗血症、培養陰性敗血症、真菌性敗血症、髄膜炎菌血症、ポスト−ポンプ症候群、カーディアック・スタン・シンドローム、心筋梗塞、脳卒中、うっ血性心不全、肝炎、喉頭蓋炎、大腸菌O157:H7、マラリア、ガス壊疽、毒素性ショック症候群、子癇前症、子癇、HELP症候群、マイコバクテリア結核症、カリニ肺炎、リーシュマニア症、溶血性尿毒症症候群/血栓性血小板減少性紫斑病、デング出血熱、骨盤内炎症性疾患、レジオネラ、ライム病、インフルエンザA、エプスタイン・バーウイルス、脳炎、炎症性疾患及び自己免疫疾患(関節リウマチ、変形関節症、進行性全身性硬化症、全身性紅斑性狼瘡、炎症性腸疾患、特発性肺線維症、サルコイドーシス、過敏性肺炎、全身性血管炎、ウェゲナー肉芽腫症を含む)、心臓、肝臓、肺臓、腎臓、骨髄を含む移植、移植片対宿主病、移植拒絶反応、鎌状赤血球貧血、ネフローゼ症候群、OKT3、サイトカイン療法などの薬剤の毒性、及び肝硬変。
【0103】
対象(者)の結果、予後、又は活性化プロテインC又はプロテインC様化合物投与に対する対象者の反応の判定は種々の方法によって達成できる。例えば、“APACHE II”スコアは、急性生理学と慢性健康評価(Acute Physiology And Chronic Health Evaluation)と定義され、本明細書では生の臨床変数及び検査変数から毎日評価した。Vincentら(J.L. Vincent, F. Ferreira, R. Moreno Scoring systems for assesing organ dysfunction and survival. Critical Care Clinics. 16:353-366, 2000)はAPACHEスコアを以下のように要約している:「Knausらによって1981年に初めて開発されてから、APACHEスコアは、世界中のICUでもっとも一般的に用いられる生存予測モデルとなった。APACHE IIスコア(最初の原版の改訂簡素化版)は、12の日常的な生理学測定値の最初の値、年齢及び以前の健康状態を基準にしたポイントスコアを用いて疾患の重篤度の一般的測定値を提供する。前記の記録値は対象者のICUでの最初の24時間に採集される最も悪い値である。前記スコアは34の受け入れ診断の1つに適用され、疾患特異的死亡確率が概算される(APACHE IIは死亡リスクを予測した)。最大の可能なAPACHE IIスコアは71であり、高いスコアは死亡率と良好な相関性を示した。APACHE IIスコアは、極めて重篤な多様な対象者群(セプシスを含む)を臨床試験開始時の重篤度によって階層化し比較するために広く用いられた。」さらにまた、米国における活性化バゾプレッシン(XIGRISTM、ドロトレコジンアルファ(活性型))の投与のための基準又は適用は、APACHE IIスコアが25以上である。ヨーロッパでは、活性化プロテインC又はプロテインC様化合物投与の基準又は適用は、APACHE IIスコアが25以上又は新たな2つの臓器系の機能不全である。
【0104】
本明細書で用いられる“活性化プロテインC”にはドロトレコジンアルファ(活性型)が含まれ、これはイーライ・リリー社(Eli Lilly and Company)からXIGRISTMとして販売されている。ドロトレコジンアルファ(活性型)は、ほぼ55キロダルトンの分子量のセリンプロテアーゼ糖タンパク質であり、ヒトの血漿由来活性化プロテインCと同じアミノ酸配列を有する。前記タンパク質はジスルフィド結合によって連結(リンク)された重鎖及び軽鎖から成る。XIGRISTM(ドロトレコジンアルファ(活性型))は現在、重篤なセプシス(急性臓器不全を伴うセプシス)で高死亡リスクの成人対象者(例えばAPACHE IIスコア>25又は2以上の臓器系の機能不全によって決定される)で死亡率減少のための適用とされている。XIGRISTMは、無菌的で保存料非含有凍結乾燥薬剤を含む、5mg及び20mgの1回使いきりバイアルとして入手できる。前記バイアルはそれぞれ5.3mg及び20.8mgのドロトレコジンアルファ(活性型)を含む。XIGRISTMの5及び20mgバイアルはまた、40.3及び158.1mgの塩化ナトリウム、10.9及び42.9mgのクエン酸ナトリウム、並びに31.8及び124.9mgのシュクロースをそれぞれ含んでいる。XIGRISTMは、24mcg/kg/時間の輸液速度で96時間の全輸液時間による静脈内投与が推奨される。臨床パラメーター又はラボパラメーターを基準にした用量調節は推奨されない。輸液が中断される場合は、再開時の輸液速度は24mcg/kg/時間とするべきと推奨される。ドロトレコジンアルファの用量上昇又はボーラス投与は推奨されない。XIGRISTMは注射用滅菌水で再構成し、さらに無菌的な通常の食塩水注射液で希釈することができる。これらの溶液は、溶液の攪拌を最小限にするように取り扱う必要がある(Product information. XIGRISTM, Drotecogin alfa (activated), Eli Lilly and Company, November 2001)。
【0105】
ドロトレコジンアルファ(活性型)は、ヒト活性化プロテインCの組換え型であり、これは、不活性なヒトプロテインCザイモゲンの相補的DNAを発現するヒト細胞株(これにより前記細胞は発酵液中にタンパク質を分泌する)を用いて製造することができる。前記タンパク質は、トロンビンによる切断によって酵素的に活性化され、続いて精製される。組換え活性化ヒトプロテインCを製造する方法、DNA化合物及びベクターは、米国特許4,775,624号、4,992,373号、5,196,322号、5,270,040号、5,270,178号、5,550,036号、5,618,714号に記載されている(前記文献のいずれも参照により本明細書に組込み記載される)。
【0106】
活性化プロテインC又はプロテインC様化合物を殺菌剤及びエンドトキシン中和剤とともに用いるセプシス治療ないし処置は米国特許6,436,397号に;プロテインCのプロセッシング方法は米国特許6,162,629号に;プロテインC誘導体は米国特許5,453,373号及び6,630,138号に;グリコシル化変異体は米国特許5,460,953号に;プロテインC処方物は米国特許6,630,137号、6,436,397号、6,395,270号及び6,159,468号に記載されている(前記文献はいずれも参照により本明細書に組込み記載される)。
【0107】
“ブリュッセル(Brussels)スコア”は、基準値と比較して臓器の機能不全を判定する方法である。ブリュッセルスコアが0ならば(すなわち、軽度、重度又は超重度)、臓器不全はそのそれぞれの日に存在するとおりに記録された(下記表2A参照)。以下の記述では、観察期間中の死亡を修正するために、生存し臓器不全が存在しない日(days alive and free of organ failure(DAF))を以前に記載したように計算した。例えば、急性肺損傷は以下のように計算した。急性肺損傷は、対象者が以下の4つの基準の全てに適合するときは前記疾患が存在すると定義される:1)機械的通気の必要性、2)急性肺損傷と一致する胸部X線における両側性肺浸潤、3)PaO2/FiO2比が300未満、4)うっ血性心不全の臨床徴候が無いか、又は肺動脈カテーテルが臨床的目的のために挿入された場合は肺毛細血管の楔入圧が18mmHg未満(1)。急性肺損傷の重篤度は、28日間の観察期間にわたって、生存し急性肺損傷が存在しない日(days)を測定することによって評価(判定)される。急性肺損傷は、該当者がブリュッセルスコアで定義された軽度、重度又は超重度の機能不全を示したそれぞれの日に存在すると記録される。生存し急性肺損傷が存在しない日は、規定の観察期間(28日)の間において、対象者が生存しさらに急性肺損傷が存在しない、急性肺損傷の開始後の日数として算出される。したがって、生存し急性肺損傷が存在しない日のスコアが低ければ低いほど、急性肺損傷が重篤であることを示す。生存し急性肺損傷が存在しない日(数)の方が単に急性肺損傷の有無よりも好ましい理由は、肺障害ないし損傷は急性死亡率が高く、さらに早期死亡(28日以内)は、死亡対象者における急性肺損傷の有無の判断を不可能にするからである。心脈管、腎臓、神経、肝臓及び凝固不全も同様に、該当者がブリュッセルスコアで定義されるように軽度、重度又は超重度の機能不全を示したそれぞれの日に存在すると定義された。生存しステロイドが存在しない日とは、該当者が生存しており、外因性コルチコステロイド(例えばヒドロコーチゾン、プレドニソロン、メチルプレドニソロン)で処置されていない日である。生存し収縮薬が存在しない日とは、該当者が生存し、静脈内血管収縮薬(例えばドーパミン、ノルエピネフリン、エピネフリン、フェニレフリン)で処置されていない日である。生存し、国際標準化比(International Normalized Ratio, INR)>1.5でない日とは、該当者が生存し、1.5を超えるINRを示さない日である。
【0108】
【表6】



【0109】
変動の分析法(統計分析法)(ANOVA)は、測定値セット間の統計的に有意な相違について調査する標準的な統計的アプローチである。
【0110】
フィッシャーの精密検定(Fisher exact test)は、種々の群で測定された特徴の比率及び割合間における統計的に有意な相違について調査する標準的な統計的アプローチである。
【0111】
2.一般的方法
本発明の一視点では、炎症症状を発症させるリスクがある対象者の同定若しくは選別、又は炎症症状を既に有する対象者の同定を含むことができる。例えば、大手術を受けた対象者又は大手術を予定しているか若しくは意図されている対象者は、炎症症状を発症させるリスクがあると考えることができる。さらにまた、対象者は、医療分野で公知の診断方法及び臨床判定を用いて炎症症状を有すると決定することができる。炎症症状は以下から成る群から選択することができる:セプシス、敗血症、肺炎、敗血症性ショック、全身性炎症反応症候群(SIRS)、急性呼吸促迫症候群(ARDS)、急性肺損傷、アスピレーション・ニューマニティス(aspiration pneumanitis)、感染、膵臓炎、菌血症、腹膜炎、腹部膿瘍、外傷による炎症、外科手術による炎症、慢性炎症性疾患、虚血、器官若しくは組織の虚血再灌流障害ないし損傷、疾患による組織の障害ないし損傷、化学療法若しくは放射線療法による組織の障害ないし損傷、及び、経口摂取、吸入、注入、注射、若しくは送達(デリバー)された物質に対する反応、糸球体腎炎、腸感染、日和見感染、及び、大手術若しくは透析を受けている対象者、免疫和解状態(免疫が抑制されている状態)(immunocompromised)の対象者、免疫抑制剤が投与されている対象者、HIV/AIDS罹患者、心内膜炎が疑われる対象者、発熱を示す対象者、原因不明の発熱を示す対象者、嚢胞性線維症罹患者、真性糖尿病罹患者、慢性腎不全罹患者、急性腎不全、乏尿罹患者、急性腎機能障害、糸球体腎炎、間質性腎炎、急性尿細管壊死(ATN)罹患者、気管支拡張症罹患者、慢性閉塞性肺疾患、慢性気管支炎、肺気腫若しくは喘息罹患者、発熱性好中球減少症罹患者、髄膜炎罹患者、敗血症性関節炎罹患者、尿路感染罹患者、壊死性筋膜炎罹患者、他のグループA連鎖球菌感染が疑われる対象者、脾臓摘出を受けた対象者、再発性腸球菌感染者若しくは腸球菌感染が疑われる対象者、感染の危険性が高い他の医療及び手術状況、グラム陽性敗血症、グラム陰性敗血症、培養陰性敗血症、真菌性敗血症、髄膜炎菌血症、ポスト−ポンプ症候群、カーディアック・スタン・シンドローム、心筋梗塞、脳卒中、うっ血性心不全、肝炎、喉頭蓋炎、大腸菌O157:H7、マラリア、ガス壊疽、毒素性ショック症候群、子癇前症、子癇、HELP症候群、マイコバクテリア結核症、カリニ肺炎、リーシュマニア症、溶血性尿毒症症候群/血栓性血小板減少性紫斑病、デング出血熱、骨盤内炎症性疾患、レジオネラ、ライム病、インフルエンザA、エプスタイン・バーウイルス、脳炎、炎症性疾患及び自己免疫疾患(関節リウマチ、変形関節症、進行性全身性硬化症、全身性紅斑性狼瘡、炎症性腸疾患、特発性肺線維症、サルコイドーシス、過敏性肺炎、全身性血管炎、ウェゲナー肉芽腫症を含む)、心臓、肝臓、肺臓、腎臓、骨髄を含む移植、移植片対宿主病、移植拒絶反応、鎌状赤血球貧血、ネフローゼ症候群、OKT3、サイトカイン療法などの薬剤の毒性、及び肝硬変。
【0112】
いったん、対象者が炎症症状を発症させるリスクがある、若しくは炎症症状を有すると決定されたら、又は活性化プロテインCを投与されるべきであると決定されたら、遺伝子配列情報を前記対象者から入手することができる。また別には、遺伝子配列情報は前記対象者から既に入手されているかもしれない。例えば、対象者は他の目的のために生物学的サンプルを既に提供しているかもしれないし、又は彼らの遺伝子情報は完全に又は部分的に決定されてあり将来使用するために保存されてあるかもしれない。遺伝子配列情報は多くの多様な方法で入手することができ、遺伝物質(genetic material)、特に問題の配列を含む遺伝物質を含む生物学的サンプルの収集物を含むことができる。身体サンプルを収集し、遺伝物質を前記サンプルから抽出する多くの方法が当分野で知られている。遺伝物質は、血液、組織及び毛髪並びに他のサンプルから抽出することができる。生物学的材料からDNAとRNAを別々に単離する多くの公知の方法が存在する。典型的には、DNAは、最初にサンプルを溶解させるときに生物学的サンプルから単離することができる。続いて前記溶解物からDNAを種々の多段階プロトコル(種々の時間を要しうる)のいずれかにしたがって単離する。DNA単離にはフェノールの使用が必要であろう(J. Sambrook et al. “Molecular Cloning”, Vol.2, pp.9.14-9.23, Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989) 及びFrederick M. Ausubel et al. “Current Protocols in Molecular Biology”, Vol.1, pp.2.2.1-2.4.5, John Wiley & Sons, Inc. (1994)。典型的には、生物学的サンプルは洗剤溶液中で溶解され、溶解物中のタンパク質成分はプロテイナーゼで12−18時間消化される。次に、溶解物をフェノールで抽出して細胞成分の大半を除去し、残余の水相をさらに処理してDNAを単離する。別の方法では、Van Nessら(米国特許5,130,423号)が記載したように、核酸の単離に非腐食性(non-corrosive)フェノール誘導体が用いられる。その結果物は、RNAとDNAの混合物である。
【0113】
DNAを単離するための他の方法では非腐食性のカオトロピズム剤が利用される。これらの方法(グアニジン塩、尿素及びヨウ化ナトリウムの使用に基づく)は、カオトロピズム水溶液中での生物学的サンプルの溶解、及びその後の低級アルコールによる粗DNA画分の沈殿を必要とする。沈殿させた粗DNA画分の最終的な精製は、カラムクロマトグラフィー(Analects, Pharmacia Biotech (1994) vol.22, No.4)又はKoller(米国特許5,128,247号)が記載したように多価陰イオン含有タンパク質への粗DNAの暴露を含むいくつかの方法のいずれかによって達成することができる。
【0114】
DNA単離のさらに別の方法(D.D.L. Botwell(Anal Biochem (1987) 162:463-465)が記載)は、6Mの塩酸グアニジン中で細胞を溶解させ、2.5体積のエタノールの添加により酸性pHで溶解物からDNAを沈殿させ、さらにエタノールでDNAを洗浄することを必要とする。
【0115】
RNA及びDNAの両方を単離するための他の多数の方法が当分野では知られている。例えば、Chomczynski(米国特許5,945,515号)が記載した方法では、遺伝物質はほんの20分で効率的に抽出することができる。Evans and Hugh(米国特許5,989,431号)は、中空膜フィルターを用いるDNA単離方法を記載している。
【0116】
いったん、対象者の遺伝物質を対象者から入手したら、続いて前記遺伝物質を、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、転写仲介増幅(TMA)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、核酸配列依存増幅(NASBA)又は当分野で公知の他の方法によってさらに増幅し、続いてさらに分析して問題の配列内の一以上の多型又は変異の有無を検出又は決定することができるが、ただし入手した遺伝物質が問題の配列を含むことを条件とする。表1A−Dに記載したように、プロテインCパスウェイ関連遺伝子配列内の変異の有無の決定は関心がもたれよう。問題の配列はまた他の変異を含むことがあり、また問題の変異の周辺の配列をいくらか含んでいてもよい。
【0117】
ヌクレオチドアイデンティティの検出ないし決定、又は一以上の一ヌクレオチド多型の存在の検出ないし決定(SNPタイピング)は、当分野で公知の多数の方法又はアッセイのいずれかによって達成することができる。DNAタイピングのための多くの方法論がSNPの検出に有用である。SNP遺伝子型決定反応ないしアッセイの大半が4つの大きなグループの1つに割り当てることができる(配列特異的ハイブリダイゼーション、プライマー伸長、オリゴヌクレオチド連結(ligation)及び侵襲切断)。さらにまた、各タイプの反応生成物の分析/検出のために多数の方法が存在する(例えば蛍光、ルミネッセンス、質量測定、電気泳動など)。さらにまた、反応は溶液中又は固形状支持体(例えばガラススライド、チップ、ビーズなど)上で生じえる。
【0118】
一般的には、配列特異的ハイブリダイゼーションは、ハイブリダイゼーションプローブを必要とする(前記は1ヌクレオチドの位置で相違する2つのDNA標的をハイブリダイゼーションによって識別することができる)。通常、プローブ配列の中央の位置に多型塩基が存在するプローブが設計され、これによって最適なアッセイ条件下では完全にマッチしたプローブ標的ハイブリッドのみが安定であり、1塩基ミスマッチを有するハイブリッドは不安定である。検出と配列の識別を1つにまとめる戦法は“分子信号”の使用であり、これにより、ハイブリダイゼーションプローブ(分子的標識、beacon)は、3'及び5'レポーター並びにクェンチャー分子、並びに相補的な3'及び5'配列を有し、その結果、適切な結合標的が存在しない場合、介在配列のために前記プローブはヘアピンループを形成するであろう。前記ヘアピンループはレポーター及びクェンチャーを極めて近接した状態で維持し、その結果、発光団(fluorophor)(レポーター)を消光させ蛍光放出を減少させる。しかしながら、分子的標識が標的とハイブリダイズすると、発光団及びクェンチャーは十分に引き離され、発光団の蛍光の放出を可能にする。
【0119】
同様に、プライマー伸長反応(すなわちミニシークエンシング、ヌクレオチド特異的伸長、又は簡易PCR増幅)は配列識別で有用である。例えば、ミニシークエンシングでは、プライマーは、SNPの直ぐ上流のターゲットDNAとアニールし、多型部位と相補的な一ヌクレオチドにより伸長される。ヌクレオチドが相補的でない場合は、伸張は開始しない。
【0120】
オリゴヌクレオチド連結アッセイは、1つのSNPに付き2つの配列特異的プローブ及び1つの共通連結プローブを必要とする。共通連結プローブは配列特異的プローブに隣接(adjacent)してハイブリダイズし、適切な配列特異的プローブが完全なマッチを示すとき、リガーゼはこの配列特異的プローブと共通プローブの両方を結合させる。完全なマッチがない場合、リガーゼは配列特異的プローブと共通プローブを結合させることができない。ハイブリダイゼーションに用いられるプローブには二本鎖DNA、一本鎖DNA及びRNAオリゴヌクレオチド並びにペプチド核酸が含まれうる。一ヌクレオチド多型又は数ヌクレオチドが関与する他の変異を同定するためのハイブリダイゼーション方法は、米国特許6,270,961号、6,025,136号及び6,872,530号に記載されている。本発明にしたがって使用される適切なハイブリダイゼーションプローブには、長さが約10から約400ヌクレオチド、また別には約20から約200ヌクレオチド、又は約30から約100ヌクレオチドのオリゴヌクレオチド及びPNAが含まれる。
【0121】
また別には、侵襲切断法は、インベーダー(商標)(InvaderTM)プローブと呼ばれるオリゴヌクレオチド及び配列特異的プローブ(1ヌクレオチドがオーバーラップしつつターゲットDNAとアニールする)を必要とする。前記配列特異的プローブが多型性塩基と相補的であるとき、インベーダーオリゴヌクレオチド3'末端のオーバーラップはFlapエンドヌクレアーゼによって認識され切断される構造を形成し、対立遺伝子特異的プローブの5'アームを遊離させる。
【0122】
5'エキソヌクレアーゼ活性又はTaqManTMアッセイ(Applied Biosystems)は、Taqポリメラーゼの5'ヌクレアーゼ活性に基づく(前記ポリメラーゼはターゲットDNAとハイブリダイズしたオリゴヌクレオチドプローブを移しかえこれを切断して蛍光シグナルを生じる)。多型部位で相違する2つのプローブが要求され、この場合1つのプローブは“正常な”配列と相補的であり、他方は問題の(関心対象の)変異と相補的である。これらのプローブでは異なる蛍光色素が5'末端に結合され、さらにクェンチャーが3'末端に結合され、プローブが無傷(intact)であるときは、クェンチャーは発光団と蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)によって相互作用してプローブの蛍光を消光(クエンチ)する。PCRアニーリング工程で、ハイブリダイゼーションプローブはターゲットDNAとハイブリダイズする。伸張工程では、5'蛍光色素はTaqポリメラーゼの5'ヌクレアーゼ活性によって切断され、レポーター色素の蛍光の増加をもたらす。ミスマッチプローブは断片化されることなく移しかえられる。サンプル中の変異(mutation)の存在は、2つの異なる色素のシグナル強度を測定することによって決定される。
【0123】
配列を識別及び検出する他の多くの方法が当分野で知られていることは理解されよう。それらのいくつかは下記でさらに詳細に記載される。さらにまた、例えばプライマー伸張ミニシークエンシングアレイ、タグ・マイクロアレイ及び配列特異的伸張のような反応はマイクロアレイ上で実施できることも理解できよう。そのようなアレイの1つを用いた遺伝子タイピングのプラットフォームは、微粒子ベースのタグ・イット(Tag-It)高速処理遺伝子タイピングアレイである(S. Bortolin et al. Clinical Chemistry 2004, 50(11):2028-36)。この方法は、PCRとそれに続くユニバーサルタグ付加遺伝子タイピングプライマーによる配列特異的プライマー伸張によってゲノムDNAを増幅する。続いて、タグ・イットアレイ上で生成物を分類し、ルミネックスxMAP系を用いて検出する。
【0124】
変異検出方法には以下が含まれる(ただしこれらに限定されない):制限フラグメント長多型(RFLP)法−RFLPゲル使用分析は、遺伝子内の多型部位における特定の変異の有無を表示するために用いることができる。略記すれば、短いDNAセグメント(典型的には数百塩基対)がPCRによって増幅される。可能な場合には、ある多型が存在するときにはこの短いDNAセグメントを切断するが、多型が存在しないときはこの短いDNAセグメントを切断しない(又はその逆の)特異的な制限エンドヌクレアーゼが選択される。前記PCR増幅DNAをこの制限エンドヌクレアーゼとともにインキュベートした後、続いて電気泳動を用いて反応生成物をゲル分離する。したがって、ゲルを調べたとき、2本の低分子量バンド(低分子量分子は電気泳動中にさらに下方へ泳動する)の出現は、DNAサンプルには特定の制限エンドヌクレアーゼによる切断を許容する多型を有することを示す。対照的に、1本のより高分子量のバンドのみが(PCR生成物の分子量で)観察される場合は、選択した制限エンドヌクレアーゼによって切断することができない多型を最初のDNAサンプルが有している。最後に、より高分子量のバンドと2本の低分子量バンドの両方が見えたら、前記DNAサンプルは両方の多型を含んでおり、したがってDNAサンプル及び伸張による対象者提供DNAサンプルはこの多型についてヘテロ接合性である。
【0125】
シークエンシング−例えばシークエンシングのためのMaxam-Gilbert技術(A.M. Maxam and W. Gilbert, Proc Natl Acad Sci USA (1977) 74(4):560-564)は、末端標識DNAの特異的な化学的切断を必要とする。この技術では、同じ標識DNAの4サンプルをそれぞれ異なる化学反応に付して、DNA分子の優先的切断が特定の塩基アイデンティティ(identity)を有する1つ又は2つのヌクレオチドで実施される。ただ1つの部分的切断が得られるように条件が調整され、したがって各サンプルでDNAフラグメントが生成されるが、DNAフラグメントの長さはそのような切断に付されるヌクレオチドのDNA塩基配列内の位置に左右される。部分的切断を実施した後、各サンプルは種々の長さのDNAフラグメントを含み、その各々は4ヌクレオチドの同じ1つ又は2つで終わる。具体的には、あるサンプルでは、各フラグメントはCで終わり、別のサンプルでは、各フラグメントはC又はTで終わり、第三のサンプルでは各々はGで終わり、四番目のサンプルでは各々はA又はGで終わる。これら4つの反応の生成物をポリアクリルアミドゲルでの電気泳動によってサイズで分けたとき、DNA配列は放射性バンドのパターンから解読することができる。この技術は、標識点から少なくとも100塩基のシークエンシングを可能にする。別の方法はシークエンシングのジデオキシ法であり、これはSangerらによって発表された(Proc Natl Acad Sci USA, (1977) 74(12):5463-5467)。Sanger法は、種々の長さの配列依存フラグメントを合成するDNAポリメラーゼの酵素活性に依存する。フラグメントの長さは、ジデオキシヌクレオチド塩基特異的ターミネーターのランダムな取り込みによって決定される。これらのフラグメントを続いてMaxam-Gilbert方法の場合のようにゲルで分離し、可視化して配列を決定することができる。多数の改善が実施されて上記の方法は洗練され、シークエンシング手順は自動化された。同様にRNAシークエンシング方法もまた知られている。例えば、ジデオキシヌクレオチドによる逆転写を用いて、脳心筋炎ウイルスRNAの配列が決定された(D. Zimmern and P. Kaesberg, Proc Natl Acad Sci USA (1978) 75(9):4257-4261)。D.R. Mills and F.R. Kramer(Proc Natl Acad Sci USA (1979) 76(5):2232-2235)は、RNAのシークエンシングのために連鎖終結メカニズムでQβレプリカーゼ及びヌクレオチド類似体イノシンの使用を記載している。RNAシークエンシングのための直接的化学的方法もまた知られている(D.A. Peattie, Proc Natl Acad Sci USA (1979) 76(4):1760-1764)。他の方法には以下の研究者らの方法が含まれる:Donis−Kellerら(Nucl Acida Res (1977) 4:2527-2538)、A. Simoncsitsら(Nature (1977) 269(5631):833-836)、V.D. Axelrodら(Nuc Acids Res (1978) 5(10):3549-3563)及びF.R. Kramer and D.R. Mills(Proc Natl Acad Sci USA (1978) 75(11):5334-5338)。核酸配列はまた、一ヌクレオチドが蛍光強化マトリックスに含まれるとき、切断ヌクレオチドの天然の蛍光をレーザーで刺激することによって解読することができる(米国特許5,674,743号)。すなわち、ミニシークエンシング反応では、SNPと隣接するターゲットDNAとアニールするプライマーを、多型部位と相補的な一ヌクレオチドを用いてDNAポリメラーゼで伸張する。この方法は、DNAポリメラーゼによるヌクレオチド取り込みの高い正確性を基にしている。プライマー伸張生成物を分析するための種々の技術が存在する。例えば、ミニシークエンシング反応で、標識若しくは非標識ヌクレオチド、dNTPと組み合わせたddNTP、又はddNTPだけ、を使用するか否かは、生成物の検出に選択される方法に依存する。
【0126】
ハイブリダイゼーションに用いられるプローブには二本鎖DNA、一本鎖DNA、及びRNAオリゴヌクレオチド、並びにペプチド核酸が含まれえる。一ヌクレオチド多型又は数ヌクレオチドが関与する他の変異を同定するためのハイブリダイゼーション方法は、米国特許6,270,961号、6,025,136号及び6,872,530号に記載されている。本発明にしたがって使用される適切なハイブリダイゼーションプローブには、長さが約10から約400ヌクレオチド、また別には約20から約200ヌクレオチド、又は約30から約100ヌクレオチドのオリゴヌクレオチド及びPNAが含まれる。
【0127】
蛍光偏光検出による鋳型誘導色素ターミネーターの取り込み(template-directed dye-terminator incorporation with fluorescent polarization-detection, TDI-FP)は大規模スクリーニングのために報告されている(B.D. Freeman et al. J Mol Diagnosis (2002) 4(4):209-215);
オリゴヌクレオチド・ライゲーション・アッセイ(OLA)は、酵素免疫アッセイによって検出される、プローブとポリメラーゼ連鎖反応アンプリコンとアニールしたディテクターオリゴヌクレオチドとの連結を基にしている(M.L. Villahermosa, J Hum Virol (2001) 4(5):238-48;E.L. Romppanen, Scand J Clin Lab Invest (2001) 61(2):123-9;M.A. Iannone et al. Cytometry (2000) 39(2):131-40);
ライゲーション・ローリングサークル・アンプリフィケーション(L−RCA)もまた、文献(X. QI et al. Nucleic Acids Res (2001) 29(22):E116)に記載されたように、一ヌクレオチド多型の遺伝子タイピングに用いて良好な結果が得られている;
5'ヌクレアーゼアッセイもまた一ヌクレオチド多型の遺伝子タイピングに用いて良好な結果が得られている(A. Aydin et al. Biotechniques (2001) 4:920-2, 924, 926-8);
WO0181631に記載されたように、SNPのアイデンティティの決定にポリメラーゼプルーフリーディング方法が用いられる;
酵素増幅電気的形質導入による一塩基対DNA変異の検出はF. Patolskyら(Nat Biotech (2001) 19(3):253-257)が記載している。
【0128】
ジーンチップ技術もまた一ヌクレオチド多型識別のために知られており、これによって多数の多型をただ1つのアレイ上で同時に調査することができる(EP1120646;及びP.N. Gilles et al. Nat Biotechnology (1999) 17(4):365-70)。
【0129】
マトリックス支援レーザー脱離イオン化−飛行時間型(MALDI-TOF)質量分析もまた、マイクロシークエンシング生成物の分析を通して一ヌクレオチド多型の遺伝子タイピングにおいて有用である(L.A. Haff and I.P. Smirnov, Nucleic Acids Res (1997) 25(18):3749-50;L.A. Haff and I.P. Smirnov, Genome Res (1997) 7:378-388;X. Sun et al. Nucleic Acids Res (2000) 28:e68;A. Braun et al. Clin Chem (1997) 43:1151-1158;D.P. Little et al. Eur J Clin Chem Clin Biochem (1997) 35:545-548;Z. Fei et al. Nucleic Acids Res (2000) 26:2827-2828;及びT. Blondal et al. Nucleic Acids Res (2003) 31(24):e155)。
【0130】
配列特異的PCR方法もまた一ヌクレオチド多型の遺伝子タイピングに用いられ良好な結果が得られている(J.R. Hawkins et al. Hum Mutat (2002) 19(5):543-553)。また別には、本明細書に記載するように、一本鎖構造多型(SSCP)アッセイ又は切断フラグメント長多型(CFLP)アッセイを用いて変異を検出することができる。
【0131】
また別には、対象者の配列データが既に判明している場合は、入手工程は、対象者の核酸配列データの検索(例えばデータベースから)及び、前記に続く、一以上の多型部位における対象者の核酸配列の解読による多型部位での核酸の実体又は遺伝子型の決定又は検出を含むことができる。
【0132】
いったん、1つの(又は複数の)多型のアイデンティティが決定又は検出されたら、当該の多型遺伝子型(当該位置のヌクレオチド)を基にして、活性化プロテインC又はプロテインC様化合物の投与に対する(対象者の)問題とする反応に関して指標を得ることができる。本明細書に記載するように、プロテインCパスウェイ関連遺伝子配列における多型を用いて、活性化プロテインC又はプロテインC様化合物処置に対する対象者の反応を予測することができる。活性化プロテインC又はプロテインC様化合物処置に対する対象者の反応を予測する方法は、活性化プロテインCの投与に関して決定を下す際に有用でありえる。
【0133】
プロテインCパスウェイ関連遺伝子内に反応向上型多型を有する対象者の炎症症状を治療ないし処置する方法は本明細書に記載されている。反応の向上には、前記治療ないし処置薬の投与後の向上を含むことができる。これによって対象者は、生存の蓋然性の改善;臓器障害ないし損傷又は臓器の機能不全(ブリュッセルスコア)の蓋然性の減少;APACHE IIスコア、生存日数の改善及び血管収縮薬、筋変力作用薬からの解放;及び全身性機能不全(心脈管系不全、呼吸器不全、通気不全、CNS不全、凝固不全(INR>1.5)、腎臓及び/又は肝臓機能不全)の減少を有することができる。
【0134】
上記に記載したように、遺伝子配列情報又は遺伝子型情報は対象者から入手することができ、この場合、前記配列情報はプロテインCパスウェイ関連遺伝子配列内の一以上の多型部位を含む。さらにまた、以前に記載したように、1人以上の対象者のプロテインCパスウェイ関連遺伝子配列内の一以上の多型の配列アイデンティティを続いて検出又は決定することができる。さらにまた、活性化プロテインC又はプロテインC様化合物の投与に対する(対象者の)問題とする反応は上記に記載したように評価(判定)することができる。例えば、APACHE IIスコアリング系又はブリュッセルスコアを用い、治療ないし処置の前後の対象者のスコアを比較することにより治療ないし処置に対する(対象者の)反応を判定することができる。いったん(対象者の)問題とする反応を判定したら、当該反応を一以上の多型の配列アイデンティティと相関させることができる。(対象者の)問題とする反応を相関させる工程は、さらに対象者の結果のスコア及び多数の対象者の多型の統計解析を含むことができる。
【0135】
グループの説明
セント・ポール病院(Vancouver, BC, Canada)のICUに収容された全ての患者を、(検査対象に)含めるか(inclusion)否かについてスクリーニングした。前記ICUは、三次診療の内科外科混合ICUであり、大学付属の教育病院である。重篤なセプシスは少なくとも2つの全身性炎症反応症候群基準の存在及び感染(源)の判明又は疑いに加えブリュッセル基準(少なくとも軽度、重度又は超重度)による少なくとも1つの新たな臓器の機能不全の存在と定義された。このグループから、我々はXIGRISTM処置を受けた対象者を特定した。前記対象者は重症患者であり、重篤なセプシスを示し、XIGRISTM禁忌ではなく(例えば血小板数>30,000、国際基準比(INR)<3.0)、XIGRISTMで処置された。コントロール(対照)の対象者は重症患者であり、重篤なセプシス(SIRS基準の少なくとも2つ、感染の判明又は疑い有り、及びAPACHE II≧25)、血小板数>30,000、INR<3.0、ビリルビン<20mmol/Lを有し、XIGRISTMで処置されなかった。したがって、コントロール群(XIGRISTM未処置)は、XIGRISTM処置群と比較可能である。
【0136】
遺伝子タイピング
廃棄される全血サンプル(4℃で保存)を病院の検査室から収集した。バッフィーコートを抽出し、サンプルを1.5mLのクリオチューブに移し、バーコードを付し、さらに固有の患者番号により相互参照を施し、-80℃で保存した。DNAはQIAamp DNA Midiキット(Qiagen, Mississauga, ON, Canada)を用いてバッフィーコートから抽出した。フィブリノゲンBベータポリペプチド(FGB)、凝固因子II(F2)、凝固因子IIレセプター(F2R)、凝固因子III(F3)、凝固因子V(F5)、凝固因子VII(F7)、凝固因子X(F10)、プラスミノゲンアクチベータータイプ1(SERPINE1)、プロテインCインヒビター(SERPINA5)、インターロイキン6(IL6)、インターロイキン10(IL10)、インターロイキン12A(IL12A)、腫瘍壊死因子アルファレセプター-1(TNFRSF1A)、血管内皮増殖因子(VEGF)、プロテインC(PROC)及びプロテインCレセプター(PROCR)遺伝子の一ヌクレオチド多型の遺伝子型を決定した。表1Aは、これら遺伝子の各々の完全な名称を示し、遺伝子型が決定された40のハプロタイプタグ多型の完全なリストが提供される。表1Cは、表1Aに列挙した多型の各々のフランキング配列を示す。
【0137】
臨床表現型
我々の第一の結果変数(outcome variable)は28日死亡であった。第二の結果変数は臓器不全であった(表2C)。基準身上調査記録は、年齢、性別、受け入れAPACHE IIスコア(W.A. Knaus et al. Crit Care Med (1985) 13:818-829)、及びICU受け入れに関する内科又は外科診断(APACHE III診断コードに基づく)であった(W.A. Knaus et al. Chest (1991) 100:1619-1636)(表2B)。(患者の)インクルージョン基準に適合した後、ICU受け入れから28日の間、又は退院まで24時間毎(午前8時から午前8時まで)にデータを記録し、臓器不全及びSIRS(全身性炎症反応症候群)及びセプシスの重度を判定した。生の臨床及び検査室変数は、もっとも悪い又はもっとも異常な変数を用いて24時間間隔で記録した(ただしグラスコー昏睡スコアを除く(これについては最良の可能なスコアを24時間毎に記録した))。受け入れ日データについて不明なデータには正常値を割り当て、1日目の後の不明データは、前日の値を繰り上げることによって代置した。各患者のデータ収集が完了したときに、全患者の識別子を全記録から取り除き、患者ファイルに血液サンプルと連関させた固有のランダム数字を割り当てた。この完成した生データファイルを用い、下記の標準的定義により疾患スコアの記述内容及び重篤度を判断した。
【0138】
【表7】

【0139】
【表8】

【0140】
臓器不全は、ブリュッセルスコアを用い基準に対し毎日判定した(W.J. Sibbald and J.L. Vincent, Chest (1995) 107(2):522-7)。ブリュッセルスコアが軽度、重度又は超重度の機能不全であった場合、臓器不全は当該日に存在していると記録された。観察期間中の死亡を修正するために、我々は、生存し臓器不全が存在しない日(数)を計算した(J.A. Russell et al. Crit Care Med (2000) 28(10):3405-11;及びG.R. Bernard et al. Chest (1997) 112(1):164-72)。例えば、心脈管不全の重篤度は、生存し心脈管不全が存在しない日(数)を28日の観察期間にわたって測定することによって評価(判断)した。生存し心脈管不全が存在しない日(数)は、患者が生存し心脈管不全が存在しない受け入れ後の日数として28日間にわたって計算した。したがって、生存し心脈管不全が存在しない日数に関しより低いスコアは心脈管不全がより強いことを示す。生存し心脈管不全が存在しない日数で示す方が、単に心脈管不全の有無よりも好ましい理由は、重篤なセプシスは高い急性死亡率を示し、その結果、早期死亡(28日以内)は死亡患者における心脈管不全の有無の計算を不可能にするからである。臓器不全は、前記のようにして観察調査(34)及び以下の疾患(セプシス、急性呼吸窮迫症候群(G.R. Bernard et al. N Engl Med (1997) 336(13):912-8)及び救急医療(P.C. Hebert et al. N Engl J Med (1999) 340(6):409-17)における新規治療ないし処置法の任意抽出管理臨床試験において判定された。
【0141】
心脈管不全、呼吸器不全及び腎不全をさらに判定するために、我々はまた24時間毎に血管収縮剤支援、機械的通気、及び腎支援をそれぞれ記録した。血管収縮剤の使用は、ドーパミン>5μg/kg/分又は任意用量のノルエピネフリン、エピネフリン、バゾプレッシン又はフェニレフリンと定義された。機械的通気は、挿管及び気道陽圧(すなわちT-ピース及び酸素マスクは機械的通気とはみなされない)と定義される。腎支援は、血液透析、腹腔透析又は任意の持続的腎支援態様(例えば持続的静脈血液透析)と定義される。
【0142】
我々はまた、SIRSの重篤度の累積的測定として、3つ又は4つのSIRS基準の存在を28日の観察期間中毎日採点した。SIRSは、4つのSIRS基準のうち少なくとも2つの基準を対象者が満たすときに存在すると考えた。前記SIRSの基準は以下のとおりであった:1)発熱(>38℃)又は低体温(<35.5℃)、2)頻脈(ベータブロッカーの非存在下で>100心拍動/分)、3)頻呼吸(>20呼吸/分)又は機械的通気の必要性、及び4)白血球増加症(総白血球数>11,000/μL)。
【0143】
ハプロタイプの決定及びhtSNPの選択
我々は、調査遺伝子のハプロタイプ続いてハプロタイプクレード(clade)を決定するために2つの工程を用いた。我々は、非階層化白人遺伝子データ(http://pga.mbt.washington.edu/より)を用いてPHASEソフトウェアによりハプロタイプを推論した(M. Stephens et al. Am J Hum Genet (2001) 68(4):978-89)。続いて我々はMEGA2を用いて系統樹を推論し、主要なハプロタイプクレードを決定することができた(S. Kumar et al. Bioinformatics (2001) 17:1244-1245)。ハプロタイプはこの系統樹にしたがって分類し、このハプロタイプの構造を精査して、主要なハプロタイプクレードの各々にタッグが添付されたSNP、いわゆるハプロタイプタッグSNP(htSNP)(提示していない)を選択した。遺伝子タイピングを実施した多型は表1Aに列挙されている。連鎖解析に含まれた多型は表1Bに列挙され、表1C及び1Dには全てのフランキング配列が示されている。
【0144】
統計解析
両グループで、基準特性の年齢、性別、APACHE II及び外科手術患者のパーセントを記録し、カイ(χ)2乗検定又は適切な場合にはクルスカル-ワリス検定(Kruskal-Wallis test)を用いて比較した。各遺伝子の各SNPについて、XIGRISTM(活性化プロテインC)で治療ないし処置した患者の 28日生存率を、XIGRISTMで処置しなかったコントロール患者とカイ2乗検定を用いて比較した。我々は、2つの基準が満たされたとき、遺伝子型による効果は有意とみなした。第一に、我々は、コントロール群と比較したとき、XIGRISTM処置群で28日生存率が20%以上増加することを要求した。第二に、我々は、この比較についてp<0.1であることを要求した。両基準が満たされたとき、我々は、XIGRISTM処置による28日生存率の増加を予測した多型対立遺伝子又は遺伝子型を“反応向上型多型”(IRP)とみなした。臓器不全の結果は、IRPであり、XIGRISTM処置患者と適合(matched)コントロールとの間でクルスカル-ワリス検定を用いて比較した多型についてのみ、考慮した。
【0145】
結果
基準特性
XIGRISTM処置患者(N=49)及び適合(matched)コントロール(N=250)についての基準特性は表3で提供される。これらは重篤なセプシスを有する患者の年齢、性別及びAPACHE IIスコアの典型である。
【0146】
【表9】

【0147】
生存
結局、40SNPを含む47SNP対立遺伝子又は遺伝子型IRPが同定された(表4)。47IRPの各々による28日生存は表5で提供される。或るIRP対立遺伝子又は遺伝子型を有する患者の場合、XIGRISTM処置患者の生存は、適合コントロールと比較して少なくとも20%高い(各IRPについてP<0.1)。
【0148】
【表10】



【0149】
【表11】



【0150】
IRP患者の臓器不全
XIGRISTM処置患者を特異的なIRP対立遺伝子又は遺伝子型をもつ適合コントロールと比較したとき、生存しかつ種々の臓器不全を示さない日数の有意な改善(P<0.1)が観察された(表6−18)。これは、IRP個体について、XIGRISTM処置は、いくつかの器官系(心脈管(及び血管収縮薬及び筋変力作用薬投与による心脈管支援)、呼吸器(+機械的通気による支援及び急性肺損傷)、腎臓(及び透析手法を用いる腎支援)、凝固(及び延長INR>1.5)及び中枢神経を含む)の機能における改善及び炎症の臨床徴候の減少(生存しSIRSの4基準を示さない日数の増加)をもたらすことを示している。
【0151】
生存し心脈管系不全を示さない日数における有意な改善は、XIGRISTM処置患者と適合コントロールとを28のIRPについて比較したときに認められた(表6)。生存し血管収縮薬を必要としない日数における有意な改善は、XIGRISTM処置患者と適合コントロールとを13のIRPについて比較したときに認められた(表7)。生存し筋変力作用薬を必要としない日数における有意な改善は、XIGRISTM処置患者と適合コントロールとを23のIRPについて比較したときに認められた(表8)。
【0152】
【表12】



【0153】
【表13】

【0154】
【表14】



【0155】
生存し急性肺損傷が存在しない日数で有意な改善は、XIGRISTM処置患者と適合コントロールとを3つのIRPについて比較したときに認められた(表9)。生存し呼吸器不全が存在しない日数で有意な改善は、XIGRISTM処置患者と適合コントロールとを16のIRPについて比較したときに認められた(表10)。生存し機械的通気機器が存在しない日数で有意な改善は、XIGRISTM処置患者と適合コントロールとを29のIRPについて比較したときに認められた(表11)。
【0156】
【表15】

【0157】
【表16】



【0158】
【表17】

【0159】
生存し急性腎不全が存在しない日数で有意な改善は、XIGRISTM処置患者と適合コントロールとを23のIRPについて比較したときに認められた(表12)。生存しいずれの腎不全も存在しない日数で有意な改善は、XIGRISTM処置患者と適合コントロールとを32のIRPについて比較したときに認められた(表13)。生存しいずれの形態の透析による腎支援からも解放された日数における有意な改善は、XIGRISTM処置患者と適合コントロールとを19のIRPについて比較したときに認められた(表14)。
【0160】
【表18】

【0161】
【表19】



【0162】
【表20】



【0163】
生存し凝固不全が存在しない(ブリュッセル血液学的血小板数によって判定)日数で有意な改善は、XIGRISTM処置患者と適合コントロールとをIL10.203334802.C/A及びPROC.127895556.G/A IRPについて比較したときに認められた(表15)。生存しINR>1.5を示さない日数で有意な改善は、XIGRISTM処置患者と適合コントロールとを43のIRPについて比較したときに認められた(表16)。
【0164】
【表21】

【0165】
【表22】



【0166】
生存し神経系機能不全が存在しない日数で有意な改善は、XIGRISTM処置患者と適合コントロールとを11のIRPについて比較したときに認められた(表17)。
【0167】
【表23】

【0168】
生存し4つのうちの3つのSIRS基準が存在しない日数で有意な改善は、XIGRISTM処置患者と適合コントロールとを3つのIRPについて比較したときに認められた(表18)。
【0169】
【表24】

【0170】
非IRP患者の臓器不全とIRP患者の臓器不全との比較
臓器不全はまたIRP患者とIRP以外の対立遺伝子/遺伝子型(表20−33;表19のサンプルサイズ)をもつ患者との間で全てのIRPについて比較された。結果は、(1)適合コントロール群中のIRP患者と非IRP患者との間、及び(2)IRP XIGRISTM処置患者と非IRP XIGRISTM処置患者との間における、生存しある臓器の機能不全が存在しない中央値日数の相違として記録した。実質的に全ての事例で、XIGRISTM処置患者の生存し種々の臓器不全が存在しない日数の平均は、適合コントロールにおける相違よりも大きい。さらにまた、IRP患者では、XIGRISTMで処置されなかったときは、非IRP患者よりも生存し臓器不全が存在しない日数は少ない。対照的に、IRP患者では、XIGRISTMで処置されたときは、非IRP患者よりも生存し臓器不全が存在しない日数は多い。このことは、IRP遺伝子型によって特にXIGRISTMに良好に反応する患者が決定されることを立証している。
【0171】
【表25】



【0172】
心脈管系機能不全については(表20)、平均して、IRP対立遺伝子/遺伝子型を有する適合コントロール患者は、IRP以外の対立遺伝子/遺伝子型を有する患者よりも不良な結果を有する(生存し心脈管不全が存在しない日は-1.3日)。対照的に、平均して、IRP対立遺伝子/遺伝子型を有するXIGRISTM処置患者は、IRP以外の対立遺伝子/遺伝子型を有する患者よりも良好な結果を有する(生存し心脈管不全が存在しない日は+8.7日)。明瞭に、IRP患者は、生存し心脈管不全が存在しない日数の改善に関してXIGRISTM処置によりもっとも利益を受ける。
【0173】
【表26】





【0174】
生存し、血管収縮薬の使用から解放される日については(表21)、平均して、IRP対立遺伝子/遺伝子型を有する適合コントロール患者は、IRP以外の対立遺伝子/遺伝子型を有する患者よりも不良な結果を有する(生存し血管収縮薬の使用から解放される日は-1.3日)。対照的に、平均して、IRP対立遺伝子/遺伝子型を有するXIGRISTM処置患者は、IRP以外の対立遺伝子/遺伝子型を有する患者よりも良好な結果を有する(生存し血管収縮薬の使用から解放される日は+6.5日)。明瞭に、IRP患者は、生存し血管収縮薬の使用から解放される日数の改善に関してXIGRISTM処置によりもっとも利益を受ける。
【0175】
【表27】





【0176】
生存し、筋変力作用薬から解放される日については(表22)、平均して、IRP対立遺伝子/遺伝子型を有する適合コントロール患者は、IRP以外の対立遺伝子/遺伝子型を有する患者よりも不良な結果を有する(生存し筋変力作用薬の使用から解放される日は-1.8日)。対照的に、平均して、IRP対立遺伝子/遺伝子型を有するXIGRISTM処置患者は、IRP以外の対立遺伝子/遺伝子型を有する患者よりも良好な結果を有する(生存し筋変力作用薬の使用から解放される日は+5.3日)。明瞭に、IRP患者は、生存し筋変力作用薬の使用から解放される日数の改善に関してXIGRISTM処置によりもっとも利益を受ける。
【0177】
【表28】



【0178】
生存し、急性肺損傷が存在しない日については(表23)、平均して、IRP対立遺伝子/遺伝子型を有する適合コントロール患者は、IRP以外の対立遺伝子/遺伝子型を有する患者と同じである(生存し急性肺損傷が存在しない日は0.2日)。対照的に、平均して、IRP対立遺伝子/遺伝子型を有するXIGRISTM処置患者は、IRP以外の対立遺伝子/遺伝子型を有する患者よりも良好な結果を有する(生存し急性肺損傷が存在しない日は+4.2日)。明瞭に、IRP患者は、生存し急性肺損傷が存在しない日数の改善に関してXIGRISTM処置によりもっとも利益を受ける。
【0179】
【表29】



【0180】
呼吸器不全については(表24)、平均して、IRP対立遺伝子/遺伝子型を有する適合コントロール患者は、IRP以外の対立遺伝子/遺伝子型を有する患者よりも不良な結果を有する(生存し呼吸器不全が存在しない日は-0.2日)。対照的に、平均して、IRP対立遺伝子/遺伝子型を有するXIGRISTM処置患者は、IRP以外の対立遺伝子/遺伝子型を有する患者よりも良好な結果を有する(生存し呼吸器不全が存在しない日は+8.4日)。明瞭に、IRP患者は、生存し呼吸器不全が存在しない日数の改善に関してXIGRISTM処置によりもっとも利益を受ける。
【0181】
【表30】



【0182】
生存し、機械的通気機器の使用から解放される日については(表25)、平均して、IRP対立遺伝子/遺伝子型を有する適合コントロール患者は、IRP以外の対立遺伝子/遺伝子型を有する患者よりも不良な結果を有する(生存し機械的通気機器の使用から解放される日は-0.5日)。対照的に、平均して、IRP対立遺伝子/遺伝子型を有するXIGRISTM処置患者は、IRP以外の対立遺伝子/遺伝子型を有する患者よりも良好な結果を有する(生存し機械的通気機器の使用から解放される日は+8.8日)。明瞭に、IRP患者は、生存し機械的通気機器の使用から解放される日数の改善に関してXIGRISTM処置によりもっとも利益を受ける。
【0183】
【表31】





【0184】
急性腎不全については(表26)、平均して、IRP対立遺伝子/遺伝子型を有する適合コントロール患者は、IRP以外の対立遺伝子/遺伝子型を有する患者よりも不良な結果を有する(生存し急性腎不全が存在しない日は-2.7日)。対照的に、平均して、IRP対立遺伝子/遺伝子型を有するXIGRISTM処置患者は、IRP以外の対立遺伝子/遺伝子型を有する患者よりも良好な結果を有する(生存し急性腎不全が存在しない日は+12.2日)。明瞭に、IRP患者は、生存し急性腎不全が存在しない日数の改善に関してXIGRISTM処置によりもっとも利益を受ける。
【0185】
【表32】





【0186】
いずれの腎不全についても(表27)、平均して、IRP対立遺伝子/遺伝子型を有する適合コントロール患者は、IRP以外の対立遺伝子/遺伝子型を有する患者よりも不良な結果を有する(生存しいずれの腎不全も存在しない日は-1.9日)。対照的に、平均して、IRP対立遺伝子/遺伝子型を有するXIGRISTM処置患者は、IRP以外の対立遺伝子/遺伝子型を有する患者よりも良好な結果を有する(生存しいずれの腎不全も存在しない日は+10.1日)。明瞭に、IRP患者は、生存しいずれの腎不全も存在しない日数の改善に関してXIGRISTM処置によりもっとも利益を受ける。
【0187】
【表33】



【0188】
生存し腎支援から解放される日については(表28)、平均して、IRP対立遺伝子/遺伝子型を有する適合コントロール患者は、IRP以外の対立遺伝子/遺伝子型を有する患者よりも不良な結果を有する(生存し腎支援から解放される日は-2日)。対照的に、平均して、IRP対立遺伝子/遺伝子型を有するXIGRISTM処置患者は、IRP以外の対立遺伝子/遺伝子型を有する患者よりも良好な結果を有する(生存し腎支援から解放される日は+14.8日)。明瞭に、IRP患者は、生存し腎支援から解放される日数の改善に関してXIGRISTM処置によりもっとも利益を受ける。
【0189】
【表34】



【0190】
凝固不全については(ブリュッセル血液学的血小板数によって判定)(表29)、平均して、IRP対立遺伝子/遺伝子型を有する適合コントロール患者は、IRP以外の対立遺伝子/遺伝子型を有する患者よりも不良な結果を有する(生存し凝固不全が存在しない日は-1.6日)。対照的に、平均して、IRP対立遺伝子/遺伝子型を有するXIGRISTM処置患者は、IRP以外の対立遺伝子/遺伝子型を有する患者よりも良好な結果を有する(生存し凝固不全が存在しない日は+9日)。明瞭に、IRP患者は、生存し凝固不全が存在しない日数の改善に関してXIGRISTM処置によりもっとも利益を受ける。
【0191】
【表35】





【0192】
生存しINR>1.5を示さない日については(表30)、平均して、IRP対立遺伝子/遺伝子型を有する適合コントロール患者は、IRP以外の対立遺伝子/遺伝子型を有する患者よりも不良な結果を有する(生存しINR>1.5を示さない日は-1.7日)。対照的に、平均して、IRP対立遺伝子/遺伝子型を有するXIGRISTM処置患者は、IRP以外の対立遺伝子/遺伝子型を有する患者よりも良好な結果を有する(生存しINR>1.5を示さない日は+5.4日)。明瞭に、IRP患者は、生存しINR>1.5を示さない日数の改善に関してXIGRISTM処置によりもっとも利益を受ける。
【0193】
【表36】



【0194】
神経系機能不全については(表31)、平均して、IRP対立遺伝子/遺伝子型を有する適合コントロール患者は、IRP以外の対立遺伝子/遺伝子型を有する患者よりも不良な結果を有する(生存し神経系機能不全が存在しない日は-2.1日)。対照的に、平均して、IRP対立遺伝子/遺伝子型を有するXIGRISTM処置患者は、IRP以外の対立遺伝子/遺伝子型を有する患者よりも良好な結果を有する(生存し神経系機能不全が存在しない日は+7.3日)。明瞭に、IRP患者は、生存し神経系機能不全が存在しない日数の改善に関してXIGRISTM処置によりもっとも利益を受ける。
【0195】
【表37】





【0196】
急性肝不全については(表32)、平均して、IRP対立遺伝子/遺伝子型を有する適合コントロール患者は、IRP以外の対立遺伝子/遺伝子型を有する患者よりも不良な結果を有する(生存し急性肝不全が存在しない日は-2.3日)。対照的に、平均して、IRP対立遺伝子/遺伝子型を有するXIGRISTM処置患者は、IRP以外の対立遺伝子/遺伝子型を有する患者よりも良好な結果を有する(生存し急性肝不全が存在しない日は+8日)。明瞭に、IRP患者は、生存し急性肝不全が存在しない日数の改善に関してXIGRISTM処置によりもっとも利益を受ける。
【0197】
【表38】



【0198】
生存し4つのうちの3つのSIRS基準が存在しない日については(表33)、平均して、IRP対立遺伝子/遺伝子型を有する適合コントロール患者は、IRP以外の対立遺伝子/遺伝子型を有する患者よりも不良な結果を有する(生存し4つのうちの3つのSIRS基準が存在しない日は-1日)。対照的に、平均して、IRP対立遺伝子/遺伝子型を有するXIGRISTM処置患者は、IRP以外の対立遺伝子/遺伝子型を有する患者よりも良好な結果を有する(生存し4つのうちの3つのSIRS基準が存在しない日は+7.6日)。IRP患者は、生存し4つのうちの3つのSIRS基準が存在しない日数の改善に関してXIGRISTM処置によりもっとも利益を受ける。
【0199】
【表39】



【0200】
結局、非IRP個体と比較して、IRP個体では生存し種々の臓器の機能不全が存在しない日数において顕著な改善があり、重要なことには、この改善は個体がXIGRISTMで処置されたときにのみ観察される。
【0201】
我々は、下記、フィブリノゲンBベータポリペプチド(FGB)、凝固因子II(F2)、凝固因子IIレセプター(F2R)、凝固因子III(F3)、凝固因子V(F5)、凝固因子VII(F7)、凝固因子X(F10)、プラスミノーゲン活性化因子タイプ1(SERPINE1)、プロテインCインヒビター(SERPINA5)、インターロイキン6(IL6)、インターロイキン10(IL10)、インターロイキン12A(IL12A)、腫瘍壊死因子アルファレセプター-1(TNFRSF1A)、血管内皮増殖因子(VEGF)、プロテインC(PROC)及びプロテインCレセプター(PROCR)遺伝子内の多型はXIGRISTM処置に対する反応強化を予測することを報告する。
【0202】
連鎖不平衡解析
XIGRISTMに関して反応が向上していると確認された多型と連鎖不平衡にあることが判明した多型は表1Bに列挙されている。表1Aに列挙した多型と連鎖不平衡にある多型はLD-セレクトアルゴリズムを用いて同定した。前記アルゴリズムは、関心の全遺伝子領域にわたって多型SNP間で連鎖不平衡のパターンを解析する(C.S. Carlson et al. Am J Hum Genet (2004) 74:106-120)、r2≦0.5/小対立遺伝子頻度(MAF)=0.05。LDセレクトで用いられたビンニングアルゴリズムは、我々のIPR SMPに関して0.5以上のr2閾値を越える全てのSNPを同定した。分析を通して0.05の最低マイナー対立遺伝子頻度を用いた。
【0203】
前述の発明は、明瞭な理解のために比較と実(施)例によりかなり詳細に記述してきたが、本発明の教示に照らして、これらに対して変更及び修正が添付の特許請求の精神及び範囲から外れることなく実施しうることは当業者には容易に理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロテインCパスウェイ関連遺伝子(protein C pathway associated gene)に反応向上型多型(an improved response polymorphism)を有する対象者を同定する方法であって、
該方法は、該対象者のプロテインCパスウェイ関連遺伝子配列又は該配列の組み合わせの一以上の多型部位で該対象者の遺伝子型を決定することを含み、該遺伝子型は、活性化プロテインC又はプロテインC様化合物の投与に対する該対象者の反応を示す、方法。
【請求項2】
前記多型部位は、下記、rs1800791; rs3136516; rs253073; rs2227750; rs1361600; rs9332575; rs4656687; rs9332630; rs9332546; rs2774030; rs2026160; rs3211719; rs3093261; rs1799889; rs1050813; rs2069972; rs2069840; rs1800795; rs1800872; rs2243154; rs4149577; rs1413711; rs2069895; rs2069898; rs2069904; rs1799808; rs2069910; rs2069915; rs2069916; rs2069918; rs2069919; rs2069920; rs2069924; rs5937; rs2069931; rs777556; rs1033797; rs1033799; rs2295888; 及びrs867186の一以上、又は、これらと連鎖不平衡にある一以上の多型部位から選択される、請求項1の方法。
【請求項3】
前記反応向上型多型は、下記、rs1800791A; rs3136516G; rs3136516GG; rs253073G; rs253073GG; rs2227750GG; rs1361600GG; rs9332575G; rs4656687T; rs9332630A; rs9332546A; rs2774030AG; rs2026160C; rs3211719G; rs3093261T; rs1799889G; rs1050813A; rs1050813AG; rs2069972TT; rs2069840C; rs1800795G; rs1800872A; rs2243154A; rs2243154AG; rs4149577CT; rs1413711AA; rs2069895AG; rs2069898CT; rs2069904AG; rs1799808CT; rs2069910C; rs2069910CT; rs2069915AG; rs2069916CT; rs2069918A; rs2069918AA; rs2069919AG; rs2069920CT; rs2069924CT; rs5937CT; rs2069931CT; rs777556C; rs1033797C; rs1033799A; rs2295888G; rs867186AG; 及びrs867186Gの一以上、又は、これらと連鎖不平衡にある一以上の多型部位から選択される、請求項1の方法。
【請求項4】
前記多型と連鎖不平衡にある一以上の多型部位は、表1Bに列記された一以上の多型部位から選択される、請求項2又は3の方法。
【請求項5】
活性化プロテインC又はプロテインC様化合物の投与に対する該対象者の反応を示すことが知られている既知の遺伝子型と、前記決定された遺伝子型とを比較することをさらに含む、請求項1ないし4のいずれか一の方法。
【請求項6】
前記対象者のプロテインCパスウェイ関連遺伝子配列情報を得ることをさらに含む、請求項1ないし5のいずれか一の方法。
【請求項7】
前記遺伝子型は、前記対象者からの核酸サンプルを用いて決定される、請求項1ないし6のいずれか一の方法。
【請求項8】
前記対象者からの核酸サンプルを得ることをさらに含む、請求項7の方法。
【請求項9】
前記遺伝子型は、下記の技術:
(a)制限断片長の分析;
(b)シークエンシング;
(c)マイクロシークエンシング・アッセイ;
(d)ハイブリダイゼーション;
(e)インベーダー・アッセイ;
(f)ジーンチップ・ハイブリダイゼーション・アッセイ;
(g)オリゴヌクレオチド・ライゲーション・アッセイ;
(h)ライゲーション・ローリング・サークル・アンプリフィケーション;
(i)5'ヌクレアーゼ・アッセイ;
(j)ポリメラーゼ・プルーフリーディング方法;
(k)アレル特異的PCR;
(l)マトリックス支援レーザー脱離イオン化−飛行時間型(MALDI-TOF)質量分析;
(m)リガーゼ連鎖反応アッセイ;
(n)酵素増幅電気的形質導入;
(o)一塩基対伸長アッセイ;及び
(p)配列データの解読
のうち、一以上を用いて決定される、請求項1ないし8のいずれか一の方法。
【請求項10】
前記対象者は炎症症状で極めて重篤である、請求項1ないし9のいずれか一の方法。
【請求項11】
前記炎症症状は、セプシス(sepsis)、敗血症(septicemia)、肺炎、敗血症性ショック、全身性炎症反応症候群(SIRS)、急性呼吸促迫症候群(ARDS)、急性肺障害ないし損傷、アスピレーション・ニューマニティス(aspiration pneumanitis)、感染症、膵臓炎、菌血症、腹膜炎、腹部膿瘍、外傷による炎症、外科的手術による炎症、慢性炎症性疾患、虚血、器官若しくは組織の虚血再灌流障害ないし損傷、疾患による組織障害ないし損傷、化学療法若しくは放射線療法による組織障害ないし損傷、及び、経口摂取されたか、吸入されたか、注入されたか、注射されたか、若しくは送達(デリバー)(delivered)された物質に対する反応、糸球体腎炎、腸感染症、日和見感染、及び、大手術若しくは透析を受けている対象者、免疫和解状態(免疫が抑制されている状態)(immunocompromised)の対象者、免疫抑制剤の(被投与)対象者、HIV/AIDS罹患者、心内膜炎が疑われる対象者、発熱対象者、原因不明の発熱対象者、嚢胞性線維症罹患者、真性糖尿病罹患者、慢性腎不全罹患者、急性腎不全罹患者、乏尿、急性腎機能障害ないし損傷罹患者、糸球体腎炎、間質性腎炎、急性尿細管壊死(ATN)、対象者、気管支拡張症罹患者、慢性閉塞性肺疾患、慢性気管支炎、肺気腫若しくは喘息罹患者、発熱性好中球減少症罹患者、髄膜炎罹患者、敗血症性関節炎罹患者、尿路感染症罹患者、壊死性筋膜炎罹患者、他のグループA連鎖球菌感染が疑われる対象者、脾臓摘出を受けた対象者、再発性腸球菌感染者若しくは腸球菌感染が疑われる対象者、感染の危険性が高い他の医療及び手術状況、グラム陽性敗血症、グラム陰性敗血症、培養陰性敗血症、真菌性敗血症、髄膜炎菌血症、ポスト−ポンプ・シンドローム(post-pump syndrome)、カーディアック・スタン・シンドローム(cardiac stun syndrome)、心筋梗塞、脳卒中、うっ血性心不全、肝炎、喉頭蓋炎、大腸菌(E.coli)0157:H7、マラリア、ガス壊疽、毒素性ショック症候群、子癇前症、子癇、HELP症候群、マイコバクテリア結核症、ニューモシスティス カリニ肺炎(Pneumocystic carinii)、肺炎、リーシュマニア症、溶血性尿毒症症候群/血栓性血小板減少性紫斑病、デング出血熱、骨盤内炎症性疾患、レジオネラ、ライム病、インフルエンザA、エブスタイン・バーウイルス、脳炎、炎症性疾患及び自己免疫疾患(関節リウマチ、変形関節症、進行性全身性硬化症、全身性紅斑性狼瘡、炎症性腸疾患、特発性肺線維症、サルコイドーシス、過敏性肺炎、全身性血管炎、ウェゲナー肉芽腫症を含む)、心臓、肝臓、肺臓、腎臓、骨髄を含む移植、移植片対宿主病、移植拒絶反応、鎌状赤血球貧血、ネフローゼ症候群、OKT3、サイトカイン療法などの薬剤の毒性、及び肝硬変
から構成される群から選択される、請求項1ないし10のいずれか一の方法。
【請求項12】
前記炎症症状は、SIRS、敗血症及び敗血症性ショックから選択される、請求項1ないし11のいずれか一の方法。
【請求項13】
活性化プロテインC又はプロテインC様化合物の選択的な投与をさらに含み、前記対象者は、一以上の反応向上型多型をプロテインCパスウェイ関連遺伝子配列に有する、請求項1ないし12のいずれか一の方法。
【請求項14】
活性化プロテインC又はプロテインC様化合物を選択的に投与しないことをさらに含み、前記対象者は、一以上の反応向上型多型をプロテインCパスウェイ関連遺伝子配列に有しない、請求項1ないし12のいずれか一の方法。
【請求項15】
炎症症状の治療ないし処置に有用であると知られているか、又は有用であると推測される候補薬剤の有効性を決定する対象者の群を選択するための方法であって、
該方法は、各対象者のプロテインCパスウェイ関連遺伝子配列での一以上の多型部位の遺伝子型を決定することを含み、
前記遺伝子型は前記候補薬剤に対する該対象者の反応を示し、それらの遺伝子型に基づき対象者を分類する、方法。
【請求項16】
前記対象者又は対象者の部分集団(subset)に対して前記候補薬剤を投与すること、及び前記炎症症状から回復する各対象者の能力を決定することをさらに含む、請求項15の方法。
【請求項17】
前記対象者の遺伝子型に基づき、前記候補薬剤に対する対象者の反応を比較することをさらに含む、請求項16の方法。
【請求項18】
必要とされる対象者の炎症症状の治療ないし処置方法であって、
該方法は、前記対象者に対する活性化プロテインC又はプロテインC様化合物の投与を含み、該対象者は反応向上型多型をプロテインCパスウェイ関連遺伝子配列に有する、方法。
【請求項19】
活性化プロテインC又はプロテインC様化合物による炎症症状の治療ないし処置のための対象者を選択(ないし選別)する方法であって、
プロテインCパスウェイ関連遺伝子配列に反応向上型多型を有する対象者を同定するステップを含み、該反応向上型多型を有する対象者の同定は、前記活性化プロテインC又はプロテインC様化合物での前記炎症症状の治療ないし処置に対する反応性の増加を予測する、方法。
【請求項20】
炎症症状の治療ないし処置のための薬物ないし薬剤の製造における活性化プロテインC又はプロテインC様化合物の使用であって、
治療ないし処置される対象者は、反応向上型多型をプロテインCパスウェイ関連遺伝子配列に有する、使用。
【請求項21】
対象(者)の部分集団での炎症症状の治療ないし処置のための薬物ないし薬剤の製造における活性化プロテインC又はプロテインC様化合物の使用であって、
該対象(者)の部分集団は、反応向上型多型をプロテインCパスウェイ関連遺伝子配列に有する、使用。
【請求項22】
対象(者)の危険性の評価として該対象者のAPACHEIIスコアを決定することをさらに含む、請求項18ないし21のいずれか一の方法又は使用。
【請求項23】
対象(者)の危険性の評価として該対象者の臓器系不全の数を決定することをさらに含む、請求項18ないし21のいずれか一の方法又は使用。
【請求項24】
前記対象者のAPACHEIIスコアが25以上の場合に高い危険性を示す、請求項23の方法。
【請求項25】
2以上の臓器系不全は当該の高い危険性を示す、請求項23の方法。
【請求項26】
前記炎症症状は、セプシス(sepsis)、敗血症(septicemia)、肺炎、敗血症性ショック、全身性炎症反応症候群(SIRS)、急性呼吸促迫症候群(ARDS)、急性肺障害ないし損傷、アスピレーション・ニューマニティス、感染症、膵臓炎、菌血症、腹膜炎、腹部膿瘍、外傷による炎症、外科的手術による炎症、慢性炎症性疾患、虚血、器官若しくは組織の虚血再灌流障害ないし損傷、疾患による組織障害ないし損傷、化学療法若しくは放射線療法による組織障害ないし損傷、及び、経口摂取されたか、吸入されたか、注入されたか、注射されたか、若しくは送達(デリバー)(delivered)された物質に対する反応、糸球体腎炎、腸感染症、日和見感染、及び、大手術若しくは透析を受けている対象者、免疫和解状態(免疫が抑制されている状態)の対象者、免疫抑制剤の(被投与)対象者、HIV/AIDS罹患者、心内膜炎が疑われる対象者、発熱対象者、原因不明の発熱対象者、嚢胞性線維症罹患者、真性糖尿病罹患者、慢性腎不全罹患者、急性腎不全罹患者、乏尿、急性腎機能障害ないし損傷罹患者、糸球体腎炎、間質性腎炎、急性尿細管壊死(ATN)、気管支拡張症罹患者、慢性閉塞性肺疾患、慢性気管支炎、肺気腫若しくは喘息罹患者、発熱性好中球減少症罹患者、髄膜炎罹患者、敗血症性関節炎罹患者、尿路感染症罹患者、壊死性筋膜炎罹患者、他のグループA連鎖球菌感染が疑われる対象者、脾臓摘出を受けた対象者、再発性腸球菌感染者若しくは腸球菌感染が疑われる対象者、感染の危険性が高い他の医療及び手術状況、グラム陽性敗血症、グラム陰性敗血症、培養陰性敗血症、真菌性敗血症、髄膜炎菌血症、ポスト−ポンプ・シンドローム(post-pump syndrome)、カーディアック・スタン・シンドローム(cardiac stun syndrome)、心筋梗塞、脳卒中、うっ血性心不全、肝炎、喉頭蓋炎、大腸菌(E.coli)0157:H7、マラリア、ガス壊疽、毒素性ショック症候群、子癇前症、子癇、HELP症候群、マイコバクテリア結核症、ニューモシスティス カリニ肺炎(Pneumocystic carinii)、肺炎、リーシュマニア症、溶血性尿毒症症候群/血栓性血小板減少性紫斑病、デング出血熱、骨盤内炎症性疾患、レジオネラ、ライム病、インフルエンザA、エブスタイン・バーウイルス、脳炎、炎症性疾患及び自己免疫疾患(関節リウマチ、変形関節症、進行性全身性硬化症、全身性紅斑性狼瘡、炎症性腸疾患、特発性肺線維症、サルコイドーシス、過敏性肺炎、全身性血管炎、ウェゲナー肉芽腫症を含む)、心臓、肝臓、肺、腎臓、骨髄を含む移植、移植片対宿主病、移植拒絶反応、鎌状赤血球貧血、ネフローゼ症候群、OKT3、サイトカイン療法などの薬剤の毒性、及び肝硬変
から構成される群から選択される、請求項18ないし25のいずれか一の方法又は使用。
【請求項27】
前記炎症症状は全身性炎症反応症候群である、請求項18ないし26のいずれか一の方法又は使用。
【請求項28】
前記多型部位は、下記、rs1800791; rs3136516; rs253073; rs2227750; rs136100; rs9332575; rs4656687; rs9332630; rs9332546; rs2774030; rs2026160; rs3211719; rs3093261; rs1799889; rs1050813; rs2069972; rs2069840; rs1800795; rs1800872; rs2243154; rs4149577; rs1413711; rs2069895; rs2069898; rs2069904; rs1799808; rs2069910; rs2069915; rs2069916; rs2069918; rs2069919; rs2069920; rs2069924; rs5937; rs2069931; rs777556; rs1033797; rs1033799; rs2295888; 及びrs867186の一以上、又は、これらと連鎖不平衡にある一以上の多型部位から選択される、請求項18ないし27のいずれか一の方法又は使用。
【請求項29】
前記反応向上型多型は、下記、rs1800791A; rs3136516G; rs3136516GG; rs253073G; rs253073GG; rs2227750GG; rs1361600GG; rs9332575G; rs4656687T; rs9332630A; rs9332546A; rs2774030AG; rs2026160C; rs3211719G; rs3093261T; rs1799889G; rs1050813A; rs1050813AG; rs2069972TT; rs2069840C; rs1800795G; rs1800872A; rs2243154A; rs2243154AG; rs4149577CT; rs1413711AA; rs2069895AG; rs2069898CT; rs2069904AG; rs1799808CT; rs2069910C; rs2069910CT; rs2069915AG; rs2069916CT; rs2069918A; rs2069918AA; rs2069919AG; rs2069920CT; rs2069924CT; rs5937CT; rs2069931CT; rs777556C; rs1033797C; rs1033799A; rs2295888G; rs867186AG; 及びrs867186Gの一以上、又は、これらと連鎖不平衡にある一以上の多型部位から選択される、請求項18ないし27のいずれか一の方法又は使用。
【請求項30】
前記多型と連鎖不平衡にある一以上の多型部位は、表1Bに列記された一以上の多型部位から選択される、請求項18ないし29のいずれか一の方法又は使用。
【請求項31】
前記活性化プロテインC又はプロテインC様化合物は活性型ドロトレコジンアルファである、請求項18ないし30のいずれか一の方法又は使用。
【請求項32】
対象者のプロテインCパスウェイ関連遺伝子配列より構成されるヒトのターゲット配列、該ターゲット配列の相補的配列、又は該ターゲット配列のRNA等価物に含まれる配列に対して特異的にハイブリダイズする、約10ないし約400のヌクレオチドの2以上のオリゴヌクレオチド又はペプチド核酸であって、
該オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸は、下記の多型部位:rs1800791; rs3136516; rs253073; rs2227750; rs1361600; rs9332575; rs4656687; rs9332630; rs9332546; rs2774030; rs2026160; rs3211719; rs3093261; rs1799889; rs1050813; rs2069972; rs2069840; rs1800795; rs1800872; rs2243154; rs4149577; rs1413711; rs2069895; rs2069898; rs2069904; rs1799808; rs2069910; rs2069915; rs2069916; rs2069918; rs2069919; rs2069920; rs2069924; rs5937; rs2069931; rs777556; rs1033797; rs1033799; rs2295888; 及びrs867186、又は、これらと連鎖不平衡にある一以上の多型部位
から選択される、プロテインCパスウェイ関連遺伝子配列内の2以上の反応向上型多型の有無を決定する際に機能可能である、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸。
【請求項33】
前記反応向上型多型は、下記:rs1800791A; rs3136516G; rs3136516GG; rs253073G; rs253073GG; rs2227750GG; rs1361600GG; rs9332575G; rs4656687T; rs9332630A; rs9332546A; rs2774030AG; rs2026160C; rs3211719G; rs3093261T; rs1799889G; rs1050813A; rs1050813AG; rs2069972TT; rs2069840C; rs1800795G; rs1800872A; rs2243154A; rs2243154AG; rs4149577CT; rs1413711AA; rs2069895AG; rs2069898CT; rs2069904AG; rs1799808CT; rs2069910C; rs2069910CT; rs2069915AG; rs2069916CT; rs2069918A; rs2069918AA; rs2069919AG; rs2069920CT; rs2069924CT; rs5937CT; rs2069931CT; rs777556C; rs1033797C; rs1033799A; rs2295888G; rs867186AG; 及びrs867186Gの一以上、又は、これらと連鎖不平衡にある一以上の多型部位
から選択される、請求項32のオリゴヌクレオチド又はペプチド核酸。
【請求項34】
前記多型と連鎖不平衡にある一以上の多型部位は、表1Bに列記された一以上の多型部位から選択される、請求項32又は33のオリゴヌクレオチド又はペプチド核酸。
【請求項35】
下記の要素より構成される群から選択される2以上のオリゴヌクレオチド又はペプチド核酸:
(a)86番目の位置にGを有するSEQ ID NO:1を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、86番目の位置にAを有するSEQ ID NO:1を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(b)86番目の位置にAを有するSEQ ID NO:1を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、86番目の位置にGを有するSEQ ID NO:1を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(c)201番目の位置にGを有するSEQ ID NO:2を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にAを有するSEQ ID NO:2を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(d)201番目の位置にAを有するSEQ ID NO:2を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にGを有するSEQ ID NO:2を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(e)201番目の位置にAを有するSEQ ID NO:3を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にGを有するSEQ ID NO:3を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(f)201番目の位置にGを有するSEQ ID NO:3を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にAを有するSEQ ID NO:3を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(g)201番目の位置にGを有するSEQ ID NO:4を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にCを有するSEQ ID NO:4を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(h)201番目の位置にCを有するSEQ ID NO:4を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にGを有するSEQ ID NO:4を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(i)201番目の位置にAを有するSEQ ID NO:5を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にGを有するSEQ ID NO:5を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(j)201番目の位置にGを有するSEQ ID NO:5を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にAを有するSEQ ID NO:5を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(k)201番目の位置にAを有するSEQ ID NO:6を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にGを有するSEQ ID NO:6を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(l)201番目の位置にGを有するSEQ ID NO:6を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にAを有するSEQ ID NO:6を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(m)201番目の位置にCを有するSEQ ID NO:7を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にTを有するSEQ ID NO:7を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(n)201番目の位置にTを有するSEQ ID NO:7を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にCを有するSEQ ID NO:7を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(o)201番目の位置にAを有するSEQ ID NO:8を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にGを有するSEQ ID NO:8を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(p)201番目の位置にGを有するSEQ ID NO:8を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にAを有するSEQ ID NO:8を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(q)201番目の位置にGを有するSEQ ID NO:9を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にAを有するSEQ ID NO:9を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(r)201番目の位置にAを有するSEQ ID NO:9を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にGを有するSEQ ID NO:9を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(s)201番目の位置にAを有するSEQ ID NO:10を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にGを有するSEQ ID NO:10を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(t)201番目の位置にGを有するSEQ ID NO:10を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にAを有するSEQ ID NO:10を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(u)201番目の位置にAを有するSEQ ID NO:11を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にCを有するSEQ ID NO:11を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(v)201番目の位置にCを有するSEQ ID NO:11を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にAを有するSEQ ID NO:11を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(w)201番目の位置にAを有するSEQ ID NO:12を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にGを有するSEQ ID NO:12を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(x)201番目の位置にGを有するSEQ ID NO:12を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にAを有するSEQ ID NO:12を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(y)201番目の位置にTを有するSEQ ID NO:13を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にCを有するSEQ ID NO:13を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(z)201番目の位置にCを有するSEQ ID NO:13を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にTを有するSEQ ID NO:13を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(aa)201番目の位置にGを有するSEQ ID NO:14を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置を欠損するSEQ ID NO:14を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(bb)201番目の位置を欠損するSEQ ID NO:14を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にGを有するSEQ ID NO:14を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(cc)201番目の位置にGを有するSEQ ID NO:15を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にAを有するSEQ ID NO:15を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(dd)201番目の位置にAを有するSEQ ID NO:15を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にGを有するSEQ ID NO:15を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(ee)201番目の位置にCを有するSEQ ID NO:16を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にTを有するSEQ ID NO:16を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(ff)201番目の位置にTを有するSEQ ID NO:16を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にCを有するSEQ ID NO:16を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(gg)201番目の位置にCを有するSEQ ID NO:17を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にGを有するSEQ ID NO:17を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(hh)201番目の位置にGを有するSEQ ID NO:17を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にCを有するSEQ ID NO:17を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(ii)201番目の位置にGを有するSEQ ID NO:18を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にCを有するSEQ ID NO:18を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(jj)201番目の位置にCを有するSEQ ID NO:18を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にGを有するSEQ ID NO:18を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(kk)201番目の位置にCを有するSEQ ID NO:19を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にAを有するSEQ ID NO:19を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(ll)201番目の位置にAを有するSEQ ID NO:19を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にCを有するSEQ ID NO:19を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(mm)201番目の位置にGを有するSEQ ID NO:20を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にAを有するSEQ ID NO:20を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(nn)201番目の位置にAを有するSEQ ID NO:20を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にGを有するSEQ ID NO:20を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(oo)201番目の位置にTを有するSEQ ID NO:21を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にCを有するSEQ ID NO:21を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(pp)201番目の位置にCを有するSEQ ID NO:21を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にTを有するSEQ ID NO:21を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(qq)201番目の位置にAを有するSEQ ID NO:22を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にGを有するSEQ ID NO:22を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(rr)201番目の位置にGを有するSEQ ID NO:22を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にAを有するSEQ ID NO:22を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(ss)51番目の位置にAを有するSEQ ID NO:23を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、51番目の位置にGを有するSEQ ID NO:23を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(tt)51番目の位置にGを有するSEQ ID NO:23を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、51番目の位置にAを有するSEQ ID NO:23を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(uu)51番目の位置にCを有するSEQ ID NO:24を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、51番目の位置にTを有するSEQ ID NO:24を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(vv)51番目の位置にTを有するSEQ ID NO:24を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、51番目の位置にCを有するSEQ ID NO:24を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(ww)51番目の位置にAを有するSEQ ID NO:25を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、51番目の位置にGを有するSEQ ID NO:25を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(xx)51番目の位置にGを有するSEQ ID NO:25を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、51番目の位置にAを有するSEQ ID NO:25を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(yy)201番目の位置にCを有するSEQ ID NO:26を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にTを有するSEQ ID NO:26を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(zz)201番目の位置にTを有するSEQ ID NO:26を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にCを有するSEQ ID NO:26を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(aaa)201番目の位置にCを有するSEQ ID NO:27を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にTを有するSEQ ID NO:27を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(bbb)201番目の位置にTを有するSEQ ID NO:27を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にCを有するSEQ ID NO:27を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(ccc)201番目の位置にAを有するSEQ ID NO:28を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にGを有するSEQ ID NO:28を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(ddd)201番目の位置にGを有するSEQ ID NO:28を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にAを有するSEQ ID NO:28を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(eee)201番目の位置にCを有するSEQ ID NO:29を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にTを有するSEQ ID NO:29を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(fff)201番目の位置にTを有するSEQ ID NO:29を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にCを有するSEQ ID NO:29を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(ggg)201番目の位置にAを有するSEQ ID NO:30を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にGを有するSEQ ID NO:30を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(hhh)201番目の位置にGを有するSEQ ID NO:30を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にAを有するSEQ ID NO:30を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(iii)201番目の位置にAを有するSEQ ID NO:31を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にGを有するSEQ ID NO:31を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(jjj)201番目の位置にGを有するSEQ ID NO:31を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にAを有するSEQ ID NO:31を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(kkk)201番目の位置にCを有するSEQ ID NO:32を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にTを有するSEQ ID NO:32を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(lll)201番目の位置にTを有するSEQ ID NO:32を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にCを有するSEQ ID NO:32を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(mmm)501番目の位置にCを有するSEQ ID NO:33を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、501番目の位置にTを有するSEQ ID NO:33を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(nnn)501番目の位置にTを有するSEQ ID NO:33を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、501番目の位置にCを有するSEQ ID NO:33を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(ooo)201番目の位置にCを有するSEQ ID NO:34を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にTを有するSEQ ID NO:34を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(ppp)201番目の位置にTを有するSEQ ID NO:34を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にCを有するSEQ ID NO:34を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(qqq)201番目の位置にCを有するSEQ ID NO:35を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にTを有するSEQ ID NO:35を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(rrr)201番目の位置にTを有するSEQ ID NO:35を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にCを有するSEQ ID NO:35を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(sss)201番目の位置にCを有するSEQ ID NO:36を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にTを有するSEQ ID NO:36を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(ttt)201番目の位置にTを有するSEQ ID NO:36を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にCを有するSEQ ID NO:36を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(uuu)201番目の位置にCを有するSEQ ID NO:37を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にTを有するSEQ ID NO:37を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(vvv)201番目の位置にTを有するSEQ ID NO:37を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にCを有するSEQ ID NO:37を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(www)201番目の位置にCを有するSEQ ID NO:38を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にAを有するSEQ ID NO:38を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(xxx)201番目の位置にAを有するSEQ ID NO:38を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にCを有するSEQ ID NO:38を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(yyy)201番目の位置にAを有するSEQ ID NO:39を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にGを有するSEQ ID NO:39を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(zzz)201番目の位置にGを有するSEQ ID NO:39を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にAを有するSEQ ID NO:39を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(aaaa)201番目の位置にAを有するSEQ ID NO:40を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にGを有するSEQ ID NO:40を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(bbbb)201番目の位置にGを有するSEQ ID NO:40を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイズするが、201番目の位置にAを有するSEQ ID NO:41を含む核酸分子に対してはハイブリダイズしない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;
(cccc)表1Dに列記された多型から選択されるいずれかの多型の第一対立遺伝子を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイゼーション可能であるが、表1Dに列記された多型から選択されるいずれかの多型の第二対立遺伝子を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイゼーション可能でない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸;及び
(dddd)表1Dに列記された多型から選択されるいずれかの多型の第二対立遺伝子を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイゼーション可能であるが、表1Dに列記された多型から選択されるいずれかの多型の第一対立遺伝子を含む核酸分子に対して、ストリンジェンシーが高い環境下でハイブリダイゼーション可能でない、オリゴヌクレオチド又はペプチド核酸。
【請求項36】
固体状支持体に付着(attach)されるオリゴヌクレオチド又はペプチド核酸のアレイであって、請求項35に記載の2以上のオリゴヌクレオチド又はペプチド核酸を含むアレイ。
【請求項37】
2以上のオリゴヌクレオチド又はペプチド核酸のアドレッサブル・コレクション(addressable collection)を含む組成物であって、該2以上のオリゴヌクレオチド又はペプチド核酸は、配列番号1-243に記載の2以上の核酸分子又はそれらのコンプリメント(compliments)、断片、変種(variants)若しくは類似体から本質的に構成される、組成物。
【請求項38】
さらに、下記:検出可能な標識;クエンチャー;モビリティ・モディファイャー(mobility modifier);ターゲット配列に対して5'若しくは3'又はターゲット配列に対して5'及び3'に位置するコンティギュアス非ターゲット配列(contiguous non-target sequence)
の一以上を含む、請求項32ないし37のいずれか一のオリゴヌクレオチド又はペプチド核酸。

【公表番号】特表2009−523014(P2009−523014A)
【公表日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−549732(P2008−549732)
【出願日】平成19年1月12日(2007.1.12)
【国際出願番号】PCT/CA2007/000054
【国際公開番号】WO2007/079592
【国際公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(503265094)ザ ユニバーシティ オブ ブリティッシュ コロンビア (17)
【Fターム(参考)】