説明

流体をスプレーするためのオーバーキャップ及びシステム

揮発性物質用ディスペンサは、傾斜作動式バルブステムを有する容器に解放可能に取り付けられるべく適合されたハウジングを含む。ハウジングは放出オリフィスを含む。駆動ユニットはハウジング内に配置され、少なくともセンサからの信号に応答して作動される。駆動ユニットは信号に応答して傾斜作動式バルブステムを半径方向に変位させるべく適合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は容器用オーバーキャップに関し、より詳しくは、傾斜作動式バルブステムを有するエアゾール容器に配置されるべく適合されたオーバーキャップに関する。
【背景技術】
【0002】
エアゾール容器は、エアフレッシュナ、脱臭剤、殺虫剤、殺菌剤、充血除去薬、芳香などの揮発性物質を保管しディスペンス(放出)するために使用されることが一般的である。通常、揮発性物質は、圧縮された状態且つ液体状態で容器内に保管される。容器のリリースバルブは、圧縮された状態で収容されている揮発性物質の放出を制御する。通常、リリースバルブはバルブから外方向に延出するバルブステムを有する。バルブはバルブステムによって作動され、揮発性物質はバルブステムを通じて容器から流出する。このようなリリースバルブにおいて、バルブステムがバルブ本体に対して移動するとバルブが作動される。バルブステムはバルブステムの長手軸に沿って、すなわち軸方向に沿って移動してもよい。あるいは、バルブステムはバルブステムの長手軸を横切る方向、すなわち半径方向に傾斜され又は移動されてもよい。
【0003】
リリースバルブは自動システムにより作動されてもよく、あるいは手動で作動されてもよい。手動で作動される場合、ユーザは所望の放出を得るために要求される、バルブに付与される作動力を調節することができる。従って、一般的に、付与される力の要件を考察することは、手動で作動されるリリースバルブの設計においてはさほど重要でない。従来の作動装置機構には、ノズルを押下して容器内のバルブを開くために下方圧力を加える、モータで駆動されるリンケージを含むものがある。このような作動装置機構は一般的に使いにくい上、立ててあるいは手に持って使用するには適応が容易でない。また、このような作動装置機構では電力消費量が大きいことが多い。一般的に、傾斜作動式バルブステムを有するバルブは、垂直方向に作動されるバルブステムを有するバルブと比べ、作動に要する力が小さくてすむ。従って、作動の際に要する電力が小さいことから、作動力が小さくてすむリリースバルブは有利である。電力消費量が小さいため電源の耐用年数は長くなる。要求される力が小さいため、単純、小型及び/又は低コストの自動設計が可能となることから、作動力が小さいことは自動作動にも有利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
傾斜作動式バルブステムを有するバルブ用の既存の自動バルブ作動システムには、複雑且つ製造が困難なものがある。多数の可動部の正確な相互作用を含む複合システムの製造は高コストであり、また、複合システムは容器のオーバーキャップに嵌めるにはサイズが大きすぎる場合がある。また、複合システムの動作は多量の電力を必要とし、また構造が単純なシステムと比べてかなり故障しやすい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、揮発性物質用ディスペンサは傾斜作動式バルブステムを有する容器に解放可能に取り付けられるべく適合されたハウジングを含む。ハウジングは放出オリフィスを含む。駆動ユニットがハウジング内に配置されている。駆動ユニットは少なくともセンサからの信号に応答して作動される。駆動ユニットは信号に応答して、傾斜作動式バルブステムを半径方向に変位させるべく適合されている。
【0006】
本発明の別の態様によれば、揮発性物質容器用オーバーキャップは傾斜作動式バルブステムを有する容器に解放可能に取り付けられるべく適合されたハウジングを含む。変位部材がハウジング内に配置される。変位部材の第一端が傾斜作動式バルブステムに配置されるべく適合され、第二端が第一端と流体連通する。フランジが変位部材から半径方向に延出する。駆動ユニットがハウジング内に配置される。駆動ユニットは変位部材のフランジに当接すべく適合されると共に作動信号に応答して変位部材を半径方向に変位させるべく適合されたカム部材を含む。
【0007】
本発明の更に別の態様によれば、揮発性物質ディスペンスシステムは、傾斜作動式バルブステムを有する容器を解放可能に保持すべく適合されたハウジングを含む。ハウジングは、更に、容器の本体を略静止した状態に保持すべく適合される。駆動モータがハウジング内に配置される。駆動モータは、少なくともセンサからの信号に応答して傾斜作動式バルブステムを半径方向に変位させるべく適合されたカムと機械的に関連されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】作動装置オーバーキャップの一実施形態の等角図である。
【図2】図1のオーバーキャップの正面図である。
【図3】図1のオーバーキャップの背面図である。
【図4】図1のオーバーキャップの右側正面図である。
【図5】図1のオーバーキャップの左側正面図である。
【図6】図1のオーバーキャップの上面の平面図である。
【図7】流体容器に取り付けられた図1のオーバーキャップの等角図である。
【図8】図1のオーバーキャップの分解等角図である。
【図9】図7の断面線9−9に略沿った拡大部分断面図である。
【図10】ハウジングの一部を取り除いて示す図1のオーバーキャップの等角図である。
【図11】図10のオーバーキャップの平面図である。
【図12】図10のオーバーキャップの側面図である。
【図13】図7に示された実施形態と同様のオーバーキャップの、交流電源コネクタを含む別の実施形態を示す図である。
【図14】ディスペンスシステムの別の実施形態の等角図である。
【図15】図示を簡潔にするために断面の後側にあるシステムの一部を取り除いて示す、図14の断面線15−15に略沿った部分断面図である。
【図16】図15の断面線16−16に略沿った断面図である。
【図17】駆動ユニット及び変位部材への変更がなされた他は図12に示されたオーバーキャップと類似する、オーバーキャップの更に別の実施形態の側面図である。
【図18】図17のオーバーキャップの平面図である。
【図19】駆動ユニット及び変位部材への変更がなされた他は図15に示されたシステムと類似する、図14の断面線19−19に略沿ったディスペンスシステムの更に別の実施形態の部分断面図である。
【図20】図19の断面線20−20に略沿った断面図である。
【図21】第一の操作シーケンスによる図1〜図12のオーバーキャップの動作を示すタイミング図である。
【図22】センサが追加された他は図1に示されたオーバーキャップと類似する、オーバーキャップの別の実施形態である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の他の態様及び利点は以下の詳細な説明を考察することで明白となる。同様の構造は同様の参照数字にて示される。
【0010】
図1〜図6は、長手軸14に沿った長手方向寸法及び半径方向軸16に沿った半径方向寸法を有する略円筒状ハウジング12を有する、作動装置オーバーキャップ10を表す。ハウジング12はベース部18及び除去可能キャップ20を含む。ベース部18は、図7に示す従来のエアゾール容器26の上端24に保持されるべく適合された円筒状部22を含む。ベース部18については以下に詳述する。ポスト28は、円筒状部22の上端30から上方へ延出する。ポスト28の外壁には楕円形状の押しボタン34を有する湾曲した遠位端32が設けられる。押しボタン34は、更に凹部36を有する。押しボタン34に略対向するポスト28の内壁40(図9を参照)には円筒状ロッド38(図8参照)が設けられる。
【0011】
図1〜図6を再び参照すると、除去可能キャップ20は、円筒状部22の上端30の直径と略等しい直径を有する円筒状底部42を含む。側壁44は除去可能キャップ20の底部42と頂部46との間に延在する。側壁44は、除去可能キャップ20の底部42に隣接する部分における断面直径が頂部46に隣接する部分における断面直径よりも小さくなるように、除去可能キャップ20の長手軸14に沿って外方向にテーパ状とされている。除去可能キャップ20の均等なテーパリングは、段差部48により切断される。段差部48は除去可能キャップ20の長手軸14の内方に延出する第一及び第二のテーパ面50及び52を含む。第一及び第二のテーパ面50及び52は、除去可能キャップ20の底部42に隣接する溝58の対向側に配置される第一の端部54、56をそれぞれ含む。テーパ面50及び52は、第一の端部54及び56から、除去可能キャップ20の、溝58に対向し且つ頂部46に隣接する部分60に向けて上方に湾曲している。
【0012】
除去可能キャップ20の上面62は凸面であり、周囲に円形の周縁64を有する。上面62の中央に楕円形状の放出オリフィス66が配置される。円錐台形壁68は、放出オリフィス66の周縁に沿って除去可能キャップ20の内部へ垂下する。湾曲した溝70は、放出オリフィス66と周縁64の間に配置される。溝70は、矩形ノッチ74を有する平面底72を含む。更にアパーチャ76が溝70と周縁64との間に設けられる。光透過性ロッド78が締まり嵌めによりアパーチャ76内に保持される。
【0013】
図8〜図12に示されるように、ベース部18は円筒状部22の上端30に配置されるプラットフォーム80を含む。プラットフォーム80の大きさは、除去可能キャップがベース部18に取り付けられる際に、除去可能キャップ20の底部42と摩擦係合すべく設定される。図9は、プラットフォーム80が、側壁82及び頂部84を含む内方に段差を有する段差部を含むことを示している。側壁82は、底部42に隣接する除去可能キャップ20の内壁90上に環状部88を嵌合させて受け取るべく適合された周縁ノッチ86を含む。更に、溝58により付加的な保持サポートがなされる。溝58のサイズは、除去可能キャップ20がベース部18に配置される際に、ポスト28を嵌合させて受け取るべく設定される。除去可能キャップ20が部分22上に配置される際、ユーザは溝58をポスト28に対して位置合わせし、除去可能キャップ20をベース部18の上端30に当接するまで下方へ摺動させ、プラットフォーム80との間に締まり嵌めを形成する。
【0014】
更に、ベース部18の下端92はエアゾール容器26の上端24に適合すべく形成される。図9は、本実施形態がベース部18の内周98に凹部94及び96を含むことを示している。凹部94は表面100によって定義され、凹部96は表面102によって定義される。表面102は、内方に突出する環状部104を含む。環状部104の遠位端106は、取付カップ110のアンダーカット108との間にスナップ嵌めを形成する。表面100は、取付カップ110の下のエアゾール容器26の部分との間に締まり嵌めを形成する。環状部104とアンダーカット108の間のスナップ嵌め、及び表面100とエアゾール容器26の一部との間の締まり嵌めにより、エアゾール容器26にベース部18を安全に取り付ける際の支援がなされる。更に、ベース部18の下端92とエアゾール容器26の上端24とが当接することにより、エアゾール容器26に取り付けられた際に及びベース部18の振動あるいはシフトを防止する支援がなされてもよい。
【0015】
オーバーキャップ10の別の実施形態では、除去可能キャップ20及びベース部18は、締まり嵌めによってエアゾール容器26の上端24へ取り付けられる、一体形成されたユニットを形成する。実際には、ハウジング12が1つ以上の部品を含むか否かに関わらず、ハウジング12は当業者に知られている任意の方法でエアゾール容器26上に保持されることができる。例えばBalfanzの米国特許第4,133,408号、Demarestの米国特許第5,027,982号、Demarestらの米国特許第5,609,605号、及びHelfらの米国特許出願第11/712,548号(2007年5月10日出願)に記載されているオーバーキャップ保持構造は、本願明細書中に記載されたいずれの実施形態においても使用できる。当該特許文献の全内容を参照によって本願明細書中に援用する。更に、本願明細書中に記載されたオーバーキャップ10の審美的態様は、いずれも当業者によって知られている任意の方法で変更できる。例えば、段差部48を取り除いてもよく、あるいはハウジング12が異なる形状を呈してもよい。
【0016】
オーバーキャップ10は、特定の条件の発生に伴い、エアゾール容器26から流体を放出する。条件として、オーバーキャップ10の手動による作動や、タイマ又はセンサからの電気信号に応じたオーバーキャップ10の自動的な作動が挙げられる。放出される流体は、キャリア液に分散された芳香又は殺虫剤、あるいは脱臭液であってもよい。流体は、更に消毒剤、エアフレッシュナ、臭気除去剤、カビ抑制剤、害虫忌避剤などの他の有効成分を含んでもよく、及び/又はアロマセラピーに関する特性を有していてもよい。あるいは、流体は、容器からディスペンスすることが可能な当業者に知られている任意の流体を含む。従って、オーバーキャップ10は任意の数の異なる流体構成をディスペンスすべく適合される。
【0017】
更に図9を参照すると、容器26は、当業者に知られている任意のサイズ及び容量を有するエアゾール容器とすることができる。但し、容器26は、上端24に圧着される取付カップ110を有する本体112(図7参照)を含むことが望ましい。取付カップ110は略円筒状であり、周囲に延出する外壁114を含む(図9参照)。台116は、取付カップ110から上方へ延出する。容器26内のバルブアセンブリ(図示せず)は、台116から上方へ延出するバルブステム118を含む。穴120はバルブアセンブリからバルブステム118まで延在する。バルブステム118は、Van der Heijdenの米国特許第4,064,782号に開示されるものと同様の、傾斜作動式バルブステムである。当該特許文献の全内容を参照によって本願明細書中に援用する。
【0018】
バルブステム118が十分に、すなわち操作可能な位置へ、半径方向に傾斜されると、バルブアセンブリが解放され、容器26の内容物がバルブステム118の放出端122から放出される。本願明細書中に使用される線対称座標系の用語において、半径方向変位は、バルブステム118の放出端122の、長手軸14から離間する方向への任意の移動をも含む。従って、このような半径方向変位は、バルブステム118の放出端122の横方向移動と見なすことができる。容器26の内容物は連続的に放出されてもよく、あるいは定量放出されてもよい。更に、容器26の内容物の放出は、任意の方法にて実施できる。例えば一部定量にて放出されてもよいし、多数回にわたり連続して放出されてもよい。
【0019】
図8〜図12を参照すると、第一の横壁124は、互いに対向する側に第一及び第二のフレーム部材126及び128を備えている。第一及び第二のフレーム部材126及び128はプラットフォーム80の頂部84に取り付けられている。第二の横壁130は、互いに対向する側から延出し、同様にプラットフォーム80の頂部84に取り付けられている、第三及び第四のフレーム部材132及び134を備えている。水平のプラットフォーム136は第一の横壁124と第二の横壁130とに跨り、且つアパーチャ138(図9を参照)を含む。第三及び第四の横壁140及び142は、ベース18の構造を補強すべく設けられる。
【0020】
第一及び第二のフレーム部材126及び128は、1本以上の単3電池又は単4電池を含む直流電源144を保持すべく適合される。本実施形態の電源144は、他の電源との間にバッテリ互換性を示すべく概略的に示されている。諸実施形態において、バッテリは、導線146を有する再充電可能ニッケルカドミウム電池パックで置き換えられてもよい。導線146は図13に示すように交流電力コンセント148にバッテリーパックを接続すべく使用できる。別の実施形態では、直流電源144全体を、当業者に知られているような適切な電力変圧器及び交流/直流変換器を有する交流電源アダプタで置き換えることもできる。
【0021】
本実施形態では、制御回路(図示せず)はプリント基板150にエッチングされる。制御回路は、ハウジング12内に配置された駆動ユニット152が電気的に作動されることを可能とする(図9、図11及び図12参照)。駆動ユニット152は、電気モータ158の回転可能な駆動軸156に取り付けられる主駆動ギヤ154を含む。
主駆動ギヤ154は、第一の伝達シャフト162に固定して取り付けられる、第一の伝達ギヤ160と機械的に関連されている。更に、主駆動ギヤ154よりも小さい第二の伝達ギヤ164が第一の伝達シャフト162に固定して取り付けられる。第一の伝達シャフト162はプラットフォーム136に回転自在に取り付けられる。バタフライギヤ166などの第三の伝達ギヤが第二の伝達ギヤ164と機械的に関連されている。バタフライギヤ166は第二の伝達シャフト168に固定して取り付けられる。第二の伝達シャフト168は同様にプラットフォーム136に回転可能に取り付けられる。図9、図11及び図12に示される作動カム170などのカム又はカム部材がバタフライギヤ166に設けられる。作動カム170は、略アーチ状の外側面172を含む(図6及び図11参照)。
【0022】
変位部材174が図9の断面図に示されている。変位部材174は第一端すなわち取付端178に開口部176を有している。取付端178は、開口部176とバルブステム118のボア120との流体連通が可能となるように、圧入あるいは他の方法にてバルブステム118に取り付けられる。更に、取付端178は、バルブステム118の外側部分と変位部材174との間に略流体密封を提供すべく形成される。アパーチャ180が変位部材174の第二端すなわち遠位端182に近接して設けられ、導管184を介して開口部176と流体連通する。ディスペンスノズル186は変位部材174の遠位端182に設けられる。本実施形態では、ディスペンスノズル186は、アパーチャ180と流体連通する、断面において外方向にテーパ状とされた放出導管188を含む。更に、ディスペンスノズル186は、変位部材174の他の部分より広く、且つ作動カム170の表面172に横方向から当接すべく適合された曲線状の外面190を含む。他の実施形態において、変位部材174に作動カム170が当接する構成であれば、外面190は別の形状もしくはサイズを有していてもよく、あるいは省略されてもよい。更に別の実施形態において、ディスペンスノズル186の放出導管188は別の形状を有すべく変更されてもよい。例えば、放出導管188を定義する壁は内方向にテーパ状とされてもよいし、突部を有していてもよいし、導管184と同一の広がりを有していてもよい。更に別の実施形態において、導管184は別の形状及び/又は別の断面形状を呈すべく変更されてもよい。
【0023】
図9、図11及び図12を再度参照すると、作動カム170がディスペンスノズル186に隣接配置されて示されている。非作動位置において、すなわちモータ158の非作動時において、作動カム170の外側面172は、ディスペンスノズル186の外面190と接触しない位置、あるいはバルブステム118を作動させるべくディスペンス部材174を半径方向に傾斜させるには不十分な程度にディスペンスノズル186の外面190と接触する位置に配置される。操作シーケンス中に、モータ158は主駆動ギヤ154、第一の伝達ギヤ160、第二の伝達ギヤ164、バタフライギヤ166及び作動カム170を通じて電力を伝達すべく作動される。本実施形態では、作動カム170が90度回転すると、作動カム170の表面172が変位部材174の外面190に当接し、変位部材174の外面190を半径方向に変位させる。本実施形態の目的のためには、この変位レベルは、容器26内でバルブアセンブリを開放しうる程度にバルブステム118を半径方向に傾斜させるのに十分である。第一の伝達ギヤ160、第二の伝達ギヤ164、バタフライギヤ166及び作動カム170のサイズは、作動カム170の回転変位が正確に制御されるように設定される。当業者は、操作シーケンス中において、変位部材174及び/又はバルブステム118を完全にもしくは部分的に半径方向へ移動させるべく上記構造を変更する方法を認識するであろう。
【0024】
図8〜図10及び図12には、プリント基板150と電気的に通信する第二の横壁130に配置された、通常は開放されているスイッチ192が示されている。スイッチ192は、押しボタン34が手動で押下されると開スイッチ192が閉止されるように、押しボタン34と操作可能に位置合わせされている。スイッチ192が閉止されると、上述した方法と同様の方法にて電気モータ158が作動される。更に、ユーザにより選択可能なスイッチアセンブリ194は、プリント基板150の頂部に隣接して配置される。本実施形態のユーザにより選択可能なスイッチアセンブリ194は、フィンガ196などの上方に延出する制御部材を有する直線変位タイプのスイッチである。フィンガ196は異なる操作モード(以下に詳述する)を選択するために使用されてもよい。除去可能キャップ20がベース部18と係合すると、フィンガ196はノッチ74内に嵌合する(図1を参照)これにより、ユーザは操作によりフィンガ196と相互作用可能となる。別の実施形態では、ユーザにより選択可能なスイッチアセンブリ194は回転式であり、回転ノブにより制御されてもよいし、あるいは当該技術で知られている他の幾何学形状及び対応する制御機構を有していてもよい。更に、発光ダイオード(LED)198はプリント基板150上に、除去可能キャップ20の光透過性ロッド78に近接して配置される(図9を参照)。
【0025】
図14〜図16は、ベース204と除去可能な頂部206とを有するハウジング202を含む、ディスペンスシステム200の他の実施形態を示している。ベース202は下端208と上端210とを含む。断面直径が変化する側壁212が下端208と上端210との間に延在しており、従って側壁の中間部分214の断面は下端208及び上端210の断面よりも小さい。容器26は略固定されてハウジング202のベース204内に保持される。本実施形態において、複数の環状突起216がエアゾール容器26の取付カップ110のアンダーカット108にスナップ嵌めにより係合する。但し、容器26は、当業者によって知られている及び/又は本願明細書中に記載された任意の方法によりハウジング202内に保持されることができる。例えば、容器26の下端をベース204の下端208に設けた円形凹部内に保持してもよいし、あるいは容器26をハウジング202の内部と容器26の一部との間の締まり嵌めによって保持してもよい。
【0026】
除去可能な頂部206はベース204の上端210に移動可能に配置されるべく適合される。本実施形態において、除去可能な頂部206の底縁部218は内方向に延出する環状突起220を含む。環状突起220は、ベース204の上端210内に配置された対応する環状溝222内にスナップ嵌めされる。除去可能な頂部206が除去されると、ハウジング202の内部が露出され、ユーザは容器26をハウジング202内に挿入できるようになる。除去可能な頂部206は、湾曲した周縁226により画定される略凸状の上面224を含む。楕円形状の放出オリフィス228は上面224に配置される。円錐台形壁230は、放出オリフィス228の周縁に沿ってハウジング202の内部へ垂下する。矩形ノッチ232は放出オリフィス228と周縁226の間に配置される。フィンガ234は、ハウジング202の内部に配置されたプラットフォーム238に取り付けられた、ユーザにより選択可能なスイッチアセンブリ236から矩形ノッチ232を通って上方へ延出する。更に、アパーチャ240が矩形ノッチ232と周縁226の間に設けられる。LED242はプラットフォーム238に配置され、アパーチャ240を通って上方へ延出する。
【0027】
図15を参照すると、本実施形態のプラットフォーム238が更に詳細に示されている。センサ250がプラットフォーム238の底側に設けられる。センサ250の検出部は、周縁226の下部において除去可能な頂部206の開口部252から周囲環境に露出される。プラットフォーム238は、円錐台形壁230と除去可能な頂部206の側壁254と間に延在する。プリント基板(図示せず)はプラットフォーム238に固定され、スイッチアセンブリ236、LED242及びセンサ250と電気的に通信する。更に、上述した電源144と類似する電源256(図16参照)がプラットフォーム238に隣接して設けられる。更に、バネ式の押しボタン258が、センサ250の下部において側壁254のオリフィス260内に設けられる。押しボタン258は通常は開放されているスイッチ262と操作可能に位置合わせされている。スイッチ262はユーザが押しボタン258を手動で押下することで閉止すべく適合されている。
【0028】
本実施形態では、制御回路(図示せず)はプリント基板にエッチングされる。制御回路は、ハウジング202内に配置された駆動ユニット266が電気的に作動されることを可能とする(図15及び図12参照)。駆動ユニット266は、図9、図11及び図12に関して上述した駆動ユニットと類似する。駆動ユニット266は、電気モータ272の回転軸270に固定して取り付けられる主駆動ギヤ268を含む。主駆動ギヤ268は、第一の伝達シャフト276に固定して取り付けられる、第一の伝達ギヤ274と機械的に関連されている。更に、主駆動ギヤ268よりも小さい第二の伝達ギヤ278が第一の伝達シャフト276に固定して取り付けられる。第一の伝達シャフト276はプラットフォーム238に回転自在に取り付けられる。第三の伝達ギヤ280は第二の伝達ギヤ278と機械的に関連されている。第三の伝達ギヤ280は第二の伝達シャフト282に固定して取り付けられる。第二の伝達シャフト282は同様にプラットフォーム238に回転可能に取り付けられる。更に、作動カム284が第二の伝達シャフト282に固定して取り付けられる。駆動ユニット266が作動されると、電気モータ272からの電力がギヤアセンブリ(268、278、280)を介して作動カム284に伝達される。作動カム284は、上述した変位部材174と同様の動作及び構造を有していてもよい変位部材286に隣接配置され、作動信号に応じて変位部材286及びバルブステム118を半径方向に作動させる。
【0029】
図15及び図16は、本実施形態の変位部材286を更に詳細に示している。変位部材286は段差を有する円筒状部材を含む。円筒状部材の下部288は上部290と比べて断面図が小さくなっている。下部288は、上述した方法と同様の方法にてバルブステム118の遠位端を受容する開口部292を含む。アパーチャ294は変位部材286の上部290内に設けられ、導管296を介して開口部292と流体連通する。上部290の外面298は作動カム284に隣接配置される。駆動ユニット266が作動されると、電力が第一の伝達ギヤ274、第二の伝達ギヤ278及び第三の伝達ギヤ280により、作動カム284を介して上部290に伝達される。作動カム284が図16に示される位置から例えば反時計回りに90度回転されると、バルブステム118を作動位置まで傾斜させうる量だけ変位部材286が半径方向に変位し、これにより容器26内のバルブアセンブリが開放されて流体が放出される。本実施形態の構造要素はいずれも本願明細書中に記載された他の実施形態に関して開示される方法にて変更できる。
【0030】
図17及び図18は、駆動ユニット152及び変位部材174を含む、図8〜図12に示されるオーバーキャップと類似するオーバーキャップ300の別の実施形態を示す。本実施形態では、電気モータ158は、その長手軸302が変位部材174の長手軸304に対し略横方向となるようにプラットフォーム80に取り付けられる。同様に、本実施形態の第一の伝達シャフト162及び第二の伝達シャフト168は、変位部材174の長手軸304に対し略横方向となるように回路基板150に取り付けられる。従って、本実施形態は、変位部材174及び従ってバルブステム118の横方向すなわち半径方向変位を実施すべく駆動ユニット152の要素を方向付けることのできる各種方法を例示するものである。例えば、変位部材174及びバルブステム118の半径方向変位が実施できるのであれば、駆動ユニット152の1つ以上の要素、すなわちモータ158、ギヤ154、160、164及び166、シャフト156、162及び168はいずれも、変位部材174の長手軸302又はバルブステム118の長手軸に対して任意の位置又は任意の半径方向角度に方向付けることができる。更に、駆動ユニット152は、モータ158により駆動される入力側及び作動カムが取り付けられた出力側を有するギヤアセンブリ内に含まれる1組の伝達ギヤを含んでもよいことが想定されている。
【0031】
更に、本実施形態は図8〜図12の作動カム170とは異なる作動カム306を含む。作動カム306は、第二の伝達シャフト168に固定して取り付けられるベース部材308を含む。カム伸張部310は、第二の伝達シャフト168から偏心された位置であり且つ第三の伝達ギヤ166の中心位置において、ベース部材308に配置される。本実施形態の第三の伝達ギヤ166は第二の伝達ギヤ164よりも大きい。他の実施例では、カム伸張部310は、第三のギヤ166から偏心された位置において第三のギヤ166に直接配置されてもよい。本実施形態のカム伸張部310は一般的に円筒形であるが、他の実施形態では各種形状又はサイズのカム表面を採用できることが想定されている。
【0032】
更に、本実施形態の変位部材174は、図8〜図12に示される変位部材174に対して変更がなされたものである。図17及び図18は、変位部材174の遠位端182からディスペンスノズル186が取り除かれたことを示している。代わりに、変位部材174は略一様な円筒状部分312を含み、アパーチャ180から流体が大気中へ放出され、及び/又はオーバーキャップ300を通って放出する。矩形フランジ314は、変位部材174の長手軸302に対して部分312から略横方向に延出する。フランジ314は長手軸302に対し、任意の他の方法で半径方向に延出してもよく、またフランジ314は任意の他の形状を有していてもよいことが想定されている。非作動位置において、カム伸張部310は、フランジ314と接触しない位置、あるいはバルブステム118を作動させるべくディスペンス部材174を半径方向に傾斜させるには不十分な程度にフランジ314と接触する位置に配置される。
【0033】
オーバーキャップ300の操作シーケンス中に、モータ158は上述した方法と同様の方法にてカム伸張部310に電力を伝達すべく作動される。本実施形態では、第三のギヤ166が回転するとカム伸張部が同様に回転し、フランジ314の長さに対して当接する。フランジ314が当接すると、フランジ314が取り付けられている変位部材174が回転し、半径方向に変位する。変位部材174が半径方向に十分に変位すると、バルブステム118が回転し、容器26内のバルブアセンブリが開放され、流体がオーバーキャップ300からディスペンスされる。本実施形態では、第三のギヤ166及びカム伸張部310が180度回転することで容器26のバルブアセンブリが十分に開放される。但し、他の実施形態では、駆動ユニット152及び変位部材174は上述した任意の要素の増減された回転量に基づいて流体をディスペンスすべく変更できる。
【0034】
図19及び図20は、図14〜図16に示されるシステムと類似するディスペンスシステム400の更に別の実施形態を示している。本実施形態では、第二の伝達ギヤ278は第一の伝達ギヤ274から離間されて第一の伝達シャフト276に配置される。更に、第三の伝達ギヤ280は、コネクタ406の遠位端404から略横方向に延出するシャフト402に固定して取り付けられる。コネクタ406はプラットフォーム238に取り付けられている。電気モータ272、主駆動ギヤ268及び第一の伝達ギヤ274、第二の伝達ギヤ278及び第三の伝達ギヤ280は全て機械的に連絡しており、これにより作動カム408が回転される。作動カム408は図17及び図18の作動カムと同様の方法にて設けられる。作動カム408は、シャフト402に固定して取り付けられるベース部材410を含む。カム伸張部412は、シャフト402から偏心された位置であり且つ第三の伝達ギヤ280の中心位置においてベース部材410に配置される。
【0035】
更に、図15及び図16に示される変位部材286は、本実施形態の目的のために変更されている。変位部材286の本実施形態は略一様な円筒部414を含む。アパーチャ294は変位部材286の上端416に配置され、導管296を介して開口部292と流体連通する。矩形フランジ418は、変位部材286の長手軸420に対し円筒部414から略横方向に延出する。非作動位置において、カム伸張部412は、フランジ418と接触しない位置、あるいはバルブステム118を作動させるべくディスペンス部材286を半径方向に傾斜させるには不十分な程度にフランジ418と接触する位置に配置される。駆動ユニット266が作動されると、電力が第一の伝達ギヤ274、第二の伝達ギヤ278及び第三の伝達ギヤ280により伝達される。第三のギヤ280が回転するとカム伸張部412が同様に回転し、フランジ418の長さに対して当接する。フランジ418が当接すると、フランジ418が取り付けられている変位部材286が回転し、半径方向に変位する。変位部材286が半径方向に十分に変位すると、バルブステム118が回転し、容器26内のバルブアセンブリが開放され、流体がオーバーキャップ400からディスペンスされる。
【0036】
本願明細書中に記載された駆動ユニット152及び266はいずれもバルブステム118に対し半径方向変位を行うために適切な継続期間にわたり駆動されることが想定されている。バルブステム118は各対応する半径方向変位により作動される。バルブステム118は所定の期間(「スプレー期間」)にわたり放出位置へ向けて半径方向に変位されることが望ましいが、その限りではない。通常、スプレー期間は約170ミリ秒間継続してもよい。実際は、所望により、バルブステム118は、容器内容物が枯渇するまで半径方向に放出位置まで変位されてもよい。更に、バルブステム118は、単一の作動信号の発生に応じて複数のスプレー期間の各々にわたり半径方向に移動されてもよい。スプレー期間はレスト期間により区分される。容器からの単一のスプレー期間を延長することが望ましくない場合、あるいは間欠放出が望まれる場合、多数のスプレー期間が存在することは有益となりうる。
【0037】
図21は、使用状態におけるオーバーキャップ10の操作シーケンスを示すタイミング図を示している。まず、フィンガ196が「OFF」位置から4つの操作モード500、502、504及び506のうちの1つに移動されることによりオーバーキャップ10が作動される。次いで、オーバーキャップ10は起動時遅延期間に入る。4つの操作モード500、502、504、506の各々は、連続するスプレー期間の間の所定のスリープ期間に相当する。例えば、第一の操作モード500は5分間のスリープ期間に相当してもよく、第二の操作モード502は7.5分間のスリープ期間に相当してもよく、第三の操作モード504は15分間のスリープ期間に相当してもよく、第四の操作モード506は30分間のスリープ期間に相当してもよい。ここでは、第一の操作モード500が選択されたと仮定する。起動時遅延期間が満了すると、駆動ユニット152が作動され、第一のスプレー期間においてオーバーキャップ10から流体を放出する。好適な起動時遅延期間は約3秒間である。また、スプレー期間は通常約170ミリ秒間である。第一のスプレー期間が満了すると、オーバーキャップ10は、5分間の第一のスリープ期間に入る。第一のスリープ期間が満了すると、駆動ユニット152が起動され、第二のスプレー期間に流体を放出する。次いで、オーバーキャップ10は、5分間の第二のスリープ期間に入る。この例では、第二のスリープ期間はオーバーキャップ10が手動で作動されることにより中断される。流体は第三のスプレー期間にディスペンスされる。その後、スリープ期間とスプレー期間を交互に継続する自動運転が行われる。スリープ期間における任意の時点で、ユーザは押しボタン34を押下することにより選択可能な期間あるいは固定期間にわたりオーバーキャップ10を手動で作動させることができる。手動によるスプレー作業が終了すると、オーバーキャップ10は残りのスリープ期間を完了する。その後、スプレー作業が実施される。
【0038】
図示しない別の実施形態では、スイッチアセンブリ194は上記4つの個別の操作モード500、502、504、506に代えて連続した設定範囲を有していてもよい。このような実施形態では、スイッチアセンブリ194は、ダイヤル(図示せず)などのスイッチ機構を備えてもよい。スイッチ機構は、数時間又は数日間継続する連続するスプレー及び期間の間の、スプレー期間及び/又はスリープ期間の連続的なバリエーションをユーザに提供する。更に別の実施形態では、スイッチアセンブリ194は、光電池動作センサなどのセンサ250により置き換えられてもよく、及び/又はセンサ250により補足されてもよい。光電池は周辺光を集光し、これにより制御回路が光強度の変化を検出することが可能となる。光電池出力のフィルタリングは制御回路によって行われる。制御回路が閾値光条件に到達したと判断すると、すなわち例えば所定レベルの光強度変化が発生したと判断すると、制御回路は駆動ユニット152を作動するための信号を生成する。例えば、オーバーキャップ10にセンサ250(図22参照)を設けて明かりのついたバスルームに設置する場合、センサの前を通過する人がセンサに到達する十分な量の周辺光を遮断し、これにより制御回路が駆動ユニット152を作動させ、液体を放出させる。パッシブ赤外線動作センサ又はピロ電気的動作センサ、赤外反射動作センサ、超音波動作センサ、レーダー又はマイクロ波による無線動作センサなどの、当業者に知られている他の動作検出器も利用できる。
【0039】
オーバーキャップ10が作動状態にあるとき、LED198は光透過性ロッド78を照射する。スリープ期間中、LED198は15秒に1回断続的に明滅する。選択された操作モードに応じて、スプレー期間が近づくと、LED198の明滅回数が増大し始める。LED198による頻繁な照射は、オーバーキャップ10が流体内容物が空気中へ放出しようとしていることを視覚的に表示する。
【0040】
更に、スイッチアセンブリ194は、振動センサ、臭気センサ、熱感知器又は当業者に知られている他の環境センサと置き換えられてもよく、あるいはこれを補うものであってもよいことが想定されている。あるいは、スイッチアセンブリ194の代わりに、あるいはスイッチアセンブリ194と組み合わされて1つ以上の環境センサがオーバーキャップに設けられてもよい。当業者は、単独の又はスイッチアセンブリ194と組み合わされた任意の環境タイプのセンサを提供でき、及び/又はユーザの要求を満たす他のセンサを提供できることが想定されている。ある実施形態において、スイッチアセンブリ194と環境センサ250とが同一のオーバーキャップ内に設けられる。このような実施形態では、ユーザは、オーバーキャップ10の駆動ユニット152を自動的に操作すべくタイマベースのスイッチアセンブリ194を使用することを選択してもよい。又は、ユーザは、オーバーキャップ10を作動させる前に所与の事象を検出すべく環境センサ250を使用することを選択してもよい。あるいは、オーバーキャップは、タイマベース及びセンサベースの運転モードで同時に運転してもよい。
【0041】
本願明細書中に記載された実施形態はいずれも他の実施形態に関連して開示された任意の構造や方法論を含むように変更できる。更に、本発明は例示されたタイプのエアゾール容器に制限されない。また、本願明細書中に開示された実施形態のうちの任意のオーバーキャップを、傾斜作動式バルブステムを有する任意のタイプのエアゾール又は非エアゾール容器と組み合わされて使用されるように変更できる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
エアゾールディスペンサは、一般的に、エアゾール容器内に保管されるエアフレッシュナ、脱臭剤、殺虫剤、殺菌剤、充血除去薬、芳香などの揮発性物質をディスペンスするために使用される。エアゾール容器の自動バルブ作動システムにより、人間と相互作用することなくエアゾール容器の内容物が所定のタイムスケジュールに従って放出できる。一般的に、エアゾール容器リリースバルブ用の、傾斜作動式バルブステムは、垂直方向に作動されるバルブステムと比べ、作動に要する力が小さくてすむ。タイミング回路及び/又はセンサによって制御される駆動ユニットを含む傾斜作動式バルブステムを作動するためのシステムが提示される。このシステムは、通常の傾斜作動式容器と共に使用されるように一般的なオーバーキャップ内に設置されることができ、これによりエアゾールディスペンサの有用性が向上する。
【0043】
上記説明を考慮すれば、当業者には本発明に対する多数の変更が明らかとなる。従って、説明はあくまで例示目的で行われたものであり、当業者が本発明を実施及び使用できるようにし、本発明を実施するための最良の形態を教示すべく提示されたものであることを認識されたい。添付の特許請求の範囲に含まれるあらゆる変更に対し独占的権利が付与されている。
【0044】
関連出願への相互参照
適用なし
【0045】
連邦政府資金援助研究開発に関する参照
適用なし
【0046】
シーケンシャルリスト
適用なし

【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾斜作動式バルブステムを有する容器に解放可能に取り付けられるべく適合されたハウジングであって、放出オリフィスを含む、ハウジングと、
前記ハウジング内に配置される駆動ユニットであって、少なくともセンサからの信号に応答して作動され、且つ前記信号に応答して、作動カムによって前記傾斜作動式バルブステムを半径方向に変位させるべく適合された、駆動ユニットと、
を含む揮発性物質用ディスペンサ。
【請求項2】
傾斜作動式バルブステムを有する容器を更に含む請求項1記載のディスペンサ。
【請求項3】
少なくともセンサからの信号に応答して前記駆動ユニットを作動すべく適合された制御回路を更に含む請求項1記載のディスペンサ。
【請求項4】
前記信号を発生するためのタイマを更に含む請求項3記載のディスペンサ。
【請求項5】
前記タイマに1つ以上の操作モードを提供するスイッチアセンブリを更に含む請求項4記載のディスペンサ。
【請求項6】
前記信号を発生するための手動式押しボタンを更に含む請求項3記載のディスペンサ。
【請求項7】
前記センサは動作センサである請求項1記載のディスペンサ。
【請求項8】
前記センサは振動センサである請求項1記載のディスペンサ。
【請求項9】
前記センサは臭気センサである請求項1記載のディスペンサ。
【請求項10】
傾斜作動式バルブステムを有する容器に解放可能に取り付けられるべく適合されたハウジングと、
前記ハウジング内に配置される変位部材であって、該変位部材の第一端が前記傾斜作動式バルブステムに配置されるべく適合され、第二端が前記第一端と流体連通し、半径方向にフランジが該変位部材から延出する、変位部材と、
前記ハウジング内に配置される駆動ユニットであって、前記変位部材の前記フランジに当接すべく適合されると共に作動信号に応答して前記変位部材を半径方向に変位させるべく適合されたカム部材を含む、駆動ユニットと、
を含む揮発性物質容器用オーバーキャップ。
【請求項11】
傾斜作動式バルブステムを有する容器を更に含む請求項10記載のオーバーキャップ。
【請求項12】
前記変位部材の前記半径方向変位により、前記傾斜作動式バルブステムの前記半径方向変位が引き起こされる請求項11記載のオーバーキャップ。
【請求項13】
前記ハウジング内に放出オリフィスを更に含み、前記放出オリフィスは前記変位部材の前記第二端と流体連通する請求項10記載のオーバーキャップ。
【請求項14】
前記変位部材は略円筒状である請求項10記載のオーバーキャップ。
【請求項15】
傾斜作動式バルブステムを有する容器を解放可能に保持すべく適合されたハウジングであって、更に、前記容器の本体を略静止した状態に保持すべく適合されたハウジングと、
前記ハウジング内に配置される駆動モータであって、少なくともセンサからの信号に応答して前記傾斜作動式バルブステムを半径方向に変位させるべく適合されたカムと機械的に関連されている、駆動モータと、
を含む揮発性物質ディスペンスシステム。
【請求項16】
傾斜作動式バルブステムを有する容器を更に含む請求項15記載のディスペンスシステム。
【請求項17】
前記カムにより当接されるべく適合された前記傾斜作動式バルブステムに配置される変位部材を更に含む請求項16記載のディスペンスシステム。
【請求項18】
前記変位部材は、前記カムにより当接されるべく適合されたフランジを含む請求項17記載のディスペンスシステム。
【請求項19】
前記ハウジングはベース部と、前記ベース部に取り付けられる除去可能キャップを含む請求項15記載のディスペンスシステム。
【請求項20】
前記除去可能キャップは放出オリフィスを含む請求項19記載のディスペンスシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公表番号】特表2010−536539(P2010−536539A)
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−521017(P2010−521017)
【出願日】平成20年8月13日(2008.8.13)
【国際出願番号】PCT/US2008/009663
【国際公開番号】WO2009/025741
【国際公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(500106743)エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド (168)
【Fターム(参考)】