説明

活性薬剤を送達するための化合物および組成物

【課題】容易に調製でき、かつ様々な経路により様々な活性薬剤を送達できる簡単で安価な化合物及び組成物を提供する。
【解決手段】活性薬剤の伝達のための化合物および組成物及び、投与方法および調製方法。これらの組成物は、送達剤化合物を含まない活性薬剤の投与と比べて、活性薬剤の生物学的利用能を増大させるか改善して、選択された生物学的系に活性薬剤を送達する。代表的化合物には例えば3−(5−クロロ−2−ヒドロキシベンズアミド)プロパン酸や3−(2−ヒドロキシ−3,5−ジイソプロピルベンゾイルアミノ)酪酸がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2004年6月1日出願の米国仮出願番号第60/576088号、2004年6月1日出願の米国仮出願番号第60/576397号、2004年6月1日出願の米国仮出願番号第60/576105号、2004年5月14日出願の米国仮出願番号第60/571090号、2004年5月14日出願の米国仮出願番60/571092号、2004年5月14日出願の米国仮出願番号第60/571195号、2004年5月14日出願の米国仮出願番号第60/571194号、2004年5月14日出願の米国仮出願番号第60/571093号、2004年5月14日出願の米国仮出願番号第60/571055号、2004年5月14日出願の米国仮出願番号第60/571151号、2004年5月14日出願の米国仮出願番号第60/571315号、2004年5月14日出願の米国仮出願番号第60/571144号および2004年5月14日出願の米国仮出願番号第60/571089号の利益を主張するものである。これらの出願全体を参照により本明細書に組み込む。
【0002】
本発明は、生物学的または化学的に活性な薬剤などの活性薬剤を、標的に送達するための化合物および組成物に関する。これらの化合物は、動物に経口や他の経路で投与するために、活性薬剤と非共有結合型混合物を形成するのによく適している。そうした組成物の調製および投与方法も開示する。
【背景技術】
【0003】
活性薬剤を送達するための従来の手段は、生物学的、化学的かつ物理的障害によってしばしば厳しく制約される。一般に、これらの障害は、それを介して送達を行う環境、送達のための標的の環境および/または標的自体によって付与される。生物学的かつ化学的に活性な薬剤はそうした障害に対して特に脆弱である。
生物学的に活性でかつ化学的に活性な薬理活性剤や治療剤の動物への送達において、障害は身体によって付与される。物理的障害の例は、皮膚、上皮、脂質二重層、および特定の活性薬剤に対して比較的不浸透性であるが、循環系などの標的に到達する前に横断しなければならない様々な器官膜である。化学的障害には、これらに限定されないが、胃腸(GI)管におけるpHの変動や分解酵素が含まれる。
【0004】
これらの障害は経口送達系の設計において特に重要である。もし生物学的、化学的かつ物理的障害がなければ、動物への投与のためには、多くの活性薬剤の経口送達が、経路として選択されることになろう。一般に経口投与に向いていない多くの薬剤には、カルシトニンおよびインスリンなどの生物学的にまたは化学的に活性なペプチド;これらに限定されないが、ヘパリンを含むムコ多糖などの多糖;;ヘパリノイド;抗生物質および他の有機物質がある。これらの薬剤は、酸加水分解、酵素等によって、胃腸管の中で急速に効果がなくなるか破壊される可能性がある。さらに、巨大分子薬物のサイズや構造が吸収を阻害する可能性がある。
【0005】
脆弱な薬理活性剤を経口で投与するための従来の方法は、アジュバント(例えば、レゾルシノール、ならびにポリオキシエチレンオレイルエーテルおよびn-ヘキサデシルポリエチレンエーテルなどの非イオン性界面活性剤)を同時投与して腸壁の透過性を人為的に増大させることと、酵素阻害剤(例えば、膵臓トリプシン阻害剤、ジイソプロピルフルオロホスフェート(DFF)およびトラシロール(trasylol))を同時投与して酵素的分解を阻害することに依存してきた。リポソームも、インスリンやヘパリンのための薬物送達系として記載されている。しかし、以下の理由からそうした薬物送達系の広範囲にわたる使用は妨げられている:(1)その送達系が有害な量のアジュバントまたは阻害剤を必要とする;(2)適切な低分子量積荷すなわち活性薬剤が得られない;(3)送達系の安定性が劣り、その有効期間が不十分である;(4)送達系が製造困難である;(5)送達系が活性薬剤(積荷)を保護することができない;(6)送達系が活性薬剤を有害なものへと変えてしまう;あるいは、(7)送達系が、活性薬剤の吸収を不可能とする、または促進することができない。
プロテイノイドミクロスフィアが医薬品を送達するのに用いられてきた。例えば、米国特許第5401516号、同5443841号;およびRe.35862を参照されたい。さらに、ある種の改変アミノ酸が医薬品を送達するのに用いられてきた。例えば、米国特許第5629020号、同5643957号、同5766633号、同5776888号および同5866536号、ならびにWO98/49135、WO00/06534、WO00/07979、WO00/40203、WO00/47188、WO00/50386、WO00/59863、WO01/32130、WO01/32596、WO01/44199、WO01/51454、WO02/02509、WO02/15959、WO02/16309、WO02/20466、WO02/19969、WO02/69937およびWO03/45306を参照されたい。
より最近では、連結基を介してポリマーを改変アミノ酸またはその誘導体とコンジュゲートさせてポリマー系送達剤を提供している。改変したポリマーは、任意のポリマーを使用することができるが、好ましいポリマーには、これらに限定されないが、ポリエチレングリコール(PEG)、およびその誘導体が含まれる。例えば、WO00/40203を参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5401516号
【特許文献2】米国特許第5443841号
【特許文献3】米国特許第5629020号
【特許文献4】米国特許第5643957号
【特許文献5】米国特許第5766633号
【特許文献6】米国特許第5776888号
【特許文献7】米国特許第5866536号
【特許文献8】WO98/49135
【特許文献9】WO00/06534
【特許文献10】WO00/07979
【特許文献11】WO00/40203
【特許文献12】WO00/47188
【特許文献13】WO00/50386
【特許文献14】WO00/59863
【特許文献15】WO01/32130
【特許文献16】WO01/32596
【特許文献17】WO01/44199
【特許文献18】WO01/51454
【特許文献19】WO02/02509
【特許文献20】WO02/15959
【特許文献21】WO02/16309
【特許文献22】WO02/20466
【特許文献23】WO02/19969
【特許文献24】WO02/69937
【特許文献25】WO03/45306
【特許文献26】WO00/40203
【特許文献27】WO02/47712
【特許文献28】WO98/20885
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Tatemoto、Proc Natl Acad Sci U.S.A.79:2514〜8頁、1982
【非特許文献2】Eberlein、Eysseleinら、Peptides10:797〜803頁(1989)
【非特許文献3】Grandy、Schimiczekら、Regul Pept51:151〜9頁(1994)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、容易に調製でき、かつ様々な経路により様々な活性薬剤を送達できる簡単で安価な送達系が依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、活性薬剤の送達を容易にする化合物および組成物を提供する。本発明の送達活性化合物は、以下の化合物または薬剤として許容されるその塩である。
【0010】
【化1】

【0011】
[式中、
R1は、-(CH2)m-R8(式中、m=0または1)であり、
R2〜R6は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、C1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル、C2〜C4アルキニル、C1〜C4アルコキシ、およびシアノから独立して選択され、
R7は、C1〜C10アルキル、C2〜C10アルケニル、C2〜C10アルキニルから選択され、
R8は、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびフェニルから選択され、R8がフェニルである場合は、m=1であり、
R8は、場合によっては、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、ハロゲンもしくはヒドロキシル、またはそれらの組み合わせによっては置換されている]。
【0012】
1つの実施形態では、R7はC1アルキルである。
【0013】
他の実施形態では、R7はC2アルキルである。
【0014】
他の実施形態では、R7はC3アルキルである。
【0015】
他の実施形態では、R7はC4アルキルである。
【0016】
他の実施形態では、R7はC5アルキルである。
【0017】
他の実施形態では、R7はC6アルキルである。
【0018】
他の実施形態では、R7はC7アルキルである。
【0019】
他の実施形態では、R7はC8アルキルである。
【0020】
好ましい化合物には、これらに限定されないが、以下に示す化合物および薬剤として許容されるその塩が含まれる。
【0021】
【化2】

【0022】
【化3】

【0023】
【化4】

【0024】
【化5】

【0025】
【化6】

【0026】
【化7】

【0027】
【化8】

【0028】
本発明の他の送達剤化合物には、以下の式の化合物および薬剤として許容されるその塩が含まれる
【0029】
【化9】

【0030】
(式中、
R1は、C1〜C6アルキル、またはC2〜C4アルケニルであり、
R2〜R6は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、C1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル、C2〜C4アルキニル、C1〜C4アルコキシ、およびシアノからなる群から独立して選択され、
R7は、C1〜C10アルキル、C2〜C10アルケニル、C2〜C10アルキニルからなる群から選択される)。
【0031】
1つの実施形態では、R2〜R6は、独立して水素、メチル、ハロゲン、メトキシである。
【0032】
他の実施形態では、R2〜R6は、独立して水素、メチル、塩素、メトキシである。
【0033】
他の実施形態では、R2〜R6は、独立して水素、メチル、フッ素、メトキシである。
【0034】
他の実施形態では、R2〜R6は、独立して水素、メチル、ヨウ素、メトキシである。
【0035】
他の実施形態では、R2〜R6は、独立して水素、メチル、臭素、メトキシである。
【0036】
他の実施形態では、R1はC1〜C3アルキルである。
【0037】
他の実施形態では、R1はメチルである。
【0038】
他の実施形態では、R1はエチルである。
【0039】
他の実施形態では、R1はイソプロピルである。
【0040】
他の実施形態では、R2はメチルである。
【0041】
他の実施形態では、R2はハロゲンである。
【0042】
他の実施形態では、R2は塩素である。
【0043】
他の実施形態では、R2はフッ素である。
【0044】
他の実施形態では、R4はメチルである。
【0045】
他の実施形態では、R4はメトキシである。
【0046】
他の実施形態では、R4はハロゲンである。
【0047】
他の実施形態では、R4は塩素である。
【0048】
他の実施形態では、R4はフッ素である。
【0049】
他の実施形態では、R4はシアノである。
【0050】
他の実施形態では、R7はC1アルキルである。
【0051】
他の実施形態では、R7はC2アルキルである。
【0052】
他の実施形態では、R7はメチルで分枝したC1アルキルである。
【0053】
他の実施形態では、R7はC3アルキルである。
【0054】
他の実施形態では、R7はメチルで分枝したC3アルキルである。
【0055】
他の実施形態では、R7はC4アルキルである。
【0056】
他の実施形態では、R7はC5アルキルである。
【0057】
他の実施形態では、R7はC6アルキルである。
【0058】
他の実施形態では、R7はC7アルキルである。
【0059】
他の実施形態では、R7はC8アルキルである。
【0060】
好ましい化合物には、これらに限定されないが、以下に示す化合物および薬剤として許容されるその塩が含まれる。
【0061】
【化10】

【0062】
【化11】

【0063】
【化12】

【0064】
【化13】

【0065】
【化14】

【0066】
【化15】

【0067】
【化16】

【0068】
【化17】

【0069】
【化18】

【0070】
【化19】

【0071】
【化20】

【0072】
本発明の他の送達剤化合物には、以下の式の化合物および薬剤として許容されるその塩が含まれる。
【0073】
【化21】

【0074】
(式中、
n=1〜9であり、
R1〜R5は、独立して、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、C2〜C4アルケニル、ハロゲン、ヒドロキシル、-NH-C(O)-CH3または-O-C6H5である)。
【0075】
好ましい化合物には、これらに限定されないが、以下の式の化合物およびその塩が含まれる。
【0076】
1つの実施形態では、n=2から8である。
【0077】
他の実施形態では、n=8である。
【0078】
他の実施形態では、n=7である。
【0079】
他の実施形態では、n=6である。
【0080】
他の実施形態では、n=5である。
【0081】
他の実施形態では、n=4である。
【0082】
他の実施形態では、n=3である。
【0083】
他の実施形態では、n=2であり、残りのR基は水素である。
【0084】
他の実施形態では、n=8であり、残りのR基は水素である。
【0085】
他の実施形態では、n=7であり、残りのR基は水素である。
【0086】
他の実施形態では、n=6であり、残りのR基は水素である。
【0087】
他の実施形態では、n=5であり、残りのR基は水素である。
【0088】
他の実施形態では、n=4であり、残りのR基は水素である。
【0089】
他の実施形態では、n=3であり、残りのR基は水素である。
【0090】
他の実施形態では、n=2であり、残りのR基は水素である。
【0091】
他の実施形態では、R1およびR5は水素である。
【0092】
他の実施形態では、R1およびR5は水素であり、n=2である。
【0093】
他の実施形態では、R3はヒドロキシルである。
【0094】
他の実施形態では、R3はヒドロキシルであり、n=8である。
【0095】
他の実施形態では、R1はヒドロキシルである。
【0096】
他の実施形態では、R1はヒドロキシルであり、n=8である。
【0097】
他の実施形態では、R3はメトキシである。
【0098】
他の実施形態では、R3はメトキシであり、n=2である。
【0099】
他の実施形態では、R3はメトキシであり、n=3である。
【0100】
他の実施形態では、R2およびR4はハロゲンであり、n=2である。
【0101】
他の実施形態では、R2およびR4はフッ素である。
【0102】
他の実施形態では、R2およびR4はフッ素であり、n=2である。
【0103】
他の実施形態では、R1およびR3はメチルである。
【0104】
他の実施形態では、R1およびR3はメチルであり、n=2である。
【0105】
他の実施形態では、R2およびR4はメチルであり、R3はメトキシであり、n=4である。
【0106】
他の実施形態では、R3はイソプロピルである。
【0107】
他の実施形態では、R3はイソプロピルであり、n=3である。
【0108】
他の実施形態では、R1はメトキシである。
【0109】
他の実施形態では、R1はメトキシであり、n=2である。
【0110】
他の実施形態では、R3はハロゲンである。
【0111】
他の実施形態では、R3はハロゲンであり、n=2である。
【0112】
他の実施形態では、R3はフッ素であり、n=2である。
【0113】
他の実施形態では、R3はメトキシである。
【0114】
他の実施形態では、R3はメトキシであり、n=4である。
【0115】
他の実施形態では、R2およびR4はメチルである。
【0116】
他の実施形態では、R2およびR4はメチルであり、n=2である。
【0117】
他の実施形態では、R2およびR4はメチルであり、n=4である。
【0118】
他の実施形態では、R2およびR4はメチルであり、n=6である。
【0119】
他の実施形態では、R2およびR3はメチルであり、n=4である。
【0120】
他の実施形態では、R2およびR3はメチルであり、n=2である。
【0121】
他の実施形態では、R1およびR4はメチルであり、n=2である。
【0122】
他の実施形態では、R1およびR4はハロゲンである。
【0123】
他の実施形態では、R1およびR4はハロゲンであり、n=2である。
【0124】
他の実施形態では、R1およびR4はハロゲンであり、n=4である。
【0125】
他の実施形態では、R1およびR4は塩素である。
【0126】
他の実施形態では、R1およびR4は塩素であり、n=2である。
【0127】
他の実施形態では、R1およびR4は塩素であり、n=4である。
【0128】
他の実施形態では、R1およびR4はヒドロキシルである。
【0129】
他の実施形態では、R1およびR4はヒドロキシルであり、n=8である。
【0130】
他の実施形態では、化合物117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、128、129、130、132、133、134、136および/または138は、化合物Cから除外される。
【0131】
好ましい化合物には、これらに限定されないが、以下の化合物が含まれる。
【0132】
【化22】

【0133】
【化23】

【0134】
【化24】

【0135】
【化25】

【0136】
【化26】

【0137】
本発明の他の送達剤化合物には、以下の式の化合物および薬剤として許容されるその塩が含まれる。
【0138】
【化27】

【0139】
(式中、
R1〜R4は、独立して、水素、C1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル、ハロゲン、C1〜C4アルコキシ、またはヒドロキシルである)。
【0140】
1つの実施形態では、R1〜R4は、独立に、水素、メチル、メトキシ、ハロゲンまたはイソプロピルである。
【0141】
1つの実施形態では、R1〜R4は、全て水素である。
【0142】
他の実施形態では、R2およびR4はハロゲン、好ましくは臭素、または好ましくは塩素、または好ましくはヨウ素、または好ましくはフッ素である。
【0143】
他の実施形態では、R2およびR4はハロゲン、好ましくは臭素、または好ましくは塩素、または好ましくはヨウ素であり、R1およびR3は水素である。
【0144】
他の好ましい実施形態では、R2およびR4はイソプロピルである。
【0145】
他の好ましい実施形態では、R2およびR4はイソプロピルであり、R1およびR3は水素である。
【0146】
他の好ましい実施形態では、R4はメチルである。
【0147】
他の好ましい実施形態では、R4はメチルであり、R1〜R3は水素である。
【0148】
他の好ましい実施形態では、R3はハロゲン、好ましくは塩素である。
【0149】
他の好ましい実施形態では、R3はハロゲン、好ましくは塩素であり、R1、R2およびR4は水素である。
【0150】
他の好ましい実施形態では、R3はメトキシである。
【0151】
他の好ましい実施形態では、R3はメトキシであり、R1、R2およびR4は水素である。
【0152】
他の好ましい実施形態では、R2はハロゲン、好ましくは臭素である。
【0153】
他の好ましい実施形態では、R2はハロゲン、好ましくは臭素であり、R1、R2およびR4は水素である。
【0154】
他の好ましい実施形態では、R2はハロゲン、好ましくは塩素である。
【0155】
他の好ましい実施形態では、R2はハロゲン、好ましくは塩素であり、R1、R3およびR4は水素である。
【0156】
他の好ましい実施形態では、R2はメトキシである。
【0157】
他の好ましい実施形態では、R2はメトキシであり、R1、R3およびR4は水素である。
【0158】
他の好ましい実施形態では、R2はメチルである。
【0159】
他の好ましい実施形態では、R2はメチルであり、R1、R3およびR4は水素である。
【0160】
好ましい化合物には、これらに限定されないが、以下の化合物およびその塩が含まれる。
【0161】
【化28】

【0162】
【化29】

【0163】
【化30】

【0164】
本発明の他の送達剤化合物には、以下の式の化合物および薬剤として許容されるその塩が含まれる。
【0165】
【化31】

【0166】
[式中、
R1〜R5の1つは、一般構造:-(CH2)n-COOH
(式中、n=0〜6である)
を有し、
残りの4つのR1〜R5は、独立して、水素、C1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル、ハロゲン、C1〜C4アルコキシ、またはヒドロキシルであり、
R6〜R10は、独立して、水素、C1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル、ハロゲン、C1〜C4アルコキシ、またはヒドロキシルである]。
【0167】
1つの実施形態では、n=0〜4である。
【0168】
他の実施形態では、n=0である。
【0169】
他の実施形態では、n=1である。
【0170】
他の実施形態では、R1〜R10は、好ましくは、独立して、水素、ハロゲン、メチルおよびメトキシである。
【0171】
他の実施形態では、R1〜R10は、好ましくは、独立して、塩素、ハロゲン、メチルおよびメトキシである。
【0172】
他の実施形態では、一般構造:-(CH2)n-COOHがR1に結合している場合、残りのR基は水素である。
【0173】
他の実施形態では、一般構造:-(CH2)n-COOHがR1に結合している場合、残りのR基は水素であり、n=0である。
【0174】
他の実施形態では、一般構造:-(CH2)n-COOHがR1に結合している場合、残りのR基は水素であり、n=1である。
【0175】
他の実施形態では、一般構造:-(CH2)n-COOHがR3に結合している場合、残りのR基は水素である。
【0176】
他の実施形態では、一般構造:-(CH2)n-COOHがR3に結合している場合、残りのR基は水素であり、n=0である。
【0177】
他の実施形態では、一般構造:-(CH2)n-COOHがR3に結合している場合、残りのR基は水素であり、n=1である。
【0178】
他の実施形態では、一般構造:-(CH2)n-COOHがR2に結合している場合、R5はメトキシである。
【0179】
他の実施形態では、一般構造:-(CH2)n-COOHがR2に結合している場合、R5はメトキシであり、残りのR基は水素である。
【0180】
他の実施形態では、一般構造:-(CH2)n-COOHがR2に結合している場合、R5はメトキシであり、n=0である。
【0181】
他の実施形態では、一般構造:-(CH2)n-COOHがR2に結合している場合、R5はメトキシであり、n=0であり、残りのR基は水素である。
【0182】
他の実施形態では、一般構造:-(CH2)n-COOHがR3に結合している場合、R1およびR5はメチルである。
【0183】
他の実施形態では、一般構造:-(CH2)n-COOHがR3に結合している場合、R1およびR5はメチルであり、残りのR基は水素である。
【0184】
他の実施形態では、一般構造:-(CH2)n-COOHがR3に結合している場合、R1およびR5はメチルであり、n=0である。
【0185】
他の実施形態では、一般構造:-(CH2)n-COOHがR3に結合している場合、R1およびR5はメチルであり、n=0であり、残りのR基は水素である。
【0186】
他の実施形態では、一般構造:-(CH2)n-COOHがR3に結合している場合、R1およびR5はメトキシであり、n=0である。
【0187】
他の実施形態では、一般構造:-(CH2)n-COOHがR3に結合している場合、R1またはR5はメトキシであり、n=0であり、残りのR基は水素である。
【0188】
他の実施形態では、一般構造:-(CH2)n-COOHがR3に結合している場合、R2またはR4はハロゲン、好ましくは塩素である。
【0189】
他の実施形態では、一般構造:-(CH2)n-COOHがR3に結合している場合、R2またはR4はハロゲン、好ましくは塩素であり、残りのR基は水素である。
【0190】
他の実施形態では、一般構造:-(CH2)n-COOHがR3に結合している場合、R2またはR4はハロゲン、好ましくは塩素であり、n=0である。
【0191】
他の実施形態では、一般構造:-(CH2)n-COOHがR3に結合している場合、R2またはR4はハロゲン、好ましくは塩素であり、n=0であり、残りのR基は水素である。
【0192】
1つの実施形態では、化合物152、153、154、155、156、157および/または158は、化合物Eから除外される。
【0193】
好ましい化合物には、これらに限定されないが、以下の化合物および薬剤として許容されるその塩が含まれる。
【0194】
【化32】

【0195】
【化33】

【0196】
本発明の他の送達剤化合物には、以下の式の化合物および薬剤として許容されるその塩が含まれる。
【0197】
【化34】

【0198】
(式中、
n=1〜9であり、
R1〜R9は、独立して、水素、C1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル、ハロゲン、C1〜C4アルコキシ、またはヒドロキシルである)。
【0199】
1つの好ましい実施形態によれば、n=3〜7であり、好ましくは、1つの好ましい実施形態ではn=3であり、好ましくは、他の好ましい実施形態ではn=4であり;好ましくは、他の好ましい実施形態ではn=5であり;好ましくは、他の好ましい実施形態ではn=6であり;好ましくは、他の好ましい実施形態では、n=7である。
【0200】
他の好ましい実施形態によれば、R1〜R8は水素である。
【0201】
他の好ましい実施形態によれば、R3はハロゲンであり、好ましくは、1つの実施形態では、R3は塩素であり、好ましくは、別の実施形態では、R3は臭素である。
【0202】
他の好ましい実施形態によれば、R2はメトキシである。
【0203】
他の好ましい実施形態によれば、R2はメチルである。
【0204】
他の好ましい実施形態によれば、R3はメトキシである。
【0205】
他の好ましい実施形態によれば、R3はメチルである。
【0206】
他の好ましい実施形態によれば、R6はメトキシである。
【0207】
他の好ましい実施形態によれば、R6は水素である。
【0208】
他の好ましい実施形態によれば、R6はヒドロキシルである。
【0209】
他の好ましい実施形態によれば、R9はハロゲンであり、好ましくは、1つの実施形態では塩素である。
【0210】
他の好ましい実施形態によれば、R3およびR6は両方ともメトキシである。
【0211】
他の好ましい実施形態によれば、R3およびR6は両方ともメトキシであり、残りのR基は水素である。
【0212】
他の好ましい実施形態によれば、R2はメチルであり、R3は塩素である。
【0213】
他の好ましい実施形態によれば、R2はメチルであり、R3は塩素であり、残りのR基は水素である。
【0214】
他の好ましい実施形態によれば、R2はメチルであり、R9は塩素である。
【0215】
他の好ましい実施形態によれば、R2はメチルであり、R9は塩素であり、残りのR基は水素である。
【0216】
他の好ましい実施形態によれば、R3はメチルであり、R9は塩素である。
【0217】
他の好ましい実施形態によれば、R3はメチルであり、R9は塩素であり、残りのR基は水素である。
【0218】
好ましい送達剤化合物には、これらに限定されないが、以下の化合物およびその塩が含まれる。
【0219】
【化35】

【0220】
【化36】

【0221】
【化37】

【0222】
本発明の他の送達剤化合物には、以下の式の化合物および薬剤として許容されるその塩が含まれる。
【0223】
【化38】

【0224】
[式中、
R1〜R5は、独立して、水素、C1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル、ハロゲン、C1〜C4アルコキシ、ヒドロキシル、または-O-(CH2)n-COOH(式中、n=1〜12である)であり、
R1〜R5の少なくとも1つは、一般構造:-(CH2)n-COOH(式中、n=1〜12である)を有し、
R6〜R10は、独立して、水素、C1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル、ハロゲン、C1〜C4アルコキシ、またはヒドロキシルである]。
【0225】
好ましくは、R1〜R5の1つのみが、式-O-(CH2)n-COOHを有する。言い換えれば、R1〜R5の4つは、独立して、水素、C1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル、ハロゲン、C1〜C4アルコキシ、またはヒドロキシルであり、R1〜R5の残りの1つが、-O-(CH2)n-COOH(式中、n=1〜12である)である。
【0226】
1つの好ましい実施形態では、n=1〜12である。
【0227】
他の好ましい実施形態では、n=1〜10である。
【0228】
他の好ましい実施形態では、n=1〜6である。
【0229】
他の好ましい実施形態では、n=1〜4である。
【0230】
他の好ましい実施形態では、n=10である。
【0231】
他の好ましい実施形態では、n=4である。
【0232】
他の好ましい実施形態では、n=1である。
【0233】
一般構造:-(CH2)n-COOHがR1に結合している場合、全ての他のR基は水素である。
【0234】
他の実施形態では、一般構造:-(CH2)n-COOHがR1に結合している場合、全ての他のR基は水素であり、n=3である。
【0235】
他の実施形態では、一般構造:-(CH2)n-COOHがR3に結合している場合、全ての他のR基は水素である。
【0236】
他の実施形態では、一般構造:-(CH2)n-COOHがR3に結合している場合、全ての他のR基は水素であり、n=1である。
【0237】
他の実施形態では、一般構造:-(CH2)n-COOHがR3に結合している場合、全ての他のR基は水素であり、n=4である。
【0238】
他の実施形態では、一般構造:-(CH2)n-COOHがR3に結合している場合、全ての他のR基は水素であり、n=10である。
【0239】
好ましい化合物には、これらに限定されないが、以下の化合物および薬剤として許容されるその塩が含まれる。
【0240】
【化39】

【0241】
これらの送達剤化合物の混合物も用いることができる。
【0242】
本発明は、本発明の送達剤化合物と少なくとも1つの活性薬剤とを含む組成物も提供する。これらの組成物は、送達剤化合物を含まない活性薬剤の投与と比べて、活性薬剤の生物学的利用能を増大させるか改善して、選択された生物学的系に活性薬剤を送達する。
【0243】
本発明の組成物を含む投与単位形態も提供する。投与単位形態は、錠剤、カプセル剤または粉剤もしくはサシェイを含む粒子状物などの液体または固体の形態であってよい。
【0244】
他の実施形態は、本発明の送達剤化合物の少なくとも1つと活性薬剤の少なくとも1つとを含む組成物を動物に投与することによって、動物に活性薬剤を投与するための方法である。投与の経路には、経口、結腸内および肺の経路が含まれる。
【0245】
さらに他の実施形態は、本発明の組成物を投与することによって、動物において、疾患を治療するか、または所望の生理学的効果を達成するための方法である。
【0246】
さらに他の実施形態は、本発明の組成物から利益を受ける動物に、または活性薬剤を必要とする動物に本発明の組成物を投与することである。
【0247】
さらに他の実施形態は、少なくとも1つの本発明の送達剤化合物と少なくとも1つの活性薬剤を混合することによって、本発明の組成物を調製する方法である。
【発明を実施するための形態】
【0248】
(定義)
本明細書および特許請求の範囲で用いる、単数の形態は、特に明確に指示が無い場合は、複数の対象を含む。それゆえ、例えば、「分子」とは、1つまたは複数のそのような分子を含み、「試薬」とは、1つまたは複数のそのような様々な試薬を含み、「方法」とは、本明細書に記載の方法を改変または置換することができる、当業者に既知の同等な工程および方法を含む。
【0249】
用語「多型」とは、物質の結晶学的に異なる形態を指す。
【0250】
本明細書で用いる用語「水和物」は、これらに限定されないが、(i)分子形態で結合した水を含む物質、および(ii)結晶化の1つまたは複数の水分子を含む結晶性物質または遊離の水を含む結晶性物質を含む。
【0251】
本明細書で用いる用語「溶媒和」は、これらに限定されないが、送達剤分子または送達剤のイオンと、溶媒分子または溶媒イオンとの分子錯体またはイオン錯体を含む。
【0252】
用語「送達剤」は、本明細書に開示された任意の送達剤化合物または挿入された任意の送達剤化合物を指し、薬剤として許容されるその塩も含む。
【0253】
「有効量の薬剤組成物」とは、ある期間にわたって薬剤組成物を投与された対象の病気を治療または予防するのに有効な量の薬剤組成物であり、例えば、望む投与間隔の間に治療効果を提供する。
【0254】
用語「治療」、「治療する」または「治療した」とは、病気(例えば、疾病)、病気の兆候、または病気になりやすい素因を予防的に防止する、治癒する、回復する、軽減する、緩和する、変更する、改善する、改良する、好転する、または作用することを指す。
【0255】
「有効量の送達剤」は、望む量の活性薬剤の吸収を促進する量の送達剤である。
【0256】
用語「対象」は、げっ歯類、ウシ、ブタ、イヌ、ネコ、霊長類、および特にヒトなどの哺乳類を含む。
【0257】
本明細書で用いる用語「AUC」は、完全な投与間隔にわたって(例えば24時間の間隔)、台形公式によって計算した血漿濃度-時間曲線の下の面積を表す。
【0258】
用語「平均」は、薬物動態解析値(例えば、ピーク平均)に先行する場合、特に指定しない限り、薬物動態解析値の算術平均を表す。
【0259】
本明細書で用いる用語「約」は、示された値の10%の範囲内、好ましくは5%の範囲内、より好ましくは1%の範囲内を意味する。代替的には、用語「約」は、値が、その種の値についての科学的に許容される誤差の範囲内にあることを意味し、利用可能な手法によって、どのような質の測定を実施できるかに依存する。
【0260】
「適応」は、薬を、病気を予防または治療の何れかのために投与する使用を意味し、相互変換可能に、「治療」、「治療する」または「治療した」と使用することができる。
【0261】
本明細書で用いる用語「置換」は、これらに制限されないが、以下の置換基:ハロゲン、水酸化、C1〜C4アルキル、およびC1〜C4アルコキシの1つまたは複数の組み合わせとの置換を含む。
【0262】
用語「アルキル」、「アルコキシ」、「アルキレン」、「アルケニレン」、「アルキル(アリーレン)」および「アリール(アルキレン)」は、これらに制限されないが、直鎖および分岐のアルキル、アルコキシ、アルキレン、アルケニレン、アルキル(アリーレン)、およびアリール(アルキレン)基を、それぞれ含む。
【0263】
「ペプチドYY」または「PYY」は、任意の種から得られるか誘導されるペプチドYYポリペプチドを意味する。すなわち、「PYY」という用語は、WO02/47712(これは米国特許出願第2002/0141985号のPCT対応特許である。これを参照により本明細書に組み込む)およびTatemoto、Proc Natl Acad Sci U.S.A.79:2514〜8頁、1982のSEQ ID NO:2で示されているヒトの全長、36個のアミノ酸ペプチドならびに、例えば、ネズミ、ハムスター、ニワトリ、ウシ、ラットおよびイヌのPYYを含むPYYの種のバリアントの両方を含む。「PYY作用薬」は、PYYの効果を引き出して栄養利用能を低減させる任意の化合物を意味する。例えば、(1)WO02/47712および米国特許出願第2002/0141985号の実施例1、2、5または6に記載の食物摂取、胃内容排出、膵臓分泌または重量損失アッセイにおいて活性を有する化合物、および、(2)Y受容体アッセイ(WO02/47712および米国特許出願第2002/0141985号の実施例10)か、または、例えば、最後野を含む多くのY受容体を有する特定の組織からの標識化したPYYもしくはPYY[3-36]との競合的結合アッセイ(WO02/47712および米国特許出願第2002/0141985号の実施例9)において特異的に結合する化合物である。但し、そのPYY作用薬は膵臓ポリペプチドではない。PYY作用薬は、そうしたアッセイにおいて、約1μMを超える親和性、より好ましくは約1nM超から約5nMの親和性で結合することが好ましい。
【0264】
そうした作用薬は、機能的なPYYドメイン、PYYの活性断片または化合物(chemical)もしくは小分子を有するポリペプチドを含むことができる。PYY作用薬はペプチド化合物であっても非ペプチド化合物であってもよく、PYY受容体、またはPYY自体と相互作用して生物学的応答を誘発することができる1つもしくは複数の他の受容体と結合するか、あるいは、それらと直接または間接的に相互作用することによって、典型的に、PYY活性を有し、且つ、PYYと構造的に類似した任意の化合物を指す「PYY作用薬類似物」を含む。そうした化合物には、PYYの誘導体、PYYの断片、36個を超えるアミノ酸を有する伸長PYY分子、36個未満のアミノ酸を有する切断されたPYY分子、および1つまたは複数の異なるアミノ酸を有する置換PYY分子、あるいは上記の任意の組合せが含まれる。そうした化合物は、ペグ化、アミド化、グリコシル化、アシル化、硫酸化、リン酸化、アセチル化および環化などのプロセスによって改変することもできる。
【0265】
1つのそうしたPYY作用薬類似物は、WO02/47712および米国特許出願第2002/0141985号;Eberlein、Eysseleinら、Peptides10:797〜803頁(1989);ならびにGrandy、Schimiczekら、Regul Pept51:151〜9頁(1994)のSEQ ID NO:3として特定されているPYY[3-36]である。括弧内に数値を有するポリペプチドは、括弧内のアミノ酸位置にわたるペプチドの全長配列を有する切断されたポリペプチドを指す。したがって、PYY[3-36]は、アミノ酸3から36にわたるPYYと一致する配列を有する。PYY[3-36]は、ヒトおよびイヌの腸抽出物における合計ペプチドYY様免疫反応性の約40%を含み、絶食状態の約36%から食事後の50%を若干超までの合計血漿ペプチドYY免疫反応性を含む。それは明らかにペプチドYYのジペプチジルペプチダーゼ-IV(DPP4)開裂生成物である。ペプチドYY[3-36]は、Y2受容体およびY5受容体における選択的リガンドと報告されており、それは、N-末端で切断された神経ペプチドY類似物(すなわち、そのC末端断片)を好む点で薬理学的に独特のようである。PYY作用薬は、より高いかより低い親和性でPYY受容体と結合するか、in vivoまたはin vitroでより長いかより短い半減期を示すか、あるいは未変性のPYYより多少効果的であり得る。
【0266】
他の適切なPYY作用薬には、WO98/20885に記載されているものが含まれる。これを参照により本明細書に組み込む。
【0267】
本明細書で用いる「ヘパリン」という用語は、これらに限定されないが、未分別のヘパリン、ヘパリノイド、デルマタン、コンドロイチン、低分子量ヘパリン(例えば、チンザパリン(チンザパリンナトリウムを含む))、非常に低い分子量のヘパリンおよび超低分子量のヘパリンを含むすべての形態のヘパリンを指す。非限定的な例には、ヘパリンナトリウム(例えば、Waunakee,WIのScientific Protein Labsから入手できるヘパリンナトリウムUSP)などの未分別のヘパリンが含まれる。ヘパリンは、通常、約1,000または5,000から約30,000ダルトンの分子量を有する。「低分子量ヘパリン」という用語は、通常、ヘパリンの少なくとも約80%(重量で)が約3000〜約9000ダルトンの分子量を有するヘパリンを指す。低分子量ヘパリンの非限定的な例には、チンザパリン、エノキサプリンおよびダルチパリンが含まれる。チンザパリンは、ワルファリンナトリウムと併用して投与した場合に肺塞栓症を伴うか伴わないで急性症候性深部静脈血栓症を治療するために、米国食品医薬品局により承認されている。チンザパリンのナトリウム塩は、Pharmion Corporation of Boulder, CO.からInnohepe(登録商標)という商品名で入手することができる。「非常に低い分子量のヘパリン」という用語は、ヘパリンの少なくとも約80%(重量で)が約1500〜約5000ダルトンの分子量を有するヘパリンを指す。非常に低い分子量のヘパリンの非限定的な例はベミパリン(bemiparin)である。「超低分子量のヘパリン」という用語は、一般に、ヘパリンの少なくとも約80%(重量で)が約1000〜約2000ダルトンの分子量を有するヘパリンを指す。超低分子量のヘパリンの非限定的な例はフォンジパリナックスである。
【0268】
(送達剤)
本発明の送達剤は、遊離酸の形態または薬剤として許容される塩の形態とすることができる。適した薬剤として許容される塩は、これらに制限されないが、有機塩および無機塩、例えば、ナトリウム、カリウムおよびリチウムなどのアルカリ金属塩;マグネシウム、カルシウムまたはバリウムなどのアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;リジンまたはアルギニンなどの塩基性アミノ酸;ならびにジメチルアミンまたはピリジンなどの有機アミンが含まれる。1つの実施形態では、塩はナトリウム塩である。塩は、モノナトリウム塩およびジナトリウム塩などの一価または多価の塩であってよい。塩は、エタノール溶媒和物を含む溶媒和物および水和物であってもよい。薬剤として許容される塩の非制限の例には、ナトリウム、塩酸、硫酸、リン酸、クエン酸、酢酸、硫酸エステル、リン酸エステル、塩素、臭素、ヨウ素、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、臭化水素酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、および炭酸カリウムを含む。これらの塩は、当業者の既知の方法で調製することができる。例えば、ナトリウム塩は、送達剤をエタノール中に溶かし、水酸化ナトリウム水溶液を加えることによって調製することができる。送達剤は、再結晶化か、あるいは単独かタンデム型の1つもしくは複数の固体クロマトグラフィー支持体を用いた分別によって精製することができる。再結晶化の適切な溶媒系には、これらに限定されないが、アセトニトリル、メタノールおよびテトラヒドロフランが含まれる。分別は、(i)移動相としてメタノール/n-プロパノール混合物を用いたアルミナなどの適切なクロマトグラフィー支持体、(ii)移動相としてトリフルオロ酢酸/アセトニトリル混合物を用いた逆相クロマトグラフィー、または(iii)移動相として水または適当な緩衝液を用いたイオン交換クロマトグラフィーで実施することができる。陰イオン交換クロマトグラフィーを行う場合、0〜500mMの塩化ナトリウムグラジエントを用いることが好ましい。
【0269】
送達剤は、ポリマー状の送達剤がポリペプチドまたはポリアミノ酸ではない場合、-NHC(O)NH-、-C(O)NH-、-NHC(O)、-OOC-、-COO-、-NHC(O)O-、-OC(O)NH-、-CH2NH-NHCH2-、-CH2NHC(O)O-、-OC(O)NHCH2-、-CH2NHCOCH2O-、-OCH2C(O)NHCH2-、-NHC(O)CH2O-、-OCH2C(O)NH-、-NH-、-O-および炭素-炭素結合からなる群から選択される連結基によってそれにコンジュゲートしたポリマーを含むことができる。ポリマーは、これらに限定されないが、哺乳動物で用いるのに安全である交互コポリマー、ブロックコポリマーおよびランダムコポリマーを含む任意のポリマーであってよい。好ましいポリマーには、これらに限定されないが、ポリエチレン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ(オキシエチレン)、ポリ(プロピレン)、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール(PEG)およびその誘導体ならびにこれらの組合せが含まれる。ポリマーの分子量は一般に、約100から約200,000ダルトンの範囲である。ポリマーの分子量は好ましくは約200から約10,000ダルトンの範囲である。一実施形態では、ポリマーの分子量は約200から約600ダルトンの範囲であり、より好ましくは約300から約550ダルトンの範囲である。米国特許第6,627,228号について、本明細書に全体を挿入する。
【0270】
固体の薬剤組成物における送達剤の量は、有効量であり、当業者の既知の方法によって、特定の組成物について測定することができる。一般的に、活性薬剤に対する送達剤の重量比は、約0.1:1から約1000:1の範囲であり、好ましくは約1:1から約300:1の範囲である。重量比は、活性薬剤、および、活性薬剤を投与するための特定の適応によって変化する。
【0271】
本発明に適した他の送達剤は、米国特許第6,846,844号、6,699,467号、6,693,208号、6,693,073号、6,663,898号、6,663,887号、6,646,162号、6,642,411号、6,627,228号、6,623,731号、6,610,329号、6,558,706号、6,525,020号、6,461,643号、6,461,545号、6,440,929号、6,428,780号、6,413,550号、6,399,798号、6,395,774号、6,391,303号、6,384,278号、 6,375,983号、6,358,504号、6,346,242号、6,344,213号、6,331,318号、6,313,088号、 6,245,359号、6,242,495号、6,221,367号、6,180,140号、5,541,155号、5,693,338号、 5,976,569号、5,643,957号、5,955,503号、6,100,298号、5,650,386号、5,866,536号、 5,965,121号、5,989,539号、6,001,347号、6,071,510号、および5,820,881号に開示されている。本発明の送達剤は、また、米国特許出願公開第20050009748号、20040110839号、20040106825号、20040068013号、20040062773号、20040022856号、20030235612号、20030232085号、20030225300号、20030198658号、20030133953号、20030078302号、20030072740号、20030045579号、20030012817号、20030008900号、20020155993号、20020127202号、20020120009号、20020119910号、20020102286号、20020065255号、20020052422号、20020040061号、20020028250号、20020013497号、20020001591号、20010039258号、および 20010003001号に開示されている。本発明の送達剤は、また、WO 2005/020925、WO 2004/104018、WO 2004/080401、WO 2004/062587、WO 2003/057650、WO 2003/057170、WO 2003/045331、WO 2003/045306、WO 2003/026582、WO 2002/100338、WO 2002/070438、WO 2002/069937、WO 02/20466、WO 02/19969、WO 02/16309、WO 02/15959、WO 02/02509、WO 01/92206、WO 01/70219、WO 01/51454、WO 01/44199、WO 01/34114、WO 01/32596、WO 01/32130、WO 00/07979、WO 00/59863、WO 00/50386、WO 00/47188、WO 00/40203、およびWO 96/30036に開示されている。前記した米国特許公報、米国特許出願公開公報、国際公開公報のそれぞれを、参照により本明細書に組み込む。これらの送達剤は、当業者に既知の方法、例えば、前記した特許公報および特許出願公開公報に記載された方法によって調製することができる。例えば、SNACは、当業者に既知の方法、例えば、米国特許第5,650,386号および5,866,536号、ならびに米国特許出願公開2002/0065255号に開示された方法によって調製することができる。
【0272】
(活性薬剤)
本発明で用いるのに適した活性薬剤には、これらに限定されないが、殺虫剤、薬理活性剤、および治療剤を含む生物学的に活性な薬剤および化学的に活性な薬剤が含まれる。適切な活性薬剤は、酸加水分解、酵素などによって、胃腸管内における効果をより少なくされるか、無効にされるか破壊されるものを含む。経口で投与された場合に、サイズ、構造または電荷を含むその生理化学的特性が吸収を阻害するか妨げる巨大分子薬剤も、適切な活性薬剤に含まれる。
【0273】
例えば、体内に入るか、あるいは例えば経口生物学的利用能が限られているか存在しない場合に、送達を含む薬物動態の改善の恩恵を受けられる薬剤である。これらの薬剤は、本発明での使用に適した生物学的または化学的に活性な薬剤であり、これらに限定されないが、タンパク質およびジペプチドを含むポリペプチドを含むペプチドなどの巨大分子;ホルモン;および単糖、二糖を含む多糖、ムコ多糖の混合物を含む糖類;炭水化物;;および小さい極性有機分子(すなわち、500ダルトン以下の分子量を有する極性有機分子);ヌクレオシド、他の有機化合物;ならびに、特に、胃腸粘膜をそれら自体が通過しないか(または投与された用量の一部だけが通過する)、かつ/または胃腸管中の酸および酵素による化学的開裂の影響を受け易い化合物を含む、経口生物学的利用能を有していないか生経口物学的利用能が限られている化合物;あるいは、これらの任意の組合せを含む。
【0274】
他の例には、これらに限定されないが、その合成、天然または組換えのソースを含む以下のものを含み、
【0275】
【表1】

【0276】
これらの化合物の分泌促進物質、類似物、断片、模倣物またはポリエチレングリコール(PEG)改変誘導体;あるいはその任意の組合せを含む。
【0277】
(送達系)
本発明の組成物は本発明の1つまたは複数の送達剤化合物と1つまたは複数の活性薬剤とを含む。一実施形態では、投与する前に活性薬剤を混合して投与組成物を形成することによって、送達剤化合物の1つもしくは複数あるいは、これらの化合物の塩、あるいはこれらの化合物または塩がその1つまたは複数の単位を形成するポリアミノ酸またはペプチドを、送達剤として使用することができる。
【0278】
投与組成物は液剤の形態であってよい。溶液媒体は、水(例えば、サケカルシトニン、副甲状腺ホルモンまたはエリスロポエチンのため)、25%プロピレングリコール水溶液(例えばヘパリンのため)およびリン酸塩緩衝液(例えばrhGHのため)であってよい。他の投与ビヒクルにはポリエチレングリコールが含まれる。投薬溶液は、投与する前に、送達剤化合物の溶液と活性薬剤の溶液を混合することによって調製することができる。あるいは、送達剤化合物(または活性薬剤)の溶液を、固体状の活性薬剤(または送達剤化合物)と混合することができる。送達剤化合物と活性薬剤を乾燥粉末として混合することもできる。送達剤化合物と活性薬剤を製造の過程で混合することもできる。
【0279】
投薬溶液は、リン酸塩緩衝液、クエン酸、グリコールまたは他の分散剤などの添加剤を任意選択で含むことができる。安定化用添加剤を、好ましくは約0.1〜20%(重量/容積)の範囲の濃度で溶液中に混ぜ込むことができる。
【0280】
あるいは、投与組成物は錠剤、カプセル剤または粉剤もしくはサシェイなどの粒子状物などの固体の形態であってよい。固体剤形は、固体状の化合物を固体状の活性薬剤と混合して調製することができる。あるいは、固体は、化合物と活性薬剤の溶液から、フリーズドライ(凍結乾燥)、沈降、結晶化および固体分散などの当技術分野で周知の方法で得ることができる。
【0281】
本発明の投与組成物は1つまたは複数の酵素阻害剤も含むことができる。そうした酵素阻害剤には、これらに限定されないが、アクチノニンまたはエピアクチノニンおよびその誘導体などの化合物が含まれる。他の酵素阻害剤には、これらに限定されないが、アプロチニン(Trasylol)およびバウマンーバーク(Bowman-Birk)阻害剤が含まれる。
【0282】
本発明の投与組成物で用いる活性薬剤の量は、標的の徴候のために特定の活性薬剤の目的を達成するのに有効な量である。組成物中の活性薬剤の量は典型的に、薬理学的、生物学的、治療的または化学的に効果的な量である。しかし、投与単位形態は、複数の送達剤化合物/活性薬剤組成物を含むか、または分割された薬理学的、生物学的、治療的または化学的に効果的な量を含むことができるので、組成物を投与単位形態で使用する場合、その量は、上記量より少なくてよい。したがって、全有効量を、有効量の活性薬剤を合計して含む累積単位で投与することができる。
【0283】
使用する活性薬剤の合計量は当業者に周知の方法で決定することができる。しかし、本発明の組成物は、活性薬剤だけを含む組成物より効率的に活性薬剤を送達することができるので、従来の投与単位形態または送達系で用いられる量より少ない量の生物学的または化学的に活性な薬剤を対象に投与することができ、同時に同じ血中濃度および/または治療効果を達成することができる。
【0284】
本発明で開示する送達剤化合物は、特に、経口、経鼻、舌下、胃、十二指腸内、空腸およびイレウル(ileul)送達を含む腸、皮下、頬側、結腸内、経直腸、経膣、粘膜、肺、経皮、皮内、腸管外、静脈内、筋肉内および眼球系、ならびに血液脳関門の横断における、生物学的かつ化学的に活性な薬剤の送達を容易にする。
【0285】
投与単位形態は、賦形剤、希釈剤、崩壊剤、滑剤、可塑剤、着色剤、香味剤、味覚マスキング剤、糖類、甘味剤、塩および、これらに限定されないが水、1,2-プロパンジオール、エタノール、オリーブ油、またはその任意の組合せを含む投与ビヒクルのいずれか1つまたはその組合せも含むことができる。
【0286】
本発明の化合物および組成物は、これらに限定されないが、ニワトリなどのトリ;齧歯動物、ウシ、ブタ、イヌ、霊長類および特にヒトなどの哺乳類;および昆虫を含む哺乳動物を含む任意の動物に生物学的または化学的に活性な薬剤を投与するのに有用である。
【0287】
この送達系は、そうでない場合、活性薬剤がその標的区域(すなわち、送達組成物の活性薬剤が放出される領域)に到達する前に、投与される動物の体内で遭遇する状態により破壊されるか効果を低減される化学的または生物学的に活性な薬剤を送達するのに特に有利である。特に、本発明の化合物および組成物は、活性薬剤、特に通常は経口送達できないか送達の改善が望まれる活性薬剤を経口投与するのに有用である。
【0288】
この化合物および活性薬剤を含む組成物は、選択された生物学的系への活性薬剤の送達において有用であり、また、送達剤のない活性薬剤の投与に比べて、活性薬剤の生物学的利用能を増大させるか改善するのに有用である。送達は、より活性な薬剤を長期間にわたって送達することによるか、または活性薬剤を特定の期間で送達するか(例えば、より速くか遅延して送達を行う)、または活性薬剤を特定の時間もしくはある期間(持続的送達など)にわたって送達して改善することができる。
【0289】
本発明の他の実施形態は、本発明の組成物を投与することによって、動物において以下の表にまとめたものなどの、疾患を治療するか予防するための方法、あるいは所望の生理学的効果を達成するための方法である。所望の疾患を治療するか予防するため、あるいは所望の生理学的を達成するために有効な量の組成物を投与することが好ましい。活性薬剤のための具体的な指示は、(1)Physicians' Desk Reference(58th Ed.、2004、Medical Economics Company,Inc.、Montvale、NJ)、および(2) Fauci、AS、et. al.、Harrison’s Principles of Internal Medicine (14th Ed.、1998、McGraw-Hill Health Professions Division、New York)に見ることができる。この文献を参照により本明細書に組み込む。以下の表の活性薬剤には、その類似物、断片、模倣物およびポリエチレングリコール改変誘導体が含まれる。
【0290】
【表2A】

【表2B】

【表2C】

【0291】
例えば本発明の一実施形態は、本発明の薬剤調合物中のインスリンを投与することによって、糖尿病を有するか糖尿病にかかり易い患者を治療するための方法である。前記表に示した他の活性薬剤は、本発明の薬剤調合物と組み合わせて使用することができる。
【0292】
投与に続いて、組成物または投与単位形態中に存在する活性薬剤は循環系に取り込まれる。薬剤の生物学的利用能は、血液中の既知の薬理学的活性、例えばヘパリンによって引き起こされる血液凝固時間の増加、またはカルシトニンによって引き起こされる循環カルシウムレベルの減少を測定することによって容易に評価することができる。あるいは、活性薬剤自体の循環レベルを直接測定することができる。
【0293】
(添加剤)
本発明の固体薬剤組成物および投与単位形態は、賦形剤、担体、希釈剤、安定化剤、可塑剤、バインダー、流動促進剤、崩壊剤、充填剤、滑剤、可塑剤、着色剤、皮膜形成剤、芳香剤、味覚マスキング剤、糖類、甘味剤、防腐剤、投与ベヒクル、界面活性剤、およびこれらの任意の組み合わせなどの、他の活性薬剤および薬剤として許容される添加剤を含みうる。好ましくは、これらの添加剤は、Remington's、The Science and Practice of Pharmacy、(Gennaro、A.R.、ed.、20th edition、2003、Mack Pub. Co.)に記載されている添加剤などの、薬剤として許容される添加剤である。この文献を参照により本明細書に組み込む。
【0294】
適したバインダーには、これらに制限されないが、デンプン、ゼラチン、糖類(スクロース、糖蜜およびラクトースなど)、第二リン酸カルシウム二水和物、アカシアなどの天然および合成ゴム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、エチルセルロース、ならびにワックスを含む。
【0295】
適した流動促進剤は、これらに制限されないが、タルクおよび二酸化ケイ素(シリカ)(例えば、ヒュームド・シリカおよびコロイド二酸化ケイ素)を含む。
【0296】
適した崩壊剤は、これらに制限されないが、デンプン、グリコール酸デンプンナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、クレイ、セルロース(精製セルロース、メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムなど)、アルギン酸塩、アルファ化コーンデンプン、ならびにゴム(アガー、グアー、ローカストビーン、カラヤ、ペクチンおよびトラガカントゴム)を含む。好ましい崩壊剤は、グリコール酸デンプンナトリウムである。
【0297】
適した充填剤は、これらに制限されないが、デンプン(米デンプンなど)、微結晶性セルロース、ラクトール(例えば、ラクトース一水和物)、スクロース、デキストロース、マンニトール、硫酸カルシウム、硫酸二カルシウム、および硫酸三カルシウムを含む。
【0298】
適した滑剤は、これらに制限されないが、ステアリン酸、ステアリン酸塩(ステアリン酸カルシウムおよびステアリン酸マグネシウムなど)、タルク、ホウ酸、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、フマル酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ポリエチレングリコール、水添綿実、およびヒマシ油を含む。
【0299】
適した界面活性剤は、これらに制限されないが、ラウリル硫酸ナトリウム、水添大豆レシチン、ポリソルベート、ならびにプロピレンオキシドとエチレンオキシドとのブロックポリマーを含む。
【0300】
[投与形態]
活性剤および送達剤を含む本発明の固体薬剤組成物は、固体の投与単位形態として調合することができる。投与形態は、例えば、錠剤、サシェイ、またはカプセル、例えばハードもしくはソフトゼラチンカプセルとすることができる。投与形態は、送達剤、ヘパリン、および場合によっては追加の活性剤の直接放出、維持放出または調節放出を提供する。
【0301】
本発明の固体薬剤組成物および固体の投与単位形態は、以下のように調製することができる。固体形態の送達剤を加工して(例えば、35-メッシュのふるいをかける)、比較的小さく、好ましくは均一の粒径を有する粉末を提供する。送達剤は、その後、送達剤、ならびに場合によってはフィラーおよび/または湿潤剤、例えばV-ブレンダーまたは類似のデバイスと混合し、粉末ブレンドを提供する。
【0302】
独立して、湿潤剤、ヘパリンおよび送達剤を混合することによって、湿潤剤混合物を調製する。混合物は、また、例えば水を含む。湿潤混合物の調合は、前記した粉末ブレンドと混合した場合に、ヘパリンを湿潤するように選択する。1つの好ましい実施形態によれば、湿潤剤混合物は、また、粉末ブレンドと混合した場合に、送達剤を部分的に可溶化するように調合する。
【0303】
粉末ブレンドを、少しずつ増やして、連続した混合条件下で、湿潤剤混合物に加える。混合は、全ての粉末ブレンドを加えてから十分な時間(例えば、15分間)続けて、均一な組成物を得る。得られた組成物は、一般的には、半固体、ゲル、または液体である。
【0304】
その後、組成物は、周知の方法によって、カプセルなどの投与形態へと調合することができる。1つの好ましい実施形態によれば、得られた組成物をソフトゼラチンカプセルまたはハードゼラチンカプセルへとパッケージングする(例えば、Size 0 Licap Capsugel Hard Gelatin capsules)。他の適した方法は、米国特許第6,605,298号、6,458,383, 6,261,601号、5,714,477号、および3,510,561号; 米国特許出願公開第 2003/0077303号および2001/0024658号; ならびに WO 88/10117に開示されている。これらを参照により本明細書に組み込む。
【実施例】
【0305】
以下の実施例は非限定的に説明される。別段の指定のない限りすべての部は重量表示である。
【0306】
以下に挙げる化合物のためのプロトン核磁気共鳴(1H NMR)分析は、300MHz
Bruker(登録商標)分光計(Braker-Physik AG、Silberstreifen、GERMANY)または400MHz JEOL分光計(JEOL USA,Inc.、Peabody、MA)によって、別段の指定のない限り、溶媒としてジメチルスルホキシド(DMSO-d6)を用いて実施した。
【0307】
液体クロマトグラフ/質量分析計(LC-MS)分析は、以下のパラメータを有するAgilent Technologies,LC/MSD1100(単一四極子(single quad))を用いて実施した。
移動相A:50:950:5アセトニトリル:水:酢酸(容積/容積/容積)
移動相B:950:50:5アセトニトリル:水:酢酸(容積/容積/容積)
グラジエント溶出:4分間リニアグラジエント0〜100%のB
;注入当たりの合計時間は11分間
注入容積:5uL
カラム:ZORBAX Rapid Resolution Cartrige、SB-C18、2.1x30mm、3.5um
粒子サイズ、カタログ#873700-902
カラム温度:40℃
244nmでUV検出
MSDパラメータ:
電源:
API-ES、正極性
スキャンパラメータ:
質量範囲:125.00〜600.00
フラグメンター:60V
ゲイン:1.0EMV
閾値:150
スプレーチャンバー:
ガス温度350℃
乾燥用ガス:12.0 l/分
噴霧圧力(Neb.Pressure);40psig
VCap 4000V正/負
【0308】
(実施例1:化合物1〜22の調製)
化合物1〜22は、米国特許第6,384,278号に従って調製した。その全体を参照により本明細書に組み込む。
【0309】
適切なN-置換アニリンを、適切なジカルボン酸モノエステルと混合し、キシレン中でホウ酸触媒の存在下で加熱した。中間体カルボアミドを加水分解して、最終生成物を得た。
【0310】
(実施例2:化合物23〜34および59の調製)
乾燥させた200mlの三口丸底フラスコに、テフロン(登録商標)コーティングした磁気攪拌子と、窒素注入口を装着した還流冷却器を上部に有する真空ジャケット付きDean-Starkトラップとを備え付けた。反応容器を、N-イソプロピル-N-フェニルアミン(8.11g、60mmol)、ホウ酸(0.93g、15mmol)、およびキシレン(88ml)を充填した。攪拌させた反応混合物に、7-エトキシ-7-オキソヘプタン酸(11.29g、60mmol)を一度に加えた。加熱マントルを使用して還流させるために、反応を加熱した。共沸用の水が分離し始め、Dean-Starkトラップに回収された。16時間の還流後、水を回収し、反応を周囲温度まで冷却させた。反応混合物を酢酸エチル(100ml)で希釈し、2NのHCl溶液(50ml)を用いて洗浄し、その後、重炭酸ナトリウムの飽和溶液(60ml)で洗浄した。大部分の有機溶媒を真空下で除去した。残渣に、2Nの水酸化ナトリウム水溶液(60ml)を加えた。混合物を60℃で4時間加熱した。室温に冷却して、混合物を60mlの酢酸エチルで洗浄した。有機相から注意深く分離後、水相をエバポレーションに供し、残った酢酸エチルを除去した。水相に氷を加え、その後、HCl溶液(2N、60ml)を加え、固体の白い沈殿物が得られた。沈殿物が得られるまで、攪拌を更に30分間続けた。回収した白い固体を水およびヘキサンで連続して洗浄し、室温で12時間真空下で処理し、7.49g(45%)の7-[イソプロピル(フェニル)アミノ]-7-オキソヘプタン酸を、白い固体として得た。HPLC:4.38分にシングルピーク。融点:62-63℃. 1H NMR(DMSO-d6) δ: 0.95-0.97 (d, 6H), 1.08-1.10 (m, 2H), 1,34-1.40 (m, 4H), 1.76-1.79 (m, 2H), 2,09-2.13 (m, 2H), 4.81-4.85 (m, 1H), 7.18-7.20 (m, 2H), 7.44-7.46 (m, 3H)。質量分析 (M+1) : 278。C16H23NO3計算値: C, 69.29; H, 8.36; N5.05。実測値: C, 69.06; H, 8.45; N, 4.99。
【0311】
化合物24〜34および59は、同じ手法を使用して、適切な開始物質から調製した。
【0312】
<化合物24>
HPLC:4.43分にシングルピーク。質量分析(M+1): 264。1H NMR(400 MHz, DMSO-d6) δ: 0.95(d, 6H), 1.30(m, 2H), 1.40 (m, 2H), 1.80(m, 2H), 2.00(m, 2H), 4.80(m, 1H), 7.15(m, 2H), 7.40(m, 3H)。13C NMR(100MHz , DMSO-d6 ) δ: 21.0, 24.0, 24.5, 33.0, 34.0, 45.0, 128.0, 129.0, 130.0, 138.5, 170.5, 174.0。
【0313】
<化合物25>
HPLC:4.62分にシングルピーク。質量分析(M+1):264。1H NMR(400 MHz, DMSO-d6) δ: 0.78 (d, 3H), 0.94-0.95(d, 6H), 1.70-1.72(m, 1H), 1.80-1.92(m, 2H), 2.08-2.15(m, 1H), 2.20-2.30(m, 1H), 4.75-4.90(m, 1H), 7.10-7.20(m, 2H), 7.35-7.50(m, 3H)。13C NMR(100MHz, DMSO-d6 ) δ: 19.5, 21.0, 27.0, 40.5, 41.0, 45.0, 128.0, 129.0, 130.5, 138.5, 170.0, 174.0。
【0314】
<化合物26>
HPLC:4.19分にシングルピーク。質量分析(M+1): 250。1H NMR(400 MHz, DMSO-d6) δ: 0.65(d, 3H), 0.84-0.86(t, 3H), 1.80-1.90(m, 3H), 2.01-2.12(m, 2H), 3.49-3.53(q, 2H), 7.09-7.11(d, 2H), 7.20-7.25(m, 1H), 7.30-7.32(m, 2H)。13C NMR(100MHz, DMSO-d6 ) δ: 9.18, 15.87, 17.30, 23.35, 39.50, 123.98,124.72, 125.92, 138.39, 166.17, 168.27, 169.80。
【0315】
<化合物27>
HPLC:3.92分にシングルピーク。質量分析(M+1):250。1H NMR(400 MHz, DMSO-d6) δ: 1.13(m, 2H), 1.37-1.46(m, 4H), 1.99(m, 2H), 2.10-2.15(t, 2H), 3.15(s, 3H), 7.29-7.37(m, 3H), 7.42-7.47(m, 2H)。
【0316】
<化合物28>
HPLC:3.72分にシングルピーク。質量分析(M+1): 236。1H NMR(400 MHz, DMSO-d6) δ: 0.79-0.81 (d, 3H), 1.93-2.02(m, 3H), 2.16-2.30(m, 2H), 3.15(s, 3H), 7.27-7.37(m, 3H), 7.43-7.48(m, 2H)。
【0317】
<化合物29>
HPLC:3.88分にシングルピーク。質量分析(M+1): 242。1H NMR(400 MHz, DMSO-d6) δ: 2.21(m, 2H), 2.49(m, 2H), 3.13(s, 3H), 7.37(m, 2H), 7.58(m, 2H), 12.10 (br., 1H)。13C NMR(100MHz, DMSO-d6) δ: 28.81, 29.0, 36.5, 129.32, 129.58, 132.0, 142.66, 170.58, 173.63。
【0318】
<化合物30>
HPLC:4.82分にシングルピーク。質量分析(M+1): 278。1H NMR(400 MHz, DMSO-d6) δ: 1.02(m, 4H), 1.32(m, 4H), 1.86(m, 2H), 2.05(m, 2H), 2.21(s, 3H), 3.00(s, 3H), 7.00(m, 2H), 7.12(m, 2H), 11.85(br., 1H)。
【0319】
<化合物31>
HPLC:4.44分にシングルピーク。質量分析(M+1): 294。1H NMR(400 MHz, DMSO-d6) δ: 1.10(m, 4H), 1.39(m, 4H), 1.93(m, 2H), 2.11(m, 2H), 3.07(s. 3H), 3.75(s 3H), 6.96(m, 2H), 7.20(m, 2H), 11.93(br., 1H)。
【0320】
<化合物32>
HPLC:4.81分にシングルピーク。質量分析(M+1): 278。1H NMR(400 MHz, DMSO-d6) δ: 0.97(t, 3H), 1.10(m, 4H), 1.39(m, 4H), 1.90(m, 2H), 2.13(m, 2H), 3.58-3.63(q, 2H), 7.09-7.24(d, 2H), 7.34(m, 1H), 7.41-7.45(m, 2H)。
【0321】
<化合物33>
HPLC:5.48分にシングルピーク。質量分析(M+1): 312。1H NMR(400 MHz, DMSO-d6) δ: 0.96(t, 3H), 1.10(m, 4H), 1.40(m, 4H), 1.91(m, 2H), 2.12(m, 2H), 3.60(q, 2H), 7.27(d, 2H), 7.46(m, 2H), 11.93(br., 1H)。
【0322】
<化合物34>
HPLC:4.52分にシングルピーク。質量分析(M+1): 282。1H NMR(400 MHz, DMSO-d6) δ: 1.09(m, 4H), 1.39(m, 4H), 1.93(m, 2H), 2.10-2.14(m, 2H), 3.09(s. 3H), 3.75(s 3H), 7.19(m, 2H), 7.30(m, 2H), 11.91(br., 1H)。
【0323】
<化合物59>
HPLC:4.71分にシングルピーク。質量分析(M+1): 284。1H NMR(400 MHz, DMSO-d6) δ: 0.90(t, 3H), 1.35-1.37(m, 4H), 1.87(t, 2H), 2.04(t, 2H), 3.52-3.57(q, 2H), 7.25(m, 2H), 7.43(m, 2H), 11.94 (s, 1H)。
【0324】
(実施例3:化合物111〜139の調製)
<化合物111>4-オキソ-4-フェニル-酪酸:
10g(56mmol)の3-ベンゾイルプロピオン酸(Sigma-Aldrich Co., St. Louis, MOにより購入可能)を、10mlの水に加えた。混合物を攪拌し、28mlの2N 水酸化ナトリウム(水溶液)を加えた。得られた溶液を2時間攪拌し、溶液を凍結乾燥後、固体の生成物を回収した。1H NMR(d6-DMSO): δ 7.9, d, 2H, (アリールH); δ 7.6, t, 1H, (アリールH); δ 7.5, t, 2H, (アリールH); δ 3.1, t, 2H (カルボニルのα位のCH2); δ 2.2, t, 2H (COOHのα位のCH2); COOHのピークは、サンプル中に水が存在するために観察されなかった。
【0325】
<化合物113>10-(4-ヒドロキシ-フェニル)-10-オキソ-デカン酸:
還流冷却器を装備し、不活性雰囲気下の500mlのフラスコに、デカン二酸(20g、296mmol)および無水酢酸(280ml、2.96mol)を加えた。混合物を5時間加熱して還流した。酢酸および過剰な無水酢酸を、減圧下で除去した。生成物を、更なる精製を行うことなく使用した。
【0326】
機械的攪拌子を装備し、不活性雰囲気下の500mlのフラスコに、オキサシクロウンデカン-2,11-ジオン(20g、108.5mmol)、フェノール(10.22g、108.5mmol)、および200mlの二硫化炭素を加えた。三塩化アルミニウム(III)(72.34g、542mmol)を加え、反応物を72時間攪拌した。二硫化炭素をデカンテーションして除去し、大部分の混合物が溶解するまで、氷を注意深く添加した。不溶性物質を、吸引ろ過によって回収し、2×100mlの水で洗浄した。その後、固体を、100mlの1M水酸化ナトリウム水溶液に溶かし、pH=7.5になるまで1M塩酸溶液で注意深く酸性化した。形成した固体をろ過によって除去し、元の溶液を、pH2.5になるまで酸性化を続けた。粗生成沈殿物をろ過によって回収し、1×100mlの水で洗浄した。粗生成物を100mlの1M水酸化ナトリウム水溶液で溶かして、その後、pH=7.5になるまで1M塩酸溶液で注意深く酸性化し、沈殿した不純物をろ過によって除去した。母液を更にpH2まで酸性化した。粗生成物をろ過によって回収し、2×50mlの水で洗浄した。生成物を、アセトンを用いて再結晶した。単離した生成物(1.2g、4%)をろ過によって回収した。実測値: C 69.00, H 7.81 %; C16H22O4 計算値C: 69.04, H: 7.97 %。1H NMR (d6-DMSO): δ 12.0, bs, 1H (COOH); δ 10.3, bs, 1H (アリール-ヒドロキシル); δ 7.8 d, 2H (アリールH); δ 6.8, d, 2H (アリールH); δ 2.9, t, 2H (カルボニルのα位のCH2); δ 2.2, t, 2H (COOHのα位のCH2); δ 1.5, マルチプレット, 4H (カルボニルのβ位のCH2およびCOOHのβ位のCH2), δ 1.3, マルチプレット, 8H (残りのCH2)。
【0327】
<化合物114>10-(2-ヒドロキシ-フェニル)-10-オキソ-デカン酸:
100mlのフラスコに、塩化メチレン(50ml)、9-ブロモノナノール(7.63g、34.2mmol)および塩化トリメチルシリル(4.5ml、35.5mmol)を加え、20分間窒素下で攪拌させた。その後、トリエチルアミン(5.0ml、35.9mmol)を加え、得られた反応混合物を2時間室温で攪拌した。その後、反応混合物を80mlのヘキサンえ希釈し、ろ過した後に、減圧下で濃縮した。得られた残渣を、再度80mlのヘキサンで希釈し、ろ過した後に、減圧下で濃縮し、9.7g(96%)の黄色の液体が得られた。この液体を更なる精製無しに使用した。
【0328】
5.69g(19.3mmol)の(9-ブロモ-ノニルオキシ)-トリメチル-シランを、不活性雰囲気下で、金属マグネシウム(0.59g、24.3mmol)を含む50mlのフラスコに一滴ずつ加え、20mlのテトラヒドロフランおよび少量のヨウ素を、グリニャール反応を開始するために使用した。不活性雰囲気下の100mlのフラスコ内で、20mlのテトラヒドロフランに溶かしたサリチルアルデヒド(2.1ml、19.7mmol)の溶液を、アイスバスを使用して冷却した。その後、冷却したアルデヒド溶液を、1.0M リチウム ビス(トリメチルシリル)アミド(20.0ml、20mmol)で処理した。1時間攪拌後、グリニャール反応物をアイスバスで冷却した。その後、冷却したグリニャール反応物を、5分間にわたって、常に攪拌しながら一滴ずつ、管を介してアルデヒド溶液へと添加した。得られた反応混合物を、室温へと加温し、一晩攪拌し続けた。反応物を40mlの酢酸エチルへと注ぎ込み、15mlの飽和重炭酸ナトリウム水溶液を使用してクエンチした。有機相を分離し、2×25mlの4%塩酸溶液を使用して洗浄し、その後、1×20mlのブラインで洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、ろ過し、減圧下で溶媒を除去した。残ったサリチルアルデヒドを、クーゲルコール蒸留によって除去し、得られた残渣を、更なる精製無しに使用した。
【0329】
100mlのフラスコに、1-(2-ヒドロキシ-フェニル)-ウンデカン-1,11-ジオール(5.0g、18.9mmol)および50mlのジメチルホルムアミドを加えた。これに、ニクロム酸ピリジニウム(32.9g、87.5mmol)を添加した。(添加により、穏やかに発熱した。)反応混合物を、室温で一晩攪拌した。反応混合物を、50mlの酢酸エチルへと注ぎ込み、200mlの水、30mlの4%塩酸溶液、30mlの水、そして最後に30mlのブラインで洗浄した。その後、有機相を、10gのシリカゲルと共に15分間攪拌し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、ろ過し、減圧下で溶媒を取り除いた。灰色がかった白い粗生成物を、エタノール/水を用いて再結晶させた。生成物(0.5g、10%)を、灰色がかった白色の固体として単離した(融点85〜87℃)。燃焼分析:実測値: C 69.01, H 8.36 %; C16H22O4 計算値 C: 69.54, H: 8.02 %。1H NMR(d6-DMSO): δ 12.0, s, 1H (COOH); δ 7.9, dd, 1H (アリールH); δ 7.5, dt, 1H, (アリールH); δ 6.9, 複雑なマルチプレット, 2H (アリール H), 3.1, t, 2H (カルボニルのα位のCH2); δ 2.2, t, 2H (COOHのα位のCH2); δ 1.6, マルチプレット, 2H (カルボニルのβ位のCH2), δ 1.5, マルチプレット, 2H (COOHのβ位のCH2), δ 1.3, マルチプレット, 8H (残りのCH2)。
【0330】
<化合物115>4-(4-メトキシ-フェニル)-4-オキソ-酪酸
磁気攪拌子を装備し、不活性雰囲気下(窒素ガス)の500mlの丸底フラスコに、5.25ml(48.3mmol)のアニソール、4.83g(48.3mmol)の無水コハク酸、125mlの1,1,2,2-テトラクロロエタンおよび125mlのニトロベンゼンを加えた。反応容器をアイスバスで冷却し、30分間攪拌した。三塩化アルミニウム(14.2g、106.4mmol)を、薄い黄色の溶液に添加したところ、濃い赤茶色に変化した。アイスバスを取り除き、反応物を室温で36時間攪拌させた。反応物を、再度アイスバスを使用して冷却した。氷で満たした100mlのビーカーへと1N 塩素溶液を注ぎ込むよって、酸性溶液を調製した。この溶液を、反応混合物に、最初は一滴ずつ、白い沈殿が生じて反応混合物が透明になるまで注意深く加えた。その後、10mlを、反応性を試験するために注意深く添加し、その後、残った氷/酸混合物を加えた。次の100mlの氷/酸混合物を加え、アイスバスを取り除き、青白いエマルジョンを2時間攪拌した。吸引ろ過により、白い沈殿物をエマルジョンから回収した。この固体を、300mlの0.3M水酸化ナトリウムに溶かし、100mlの酢酸エチルで洗浄し、1M塩酸を用いて〜pH1へと酸性化した。真空ろ過により回収した白い沈殿物を、3×100mlの脱イオン水で洗浄し、乾燥させた。生成物(4.7g、47%)を、白い固体として単離した(融点149〜150℃)。燃焼分析:実測値: C 63.52, H 5.78%; C11H12O4 計算値 C: 63.45, H: 5.81 %。 1H NMR (d6-DMSO): δ 12.2, s, 1H (COOH); δ 7.9 d, 2H (アリールH); δ 7.0, d, 2H, (アリールH); δ 3.8, s, 3H (OMe H); δ 3.2, t, 2H (カルボニルのα位のCH2); δ 2.5, t, 2H (COOHのα位のCH2)。
【0331】
<化合物116>5-(4-メトキシ-フェニル)-5-オキソ-ペンタン酸
化合物116は、無水コハク酸の代わりに無水グルタル酸を使用した以外は、化合物115と同じように調製した(融点141〜142℃)。実測値 : C 64.65, H 6.34%; C12H14O4 計算値 C: 64.85, H: 6.35 %。1H NMR (d6-DMSO): δ 12.2, s, 1H (COOH); δ 7.9 d, 2H (アリールH); δ 7.0, d, 2H, (アリールH); δ 3.8, s, 3H (OMe H); δ 3.0, t, 2H (カルボニルのα位のCH2); δ 2.3, t, 2H (COOHのα位のCH2) ); δ 1.8 quintuplet, 2H (他の2つの間のCH2)。
【0332】
<化合物117>
化合物117は、Aldrich(St. Louis, MO)、カタログナンバー514683から購入した。
【0333】
<化合物118>
化合物118は、Aldrich(St. Louis, MO)、カタログナンバーB12687から購入した。
【0334】
<化合物119>
化合物119は、Aldrich(St. Louis, MO)、カタログナンバーS346810から購入した。
【0335】
<化合物120>
化合物120は、Reike、Aldrich(St. Louis, MO)、カタログナンバー7013Dから購入した。
【0336】
<化合物121>
化合物121は、Reike、Aldrich(St. Louis, MO)、カタログナンバー7148Cから購入した。
【0337】
<化合物121>5-(4-イソプロピル-フェニル)-5-オキソ-ペンタン酸ナトリウム
5-(4-イソプロピル-フェニル)-5-オキソ-ペンタン酸(5g、21.3mmol)を、250mlのフラスコ内で、75mlのエタノールに溶かした。水酸化ナトリウム(0.85g、21.3mmol)を加え、反応混合物を、回転型エバポレーターを使用して、減圧下で一晩攪拌した。固体を真空下で乾燥させ、更なる精製は行わなかった。実測値: C 60.24, H 6.66, Na 9.21 %; C14H17O3Na 計算値 C: 61.28, H: 6.98, Na 8.38 %。
1H NMR (D2O): δ 7.7, d, 2H (アリールH); δ 7.2 d, 2H (アリールH); δ 2.9, t, 2H (カルボニルのα位のCH2); δ 2.8, マルチプレット, 1H, (イソプロピル基のCH); δ 2.1, t, 2H (COOHのα位のCH2); δ 1.8, q, 2H (カルボニルおよびCOOHのβ位のCH2), δ 1.1, d, 6H (イソプロピル基のCH3)。
【0338】
<化合物122>
化合物122は、Aldrich(St. Louis, MO)、カタログナンバーB13802から購入した。
【0339】
<化合物123>
化合物123は、Reike、Aldrich(St. Louis, MO)、カタログナンバー7060Bから購入した。
【0340】
<化合物124>
化合物124は、Fisher-Scientific(Hampton, NH)、Acros、カタログナンバー17.522.62から購入した。
【0341】
<化合物125>
化合物125は、Reike、Aldrich(St. Louis, MO)、カタログナンバー7011Dから購入した。
【0342】
<化合物126>
化合物126は、Reike、Aldrich(St. Louis, MO)、カタログナンバー7036Bから購入した。
【0343】
<化合物128>
化合物128は、Reike、Aldrich(St. Louis, MO)、カタログナンバー7012Dから購入した。
【0344】
<化合物129>
化合物129は、Reike、Aldrich(St. Louis, MO)、カタログナンバー7012Bから購入した。
【0345】
<化合物130>
化合物130は、Reike、Aldrich(St. Louis, MO)、カタログナンバー7055Bから購入した。
【0346】
<化合物132>
化合物132は、Reike、Aldrich(St. Louis, MO)、カタログナンバー7005bから購入した。
【0347】
<化合物133>
化合物133は、Reike、Aldrich(St. Louis, MO)、カタログナンバー7036Fから購入した。
【0348】
<化合物134>
化合物134は、Reike、Aldrich(St. Louis, MO)、カタログナンバー7144Dから購入した。
【0349】
<化合物136>
化合物136は、Reike、Aldrich(St. Louis, MO)、カタログナンバー7144Bから購入した。
【0350】
<化合物138>
化合物138は、Reike、Aldrich(St. Louis, MO)、カタログナンバー7036Dから購入した。
【0351】
<化合物139>10-(2,5-ジヒドロキシ-フェニル)-10-オキソ-デカン酸
還流冷却器を装備し、不活性雰囲気下の500mlのフラスコに、デカン二酸(20g、296mmol)および無水酢酸(280ml、2.96mol)を加えた。混合物を5時間加熱して還流した。酢酸および過剰な無水酢酸を、減圧下で除去した。生成物を、更なる精製を行うことなく使用した。
【0352】
機械的攪拌子を装備し、不活性雰囲気下の500mlのフラスコに、予め調製したオキサシクロウンデカン-2,11-ジオン(37.95g、206mmol)、1,4-ジアセトキシ-ベンゼン(20g、103mmol)、および200mlの二硫化炭素を加えた。三塩化アルミニウム(III)(68.7g、515mmol)を加え、反応物を72時間攪拌した。二硫化炭素をデカンテーションして除去し、大部分の混合物が溶解するまで、氷を注意深く添加した。不溶性物質を、吸引ろ過によって回収し、2×100mlの水で洗浄した。その後、固体を、50mlの1M塩酸水溶液に溶かして、1時間攪拌した。溶液を、pH=2まで1M塩酸溶液で酸性化した。粗生成物をろ過によって回収し、アセトニトリル(50ml)および塩化メチレン(15ml)に再度溶かし、一週間にわたってゆっくりと沈殿させる。得られた褐色の粉末をろ過によって回収し、10:3の酢酸:水を使用して再結晶させた。生成物(0.8g、3%)をろ過によって単離した。実測値: C 65.55, H 7.69 %; C16H22O5計算値 C: 65.29, H: 7.53 %。1H NMR(d6-DMSO): δ 12.0, s, 1H (COOH); δ 11.4, s, 1H (アリール-ヒドロキシル); δ 9.2, s, 1H (アリール-ヒドロキシル); δ 7.2 d, 1H (アリール H); δ 7.0, dd, 1H, (アリール H); δ 6.8, d, 1H (アリール H), 3.0, t, 2H (カルボニルのα位のCH2); δ 2.2, t, 2H (COOHのα位のCH2); δ 1.6, マルチプレット, 2H (カルボニルのβ位のCH2), δ 1.5, マルチプレット, 2H (COOHのβ位のCH2), δ 1.3, マルチプレット, 8H (残りのCH2)。
【0353】
(実施例4:化合物140〜151)
一般的に、これらの化合物は、4つの工程で調製した。第一に、適切な置換サリチル酸および3-アミノ酪酸エチルエステルを、二塩化エチレン(EDC)/ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)/ジクロロメタン(DCM)と混合した。第二に、塩基イオン交換樹脂A-15/A-21(Rohm and Haas, Philadelphia, PAから購入可能)を加えた。第三に、部分的にワークアップしてから、生成物を、ポタシウム トリメチルシラノレート(KOTMS)/テトラヒドロフラン(THF)を用いて反応させた。第四に、IRC-50樹脂(Rhohm & Haas, Philadelphia, PA)を加えた。
【0354】
それぞれのシンチレーションバイアルに、サリチル酸(4.57mmol)、DCM(10ml)、EDC(1.05g、5.48mmol)、HOBt(838mg、5.48mmol)、DMF(2ml)、および3-アミノ酪酸エチル(600mg、4.57mmol)を加えた。全てのバイアルをしっかり蓋し、J-Kem reaction block(J-Kem Scientific Inc., St Lois, MO)に置き、一晩振盪して加熱した(150rpm、35℃)。TLCに基づけば、全ての反応物は1つの濃いスポットを有していた。それぞれのバイアルに、Amberlyst-21およびAmberlyst-15樹脂(約2.5g、11mmol)に加え、周囲温度で一晩振盪を続けた。反応物をろ過し、樹脂をDCMで洗浄し(2×5ml)、それぞれの反応物を合わせたろ液を、新しいシンチレーションバイアルに回収した。ろ液を、約2mlになるまで、窒素を吹きかけてとばした。
【0355】
それぞれのバイアルに、THF中の1.2Mポタシウム トリメチルシラノレート(KOTMS) (10ml、12mmol)を加えた。振盪可能なスラリーを得る必要がある幾つかの反応物に、より多量のTHFを加えた。全てのバイアルをしっかり蓋し、J-Kem reaction block(J-Kem Scientific Inc., St Lois, MO)に置き、振盪して加熱した(150rpm、35℃、6時間)。reaction blockを冷却し、IRC-50樹脂(3g、30mmol)をそれぞれのバイアルに加え、カリウム塩でクエンチした。樹脂を懸濁し振盪を容易にするために必要に応じて、DCMを添加した。反応物を一晩振盪した。反応物をろ過し、固体を溶解するのにDMFでの洗浄が必要である場合は樹脂をDCM(2×5ml)で洗浄し、それぞれの反応物を合わせたろ液を、風袋を量った新しいシンチレーションバイアルに回収した。この時点で、少量のろ液を取り、LC-MSのために、1:1のACN/H2Oで希釈した。ろ液に窒素を吹きかけてとばした。残ったDMFを除去するために、バイアルを50℃の真空オーブンに静置させた。
【0356】
LC-MS分析に基づくと、幾つかの反応混合物は、かなりの量のエステルが残っていた。これらは、KOTMSで再処理した。それぞれのバイアルに、THF中の1.2M KOTMS溶液(8ml、9.6mmol)を加えた。全てのバイアルをしっかり蓋し、Pierce reaction blockに置き、攪拌して加熱した(60℃、5時間)。reaction blockを冷却し、IRC-50樹脂(2g、20mmol)をそれぞれのバイアルに加え、カリウム塩でクエンチした。樹脂を懸濁し攪拌を容易にするために必要に応じて、DCMを添加した。反応物を週末にかけて攪拌した。反応物をシリカを介してろ過し、樹脂およびシリカをDCM(1×5ml)で洗浄し、その後、2:5のMeOH/DCM(3×7ml)で洗浄し、それぞれの反応物を合わせたろ液を、風袋を量った新しいシンチレーションバイアルに回収した。この時点で、少量のろ液を取り、LC-MSのために、1:1のACN/H2Oで希釈した。ろ液は、窒素を吹きかけてとばした。
【0357】
第一のKOTMS処理から得られた全ての他の反応混合物を、10:1のDCM/MeOHに取り出し、シリカを介してろ過し、より多量の10:1のDCM/MeOHを用いて溶出した。この時点で、少量のろ液を取り、LC-MSのために、1:1のACN/H2Oで希釈した。ろ液は、窒素を吹きかけてとばした。
【0358】
<化合物140〜151の代替的調製>
【0359】
【化40】

【0360】
1lの丸底フラスコに、3,5-ジイソプロピルサリチル酸(25.0g、112.5mmol)、HOBt(20.6g、135.0mmol)、3-アミノ酪酸エチル(18.0g、123.7mmol)およびジオキサン(400ml)を加えた。得られた混合物を周囲温度で攪拌した。EDC(25.9g、135.0mmol)を一部ずつ加え、一晩攪拌し続けた。この時点での反応混合物のHPLCでは、HOBt、恐らくは開始物質である少量のサリチル酸、そして1つの多量の新たな生成物が示された。更なるEDC(5g、26.0mmol)を添加し、一晩攪拌し続けた。更なるHPLCでは、原則的には変化は見られなかった。反応物を、水(400ml)を用いてクエンチし、回転型エバポレーターによってジオキサンを取り除いた。得られた油/水混合物を、1lの分液ろうとに注ぎ込み、DCM(400ml)を加えた。多くの白い固体が形成した。相の分離を試みて、EtOAcを加えたが、成功しなかった。分液ろうとから出し、回転型エバポレーターにより有機相を取り除いた。水/油混合物を、EtOAc(500ml、その後で200ml)を用いて抽出した。合わせたEtOAc相を、HCl溶液(10%、2×200ml)、NaOH溶液(10%、2×200ml)およびブライン(50ml、その後で200ml)を用いて洗浄した。有機相を、Na2SO4を用いて乾燥させ、回転型エバポレーターで除去し、少量の白い固体を含む褐色の油を得た。HPLC分析により、白い固体はHOBtであり、褐色の油が望む生成物であることが示された。できるだけ白い固体が入らないように、褐色の油をフラスコからピペットを用いて取り出した。褐色の油を、EtOAc(500ml)へと取り、NaOH(10%、2×200ml)で洗浄し、Na2SO4を用いて乾燥させた。EtOAcを、回転型エバポレーターを使用して取り除き、褐色の油を得た。この時点でのHPLCにより、1つの大きなピークを有すること、および、HOBtが存在しないことが示された。
【0361】
粘着性の油を、THF(200ml)に溶かし、KOTMS(31.7g、247.4mmol)を加えた。得られた粘性の混合物を、一晩攪拌した。HPLCにより、反応が完全に終了し、1つピークが得られたことが示された。IRC-50樹脂(37g、370mmol、1.5当量)と、樹脂を懸濁するための100mlのDCMとを加え、その後、数時間攪拌した。ろ過し、樹脂をDCMで洗浄し(3×50ml)、回転型エバポレーターで濃縮して、褐色の油を得た。ACN/アセトンを用いた再結晶を行うことは成功しなかった。この時点での溶解性に基づいて、物質は大部分がカリウム塩であることが求まった。油をH2O/CANに取り、透明になるまで加熱し、温かい間にろ過し、周囲温度へと冷却した。ろ液をHCl水溶液で処理し、得られた固体沈殿物を単離し、粉末状へとすりつぶし、E1528:9.13gを得た。HPLC リテンションタイム6.7分 100%。KF 0.47。NMRは構造と一致した。元素分析 理論値C:66.11、H:8.21、N:4.54、測定値 C:65.62, H:8.19, N:4.46。
【0362】
【表3】

【0363】
(実施例5:化合物152〜160の入手)
<化合物152>
化合物152は、Transworld Chemical (South Melborne, AUSTRALIA)から購入した。
【0364】
<化合物153>
化合物153は、Lancaster (Windham, NH)から購入した。
【0365】
<化合物154>
化合物154は、Avocado (Heysham, Lancashire, ENGLAND)から購入した。
【0366】
<化合物155>
化合物155は、Aidrich (St. Louis, MO) 、カタログナンバー42919から購入した。
【0367】
<化合物156>
化合物156は、Sigma-Aldrich (St. Louis, MO)から購入した。
【0368】
<化合物157>
化合物157は、Sigma (St. Louis, MO)から購入した。
【0369】
<化合物158>
化合物158は、Matrix Scientific (Columbia, SC)から購入した。
【0370】
【表4】

【0371】
<化合物159>
水酸化カリウム(10.37g、184.8mmol)を、電動乳鉢を用いて粉末状へとすりつぶし、75mlのジメチルスルホキシドおよび2-ヒドロキシ-安息香酸メチルエステル(7.03g、46.2mmol)を含む250mlのフラスコへ加えた。この混合物に、臭化ベンジル(7.91g、46.2mmol)を加え、攪拌しながら4時間混合させた。水(100ml)を加え、反応物を更に30分間攪拌した。その後、反応物を、アイスバスを用いて0℃に冷却し、濃塩酸を用いてpH1へと酸性化した。混合物を、3×230mlの酢酸エチルを用いて抽出した。有機相を合わせて、減圧下で溶媒を除去した。得られた黄色の液体を、酢酸エチル(50ml)に溶かし、2×30mlの水を用いて洗浄し、その後に、2×30mlのブラインを用いて洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムにより乾燥させ、ろ過し、減圧下で溶媒を除去した。得られた黄色の液体を、数日間真空下で乾燥させ、白い結晶固体が形成した。固体の生成物を回収し、真空下で更に乾燥させた。生成物(8.04g、76%)を、白い結晶固体として単離した(融点:67〜70℃)。燃焼分析:実測値: C 73.08, H 5.37%; C14H12O3計算値 C 73.45, H 5.32 %。
【0372】
(実施例6:化合物160-167の調製)
化合物Fを、一般的な方法に従って調製した。この方法においては、2-ヒドロキシベンゾフェノンを、塩基の存在下でブロモアルキルエステルを用いてアルキル化し、その後に、ポタシウム トリメチルシラノレートを用いてエステル部分を切断した。
【0373】
<化合物160>6-(2-(2-ヒドロキシベンゾイル)フェノキシ)ヘキサン酸
磁気攪拌子および還流冷却器を装着した250mlの丸底フラスコに、10.32g(48.2mmol)の2,2’-ジヒドロキシベンゾフェノンおよび100mlのジメチルスルフォキシド(DMSO)を加えた。粉状へとすりつぶした水酸化カリウム(2.91g、51.9mmol)を、透明な溶液に加えた。大部分の固体が溶解するまで、反応混合物を45℃に加熱した。得られた赤いスラリーを、8.80ml(11.04g、49.5mmol)の6-ブロモヘキサン酸エチルを用いて処理した。20時間25℃で攪拌後、透明な反応混合物を、1%の塩酸溶液およびメチル t-ブチルエーテル(MTBE)を用いて希釈した。相が分離した。有機相を、水(2×50ml)およびブライン(1×40ml)を用いて洗浄し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、濃縮した。残渣を100mlのテトラヒドロフラン(THF)に溶かし、ポタシウム トリメチルシラノレート(15.09g、118mmol)を用いて処理した。有機相を20時間25℃で攪拌し、4%の塩酸水溶液で希釈してpH7.5とし、MTBEで洗浄した。有機相を、3%重炭酸ナトリウムを用いて抽出した。合わせた水相を、4%の塩酸水溶液を用いてpH2へと酸性化し、60mlのMTBEを用いて抽出した。この有機相をブライン(1×40ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、濃縮した。残渣を、80%ヘキサン/酢酸エチル(0.5%の酢酸を添加)を使用したフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。生成物(4.2g、27%)を、灰色がかった固体として単離した(融点:89〜91℃)。燃焼分析:実測値: C 69.50, H 6.04%; C19H20O5計算値 C: 69.50, H: 6.14 %。1H NMR (d6-DMSO): δ 12.0, bs, 1H (COOH); δ 11.5, bs, 1H (OH); δ 7.5, t, 2H, (アリール H); δ 7.4, dd, 1H (アリール H); δ 7.3, dd, 1H (アリール H); δ 7.15, d, 1H (アリール H); δ 7.1, t, 1H (アリール H); δ 7.0, d, 1H (アリール H); δ 6.9, t, 1H (アリール H);δ 3.9, t, 2H, (Oのα位のCH2); δ 2.05, t, 2H (COOHのα位のCH2); δ1.4, m, 4H (他の2つのCH2); δ1.0, p, 2H (鎖の中間に位置するCH2)。
【0374】
以下の化合物は、同じ方法により、適切な開始物質から調製した:化合物161、化合物162、化合物163、化合物164、化合物165、化合物166および化合物167。
【0375】
<化合物161>8-(2-(2-ヒドロキシベンゾイル)フェノキシ)オクタン酸ナトリウム
2,2’-ジヒドロキシベンゾフェノンおよび8-ブロモオクタン酸エチルから開始して、表記化合物を調製し、その後、以下のようにナトリウム塩へと変換した:遊離酸(3.56g、9.99mmol)を40mlのイソプロパノールに溶かし、水酸化ナトリウム(0.90g、22.5mmol)および水(3.7ml)によって調製した水酸化ナトリウム溶液(1.7ml)を用いて処理した。イソプロパノールおよびMTBEを加え、固体を沈殿させた。この混合物を加熱することにより、大部分の固体を溶解させた。残った固体を、ろ過によって取り除いた。ドライアイスによる冷却で形成された灰色がかった固体を、ろ過によって単離し、減圧下で乾燥させた。燃焼分析:実測値: C 65.02%, H 6.22%; C21H23O5Na計算値 C 66.00, H 6.65%。1H NMR (d6-DMSO): δ 12.6, bs, 1H (OH); δ 7.41, t, 1H, (アリール H); δ 7.31, t, 1H (アリール H); δ 7.27, dd, 1H (アリール H); δ 7.15, dd, 1H (アリール H); δ 7.03, d, 1H (アリール H); δ 6.97, t, 1H (アリール H); δ 6.91, d, 1H (アリール H); δ 6.65, t, 1H (アリール H); δ 3.83, t, 2H, (Oのα位のCH2); δ 1.82, t, 2H (COONあのα位のCH2); δ1.3, m, 4H (他の2つのCH2); δ1.0, m, 6H (鎖の中間に位置するCH2)。13C NMR (d6-DMSO): 198.59, 177.35, 161.35, 156.10, 134.56, 131.98, 131.78, 129.55, 128.57, 123.57, 120.18, 118.00, 117.09, 112.51, 67.74, 37.87, 28.83, 28.35, 28.27, 25.84, 24.87。
【0376】
<化合物162>5-(2-(2-ヒドロキシベンゾイル)-4-メトキシフェノキシ)吉草酸(主要な異性体のデータは報告されている)
LC-MS分析: m + 1 ピーク確認 (345)。1H NMR分析: (d6-DMSO): δ 12.4, bs, 1H (COOH); δ 11.9, bs, 1H (OH); δ 7.47, t, 1H, (アリール H); δ 7.26, dd, 1H (アリール H); δ 7.14, d, 1H (アリール H); δ 7.13, d, 1H (アリール H); δ 7.03, t, 1H (アリール H); δ 6.49, d, 1H (アリール); δ 6.42, dd, 1H (アリール H); δ 3.95, t, 2H, (Oのα位のCH2); δ 3.79, s, 3H, (CH3O); δ 2.07, t, 2H (COOHのα位のCH2); δ1.48, p, 2H (鎖中のCH2); δ1.34, p, 2H (鎖中のCH2)。13C NMR (d6-DMSO): 199.60, 174.18, 165.97, 163.34, 155.14, 135.14, 131.77, 128.29, 127.83, 120.46, 114.06, 112.69, 107.41, 100.70, 67.51, 55.76, 33.05, 27.80, 20.77。
【0377】
<化合物163>5-(2-(2-ヒドロキシベンゾイル)フェノキシ)吉草酸
LC-MS分析: m + 1ピーク確認 (315)。1H NMR 分析: (d6-DMSO): δ 11.9, bs, 1H (COOH); δ 11.5, bs, 1H (OH); δ 7.50, dt, 1H, (アリール H); δ 7.48, dt, 1H, (アリール H); δ 7.35, dd, 1H (アリール H); δ 7.25, dd, 1H (アリール H); δ 7.14, d, 1H (アリール H); δ 7.06, t, 1H (アリール H); δ 6.96, d, 1H (アリール H); δ 6.85, t, 1H (アリール H); δ 3.93, t, 2H, (Oのα位のCH2); δ 2.06, t, 2H (COOHのα位のCH2); δ1.42, p, 2H (鎖中のCH2); δ1.29, p, 2H (鎖中のCH2)。13C NMR (d6-DMSO): 200.59, 174.15, 160.43, 155.71, 135.94, 132.69, 132.22, 128.58, 128.02, 121.50, 120.46, 119.06, 117.30, 112.67, 67.50, 33.05, 27.75, 20.70。
【0378】
<化合物164>5-(2-(2-ヒドロキシ-5-メトキシベンゾイル)-4-メトキシフェノキシ)吉草酸
LC-MS分析: m + 1 ピーク確認 (375)。1H NMR分析: (d6-DMSO): δ 12.4, bs, 1H (COOH); δ 12.0, bs, 1H (OH); δ 7.25, d, 1H, (アリール H); δ 7.21, d, 1H, (アリール H); δ 6.66, d, 1H (アリール H); δ 6.62, dd, 1H (アリール H); δ 6.48, d, 1H (アリール H); δ 6.42, dd, 1H (アリール H); δ 3.96, t, 2H, (Oのα位のCH2); δ 3.81, s, 3H, (CH3O); δ 3.80, s, 3H, (CH3O); δ 2.08, t, 2H (COOHのα位のCH2); δ1.48, p, 2H (鎖中のCH2); δ1.34, p, 2H (鎖中のCH2)。13C NMR (d6-DMSO): 198.85, 174.20, 165.62, 164.14, 162.54, 157.11, 135.18, 130.22, 120.60, 114.44, 107.04, 105.51, 100.63, 99.24, 67.55, 55.69, 55.48, 33.06, 27.75, 20.77。
【0379】
<化合物166>4-(2-(2-ヒドロキシベンゾイル)フェノキシ)酪酸
LC-MS分析: m + 1 ピーク確認 (333)。1H NMR分析: (d6-DMSO): δ 12.0, bs, 1H (COOH); δ 7.46, m, 2H (アリール s); δ 7.33, dt, 1H (アリール H); δ 7.29, d, 1H (アリール H); δ 6.82, t, 1H (アリール H); δ 3.77, t, 2H, (Oのα位のCH2); δ 1.85, t, 2H (COOHのα位のCH2); δ1.35, p, 2H (鎖中の中間のCH2)。13C NMR (d6-DMSO): 200.47, 173.92, 160.40, 155.57, 135.97, 132.64, 132.27, 128.64, 128.00, 121.52, 120.56, 119.10, 117.34, 112.62, 66.99, 29.55, 23.92。
【0380】
<化合物167>4-(2-クロロベンゾイル-4-メチルフェノキシ)酪酸
LC-MS分析: m + 1 ピーク確認 (333)。1H NMR分析: (d6-DMSO): δ 12.4, bs, 1H (COOH); δ 12.0, bs, 1H (OH); δ 7.23, d, 1H (アリール Oのオルト位のH); δ 3.74, t, 2H, (Oのα位のCH2); δ 2.25, s, 3H (CH3); δ 1.84, t, 2H (COOHのα位のCH2); δ1.33, p, 2H (鎖中の中間のCH2)。13C NMR (d6-DMSO): 198.76, 173.97, 165.63, 164.10, 162.58, 156.99, 135.11, 130.29, 120.55, 114.45, 107.14, 105.67, 100.67, 99.16, 67.03, 55.69, 55.50, 29.56, 23.85。
【0381】
(化合物168〜173の調製例)
<化合物168>4-(2-ベンゾイル-5-メトキシフェノキシ)酪酸
磁気攪拌子を装備した100mlのミニ-ブロックチューブに、4.56g(20.0mmol)の2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2.70ml(3.68g、189.9mmol)の4-ブロモ酪酸エチルおよび40mlのジメチルホルムアミド(DMF)を加えた。炭酸カリウム(2.96g、21.4mmol)を、透明な溶液に加えた。反応混合物を80℃に加熱した。20時間25℃で攪拌後、透明な反応混合物を水で希釈した。得られた固体をろ過によって単離した。固体を、30mlのテトラヒドロフラン(THF)に溶かし、3.10g(24.0mmol)のポタシウム トリメチルシラノレートで処理した。橙色の溶液を、20時間25℃で攪拌し、4%の塩酸水溶液でpH7.5へと希釈し、MTBEで洗浄した。有機相を、3%重炭酸ナトリウム水溶液で抽出した。合わせた水相を、4%の塩酸水溶液でpH2へと酸性化し、60mlのMTBEを用いて抽出した。この有機相を、ブライン(1×40ml)を用いて洗浄し、硫酸アントリウムで乾燥させ、濃縮した。得られた固体を、MTBE/ヘキサンを使用した粉末化によって精製した。より多くの生成物を、母液から単離した。LC-MS分析: m + 1 ピーク確認 (315)。1H NMR分析: (d6-DMSO): δ 12.0, bs, 1H (COOH); δ 7.6, d, 2H, (フェニルのCOのオルト位のH); δ 7.56, t, 1H (フェニルのCOのパラ位のH); δ 7.44, t, 2H (フェニルのCOのメタ位のH); δ 7.35, d, 1H (アリールのCOのオルト位のH); δ 6.64, m, 2H (アリールのCOのメタ位のH); δ 3.88, t, 2H, (Oのα位のCH2); δ 3.82, s, 3H, (CH3O); δ 1.84, t, 2H (COOHのα位のCH2); δ1.53, p, 2H (鎖中の中間のCH2)。13C NMR (d6-DMSO): 195.08, 173.91, 163.17, 158.33, 138.84, 132.37, 131.37, 128.67, 128.24, 120.87, 105.87, 99.02, 66.89, 55.53, 29.45, 23.79。
【0382】
他の送達剤は、同じ方法で調製した:化合物169、化合物170、化合物171、化合物172および化合物173。
【0383】
<化合物169>4-(2-ベンゾイル-4-クロロフェノキシ)酪酸
LC-MS分析: m + 1 ピーク確認 (319)。1H NMR分析: (d6-DMSO): δ 11.9, bs, 1H (COOH); δ 7.64, d, 2H, (フェニルのCOのオルト位のH); δ 7.59, t, 1H (フェニルのCOのパラ位のH); δ 7.51, dd, 1H (アリールのCOのパラ位のH); δ 7.45, t, 2H (フェニルのCOのメタ位のH); δ 7.36, d, 1H (アリールのCOのオルト位のH); δ 7.14, d, 1H (アリールのCOのメタ位のH); δ 3.87, t, 2H, (Oのα位のCH2); δ 1.84, t, 2H (COOHのα位のCH2); δ1.53, p, 2H (鎖中の中間のCH2)。3C NMR (d6-DMSO): 194.37, 173.82, 154.74, 136.96, 133.42, 131.56, 130.05, 128.97, 128.62, 128.29, 124.48, 114.61, 67.38, 29.37, 23.79。
【0384】
<化合物170>4-(2-ベンゾイル-4-ブロモフェノキシ)酪酸
LC-MS分析: m + 1 ピーク確認 (363)。1H NMR Analysis: (d6-DMSO): δ 11.9, bs, 1H (COOH); δ 7.6, m, 3H, (アリール H); δ 7.60, t, 1H (フェニルのCOのパラ位のH); δ 7.49, dd, 1H (アリールのCOのオルト位のH); δ 7.46, t, 2H (フェニルのCOのメタ位のH); δ 7.09, d, 1H (アリールのCOのメタ位のH); δ 3.89, t, 2H, (Oのα位のCH2); δ 1.82, t, 2H (COOHのα位のCH2); δ1.53, p, 2H (鎖中の中間のCH2)。13C NMR (d6-DMSO): 194.28, 173.81, 155.19, 136.97 134.48, 133.42, 131.06, 130.48, 128.97, 128.62, 115.08, 112.02, 67.33, 29.35, 23.77。
【0385】
<化合物171>4-(2-(2-クロロベンゾイル-5-メチルフェノキシ)酪酸
LC-MS分析: m + 1 ピーク確認 (333)。1H NMR分析: (d6-DMSO): δ 12.0, bs, 1H (COOH); δ 7.54, d, 1H, (アリール H); δ 7.4, m, 2H (アリール H); δ 7.33, dt, 1H (アリール H); δ 7.29, d, 1H (アリール H); δ 6.86, m, 2H (アリールのOのオルト位のH); δ 3.77, t, 2H, (Oのα位のCH2); δ 2.31, s, 3H, (CH3); δ 1.85, t, 2H (COOHのα位のCH2); δ1.35, p, 2H (鎖中の中間のCH2)。13C NMR (d6-DMSO): 193.31, 173.81, 158.34, 145.98, 141.38, 130.99, 130.56, 129.48, 129.43, 128.38, 127.00, 123.95, 121.46, 113.43, 66.95, 29.65, 23.70, 21.48。
【0386】
<化合物172>4-(2-(2-クロロベンゾイル-4-メチルフェノキシ)酪酸
LC-MS分析: m + 1 ピーク確認 (333)。1H NMR分析: (d6-DMSO): δ 11.95, bs, 1H (COOH); δ 7.43, m, 3H, (アリール H); δ 7.34, m, 3H (アリール H); δ 6.92, d, 1H (アリールのOのオルト位のH); δ 3.74, t, 2H, (Oのα位のCH2); δ 2.25, s, 3H, (CH3); δ 1.84, t, 2H (COOHのα位のCH2); δ1.33, p, 2H (鎖中の中間のCH2)。13C NMR (d6-DMSO): 193.92, 173.81, 156.15, 140.95, 135.37, 131.24, 130.40, 129.65, 129.56, 129.49, 128.62, 127.02, 126.45, 112.95, 67.07, 29.65, 23.75, 19.80。
【0387】
<化合物173>4-(2-ベンゾイル-4-クロロ-5-メチルフェノキシ)酪酸
LC-MS分析: m + 1 ピーク確認 (333)。1H NMR分析: (d6-DMSO): δ 11.9, bs, 1H (COOH); δ 7.61, d, 2H, (フェニルのCOのオルト位のH); δ 7.57, t, 1H (フェニルのCOのパラ位のH); δ 7.44, t, 2H (フェニルのCOのメタ位のH); δ 7.33, s, 1H (アリールのCOのオルト位のH); δ 7.14, s, 1H (アリールのCOのメタ位のH); δ 3.87, t, 2H, (Oのα位のCH2); δ 2.33, s, 3H, (CH3); δ 1.81, t, 2H (COOHのα位のCH2); δ1.49, p, 2H (鎖中の中間のCH2)。13C NMR (d6-DMSO): 194.31, 173.83, 154.78, 139.80, 137.39, 133.17, 128.91, 128.84, 128.51, 127.55, 124.69, 115.57, 67.32, 29.37, 23.80, 20.03。
【0388】
(化合物Fの代替的調製)
<化合物F>
化合物Fは、芳香族化合物のフリーデル-クラフトアシル化:
適切な置換フェノールを使用すること、塩基としてK2CO3を使用してこの化合物を適切なブロモエステルと混合すること、AlCl3の存在下で生成物を適切な芳香族酸塩化物と反応させること;または
適切な置換サリチル酸を使用すること、塩基としてK2CO3を使用してこの化合物を適切なブロモエステルと混合すること、
にしたがって、代替的に調製することができる。
生成物を、AlCl3の存在下で適切な置換ベンゼンとより反応する酸塩化物SOCl2に変換する。
【0389】
(実施例8:化合物174の調製)
化合物174は、以下の3つの工程で調製した:
<A.O-アセチル-5-クロロサリチル酸>
10g(57.9mmol)の5-クロロサリチル酸を、100mlの丸底フラスコに秤量し、その後、無水酢酸(12.8ml、115.9mmol)を添加した。混合物を5分間攪拌し、濃硫酸(2滴)を加えた。反応物を3時間還流した。反応の進行をHPLCによってモニターした。反応混合物を室温に冷却し、2N HCl(200ml)を含むビーカーに注ぎ込み、生成物を沈殿させた。生成物を、減圧濾過を介して回収した。HPLCによる純度確認により、不純物の存在が明らかになった。沈殿物を、200mlの丸底フラスコ内で、一晩、水中(150ml)で攪拌した。不溶性固体を、減圧濾過を介して回収した。HPLCによる不純度確認により、粗生成物が不純物を含まないことが明らかになった。生成物を真空下で一晩乾燥させ、12gのO-アセチル-5-クロロサリチル酸(56mmol、97%の収率)を得た。
<B.O-アセチル-5-クロロサリコイル塩化物>
塩化チオニル(〜100ml)を、250mlの丸底フラスコに加え、アイスバスで15分間攪拌した。O-アセチル-5-クロロサリチル酸(6.0g、27.9mmol)をゆっくりと、冷却した塩化チオニルへと加えた。DMF(2滴)を反応混合物に加え、酸の溶解を促進した。反応物を一晩攪拌し、均一な溶液を得た。過剰な塩化チオニルを真空下で蒸留した。残渣を真空下で一晩乾燥させた。
<C.3-(N-2-ヒドロキシ-5-クロロベンゾイル)アミノプロパン酸>
β-アラニン(2.5g、28.0mmol)を、250mlの丸底フラスコに秤量した。塩化メチレン(100ml)をフラスコに添加し、混合物を5分間攪拌した。クロロトリメチルシラン(6.06g、55.7mmol)を、一滴ずつフラスコに加えた。反応物を1.5時間加熱して還流させた。混合物を室温へと冷却し、アイスバスに15分間静置させた。トリエチルアミン(8.5g、84.0mmol)をゆっくりと冷却したフラスコに加えた。O-アセチル-5-クロロサリコイル塩化物(7.6g、27.9mmol)を、塩化メチレン(30ml)に溶かし、0.5時間かけて反応物に加えた。反応物を一晩攪拌し、加温して室温にした。反応物の進行をHPLCによって確認した。溶媒を真空下で蒸発させた。残渣を、2N NaOH(〜100ml)中で2時間攪拌し、60℃までゆっくりと加熱した。溶液を室温へと冷却し、その後に、重力ろ過によってろ過した。ろ液を、沈殿物が形成されるまで、濃HClを使用してゆっくりと酸性化させた。混合物がpH6になった時に、粗生成物を回収した。生成物を、MeOH-H20を使用して再結晶させた。HPLCによる純度確認により、不純物の存在が明らかになった。生成物を、純粋な化合物が得られるまで、複数の精製および再結晶化を行った。最終生成物を、塩化メチレン中で一晩攪拌し、ろ過によって回収し、真空下で一晩乾燥させて、淡い桃色の粉末が得られた(3.98g、16.3mmol、58.5%収率)(融点:181〜183℃)。1HNMR (DMSO-d6) 2.47-2.58 (t, 2H), 3.44-3.54 (q, 2H), 6.93-6.98 (d, 1H), 7.39-7.44 (dd, 1H), 7.91-7.96 (d, 1H), 8.93-9.01 (t, 1H), 12.1-12.3 (s, 1H)。KF値= 1.615%。C10H10NO4Cl*0.2220H2Oの計算上の分析: C, 48.50, H, 4.25, N, 5.66。測定値: C, 48.20; H, 4.03; N, 5.43。
【0390】
(実施例9:化合物175〜178の調製)
<化合物175>4-(2-ベンジルオキシ-フェノキシ)-酪酸
不活性雰囲気下で、還流冷却器、磁気攪拌子を装備した250mlのフラスコに、2-ベンジルオキシ-フェノール(8.0g、40mmol)、4-ブロモ酪酸エチルエステル(5.7ml、40mmol)、炭酸カリウム(7.2g、52mmol)およびエタノール(100ml)を加えた。反応混合物を8時間攪拌しながら加熱して還流させた。反応物を室温へと冷却し、不溶性の副生成物を、吸引ろ過によって取り除いた。2N 水酸化ナトリウム水溶液(30ml)をろ液に加えた。この溶液を、2時間50℃へと加熱した。溶液を室温へと冷却し、減圧下でエタノールを除去し、得られた溶液をpH9に調整した。水溶液を、酢酸エチル(2×30ml)で洗浄し、残った酢酸エチルを減圧下で取り除いた。溶液を、アイスバスを用いて0℃へと冷却し、その後、6N塩酸水溶液を用いてpH2へと酸性化した。沈殿した生成物を、吸引ろ過によって回収し、真空下で乾燥させた。生成物(7.2g、63%)を、白い粉末として単離した。1H-NMR (400MHz, DMSO-d6): δ 12.0, s, 1H (COOH); δ 7.4, マルチプレット, 5H (ベンジル型アリール H); δ 7.0, マルチプレット, 2H (アリール H); δ 6.9, マルチプレット, 2H (アリール H); δ 5.0, s, 2H (ベンジル CH2); δ 4.0, t, 2H (フェノキシのα位のCH2); δ 2.4, t, 2H (COOHのα位のCH2); δ 1.9, マルチプレット, 2H (残りのCH2基)。
【0391】
<化合物176>(4-ベンジルオキシ-フェノキシ)-酢酸
(4-ベンジルオキシ-フェノキシ)-酢酸は、Lancasterから購入した。
【0392】
<化合物177>11-(2-ベンジルオキシフェノキシ)ウンデカン酸
250mlの三角フラスコに、新たに粉末化した水酸化カリウム(4.2g、74.91mmol)および100mlのジメチルスルホキシドを加えた。2-ベンジルオキシ-フェノール(5g、24.97mmol)および11-ブロモウンデカン酸メチルエステル(7g、25.07mmol)を加え、混合物を室温で一晩攪拌した。水(75ml)を加え、攪拌しながら、3時間、溶液を85℃へと加熱した。反応物を室温へと冷却し、濃塩酸を用いてpH2へと酸性化した。酸性化した溶液を、4℃へと2時間冷却し、その後、沈殿物を吸引ろ過により回収した。生成物を、エタノール/水を使用して再結晶した。生成物(8.88g、93%)を、明るい褐色の固体として単離した(融点:62〜63℃)。燃焼分析:実測値: C 74.71 H 8.08%; C24H32O4計算値 C 74.97, H 8.39 %。
【0393】
<化合物178>5-(4-ベンジルオキシ-フェノキシ)-ペンタン酸
不活性雰囲気下で、還流冷却器を装着した500mlの三口フラスコに、4-ベンジルオキシ-フェノール(30.64g、150mmol)、5-ブロモペンタン酸エチルエステル(31.99g、150mmol)、炭酸カリウム(22.80g、165mmol)、および270mlの2-ブタノンを加えた。反応混合物を23時間加熱して還流し、冷却し、その後、酢酸エチル(150ml)で希釈し、水(500ml)で抽出した。有機相を、水(1×250ml)およびブライン(1×250ml)で洗浄し、減圧下で溶媒を取り除いた。得られた油を、4日間真空下で乾燥させ、白い結晶を形成させた。白い結晶を酢酸エチル(100ml)に溶かし、1N水酸化ナトリウム水溶液(3×50ml)で洗浄し、減圧下で溶媒を取り除いた。得られた油を、一晩真空下で乾燥させ、白い結晶を産生させた。生成物を、1:1のエタノール:水で再結晶させ、吸引ろ過によって回収し、真空下で乾燥させた。この生成物を、更なる精製無しに使用した。
【0394】
還流冷却器を装備した1lの丸底フラスコに、5-(4-ベンジルオキシ-フェノキシ)-ペンタン酸エチルエステル(15.13g、46mmol)および2N水酸化ナトリウム水溶液(47ml)を加えた。混合物を、30分間攪拌した。水(200ml)を加えた。混合物を20分間攪拌し、その後、2時間加熱して還流し、褐色の溶液を得た。氷を加えることによって、溶液を室温へと素早く冷却した。冷却した溶液を、2N塩酸水溶液(50ml)で酸性化し、得られた白い沈殿物を吸引ろ過で回収し、水(2×100ml)、ヘキサン(2×100ml)で洗浄し、一晩真空下で乾燥させた。粉末を細かくすりつぶし、ヘキサン(1×250ml)およびジエチルエーテル(1×250ml)で洗浄し、白い粉末を得た。この粉末を、1lのビーカー内で、酢酸エチル(300ml)とジエチルエーテル(200ml)の混合物に溶かした。溶液を10分間加熱し、メタノール(5ml)を加え、更に10分間加熱して、その後、セライトを介してろ過を行い、透明の黄色の溶液を得た。生成物を、ヘキサンをゆっくり加えることによって再結晶させた。最初に得られた結晶をろ過によって回収し、ヘキサン(200ml)を母液に加えた。その後、溶液を減圧下で濃縮し、400mlの容積にし、静置した。二回目に得られた結晶をろ過によって回収し、最初のものと合わせた。生成物(8.92g、65%)を、白い結晶状の物質として単離した(融点127〜128℃)。燃焼分析:実測値: C 71.01 H 6.98%; C18H20O4計算値 C 71.98, H 6.71 %。
【0395】
【表5】

【0396】
(実施例10:ラットでのPYY[3-36]の固体経口送達)
脱イオン水で調製したPYY[3-36]ストック溶液(80mg/ml)を用いた(Bachem California Inc. of Torrance, CAから購入可能なPYY)。
【0397】
約0.08mg/錠剤(約0.3mg/kg)のPYY(約1μl)を、約13.5mg/錠剤か約27mg/錠剤(約50mg/kgまたは100mg/kg)の遊離酸の送達剤化合物またはナトリウム塩の送達剤化合物(以下に示す)のどちらかに加えてブレンドした。Natoli Engineering Company,Inc.(St. Charles, Missouri)から販売されているCaplet形状モデルを有するCarver4350手動ペレットプレスの上部パンチ、下部パンチおよびダイをステアリン酸マグネシウム(0.1%)で処理した。約13.58mgまたは約27.08mgの混合粉末をダイの中に供給し、約1000psiバールの圧力でミニビーズ状の錠剤を作製した。得られた固体剤形は、27.08mgサイズのものについてはおおよそ標準カプセル剤サイズ9(約2.65mm直径と約8.40mm長さ)のサイズであり、13.58mg固体については約2.65mm直径と約4.20mm長さである。
【0398】
オスのスプラーグドーリーラット(約260〜約280g)を終夜断食させ、次いで約10〜30秒間の標準的なCO2吸入技術で麻酔させ、約1分間未満、好ましくは約10から約30秒間の麻酔状態を得た。
【0399】
経口投薬チューブを用いた。投薬チューブをラットの口に挿入し、ラットの体重に応じて約8cmから約15cm(典型的に約11cm)、ラットの咽頭から食道に注意深くねじ込んだ。経口投薬チューブのプランジャーを押して、固体剤形を食道の末端部および/または胃に送達した。
【0400】
血液サンプルを、典型的に0分、15分、30分、60分および90分に逐次採取した。PYY[3-36]ラジオイムノアッセイ(Phoenix Pharmaceuticals,Inc.、Belmont、CAからのカタログ#RK-059-02)を用いて、血清PYY濃度を定量化した。各グループの動物からの結果を各時間について平均した。これらの平均の最大値(すなわち平均ピーク血清PYY[3-36]濃度±標準偏差(SD))を以下に示す。
【0401】
【表6】

【0402】
(実施例11:ラットでのPYY[3-36]の液体経口送達)
脱イオン水内で、送達剤化合物およびペプチドYY残基3-36(PYY[3-36])(Bachem California Inc. of Torrance, CAから購入可能)の強制経口投与(PO)溶液を、以下のように調製した。
【0403】
脱イオン水を用いて、PYY[3-36]ストック溶液(80mg/ml)を調整した。200mg/mlの送達剤化合物および0.3mg/mlのPYYを水溶液中で含む経口投与組成物を調製した。化合物23の溶液については、遊離酸送達剤を、そのナトリウム塩へと変換するために、1当量の水酸化ナトリウムを用いて調製した。
【0404】
実験前に、240〜320gのオスのスプラーグドーリーラットを最大で24時間断食させ、試験サンプルを投与する前に、ケタミン(44mg/kg)およびソラジン(1.5mg/kg)を、筋肉内注入によって投与した。その後、麻酔をかけた動物に、強制経口によって、試験サンプルを投与した。5匹の動物の投与グループには、投薬溶液の1つを投与した。強制経口投与(PO)については、11cm Rusch 8 フレンチカテーテルを、ピペットチップで1mlのシリンジにはめ込んだ。カテーテルを通して溶液を吸い込んでシリンジを投薬溶液で満たし、その後、次いでそれを拭き取って乾かした。カテーテルを、ラットの門歯からチューブを1cm残して食道中に押し込んだ。シリンジプランジャーを押して溶液を投与した。
【0405】
血液サンプルを、典型的に、0分、15分、30分、60分および90分に、尾部動脈からか、または、心臓穿刺によって逐次採取した。PYY[3-36]ラジオイムノアッセイ(Phoenix Pharmaceuticals, Inc., Belmont, CAからのCatalog#RK-059-02)を用いて、血清PYY濃度を定量した。各グループの動物からの結果を、各時間点について平均した。これの平均の最大値(すなわち、平均ピーク血清PYY[3-36]濃度±標準偏差(SD))を、以下の表2に示す。動物にPYY[3-36]単独で経口投与した場合には、如何なる顕著なPYY[3-36]も血液中に検出されなかった。
【0406】
【表7】

【0407】
(実施例12:ラットでの組み換えヒトインスリンの経口送達)
インスリン(ヒト組み換え)を、ICN Biomedicals(Aurora, OH)から、原末として入手した。ストック溶液を調製するために、インスリンを脱イオン水(pH〜6.5)に溶かし、濃度を15mg/mlとした。ストック溶液を、使用するまで、1.0mlずつ-20℃で凍結した。投薬溶液については、送達剤化合物を脱イオン水に溶かし、最終濃度200mg/mlを得た。送達剤の遊離酸形態を、1当量の水酸化ナトリウムを加えることによって、ナトリウム塩へと変換した。溶液をボルテックスに供し、超音波処理し、加熱し、もし必要であるならば、更なる水酸化ナトリウムをμl量で加えて、均一の溶解性を得た。溶液を、塩酸または水酸化ナトリウムのいずれかを添加することによって、pHを3.5〜8.5に調整した。その後、インスリンストック(典型的には66.7μl)を、送達剤溶液に加えて、最終濃度を0.5mg/mlとした。溶解させて薬剤を投与後、脱イオン水を加えることによって、溶液を最終容積へと調整した。
【0408】
インスリンは、オスのスプラーグドーリーラットへ、単独で、または、Emisphere送達剤との組み合わせのいずれかで、強制経口投与(PO)によって投与した。典型的には、ラットを投与前18〜24時間絶食させた。投与については、Rusch 8フレンチカテーテルを11cm長に切断し、1mlのシリンジに適合するようにはめ込んだ。シリンジに投薬溶液を満たし、カテーテルから過剰な溶液を拭き取って乾かした。ラットを立位のまま維持したまま、シリンジプランジャーを押して、投薬溶液を送達した。
【0409】
<サンプル回収およびハンドリング:インスリン>
毎サンプリング時の直前に、血液のサンプルリング中、ラットを簡単に(〜10秒)疲弊するまで二酸化炭素に曝露した。血液サンプリングについては、77mmのキャピラリーチューブを眼窩後部へと挿入した。典型的には、血液サンプルを、投与前(0分)、投与後15分、30分、45分および60分の時点で回収した。サンプルを、凝固活性剤を含むCAPIJECT(登録商標)チューブ(Terumo Corporation, Tokyo, Japan)へと回収した(上部が赤色、血清分離チューブ)。サンプルを〜20分間4℃で凝固させた。凝固後、血清を分離するために、サンプルを、4分間6℃で、10,000rpmで遠心した。血清をエッペンドルフチューブに回収し、アッセイを行うまで-20℃で凍結した。
【0410】
<サンプル回収およびハンドリング:全血グルコース>
薬理学的応答を求めるために、携帯用血糖測定器(OneTouch Ultra, LifeSan(登録商標)(Johnson & Johnson, New Brunswick, New Jersey))を使用して、インスリンの投与またはインスリンおよび送達剤の投与後の、血糖値を測定した。眼窩後部から(「サンプル回収およびハンドリング:インスリン」を参照)、または尾部動脈から(すなわち、tail clip)のいずれかで、サンプルを回収した。tail clipについては、尻尾の先を約5mm、外科用メスの刃を使用して切断した。血液の最初の一滴を捨てた後、少量のサンプル(〜5-10μl)を血糖測定器のテストストリップ(OneTouch Ultra, LifeScan)へと接触させ、測定した血糖値をメートル単位で集めた。その後の各サンプルリング時については、尻尾の先で作成したclotを破棄し、新しいサンプルを回収した。典型的には、サンプルを、投与前(0分)、投与後15分、30分、45分および60分の時点で回収した。
【0411】
【表8】

【0412】
(実施例13:ヒトインスリン亜鉛-経口送達)
送達剤化合物およびヒトインスリン亜鉛の経口投与(PO)組成物(Calbiochem-Novabiochem Corp, La Jolla, CAから購入可能な最小26IU/mg)を、脱イオン水中で調製した。500mgの送達剤化合物を、1.5mlの水に加えた。得られた溶液を攪拌し、1当量の水酸化ナトリウムを加えることによって、送達剤化合物の遊離酸をナトリウム塩へと転換した。溶液をボルテックスに供し、その後に加熱し(約37℃)、超音波処理した。NaOHまたはHClを用いて、pHを約7から8.5へと調整した。必要であれば、更なるNaOHを添加して、均一な溶解性を達成し、pHを約7から8.5へと再調整した。その後に、水を加えて総容量を約2.4mlとして、ボルテックスに供した。インスリンストック溶液(15mg/mlのインスリンストック溶液を、0.5409gのインスリンおよび18mlの脱イオン水を出発原料として、HClおよびNaOHを用いてpHを8.15へと調整して、40mlの濃塩酸、25mlの10N NaOHおよび50mlの1N NaOHを使用して透明な溶液を得た)に由来する約1.25mgのインスリンを溶液に加えて、反転させながら混合した。最終的な送達剤化合物の投与量、インスリンの投与量および容積投与量を表に示す。
【0413】
200〜250gの体重のオスのスプラーグドーリーラットを24時間断食させ、投薬の15分前にケタミン(44mg/kg)とクロルプロマジン(1.5mg/kg)を投与し、必要に応じて再度麻酔を維持させた。5匹の動物の投薬グループに、投薬溶液のうちの1つを投与した。経口投薬については、11cm Rusch8フレンチカテーテルを、ピペットチップで1mlシリンジにはめ込んだ。カテーテルを通して溶液を吸い込んでシリンジを投薬溶液で満たし、次いでそれを拭き取って乾かした。カテーテルを、ラットの門歯からチューブを1cm残して食道中に押し込んだ。シリンジプランジャーを押して溶液を投与した。
【0414】
血液サンプルを、典型的に、15分、30分、60分、120分および180分に、尾部動脈から逐次採取した。本発明の手順で用いるサンプルの容積と濃度のために、感度と標準曲線の直線範囲を最適化すべく標準的手順を改変して、インスリンELISAテストキット(Diagnostic Systems Laboratories,Inc.、Webster、TXからのKit# DSL-10-1600)を用いて血清インスリンレベルを測定した。各投薬グループの5匹の動物のそれぞれについて、血清ヒトインスリン濃度(μU/ml)を各時間点で測定した。各時間点について5つの値を平均し、結果を血清インスリン濃度対時間でプロットした。(事前の実験では、ヒトインスリンだけでの経口投薬に続く、測定可能なレベルのヒトインスリンは存在しなかった)。最大(ピーク)と曲線下の面積(AUC)を以下の表5に示す。血液グルコースについてのベースラインからの変化率%については、ONE TOUCH(登録商標)(Life Scan、Johnson & Johnson、New Brunswick、New Jersey)。
【0415】
【表9】

【0416】
(実施例14:インスリン-肺送達)
送達剤化合物およびヒトインスリンの投与組成物を、脱イオン水中で調製した。典型的には、1.5mgの送達剤化合物を脱イオン水に加え、容積を1.0mlとし、溶液をボルテックスに供した。送達剤化合物のナトリウム塩を使用するか、その遊離酸を、得られた溶液を攪拌し、1当量の水酸化ナトリウム(10N)を加え、水で希釈することによってナトリウム塩に転換した。溶液をボルテックスに供し、その後に加熱し(約37℃)、超音波処理した。NaOHまたはHClを用いて、pHを約7.0から8.5に調整した。75μlのヒトインスリンストック溶液(2mg/ml)を溶液に加えた。(ストック溶液は以下のように調製した。0.02gのインスリンに、脱イオン水中の3mlのHCl(pH3.0)溶液を加えた。溶液が透明になるまで、HClおよびNaOHを用いて、得られた溶液のpHを3.0より低くした(約2.6)。その後、NaOHおよびHClを使用して、pHを7.6へと上げた。pH7.5の脱イオン水を用いて、最終的な容積を10mlにした。最終的なpH7.59。)その後、水を加えて、総容積を2.0mlにして、溶液を数回ゆっくりと反転させた。溶液は、直接、投与プロトコールに使用してもよいし、代替的に、投与前に、1時間、溶液を37℃のウォーターバスに静置してもよい。最終的な送達剤化合物の投与量、インスリンの投与量および容積投与量を表5に示す。
【0417】
典型的な投与プロトコールおよびサンプリングプロトコールを以下に示す。200〜250gの体重のオスのスプラーグドーリーラットを24時間断食させ、投薬の15分前にケタミン(44mg/kg)とクロルプロマジン(1.5mg/kg)を投与し、必要に応じて再度麻酔を維持させた(同じ量のケタミンおよび1.5mg/mlのクロルプロマジンを使用)。典型的には、5匹の動物の投薬グループに、投薬溶液のうちの1つを投与した。5匹の動物の対象グループはインシュリンのみを投与した。光源が装備されたげっ歯類用の気管点滴(Penn Century, Inc., Pittsburgh, PA)に、投薬溶液を満たし、気管へ針が達するまで喉へと挿入した(眼で確認)。投薬溶液を、プランジャーを押して投薬溶液を投与した。
【0418】
各動物に由来する血液サンプルを、典型的に、投与後5分、15分、30分、60分および120分に、尾部動脈から逐次採取した。本発明の手順で用いるサンプルの容積と濃度のために、感度と標準曲線の直線範囲を最適化すべく標準的手順を改変して、インスリンELISAテストキット(Diagnostic Systems Laboratories,Inc.、Webster、TXからのKit# DSL-10-1600)を用いて血清インスリンレベルを測定した。各投薬グループの5匹の動物のそれぞれについて、血清ヒトインスリン濃度(μU/ml)を各時間点で測定した。各時間点について5つの値を平均し、結果を血清インスリン濃度対時間でプロットした。対照グループの曲線下の面積(AUC)に対する試験グループの曲線下の面積(AUC)の比率を以下に示す。対象グループの最大のインスリン濃度(Cmax)に対する試験グループについての最大の血清インスリン濃度(Cmax)の比率も以下に示す。
【0419】
【表10】

【0420】
(実施例15:ヘパリンの経口および結腸内送達)
25%プロピレングリコール水溶液中に送達剤化合物とヘパリンナトリウムUSPを含む経口強制 (PO)および/または結腸内(IC)投薬溶液を調製した。化合物のナトリウム塩を用いた。典型的に、乾燥粉末として送達剤化合物とヘパリン(約166〜182IU/mg)をボルテックスに供した。この乾燥混合物を25%容積/容積プロピレングリコール水溶液中に溶解し、ボルテックスに供し、超音波処理器(約37℃)中に入れた。pHをNaOH(2N)水溶液で約7(6.5〜8.5)に調整した。投薬溶液を超音波処理して透明な溶液を得た。最終容積を3.0mLに調整した。最終的な送達剤化合物投与量、ヘパリン投与量および容積投与量を以下の表6に示す。
【0421】
典型的な投薬およびサンプリング手順は以下の通りであった。275〜350gの体重のオスのスプラーグドーリーラットを24時間断食させ、投薬の直前に筋肉内で塩酸ケタミン(88mg/kg)を用いて麻酔した。5匹のラットの投薬グループに、投薬溶液のうちの1つを投与した。経口強制 (PO)投薬については、11cm Rusch8フレンチカテーテルを、ピペットチップで1mLシリンジにはめ込んだ。カテーテルを通して、溶液を吸い込んでシリンジを投薬溶液で満たし、次いでそれを拭き取って乾かした。カテーテルを、ラットの門歯からチューブを1cm残して食道中に押し込んだ。シリンジプランジャーを押して溶液を投与した。結腸内(IC)投薬については、7.5cm 8fr Ruschカテーテルを、ピペットチップで1mlシリンジにはめ込んだ。投薬カテーテルを、チューブが見えなくなるまで肛門を通して結腸内に挿入した。投薬溶液を緩やかに結腸内に絞り出した。
【0422】
クエン酸血サンプルを心臓穿刺によって集め、続いて、典型的に0.25時間、0.5時間、1.0時間および1.5時間でケタミン(88mg/kg)を投与した。ヘパリン活性は、Henry,J.B.、Clinical Diagnosis and Management by Laboratory Methods、Philadelphia、PA、W.B.Saunders(1979)の方法による活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)を用いて測定した。先行試験では約20秒のベースライン値が示された。各グループでの5匹のラットによる結果を各時間について平均した。最大値を以下の表6に示す。
【0423】
【表11】

【0424】
(実施例16:甲状腺ホルモン送達(PTH1-34)経口/結腸内送達)
水中で送達剤化合物とヒト副甲状腺ホルモン残留物1-34(PTH)の経口強制 (PO)および/または結腸内(IC)投薬溶液を調製した。送達剤化合物のナトリウム塩を用いた。典型的に、ナトリウム塩を作製する場合、化合物の溶液は水の中で撹拌し、1当量の水酸化ナトリウム(1.0N)を加えて調製した。化合物をPTHストック溶液(Eli LillyおよびCo., Indianapolis, INからえら得たPTH)(典型的に5mg PTH/mlの濃度を有する)と混合し、所望の容積(通常3.0ml)に希釈して、最終投薬溶液を調製した。最終的な化合物、PTHおよび容積投与量を以下の表7に示す。
【0425】
典型的な投薬およびサンプリング手順は以下の通りであった。200〜250gの体重のオスのスプラーグドーリーラットを24時間断食させ、投薬の15分前にケタミン(44mg/kg)とクロルプロマジン(1.5mg/kg)を投与した。5匹のラットの投薬グループに、投薬溶液のうちの1つを投与した。経口強制 (PO)投薬については、11cm Rusch8フレンチカテーテルを、ピペットチップで1mLシリンジにはめ込んだ。カテーテルを通して溶液を吸い込んでシリンジを投薬溶液で満たし、次いでそれを拭き取って乾かした。カテーテルを、ラットの門歯からチューブを1cm残して食道中に押し込んだ。シリンジプランジャーを押して溶液を投与した。結腸内(IC)投薬については、7.5cm Ruschカテーテルチューブ(French8または6)を、Eppendorfピペットチップでシリンジにはめ込んだ。カテーテルチューブを通して溶液を吸い込んでシリンジを投薬溶液で満たした。カテーテルチューブを拭き取って乾かした。K-Yゼリーをチップに塗ってチューブの穴(eye)との接触を避け、チューブを、チューブが見えなくなるまで肛門を通して結腸内に挿入した。シリンジプランジャーを押して溶液を注入し、チューブを取り外した。
【0426】
血液サンプルを、典型的に、経口については0分、15分、30分、45分、60分および90分に、IC投薬については0分、10分、20分、30分、60分および90分に尾部動脈から逐次採取した。血清PTH濃度をPTHラジオイムノアッセイキット(Peninsula Laboratories,Inc.San Carlos、CAからのKit # RIK6101)で定量した。先行試験では約ゼロのベースライン値が示された。各グループでの5匹のラットによる結果を各時間について平均した。最大値を以下の表7に示す。
【0427】
【表12】

【0428】
(実施例17:インターフェロン-経口送達)
送達剤化合物およびインターフェロンアルファコン-1(IFN)(InterMune, Inc. of Brisbane, CAからInfergen(登録商標)として購入可能)の投薬溶液を、脱イオン水中で調製した。送達剤の遊離酸を、1当量の水酸化ナトリウムを用いて、ナトリウム塩へと転換した。典型的に、ナトリウム塩を作製する場合、化合物の溶液を水の中で撹拌し、1当量の水酸化ナトリウム(1.0N)を加えて調製した。この混合物をボルテックスに供し、超音波処理器(約37℃)中に入れた。pHをNaOH水溶液で約7.0〜8.5に調整した。混合物をボルテックスに供して、そして超音波処理を使用して、必要であるならば加熱して、均一な懸濁物または溶液を得た。必要であれば、更なるNaOHを添加して、均一な溶解性を達成し、pHを約7から8.5へと再調整した。送達剤化合物溶液をIFNストック溶液(リン酸緩衝生理食塩水中に約22.0〜27.5mg/ml)と混合し、所望の容積(通常3.0ml)に希釈した。最終的な送達剤化合物、IFN投与量および容積投与量を以下の表8に示す。
【0429】
典型的な投薬およびサンプリング手順は以下の通りであった。約200〜250gの体重のオスのスプラーグドーリーラットを24時間断食させ、投薬の15分前にケタミン(44mg/kg)とクロルプロマジン(1.5mg/kg)を投与し、必要に応じて再度麻酔を維持させた。5匹の動物の投薬グループに、投薬溶液のうちの1つを投与した。11cm Rusch8フレンチカテーテルを、ピペットチップで1mlシリンジにはめ込んだ。カテーテルを通して溶液を吸い込んでシリンジを投薬溶液で満たし、次いでそれを拭き取って乾かした。カテーテルを、ラットの門歯からチューブを1cm残して食道中に押し込んだ。シリンジプランジャーを押して溶液を投与した。
【0430】
血液サンプルを、典型的に、経口については0分、15分、30分、45分、60分および90分に尾部動脈から逐次採取した。血清IFN濃度を、ヒトIFN-アルファ用Cytoscreen Immunoassay Kit(Biosource International, Camarillo, CAからのcatalog # KHC4012)で定量した。先行試験では約ゼロのベースライン値が示された。各グループでの5匹のラットによる結果を各時間について平均した。これらの平均の最大値(すなわち、平均ピーク血清IFN濃度)を以下の表8に示す。
【0431】
【表13】

【0432】
(実施例18:サケカルシトニン(sCT)の経口送達)
送達剤化合物およびサケカルシトニン(sCT)の経口投与(PO)組成物を、脱イオン水中で調製した。典型的には、450mgの送達剤化合物を、2.0mlの水へと加えた。化合物のナトリウム塩を用いるか、または、得られた溶液を攪拌し、1当量の水酸化ナトリウム(1.0N)を加えて、水で希釈することによって、遊離酸をそのナトリウム塩に転換させた。この混合物をボルテックスに供し、その後に加熱し(約37℃)、超音波処理した。。pHをNaOH水溶液で約7.0〜8.5に調整した。混合物をボルテックスに供して、そして超音波処理した。NaOHまたはHClを用いて、pHを約7(6.5〜8.5)に調整した。ストック溶液に由来する90μgのsCTを溶液に加えた。その後、水を加えて、総容積を約3.0mlとして(送達剤化合物の可溶性に依存して変化する)。最終的な送達剤化合物、sCT投与量および容積投与量を以下の表9に示す。
【0433】
200〜250gの体重のオスのスプラーグドーリーラットを24時間断食させ、投薬の15分前にケタミン(44mg/kg)とクロルプロマジン(1.5mg/kg)を投与した。5匹のラットの投薬グループに、投薬溶液のうちの1つを投与した。経口投薬については、11cm Rusch8フレンチカテーテルを、ピペットチップで1mLシリンジにはめ込んだ。カテーテルを通して溶液を吸い込んでシリンジを投薬溶液で満たし、次いでそれを拭き取って乾かした。カテーテルを、ラットの門歯からチューブを1cm残して食道中に押し込んだ。シリンジプランジャーを押して溶液を投与した。
【0434】
血液サンプルを、典型的に、経口については0分、10分、20分、30分、60分および90分に尾部動脈から逐次採取した。血清sCT濃度については、EIAキット(Peninsula Laboratories,Inc.San Carlos、CAからのKit # EIAS-6003)を用いて、以下ようにキットの標準的なプロトコールを改良して測定して求めた:50μlのペプチド抗体と2時間、暗黒下で振盪しながらインキュベートし、プレートを洗浄し、血清およびビオチン化ペプチドを加え、4mlのバッファーで希釈し、暗黒下で一晩振盪した。0分で得られたベースライン値に従って、数字を調整した。各投与グループでの5匹のラットによる結果を、各時間について平均した。その最大値を表9に示す。
【0435】
【表14】

【0436】
(実施例19:組み換えヒト成長ホルモン(rhGH)の経口/結腸内送達)
送達剤化合物とrhGH(Novartis, Basel, Switzerlandから購入可能なrhGH)の経口強制 (PO)および/または結腸内(IC)投薬溶液をリン酸バッファー中で調製した。、1当量の水酸化ナトリウム(1.0N)を用いて遊離酸を反応させることによって、伝達剤化合物のナトリウム塩を得た。最終的な投薬溶液を、rhGHストックホルモン(15mg rhGH/ml)と化合物を混合し、所望の容積(通常3.0ml)に希釈して、最終投薬溶液を調製した。化合物およびrhGH投与量を以下の表10に示す。
【0437】
典型的な投薬およびサンプリング手順は以下の通りであった。200〜250gの体重のオスのスプラーグドーリーラットを24時間断食させ、投薬の15分前にケタミン(44mg/kg)とクロルプロマジン(1.5mg/kg)を投与した。5匹のラットの投薬グループに、投薬溶液のうちの1つを投与した。経口強制 (PO)投薬については、11cm Rusch8フレンチカテーテルを、ピペットチップで1mLシリンジにはめ込んだ。カテーテルを通して溶液を吸い込んでシリンジを投薬溶液で満たし、次いでそれを拭き取って乾かした。カテーテルを、ラットの門歯からチューブを1cm残して食道中に押し込んだ。シリンジプランジャーを押して溶液を投与した。結腸内(IC)投薬については、7.5cm Ruschカテーテルチューブ(French8または6)を、Eppendorfピペットチップでシリンジにはめ込んだ。カテーテルチューブを通して溶液を吸い込んでシリンジを投薬溶液で満たした。カテーテルチューブを拭き取って乾かした。K-Yゼリーをチップに塗ってチューブの穴(eye)との接触を避け、チューブを、チューブが見えなくなるまで肛門を通して結腸内に挿入した。シリンジプランジャーを押して溶液を注入し、チューブを取り外した。
【0438】
血液サンプルを、典型的に、経口投薬については0分、15分、30分、45分、60分および90分に、IC投薬については0分、10分、20分、30分、60分および90分に、尾部動脈または眼窩後部から逐次採取した。サンプルを、凝固活性剤を含むCAPIJECT(登録商標)チューブ(Terumo Corporation, Tokyo, Japan)へと回収した(上部が赤色、血清分離チューブ)。サンプルを〜20分間4℃で凝固させた。血清rhGH濃度を、rhGHイムノアッセイテストキット(Genzyme Corporation Inc., Cambridge, MAからのKit #K1F4015)によって定量した。各時間からの5つのサンプルをプールした。先行試験では、約ゼロのベールライン値が示された。
【0439】
各グループの最大濃度を以下の表10に示す。
【0440】
【表15】

【0441】
本明細書で参照した全ての出版物、リファレンス、特許および特許出願は、参照により組み込む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下から選択される化合物またはその塩からなる、活性薬剤の送達剤。
【化1】

【化2】

【化3】

【請求項2】
(A)少なくとも1つの生物学的に活性な薬剤;および
(B)請求項1に記載の送達剤
を含む組成物。
【請求項3】
前記生物学的に活性な薬剤が、以下の表の化合物からなる群から選択される、またはそれらの組み合わせである、請求項2に記載の組成物。
【表1】

【請求項4】
以下から選択される化合物またはその塩からなる、活性薬剤の送達剤。
【化4】

【請求項5】
(A)少なくとも1つの生物学的に活性な薬剤;および
(B)以下の化合物から選択される化合物:
【化5】

【化6】

またはその塩からなる、活性薬剤の送達剤;
を含む組成物。
【請求項6】
前記生物学的に活性な薬剤が、以下の表の化合物からなる群から選択される、またはそれらの組み合わせである、請求項5に記載の組成物。
【表2】

【請求項7】
以下から選択される化合物またはその塩からなる、活性薬剤の送達剤。
【化7】

【化8】

【化9】

【請求項8】
(A)少なくとも1つの生物学的に活性な薬剤;および
(B)請求項7に記載の送達剤
を含む組成物。
【請求項9】
前記生物学的に活性な薬剤が、以下の表の化合物からなる群から選択される、またはそれらの組み合わせである、請求項8に記載の組成物。
【表3】

【請求項10】
以下から選択される化合物またはその塩からなる、活性薬剤の送達剤。
【化10】

【請求項11】
(A)少なくとも1つの生物学的に活性な薬剤;および
(B)請求項10に記載の送達剤
を含む組成物。
【請求項12】
前記生物学的に活性な薬剤が、以下の表の化合物からなる群から選択される、またはそれらの組み合わせである、請求項11に記載の組成物。
【表4】


【公開番号】特開2011−236230(P2011−236230A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−148239(P2011−148239)
【出願日】平成23年7月4日(2011.7.4)
【分割の表示】特願2007−513481(P2007−513481)の分割
【原出願日】平成17年5月16日(2005.5.16)
【出願人】(500139958)エミスフェアー・テクノロジーズ・インク (28)
【Fターム(参考)】