活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置、及び活性炭固着物品の活性炭粉末除去方法
【課題】表面から活性炭粉末を除去する処理を複数の活性炭固着物品について自動で同時に行い、自動化による省人化が可能で処理能力の向上を図り、活性炭固着物品の表面において周方向に亘って一様にムラなく活性炭粉末を除去する。
【解決手段】ケース11は、複数の活性炭固着物品100を円筒軸方向が上下方向に揃って配置された状態で内部に収容する。ケース保持部12は、ケース11が着脱自在に設置され、ケース11を保持する。振とう駆動機構13は、ケース11が設置されたケース保持部12に対して、ケース11の中心位置からずれた位置を中心として水平面方向における回転動作を伴って揺動させる動作である振とう動作を付加するように、ケース保持部12を駆動し、複数の活性炭固着物品100に対して互いに擦れ合う状態での自転動作を発生させることで、活性炭固着物品100の表面から活性炭粉末を除去する。
【解決手段】ケース11は、複数の活性炭固着物品100を円筒軸方向が上下方向に揃って配置された状態で内部に収容する。ケース保持部12は、ケース11が着脱自在に設置され、ケース11を保持する。振とう駆動機構13は、ケース11が設置されたケース保持部12に対して、ケース11の中心位置からずれた位置を中心として水平面方向における回転動作を伴って揺動させる動作である振とう動作を付加するように、ケース保持部12を駆動し、複数の活性炭固着物品100に対して互いに擦れ合う状態での自転動作を発生させることで、活性炭固着物品100の表面から活性炭粉末を除去する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性炭が固着されて円筒状に形成された活性炭固着物品の表面から活性炭粉末を除去する、活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置、及び活性炭固着物品の活性炭粉末除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
活性炭が固着されて円筒状に形成された活性炭固着物品として、例えば、特許文献1に開示されているように、水から塩素やごみ等の汚染物質を除去するための水処理器に取り付けられるフィルタに用いられるフィルタ成形体がある。このフィルタ成形体のような活性炭固着物品においては、製品として出荷されるに際して、表面に付着した活性炭粉末が除去される必要があり、活性炭粉末除去作業が行われる。
【0003】
通常、活性炭粉末除去作業が行われる場合、作業者が、まず、区画されたブース内等において活性炭固着物品を一方の手に持ち、更に、同じブース内にてエアガンのような圧縮空気を吹き出す装置を他方の手に持つ。そして、作業者は、ブース内においてエアガンから圧縮空気を活性炭固着物品に向かって吹き付ける作業を行う。これにより、活性炭固着物品の表面に付着した活性炭粉末が吹き飛ばされて除去されることになる。即ち、このような一連の活性炭粉末除去作業は、活性炭固着物品の1本ずつについて、作業者の手作業に基づいて行われることになる。
【0004】
尚、加工品の表面に付着した粉末を除去する粉末除去装置としては、例えば、特許文献2に開示された装置が知られている。特許文献2に開示された粉末除去装置は、加工品をコンベア装置によって搬送して振動発生機上に位置決めさせ、その加工品の表面に沿って移動するノズルから加工品の表面に空気を吹き出させるように構成されている。そして、この粉末除去装置では、上記のノズルが、加工品の表面に向けて空気を吹き出す内筒と、空気の吹き出しによって加工品の表面から飛散した粉末を外気とともに吸い込む外筒とを備えた二重筒構造として構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−251117号公報
【特許文献2】特公平2−48206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、活性炭固着物品の表面から活性炭粉末を除去する活性炭粉末除去作業が行われる場合、ブース内でエアガンのような圧縮空気を吹き出す装置を用いて活性炭粉末を吹き飛ばして活性炭固着物品の表面から除去する一連の作業が、活性炭固着物品の1本ずつについて、作業者の手作業に基づいて行われる。活性炭粉末除去作業が1本ずつ作業者の手作業によって行われることで、円筒状に形成された活性炭固着物品の表面において周方向に亘って一様にムラなく活性炭粉末を除去することができる。
【0007】
しかしながら、活性炭粉末除去作業が1本ずつ作業者の手作業に基づいて行われるため、活性炭固着物品の表面から活性炭粉末を除去する処理の能力が作業者の熟練度によってばらついてしまうことになる。また、作業者の熟練度が高くても、1本ずつ作業者の手作業に基づいて行われるものであるため、活性炭固着物品の表面から活性炭粉末を除去する処理の能力にも限界がある。このように、従来においては、活性炭固着物品の表面から活性炭粉末を除去する処理が作業者の手作業に基づいて行われるため、処理能力の向上を図ることが難しいという問題がある。
【0008】
尚、特許文献2に開示された粉末除去装置が活性炭固着物品に適用された場合、活性炭固着物品がコンベア装置によって搬送されて振動発生機上に位置決めされ、その活性炭固着物品の表面に対してノズルから空気が吹き出されることになる。そして、活性炭固着物品は振動発生機上で位置決めされており、活性炭固着物品の表面におけるノズルに対向して空気が吹き付けられる部分及びその近傍のみから活性炭粉末が除去されることになる。このため、活性炭粉末は、活性炭固着物品の表面から部分的に除去されることになる。よって、特許文献2に開示された粉末除去装置が用いられた場合は、円筒状に形成された活性炭固着物品の表面において周方向に亘って一様にムラなく活性炭粉末を除去することが極めて難しいという問題がある。
【0009】
本発明は、上記実情に鑑みることにより、活性炭固着物品の表面から活性炭粉末を除去する処理を複数の活性炭固着物品について自動で同時に行うことができ、自動化による省人化が可能であるとともに処理能力の向上を図ることができ、更に、円筒状に形成された活性炭固着物品の表面において周方向に亘って一様にムラなく活性炭粉末を除去することができる、活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置、及び活性炭固着物品の活性炭粉末除去方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための第1発明に係る活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置は、活性炭が固着されて円筒状に形成された活性炭固着物品の表面から活性炭粉末を除去する、活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置に関する。そして、第1発明に係る活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置は、籠状に形成され、複数の前記活性炭固着物品を円筒軸方向が上下方向に揃って配置された状態で内部に収容するケースと、前記ケースが着脱自在に設置され、設置された前記ケースを保持するケース保持部と、前記ケースが設置された前記ケース保持部に対して、前記ケースの中心位置からずれた位置を中心として水平面方向における回転動作を伴って揺動させる動作である振とう動作を付加するように、前記ケース保持部を駆動し、複数の前記活性炭固着物品に対して互いに擦れ合う状態での自転動作を発生させることで、前記活性炭固着物品の表面から活性炭粉末を除去する振とう駆動機構と、を備えていることを特徴とする。
【0011】
この発明によると、上下方向に円筒軸方向が揃って配置された複数の活性炭固着物品を収容したケースが設置されたケース保持部に対して、振とう駆動機構によって振とう動作が付加される。これにより、複数の活性炭固着物品に対して互いに擦れ合う状態での自転動作が発生し、活性炭固着物品の表面から活性炭粉末が除去される。よって、活性炭粉末除去装置が作動することで、複数の活性炭固着物品に対して、活性炭固着物品の表面から活性炭粉末を除去する処理が、同時に自動で行われることになる。このため、活性炭固着物品の表面から活性炭粉末を除去する処理について、作業者の手作業に基づく処理を無くすことができ、自動化による省人化を図ることができる。また、上記作業の自動化を図ることができるとともに複数の活性炭固着物品を同時に処理できるため、飛躍的に処理能力の向上を図ることができる。更に、複数の活性炭固着物品が互いに擦れ合いながら自転することで活性炭固着物品の表面から活性炭粉末が除去されるため、円筒状に形成された活性炭固着物品の表面において周方向に亘って一様にムラなく活性炭粉末を除去することができる。
【0012】
従って、本発明によると、活性炭固着物品の表面から活性炭粉末を除去する処理を複数の活性炭固着物品について自動で同時に行うことができ、自動化による省人化が可能であるとともに処理能力の向上を図ることができ、更に、円筒状に形成された活性炭固着物品の表面において周方向に亘って一様にムラなく活性炭粉末を除去することができる、活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置を提供することができる。
【0013】
第2発明に係る活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置は、第1発明の活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置において、前記ケース保持部に設置された前記ケースに収容された前記活性炭固着物品に向かって圧縮空気を吹き付けるように供給するノズルを有し、前記活性炭固着物品の表面から除去された活性炭粉末を吹き飛ばす圧縮空気供給機構と、前記ケース保持部及び前記ノズルが配置される領域を外部に対して区画するブースと、を更に備えていることを特徴とする。
【0014】
この発明によると、圧縮空気供給機構のノズルから供給される圧縮空気が活性炭固着物品の表面に吹き付けられ、除去された活性炭粉末が吹き飛ばされる。このため、活性炭固着物品の表面から除去した活性炭粉末を活性炭固着物品の周囲から効率よく排出させることができる。また、ケース保持部及びノズルがブース内に配置されるため、ブースの外部へ活性炭粉末が飛散してしまうことを防止できる。
【0015】
第3発明に係る活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置は、第2発明の活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置において、前記ブースに連通するとともに、前記圧縮空気供給機構によって吹き飛ばされた活性炭粉末を吸引する活性炭粉末吸引機構を、更に備えていることを特徴とする。
【0016】
この発明によると、ブース内でノズルから供給される圧縮空気によって吹き飛ばされた活性炭粉末が、ブースに連通する活性炭粉末吸引機構によって吸引されるため、活性炭固着物品の表面から除去した活性炭粉末を効率よく回収することができる。
【0017】
第4発明に係る活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置は、第1発明乃至第3発明のいずれかの活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置において、前記ケース保持部は、前記ケースを囲む枠状に形成され、前記ケースが内側の枠内に着脱自在に設置されることを特徴とする。
【0018】
この発明によると、ケース保持部が、ケースを囲む枠状に形成されるため、着脱自在に設置されるケースを保持するケース保持部の構成を簡素な構造で実現することができる。
【0019】
第5発明に係る活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置は、第1発明乃至第4発明のいずれかの活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置において、前記振とう駆動機構は、電動モータと、前記電動モータによって回転駆動される駆動プーリと、回転自在に支持された従動プーリと、前記駆動プーリ及び前記従動プーリの外周に対して周回するように掛け回され、前記駆動プーリの回転に伴って前記従動プーリを回転させる駆動ベルトと、前記駆動プーリに対して当該駆動プーリの中心から偏心した位置で前記ケース保持部を回転自在に支持する駆動プーリ側支持軸と、前記従動プーリに対して当該従動プーリの中心から偏心した位置で前記ケース保持部を回転自在に支持する従動プーリ側支持軸と、を有していることを特徴とする。
【0020】
この発明によると、ケース保持部に対して振とう動作を付加する振とう駆動機構について、電動モータ、駆動及び従動プーリ、駆動ベルト、駆動プーリ側及び従動プーリ側支持軸が設けられた機構によって実現でき、振とう駆動機構の簡素化を図ることができる。
【0021】
第6発明に係る活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置は、第1発明乃至第5発明のいずれかの活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置において、前記ケースは、各壁部がメッシュ状に形成されていることを特徴とする。
【0022】
この発明によると、ケースの各壁部がメッシュ状に形成されている。このため、ケース内での活性炭固着物品の互いに擦れ合う自転動作によって活性炭固着物品の表面から除去された活性炭粉末について、各壁部におけるメッシュ状の多数の孔を介して、ケースの外部へと容易に排出することができる。
【0023】
第7発明に係る活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置は、第1発明乃至第6発明のいずれかの活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置において、前記ケースは、内側に複数の収容室が区画され、前記収容室のそれぞれに複数の前記活性炭固着物品が収容されることを特徴とする。
【0024】
この発明によると、ケースの内側において、複数の活性炭固着物品が収容される収容室が複数設けられるため、各収容室に収容される複数の活性炭固着物品の数の適正化が容易に図られることになる。これにより、複数の活性炭固着物品が、円筒軸方向が上下方向に揃って配置された状態で更にバランスよく収容され、収容室内での活性炭固着物品の互いに擦れ合う自転動作による活性炭粉末の除去処理が、更に効率よく行われることになる。
【0025】
また、前述の目的を達成するための第8発明に係る活性炭固着物品の活性炭粉末除去方法は、活性炭が固着されて円筒状に形成された活性炭固着物品の表面から活性炭粉末を除去する、活性炭固着物品の活性炭粉末除去方法に関する。そして、第8発明に係る活性炭固着物品の活性炭粉末除去方法は、籠状に形成され、複数の前記活性炭固着物品を円筒軸方向が上下方向に揃って配置された状態で内部に収容するケースと、前記ケースが着脱自在に設置され、設置された前記ケースを保持するケース保持部と、前記ケースが設置された前記ケース保持部に対して、前記ケースの中心位置からずれた位置を中心として水平面方向における回転動作を伴って揺動させる動作である振とう動作を付加するように、前記ケース保持部を駆動し、複数の前記活性炭固着物品に対して互いに擦れ合う状態での自転動作を発生させることで、前記活性炭固着物品の表面から活性炭粉末を除去する振とう駆動機構と、を有する、活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置が用いられることを特徴とする。更に、第8発明に係る活性炭固着物品の活性炭粉末除去方法は、複数の前記活性炭固着物品が内部に収容された前記ケースが前記ケース保持部に設置される、ケース設置工程と、前記振とう駆動機構が前記ケース保持部を駆動して当該ケース保持部に対して前記振とう動作を付加し、複数の前記活性炭固着物品に対して互いに擦れ合う状態での自転動作を発生させる、活性炭固着物品自転工程と、を備えていることを特徴とする。
【0026】
この発明によると、活性炭固着物品自転工程において、上下方向に円筒軸方向が揃って配置された複数の活性炭固着物品を収容したケースが設置されたケース保持部に対して、振とう駆動機構によって振とう動作が付加される。これにより、複数の活性炭固着物品に対して互いに擦れ合う状態での自転動作が発生し、活性炭固着物品の表面から活性炭粉末が除去される。よって、活性炭粉末除去装置が作動することで、複数の活性炭固着物品に対して、活性炭固着物品の表面から活性炭粉末を除去する処理が、同時に自動で行われることになる。このため、活性炭固着物品の表面から活性炭粉末を除去する処理について、作業者の手作業に基づく処理を無くすことができ、自動化による省人化を図ることができる。また、上記作業の自動化を図ることができるとともに複数の活性炭固着物品を同時に処理できるため、飛躍的に処理能力の向上を図ることができる。更に、複数の活性炭固着物品が互いに擦れ合いながら自転することで活性炭固着物品の表面から活性炭粉末が除去されるため、円筒状に形成された活性炭固着物品の表面において周方向に亘って一様にムラなく活性炭粉末を除去することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によると、活性炭固着物品の表面から活性炭粉末を除去する処理を複数の活性炭固着物品について自動で同時に行うことができ、自動化による省人化が可能であるとともに処理能力の向上を図ることができ、更に、円筒状に形成された活性炭固着物品の表面において周方向に亘って一様にムラなく活性炭粉末を除去することができる、活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置、及び活性炭固着物品の活性炭粉末除去方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】活性炭固着物品であるフィルタ成形体とフィルタとを示す斜視図である。
【図2】図1のA−A線矢視断面図である。
【図3】図1に示すフィルタが取り付けられた水処理器の断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置の正面図である。
【図5】図4に示す活性炭粉末除去装置の側面図である。
【図6】図4に示す活性炭粉末除去装置の背面図である。
【図7】図4に示す活性炭粉末除去装置におけるケースを示す斜視図である。
【図8】図4に示すケースの内部に活性炭固着物品が収容された状態を示す斜視図である。
【図9】図4に示す活性炭粉末除去装置における構成要素の一部を示す平面図である。
【図10】図4に示す活性炭粉末除去装置における構成要素の一部について模式的に示す斜視図である。
【図11】図4に示す活性炭粉末除去装置における制御構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の一実施の形態に係る活性炭固着物品の活性炭粉末除去方法を説明する工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。尚、以下の説明においては、活性炭が固着されて円筒状に形成された活性炭固着物品が、水から塩素やごみ等の汚染物質を除去するための水処理器に取り付けられるフィルタに用いられるフィルタ成形体である場合を例示して説明するが、この例に限らず、本発明を適用することができる。即ち、本発明の実施形態に係る活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置、及び活性炭固着物品の活性炭粉末除去方法は、活性炭が固着されて円筒状に形成された活性炭固着物品の表面から活性炭粉末を除去する、活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置、及び活性炭固着物品の活性炭粉末除去方法として、広く適用することができるものである。
【0030】
まず、本発明の実施形態に係る活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置及び活性炭粉末除去方法によって活性炭粉末が表面から除去される対象となる活性炭固着物品について、水処理器用のフィルタに用いられるフィルタ成形体を例にとり、フィルタ及び水処理器とともに説明する。
【0031】
図1は、活性炭固着物品であるフィルタ成形体100の斜視図(図1(a))と、このフィルタ成形体100が用いられるフィルタ101の斜視図(図1(b))とを示したものである。また、図2は図1(b)のA−A線矢視断面図であり、図3はフィルタ101が取り付けられた水処理器104を示す断面図である。尚、以下の説明では、フィルタ成形体100について、活性炭固着物品100とも称する。図1乃至図3に示すフィルタ101は、フィルタ成形体100、不織布102及び一対のキャップ(103a、103b)を備えて構成され、水から塩素やごみ等の汚染物質を除去する水処理器104に取り付けられる。
【0032】
フィルタ成形体100は、活性炭が固着されて円筒状に形成された多孔質状の活性炭ブロックであるフィルタ成形体として形成されている。このフィルタ成形体100は、例えば、粉末又は粒状或いは繊維状の活性炭とバインダー樹脂とを所要の比率で混合した材料を金型内に充填して加熱し、バインダー樹脂を流動状態にした後に加圧して成形する圧縮成形を行い、その後冷却して脱型することで形成される。尚、バインダー樹脂としては、例えば、高分子量で低メルトインデックスの重合体結合材が用いられる。
【0033】
また、円筒断面を有するフィルタ成形体100は、その中心部において円筒軸方向に沿って貫通形成された貫通孔100aが設けられている。そして、フィルタ成形体100の外周には、その外周を被覆するように不織布102が巻き付けて固定される。尚、不織布102としては、例えば、芯材がポリエステルでその表面にポリエチレンを被覆した糸を材料とした不織布が用いられる。
【0034】
また、不織布102が外周に巻き付けられたフィルタ成形体100の両端部には、各端部を覆うように一対のキャップ(103a、103b)が取り付けられる。この一対のキャップ(103a、103b)は、フィルタ成形体100を通過していない水がキャップ(103a、103b)とフィルタ成形体100との間を通過してしまうことのないように、フィルタ成形体100に密着して(水密性をもって)取り付けられる。尚、一方のキャップ103aの中心には孔が形成されており、この孔とフィルタ成形体100の貫通孔100aとが連通するようにキャップ103aがフィルタ成形体100に対して取り付けられる。
【0035】
上述のように構成されるフィルタ101は、例えば、図3に示す水処理器104に取り付けられる。水処理器104は、例えば、家庭用の水道の蛇口105に取り付けられる水処理器本体106を備えて構成されている。そして、中空に形成された水処理器本体106の内部にフィルタ101が固定される。フィルタ101は、キャップ103aが下向きとなるように配置され、水処理器本体106から下方に開口するよう形成された浄水口108に貫通孔100aが連通した状態で固定される。また、水処理器104では、水処理器本体106内で端部がヒンジ構造で支持されて水処理器本体106内で図中の両端矢印で示す方向に回転して位置が切り換えられることで水の流路を切換可能な切換板107が設けられている。この切換板107により、蛇口105から供給される水の流路が、フィルタ101を通過させずに流出させる流路と、図3に示すようにフィルタ101を通過させて流出させる流路との間で切り換えられる。
【0036】
図3に示す位置に切換板107が切り換えられている状態では、蛇口105から供給された水は、図中破線の矢印で示すように流動する。即ち、蛇口105からの水は、水処理器本体106の内部の流路を経てフィルタ101の外周に達し、不織布102を通過して更にフィルタ成形体100を通過してその内側へと流動する。そして、貫通孔100aから浄水口108を経て流動して外部へと水が流出することになる。このようにフィルタ101を水が通過することで、水から塩素やごみ等の汚染物質が除去されることになる。尚、フィルタ101で処理される水は、最初に不織布102を通過することで比較的大きなごみがまず除去され、次いで、フィルタ成形体100を通過することで活性炭の吸着作用によって塩素や小さなごみ等が除去されることになる。
【0037】
尚、フィルタ101は、上述した水処理器104のように蛇口に直接に装着されるものに限られず、種々の形態の水処理器に対して取り付けて用いることができる。例えば、フィルタ101は、シンク内に配置されて蛇口とホースを介して接続される水処理器内に取り付けられてもよく、また、シャワーのハンドルを兼ねて構成された水処理器においてそのハンドル型の水処理器内に収納された状態で取り付けられてもよい。
【0038】
次に、本発明の一実施の形態に係る活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置及び活性炭粉末除去方法について説明する。図4は、本発明の一実施の形態に係る活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置1(以下、単に「活性炭粉末除去装置1」ともいう)の正面図である。また、図5は、活性炭粉末除去装置1の側面図である。また、図6は、活性炭粉末除去装置1の背面図である。図4乃至図6に示す活性炭粉末除去装置1は、活性炭が固着されて円筒状に形成された活性炭固着物品100の表面から活性炭粉末を除去する装置として構成されている。
【0039】
図4乃至図6に示す活性炭粉末除去装置1は、コントローラ10、ケース11、ケース保持部12、振とう駆動機構13、圧縮空気供給機構14、ブース15、活性炭粉末吸引機構16、基台17、台車18、等を備えて構成されている。この活性炭粉末除去装置1においては、コントローラ10、ケース11、ケース保持部12、振とう駆動機構13、圧縮空気供給機構14、ブース15、活性炭粉末吸引機構16は、基台17に設置されている。尚、基台17は、更に台車18上に設置されている。台車18には、複数の車輪18aが設けられている。このように、本実施形態では、活性炭粉末除去装置1は、台車18によって移動可能に構成されている。
【0040】
図7は、ケース11を示す斜視図である。また、図8は、ケース11の内部に活性炭固着物品100が収容された状態を示す斜視図である。図5、図7及び図8に示すケース11は、籠状に形成され、複数の活性炭固着物品100を円筒軸方向が上下方向に揃って配置された状態で内部に収容するように構成されている。
【0041】
ケース11は、図5に示すように、複数の活性炭固着物品100を収容した状態で、ブース15の内部に配置される。尚、図5では、ケース11が二点鎖線で図示されている。また、図8では、ケース11内に複数の活性炭固着物品100が収容された状態が図示されている。
【0042】
図7及び図8によく示すように、ケース11は、例えば、直方体状の筐体として設けられており、正面、背面、両側面、及び底面をそれぞれ構成する5つの各壁部11aが、メッシュ状に形成されている。また、ケース11は、上面側が開口するように構成されている。そして、ケース11の内側には、仕切壁11bが固定されている。この仕切壁11bが設けられていることで、ケース11は、内側に複数(本実施形態では、4つ)の収容室11cが区画されている。そして、ケース11は、収容室11cのそれぞれに複数の活性炭固着物品100が収容されるように構成されている。
【0043】
尚、本実施形態では、仕切壁11bが、ケース11の内側を四角形断面における対角線方向で仕切ることで、4つの収容室11bが区画されている形態を例示している。また、仕切壁11bについては、平坦な壁面として構成されていても、メッシュ状の壁面として構成されていてもよい。各壁部11a及び仕切壁11bを構成する材料としては、種々の材料を選択することができるが、メッシュ状であっても活性炭固着物品100に対して滑り易い表面を構成するように、例えば、表面が滑らかに形成された樹脂材料によって構成されていてもよい。
【0044】
図9は、活性炭粉末除去装置1における構成要素の一部を示す平面図であって、ブース15とケース保持部12と振とう駆動機構13の一部とを示す図である。図10は、活性炭粉末除去装置1における構成要素の一部について模式的に示す斜視図であって、ケース保持部12と振とう駆動機構13とを示す図である。
【0045】
図5、図6、図9及び図10に示すケース保持部12は、ケース11が着脱自在に設置され、設置されたケース11を保持する機構として設けられている。そして、本実施形態では、ケース保持部12は、平板状で長く延びる複数のフレーム部材(12a、12b、12c、12d、12e)が連結されて固定されることで構成されている。
【0046】
フレーム部材(12a、12b、12d、12e)は、四角形の枠状体を構成するように連結されている。そして、その四角形状の内側において、フレーム部材12cが、平行に配置されたフレーム部材12bとフレーム部材12dとに対して架け渡された状態で、これらのフレーム部材(12b、12d)に対して両端部にて連結されて固定されている。これにより、4つのフレーム部材(12a、12b、12c、12d)で囲まれた領域は、四角形の領域に縁取られた中空の枠内領域12fとして構成されている。
【0047】
4つのフレーム部材(12a、12b、12c、12d)で囲まれた枠内領域12fには、複数の活性炭固着物品100が収容されたケース11が配置されることになる。そして、枠内領域12fに配置されたケース11は、4つのフレーム部材(12a、12b、12c、12d)によって、正面、背面及び両側面を支持されることになる。尚、ケース11が枠内領域12fに配置された状態では、ケース11の底面は後述するブース15に設置されたテーブル(図示せず)に対して摺動自在に支持される。このように、ケース保持部12は、ケース11を囲む枠状に形成され、ケース11が内側の枠内に(即ち、枠内領域12fに)着脱自在に設置されるように構成されている。
【0048】
図5、図6、図9及び図10に示す振とう駆動機構13は、ケース11が設置されたケース保持部12に対して、ケース11の中心位置からずれた位置を中心として水平面方向における回転動作を伴って揺動させる動作である振とう動作を付加するように、ケース保持部12を駆動する機構として設けられている。そして、振とう駆動機構13は、複数の活性炭固着物品100を収容したケース11が設置されたケース保持部12に振とう動作を付加することで、複数の活性炭固着物品100に対して互いに擦れ合う状態での自転動作を発生させ、これにより、活性炭固着物品100の表面から活性炭粉末を除去するように構成されている。
【0049】
そして、本実施形態では、振とう駆動機構13は、電動モータ13a、駆動プーリ13b、従動プーリ13c、駆動ベルト13d、駆動プーリ側支持軸13e、従動プーリ側支持軸13f、アイドラプーリ13g、を備えて構成されている。また、上記の構成要素を備えて構成される振とう駆動機構13は、基台17の背面側で基台17に対して設置され、基台17に固定されたカバー19内に配置されている。
【0050】
駆動プーリ13bは、基台17又はカバー19にステータ側が固定された電動モータ13aによって回転駆動されるプーリとして設けられている。従動プーリ13cは、基台17又はカバー19において回転自在に支持されている。駆動プーリ13b及び従動プーリ13cの外周には、駆動ベルト13dに噛み合う歯が形成されている。駆動ベルト13dは、駆動プーリ13b及び従動プーリ13cの外周に対して周回するように掛け回され、駆動プーリ13bの回転に伴って従動プーリ13cを回転させる歯付きのタイミングベルトとして設けられている。アイドラプーリ13gは、駆動ベルト13dのテンションを調整するためのプーリとして設けられている。
【0051】
駆動プーリ側支持軸13eは、駆動プーリ13bに取り付けられ、駆動プーリ13bに対してこの駆動プーリ13bの中心から偏心した位置でケース保持部12におけるフレーム部材12eの一方の端部を回転自在に支持する軸として設けられている。よって、駆動プーリ側支持軸13eは、駆動プーリ13bにおいて、駆動プーリ13bの径方向における中心位置P1(図9にて点P1で示す位置)から外れた位置に設けられて、フレーム部材12eの一方の端部を回転自在に支持している。
【0052】
従動プーリ側支持軸13fは、従動プーリ13cに取り付けられ、従動プーリ13cに対してこの従動プーリ13cの中心から偏心した位置でケース保持部12におけるフレーム部材12eの他方の端部を回転自在に支持する軸として設けられている。よって、従動プーリ側支持軸13fは、従動プーリ13cにおいて、従動プーリ13cの径方向における中心位置P2(図9にて点P2で示す位置)から外れた位置に設けられて、フレーム部材12eの他方の端部を回転自在に支持している。
【0053】
振とう駆動機構13が上記のように構成されるため、電動モータ13aによって駆動プーリ13bが回転し、これにより、駆動ベルト13dを介して従動プーリ13cも回転駆動される。そして、駆動プーリ側支持軸13eが駆動プーリ13bの中心位置P1を中心として公転動作を行い、従動プーリ側支持軸13fが従動プーリ13cの中心位置P2を中心として公転動作を行うことになる。このため、駆動プーリ側支持軸13e及び従動プーリ側支持軸13fに対して回転自在に支持されたケース保持部12が、ケース11の中心位置からずれた位置を中心として水平面方向における回転動作を伴って揺動する動作である振とう動作を行うことになる。これにより、ケース11内の各活性炭固着物品100において、円筒軸方向を中心とした自転動作が発生することになる。そして、複数の活性炭固着物品100同士において互いに擦れ合う状態が発生し、各活性炭固着物品100の表面から活性炭粉末が除去されることになる。
【0054】
図5及び図6に示す圧縮空気供給機構14は、活性炭固着物品100の表面から除去された活性炭粉末を吹き飛ばす機構として設けられている。そして、この圧縮空気供給機構14は、ノズル14a、ノズル駆動エアシリンダ14b、ノズル駆動電動シリンダ14c、を備えて構成されている。
【0055】
ノズル14aは、ケース保持部12に設置されたケース11に収容された活性炭固着物品100に向かって圧縮空気を吹き付けるように供給するノズルとして設けられている。尚、活性炭粉末除去装置1には、活性炭粉末除去装置1における制御構成を示すブロック図である図11に示すように、圧縮空気を生成するコンプレッサ27とこのコンプレッサ27で生成された圧縮空気を貯留するタンク26とが設けられている。そして、圧縮空気供給機構14では、コンプレッサ27で生成されてタンク26を介して供給される圧縮空気が、ノズル14aから吹き出されるように構成されている。
【0056】
ノズル駆動エアシリンダ14bは、ノズル14aをブース15内において変位させるように駆動するエアシリンダ機構として設けられ、前述のタンク26から供給される圧縮空気によって作動するように構成されている。そして、ノズル駆動エアシリンダ14bは、ブース15内において、活性炭粉末除去装置1の背面側の位置S1(図5にて矢印S1で示す位置)と正面側の位置S2(図5にて矢印S2で示す位置)との間でノズル14aの位置を変位させるように構成されている。
【0057】
尚、ノズル駆動エアシリンダ14bにおけるノズル14aが取り付けられたロッドの先端側は、ブース15の背面側の壁面に貫通形成された窓15aからブース15内に挿入された状態に配置されている(図5及び図6を参照)。そして、ノズル駆動エアシリンダ14bにおいてロッドが退避した状態では、ノズル14aが背面側の位置S1に位置することになる。一方、ノズル駆動エアシリンダ14bにおいてロッドが突出した状態では、ノズル14aが正面側の位置S2に位置することになる。これにより、圧縮空気供給機構14では、背面側の位置S1及び正面側の位置S2でノズル14aの位置が切り替えられて圧縮空気が吹き出されることで、ケース11の全体に亘って活性炭粉末をよりムラなく吹き飛ばすことができるように構成されている。
【0058】
ノズル駆動電動シリンダ14cは、ノズル14aをノズル駆動エアシリンダ14bとは異なる方向においてブース15内にて変位させるように駆動する電動シリンダ機構として設けられている。そして、ノズル駆動電動シリンダ14cは、ブース15内において、活性炭粉末除去装置1の幅方向(図6にて両端矢印Bで示す方向)でノズル14aの位置を変位させるように構成されている。これにより、圧縮空気供給機構14では、活性炭粉末除去装置1の幅方向においてノズル14aが移動しながら圧縮空気が吹き出されることになり、ケース11の全体に亘って活性炭粉末をよりムラなく吹き飛ばすことができるように構成されている。
【0059】
図4乃至図6、図9に示すブース15は、基台17の上に設置され、ケース保持部12及びノズル14aが配置される領域を外部に対して区画する箱状体として設けられている。そして、ブース15には、扉15bが設けられている。尚、本実施形態では、取っ手部分が手動で操作されてヒンジ部分にて回動することで開閉される両開き式の一対の扉(15b、15b)が設けられたブース15を例示している。複数の活性炭固着物品100が収容されたケース11がケース保持部12に設置される際には、この扉15bが開けられ、ブース15内にケース11が配置される。そして、ケース11がケース保持部12に設置されると、扉15bが閉じられることになる。尚、ブース15は、例えば、外部から内部の状態を視認可能となるように透明なポリカーボネート板にて構成されている。
【0060】
図4及び図11のブロック図に示す活性炭粉末除去機構16は、吸引用ダクト16aにてブース15に連通するとともに、圧縮空気供給機構14によってブース15内で吹き飛ばされた活性炭粉末を吸引する機構として設けられている。この活性炭粉末吸引機構16としては、一般の集塵機と同様の構造を備える機構等、種々の形態の機構を用いてもよい。例えば、吸引用ダクト16aを介してブース15内に負圧を発生させるように設置された吸込みファンと、この吸込みファンを回転駆動するファンモータと、吸込みファンの下流側に設けられて外部に対して排気するための排気口と、排気口に設置されて活性炭粉末を捕捉して回収するフィルタ部と、を備えた機構として設けられてもよい。
【0061】
活性炭粉末除去装置1では、振とう駆動機構13、圧縮空気供給機構14及び活性炭粉末吸引機構16の作動が、図4乃至図6、図11に示すコントローラ10による制御に基づいて自動で行われる。活性炭粉末除去装置1の運転は、基台17に設置された操作ボックス20(図4、図5及び図11を参照)での作業者による操作に基づいて開始される。そして、操作ボックス20での操作が行われると、コントローラ10が、振とう駆動機構13、圧縮空気供給機構14及び活性炭粉末吸引機構16の作動を制御し、活性炭固着物品100の表面から活性炭粉末を除去する処理が行われることになる。
【0062】
コントローラ10は、基台17に設置されており、例えば、CPU(Central Processing Unit)10a、メモリ10b、インターフェイス回路(I/F回路)10c等を備えて構成されている。そして、このコントローラ10は、操作ボックス20及び各駆動回路(21〜24)に接続されている。操作ボックス20からの操作信号の入力や駆動回路(21〜24)への指令信号の出力は、インターフェイス回路10cを通じて行われる。また、メモリ10bには、振とう駆動機構13、圧縮空気供給機構14及び活性炭粉末吸引機構16を制御するコントローラ10としての処理を行うためのプログラムが記憶されており、CPU10aにより読み出されて実行される。
【0063】
駆動回路21は、コントローラ10からの指令に基づいて振とう駆動機構13における電動モータ13aを駆動するための回路として設けられている。駆動回路22は、コントローラ10からの指令に基づいて圧縮空気供給機構14におけるノズル駆動電動シリンダ14cを駆動するための回路として設けられている。駆動回路23は、例えば、コントローラ10からの指令に基づいて活性炭粉末吸引機構16のファンモータを駆動するための回路として設けられている。駆動回路24は、コントローラ10からの指令に基づいて電磁弁ユニット25における所定の電磁弁を開閉駆動するための回路として設けられている。
【0064】
また、前述のように、活性炭粉末除去装置1においては、圧縮空気を生成するコンプレッサ27と生成された圧縮空気を貯留するタンク26とが設けられている。そして、電磁弁ユニット25における所定の電磁弁を介して圧縮空気が供給され、これにより、圧縮空気供給機構14におけるノズル14aから圧縮空気が吹き出され、更に、ノズル駆動エアシリンダ14bが作動するように構成されている。尚、コンプレッサ27及びタンク26については、活性炭粉末除去装置1に設けられていなくてもよく、活性炭粉末除去装置1の外部から活性炭粉末除去装置1の電磁弁ユニット25に圧縮空気が供給可能に構成されていてもよい。
【0065】
次に、本発明の一実施の形態に係る活性炭固着物品の活性炭粉末除去方法(以下、単に「活性炭粉末除去方法」ともいう)について説明する。尚、本実施形態の活性炭粉末除去方法には、上述した活性炭粉末除去装置1が用いられる。即ち、活性炭粉末除去装置1が作動することで、本実施形態の活性炭粉末除去方法が実施されることになる。
【0066】
本実施形態の活性炭粉末除去方法は、活性炭が固着されて円筒状に形成された活性炭固着物品の表面から活性炭粉末を除去する方法として構成されている。図12は、本実施形態の活性炭粉末除去方法を説明する工程図である。この図12に示すように、本実施形態の活性炭粉末除去方法は、ケース設置工程S101と、活性炭粉末除去工程S102と、ケース取出し工程S103と、を備えて構成されている。
【0067】
ケース設置工程S101は、複数の活性炭固着物品100が内部に収容されたケース11がケース保持部12に設置される工程として構成されている。即ち、ケース設置工程S101においては、作業者によってブース15の扉15bが開けられ、複数の活性炭固着物品100が収容されたケース11が、ブース15内のケース保持部12における枠内領域12fに設置される。ケース11のケース保持部12への設置後は、ブース15の扉15bが閉じられる。
【0068】
活性炭粉末処理工程S102は、活性炭固着物品100の表面から活性炭粉末を除去する処理を行う工程として構成されている。そして、活性炭粉末除去工程S102は、活性炭固着物品自転工程S104と、圧縮空気供給工程S105と、活性炭粉末吸引工程S106と、を備えて構成されている。この活性炭粉末除去工程S102は、コントローラ10による制御に基づいて、振とう駆動機構13、圧縮空気供給機構14及び活性炭粉末吸引機構16が作動することで、自動で行われる。そして、活性炭固着物品自転工程S104と、圧縮空気供給工程S105と、活性炭粉末吸引工程S106とは、コントローラ10の制御に基づいて、並行して行われる。
【0069】
活性炭固着物品自転工程S104は、振とう駆動機構13がケース保持部12を駆動してケース保持部12に対して振とう動作を付加し、複数の活性炭固着物品100に対して互いに擦れ合う状態での自転動作を発生させる工程として構成されている。即ち、活性炭固着物品自転工程S104においては、振とう駆動機構13が作動し、各活性炭固着物品100の自転動作が発生して互いに擦れ合う活性炭固着物品100の表面から活性炭粉末が除去される。
【0070】
圧縮空気供給工程S105は、圧縮空気供給機構14のノズル14aから圧縮空気が活性炭固着物品100に向かって吹き付けられて供給され、活性炭固着物品100の表面から除去された活性炭粉末が吹き飛ばされる工程として構成されている。即ち、圧縮空気供給工程S105においては、圧縮空気供給機構14が作動し、ブース15内で活性炭粉末が吹き飛ばされる。
【0071】
活性炭粉末吸引工程S106は、活性炭粉末吸引機構16によって、吹き飛ばされた活性炭粉末が吸引される工程として構成されている。即ち、活性炭粉末吸引工程S106においては、活性炭粉末吸引機構16が作動し、活性炭粉末が吸引されてブース15の外部へと回収される。
【0072】
ケース取出し工程S103は、表面から活性炭粉末が除去された複数の活性炭固着物品100が内部に収容されたケース11がケース保持部12から取り出される工程として構成されている。即ち、ケース取出し工程S103においては、作業者によってブース15の扉15bが開けられ、活性炭粉末の除去処理が終了した複数の活性炭固着物品100が収容されたケース11が、ケース保持部12から外され、ブース15の外部へと取り出される。これにより、本実施形態の活性炭粉末除去方法が終了することになる。
【0073】
以上説明した活性炭粉末除去装置1によると、上下方向に円筒軸方向が揃って配置された複数の活性炭固着物品100を収容したケース11が設置されたケース保持部12に対して、振とう駆動機構13によって振とう動作が付加される。これにより、複数の活性炭固着物品100に対して互いに擦れ合う状態での自転動作が発生し、活性炭固着物品100の表面から活性炭粉末が除去される。よって、活性炭粉末除去装置1が作動することで、複数の活性炭固着物品100に対して、活性炭固着物品100の表面から活性炭粉末を除去する処理が、同時に自動で行われることになる。このため、活性炭固着物品100の表面から活性炭粉末を除去する処理について、作業者の手作業に基づく処理を無くすことができ、自動化による省人化を図ることができる。また、上記作業の自動化を図ることができるとともに複数の活性炭固着物品100を同時に処理できるため、飛躍的に処理能力の向上を図ることができる。更に、複数の活性炭固着物品100が互いに擦れ合いながら自転することで活性炭固着物品100の表面から活性炭粉末が除去されるため、円筒状に形成された活性炭固着物品100の表面において周方向に亘って一様にムラなく活性炭粉末を除去することができる。
【0074】
従って、活性炭粉末除去装置1によると、活性炭固着物品100の表面から活性炭粉末を除去する処理を複数の活性炭固着物品100について自動で同時に行うことができ、自動化による省人化が可能であるとともに処理能力の向上を図ることができ、更に、円筒状に形成された活性炭固着物品100の表面において周方向に亘って一様にムラなく活性炭粉末を除去することができる。
【0075】
また、活性炭粉末除去装置1によると、圧縮空気供給機構14のノズル14aから供給される圧縮空気が活性炭固着物品100の表面に吹き付けられ、除去された活性炭粉末が吹き飛ばされる。このため、活性炭固着物品100の表面から除去した活性炭粉末を活性炭固着物品100の周囲から効率よく排出させることができる。また、ケース保持部12及びノズル14aがブース15内に配置されるため、ブース15の外部へ活性炭粉末が飛散してしまうことを防止できる。
【0076】
また、活性炭粉末除去装置1によると、ブース15内でノズル14aから供給される圧縮空気によって吹き飛ばされた活性炭粉末が、ブース15に連通する活性炭粉末吸引機構16によって吸引されるため、活性炭固着物品100の表面から除去した活性炭粉末を効率よく回収することができる。
【0077】
また、活性炭粉末除去装置1によると、ケース保持部12が、ケース11を囲む枠状に形成されるため、着脱自在に設置されるケース11を保持するケース保持部12の構成を簡素な構造で実現することができる。
【0078】
また、活性炭粉末除去装置1によると、ケース保持部12に対して振とう動作を付加する振とう駆動機構13について、電動モータ13a、駆動及び従動プーリ(13b、13c)、駆動ベルト13d、駆動プーリ側及び従動プーリ側支持軸(13e、13f)が設けられた機構によって実現でき、振とう駆動機構13の簡素化を図ることができる。
【0079】
また、活性炭粉末除去装置1によると、ケース11の各壁部11aがメッシュ状に形成されている。このため、ケース11内での活性炭固着物品100の互いに擦れ合う自転動作によって活性炭固着物品100の表面から除去された活性炭粉末について、各壁部11aにおけるメッシュ状の多数の孔を介して、ケース11の外部へと容易に排出することができる。
【0080】
また、活性炭粉末除去装置1によると、ケース11の内側において、複数の活性炭固着物品100が収容される収容室11cが複数設けられるため、各収容室11cに収容される複数の活性炭固着物品100の数の適正化が容易に図られることになる。これにより、複数の活性炭固着物品100が、円筒軸方向が上下方向に揃って配置された状態で更にバランスよく収容され、収容室11a内での活性炭固着物品100の互いに擦れ合う自転動作による活性炭粉末の除去処理が、更に効率よく行われることになる。
【0081】
また、本実施形態の活性炭粉末除去方法によると、活性炭粉末除去装置1と同様の効果を奏することができる。即ち、本実施形態の活性炭粉末除去方法によると、活性炭固着物品100の表面から活性炭粉末を除去する処理を複数の活性炭固着物品100について自動で同時に行うことができ、自動化による省人化が可能であるとともに処理能力の向上を図ることができ、更に、円筒状に形成された活性炭固着物品100の表面において周方向に亘って一様にムラなく活性炭粉末を除去することができる。
【0082】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができる。即ち、ケース、ケース保持部、振とう駆動機構、圧縮空気供給機構、ブース、活性炭粉末吸引機構の形態については、適宜変更して実施してもよい。また、本発明の実施形態が適用される活性炭固着物品については、水から塩素やごみ等の汚染物質を除去するための水処理器に取り付けられるフィルタに用いられるフィルタ成形体でなくてもよい。即ち、活性炭が固着されて円筒状に形成された活性炭固着物品であれば、本発明の実施形態を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、活性炭が固着されて円筒状に形成された活性炭固着物品の表面から活性炭粉末を除去する、活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置、及び活性炭固着物品の活性炭粉末除去方法として、広く適用することができるものである。
【符号の説明】
【0084】
1 活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置
11 ケース
12 ケース保持部
13 振とう駆動機構
100 フィルタ成形体(活性炭固着物品)
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性炭が固着されて円筒状に形成された活性炭固着物品の表面から活性炭粉末を除去する、活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置、及び活性炭固着物品の活性炭粉末除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
活性炭が固着されて円筒状に形成された活性炭固着物品として、例えば、特許文献1に開示されているように、水から塩素やごみ等の汚染物質を除去するための水処理器に取り付けられるフィルタに用いられるフィルタ成形体がある。このフィルタ成形体のような活性炭固着物品においては、製品として出荷されるに際して、表面に付着した活性炭粉末が除去される必要があり、活性炭粉末除去作業が行われる。
【0003】
通常、活性炭粉末除去作業が行われる場合、作業者が、まず、区画されたブース内等において活性炭固着物品を一方の手に持ち、更に、同じブース内にてエアガンのような圧縮空気を吹き出す装置を他方の手に持つ。そして、作業者は、ブース内においてエアガンから圧縮空気を活性炭固着物品に向かって吹き付ける作業を行う。これにより、活性炭固着物品の表面に付着した活性炭粉末が吹き飛ばされて除去されることになる。即ち、このような一連の活性炭粉末除去作業は、活性炭固着物品の1本ずつについて、作業者の手作業に基づいて行われることになる。
【0004】
尚、加工品の表面に付着した粉末を除去する粉末除去装置としては、例えば、特許文献2に開示された装置が知られている。特許文献2に開示された粉末除去装置は、加工品をコンベア装置によって搬送して振動発生機上に位置決めさせ、その加工品の表面に沿って移動するノズルから加工品の表面に空気を吹き出させるように構成されている。そして、この粉末除去装置では、上記のノズルが、加工品の表面に向けて空気を吹き出す内筒と、空気の吹き出しによって加工品の表面から飛散した粉末を外気とともに吸い込む外筒とを備えた二重筒構造として構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−251117号公報
【特許文献2】特公平2−48206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、活性炭固着物品の表面から活性炭粉末を除去する活性炭粉末除去作業が行われる場合、ブース内でエアガンのような圧縮空気を吹き出す装置を用いて活性炭粉末を吹き飛ばして活性炭固着物品の表面から除去する一連の作業が、活性炭固着物品の1本ずつについて、作業者の手作業に基づいて行われる。活性炭粉末除去作業が1本ずつ作業者の手作業によって行われることで、円筒状に形成された活性炭固着物品の表面において周方向に亘って一様にムラなく活性炭粉末を除去することができる。
【0007】
しかしながら、活性炭粉末除去作業が1本ずつ作業者の手作業に基づいて行われるため、活性炭固着物品の表面から活性炭粉末を除去する処理の能力が作業者の熟練度によってばらついてしまうことになる。また、作業者の熟練度が高くても、1本ずつ作業者の手作業に基づいて行われるものであるため、活性炭固着物品の表面から活性炭粉末を除去する処理の能力にも限界がある。このように、従来においては、活性炭固着物品の表面から活性炭粉末を除去する処理が作業者の手作業に基づいて行われるため、処理能力の向上を図ることが難しいという問題がある。
【0008】
尚、特許文献2に開示された粉末除去装置が活性炭固着物品に適用された場合、活性炭固着物品がコンベア装置によって搬送されて振動発生機上に位置決めされ、その活性炭固着物品の表面に対してノズルから空気が吹き出されることになる。そして、活性炭固着物品は振動発生機上で位置決めされており、活性炭固着物品の表面におけるノズルに対向して空気が吹き付けられる部分及びその近傍のみから活性炭粉末が除去されることになる。このため、活性炭粉末は、活性炭固着物品の表面から部分的に除去されることになる。よって、特許文献2に開示された粉末除去装置が用いられた場合は、円筒状に形成された活性炭固着物品の表面において周方向に亘って一様にムラなく活性炭粉末を除去することが極めて難しいという問題がある。
【0009】
本発明は、上記実情に鑑みることにより、活性炭固着物品の表面から活性炭粉末を除去する処理を複数の活性炭固着物品について自動で同時に行うことができ、自動化による省人化が可能であるとともに処理能力の向上を図ることができ、更に、円筒状に形成された活性炭固着物品の表面において周方向に亘って一様にムラなく活性炭粉末を除去することができる、活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置、及び活性炭固着物品の活性炭粉末除去方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための第1発明に係る活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置は、活性炭が固着されて円筒状に形成された活性炭固着物品の表面から活性炭粉末を除去する、活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置に関する。そして、第1発明に係る活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置は、籠状に形成され、複数の前記活性炭固着物品を円筒軸方向が上下方向に揃って配置された状態で内部に収容するケースと、前記ケースが着脱自在に設置され、設置された前記ケースを保持するケース保持部と、前記ケースが設置された前記ケース保持部に対して、前記ケースの中心位置からずれた位置を中心として水平面方向における回転動作を伴って揺動させる動作である振とう動作を付加するように、前記ケース保持部を駆動し、複数の前記活性炭固着物品に対して互いに擦れ合う状態での自転動作を発生させることで、前記活性炭固着物品の表面から活性炭粉末を除去する振とう駆動機構と、を備えていることを特徴とする。
【0011】
この発明によると、上下方向に円筒軸方向が揃って配置された複数の活性炭固着物品を収容したケースが設置されたケース保持部に対して、振とう駆動機構によって振とう動作が付加される。これにより、複数の活性炭固着物品に対して互いに擦れ合う状態での自転動作が発生し、活性炭固着物品の表面から活性炭粉末が除去される。よって、活性炭粉末除去装置が作動することで、複数の活性炭固着物品に対して、活性炭固着物品の表面から活性炭粉末を除去する処理が、同時に自動で行われることになる。このため、活性炭固着物品の表面から活性炭粉末を除去する処理について、作業者の手作業に基づく処理を無くすことができ、自動化による省人化を図ることができる。また、上記作業の自動化を図ることができるとともに複数の活性炭固着物品を同時に処理できるため、飛躍的に処理能力の向上を図ることができる。更に、複数の活性炭固着物品が互いに擦れ合いながら自転することで活性炭固着物品の表面から活性炭粉末が除去されるため、円筒状に形成された活性炭固着物品の表面において周方向に亘って一様にムラなく活性炭粉末を除去することができる。
【0012】
従って、本発明によると、活性炭固着物品の表面から活性炭粉末を除去する処理を複数の活性炭固着物品について自動で同時に行うことができ、自動化による省人化が可能であるとともに処理能力の向上を図ることができ、更に、円筒状に形成された活性炭固着物品の表面において周方向に亘って一様にムラなく活性炭粉末を除去することができる、活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置を提供することができる。
【0013】
第2発明に係る活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置は、第1発明の活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置において、前記ケース保持部に設置された前記ケースに収容された前記活性炭固着物品に向かって圧縮空気を吹き付けるように供給するノズルを有し、前記活性炭固着物品の表面から除去された活性炭粉末を吹き飛ばす圧縮空気供給機構と、前記ケース保持部及び前記ノズルが配置される領域を外部に対して区画するブースと、を更に備えていることを特徴とする。
【0014】
この発明によると、圧縮空気供給機構のノズルから供給される圧縮空気が活性炭固着物品の表面に吹き付けられ、除去された活性炭粉末が吹き飛ばされる。このため、活性炭固着物品の表面から除去した活性炭粉末を活性炭固着物品の周囲から効率よく排出させることができる。また、ケース保持部及びノズルがブース内に配置されるため、ブースの外部へ活性炭粉末が飛散してしまうことを防止できる。
【0015】
第3発明に係る活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置は、第2発明の活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置において、前記ブースに連通するとともに、前記圧縮空気供給機構によって吹き飛ばされた活性炭粉末を吸引する活性炭粉末吸引機構を、更に備えていることを特徴とする。
【0016】
この発明によると、ブース内でノズルから供給される圧縮空気によって吹き飛ばされた活性炭粉末が、ブースに連通する活性炭粉末吸引機構によって吸引されるため、活性炭固着物品の表面から除去した活性炭粉末を効率よく回収することができる。
【0017】
第4発明に係る活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置は、第1発明乃至第3発明のいずれかの活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置において、前記ケース保持部は、前記ケースを囲む枠状に形成され、前記ケースが内側の枠内に着脱自在に設置されることを特徴とする。
【0018】
この発明によると、ケース保持部が、ケースを囲む枠状に形成されるため、着脱自在に設置されるケースを保持するケース保持部の構成を簡素な構造で実現することができる。
【0019】
第5発明に係る活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置は、第1発明乃至第4発明のいずれかの活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置において、前記振とう駆動機構は、電動モータと、前記電動モータによって回転駆動される駆動プーリと、回転自在に支持された従動プーリと、前記駆動プーリ及び前記従動プーリの外周に対して周回するように掛け回され、前記駆動プーリの回転に伴って前記従動プーリを回転させる駆動ベルトと、前記駆動プーリに対して当該駆動プーリの中心から偏心した位置で前記ケース保持部を回転自在に支持する駆動プーリ側支持軸と、前記従動プーリに対して当該従動プーリの中心から偏心した位置で前記ケース保持部を回転自在に支持する従動プーリ側支持軸と、を有していることを特徴とする。
【0020】
この発明によると、ケース保持部に対して振とう動作を付加する振とう駆動機構について、電動モータ、駆動及び従動プーリ、駆動ベルト、駆動プーリ側及び従動プーリ側支持軸が設けられた機構によって実現でき、振とう駆動機構の簡素化を図ることができる。
【0021】
第6発明に係る活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置は、第1発明乃至第5発明のいずれかの活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置において、前記ケースは、各壁部がメッシュ状に形成されていることを特徴とする。
【0022】
この発明によると、ケースの各壁部がメッシュ状に形成されている。このため、ケース内での活性炭固着物品の互いに擦れ合う自転動作によって活性炭固着物品の表面から除去された活性炭粉末について、各壁部におけるメッシュ状の多数の孔を介して、ケースの外部へと容易に排出することができる。
【0023】
第7発明に係る活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置は、第1発明乃至第6発明のいずれかの活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置において、前記ケースは、内側に複数の収容室が区画され、前記収容室のそれぞれに複数の前記活性炭固着物品が収容されることを特徴とする。
【0024】
この発明によると、ケースの内側において、複数の活性炭固着物品が収容される収容室が複数設けられるため、各収容室に収容される複数の活性炭固着物品の数の適正化が容易に図られることになる。これにより、複数の活性炭固着物品が、円筒軸方向が上下方向に揃って配置された状態で更にバランスよく収容され、収容室内での活性炭固着物品の互いに擦れ合う自転動作による活性炭粉末の除去処理が、更に効率よく行われることになる。
【0025】
また、前述の目的を達成するための第8発明に係る活性炭固着物品の活性炭粉末除去方法は、活性炭が固着されて円筒状に形成された活性炭固着物品の表面から活性炭粉末を除去する、活性炭固着物品の活性炭粉末除去方法に関する。そして、第8発明に係る活性炭固着物品の活性炭粉末除去方法は、籠状に形成され、複数の前記活性炭固着物品を円筒軸方向が上下方向に揃って配置された状態で内部に収容するケースと、前記ケースが着脱自在に設置され、設置された前記ケースを保持するケース保持部と、前記ケースが設置された前記ケース保持部に対して、前記ケースの中心位置からずれた位置を中心として水平面方向における回転動作を伴って揺動させる動作である振とう動作を付加するように、前記ケース保持部を駆動し、複数の前記活性炭固着物品に対して互いに擦れ合う状態での自転動作を発生させることで、前記活性炭固着物品の表面から活性炭粉末を除去する振とう駆動機構と、を有する、活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置が用いられることを特徴とする。更に、第8発明に係る活性炭固着物品の活性炭粉末除去方法は、複数の前記活性炭固着物品が内部に収容された前記ケースが前記ケース保持部に設置される、ケース設置工程と、前記振とう駆動機構が前記ケース保持部を駆動して当該ケース保持部に対して前記振とう動作を付加し、複数の前記活性炭固着物品に対して互いに擦れ合う状態での自転動作を発生させる、活性炭固着物品自転工程と、を備えていることを特徴とする。
【0026】
この発明によると、活性炭固着物品自転工程において、上下方向に円筒軸方向が揃って配置された複数の活性炭固着物品を収容したケースが設置されたケース保持部に対して、振とう駆動機構によって振とう動作が付加される。これにより、複数の活性炭固着物品に対して互いに擦れ合う状態での自転動作が発生し、活性炭固着物品の表面から活性炭粉末が除去される。よって、活性炭粉末除去装置が作動することで、複数の活性炭固着物品に対して、活性炭固着物品の表面から活性炭粉末を除去する処理が、同時に自動で行われることになる。このため、活性炭固着物品の表面から活性炭粉末を除去する処理について、作業者の手作業に基づく処理を無くすことができ、自動化による省人化を図ることができる。また、上記作業の自動化を図ることができるとともに複数の活性炭固着物品を同時に処理できるため、飛躍的に処理能力の向上を図ることができる。更に、複数の活性炭固着物品が互いに擦れ合いながら自転することで活性炭固着物品の表面から活性炭粉末が除去されるため、円筒状に形成された活性炭固着物品の表面において周方向に亘って一様にムラなく活性炭粉末を除去することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によると、活性炭固着物品の表面から活性炭粉末を除去する処理を複数の活性炭固着物品について自動で同時に行うことができ、自動化による省人化が可能であるとともに処理能力の向上を図ることができ、更に、円筒状に形成された活性炭固着物品の表面において周方向に亘って一様にムラなく活性炭粉末を除去することができる、活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置、及び活性炭固着物品の活性炭粉末除去方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】活性炭固着物品であるフィルタ成形体とフィルタとを示す斜視図である。
【図2】図1のA−A線矢視断面図である。
【図3】図1に示すフィルタが取り付けられた水処理器の断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置の正面図である。
【図5】図4に示す活性炭粉末除去装置の側面図である。
【図6】図4に示す活性炭粉末除去装置の背面図である。
【図7】図4に示す活性炭粉末除去装置におけるケースを示す斜視図である。
【図8】図4に示すケースの内部に活性炭固着物品が収容された状態を示す斜視図である。
【図9】図4に示す活性炭粉末除去装置における構成要素の一部を示す平面図である。
【図10】図4に示す活性炭粉末除去装置における構成要素の一部について模式的に示す斜視図である。
【図11】図4に示す活性炭粉末除去装置における制御構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の一実施の形態に係る活性炭固着物品の活性炭粉末除去方法を説明する工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。尚、以下の説明においては、活性炭が固着されて円筒状に形成された活性炭固着物品が、水から塩素やごみ等の汚染物質を除去するための水処理器に取り付けられるフィルタに用いられるフィルタ成形体である場合を例示して説明するが、この例に限らず、本発明を適用することができる。即ち、本発明の実施形態に係る活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置、及び活性炭固着物品の活性炭粉末除去方法は、活性炭が固着されて円筒状に形成された活性炭固着物品の表面から活性炭粉末を除去する、活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置、及び活性炭固着物品の活性炭粉末除去方法として、広く適用することができるものである。
【0030】
まず、本発明の実施形態に係る活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置及び活性炭粉末除去方法によって活性炭粉末が表面から除去される対象となる活性炭固着物品について、水処理器用のフィルタに用いられるフィルタ成形体を例にとり、フィルタ及び水処理器とともに説明する。
【0031】
図1は、活性炭固着物品であるフィルタ成形体100の斜視図(図1(a))と、このフィルタ成形体100が用いられるフィルタ101の斜視図(図1(b))とを示したものである。また、図2は図1(b)のA−A線矢視断面図であり、図3はフィルタ101が取り付けられた水処理器104を示す断面図である。尚、以下の説明では、フィルタ成形体100について、活性炭固着物品100とも称する。図1乃至図3に示すフィルタ101は、フィルタ成形体100、不織布102及び一対のキャップ(103a、103b)を備えて構成され、水から塩素やごみ等の汚染物質を除去する水処理器104に取り付けられる。
【0032】
フィルタ成形体100は、活性炭が固着されて円筒状に形成された多孔質状の活性炭ブロックであるフィルタ成形体として形成されている。このフィルタ成形体100は、例えば、粉末又は粒状或いは繊維状の活性炭とバインダー樹脂とを所要の比率で混合した材料を金型内に充填して加熱し、バインダー樹脂を流動状態にした後に加圧して成形する圧縮成形を行い、その後冷却して脱型することで形成される。尚、バインダー樹脂としては、例えば、高分子量で低メルトインデックスの重合体結合材が用いられる。
【0033】
また、円筒断面を有するフィルタ成形体100は、その中心部において円筒軸方向に沿って貫通形成された貫通孔100aが設けられている。そして、フィルタ成形体100の外周には、その外周を被覆するように不織布102が巻き付けて固定される。尚、不織布102としては、例えば、芯材がポリエステルでその表面にポリエチレンを被覆した糸を材料とした不織布が用いられる。
【0034】
また、不織布102が外周に巻き付けられたフィルタ成形体100の両端部には、各端部を覆うように一対のキャップ(103a、103b)が取り付けられる。この一対のキャップ(103a、103b)は、フィルタ成形体100を通過していない水がキャップ(103a、103b)とフィルタ成形体100との間を通過してしまうことのないように、フィルタ成形体100に密着して(水密性をもって)取り付けられる。尚、一方のキャップ103aの中心には孔が形成されており、この孔とフィルタ成形体100の貫通孔100aとが連通するようにキャップ103aがフィルタ成形体100に対して取り付けられる。
【0035】
上述のように構成されるフィルタ101は、例えば、図3に示す水処理器104に取り付けられる。水処理器104は、例えば、家庭用の水道の蛇口105に取り付けられる水処理器本体106を備えて構成されている。そして、中空に形成された水処理器本体106の内部にフィルタ101が固定される。フィルタ101は、キャップ103aが下向きとなるように配置され、水処理器本体106から下方に開口するよう形成された浄水口108に貫通孔100aが連通した状態で固定される。また、水処理器104では、水処理器本体106内で端部がヒンジ構造で支持されて水処理器本体106内で図中の両端矢印で示す方向に回転して位置が切り換えられることで水の流路を切換可能な切換板107が設けられている。この切換板107により、蛇口105から供給される水の流路が、フィルタ101を通過させずに流出させる流路と、図3に示すようにフィルタ101を通過させて流出させる流路との間で切り換えられる。
【0036】
図3に示す位置に切換板107が切り換えられている状態では、蛇口105から供給された水は、図中破線の矢印で示すように流動する。即ち、蛇口105からの水は、水処理器本体106の内部の流路を経てフィルタ101の外周に達し、不織布102を通過して更にフィルタ成形体100を通過してその内側へと流動する。そして、貫通孔100aから浄水口108を経て流動して外部へと水が流出することになる。このようにフィルタ101を水が通過することで、水から塩素やごみ等の汚染物質が除去されることになる。尚、フィルタ101で処理される水は、最初に不織布102を通過することで比較的大きなごみがまず除去され、次いで、フィルタ成形体100を通過することで活性炭の吸着作用によって塩素や小さなごみ等が除去されることになる。
【0037】
尚、フィルタ101は、上述した水処理器104のように蛇口に直接に装着されるものに限られず、種々の形態の水処理器に対して取り付けて用いることができる。例えば、フィルタ101は、シンク内に配置されて蛇口とホースを介して接続される水処理器内に取り付けられてもよく、また、シャワーのハンドルを兼ねて構成された水処理器においてそのハンドル型の水処理器内に収納された状態で取り付けられてもよい。
【0038】
次に、本発明の一実施の形態に係る活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置及び活性炭粉末除去方法について説明する。図4は、本発明の一実施の形態に係る活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置1(以下、単に「活性炭粉末除去装置1」ともいう)の正面図である。また、図5は、活性炭粉末除去装置1の側面図である。また、図6は、活性炭粉末除去装置1の背面図である。図4乃至図6に示す活性炭粉末除去装置1は、活性炭が固着されて円筒状に形成された活性炭固着物品100の表面から活性炭粉末を除去する装置として構成されている。
【0039】
図4乃至図6に示す活性炭粉末除去装置1は、コントローラ10、ケース11、ケース保持部12、振とう駆動機構13、圧縮空気供給機構14、ブース15、活性炭粉末吸引機構16、基台17、台車18、等を備えて構成されている。この活性炭粉末除去装置1においては、コントローラ10、ケース11、ケース保持部12、振とう駆動機構13、圧縮空気供給機構14、ブース15、活性炭粉末吸引機構16は、基台17に設置されている。尚、基台17は、更に台車18上に設置されている。台車18には、複数の車輪18aが設けられている。このように、本実施形態では、活性炭粉末除去装置1は、台車18によって移動可能に構成されている。
【0040】
図7は、ケース11を示す斜視図である。また、図8は、ケース11の内部に活性炭固着物品100が収容された状態を示す斜視図である。図5、図7及び図8に示すケース11は、籠状に形成され、複数の活性炭固着物品100を円筒軸方向が上下方向に揃って配置された状態で内部に収容するように構成されている。
【0041】
ケース11は、図5に示すように、複数の活性炭固着物品100を収容した状態で、ブース15の内部に配置される。尚、図5では、ケース11が二点鎖線で図示されている。また、図8では、ケース11内に複数の活性炭固着物品100が収容された状態が図示されている。
【0042】
図7及び図8によく示すように、ケース11は、例えば、直方体状の筐体として設けられており、正面、背面、両側面、及び底面をそれぞれ構成する5つの各壁部11aが、メッシュ状に形成されている。また、ケース11は、上面側が開口するように構成されている。そして、ケース11の内側には、仕切壁11bが固定されている。この仕切壁11bが設けられていることで、ケース11は、内側に複数(本実施形態では、4つ)の収容室11cが区画されている。そして、ケース11は、収容室11cのそれぞれに複数の活性炭固着物品100が収容されるように構成されている。
【0043】
尚、本実施形態では、仕切壁11bが、ケース11の内側を四角形断面における対角線方向で仕切ることで、4つの収容室11bが区画されている形態を例示している。また、仕切壁11bについては、平坦な壁面として構成されていても、メッシュ状の壁面として構成されていてもよい。各壁部11a及び仕切壁11bを構成する材料としては、種々の材料を選択することができるが、メッシュ状であっても活性炭固着物品100に対して滑り易い表面を構成するように、例えば、表面が滑らかに形成された樹脂材料によって構成されていてもよい。
【0044】
図9は、活性炭粉末除去装置1における構成要素の一部を示す平面図であって、ブース15とケース保持部12と振とう駆動機構13の一部とを示す図である。図10は、活性炭粉末除去装置1における構成要素の一部について模式的に示す斜視図であって、ケース保持部12と振とう駆動機構13とを示す図である。
【0045】
図5、図6、図9及び図10に示すケース保持部12は、ケース11が着脱自在に設置され、設置されたケース11を保持する機構として設けられている。そして、本実施形態では、ケース保持部12は、平板状で長く延びる複数のフレーム部材(12a、12b、12c、12d、12e)が連結されて固定されることで構成されている。
【0046】
フレーム部材(12a、12b、12d、12e)は、四角形の枠状体を構成するように連結されている。そして、その四角形状の内側において、フレーム部材12cが、平行に配置されたフレーム部材12bとフレーム部材12dとに対して架け渡された状態で、これらのフレーム部材(12b、12d)に対して両端部にて連結されて固定されている。これにより、4つのフレーム部材(12a、12b、12c、12d)で囲まれた領域は、四角形の領域に縁取られた中空の枠内領域12fとして構成されている。
【0047】
4つのフレーム部材(12a、12b、12c、12d)で囲まれた枠内領域12fには、複数の活性炭固着物品100が収容されたケース11が配置されることになる。そして、枠内領域12fに配置されたケース11は、4つのフレーム部材(12a、12b、12c、12d)によって、正面、背面及び両側面を支持されることになる。尚、ケース11が枠内領域12fに配置された状態では、ケース11の底面は後述するブース15に設置されたテーブル(図示せず)に対して摺動自在に支持される。このように、ケース保持部12は、ケース11を囲む枠状に形成され、ケース11が内側の枠内に(即ち、枠内領域12fに)着脱自在に設置されるように構成されている。
【0048】
図5、図6、図9及び図10に示す振とう駆動機構13は、ケース11が設置されたケース保持部12に対して、ケース11の中心位置からずれた位置を中心として水平面方向における回転動作を伴って揺動させる動作である振とう動作を付加するように、ケース保持部12を駆動する機構として設けられている。そして、振とう駆動機構13は、複数の活性炭固着物品100を収容したケース11が設置されたケース保持部12に振とう動作を付加することで、複数の活性炭固着物品100に対して互いに擦れ合う状態での自転動作を発生させ、これにより、活性炭固着物品100の表面から活性炭粉末を除去するように構成されている。
【0049】
そして、本実施形態では、振とう駆動機構13は、電動モータ13a、駆動プーリ13b、従動プーリ13c、駆動ベルト13d、駆動プーリ側支持軸13e、従動プーリ側支持軸13f、アイドラプーリ13g、を備えて構成されている。また、上記の構成要素を備えて構成される振とう駆動機構13は、基台17の背面側で基台17に対して設置され、基台17に固定されたカバー19内に配置されている。
【0050】
駆動プーリ13bは、基台17又はカバー19にステータ側が固定された電動モータ13aによって回転駆動されるプーリとして設けられている。従動プーリ13cは、基台17又はカバー19において回転自在に支持されている。駆動プーリ13b及び従動プーリ13cの外周には、駆動ベルト13dに噛み合う歯が形成されている。駆動ベルト13dは、駆動プーリ13b及び従動プーリ13cの外周に対して周回するように掛け回され、駆動プーリ13bの回転に伴って従動プーリ13cを回転させる歯付きのタイミングベルトとして設けられている。アイドラプーリ13gは、駆動ベルト13dのテンションを調整するためのプーリとして設けられている。
【0051】
駆動プーリ側支持軸13eは、駆動プーリ13bに取り付けられ、駆動プーリ13bに対してこの駆動プーリ13bの中心から偏心した位置でケース保持部12におけるフレーム部材12eの一方の端部を回転自在に支持する軸として設けられている。よって、駆動プーリ側支持軸13eは、駆動プーリ13bにおいて、駆動プーリ13bの径方向における中心位置P1(図9にて点P1で示す位置)から外れた位置に設けられて、フレーム部材12eの一方の端部を回転自在に支持している。
【0052】
従動プーリ側支持軸13fは、従動プーリ13cに取り付けられ、従動プーリ13cに対してこの従動プーリ13cの中心から偏心した位置でケース保持部12におけるフレーム部材12eの他方の端部を回転自在に支持する軸として設けられている。よって、従動プーリ側支持軸13fは、従動プーリ13cにおいて、従動プーリ13cの径方向における中心位置P2(図9にて点P2で示す位置)から外れた位置に設けられて、フレーム部材12eの他方の端部を回転自在に支持している。
【0053】
振とう駆動機構13が上記のように構成されるため、電動モータ13aによって駆動プーリ13bが回転し、これにより、駆動ベルト13dを介して従動プーリ13cも回転駆動される。そして、駆動プーリ側支持軸13eが駆動プーリ13bの中心位置P1を中心として公転動作を行い、従動プーリ側支持軸13fが従動プーリ13cの中心位置P2を中心として公転動作を行うことになる。このため、駆動プーリ側支持軸13e及び従動プーリ側支持軸13fに対して回転自在に支持されたケース保持部12が、ケース11の中心位置からずれた位置を中心として水平面方向における回転動作を伴って揺動する動作である振とう動作を行うことになる。これにより、ケース11内の各活性炭固着物品100において、円筒軸方向を中心とした自転動作が発生することになる。そして、複数の活性炭固着物品100同士において互いに擦れ合う状態が発生し、各活性炭固着物品100の表面から活性炭粉末が除去されることになる。
【0054】
図5及び図6に示す圧縮空気供給機構14は、活性炭固着物品100の表面から除去された活性炭粉末を吹き飛ばす機構として設けられている。そして、この圧縮空気供給機構14は、ノズル14a、ノズル駆動エアシリンダ14b、ノズル駆動電動シリンダ14c、を備えて構成されている。
【0055】
ノズル14aは、ケース保持部12に設置されたケース11に収容された活性炭固着物品100に向かって圧縮空気を吹き付けるように供給するノズルとして設けられている。尚、活性炭粉末除去装置1には、活性炭粉末除去装置1における制御構成を示すブロック図である図11に示すように、圧縮空気を生成するコンプレッサ27とこのコンプレッサ27で生成された圧縮空気を貯留するタンク26とが設けられている。そして、圧縮空気供給機構14では、コンプレッサ27で生成されてタンク26を介して供給される圧縮空気が、ノズル14aから吹き出されるように構成されている。
【0056】
ノズル駆動エアシリンダ14bは、ノズル14aをブース15内において変位させるように駆動するエアシリンダ機構として設けられ、前述のタンク26から供給される圧縮空気によって作動するように構成されている。そして、ノズル駆動エアシリンダ14bは、ブース15内において、活性炭粉末除去装置1の背面側の位置S1(図5にて矢印S1で示す位置)と正面側の位置S2(図5にて矢印S2で示す位置)との間でノズル14aの位置を変位させるように構成されている。
【0057】
尚、ノズル駆動エアシリンダ14bにおけるノズル14aが取り付けられたロッドの先端側は、ブース15の背面側の壁面に貫通形成された窓15aからブース15内に挿入された状態に配置されている(図5及び図6を参照)。そして、ノズル駆動エアシリンダ14bにおいてロッドが退避した状態では、ノズル14aが背面側の位置S1に位置することになる。一方、ノズル駆動エアシリンダ14bにおいてロッドが突出した状態では、ノズル14aが正面側の位置S2に位置することになる。これにより、圧縮空気供給機構14では、背面側の位置S1及び正面側の位置S2でノズル14aの位置が切り替えられて圧縮空気が吹き出されることで、ケース11の全体に亘って活性炭粉末をよりムラなく吹き飛ばすことができるように構成されている。
【0058】
ノズル駆動電動シリンダ14cは、ノズル14aをノズル駆動エアシリンダ14bとは異なる方向においてブース15内にて変位させるように駆動する電動シリンダ機構として設けられている。そして、ノズル駆動電動シリンダ14cは、ブース15内において、活性炭粉末除去装置1の幅方向(図6にて両端矢印Bで示す方向)でノズル14aの位置を変位させるように構成されている。これにより、圧縮空気供給機構14では、活性炭粉末除去装置1の幅方向においてノズル14aが移動しながら圧縮空気が吹き出されることになり、ケース11の全体に亘って活性炭粉末をよりムラなく吹き飛ばすことができるように構成されている。
【0059】
図4乃至図6、図9に示すブース15は、基台17の上に設置され、ケース保持部12及びノズル14aが配置される領域を外部に対して区画する箱状体として設けられている。そして、ブース15には、扉15bが設けられている。尚、本実施形態では、取っ手部分が手動で操作されてヒンジ部分にて回動することで開閉される両開き式の一対の扉(15b、15b)が設けられたブース15を例示している。複数の活性炭固着物品100が収容されたケース11がケース保持部12に設置される際には、この扉15bが開けられ、ブース15内にケース11が配置される。そして、ケース11がケース保持部12に設置されると、扉15bが閉じられることになる。尚、ブース15は、例えば、外部から内部の状態を視認可能となるように透明なポリカーボネート板にて構成されている。
【0060】
図4及び図11のブロック図に示す活性炭粉末除去機構16は、吸引用ダクト16aにてブース15に連通するとともに、圧縮空気供給機構14によってブース15内で吹き飛ばされた活性炭粉末を吸引する機構として設けられている。この活性炭粉末吸引機構16としては、一般の集塵機と同様の構造を備える機構等、種々の形態の機構を用いてもよい。例えば、吸引用ダクト16aを介してブース15内に負圧を発生させるように設置された吸込みファンと、この吸込みファンを回転駆動するファンモータと、吸込みファンの下流側に設けられて外部に対して排気するための排気口と、排気口に設置されて活性炭粉末を捕捉して回収するフィルタ部と、を備えた機構として設けられてもよい。
【0061】
活性炭粉末除去装置1では、振とう駆動機構13、圧縮空気供給機構14及び活性炭粉末吸引機構16の作動が、図4乃至図6、図11に示すコントローラ10による制御に基づいて自動で行われる。活性炭粉末除去装置1の運転は、基台17に設置された操作ボックス20(図4、図5及び図11を参照)での作業者による操作に基づいて開始される。そして、操作ボックス20での操作が行われると、コントローラ10が、振とう駆動機構13、圧縮空気供給機構14及び活性炭粉末吸引機構16の作動を制御し、活性炭固着物品100の表面から活性炭粉末を除去する処理が行われることになる。
【0062】
コントローラ10は、基台17に設置されており、例えば、CPU(Central Processing Unit)10a、メモリ10b、インターフェイス回路(I/F回路)10c等を備えて構成されている。そして、このコントローラ10は、操作ボックス20及び各駆動回路(21〜24)に接続されている。操作ボックス20からの操作信号の入力や駆動回路(21〜24)への指令信号の出力は、インターフェイス回路10cを通じて行われる。また、メモリ10bには、振とう駆動機構13、圧縮空気供給機構14及び活性炭粉末吸引機構16を制御するコントローラ10としての処理を行うためのプログラムが記憶されており、CPU10aにより読み出されて実行される。
【0063】
駆動回路21は、コントローラ10からの指令に基づいて振とう駆動機構13における電動モータ13aを駆動するための回路として設けられている。駆動回路22は、コントローラ10からの指令に基づいて圧縮空気供給機構14におけるノズル駆動電動シリンダ14cを駆動するための回路として設けられている。駆動回路23は、例えば、コントローラ10からの指令に基づいて活性炭粉末吸引機構16のファンモータを駆動するための回路として設けられている。駆動回路24は、コントローラ10からの指令に基づいて電磁弁ユニット25における所定の電磁弁を開閉駆動するための回路として設けられている。
【0064】
また、前述のように、活性炭粉末除去装置1においては、圧縮空気を生成するコンプレッサ27と生成された圧縮空気を貯留するタンク26とが設けられている。そして、電磁弁ユニット25における所定の電磁弁を介して圧縮空気が供給され、これにより、圧縮空気供給機構14におけるノズル14aから圧縮空気が吹き出され、更に、ノズル駆動エアシリンダ14bが作動するように構成されている。尚、コンプレッサ27及びタンク26については、活性炭粉末除去装置1に設けられていなくてもよく、活性炭粉末除去装置1の外部から活性炭粉末除去装置1の電磁弁ユニット25に圧縮空気が供給可能に構成されていてもよい。
【0065】
次に、本発明の一実施の形態に係る活性炭固着物品の活性炭粉末除去方法(以下、単に「活性炭粉末除去方法」ともいう)について説明する。尚、本実施形態の活性炭粉末除去方法には、上述した活性炭粉末除去装置1が用いられる。即ち、活性炭粉末除去装置1が作動することで、本実施形態の活性炭粉末除去方法が実施されることになる。
【0066】
本実施形態の活性炭粉末除去方法は、活性炭が固着されて円筒状に形成された活性炭固着物品の表面から活性炭粉末を除去する方法として構成されている。図12は、本実施形態の活性炭粉末除去方法を説明する工程図である。この図12に示すように、本実施形態の活性炭粉末除去方法は、ケース設置工程S101と、活性炭粉末除去工程S102と、ケース取出し工程S103と、を備えて構成されている。
【0067】
ケース設置工程S101は、複数の活性炭固着物品100が内部に収容されたケース11がケース保持部12に設置される工程として構成されている。即ち、ケース設置工程S101においては、作業者によってブース15の扉15bが開けられ、複数の活性炭固着物品100が収容されたケース11が、ブース15内のケース保持部12における枠内領域12fに設置される。ケース11のケース保持部12への設置後は、ブース15の扉15bが閉じられる。
【0068】
活性炭粉末処理工程S102は、活性炭固着物品100の表面から活性炭粉末を除去する処理を行う工程として構成されている。そして、活性炭粉末除去工程S102は、活性炭固着物品自転工程S104と、圧縮空気供給工程S105と、活性炭粉末吸引工程S106と、を備えて構成されている。この活性炭粉末除去工程S102は、コントローラ10による制御に基づいて、振とう駆動機構13、圧縮空気供給機構14及び活性炭粉末吸引機構16が作動することで、自動で行われる。そして、活性炭固着物品自転工程S104と、圧縮空気供給工程S105と、活性炭粉末吸引工程S106とは、コントローラ10の制御に基づいて、並行して行われる。
【0069】
活性炭固着物品自転工程S104は、振とう駆動機構13がケース保持部12を駆動してケース保持部12に対して振とう動作を付加し、複数の活性炭固着物品100に対して互いに擦れ合う状態での自転動作を発生させる工程として構成されている。即ち、活性炭固着物品自転工程S104においては、振とう駆動機構13が作動し、各活性炭固着物品100の自転動作が発生して互いに擦れ合う活性炭固着物品100の表面から活性炭粉末が除去される。
【0070】
圧縮空気供給工程S105は、圧縮空気供給機構14のノズル14aから圧縮空気が活性炭固着物品100に向かって吹き付けられて供給され、活性炭固着物品100の表面から除去された活性炭粉末が吹き飛ばされる工程として構成されている。即ち、圧縮空気供給工程S105においては、圧縮空気供給機構14が作動し、ブース15内で活性炭粉末が吹き飛ばされる。
【0071】
活性炭粉末吸引工程S106は、活性炭粉末吸引機構16によって、吹き飛ばされた活性炭粉末が吸引される工程として構成されている。即ち、活性炭粉末吸引工程S106においては、活性炭粉末吸引機構16が作動し、活性炭粉末が吸引されてブース15の外部へと回収される。
【0072】
ケース取出し工程S103は、表面から活性炭粉末が除去された複数の活性炭固着物品100が内部に収容されたケース11がケース保持部12から取り出される工程として構成されている。即ち、ケース取出し工程S103においては、作業者によってブース15の扉15bが開けられ、活性炭粉末の除去処理が終了した複数の活性炭固着物品100が収容されたケース11が、ケース保持部12から外され、ブース15の外部へと取り出される。これにより、本実施形態の活性炭粉末除去方法が終了することになる。
【0073】
以上説明した活性炭粉末除去装置1によると、上下方向に円筒軸方向が揃って配置された複数の活性炭固着物品100を収容したケース11が設置されたケース保持部12に対して、振とう駆動機構13によって振とう動作が付加される。これにより、複数の活性炭固着物品100に対して互いに擦れ合う状態での自転動作が発生し、活性炭固着物品100の表面から活性炭粉末が除去される。よって、活性炭粉末除去装置1が作動することで、複数の活性炭固着物品100に対して、活性炭固着物品100の表面から活性炭粉末を除去する処理が、同時に自動で行われることになる。このため、活性炭固着物品100の表面から活性炭粉末を除去する処理について、作業者の手作業に基づく処理を無くすことができ、自動化による省人化を図ることができる。また、上記作業の自動化を図ることができるとともに複数の活性炭固着物品100を同時に処理できるため、飛躍的に処理能力の向上を図ることができる。更に、複数の活性炭固着物品100が互いに擦れ合いながら自転することで活性炭固着物品100の表面から活性炭粉末が除去されるため、円筒状に形成された活性炭固着物品100の表面において周方向に亘って一様にムラなく活性炭粉末を除去することができる。
【0074】
従って、活性炭粉末除去装置1によると、活性炭固着物品100の表面から活性炭粉末を除去する処理を複数の活性炭固着物品100について自動で同時に行うことができ、自動化による省人化が可能であるとともに処理能力の向上を図ることができ、更に、円筒状に形成された活性炭固着物品100の表面において周方向に亘って一様にムラなく活性炭粉末を除去することができる。
【0075】
また、活性炭粉末除去装置1によると、圧縮空気供給機構14のノズル14aから供給される圧縮空気が活性炭固着物品100の表面に吹き付けられ、除去された活性炭粉末が吹き飛ばされる。このため、活性炭固着物品100の表面から除去した活性炭粉末を活性炭固着物品100の周囲から効率よく排出させることができる。また、ケース保持部12及びノズル14aがブース15内に配置されるため、ブース15の外部へ活性炭粉末が飛散してしまうことを防止できる。
【0076】
また、活性炭粉末除去装置1によると、ブース15内でノズル14aから供給される圧縮空気によって吹き飛ばされた活性炭粉末が、ブース15に連通する活性炭粉末吸引機構16によって吸引されるため、活性炭固着物品100の表面から除去した活性炭粉末を効率よく回収することができる。
【0077】
また、活性炭粉末除去装置1によると、ケース保持部12が、ケース11を囲む枠状に形成されるため、着脱自在に設置されるケース11を保持するケース保持部12の構成を簡素な構造で実現することができる。
【0078】
また、活性炭粉末除去装置1によると、ケース保持部12に対して振とう動作を付加する振とう駆動機構13について、電動モータ13a、駆動及び従動プーリ(13b、13c)、駆動ベルト13d、駆動プーリ側及び従動プーリ側支持軸(13e、13f)が設けられた機構によって実現でき、振とう駆動機構13の簡素化を図ることができる。
【0079】
また、活性炭粉末除去装置1によると、ケース11の各壁部11aがメッシュ状に形成されている。このため、ケース11内での活性炭固着物品100の互いに擦れ合う自転動作によって活性炭固着物品100の表面から除去された活性炭粉末について、各壁部11aにおけるメッシュ状の多数の孔を介して、ケース11の外部へと容易に排出することができる。
【0080】
また、活性炭粉末除去装置1によると、ケース11の内側において、複数の活性炭固着物品100が収容される収容室11cが複数設けられるため、各収容室11cに収容される複数の活性炭固着物品100の数の適正化が容易に図られることになる。これにより、複数の活性炭固着物品100が、円筒軸方向が上下方向に揃って配置された状態で更にバランスよく収容され、収容室11a内での活性炭固着物品100の互いに擦れ合う自転動作による活性炭粉末の除去処理が、更に効率よく行われることになる。
【0081】
また、本実施形態の活性炭粉末除去方法によると、活性炭粉末除去装置1と同様の効果を奏することができる。即ち、本実施形態の活性炭粉末除去方法によると、活性炭固着物品100の表面から活性炭粉末を除去する処理を複数の活性炭固着物品100について自動で同時に行うことができ、自動化による省人化が可能であるとともに処理能力の向上を図ることができ、更に、円筒状に形成された活性炭固着物品100の表面において周方向に亘って一様にムラなく活性炭粉末を除去することができる。
【0082】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができる。即ち、ケース、ケース保持部、振とう駆動機構、圧縮空気供給機構、ブース、活性炭粉末吸引機構の形態については、適宜変更して実施してもよい。また、本発明の実施形態が適用される活性炭固着物品については、水から塩素やごみ等の汚染物質を除去するための水処理器に取り付けられるフィルタに用いられるフィルタ成形体でなくてもよい。即ち、活性炭が固着されて円筒状に形成された活性炭固着物品であれば、本発明の実施形態を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、活性炭が固着されて円筒状に形成された活性炭固着物品の表面から活性炭粉末を除去する、活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置、及び活性炭固着物品の活性炭粉末除去方法として、広く適用することができるものである。
【符号の説明】
【0084】
1 活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置
11 ケース
12 ケース保持部
13 振とう駆動機構
100 フィルタ成形体(活性炭固着物品)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性炭が固着されて円筒状に形成された活性炭固着物品の表面から活性炭粉末を除去する、活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置であって、
籠状に形成され、複数の前記活性炭固着物品を円筒軸方向が上下方向に揃って配置された状態で内部に収容するケースと、
前記ケースが着脱自在に設置され、設置された前記ケースを保持するケース保持部と、
前記ケースが設置された前記ケース保持部に対して、前記ケースの中心位置からずれた位置を中心として水平面方向における回転動作を伴って揺動させる動作である振とう動作を付加するように、前記ケース保持部を駆動し、複数の前記活性炭固着物品に対して互いに擦れ合う状態での自転動作を発生させることで、前記活性炭固着物品の表面から活性炭粉末を除去する振とう駆動機構と、
を備えていることを特徴とする、活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置。
【請求項2】
請求項1に記載の活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置であって、
前記ケース保持部に設置された前記ケースに収容された前記活性炭固着物品に向かって圧縮空気を吹き付けるように供給するノズルを有し、前記活性炭固着物品の表面から除去された活性炭粉末を吹き飛ばす圧縮空気供給機構と、
前記ケース保持部及び前記ノズルが配置される領域を外部に対して区画するブースと、
を更に備えていることを特徴とする、活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置。
【請求項3】
請求項2に記載の活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置であって、
前記ブースに連通するとともに、前記圧縮空気供給機構によって吹き飛ばされた活性炭粉末を吸引する活性炭粉末吸引機構を、更に備えていることを特徴とする、活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置であって、
前記ケース保持部は、前記ケースを囲む枠状に形成され、前記ケースが内側の枠内に着脱自在に設置されることを特徴とする、活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置であって、
前記振とう駆動機構は、
電動モータと、
前記電動モータによって回転駆動される駆動プーリと、
回転自在に支持された従動プーリと、
前記駆動プーリ及び前記従動プーリの外周に対して周回するように掛け回され、前記駆動プーリの回転に伴って前記従動プーリを回転させる駆動ベルトと、
前記駆動プーリに対して当該駆動プーリの中心から偏心した位置で前記ケース保持部を回転自在に支持する駆動プーリ側支持軸と、
前記従動プーリに対して当該従動プーリの中心から偏心した位置で前記ケース保持部を回転自在に支持する従動プーリ側支持軸と、
を有していることを特徴とする、活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置であって、
前記ケースは、各壁部がメッシュ状に形成されていることを特徴とする、活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置であって、
前記ケースは、内側に複数の収容室が区画され、前記収容室のそれぞれに複数の前記活性炭固着物品が収容されることを特徴とする、活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置。
【請求項8】
活性炭が固着されて円筒状に形成された活性炭固着物品の表面から活性炭粉末を除去する、活性炭固着物品の活性炭粉末除去方法であって、
籠状に形成され、複数の前記活性炭固着物品を円筒軸方向が上下方向に揃って配置された状態で内部に収容するケースと、
前記ケースが着脱自在に設置され、設置された前記ケースを保持するケース保持部と、
前記ケースが設置された前記ケース保持部に対して、前記ケースの中心位置からずれた位置を中心として水平面方向における回転動作を伴って揺動させる動作である振とう動作を付加するように、前記ケース保持部を駆動し、複数の前記活性炭固着物品に対して互いに擦れ合う状態での自転動作を発生させることで、前記活性炭固着物品の表面から活性炭粉末を除去する振とう駆動機構と、
を有する、活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置が用いられ、
複数の前記活性炭固着物品が内部に収容された前記ケースが前記ケース保持部に設置される、ケース設置工程と、
前記振とう駆動機構が前記ケース保持部を駆動して当該ケース保持部に対して前記振とう動作を付加し、複数の前記活性炭固着物品に対して互いに擦れ合う状態での自転動作を発生させる、活性炭固着物品自転工程と、
を備えていることを特徴とする、活性炭固着物品の活性炭粉末除去方法。
【請求項1】
活性炭が固着されて円筒状に形成された活性炭固着物品の表面から活性炭粉末を除去する、活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置であって、
籠状に形成され、複数の前記活性炭固着物品を円筒軸方向が上下方向に揃って配置された状態で内部に収容するケースと、
前記ケースが着脱自在に設置され、設置された前記ケースを保持するケース保持部と、
前記ケースが設置された前記ケース保持部に対して、前記ケースの中心位置からずれた位置を中心として水平面方向における回転動作を伴って揺動させる動作である振とう動作を付加するように、前記ケース保持部を駆動し、複数の前記活性炭固着物品に対して互いに擦れ合う状態での自転動作を発生させることで、前記活性炭固着物品の表面から活性炭粉末を除去する振とう駆動機構と、
を備えていることを特徴とする、活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置。
【請求項2】
請求項1に記載の活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置であって、
前記ケース保持部に設置された前記ケースに収容された前記活性炭固着物品に向かって圧縮空気を吹き付けるように供給するノズルを有し、前記活性炭固着物品の表面から除去された活性炭粉末を吹き飛ばす圧縮空気供給機構と、
前記ケース保持部及び前記ノズルが配置される領域を外部に対して区画するブースと、
を更に備えていることを特徴とする、活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置。
【請求項3】
請求項2に記載の活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置であって、
前記ブースに連通するとともに、前記圧縮空気供給機構によって吹き飛ばされた活性炭粉末を吸引する活性炭粉末吸引機構を、更に備えていることを特徴とする、活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置であって、
前記ケース保持部は、前記ケースを囲む枠状に形成され、前記ケースが内側の枠内に着脱自在に設置されることを特徴とする、活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置であって、
前記振とう駆動機構は、
電動モータと、
前記電動モータによって回転駆動される駆動プーリと、
回転自在に支持された従動プーリと、
前記駆動プーリ及び前記従動プーリの外周に対して周回するように掛け回され、前記駆動プーリの回転に伴って前記従動プーリを回転させる駆動ベルトと、
前記駆動プーリに対して当該駆動プーリの中心から偏心した位置で前記ケース保持部を回転自在に支持する駆動プーリ側支持軸と、
前記従動プーリに対して当該従動プーリの中心から偏心した位置で前記ケース保持部を回転自在に支持する従動プーリ側支持軸と、
を有していることを特徴とする、活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置であって、
前記ケースは、各壁部がメッシュ状に形成されていることを特徴とする、活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置であって、
前記ケースは、内側に複数の収容室が区画され、前記収容室のそれぞれに複数の前記活性炭固着物品が収容されることを特徴とする、活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置。
【請求項8】
活性炭が固着されて円筒状に形成された活性炭固着物品の表面から活性炭粉末を除去する、活性炭固着物品の活性炭粉末除去方法であって、
籠状に形成され、複数の前記活性炭固着物品を円筒軸方向が上下方向に揃って配置された状態で内部に収容するケースと、
前記ケースが着脱自在に設置され、設置された前記ケースを保持するケース保持部と、
前記ケースが設置された前記ケース保持部に対して、前記ケースの中心位置からずれた位置を中心として水平面方向における回転動作を伴って揺動させる動作である振とう動作を付加するように、前記ケース保持部を駆動し、複数の前記活性炭固着物品に対して互いに擦れ合う状態での自転動作を発生させることで、前記活性炭固着物品の表面から活性炭粉末を除去する振とう駆動機構と、
を有する、活性炭固着物品の活性炭粉末除去装置が用いられ、
複数の前記活性炭固着物品が内部に収容された前記ケースが前記ケース保持部に設置される、ケース設置工程と、
前記振とう駆動機構が前記ケース保持部を駆動して当該ケース保持部に対して前記振とう動作を付加し、複数の前記活性炭固着物品に対して互いに擦れ合う状態での自転動作を発生させる、活性炭固着物品自転工程と、
を備えていることを特徴とする、活性炭固着物品の活性炭粉末除去方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−106209(P2012−106209A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−258673(P2010−258673)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(000006068)三ツ星ベルト株式会社 (730)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(000006068)三ツ星ベルト株式会社 (730)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]