説明

流体を検査する装置

本発明は、流体を検査する装置(1)に係る。当該装置は、細長い担体(3);担体(3)の端部(4)に配置される流体を吸収する2つの部材(5a,5b);担体上に摺動可能に配置されるスリーブを有する位置決め部材(6);位置決め部材において配置され、且つ流体の少なくとも1つの特性を検出するよう適合されるセンサダイ(40)と、センサダイの感応表面に対して流体を供給する手段とを有する、診断装置(2)を有する。流体がフォーム部材(5a,5b)に対して供給された後、位置決め手段は、フォーム部材が位置決めされる担体の端部に向かって動かされる。診断装置がフォーム部材の一方と接触する際、流体は、フォーム部材(5a)から絞られ、診断装置の流体供給手段を通って、センサダイの感応表面に対して供給される。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体を検査する装置に係る。
【背景技術】
【0002】
ポイントオブケア診断及び路上薬物乱用検査の分野を含む多種の分野において、使用が容易であり且つ迅速に結果を出すことができる小型の検査装置が大変必要とされている。
【0003】
US2005/0136551(特許文献1)は、小型の手持ち式アナライザへと挿入され得る使い捨てプラスチックストリップを有するシステムを開示する。使い捨てストリップは、毛管流路によってつなげられる、剛性な支持体上の複数の画定されたウェル(窪み)(a plurality of defined wells on a solid support)を有する。試料を検査するよう、使い捨てストリップは、アナライザへと挿入され、試料滴は、ストリップのウェルの1つに置かれる。試料流体は、毛管流路を介して他のウェルへと動く。かかる他のウェルの1つは、試料の個別の構成要素がアナライザによって識別される反応ウェルとしての役割を有する。アナライザは、分析の結果を表示するようディスプレイシステムを有する。
【特許文献1】US2005/0136551
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の重要な目的は、特許文献1から既知であるシステムよりも使用が容易である検査装置を与えることであり、検査装置は、例えば、地域の医師において素早い診断を行うよう、あるいは、路上のユーザの監視中に素早く検査を行うよう、使用に適切である。この目的は、検査装置を用いて達成される。該検査装置は、担体;担体上に配置される、流体を受容する部材;担体上に摺動可能に配置される位置決め部材;及び、位置決め部材において配置され、且つ流体の少なくとも1つの特性を検出するよう適合される感応手段を有する診断装置を有する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に従った検査装置において、位置決め部材を用いて、担体上の多種の位置に診断装置を置くことは、可能である。検査装置の実際の適用の第1の段階中、位置決め部材は、位置決め部材が流体受容部材から距離をおいて位置決めされる担体上の初期位置において保持され、流体受容部材は、流体を受けるよう開放される。続いて、流体が検査される必要がある際、位置決め部材は、流体受容部材に向かって動かされる。位置決め部材が流体受容部材に達した際、診断装置は、流体と接触するようになり、検査が行なわれ得る。
【0006】
流体受容部材は、例えばフォーム部材である、流体を吸収するよう適合される部材を有し得る。かかる場合、検査装置は、検査されるべき流体を採取するよう使用されるよう適切である。結果として、検査装置が適用される際、流体を集めるよう別個の手段を適用する必要はなく、また、かかる手段から検査装置まで流体を運搬する必要がない。ポイントオブケア診断検査又は路上検査を目的として適用されるよう適切である検査装置を有することを望む観点において、これは、本発明の大変有利な態様である。
【0007】
本発明に従った検査装置の実用的な一実施例では、診断装置は更に、流体受容部材から感応手段の感応表面まで流体を供給する手段を有する。望ましくは、かかる流体供給手段は、流体供給手段の入口側部が流体受容部材に接触し、また流体供給部材及び流体受容部材が互いに対して動かされる際に、流体受容部材から流体を取り込むよう適合される。このようにして、流体受容部材から診断装置の感応手段の感応表面まで流体を運搬するよう必要とされることは、流体受容部材が位置決めされる担体の部分にわたって位置決め部材が動かされることのみである、ことが達成される。例えば、流体受容部材は、フォームを有し、流体は、診断装置の流体供給手段の入口側部において位置決めされる部材によってフォームが押される際に、フォームから絞られる。
【0008】
望ましい選択によれば、診断装置の流体供給手段は、毛管力(capillary forces)に基づいて流体を運搬するよう適合されるため、感応手段の感応表面に向かって流体を流すことを目的とするポンプ等の追加的な手段は、必要とされない。有利な一実施例では、診断装置の流体供給手段は、プレートを有し、該プレートは、プレートの一側において存在する、流体を導く流路のパターンを有する。プレートは、例えば射出成形技術を適用することによって、比較的単純に製造され得る。更には、プレートは、大きな空間を必要としない。
【0009】
多くの場合には、流体を感応手段の感応表面と接触させる前に、検査される必要のある流体を少なくとも1つの試薬と最初に接触させることが求められるため、流体は、感応手段による検査の観点において必要とされる状態に置かれる。例えば、流体において存在する特定の分子は、既知の通りラベル付けされ、感応手段は、分子を検出することができる。したがって、実用的な一実施例では、検査装置の診断装置は、少なくとも1つの試薬を有し、流体供給手段は、流体を少なくとも1つの試薬と接触させるよう、適合される。
【0010】
担体は、例えば定規状である細長い一片のストリップ状に形成され得る。かかる場合、検査装置は、ユーザによって、即ち担体の一端を保持することによって、取扱いが容易である。更には、位置付け手段は、担体の周囲に摺動可能に配置されるスリーブを有し得る。
【0011】
有利な一実施例では、本発明に従った検査装置は、流体を受容する2つの部材を有する。各流体受容部材は、担体の他側において配置される。検査装置のこの実施例が適用される際、流体は、担体上の2つの場所において採取され得る。一方の場所において存在する流体は、診断装置を用いて検査され得る一方、他方の場所において存在する流体は、のちの段階における再照合(countercheck)に対して格納及び使用され得る。望ましくは、位置決め部材は、両方の流体受容部材を取り囲むよう適合されるため、流体を格納することを目的として追加的な手段を有する必要はない。
【0012】
実用的な可能性によれば、検査装置の診断装置は、他の電気装置に対して診断装置を接続するよう、少なくとも1つの導電性接続パッドを有する。位置決め手段は、少なくとも1つの接続パッドに対するアクセスを与えるよう少なくとも1つのホールを有する。かかる構造において、感応手段から情報を取り出すよう診断装置に対して読出しユニット又は同様のものを接続することは、容易である。本発明の範囲内において、検査装置自体は、検査装置の作動中に、感応手段によって与えられる出力の視覚的表示を生成するよう、表示手段を有する。更には、検査装置の診断装置は、少なくとも1つのプロセッサダイを有し得、検査装置の作動中に感応手段によって与えられる出力を処理する。
【0013】
原理上、検査装置の診断装置は、感応手段を有する適切な診断装置であり得る。例えば、感応手段は、半導体材料を有するセンサダイを有し得る。特には、検出手段は、流体の化合物の存在及び/又は量を定めるよう適合され得る。
【0014】
望ましい一実施例では、診断装置は、感応手段画配置される凹部を有する主部部材(body member)を有する。導電性接続パッド及び導電性トラックのパターンは、凹部が存在する側部において、主部部材上に配置される。感応手段は、少なくとも1つの接続パッドと接続され、前記主部部材は、凹部及び導電性パターンが存在する側部とは別の側部から感応手段までのアクセスを与える少なくとも1つのホールを有する。有利には、診断装置の主部部材は、感応手段が存在する凹部とは別の主部部材の側部において配置される、少なくとも1つの他の凹部を有する。感応手段に対してアクセスを与える少なくとも1つのホールは、少なくとも1つの他の凹部の底部において存在する。かかる診断装置は、その機能を実行するよう大変よく適合される。更には、かかる診断装置は、ミリメートル範囲における寸法を有して、小型であり得る。
【0015】
本発明に従った検査装置は、大変正確な検査を行なうことよりも、流体の1つ又はそれより多くの特性の第1の識別を与えることを目的として特に適切である、ことが留意される。従って、診断装置は比較的小型であり得、検査装置が使い捨てである場合に有利である。完全性のために、かかる場合において、検査装置に対して接続可能である読出しユニットと組み合わせて検査装置が使用される場合が望ましく、検査装置が捨てられる際に限られた数の構成要素のみが捨てられる、ことは留意される。
【0016】
本発明に従った検査装置は、個人が薬物を使用しているか否かを示すよう適合され得る。かかる場合には、検査は、疑わしい個人のある量の唾液で実行され得る。検査の第1の段階において、特には唾液採取端部である、流体受容部材が位置決めされる検査装置の担体の端部は、個人の口に挿入され、位置決め部材は、担体の他方の端部近くの初期位置において維持される。工程において、唾液は、流体受容部材において採取される。短時間ののち、担体の唾液採取端部は、個人の口から取り除かれ、位置決め部材は、唾液採取端部に向かう方向において担体にわたって摺動される。診断装置の流体供給手段の入口側部が流体受容部材の位置に達し、更に動かされ次第、唾液は、流体供給手段によって取り込まれ、診断装置の感応手段の感応表面に対して供給される。診断装置の感応手段は、唾液の1つ又はそれより多くの特性を検出し、検査装置のユーザは、検査装置の診断装置に対して接続される読出しユニットを介してかかる特性に関して情報を受ける。検査された個人が薬物を使用していたと推測されることを該情報が指摘する場合、当然のことながら、より正確なテストが行なわれ得る。この場合、検査装置が担体の唾液採取端部において更なる流体受容部材を有する場合に有利である。この流体受容部材によって採取された唾液は、追加的なテストを行なうことを目的として大変よく使用され得るため、該更なる流体受容部材は、位置決め部材内において安全に維持される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明はこれより、図面を参照してより詳細に説明される。図中、同様の部分は、同一の参照符号によって示される。
【0018】
図1a乃至1hは、特には唾液を検査するよう適切である、本発明の望ましい一実施例に従う検査装置1の診断装置2を製造する工程の順次的段階を示す。以下において、製造工程は、1つの診断装置2に対して説明される。しかしながら、診断装置2は、装置のアレイの一部として製造され得、個別の装置は、アレイをダイシングすることによって最終的に徐々に得られる。
【0019】
図1c乃至1hの各々において示されるのは、形成の工程における診断装置2の下方側部の斜視図、及び形成の工程における診断装置2の上方側部の斜視図である。更には、図2において示されるのは、診断装置2のミクロ流体プレート60の下方側部の斜視図、及びミクロ流体プレート60の上方側部の斜視図である。
【0020】
図1aによって示される診断装置2を製造する工程の第1の段階では、犠牲担体(sacrificial carrier)10が与えられる。担体10は、例えば銅である材料のシートを有する。担体表面11において、担体10は、導電性接続パッド21及び導電性トラック22のパターン20を備えられる。
【0021】
担体10は、異なるレベルにおいて位置決めされる2つの部分12,13が得られるように曲げられる。特には、担体10の屈曲が行なわれた後、担体表面11の隆起部分12及び凹状部分(recessed portion)13bは、明らかに識別可能である。担体10の担体表面11の隆起部分12において、薄い層30が適用される。層30は、有機材料である、例えばソルダレジストとして既知である材料である絶縁材料を有する。中央部分において、層30は、遮断され、中央ホール31が層30において得られる。明確にするため、以下においては、絶縁材料を有する層30は、カバー部材30として称される。
【0022】
図1bによって示される診断装置2の製造工程の第2の段階において、プロセッサダイ41又は他の適切なマイクロ電子素子は、担体10の担体表面11の凹状部分13上に位置付けられる。プロセッサダイ41とパターン20の導電性接続パッド21及び導電性トラック22との間における電気的接続は、実現される。工程において、ダイを導電性素子に対して接続させる他の適切な技術は、適用され得る。
【0023】
図1cによって示される診断装置2を製造する工程の第3の段階において、担体10、及び担体表面11上に配置される構成要素20,30,41は、適切な材料を有してオーバーモールドされ、それに基づいて主部部材(body member)35は、担体表面11の側部において、担体10上に形成される。工程において、プロセッサダイ41は、主部部材35において封入される。更には、工程において、トラフ状凹部(trough−like recess)36は、主部部材35において形成され、カバー部材30の上部側は、凹部36の底部において位置決めされる。
【0024】
主部部材35は、担体10及び担体表面11上に配置される構成要素20,30,41をモールド(図示せず)において位置決めすることによって、また、このモールドに主部部材35を形成する材料をもたらすことによって、作られて形成され得る。かかるモールドは、例えば、底部及び上部を有し得る。底部の表面は、担体10の下方表面14を有して補完され、担体10がモールドの底部上に置かれる際、かかる表面の間において空間は実質的にない。モールドの上部は、主部部材35において凹部36を形成する構造を有し得、主部部材35を形成する材料がモールドにもたらされる際に、波形(corrugation)がカバー部材30に確実に接触する措置が取られ、ホール31を有するカバー部材30の少なくとも一部は、カバーされずに残る。
【0025】
図1dにおいて示される診断装置2を製造する工程の第4の段階において、担体10は、ケミカルエッチング、剥離、又は他の適切な技術によって取り除かれる。主部部材35の下方側部における担体10の隆起部分12があった位置において、貫通状凹部(through−like recess)37は、形成されている。カバー部材30は、凹部37の底部において存在する。更には、担体10の除去の結果として、カバー部材30のホール31が開放される。
【0026】
図1eによって示される診断装置2を製造する工程の第5の段階において、センサダイ40は、主部部材35の下方側部に配置される凹部37におかれる。更には、センサダイ40は、主部部材35の下方側部において存在する導電性パターン20に対して接続される。工程において、ダイを導電性素子に対して接続する適切な技術は、適用され得る。センサダイ40は、適切なセンサダイであり得、望ましくは半導体材料を有して作られるセンサダイである。
【0027】
図1fによって示される診断装置2を製造する工程の第6の段階において、センサダイ40を有する凹部37は、エポキシ樹脂等である適切な材料を有して凹部37を充填することによって閉鎖される。工程において、センサダイ40は、このようにして形成される充填体(filler body)45において封入される。
【0028】
図1gによって示される診断装置2を製造する工程の第7の段階において、試薬51,52は、主部部材35の上方側部において位置決めされる開放凹部36の底部に対して適用される。
【0029】
図1hによって示される診断装置2を製造する工程の第8の段階において、ミクロ流体プレート60は、プレート60の一側上に存在する流体を導く流路のパターン61を有し、凹部36に置かれ、流路のパターン61を有するプレート60の側部は、凹部36の底部に面する。ミクロ流体プレート60は、図2に示される。図示される例において、ミクロ流体プレート60は、試薬51,52の一方をカバーされずに残すよう適合される。流体を試薬51,52の他方と接触させるよう、ミクロ流体プレート60は、円形凹部状に形成される流路62を有する。以下において、明確にするよう、この流路62は、試薬接触流路62と称される。流体をカバー部材30におけるホール31を通ってセンサダイ40に対して供給するよう、ミクロ流体プレート60は、供給流路63を有する。更には、ホール31から流体を放出するよう、ミクロ流体プレート60は、2つの放出流路64を有する。
【0030】
本発明の範囲内において、ミクロ流体プレート60は、適切な形状を有し得、適切な流路のパターン61を有し得る。ミクロ流体プレート60の設計は、カバー部材30のホール31を通って試薬51,52及びセンサダイ40の感応表面42にわたって流体を導くよう適合される。更には、ミクロ流体プレート60は、適切な材料から製造され得る。適切な材料の一例は、プラスチックである。
【0031】
センサダイ40に関して、このダイ40がGMRセンサとしても周知である既知の磁気抵抗センサ等であり得る、ことは留意される。その場合、試薬51,52の少なくとも一方は、検査される流体において存在し得る特定の種類の分子に対して接着することができる磁気粒子又はビーズを有する。
【0032】
図1a乃至1hに基づいて記載される製造工程の結果として得られる診断装置2において、センサダイ40は、充填体45において安全に埋め込まれる一方、センサダイ40の感応表面42は、ホール31を通って、主部部材35の上方側部からアクセス(接近)可能であり、プロセッサダイ41は、主部部材35において安全に埋め込まれる。センサダイ40が位置決めされる凹部37は、異なるレベルにおいて位置決めされる部分12,13が得られるよう犠牲担体10を屈曲することによって、容易に得られる。このようにして担体10において形成される隆起部分12の位置において、凹部37は、主部部材35を形成することを目的とする材料によって担体10がカバーされる際に、自動的に得られる。
【0033】
センサダイ40及びプロセッサダイ41を有する診断装置2の電気回路は、装置2の下方側部において露出されている接続パッド21を用いて読出しユニット又は他の電気装置に対して接続可能である。
【0034】
診断装置2の有利な特徴は、カバー部材30が比較的薄くあり得ることであり、センサダイ40の感応表面42は、凹部36の底部と略同一のレベルにあり得る。結果として、検査されるべき流体が制御されてセンサダイ40の感応表面42にわたって通るため、診断装置2は、作動中に正確な結果を確実にもたらすことができるようにされる。流体の流れは、ホール31の位置において実際に妨げられない。
【0035】
図1hに示される診断装置2は、検査装置1の一部であるよう意図される。図3は、この検査装置1の一部を示す。特には、図3は、検査装置1の担体3の端部4、及び担体3上に配置されるフォーム部材5aを示す。図示される例では、担体3は、細長い一片のストリップ状に形成される。望ましくは、担体3は、疎水性材料を有し、フォーム部材5aのフォームは、親水性吸収材料である。以下では、明確にするために、フォーム5aが存在する担体3の端部4は、唾液採取端部4として称される。
【0036】
図4は、診断装置2及び担体3の唾液採取端部4の組立体の上方側部及び下方側部を示す。診断装置2は、ミクロ流体プレート60が存在する診断装置2の側部を下方にして、即ち担体3に面するよう、担体3上に置かれる。図4は、検査装置1が2つのフォーム部材5a,5bを有し、該フォーム部材は、担体3の唾液採取端部4の異なる側部において対応する位置に配置される、ことを明らかにする。
【0037】
図5は、診断装置2を封入する位置決め部材6及び担体3の一部の上方側部及び下方側部を示す。明確にするために、図中、位置決め部材6は、分解された上方部分を有して示されるため、診断部材2は、図中見られ得る。
【0038】
位置決め部材6は、担体3の周囲に摺動可能に配置されるスリーブ7を有する。診断装置2は、スリーブ7内部において収容される。位置決め部材6を用いて、担体3に対して診断装置2を動かすこと、及び、診断装置2を担体3の唾液採取端部4までもたらすことは、可能である。位置決め部材6の初期位置は、図5に示される。この位置では、位置決め部材6は、担体3の唾液採取端部4からある距離をおいて位置決めされる。位置決め部材6は、担体3の唾液採取端部4を個人の口に置くことによって唾液が採取される際、この位置に維持される。
【0039】
フォーム部材5a,5bが十分な量の唾液を吸収するように担体3の唾液採取端部4が十分長い間個人の口にあった後に、位置決め部材6は、初期位置から最終位置まで動かされる。位置決め部材6は、診断装置2のミクロ流体プレート60と担体3との間で僅かな空間がある位置において、診断装置2を保持するよう適合されるため、診断装置2がフォーム部材5aに達してフォーム部材5aにわたって動かされる際に、唾液は、フォーム部材5aから絞り出される。工程において、唾液は、第1の試薬51と接触し、ミクロ流体プレート60の試薬接触流路62へと流れる。この流路62において、唾液は、第2の試薬52と接触する。その後、唾液は、毛管力の影響を受けて試薬接触流路62から引き出され、ホール31に向かって供給流路63を通って流れる。該ホール31を介して、センサダイ40の感応表面42はアクセス可能である。唾液は、放出流路64を通って再度31から流れ出る。
【0040】
センサダイ40は、感応表面42にわたって通り且つ試薬51,52に反応した唾液の特性を検出するよう適合される。位置決め部材6は、位置決め部材が最終位置に達するまで、担体3に対して動かされる。該最終位置は、特にはスリーブ7がフォーム部材5a,5bを取り囲む位置である、担体の唾液採取端部4における位置である。位置決め部材6の最終位置は、図6に示される。
【0041】
図6は、スリーブ7が診断装置2の導電性接続パッド21に対するアクセスを与えるようホール8を有することを示す、ことが留意される。結果として、検査装置1は、センサダイ40からの信号を解釈し且つ解釈の結果を表示する読出しユニットに対して、容易に接続され得る。
【0042】
位置決め部材6が最終位置にある際、診断装置2が位置決めされる側部とは別の側部に存在するフォーム部材5bは、位置決め部材6のスリーブ7によって安全に取り囲まれる。このようにして、フォーム部材5bは、乾燥を防がれ、フォーム部材5bに存在する唾液は、他の検査装置を用いて行なわれ得る他の検査において使用され得る。
【0043】
本発明に従った検査装置1をユーザが取り扱うことは、大変容易である。まず、装置1のフォーム部材5a,5bにおいて唾液を採取するよう、ユーザは、特定の時間の間検査される個人の口に担体3の唾液採取端部4を置く。第2に、ユーザは、位置決め部材6を初期位置から最終位置まで動かす。第3に、ユーザは位置決め部材内部に位置決めされる診断装置2に対して読出しユニットを接続し、このユニットによって生成される出力を確認する。
【0044】
本発明に従った検査装置1の適用の特定の利点は、位置決め部材6が初期位置から最終位置まで動かされる際、特には診断装置2がフォーム部材5aにわたって動かされる際に、唾液がセンサダイ40の感応表面及び試薬51,52まで単純に運搬される、という事実である。担体3に対して位置決め部材6を動かす以外の動作をユーザが行なう必要はない。
【0045】
原理上、適切な診断装置は、本発明に従った検査装置1の一部として適用され得る。図7は、他の診断装置70を示し、該診断装置70は、パッケージ71、及びパッケージ71の一側において配置されるカバープレート72を有する。他の診断装置70のパッケージ71は、図8中に示される。
【0046】
他の診断装置70は、略前述されている診断装置2に類似する。第1の著しい相違は、診断装置70が流路のパターン61を有するミクロ流体プレート60を有さず、その代わりに表面に凹部を有さない単純なカバープレート72を有する、ことである。第2の著しい相違は、主部部材35の形状に関連する。他の診断装置70において、主部部材35は、カバープレート72によってカバーされる側部において1つより多い凹部36を有する。特には、この側部において、主部部材35は、一列に位置付けられる3つの凹部73,74,75を有する。唾液採取チャンバ73と称される第1の凹部73は、カバープレート72によって部分的にカバーされずに残される。試薬チャンバ74と称される第2の凹部74は、試薬を有する。測定チャンバ75と称される第3の凹部75の底部は、ホール31を有するカバー部材30の一部、及びセンサダイ40の感応表面42によって構成される。主部部材35の外側エッジと測定チャンバ75との間に延在する主部部材35の一部38は、主部部材35の近接する部分に対してより下方のレベルにあるため、測定チャンバ75から空気を逃がす通気スリットは、カバープレート72が適所にある際に実現される。凹部73,74,75の間における分割壁としての役割を有する主部部材35の一部39は、主部部材35の近接する部分より下方のレベルにあるため、スリットはまた、カバープレート72が適所にある際に凹部73,74,75間において実現される。
【0047】
位置決め部材6が担体3に対して動かされ、且つ診断装置70がフォーム部材5aと接触するようになる際、フォーム部材5aは、押圧され、フォーム部材5bによって有される唾液は、フォーム部材5aから唾液採取チャンバ73まで絞り出される。その後、毛管力の影響を受けて、唾液は、唾液が試薬と接触する試薬チャンバ74へと流れる。このようにして、唾液の構成要素は、センサダイ40による検出に対して準備される。最後に、唾液は、唾液がセンサダイ40の感応表面42と接触するようになる測定チャンバ75において採取される。その場合、センサダイ40は、唾液における分子の少なくとも1つの特定の種類の存在を検出すること、及び、この種類の分子の濃度等の定量的測度を確定することができる。
【0048】
前述において、本発明に従った検査装置1は、唾液の検査を行なうことに関して記載される。かかる検査に基づき、個人が例えば薬物を使用しているか否かの目安を得ることは可能である。本発明に従った検査装置1の適用が唾液を検査することに制限されない、ことは留意される。対照的に、検査装置1は、いかなる種類の液体も検査するよう適合され得る。流体は、検査装置1の少なくとも1つの流体受容部材5a,5bに対して適切に供給され得る。
【0049】
本発明に従った検査装置1は、診断装置を検査される流体と便利に接触させる有利な可能性を提供する。更には、本発明に従った検査装置1は、使用が容易であり、専門家による操作を求めない。
【0050】
前述において、流体を検査する装置1が記載されている。該装置は、細長い担体3;担体3の端部4において配置される、流体を吸収する2つのフォーム部材5a,5b;担体3上に摺動可能に配置されるスリーブ7を有する位置決め部材6;及び診断装置2,70を有する。診断装置2,70は、位置決め部材6において配置され、また、流体の少なくとも1つの特性を検出するよう適合されるセンサダイ40、及びセンサダイ40の感応表面42に対して流体を供給する手段を有する。流体がフォーム部材5a,5bに対して供給された後、位置決め部材6は、フォーム部材5a,5bが位置決めされる担体3の端部4に向かって動かされる。診断装置2,70がフォーム部材5a,5bの一方と接触する際、流体は、フォーム部材5aから絞り出され、診断装置2,70の流体供給手段を介して、センサダイ40の感応表面42に対して供給される。
【0051】
図9は、流体を検査する他の装置80の基材81及びセンサダイ82を示す。特には、検査装置80は、ある量の流体を受容するよう適合され、流体の少なくとも1つの特性を検出し、またこの特性に関連する出力を処理するよう適合される。図10は、検査装置80のミクロ流体プレート83の上方側部を示す。図11は、基材81、センサダイ82、及び検査装置80のミクロ流体プレート83の組立体の上方側部を示す。電気接続ケーブル84の一部もまた図示される。この組立体の長手方向断面の側面図は、図12において概略的に示される。他の検査装置80の以下の記載では、検査装置80は、唾液を検査するよう適合される、ことが推測され、検査装置80が他の流体を検査するようにも適合され得るという事実を変えるものではない。
【0052】
検査装置80の基材81は、シート状に形成され、ホール85を備えられる。センサダイ82は、センサダイ82の感応表面86がホール85を介してアクセス可能である位置において、基材81上に配置される。望ましくは、センサダイ82が位置決めされる側部において、基材81は、導電性接続パッド及び導電性トラックのパターン(図示せず)を有する。電気接続ケーブル84は、この導電性パターンに対して接続され、読出しユニット等である他の電気装置に対して検査装置80を接続させる役割を有する。
【0053】
検査装置80において、基材81の上方側部は、ミクロ流体プレート83によって覆われる。このプレート83は、基材81の一端の近くに位置決めされる唾液受容ホール87、及び基材81の他端の近くに位置決めされる換気ホール88を備えられる。上方側部において、ミクロ流体プレート83は、凹部のパターン90を有する。特には、このパターン90は、試薬チャンバ91、唾液受容ホール87と試薬チャンバ91との間において延在する複数の第1の溝92、及び、試薬チャンバ91と換気ホール88との間に延在する複数の第2の溝93を有する。溝92,93の断面の寸法は、マイクロメータの範囲にあるため、溝92,93は、唾液を濾過すること、及び毛管力に基づき唾液を運搬することができる。
【0054】
検査装置80が作動される方途は、図13a及び13bに基づき図示される。図中、基材81、センサダイ82、及びミクロ流体プレート83の組立体の長手方向断面の側面図は、概略的に示される。図13aは、唾液受容ホール87の位置において、基材81上に配置されたところである唾液100の液滴を示す。その後、毛管力の影響を受けて、唾液100は、第1の溝を通って、試薬チャンバ91に向かって引き出される。試薬チャンバ91において、試薬94は、唾液100において溶解される。このようにして、唾液100の1つ又はそれより多くの構成要素は、検出可能な状態、即ちかかる構成要素がセンサダイ82に対して認識可能である状態にされる。故に唾液混合物101は、この混合物が基材81におけるホール85を通ってセンサダイ82の感応表面86に最終的に到達するまで、第2の溝93を通って更に運ばれる。唾液混合物101がセンサダイ82の感応表面86に接触する際、センサダイ82は、唾液100の1つ又はそれより多い所定の特性を検出し、かかる特性を示す信号を出力する。換気ホール88は、基材81においてホール85からの空気を放出する役割を有し、捕捉された空気が検査結果に影響を与える状況を避ける。図13bは、唾液混合物101がセンサダイ82の感応表面86に達している状況を示す。
【0055】
センサダイ82は例えば、GMRセンサとしても周知である、既知の磁気定刻センサであり得る。その場合、試薬94は、唾液100において存在し得る特定の朱ルの分子に対して接着することができる磁気粒子又はビーズを有する。
【0056】
唾液100及び唾液混合物101を運ぶよう細かいメッシュ状の溝92,93のネットワークを適用することの利点は、埃粒子等である妨害的物質がセンサダイ82の上方におけるホール85に到達すること及び検査結果に影響を与えることができる状況が発生しない、ことである。検査装置80は、分析タスクを行なうために唾液100を多く必要としない。即ち、数マイクロリットルのみの唾液100を唾液受容ホール87内部に置くことで十分であり得る。更には、ユーザが唾液サンプルを検査するよう検査装置80を適用することは、大変容易である。ユーザが行なう必要がある唯一のことは、サンプルから検査装置80まで、特には唾液受容ホール87まで、唾液100を供給することであり、検査装置80は、唾液100を試薬94と混合する段階、及び得られた唾液混合物101をセンサダイ82の感応表面86と接触させる段階を含む、唾液100を検査するよう必要な全ての段階を実行するよう適合される。
【0057】
図5中に示される検査装置1と同様に、図11中の検査装置80は、担体3と、担体3上に配置される少なくとも1つのフォーム部材5a,5bと、基材81、センサダイ82、及びミクロ流体プレート83を封入する位置決め部材6と、を有する。位置決め部材6は、担体3上に摺動可能に配置され、例えばフォーム部材5aから唾液100を受容するよう、フォーム部材5aの位置にミクロ流体プレート83における唾液受容ホール87をもたらすことができる。検査装置1のかかる実施例の場合、ユーザは、唾液100を採取するよう追加的な手段を使う必要がなく、センサダイ82の感応表面86に導く検査経路の入口まで唾液100を供給することを目的としてユーザが取る必要がある唯一の行為は、担体3に対して位置決め部材6を移動させることである。
【0058】
望ましい一実施例では、基材81及びミクロ流体プレート83は、少なくとも第1の溝92及び/又は第2の溝93が延在する場所において、少なくとも部分的に透明である。更には、この実施例では、第1の溝92及び/又は第2の溝93は、例えばフレスネルレンズにおいて使用される形状を有する。言い換えれば、第1の溝及び/又は第2の溝の相互位置及び向きは、いわばフレスネルレンズを形成するよう適合される。結果として、たとえ唾液100が完全に透明であっても、唾液100及び/又は唾液混合物101がセンサダイ82の感応表面86に向かって実際に運ばれるか否かを確認することは、光源を使用すること、及び、光が第1の溝92及び/又は第2の溝93によって集束される範囲を測定することによって、可能である。溝92,93が空である際、溝92,93は、円筒形のレンズ状に作用し、それによって光源が放射する光を集束する。溝92,93が流体で満たされる際、レンズの動きは、屈折率が変化するという事実により変化し、光の収束が変化する。この変化を測定することによって、検査経路に沿って唾液100及び/又は唾液混合物101の進行を監視することは、可能である。このようにして、センサダイ82の感応表面86における唾液混合物101の到着時間を確定することは可能であり、該到着時間は、センサダイ82の作動を制御する工程においてファクタとして使用され得る。
【0059】
望ましい実施例に関して、前述されたフレスネルレンズ効果を得るよう、互いに隣接して延在する複数の第1の溝92及び/又は第2の溝93を有することは、重要である、ことが留意される。一般的に、この効果は、ミクロ流体プレート83においてミクロ流体流路92,93のアレイを有することによって得られる。望ましくは、第1の溝92は、互いに対して少なくとも部分的に平行に延在し、同一のことが第2の溝93に当てはまる。
【0060】
本発明の範囲は前述された例に制限されず、添付の請求項において定義付けられる本発明の範囲から逸脱することなく複数の補正及び修正が可能である、ことは当業者にとって明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】図1a乃至1hは、本発明の望ましい一実施例に従う検査装置の診断装置を製造する工程の順次的な段階を示す。
【図2】検査装置の診断装置の一部である、ミクロ流体プレートを図示する。
【図3】検査装置の担体の唾液採取端部を図示する。
【図4】診断装置及び検査装置の担体の唾液採取端部を図示する。
【図5】検査装置の担体の一部、及び、担体に対して摺動可能に配置され且つ診断装置を取り囲む位置決め装置を図示する。
【図6】位置決め装置及び検査装置の担体の唾液採取端部を図示する。
【図7】他の診断装置を図示する。
【図8】他の診断装置のパッケージを図示する。
【図9】他の検査装置のセンサダイ及び基材を図示する。
【図10】他の検査装置のミクロ流体プレートの下方側部を図示する。
【図11】他の検査装置のミクロ流体プレート、センサダイ、及び基材の組立体の上方側を図示し、電気接続ケーブルの一部も示される。
【図12】図11中に示される組立体の長手方向断面の側面図を概略的に示す。
【図13】図13a及び13bは、他の検査装置を用いて唾液の液滴を検査する工程の順次的な段階を図示する。
【図1a】

【図1b】

【図1c】

【図1d】

【図1e】

【図1f】

【図1g】

【図1h】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を検査する装置であって:
・ 担体と;
・ 該担体上に配置される、前記流体を受容する部材と;
・ 前記担体上に摺動可能に配置される、位置決め部材と;
・ 該位置決め部材において配置され、且つ前記流体の少なくとも1つの特性を検出するよう適合される感応手段を有する、診断装置と、
を有する検査装置。
【請求項2】
前記診断装置は更に、前記流体受容部材から前記感応手段の感応表面まで前記流体を供給するよう適合される手段を有する、
請求項1記載の検査装置。
【請求項3】
前記診断装置の前記流体供給手段は、前記流体供給手段の入口側部が前記流体受容部材に接触し、且つ前記流体供給手段及び前記流体受容部材が互いに対して動かされる際に、前記流体受容部材から前記流体を取り込むよう適合される、
請求項2記載の検査装置。
【請求項4】
前記診断装置の前記流体供給手段は、毛管力に基づいて前記流体を運ぶよう適合される、
請求項2又は3記載の検査装置。
【請求項5】
前記診断装置の前記流体供給手段は、プレートを有し、該プレートは、該プレートの一側において存在する前記流体を導く流路のパターンを有する、
請求項2乃至4のうちいずれか一項記載の検査装置。
【請求項6】
前記診断装置は、少なくとも1つの試薬を有し、
前記流体供給手段は、前記流体を前記少なくとも1つの試薬と接触させるよう適合される、
請求項2乃至5のうちいずれか一項記載の検査装置。
【請求項7】
前記担体は、細長い一片のストリップ状に形成される、
請求項1乃至6のうちいずれか一項記載の検査装置。
【請求項8】
前記位置決め手段は、前記担体の周囲に摺動可能に配置されるスリーブを有する、
請求項1乃至7のうちいずれか一項記載の検査装置。
【請求項9】
前記流体を受容するよう2つの部材を有し、各流体受容部材は、前記担体の他の側部において配置される、
請求項1乃至8のうちいずれか一項記載の検査装置。
【請求項10】
前記位置決め部材は、両方の受容部材を取り囲むよう適合される、
請求項9記載の検査装置。
【請求項11】
前記診断装置は、該診断装置を他の電気装置に対して接続させる少なくとも1つの導電性接続パッドを有し、
前記位置決め手段は、前記少なくとも1つの接続パッドに対してアクセスを与えるよう少なくとも1つのホールを有する、
請求項1乃至10のうちいずれか一項記載の検査装置。
【請求項12】
前記検査装置の作動中に前記感応手段によって与えられる出力の視覚的表現を生成するよう、表示手段を更に有する、
請求項1乃至11のうちいずれか一項記載の検査装置。
【請求項13】
前記診断装置は、前記検査装置の作動中に前記感応手段によって与えられる出力を処理するよう、少なくとも1つのプロセッサダイを有する、
請求項1乃至12のうちいずれか一項記載の検査装置。
【請求項14】
前記診断装置は、前記感応手段が配置される凹部を有する主部部材を有し、
導電性接続パッド及び導電性トラックのパターンは、前記凹部が存在する側部において、前記主部部材上に配置され、
前記感応手段は、少なくとも1つの前記接続パッドに対して接続され、
前記主部部材は、前記凹部及び前記導電性パターンが存在する前記側部とは別の側部から前記感応手段に対するアクセスを与える、少なくとも1つのホールを有する、
請求項1乃至13のうちいずれか一項記載の検査装置。
【請求項15】
前記診断装置の前記主部部材は、前記感応手段が存在する前記凹部とは異なる前記主部部材の他側部において配置される少なくとも1つの他の凹部を有し、
前記感応手段に対するアクセスを与える少なくとも1つのホールは、前記少なくとも1つの他の凹部の底部において存在する、
請求項14記載の検査装置。
【請求項16】
流体を格納及び検査する装置であって:
・ 担体と;
・ 該担体上に配置される、前記流体を受容する2つの部材と;
・ 前記担体上に摺動可能に配置される、位置決め部材と;
・ 該位置決め部材において配置され、且つ前記流体の少なくとも1つの特性を検出するよう適合される感応手段を有する、診断装置と、
を有する検査装置。
【請求項17】
各流体受容部材は、前記担体の他側において配置される、
請求項16記載の検査装置。
【請求項18】
前記流体受容部材の少なくとも1つを取り囲むよう適合される手段を更に有する、
請求項16又は17記載の検査装置。
【請求項19】
前記位置決め部材は、前記流体受容部材の少なくとも1つを取り囲むよう適合される、
請求項18記載の検査装置。
【請求項20】
流体を検査する装置であって:
・ 少なくとも1つのホールを有する基材と;
・ 該基材の一側上に配置される、前記流体の少なくとも1つの特性を検出するよう適合される感応手段と;
・ 前記流体を受容する手段と;
・ 凹部のパターンを有するミクロ流体プレートと、
を有し、
前記感応手段の少なくとも1つの感応部分は、前記基材における前記ホールを介して、前記基材の他側からアクセス可能であり、
前記ミクロ流体プレートは、前記流体を前記流体受容手段から前記感応手段の前記感応部分まで運ぶようにされ、前記パターンは、前記プレートの一側において存在し、また、互いに対して隣接して延在する複数の溝を有する、
検査装置。
【請求項21】
前記基材及び前記ミクロ流体プレートは、少なくとも部分的に透明であり、
前記溝の相互位置及び向きは、フレスネルレンズを形成するよう適合される、
請求項20記載の検査装置。
【請求項22】
前記凹部のパターンは、少なくとも1つの試薬が格納される試薬チャンバを有する、
請求項20又は21記載の検査装置。
【請求項23】
請求項21又は請求項21に従属する請求項22記載の前記検査装置の前記感応手段の前記感応部分まで前記流体受容手段から延在する経路に沿う流体の進行を確定する方法であって、
光を前記溝に通す段階と;前記光の集束の変化を測定する段階とを有する、
方法。
【請求項24】
請求項1乃至22のうちいずれか一項記載の前記検査装置の使用であって、
前記検査装置に対して供給される流体の化合物の存在及び/又は量を定めることを目的とする、
使用。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13a】
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【図13b】
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【公表番号】特表2009−515185(P2009−515185A)
【公表日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−539549(P2008−539549)
【出願日】平成18年10月30日(2006.10.30)
【国際出願番号】PCT/IB2006/054001
【国際公開番号】WO2007/054850
【国際公開日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】