説明

流体の遠隔分析を可能にするシステム

本発明は、流体の遠隔分析を可能にするシステムを提供し、このシステムでは、流体の分析および関連するデータの収集は、複数の遠隔地において、複数の遠隔装置によって提供することができる。各遠隔装置は、1つまたは複数の通信ネットワークを介して直接または間接的に中央コントローラに接続され、これにより、監視される流体系の特性に関する複数のデータの集中的な収集、評価および分析が可能となる。本発明に係るシステムは、流体の戦略的サンプルを収集するための手段を、さらに提供することができ、これは例えば、後の時間に、これらのサンプルを、研究所または他の施設で将来より詳細な分析を行なうために、1つまたは複数の遠隔地から収集できるようにする。流体監視システムは、流体系の特性の全体的な視点から、流体を複数の場所で互いにリアルタイムに監視するための手段を提供する。本発明の一実施形態においては、この流体監視システムは、流体の特性および流体系におけるリアルタイムの変化に関する情報およびリスク要因を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体分析の分野に関し、特に、流体の遠隔分析を可能にするシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
問題および潜在的な問題の推定を完全に理解することができ、一方で適確な作業を行うための時間と機会を与えられるように、人工および自然の流体系の環境において、正確な流体のサンプリングの実施および理解が可能であることが、望ましい。流体の収集と分析は、常に変化する自然や構築された環境を評価する方法を代表するものであり、これらの系を理解する有用な方法であることが証明されている。現在、収集されている流体の種類は、例えば、工業施設の周辺の淡水、海水、排水および空気、石炭火力発電所、浄水場、飲用水施設および容易に理解されるような他のさまざまな分野を含む。これらの流体を、混濁度、温度、pHレベル、溶存酸素、農業流出、リン、窒素、金属、毒性の有機化合物、糞便性大腸菌、および問題を起こし得る他の汚染物質を含む特性に関して、検査することができる。
【0003】
このような流体系は、しばしば複雑で大きく、その監視は困難な作業である。現在、遠隔地での流体の分析は、サンプルが必要な時に、人間が現場を訪れる必要がある。試験者は、サンプルを取り、一般的には、流体が検査される中央の研究所にサンプルを持ち帰ることができる。通常、試験者は、一回の外出で、異なる場所から多くのサンプルを集めることができる。あるいは、試験者は、携帯型の検査ユニットを携行し、流体がサンプリングされる各場所で、流体を検査することもできる。検査の結果が重大である場合、試験者は、携帯電話または他の手段を用いて、検査結果を中央の場所に中継することができる。
【0004】
人間による回収システムの使用は、多くの欠点を有する。試験者の時間および移動方法のための費用が生じ、また、これらの現場の多くが遠隔地にあるため、車両または航空機の使用が要求される場合もある。検査する前に、サンプルを研究所に戻す必要がある場合、サンプリングから検査の結果が知られるまでの間に、しばしば遅れが生じる。このような遅れは、潜在的な問題を人々に警告することを、困難にする場合があり、将来の値を予測するための正確なモデルの生成を遅らせる。検査サンプルは、通常は数日または数週間の大きな間隔をおいてしか、取ることができない。検査の間のこのような長い間隔は、サンプル検査を不確実にし、信頼性を低下させる可能性がある。例えば、異常な、普通でない、または正しくないサンプルは、検査現場に特別に出向くことによってのみ、調べることができる。時には、偽性の結果もあり得る。よって、このような検査を繰り返し、これらの異常な結果を二重チェックすることが有用であろう。しばしば、例えば嵐やダムの放流など、特殊な状況が生じ、その場合、潜在的な問題の状況を注意して監視するために、至急かつ頻繁に検査を行なうことが必要とされる。人間による回収システムの使用は、このような場合に、著しい遅れの問題をもたらす場合がある。
【0005】
現在のところ、流体の測定は、測定の個別地点における問題の識別に焦点を当てている。全体的なシステム、および異なる場所における流体の流れと特定の汚染物質の相互作用を理解できることが、必要とされる。これらの流体サンプルを人間によって収集することは、全体的なモデルの生成を大幅に制限してきた。
【0006】
特定の時間に、迅速に流体のサンプルを取り、保持する必要がある。例えば、激しい雷雨の後に、水のサンプルを得る必要があるかもしれず、このサンプルは、遠隔システムにより分析することもできるが、さらなる分析または汚染度の証明のために、必要とされるかもしれない。他の例としては、廃棄物の水系への放出が挙げられる。
【0007】
流体の遠隔分析に利用可能な装置は、限られている。米国特許第4,089,209号(特許文献1)は、特に、フローティングブイを用いて水サンプルを収集するための、遠隔の水監視システムを記載している。このシステムは、中央位置への無線リンクを有し、これにより、サンプル取得を要求することができ、その後に水サンプルが取得および検査され、これらのサンプルの検査結果が、中央位置へ中継して戻される。
【0008】
米国特許第4,009,078号(特許文献2)は、流体サンプル内の微生物を測定する電解分析手段を記載している。この方法は、電極間で変化する電位を用いて、サンプルの微生物含有量の評価を提供する。流体のサンプルを、収集、検査することができ、収集されたものは、その後に放出され、これによりシステムは、新たなサンプル取得の用意が整う。
【0009】
流体の正確かつリアルタイムの監視は、例えば、流体における人工の汚染物質の取り締まりや、環境の自然変化およびその流体系への影響の評価を可能にすることができる。したがって、必要とされる特定の各検査に対して、検査システムの再調整または再修正が不要な、様々な異なる規準での流体の遠隔サンプリングおよび検査を可能にするシステムが、必要とされている。
【0010】
この背景情報は、本出願人が信じる既知の情報を、本発明と関連付けるために提供される。どの認識も、先の情報のいずれかが本発明に対抗する従来技術を構成することを、必ずしも意図するものではなく、またはそのように解釈されるべきではない。
【0011】
【特許文献1】米国特許第4,089,209号明細書
【特許文献2】米国特許第4,009,078号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、流体の遠隔分析を可能にするシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様によると、少なくとも1つのソースから収集される流体の遠隔分析を可能にするシステムであって、流体を収集および分析することができる複数の遠隔装置において、分析のために流体を受け取り、かつ配向するための、少なくとも1つのソース1つと流体的に接触しているサンプルチャンバと、サンプルチャンバと操作可能に関連付けられており、流体を符号化照明信号で照らして、照明反応を収集する感知システムと、照明反応を検出し、符号化照明信号と相関させるためのデータ分析手順を実行し、これにより、流体の照明への流体スペクトル反応を決定するための手段を提供する、感知システムを制御するための信号処理システムと、遠隔装置が信号を送信することを可能にする通信モジュールと、をそれぞれが含む複数の遠隔装置と、複数の遠隔装置から、複数の流体スペクトル反応を含む信号を受信し、信号を、その後の分析のために収集する中央コントローラと、複数の遠隔装置と中央サーバの間で信号の送信を可能にする、少なくとも1つの通信ネットワークとを備えるシステムが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
定義
【0015】
「流体」という用語は、複数の物質の定義に用いられ、この物質は、例えば水、油、天然ガス、空気、プロパン等の液体または気体とすることができる。
【0016】
「通信ネットワーク」という用語は、例えば無線、有線、イーサネット(登録商標)、WAP、BluetoothTM、PSTN、衛星または当業者に容易に理解されるような他の任意の種類の通信メカニズムなどの、複数の異なる通信メカニズムの定義に用いられる。
【0017】
他に定義されない限り、ここで用いられるすべての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者により一般的に理解されるものと同一の意味を有する。
【0018】
全体的な流体監視システム
【0019】
本発明は、流体の遠隔分析を可能にするシステムを提供し、このシステムでは、流体の分析および関連するデータの収集は、複数の遠隔地において、複数の遠隔装置によって提供することができる。各遠隔装置は、1つまたは複数の通信ネットワークを介して直接または間接的に中央コントローラに接続され、これにより、監視される流体系の特性に関する複数のデータの集中的な収集、評価および分析が可能となる。本発明に係るシステムは、流体の戦略的サンプルを収集するための手段を、さらに提供することができ、これは例えば、後の時間に、これらのサンプルを、研究所または他の施設で将来より詳細な分析を行なうために、1つまたは複数の遠隔地から収集できるようにする。流体監視システムは、流体系の特性の全体的な視点から、流体を複数の場所で互いにリアルタイムに監視するための手段を提供する。本発明の一実施形態においては、この流体監視システムは、流体の特性および流体系におけるリアルタイムの変化に関する情報およびリスク要因を提供することができる。
【0020】
流体監視システムは、流体または流体サンプルに、元の位置でスペクトル分析を行うことができる複数の遠隔装置を備える。遠隔装置は、流体サンプルを符号化照明信号で照らし、その後、この照明への流体サンプルの反応に関する情報を含む受信光を検出する。照明への流体サンプルの反応は、反射および/または蛍光の形態とすることができる。受信光と符号化照明の間で行なわれる相関または整合により、検査サンプル反応の検出を強化することができ、これにより、初期的にはシステム内の背景雑音から区別ができない可能性がある、流体の反射および/または蛍光反応を識別するための手段を提供する。例えば、蛍光は、エネルギーが本質的に蛍光よりも低く、よって、雑音の存在する状態では検出がより困難となり得る。所定の照明への流体サンプルの反応の収集および識別は、流体サンプルまたはその特性のスペクトルサインの決定を可能にすることができる。流体監視システムは、それぞれがデータ収集と分析の機能を実行する、流体系内に位置する複数の遠隔装置を有することができる。これらの遠隔装置はそれぞれ、中央コントローラに相互接続され、これにより、例えば流体移動系内の流体の潜在的な汚染や、この潜在的な汚染の位置を含む、1つまたは複数の特性の評価を可能にする、データ収集位置のネットワークを形成する。このシステムを用いて、例えば給水システム、オイルまたはガスパイプライン等を含む流体系の特性を、評価することができる。
【0021】
図1を参照すると、流体監視システムの可能な構成が示されている。監視システムは、様々な位置に配置される複数の遠隔装置130を備える。これらの遠隔装置は、1つまたは複数の通信ネットワーク140を通して直接または間接的に、中央コントローラ150に相互接続される。一実施形態において、クラスタハブ170が、情報を収集および/または分析するための中間位置を提供し、この情報は、その後に中央コントローラに送信することができる。このようにして、クラスタハブは、情報の受信またはクラスタハブの近傍にある遠隔装置への直接接続に関する、中央コントローラへの要求を減少させるための手段を提供する。クラスタハブは、その後、同一または代わりの通信ネットワークで、中央コントローラに接続される。遠隔装置は、流体の測定および分析が必要とされる戦略的な地形位置に配置される。遠隔ユニットは、これらの流体を、定められた時間にサンプリングするように指示されてもよく、あるいは、継続的またはランダムに、サンプリングしてもよいものであり、例えば、その結果を、その後に1つまたは複数のクラスタハブを介して直接または間接的に中央コントローラに中継する。クラスタハブを用いて、これに接続された遠隔装置によって収集されたデータを評価および分析し、その後に、この分析情報を、中央コントローラに送信することができ、これにより、中央コントローラにより行なわれるデータ評価の量を減少させることができる。中央コントローラに要求された場合、または所定のイベントが起こった場合に、任意として、クラスタハブを、制御コントローラのみに接触させてもよい。
【0022】
本発明の一実施形態において、また、図2を参照して、ソースからの公共用水施設内の水の監視に直接関連させた、流体監視システムの構成要素の配置の概略が提供される。図2において、分水界110からの水が、水を分配するための配管要素を有する配水システムに関連付けられた公共の取水口120において集められる。複数の遠隔装置130を、水系に入る前に水の特性を評価するために、分水界110内に配置することができ、また、複数の遠隔ユニットを、システム内の複数の位置に関連付けることができ、システムを通過する水の追跡と評価を可能にする。加えて、環境に再入する水の質を評価するために、1つまたは複数の遠隔装置を、水流出口160に配置することができる。この種の複数の遠隔装置の構成は、重要な位置での水の汚染あるいは他の所望のまたは望まれない水の特性の発生を、評価および決定するための手段を提供することができる。これらの遠隔ユニット130のそれぞれは、通信ネットワーク140によって、中央コントローラ150に接続され、この通信ネットワークは、例えばインターネットまたは他の形態の通信ネットワークとすることができる。水流出口160は、水が配水システムから出て行き分水界110へと戻る経路を定める。当業者には、配水システムは、同等に、その特性を分析する必要がある天然ガス配給システムまたは他のどのような種類の流体配給システムとしてもよいことが、容易に理解されるであろう。例えば、天然ガス配給システムの分析が必要とされる場合、容易に理解されるように、ソースは、分水界の代わりに天然ガス田となるであろう。
【0023】
遠隔装置
【0024】
本発明に係る流体監視システムは、所望の位置において流体を分析し、その後にこの情報を中央コントローラに転送するための手段を提供する、遠くに配置された複数の遠隔デバイスを備える。遠隔装置によって行なわれる動作は、流体のサンプルの取得、流体の完全または部分的なスペクトル分析の実行、および中央コントローラへの結果の送信を含むことができる。
【0025】
各遠隔装置は、サンプルチャンバと、感知システムと、信号処理制御システムと、通信ネットワークシステムとを備える。サンプルチャンバは、分析される流体が配置されるか、または、分析される流体がその中を流れる場所を提供する。感知システムは、感知システムがサンプルチャンバ内の流体を照らすことができ、かつ、この照明への流体の反応を検出することができるように、サンプルチャンバと動作可能に関連付けられる。信号処理システムは、感知システムを制御し、流体の照明と流体サンプルの反応の検出の両方を制御するための手段を提供する。信号処理システムは、弱信号検出モジュールをさらに備え、これは、一般的に信号処理システムおよび感知システム内の雑音によりマスクされ得る、流体のスペクトル反応の成分を検出するための手段を提供する。通信ネットワークシステムは、信号処理システムと統合してもよく、または任意として、通信ネットワークの使用を介して中央コントローラと遠隔装置の通信を可能にする個別モジュールとして統合してもよい。ネットワーキングシステムは、例えばPSTN、無線、有線、イーサネット(登録商標)、インターネット、ローカルエリアネットワーク等の複数の異なるネットワークを、遠隔デバイスに相互接続することを可能とするように構成することができる。この種の通信ネットワークとの相互接続は、中央ステーションによる複数の検査現場からの情報の収集を可能にすることができ、これにより、この検査データを収集するために必要な作業員を、潜在的に削減することができる。
【0026】
当業者に知られるように、光システムからの情報が送信される通信システム(LAN、WAN、インターネット)および情報に求められるセキュリティの所望のレベルに応じて、変化するレベルのデータの暗号化を用いてもよい。
【0027】
図3を参照すると、本発明の一実施形態に係る遠隔装置は、光感知システム7と、信号処理システム5とを備える。遠隔装置は、信号処理システム5(具体的にはエミッタ制御電子回路10)により制御され、紫外から遠赤外の範囲(または100nm〜20000nmの帯域幅)にわたる電磁放射を放出する光子エネルギーソース15と、信号処理システム5(具体的にはエミッタ制御電子回路10)によって制御され、光子エネルギーソース15からの光を受け、符号化されたフォーマットの1つまたは複数の照明波長22を検査サンプル25に供給する、光放出処理手段20とを備える。光放出処理手段20は、1つまたは複数の照明波長を分離するための手段と、照明波長を検査サンプル25へと向けて収束するエミッタ光学素子とを備えることができる。遠隔装置は、信号処理システム5(具体的にはエミッタ制御電子回路10)により制御され、検査サンプル25を照らすことによる受信光27の1つまたは複数の波長を収集および分離する受信光光学的処理手段30をさらに備える。受信光光学的処理手段30は、検査サンプル25からの受信光を集めるための検出光学素子と、受信光の1つまたは複数の波長を分離するための手段とを備えることができる。加えて、システムは、受信光光学的処理手段30によって送信された受信光を感知して電気信号に変換する光検出器35と、信号処理システム5の構成要素であり、光検出器35の出力に整合相関を行なうDSP受信信号処理手段40とを備える。受信光の整合相関は、光検出器35からの受信電気信号と、照明波長の符号化に使用されるエミッタ制御電子回路10からの符号化パラメータとに基づいて行なわれる。
【0028】
雑音または干渉が、本発明に係る信号処理システムおよび遠隔装置の感知システムに入る、様々な位置が存在し、この干渉は、照らすことにより検査サンプルから受信される信号を検出する能力を低下させる。例えば、図3をさらに参照すると、周辺光が、受信光光学的処理手段30を通して感知システムに入ることができ、電気雑音が、DSP受信信号処理手段40を介して信号処理システムに入ることができる。照明信号の符号化、および符号化照明信号に関連する受信信号の整合相関は、雑音または干渉が存在する状態での、検査サンプルを照らすことの結果として生じる受信信号の検出の改善を可能にすることができる。
【0029】
信号処理システム
【0030】
信号処理システムは、感知システムを制御し、流体の照明と流体サンプルの反応の検出の両方を制御するための手段を提供する。信号処理システムは、弱信号検出モジュールをさらに備え、これは、一般的に信号処理システムおよび感知システム内の雑音によりマスクされ得る、流体のスペクトル反応の成分を検出するための手段を提供する。
【0031】
一実施形態において、図4は、遠隔装置に統合するための信号処理システムの構成を示している。信号処理システムは、DSPブロック1010と、トランスミッタおよびレシーバブロック1000と、マイクロコントローラ(MCU)ブロック1020と、通信ブロック1030と、デジタルおよびアナログ電源ブロックとを備える。
【0032】
本実施形態においては、DSPブロックは、デジタル信号処理チップと、追加的な外部静的ランダムアクセスメモリ(SRAM:static random access memory)とを備える。DSPブロックは、光検出器から転送されるスペクトルデータの高速リアルタイム処理のための計算アルゴリズムを実行する。このDSPブロックは、また、光子エネルギーソースを変調することが可能な信号を生成し、この変調信号は、必要に応じて複数の光子エネルギーソースに対して多重伝送することができる。しかしながら、検出器は、2つ以上ある場合、それぞれ、受信光に関する情報を送信するための、DSPブロックへの個別のチャンネルを有する。加えて、DSPブロックは、照明の放射を機械的にパルスして符号化する例えばチョッパなどの光デバイスを制御することができる。当業者に知られるように、DSPチップに要求される処理速度は、例えば、処理される入力データの推定量および周波数によって決定することができる。このようにして、適切なチップを、その処理速度、例えばDSPが動作するヘルツ数、40Hz、60Hz等に基づいて決定することができる。
【0033】
本実施形態によると、トランスミッタおよびレシーバブロックは、アナログ−デジタル変換器(ADC)と、デジタル−アナログ変換器(DAC)と、低域通過フィルタとを備え、これらのフィルタは、受信信号のアンチエイリアシングを可能にする。発光ダイオード(LED)またはレーザダイオードが、光感知システム向けの光子エネルギーソースとして使用された場合は、このブロックは、マルチプレキサと、高電流増幅器とを備えてもよい。マルチプレキサは、複数の光子エネルギーソースを個別に起動するための信号の送信を可能にし、高電流増幅器は、これらの光子エネルギーソースを、最大スペクトル電力出力が得られるように起動する十分なエネルギーを供給するための手段を提供する。本発明の一実施形態において、テキサスインスツルメンツ(Texas Instruments)のCODEC(coder/decoder)である、TLV320AIC20と、TLV320AIC10とが、アナログ−デジタル変換器として用いられる。この例では、TLV320AIC20は、2つのアナログ−デジタル変換器と、2つのデジタル−アナログ変換器とを備え、TLV320AIC10は、1つのアナログ−デジタル変換器と、1つのデジタル−アナログ変換器とを備える。したがって、これら2つのCODECを、独立型の信号処理システムに組み込むことによって、3つの独立した入力および出力チャンネルが供給される。
【0034】
本実施形態では、通信ブロックは、信号処理システムに統合され、かつ、例えばイーサネットチップまたは無線ネットワークチップなどのネットワークカードを備え、これは、遠隔装置を、例えばローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、または無線ネットワーク(例えばBluetoothTMまたはIEEE802.11)などの通信ネットワークに相互接続することを可能にする。当業者は、所望のネットワーク接続に必要なチップまたはカードのフォーマットと種類を理解するであろう。加えて、通信ブロックは、例えばRS−232ポートなどのシリアルインターフェイスチップをさらに備え、これは、例えばコンピュータまたはシリアルモデム、例えばダイヤルアップまたは無線タイプモデムあるいはモノクロメータへのシリアル接続などの、他のコンポーネントまたはシステムへのシリアルインターフェイスを提供することができる。通信ブロックは、したがって、コンピューティングシステムまたはローカルコンピューティングシステムが、信号処理システムで動作するアルゴリズムの補正または置換に加え、構成データに加えて信号処理システムによって集められた情報にアクセスするための手段を提供することができる。
【0035】
さらに、マイクロコントローラユニット(MCU)ブロックは、MCUチップと、外部SRAMと、外部FLASHユニットとを備え、MCUチップは、例えば8ビット、16ビット、または32ビットチップとしてもよい。MCUブロックは、DSPブロックおよび通信ブロックを管理し、ここで、MCUブロックは、DSPブロックから処理データを集め、この情報を、通信ブロックに転送する。照明および受信光をフィルタおよび/または収束する、例えば光フィルタまたはモノクロメータなどの光デバイスを、MCUブロックにより制御することができる。MCUブロックは、データの統計的分析を追加的に行うことができ、アラーム設定を起動することが可能である。例えば、検査サンプルの蛍光のレベルが所定レベルを超えた場合に、アラーム設定を起動してもよく、このアラーム起動は、さらに詳細な分析のためのサンプルの自動収集、または作業員へのアラーム起動の通知を含んでもよい。例えば整合相関手順の修正など、DSPブロックへのソフトウェア更新が要求される場合は、MCUブロックは、例えばDSPコードの遠隔ソフトウェア更新を管理することができる。MCUブロックに組み込まれるMCUチップの種類は、処理される情報の量に応じて、例えば当業者に知られるように、異なってもよい。一実施形態において、MCUチップは、2つの高精度のバイポーラDCモータを制御することを可能にするインターフェイスを有し、モータインターフェイスは、MCUチップのピンから、光学的に分離することができ、例えば、MCUチップに損傷を与える危険性を制限する。他の実施形態においては、MCUチップは、複数の一般出力ピンを有することができ、これらのピンは、制御バルブ、温度センサ等の、追加的なデバイス用に使用することができる。一実施形態において、MCUチップのプログラミングは、ISPインターフェイスによって提供することができ、このインターフェイスは、上述したように、通信ブロックによって提供することができる。本発明のさらなる実施形態においては、MCUブロックは、CPLD(complex programmable logic device)チップと、リセットチップとをさらに備え、CPLDは、アドレス復号ロジックと、ボードリセットロジックとを含む再プログラム可能な集積回路である。
【0036】
信号処理システムのデジタルおよびアナログ電源ブロックは、調整されたDC電力を、信号処理システムの構成要素によって要求されるレベルに応じて、さまざまなレベルで供給することができる。一例において、このシステムへの入力電力は、例えば壁コンセントなどの、未調整または変化する電源によって供給してもよい。デジタルおよびアナログ電源ブロックは、入力電力を調整して、その後に信号処理システムの各構成要素に要求されるアナログおよびデジタル電圧レベルを生成する素子を備える。例として、入力電力の調整を可能にする素子は、当業者に知られるように、変圧器、AC−DC変換器または他の任意の電力調整素子を備える。
【0037】
信号処理システムは、その内部で動作する様々なソフトウェアを有し、このソフトウェアは、典型的には、ファームウェアと呼ばれ、信号処理システムに、その機能を提供する。当業者には、このファームウェアのいくつかは、信号処理システムのいずれか1つの構成において、存在してもよく、または存在しなくてもよいものであり、要求されるファームウェアは、特定の信号処理システムの所望の機能に基づいて決定されることが、容易に理解されるであろう。例えば、信号処理システムにて実行することができるファームウェアの機能は、例えばBPSK原理などの所望のコーディング機能に基づく信号送信および検出と、受信された光子エネルギーのコード化パルスの初期クリーンアップを行うために用いられるFIRフィルタリングと、受信されたコード化パルスの第2のクリーンアップを行う自動相関と、自動相関結果に基づく信号対雑音評価と、マイクロコントローラ/DSP通信インターフェイスソフトウェアと、マイクロコントローラ/シリアルポート通信インターフェイスソフトウェアと、コーデック用のソフトウェアドライバと、16進ファイルを読み込み、DSPに例えばその機能に関する指示などの内容をロードするように設計されたマイクロコントローラのローディングソフトウェアと、グルーロジック(glue-logic)を生成し、マイクロコントローラ、マルチプルネットワークコントローラ、およびSRAMチップとインターフェイスするように設計されたFPGA/CPLDソフトウェアと、ダイヤルアップモデムの動作を可能にするマイクロコントローラのドライバと、からなる群から選択することができる。
【0038】
コーディング機能を、エミッタ制御電子回路によって使用して、検査サンプルと相互作用する前に照明信号の符号化を行い、このコーディング機能は、任意の数の信号変調技術により提供することができる。例えば、パルスコードソフトウェアを用いて、信号制御デバイス周波数の直接変調(パルス周波数変調、PFM(pulse frequency modulation))のために同期パルスを生成することができる。PFMにより、パルスの周波数を変調して、所望の情報を符号化する。パルスコードソフトウェアを用いて、信号制御デバイス振幅の直接変調(パルス振幅変調、PAM(pulse amplitude modulation))を行うための同期パルスを生成することができ、PAMにより、パルスの振幅を変調して、所望の情報を符号化する。加えて、パルスコードソフトウェアを用いて、信号制御デバイスパルス幅の直接変調(パルス幅変調、PWM(pulse width modulation))のために同期パルスを生成することができる。PWMにより、パルスの幅を変調して、所望の変調を符号化する。最終的に、固定同期パルスを生成してパルスレートと振幅変調を可能にする関数発生器を、例えばチョッパ、シャッタ、ガルボミラー等の間接的な信号変調器のための同期パルスを生成する機械的エンコーダドライバに加えて使用して、照明信号を符号化してもよい。
【0039】
本発明の一実施形態において、エミッタ制御電子回路によって使用されるコーディング機能は、BPSK(binary phase shift keying)であり、これは、デジタル変調フォーマットである。BPSKは、弱信号の受信に対して非常に効果的となり得る変調技術である。BPSK変調を用いて、搬送波信号の位相が、デジタルビットストリームに従って180°シフトされる。BPSKのデジタルコーディング方法は、次の通りである。「1」が、搬送波信号の位相遷移(180°)を起こさせ、「0」は、位相遷移を起こさせない。この変調技術を使用して、レシーバは、差分コヒーレント検出プロセスを行い、このプロセスでは、各ビットの位相が、続くビットの位相と比較される。BPSK変調の使用は、例えばオンオフキーイングなどの他の変調技術と比較した場合、改善された信号対雑音利点を提供することができる。当業者には容易に理解されるように、他の符号化技術を使用することもできる。
【0040】
サンプルチャンバ
【0041】
サンプルチャンバは、分析される流体が配置されるか、または、分析される流体がその中を流れる場所を提供する。感知システムは、感知システムがサンプルチャンバ内の流体を照らすことができ、かつ、この照明への流体の反応を検出すことができるように、サンプルチャンバと動作可能に関連付けられる。
【0042】
検査サンプルが流れる流体である本発明の一実施形態において、検出デバイスと関連付けられたサンプルチャンバは、流体の流れに挿入され適切に配向されたチューブであってもよく、このサンプルチャンバ内のチューブは、光プローブを配向するための手段を提供する。例えば、サンプルチャンバの端にあるフランジを、チューブの代わりに使うこともできる。この例では、光プローブは、感知システムの機能を実行する。このサンプルチャンバは、流体の流れに対する影響を最小にするように設計することができ、これにより、照らされることに対する流体の反応の検出への影響を、潜在的に減少させる。サンプルチャンバのサイズ、特に断面積は、サンプルチャンバの表面領域が、光検出器の視野の外になるように設計することができる。このようにして、サンプルチャンバからの内部反射の検出を、最小にすることができる。サンプルチャンバの反応の影響を潜在的にさらに減少させるために、サンプルチャンバの表面領域を、非反射の光吸収材料で作製することもできる。さらに、本実施形態では、サンプルチャンバは、望まれれば、光プローブを取り外してクリーニングし、その後に同じ向きで配置できるように、作製することができる。光プローブをサンプルチャンバ内に再配置する際の再調整を容易にするために、インデックス付けの形態を用いてもよい。
【0043】
他の実施形態においては、サンプルチャンバは、感知システムに関連するセンサへの後方散乱照明の量が最小になることを確実にするように成形される。例えば、サンプルチャンバに非対称形状を用いることができ、これにより、サンプルチャンバからの散乱が、実質的に再収束され、散光を直接センサに向けて収束させる表面がない状態で、サンプルチャンバに関連するドレインに向けて放散される。他の実施形態においては、サンプルチャンバの形状は、散乱照明を通気孔に向けて最収束および散乱させる。容易に理解されるように、サンプルチャンバの成形には、流体がセンサを通って流れることを可能にしつつ、散乱照明をサンプルチャンバの外に向けるなど、多くの他の方法がある。
【0044】
評価される流体が液体である、本発明の他の実施形態においては、サンプルチャンバは、流体からの潜在的なガス抜きを維持するように、または少なくとも、このようなガス抜きを可能な限り一定に近づけるために、圧力を一定レベルに維持するように設計することができ、これにより、この動作が遠隔装置により行なわれる分析に及ぼす影響を潜在的に限定する。その構成は、流体が、垂直のスタックに入り、ガスが、スタックの上部にある通気孔に上昇し、流体の流れが、サンプルチャンバへと継続して下がるようにすることができる。サンプルチャンバは、流体入力および垂直のスタックと接触するどのような視線も持つことがなく、流体の反応の検出において望まれない変化を生じ得る気泡および潜在的な境界層の干渉、渦巻きおよび異なる流体の質の混合の干渉面、を減少させる。
【0045】
一実施形態において、サンプルチャンバは、流体に、その中を流れて通過させ、その上から空気を逃がすチャンバとして特徴付けられる。センサの範囲に来る前に、空気を可能な限り上から逃がす手段を提供するために、感知システムの感知センサは、サンプルチャンバの低い面に配置することができる。したがって、サンプルチャンバおよび流体移動システムに関連付けられたシステムを用いて、流体力学的雑音を減少させる。加えて、例えば検査の後に、サンプルチャンバからの粒状物質を取り除くことを可能にするために、流体排出チャンネルを、センサの下に配置してもよい。さらに、流体排出チャンネルが汚れる可能性を減少させるために、流体排出チャンネルを流体取入れ口よりも大きくすることができる。
【0046】
遠隔装置に関係付けられた流体制御システム
【0047】
遠隔装置に関係付けられた流体制御システムは、サンプリングされる流体を、遠隔装置を通して方向付けるための手段を提供し、一方で、浮遊物質の除去、流体圧力の減少、システムクリーニングおよびサンプル抽出などを含む他の機能を提供する。
【0048】
一実施形態において、遠隔装置は、分解された微粒子を可能な限りスキャンするように設計され、これにより、検出されたスペクトル反応から、流体サンプル内の浮遊物質からの反射雑音を軽減させる。他の実施形態においては、取入れ口フィルタを用いて、遠隔装置内を通過する流体の流れをふさぐかまたは減少させる可能性がある粗粒を除去することができる。ポンプを継続的に動作させて、サンプリング手順のための圧力を可能な限り確実に連続させ、流体からの空気の除去を確実にする。一実施形態において、ポンプは、浸水型のユニットとすることができ、あるいは、容易に理解されるように、吸引/ジェットポンプまたは他の種類のポンプとすることができる。
【0049】
本発明の一実施形態において、流体は、流体分配ネットワークから、流体供給における変化または急増を減少させる機能を果たす第1減圧バルブ(PRV:pressure-reducing valve)へと流れる。このPRVは、遠隔装置の流体取入れ口に配置することができる。流体は、その後3つの領域へと流れ、これらの領域は、クリーニングライン、サンプル補足ライン、およびサンプルチャンバ流体供給ラインであるが、これらのラインは、分離する必要はなく、単一の流体供給ラインを用いて、流体を、これらの要求される領域、すなわちクリーニング、サンプルチャンバおよびサンプル補足のうちの1つまたは複数へと向けることができる。
【0050】
一実施形態において、また、サンプルチャンバ供給ラインに鑑みると、流体は、サンプルチャンバに関連付けられた垂直のスタックに供給される。この場合、例えば、第2のPRVが、流体圧力を、サンプルチャンバに流体を供給するための所定の圧力に減少することができる。この圧力降下は、気泡を急速に膨張および発散させ、感知システムの光学素子にかかる圧力を、例えば20psiの所望のレベル未満に維持させることができ、これにより、より低い圧力によって、例えばより低コストの取り付けが、潜在的に可能となる。
【0051】
一実施形態において、クリーニングラインに鑑みると、流体は、感知システムの光学素子の内部または流体感知側面に直接供給され、かつ、電気作動のバルブシステムによって操作されて、高圧の流体ジェットを光学素子の表面に供給することにより、光学素子に付着し得る粒子を除去するための手段を提供する。この、流体ジェットを起こさせて、光学素子のクリーニングを試みる動作は、信号処理システムによって制御することができ、信号処理システムは、収集された情報に関連するパラメータが変化したかどうかを、この種の読み取り値が分析される流体と一致するか否かで、決定することができる。例えば、収集された情報における変化を示したデータが、検査される流体の種類の典型的なものではない場合である。粒子が光学表面に付着する潜在的な可能性がある場合、リレーを介した信号処理システムからの信号により、流体ジェットストリームを起動することができ、バルブアクチュエータ要求に一致する正しい電力の信号を、送ることができる。流体ジェットは、また、表面への蓄積を防ぐために、周期ベースで動作させることもできる。一実施形態においては、例えば感知システムの光学素子から、生物学的膜を除去する化学的に強化された方法があってもよい。例えば、フィルタされた水系における水の測定に使用されるシステムにおいて、ポンピングまたはベンチュリ効果のいずれかにより、洗浄液に加えられる1つの添加剤を、オゾンとしてもよい。他の添加剤は、光学表面からの流体物質の浄化および除去に使用されるクリーナーおよびデスケーラ(descaler)の組み合わせであってもよい。洗浄サイクルへの他の可能な添加剤は、フルオレセインなどの蛍光染料であり、これは、センサ反応の調整および機器の性能レベルの決定に使用してもよい。フルオレセインは、クリーニング液に混合してもよく、センサチャンバに注入された場合、機器は、それ自体の性能特性を調整することができる。
【0052】
他の実施形態においては、さらなる流体ラインが、電気作動バルブシステムに供給を行い、このバルブシステムは、信号処理システムにより設定されたパラメータに基づいて自動的にサンプルを分注することができる。生物活性状態のサンプルのためのサンプル収集および保存は、サンプルに、所定の温度範囲を維持することを可能にしなければならない。これは、冷却コイルによって、または熱電冷却デバイスを使用して達成することができる。ハイリスクのイベントが、サンプル収集プロセスをトリガすると、バルブが開いてサンプルを流体の流れから分注させることができる。サンプルは、カーボンフィルタを通すこと、または、必要に応じて処理することができ、次いで、サンプル補足チャンバに分注し、ここで、サブシステムによる追加的な処理、処置のために保存することができ、または、サンプル収集システムに加えることができ、あるいはボトルに分注して研究所に送ることができる。複数のサブシステムを、サンプル収集システムに加えることができる。このサンプルは、サンプル補足チャンバ内に保持することができ、そこで、操作者により分注されるまで保存され、あるいは信号処理システムが例えば新しいサンプルの収集を決定した際に、ドレインに自動的に捨てることができる。サンプル補足チャンバは、収集に際してガスの排気を可能にする通気孔を持つことができ、この通気孔は、後日に必要に応じてサンプルを捨てるために、ドレインに接続することもできる。捨てられるサンプルの選択は、サンプルの経過時間または容易に理解されるような他の要因に基づくことができる。サンプル収集処理およびサブシステムは、自動サンプリングが必要とされるシステムにおいて使用する必要がある。加えて、例えば、飲用水中の塩素で処理されたサンプルは、カーボンフィルタの通過または塩素を中和する化学添加物の追加を通して塩素を除去する必要がある。一般的に使用される化学中和剤の一例は、チオ硫酸ナトリウムである。他の実施形態においては、遠隔装置と相互接続される複数のサンプル補足チャンバがあってもよく、ここで、サンプル補足チャンバは、それに関連付けられた冷却装置の形態を有することに加えて、大きさを変えることができる。
【0053】
さらなる実施形態において、システム性能の管理は、MCUによって制御される一連のバルブを使用して達成することもできる。センサを用いて、システムに入る水の圧力を測定することができ、これらの圧力センサは、自立システムにおけるポンプ性能、依存する取入れ口圧力の流れ不良、出口圧力および潜在的な汚れを測定する圧力差の指標とすることができる。流れ制御のためのバルブは、電動、ダイヤフラム、ソレノイド、または市場で広く販売されている機械的なオプションとすることができる。ぜん動性のポンプを、バルブおよびポンプとして使用することもできる。
【0054】
他の実施形態において、寄生虫フィルタリングのためのサブシステムが、寄生虫を補足するために、多量の水を、収集フィルタに自動的に通過させることができる。フィルタは、寄生虫収集に適切な種類のものとすることができ、規制上認可されたプロセスによって要求されるように、管理することができる。これらの有機体が操作者によって収集され、その後に検査される前に、生きた状態が維持されることを確実にするために、フィルタ装置を、冷却チャンバ内で維持することができる。
【0055】
リスク報告
【0056】
一実施形態において、遠隔装置は、流体を監視することができ、データを、例えば関連するリスク値と共に、中央コントローラに報告することができる。リスク計算の測定基準を、イベントの持続時間、大きさ、頻度および段階の評価に使用することができる。例えば、給水における生物学的混濁度の場合、システムは、1〜9の変数として、いつでもリスクを報告することができ、ここで、1はリスクがないことを示し、9は非常に高いリスクを示す。この報告は、ノーマルのものと比較することが可能な、加重された形態で提示することができ、報告の尺度は、環境に適合するように設計することができる。例えば、所定の遠隔装置により所定の場所で検出されたイベントが、他の装置の場所と比較して頻繁に起こる場合、例えば、通常の動作でのイベントの頻度を記録して、基準として使用することができる。発生の頻度の増加は、リスクを増加させることができる。したがって、特定の時点での合計リスクは、2つの異なる遠隔装置において、これらの2つの場所で起こるイベントの頻度が異なる場合であっても、同一として報告することができる。
【0057】
一実施形態において、リスクは、反応の加重値にも依存する。例えば、大きな問題がある場合にのみ変化する入力からのセンサ反応は、広範囲のイベントに反応するセンサよりも、高い優先度を与えられる可能性が高い。加えて、同時に起こる反応は、高レベルのリスクを生じ得る。例えば、混濁イベントは、それが非常に少ない生体物質を含んでいる場合、重要ではないかもしれないが、著しい生物学的イベントにより加重された場合は、より重要となるであろう。さらに、生体物質に関連する特定の波長での、比較的小さな変化には、例えば非有機の溶解固形物に関連する特定の波長よりも、より多くのリスクがあり得る。
【0058】
本発明の一実施形態において、信号処理システムの機能は、例えばリスク分析に関連付けられたアラーム設定を確立する能力を、さらに備えることができ、アラーム設定が起動した際に、1つまたは複数の動作が行なわれる。例えば、信号処理システムは、処理データに、常に相関および統計的分析を行い、ひとたび、受信光における所定レベルの変化が到達されると、信号処理システムが、アラーム設定を起動する。アラーム設定の起動は、結果として、中央コントローラに送られるメッセージを発生させることもできる。検査サンプルが流れる流体サンプルである、一実施形態において、アラーム設定の起動は、結果として、例えば流れから収集容器へと流体を運ぶバルブの使用を介して、流体サンプルを流体の流れから抽出させることもできる。この流体サンプルは、その後、例えば研究所にてその内容を評価するために、詳細な分析にかけてもよい。流れる流体の監視の例では、アラーム設定を組み込むことは、光で照らすことへの流体の反応における特定レベルの変化が検出された際に流体をサンプリングすることによって、流体内容の著しい変化を補足することを可能にすることができる。この手順は、周期的な時間ベースの流体のサンプリングとは対照的に、流体の内容における変化の改善された評価を提供することができる。
【0059】
追加センサ
【0060】
本発明の一実施形態において、検査される流体サンプルの追加的な質を決定するために、追加センサが遠隔装置に組み込まれる。例えば、センサとして、pHセンサ、温度センサ、塩素センサまたは混濁センサが挙げられる。当業者に知られるように、他のセンサを遠隔装置に組み込むこともできる。これらのセンサは、分析される流体に直接、依存することができ、例えば、天然ガス内の望まれない不純物は、水中の不純物とは完全に異なる場合があり、したがって、遠隔装置に関連付けられた追加センサを使用して、特定の流体の所望の不純物または汚染物質を識別することができる。
【0061】
本発明の一実施形態において、1つまたは複数の遠隔装置に関連付けられた追加センサによって集められた情報は、遠隔センサ、遠隔装置が接続されるクラスタハブ、または中央コントローラにより行なわれるリスク分析に、統合することができ、これにより、リスク分析を改善する。例えば、pH、塩素、温度および混濁度などのパラメータを検出するための追加センサを、汚染イベントまたは潜在的なリスクを代わりに断定するものとして使用することができる。一例において、温度における変化は、バクテリアが再生する能力を変える可能性があり、また、塩素の減少は、殺菌作用を減少させる可能性がある。さらに、例えば、高い度合いの塩素および高い度合いの有機材料が検出された場合、これは、トリクロロメタンが発生し得る潜在的な状態を示しているかもしれない。当業者に知られるように、リサーチによって、この種の状態が、癌のリスクの増加にリンクしていることが示されており、したがって、その検出は重要となり得る。
【0062】
中央コントローラ
【0063】
流体監視システムに統合されている場合は、本発明のシステムと関連付けられた中央コントローラを用いて、遠隔地に配置された遠隔装置およびクラスタハブまたは局所コントローラから収集された情報の監視およびさらなる分析を、行うことができる。中央コントローラは、収集されたデータのデータベースとして使用することができ、したがって、流体系全体の傾向等を評価するために、流体分配システムのための統計的な分析を必要に応じて決定するための、集中された手段を提供することができる。
【0064】
本発明の一実施形態においては、中央コントローラサーバは、遠隔装置とクラスタハブのデータベースをさらに備え、このデータベースは、場所、アクセスコード、ネットワーキング機能、通信ネットワーク適合性、および当業者に知られるような他の任意のパラメータに関する明細を含むことができ、これにより、中央コントローラは、接続された各遠隔装置またはクラスタハブにアクセスすることが可能となる。
【0065】
一実施形態において、中央コントローラは、例えばより頻繁な検査やサンプルの保存などの、追加的な情報のためのリクエストを遠隔装置に送ることができる。加えて、中央サーバを使用して、遠隔装置が分析を行なうパラメータを修正することもできる。このようにして、中央コントローラは、当業者に知られるように、遠隔装置の信号処理システムに関連付けられたファームウェアを送信および/または修正することができる。
【0066】
本発明の一実施形態において、中央コントローラが、監視される流体系内にリスクのレベルがあることを決定した場合、中央コントローラは自動的にトリガされて、警告を送る。これらの警告は、電子メールおよび携帯電話などの携帯装置を含む、任意の媒体で送ることができる。典型的な警告のトリガには、システムが4時間以上動作していない、ハイリスク値が決定される、信号対雑音比が正常範囲の外にある、異なるチャンネルの収集データに関係する電力値が、正常に収集されたものより弱い、および流体のサンプルが取られた、が挙げられる。他のトリガは、流体監視システムの様々なユーザの異なる要求に基づいて実施することができ、特定のユーザのために構成してもよい。所定のトリガは、一組の予め定義されたユーザに自動的に送り、潜在的な問題を警告することができる。
【0067】
本発明の一実施形態においては、中央コントローラの機能は、単一のコンピューティング装置によって提供され、これにより、システムの各構成要素の機能が提供され、システムの構成要素が、コンピューティング装置によって実行されるコンピュータプログラムとして具体化される。代わりの実施形態においては、中央コントローラは、複数のコンピューティング装置を備えてもよく、ここで、システムの機能は、コンピューティング装置の集まりの間で分割される。この実施形態において、システムの1つまたは複数の構成要素を具体化する適切なコンピューティングプログラムは、適当なコンピューティング装置にインストールされ、実行される。本発明と関連して使用することができるコンピューティング装置は、例えばパーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、メインフレームコンピュータ、またはそれらの組み合わせ、あるいは当業者に知られるような他の任意のコンピューティング装置、とすることができる。複数のコンピューティング装置が中央コントローラの機能を実行する場合、当業者には容易に理解されるように、適切なインターフェイスソフトウェアおよびプロトコルを統合することができる。
【0068】
クラスタハブ
【0069】
本発明の一実施形態において、検出デバイスの所定の集まりを監視するために設けられた局所中央分析サーバがあってもよい。これらの局所中央分析サーバは、これらの局所サーバのみと通信して情報を集めるメイン中央分析サーバに互いに相互接続することができる。このようにして、データの収集と分析を、階層化されたシステムで実行することができ、1つの特定の中央分析サーバが、複数の検出デバイスのために収集されたすべての情報の集まりによってオーバーロードされない。
【0070】
遠隔ユニットのグループを、複雑なシステムにおいて変化する条件を活用することができるように、互いにクラスタ状にネットワーク化してもよく、例えば、分水界、ろ過および処理センタ、保管および分配などの様々な場所、または浄水施設などの単一の制御センタの動作内に配置することができる。検出器クラスタは、センサのインテリジェントな集合として、互いに通信することができ、強化されたプロセス管理を可能にする。これらのシステムはすべて、検出器クラスタハブにもリンクし、健康リスクおよび環境影響データを潜在的に含む情報を集積するためのより大きなデータベースをサポートすることができる。ローカルネットワーク内のセンサは、1つの外部通信ハブを使用してコストを下げるために、クラスタ化してもよい。
【0071】
リスク分析
【0072】
一実施形態において、リスク分析のさまざまな部分を、遠隔装置、クラスタハブおよび中央コントローラにて行うことができ、ここで各段階は、より全体的な流体系分析となる。各ユニットは、それぞれの各レベルにおいて発せられるリスクのレベルに関する決定を可能にする、定義されたルールを有することができる。リスクは、履歴データに基づいて、測定値およびルールに基づく基準から決定することができる。例えば、混濁生物量または他の複数の入力測定基準は、変化するものであり、遠隔装置は、この関係を継続的に監視することができ、これらは両方とも、例えば監視中および監視後の流体に適用可能なルールに基づくシステムなどの、統合されたインテリジェンスを使用する。一実施形態において、流体監視システムは、絶対値よりも、値の変化を対象とする。例えば、リスクは、RBCすなわち生物学的汚染のリスク(Risk of Biological Contamination)として報告することができ、それはRBCが、水系における著しい変化を表すことができるからである。
【0073】
一実施形態において、リスク分析をクラスタ分析とすることができ、次のものに関連させることができる。すなわち、地形空間的に異なる場所からのデータの評価、各遠隔装置に関連付けられた他のセンサからの結果を特に考慮した測定点でのデータの評価、およびデータマイニングを可能にするデータベース内のデータの評価である。このようにして、リスク分析は、流体系内の特定エリアにおけるリスクのレベル、流体系全体における一般的なリスクを決定するための手段を提供することができ、かつ、追加的に、1つの遠隔装置および近接する遠隔装置から集められた情報を、相関および照合することができる。例えば、第1の遠隔装置が、第2の遠隔装置の下流に配置され、汚染警告が、第1の場所でなく第2の場所に対して決定された場合、このシナリオは、汚染に関する追加的な情報を集める目的で、より詳細な分析を下流にある第1の遠隔装置において行うことを促すかもしれない。第2に、特定の遠隔装置および接続される追加センサからの結果の相関関係は、遠隔装置の性能を評価するための手段を提供することができる。そして、遠隔装置からの検出情報と履歴データの相関関係は、例えば日ごと、週ごと、月ごと、または年間ベースの、履歴イベントが所定のレベルの検出後に起こり得る傾向を確立するための手段を提供することができる。
【0074】
リスクは、得られた測定、これらの値の経時的な変化、地形空間にわたる変化、履歴データ、および過去の測定と汚染の問題レベルの相関関係などを含む広範囲の要因に依存することができる。リスク表現の表示の例は、システム内のすべての入力の、指数表現として提示することができる。例えば、イベントの分配は、より多くのイベントが低いリスクレベルで生じ、少ないイベントが高いリスク値で起こり得ることを、示すことができる。
【0075】
一実施形態によると、図7が、リスク値の計算に関わる基本的構成要素と、中央コントローラに関連付けることができる流体監視システムに関連付けられた情報のデータベースの生成との関係を示している。図7に示される動作はすべて、遠隔装置であることが特に述べられたものを除き、中央コントローラにて発生する。検査エリアおよび検査地点の構成520は、監視される検査エリアの全体的な構成を提供することができる。この情報は、検査地点の相互関係を含むことができる。例えば、水の検査地点は、川における他の検査地点の下流でもよく、検査エリア内での、この検査地点の相互関係は、特定の流体系検査エリアに関連するモデリングを補助するために、重要となり得る。特定の検査エリアに基づいて、何がリスク530を構成するかについての決定が、必要とされる。このようなリスクは、特定のレベルの汚染である可能性があり、特定のレベルは、例えば、飲用水の汚染のレベル、または、製造工場からの排水出口における化学物質のレベルに関係するであろう。
【0076】
測定の履歴データベース500は、検査地点間の統計的な依存度の基準を提供することができる。履歴測定510の統計的分析は、数学モデル540を使用して測定点間の時間ベースの依存度を決定し、1つの状態から他への予測を可能にして、どの時点においても、例えば検査エリア全体における汚染のレベルの正確な推定が行なえるようにする。容易に理解されるように、このような機能は、結果として潜在的な問題の警告を発する場合がある将来のイベントの予測を可能にすることにおいて、重要である。通常、広範囲の検査地点が、この形態の分析を提供するために、ルールのセット560を必要とする。このルールのセットは、妥当な時間内でのデータの処理を可能にする。特定の汚染物質の予測レベルと、例えば事前に定義されたリスク値を使用することで、警告レベルを決定することができ、電子メール、携帯電話または他の媒体を含む様々な方法によってユーザに送ることができ、これらの警告は、ある範囲のユーザに、潜在的な問題の状況を迅速に理解させることができる。加えて、特にユーザがアクセスするためのデータベースによって、例えば検査エリア全体にわたって、既存の潜在的なリスクレベルと共に、ユーザに異なるレベルの汚染物質を決定させることを可能にする。
【0077】
同時に、複数の遠隔装置は、より多くのデータを、中央コントローラに対して供給し続け、この追加的なデータは、通常の検査からの新たなデータと、遠隔装置により識別されたリスク警告とを含む。中央コントローラは、より頻繁な検査やサンプルの保存などの、追加データのためのリクエストを、中央コントローラにより行なわれる分析の間に必要性が決定された場合に、遠隔装置に送る機能を有してもよい。中央コントローラは、また、リスク警告を計算するための新たなルールのセットを、その修正が必要であると決定された場合に、遠隔装置に送ってもよい。
【0078】
一実施形態において、各ノードのデータベースで発生する中央コントローラにより行なわれる計算は、システムの統合性のチェック、リスク値を計算するための関連性の決定、必要なサンプリングパラメータの決定、および複数ノード分析の実行を含む。ノードは、データの複数のチャンネルを集めるので、多変量解析が、計算の各ステップに必要とされる。
【0079】
一実施形態において、システムの統合性が低下しておらず、遠隔装置が整備を必要としないことを確かにするために、様々な分析を行なうことができる。これらの分析は、遠隔装置のそれぞれ、およびそれにより提供されるリスク値に対して行うことができ、システムの性能が容認できるレベルにあることを確かにする。統合性の分析は、履歴データを用いて行うことができ、日ごと、週ごと、月ごとおよび年間の傾向および挙動を決定する。用いられる検査は、基本的な記述的統計、短期および長期傾向の分析ならびに周期分析を含む。検査の結果が、遠隔装置の性能が低いことを示した場合、メンテナンスチェックを指示する事ができる。
【0080】
一実施形態において、リスク値を用いて、複数のデータ入力に基づく流体系内のリスクまたは危険を表すことができる。遠隔装置からのリスク値の計算方法は、徹底的な統計的分析および分類プロセスを含むことができる。データ入力からのリスク値の計算に必要とされるデータの関連性を決定するために必要な方法は、Manova、T−テスト、相関法、因子分析、散乱分析(clutter analysis)および回帰分析を含む、様々な統計的テストを含むことができる。これらのテストは、各遠隔装置に対する格納データに対して行うことができる。特定の関連性は、各遠隔装置に対して、わずかに異なっており、それは、各システムの動作がわずかに異なり、「質の悪い」サンプルの解釈が、場所ごとに変わり得るからである。リスク値への異なる入力の関連性は、システムの統合性によって変化し、よって、関連性は、定期的にチェックされ、その結果を用いて、DSPがリスク値を計算する方法が修正される。
【0081】
一実施形態において、中央コントローラにより行なわれる計算は、1つまたは複数の遠隔装置の信号処理システムに、適切なサンプリング条件を決定するための使用可能なパラメータのセットを提供する役割を果たすこともでき、この計算の形態は、システムデータのための最近および長期の確率密度関数の統計的な分析を備えることができる。サンプリングパラメータの計算は、分布の分析およびモデリングならびに基本的な記述統計学の分析を含む、統計的な方法の組み合わせを必要とする場合がある。サンプリングパラメータは、各ノードの信号処理システムに送信することができ、そこで、サンプルをいつ取るかの決定に使用される。パラメータは、例えばサンプリング基準が最近の統計に基づくように、頻繁に更新することができる。
【0082】
複数の遠隔装置が、同一の分水界または他のシステムに存在する場合、複数のノード分析を行うことができる。分析を行なって、システム性能を検証し、リスク計算を強化することができる。分析は、遠隔装置からのリスク値に基づいて行うことができる。これらの計算に使用される方法は、相関法、MANOVA、回帰分析、クラスタ分析、因子分析、および神経回路網を含むことができる。分析からの結果を用いて、サンプリングパラメータおよびリスクとデータ入力の関連性の計算を調整することができる。
【0083】
遠隔装置用の信号処理システムは、各チャンネルに対する信号を適切に測定するために必要な、基本的な信号の相関および処理アルゴリズムに加えて、いくつかの機能を担う。中央コントローラ情報が、信号処理システムに供給された状態で、中央コントローラによって行なわれた計算および入力データチャンネルの関係マッピングを用いて、リスク値を生成することができる。リスク値は、入力チャンネルのそれぞれからのデータが更新された後に計算することができる。リスク値は、サンプルを取るべきかどうかの決定に使用されるため、非常に重要となり得る。信号処理システムは、サンプルを取るべきかどうかを決定する機能を使用することができる。決定は、サンプルが取られたのはどの程度最近か、リスク値はどの程度高いか、リスク値の変化の速度、傾向分析に基づく短期および長期の予測信号挙動および季節的かつ周期的な分析を含む、広範囲の要因に基づくことができる。
【0084】
上の要因のいくつかが、中央コントローラによって計算されるパラメータを必要とするのに対し、他の要因は、遠隔装置に関連付けられた信号処理システムのみによって計算される。サンプリング決定方式に用いられるパラメータは、2つのソースから来ることができ、一方は、中央コントローラによって提供される情報であり、他方は、オンボードの信号処理システムによって行なわれるいくつかの単純な計算である。帯域幅の限定が、各遠隔装置から中央コントローラへのすべての生データの転送を防ぐことができる。データは、定期的に送信することができ、よって、送信に必要な帯域幅を減らすために、組み合わせられたスムージングおよび圧縮方式が、無関係のデータ、例えば著しい変化を示さないデータを圧縮するように設計される。このようにして、監視される流体における著しい変化に関する情報は失わずに、帯域幅の要求における減少が減らされる。このために、例えば標準的な圧縮方法、多項式補間、および基本的な手段などの、いくつかの方式が利用可能である。各方法は、異なる圧縮比およびデータの損失を伴うが、データ送信の周波数により、損失は許容可能である。
【0085】
一実施形態において、リスク分析の実施は、以下の特定の動作のセットによって達成される。システムの統合性計算が、定期的に行なわれ、毎日のデータを、履歴データベースにおける類似の時間からのデータと比較することを可能にする。システムのための各チャンネルからのデータの長期傾向および周期分析を、フーリエ分析、およびARIMAを用いて行うことができ、流体系に長期の傾向があるかどうかを決定する。リスク値は、遠隔装置を通過する流体に固有のリスクを正確に表す、単一の重要な値となることを意図することができる。値は、1〜9のスケール上にあり、すなわち現在の離散値である。1の値が最小であり、9の値が、最高かつ極度のリスクに相当する。リスク値は、クラスタ分析アルゴリズムによって計算することができる。例として、これは、例えばデータの6つのチャンネルと、3の混濁度と、3の蛍光とが、単一の変数に組み合わされることを可能にする。クラスタ分析方式は、リスク値への可能な異なる入力の重要な分類を構築する。各遠隔装置に対するクラスタリングは、わずかに違っており、この違いは、異なる遠隔装置の間にわずかに異なる挙動があり、1つの遠隔装置で極限信号と認められたものが、他の遠隔装置では普通の場合もあることから、必要なものである。必要なサンプリングパラメータは、最近の履歴データをガウス分布とみなして計算することができ、分布パラメータを計算(平均、不一致、等)して、ガウス分布では測定の既知の比率は平均からの各偏差内に位置するという事実を用いて、サンプリングパラメータを得ることができる。これは、全ての測定の小さな比率のみがその上になるような、しきい値の決定を可能にし、よって、極度の読み取り値のみが、例えば遠隔装置に対して行なわれる追加的なチェックが満足されているという条件で、遠隔装置をトリガしてサンプリングさせる。神経回路網は、同一のシステムの複数の遠隔装置から重要な結論を引き出すことに使用することができる。その結果は、システムの統合性の検証、リスク計算の分析に使用することができ、計算に組み込むことができる。
【0086】
リスク分析の他の実施形態において、信号処理システムは、データベース計算を通じて決定される分類方式に基づいてリスク値を計算する。特定の関係のパラメータ、およびクラスタ分析アルゴリズム方式により識別されたクラスタは、中央コントローラから各遠隔装置への通信を介して定期的に更新される。分析アルゴリズムは、中央コントローラで実行され、単一のリスク変数でデータを表すために使用することが可能な、データ入力間の関係のセットを生成することができる。決定方式を使用して、リスク増加の速度、リスク信号の凹所、中央コントローラ計算からのサンプリングパラメータ、サンプルが得られたのはどの程度最近か、ならびに短期および長期の傾向を含む要因の組み合わせを、いつ分析するかを決定することができる。検討される各要因に対して、例えば遠隔装置の信号処理システムにより計算され、または中央コントローラ計算により提供される、しきい値を提供することができる。所定の条件に対するしきい値が越えられ、サンプルが最近取られていなければ、新たなサンプルを取ることができる。
【0087】
生データを収集する複数のチャンネルは、帯域幅の制限があるため、中央コントローラに容易に通信可能な形態で保存する必要がある。これを達成するために、多項式補間が使用される。各チャンネルからのデータは、チャンネル内で収集されるデータのための4つの係数で表される。また、平均平方誤差が保存され、適合の質の指標を提供する。適合における各点は、等しい重みを持つ。
【0088】
例えば、流体系の反応特性に対して、多くの可能な理由があり、それらは、個別の遠隔装置の場所およびその流体特性に依存する。複数のスペクトル分析に反応する可能性が高い多くの異なる生体分子の出力は、反射および蛍光放出のパターンを検査することによって、特徴付けることができる。この種の分析は、葉緑素などの干渉する生体分子から、光雑音の効果を取り除くことに役立つ場合がある。特定のピークの光放出を探し、相対的な周波数、イベントの大きさおよび持続期間を比べることにより、連続的に変化する物質の流れにおけるパターンの関係を決定することができる。これらのパターンにおける変化は、リスクの決定における主な要因となり得る。さらに、ネットワーク全体にわたる個別の遠隔装置からの差の関係を用いて、流体系全体における合計リスクを決定することができる。オンラインシステムにおいて使用される光分光分析法に依存するセンサは、通常、潜在的なスペクトル干渉のために、本質的に明確でなく、その結果、特定の病原菌の識別には使えないため、変化のパターンは、どの遠隔装置からの絶対的な反応よりも重要となり得る。このような遠隔装置が記録する相対的パターンは、どの時点においても、それらの絶対的な反応よりも有用となり得る。
【0089】
この考察の例は、葉緑素からの結果として生じる比較的に高レベルの蛍光である。このように、葉緑素の存在は、いくつかの検出波長を支配することができ、よって、システムを、他の波長よりも、バクテリア汚染に対して反応しにくくする。この種の状況は、通常、受信された照明パターンに、高い一定の背景または長いイベント期間として記録されるが、葉緑素の影響を測定して、説明することができるので、葉緑素によって影響されない測定チャンネルに対して、汚染リスクを加重することができる。この技術は、測定可能な機能を有する任意の汚染物質に適用することができ、様々なセンサからの反応の加重は、リアルタイムの信号処理およびリスク決定に対して、重要な特性である。葉緑素が干渉要因となることが予想される場合、より多くの測定された波長を、そのスペクトルピークの測定に割り当てることができ、その全体的な存在が、他の要因に対してどのように変化し得るかを決定する。このような場合では、他の波長における変動が、より大きな重要性を持つことがある。これらの関数は、リアルタイムのシステムのインテリジェンスにおける反応を、自動的に説明することができる。反応パターンを説明するルールに基づくシステムを作ることにより、遠隔装置を、例えば「どの組織が、水中の変化を起こしているか?」などの、生じ得る単純な質問に回答すること可能にすることができる。
【0090】
リスクは、イベント基準に基づいて、高度な特定性分析を行なうことなくリアルタイムに計算される。各現場における病原菌または全体リスク流体検査が、概略的な流体の質の生物学的および化学的な概要を提供し、ルールに基づくシステムが、「どの特性が、いつどの程度変化したか?」という質問を受けた場合、遠隔装置は、汚染の可能性に基づいて自動的にリスク値を適用することができる。このことをベースとして、遠隔装置は、いつサンプルを取るかを決定することができ、ルールに基づくシステムは、任意の時点におけるリスクを決定する。サンプルが収集、保存または研究所に送られるかどうか、また、イベントスケジュール全体においてどのように優先順位付けするかを決定するのは、リスク値である。
【0091】
システムへの外部インターフェイス
【0092】
一実施形態において、流体監視システムは、許可された作業員がシステム内の情報にアクセスするための適切なインターフェイスを含む。例えば、2種類のインターフェイスが利用可能であってもよく、例えば問題または潜在的な問題について警告するためにユーザに送ることが可能なメッセージ警告、そして次に、監視される流体系内で検出されたパラメータのより詳細な見解を提供するための情報のデータベースへのユーザアクセスを提供するインターフェイスがある。
【0093】
データベースからの情報を要求する、適切な許可とパスワードを有するユーザが、データベースの一部にアクセスすることができる。図8は、インターフェイスシステムの描写を示している。一般的に、ユーザは、インターネットを用いて、ファイヤーウォールを介してデータベースにアクセスし、最近および履歴のデータ、傾向、警告メッセージ、警告基準および他の任意の関連する許可された情報を見る。このアクセスは、システムの重要な側面であり、多くの人に、関心がある特定エリアに関する処理データへのアクセスを持たせることを、可能にする。システムは、例えば質問、応答、および一般的なコミュニケーションを可能にする能力を有する。
【0094】
当業者には知られるように、この説明は、水の分析に関係する情報の収集を対象とする一方、本発明に係るシステムは、例えばHVACシステム内の空気、パイプラインシステム内のガスまたはオイルなどの、複数の他の流体の遠隔分析にも、等しく使用することができる。当業者は、他の流体の分析を可能にするために必要な修正、例えば考慮される流体の所望の分析を可能にするための照明波長の修正を、完全に理解するであろう。
【実施例1】
【0095】
実施例:遠隔装置検査手順
【0096】
実施例として、以下は、本発明に係る流体監視システムに組み込まれた遠隔装置を使用して行うことができる、可能な光学的分析を定義し、これらの分析は、監視される流体として、水に特定されたものである。例えば、水中の混濁度の検出は、APHA AWWA WEF物理および集合特性方法2130B比濁法ならびにISO(APHA AWWA WEF physical and aggregate properties method 2130 B nephelometric and ISO)に基づくことができる。混濁度は、連続的に溶解固体の合計濃度を決定するための、信頼できる方法となることができ、水サンプルからの反射データの集まりに基づいて決定することができる。一実施形態において、混濁度は、590nmおよび840nmで測定することができ、照明エミッタは、高性能LEDとすることができ、光放出は、エミッタレンズから約20°で散乱させることができる。光検出器は、放出光路または光の法線を、60°などの固定角度で見ることができる。例えば、生物−蛍光混濁度の検出は、APHA AWWA WEF物理および集合特性方法2130B比濁法(APHA AWWA WEF physical and aggregate properties method 2130 B nephelometric)に基づくことができる。基準の生物学的試験には、例えば、10200H葉緑素、US EPA NERL方法445.0(10200H chlorophyll, US EPA NERL Method 445.0)を含む葉緑素のための方法を、研究所において使用することができる。蛍光混濁度は、連続的に分解生体物質の合計濃度の集合を測定する方法として使用することができ、水サンプルからの蛍光データの検出に基づくことができる。一実施形態において、生体蛍光の2つのチャンネルを用いて、水流を特性付けることができる。2つのエミッタは、高性能LEDとすることができ、光放出は、エミッタレンズから、約20°で散乱させることができる。光検出器は、放射光路または光法線を、例えば60°などの固定角度で見ることができる。一実施形態において、ロングパスフィルタを、2つの光検出器の前に配置することもできる。混濁度の2つのチャンネルは、470nmの第1のエミッタおよび590nmに最適化された検出器を覆うロングパスフィルタと、590nmの第2エミッタおよび640nmに最適化されたロングパスフィルタで測定することができる。
【0097】
遠隔検出器ユニットは、研究所基準の測定を提供するようには設計されておらず、むしろ、各センサおよびセンサ群において、何が起こったか、何が起こっているか、そして何が起こりそうであるかを文書化する時間依存の参照基準である。しかしながら、既存の基準で許容されるものと同じ方法で情報を集める能力も、重要な特性である。標準的な研究所測定を、現場で再現する能力は、一般的に、そのようなシステムが動作する現場の状態の影響を受ける。その結果、システムの性能と設計を改善する余地がある。
【0098】
遠隔検出器ユニットは、研究所基準の比濁計に類似して設計されるが、生体汚れ、物的汚れ、流体力学的雑音および気泡、熱からの直接干渉、放射および振動、電気的干渉、および調整のずれを含む、標準的な混濁監視器で起こり得る問題のような、背景干渉および雑音を減少させる性能特性を有している。加えて、遠隔検出器サブシステムは、調整およびメンテナンスの実施を助けるように、かつ、サンプル収集および準備などのいくつかの研究所作業にも自動的に連動するように設計される。
【0099】
市販のLEDエミッタを使用した場合の例において、励起と放出のためのフィルタは、表1に示すようにすることができ、この表は、様々なスペクトル特性と、生体分光法の観点から最も可能性が高いそれらのいくつかの原因を示している。チャンネル0およびチャンネル1と示された列は、検出器のフィルタ特性を提供する。
【0100】
【表1】

【0101】
例えば、光子エネルギーソースは、感知されたリスクおよびシステムがチェックする生体物質の種類次第で、波長指定または周波帯指定とする、複数の選択肢で構成することができる。例えば、白光を用いるLEDエミッタは、様々な帯域および波長に分割することができ、より多くの特定性が要求される場合は、システムは、帯域指定のLED(青色LEDなど)または波長指定のレーザダイオードにより最適化することができる。さらなる光学的条件付けを、レンズシステムにより達成して、迷走光を減少または視準を改善することができ、かつ、光バンドパスまたは干渉フィルタと組み合わせて、より大きな周波数特定性を与え、帯域外の色回折雑音を減少させる。LEDエミッタは、通常、防水であり、光窓の後ろでセンサと同様の方法で密閉されている。
【0102】
センサとエミッタの関係は、光測定性能を従来の混濁度測定に直接比べることができるように、ISO規格に定義される従来の比濁計に従って構成される。
【0103】
本発明の実施形態はこのように説明され、これらを多くの方法で変化させてもよいことが、明白である。このような変形は、本発明の趣旨および範囲からの逸脱とはみなざれず、すべてのそのような修正は、当業者に理解されるように、以下の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】流体の遠隔分析を可能にし、中央コントローラに相互接続された遠隔装置の分散ネットワークを含む、本発明の一実施形態に係る分散システムを示している。
【図2】最初のソースからの公共用水施設内の水をサンプルリングおよび分析することを可能にする、本発明の一実施形態に係る分散システムを示している。
【図3】本発明の一実施形態に係る光感知システムおよび信号処理システムを備える遠隔装置を示している。
【図4】本発明の一実施形態に係る、要素間の相互接続性を示す信号処理システムの概略である。
【図5】本発明の一実施形態に係る、システムによって行なわれるリスク評価に影響を及ぼす重要なパラメータの相互関係を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのソースから収集される流体の遠隔分析を可能にするシステムであって、
a)前記流体を収集および分析することができる複数の遠隔装置において、
i)分析のために前記流体を受け取り、かつ配向するための、少なくとも1つのソース1つと流体的に接触しているサンプルチャンバと、
ii)前記サンプルチャンバと操作可能に関連付けられており、前記流体を符号化照明信号で照らして、照明反応を収集する感知システムと、
iii)前記照明反応を検出し、前記符号化照明信号と相関させるためのデータ分析手順を実行し、これにより、前記流体の照明への流体スペクトル反応を決定するための手段を提供する、前記感知システムを制御するための信号処理システムと、
iv)前記遠隔装置が信号を送信することを可能にする通信モジュールと、
をそれぞれが含む複数の遠隔装置と、
b)前記複数の遠隔装置から、複数の流体スペクトル反応を含む信号を受信し、前記信号を、その後の分析のために収集する中央コントローラと、
c)前記複数の遠隔装置と前記中央サーバの間で信号の送信を可能にする、少なくとも1つの通信ネットワークと
を備えることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記中央コントローラは、前記複数の遠隔装置からの前記信号に基づくリスク評価を決定するためのリスクモジュールをさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の流体の遠隔分析を可能にするシステム。
【請求項3】
前記複数の遠隔装置のうちの1つまたは複数は、前記流体の追加的な状態を測定するためにこれらに相互接続される、pHセンサ、温度センサ、塩素センサおよび混濁度センサからなる群から選択される1つまたは複数の追加センサを備える、ことを特徴とする請求項1に記載の流体の遠隔分析を可能にするシステム。
【請求項4】
前記中央コントローラは、前記複数の遠隔装置からの前記信号および前記1つまたは複数の追加センサにより収集される情報に基づくリスク評価を決定するためのリスクモジュールをさらに備える、ことを特徴とする請求項3に記載の流体の遠隔分析を可能にするシステム。
【請求項5】
前記複数の遠隔装置のうちの1つまたは複数および前記中央コントローラの間に介在し、前記複数の遠隔装置のうちの1つまたは複数および前記中央コントローラと通信接触しており、前記1つまたは複数の遠隔装置からの前記信号を、前記中央コントローラに送信する前に収集、編成および任意に圧縮するための手段を提供する、1つまたは複数のクラスタハブをさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の流体の遠隔分析を可能にするシステム。
【請求項6】
前記1つまたは複数のクラスタハブは、前記複数の遠隔装置のうちの1つまたは複数からの前記信号に基づくリスク評価を決定するためのリスクモジュールをさらに備える、ことを特徴とする請求項5に記載の流体の遠隔分析を可能にするシステム。
【請求項7】
前記複数の遠隔装置は、当該装置上で動作する、遠隔地において前記流体の所定の基準を評価するための手段を提供するリスクモジュールを更に備える、ことを特徴とする請求項1に記載の流体の遠隔分析を可能にするシステム。
【請求項8】
前記リスクモデルは、Manova、T−テスタ、回帰分析、相関分析、因子分析およびクラスタ分析からなる群から選択される、ことを特徴とする請求項2に記載の流体の遠隔分析を可能にするシステム。
【請求項9】
前記複数の遠隔装置のうちの1つまたは複数は、検査サンプルを収集するための手段をさらに備え、前記検査サンプルの収集は、前記中央コントローラ、クラスタハブまたは前記遠隔装置により開始させることができる、ことを特徴とする請求項1に記載の流体の遠隔分析を可能にするシステム。
【請求項10】
前記検査サンプルは、技術者によって収集されるまで、所定の温度で維持される、ことを特徴とする請求項9に記載の流体の遠隔分析を可能にするシステム。
【請求項11】
前記中央コントローラまたは前記複数の遠隔装置のうちの1つまたは複数は、前記流体における所定の特性が検出された際に、アラーム設定を起動する、ことを特徴とする請求項1に記載の流体の遠隔分析を可能にするシステム。
【請求項12】
前記符号化信号は、パルス周波数変調、パルス振幅変調、パルス幅変調、2値位相変調、または機械的なエンコーダからなる群から選択された符号化手段により符号化される、ことを特徴とする請求項1に記載の流体の遠隔分析を可能にするシステム。
【請求項13】
前記遠隔装置は、前記サンプルチャンバに入る前に前記流体から浮遊固体を除去するための手段をさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の流体の遠隔分析を可能にするシステム。
【請求項14】
前記中央コントローラまたは前記1つまたは複数のクラスタハブは、前記複数の遠隔装置のうちのそれぞれからの信号を相関させ、各遠隔装置の動作の現在の状態を決定する、ことを特徴とする請求項5に記載の流体の遠隔分析を可能にするシステム。
【請求項15】
前記遠隔モジュールは、リスク評価の間に、前記リスク評価の基準を確立するための手段を提供する履歴データベースにアクセスすることができる、ことを特徴とする請求項2に記載の流体の遠隔分析を可能にするシステム。
【請求項16】
前記少なくとも1つの通信ネットワークは、無線、有線、イーサネット、WAP、PSTNおよび衛星からなる群から選択される、ことを特徴とする請求項1に記載の流体の遠隔分析を可能にするシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−533969(P2007−533969A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−529480(P2006−529480)
【出願日】平成16年3月15日(2004.3.15)
【国際出願番号】PCT/CA2004/000387
【国際公開番号】WO2004/102163
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(504106516)ジュール マイクロシステムズ カナダ インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】