説明

活性炭インクのパターン状適用

活性炭インクが適用された臭気制御基体が提供される。活性炭インクは、基体の表面積の約25%から約95%までを覆うパターンで適用される。本発明者は、活性炭インクが全表面を覆わなくても、依然として、基体に良好な臭気減少特質を与える能力を持つことを発見した。また、消費者に対して、臭気制御基体の美的魅力をさらに強化するために、基体に、活性炭インクのパターンに重なってもよいし又は重ならなくてもよいパターンで1つ又はそれ以上のカラーインクを適用することもできる。カラーインクは活性炭インクと十分にコントラストをなし、活性炭を均一にコーティングすることにより与えられる場合よりも美的であるような全体的な設計を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、臭気制御基体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
臭気制御添加剤は、通常、様々な理由で基体に組み入れられてきた。例を挙げれば、吸収性物品は、吸収された流体又はその分解生成物に含有される悪臭の生成をもたらす化合物を吸収するために、臭気制御添加剤を含むことがある。このような化合物の例は、脂肪酸、アンモニア、アミン、硫黄含有化合物、ケトン、及び、アルデヒドを含む。この目的のために、種々の種類の臭気制御添加剤が用いられてきた。例を挙げれば、活性炭は、広範囲にわたる臭気を減少させるために用いられてきた。吸収体としての優れた特性にもかかわらず、使い捨て吸収性物品における活性炭の使用は、その黒い色のために制限されてきた。即ち、多くの消費者は、活性炭の従来からの黒い色を、不潔な又は汚れた物質と結びつける。
【0003】
従って、現在のところ、臭気の減少を実現することができ、さらに、消費者にとって美的に好ましい臭気制御基体に対する必要性が存在する。
【発明の開示】
【0004】
本発明の1つの実施形態によれば、臭気制御基体を形成するための方法が開示される。本方法は、活性炭と、バインダと、溶剤とを含む第1のインクを形成することを含む。第1のインクは、基体の表面上に、その表面積の約25%から約95%までを覆うように印刷される。第1のインクは乾燥され、少なくとも約2%の固体追加レベルを有する。第1のインクは、さらに、基体により呈される色から視覚的に区別できる別の色(例えば、黒)を呈する。所望の場合には、基体に、第1のインクの色から視覚的に区別できる別の色を呈する第2のインクを印刷することもできる。例えば、第2のインクの色は、白、イエロー、シアン、マゼンタ、レッド、グリーン、ブルー、又はその組み合わせとすることができる。第1のインク及び第2のインクは、重なる及び/又は重ならない関係で適用することができる。
【0005】
本発明の別の実施形態によれば、活性炭を含む第1のインクと、第2のインクとが適用された臭気制御基体が開示される。第1のインクは、基体の表面積の約30%から約90%までを覆い、少なくとも2%の固体追加レベルで存在する。第1のインクは、第2のインクの色から視覚的に区別できる別の色を呈する。
【0006】
本発明のさらに別の実施形態によれば、女性用ケア吸収性物品を個別に包装するためのパウチが開示される。パウチは、内面を有する包装体を備える。内面には、活性炭を含む第1のインクが適用される。第1のインクは、内面の面積の約25%から約95%までを覆う。第1のインクは、包装体によって呈される色から視覚的に区別できる別の色を呈する。
【0007】
本発明の他の特徴及び態様は、以下でより詳細に説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
当業者に向けられた、本発明の最良の形態を含む完全且つ実施可能な開示は、本明細書の残りの部分で、添付の図面を参照してより詳しく説明される。
【0009】
本明細書及び図面の中で繰り返し使用される参照符号は、本発明の同じ又は類似の特徴又は要素を表すことを意図するものである。
【0010】
定義
本明細書で用いられる「不織」及び「不織布又は不織ウェブ」という用語は、相互に織り込まれているが、編布のように識別可能にはなっていない個々の繊維又は糸の構造を有するウェブを意味する。不織布又はウェブは、例えばメルトブロー工程、スパンボンド工程及びボンデッド・カーデッド・ウェブ工程のような多くの工程から形成されている。
【0011】
本明細書で用いられる「メルトブロー・ウェブ」という用語は、一般に、溶融熱可塑性材料を、複数の微細な、通常は円形のダイ毛細管を通じて、収束する高速高温ガス(例えば空気)流の中へ溶融糸又はフィラメントとして押し出し、溶融した熱可塑性材料の繊維がガス流によって細められ、直径が、マイクロファイバーの直径にまで縮小されることにより形成された不織ウェブのことを指す。その後、メルトブロー繊維は、高速ガス流により運ばれ、集積面に堆積されて、不規則に分散されたメルトブロー繊維のウェブを形成する。このような工程は、例えば、Butin他に付与された米国特許第3,849,241号に開示されており、全ての目的についてその全体を引用により本明細書に組み入れる。一般に、メルトブロー繊維は、ほぼ連続的又は非連続的なマイクロファイバーとすることができ、通常は直径が10ミクロンより小さく、集積面に堆積されるときには、通常は粘着性がある。
【0012】
本明細書で用いられる「スパンボンド・ウェブ」という用語は、一般に、ほぼ連続的な小直径の繊維を含んでいるウェブのことを指す。繊維は、溶融した熱可塑性材料を、複数の微細な、通常は円形の紡糸口金の毛細管から押し出し、次いで、押し出された繊維の直径を、例えば、抽出引き出しすること及び/又は他のよく知られたスパンボンド機構により、急速に縮小させることで形成される。スパンボンド・ウェブの製造は、例えば、Appel他に付与された米国特許第4,340,563号、Dorschner他に付与された米国特許第3,692,618号、Matsuki他に付与された米国特許第3,802,817号、Kinneyに付与された米国特許第3,338,992号及び第3,341,394号、Hartmanに付与された米国特許第3,502,763号、Levyに付与された米国特許第3,502,538号、Dobo他に付与された米国特許第3,542,615号、及びPike他に付与された米国特許第5,382,400号に記載され、説明されており、全ての目的についてその全体を引用により本明細書に組み入れる。スパンボンド繊維は、集積面に堆積されたときには、通常は粘着性がない。スパンボンド繊維は、約40ミクロンより小さいく、多くの場合、約5から約20ミクロンの間の直径を有する。
【0013】
本明細書で用いられる「コフォーム」という用語は、一般に、熱可塑性繊維と第2の非熱可塑性材料との混合物又は安定化マトリクスを含む複合材料を指す。混合物、即ち、熱可塑性繊維と第2の非熱可塑性材料との安定化されたマトリクスを含んだ複合材料を指す。例示として、コフォーム材料は、シュートの近くに少なくとも1つのメルトブロー・ダイヘッドが配置され、このダイヘッドを通じて他の材料が成形中のウェブに添加されるような工程によって製造することができる。このような他の材料は、例えば、綿、レーヨン、再生紙、パルプフラフなどの木材パルプ又は非木材パルプ、及び、超吸収性粒子、無機及び/又は有機吸収性材料、加工されたポリマー性ステープル繊維などを含むことができるが、これらに限定されるものではない。このようなコフォーム材料の幾つかの例は、Anderson他に付与された米国特許第4,100,324号、Everhart他に付与された米国特許第5,284,703号、Georger他に付与された米国特許第5,350,624号に開示されており、全ての目的についてその全体を引用によりここに組み入れる。
【0014】
本明細書で用いられる「多成分繊維」という用語は、一般に、少なくとも2つのポリマー成分から形成された繊維を指す。このような繊維は、通常、別々の押出機から押し出されるが、紡糸されて1本の繊維を形成する。それぞれの成分は、通常は異なるポリマーであるが、類似した又は同一のポリマー材料の独立した成分を含むことができる。個々の成分は、通常は、繊維の断面積にわたるほぼ規則的に位置決めされた別個の区域に配置され、ほぼ繊維の全長に沿って延びる。このような繊維の構成は、例えば、並列構成、パイ構成、又はいずれかの他の構成とすることができる。多成分繊維及びその製造方法は、Kaneko他に付与された米国特許第5,108,820号、Kruege他に付与された米国特許第4,795,668号、Pike他に付与された米国特許第5,382,400号、Strack他に付与された米国特許第5,336,552号、及び、Marmon他に付与された米国特許第6,200,669号に教示され、全ての目的についてその全体を引用によりここに組み入れる。繊維、及び繊維を含む個々の成分は、Hogle他に付与された米国特許第5,277,976号、Hillsに付与された米国特許第5,162,074号、米国特許第5,466,410号、Largman他に付与された米国特許第5,069,970号及び米国特許第5,057,368号に開示されるもののような種々の不規則な形状を有することもでき、全ての目的についてその全体を引用によりここに組み入れる。
【0015】
本明細書で用いられる「エラストマー性の」及び「弾性の」という用語は、伸長力を適用したときに(CD方向などの)少なくとも1つの方向に伸長可能であり、伸長力を解放するとほぼ元の寸法に収縮する/戻るような材料を指す。例えば、伸長した材料は、弛緩した伸長されない長さの少なくとも50%より大きい伸長した長さをもつことができ、伸長する力を解放すると、伸長した長さの少なくとも50%以内の長さに復帰するであろう。仮説上の一例は、少なくとも1.50インチまで伸長することができ、伸長する力を解放すると、1.25インチを超えない長さに回復する材料の1インチのサンプルである。そのようなエラストマー性シートは少なくとも50%収縮する又は回復することが望ましく、機械横方向に少なくとも伸長長の80%収縮する又は回復することがより望ましい。
【0016】
本明細書で用いられる「通気性の」という用語は、水蒸気及び気体に対して透過性であるが、液体水に対して不透過性であることを意味する。例を挙げれば、「通気性バリア」及び「通気性フィルム」は、水蒸気が通過することを許すが、液体水に対してはほぼ不透過性である。材料の「通気性」は水蒸気透過率(WVTR)に基づいて測定され、値が高いほど、蒸気透過性が大きい材料を表し、値が低いほど、蒸気透過性が小さい材料を表す。典型的には、「通気性の」材料は、24時間に1平方メートル当たり約500から約20,000グラム(g/m2/24時間)の水蒸気透過率(WVTR)を有し、幾つかの実施形態においては、約1,000から約15,000g/m2/24時間であり、また幾つかの実施形態においては、約1,500から約14,000g/m2/24時間である。
【0017】
本明細書で用いられる「吸収性物品」という用語は、水又は他の流体を吸収することができるいかなる物品も指す。吸収性物品の幾つかの例は、おむつ、トレーニングパンツ、吸収性下着、成人用失禁用製品、女性用衛生用製品(例えば生理用ナプキン)、水着、乳児用拭き布などのパーソナルケア吸収性物品、衣類、開窓用材料、アンダーパッド、包帯、吸収性ドレープ、及び医療用拭き布などの医療用吸収性物品、食品サービス用拭き布、衣類用物品などを含むが、これらに限定されるものではない。こうした吸収性物品を形成するのに適した材料及び工程は、当業者には周知である。
【0018】
ここで、本発明の種々の実施形態を詳細に参照して、その1つ又はそれ以上の実施例を以下に述べる。各々の実施例は、本発明の説明のために提示されるものであり、本発明を限定するものではない。実際、本発明の範囲又は精神を逸脱することなく、本発明に種々の変更及び改変を施すことができることが、当業者には明白となる。例えば、1つの実施形態の一部として図示又は説明されている特徴を、他の実施形態で用いて、さらに進んだ実施形態を生じることができる。従って、本発明は、そのような変更及び変形を網羅することが意図される。
【0019】
概説すると、本発明は、活性炭インクが適用された臭気制御基体に向けられる。活性炭インクは、基体の表面積の約25%から約95%までを覆うパターンで適用される。本発明者は、活性炭インクが全表面を覆わなくても、依然として、基体に良好な臭気減少特質を与える能力を持つことを発見した。また、消費者に対して、臭気制御基体の美的魅力をさらに強化するために、基体に、活性炭インクのパターンに重なってもよいし又は重ならなくてもよいパターンで1つ又はそれ以上のカラーインクを適用することもできる。カラーインクは活性炭インクと十分にコントラストをなし、活性炭を均一にコーティングすることにより与えられる場合よりも美的であるような全体的な設計を提供することができる。
【0020】
A.基体
本発明により、種々の異なる基体のいずれにも活性炭インクを適用することができる。例えば、不織ウェブ、織布、編布、フィルムなどを用いることができる。殆どの実施形態において、基体は、少なくとも1つの不織ウェブを含む。使用された場合には、不織ウェブは、スパンボンド・ウェブ、ボンデッド・カーデッド・ウェブ、空気堆積ウェブ、コフォーム・ウェブ、水圧交絡されたウェブなどを含むことができるが、これらに限定されるものではない。不織ウェブは、種々の異なる材料で形成することができる。例を挙げれば、不織ウェブを形成するのに適したポリマーは、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、熱可塑性エラストマー、フルオロポリマー、ビニル・ポリマー、及び、その配合物及び共重合体を含むことができる。好適なポリオレフィンは、これらに限定されるものではないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンなどを含み、好適なポリアミドは、これらに限定されるものではないが、ナイロン6、ナイロン6/6、ナイロン10、ナイロン12などを含み、好適なポリエステルは、これらに限定されるものではないが、ポリエチレン・テレフタレート、ポリブチレン・テレフタレート、ポリトリメチル・テレフタレート、ポリ乳酸などを含む。本発明での使用に特に適したポリマーは、例えば鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、及び高密度ポリエチレンなどのポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、及び、その共重合体及び配合物を含むポリオレフィンである。
【0021】
不織ウェブを形成するのに用いられる繊維は、ほぼ連続した繊維、ステープル繊維などの形態を取ることができる。ほぼ連続した繊維は、例えば、公知の溶媒スピニング又はメルトスピニングといった公知の不織押し出し工程により製造することができる。1つの実施形態においては、不織ウェブは、スパンボンド工程によって形成されたほぼ連続したメルトスパン繊維を含む。スパンボンド繊維は、メルトスピン可能なポリマー、共重合体、又はその配合物のいずれによっても形成することができる。不織ウェブの形成に用いられる繊維のデニールもまた様々である。例を挙げれば、不織ウェブを形成するのに用いられるポリオレフィン繊維のデニールは、1つの実施形態においては約6より少なく、幾つかの実施形態においては約3より少なく、また幾つかの実施形態においては約1から約3までである。本発明の1つの具体的な実施形態においては、多成分(例えば二成分)繊維が使用される。例えば、多成分繊維に適した構成は、並列構成及び鞘−芯構成を含み、好適な鞘−芯構成は、偏心鞘−芯構成及び同心鞘−芯構成を含む。幾つかの実施形態においては、当該技術分野で周知のように、多成分繊維を形成するのに用いられるポリマーは、異なる結晶化特性及び/固化特性を形成するのに十分な異なる溶融点を有する。多成分繊維は、低溶融ポリマーの約20重量%から約80重量%まで、幾つかの実施形態においては、約40重量%から約60重量%までである。さらに、多成分繊維は、高溶融ポリマーの約80重量%から約20重量%まで、幾つかの実施形態においては、約60重量%から約40重量%までである。
【0022】
上述されたように、基体の形成にはフィルムを使用することもできる。種々の材料を用いてフィルムを形成することができる。例を挙げれば、フィルムの製造に用いられる、幾つかの好適な熱可塑性ポリマーは、単独重合体、共重合体、三元重合体、及びその配合物を含むポリオレフィン(例えばポリエチレン、ポリプロピレンなど)、エチレン・ビニル・アセテート、エチレン・エチル・アクリレート、アクリル酸エチレン、エチレン・メチル・アクリレート、エチレン・ノーマルブチル・アクリレート、ポリウレタン、ポリ(エーテル−エステル)、ポリ(アミド−エーテル)ブロック共重合体などを含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0023】
1つの具体的な実施形態においては、フィルムは、ポリエチレンとポリプロピレンのフィルムのような液体不透過性プラスチックフィルムとすることができる。一般に、そのようなプラスチックフィルムは、気体及び水蒸気並びに液体に対して不透過性である。さらに、フィルムは、液体に対して不透過性であるが、気体及び水蒸気に対しては透過性(即ち「通気性」)にすることができる。このような通気性フィルムは、吸収性コアから蒸気が逃げることを可能にするが、液体排出物は通過させない、吸収性物品の外側カバーといった種々の物品において有用である。通気性フィルムは、微孔性であってもよいし又はモノリシックであってもよい。微孔性フィルムでは、微孔は、フィルムを通して、しばしば蛇行通路と呼ばれるものを形成する。フィルムの片側に接触する液体は、フィルムを通る直接経路を持たない。逆に、フィルムにおける微孔性チャネルのネットワークが、液体が通過するのを妨げ、気体及び水蒸気が通過することを可能にする。微孔性フィルムは、ポリマー及び充填剤(例えば炭酸カルシウム)により形成することができる。充填剤とは、フィルム・ポリマー押し出し配合物に添加することができ、押し出されたフィルムと化学的に干渉しないが、フィルム全体にわたって均一に分散することができる材料の粒子又は他の形態である。一般に、フィルムの合計重量に基づく乾燥重量において、フィルムは、約30重量%から約90重量%までのポリマーを含む。幾つかの実施形態においては、フィルムは、約30重量%から約90重量%の充填剤を含む。そのようなフィルムの例は、McCormackに付与された米国特許第5,843,057号、McCormackに付与された米国特許第5,855,999号、Morman他に付与された米国特許第5,932,497号、McCormack他に付与された米国特許第5,997,981号、Kobykivker他に付与された米国特許第6,002,064号、McCormack他に付与された米国特許第6,015,764号、Mathis他に付与された米国特許第6,037,281号、McCormack他に付与された米国特許第6,111,163号、及び、Taylor他に付与された米国特許第6,461,457号に記載されており、全ての目的についてその全体を引用により本明細書に組み入れる。
【0024】
フィルムは、通常、充填されたフィルムの伸長中に、ポリマーが炭酸カルシウムから分離するときに微孔性の通路を生成することにより通気性にされる。例えば、通気性材料は、少なくとも2つの基本成分、即ちポリオレフィン・ポリマー及び充填剤を含む、伸長によって薄くされたフィルムを含む。これらの成分は、互いに混合され、加熱され、次いで、フィルム処理技術の当業者には公知の種々のフィルム製造工程のいずれか1つを用いて、フィルム層へと押し出される。そのようなフィルム製造工程は、例えば、しぼ付工程、冷却平坦鋳造工程、及び、ブローフィルム工程を含む。
【0025】
別の種類の通気性フィルムは、その分子構造のために、液体不透過性で蒸気透過性のバリアを形成することができる無孔性の連続したフィルムであるモノリシック・フィルムである。この種類に含まれる種々のポリマー性フィルムの中には、通気性にするのに十分な量のポリ(ビニル・アルコール)、ポリビニル・アセテート、エチレン・ビニル・アルコール、ポリウレタン、エチレン・メチル・アクリレート、及びエチレン・メチル・アクリル酸から形成されたフィルムが含まれる。特定の操作機構に限定することを意図することなく、このようなポリマーから形成されたフィルムは、水分子を可溶化して、こうした分子をフィルムの一方の表面から他方の表面に移動できるようにすると考えられている。従って、これらのフィルムは、ほぼ液体不透過性でありながら、依然として蒸気透過性であることを可能にするのに十分なだけ連続的即ち無孔性とすることができる。
【0026】
上述されたもののような通気性フィルムは、通気性材料の全体を構成してもよいし、又は、多層フィルムの一部であってもよい。多層フィルムは、層のキャストフィルム又はブローフィルムの共押出しによってであるか、押し出しコーティングによってであるか、又はいずれかの通常の層形成工程によって準備することができる。さらに、本発明に適当に用いることができる他の通気性材料は、Obenourに付与された米国特許第4,341,216号、Yeo他に付与された米国特許第4,758,239号、Dobrin他に付与された米国特許第5,628,737号、Buellに付与された米国特許第5,836,932号、Forteに付与された米国特許第6,114,024号、Vega他に付与された米国特許第6,153,209号、Curroに付与された米国特許第6,198,018号、Alemany他に付与された米国特許第6,203,810号、Ying他に付与された米国特許第6,245,401号に記載されており、全ての目的についてその全体を引用により本明細書に組み入れる。
【0027】
所望の場合には、周知の技術を用いて、通気性フィルムを不織ウェブ、編布、及び/又は織布に結合することもできる。例を挙げれば、フィルムを不織ウェブに結合するのに適した技術は、McCormackに付与された米国特許第5,843,057号、McCormackに付与された米国特許第5,855,999号、Kobykivker他に付与された米国特許第6,002,064号、Mathis他に付与された米国特許第6,037,281号、及び、国際公開WO99/12734号に記載されており、全ての目的についてその全体を引用により本明細書に組み入れる。例えば、不織材料層と通気性フィルム層から、通気性フィルム/不織ラミネート材料を形成することができる。層は、通気性フィルム層が不織材料層に取り付けられるように配置することができる。1つの具体的な実施形態においては、通気性材料は、通気性フィルムにラミネートされた不織布(例えばポリプロピレン・スパンボンド・ウェブ)により形成される。
【0028】
基体は、また、エラストマーポリエステル、エラストマーポリウレタン、エラストマーポリアミド、エラストマーポリオレフィン、エラストマー共重合体などのようなエラストマーポリマーを含んでもよい。エラストマー共重合体の例は、一般式A−B−A’又はA−Bを有するブロック共重合体を含み、ここでA及びA’は、各々がスチレン部分を含有する熱可塑性ポリマー・エンドブロックであり、Bは共役化されたジエン又はそれより低いアルケン・ポリマーのようなエラストマーポリマー・ミッドブロックである。このような共重合体は、例を挙げれば、スチレン−イソプレン−スチレン(S−I−S)、スチレン−ブタジエン−スチレン(S−B−S)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(S−EB−S)、スチレン−イソプレン(S−I)、スチレン−ブタジエン(S−B)などを含むことができる。市販のA−B−A’及びA−B−A共重合体は、テキサス州ヒューストン所在のKraton PolymersからKRATON(登録商標)という商品名のもとで入手可能な幾つかの異なるS−EB−S構成を含む。KRATON(登録商標)ブロック共重合体は幾つかの異なる構成で入手可能であり、そのうちの幾つかは、米国特許第4,663,220号、米国特許第4,323,534号、米国特許第4,834,738号、米国特許第5,093,422号、及び米国特許第5,304,599号に特定され、全ての目的についてその全体を引用により本明細書に組み入れる。他の市販のブロック共重合体は、日本国岡山県所在の株式会社クラレからSEPTON(登録商標)の商品名のもとで入手可能なS−EP−Sエラストマー性共重合体を含む。さらに他の好適な共重合体は、テキサス州ヒューストン所在のDexco PolymersからVECTOR(登録商標)の商品名のもとで入手可能なS−I−S及びS−B−Sエラストマー性共重合体を含む。Taylor他に付与された米国特許第5,332,613号で論じられ、全ての目的についてその全体を引用により本明細書に組み入れるA−B−A−Bテトラブロック共重合体から成るポリマーもまた適切である。このようなテトラブロック共重合体の一例は、スチレン−ポリ(エチレン−プロピレン)−スチレン−ポリ(エチレン−プロピレン)(「S−EP−S−EP」)ブロック共重合体である。
【0029】
エラストマーポリオレフィンの例は、「シングルサイト」又は「メタロセン」触媒法によって製造されるもののような超低密度のエラストマーポリプロピレン及びポリエチレンを含む。このようなエラストマーオレフィン・ポリマーは、テキサス州ヒューストン所在のExxonMobil Chemical Co.から、ACHIEVE(登録商標)(プロピレン・ベース)、EXACT(登録商標)(エチレン・ベース)、及びEXCEED(登録商標)(エチレン・ベース)の商品名のもとで市販されている。エラストマーオレフィン・ポリマーは、さらに、DuPont Dow Elastomers,LLC(DuPont及びDow Chemical Co.の合弁会社)から、ENGAGE(登録商標)(エチレン・ベース)の商品名のもとで市販され、また、ミシガン州ミッドランド所在のDow Chemical Co.から、AFFINITY(登録商標)(エチレン・ベース)の商品名のもとで市販されている。このようなポリマーの例は、また、Lai他に付与された米国特許第5,278,272号及び米国特許第5,272,236号に記載されており、全ての目的についてその全体を引用により本明細書に組み入れる。Yang他に付与された米国特許第5,539,056号、及び、Resconi他に付与された米国特許第5,596,052号に記載されており、全ての目的についてその全体を引用により本明細書に組み入れる、特定のエラストマーポリプロピレンもまた有用である。
【0030】
所望の場合には、2つ又はそれ以上のポリマーの配合物を用いてもよい。例えば、高性能エラストマーと低性能エラストマーとの配合物を使用することができる。高性能エラストマーは、一般に、約75%より小さい、幾つかの実施形態では約60%より小さい低レベルのヒステリシスを有するエラストマーのことである。同様にして、低性能エラストマーは、一般に、約75%より大きい高レベルのヒステリシスを有するエラストマーのことである。特に適した高性能エラストマーは、上述、Kraton PolymersからKRATON(登録商標)という商品名のもとで市販されているもの、及び、Dexco PolymersからVECTOR(登録商標)の商品名のもとで市販されているもののようなスチレン・ベースのブロック共重合体を含むことができる。同様にして、特に適した低性能エラストマーは、Dow Chemical Co.からAFFINITY(登録商標)の商品名のもとで市販されているメタロセン触媒ポリオレフィン(例えば、シングルサイト・メタロセン触媒鎖状低密度ポリエチレン)のようなエラストマーポリオレフィンを含む。幾つかの実施形態においては、高性能エラストマーは配合物の約25重量%から約90重量%を構成することができ、同様にして、低性能エラストマーは配合物の約10重量%から約75重量%を構成することができる。このような高性能/低性能エラストマー配合物の更なる例は、Walton他に付与された米国特許第6,794,024号に記載されており、全ての目的についてその全体を引用により本明細書に組み入れる。
【0031】
B.活性炭インク
どの特定の基体を選択するかに関係なく、基体には臭気を減少させるために活性炭インクが適用される。本発明により適用されたときには、インクは耐久性があり、美的に好ましいパターンで基体上に存在する。概説すると、活性炭は、おがくず、木材、木炭、泥炭、褐炭、瀝青炭、ヤシ殻などの種々の原料から抽出することができる。幾つかの活性炭の好適な形態、及びそれを形成するための技術は、Parksに付与された米国特許第5,693,385号、Economy他に付与された米国特許第5,834,114号、Economy他に付与された米国特許第6,517,906号、McCrae他に付与された米国特許第6,573,212号、及び、Falat他に付与された米国特許公開番号第2002/0141961号、Hu他に付与された米国特許公開番号第2004/0166248号に記載されており、全ての目的についてその全体を引用により本明細書に組み入れる。(乾燥前の)インク中の活性炭の密度は、一般に、可撓性、吸収性といった基体の他の特性に悪影響を及ぼすことなく、臭気制御を容易にするように調節される。例を挙げれば、活性炭は、通常、インクの中に、約1重量%から約50重量%までの量で存在し、幾つかの実施形態においては約5重量%から約25重量%までの量で存在し、幾つかの実施形態においては約10重量%から約20重量%までの量で存在する。
【0032】
活性炭インクはまた、一般に、高いレベルで存在する場合にも、基体に適用されたときに活性炭の耐久性を増強するためのバインダを含む。バインダは、1つの基体を別の基体に結合する接着剤の役目を果たすこともできる。概説すると、種々の異なるバインダのいずれをも本発明の活性炭インクに用いることができる。好適なバインダは、例を挙げれば、架橋すると水に溶けなくなるようなものを含むことができる。架橋は、多官能性架橋剤とバインダを反応させることを含む種々の方法で実現することができる。そのような架橋剤の例は、ジメチロール・ウレア・メラミン−ホルムアルデヒド、ウレア−ホルムアルデヒド、ポリアミド・エピクロロヒドリンを含むが、これらに限定されるものではない。
【0033】
幾つかの実施形態においては、ポリマーラテックスをバインダとして用いることができる。格子に用いるのに適したポリマーは、通常、約30°C又はそれより小さいガラス転移温度を有し、それにより得られる基体の可撓性は実質的には制限されない。さらにポリマーは、通常、ポリマーラテックスの粘着性を最小限にするために、約−25°C又はそれ以上のガラス転移温度を有する。例を挙げれば、ポリマーは、幾つかの実施形態においては約−15°Cから約15°Cまでのガラス転移温度を有し、幾つかの実施形態においては、約−10°Cから約0°Cまでのガラス転移温度を有する。例を挙げれば、本発明に使用することができる幾つかの好適なポリマー格子は、これらに限定されるものではないが、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリビニル・アセテート単独重合体、ビニル−アセテート・エチレン共重合体、ビニル−アセテート・アクリル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル−ビニル・アセテート三元重合体、アクリル塩化ポリビニル重合体、アクリル重合体、ニトリル重合体、及び当該分野で公知のいずれかの他の好適なアニオン系ポリマーラテックス・ポリマーなどのポリマーをベースとすることができる。上述されたポリマーラテックスの電荷は、当該分野で周知のように、ポリマーラテックスの調製中に所望の電荷を有する安定剤を用いることで、容易に変化させることができる。例を挙げれば、活性炭/ポリマーラテックス系の具体的な技術は、McCrae他に付与された米国特許第6,573,212号により詳細に記載されている。本発明に用いることができる市販の活性炭/ポリマーラテックス系は、バージニア州コヴィントン所在のMeadWestvaco Corpから入手可能なNuchar(登録商標)PMA、DPX−8433−68A、及びDPX−8433−68Bを含む。
【0034】
本発明においては、ポリマー格子をバインダとして効果的に用いることができるが、こうした化合物はドレープ性の低下と残留臭気の増加をもたらすことがある。よって、そのような問題を緩和するために、さらに、水溶性有機ポリマーをバインダとして用いてもよい。本発明の水溶性バインダの別の利点は、水性環境において、活性炭インクの基体からの解放を制御しやすくできるという点である。具体的には、水溶性バインダは、水性水溶液に接触すると溶解して、結合特質をある程度失い、それにより、活性炭インクの他の成分が基体から解放されることが可能になる。このことは、拭かれた環境に活性炭インクが放出されて臭気制御を持続することが望まれる、硬い表面用の処理拭き布のような種々の用途で有用となるであろう。
【0035】
本発明において好適であることが見出された水溶性有機ポリマーの1つの部類は、ポリサッカリド及びその誘導体である。ポリサッカリドは糖単位の反復を含有するポリマーであり、カチオン系、アニオン系、非イオン系、及び/又は両性となり得る。1つの具体的な実施形態においては、ポリサッカリドは、非イオン系、カチオン系、アニオン系、及び/又は両性のセルロース・エーテルである。好適な非イオン系セルロース・エーテルは、メチル・セルロース及びエチル・セルロースといったアルキル・セルロース・エーテル、ヒドロキシエチル・セルロース、ヒドロキシプロピル・セルロース、ヒドロキシプロピル・ヒドロキシブチル・セルロース、ヒドロキシエチル・ヒドロキシプロピル・セルロース、ヒドロキシエチル・ヒドロキシブチル・セルロース、及びヒドロキシエチル・ヒドロキシプロピル・ヒドロキシブチル・セルロースといったヒドロキシアルキル・セルロース・エーテル、メチル・ヒドロキシエチル・セルロース、メチル・ヒドロキシプロピル・セルロース、エチル・セルロース、及びメチル・エチル・ヒドロキシプロピル・セルロース、といったアルキル・ヒドロキシアルキル・セルロース・エーテルを含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0036】
好適なセルロース・エーテルは、例を挙げれば、バージニア州コヴィントン所在のAzko Nobelから「BERMOCOLL」の名称で入手可能なものを含むことができる。さらに他の好適なセルロース・エーテルは、日本国東京所在の信越化学工業株式会社から、METOLOSE Type SM(メチルセルロース)、METOLOSE Type SH(ヒドロキシプロピルメチル・セルロース)、及び、METOLOSE Type SE(ヒドロキシエチルメチル・セルロース)を含む、「METOLOSE」の名称で入手可能なものである。好適な非イオン系セルロース・エーテルの1つの特定の例は、0.8から1.3までのエチル置換度(DS)、1.9から2.9までのヒドロキシエチルのモル置換(MS)を有するエチル・ヒドロキシエチル・セルロースである。エチル置換は、反応した無水グルコース単位の各々に存在するヒドロキシル基の平均数を表し、その数は0と3との間で変化し得る。モル置換は、各々の無水グルコース単位と反応したヒドロキシエチル基の平均数を表す。このようなセルロース・エーテルの1つは、Azko Nobelから市販されているエチル・ヒドロキシエチル・セルロースであるBERMOCOLL E 230FQである。他の好適なセルロース・エーテルは、デラウェア州ウィルミントン所在のHercules, Inc.からも「CULMINAL」の名称のもとで入手可能である。
【0037】
バインダの合計濃度は、一般に、得られる基体の所望の特性に応じて変化し得る。例を挙げれば、バインダの合計濃度が高いと、コーティングされた基体により良好な物理特性を与えることができるが、同様に、それが適用される基体の吸収能力や伸長可能性といった他の物理特性に悪影響を与えることがある。逆に、バインダの合計濃度が低いと、所望の程度の持続性を与えないこともある。よって、殆どの実施形態においては、(乾燥前の)活性炭インクに用いられるバインダの合計量は、約0.01重量%から約30重量%までであり、幾つかの実施形態においては約0.1重量%から約20重量%までであり、幾つかの実施形態においては約1重量%から約15重量%までである。
【0038】
基体の美的特性をさらに変化させるために、活性炭インクには、上述された成分の他にマスキング剤を用いることもできる。即ち、マスキング剤はインクに対する不透明度を強化する及び/又は色を変化させることができる。最適なマスキング効果を与えるように、粒子の寸法は、用いられるどの活性炭粒子の寸法よりも小さいことが望ましい。例えば、マスキング粒子は、約100マイクロメートルより小さい寸法を有することができ、幾つかの実施形態においては約50マイクロメートルより小さい寸法を有することができ、幾つかの実施形態においては約25マイクロメートルより小さい寸法を有することができる。例えば、活性炭粒子は、おおよそ35マイクロメートルの粒径を有する場合がある。このような場合には、マスキング粒子の寸法は、通常は35マイクロメートルより小さく、好ましくは約10マイクロメートルより小さいなど、さらにより小さい。同様にして、粒子は多孔性とすることができる。理論に縛られることを意図するものではないが、多孔性粒子は臭気化合物がより良好に臭気吸収体と接触するための通路を与えることができると考えられる。例えば、粒子は、約5オングストロームより大きい平均直径の孔/チャネルを有することができ、幾つかの実施形態においては約20オングストロームより大きい平均直径の孔/チャネルを有することができ、幾つかの実施形態においては約50オングストロームより大きい平均直径の孔/チャネルを有することができる。また、このような粒子の表面積は1グラム当たり約15平方メートルより大きくなることがあり、幾つかの実施形態においては1グラム当たり約25平方メートルより大きくなることがあり、幾つかの実施形態においては1グラム当たり約50平方メートルより大きくなることがある。表面積は、「Journal of American Chemical Society」Vol.60,1938,p.309のBruanauer、Emmet、及びTellerの物理気体吸収(B.E.T.)法により、窒素を吸収ガスとして判断することができる。
【0039】
1つの具体的な実施形態においては、通常、活性炭に結び付けられる黒色を変さらにするのに多孔性炭酸粒子(例えば炭酸カルシウム)が用いられる。特に消費者/個人使用のために設計されたコーティングが基体に用いられた場合には、このような色の変更は、使用者にとって、より美的に好ましいものとなり得る。好適な白色炭酸カルシウム粒子は、バーモント州プロクター所在のOmya,Inc.から市販されている。さらに他の好適な粒子は、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミナ(例えば雲母粉、クレイなど)、ケイ酸マグネシウム(例えばタルク)、珪岩、ケイ酸カルシウム蛍石などのケイ酸、アルミナ、シリカなどを含むが、これらに限定されるものではない。粒子の濃度は、一般に、粒子の性質、及び、所望の臭気制御量及び色変化に応じて、変化することができる。例を挙げれば、粒子は、(乾燥前の)インク中に、約0.01重量%から約30重量%までの量で存在することができ、幾つかの実施形態においては約0.1重量%から約20重量%までの量で存在することができ、幾つかの実施形態においては約1重量%から約15重量%までの量で存在することができる。
【0040】
本発明の活性炭インクには、界面活性剤、電解質塩、pH調整剤などの他の成分を含めることもできる。必ずしも必須ではないが、このような付加的な成分は、通常、(乾燥前の)活性炭インクの約5重量%より少ない部分を構成し、幾つかの実施形態においては約2重量%より少ない部分を構成し、幾つかの実施形態においては約0.001重量%から約1重量%までを構成する。例えば、当該分野では周知のように、電解質塩を用いて水溶性バインダのゲル化温度を制御することができる。好適な電解質塩は、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどのハロゲン化アルカリ又はアルカリ硫酸塩、塩化カルシウム、塩化マグネシウムなどのアルカリ性ハロゲン化物又はアルカリ性硫酸塩を含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0041】
活性炭インクを形成するには、その成分はまず通常は溶剤に溶解される又は分散される。例えば、上述された成分の1つ又はそれ以上を、逐次的に又は同時に溶剤と混合して、基体に容易に適用できるインク製剤にすることができる。成分を分散又は溶解することができるいずれの溶剤も好適であり、例えば、水、エタノール又はメタノールなどのアルコール、ジメチルホルムアミド、ジメチル・スルホキシド、ペンタン、ブタン、ヘプタン、ヘキサン、トルエン及びキシレンなどの炭化水素、ジエチル・エーテル及びテトラヒドロフランなどのエーテル、アセトン及びメチル・エチル・ケトンなどのケトン及びアルデヒド、酢酸及びギ酸などの酸、ジクロロメタン及び四塩化炭素などのハロゲン化溶剤、並びにそれらの混合物などが挙げられる。インク製剤中の溶剤の濃度は、一般に、適用すること、取り扱うことなどを容易にするのに十分なだけ高い。しかし、溶剤の量が多すぎた場合には、基体に堆積された活性炭の量は所望の臭気減少を与えるには低すぎることになりかねない。用いられる溶剤の実際の濃度は、一般に、活性炭の種類、及び活性炭が適用される基体によるが、それでも、通常は(乾燥前の)インクの約40重量%から約99重量%までの量で存在し、幾つかの実施形態においては約50重量%から約95重量%までの量で存在し、幾つかの実施形態においては約60重量%から約90重量%までの量で存在する。
【0042】
インクの固形分及び/又は粘度は、所望の量の臭気の減少を実現するように変化させることができる。例えば、インクは、約5%から約90%までの固形分を有することができ、幾つかの実施形態においては約10%から約80%までの固形分を有することができ、幾つかの実施形態においては約20%から約70%までの固形分を有することができる。インクの固形分を変化させることにより、活性炭の存在及び活性炭インクの中の他の成分の存在を制御することができる。例えば、高レベルの活性炭をもつ活性炭インクを形成するためには、インクに比較的高い固形分を与えて、それにより活性炭を、適用工程中に、より大きい割合で活性炭インクに組み入れることができる。粘度は、一般には、タイプDV−I又はLV−IVのブルックフィールド粘度計で、60rpm、20°Cで測定した場合に、約2×106センチポアズより少なく、幾つかの実施形態においては約2×105センチポアズより少なく、幾つかの実施形態においては約2×104センチポアズより少なく、幾つかの実施形態においては約2×103センチポアズより少ない。所望の場合には、インクに増粘剤又は他の粘度調整剤を用いて、粘度を増加するか又は減少することができる。
【0043】
C.インクの適用
活性炭インクは、基体上に、後面の色などの異なる色に対して鮮明且つ高度に可視的なコントラストを呈するパターンで適用される。このようにして、活性炭インクは、基体内に隠されるのではなく、基体の全体的な外観を変更するために用いられる。例えば、活性炭インクは、暗い色(例えば黒)を有することができ、対照的な明るい後面に適用される。或いはまた、異なる色の前面は、活性炭インクにより与えられる暗い後面とコントラストをなす。臭気制御インクと他の色と間の相対的なコントラスト度は、グレーレベル値の差を用いて測定することができる。1つの具体的な実施形態においては、コントラストは、0から約255までの階調において、約45のグレーレベル値を有することができ、ここでは0は「黒」を表し、255は「白」を表す。分析方法は、Quantimet600 Image Analysis System(英国ケンブリッジ所在のLeica Inc.)を用いて行うことができる。このシステムのソフトウェア(QWIN Version1.06A)は、Quantimet User Interactive Programming System(QUIPS)においてプログラムを用いて、グレーレベル判断を行うことを可能にする。現像されていないポラロイド写真フィルムを用いて、対照的な即ち「ブランク」な白レベルを設定することができる。次いで、8ビットのグレーレベル階調(0−255)を用い、プログラムにより、写真フィルムを標準として用いるように、光レベルの設定を可能にする。次いで、他の色(例えば後面又は前面)を含む領域のグレーレベル値を測定することができ、続いて、活性炭インクの測定が同様に行われる。手順をプログラムして、活性炭インクのグレーレベル値を自動的に算出するようにすることができる。活性炭インクと他の色との間のグレーレベル値の差は、0−255の階調において、約45又はそれ以上とすることができ、ここでは0は「黒」を表し、255は「白」を表す。
【0044】
活性炭インクのパターンの具体的な種類又は様式は本発明を限定する要因ではなく、例えば、ストライプ、バンド、ドット、又は他の幾何学的形状のいずれかの配置を含むことができる。パターンは、印(例えば、商標、テキスト、ロゴ)、花模様、抽象的デザイン、いずれかのアートワーク構成などを含むことができる。パターンは特定のクラスの消費者を対象とすることができる。例えば、おむつ又はトレーニングパンツの場合には、パターンはまんがキャラクターなどの形態を取ることができる。「パターン」は、事実上、いずれの所望の外観を取ることもできことを理解すべきである。
【0045】
しかし、活性炭インクは、通常、基体の表面積の約25%から約95%までを覆い、幾つかの実施形態においては約30%から約90%までを覆い、幾つかの実施形態においては、基体の1つ又はそれ以上の表面の表面積の約30%から50%までを覆う。このようにパターン形成して適用することは、均一に適用されたインクと比較して、改良された美的魅力があるだけでなく、パターン形成されたインクは、尚も良好な臭気減少を実現し得ることを本発明者は発見した。また、活性炭インクをパターン形成して適用することは、可撓性、吸収性、又は何らかの他の基体特徴を最適化することを含む、種々の他の機能的利点を有することができる。また、活性炭インクをパターン形成して適用することは、基体の複数の位置に異なる臭気制御特性を与えることができる。例えば、1つの実施形態においては、基体は、重なってもよいし又は重ならなくてもよい2つ又はそれ以上の活性炭インク領域を伴って処理される。領域は、基体の同じ表面上にあってもよいし又は異なる表面上にあってもよい。1つの実施形態においては、基体の1つの領域は第1の活性炭インクを用いてコーティングされ、別の領域は第2の活性炭インクを用いてコーティングされる。所望の場合には、1つの領域は1つの種類の臭気を減少させるように構成することができ、別の領域は別の種類の臭気を減少させるように構成することができる。或いはまた、1つの領域は、異なるレベルの臭気減少を与えるように、別の領域又は基体に比べて高いレベルの活性炭インクを有することができる。
【0046】
上述の方法により活性炭インクを適用するには、種々の技術を用いることができる。例を挙げれば、輪転グラビア又はグラビア印刷を用いて、直接的又は間接的(オフセット)にインクを適用することができる。グラビア印刷は、機械製版、酸エッチング製版、電子製版、及び、セラミックレーザ製版といった幾つかの周知の製版技術を包含する。このような印刷技術は、成分の分散及び転写率を非常に良好に制御することができる。グラビア印刷は、例えば、表面線インチ当たり約10から約1000までの付着、即ち1平方インチ当たり約100から約1,000,000までの付着を提供することができる。各々の付着は、印刷ロール上の個々のセルからもたらされ、従って、付着の密度はセルの密度に対応する。電子製版される主たる送給区域に適した例は、表面線インチ当たり約200の付着、即ち1平方インチ当たり約40,000の付着である。このように多数の小型の付着を提供することにより、付着の分散の均一性を強化することができる。また、基体表面に適用される小型の付着が多数であるために、露出される繊維部分において、付着はより再固化しやすくなる。好適なグラビア印刷技術は、Garvey他に付与された米国特許第6,231,719号にも記載されており、全ての目的についてその全体を引用により本明細書に組み入れる。さらに、グラビア印刷の他に、フレキソ印刷などの他の印刷技術を用いてコーティングを適用できることを理解すべきである。
【0047】
本発明で使用することができるさらに別の好適な接触印刷技術は、「スクリーン印刷」である。スクリーン印刷は、手動又は写真製版方式により行われる。スクリーンは、例を挙げれば、線状の1センチメートル当たり約40から約120までの開口部をもつ、シルク又はナイロンのメッシュを含むことができる。スクリーン材料は枠に取り付けられ、平滑な表面を得るように伸長される。ステンシルは、スクリーンの底側、即ち、流体チャネルが印刷される基体に接触する側に取り付けられる。インクをスクリーン上に塗布し、スキージでスクリーン(基体と接触している)を擦ることにより転写される。
【0048】
本発明には、インクジェット印刷技術を用いてもよい。インクジェット印刷は、小さなノズル(又は一連のノズル)を通してインクを押出して、基板の方に向けられる小滴を形成することを含む非接触印刷技術である。2つの技術、即ち、「DOD」(ドロップ・オン・デマンド)又は「連続式」インクジェット印刷が一般に用いられる。連続式システムにおいて、インクは、加圧下で、少なくとも1つのオリフィス又はノズルを通して、連続ストリームとして放出される。このストリームは、オリフィスから一定の距離において与圧アクチュエータよりかき乱されて、小滴に砕かれる。一方、DODシステムは、各々のオリフィスにおいて与圧アクチュエータを用いて、インクを小滴にする。各々のシステムの与圧アクチュエータは、圧電結晶、音響デバイス、熱的デバイスなどとすることができる。インクジェットシステムの種類の選択は、プリントヘッドから印刷される材料の種類によって変化する。例えば、連続式システムの場合、小滴は静電的に偏向されるため、導電性材料が必要になることがある。従って、誘電性材料からサンプル・チャネルを形成する場合には、DOD印刷技術がより望ましいとすることができる。
【0049】
本発明では、上述された印刷技術に加えて、いずれかの他の好適な適用技術を用いることができる。例えば、他の好適な印刷技術は、レーザ印刷、熱リボン印刷、ピストン印刷、スプレー印刷、フレキソ印刷などを含むことができるが、これらに限定されるものではない。さらに他の好適な適用技術は、バー、ロール、ナイフ、カーテン、スプレー、スロット・ダイ、浸漬コーティング、ドロップ・コーティング、押し出し、ステンシル適用などを含むことができる。こうした技術は当業者には周知である。
【0050】
適用方法に関わらず、活性炭インクから溶剤を駆逐するために、臭気制御基体を特定の温度で乾燥させる場合がある。例えば、基体は、少なくとも約50°Cの温度まで加熱することができ、幾つかの実施形態においては少なくとも約70°Cの温度まで加熱することができ、幾つかの実施形態においては少なくとも約80°Cの温度まで加熱することができる。活性炭インクの中の溶剤の量を最小化することにより、臭気化合物と接触させるのに利用可能な活性炭の表面積がより大きくなり、それにより、臭気減少を強化することができる。しかし、比較的少量の溶剤が依然として残存することもあることを理解すべきである。例えば、乾燥されたインクは、溶剤を、約10重量%より少ない量で含むことがあり、幾つかの実施形態においては、約重量5%より少ない量で含むことがあり、幾つかの実施形態においては、約1重量%より少ない量で含むことがある。
【0051】
乾燥すると、得られる活性炭コーティングの相対的な率、及び、固体追加レベルは、所望のレベルの臭気制御を実現するように変化させることができる。「固体追加レベル」は、処理された基体の重量(乾燥後)から、処理されない基体の重量を減算し、算出された重量を、処理されない基体の重量で除算し、次いで、100%を乗算することによって求められる。本発明の1つの具体的な利点は、コーティングの耐久性を著しく犠牲にすることなしに、高い固体追加レベル及び活性炭レベルを実現できる点である。活性炭インクの追加レベルは、例えば、幾つかの実施形態においては少なくとも約2%であり、幾つかの実施形態においては約4%から約40%までであり、幾つかの実施形態においては約6%から約35%までである。さらに、コーティングは、約10重量%から約80重量%までの活性炭を含むことができ、幾つかの実施形態においては約20重量%から約70重量%までの活性炭を含むことができ、幾つかの実施形態においては約40重量%から約60重量%までの活性炭を含むことができる。また、同様にして、コーティングは約10重量%から約80重量%までのバインダを含むことができ、幾つかの実施形態においては約10重量%から約60重量%までのバインダを含むことができ、幾つかの実施形態においては約30重量%から約50重量%までのバインダを含むことができる。
【0052】
D.付加的なインク
また、臭気制御基体の美的魅力をさらに改良するために、活性炭インクの色(例えば黒)とコントラストをなす1つ又はそれ以上のインクを用いてもよい。黒色インクと良好にコントラストをなす可能な色は、例を挙げれば、白、イエロー、シアン、マゼンタ、レッド、グリーン、ブルーなどを含む。しかし、インクの色の間に知覚できるような違いが存在するのであれば、一般に、いかなるインクを用いることもできる。所望の色を与えるために、カラーインクは、顔料、色素などの着色剤を含むことができる。着色剤は、カラーインクの約0.01重量%から約20重量%までを構成することができ、幾つかの実施形態においては約0.1重量%から約10重量%までを構成することができ、幾つかの実施形態においては約0.5重量%から約5重量%までを構成することができる。例えば、着色剤は、無機及び/又は有機顔料とすることができる。本発明に用いることができる市販の有機顔料の幾つかの例は、ノースカロライナ州シャーロット所在のClariant Corp.からGRAPHTOL(登録商標)又はCARTAREN(登録商標)の商標名のもとで入手可能なものを含む。レーキ化合物(青レーキ、赤レーキ、黄色レーキなど)のような他の顔料を用いてもよい。無機及び/又は有機色素もまた、着色剤として用いることができる。例示的な有機色素の部類は、トリアリルメチル色素、モノアゾ色素、チアジン色素、オキサジン色素、ナフタルイミド色素、アジン色素、シアニン色素、インディゴ色素、クーマリン色素、ベンジミダゾル色素、パラキノイダル色素、フルオレセイン色素、ジアゾニウム塩色素、アゾイック・ジアゾ色素、フェニレンジアミン色素、ジアゾ色素、アンスラキノン色素、トリスアゾ色素、キサンテン色素、プロフラビン色素、スルホナフタレイン色素、フタロシアニン色素、カロテノイド色素、カルミン酸色素、アズール色素、アクリジン色素などを含む。1つの特に好適な色素の部類は、色指数(CI)番号による識別で分類できるアンスラキノン化合物を含む。例を挙げれば、本発明に用いることができる幾つかの好適なアンスラキノンは、「CI」番号により分類すると、アシッド・ブラック48、アシッド・ブルー25(D&CグリーンNo.5)、アシッド・ブルー40、アシッド・ブルー41、アシッド・ブルー45、アシッド・ブルー129、アシッド・グリーン25、アシッド・グリーン27、アシッド・グリーン41、モーダント・レッド11(アリザリン)、モーダント・ブラック13(アリザリン・ブルー・ブラックB)、モーダント・レッド3(アリザリン・レッドS)、モーダント・バイオレット5(アリザリン・バイオレット3R)、ナチュラル・レッド4(カルミン酸)、ディスパース・ブルー1、ディスパース・ブルー3、ディスパース・ブルー14、ナチュラル・レッド16(プルプリン)、ナチュラル・レッド8、リアクティブ・ブルー2などを含む。
【0053】
インクは、着色剤の他に、当該分野で周知のように、さらに、着色安定剤、光開始剤、バインダ、溶剤、界面活性剤、湿潤剤、殺生物剤又は静生物剤、電解質塩、pH調整剤などの種々の他の成分を含んでもよい。例えば、インクに用いるための種々の成分は、Nohr他に付与された米国特許第5,681,380号、及び、Nohr他に付与された米国特許第6,542,379号に開示されており、全ての目的についてその全体を引用により本明細書に組み入れる。このようなインクは、通常、主たる溶剤として水を含有し、具体的にはインクの約20重量%から約95重量%までの量の脱イオン化水を含有する。インク製剤は、種々の共溶剤を含んでもよい。このような共溶剤の例は、N−メチル・ピロリドンのようなラクタムを含む。随意的な共溶剤の他の例は、N−メチルアセトアミド、N−メチルモルホリン−N−オキサイド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル・ホルムアミド、プロピレングリコール−モノメチルエーテル、テトラメチレン・スルホン、及び、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルを含む。用いることができるさらに他の共溶剤は、プロピレン・グリコール及びトリエタノールアミン(TEA)を含む。製剤にアセトアミド・ベースの共溶剤が含まれる場合には、通常は、約1重量%から約12重量%までの範囲内で存在する。
【0054】
インクの約0.5重量%と約20重量%との間といった量の湿潤剤を用いてもよい。このような湿潤剤の例は、エチレン・グリコール、ジエチレン・グリコール、グリセリン、ポリエチレン・グリコール200、400、及び600、プロパン1,3ジオル、Dowanol PM(カリフォルニア州サンタ・アナ所在のGallade Chemical Inc.)などのプロピレン−グリコールモノエチル・エーテル、多価アルコール、又はその組み合わせを含むが、これらに限定されるものではない。インク性能を改良するために、時間とともに化学反応に関与するようになる金属イオンを隔離するためのキレート剤、印刷機又はインク送給システムの金属成分を保護することを助ける腐食防止剤、インク中の不要なバクテリア、菌類、又は酵母の成長を制御する殺生物剤又は静生物剤、及び、インク表面張力を調整するための界面活性剤などの他の添加剤を含んでもよい。界面活性剤が含まれる場合には、通常は、約0.1重量%から約1.0重量%までの量で存在する。腐食防止剤が含まれる場合には、通常は、約0.1重量%から約1.0重量%までの量で存在する。殺生物剤又は静生物剤が含まれる場合には、通常は、約0.1重量%から約0.5重量%までの量で存在する。
【0055】
カラーインクは、公知の工程のいずれかにより、形成することができる。例を挙げれば、1つのそのような工程は、全ての成分を互いに混合し、約2時間から約3時間の間、約40°Cから約55°Cの温度にまで混合物を加熱し、混合物を室温(典型的には約10°Cから約35°C)まで冷却し、混合物をフィルタ処理しインクを得ることを含む。結果として得られるインクの粘度は、通常は、約5センチポアズを超えず、幾つかの実施形態においては約1センチポアズから約2.5センチポアズまでである。
【0056】
活性炭インク及び付加的なインクを有するパターン形成された基体を形成する工程は、基体の1つ又はそれ以上の表面に逐次的に適用することを含むことができる。活性炭インクと同じ表面にカラーインクを適用して、容易に視認可能なパターンを実現することができる。或いはまた、活性炭インク及びカラーインクを相対する面に適用して、カラーインクが、活性炭インクに対してコントラストをなす後面として働くようにすることができる。カラーインクは、一般に、上述されたいずれかの公知の方法を用いて適用することできる。カラーインクは、基体表面に均一に適用してもよいし又は表面積を100%より少なく覆うようなパターンで適用してもよい。
【0057】
カラーインク及び活性炭インクが使用される場合には、これらは重なる関係で適用してもよいし又は重ならない関係で適用してもよい。例を挙げれば、図1Aを参照すると、活性炭インク14の上にインク12が重なる関係で印刷されている、パターン形成された基体10の1つの実施形態が示される。図1Bは、活性炭インク14がインク12の上に印刷されている、代替的な実施形態を図示する。どちらの場合においても、上のインクは一般に、下のインクの表面積全体を覆うことはない。これは、活性炭インクが臭気化合物に接触してこれを吸収し、明瞭なパターンが観察されるようにすることを保証するためである。例えば、上のインクは下のインクの表面積の約90%より少ない面積を覆うことができ、幾つかの実施形態においては約75%より少ない面積を覆うことができ、幾つかの実施形態においては約50%より少ない面積を覆うことができる。
【0058】
これに対して、図2を参照すると、重ならない関係で適用されたインク112及び活性炭インク114を含む別の基体100が示されている。このような重ならない関係は、結果として得られる臭気制御基体100に、種々の利点を提供することができる。例えば、特定の場合には、活性炭インク114は、基体100の可撓性、吸収性、及び/又は何らかの他の特徴に悪影響を有することがある。活性炭インク114が適用される面積を最小化することにより、このような悪影響のいずれもが最小化される。さらに、重ならない関係により、インクによって与えられるパターンがより明瞭に定められることになる。
【0059】
E.物品
広範囲にわたる物品に、本発明のパターン形成された臭気制御基体を用いることができる。1つの具体的な実施形態においては、パターン形成された臭気制御基体は、吸収性物品のためのパウチを形成するのに用いられる。具体的には、多くの吸収性物品(例えば、女性用衛生用製品)は、販売のために製品を包装する小型のパウチにこれを置くことによって廃棄される。従って、本発明の臭気制御基体をパウチに用いて、用済みの吸収性物品に関連する臭気の減少に役立てることができる。図3ないし図4を参照すると、個別に包装された吸収性物品パッケージの1つの実施形態が図示されている。図示されるように、説明のみを目的として女性用ケア製品(例えば生理用パッド又はナプキン)として示される吸収性物品42は、パッケージ50において運ばれる。吸収性物品42は、パッケージ50に嵌まるように、どのような所望の形にでも折り畳むことができる。
【0060】
パッケージ50は、折り畳んで所望のパウチ構成に結合される細長い包装体44の部品を含む。例えば、包装体44は、第1の端部26と、相対する第2の端部28と、端部26及び28の間に延びる一般に平行な長手方向側部33及び35とを有する細長い長方形部品とすることができる。当該分野では、女性用ケア吸収性物品を個別に包装するための種々の他のパウチ構成が知られ、用いられており、本発明によるパッケージにはそのような構成のいずれをも用いることができる。例えば、種々の他のパウチ構成は、Sorebo他に付与された米国特許第6,716,203号、Moder他に付与された米国特許第6,380,445号、及び、Sorebo他に付与された米国特許公開番号第2003/0116462号に開示されており、全ての目的についてその全体を引用により本明細書に組み入れる。図示された実施形態においては、例えば、Kimberly−Clark Corporationから入手可能なKotex(登録商標)超薄型パッドに用いられるパウチ構成に類似したパウチ40が示される。
【0061】
包装体44は、本質的に、吸収性物品42の周囲に折り畳まれて、物品の周囲にパウチ40が形成されるようにする。包装体44は、最初に、第1の折り畳み軸線30において折り畳まれて、第1の端部26は、第2の端部28の方向に、間隔を開けて折り畳まれる。第1の端部26と第2の端部28との間の距離は、以下で説明されるように、得られるフラップ20の所望の長さに応じて変化することができる。包装体44の位置合わせされた長手方向側部は、パウチ40の側部34及び36を定める。次いで、第2の折り畳み軸線32において折り畳んで、包装体44の第2の端部28が第1の端部26上に折り返されるようにし、それにより、パウチ40を閉鎖するフラップ20を定める。フラップ20は、材料側部33及びパウチ側部34と整合する長手方向側部22と、材料側部35及びパウチ側部36と整合する長手方向側部24とを有する。パウチ40の側部は、次いで、例えば熱/圧力エンボス・ロールなどを用いて、通常の方法により結合される。ワンパス操作によって、フラップ側部22は材料側部33及びパウチ側部34に結合され、フラップ側部24は材料側部35及びパウチ側部36に結合される。包装体44の第1の端部26が、本質的に、第2の折り畳み軸線32まで延び、それにより、フラップ側部22及び24がパウチ側部34及び36に長さ全体に沿って結合される場合もあり得る。第2の端部28の縁部は、パウチ40の前面にわたって延びることができる。この縁部の全体又は一部を、パウチ表面に接着することが望ましいとすることができる。しかし、望ましい実施形態においては、この縁部は、結合された側部22及び24の間で、パウチに接着されずに残される。
【0062】
特定のパウチ構成に関わりなく、フィルム、繊維性材料(例えば不織ウェブ)、及びその組み合わせを含む、種々の異なる材料から包装体44を形成することができる。例えば、包装体44は、通気性フィルムを含む場合もある。1つの具体的な実施形態においては、本発明の臭気制御基体を用いて、包装体44の1つ又はそれ以上の材料を形成することができる。典型的には、このような形で使用される場合には、インクのパターンは、使用者から目に見えると共に、臭気化合物を吸収する能力を持つことが望ましい。例えば、示されるように、活性炭インク84のパターン80がカラーインク82にわたって適用される。この具体的な実施形態においては、吸収性物品42から生じる臭気化合物とより容易に接触するように、インク82及び84は包装体44の内面61上に存在する。しかし、代替的に、インク82及び/又は84は、外面63といった包装体44の他の面に存在してもよい。
【0063】
パウチ構成に用いられる以外に、基体は、液体透過層(例えば、身体側ライナ、サージ層など)、液体不透過性又は通気性層(例えば、外側カバー、通気層、バッフルなど)、吸収体コア、弾性部材といった吸収性物品の1つ又はそれ以上の構成部品に用いてもよい。このような吸収性物品の幾つかの例は、Buellに付与された米国特許第5,197,959号、Buellに付与された米国特許第5,085,654号、Lavon他に付与された米国特許第5,634,916号、Buell他に付与された米国特許第5,569,234号、Taylor他に付与された米国特許第5,716,349号、Osborn,IIIに付与された米国特許第4,950,264号、Osborn,IIIに付与された米国特許第5,009,653号、Osborn,IIIに付与された米国特許第5,509,914号、DiPalma他に付与された米国特許第5,649,916号、Van Tillburに付与された米国特許第5,267,992号、Van Tillburgに付与された米国特許第4,687,478号、McNairに付与された米国特許第4,285,343号、Mattinglyに付与された米国特許第4,608,047号、Kitaokaに付与された米国特許第5,342,342号、Herron他に付与された米国特許第5,190,563号、Widlund他に付与された米国特許第5,702,378号、Sneller他に付与された米国特許第5,308,346号、Kielpikowskiに付与された米国特許第6,110,158号、Blaney他に付与された米国特許第6,663,611号、及び、Patterson他に付与された国際公開第WO99/00093号に記載されており、全ての目的についてその全体を引用により本明細書に組み入れる。
【0064】
本発明の臭気制御基体は多用途であり、他の種類の製造品と共に用いてもよい。例を挙げれば、家庭用フィルタ、換気フィルタ、使い捨て顔面マスク、顔面マスク用フィルタなどのエアフィルタに臭気制御基体を用いることができる。例示的な顔面マスクは、例を挙げれば、米国特許第4,802,473号、米国特許第4,969,457号、米国特許第5,322,061号、米国特許第5,383,450号、米国特許第5,553,608号、米国特許第5,020,533号、米国特許第5,813,398号、及び、米国特許第6,427,693号に記載されており、全ての目的についてその全体を引用により本明細書に組み入れる。1つの実施形態においては、顔面マスクのフィルタ層として、本発明の臭気制御基体を用いることができる。メルトブロー不織ウェブ、スパンボンド不織ウェブ、及びそのラミネートのようなフィルタ層は、当該分野において周知である。
【0065】
さらに他の実施形態においては、衣類と併せて臭気制御基体を用いることができる。例を挙げれば、食肉及び水産品加工業界用エプロン/衣服、食料品店用エプロン、製紙工場用エプロン/衣服、農場/酪農場用衣類、狩猟用衣類といった衣類に本発明の臭気制御基体を組み入れることができる。一例として、狩猟者はしばしば、特定の狩猟環境に合わせて迷彩衣類を着用する。従って、パターン形成された迷彩パターンを形成するために本発明の臭気制御基体を用いることができる。具体的には、臭気制御基体は、所望のカラーパターンを与えることができると共に、狩猟中に、ヒトの臭気の減少に役立てることができる。さらに、ペット用ベッド、椅子、高齢者ケア用/病院用ベッドカバー、乳児用/子供用ベッドなどに臭気制御コーティングを用いることができる。
【0066】
本発明の臭気制御基体の臭気減少における有効性は、種々の手法で測定することができる。例えば、臭気制御基体に吸着される臭気化合物の率は、ここに示されるヘッドスペース・ガス・クロマトグラフィ試験を用いて求めることができる。例を挙げれば、幾つかの実施形態においては、本発明の臭気制御基体は、特定の臭気化合物の少なくとも約25%を吸着することができ、幾つかの実施形態においては少なくとも約25%を吸着することができ、幾つかの実施形態においては少なくとも約45%を吸着することができ、幾つかの実施形態においては少なくとも約65%を吸着することができる。臭気の除去における活性炭インクの有効性は、さらに「相対的吸着効率」によって測定することができ、これは同じくヘッドスペース・ガス・クロマトグラフィを用いて求められ、活性炭インク1グラム当たりに吸着される臭気のミリグラム数により測定される。いずれか1つの種類の活性炭インクの表面化学物質が、臭気の全ての種類を減少させるのに好適であるとは限らないこと、及び、1つ又はそれ以上の臭気化合物の吸着の低さは、他の臭気化合物の良好な吸着により補償できることを認識すべきである。
【0067】
本発明は、以下の実施例を参照することでより良好に理解されよう。
【0068】
試験方法
定量的な臭気吸着は、実施例においては、「ヘッドスペース・ガス・クロマトグラフィ」として知られる試験を用いて求められた。ヘッドスペース・ガス・クロマトグラフィ試験は、Agilent Technologies 5890, Series IIガス・クロマトグラフィ上で、Agilent Technology 7694ヘッドスペース・サンプラ(ドイツ国ヴァルトブロン所在のAgilent Technologies)を用いて実施された。キャリア・ガスとしてヘリウムが用いられた(注入ポート圧力:12.7psig、ヘッドスペースバイアル圧力:15.8psig、供給ライン圧力は60psigである)。臭気化合物のために、30メートルの長さと、0.25ミリメートルの内径とを有するDB−624カラムが用いられた。このようなカラムは、カリフォルニア州フォルサム所在のJ&W Scientific,Inc.から入手可能である。
【0069】
ヘッドスペース・ガス・クロマトグラフィに用いられる操作パラメータは、以下の表1に示される。

表1.ヘッドスペース・ガス・クロマトグラフィ装置のための操作パラメータ

【0070】
試験手順は、0.005グラムから0.1グラムまでのサンプルを20立方センチメートル(cc)のヘッドスペースバイアルに置くことを含んだ。注射器を用いて、臭気化合物のアリコートが、さらに、バイアルに置かれた。具体的には、試験は、2.0マイクログラムのエチル・メルカプタン(2.4マイクロリットル)と、1.8マイクログラム(2マイクロリットル)のジメチルジスルフィドにより行われた。サンプルは三度試験された。10分後、隔壁を貫通して中空の針が挿入され、バイアルに入れられた。次いで、1立方センチメートルのヘッドスペース・サンプル(バイアル内部の空気)が、ガス・クロマトグラフに注入された。最初は、臭気化合物のアリコートのみをもつ対照バイアルが試験され、0%の臭気化合物吸着が定められた。サンプルによって取り除かれたヘッドスペース臭気化合物の量を算出するために、サンプルをもつバイアルからの臭気化合物のピーク面積が、臭気化合物対照バイアルからのピーク面積と比較された。
【実施例1】
【0071】
活性炭インクを基体に適用する能力が実証された。活性炭インクは、MeadWestvaco Corp.から「Nuchar PMA」の名称のもとで入手され、15重量%の活性炭と、12重量%のスチレン・アクリル共重合体バインダと、73重量%の水とを含んでいた。平坦スチールロールを標準的なオフセット・グラビア印刷システム(ウィスコンシン州ジャーマンタウン所在のFaustel Inc.から入手された)に用いて、ポリエチレン・フィルムの片側に活性炭インクを均一に印刷した。フィルムは、1平方メートル当たり27.1グラムの坪量を有し、当該分野で周知のように、前もってコロナ放電処理に露出された。印刷した後で、フィルムは、空気貫流乾燥器を用いて190°Fでおおよそ5秒間乾燥された。上述の方法により、七つ(7)の異なるサンプルに、各々が異なるコーティング重量及び印刷パターンを有する活性炭インクを印刷した。活性炭サンプルに用いられたライン速度及びコーティング重量(固体追加レベルとしても算出された)は、以下の表2に示される。

表2:活性炭サンプル

【0072】
サンプルの幾つかは、次いで、上述されたヘッドスペース・ガス・クロマトグラフィ試験を用いて、メチル・メルカプタン及びジメチルジスルフィド臭気化合物を除去する能力を試験された。結果は、以下の表3に示される。

表3:臭気減少

【0073】
次いで、上述の臭気減少データを用いて、コーティング重量と被覆率(即ち印刷パターン)との間の相関が取得された。研究は、同一のコーティング重量を有する異なるサンプル領域について、臭気吸着能力を測定した。換言すると、同じコーティングされたフィルムから、異なるサンプル寸法が切り取られ、次いで、臭気容量が測定された。このことは、異なるコーティング重量を有する全てのフィルムについて繰り返された。図5を参照すると、各々のコーティングについて、結果として得られる臭気吸着等温線のグラフが示されている。このグラフから、所望の印刷面積及び臭気容量に必要なコーティング重量(又は固体追加レベル)を求めることができる。或いはまた、所望のコーティング重量(又は固体追加レベル)及び臭気容量に必要な印刷面積を求めることもできる。
【実施例2】
【0074】
特定のパターンで活性炭インクを基体に適用する能力が実証された。活性炭インクは、MeadWestvaco Corp.から「Nuchar PMA」の名称のもとで入手され、15重量%の活性炭と、12重量%のスチレン・アクリル共重合体バインダと、73重量%の水とを含んでいた。グラビア・スチールロールを標準的なオフセット・グラビア印刷システム(ウィスコンシン州ジャーマンタウン所在のFaustel Inc.から入手された)に用いて、ポリエチレン・フィルムの片側に活性炭インクを均一に印刷した。フィルムは、1平方メートル当たり27.1グラムの坪量を有し、当該分野で周知のように、前もってコロナ放電処理に露出された。印刷した後で、フィルムは、空気貫流乾燥器を用いて190°Fでおおよそ5秒間乾燥された。
【0075】
活性炭インクは、種々のコーティング重量(又は固体追加レベル)及びパターンの花模様でフィルムに印刷された。サンプルの幾つかは、次いで、上述のヘッドスペース・ガス・クロマトグラフィ試験を用いて、メチル・メルカプタン及びジメチルジスルフィド臭気化合物を除去する能力を試験された。結果は、以下の表4に示される。

表4:活性炭サンプル

【0076】
本発明は、特定の実施形態に関して詳細に説明されたが、当業者であれば、上記の理解を得ることにより、これらの実施形態の代替物、変形、及び同等物を容易に考えることができると理解するであろう。従って、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びそのいずれの同等物のそれであると評価されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1A】本発明の1つの実施形態による、活性炭インクの上に印刷されたカラーインクを示す、重なる色パターンを有する臭気制御基体の図である。
【図1B】本発明の1つの実施形態による、カラーインクの上に印刷された活性炭インクを示す、重なる色パターンを有する臭気制御基体の図である。
【図2】本発明の別の実施形態による、重ならない色パターンを有する臭気制御基体の図である。
【図3】本発明の個別に包装された吸収性物品のパッケージの1つの実施形態の斜視図である。
【図4】開いた状態で示される図1のパッケージの斜視図である。
【図5】種々のコーティング重量について、覆う面積に対するエチル・メルカプタンの臭気吸着がプロットされている、実施例1の結果の図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
臭気制御基体を形成するための方法であって、
活性炭と、バインダと、溶剤とを含む第1のインクを形成し、
前記第1のインクを前記基体の表面上に印刷して、
前記第1のインクが前記表面の面積の約25%から約95%までを覆い、前記第1のインクが前記基体により呈される色から視覚的に区別できる別の色を呈するようにし、
固体追加レベルが少なくとも約2%になるように前記第1のインクを乾燥させる、
ステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記活性炭が、前記第1のインクの約1重量%から約50重量%までを構成することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記バインダが、前記第1のインクの約0.01重量%から約30重量%までを構成することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記溶剤が、前記第1のインクの約40重量%から約99重量%を構成することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のインクは、前記表面の面積の約30%から約90%までを覆うことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のインクの色と前記基体により呈される別の色との間のコントラストが、0−255の階調において、少なくとも約45の最小グレースケール値を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のインクの色から視覚的に区別できる別の色を呈する第2のインクを前記基体に印刷するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第2のインクの色が、白、イエロー、シアン、マゼンタ、レッド、グリーン、ブルー、又はその組み合わせであることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のインク及び前記第2のインクは重なる関係で適用されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のインク及び前記第2のインクは重ならない関係で適用されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項11】
活性炭を含み、基体の表面の面積の約30%から約90%までを覆い、少なくとも約2%の固体追加レベルで存在する第1のインクと、第2のインクとが適用される臭気制御基体であって、前記第1のインクが、前記第2のインクの色から視覚的に区別できる別の色を呈することを特徴とする臭気制御基体。
【請求項12】
内面を有する包装体を含む、女性用ケア吸収性物品を個別に包装するためのパウチであって、前記内面には活性炭を含む第1のインクが適用され、前記第1のインクが前記内面の面積の約25%から約95%までを覆っており、前記第1のインクが、前記包装体により呈される色から視覚的に区別できる別の色を呈することを特徴とするパウチ。
【請求項13】
前記包装体が、前記内面を定めるフィルムを含むことを特徴とする請求項12に記載のパウチ。
【請求項14】
前記包装体の前記内面上に、前記第1のインクの色から視覚的に区別できる別の色を呈する第2のインクがさらに存在することを特徴とする請求項13に記載のパウチ。
【請求項15】
前記第1のインクと前記第2のインクとの間のコントラストが、0−255の階調において、少なくとも約45の最小グレースケール値を有することを特徴とする請求項11から請求項14までのいずれか1項に記載の臭気制御基体又はパウチ。
【請求項16】
前記第1のインク及び前記第2のインクは重なる関係で適用されることを特徴とする請求項11から請求項15までのいずれか1項に記載の臭気制御基体又はパウチ。
【請求項17】
前記第1のインク及び前記第2のインクは重ならない関係で適用されることを特徴とする請求項11から請求項15までのいずれか1項に記載の臭気制御基体又はパウチ。
【請求項18】
前記基体が、不織ウェブ、フィルム、又はその組み合わせを含むことを特徴とする請求項1から請求項17までのいずれか1項に記載の方法、臭気制御基体、又はパウチ。
【請求項19】
前記第1のインクの色は黒であることを特徴とする請求項1から請求項1まで8のいずれか1項に記載の方法、臭気制御基体、又はパウチ。
【請求項20】
前記第1のインクの前記固体追加レベルは約4%から約40%までであることを特徴とする請求項1から請求項19のいずれか1項に記載の方法、臭気制御基体、又はパウチ。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−526470(P2008−526470A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−548198(P2007−548198)
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【国際出願番号】PCT/US2005/035245
【国際公開番号】WO2006/071313
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ポラロイド
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)
【Fターム(参考)】