説明

活性化加工面を有する口腔組織処置用装置

反復運動機構及びエネルギー(例えば、電磁放射線)放出源を用いて実施するることのできる、活性化加工面を有するマウスピースが開示される。マウスピースは、歯の変色及び歯周病などの状態の検出、処置及び管理を提供するために用いられることができる。実施は、薄型マウスピース又は上下の歯の前側だけを覆うマウスピースを含むことができる。他の組合せとしては、患者の歯の上下の列の一部又は全てを同時に覆うのに適した全口腔用の実施を含むこともできる。活性化加工面は、剛毛で構成された表面トポグラフィを含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
歯のホワイトニング手順のような処置を促進するために、発光要素を有するか又は用いたマウストレイをはじめとする種々のマウストレイが従来技術に存在している。
【発明の開示】
【0002】
例えば、反復運動機構及びエネルギー(例えば、電磁波放射線)放出源のうちの1つ又はそれ以上を用いて実施される活性化加工面(activated textured surface)と連結されたマウスピース又は舌のラップ(wrap)のようなキャリアが提供される。キャリアは、口腔トレイ、口腔バンド又はインサート、口腔テープ又はラップ、任意の既知の歯列矯正構造体(例えば、ブレース)、他の同様の構造体、及びそれらの組合せのうちの1つ又はそれ以上を含むことができ、例えば、歯の変色、組織損傷、歯周病、腫瘍、疼痛、口臭及び気管支炎を含む様々な状態の検出、処置及び/又は管理を提供するために用いられることができる。例えば、1つの組合せとして、薄型口腔マウスピースを含むことも、又、他の例として、上下の歯の前側(例えば、口の前側に面する、正面から見える面)だけを覆うマウスピースを含むこともできる。他の組合せとして、患者の歯の上下の列の部分又は全てを同時に覆うのに適した全口腔マウストレイを含むこともできる。活性化加工面は、剛毛を含む表面トポグラフィを含むことができる。
【0003】
ここに記載されているいずれの特徴又は特徴の組合せも、そのような組合せに含まれる特徴が、文脈、本明細書、及び当業者の知識から明らかに相互に矛盾しなければ、本発明の範囲内に含まれる。さらに、いずれの特徴も又は特徴の組合せも、本発明のどの実施形態からも特別に除外することができる。本発明を要約する目的のために、本発明の態様、利点及び新規な特徴が説明される。もちろん、そのような態様、利点及び特徴の全てが必ずしも本発明のすべての特定の実施において具現化されるのではないことは理解されるべきである。本発明の他の利点及び態様は、以下の詳細な説明及び添付の特許請求の範囲で明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0004】
ここで本発明の現時点での好ましい実施形態を詳細に参照し、その例は付随の図面に示されている。同じ又は同様の部分を指すために、図面及び説明のどこにおいてもできるだけ同じ又は類似の参照番号が使われる。図は簡略化された形であり正確な縮尺ではないことに留意すべきである。本明細書における開示に関しては、利便性及び明確化のみ目的で、上(top)、下(bottom)、左(left)、右(right)、上に(up)、下に(down)、真上に(over)、上方に(above)、下方に(below)、真下に(beneath)、後方(rear)及び前方(front)のような方向を示す語は、付随の図面に関して用いられる。そのような方向を示す語は、いかなる方法によっても本発明の範囲を制限するものと解釈されるべきではない。
【0005】
本明細書の開示は、特定の例証されている実施形態を参照するが、これらの実施形態は、例として提示されているのであり、限定する目的で提示されているのではないということを理解するべきである。以下の詳細な説明の意図は、例示的な実施形態について論じているとはいえ、添付の追加的な開示(例えば、特許請求の範囲の形で)によって定義されるような本発明の精神及び範囲内に入る限りは、実施形態の全ての改変、代替及び等価物を包含すると解釈されるべきである。本明細書において説明され、又は引用により組み入れられたプロセス・ステップ及び構造は、本明細書で説明される実施のための完全なプロセス・フローを網羅してはいないということを理解して認識するべきである。本発明は、従来から当該分野で用いられている種々の医用装置と併用して使用されることができ、本発明の理解を提供するために必要なものに限って、一般的に実施されている方法のステップが本明細書に含まれている。
ここに記載されているいずれの特徴又は特徴の組合せも、そのような組合せに含まれる特徴が、文脈、本明細書、及び当業者の知識から明らかに相互に矛盾しなければ、本発明の範囲内に含まれる。
【0006】
本明細書の開示は、口腔の組織(すなわち、硬組織及び軟組織)の表面を処置するための活性化加工面を有する装置の使用に関するが、本発明の装置及びプロセスはそのような使用に限られない。本発明の装置は、身体の細胞組織上又は組織内に加工面の自動化運動を適用することから利益を得られるどのような医学的目的にも用いられ、又はそのための使用に応じて改変されてもよい。
【0007】
本発明の装置は通常、例えば、反復運動機構及びエネルギー(例えば、電磁放射線)放出源のうちの1つ又はそれ以上を用いて実現できる活性化加工面に連結された、マウスピース又は舌のラップのようなキャリアを含むことができる。
キャリアは、口腔トレイ、口腔バンド又はインサート、口腔テープ又はラップ、任意の既知の歯科矯正構造体(例えば、ブレース)、他の同様の構造体、及びそれらの組合せのうちの1つ又はそれ以上を含むことができ、例えば、歯の変色、組織損傷、歯周病、腫瘍、疼痛、口臭及び気管支炎を含む種々の状態の検出、処置及び/又は管理を提供するために用いられることができる。例えば、1つの組合せとして、薄型口腔トレイを含むことも、又、他の例として、下の歯の後ろ側(例えば、口の後側に面する、正面から見えない面)だけを覆うトレイを含むこともでき、その場合、1つの例示的な実施によれば、トレイは、複数の歯の位置を整えるか又は他のやり方で歯の位置に影響を与える歯列矯正のハードウエアを含む。他の組合せとして、例えば、患者の歯の上下の列の部分(例えば、口の前側に面する、正面から見える面)又は全てを同時に覆うのに適した全口腔トレイを含むこともできる。いくつかの例示的な実施形態では、キャリアは、図1−図7Bで描写されている形状又は図8A及び図8Bで示されている形状を含むことができる。
【0008】
活性化加工面は、撹拌、洗浄又は他の表面処理、及びそれらの組合せを促進させるのに適したものとして当業者に公知の、波形、剛毛、突起、穴、他の表面のうちの1つ又はそれ以上を含む、表面トポグラフィを含むことができる。スポンジ、織物、ブラシ、スチールウール、歯ブラシ、他の洗浄表面又は拭取り表面、及びそれらの組合せのうちの1つ又はそれ以上の表面トポグラフィ又はそれらの類似物を、種々の既知の材料を用いて実装することができる。例えば、レーヨン/ポリプロピレンの織物又はスポンジ、ポリエステル織物及びポリエステル編物のうちの1つ又はそれ以上を含む、家庭用の洗浄用、拭取り用、又はスクラブ用のパッドの表面トポグラフィを、同じ又は異なる材料を用いて実装することができる。特殊加工面は、他の例として、1つ又はそれ以上のプラスチック、シリコン、硬化デュロメータ・ゴム又はステンレス鋼の突起部又は陥凹部によって定められた表面トポグラフィを有するシリコン又はゴムベースの材料を含むことができる。
【0009】
反復運動機構は、表面破壊(disrupting)機構、機械的運動機構、加工面を活性化させる(例えば、反復運動を促進する)ための他の実施、及びそれらの組合せのうちの1つ又はそれ以上を含むことができる。特定の実施形態では、加工面は、例えば、運動力を加工面に与える要素を用いて活性化されることができる。その要素は、例えば、電動又は振動装置によって、振動又は音響(例えば、超音波)運動を促進させることができる。電動装置は、例えば、バッテリ又は電源コードによって電力が供給される電気機械式装置を含むことができ、振動装置は、例えば、キャリアの上又は内部に形成された水力又は圧電式の器具(implementation)を含むことができる。他の実施形態では、加工面の運動又は加工面に対する運動を促進する(例えば、伝達する)ための、利用者の手、道具、又はキャリアと連結される(例えば、取付けられる又は接触して配置される)ことができる他の器具のような外部の源からもたらされる運動を実施することができる。
【0010】
加工面を活性化させるために、エネルギー(例えば、電磁放射線)源を、単独で、又は、運動機構と組み合わせて用いることができる。特定の実施では、エネルギー源は、少なくとも1つの光源を含むことができ、キャリア上に配置されるか、又は、例えば光ファイバを介してキャリアに導かれることができる。典型的な実施形態では、光源は、単独又は複数の波長(例えば、可視、赤外など)のコヒーレント光又は非コヒーレント光のうちの1つ又はそれ以上を放出するように構成されることができ、発光ダイオード、光ファイバ・パネル、電気化学発光材料、光ファイバ束、及びその組合せの1つ又はそれ以上を含むことができる。エネルギー源は、加工面及び組織表面のうちの1つ又はそれ以上に対して処置線量のエネルギー(例えば、電磁エネルギー)を放出するための任意の既知の器具を含むことができる。一実施形態によれば、エネルギーは、例えば、磁気療法を実施するために、全部又は一部が(例えば、キャリア内の磁石からの、又はキャリア内で電気的に活性化された)磁力として供給されてもよい。特定の実施形態では、エネルギーは、電流、電圧、音響(例えば、音波)、又は(例えば、振動、超音波又は他の音響手段を用いた)振動エネルギー、上述のような電磁エネルギー、反応エネルギー(例えば、化学反応から生じるエネルギー)のうちの1つ又はそれ以上を含むことができる。
【0011】
本明細書で用いられる場合、「処置線量(treatment dose)」という用語は、加工面又は組織表面で、所望の化学(例えば、反応時間を増大させる)反応又は他の(例えば、アブレーション)反応を達成し、及び/又は、組織表面の組織の上又は組織中で1つ又はそれ以上の治療効果又は他の意図された効果(例えば、より良い血液循環又は疼痛の緩和)をもたらすのに十分な、電磁エネルギーの量及び濃度を指すことが意図される。特定の実施では、キャリアを用いて(例えば、キャリアから伝送される光を介して)低出力光線療法(LLLT)を組織に施すことが有益である場合がある。処置出力密度は比較的低く、例えば、テニス肘、顎関節(TMJ)又は腱炎などの処置に用いられる出力密度と同様であり、代表的な実施形態では以下の値を下回る特性値を有する。処置される組織表面の出力密度約1.47W/cm2、組織内の出力密度約0.39W/cm2、エネルギー線量約23.6J/cm2(60秒のレーザ露光に対して)、及び/又は、処置される組織の内部で約9J及び表面で約33.5Jのエネルギー。キャリアが歯列矯正構造体(例えば、ブレース)を含む実施形態では、LLLTを実施し、患者が歯列矯正構造体から受ける疼痛を軽減するために、電磁放射線源が組み込まれても良い。LLLTは、本明細書に記載のようにキャリアの上又は内部に配置された電磁放射線源、及び/又はキャリアから離して別に配置された電磁放射線源から発することができ、所定の持続時間の間、連続的に又は所定の期間に(例えば、歯列矯正構造体が締めつけられるときに)実施されることができる。
歯磨剤が電磁放射線源と併用される実施形態によれば、歯磨剤は、例えば、反応性薬剤(例えば、ペルオキシ化合物)を含んでもよく、電磁放射線源の波長は、所望の反応又は結果(例えば、歯のホワイトニングの増強)を生じさせるために、その薬剤に対応して選択される。一実施形態では、電磁放射線源は緑色光を発するように選択される、緑色光は、過酸化水素ベースの歯磨剤に対し、他の赤などの色よりも優位に又は強く相互作用する可能性のあることが本発明者により発見されている。
【0012】
改変された実施形態では、キャリア(例えば、マウスピース)の一部又は全ては、電気化学発光材料又は他の「暗闇で光る」タイプの材料のような発光化合物を含むことができ、それは、種々の位置及び構成でキャリア内に埋め込まれてもよく、又はキャリアの材料の一部又は全てと一体化して形成されてもよい。付加的に、又は代替的に、キャリアの一部又は全ては、透明の材料で形成されてもよい。
電磁放射線は、ペースト、ゲル、クリーム、又は粉末といった歯磨剤と組合されてもよく、又は組合されなくてもよく、そして、例えば、硬組織又は軟組織の上又は内部の細菌の洗浄又は低減、血液循環又は組織の治癒の促進、虫歯の抑制、歯のホワイトニング、歯の無機質脱落の防止、歯のエナメル質又は象牙質のエッチング、及びその他の同様の方法のうちの1つ又はそれ以上を含む、口腔処置を促進することができる。
【0013】
本明細書で用いられる場合、電磁放射線又は電磁エネルギーは、単色又は多色の放射線又はエネルギーを指す。好ましい実施形態では、電磁放射線は、光放射線又は光エネルギーを指す。電磁放射線は、例えば、組織に対する治療効果又は他の効果を高めるために、処置線量で送達されることができる。1つの例では、歯のホワイトニング剤のような光感受性薬剤の反応速度を高めることができる。本発明の一態様によると、電磁放射線は、紫外線を実質的に含まなくてよい。さらに、電磁放射線の波長は、約300ナノメートルと990ナノメートルとの間、又は約1ミクロンまでに設定されることができる。電磁放射線を発生させるために用いられる適切な方法は、上述のものに加えて、例えば、単色電磁放射線を発生させる半導体レーザ、又は、多色又は代替的に単色電磁放射線を放出する発光ダイオード(LED)を含むことができる。レーザ源の非限定的な例は、Nd:YAGレーザを含むことができるが、例えば、紫外、可視及び赤外線スペクトルの種々の波長を有する他の種々のレーザが、単独に又は組合せて実装されてもよい。
【0014】
運動機構は、電磁放射及び/又は歯磨剤と組合せて(例えば、同時に又は断続的に)又は組合せずに実装することができ、本明細書に記載された作用又は効果のどれを高めるか変更してもよく、及び/又は処置される組織に他の作用又は効果を与えることができる。与えることができる作用又は効果は、数例を挙げると、(a)歯肉又は舌のような軟組織の洗浄又はマッサージ、(b)硬組織の洗浄(例えば、細菌、歯石、結石、又は歯垢の除去)又はホワイトニングの促進、(c)表面の撹拌、(d)反応効果の増強(例えば、歯の上の過酸化物洗浄剤の酸化の増強)、(e)血液循環又は組織の他の特性の増強、(f)組織を(低出力光線療法(LLLT)と共に行うことができるような)他の処置に対してさらに受容的にすること、(g)局所的添加剤(例えば、麻酔剤又は医薬)に対する組織の吸収を高めること、(h)増強された口臭の検出(例えば、口臭の検出又は処置の速度又は精度を補助することができる、より高い空気循環)又は増強された処置(例えば、高められた洗浄効果)のうちの、1つ又はそれ以上を含む。
例えば、細菌、歯石、結石、及び/又は歯垢の除去を通じて歯のような硬組織の洗浄を促進する場合、キャリアは、利用者の歯を自動的に洗浄(例えば、ブラッシング)するための活性化(例えば、可動式(moving)、及び/又は通電式(energized))加工面(例えば、剛毛)を有するマウスピースの形で提供されることができる。家庭又は診療所のどちらかで、マウスピースが挿入及び/又は活性化されると、利用者の歯は、単独で、又は本明細書に記載されているような歯のホワイトニング手順又は器具と併用されて、ブラッシング及び/又は洗浄されることができる。
【0015】
一実施形態は、マウスピースの挿入及び活性化の後の利用者の側の活動をほとんど、特定の実施ではほぼ全く必要とせずに利用者の歯を磨く、振動マウスピース又はマウストレイを含む。そのような通電式の歯洗浄用マウスピースは、特定の実施によれば、一旦口に入れたら利用者は手動の歯ブラシのようにマウスピースをあちこちに動かす必要がないという利点を提供することができる。実際、従来の電動歯ブラシでも通常は、歯磨き手順全体の間に利用者の側で手を動かし、口の中であちこち動かすことを必要とする。
ゆえに、本発明の通電式マウスピースは、例えば、特定の例示的な実施によると、一旦口に入れられると、例えば、その装置がブザーを鳴らすまで、及び/又は停止するまでそこに置いたままにすることができるため、患者にとって、より扱いやすいものとなることができる。
【0016】
さらに、本明細書に記載のいずれの電子入出力装置又は機能も通電式マウスピースと共に作動可能であるので、利用者が歯磨きの代わりに通電式マウスピースを操作している間に、例えば、メモパッド又は予定リストが利用者に対して再生されてもよく、利用者はそのとき両手が自由なので、洗浄手順の間に他の作業をすることができる。本明細書で説明される歯磨き及び/又は洗浄マウスピースは、利用者が歯を洗浄するために歯ブラシを用いる代わりに、又はそれに加えて、利用者によって実施されることができる。
【0017】
剛毛に加えて、又はその代替として、マウスピースは、例えば、マウスピースの上若しくは内部に、又はマウスピースと併用して設けられた、振動若しくは音響(例えば、音波)ベースの洗浄構造体若しくは機能、又は他の運動若しくはエネルギー構造体及び機能などの、本明細書に記載の他の任意の加工面及び/又はエネルギー源をどのような順列又は組合せで含むこともできる。通電式マウスピース用の歯磨剤は、当業者に既知であり本明細書に記載されているようなゲル又はペーストを含むことができる。さらに、洗浄、ホワイトニング、すすぎなどなどのような1つ又はそれ以上の異なる効果を促進させるために、マウスピース内で流体を循環又は運動させることが、提供又は促進される。
【0018】
本発明の装置は、例えば、所望の又は所定の手順のステップ又は患者のプロトコル又は要求に従って、例えば、電磁放射線源及び/又は運動機構の任意の特性又は機能のうちの1つ又はそれ以上を制御するために、回路及び/又はマイクロプロセッサ(例えば、コンピュータチップ)と共に提供されることもできる。さらに、回路は、例えば、電子入出力装置及び検出器の任意の特性のうちの1つ又はそれ以上を制御するように構成されることができ、電子入出力装置及び検出器のうちのどちらか又は両方をキャリアと組み合わせて(例えば、連結されて)用いることができる。
電子入出力装置は、例えば、音声再生及び/又は録音システム並びに映像再生及び/又は録音システムのうちの1つ又はそれ以上を含むことができる。特定の実施では、検出器は、インピーダンス、電流、又は微小電圧検出器、磁気検出器、(例えば、振動超音波、又は他の音響エネルギーを用いた)音波検出器、(例えば、光散乱を用いた)光学検出器、可視化装置(例えば、シングル・フレーム又はビデオカメラ)、及び気体検出器のうちの1つ又はそれ以上を含むことができる。検出器は、例えば、口腔適用の場合、虫歯、歯周病、気管支炎、腫瘍、又は口臭のような組織の状態を検出するために用いられることができる。
【0019】
本発明の態様によれば、検出器をキャリアと組み合わせて用いて、キャリアに接触した、又はキャリア近傍に配置された(例えば、比較的近接した)組織の状態を検出することができる。検出器は、キャリアと作動可能に(例えば、物理的に又はデータ通信で)連結されてもよく、されなくてもよい。例示的な実施形態では、検出器は、(例えば、レーザの出力端又はその近くで)電磁放射線源と連結されるか又は電磁放射線源上に配置されることができる。特定の実施によれば、検出器は、キャリアの内部又はその露出面の上に配置されることができる。例示的な実施形態では、検出器は、キャリア内に成形することができる。例えば、組織の抵抗/電流/微小電圧、磁気、音響(例えば、音波)及び光学応答のうちの1つ又はそれ以上を検出することによって少なくとも1つの組織の状態を識別するための検出器を、キャリア内に埋め込むことができる。特定の実施形態では、検出器は、キャリアと作動可能に連結されるが、キャリアの内部又は表面上のどちらにも配置されなくてもよい。例えば、検出器は、例えば、対象(例えば、利用者の歯又は歯肉)の歯垢、結石(歯石)又は虫歯といった、組織の状態又は組織の位置に関する情報(例えば、カメラの場合は視覚的情報)の検出、識別又は収集を促進するために、可視化(例えば、一体型又は独立型のビデオカメラ)、インピーダンス、電流又は電位、磁気、ソナー及び光学的器具のうちの1つ又はそれ以上を用いることができる。
【0020】
代替的な実施形態によると、検出器は気体検出器を含むことができ、これは、単独で、又は前述の検出器、構造体及び器具のいずれかと組み合わせて実装され、且つ、例えば、利用者の歯の口臭のような組織の状態又は組織の位置に関しての空気で運ばれる情報の(例えば、当該分野で公知のように、所定の事項又は化学物質の存在について標的組織の近くの空気を試料採集することによる)検出、識別又は収集を促進するように構成され、その後、例えば、その状態に対処するために前述されたような方法でキャリアを磨剤(例えば、消毒剤又は洗浄剤を含む)と共に装着することができる。
【0021】
対象(例えば、組織)の性質(例えば、処置可能な状態の存在)を識別するために、インピーダンス、電流、電位、磁気、音響(例えば、音波)、光及び空気で運ばれる、データ及び信号を実施するためのアーキテクチャ及び信号処理プロトコルは、当業者には公知であり引用により本明細書に組み入れられる。一実施形態では、視覚化装置は、日本の長野県にあるRFSYSTEMlab社によって製造され、www.rfsystemlab.comに掲載されているような口腔内ビデオカメラを含むことができる。口腔内ビデオカメラは、1つ又はそれ以上の組織の状態を明らかにする(例えば、視覚的に区別する)ように設計された波長及び関連する回路を有する、1つ又はそれ以上の光源を有するように構成されることができる。1つ又は複数の波長を有する光源は、単独で、又は組織に施用された着色剤と併用されて口腔内の組織に向けられたときに、虫歯のような組織の状態の確認を促進するように作動することができる。
【0022】
対象(例えば、組織)上又はその近傍の処置可能な状態(例えば、歯垢、結石又は虫歯の存在)に関連して(例えば、検出の後に)、キャリア上、キャリア内部、又はキャリアと接続/通信して、或いはキャリアから離れて、処置の実施(treatment implementation)を構成する(装備、活性化又はプログラムする)ことができる。処置の実施は、例えば、対象への適用のための実施も含み、活性化加工面、化学物質(例えば、有機酵素)、流体、音響(例えば、超音波)、空気研磨(air−abrasion)、及びレーザ・エネルギーのうちの1つ又はそれ以上を含むことができる。例えば、歯の上に歯垢が存在する処置条件の場合、処置の実施は、振動(oscillating)及び/又は振動(vibrating)する加工(例えば、剛毛を植毛した)面、歯磨剤内の化学的歯垢除去剤、及び/又は音響(例えば、超音波)、空気研磨、又はレーザ・エネルギーのうちの1つ又はそれ以上を利用した歯垢除去の実施を含むことができる。処置の実施は、全体に又は部分的に、キャリアの製造時又は組立時に、又はそうでなくても処置可能な状態の検出前に、及び/又は処置可能な状態の検出後に構成されることができる。さらに、その構成は、1つ又はそれ以上の所定の基準に基づくことができ、及び/又は処置可能な状態の検出に対応する情報に基づくことができる。さらに、処置の実施は、対象の上に比較的一様に適用されるように構成することもできるし、特定の位置、例えば、処置可能な状態を含むことが検出された(例えば、視覚的に観察された)か、又はそれ以外の方法で識別または決定された位置に対して、より集中した処置(例えば、歯垢除去作業)を提供するような方法で適用されるように構成することもできる。他の実施形態では、処置の実施は、1つ又はそれ以上の、(a)前述の処置の実施のいずれか、及び(b)(少なくとも一部は)キャリア以外の構造体又は方法を用いて、例えば、利用者の手を介して、対象に対し全体に又は部分的に適用することができる1つ又はそれ以上の加工面(それは、キャリアの一部であってもなくてもよく、且つ活性化されることができる)、化学物質、流体、音響(例えば、超音波)、空気研磨、及びレーザ・エネルギーを含む。このように、処置の実施は、キャリア、及び利用者の手によるなどのキャリア以外の実施のうちの1つ又はそれ以上を用いて対象に適用されることができる。
【0023】
例示的な実施形態によれば、キャリアの検出器(例えば、光学検出器)は、組織の状態(例えば、利用者の舌の切り傷)を識別することができ、その後、前述のように、処置(例えば、LLLT)が組織に向けられる。処置に先立って、(a)電子入出力装置による(例えば、キャリアの充電及び/又は消毒ステーション、キャリア、キャリアの部品(例えば、キャリアと通信する電子入出力装置)、又は独立型の部品(キャリアとは離れた可視化装置)に配置されたスピーカ及び/又はディスプレイを介した)プロンプト、及び(b)利用者による確認入力、のうちの1つ又はそれ以上を行うことができる。或いは、処置は、プロンプト及び/又は利用者の入力なしに(例えば、自動的に)開始されることができる。
【0024】
他の実施形態では、問題となる組織領域の状態又は位置に関する情報の検出、識別又は収集に引き続き、問題となる組織領域を処置するために反復プロセスを用いることができる。例えば、組織の状態の位置情報が収集され、入出力装置を介して利用者に通信され、その後、上述のように処置が行われ、その後、前述の収集、通信及び処置ステップの1つ又はそれ以上の繰り返しが行われる。特定の実施形態では、問題となる組織領域の状態又は位置に関する情報の検出、識別又は収集に引き続き、問題となる組織領域の状態又は位置に関する情報の検出、識別又は収集をさらに促進するために、反復プロセスを用いることができる。例えば、単純な実施では、検出器が処置可能な状態を含んでいそうな領域の上を通過すると、前述のスピーカが、可聴の指標(例えば、警告音)を発することができ、それにより、そのような情報を利用者に信号で伝えること及び/又はその領域の更なる検出に正当な根拠があり得ることを利用者に信号で伝えることができる。検出器がインピーダンス、電流、電位、磁気、音響(例えば、音波)、光、視覚及び気体のうちの1つ又はそれ以上の検出を実施し、且つ、利用者の手によって口腔組織表面の上を動かせるワンドを含む例によれば、可聴の指標は、その部分の更なる検出に正当な根拠があり得ることを利用者に信号で伝えることができ、その場合、利用者は、可聴指標が発せられたときにワンドが位置していた場所の近くにワンドを戻すことができる。特定の実施形態では、ワンドがその領域に再び位置したときに別の可聴指標が発せられ、及び/又は、その領域の更なる検出に正当な根拠があり得ることが再度利用者に信号で伝えられ、その場合、利用者は、最新の可聴指標が発せられたときワンドが位置していた場所の近くに再びワンドを戻すことができる。
【0025】
本発明の一態様によれば、進行した虫歯、歯周病、口臭又は腫瘍状態が検出されたような場合に、処置可能な状態を専門家(例えば、歯科医)に委ねるべきだという指標(例えば、可聴又は視覚的な文章メッセージ又は警告)を提供するように、電子入出力装置を構成することができる。例えば、検出された処置可能な状態が家で利用者によって処置できる又はそうすべきか、及び/又はその状態は専門家に委ねるべきかに関して、ガイダンス(例えば、可聴の音色又は視覚的色調及び/又は言葉によるメッセージ)を利用者に提供するために、閾値の尺度を電子入出力装置にプログラミングすることができる。
【0026】
他の実施によれば、電子入出力装置は、キャリアの充電及び/又は消毒ステーション、キャリア、キャリアの部品(例えば、キャリアと通信する電子入出力装置)、又は独立型の部品(例えば、キャリアとは分離した電子入出力装置)のうちの1つ又はそれ以上の上に配置された、追加の機能、及び、そのような機能にアクセスするためのユーザ・インターフェイス(例えば、スピーカ、ディスプレイ及びキーのうちの1つ又はそれ以上)を含むことができる。
【0027】
ディスプレイを(例えば、キャリアの充電及び/又は消毒ステーションの一部として)利用する実施形態では、ディスプレイは、メークアップ・ミラーの一部であってもよく、又はメークアップ・ミラーをさらに含んでもいてもよい(例えば、メークアップ・ミラーと取替え可能)。例えば、2面の回転可能なパネルは、第1の面にメークアップ・ミラー、及び第2の面にディスプレイを有することができる。スピーカ及び/又はディスプレイを(例えば、キャリアの充電及び/又は消毒ステーションの一部として)利用する実施形態では、ディスプレイは、付加的又は代替的に電話及び/又はテレビ電話の機能を有することができる。
スピーカ及び/又はディスプレイを(例えば、キャリアの充電及び/又は消毒ステーションの一部として)利用する他の実施形態は、予め録音されたボイス・セグメント又は利用者の写真のような利用者情報を示すようにプログラムされることができる。複数の器具(例えば、キャリア)を含む実施形態では、スピーカ及び/又はディスプレイは、そのとき装置から取り出された器具を所有する利用者独自の、予め録音されたボイス・セグメント、文字メッセージ、又は、写真(例えば、可視化装置でキャプチャされた)を示すようにプログラムされることができる。このように、利用者が自身の所有する器具を取り出したときにスピーカ又はディスプレイによって発せられたボイス・セグメント、文字メッセージ、又は写真は、取り出された器具が本当にその利用者のものであることの照合を提供することができる。
【0028】
追加的な機能は、語彙若しくは外国語のレッスン、音楽、ニュース、又は他の録音済み若しくはリアル・タイムの内容のような、聴覚及び/又は視覚情報を再生する能力を含むことができる。
特定の実施形態では、内容は、利用者よって電子入出力装置に(例えば、前日の夜に利用者によって録音されたメモの形で)録音されることができ、また、他の実施では、内容の再生は、利用者定義のタイマでセットされた継続時間に応じて実施される。例えば、一例として、語学のレッスンを、所定の時間又は装置の使用毎に利用者が選択した時間(例えば、2分間)の間、再生することができ、それにより、利用者は、再生時間(例えば、2分間)の間、口腔手順を実行(例えば、キャリアを装着する、又はブラッシング又は歯間掃除をする)しようと努力することができる。
【0029】
電子入出力装置は、インターネット、イーサネット(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)などのような当業者に公知の通信プロトコルを用いて、個人用携帯型情報端末(PDA)、パーソナルコンピュータ、手持ち式及び他のポータブルのメディア再生装置のような他のコンピュータ・コンポーネントと(例えば、ワイアレス、USB,RJ11、RJ45、及び他のポートを介して)インターフェイス接続するように構成することができる。典型的な実施形態は、例えば、MP3再生能力、Eメール・アプリケーション及びカレンダー・アプリケーションを含む。ゆえに、前述のプロセスのいずれに関するデータも、電子入出力装置に、又は電子入出力装置から(例えば、Eメールを介して)電子的に伝達することができる。例えば、進行した虫歯又は口臭が検出されたような場合、処置可能な状態を専門家(例えば、歯科医)に委ねるべきだと決定するに際して、電子入出力装置は、自動的に、又は利用者の管理下で関連情報を専門家に送ることができる。
【0030】
図示された実施形態をさらに詳細に参照すると、図1は、前述のような構造体及び機能のいずれかを有するキャリアの斜視図を提示し、口腔装置10の関連において図示されている。図1で示されるように、口腔装置10は、人の歯に嵌合するように構成された口腔トレイ12を有する。例えば、口腔トレイ12は、図示されているように、人の上歯に嵌合することができる。口腔トレイ12は、一般用又は特注設計とすることができる。口腔トレイは、人の口の内部に嵌められ、上歯又は下歯の全て又はその一部を覆うことができる。典型的な実施形態では、口腔トレイは、典型的には運動選手によって装着されるマウス・ガードのように、上下の歯の両方に嵌合することができる。図解された実施形態では、口腔トレイ12は、外側壁16と内側壁18との間に位置する歯床14を含む。歯は歯床14の中に置かれることが意図されている。従って、外側壁16は、歯の外側面と被験者の頬の間に置かれ、内側壁18は、被験者の歯の内側面と口腔との間に置かれることになる。
【0031】
本発明のキャリア(例えば、口腔トレイ)は、ゴム、並びにポリエチレン、ポリリプロピレン及び酢酸エチルビニルなどのプラスチックを含む任意の適切な材料から製造することができる。キャリアは、例えば、歯科用トレイの製造で用いられる従来の方法を用いて製造することができる。例えば、特注の口腔トレイは、被験者の歯の印象を作ることによって形成することができ、その印象に対して真成形空又は熱成形を行うことができる。図1Aで示されるように、口腔トレイ12は、複数のLED22のような電磁放射線源20を含むことができる。LED22は、LEDから放出されるエネルギーが被験者の歯の外面に向かって放出されるように、口腔トレイの外側壁の内部に沿って周上に配置される。図示されている実施形態では、LED22は、光源パネル24に取り付けられている。従って、LED22は、キャリア(例えば、トレイ)の上又は内部に埋め込まれ、成形され、載せられ、植込まれ、又はそれ以外のやり方で結合された、LEDのストリップ又はアレイとして設けることができる。LEDアレイは、側面装着LED(図2)、表面装着LED(図3)、又は側面装着及び表面装着のLEDの組合せを含むことができる。適切なLEDの一例としては、一般に入手できるMarktech Optoelectronics社(アメリカ合衆国、ニューヨークのLatham)の1005シリーズのLEDが挙げられる。
【0032】
図1から図3では、LEDが電磁放射線源として図示されているが、他の電磁放射線源も、本明細書に記載のいずれのキャリアとも共に用いることができる。他の電磁放射線源の例としては、熱放射素子、LED、レーザ又はレーザ・ダイオード、アークラ灯、白熱灯、ハロゲンランプ、ネオンランプ、及び蛍光源のうちの1つ又はそれ以上が挙げられるが、それらに限定されるものではない。電磁放射線源は、例えば、紫外線から可視、赤外線までの電磁放射線を放出することができる。一実施形態では、赤外スペクトルエネルギーを実施することができる。
LED22は,比較的透き通った又は透明な材料で覆うことができる。透明材料は、図1Aで示されるように、LED22と歯の外側面との間に配置される透明パネル28として設けることができる。しかしながら、透明材料は、図1Cで示されるように、口腔トレイの表面にすることもでき、独立した透明パネルを備えなくともよい。パネルが人の口の湾曲に合致することができるように、透明材料は可撓性で成形可能なものとすることができるの。透明材料は、電磁放射線源からの光のほとんどを歯の表面に対して放出するように構成することができる。適切な透明材料の一例は、成形可能な可撓性のプラスチックである。透明パネル28は、光源パネル24を覆って、口腔トレイに対して成形され、埋め込まれ、又は取り付けられることができる。透明パネル28は、また、LEDを損傷から保護することもできる。加えて、追加的な支持又は保護を提供するために、透明の樹脂26を透明パネル28とLED22との間に設けることもできる。
LED22のような光源は、例えば、歯1本につき1つのLEDのように、所定の距離で設けられてもよく、又は、図1Bで示されるように、比較的接近して設けられてもよい。LED22の特定の間隔は、所望の処置(例えば、ホワイトニング又は洗浄)がキャリア及び/又はLEDから放出される電磁放射線によって提供されるように最適化するように、決定及び選択されることができる。
【0033】
図1Dは、透明パネル28で覆われた光源パネル24を含むキャリア(例えば、口腔トレイ22)の一部が描かれている。放出される電磁放射線の有効性及び効率は、光源パネル24の発光しない側に向けて置かれた反射パネル34のような反射体(例えば、図1Eから図1G)を追加することにより強化することができる。鏡及び箔を含めて任意の適切な反射体を用いることができる。反射体は、光の全てではないとしてもそのほとんどを歯の表面の方に反射して戻させる材料から作ることができる。図1Fは、光源パネル24の上の1つの透明パネル28と、反射パネル34の下に置かれたもう1つの透明パネル28とを有するキャリアの一部を示す。この追加の透明パネルは、光源パネルに対し追加の保護及び構造を提供することができる。図1Gでは、光源パネル24の発光側と透明パネル28との間に配置された拡散パネル32が示されている。拡散パネル32は、光を拡散させ、歯の表面に向けて、より均一な光の放出を提供するように作用することができる。加えて、拡散パネル32は、特に多色光源を用いる装置では、光の波長を分離させる偏光子であってもよい。
【0034】
図2で示されるように、側面装着LEDが用いられる場合、接続部30は光源パネル24の中に延びることができる。表面装着LEDが用いられる場合(図3)、接続部30は、光源パネル24の表面上に設けられることができる。図4Aは、電磁放射線源20を含む口腔トレイ12のような口腔装置10を図示する。図示されている実施形態では、電磁放射線源20は、口腔トレイ12の内部に配置されている。図示されている実施形態は、電磁放射線源20の中に延びる光ファイバ束44も含んでいる。図4Bは、電磁放射線源が口腔トレイ12に対して外部に置かれていること以外は図4Aの口腔装置と同様の口腔装置10を図示している。従って、光ファイバ束44は、電磁放射線源20と口腔トレイ12との間に配置される。光ファイバ束44は、エネルギー源からの光を1つ又はそれ以上の光ファイバに向ける働きをする。
【0035】
図4A及び図4Bの口腔装置は、1つ又はそれ以上の光ファイバ42の層(図4C及び図4D)又は光ファイバ管を含む光源パネル24を利用する。光ファイバは、一緒に織られていてもよい。複数の層は、電磁放射線源からのエネルギーの使用の効率をより高め、光源パネルから標的組織領域(例えば、歯磨剤及び歯)に放出される光の輝度及び均一性を高めることができる。光ファイバ織物のパネルは口腔トレイに成形され、又は埋め込まれることができる。他の例では、光は、パネルの一方の側から比較的高強度で放出されることができ、反射パネルを、光ファイバ織物の外側層に取付けて設けることができる。図1の実施形態と同様に、歯の表面での光の均一性を高めるために、拡散パネルを設けることができる。適切な光ファイバ・パネルの一例は、その内容が、参照により本明細書に組み入れられる、LIGHT EMITTING PANEL ASSEMBLIESという表題の米国特許第5,613,751号に開示されているような、Lumitex(登録商標)パネル(アメリカ合衆国、オハイオ州、ストロングビルのLumitex社)である。
図4Eは,光ファイバ・パネル42が透明パネル28で覆われている本発明の1つの装置を図示している。図4Fは同様の装置を示すが、反射パネル34を含むものである。図4Gは、図4Cの四角形4Gの部分を示し、拡散パネル32が透明パネル28と光ファイバ・パネル42との間に配置されている。図4Hは図4Gと同様であるが、反射パネル34の下方に追加の透明パネル28を示している。図4Iは、図4Dの四角形4Iの部分に沿って取られたものであり、光ファイバ・パネル28の下方の光源パネル24を示す。
【0036】
図9から図13dは、利用者の歯の自動的な洗浄(例えば、ブラッシング)又はホワイトニングのための活性化(例えば、可動及び発光)加工面を設けたキャリア及び関連の構造体の改変された実施形態を示す。家庭又は診療所でキャリアを挿入及び活性化すると、利用者の歯を処置する(例えば、ホワイトニング及び/又は清浄する)ことができる。図示された実施形態は、キャリアの挿入及び活性化の後は利用者の側の努力をほとんど又は全く必要とせずに利用者の歯を処置(撹拌及びホワイトニング)する振動キャリアを含む。
例えば、ここで具体化されているように、加工面をその上に形成することができる振動キャリアの内部壁面は、本明細書に記載の機能のいずれかを実行するために、上述の電磁放射線源(例えば、光ファイバ・パネル42)のうちの1つ又はそれ以上を含むことができる。電磁放射線源は、外部から電力供給されてもよく、及び/又は、例えば振動キャリアの駆動部領域(例えば、後述の駆動部ボックス)内の電磁放射線(例えば、光)又は他の電力(例えば、バッテリ)の供給源の1つ又はそれ以上から電力供給されてもよい。
【0037】
振動マウスピースを利用者の口に挿入し、且つ、処置を促進するために、例えば、活性化加工面の振動及びそこからの発光を可能にするように活性化した後、活性化加工面は、処置される利用者の組織(例えば、歯)に影響を与える(例えば、接触する)。図示されている実施形態では、活性化加工面は、振動マウスピースを利用者の口に挿入したときに、利用者の口の内部の処置が必要とされる組織(例えば、硬組織又は軟組織)に接触するか又は他の方法でその組織を処置するように設計され又は意図された位置で、振動キャリアの内部壁面に対し固定されるか、又は内部壁面と共に形成される。
【0038】
図示されている実施形態によれば、活性化加工面は剛毛を含む。典型的な実施形態は、当業者に公知の種々の製造技術のいずれかを用いて内部壁面に形成及び固定された剛毛を含む。内部壁面は、当業者に公知の種々の製造技術を用いて、振動マウスピースの内部壁面から延びるように、内部壁面に面一取付けされた、及び/又は内部壁面に一体的に形成された剛毛を有することができる。例えば、剛毛は、振動マウスピースの内部壁面の中にオーバーモールドされることができる。剛毛は、図示されているように、典型的には、内部壁面から垂直に延びるように作られることになる。図示されている実施形態では、振動マウスピースは、少なくとも1つの透明な壁(例えば、剛毛を保持するための内部壁面)を含むことができる。剛毛は、一実施形態では、透明な構造を含むことができ、典型的な実施形態では、剛毛は、標準的な歯ブラシで見られる長さより短い(例えば、長くても25%の)長さを有する。
【0039】
図9から図13dに図示されているように、振動キャリアは、少なくとも人の歯の一部に嵌合するように形成された振動マウスピースの形で提供されることができる。例えば、図示されている振動キャリアは、処置(例えば、ホワイトニング)のために、人の上及び下の前歯に嵌合することができる。振動キャリアは、一般用又は特注設計とすることができ、或いは成形可能とすることができる(例えば、上下の可動アームによって曲げることが可能であり、これは、当該技術分野で公知の曲げ可能な金属を含むことができる)。典型的な実施形態では、1つの振動キャリアが、上下の歯の両方に嵌合することができる。
前述のような構造及び機能(例えば、発光)のいずれか1つ又はそれ以上を有するように構成されることのできる、振動マウスピースの形状の振動キャリアの斜視図が、図9に示される。図示されている実施形態は、利用者の前歯に適合するか、或いは利用者の歯の全て若しくは実質的に全て、又はそれらの歯の組のいずれかの列の上部若しくは下部だけに適合する大きさを有することができる。さらに、振動マウスピースは、利用者の口及び歯の湾曲に合うように(例えば、曲げ可能な金属を含む上下の可動アームによって)曲げることができる。
【0040】
図9のポケット又はハウジングの上部、下部、後部及び2つの側部は全て、中空ではない(solid)壁を有することができる。これらの5つの側部は全て、剛毛と同じように、利用者の口内に嵌め込まれる。一方、図のページに面している、すなわち剛毛の方向とは反対の方向であるハウジングの前側は開いていることが望ましい。矩形の形状で描かれているが、他の形及び大きさも同様に実施できる。
図10a、図10b、図11a及び図11bは、共に、図9の線10−10’の方向から見た側面図である。図10a及び図10bのハウジングの図は、ハウジングの開放側からハウジングの中空ではない後側までの範囲に及ぶ。言い換えると、図9の図は、ハウジング又はポケットの後側又は閉鎖側を示し、図10a及び図10bは、ハウジング又はポケットの開放側又は開口部を示す。図10aで示される歯及び剛毛は、もちろん振動マウスピースの図示されている前面の後ろ(例えば、利用者の口内)に位置する。また、図10a及び図10bには上下の溝が示されている。図10a及び図10bで図示されている上下の溝は、振動マウスピースの前面内に配置されているので、それらは、図9の矢印10−10’の方向から見ることができる。
【0041】
図11a及び図11bは、後でさらに詳細に説明される前部組立体及び駆動部領域(例えば、ボックス)を描いている。図11aにおいては、前部組立体は、駆動部ボックスの前に直接整列しているので、以下に述べるように、駆動部ボックスの唯一見える部分は駆動部ボックスの左側及び右側の2つの耳である。前部組立体は、上下の可動アームを有する。上下の可動アームは、振動マウスピースの前面内の上下の溝に対応し(例えば、相補的に形作られ)、その中に嵌合する。前部組立体に関しては、それは、これらの2つの図で描かれているように、例えば、概ね平らで僅かに湾曲した(例えば、弓形の)形を有することができる。前部組立体の外側面(例えば、図11aで示される面、並びに図13a及び図13bの右側に示される面)はさらに、上下の可動アームと共に一体的に形成されてもよく、又は上下の可動アームに取り外し可能に接続されてもよく、上下の可動アームは図で示されるような細長い構造体として具体化することができる。概ね平らで僅かに湾曲した部材は、さらに、以下に説明されるように、駆動部パッドと連通する被駆動(例えば、金属及び/又は磁気)パッドを含むように形成されることができる。
【0042】
上下の可動アームは、モータ又は他の運動伝達器具によって動力を供給されることができ、それにより、対応する上下の溝に機械的な力を供給し、その運動が次に、剛毛に伝達される。図示されている実施形態では、運動伝達器具は、誘導結合及び/又は被駆動パッドと連通する駆動部(例えば、磁気)パッドのような電動力によって動力供給される。駆動部パッドはハウジング内に置かれ、これもまたはハウジング内に置かれたバッテリによって電力供給されることができる。運動伝達器具は、駆動部ボックス及び前部組立体(上下の可動アームはその一部である)を含むことができる。
図示されるように、駆動部ボックスは、ハウジング内に嵌合し、また、前部組立体(上下の可動アームはその一部である)を収容する。矩形の形状で描かれているが、他の形状及び大きさの駆動部ボックスも同様に実施できる。駆動部ボックスのハウジング内への嵌合に関しては、駆動部ボックスは、例えば、ハウジングの対応する上、下、左、右及び後側に接触し、その上に置かれる、上、下、左、右及び後側を含むことができる。ハウジングと同様に、駆動部ボックスの前側は、開放された状態とすることができる。駆動部ボックスによる前部組立体(上下の可動アームを含む)の収容に関しては、図示されている実施形態では、駆動部ボックスの左側及び右側は、前部組立体を駆動部ボックスに対して位置決めし、保持するように作動する、連結器を含むことができる。
特定の図示された実施形態によれば、連結器はまた、前部組立体が駆動部ボックスに対して運動することを可能にするように作動することもできる。例えば、連結器は、駆動部ボックスに対して、前部組立体が固定され又はピボット運動することを可能にする構造体を含むことができ、及び/又は前部組立体が直線方向に摺動又は移動することを可能にする構造体を含むことができる。特定の実施形態では、連結器は、前部組立体がその周りをピボット運動できるようにする軸を含むことができ、及び/又は前部組立体がそれに沿って移動するために軌道を含むことができる。駆動部ボックスに対する前部組立体のピボット運動は、上下の可動アームのうちの1つ又はそれ以上の運動によって引き起こされ、同様に、前部組立体の並進運動は、上下の可動アームのうちの1つ又はそれ以上の対応する運動によって引き起こされる。
【0043】
図12aは、図10aに示される振動マウスピースの剛毛を有する部分の断面図であり、その断面図は図12aの線12−12’に沿って取られている。図12aは、ハウジング、剛毛、前面、及び上下の溝を示す。この図はさらに、上下の溝の上方又は下方に配置された一対の可撓性の(flex)ジョイント(例えば、溝)を示す。図12aに描かれているように、振動マウスピースを利用者の口に挿入したときに、利用者の歯を剛毛に揃えるために利用者はハウジングの上下の側面を噛むことができる。
【0044】
図13a及び図13bは、図11aの前部組立体及び駆動部ボックスの断面図である。それらの断面図は図11aの線13−13’の方向から見ている。本発明の特定の実施では、連結器は、複数の連結器を含むことができる。連結器に関しては、典型的には駆動部ボックスの一部として形成され、連結器は、例えば、図11a、図11b、図13a及び図13bのグループに描かれているように2つ又はそれ以上の耳を含むことができる。図13aの耳は、例えば、駆動部ボックスの左側及び右側の延長として形成されることができ、さらに、前部組立体のピンを収める穴を含むことができる。図13bの耳は、例えば、駆動部ボックスの左側及び右側の延長として形成されることができ、前部組立体のピン又は他の延長部を収める穴、凹所又は軌道を含むことができる。
他の実施形態では、図13a及び図13bの耳のそれぞれは、前部組立体の外側の面の周りに嵌合し、接触する1つ又はそれ以上の隆起部又は他の突起部を含むように形成され、それにより、前部組立体が駆動部ボックスに固定される。これらの実施における前部組立体のピンは、随意のものとすることができる。さらに他の実施によると、図13a及び図13bの耳のそれぞれは、1つ又はそれ以上の陥凹部を有するように形成されることができ、対応する前部組立体の外側の表面は、1つ又はそれ以上の相補的な形状の突起部、又は陥凹部に嵌合する他の構造体を有するように形成され、それにより、前部組立体を駆動部ボックスに固定することができる。
【0045】
図10c及び図11cは、剛毛が上前及び下前の歯だけに加えて適用される実施形態に従って、図9の線10−10’の方向から見た側面図である。さらに詳細には、これらの図の構造体は、図13c及び図13dの図と共に、剛毛を歯の裏面にも同様に当てるように設計され、従って、例えば、美容(例えば、ホワイトニング)目的に追加して、又はそれ以外の目的にも適切であり得る。例えば、そのような構造体は、例えば、利用者の歯肉線の全てのブラッシングを達成するよう実施することができる。そのような実施形態では、上述のように歯の外側面を処置するために剛毛を駆動するのに用いられる部品は、歯の内側面を処置するための剛毛を駆動するように、二重にされる。さらに、これらの実施形態の特定の実施では、ハウジングは、振動マウスピースの2つの縁部のうちの一方まで延ばすことができ(例えば、図10cで示されるように、振動マウスピースの右縁部にまで延ばされ、2つの“x”の印が振動マウスピースの中心領域を示す)、ハウジングの1つの開放側は、ハウジングの後側ではなく右側に形成することができ、これにより、前部組立体は開放された右側を通って挿入され、中央位置に摺動される(例えば、“x”印上に中央揃えされる)。
図12bの構造体は、利用者の歯の表面を磨く処置(例えば、ブラッシング)を達成するために追加の剛毛が振動マウスピースの表面に配置された、口腔トレイのタイプの実施形態に対応する。特定の実施によれば、図10a、図10b及び図10cに示されている振動マウスピースの部材は、使い捨てとすることができ、図11a、図11b及び図11cに示されている部材は、殺菌及び再使用できるようにすることができる。
【0046】
本発明の前述の装置の使用において、処置の実施は、剛毛の上又は口腔トレイの中に置かれるか又は形成される。処置の実施が歯磨剤を含む実施形態によると、歯磨剤が塗布された(例えば、口腔トレイの歯床に置かれた)トレイを上又は下の歯に嵌合することができ、トレイが所定の持続時間にわたって口中に保持されている間、電磁放射線源を活性化させることができる。歯磨剤は、典型的には、特定の用途に応じて、1つ又はそれ以上の活性成分を含むことができる。幾つかの例として、歯磨剤は、以下の化合物、すなわちぺルオキシ化合物(過酸化水素及び/又は過酸化カルバミド)、酸化還元酵素剤(ラッカーゼ、オキシダーゼ及び/又はペルオキシダーゼなど)、抗菌剤(クロルヘキシジン、ジグルコン酸塩、ヘキセチジン、アレキシジン、亜鉛、銅、銀、及びスズのような特定の金属イオンの第四級アンモニウム及び水溶性源)、抗虫歯剤(フッ化物など)、抗歯垢剤又は歯垢制御活性剤、抗歯石剤、脱感作剤、エッチング剤(リン酸など)、光増感剤及び光線力学的治療用光増感剤、ホワイトニング剤、又は色素のうちの1つ又はそれ以上を含むことができる。歯磨剤は、追加的に又は代替的に、調整され(例えば、風味付けされ)、全体に又は部分的に、上述のいずれの成分、その内容が引用に本明細書に組み入れられるFLUID CONDITIONING SYSTEMという表題の米国特許第6,350,123号に記載されているいずれの成分のいかなる組み合わせをも含むことができる。
【0047】
本発明の口腔トレイは、例えば、歯磨剤をカートリッジ50からカートリッジ・チャネル52を通して直接トレイの中に送る1つ又はそれ以上の付属物を含むこともできる(図5)。手順の実施に関して、吸引器60を接続して、歯磨剤又は他の流体を口腔トレイから吸引チャネル62を通して吸引するために、同じ付属物、又は異なる付属物を追加的に又は代替的に用いることができる(図6を参照)。
【0048】
本発明の他の特定の実施形態では、口腔トレイは、被験者の歯肉線に位置合わせされる別々の区画を含むことができる。そのような区画は、歯肉が歯磨剤の活性成分と接触しないように保護する隔離ゲルを入れるのに役立つことができる。隔離ゲルは、熱がトレイ及び/又は歯磨剤から歯肉に移動するのを妨げるの補助することができる熱絶縁体を含むこともできる。さらに、口腔トレイは、歯の処置を必要とする側、例えば前側だけにゲルを受け入れるように構成することができる。口腔トレイは、異なる歯のグループに同時に選択的な処置を施す2つ又はそれ以上のサブ・トレイをメイン・トレイの中に含むことができる。例えば、1つのサブ・トレイを奥の大臼歯のフッ化物処置に用い、別のサブ・トレイを前歯のホワイトニングに用いることができる。区画は、歯又は口の所望の領域に選択的手順を実施することを可能にし、及び/又は口の敏感な領域を保護するのを補助することができる。それゆえ、本発明の装置は、装置の適用をカスタマイズするために、1つ又はそれ以上の区画を含むことができる。サブ・トレイ及び/又は他の手段で選択的に領域を標的にすることは、少なくとも部分的に、前述の1つの検出器又は複数の検出器から得られる情報に基づくか、又はそれにより決定することができる。
【0049】
キャリア(例えば、口腔トレイ)は、熱を放出するように構成することもできる。これは、電磁放射線源に追加することもできるし、又はその代わりとすることもできる。例えば、乾式化学発熱材料を口腔トレイに組み入れるか、又は付加することができる。熱の放出は、利用者が歯の上にトレイを置き、利用者がトレイを噛み始めた後で活性化されることができる。適切な化学物質の一例は、酢酸ナトリウム三水和物である。特定の実施形態では、熱源は、キャリアを使用する被験者が熱源を摂取しないようにキャリア内に組み入れられる。
【0050】
図7Aは、人の口腔組織(例えば、歯)に取付けられる口腔バンド又は口腔テープ72として形成される別の口腔装置10として具体化されたキャリアを示す。改変された実施形態では、口腔装置は、利用者の舌、歯肉及び歯のうちの1つ又はそれ以上の上又は周りに適用される口腔バンド、テープ又はラップを含むことができる。図示されている実施形態では、口腔テープ72は、複数の交差線を含む。7B−7Bに沿った断面図が、図7Bに示されている。口腔テープ72は、電磁放射線源20を含むことができ、及び/又は、例えば、(例えば、前述のような、反復運動機構及び電磁放射線源のうちの1つ又はそれ以上を介しての)活性化のための活性成分を有する歯磨剤を入れた1つ又はそれ以上の区画50を含むことができる。図示されている実施形態では、活性化は電磁放射線によって達成される。被験者のそれぞれの歯は、1つ又はそれ以上の区画で覆われることができる。区画からの歯磨剤の漏出を防ぐために、区画50の上に保護層74を設けることができる。保護層74は、テープを組織(例えば、歯)に適用する前にはがすことができる。或いは、保護層は、被験者の口中に含まれる酵素によって分解される材料で作ることができ、口中で酵素が保護層を溶解し、それによって歯磨剤が組織に施されることが可能になる。電磁放射線源は、上述のものと同様の光ファイバ織物(例えば、Lumitrex)の薄層、LEDの薄層、又は発光材料の有機又はポリマー薄膜でさえ含むことができる。
【0051】
有機又はポリマー薄膜発光体に用いられる可能性のある化合物又は薬剤の例としては、エンドキャップされたオリゴチオフェン、トリス‐キレート化ポリピリジルルテニウム(II)錯体、ポリフェニレン、ドープされたトリス‐8‐(ヒドロキシキノリン)アルミニウム、インジウムスズ酸化物、ポリフルオレン、ビニレン架橋トリフェニルアミン二量体、ローダミン6G、ビカルバジル(bicarbazyles)、1,1,4,4‐テトラフェニル−1,3‐ブタジエンでドープされたポリマー性ラングミュア‐ブロジェット膜、無機CdSeナノ結晶、カルバゾール置換ポリアセチレンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0052】
電磁放射線源は、1つ又は複数の放射線源から電磁放射線を放出させることのできる任意の適切な手段によって電力供給されることができる。例えば、キャリアの電磁放射線源は、1つ又はそれ以上のバッテリ、又は電気コンセントに差し込まれる電源コードを含むことができる。バッテリは、キャリアの中に埋め込むことができ、又はキャリアの外部に配置することができる。例えば、口腔テープは、テープ内に入れられたバッテリと共に提供されてもよく、及び/又は充電装置を用いて充電することが可能である。
【0053】
例えば、電磁放射線源、運動機構、電子入出力装置、及び/又は検出器の特性又は機能のうちの1つ又は複数を制御するように構成されることに加えて、回路及び/又はマイクロプロセッサは、処置のプロトコルをさらに達成又は最適化するようにプログラム可能とすることができる。例えば、歯のホワイトニングの場合、プログラム可能なマイクロプロセッサは、光、波長、輝度、電力、又は発光の持続時間のようなパラメータを制御することができ、そのようなパラメータは、事前設定としてプログラムされてもよく、又は利用者によって手動で操作されてもよい。利用者は、ホワイトニングの速度を、波長、輝度、電力、及び露光時間を選択することによって制御できる。診療所内での手順においては、臨床医は、患者に適した特定のパラメータを決定することができる。家庭での使用のような診療所外の手順においては、利用者は、事前設定プログラムの1つを選択することができる。特別な例として、プログラムは、比較的短時間でより高い光強度を提供することができる。さらに、口腔装置は、ソフトウェア制御を介して、手順が完了したとき、又は処置時間が満了したときを利用者に知らせるセンサ装置を含むことができる。
【0054】
このように、本発明の口腔装置は、比較的使いやすく、従来の装置より迅速かつ効果的な処置を提供することができる。例えば、本発明の口腔装置は、特定の組織(例えば、歯)の表面に対する選択的処置、より良い位置合わせ、及び、より制御された均一な処置のうちの1つ又はそれ以上を提供することができる。この装置は、さらに、組織(例えば、歯)の敏感さを軽減することができる。例えば、歯のホワイトニングの場合、この装置は、装置を装着するために必要な時間が少なく、歯又は歯の一部を局所的に処置する手段を提供することができ、及び/又は、比較的長時間ホワイトニング剤を歯に接触させることに付随する不快感を軽減することができる。
【0055】
前述の実施形態は、例として提供されているのであって、本発明はこれらの例に制限されるものではない。当業者が前述の説明を考慮すれば、相互に矛盾しない範囲において、開示された実施形態に対する多数の変更及び改変が想起されるであろう。さらに、本明細書の開示を考慮すると、他の組合せ、省略、置換及び修正は当業者には明らかであろう。従って、本発明は開示された実施形態によって制限されるものではなく、添付の特許請求の範囲の更なる開示を参照することによって定義される。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明による口腔装置の斜視図である。
【図1A】図1に示される装置の平面図である。
【図1B】互いに比較的接近した間隔の発光ダイオードを示す、図1に示される装置の平面図である。
【図1C】発光ダイオードを覆う透明パネルのない、図1に示される装置の平面図である。
【図1D】透明パネル、発光ダイオード、及び光源パネルを示す、図1に示される装置の平面図の一部である。
【図1E】透明パネル、発光ダイオード、光源パネル及び反射パネルを示す、図1の四角形1Eに沿った部分である。
【図1F】図1Eと同様であるが、2枚の透明パネル、発光ダイオード、光源パネル及び反射パネルを示す。
【図1G】図1Fと同様であるが、1枚の透明パネルと発光ダイオードとの間に配置された拡散パネルを示す。
【図2】図1Dと同様であるが、透明パネルがなく、側面装着された接触部の使用を示す。
【図3】図2と同様であるが、表面装着された接触部を示す。
【図4A】図1と同様であるが、光ファイバ束及び内部電磁放射線源を有する本発明の装置の斜視図を示す。
【図4B】図4Aと同様であるが、電磁放射線源が外部に設置された本発明の装置の実施形態を示す。
【図4C】透明パネル、拡散パネル、光ファイバ・パネル、及び反射パネルを示す、図4Aの装置の平面図である。
【図4D】図4Cと同様であるが、透明パネル、光ファイバ・パネル、光源パネル及び反射パネルを示す。
【図4E】透明パネル及び光ファイバ・パネルを示す、本発明の装置の平面図の一部である。
【図4F】透明パネル、光ファイバ・パネル、反射パネルを示す、本発明の装置の平面図の一部である。
【図4G】透明パネル、拡散パネル、光ファイバ・パネル、及び反射パネルを示す、図4Cの四角形4Gに沿った部分である。
【図4H】2枚の透明パネル、拡散パネル、光ファイバ・パネル、及び反射パネルを示す、本発明の装置の平面図の一部である。
【図4I】透明パネル、光ファイバ・パネル、光源パネル、及び反射パネルを示す図4Dの四角形4Iに沿った部分である。
【図5】装置に接続された歯磨剤カートリッジを有する、本発明の装置の斜視図である。
【図6】装置に接続された吸引器を有する、本発明の装置の斜視図である。
【図7A】装置が歯の上に配置される口腔バンド又はテープである、本発明の装置の側面図である。
【図7B】図7Aの線7B―7Bに沿った断面図である。
【図8A】舌の処置の実施形態の概略図である。
【図8B】舌の処置の実施形態の概略図である。
【図9】本発明のさらなる実施形態を示す。
【図10A】本発明のさらなる実施形態を示す。
【図10B】本発明のさらなる実施形態を示す。
【図10C】本発明のさらなる実施形態を示す。
【図11A】本発明のさらなる実施形態を示す。
【図11B】本発明のさらなる実施形態を示す。
【図11C】本発明のさらなる実施形態を示す。
【図12A】本発明のさらなる実施形態を示す。
【図12B】本発明のさらなる実施形態を示す。
【図13A】本発明のさらなる実施形態を示す。
【図13B】本発明のさらなる実施形態を示す。
【図13C】本発明のさらなる実施形態を示す。
【図13D】本発明のさらなる実施形態を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
口内の少なくとも1つの口腔組織に近接して適用されるように構成されるキャリアと、
前記キャリアに連結され、前記口腔組織に反復運動及び電磁放射線を与えるように構成される活性化加工面と、
を含むことを特徴とする、口腔組織処置用装置。
【請求項2】
前記活性化加工面が剛毛を含むことを特徴とする請求項1に記載の口腔組織処置用装置。
【請求項3】
前記装置が剛毛に運動力を与える要素を含むことを特徴とする請求項2に記載の口腔組織処置用装置。
【請求項4】
前記活性化加工面が剛毛の反復運動を口腔組織に適用し、それにより前記口腔組織に洗浄効果を与えるように構成されることを特徴とする請求項3に記載の口腔組織処置用装置。
【請求項5】
前記活性化加工面が前記剛毛の反復運動を歯の表面に適用するように構成されることを特徴とする請求項4に記載の口腔組織処置用装置。
【請求項6】
前記装置がパッケージで提供され、
前記装置が前記剛毛の少なくとも一部に配置された歯磨剤をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の口腔組織処置用装置。
【請求項7】
前記活性化加工面が前記剛毛の反復運動を前記口腔組織の部分に適用すると同時に、前記装置から前記口腔組織の前記部分に電磁放射を与えるように構成されることを特徴とする請求項6に記載の口腔組織処置用装置。
【請求項8】
前記活性化加工面が、モータの作動によって前記剛毛の反復運動を前記口腔組織の前記部分に適用するように構成され、
前記活性化加工面が、電磁エネルギー出力の作動によって前記口腔組織の前記部分に電磁放射線を与えるように、さらに構成されることを特徴とする請求項7に記載の口腔組織処置用装置。
【請求項9】
前記歯磨剤が前記剛毛に吹きつけ又は浸漬被覆されることを特徴とする請求項6に記載の口腔組織処置用装置。
【請求項10】
前記剛毛が前記歯磨剤を含む中空部分を有することを特徴とする請求項6に記載の口腔組織処置用装置。
【請求項11】
前記歯磨剤が、剛毛の集団の長手方向の外側面によって少なくとも部分的に囲まれ、その間に保持されることを特徴とする請求項6に記載の口腔組織処置用装置。
【請求項12】
前記装置がパッケージで提供され、
前記装置が前記活性化加工面上に配置された歯磨剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の口腔組織処置用装置。
【請求項13】
前記歯磨剤が前記活性化加工面に吹きつけ又は浸漬被覆されることを特徴とする請求項12に記載の口腔組織処置用装置。
【請求項14】
前記活性化加工面が前記歯磨剤を含む中空又は凹形部分を有することを特徴とする請求項12に記載の口腔組織処置用装置。
【請求項15】
前記歯磨剤が、前記活性化加工面の突起部によって少なくとも部分的に囲まれ、その間に保持されていることを特徴とする請求項12に記載の口腔組織処置用装置。
【請求項16】
前記活性化加工面がモータの動作によって反復洗浄力を前記口腔組織の部分に適用するように構成され、
前記活性化加工面が、少なくとも1つの電磁エネルギー出力の動作によって前記口腔組織の前記部分に電磁放射線を与えるようにさらに構成されることを特徴とする請求項1に記載の口腔組織処置用装置。
【請求項17】
前記装置がマウストレイであり、
前記活性化加工面が、機械的撹拌及び機械的洗浄力のうちの1つ又はそれ以上を前記口腔組織に自動的に提供するように活性化されるように構成される特殊加工面を有することを特徴とする請求項1に記載の口腔組織処置用装置。
【請求項18】
前記活性化加工面が剛毛を有することを特徴とする請求項17に記載の口腔組織処置用装置。
【請求項19】
前記装置がマウストレイであることを特徴とする請求項12に記載の口腔組織処置用装置。
【請求項20】
前記活性化加工面がモータの動作によって反復洗浄力を前記口腔組織の部分に適用し、少なくとも1つの電磁エネルギー出力の動作によって前記口腔組織の前記部分に電磁放射を与えるように構成され、
前記電磁エネルギー出力が複数の発光ダイオード(LED)を含むことを特徴とする請求項12に記載の口腔組織処置用装置。
【請求項21】
少なくとも1つの前記口腔組織の処置状態の確認及び利用者への前記状態の自動通知を可能にする複数のセンサをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の口腔組織処置用装置。
【請求項22】
前記センサが、前記少なくとも1つの処置状況を確認するために、前記口腔組織から気体及び光のうちの1つ又はそれ以上のを収集し、
前記装置が、歯周病、口臭、気管支炎及び腫瘍増殖のうちの1つ又はそれ以上を含む処置状態を利用者に通知するように構成されることを特徴とする請求項21に記載の口腔組織処置用装置。
【請求項23】
潅注及び吸引構造体をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の口腔組織処置用装置。
【請求項24】
少なくとも1つの電磁エネルギー出力が第1の電磁エネルギー出力と、第1電磁エネルギー出力とは異なる波長を有する第2の電磁エネルギー出力とを含むことを特徴とする請求項1に記載の口腔組織処置用装置。
【請求項25】
前記活性化加工面に配置された歯磨剤をさらに含み、前記歯磨剤が前記第1の電磁エネルギー出力からの波長に対してより敏感である第1の薬剤と、前記第2の電磁エネルギー出力からの波長に対してより敏感である第2の薬剤とを有することを特徴とする請求項24に記載の口腔組織処置用装置。
【請求項26】
前記歯磨剤が層状であることを特徴とする請求項25に記載の口腔組織処置用装置。
【請求項27】
前記歯磨剤の第1層が前記第1の薬剤を含み、前記歯磨剤の第2層が前記第2の薬剤を含むことを特徴とする請求項26に記載の口腔組織処置用装置。
【請求項28】
前記第2層が前記電磁エネルギー出力から最も離れて位置するように前記歯磨剤が配置されることを特徴とする請求項27に記載の口腔組織処置用装置。
【請求項29】
前記活性化加工面が第1の高さの剛毛と前記第1の高さより高い第2の高さの剛毛とを有し、前記第2の高さの剛毛が前記第1層を通って前記第2層に電磁エネルギーを送るように構成されることを特徴とする請求項27に記載の口腔組織処置用装置。
【請求項30】
前記第2の高さの剛毛がより大きい力を出力するように構成されることを特徴とする請求項29に記載の口腔組織処置用装置。
【請求項31】
前記第2の高さの剛毛の遠位端が少なくとも部分的に前記第1の層を通って延びることを特徴とする請求項29に記載の口腔組織処置用装置。

【図1】
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【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図1G】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図4G】
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【図4H】
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【図4I】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【公表番号】特表2009−502214(P2009−502214A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−513769(P2008−513769)
【出願日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際出願番号】PCT/US2006/020501
【国際公開番号】WO2006/128021
【国際公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(507283078)バイオレーズ テクノロジー インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】