流体カートリッジ

【課題】流体カートリッジの部屋の容積を容易に変更可能な手段を提供する。
【解決手段】インクカートリッジ30は、インク室36にインクを貯留可能な本体31と、インク室36から本体31の外部にインクを流出可能なインク供給部37と、インク室36内に装着可能に設けられる少なくとも一部の側壁部83を有し、インク室36内の容積を変更可能な第1オプション部材80と、を具備したものである。第1オプション部材80の有無により、インク室36の容積が容易に変更可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体が貯留される流体カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インクを用いて記録用紙(被記録媒体)に画像を記録するインクジェット記録装置が広く知られている。インクジェット記録装置は、インクジェット方式の記録ヘッドを備える。記録ヘッドは、インクカートリッジから供給されたインクを記録用紙へ向けてノズルから選択的に噴出する。インクカートリッジは、インクジェット記録装置に着脱可能に設けられる。
【0003】
上記インクカートリッジには、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのようないずれか一色を有するインクが貯留されている。インクジェット記録装置においては、各インク色の消費量が異なるので、例えば、ブラックのインクを貯留するインクカートリッジは、インクを貯留可能な容積を多くすることが考えられている。しかしながら、インクの容量に応じて、インクカートリッジの容積を変化させる必要があった。このような問題に対して、インク室内にブロック体を配置することによりインクカートリッジの容積を変化する構成が考案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−67075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ブロック体を配置させることによりインクカートリッジの容積を変化させるのみでは、インクカートリッジ内に配置されたインク残量を検知するための機構の機能が妨げられることがあった。
【0006】
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、流体カートリッジの部屋の容積を容易に変更可能な手段を提供することにある。
【0007】
また、本発明の他の目的は、流体カートリッジの部屋の容積を変更しても、流体残量を安定して検知可能な手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る流体カートリッジは、前面及び当該前面と対向する後面を有し、内部に設けられた部屋に流体を貯留可能な本体と、上記前面の下側に設けられており、上記部屋から上記本体の外部に流体を流出可能な流体供給部と、上記部屋内に装着可能に設けられる少なくとも一部の壁を有し、部屋内の容積を変更可能なオプション部材と、を具備したものである。
【0009】
オプション部材が選択的に設けられることにより、部屋の容積が変化する。
【0010】
上記流体カートリッジは、上記前面における上記流体供給部の上側に、上記部屋から離れる向きへ突出する突出部と、上記部屋に貯留された流体量に応じて移動可能なフロートを一端に備え、当該一端とは反対側の他端が上記突出部内を移動可能なアームと、を更に有するものであってもよい。これにより、オプション部材の有無に拘わらず、突出部より下側の空間の容積を変更せず、突出部と同じ高さとなる空間の容積を変更することができるので、出荷時の液体量を変更しても突出部にインクを満たすことができる。
【0011】
本発明は、少なくとも、前面及び当該前面と対向する後面を有し、内部に設けられた部屋に流体を貯留可能な本体と、上記前面の下側に設けられており、上記部屋から上記本体の外部に流体を流出可能な流体供給部と、を各々が具備する流体カートリッジセットであって、上記部屋の容積を小さくするように、上記部屋内に装着可能に設けられる少なくとも一部の壁を有するオプション部材を具備する第1流体カートリッジと、当該オプション部材を具備しない第2流体カートリッジと、を含む流体カートリッジセットとして捉えられてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、オプション部材の有無により、部屋の容積が容易に変更可能である。
【0013】
また、オプション部材が、突出部と同じ高さに配置されているので、突出部より下側の空間の容積を変更せず、突出部と同じ高さとなる空間の容積を変更して、出荷時の流体量を変更しても突出部にインクを満たすことができる。これにより、突出部において気泡が発生することが抑制されて、突出部における流体残量の検知が安定される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の一実施態様であるインク供給装置100を備えたプリンタ10の内部構造を模式的に示す模式断面図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態のインクカートリッジ30の外観構成を示す斜視図である。
【図3】図3は、第1オプション部材80が設けられた本発明の実施形態のインクカートリッジ30の内部構成を示す分解斜視図である。
【図4】図4は、第1オプション部材80が設けられた本発明の実施形態のインクカートリッジ30の内部構成を示す縦断面図である。
【図5】図5は、第2オプション部材90が設けられた本発明の実施形態のインクカートリッジ30の内部構成を示す分解斜視図である。
【図6】図6は、第2オプション部材90が設けられた本発明の実施形態のインクカートリッジ30の内部構成を示す縦断面図である。
【図7】図7は、カートリッジ装着部110の構成を示す斜視図である。
【図8】図8は、カートリッジ装着部110の構成を示す正面図である。
【図9】図9は、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に挿入される過程を示すインクカートリッジ30及びカートリッジ装着部110の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明が具体化された一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
【0016】
[プリンタ10の概要]
図1に示されるように、プリンタ10は、インクジェット記録方式に基づいて、記録用紙に対してインク滴を選択的に吐出することにより画像を記録するものである。プリンタ10は、インク供給装置100を備えている。インク供給装置100には、カートリッジ装着部110が設けられている。カートリッジ装着部110には、インクカートリッジ30が装着され得る。カートリッジ装着部110には、その一面が外部に開放された開口112が設けられている。インクカートリッジ30は、開口112を介してカートリッジ装着部110に挿入され、或いはカートリッジ装着部110から抜き出される。インクカートリッジ30が流体カートリッジに相当する。
【0017】
インクカートリッジ30には、プリンタ10で使用可能なインクが貯留されている。カートリッジ装着部110に装着された状態において、インクカートリッジ30と記録ヘッド21とがインクチューブ20で接続されている。記録ヘッド21にはサブタンク28が設けられている。サブタンク28は、インクチューブ20を通じて供給されるインクを一時的に貯留する。記録ヘッド21は、インクジェット記録方式によって、サブタンク28から供給されたインクをノズル29から選択的に吐出する。
【0018】
給紙トレイ15から給紙ローラ23によって搬送路24へ送給された記録用紙は、搬送ローラ対25によってプラテン26上へ搬送される。記録ヘッド21は、プラテン26上を通過する記録用紙に対してインクを選択的に吐出する。これにより、画像が記録用紙に記録される。プラテン26を通過した記録用紙は、排出ローラ対22によって、搬送路24の最下流側に設けられた排紙トレイ16に排出される。
【0019】
[インクカートリッジ30]
図2〜4に示されるように、インクカートリッジ30はインクが貯留される容器である。インクカートリッジ30の内部に形成されている空間がインクを貯留するインク室36である。なお、インク室36に貯留されているインクのインク室36の容積に対する割合は、大きい方が好ましい。具体的には、インク室36に貯留され、インク室36において高さ方向52の下側を占めるインクと、インク室36において高さ方向52の上側を占める空気との界面が、後述する残量検知部33よりも上側となることが好ましい。インク室36が部屋に相当する。
【0020】
インクカートリッジ30は、図2に示された起立状態、つまり、同図の下側の面を底面とし、同図の上側の面を上面として、カートリッジ装着部110に対して矢印50(図9参照)で示される方向(以下「挿入及び取出方向50」と称する。)に沿って挿抜される。すなわち、インクカートリッジ30は、挿入向き56(図9参照)に沿ってカートリッジ装着部110に挿入され、また、取出向き55(図9参照)に沿ってカートリッジ装着部110から抜き出される。インクカートリッジ30は、起立状態のままカートリッジ装着部110に挿抜される。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される向きが挿入向き56であり、抜き出される向きが取出向き55である。起立状態における高さ方向52が、重力方向に相当する。
【0021】
インク室36を区画する本体31は、カバー32により覆われている。カバー32には、第1突起45及び第2突起46が設けられている。第1突起45は、カバー32の前壁34から奥行き方向53に沿ってインク室36から離れる向きに延びるように設けられている。第1突起45の幅は、前壁34の幅と同じである。第1突起45は、前壁34から挿入向き56へ突出されている。第1突起45の先端は、インク供給部37の先端であるインク供給口71より挿入向き56の前側まで突出されている。この第1突起45は、前壁34の幅と同幅であるが、前壁34の幅より狭い幅の板状のものであってもよいし、必ずしも設けられていなくてもよい。
【0022】
第2突起46は、カバー32の前壁34の下端に設けられている。したがって、第2突起46は、後述されるインク供給部37のさらに下方に配置されている。第2突起46の幅は、前壁34の幅と同じである。第2突起46は、前壁34から挿入向き56へ突出されている。第2突起46の先端は、インク供給部37の先端であるインク供給口71より挿入向き56の前側まで突出されている。第2突起46も、第1突起45と同様に、必ずしも設けられていなくてもよい。
【0023】
図2,3に示されるように、カバー32の内部には、略直方体形状の本体31が設けられている。本体31は、幅方向(左右方向)51に細く、高さ方向(上下方向)52と奥行き方向(前後方向)53が幅方向51よりも大きい扁平形状である。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110へ装着されるときに前方側となる本体31の壁が本体前壁40であり、後方側となる本体31の壁が本体後壁42である。本体前壁40と本体後壁42とは、奥行き方向53において対向している。本体前壁40及び本体後壁42は、本体前壁40及び本体後壁42とを接続し、かつ本体前壁40の上端から本体後壁42の上端に向けて延びる本体上壁39、及び本体前壁40の下端から本体後壁42の下端に向けて延びる本体下壁41、の4つの壁によりそれぞれ区画されている。なお、挿入及び取出方向50は奥行き方向53と平行である。本体前壁40は前面に相当し、本体後壁42は後面に相当する。
【0024】
本体31は、その内部にインク室36を有する。インク室36は、インク室36は、本体31、第1オプション部材80又は第2オプション部材90、フィルム38により区画される空間である。インク室36を区画する各部材の内面は、その殆どの部分において平面または曲面で構成されており、凹凸は殆ど設けられていない。インク室36は、後述される残量検知部33とインクの流通が可能である。
【0025】
図3,4に示されるように、本体31の本体前壁40における高さ方向52の中央付近には、残量検知部33が設けられている。残量検知部33は、幅方向51に細く、高さ方向52と奥行き方向53が幅方向51よりも大きい扁平形状である。残量検知部33は中空であり、インク室36とインクが流通可能に通じている。つまり、残量検知部33とインク室との間には隔壁が存在しない。残量検知部33が突出部に相当する。
【0026】
残量検知部33の中空部分にはセンサーアーム60のインジケータ部62が挿入されている。センサーアーム60は、板状のアーム本体61の両端に、インジケータ部62及びフロート部63とがそれぞれ設けられたものである。センサアーム60は、インク室36において、幅方向51に沿って延びる支軸64により回動可能に支持されている。センサーアーム60は、インク室36に存在するインク量に対応して、インジケータ部62が残量検知部33の高さ方向52下側に位置する下位姿勢と、インジケータ部62が残量検知部33の高さ方向52上側に位置する上位姿勢に姿勢変化可能である。なお、図4では、インジケータ部62が下位姿勢であり、インク室36内にインクが所定量存在する状態が示されている。
【0027】
インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着された状態において、カートリッジ装着部110に設けられた光センサ114に対して、残量検知部33は、赤外光を所定量以上透過させる状態と、残量検知部33が赤外光を所定量未満に遮光又は減衰させる状態とに変化する。インジケータ部62が上位姿勢であれば残量検知部33は赤外光を透過させ、インジケータ部62が下位姿勢であれば、残量検知部33は赤外光を遮光又は減衰させる。この残量検知部33の透光状態に応じて、インク室36内のインク残量が所定量未満になったことが判定される。
【0028】
図3,4に示されるように、本体31の本体前壁40における残量検知部33の上側に、大気連通バルブ75が設けられている。大気連通バルブ75は、本体前壁40とインク室36とを空気が流通可能に連通する大気連通口を開閉するものである。大気連通口が開かれることによって、負圧に維持された状態のインク室36の気圧が外気圧となる。この大気連通口は、必ずしも本体前壁40側に設けられる必要はなく、インク室36の内部と外部とを連通させるものであれば配置は限定されない。また、インク室36内が負圧に維持された状態でインクカートリッジ30が使用される場合は、大気連通口は設けられなくてもよい。
【0029】
図3,4に示されるように、本体31の本体前壁40における高さ方向52の中央より下側に、インク供給部37が設けられている。インク供給部37は、円筒形状の外形をなしており、本体前壁40から挿入及び取出方向50に沿って外側へ突出している。インク供給部37の突出端にはインク供給口71が形成されている。このインク供給口71からインク供給部37の内部空間を通じて、挿入及び取出方向50に延びてインク室36へ通ずるインク流路72が形成されている。インク供給口71は、インク供給バルブ70によって開閉可能に構成されている。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されると、カートリッジ装着部110に設けられたインクニードル122(図8参照)が、インク供給口71に挿入されてインク供給バルブ70を開く。これにより、インク流路72を通ってインク室36から、カートリッジ装着部110に設けられたインクニードル122へインクが流出される。インク供給部37が流体供給部に相当する。
【0030】
なお、インク供給口71は、必ずしもインク供給バルブ70によって開閉可能な構成に限定されず、例えば、インク供給口71がフィルムやゴム栓などで閉塞されており、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されると、インクニードル122がフィルムを突き破ることによりインク供給口71が開かれる構成であってもよい。
【0031】
本体31の本体上壁39における奥行き方向53の中央付近には、係合部43が形成されている。係合部43は、インクカートリッジ30の幅方向51及び高さ方向52に拡がる平面を有する突起である。係合部43は、カバー32には覆われておらず、外部へ露出されている。係合部43には、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着された状態で、後述されるロックレバー145が係合する。この係合部43は、インクカートリッジ30を取出向き55に押し出させる付勢力を受けるものである。
【0032】
第1オプション部材80及び第2オプション部材90は、いずれか一方が本体31に選択的に組み付けられる。図3に示されるように、本体31には、インク室36の側壁の一部を構成する本体側壁44を有する。この本体側壁44から幅方向51に沿って支軸64が突出されている。
【0033】
第1オプション部材80は、本体31に組み付けられて、インク室36の側壁の一部を構成する。第1オプション部材80は、主として、インク室36の側壁の一部を構成する側壁部83と、インク室36の上側部分、具体的には、高さ方向52において残量検知部33と同じ高さに設けられた周壁部84と、を有する。
【0034】
側壁部83は、第1オプション部材80の下側部分をなす平板形状の部分であり、本体31に組み付けられたときに、本体側壁44と対向する。側壁部83には、支軸64が挿入される孔86が設けられている。したがって、本体側壁44と側壁部83とは、支軸64の長さ分だけ隔てられて対向する。
【0035】
周壁部84は、側壁部83の上側に設けられた環形状の部分である。周壁部84は、本体31に組み付けられたときに、幅方向51及び奥行き方向53に拡がる壁をなす。この壁は、ほぼ円環形状として連続している。周壁部84の幅(幅方向51)は、本体31の外壁の幅と同等である。
【0036】
周壁部84は、幅方向51の縁にフィルム38が固着される。これにより、インク室36内には、周壁部84及びフィルム38により区画される密閉空間81が形成される。この密閉空間81は、インク室36に対して気密、液密であるので、インク室36に貯留されたインク及び空気が、密閉空間81へ進入することはない。その結果、インク室36の容積は、密閉空間81の容積分だけ減じられる。
【0037】
第1オプション部材80は、インク室36の側壁の一部を構成すると共に、インク室36を上室77と下室78に区画する。
【0038】
周壁部84の一部は、本体31に組み付けられたときに、幅方向51及び奥行き方向53に拡がる壁をなす。この周壁部84により、インク室36が上室77と下室78とに区画される。周壁部84は、本体31のインク室36内において奥行き方向53に沿って延びているが、本体前壁40及び本体後壁42とは接続されていない。つまり、周壁部84と、本体前壁40及び本体後壁42の各内面との間には、上室77及び下室78間をインク及び空気が流通可能な隙間が存在する。本体前壁40側の隙間が第1連通部87であり、本体後壁42側の隙間が第2連通部88である。前述された支軸64は、第1連通部87と第2連通部88との奥行き方向53の中間付近に配置されている。周壁部84の他の部分は、本体31の本体上壁39、本体前壁40、及び本体後壁42の各内面と所定の距離を隔てて対向した円弧形状をなしている。
【0039】
上室77は、周壁部84によって区画されたインク室36の上側部分の空間であり、インク及び空気を貯留可能である。本実施形態では、周壁部84及びフィルム38により区画される密閉空間81には、インク及び空気が流入しない。つまり、上室77は、本体31の本体上壁39、本体前壁40、及び本体後壁42の各内面と周壁部84とフィルム38により区画される空間である。
【0040】
第1連通部87付近において、上室91は残量検知部33と連通している。従って、上室91と残量検知部33とは、インクが相互に流通可能である。
【0041】
下室78は、本体下壁41の内面、本体側壁44、第1オプション部材80の側壁部83及び周壁部84により区画される空間である。前述されたように、センサーアーム60を回転自在に支持する支軸64は、下室78に配置されている。アーム本体61の本体後壁42側に設けられたフロート部63は、下室78に配置される。したがって、フロート部63は、下室78に貯留されたインクに対する浮力により、下室78内を上下動する。フロート部63の直上には、周壁部84が配置されている。フロート部63は、周壁部84の奥行き方向53のほぼ中央に配置されており、第1連通部87及び第2連通部88の直下には配置されていない。アーム本体61は、支軸64から第1連通部87を通じて上室77に延出されており、残量検知部33の内部空間へ到達されている。第1連通部87は、フロート部63の上下動に伴うアーム本体61の回動に影響しないように、アーム本体61と接触しない程度の大きさである。
【0042】
図5,6に示されるように、第2オプション部材90は、第1オプション部材80と選択的に本体31に組み付けられて、インク室36の側壁の一部を構成する。第2オプション部材90は、主として、インク室36の側壁の一部を構成する側壁部93と、側壁部93から幅方向51へ延びる複数のリブ94と、を有する。
【0043】
側壁部93は、平板形状の部分であり、本体31に組み付けられたときに、本体側壁44と対向する。側壁部93には、支軸64が挿入される孔96が設けられている。したがって、本体側壁44と側壁部93とは、支軸64の長さ分だけ隔てられて対向する。
【0044】
リブ94は、高さ方向51において残量検知部33と同等の位置に配置されて、幅方向51に拡がる壁である。リブ94の幅(幅方向51)は、本体31の外壁の幅と同等である。
【0045】
リブ94は、幅方向51の縁にフィルム38が固着される。これにより、インク室36内が負圧にされても、フィルム38が内側へ膨出することが防止される。リブ94は、環形状をなしていないので、リブ94の縁にフィルム38が固着されても、前述された密閉空間81のような密閉空間は形成されない。したがって、第2オプション部材90が本体31に組み付けられても、インク室36の容積が減じられることはない。つまり、第1オプション部材80が設けられたインク室36の容積V1は、第2オプション部材90が設けられたインク室36の容積V2よりも小さい(容積V1<容積V2)。本体31に、第1オプション部材80又は第2オプション部材90のいずれが組み付けられるかによって、インク室36の容積を変更することができる。第1オプション部材80が設けられたインクカートリッジ30が第1流体カートリッジに相当する。第2オプション部材90が設けられたインクカートリッジ30が第2流体カートリッジに相当する。
【0046】
[インク供給装置100]
図1に示されるように、インク供給装置100は、プリンタ10に設けられている。インク供給装置100は、プリンタ10が備える記録ヘッド21へインクを供給するものである。インク供給装置100は、インクカートリッジ30を装着可能なカートリッジ装着部110を備えている。なお、図1においては、カートリッジ装着部110にインクカートリッジ30が装着された状態が示されている。
【0047】
[カートリッジ装着部110]
図7,8に示されるように、カートリッジ装着部110の筐体を形成するケース101は、プリンタ10の正面側に開口112を有する。開口112を通じてケース101へインクカートリッジ30が挿抜される。ケース101には、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色に対応する4つのインクカートリッジ30が収容可能である。
【0048】
ケース101には、内部空間を縦方向に長い4つの空間に仕切り分ける3つのプレート102が設けられている。このプレート102によって仕切り分けられた各空間それぞれにインクカートリッジ30が収容される。プレート102は、ケース101において開口112と反対側となる終面側(奥側)に設けられている。
【0049】
図8に示されるように、ケース101の終面の下部に接続部103が設けられている。接続部103は、終面において、ケース101に装着された各インクカートリッジ30のインク供給部37に対応する位置にそれぞれ配置されている。本実施形態では、ケース101に収容可能な4つのインクカートリッジ30に対応して4つの接続部103が設けられている。
【0050】
接続部103は、インクニードル122と、保持部121とを有する。インクニードル122は、管状の樹脂針からなる。インクニードル122は、ケース101の終面と表裏をなす外面側でインクチューブ20に接続されている。各インクニードル122から背面側へ引き出された各インクチューブ20は、ケース101の終面と対向する外側面において上方へ引き上げられたのち、プリンタ10の記録ヘッド21へインクを流通可能に延出されている。
【0051】
保持部121は、円筒状に形成されている。保持部121の中心にインクニードル122が配置されている。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されると、インク供給部37が保持部121の円筒の内側に挿入される。このとき、インク供給部37の外周面が保持部121の円筒の内周面に密着する。これにより、インク供給部37が保持部121へ所定の間隔をもって挿入される。インク供給部37が保持部121へ挿入されると、インクニードル122がインク供給部37のインク供給口71に挿入される。これにより、インク室36に貯留されているインクが外部へ流出可能となる。インク室36から流出されたインクは、インクニードル122へ流入する。
【0052】
図8,9に示されるように、ケース101の終面において、接続部103より高さ方向52の上側にセンサユニット104が設けられている。センサユニット104は、基板113と、光センサ114とを備える。基板113に光センサ114が装着されることで、センサユニット104が構成されている。センサユニット104には、4つの光センサ114が設けられている。これら4つの光センサ114は、ケース101に収容可能な4つのインクカートリッジ30に対応している。4つの光センサ114は、各プレート102の間において、ケース101の幅方向に(幅方向51と一致する)に一列に配列されている。
【0053】
各光センサ114は、LEDなどの発光素子118と、フォトトランジスタなどの受光素子119とをそれぞれ有する。発光素子118及び受光素子119は、それぞれが筐体に囲まれている。光センサ114は、この筐体により形成される外形が馬蹄形である。発光素子118は、筐体から一方向へ光を照射可能である。受光素子は、筐体に対して一方向から照射された光を受光可能である。このような発光素子118と受光素子119とが、馬蹄形の筐体において所定の間隔を空けて対向配置されている。発光素子118と受光素子119との間の空間には、インクカートリッジ30の残量検知部33が進入可能である。光センサ114の光路に残量検知部33が進入すると、光センサ114は、残量検知部33による透光状態の変化を検知し得る。
【0054】
図9に示されるように、スライド部材135は、カートリッジ装着部110の奥部の下端側に形成された空間130に配置されている。本実施形態では、ケース101に収容可能な4つのインクカートリッジ30に対応して4つのスライド部材135が設けられている。空間130は、カートリッジ装着部110の内部空間と連続している。スライド部材135は、空間130において挿入及び取出方向50に沿って延出された支持ロッド133によって挿入及び取出方向50に沿ってスライド可能に支持されている。スライド部材135は、概ね直方体の外形をなす。スライド部材135は、インクカートリッジ30の第2突起46の挿入経路に配置されており、第2突起46の先端と当接可能である。つまり、スライド部材135は、第2突起46の先端と挿入向き56に対向して設けられている。
【0055】
空間130にはコイルバネ139が設けられている。コイルバネ139は、スライド部材135を開口112側、つまり、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110から抜き出される向きへ、つまり開口112へ向かって、インクカートリッジ30を弾性付勢するものである。コイルバネ139は、空間130において挿入及び取出方向50に沿って延出された支持ロッド133に外嵌されて、空間130の終端を画定している終壁131とスライド部材135との間に介在されている。コイルバネ139が自然長である場合、つまり、スライド部材135に外力が加えられていない状態では、スライド部材135は、開口112側の所定の位置に配置される。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に挿入される過程で、インクカートリッジ30の第2突起46がスライド部材135に当接して、スライド部材135が空間130の終壁131側へ押圧される。これにより、コイルバネ139が収縮されるとともに、スライド部材135が終壁131側の位置へスライドされる。収縮したコイルバネ139は、スライド部材135を介してインクカートリッジ30を取出向き55へ付勢する。
【0056】
ケース101には、ロックレバー145が設けられている。ロックレバー145は、カートリッジ装着部110に装着されたインクカートリッジ30を、コイルバネ139の付勢力に抗して、装着状態に維持するためのものである。ロックレバー145は、ケース101の開口112の上側に設けられている。本実施形態では、ケース101に装着可能な4つのインクカートリッジ30に対応して4つのロックレバー145が設けられている。
【0057】
ロックレバー145は、全体がアーム状に形成されている。ロックレバー145の中央付近に支軸147が設けられている。この支軸147がケース101に支持されている。これにより、ケース101の開口112の上側においてロックレバー145が支軸147を中心に回動可能に支持されている。ロックレバー145は、大別すると、操作部149と、被係合部146とに大別される。操作部149は、ケース101の開口112から外側へ突出されている。操作部149は、ロックレバー145を回動させるための操作を受け付ける部分である。被係合部146は、ケース101の内部へ進入している。被係合部146は、インクカートリッジ30の係合部43と係合可能である。被係合部146が係合部43と係合することにより、コイルバネ139に付勢されているインクカートリッジ30が、ケース101に対して装着状態に維持される。被係合部146が係合部43と係合可能な位置となるロックレバー145の回動位置がロック位置と称され、被係合部146が係合部43と係合しない位置がアンロック位置と称される。
【0058】
ロックレバー145には、コイルバネ148が取り付けられている。コイルバネ148によって、ロックレバー145は、ロック位置側へ付勢されている。ロック位置のロックレバー145に対して、操作部149が高さ方向52下向きへ押し下げられると、ロックレバー145がロック位置からアンロック位置へ回動される。
【0059】
[インクカートリッジ30の装着動作]
以下、図9が参照されつつ、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される動作が説明される。
【0060】
図には示されていないが、カートリッジ装着部110の開口112は、プリンタ10の筐体に設けられた開閉可能なカバーによって閉じられている。インクカートリッジ30が装着されるときには、このカバーが開かれる。
【0061】
図9に示されるように、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に対して挿入向き56へ挿入される。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に挿入されると、まず、カバー32の挿入向き56の先端に形成された挿入向き56前側へ傾斜する案内面が、ロックレバー145の被係合部146に当接する。更にインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110へ挿入されると、ロックレバー145の被係合部146がカバー32に乗りあがる。これにより、ロックレバー145が図9における反時計回りに回動して、ロック位置からアンロック位置へ移動する。
【0062】
また、インクカートリッジ30の第2突起46の先端がスライド部材135に当接する。このとき、スライド部材135は、コイルバネ139に付勢された、空間130における開口112側に位置されている。ユーザは、さらにインクカートリッジ30をカートリッジ装着部110に挿入するために、コイルバネ139の付勢力に抗して、カバー32の後壁側を押し込む。
【0063】
インクカートリッジ30の係合部43がロックレバー145の被係合部146より挿入向き56の前側へ到達すると、ロックレバー145が図9における時計回りに回動して、アンロック位置からロック位置へ移動する。これにより、ロックレバー145の被係合部146とインクカートリッジ30の係合部43とが係合して、コイルバネ139の付勢力に抗して、インクカートリッジ30が装着位置に保持される。
【0064】
装着位置において、インクカートリッジ30のインク供給口71にはインクニードル122が挿入されており、このインクニードル122によりインク供給バルブ70が開位置へ移動される。したがって、インク室36からインク流路72、インクニードル122を通じてインクチューブ20へインクが流出可能となる。また、ケース101の終面に設けられた突部123により、大気連通バルブ75が開放されて、インク室36内が大気圧となる。また、残量検知部33は、光センサ114により検知可能な位置へ到達され、残量検知部33内におけるセンサーアーム60のインジケータ部62の位置が検知されることに基づいて、インク室36のインク残量が判定される。
【0065】
インク室36のインクが消費されると、そのインクカートリッジ30は、インクが充填されている別のインクカートリッジ30と取り替えるべく、カートリッジ装着部110から取り出される。インクカートリッジ30の取り出しにおいて、ユーザは、ロックレバー145の操作部149を押し下げる。これにより、ロックレバー145がロック位置からアンロック位置へ移動する。ロックレバー145の被係合部146がインクカートリッジ30の係合部43から離れると、インクカートリッジ30はコイルバネ139の付勢力によって取出向き55へ移動して、開口112から飛び出る。このインクカートリッジ30をユーザが取り出すことにより、カートリッジ装着部110からインクカートリッジ30が取り出される。
【0066】
[本実施形態の作用効果]
本実施形態によれば、インクカートリッジ30は、本体31に第1オプション部材80又は第2オプション部材90のいずれか一方が選択的に組み付けられることにより、容積V1又は容積V2のインク室36を容易に選択することができる。また、容積V1及び容積V2のインク室36を有する2種類のインクカートリッジ30のセットを容易に作成することができる。
【0067】
また、第1オプション部材80が、残量検知部33と同じ高さに配置されているので、残量検知部33より下側の空間の容積を変更せず、残量検知部33と同じ高さとなる空間の容積を変更して、出荷時の流体量を変更しても、つまり小さな容積V1のインク室36を有するインクカートリッジ30としても、残量検知部33にインクを満たすことができる。これにより、残量検知部33において気泡が発生することが抑制されて、残量検知部33におけるインクの検知が安定される。
【0068】
また、インクカートリッジ30の装着などの動作において、インクカートリッジ30の姿勢が変化されると、インク室36内においてインク及び空気が移動する。インク室36は、周壁部84により上室77と下室78とに区画されているので、インク及び空気は、第1連通部87及び第2連通部88を通じて上室77から下室78へ、または下室78から上室77へ移動することとなる。インク室36においてインクや空気が移動すると、インクが泡だって気泡が発生するが、上室77及び下室78間を行き来するインク及び空気の通り道が第1連通部87及び第2連通部88に限定されているので、下室78における気泡の発生が安定する。これにより、センサーアーム60のフロート部63の周囲における気泡の発生が安定して、フロート部63の動作が安定するので、センサーアーム60の検知に基づくインク室36の残量判定の精度が向上される。
【0069】
また、フロート部63が、周壁部84の第1連通部87と第2連通部88との奥行き方向53の中間付近に配置されているので、フロート部63と周壁部84との間に気泡が発生し難い。これにより、フロート部63が周壁部84に対して接離する動作が気泡により阻害されにくくなり、フロート部63の動作が一層安定する。
【0070】
[変形例]
なお、本実施形態では、インクカートリッジ30の本体31には、第1オプション部材80又は第2オプション部材90のいずれか一方が選択的に組み付けられることとしたが、第2オプション部材90は必ずしも本体31に組み付けられる必要はない。例えば、本体31において適宜リブを設けることによって、インク室36を負圧としてもフィルム38が内側へ膨出することが防止されれば、第2オプション部材90が設けられていないインク室36を構成することが可能である。つまり、密閉空間81を形成する第1オプション部材80が本体31に組み付けられるか否かによって、インク室36の容積を容易に変更することが可能となる。
【符号の説明】
【0071】
30・・・インクカートリッジ(流体カートリッジ)
31・・・本体
33・・・残量検知部(突出部)
36・・・インク室(部屋)
37・・・インク供給部(流体供給部)
61・・・アーム本体
63・・・フロート部
64・・・支軸
80・・・第1オプション部材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面及び当該前面と対向する後面を有し、内部に設けられた部屋に流体を貯留可能な本体と、
上記前面の下側に設けられており、上記部屋から上記本体の外部に流体を流出可能な流体供給部と、
上記部屋内に装着可能に設けられる少なくとも一部の壁を有し、部屋内の容積を変更可能なオプション部材と、を具備した流体カートリッジ。
【請求項2】
上記前面における上記流体供給部の上側に、上記部屋から離れる向きへ突出する突出部と、上記部屋に貯留された流体量に応じて移動可能なフロートを一端に備え、当該一端とは反対側の他端が上記突出部内を移動可能なアームと、を更に有するものである請求項1に記載の流体カートリッジ。
【請求項3】
上記アームは、一端と他端との間に設けられた回動支点を中心として回動可能なものである請求項2に記載の流体カートリッジ。
【請求項4】
上記オプション部材は、上下方向において上記突出部と同じ高さに配置されたものである請求項1又は2に記載の流体カートリッジ。
【請求項5】
上記オプション部材は、上記部屋を上室と下室に区画すると共に、上記前面側に設けられ、上記上室と上記下室とを流体が流通可能な第1連通部と、上記後面側に設けられ、上記上室と上記下室とを流体が流通可能な第2連通部と、を有する請求項1から4のいずれかに記載の流体カートリッジ。
【請求項6】
上記フロートは、上記下室において、上記第1連通部と上記第2連通部との前後方向の中間付近に配置されており、
上記アームは、回動支点を中心に回動自在に回動自在に支持されたものである請求項5に記載の流体カートリッジ。
【請求項7】
少なくとも、前面及び当該前面と対向する後面を有し、内部に設けられた部屋に流体を貯留可能な本体と、上記前面の下側に設けられており、上記部屋から上記本体の外部に流体を流出可能な流体供給部と、を各々が具備する流体カートリッジセットであって、
上記部屋の容積を小さくするように、上記部屋内に装着可能に設けられる少なくとも一部の壁を有するオプション部材を具備する第1流体カートリッジと、当該オプション部材を具備しない第2流体カートリッジと、を含む流体カートリッジセット。
【請求項8】
上記前面における上記流体供給部の上側に、上記部屋から離れる向きへ突出する突出部と、を各々が更に有し、
上記オプション部材は、上下方向において上記突出部と同じ高さに配置されたものである請求項7に記載の流体カートリッジセット。
【請求項9】
上記部屋に貯留された流体量に応じて移動可能なフロートを一端に備え、当該一端とは反対側の他端が上記突出部内を移動可能なアーム、を各々が更に有するものである請求項7又は8に記載の流体カートリッジセット。
【請求項10】
上記アームは、一端と他端との間に設けられた回動支点を中心として回動可能なものである請求項9に記載の流体カートリッジセット。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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