説明

活性成分を送達するための粒子、その製造方法、および組成物

本発明は、無機成分、1または複数の活性成分、および、任意に放出率調整剤を含有する粒子を有する、ヒトおよび動物の組織に活性成分を送達するために適した組成物を提供する。これらの粒子はナノ粒子またはミクロ粒子またはそれらの混合物であり、好ましくはゾル−ゲル法によって作製される。これらの組成物は局所または粘着表面に適用するために有用であり、好ましくは、クリーム、ゲル、ローション、乾燥粉末、スプレー、およびその他の適切な形である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性成分送達の分野に関する。本発明は哺乳類システム内に活性成分(類)を送達するための粒子、その製造方法、およびその組成物に関する。更に詳細には、本発明は局所および粘着表面に活性成分を送達するためのミクロ粒子およびナノ粒子に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の薬剤送達技術では、哺乳類の組織中に活性成分を放出する際、目標とする調整放出を可能にするような、洗練されたシステムを導入している。このナノスケール規模の送達システムは、薬剤送達に関する多くの課題に対して、効率的で危険度の低い解決案を提供する。このようなシステムは、高度に特定された作用部位を目標とする場合や、サイズが小さいため、従来の送達剤では到達不可能な組織へ送達する場合に用いることができる。ポリマーを主体とするナノ粒子は、そのようなシステムとして公知である。しかしながら、それらは、コストの高い生体材料を使用し、製造に費用がかかることが多く、規模拡大が難しい。
【0003】
近年では、金属酸化物を主体とするシステムがゾルゲル技術によって開発されている。この技術は、化学的前駆体を用いる低温法と呼ばれ、種々の型のセラミックスおよびガラスを生成しうる。これによって、研究者は、独自の化学的および物理的特性を有する、多種多様な異なる材料を設計し、製作することが可能になる。ゾル−ゲル材料は、シリカ、アルミナ、チタンおよび他の化合物を主体とする。この技術はモノリシックで多孔性のガラス、繊維、粉末、薄膜、ナノ結晶子、光子結晶などの製造を可能にする。
【0004】
最近は、生体分子(タンパク質、酵素、抗体など)をゾル−ゲルマトリックスに組込む、生物学的な応用が研究されている。応用には、診断分野でのバイオセンサーの応用、環境試験、生化学プロセス監視、および食品加工などが含まれる。1983年に、Ungerおよびその共働者等は、ゾル−ゲル誘導シリカ ゲルを薬剤送達用途として用いた(Unger、 et. al 1983、 "The use of porous and surface modified silica as drug delivery and stabilizing agents(多孔性および表面修正シリカの薬剤送達および安定化剤しての使用)" Drug Dev. Ind. Pharm. 9、 69−91)。その時以来、薬剤の調整送達のための搬送システムとして、シリカを主体とする材料、特にシリカを主体とするキセロゲル、およびメソ孔性構造の使用が研究されてきた。
【0005】
活性成分の送達に、無機成分を主体とするシステムを応用することは、現在関心の高い研究の1つである。また、この分野で、ヒトおよび動物の組織に活性成分を調整送達するために用いうる新規な技術の開発が求められている。特に、製造が容易であり、生体適合性があり、且つ局所または粘着表面に適用されたときに、容易に、且つ予測可能に生体分解し、作用部位において保持される、搬送システムが必要とされている。
【0006】
チタン、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、銀、亜鉛などのような金属元素は、人体内に存在し、それらのいくつかは少なくとも極微量において存在し、様々な生体適合性生成物において用いられてきた。また、それらは容易に入手可能である。
【0007】
米国特許第6,710,091号にはナノ粒子性の再分散可能な亜鉛酸化物ゲルの作製方法が開示されている。このプロセスでは、平均一次粒子直径が15nm未満の亜鉛酸化物粒子が作製される。この出願では、プラスチック、ペイント、コーティングにおいて、およびUV敏感有機顔料の保護のために、亜鉛酸化物粒子をUV吸収体として用いることが開示されている。この出願では、種をカプセル化するための亜鉛酸化物構造は開示していないし、亜鉛酸化物粒子を薬剤送達に適用することも開示していない。
【0008】
米国出願第2005/0226805号には、非イオン性界面活性剤をテンプレートとして用いて、ゾル−ゲル合成によって、平均孔サイズが2nm以下であり1nm以上であるマイクロ−メソ孔性金属酸化物を製造する方法が記載されている。この発明のメソ孔性金属酸化物は、触媒、センサ、または半導体において有用であると予測される。この出願は、薬剤送達または活性種のカプセル化における用途は開示していない。
【0009】
米国出願第2005/0003014号には、眼科用および耳鼻科用薬剤のための搬送体として合成無機ナノ粒子が記載されている。この発明の搬送体は、主として水膨張性粘土であるが、ゼオライト、シリカ、アルミニウム酸化物、チタン酸化物、セリウム酸化物、および亜鉛酸化物のような他の材料も含まれる。この材料は、ビヒクル中に細かく分散され、透明の低粘性のゲルを形成する。この発明のナノ粒子は、薬剤に関して化学的に不活性な搬送体として機能するもので、単に結合するだけであると思われる。薬剤を調整放出するためのナノ構造の活性成分の組成物は開示されていない。また、ナノ粒子が生分解性でないこともありえる。
【0010】
米国出願第2006/0171990号には、ポリマー製のシェル内にカプセル化された活性化合物を含む薬剤送達材料が記載されている。このカプセル化された化合物は、次に、ゾル−ゲル法によって作製されたマトリックス中に組み込まれる。このように作製されたマトリックスは、ステント、骨移植、人工補綴等のような移植片のための多孔性または非多孔性薄膜コーティングに用いられる。このように、この発明は、最初に活性化合物を従来のポリマーシェル中にカプセル化し、次にカプセル化された粒子をゾル−ゲル法で作製されたマトリックス中に分散させるという2工程プロセスを開示している。この出願は、活性成分の送達およびそれらの放出調整を行う生体適合性無機ナノ構造を開示していない。
【0011】
米国出願第2006/0194910号の発明は、ポリマーの安定化剤および安定なポリマー複合体を示している。ポリマーの安定化剤は、ZnOナノ粒子の形であり、所望のモノマー、ポリマーまたはコポリマーと結合すると、優れた熱安定性を持つ安定化ポリマー複合体を得る。しかしながら、この発明は、薬剤送達分野での応用は開示していない。
【0012】
米国特許第4,895,727号は、皮膚および粘膜における保存効果を引き起こし、局所的に適用した薬理学的に活性の治療用および化粧用の薬剤の浸透および保持を増強する方法を開示している。この発明は、また、蓄積効果強化剤を含む局所治療法、およびそれらを含有する治療的組成物にも関連する。この発明の添加物は、水溶性の亜鉛含有化合物、好ましくは、亜鉛ハライド、亜鉛スルフェート、硝酸亜鉛、亜鉛アセテート、および/または亜鉛ステアレートであり、最も好ましくは、亜鉛クロリドである。これらの水溶性、亜鉛含有化合物は、薬理学的に活性な成分のための増強因子として機能する。
【0013】
米国出願第2005/0260122号は、ゾル−ゲル法に関するもので、金属酸化物前駆体およびアルコールを主体とする溶液を混合し反応混合物を形成し、その反応混合物が反応してナノサイズの金属酸化物粒子を生成する。この発明は、混合物中に用いる金属酸化物前駆体の濃度を高くすることによって、先に記載したゾル−ゲル法よりも、効率よくナノサイズの金属酸化物粒子を提供することができる。しかしながら、この発明は薬剤送達の分野での応用は開示していない。
【0014】
米国特許第5,989,535号では、処理剤を伴う乳液または懸濁液の形の生物接着性/粘液接着性ポリマーを含む組成物が記載されている。粘液接着性保湿剤の場合では処理剤は水のように単純なものでありうる。生物接着性/粘液接着性ポリマーは、遊離カルボキシル基を持つ水分散性の高分子量架橋ポリアクリル酸コポリマーであり、単価、2価、および多価金属のカチオンまたはアニオンの組合せと更に架橋して、低粘性であり、溶融性であり、生物接着特性が強化された高分子量の架橋コポリマーを得る。このような組成物は、継続的放出または即時放出の投与形態において、薬剤を体系的にあるいは局部的に管理するために用いうる。この組成物はクリーム、ゲル、懸濁液、カプセルおよびその他の形に調合することができる。
【0015】
米国特許第6,998,137号は、生物環境中に1または複数のタンパク質またはペプチドを調整放出するための組成物に関する。該組成物は、(i)亜鉛塩、亜鉛酸化物、マグネシウム塩、マグネシウム酸化物、カルシウム塩、およびカルシウム酸化物から選択される、やや溶けにくい生体適合性粒子、(ii)粒子上に溶着されたタンパク質またはペプチド、および(iii)ポリマーマトリックス、を含む。タンパク質またはペプチドは、吸着、吸収、または共沈によって、粒子およびポリマーマトリックス上に溶着される。この特許には、ゾル−ゲル法によって作製される、活性成分を局所および粘膜組織に送達するための放出率調整剤を含む無機ナノ構造は記載されていない。
【0016】
PCT公開番号第WO2006/061835号では、ナノ粒子を封止する球形の複合体が記載されている。複合体は、金属酸化物または半金属酸化物および疎水性ポリマーで構成される。球状複合体は、明確な球形、狭いサイズ分布、および、様々な型のナノ粒子との高い適合性を特徴とする。更に、ナノ粒子を封止する球形複合体の作製方法およびそれらの使用が記載されている。調整送達のための活性物を含む、生体適合性の有機−無機粒子はこの発明の範囲外である。
【0017】
米国出願第2004/0109902号では、等モル量の亜鉛塩およびクリンダマイシン ホスフェートを含有し、皮膚病治療に使用するための局所適用の水性調合物が主張されている。この調合物は特にニキビまたは酒さの治療に有効であり、また非常に低い全身レベルのクリンダマイシンを有する。活性成分、無機成分、および任意に放出率調整剤を含有し、動物およびヒトの組織に送達するための組成物は開示されていない。
【0018】
本発明は、活性分子の組成物の分野における必要性に関するものであり、特に皮膚の表面または粘着表面上への活性成分の局所的な送達をより良好に行うための組成物の分野における必要性に関する。活性成分を送達するためのこの技術は、使い易さ、作用部位におけるより良好な保持、効率のよい吸収率、所望の時間にわたる調整放出、投与量減少、およびより良好な化粧上および審美眼的コンプライアンスなどの利点を提供する。本発明の組成物は、皮膚に対して刺激性でなく、また皮膚または粘着表面に適用したときに目立たないことに加えて、適用し易く、より良好な患者コンプライアンスを有する。
【発明の概要】
【0019】
本発明は、特に薬剤および化粧用成分(類)であるがこれに限定されない活性成分、無機成分(類)、および任意に放出率調整剤(類)を有する粒子に関する。本発明は、また、活性成分をヒトおよび動物の組織に送達するための粒子および組成物の製造方法にも関する。該粒子は、ナノ粒子またはミクロ粒子またはそれらの混合物のいずれかである。本発明は、特に無機成分、活性成分(類)、および任意に放出率調整剤を含有する、局所および粘膜適用のナノ粒子またはミクロ粒子の使用に関する。これらの粒子は、1または複数の活性成分および組成物の他の成分のための搬送体または貯蔵箇所として機能する。
【0020】
本発明は、局所および粘着表面へ活性成分を送達するための既存の技術に比べて、有利であると考えられる。例えば、開発された組成物は活性剤(類)の調整送達に特に適している。本発明の粒子は、薬剤(類)の送達に関する現在の最新技術に比べ、様々な利点を提供する。例えば、高表面積であるため作用部位における適用性および保持性が良好であり、従って、適用頻度が減少する。また、分散する際に、半透明から透明なゲル、またはザラザラしない粉末を形成可能である。このような調製物は、局所または粘着表面に対して刺激が無く、また適用しても目立たないという追加の利点を提供する。
【0021】
このような粒子の組成物は、市販の製品に比べ卓越した物理的特性を有するため、需要者容認がより良好である。これらの型の組成物は調整放出投与プロファイルにおいて薬剤を局所的に適用するために用いることができる。
【0022】
好適実施形態では、本発明の組成物は、皮膚および粘着表面への局所適用に有用な、クリーム、ローション、ゲル、ペースト、粉末、スプレー、泡、ロールオン、デオドラント、オイル、パッチ、懸濁液、軟膏、またはエアゾールとして調合される。
【0023】
好適実施形態の1つでは、本発明の組成物は、局所および粘膜適用のための乾燥粉末として調合される。
【0024】
無機粒子の作製方法として、様々な方法が知られているが、一般に、無機成分とともに活性分子または他の薬剤を含むことはない。本発明は、上述の無機粒子を、特に新規なゾル−ゲル法によって製造する方法に関する。この方法では、無機前駆体、アルカリ、および溶媒を活性分子および任意に他の薬剤とともに混合し、反応混合物を形成し、この反応混合物を、反応させて、ミクロ、またはナノサイズの無機粒子を生成する。本発明の方法は、上述のゾル−ゲル法に比べて、ナノサイズの無機粒子の製造が安価で容易である。
【0025】
本発明は、無機成分、活性成分(類)および任意に放出率調整剤(類)を含有し、平均粒径が約100μm未満である粒子の組成物の製造に関する。好適実施形態では粒子は、平均粒径が約2000nm未満のナノ粒子である。ナノ粒子の平均粒径は、反応パラメータ、特に、温度、反応時間、および反応混合物中の無機前駆体対基礎種の比率を調節することによって調整しうる。
【0026】
本発明の組成物は、活性成分(類)の調整放出を提供し、作用部位において良好な保持力を有し、投与の頻度を低減し、良好な患者コンプライアンスを有する。本発明の1実施形態では、本発明は、組成物を局所または粘着表面に送達するための、以下を備えるキットにも関する:送達装置;無機成分(類)、1または複数の活性成分(類)、任意に放出率調整剤(類)を含有する粒子を有する組成物;および使用説明。送達装置は、組成物を局所または粘着表面に送達するための、加圧式または不圧式の分配装置またはアプリケータまたは機械的装置を備える。1つの好適実施形態では、送達装置は、計量された投与分の前記組成物を局所または粘着表面に送達しうる。
【0027】
本発明は、更に、本発明の組成物を用いる、ヒトを含む哺乳類の治療方法に関する。
【0028】
上述の一般的な記述および以下の図面の簡単な説明および詳細な説明は、例示および説明のためのものであり、請求項に記載の本発明を更に詳細に説明することを意図するものである。当業者であれば以下の発明の詳細な説明から他の目的、利点、および新規な特徴が容易に明らかになるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は、ナノ粒子性またはマイクロ粒子性組成物のインビトロでの放出試験用に特別に設計された薬剤放出アセンブリを示す。このアセンブリは、以下の部品を有する:温度センサプローブ(1)、サンプリングプローブ(2)、パドル(3)、ゴムバンドで留めた金属ディスクを有する透析袋に入った粉末(4)、空気袋および粉末分散物を有する透析バッグ(5)。
【図2】図2は、USPパドルの浮動透析バッグ/50rpm (n=3)を用いたpH4.5の緩衝酢酸溶液/500ml中における薬剤放出研究(アシクロビル)の結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
(発明の詳細な説明)
本発明を開示および説明する前に、本発明は本書に開示される特定のプロセス工程および材料に限定されるものではなく、それらのプロセス工程および材料はある程度変動することを理解されたい。また本書中に用いられる用語は特定の実施形態を説明する目的のためだけに用いられているものであり、本発明の範囲を限定する意図はなく、本発明は添付の請求項およびそれらの等価物にのみ限定されることも理解されたい。
【0031】
なお単数形の、「1つの(「a」または「an」)」、および「その」または「前記」(「the」)は、本明細書および添付の請求項において用いられる場合、その内容が別の意味を明瞭に指定するものでない限り、複数形の参照物も含むことに注意されたい。
【0032】
「生体適合性」は、人体または生物環境に対して毒性がないあらゆる物質を意味するものである。ポリマーおよびそのポリマーのあらゆる分解産物が、受け手または生物環境に対して非毒性であり、またその生物環境に重大な悪影響をもたらさないならば、そのポリマーまたはポリマーマトリックスは生体適合性である。粒子は、その物質が無傷粒子または解離イオンとして、(溶けにくい粒子が所定の生物環境において解離しうる程度および量において)人体または生物環境に対して有毒でない場合に生体適合性である。
【0033】
「生分解性」とは、ポリマーマトリックスが、非毒性成分に対する生物環境内で、活性分子が放出された後、または放出されている最中に、酵素、化学的、物理的などのプロセスによって、破壊し、分解し、または腐食し、更に小さな化学種を形成しうることを意味する。
【0034】
本発明による「無機成分」は、金属成分ならびにそれらの混合物、塩、または水和物を含有する材料である。無機成分は、シリカ、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、特に亜鉛、カルシウム、マグネシウム、チタン、銀、アルミニウム、またはランタン族類、それらの塩、水和物ならびにそれらの組合せの群から選択されうる。無機成分は、アルコキシド、酸化物、アセテート、オキサレート、ウレエート、またはニトレート、またはそれらの金属塩ならびに水和物でありうる。
【0035】
「活性成分」という用語は、薬剤、薬学的に活性の成分、生物学的に活性の成分または化粧用の活性成分を含む。
【0036】
「ミクロ粒子」は、平均粒径がl00μmより下の粒子を意味するものとする。好適実施形態の1つでは粒子は、粒径が約10μm未満のミクロ粒子である。
【0037】
「ナノ粒子」は平均粒径が2000nmより下の粒子を意味するものとする。好適実施形態では、粒子は、約1nm〜約2000nm、約10nm〜約200nm、約15nm〜約150nmからなる群の範囲の平均粒径を持つ。
【0038】
本書中、「平均粒径」とは、沈降分析磁場流動分画法、光子相関分光学、レーザ光散乱、または動的光散乱などの技術当業者にとって公知である従来の粒子サイズ分析を用い、伝達電子顕微鏡(TEM)、または走査型電子顕微鏡(SEM)、または、X線回折(XRD)を用いて測定した、粒子の直径のサイズをいう。利便性の高い自動化光散乱技術は、Horiba LA レーザ光散乱粒子サイズ分析器または同様の装置を用いる。そのような分析は、一般に、一次粒子、凝集体、および塊を含む、粒子の個々のサイズの、周波数に関して正規化した体積分率を提示する。結晶サイズおよび形状を決定する、X線の回折技術も同様に広く用いられており、これによって材料の結晶構造、化学的組成、および物理的特性に関する情報が明らかになる。
【0039】
また本発明は、ミクロ粒子およびナノ粒子の混合物を有する粒子を含む。これらの粒子は「一次粒子」、「二次粒子」およびその他を含む。本発明の好適実施形態では粒子は、粗い凝集体として存在し、二次粒子のサイズは直径が約200nm〜20μmの範囲、および一次粒子のサイズは直径が200nm未満、好ましくはl00nm未満、または50nm未満である。
【0040】
本書中に用いられる「約」は、当業者によって理解されるはずであり、また使用される文脈によりある程度変動する。この用語が用いられ、用いられている文脈において当業者にとって明確でない場合、「約」は特定の条件のプラスまたはマイナス10%以内であることを意味するものとする。
【0041】
本発明は、ヒトおよび動物の組織に活性成分を送達するための、無機成分(類)を含有する粒子に関する。
【0042】
更に詳細には、本発明は以下を含有する粒子を有する組成物に関する:無機成分(類)、1または複数の活性成分(類)、および任意に放出率調整剤(類)。
【0043】
更なる実施形態では、本発明は以下を含有する粒子を有する組成物に関する:約0.1%w/wから約99.5%w/wの無機成分(類)、約0.01%w/wから約99.9%w/wの1または複数の活性成分(類)、および任意に、総重量に対して、約0.001%w/wから約75%w/wの放出率調整剤(類)。
【0044】
また本発明は、無機成分(類)、1または複数の活性成分(類)、および任意に放出率調整剤(類)を含有する粒子を有する組成物の作製方法を含む。
【0045】
粒子、特にナノ粒子の作製方法は、この分野では公知であり、広くは、トップダウンアプローチおよびボトムアップアプローチの2つの範疇に分類することができる。トップダウンアプローチは、最初にバルク材料を用い、機械的、化学的、または他のエネルギーの形態によって、これを、より小さい粒子に破砕し、ナノ粒子を形成する。一方ボトムアップアプローチは、化学的反応により、原子または分子種から材料を合成し、そこで前駆体粒子のサイズを成長させ、ナノ粒子を形成する。均質化および粉砕は、トップダウン方式(主に薬剤ナノ粒子に用いられる)であり、析出、モノマーからの重合、ポリマーナノ粒子の脱溶媒/塩析/溶媒蒸発/溶媒拡散/溶媒置換、およびゾル−ゲル法はボトムアップアプローチに分類される。薬剤ナノ粒子を形成するための他の方法としては、エアロゾル流通反応装置、ミクロエマルジョン、超臨界流体を主体とする媒体粉砕(Nanocrystal(R) Technology)、高圧均質化装置(Disso Cubes(R))などが含まれる。
【0046】
より詳細には、本発明は、ゾル−ゲル法によって作製され、活性成分をヒトおよび動物の組織に送達するための、ミクロ粒子またはナノ粒子に関する。本発明は、ゾル−ゲル合成によって作製され、活性成分をヒトおよび動物の組織に送達するための、有機−無機ハイブリッドのようなミクロ粒子またはナノ粒子に関する。1つの好適実施形態では、本発明のナノ構造は従来のゾル−ゲル合成法またはその変形などのこの分野で公知の技術によって製造されうる。そのようなナノ構造は、生体適合性であり、低温で生成され、容易に大規模生産可能であり、製造費用が安価である。
【0047】
1つの実施形態では、ゾル−ゲルプロセスによって製造される本発明のナノ構造は、一般に、以下の工程を含む:元素(M)の化合物によって形成される前駆体の溶液または懸濁液を作製し、酸化物またはアルコキシドを形成する工程;前駆体を加水分解(酸または塩基を触媒とする)し、M−OH基を形成する工程。このようにして得た混合物、すなわち溶液またはコロイド状懸濁液をゾルと称する;M−−OH+M−−OH→M−−O−−M+HOおよびM−−OR+M−−OH→M−−O−−M+ROHの反応による、M−−OHまたはM−−OR基の重縮合を行い、液体粘度(ゲル化)の増加、およびゲルと称するマトリックスの同時形成を特徴とする。ゲルを乾燥し多孔性のモノリシック体にする、あるいは調整された溶媒―蒸発によってゲルを乾燥させ、キセロゲルを生成する、あるいは溶媒超臨界抽出によってエアロゲルを生成することもできる。
【0048】
また、このプロセスでは、ゾル−ゲル変換中に「テンプレート」分子を使用し、それによって、明確に定義された孔モフォロジーを持つ秩序構造を形成してもよい。そのような構造の例としては、メソ孔性構造、ミクロ−メソ孔性構造などがある。テンプレート分子は、無機または有機金属塩、ポリエチレン グリコールのような小さい有機分子、長鎖界面活性分子、液晶テンプレート、室温イオン液体などでありうる。
【0049】
特定の実施形態では、ゾル−ゲルプロセスは以下の工程によって行われる:活性成分/類を溶媒中に溶解し、溶液(a)を形成する工程;無機金属塩を溶媒中に溶解し、溶液(b)を形成する工程;放出率調整剤を溶媒中に溶解し、溶液(c)を形成する工程、
ここで、アルカリ水酸化物溶液は、工程「a」「b」または「c」のいずれかに含まれる;および溶液(a)、(b)および(c)を混合し、沈殿物を形成し、工程(d)で形成された沈殿物を乾燥し、乾燥粉末組成物を形成する工程。
【0050】
沈殿物の乾燥工程は、凍結乾燥、スプレー乾燥またはスプレー凍結乾燥法、またはそれらの組合せによって行いうる。
【0051】
本発明の粉末組成物はそのまま適用してもよく、あるいは当業者に公知の技術を用いて、クリーム、軟膏、ローション、ゲル、懸濁液などの他の皮膚用調製物に調合してもよい。
【0052】
更に別の方法では、無機成分および任意に放出調整剤を含有する組成物は、以下の工程を実施することによって作製される:無機金属塩を溶媒中に溶解し溶液(a)を形成する工程;アルカリ金属水酸化物を溶媒中に溶解し溶液(b)を形成する工程;活性成分およびポリマーを溶媒中に溶解し溶液(c)を形成する工程;溶液(b)のアルカリ金属水酸化物を溶液(c)に加え溶液(d)を形成する工程;工程(a)の無機金属塩を工程(d)で作製された分散物に加える工程;(e)の結果できた溶液を所定の時間攪拌し、遠心分離および1回以上洗浄して形成させることによって、粗い凝集体を採取する工程、および、ナノ粒子を溶媒の混合物中に更に分散し、ナノ粒子分散物を増粘することによって、最終的にゲルを形成する工程。
【0053】
なおナノ粒子の作製工程における成分の種類および添加方法のいかなる変更も、当業者にとって明らかなものであれば本発明の範囲に含まれることを理解されたい。
【0054】
本発明によれば、アルカリ水酸化物は、組成物の最終重量に対して、約5〜約80%、より好ましくは、約15〜約60%、の重量において組成物中に存在しうる。
【0055】
本発明によれば、活性成分は組成物中に、組成物の最終重量に対して、約0.01%〜約99.9%、より好ましくは約0.03%〜約90%、最も好ましくは約1%〜約80%、の重量で存在する。
【0056】
本発明によれば、無機成分は、組成物中に、組成物の最終重量に対して、約0.1%〜約99.5%、より好ましくは5%〜約95%、および最も好ましくは10%〜約80%、の重量で存在する。
【0057】
本発明によれば、放出率調整剤は、組成物中に、組成物の最終重量に対して、約0.001%〜約75%、より好ましくは約0.1〜約60%、および最も好ましくは1%〜約50%の重量で存在する。
【0058】
本発明によれば、アルカリ金属水酸化物は、KOH、NaOH、LiOH、NHOH、Mg(OH)、それらの水和物、およびそれらの組合せから選択されるが、それに限定されない。
【0059】
本発明によれば、ゾル−ゲルプロセスに用いられる溶媒は、水、およびメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、およびそれらの組合せを含むがそれに限定されないC〜C アルコール、または、アセトン、メチルエチル ケトン、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、メシチレン、ジエチル エーテル、ジクロロメタン、クロロホルム、プロピレン グリコール、トリエタノールアミン、およびそれらの組合せを含むがそれに限定されない有機種、からなる群から選択される。
【0060】
本発明によれば、本発明の組成物を調合するのに使用される増粘剤は、キサンタン ガム、グアール ガム、イナゴマメ ガム、およびその他「Hand book of Excipients」に記載される公知の賦形剤から選択されるがそれに限定されない。
【0061】
またこのプロセスは、アルキル化金属または金属アルコキシドを、無水有機酸、酸無水物、または酸エステルなどと反応させることによって行われる、水を用いない非加水分解のゾル−ゲルプロセスを含みうる。
【0062】
好適実施形態では、組成物中の放出調整剤(類)は、天然ポリマー、合成ポリマー、半合成ポリマー、脂質、ワックスおよび天然または合成ガム、多糖類、単糖類、蔗糖、塩、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、およびそれらの組合せの群から選択されるがそれに限定されない。
【0063】
天然、合成、または半合成ポリマー、特に生分解性ポリマーまたはコポリマーは、ポリアクリレート ポリマー、ポリエチレン オキシド ポリマー、セルロース ポリマー、ポリオルトエステル、キトサン、ポリラクチド、ビニル ポリマーおよびコポリマー、アルキレン オキシド ホモポリマー ポリジオキサン、ポリ無水物、ポリカーボネート、ポリエステルアミド、ポリアミド ポリホスファジン、セラック誘導体、およびそれらの組合せの群から選択されるがそれに限定されない。本書に記載されるポリマー材料は、モノマー、ポリマー、またはコポリマー組成物を含みうる。モノマーは、化学的反応により、高分子を形成可能なものである。適切な例としては、(メチル)アクリルモノマー(例えば、メチル メタクリレート、メチル アクリレート、およびブチル アクリレート)が含まれる。
【0064】
1つの特定の好ましい実施形態では、放出率調整剤は、ゼラチン、ウシ血清アルブミン、ヒト血清アルブミン、およびそれらの組合せから選択されるタンパク質である。
【0065】
放出率調整剤は、更に、以下を含む群から選択されうる:セチル ピリジニウム クロリド、ゼラチン、カゼイン、ホスファチド、デキストラン、グリセロール、ガム アカシア、コレステロール、トラガカント、ステアリン酸、ベンザルコニウム クロリド、カルシウム ステアレート、グリセロール モノステアレート、セトステアリルアルコール、セトマクロゴール乳化ろう、ソルビタン エステル、ポリオキシエチレン アルキル エーテル、ポリオキシエチレン キャスターオイル誘導体、ポリオキシエチレン ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、ドデシル トリメチル アンモニウム ブロミド、ポリオキシエチレン ステアレート、コロイド状二酸化ケイ素、ホスフェート、ナトリウム ドデシルスルフェート、カルボキシメチルセルロース カルシウム、ヒドロキシプロピル セルロース、ヒプロメロース、カルボキシメチルセルロース ナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒプロメロース フタレート、非結晶性セルロース、マグネシウム アルミニウム シリケート、トリエタノールアミン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、エチレン オキシドおよびホルムアルデヒドを持つ4−(l、l、3、3−テトラメチルブチル)−フェノール ポリマー、ポロキサマー類;ポロキサミン、帯電ホスホリピド、ジオクチルスルホスクシネート、ナトリウム スルホコハク酸のジアルキルエステル、ナトリウム ラウリル スルフェート、アルキル アリール ポリエーテル スルホネート、スクロース ステアレートおよびスクロース ジステアレートの混合物、p−イソノニルフェノキシポリ−(グリシドール)、デカノイル−N−メチルグルクアミド;n−デシル β−D−グルコピラノシド;n−デシル β−D−マルトピラノシド;n−ドデシル β.−D−グルコピラノシド;n−ドデシル β−D−マルトシド;ヘプタノイル−N−メチルグルクアミド;n−ヘプチル−.beta.−D−グルコピラノシド;n−ヘプチル β−D−チオグルコシド;n−ヘキシル β−D−グルコピラノシド;ノナノイル−N−メチルグルクアミド;n−ノイルβ.−D−グルコピラノシド;オクタノイル−N−メチルグルクアミド;n−オクチル−.β−D−グルコピラノシド;オクチル β.−D−チオグルコピラノシド;リゾチーム、PEG−ホスホリピド、PEG−コレステロール、PEG−コレステロール誘導体、 PEG−ビタミンA、PEG−ビタミンE、ビニル アセタートおよびビニル ピロリドンのランダム コポリマー、カチオンポリマー、カチオン生体高分子、カチオン ポリサッカリド、カチオン セルロース誘導体、カチオン アルギネート、カチオン 非重合性化合物、カチオン ホスホリピド、カチオン リピド、ポリメチルメタクリレート トリメチルアンモニウム ブロミド、スルホニウム化合物、ポリビニルピロリドン−2−ジメチルアミノエチル メタクリレート ジメチル スルフェート、ヘキサデシルトリメチル アンモニウム ブロミド、ホスホニウム化合物、第四級アンモニウム化合物、ベンジル−ジ(2−クロロエチル)エチルアンモニウム ブロミド、ココヤシ トリメチル アンモニウム クロリド、ココヤシ トリメチル アンモニウム ブロミド、ココヤシ メチル ジヒドロキシエチル アンモニウム クロリド、ココヤシ メチル ジヒドロキシエチル アンモニウム ブロミド、デシル トリエチル アンモニウム クロリド、デシル ジメチル ヒドロキシエチル アンモニウム クロリド、デシル ジメチル ヒドロキシエチル アンモニウム クロリド ブロミド、C12−15 ジメチル ヒドロキシエチル アンモニウム クロリド、C12−15 ジメチル ヒドロキシエチル アンモニウム クロリド ブロミド、ココヤシ ジメチル ヒドロキシエチル アンモニウム クロリド、ココヤシ ジメチル ヒドロキシエチル アンモニウム ブロミド、ミリスチル トリメチル アンモニウム メチル スルフェート、ラウリル ジメチル ベンジル アンモニウム クロリド、ラウリル ジメチル ベンジル アンモニウム ブロミド;ラウリル ジメチル(エテノキシ) アンモニウム クロリド、ラウリル ジメチル(エテノキシ) アンモニウム ブロミド、N−アルキル(C12−18)ジメチルベンジル アンモニウム クロリド、N−アルキル(C14−18)ジメチル−ベンジル アンモニウム クロリド、N−テトラデシルジメチルベンジル アンモニウム クロリド 一水和物、ジメチル ジデシル アンモニウム クロリド、N−アルキル および(C12−14)ジメチル 1−ナフチルメチル アンモニウム クロリド、トリメチルアンモニウムハロゲン化物、アルキル−トリメチルアンモニウム塩、ジアルキル−ジメチルアンモニウム塩、ラウリル トリメチル アンモニウム クロリド、エトキシル化アルキルアミドアルキルジアルキルアンモニウム塩、エトキシル化トリアルキル アンモニウム塩、ジアルキルベンゼン ジアルキルアンモニウム クロリド、N−ジデシルジメチル アンモニウム クロリド、N−テトラデシルジメチルベンジル アンモニウム、クロリド 一水和物、N−アルキル(C12−14)ジメチル 1−ナフチルメチル アンモニウム クロリド、ドデシルジメチルベンジル アンモニウム クロリド、ジアルキル ベンゼンアルキル アンモニウム クロリド、ラウリル トリメチル アンモニウム クロリド、アルキルベンジル メチル アンモニウム クロリド、アルキル ベンジル ジメチル アンモニウム ブロミド、C12 トリメチル アンモニウム ブロミド、C15 トリメチル アンモニウム ブロミド、C17 トリメチル アンモニウム ブロミド、ドデシルベンジル トリエチル アンモニウム クロリド、ポリ−ジアリルジメチルアンモニウム クロリド(DADMAC)、ジメチル アンモニウム クロリド、 アルキルジメチルアンモニウム ハロゲン化物、トリセチル メチル アンモニウム クロリド、 デシルトリメチルアンモニウム ブロミド、ドデシルトリエチルアンモニウム ブロミド、 テトラデシルトリメチルアンモニウム ブロミド、 メチル トリオクチルアンモニウム クロリド、POLYQUAT 10(TM)、テトラブチルアンモニウム ブロミド、ベンジル トリメチルアンモニウム ブロミド、コリン エステル、ベンザルコニウム クロリド、ステアラルコニウム クロリド化合物、セチル ピリジニウム ブロミド、セチル ピリジニウム クロリド、四元化ポリオキシエチルアルキルアミンのハロゲン塩、MIRAPOL(TM)、ALKAQUAT(TM)、アルキル ピリジニウム塩; アミン、アミン塩、アミン オキシド、イミド アゾリニウム塩、プロトン化 四元アクリルアミド、メチル化 四元ポリマー、およびカチオングアール、およびそれらの組合せ。
【0066】
本発明の組成物は、更に、親水性溶媒、親油性溶媒、湿潤剤/可塑剤、増粘ポリマー、界面活性剤/乳化剤、香料、防腐剤、キレート剤、UV吸収剤/フィルタ剤、抗酸化剤、角質溶解剤、ジヒドロキシアセトン、浸透促進剤、分散剤、または凝集分解剤、ならびにそれらの混合物を含みうる。
【0067】
本発明によれば、無機成分(類)は、シリカ、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、特に亜鉛、カルシウム、マグネシウム、チタン、銀、アルミニウム、またはランタン族類、それらの塩、水和物、ならびにそれらの組合せ、を含む群から選択される。
【0068】
1つの好適実施形態では、無機成分は、アルコキシド、酸化物、アセテート、オキサレート、ウレエート、またはニトレートの形である。
【0069】
更なる好ましい実施形態では、無機成分は、亜鉛酸化物、カルシウム炭酸塩、カルシウム酸化物、カルシウム水酸化物、カルシウム重炭酸塩、またはそれらの組合せを含む群から選択される。
【0070】
本発明の1つの実施形態では、無機粒子は、活性成分(類)、無機成分、および放出率調整剤を含有して作製される。また、他の実施形態では、無機粒子は、活性成分(類)、および無機成分を含有して作製され、その後、ポリメタクリレートまたはポリシアノアクリレートなどのアクリレートポリマーのような有機放出率調整剤と組合される。粒子の有機部分は、活性成分の放出調整を支援し、そのシステムの生物分解および生物分配に影響をあたえる。
【0071】
活性成分のゾル−ゲル誘導ナノ構造への組込みは、この分野で公知の任意の方法によって行いうる。組込みは、その成分が合成における後続工程に耐えうるならば、ゾル−ゲル合成中の任意の適切な段階で、例えば、共縮合などにより行うことができる。このシステムは活性成分をナノ構造中に分子捺印または含浸させることによって作製しうる。あるいは、塩基性金属または有機金属ハイブリッド構造が作製された後に、組込むことができる。
【0072】
本発明の1つの実施形態では、粒子は、ナノ粒子、ナノ球体、ナノロッド、ナノチューブ、モノリシックシステム、ギザギザのシステム、凝集体、またはそれらの組合せの形でありうる。また、それらは、メソ孔性、ミクロ孔性、またはマクロ孔性構造のような、秩序材料を形成するように加工することもできる。粒子は、生理液の存在下で、表面腐食または生物分解によって、活性成分を分解および放出しうる。
【0073】
好適実施形態では、この組成物は、皮膚、直腸や膣などの粘着表面、眼の表面、鼻腔、口腔および口唇部分または外耳に対して局所適用するのに有用である。
【0074】
本発明の組成物は、クリーム、ローション、ゲル、ペースト、粉末、スプレー、泡、ロールオン、オイル、パッチ、懸濁液、軟膏、デオドラント、またはエアゾールとして調合される。本発明の1つの実施形態では、発明は、前記組成物を局所または粘着表面に送達するための、以下を含むキットにも関する:送達装置;無機成分(類)、1または複数の活性成分(類)、任意に放出率調整剤(類)を含有する粒子を有する組成物;および使用説明。送達装置は、組成物を局所または粘着表面に送達するための、加圧式または不圧式の分配装置またはアプリケータまたは機械的装置を備える。1つの好適実施形態では、送達装置は、計量された投与分の組成物を局所または粘着表面に送達することができる。
【0075】
本発明の1つの実施形態では、不圧式の分配装置は、手持ち型の絞出し容器、チューブ、粉末分配容器、ロールオン、の群から選択されるがそれに限定されない。
【0076】
また、本発明の更なる実施形態では、送達装置は、ブラシ、ヘラ、またはスプーンから選択されるがそれに限定されない、アプリケータでもありうる。
【0077】
別の形態では、組成物は、固体の形で、局所または粘着表面まで送達しうる。1実施形態では、固体形態は、計量投与分配容器、またはロールオンスティックのような分配装置の補助を用いて適用される、乾燥粉末の形態でもよく、あるいは、粉末投与形態は、患者/対象者の手によって、単に、使用部位に適用し擦込むような形態でもよい。
【0078】
本発明の他の実施形態では、調合物を、加圧型装置によってスプレーすることにより、分配してもよい。1つの実施形態では、組成物が加圧された缶から、あるいは好適性は低いが、ハンドポンプ式の容器から乾燥粉末としてスプレーされる。加圧式の缶の中身としては、医学的に承認されている推進剤が潜在的に適しており、それにはプロパンおよびブタンのようなアルカン、および、テトラフルオロエタン(HFA 134a)およびヘプタフルオロプロパン(HFA 227)のような承認されたハイドロフルオロアルカンが含まれる。任意に且つ好ましくは、スプレーする調製物は、強化剤を含む。この調合物には、様々な成分を単一相に維持するための、または軽い振動で再度乳化する2相の調製物として維持するための、界面活性剤を含有する。
【0079】
他のスプレー可能な成分をスプレーに含むこともできる。これらとしては植物油、または推進剤中に溶融可能であるが溶媒が蒸発すると皮膚上に沈着するポリマーのような、油性または閉鎖性の材料が含まれる。缶の中のスプレー溶液にも、成分を混合した状態に維持するために、界面活性剤を含有しうる。またエアゾール缶から出ると泡を形成する界面活性剤およびポリマーの組合せも含有しうる。泡は活性成分および無機成分、および任意に強化剤を含有する組成物を搬送し、これらの活性成分を皮膚上で、流出しないように、良好に局所的に沈着させる。泡は、直ぐにまたは徐々に、好ましくは組織の滲出液に接触したときに、つぶれて、組成物を組織の表面に送達することが好ましい。
【0080】
薬学的に受容されている任意の、ハイドロカーボン、CFC、またはHFA推進剤を調合物中に使用しうる。アエロゾル調合物の好ましい推進剤は、HFA 134a(テトラフルオロエタン)または HFA 227(ヘプタフルオロプロパン)のような、HFA(ハイドロフルオロアルカン、ハイドロフルオロカーボン、HFCとして知られる)、または医薬品としての使用が承認されている他のHFAである。HFAは、オゾン破壊潜在性がクロロフルオロカーボン(CFCs)よりはるかに低く、また現在推進剤として承認されている。プロパン、および、ブタンのようなアルカン推進剤と異なり、それらは不燃性である。文献では、HFAは、圧力を低減するために、エタノールおよび他の低級アルコールのような刺激性および/または可燃性の共−溶媒材料と共に用いられることが多い。共−溶媒は、必ずしも調合物中になくてもよい。HFAは容器中身の最終重量の約10%〜約50%、より好ましくは約15%〜約40%、更により好ましくは約20%〜約35%を形成するように、スプレー容器に装填される。この皮膚軟化剤は、推進剤と組合されたときに、バルサム/キャスタ オイル/界面活性材料中に溶解、または共−乳化し、且つ、室温(ca.20℃)、または好ましくは15℃以下で推進剤と組合されたときに、析出したりまたは相分離したりしないことが好ましい。
【0081】
スプレー缶は従来のものであり、好ましくは、エポキシの内被覆または他の保護膜を有するアルミニウムである。スプレー缶は、純粋な垂直以外の角度から調合物を分配可能である多角のスプレー ヘッド/ディスペンサを有することが好ましい。
【0082】
本発明によれば、組成物は活性成分を含有し、その活性成分は以下から選択されるが、それに限定されない:抗生物質、抗ウイルス薬、抗真菌剤、鎮痛剤、食欲抑制剤、乾癬治療剤、およびにきび処置薬剤、抗ヘルペス剤、駆虫薬、抗関節炎剤、抗喘息剤、抗痙攣剤、抗鬱剤、抗糖尿病剤、止瀉剤、抗ヒスタミン剤、抗炎症薬剤、抗偏頭痛製剤、制嘔吐剤、抗男性ホルモン、抗梅毒剤、抗腫瘍、パーキンソン病治療薬、かゆみ止め剤、抗精神病薬、解熱剤、鎮痙薬、抗コリン作用薬、交感神経興奮剤、キサンチン誘導体、カリウムおよびカルシウムチャネル拮抗剤を含む心臓血管製剤、ベータ遮断薬、アルファ遮断薬および抗不整脈剤、降圧剤、利尿剤、および抗利尿薬、一般の、冠状、末端、および大脳の中枢神経系刺激薬を含む血管拡張剤、血管収縮薬、うっ血除去剤を含む咳およ風邪の製剤、テストステロンのようなホルモン、エストラジオールおよびコルチコステロイドを含む他のステロイド、催眠薬、免疫抑制薬、筋肉弛緩薬、副交感神経遮断薬、精神刺激薬、皮膚炎ヘルペトフォルミス抑制剤、局所用保護剤、蚊防虫剤、抗シラミ薬剤、鎮静剤、トランキライザー、タンパク質のような高分子、ポリペプチド、多糖類、ワクチン、抗原、抗体およびそれらの組合せ。
【0083】
更なる実施形態では、組成物の活性成分(類)は、化粧用調製物として有用であり、以下の群から選択されるが、それに限定されない:老化防止剤、日焼け防止剤、しわ防止剤、保湿剤、フケ防止剤、特に 硫化セレン、ビタミン、糖類、オリゴ糖、加水分解性、もしくは非加水分解性、修飾、もしくは非修飾の、多糖類、アミノ酸、オリゴペプチド、加水分解される、もしくは加水分解されない、ポリ‐アミノ酸、酵素、分岐した、もしくは分岐しない、脂肪酸、および、脂肪族アルコール、動物、植物、または、鉱物のワックス、セラミド、および、疑似‐セラミド、ヒドロキシル化された有機酸、酸化防止剤、および、遊離基スカベンジャー、キレート剤、脂漏性調節剤、カルマント(calmants、いやし剤)、カチオン界面活性剤、カチオンポリマー、両性ポリマー、有機修飾されたシリコーン、鉱物、植物、または、動物のオイル、ポリイソブテン、および、ポリ(.アルファーオレフィン)、脂肪エステル、溶解もしくは分散された形のアニオンポリマー、溶解もしくは分散された形の非イオン性ポリマー、還元剤、毛髪染剤または顔料、酸化防止剤、遊離基スカベンジャー、メラニン調整剤、日焼け促進剤、脱色剤、皮膚着色剤、脂肪調整剤、希薄剤、抗脂漏薬剤、抗UV薬剤、角質溶解剤、リフレッシュ剤、瘢痕形成剤、血管保護物質、制汗剤、脱臭剤、スキンコンディショナー、免疫調節薬、栄養素、及び、精油、及び、香水、ヘアケア機能を持つ物質、抗脱毛剤、毛髪染剤、毛髪漂白剤、パーマ用還元剤、ヘアーコンディショナー、栄養素、または、それらの組合せ。
【0084】
更なる実施形態では、組成物中の活性成分は、分子量が100キロ ダルトン未満のペプチドであり、このペプチドは育毛成長促進剤アクチン結合ペプチド、RNA III阻害ペプチド、化粧品として有効なペプチド、および着色剤を主体とするペプチドから選択されるが、それに限定されない。
【0085】
組成物中に用いられる、活性剤のいくつかの特定の例としては、以下の分類が挙げられる:抗ウイルス薬、抗真菌剤、抗菌薬剤、抗脱毛症薬剤、抗にきび薬剤、抗乾癬剤、および免疫抑制剤。
【0086】
抗ウイルス薬は、以下の群から選択されるが、それに限定されない:アシクロビル、ガンシクロビル、ファミシクロビル、フォスカメット、イノシン−(ジメプラノール−4−アセタミドベンゾネート)、バルガンシクロビル、バルアシクロビル、シドフォビル、ブリブジン、例えばラミブジンのような抗レトロウイルス性活性成分(ヌクレオシド アナログ逆転写酵素阻害物質および誘導体)、ザルシタビン、ジダノシン、ジドブジン、テノフォビル、スタブジン、アバカビル、例えばアムプレナビルのような非ヌクレオシド アナログ逆転写酵素阻害物質、インジナビル、サクイナビル、ロピナビル、リトナビル、ネルフィナビル、アマンタジン、リバビリン、ザナミビル、オセルタミビルならびにそれらの組合せ。
【0087】
抗真菌剤は以下の群から選択されるが、それに限定されない:アリルアミン(アムロルフィン、ブテナフィン、ナフチフィン、テルビナフィン)、アゾール(ケトコナゾール、フルコナゾール、エルビオール、エコナゾール、エコナキソール、イトラコナゾール、イソコナゾール、イミダゾール、ミコナゾール、スルコナゾール、クロトリマゾール、エニルコナゾール、オキシコナゾール、チオコナゾール、テルコナゾール、ブトコナゾール、チアベンダゾール、ボリコナゾール、サペルコナゾール、セルタコナゾール、フェンチコナゾール、ポサコナゾール、ビホナゾール、フルトリマゾール)、ポリエン(ナイスタチン、ピマリシン、アムホテリシンB)、ピリミジン(フルシトシン)、テトラエン(ナタマイシン)、チオカルバミン酸塩(トルナフテート)、スルホンアミド(マフェニド、ダプソン)、グルカン合成阻害物質(カスポフンギン)、安息香酸化合物、それらの複合体および誘導体(アクトフニコン)などの全身用または粘膜用(グリセオフルビン、ヨウ化カリウム、Gentian Violet)および局所用(シクロピロキス、シクロピロキス オールアミン、ハロプロギン、ウンデシン酸塩、 銀スルファジアジン、ウンデシレン酸、ウンデシレン酸アルカノールアミド、Carbol−Fuchsin)薬剤ならびにそれらの組合せ。
【0088】
抗菌薬剤は、以下から選択されるが、それに限定されない:アクラシノマイシン、アクチノマイシン、アントラマイシン、アザセリン、アジトロマイシン、ブレオマイシン、ククチノマイシン、カルビシン、カルジノフィリン、クロモミシン、クリンダマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、6−ジアゾ−5−oxn−l−ノリオイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、マイトマイシン、ミコフェノルサウル、モガルマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、プリカマイシン、ポルフィロマイシン、ピュロマイシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメキス、ジノスタチン、ゾルビシン、アミノグリコシド、ポリエン、マクロリド−抗生物質誘導体およびそれらの組合せ。
【0089】
抗脱毛症薬剤は、ミノキシジル、シオテロネル、ジフェンシプロンおよびフィナステリド、およびそれらの組合せを含む群から選択されるが、それに限定されない。
【0090】
抗にきび薬剤は、例えばトレチオニンのようなレチノイド、イソトレチオニン、アダパレン、アルゲストン、アセトフェニド、アゼライン酸、過酸化ベンゾイル、シオテロネル、シプロテロン、モトルチニド、レソルシノール、タザロテン、チオキソロン、ならびにそれらの任意の組合せを含む群から選択されるが、それに限定されない。
【0091】
抗乾癬剤は、ジトラノール、アシトレチン、アンモニウム サリチレート、アントラリン、6−アザウリジン、ベルガプテン、カルシポトリエン、クリサロビン、エトリトレネート、ロナパレン、マキサカルシトール、ピロガロール、タカルシトールおよびタザロテン、ならびにそれらの任意の組合せを含む群から選択されるが、それに限定されない。
【0092】
免疫抑制剤は、タクロリムス、シクロスポリン、シロリムス、アレムツズマブ、アザチオプリン、バシリキシマブ、ブレキナル、ダクリズマブ、グスペリムス、6−メルカプトプリン、ミゾリビン、ムロモナブCD3、ピメクロリムス、ラパマイシンおよびそれらの組合せを含む群から選択されるが、それに限定されない。
【0093】
合成の蚊防虫剤は、以下を含む群から選択されるが、それに限定されない:N、N−ジエチル−メタ−トルアミド(DEET)、NNジエチル ベンズアミド、2、5−ジメチル−2、5−ヘキサンジオールベンジル、ベンジル ベンゾエート、2、3、4、5−ビス(ブチル−2−エン)テトラヒドロフルフラール(MGK Repellent 11)、ブトキシポリプロピレングリコール、N−ブチルアセトアニリド、ノルマル−ブチル−6、6−ジメチル−5、6−ジヒドロ−l、4−ピロン−2−カルボキシレート(Indalone)、ジブチル アジペート、ジブチル フタレート、ジ−ノルマル−ブチル スクシネート(Tabatrex)、ジメチル カルベート(エンド、エンド)−ジメチル ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2、3−ジカルボキシレート)、ジメチル フタレート、2−エチル−2−ブチル−l、3−プロパンジオール、 2−エチル−l、3−ヘキサンジオール(Rutgers 612)、ジ−ノルマル−プロピル イソシンコメロネート(MGK Repellent 326)、2−フェニルシクロヘキサノール、p−メタン−3、8−ジオール、およびノルマル−プロピル N、N−ジエチルスクシンアマートおよび誘導体、またはそれらの組合せ。天然の虫除けは以下の群から選択される:ジヒドロネペタラクトン(Dihydronepetalactone)、ユーカリプツス(Eucalyptus)−由来のp−メンタン−3、8−ジオール(PMD)レペレント、E−9−オクタデセン酸−由来の化合物、リモネンからの抽出物、シトロネラ、オイゲノール、(+) オイカマロール(1)、(−)−l −epi−オイカマロール、または、ユーカリプツスのような植物から抽出した原油、マクラタ、ビテキス ロツンジホリア、またはシンボポガン、マルチトール化合物、ペパーミントオイル、シンナモンオイル、およびネペタラクロンオイル、アザジラキチン(Azadirachitin)、他のニーム由来の化合物およびそれらの組合せ。
【0094】
1つの好適実施形態では、本発明の組成物は、アシクロビルが約1%〜約10%の投与量範囲で存在する、局所または粘膜適用用のアクシロビルの乾燥粉末組成物である。
【0095】
アシクロビルは、抗ウイルス薬剤であり、ヘルペスウイルスに起因する感染症の治療に用いられる。ヘルペスウイルスに起因する疾患には、陰部ヘルペス、顔面上または唇上の口辺疱疹、または、唇、帯状疱疹、及び、水痘が含まれる。局所用のアシクロビルは、皮膚に適用するためのクリームおよび軟膏として利用可能である。アシクロビル クリームは、通常、1日5回、4日間適用する。アシクロビル軟膏は、通常、1日に6回(通常3時間間隔)7日間適用する。このように、現在市販されている製剤は、適用頻度が高く、患者コンプライアントではない。無機成分および任意に放出調整剤と共にアシクロビルを含有する、本発明の乾燥粉末組成物は、皮膚の上層に保持される機能を有するため、適用頻度を低減することが可能である。
【0096】
他の好適実施形態では、組成物は、約1%〜約10%の投与範囲で存在する、テルビナフィンを含有する。
【0097】
テルビナフィンは抗真菌薬であり、水虫、いんきん、および白癬感染症のような皮膚感染症の治療に用いられる。テルビナフィンは、主に、真菌の皮膚糸状菌群に有効である。それは、1%クリームとして、いんきん(股部白癬)、水虫(足白癬)および他の型の白癬のような、皮相の皮膚感染症に用いられる。また局所用クリーム、ゲル、軟膏、溶液、およびスプレーとして利用可能である。無機成分および任意に放出調整剤と共にテルビナフィンを含有する、本発明の乾燥粉末組成物は、皮膚の上層に保持される機能を有するため、適用頻度を低減することが可能である。それは適用し易く、刺激が無く、且つ作用部位に適用したときに目立たない。
【0098】
好適実施形態の1つでは、組成物は、活性成分(類)を含有し、その活性成分は、クリンダマイシンである。更なる実施形態では、クリンダマイシンは、約1%〜約10%の投与範囲で存在する。
【0099】
クリンダマイシンは、抗生物質であり、呼吸器系、皮膚、骨盤、腟、及び、腹部の感染症の治療に用いられる。クリンダマイシン ホスフェートの局所適用は、中程度から重度のニキビ治療に用いられる。この薬剤は、Dalacin(R)(Pfizer社)、Cleocin(R)(Pfizer社)、およびEvoclin(R)(Connetics社)などの様々な商品名で、泡送達システムの形で、販売されている。無機成分および任意に放出調整剤と共にクリンダマイシンを含有する、本発明の乾燥粉末組成物は、皮膚の上層に保持される機能を有するため、適用頻度を低減することが可能である。好適実施形態の1つでは、組成物は、活性成分(類)を含有し、その活性成分は蚊防虫剤、特にメタ−N、N−ジエチル トルアミド、またはNN ジエチル ベンズアミドである。更なる実施形態では、メタ−N−ジエチル トルアミド、またはNN ジエチル ベンズアミドは、約1%〜約95%の投与範囲で存在する。メタ−N、N−ジエチル トルアミドは、短縮形はDEETであるが、防虫化学薬品である。それは、皮膚にまたは衣服に対して適用することを意図しており、主として、虫刺されから保護するために用いられる。特に、DEETは、ダニ咬傷(ライム病を伝染させる)および蚊咬傷(デング熱、西ナイルウイルス、東部ウマ脳炎(EEE)、およびマラリアを伝染させる)に対して保護する。
【0100】
NN ジエチル ベンズアミドは、12%の濃度で、一般に用いられている局所用防虫剤である。その、蚊に対する保護機能は、広く文献に記載されている。皮膚吸収の研究が行われ、活性成分の血漿への吸収が無く、従って、同時にヒトの皮膚上ではまったく安全であることが明らかにされている。
【0101】
無機成分および任意に放出調整剤と共に蚊防虫剤を含有する、本発明の乾燥粉末組成物は、皮膚の上層に保持される機能を有するため、適用頻度を低減することが可能である。
【0102】
1実施形態では、組成物は活性成分(類)を含有し、その活性成分は、育毛ホルモンである。更なる実施形態では、チモシンβ4と相同性の、育毛促進アクチン結合ペプチドが、約0.001%〜約20%の投与範囲で存在する。
【0103】
本発明の好適実施形態の1つでは、組成物は、例えば(「T−3」断片(残基17−23)または短いアクチン結合配列(残基17−22)などの、育毛に関連するチモシン−β4配列の最小単位の断片を含有する。これらの断片またはこれらの配列を含むペプチドは、ヒトおよび他の動物の育毛を促進するために用いられる。いくつかの実施形態では、1または複数のこれらの配列を含むペプチドは、治療対象の部分に局所的に適用される。他の実施形態では、ペプチドは、抗菌剤、駆虫剤、皮膚および/または毛髪コンディショナー、石鹸、皮膚軟化剤、および他の適切な組成物を含むが、それに限定されない、追加の組成物と関連して適用される。また、これらの配列の変形物または類似物(例えば、保存的および/または非保存的なアミノ酸変化)も育毛促進に有効であるであることが考えられる。あるいは、ペプチドは、アクチン結合配列(残基17−22)の外側に1または複数の保存的置換基を持つ、全長のチモシン−β4配列を含む。アクチン結合ポリペプチド成分のポリマー(例えば、チモシン−β4の二量体、及び、三量体、またはチモシン−β4のアミノ酸17−22の配列を含むペプチド)は、アクチン結合成分に結合された数種の融合分子が示すのと同様の、増強された育毛活動を示しうる。このように、本開示の中で有用なアクチン結合成分は、例えば、大きなペプチドの1部として、融合分子の部分として、またはポリマー中において、またはそれらの組合せを含む、多くの方法によって表すことができる。無機成分および任意に放出調整剤と共に、チモシン β4と相同性の育毛促進アクチン結合ペプチドを含有する、本発明の乾燥粉末組成物は、角質層、および表皮、および真皮、およびそれらの組合せのような、皮膚の層において、保持される機能を有するので、適用頻度が減少する。本発明の乾燥粉末組成物は適用し易く、刺激が無く、適用の際に目立たないため、良好な患者コンプライアンスを提供する。
【0104】
本発明の1つの形態は、組成物、特に乾燥粉末の形の組成物に関し、この組成物は、約5%w/w〜約80%w/wという、より高い割合の活性成分を組成物中に組込むことが可能である。このような組成物は、動物での試験において、皮膚のような作用部位に適用したときに、目立たないこともわかっている。
【0105】
本発明の組成物によると、活性成分が作用部位の皮膚中に長い間保持されれるので、承認された投与に比べて、頻度が少なくてよい。このように、例示的な実施形態では、組成物は、用いられる活性成分の型に基づき、1日に2回、1日に1回、2日に1回、1週間に3回、1週間に2回、および1週間に1回適用する。
【0106】
インビトロ皮膚浸透の研究は、皮膚用調合物の制御のための、最も一般的な実験設定である。この研究は、各研究集団、研究対象の物質、および物質の目的、あるいは皮膚に適用する際の調合物、に依存して、多種多様な実験プロトコルを用いて実施されてきた。このインビトロ法では、拡散セル内に組立てられた、静止または流れている、受容体流体に対する物質の拡散を、皮膚、各種バイオ工学処理された皮膚層、または人口膜を通して測定する。
【0107】
組成物の粒子の溶解のインビトロ研究を、特別に設計された薬剤放出装置の中で行った。この装置は、特別に処理された膜を備える透析バッグを含む。透析膜(25mm×16mm;Sigma−Aldrich; MoI Wt カットオフ 12.4 kDa)の処理は、以下の様式で実施した。グリセロールを透析チューブの中で保湿剤として用いた。水を3〜4時間流しながらチューブを洗浄することによって、それを除去した。硫黄化合物の除去は、80℃で、1分間、硫化ナトリウムの0.3% (w/v)溶液を、用いて、チューブを処理することで達成した。チューブは、温水(60℃)を用いて2分間洗浄し、その後、硫酸の0.2%(v/v)溶液で酸性化し、次に温水ですすぎ、酸を除去した。この処理済みの透析チューブを、チューブの一端を結束して、透析バッグを作製した。試料をチューブに注入し、その後、糸の結び目を用いて他端を閉じた。透析バッグは、空気袋であるため、媒体の表面に浮ぶ。多孔性の金属円板を用いて透析バッグを放出媒体中に沈めた。この装置を、図1に示す。
【0108】
本発明の組成物は、単相、二相または多相の放出プロファイルの群から放出される、活性成分の調整放出プロファイルを提供する。1つの好適実施形態では、組成物にインビトロでの溶解実験を行った場合、活性成分の合計量の60%以下が2時間以内に放出され、且つ活性成分の75%以上が14時間以内に放出される。1つの実施形態ではpH4.5の緩衝酢酸溶液中で修正したUSPパドル法を用いて研究を行った。
【0109】
角質層、表皮、および真皮を含む皮膚の異なる層における、異なる調合物の皮膚反応速度(dermatokinetics)を知るために、ラットとモルモットで、2つのテープ剥離研究を行った。同一箇所にセロファンテープを貼ったり剥がしたりを繰り返して皮膚の小部分から角質層を剥離することにより、各種の重要な検体アッセイに用いるための、随意量の間質液を容易に収集可能であることがわかっている。実験では、テープを皮膚の選択部分に当て、そのテープを選択された部位に接着させ、選択された皮膚の部位からテープを剥がし、皮膚の外側角質層の試料を得て、この試料をテープに接着させ、露出された皮膚成分を得た。
【0110】
ウイスターラットおよびモルモットに対して実施された実験では、動物の背中(背部付近)の、前後の四肢の間から、毛を抜いた。動物の背面に、3×3cm の面積のマークをつけた。試験用(本発明)および参照用(市販)の調合を、2時間の接触時間を用いて適用した。接着テープ(Transpore 3M)を用いて、剥離手順を行った(露出した皮膚の部位を接着テープで1分間保持し、そして、除去効率に対し剥離力の影響を最小限にするために、ピンセットを用いて30〜45度の角度で一定の力でその部位から剥離した)。モルモットにおいては適用から6時間および24時間の各時間ポイント毎に、ラットにおいては、0、3、6、14および24時間の各時間ポイント毎に、露出した部位から10回の剥離を実施した。未処理群にも、同様の剥離試験を行い、活性成分の測定のためHPLCによって分析した。1実施形態に関する結果を表8および9に記載する。
【0111】
他の実施形態では、本発明による組成物は、粒子が適用面積の外側に出るのを防止するための、密封性のパッチを更に含む。
【0112】
このように本発明は活性分子の組成物に関する分野における必要性、特に皮膚の表面または粘着表面に対する活性成分のより良好な局部的送達に関するものである。活性成分の送達に関するこの技術は、使い易さ、作用部位における良好な保持、有効吸収率、所定期間にわたる調整放出、投与減少、およびより良好な化粧用および審美眼的コンプライアンスのような利点を提供する。本発明の組成物は皮膚に対して刺激性でなく、また皮膚または粘着表面に適用したときに目立たないことに加えて、適用し易く、またより良好な患者コンプライアンスを有する。
【0113】
以下の実施例は、本発明のある種の特に好ましい実施形態を更に説明するためのものであって、本発明の範囲を何ら制限するものではない。
【実施例1】
【0114】
【表1】

【0115】
(「A」の作製方法)
金属酸化物ナノ粒子を以下のように合成した:最初に硝酸亜鉛を水50g中に溶解し、そして別の溶液で、水酸化カリウムを水25g中に溶解した。これらの2工程の後、別にテルビナフィン塩酸塩、およびヒドロキシプロピル セルロースをメタノール中に溶解して溶液「A」を形成した。先に作製した水酸化カリウム溶液を、20分間継続する連続攪拌下で、溶液「A」に液滴添加し、分散溶液「B」を形成した。先に作製した硝酸亜鉛溶液を、分散溶液「B」中に液滴添加した。その結果できた溶液を攪拌し、遠心分離し、その後、水で3回洗浄し、白色の粗い凝集体(ナノ粒子)を得た。これらのナノ粒子を、更に、プロピレン グリコール、水、およびトリエタノールアミン(40:45:15の比率)の混合物中に分散させ、分散混合物「C」を形成した。最後に、キサンタン ガムのような適切なポリマーを用いて、分散混合物「C」からゲルを作成した。
【0116】
(「B」の作製方法)
テルビナフィン塩酸塩およびヒドロキシプロピル セルロースをメタノール中に溶解して薬剤ポリマー溶液を形成した。別の工程では、水酸化カリウムをメタノール中に溶解して、その後その溶液を氷槽中に保存した。更に重要な工程として、亜鉛アセテートを高温において先に作製した薬剤ポリマー溶液に添加した。その結果作製された薬剤、ポリマー、および亜鉛アセテートを含有する溶液「A」を、攪拌下で、氷槽中に保存された水酸化カリウム溶液中に添加し、ナノ粒子を形成し、それをメタノールで3回洗浄した。得られたナノ粒子を、更にプロピレン グリコール、水、およびトリエタノールアミン(40:45:15の比率)の混合物中に分散し、分散混合物を形成した。最後に、キサンタン ガムのような適切なポリマーを用いて、分散混合物からゲルを作成した。
【0117】
(「C」 および 「D」の作製方法)
組成物「C」を作製するためにテルビナフィン、HPC、および硝酸亜鉛を準備し、そして組成物「D」を作製するためにテルビナフィン、および硝酸亜鉛を準備し、それらをメタノール中に溶解し、溶液「A」を形成し、そして水酸化カリウムを水中に溶解し、溶液「B」を形成した。次に「工程B」の溶液を、500rpmの連続攪拌下で、調整された率(0.2〜0.5ml/min)で、「工程A」の溶液に加えた。このようにして得られた分散物を、凍結乾燥し、微粉末を得た。
【0118】
(アッセイ)
上述の各組成物を、薬剤含有量(合計薬剤)に関して分析した。秤量した薬剤を含有する粒子を1N HCl中に溶解し、その後、メタノールで希釈した。HPLCを用いる標準に比較し、薬剤を測定した。組成物「C」の場合は、、1グラムの粉末に65.4mgのテルビナフィン塩酸塩を含んでいた。
【0119】
(封止効率)
組成物「C」の凍結乾燥された粉末の封止効率を測定した。この粉末をpH4.5の緩衝酢酸溶液中に分散し、25℃において、10分間、10,000rpmで、遠心分離した。封止されていない薬剤である、上澄み緩衝液中の薬剤の量を測定した。式1を用いて封止効率(EE)を算出した。
% EE=((合計薬剤−封止されていない薬剤)/合計薬剤) × 100(式1)
その結果、99.70%の封止効率を示した。
【0120】
(粒子サイズデータ)
組成物「C」の粒子サイズの分布を分散段階において測定した。得られた分散物を精製水で希釈(1対10)し、そして氷槽を備えるプローブ超音波粉砕装置を用いて10分間超音波粉砕した(0.8サイクル;60%の振幅)。Horiba Partica LA−950 (Fraction Cell)を用いて粒子サイズ分布を測定した。以下の表2は粒子サイズのデータを示す。
【0121】
【表2】

* 分散物中に凝集体が観察された;したがってこれは二次粒子サイズを表すものである。
【0122】
また、粒子の結晶サイズもX線回折技術を用いて測定し、31.88nm(上限が49.23nm;下限が28.34nm)であることがわかった。
【実施例2】
【0123】
【表3】

【0124】
(Eの作製方法)
水酸化カリウムと共にアシクロビルを50gの水中に溶解した。次に、硝酸亜鉛を50gの水中に溶解した。別に、HPCを75gの水中に分解した。更に、3溶液すべてを、攪拌下で、同時に混合し、その結果、白色沈殿物を得た。この沈殿物を凍結乾燥し、白色粉末を得た。
【0125】
(Fの作製方法)
マンニトールを100gの水中に溶解し、溶液「A」を形成した。別に、アシクロビルおよびNaOHを50gの水中に溶解し、溶液「B」を形成した。別の工程では、HPCおよび硝酸亜鉛を50gの水中に溶解し、溶液「C」を形成した。機械的攪拌器を用いて500rpmで攪拌しながら溶液「B」の薬剤溶液および硝酸亜鉛溶液「C」を同時にマンニトール溶液「A」に添加した。分散物を精製水を用いて希釈した(4回)。更に、分散物をスプレー乾燥および凍結乾燥し、微粉末を得た。
【0126】
(G、H、およびIの作製方法)
表2、方法「G」に示すアラビアゴムを精製水(75.0g)中に溶解し、溶液「A」を形成し、そしてHPCおよび硝酸亜鉛を精製水50.0g中に溶解し、溶液「B」を形成する。別の工程では、活性分子アシクロビルを水酸化ナトリウム中に溶解し、溶液「C」を形成する。更に組成物「G」のために、溶液「A、B、C」を500rpmの連続攪拌下で、調整された率(0.2〜0.5ml/min)で、混合し、分散物を形成し、そして溶液「B、C」を、調整された率(0.2〜0.5ml/min)で、500rpmの連続攪拌下で、組成物「H」中で、混合し分散物を形成する。HPCを用いないこと以外は、組成物「H」と同様の方法で、組成物Tを作製する。更に、得た分散物を凍結乾燥し、乾燥粉末アシクロビル調合物を得る。
【0127】
(アッセイ)
上述の各組成物を薬剤含有量(合計薬剤)に関して分析した。秤量した薬剤を含有する粒子を、0.1N HCl中に溶解し、HPLCを用いる標準に比較して測定した。組成物「G」の場合は、粉末1グラムにつき、80.70mgのアシクロビルを含有する。
【0128】
(封止効率)
凍結乾燥された粉末の組成物「G」の封止効率を測定した。この粉末を、pH4.5の緩衝酢酸溶液中に分散し、25℃において、10分間、10,000rpmで、遠心分離した。封止されていない薬剤である、上澄み緩衝液中の封止されていない薬剤の量を測定した。式1を用いて封止効率を算出した。
その結果、91.96%の封止効率を示した。
【0129】
(粒子サイズデータ)
組成物「G」の粒子サイズの分布を分散段階において測定した。得られた分散物を精製水で希釈(1対10)し、そして氷槽を備えるプローブ超音波粉砕装置を用いて10分間超音波粉砕した(0.8サイクル;60%の振幅)。Horiba Partica LA−950 (Fraction Cell)を用いて粒子サイズ分布を測定した。以下の表4は粒子サイズのデータを示す。
【0130】
【表4】

【0131】
また、粒子の結晶サイズもX線回折技術を用いて測定し、67.62nm(上限が104.44nm;下限が60.11nm)であることがわかった。
【0132】
(薬剤放出)
USP溶解装置における薬剤放出研究に用いるパラメータおよびそのプロセスを以下に記載する:
薬剤放出媒体/体積:pH4.5緩衝酢酸溶液/500ml
方法:USP2パドル/透析バッグに取付けられた多孔性の金属ディスク上で50rpm
透析バッグ詳細:長さ:合計8cm(両側の糸の結び目に関しては1.5cm;拡散に関する有効区域5cm)
バッグ内の粉末の重量: 506.7mg
バッグ内の媒体の体積:5.0ml
薬剤量/単位:40.9mg
温度:37±0.5℃
処理された透析チューブを用い、チューブの一端を縛って、透析バッグを作製した。試料をチューブ内に注入し、その後、他端を糸の結び目を用いて閉じた。透析バッグを、多孔性の金属円板に結びつけ、それを、37±0.5℃に設定された放出媒体を含む容器の底に配置した。
サンプリング: 10ml 交換を用いる。この実験の結果を図2に示す。
【実施例3】
【0133】
【表5】

【0134】
(J、K、およびLの作製方法)
アラビアゴムを精製水75.0g中に溶解し、溶液「A」を形成し、ヒドロキシプロピル セルロースおよび硝酸亜鉛を、精製水中に溶解し、溶液「B」を形成した。別の工程では、活性分子クリンダマイシンを水酸化ナトリウムのアルカリ溶液中に溶解し、溶液Cを形成する。更に、溶液A、B、C(方法「J」)またはB、C(方法「K」)を調整された率(0.2〜0.5ml/min)で、連続攪拌下で、混合し、分散物を形成する。この分散物を凍結乾燥し、乾燥粉末クリンダマイシン調合物を形成する。同様の方法「L」において、硝酸亜鉛を精製水中に溶解し、溶液「A」を形成し、そしてクリンダマイシンをアルカリ中に溶解し、溶液 「B」を形成した。更に溶液A、Bを調整された率(0.2−0.5ml/min)で、連続攪拌下で混合し分散物を形成する。この分散物を凍結乾燥し、乾燥粉末クリンダマイシン調合物を形成した。
【実施例4】
【0135】
【表6】

【0136】
(「M」、「N」、「O」、「P」、「Q」および「R」の作製方法)
チモシンβ4ペプチドを、硝酸亜鉛中、HPCおよび水中に溶解し、溶液「A」を形成した。別の溶液として、ウシ血清アルブミン および アラビアゴムを水中に溶解し、溶液「B」を形成した。更なる工程では水酸化ナトリウムを水中に溶解し、溶液「C」を形成した。溶液「A」および「C」を500rpmの連続攪拌下で添加し、分散物を得た。この結果得た分散物を更に凍結乾燥し、乾燥粉末を得た。組成物の「M」、「N」、および「O」、「P」、「QおよびR」の成分の濃度を表6に示す。
【実施例5】
【0137】
【表7】

【0138】
(S、T、UおよびVの作製方法)
N−Nジエチル ベンズアミド(方法「T」)またはN−N ジエチル メタ トルアミド(方法「S」)、HPC(方法「U」および「V」のみ)、および硝酸亜鉛をメタノール中に溶解し、溶液「A」を形成した。更に別の溶液として、水酸化カリウムを水中に溶解し、溶液「B」を形成した。溶液「A」を溶液「B」に、調整された率(0、2〜0.5ml/min)で、500rpmにおける連続攪拌下で、添加し、分散物を形成した。分散物を更に凍結乾燥し、微粉末を得た。組成物「S」、「T」、「U」、「V」の成分の濃度を表7に示す。
【実施例6】
【0139】
ウイスターラットおよびモルモットにおける、本発明のテルビナフィンの異なる局所調合物の皮膚反応速度を知るために、2つのテープ剥離研究を実施した。この研究の結果を以下に記載する。
【0140】
(研究1)
1.95mgのテルビナフィンを含有する、「方法D」の組成物30mgの局所適用に関する実験にウイスターラット(雌、200〜250 Gms)を用いた。研究のための参照用として、市販のテルビナフィン クリーム 調合物を用いた(B.No.73002T)。;195mgの参照用投与量は、1.95mgのテルビナフィンを含んでいた。研究は、24時間の間行われ、その間、0、3、6、14および24時間の間隔で値を観測した。6匹/時間ポイントで、(n=6)匹のラットを用いた。その結果を表8に示す。
【0141】
ウイスターラット(n=5〜6)における各種の時間ポイントにおける、参照用および試験用調合物の治療を用いた角質層におけるテルビナフィンの合計濃度(μg)
【0142】
【表8】

【0143】
表に示すように;試験用組成物は、参照用組成物に比べて、測定した時間ポイントすべてにおいて5倍以上高く保持された。
【0144】
(研究II)
1.95mgのテルビナフィンを含有する「方法D」の組成物30mgの局所適用に関する実験にモルモット(雄または雌のいずれか 250〜350Gms)を用いた。市販のクリーム調合物を研究の参照用として用いた(B.No.73002T);参照投与量の195mgは、1.95mgのテルビナフィンを含んでいた。研究は24時間の間行われ、その間、6および24時間の間隔で値を観察した。合計35(n=5)のモルモットを用いた。その結果を表9に示す。
【0145】
モルモット(n=5)における各異なる時間ポイントにおける、参照用および試験調合物の治療を用いた角質層におけるテルビナフィンの合計濃度(μg)
【0146】
【表9】

【0147】
表に示すように;試験組成物は、参照用組成物に比べて、6時間および24時間、それぞれの時間ポイントの測定において、各々5倍以上、および3倍以上、高く保持された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含有する粒子を有する組成物:
a. 無機成分;
b. 少なくとも1または複数の活性成分;および
c. 任意に、放出率調整剤。
【請求項2】
前記粒子はナノ粒子またはミクロ粒子またはそれらの混合物である請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記無機成分は、シリカ、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、特に亜鉛、カルシウム、マグネシウム、チタン、銀、アルミニウム、およびランタン族類、それらの塩、水和物、ならびにそれらの組合せを含む群から選択される請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記無機成分は、アルコキシド、酸化物、アセテート、オキサレート、ウレエート、またはニトレートの形である、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記無機成分は、亜鉛酸化物、カルシウム炭酸塩、カルシウム酸化物、カルシウム水酸化物、カルシウム重炭酸塩、またはそれらの組合せを含む群から選択される、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
放出率調整剤が、天然ポリマー、合成ポリマー、半合成ポリマー、脂質、ワックスおよび天然または合成ガム、多糖類、単糖類、蔗糖、塩、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、およびそれらの組合せの群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記放出率調整剤は、天然、合成、または半合成ポリマー、特に、ポリアクリレート ポリマー、ポリエチレン オキシド ポリマー、セルロース ポリマー、ポリオルトエステル、キトサン、ポリラクチド、ビニル ポリマーおよびコポリマー、アルキレン オキシド ホモポリマー ポリジオキサン、ポリ無水物、ポリカーボネート、ポリエステルアミド、ポリアミド ポリホスファジン、セラック誘導体およびそれらの組合せの群から選択される生分解性ポリマーまたはコポリマーである、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記放出率調整剤は、ゼラチン、ウシ血清アルブミン、ヒト血清アルブミンおよびそれらの組合せから選択されるタンパク質である、請求項6に記載の組成物。
【請求項9】
親水性溶媒、親油性溶媒、湿潤剤/可塑剤、増粘ポリマー、界面活性剤/乳化剤、香料、防腐剤、キレート剤、UV吸収剤/フィルタ剤、抗酸化剤、角質溶解剤、ジヒドロキシアセトンまたは浸透促進剤、分散剤、凝集分解剤およびそれらの混合物を更に含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記粒子の平均粒径は約100μm未満である、請求項2に記載の組成物。
【請求項11】
前記粒子は、約1nm〜約2000nm、約10nm〜約200nm、約15nm〜約150nmからなる群の範囲の平均粒径を有するナノ粒子である、請求項2に記載の組成物。
【請求項12】
前記粒子の合成は、高圧均質化を含む均質化、ボールミル粉砕、高剪断湿式磨砕、媒体粉砕を含む粉砕、超臨界流体法、乳化拡散法、ゾルゲル法、化学的または機械的方法、エアロゾル流通反応装置を含む沈殿のような方法、およびそれらと同様の方法によって合成される、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記粒子はゾル−ゲル法によって合成される、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
皮膚、直腸や膣などの粘着表面、眼の表面、鼻腔、口腔または口唇部分または外耳に対して局所適用するのに有用である、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
前記組成物は、1日2回、1日1回、2日に1回、1週間に3回、1週間に2回、および1週間に1回からなる群から選択される投与頻度において、適用される、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物は、皮膚の層内に、特に角質層内、表皮または真皮内、およびそれらの組合せに留まる機能を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
単相、二相、または多相の放出プロファイルの群から選択される調整された放出プロファイルを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
前記組成物にインビトロの溶解実験を行ったときに、2時間の間に、活性成分の合計の60%以下が放出され、且つ、14時間のうちに、前記活性成分の75%以上が放出される、請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
以下の工程を含む、請求項1に記載の組成物の製造方法:
a.活性成分または活性成分(複数)を溶媒中に溶解し、溶液(a)を形成する工程;
b.無機金属塩を溶媒中に溶解し、溶液(b)を形成する工程;
c.放出率調整剤を溶媒中に溶解し、溶液(c)を形成する工程;ここで、アルカリ水酸化物溶液は、工程「a」「b」または「c」のいずれかに含まれる、
d.溶液(a)、(b)および(c)を混合し、沈殿物を形成する工程;および、
e.工程(d)で形成された沈殿物を乾燥し、乾燥粉末組成物を形成する工程。
【請求項20】
以下の工程を含む、請求項1に記載の組成物の製造方法:
a.無機金属塩を溶媒中に溶解する工程;
b.アルカリ水酸化物を溶媒中に溶解する工程;
c.活性成分およびポリマーを溶媒中に溶解する工程;
d.工程(b)のアルカリ水酸化物を工程(c)の溶液に加える工程;
e.工程(a)の無機金属塩を工程(d)で作製した溶液に加える工程;
f.(e)の結果できた溶液を攪拌する工程;
g.遠心分離および水で1回以上洗浄することによって、粗い凝集体を採取する工程;
h.ナノ粒子を溶媒の混合物中に分散する工程;および、
i.(h)で得たナノ粒子分散物を増粘し、ゲルを形成する工程.。
【請求項21】
前記アルカリ水酸化物は、KOH、NaOH、LiOH、NHOH、Mg(OH)、それらの水和物およびそれらの組合せから選択される、請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
乾燥工程は、凍結乾燥、スプレー乾燥またはスプレー凍結乾燥法、またはそれらの組合せによって行われる、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記溶媒は、水、C−Cアルコール、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチル ケトン、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、メシチレン、ジエチル エーテル、ジクロロメタン、クロロホルム、プロピレン グリコール、トリエタノールアミンおよびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項19または20に記載の方法。
【請求項24】
前記組成物は、クリーム、ローション、ゲル、ペースト、粉末、スプレー、泡、ロールオン、オイル、パッチ、懸濁液、軟膏、デオドラント、またはエアゾールである、請求項1に記載の組成物。
【請求項25】
前記組成物は、局所または粘膜適用の乾燥粉末である、請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
前記組成物は、皮膚または粘着表面に適用したときに、刺激が無く、且つ目立たない、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
前記組成物は、ザラザラせず、適用し易い、請求項25に記載の組成物。
【請求項28】
前記活性成分は、抗生物質、抗ウイルス薬、抗真菌剤、鎮痛剤、食欲抑制剤、乾癬治療剤、およびにきび処置薬剤、抗ヘルペス剤、駆虫薬、抗関節炎剤、抗喘息剤、抗痙攣剤、抗鬱剤、抗糖尿病剤、止瀉剤、抗ヒスタミン剤、抗炎症薬剤、抗偏頭痛製剤、制嘔吐剤、抗男性ホルモン、抗梅毒剤、抗腫瘍、パーキンソン病治療薬、かゆみ止め剤、抗精神病薬、解熱剤、鎮痙薬、抗コリン作用薬、交感神経興奮剤、キサンチン誘導体、カリウムおよびカルシウムチャネル拮抗剤を含む心臓血管製剤、ベータ遮断薬、アルファ遮断薬および抗不整脈剤、降圧剤、利尿剤、および抗利尿薬、一般の、冠状、末端、および大脳の中枢神経系刺激薬を含む血管拡張剤、血管収縮薬、うっ血除去剤を含む咳およ風邪の製剤、テストステロンのようなホルモン、エストラジオールおよびコルチコステロイドを含む他のステロイド、催眠薬、免疫抑制薬、筋肉弛緩薬、副交感神経遮断薬、精神刺激薬、皮膚炎ヘルペトフォルミス抑制剤、局所用保護剤、蚊防虫剤、抗シラミ薬剤、鎮静剤、トランキライザー、タンパク質のような高分子、ポリペプチド、多糖類、ワクチン、抗原、抗体およびそれらの組合せから選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項29】
前記活性成分は、老化防止剤、日焼け防止剤、しわ防止剤、保湿剤、フケ防止剤、特に 硫化セレン、ビタミン、糖類、オリゴ糖、加水分解性、もしくは非加水分解性、修飾、もしくは非修飾の、多糖類、アミノ酸、オリゴペプチド、加水分解される、もしくは加水分解されないペプチド、ポリ‐アミノ酸、酵素、分岐した、もしくは分岐しない、脂肪酸、および、脂肪族アルコール、動物、植物、または、鉱物のワックス、セラミド、および、疑似‐セラミド、ヒドロキシル化された有機酸、酸化防止剤、および、遊離基スカベンジャー、キレート剤、脂漏性調節剤、カルマント、カチオン界面活性剤、カチオンポリマー、両性ポリマー、有機修飾されたシリコーン、鉱物、植物、または、動物のオイル、ポリイソブテン、および、ポリ(.アルファーオレフィン)、脂肪エステル、、溶解もしくは分散された形のアニオンポリマー、溶解もしくは分散された形の非イオン性ポリマー、還元剤、毛髪染剤または顔料、酸化防止剤、遊離基スカベンジャー、メラニン調整剤、日焼け促進剤、脱色剤、皮膚着色剤、脂肪調整剤、希薄剤、抗脂漏薬剤、抗UV薬剤、角質溶解剤、リフレッシュ剤、瘢痕形成剤、血管保護物質、制汗剤、脱臭剤、スキンコンディショナー、免疫調節薬、栄養素、及び、精油、及び、香水、ヘアケア機能を持つ物質、抗脱毛剤、毛髪染剤、毛髪漂白剤、パーマ用還元剤、ヘアーコンディショナー、栄養素、または、それらの組合せの群から選択される、化粧品剤である請求項1に記載の組成物。
【請求項30】
前記活性成分は、分子量が100キロ ダルトン未満のペプチドであり、且つ毛髪成長促進剤アクチン結合ペプチド、RNA III阻害ペプチド、化粧品として有効なペプチド、または着色剤を主体とするペプチドから選択されるペプチドである、請求項1に記載の組成物。
【請求項31】
前記活性成分は、抗ウイルス薬、抗真菌剤、抗菌薬剤、免疫抑制剤、抗乾癬剤、抗脱毛症薬剤、または、抗にきび薬剤から選択される、請求項28に記載の組成物。
【請求項32】
前記抗ウイルス薬は、アシクロビル、ガンシクロビル、ファミシクロビル、フォスカメット、イノシン−(ジメプラノール−4−アセタミドベンゾネート)、バルガンシクロビル、バルアシクロビル、シドフォビル、ブリブジン、例えばラミブジンのような抗レトロウイルス性活性成分(ヌクレオシド アナログ逆転写酵素阻害物質および誘導体)、ザルシタビン、ジダノシン、ジドブジン、テノフォビル、スタブジン、アバカビル、例えばアムプレナビルのような非ヌクレオシド アナログ逆転写酵素阻害物質、インジナビル、サクイナビル、ロピナビル、リトナビル、ネルフィナビル、アマンタジン、リバビリン、ザナミビル、オセルタミビルならびにそれらの組合せの群から選択される、請求項31に記載の組成物。
【請求項33】
前記抗真菌剤は、アリルアミン(アムロルフィン、ブテナフィン、ナフチフィン、テルビナフィン)、アゾール(ケトコナゾール、フルコナゾール、エルビオール、エコナゾール、エコナキソール、イトラコナゾール、イソコナゾール、イミダゾール、ミコナゾール、スルコナゾール、クロトリマゾール、エニルコナゾール、オキシコナゾール、チオコナゾール、テルコナゾール、ブトコナゾール、チアベンダゾール、ボリコナゾール、サペルコナゾール、セルタコナゾール、フェンチコナゾール、ポサコナゾール、ビホナゾール、フルトリマゾール)、ポリエン(ナイスタチン、ピマリシン、アムホテリシンB)、ピリミジン(フルシトシン)、テトラエン(ナタマイシン)、チオカルバミン酸塩(トルナフテート)、スルホンアミド(マフェニド、ダプソン)、グルカン合成阻害物質(カスポフンギン)、安息香酸化合物、それらの複合体および誘導体(アクトフニコン)などの全身用または粘膜用(グリセオフルビン、ヨウ化カリウム、Gentian Violet)および局所用(シクロピロキス、シクロピロキス オールアミン、ハロプロギン、ウンデシン酸塩、 銀スルファジアジン、ウンデシレン酸、ウンデシレン酸アルカノールアミド、Carbol−Fuchsin)薬剤ならびにそれらの組合せから選択される、請求項31に記載の組成物。
【請求項34】
抗菌薬剤は、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、アントラマイシン、アザセリン、アジトロマイシン、ブレオマイシン、ククチノマイシン、カルビシン、カルジノフィリン、クロモミシン、クリンダマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、6−ジアゾ−5−oxn−l−ノリオイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、マイトマイシン、ミコフェノルサウル、モガルマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、プリカマイシン、ポルフィロマイシン、ピュロマイシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメキス、ジノスタチン、ゾルビシン、アミノグリコシド、ポリエン、マクロリド−抗生物質誘導体およびそれらの組合せ含む、請求項31に記載の組成物。
【請求項35】
前記抗脱毛症薬剤は、ミノキシジル、シオテロネル、ジフェンシプロンおよびフィナステリド、およびそれらの組合せの群から選択される、請求項31に記載の組成物。
【請求項36】
前記抗にきび薬剤は、トレチオニンのようなレチノイド、イソトレチオニン、アダパレン、アルゲストン、アセトフェニド、アゼライン酸、過酸化ベンゾイル、シオテロネル、シプロテロン、モトルチニド、レソルシノール、タザロテン、チオキソロン、ならびにそれらの任意の組合せの群から選択される、請求項31に記載の組成物。
【請求項37】
前記活性成分は、ジトラノール、アシトレチン、アンモニウム サリチレート、アントラリン、6−アザウリジン、ベルガプテン、カルシポトリエン、クリサロビン、エトリトレネート、ロナパレン、マキサカルシトール、ピロガロール、タカルシトールおよびタザロテン、ならびにそれらの任意の組合せの群から選択される抗乾癬剤である、請求項31に記載の組成物。
【請求項38】
前記活性成分は、タクロリムス、シクロスポリン、シロリムス、アレムツズマブ、アザチオプリン、バシリキシマブ、ブレキナル、ダクリズマブ、グスペリムス、6−メルカプトプリン、ミゾリビン、ムロモナブCD3、ピメクロリムス、ラパマイシンおよびそれらの組合せ、の群から選択される免疫抑制剤である、請求項31に記載の組成物。
【請求項39】
前記活性成分は、N、N−ジエチル−メタ−トルアミド(DEET)、NNジエチル ベンズアミド、2、5−ジメチル−2、5−ヘキサンジオールベンジル、ベンジル ベンゾエート、2、3、4、5−ビス(ブチル−2−エン)テトラヒドロフルフラール(MGK Repellent 11)、ブトキシポリプロピレングリコール、N−ブチルアセトアニリド、ノルマル−ブチル−6、6−ジメチル−5、6−ジヒドロ−l、4−ピロン−2−カルボキシレート(Indalone)、ジブチル アジペート、ジブチル フタレート、ジ−ノルマル−ブチル スクシネート (Tabatrex)、ジメチル カルベート(エンド、エンド)−ジメチル ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2、3−ジカルボキシレート)、ジメチル フタレート、2−エチル−2−ブチル−l、3−プロパンジオール、 2−エチル−l、3−ヘキサンジオール(Rutgers 612)、ジ−ノルマル−プロピル イソシンコメロネート(MGK Repellent 326)、2−フェニルシクロヘキサノール、p−メタン−3、8−ジオール、およびノルマル−プロピル N、N−ジエチルスクシンアメートおよび誘導体、またはそれらの組合せ、から選択されるが、これに限定されるものではない、合成の蚊防虫剤、あるいはジヒドロネペタラクトン(Dihydronepetalactone)、ユーカリプツス(Eucalyptus)−由来のp−メンタン−3、8−ジオール(PMD)レペレント、E−9−オクタデセン酸−由来の化合物、リモネンからの抽出物、シトロネラ、オイゲノール、(+) オイカマロール(1)、(−)−l −epi−オイカマロール、ユーカリプツスのような植物から抽出した原油、マクラタ、ビテキス ロツンジホリア、シンボポガン、マルチトール化合物、ペパーミントオイル、シンナモンオイル、およびネペタラクロンオイル、アザジラキチン(Azadirachitin)または他のニーム由来の化合物およびそれらの組合せ、の群から選択される天然の虫除けである、請求項1に記載の組成物。
【請求項40】
以下を含有する粒子を有する、請求項1に記載の組成物:
a.約0.1%w/wから約99.5%w/wの無機成分、
b.約0.01%w/wから約99.9%w/wの1または複数の活性成分、
c.任意に、総重量に対して、約0.001%w/wから約75%w/wの放出率調整剤。
【請求項41】
以下を含有する粒子を有する組成物:
a.無機成分;
b.アシクロビル、テルビナフィン、クリンダマイシン、N−N−ジエチル−メタ−トルアミド(DEET)、 N−N−ジエチル ベンズアミドまたはTβ4と相同性のアクチン結合ペプチド、またはそれらの類似物、から選択される少なくとも1つの活性成分;および
c.任意に、放出率調整剤。
【請求項42】
局所または粘膜に適用するための、アシクロビル、テルビナフィン、クリンダマイシン、N−N−ジエチル−メタ−トルアミド(DEET)、またはN、N−ジエチル ベンズアミドの群から選択される活性成分を含有する乾燥粉末組成物。
【請求項43】
無機成分および、任意に、放出率調整剤を更に含む、請求項42に記載の乾燥粉末組成物。
【請求項44】
ナノ粒子またはミクロ粒子またはそれらの混合物として調合される、請求項43に記載の乾燥粉末組成物。
【請求項45】
活性成分が、総重量の約1%w/wから約95%w/wの投与範囲で存在する、請求項42に記載の乾燥粉末組成物。
【請求項46】
前記組成物は、1日2回、1日1回、2日に1回、1週間に3回、1週間に2回、および1週間に1回からなる群から選択される投与頻度において、適用される、請求項42に記載の乾燥粉末組成物。
【請求項47】
前記組成物は、皮膚の上層内に留まる機能を有する、請求項42に記載の乾燥粉末組成物。
【請求項48】
調整された放出プロファイル、特に単相、二相、多相の放出プロファイルを有する、請求項42に記載の乾燥粉末組成物。
【請求項49】
ヒトの育毛促進に適切なアクチン結合ペプチド、特に、局所または粘膜適用のための、相同性Tβ4 ペプチドまたはその類似物を含有する、乾燥粉末組成物。
【請求項50】
無機成分、および任意に、放出率調整剤を更に含有する、請求項49に記載の乾燥粉末組成物。
【請求項51】
ナノ粒子またはミクロ粒子またはそれらの混合物として調合される、請求項50に記載の乾燥粉末組成物。
【請求項52】
Tβ4と相同性のアクチン結合ペプチド、またはそれらの類似物の必要投与量は、総重量の0.001%w/wから約20%w/wの間である、請求項49に記載の乾燥粉末組成物。
【請求項53】
前記組成物は、1日2回、1日1回、2日に1回、1週間に3回、1週間に2回、および1週間に1回からなる群から選択される投与頻度において適用される、請求項49に記載の乾燥粉末組成物。
【請求項54】
前記組成物は、皮膚の上層内に留まる機能を有する、請求項49に記載の乾燥粉末組成物。
【請求項55】
単相、二相、または多相の放出プロファイルの群から選択される調整された放出プロフイルを有する請求項49に記載の乾燥粉末組成物。
【請求項56】
送達装置;請求項1に記載の組成物;および使用説明を備え、前記組成物を局所または粘着表面に送達するための、キット。
【請求項57】
前記送達装置は、前記組成物を局所または粘着表面に送達するための、加圧式または不圧式の分配装置、またはアプリケータ、または機械的装置を備える、請求項56に記載のキット。
【請求項58】
前記送達装置は、計量された投与量の前記組成物を局所または粘着表面に送達するための、加圧式または不圧式の分配装置を備える、請求項57に記載のキット。
【請求項59】
前記組成物は、粒子が適用面積の外側に出るのを防止するための、密封性のパッチを更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項60】
以下を含む粒子:
a.無機成分
b.1または複数の活性成分
c.任意に、放出率調整剤。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−500340(P2010−500340A)
【公表日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−523446(P2009−523446)
【出願日】平成19年8月10日(2007.8.10)
【国際出願番号】PCT/IN2007/000340
【国際公開番号】WO2008/062429
【国際公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(500445631)パナセア バイオテック リミテッド (29)
【Fターム(参考)】