説明

流体を分配する除毛装置

ハンドルと、除毛装置を使用中に分配される流体を収容するのに適した折り畳み式リザーバとを含む除毛装置が提供され、この除毛装置は、折り畳み式リザーバを封入する変形可能な剛性容器と、流体が折り畳み式リザーバ及び変形可能な剛性容器の両方を出ることができるようになっている流体出口と、空気が変形可能な剛性容器に入ることはできるが出ることはできないようになっている第1の一方向弁と、変形可能な剛性容器中の空気を加圧するようになっており、それによって折り畳み式リザーバを陥没させ、流体を流体出口を通って排出させる圧力アプリケータとを更に含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用中に流体を分配することができる、かみそり等の除毛装置に関する。
【背景技術】
【0002】
剃毛準備剤又は潤滑剤等の流体を分配することができる剃毛装置は公知であるが、多くの欠点がある。
【0003】
いくつかの従来技術の流体を分配するかみそりに関連する問題は、流体がかみそり内部に配置されたリザーバに直接装填されるので、分配される際、流体が周囲空気と交換され周囲空気に接触する可能性がある、あるいは、分配機構と直接接触する可能性があることである。これらの種類の実施は汚染の可能性を高めるが、これは、かみそり等の装置にとっては、特に剃毛と剃毛との間に流体がかみそりに残留する場合、微生物を蓄積させてしまうので、回避されなければならない問題である。そのような実施は国際公開特許第05/058560 A1号から公知である。
【0004】
仏国特許出願第A2 629 385号は、エアゾールカートリッジを有するかみそりを開示する。そのような装置は複雑で製造コストが高い。それらはまた噴射剤で大気を汚染し、その上、エアゾール缶は一般に再使用できないので、更に処分されなければならない。この特許出願は、加圧カートリッジを液体ポンプで置き換えることも示唆しているが、その達成方法、又は製品が滅菌状態で分配される状態を維持する達成方法のどちらも詳細が提供されていない。
【0005】
国際公開特許第05/058560 A1号は、ハンドルに設置され剃毛助剤で充填された可撓性内袋を有する、流体を分配するかみそりを開示する。ハンドルにあるボタンを作動させることで、ラチェット機構がピストンを前方に送り、それによって内袋が圧縮して、剃毛助剤が剃毛刃の周りに設置された穴を通って排出される。この実施は、製造が機械的に複雑で、内袋への不均一な加圧のため、圧力がより低い箇所で剃毛助剤が大量に蓄積してしまう可能性があり、したがって、使用中に内袋が完全に空にならないという欠点を有する。
【0006】
国際公開特許第05/065897号は、剃毛助剤で充填された内袋を含む配置を開示する。駆動機構によって動かされるピンチローラーが、内袋を圧縮して剃毛助剤を排出させる働きをする。この配置は技術的に非常に複雑である。
【0007】
石鹸の入った管状の袋がハンドルに配置されたかみそりを教示する英国特許出願第2 246 314 A号も参照することができる。ハンドルにある圧力板を強く握ると、次いでばね板が加圧され、それによって袋を圧搾して、石鹸を剃毛ヘッドにある穴に通させる。ここでも、袋の外部表面への不均一な加圧が、より低い圧力での石鹸の大量な蓄積を生じる可能性があり、したがって、使用中に袋を完全に空にすることができない可能性がある。
【0008】
米国特許出願第2006/0150386 A1号は、先行する特許出願で開示されたものと同様の配置を教示する。この特許出願では、剃毛剤を含む可撓性内袋がハンドル内に設置されるかみそりを教示する。分配はハンドルの可撓性領域を強く握ることで起こり、内袋に直接作用して内袋を圧縮し、剃毛剤を排出させる。ここでも、このように分配することは、内袋を完全に空にせず、それに伴う剃毛剤の無駄となる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開特許第05/058560 A1号
【特許文献2】仏国特許出願第A2 629 385号
【特許文献3】国際公開特許第05/065897号
【特許文献4】英国特許出願第2 246 314 A号
【特許文献5】米国特許出願第2006/0150386 A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
構築が機械的に簡単であり、流体を周囲空気又は分配機構と接触させず、かつ従来の流体を分配する除毛装置に比べて使用中に流体をより完全に分配することが可能である、流体を分配する除毛装置を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明では、ハンドルと、除毛装置を使用中に分配される流体を収容するのに適した折り畳み式リザーバとを含む除毛装置が提供され、この除毛装置は、折り畳み式リザーバを封入する変形可能な剛性容器と、流体が折り畳み式リザーバ及び変形可能な剛性容器の両方を出ることができるようになっている流体出口と、空気が変形可能な剛性容器に入ることはできるが出ることはできないようになっている第1の一方向弁と、変形可能な剛性容器中の空気を加圧するようになっており、それによって折り畳み式リザーバを陥没させ、流体を流体出口を通って排出させる圧力アプリケータとを更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明によるかみそりの斜視図。
【図2A】流体分配モードの弁を図示する、本発明によるかみそりの概略図。
【図2B】空気取り入れモードの弁を図示する、本発明によるかみそりの概略図。
【図3A】除毛装置から流体がどのように流出することができるかを図示する、本発明の特定の実施形態の詳細図。
【図3B】除毛装置から空気がどのように流入することができるかを図示する、本発明の特定の実施形態の詳細図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明による除毛装置は、折り畳み式リザーバ自体が変形可能な剛性容器内に封入されたリザーバ内に配置された流体を含む。折り畳み式リザーバを封入する変形可能な剛性容器は、折り畳み式リザーバと同時に陥没しないように十分に剛性でなければならないが、後述するように、圧力アプリケータ(単数又は複数)として、変形可能な非剛性の部分(単数又は複数)を含むことができる。変形可能な剛性容器の構造体に適した変形可能な剛性材には、ポリエチレン、ポリプロピレン、PET、PVC、及びそれらの混合物が挙げられる。変形可能な剛性容器は、流体を分配する除毛装置のハンドル内に含まれてもよく、又は実に流体を分配する除毛装置のハンドル自体が変形可能な剛性容器を形成してもよい。ハンドルが変形可能な剛性容器を形成するのであれば、折り畳み式リザーバが陥没する際にハンドルの形状を保持するだけでなく、ハンドルとしても機能するために、ハンドルは十分に変形可能に剛性でなければならない。
【0014】
折り畳み式リザーバは、変形可能な剛性容器とは別個に製造され、次いで変形可能な剛性容器に導入されてもよく、又は両方が単一のプロセスで共に製造されてもよい。
【0015】
好ましい製造プロセスでは、製造後かつ使用前に、折り畳み式リザーバが変形可能な剛性容器に取り外し可能に積層されるように、両方が単一のプロセスで共に製造される。例示的なプロセスとして、変形可能な剛性容器になる外層、折り畳み式リザーバになる内層、及び内層と外層とが永久的に互いに付着するのを防ぐ役目をする内層と外層との間の中間層、を含む多層パリソンの押出ブロー成形が挙げられる。中間層は、内層と外層との間の界面の表面全体にわたって延在してもよく、又は流体出口等の界面の重要な位置(単数又は複数)で、内層と外層との間の接合を生じさせるために除外され、それによってその位置での層剥離を防いでもよい。製造プロセス中に、多層パリソンは押し出され、次に吹き込みが行われる。その後の使用で、内層と外層との間に強いられた空気が、折り畳み式リザーバを形成する内層を「剥離する」、即ち剥がす作用をする。それによって、折り畳み式リザーバを封入する外層は本質的にその形状を保持したまま、折り畳み式リザーバは、変形可能な(defomably)剛性容器を形成する外層から分離される。
【0016】
別の好ましい製造プロセスでは、射出成形された内側及び外側の予備成形物が共に組み立てられ、その後続いて、折り畳み式リザーバ及び変形可能な剛性容器を形成するためにブロー成形される。
【0017】
折り畳み式リザーバの構造体の典型的な材料には、ナイロン、PET、PVC、LDPEポリプロピレン、及びそれらの混合物が挙げられる。折り畳み式リザーバ及びそれを封入する変形可能な剛性容器が、同様の又は同一の材料で作られているのであれば、剛性についての必要な差は、壁厚の差を用いる等の当業者に公知の方法で達成されることは明らかである。いわゆる「剥離」又は「多層」容器を作るための技術について説明する、米国特許第5,316,135号、米国特許第5,447,687号、米国特許第5,501,625号、米国特許第6,244,852号、米国特許第6,109,468号、米国特許第5,435,452号、米国特許第5,513,761号、米国特許第5,567,377号、米国特許第5,711,454号、米国特許第5,921,438号、米国特許第6,691,494号、米国特許第6,266,943号、米国特許第6,691,494号、米国特許第6,266,943号、及び米国特許第6,670,007号の文献を参照してもよい。
【0018】
変形可能な剛性容器に導入された任意の空気が、再び流れ出るのではなく、容器を加圧し折り畳み式リザーバを陥没させる働きをするような方法で、折り畳み式リザーバが変形可能な剛性容器内に収容されなければならない。変形可能な剛性容器に導入された空気が容器の中身を加圧するように作用することが望ましく、そのようなものとして、一実施形態では容器は空気出口を全く含まない。一実施形態では結果として、空気入口は、空気を入れるが出さない第1の一方向弁を含む。好適な一方向弁には、傘型弁又はフラッパ弁が挙げられ、当業者に公知である。
【0019】
折り畳み式リザーバ内に含まれた流体は、除毛プロセス中に使えるように、折り畳み式リザーバ及び変形可能な剛性容器から出ることができなければならない。これを容易にするために、開口部が折り畳み式リザーバに設けられ、また更なる開口部が変形可能な剛性容器内に設けられ、これらの開口部は製造プロセス中に互いに整列され共に連結されて、流体出口を提供する。
【0020】
流体出口で容器から空気が漏れないように、折り畳み式リザーバが変形可能な剛性容器に連結されなければならない。この密封は、当業者に公知の多くの方法で実行されることができる。そのような方法の1つは上述されており、折り畳み式リザーバ及び変形可能な剛性容器が、自然に接合する材料を含むことにより、及びそのような接合を防ぐための流体出口の近傍の任意の中間層を除外することにより、製造プロセス中に共に接合されることを伴う。より典型的には、折り畳み式リザーバ及び変形可能な剛性容器は、流体出口で機械的に共に密封されるように配置される。例えば、流体出口での変形可能な剛性容器及び折り畳み式リザーバの相対的なサイズは、強制的に合わせられるようになされてもよい。折り畳み式リザーバ及び変形可能な剛性容器が、単一の製造プロセスで共に製造されるのであれば、機械的密封等の気密密封はその製造プロセスから自動的に生じ得る。
【0021】
流体出口は、流体が折り畳み式リザーバから出ることはできるが入ることはできないように第2の一方向弁を備えることが有利である。これは、折り畳み式リザーバに引き戻された汚染された空気又は汚染された流体によって、流体が汚染される可能性を低減するという長所を有する。好適な一方向弁には、ダックビル弁、フラッパ弁、スリット弁、及び傘型弁が挙げられる。
【0022】
変形可能な剛性容器内の空気を加圧し、折り畳み式リザーバを陥没させるために、除毛装置は圧力アプリケータを含まなければならない。単純な形態では、折り畳み式リザーバがハンドル内に含まれる場合、そのような圧力アプリケータは単にハンドルの変形可能な部分を成してもよい。そのような変形可能な部分は、休止位置からの変形に続いて、押し下げる力が取り除かれた後にその休止位置に戻る傾向があるように、記憶を有するプラスチック又はエラストマー材料で適切に作られることができる。使用中に、そのような変形可能な部分を押し下げると、変形可能な剛性容器内の空気が加圧されて、折り畳み式リザーバを陥没させる働きをし、流体を除毛プロセス中に使えるようにリザーバから押し出す。使用者が変形可能な部分を押し下げるのを止めるとすぐに、その部分は休止位置に戻り、変形可能な剛性容器内で不足圧力(under-pressure)まで隆起し、第1の一方向弁を通って容器に流入する空気によって補われる。本発明による除毛装置は、1つ以上の圧力アプリケータを含んでもよい。除毛装置が複数の圧力アプリケータを含むのであれば、圧力アプリケータは異なる加圧能力を有してもよい。例えば、1つの圧力アプリケータは、小さい圧力のみを加えることによって少量の流体を分配することができるのに対して、別のアプリケータは、より大きい圧力を加え、大量の流体を分配することができる。異なるアプリケータは、異なる分配能力を消費者に知らせるために、消費者向け情報を更に含んでもよい。
【0023】
理想的には、圧力アプリケータは、正確に再現可能な分配された流体の用量に理想的には一致する、正確に再現可能な空気の量を、除毛装置から移動させることを促進する。そのような用量は任意の望ましいレベルであってよいが、有利には0.001〜4mLである。毎回同量の空気を移動させるのに好適な装置は、いわゆる「単安定ボタン」である。本明細書で使用される場合、単安定ボタンは、休止位置から押し下げられると一定量の空気を移動させるが、その後直ちに休止位置に戻るボタンである。一定量の空気を移動させる際に、除毛装置から本質的に同量の流体を移動させる。単安定ボタンは、電話のキーパッド、並びにガソリンエンジン等の流体ポンプシステム及び液体プライミングシステムに頻繁に使用される。適した単安定ボタンは当業者に公知である。
【0024】
好ましくは、圧力アプリケータ(単数又は複数)は、作動されたので分配が起こるであろうという触知できる信号、例えばクリック等の信号を、使用者に送る。
【0025】
更なる有利な実施形態では、除毛装置は、使用者が複数の異なる方法でハンドルを把持することができ、なおかつ流体の分配を促進することができるように、ハンドルの異なる位置に配置された複数の圧力アプリケータを含んでもよい。例えば、使用者は、装置を垂直に若しくは水平に保持している場合、あるいは足に沿って長い剃毛ストロークをしている、又は脇の下若しくは顔上で短いストロークをしている場合は、全く異なる方法でハンドルを把持してもよい。両方の配向で流体の簡単な分配を促進するために、除毛装置は、少なくとも1つの圧力アプリケータが常に使用者の指の快適範囲内にあるように、ハンドルの異なる部品上などの異なる位置に置かれた複数の圧力アプリケータを含んでもよい。
【0026】
流体が一旦流体出口を出ると、使用者の皮膚上に分配されるように除毛装置のヘッドに入る。これは、ヘッドの皮膚に面する表面の1つ以上の穴又はスリットを通って起こってもよい。
【0027】
一実施形態では、除毛装置のヘッドは流体を分配するためのアプリケータを含む。一実施形態では、アプリケータは、流体を薄く、しかし幅広くリボン状に分配するために平たく幅広い。一実施形態では、アプリケータは、約0.5mm〜約10mm、あるいは約1mm〜約3mmの長さを有する小さいほうのオリフィス寸法、及び約20mm〜約80mm、あるいは約30mm〜約70mm、あるいは約40mm〜約50mmの長さを有する大きいほうのオリフィス寸法を含む分配オリフィスを形成する。好ましくは、小さいほうのオリフィス寸法は垂直寸法であり、大きいほうのオリフィス寸法は水平寸法である。小さいほう及び大きいほうのオリフィス寸法は、オリフィスを形成するアプリケータの対向する縁部間で、それぞれ垂直距離及び水平距離として測定される。この種のアプリケータは、装置が脱毛剤、潤滑液、保湿剤、又は他の好適な除毛組成物を収容する場合に特に適している。一実施形態では、アプリケータは、分配オリフィスと分離している、伸ばす部材を有する。伸ばす部材が使用される場合、装置は(伸ばす部材が変形可能な剛性容器から離れて遠位に配置される箇所である)ハンドルに向かって近位に配置されることができる1つ以上の穴又はスリットを経由して流体を分配することができ、その結果、使用者が装置をハンドルの方向に引いているとき、流体が分配されることができ、伸ばす部材は体を皮膚の表面上に伸ばすために使用されることができる。一実施形態では、伸ばす部材は、約20mm〜約80mm、あるいは約30mm〜約70mm、あるいは約40mm〜約50mmの長さを有する。
【0028】
一実施形態では、アプリケータは、平たい、凹の、又は凸の皮膚と接触する縁部を有する。装置が使用される目的の身体の所望部分に基づいて、皮膚と接触するための縁部が異なる形状であることが好まれ得ることが、当業者に理解されるであろう。例えば、顔に使用される目的の除毛装置は、直線の縁部を有するアプリケータを有し得る。足に使用される目的の除毛装置は、凹の縁部を有するアプリケータを有し得る。好適なヘッド構成の非限定的な例は、米国意匠特許第D399,601号(Desnos)、同第D203,892号(Muscatiello)及び同第651,420号(Haglock)、米国特許第3,088,470号(Hall)、同第3,858,985号(Fiveash)、米国特許出願第2004 0168743 A1号(Garwood)、国際公開特許第97/18043 A1号(Weiss)及び英国特許第1 390 153号(Laboratorio Guidotti & C.S.p.A)に開示されている。
【0029】
アプリケータは、第2の流体を分配する部材としても機能し得ることが当業者に理解されるであろう。一実施形態では、アプリケータは、圧力が加えられるまで閉じた配向を維持できるスリット型のオリフィスを含み、スリット型のオリフィスが開くと流体が分配される。
【0030】
除毛装置のハンドルは、除毛装置に永久的に又は取り外し可能に固定されてもよい。ハンドルが除毛装置から取り外し可能であるのが有利である。ハンドルが折り畳み式リザーバを封入する変形可能な剛性容器を含むのであれば、そのような配置は折り畳み式リザーバの交換を容易にする。そのような場合、リザーバが空になると、変形可能な剛性容器及び折り畳み式リザーバを含むハンドルは単に取り外され、流体で充満した新しい折り畳み式リザーバを封入する変形可能な剛性容器を含む新しいハンドルと取り替えられる。そして空のハンドルは再利用することができる。
【0031】
本発明による流体を分配する除毛装置は、かみそり等の剃毛装置であり得るが、そのような装置に制限されるものではなく、代わりに、除毛するために例えば光、特にレーザー光線、更には(米国特許第4618344号、同第5645825 A号、同第6743419号、及び米国特許公報第2004/0228820 A1号に開示されるように)脱毛剤のような他の手段を使う装置であってもよい。一実施形態では、除毛装置は、かみそり、こすり落とす縁部又はスクレーパー、光、及び脱毛剤のうちの少なくとも1つ、所望により複数を含む。伸ばす縁部と同様に、スクレーパー又はこすり落とす縁部は、直線、凹、又は凸の形状であってよい。
【0032】
除毛装置がかみそりである場合には、刃を含むかみそりカートリッジは、除毛装置に永久的に又は取り外し可能に固定されてもよい。必要に応じて取り替えられるように、カートリッジが除毛装置から取り外し可能であることは有利である。
【0033】
除毛装置のリザーバ内に含まれる流体は、有利には美容流体、より好ましくは剃毛準備剤である。そのような流体の例には、水中油型エマルション、油中水型エマルション、単相水性ポリマー溶液、高濃度界面活性剤系溶液が挙げられるが、これらに限定されない。そのような流体中に、追加の成分が組み込まれてもよく、その例としては、高分子量ポリマー、カチオン帯電ポリマー、脂質系物質、シリコーン系化合物、界面活性剤、ビタミン及びビタミン誘導体、皮膚コンディショニング剤、除毛ワックス、その他の除毛組成物、並びに脱毛剤が挙げられる。
【0034】
本発明の非限定的な実施形態を開示する図面が参照される。図1は、刃(図示せず)を含む剃毛カートリッジ(10)を有する、かみそりの形態で開示される除毛装置(1)を示す。かみそりは、分配される剃毛剤等の流体を収容する折り畳み式リザーバを封入する変形可能な剛性容器(4)として機能するハンドル(2)を含む。ハンドル(2)の可撓性部分として構成される圧力アプリケータ(7)も見られる。これらの圧力アプリケータ(7)は、ハンドル内の空気のすき間を加圧し、それによって折り畳み式リザーバ(3)も加圧するために、使用者によって押し下げられることができ、それによって折り畳み式リザーバ(3)から流体を押し出させる。
【0035】
図2A及び2Bは、図1の除毛装置(1)のいくつかの重要な機能的態様を示す概略図である。
【0036】
図2Aは、折り畳み式リザーバ(3)を封入するハンドルであってもよい、変形可能な剛性容器(4)を示す。圧力アプリケータ(7)も見られる。これらは、記憶を有するハンドルの可撓性部分として構成される。使用中に、それらは使用者が力を加えることにより押し下げられることができる。加えられた力が取り除かれると、それらは休止状態に戻る。重要な点は、空気が変形可能な剛性容器(4)に入ることはできるが出ることはできないように作用する第1の一方向弁(6)も示されていることである。図2Aでは、装置は流体分配モードであるので、この弁は閉まっている。結果として、折り畳み式リザーバ内に収容される流体が、(矢印で示されるように)開いている第2の一方向弁(8)を経由して、流体出口(5)を通って排出される。これは、圧力アプリケータ(7)のうちの1つ以上を押し下げることで、変形可能な剛性容器(4)中の空気が圧縮され、それによって折り畳み式リザーバ(3)も圧縮されることで実行される。これは、次いで、折り畳み式リザーバ内に収容される流体を流体出口(5)を経由して排出させる。
【0037】
図2Bで示す特徴は、空気取り入れモードである弁を示しているという点を除いて、図2Aで示されるものと同一である。使用者によって加えられた力が解除されると、圧力アプリケータ(7)は休止状態に戻り、それによって変形可能な剛性容器(4)内に不足圧力が生じ、それが次に、矢印で示されるように空気を第1の一方向弁(6)を経由して引き込むように作用して、変形可能な剛性容器(4)内の圧力を平衡化させる。結果として、この図で第1の一方向弁(6)は開いており、それに対して第2の一方向弁(8)は圧力がないので、図示されるように閉まっている。
【0038】
図3A及び3Bは、図2で略図的に示される弁システムが作用している実施形態を示す。ここでも、折り畳み式リザーバ(3)及び変形可能な剛性容器(4)が示される。図3Aを参照すると、変形可能な剛性容器(4)内の圧力の上昇に反応して、流体が、流体の再入を防ぐ第2の一方向弁(8)を備えた流体出口(5)を通って矢印で示される方向に流れる。圧力の上昇によって第1の一方向弁(6)が強制的に閉まるので、空気が変形可能な剛性容器(4)内に流れ込むことができない。図3Bを参照すると、変形可能な剛性容器(4)内の圧力の低下に反応して、第2の一方向弁(8)が強制的に閉まるが、第1の一方向弁(6)が開いて、空気が矢印の方向に流れるようにする。空気が開口部(12)を通って流れ、それによって、折り畳み式リザーバ(3)と変形可能な剛性容器(4)との間のすき間に流れ込むことができるように、空気のギャップ(図示せず)がねじ部(11)を通って存在する。
【0039】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく制限されるものとして理解されるべきでない。それよりむしろ、特に指定されない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0040】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は出願を含め、本明細書において引用される全ての文献は、明示的に除外ないしは制限されない限り、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本明細書において開示され請求されるいずれかの発明に関する先行技術であること、又はそれが単独で若しくは他の任意の参照とのいかなる組み合わせにおいても、このような発明を教示する、提案する、又は開示することを認めるものではない。更に、本書における用語のいずれかの意味又は定義が、参照により組み込まれた文献における同一の用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいては、本書においてその用語に与えられた定義又は意味が適用されるものとする。
【0041】
本発明の特定の実施形態について説明し記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正が可能であることが当業者には自明である。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
除毛装置(1)であって、ハンドル(2)と、前記除毛装置の使用中に分配される流体を収容するのに適した折り畳み式リザーバ(3)とを含み、前記除毛装置(1)は、前記折り畳み式リザーバ(3)を封入する変形可能な剛性容器(4)と、流体が前記折り畳み式リザーバ(3)及び前記変形可能な剛性容器(4)の両方を出ることができるようになっている流体出口(5)と、空気が前記変形可能な剛性容器(4)に入ることはできるが出ることはできないようになっている第1の一方向弁(6)と、前記変形可能な剛性容器中の空気を加圧するようになっており、それによって前記折り畳み式リザーバ(3)を陥没させ、流体を前記流体出口(5)を通って排出させる圧力アプリケータ(7)とを更に含む、除毛装置(1)。
【請求項2】
前記ハンドル(2)は、前記変形可能な剛性容器(4)を含む、請求項1に記載の除毛装置(1)。
【請求項3】
流体が前記リザーバ(3)から出ることはできるが入ることはできないように、前記流体出口(5)に配置された第2の一方向弁(8)を更に含む、請求項1又は2に記載の除毛装置(1)。
【請求項4】
前記圧力アプリケータ(7)は、前記ハンドル(2)の1つ以上の変形可能な部分(9)によって形成され、1つの変形可能な部分(8)を休止位置から離れるように押し下げることで前記変形可能な剛性容器(4)中に配置された空気が加圧されるように作用し、前記変形可能な部分(8)を放すことで休止位置に戻らせ、空気が前記第1の一方向弁(6)を通って前記変形可能な剛性容器(4)に引き込まれる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の除毛装置(1)。
【請求項5】
前記圧力アプリケータ(7)は、圧力が加えられる度に、同量の空気が移動し、流体の用量が分配されることを確実にする投与機構を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の除毛装置(1)。
【請求項6】
前記圧力アプリケータは、1つ以上の単安定ボタン(9)を含み、前記単安定ボタンが凹まされる度に流体の用量が分配されることを確実にするために、1つの単安定ボタン(9)を押し下げることで所定の量だけ空気が加圧されるように作用し、前記単安定ボタン(9)を放すことで休止位置に戻らせて、空気が前記第1の一方向弁(6)を通って前記変形可能な剛性容器(4)に引き込まれる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の除毛装置(1)。
【請求項7】
前記ハンドル(2)は取り外し可能である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の除毛装置(1)。
【請求項8】
前記装置はかみそりである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の除毛装置(1)。
【請求項9】
前記装置は、除毛するために光を用いる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の除毛装置(1)。
【請求項10】
前記装置は、除毛するために脱毛剤を用いる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の除毛装置。
【請求項11】
剃毛準備剤を収容している、請求項1〜10のいずれか一項に記載の除毛装置(1)。
【請求項12】
前記流体出口は、前記流体を分配するために平たく幅広いアプリケータを含み、前記アプリケータは、0.5mm〜10mmの長さを有する小さいほうのオリフィス寸法、及び20mm〜80mmの長さを有する大きいほうのオリフィス寸法を含む分配オリフィスを所望により形成する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の除毛装置(1)。
【請求項13】
前記アプリケータは、平たい縁部、凹の縁部、及び凸の縁部からなる群から選択される、皮膚と接触する縁部を有する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の除毛装置(1)。
【請求項14】
前記流体出口は、1つ以上の穴又はスリット、及び前記変形可能な剛性容器から離れて遠位に配置される伸ばす部材を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の除毛装置(1)。
【請求項15】
前記伸ばす部材は、平たい縁部、凹の縁部、及び凸の縁部、並びに/又はスクレーパー若しくはこすり落とす縁部からなる群から選択される皮膚と接触する縁部を有する、請求項1〜14のいずれか一項に記載の除毛装置(1)。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【公表番号】特表2012−505063(P2012−505063A)
【公表日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−531267(P2011−531267)
【出願日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際出願番号】PCT/US2009/060771
【国際公開番号】WO2010/045418
【国際公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(593093249)ザ ジレット カンパニー (349)