説明

流体マニホールド

【課題】流体管理カセットシステムを提供する。
【解決手段】流体管理カセットシステムが、対向する第1の圧板及び第2の圧板を備え、対向する第1のフィルム及び第2のフィルムがそれらの圧板同士の間で圧縮される。それらの圧板の一方又は両方に形成された1つ又は2つ以上のチャネルが、フィルムを用いて通路を形成し、その通路を通じて流体が方向付けられ得る。弁及び他の流体制御機構が組み込まれ得る。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本願は流体マニホールドに関し、より具体的には、流体流路が1対のフィルムの間に形成されるマニホールド及びそれに関連付けられる方法に関する。
【0002】
生物医学的な処理及び解析の分野においては、通常、装置を制御するために連結と相互作用とを必要とする配管を用いて、様々な位置の間で流体が操作及び案内される。これらの流体システムは、1台又は2台以上の脱着式配管ハーネスと処理機とを備える。配管ハーネス又はカセットは一般に、純度又は無菌性を確実にするために、1回使用の使い捨て型となっている。配管ハーネスは、再使用型の処理機に操作者によって装填されるが、その操作者は、ポンプ及び弁などの制御装置をハーネスに連結しなければならない。ハーネスの複雑度により、相当な訓練、時間、及び誤りの可能性が、配管ハーネスの使用には存在する。漏れの可能性を有する複数の連結部が、配管区間と構成要素との間に存在する。更に、使い捨て型の配管ハーネス又はカセットの材料及び組立費は相当なものであり、製品及び手技の商業的な採択に影響を及ぼしている。
【0003】
時間を節約し、誤りを回避するために、この装填プロセスで役立てるべく、特注のカセット及び様々な種類の配管ホルダーなど、多数のシステムが発明されてきた。硬質部材内に形成されたチャネルの中に配管機能が組み込まれたマニホールドシステムが開発されてきた。通常、マニホールド、カセット、及び配管ホルダーによる取組みは、基本的な配管ハーネス以上に材料費を増加させるものである。加えて、カセット及び配管ホルダーは、製造時に定義される単一の流体構成を与える。マニホールドは、いくぶんか構成の柔軟性を増すが、設計に組み込まれている通路に限定される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明による流体管理カセットシステムは、第1の圧板と、その第1の圧板と対向する第2の圧板とを備える。互いに対向する関係にある第1のフィルム及び第2のフィルムが、第1の圧板と第2の圧板との間で圧縮される。1つ又は2つ以上のチャネルが、第1の圧板と第2の圧板の少なくとも一方に形成されており、それにより、流体が、1つ又は2つ以上のチャネルにおいて第1のフィルムと第2のフィルムとの間に形成された通路を通じて方向付けられ得る。
【0005】
好ましくは、第1のフィルムは、第2のフィルムに面する内向きの面を有し、第2のフィルムは、第1のフィルムに面する内向きの面を有し、第1のフィルムの内向きの面及び第2のフィルムの内向きの面は無菌性である。好ましくは、それらのフィルムは、使い捨て式でありかつ交換式である。また好ましくは、それらのフィルムは、バッグを形成するように、それらの周辺部の周りで封止される。
【0006】
好ましくは、第1又は第2のフィルムの一方に抗してチャネルの中へと移動可能な弁要素を備える弁が存在する。本発明の一態様において、通路は、弁要素が完全にチャネルの中へと移動されると封鎖される。弁要素は、全体的な封鎖を伴うことなく通路における流動制限をもたらすように、部分的にチャネルの中へと移動可能となり得る。
【0007】
本発明の一態様において、第1の圧板と第2の圧板の少なくとも一方は各区間の行列を備え、各区間は、第1の圧板と第2の圧板のもう一方へ向かう延出位置から、第1の圧板と第2の圧板のもう一方から離れた後退位置に移動可能であり、チャネルは、各区間をそれらの後退位置に配列することによって形成される。
【0008】
流量制限弁が、チャネルの中へと移動可能な区間のうちの1つ又は2つ以上を用いて、チャネルの中に実現され得る。
【0009】
本発明の一態様において、流体ポンプが、第1の圧板と第2の圧板の少なくとも一方に形成される。例えば、1つ又は2つ以上のチャネルのうちの1つの途中にあるチャンバであって、チャンバの中に続く入口を形成し、チャンバの中への流れを許可するように構成されている逆止め弁を有する、チャンバが、チャンバにあるポンプ要素と共に用いられることができ、そのポンプ要素は、チャンバにて第1のフィルムと第2のフィルムの一方に対して圧力を加えるように構成されている。その圧力はチャンバから流れを追い出し、逆止め弁は、流れが逆行するのを防止する。好ましくは、出口からチャンバへの逆流を防止するために、別の逆止め弁が出口に設けられる。それに代わって、ポンプは、蠕動的なポンプ作用を達成するように、1つ又は2つ以上のチャネルのうちの1つに沿って移動可能である容積型の要素を備え得る。
【0010】
本発明による方法は、流体流動を管理するためのものである。その方法は、対向する第1の圧板と第2の圧板との間に、対向する第1のフィルム及び第2のフィルムを閉じ込めることと、第1の圧板と第2の圧板の少なくとも一方の中に形成されたチャネルを用いて、第1のフィルムと第2のフィルムとの間に流体通路を形成することと、その通路を通じて流体を流動させることと、を含む。
【0011】
好ましくは、第1及び第2のフィルムは通路に表面を有し、前記表面は、通路を通じて流体を流動させる工程に先立って無菌性となる。
【0012】
好ましくは、通路を通じて流体の流動を妨げる工程は、その通路を通じた流動を遮るように、第1のフィルムと第2のフィルムの少なくとも一方に抗してチャネルの中へと弁要素を移動させることを含む。チャネルの中へと弁要素が移動することにより、通路を通じた流動が完全に阻止されるか、あるいは単純に通路を部分的に封鎖することによって流動を絞ることができる。
【0013】
本発明の一態様において、第1の圧板と第2の圧板の少なくとも一方は各区間の行列を備え、各区間は、第1の圧板と第2の圧板のもう一方へ向かう延出位置から、第1の圧板と第2の圧板のもう一方から離れた後退位置に移動可能であり、チャネルは、各区間をそれらの後退位置に配列することによって形成される。
【0014】
チャネルに沿って流体をポンプ圧送することは、チャネルに沿った流動を誘発するように、チャネルに沿って波状のパターンをなして各区間を係合させることによって達成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明による流体マニホールドの分解斜視図。
【図2】図1の流体マニホールドの斜視図。
【図3】図1の線3−−3に沿った断面図であり、これらの圧板は、それらの間のバッグと共に、分離した構成で示されている。
【図4】図3と同様の断面図であるが、圧板が互いに押し付けられ、流路が流体を輸送している。
【図5】図1の線5−−5に沿った断面図であり、ポンプチャンバを示している。
【図6】図1の線6−−6に沿った断面図であり、逆止め弁を示している。
【図7】本発明による別の流体マニホールドの底部ブロックの斜視図であり、この流体マニホールドは、再構成可能な流体チャネルを有している。
【図8A】図7のマニホールドの流路の時系列とした側面図であり、蠕動的なポンプ作用を示している。
【図8B】図7のマニホールドの流路の時系列とした側面図であり、蠕動的なポンプ作用を示している。
【図8C】図7のマニホールドの流路の時系列とした側面図であり、蠕動的なポンプ作用を示している。
【図8D】図7のマニホールドの流路の時系列とした側面図であり、蠕動的なポンプ作用を示している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1及び2は、本発明による流体マニホールドシステム10を示しており、この流体マニホールドシステム10は、全体として、付形底部ブロック12と、柔軟流体バッグ14と、非付形頂部ブロック16とを備えている。バッグ14は、好ましくは、限定するものではないが、PVC、ポリウレタン、ポリエチレン、シリコーン、及びプリプロピレンなどの生体適合性材料のフィルムを折り畳むかあるいは封止し、1つ又は2つ以上の入口連結部18と、1つ又は2つ以上の出口連結部20とを取り付けることによって形成された液体又は気体収容区画である。他の構成も可能であり、例えば、流体輸送管(図1及び2には示さない)が、既にバッグ14に連結されて設けられ、流体供給源又は分配機器に連結するための流体輸送管用のコネクタを支持していてもよい。連結部と配管のいずれか又は両方が、バッグ14と一体に形成され得る。頂部ブロック16は、平坦な下部表面22を有し、この下部表面22は、バッグ14を形成する頂部フィルム24と接触する。底部ブロック12は、チャネル28を上に形成された上部表面26を有し、この上部表面26は、バッグ14を形成する下部フィルム30と接触する。平坦であるというよりも、頂部ブロックの下部表面22は、底部ブロック12のチャネル28と位置合わせされた相手チャネル(図示せず)を有してもよく、あるいは、相手チャネルはチャネル28に対して独立に位置付けられる。
【0017】
ここでまた図3〜6を参照すると、バッグ14と、頂部ブロック16及び底部ブロック12と、チャネル28との間の相互作用が、バッグ14を通じた流体通路32を形成している。バッグは、いくつかの領域ではバッグを押さえ付ける圧板として機能するブロック12と16との間に閉じ込められているが、チャネル28が存在する場所では閉じ込められていない。バッグは、通路32を封止するガスケットとして機能するように柔軟となっている。好ましくは、バッグ14の材料自体が、ガスケットとして封止する際のその作用を高めるように、いくぶんかの弾力性を有している。ブロック12及び16は、耐久性を得るために好ましくは剛性であるが、一方又は両方が、封止を支援するために、弾性材料から形成されるかあるいは弾性材料を張り付けられ得る。これは好都合にも、平坦な表面22に張り付けられ得るものであり、摩耗したとき、あるいは異なる弾性特性が望まれるとき、交換され得るものである。
【0018】
チャネル28の構成(図1及び2に最良に示される)により、流体通路32が決まる。図示の流体マニホールドシステム10は、入口34を有し、チャネル28は入口34から逆止め弁36に続いている。逆止め弁からチャネル28は可変流弁38に、次いでポンプチャンバ40に続いている。ポンプチャンバ40から2つのチャネル28が、第1の出口弁42と出口44に、そして第2の出口弁46と第2の出口48に続いている。入口34はバッグの入口連結部18と、出口44及び48はバッグの出口連結部20と対応し、好ましくは、バッグ14が誤って配置されるのを防止するためにバッグ14が1方向にのみ嵌合するような構成となっている。
【0019】
出口弁42及び46は、通路32を封鎖して流路32を通じた流れを防止する単純なプランジャ50である。可変流弁38はまた、通路32を部分的に封鎖するように調節され得るプランジャを備えている。逆止め弁36は弁本体41を備え、弁本体41は、曲線状の入口表面43と、平坦な出口表面45とを有し、バネ47によって付勢及び閉鎖される。入口表面43に抗する流れは、バネ47の付勢力に打ち勝つように圧力を与え、流れを許可するように弁本体41を移動させて開放する。出口表面45に抗する流れは、この付勢力に打ち勝つのに十分な圧力を発生させない。
【0020】
空気線52を通じてポンプチャンバ40に吸引力と圧力を交互に加えることによってポンプ効果を達成することができ、逆止め弁36によって流れは出口44及び48に向けられることになる。ポンプチャンバ40への逆流を防止するため、またポンプ効率を向上させるために、更なる逆止め弁(図示せず)が、ポンプチャンバ40からの出口に望ましいものとなり得る。また、ポンプチャンバ40にてフィルム30に抗して移動するピストン(図示せず)など、機械的な解決策が用いられてもよい。それに代わって、蠕動的なポンプ作用を達成するために、ローラ(図示せず)又は他の容積型の駆動装置が通路32の一区間に利用され得る。
【0021】
ひずみゲージなどの力測定センサをブロック12又は16の一方の流路32のところに配置することによって、圧力センサ(図示せず)が実現されてもよい。通路32内で流体からその圧力センサに加えられる力は、圧力を示すように較正され得る。複数の圧力センサを用いて、また、既知の寸法を有する、それらの圧力センサの間の通路32の一区間を通じた圧力降下を、おそらくは通路32の計量用の絞りの支援を受けて算出して、流量が決定され得る。流れの測定値はまた、外部流量計を用いて較正され得る。
【0022】
流体管理の柔軟性が、ブロック12に代わるブロック54(図7を参照)の第2の実施形態で達成され得る。ブロック54は、区間56の行列を備え、区間56の各々は、独立な作動が可能であり、好ましくは可変であり、そのため、特定の区間56を後退させることによってチャネル58が形成され、チャネル58内の区間56を延出させることによって弁57が形成され得るようになっている。弁57は、単に部分的に区間56を延出させることによって、流量制御弁となり得る。簡略化された変形例のみが、原理を説明する目的で示されており、チャネル58は、後退した区間56によって形成され、入口51から延び、2つの出口53及び55へと分岐しており、出口55は、チャネル58へと延出している区間56のうちの1つを備える弁57によって封鎖されている。ブロック54の操作部分全体は、区間56を備えることができ、あるいは、区間56からなるブロック54のいくつかの部分のみで、その中に永久的に形成されたいくつかのチャネル又は機構を有することができる。区間56は、弁及びポンプ並びに他の流量制御品として使用され得る。
【0023】
例えば、蠕動的ポンプ作用は、図8A〜8Dに示すように、チャネル58内の区間56を波状に作用させることによって達成され得るものであり、区間56の各々は、説明のために文字で符号を付けられており、それらは、第1の硬質表面60と、個々の区間56から形成された第2の表面62との間で操作される(バッグ14は、簡潔にするために省略されているが、表面60と62との間に配置される)。時間T(図8A)にて、「a」と符号を付けられた区間56が完全に作動されており、「b」と符号を付けられた区間は上昇する途中にある。そのわずか後の時間T(図8B)において、「a」と符号を付けられた区間56は下降する途中にあり、「b」は完全に作動されており、「c」は上昇する途中にある。時間T3(図8C)までに、「a」は完全に後退し、「b」は下降する途中にあり、「c」は完全に作動されており、「d」は上昇する途中にある。時間T4(図8D)までに、「a」と「c」の両方が完全に後退しているなどである。この形式で、流れの波がチャネル58を通じて生成される。
【0024】
好ましくは、各区間は、制御システム及び独立した直線アクチュエータ又はソレノイド60を用いて独立に制御及び作動される。空気圧又は油圧シリンダ、機械てこアクチュエータ、電気モータなど、区間56の移動を独立に制御するための他の好適な機構が企図される。いくつかの用途において、所望の区間が、合理的な費用のアクチュエータよりも小さくてもよく、その場合、アクチュエータ60は、好ましくは区間56の行列と一致する行列62をなして配列されることができ(そのような行列のうちの小部分のみが図7に示されている)、ボーデンケーブルなど、一連の移動作動ライン64が、アクチュエータの移動を個々の区間56に伝達し得る。したがって、アクチュエータは、区間56の寸法を満たすように小型化される必要はなくなる。
【0025】
本発明について、その好ましい実施形態に関連して説明してきた。明らかに、先の詳細な説明を読み理解すると、修正及び変更が他者にも思い付くであろう。そのような修正及び変更が添付の「特許請求の範囲」及びその等価物の範疇に含まれる限り、本発明はそのような修正及び変更のすべてを含むと解釈されるものとする。
【0026】
〔実施の態様〕
(1) 流体管理カセットシステムであって、
第1の圧板及び前記第1の圧板と対向する第2の圧板と、
互いに対向する関係にあり、前記第1の圧板と前記第2の圧板との間で圧縮される第1のフィルム及び第2のフィルムと、
1つ又は2つ以上のチャネルであって、前記第1の圧板と前記第2の圧板の少なくとも一方に形成されており、それにより、流体が、前記1つ又は2つ以上のチャネルにおいて前記第1のフィルムと前記第2のフィルムとの間に形成された通路を通じて方向付けられ得る、チャネルと、を備える、流体管理カセットシステム。
(2) 前記第1のフィルムは、前記第2のフィルムに面する内向きの面を有し、前記第2のフィルムは、前記第1のフィルムに面する内向きの面を有し、前記第1のフィルムの内向きの面及び前記第2のフィルムの内向きの面は無菌性である、実施態様1に記載の流体管理カセットシステム。
(3) 弁を更に備え、前記弁は、前記第1のフィルム又は前記第2のフィルムの一方に抗して前記チャネルの中へと移動可能な弁要素を備える、実施態様1に記載の流体管理カセットシステム。
(4) 前記通路は、前記弁要素が前記チャネルの中へと完全に移動されると封鎖される、実施態様3に記載の流体管理カセットシステム。
(5) 前記弁要素は、前記通路における流量制限をもたらすように、部分的に前記チャネルの中へと移動可能である、実施態様3に記載の流体管理カセットシステム。
(6) 前記第1のフィルム及び前記第2のフィルムは、使い捨て式でありかつ交換式である、実施態様1に記載の流体管理カセットシステム。
(7) 前記第1のフィルム及び前記第2のフィルムは、バッグを形成するように周辺部の周りで封止されている、実施態様1に記載の流体管理カセットシステム。
(8) 前記第1の圧板と前記第2の圧板の少なくとも一方は各区間の行列を備え、各区間は、前記第1の圧板と前記第2の圧板のもう一方へ向かう延出位置から、前記第1の圧板と前記第2の圧板のもう一方から離れた後退位置に移動可能であり、前記チャネルは、前記各区間をそれらの後退位置に配列することによって形成される、実施態様1に記載の流体管理カセットシステム。
(9) 前記チャネル内の流量制御弁は、前記チャネルの中へと移動可能な、前記各区間のうちの1つ又は2つ以上の区間を含む、実施態様8に記載の流体管理カセットシステム。
(10) 前記第1の圧板と前記第2の圧板の少なくとも一方に形成された流体ポンプを更に備える、実施態様1に記載の流体管理カセットシステム。
【0027】
(11) 前記ポンプは、前記1つ又は2つ以上のチャネルのうちの1つの途中にあるチャンバと、前記1つ又は2つ以上のチャネルから前記チャンバへと続く入口を形成し、前記チャンバの中への流れを許可するように構成されている逆止め弁と、前記チャンバにあるポンプ要素であって、前記チャンバにて前記第1のフィルムと前記第2のフィルムの一方に対して圧力を加えるように構成されており、それによって前記圧力が前記チャンバから流れを追い出す、ポンプ要素と、を備える、実施態様10に記載の流体管理カセットシステム。
(12) 前記ポンプは、蠕動的なポンプ作用を達成するように、前記1つ又は2つ以上のチャネルのうちの1つに沿って移動可能である容積型の要素を備える、実施態様10に記載の流体管理カセットシステム。
(13) 流体流動を管理する方法であって、
対向する第1の圧板と第2の圧板との間に、対向する第1のフィルム及び第2のフィルムを閉じ込めることと、
前記第1の圧板と前記第2の圧板の少なくとも一方の中に形成されたチャネルを用いて、前記第1のフィルムと第2のフィルムとの間に流体通路を形成することと、
前記通路を通じて流体を流動させることと、を含む、方法。
(14) 前記第1のフィルム及び前記第2のフィルムは前記通路に表面を有し、前記表面は、前記通路を通じて流体を流動させる工程に先立って無菌性となる、実施態様13に記載の方法。
(15) 前記通路を通じた流動を遮るように、前記第1のフィルムと前記第2のフィルムの少なくとも一方に抗して前記チャネルの中へと弁要素を移動させることによって、前記通路を通じた流体の流動を妨げる工程を更に含む、実施態様13に記載の方法。
(16) 前記チャネルの中へと前記弁要素が移動することにより、前記通路を通じた流動が完全に阻止される、実施態様15に記載の方法。
(17) 前記チャネルの中へと前記弁要素が移動することにより、前記通路を通じた流動が部分的に阻止される、実施態様15に記載の方法。
(18) 前記第1の圧板と前記第2の圧板の少なくとも一方は各区間の行列を備え、各区間は、前記第1の圧板と前記第2の圧板のもう一方へ向かう延出位置から、前記第1の圧板と前記第2の圧板のもう一方から離れた後退位置に移動可能であり、前記方法は、前記各区間をそれらの後退位置に配列することによって前記チャネルを形成する工程を含む、実施態様13に記載の方法。
(19) 前記チャネルに沿った流動を誘発するように、前記チャネルに沿って波状のパターンをなして各区間を係合させることによって、前記チャネルに沿って流体をポンプ圧送することを更に含む、実施態様18に記載の方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体管理カセットシステムであって、
第1の圧板及び前記第1の圧板と対向する第2の圧板と、
互いに対向する関係にあり、前記第1の圧板と前記第2の圧板との間で圧縮される第1のフィルム及び第2のフィルムと、
1つ又は2つ以上のチャネルであって、前記第1の圧板と前記第2の圧板の少なくとも一方に形成されており、それにより、流体が、前記1つ又は2つ以上のチャネルにおいて前記第1のフィルムと前記第2のフィルムとの間に形成された通路を通じて方向付けられ得る、チャネルと、を備える、流体管理カセットシステム。
【請求項2】
前記第1のフィルムは、前記第2のフィルムに面する内向きの面を有し、前記第2のフィルムは、前記第1のフィルムに面する内向きの面を有し、前記第1のフィルムの内向きの面及び前記第2のフィルムの内向きの面は無菌性である、請求項1に記載の流体管理カセットシステム。
【請求項3】
弁を更に備え、前記弁は、前記第1のフィルム又は前記第2のフィルムの一方に抗して前記チャネルの中へと移動可能な弁要素を備える、請求項1に記載の流体管理カセットシステム。
【請求項4】
前記通路は、前記弁要素が前記チャネルの中へと完全に移動されると封鎖される、請求項3に記載の流体管理カセットシステム。
【請求項5】
前記弁要素は、前記通路における流量制限をもたらすように、部分的に前記チャネルの中へと移動可能である、請求項3に記載の流体管理カセットシステム。
【請求項6】
前記第1のフィルム及び前記第2のフィルムは、使い捨て式でありかつ交換式である、請求項1に記載の流体管理カセットシステム。
【請求項7】
前記第1のフィルム及び前記第2のフィルムは、バッグを形成するように周辺部の周りで封止されている、請求項1に記載の流体管理カセットシステム。
【請求項8】
前記第1の圧板と前記第2の圧板の少なくとも一方は各区間の行列を備え、各区間は、前記第1の圧板と前記第2の圧板のもう一方へ向かう延出位置から、前記第1の圧板と前記第2の圧板のもう一方から離れた後退位置に移動可能であり、前記チャネルは、前記各区間をそれらの後退位置に配列することによって形成される、請求項1に記載の流体管理カセットシステム。
【請求項9】
前記チャネル内の流量制御弁は、前記チャネルの中へと移動可能な、前記各区間のうちの1つ又は2つ以上の区間を含む、請求項8に記載の流体管理カセットシステム。
【請求項10】
前記第1の圧板と前記第2の圧板の少なくとも一方に形成された流体ポンプを更に備える、請求項1に記載の流体管理カセットシステム。
【請求項11】
前記ポンプは、前記1つ又は2つ以上のチャネルのうちの1つの途中にあるチャンバと、前記1つ又は2つ以上のチャネルから前記チャンバへと続く入口を形成し、前記チャンバの中への流れを許可するように構成されている逆止め弁と、前記チャンバにあるポンプ要素であって、前記チャンバにて前記第1のフィルムと前記第2のフィルムの一方に対して圧力を加えるように構成されており、それによって前記圧力が前記チャンバから流れを追い出す、ポンプ要素と、を備える、請求項10に記載の流体管理カセットシステム。
【請求項12】
前記ポンプは、蠕動的なポンプ作用を達成するように、前記1つ又は2つ以上のチャネルのうちの1つに沿って移動可能である容積型の要素を備える、請求項10に記載の流体管理カセットシステム。
【請求項13】
流体流動を管理する方法であって、
対向する第1の圧板と第2の圧板との間に、対向する第1のフィルム及び第2のフィルムを閉じ込めることと、
前記第1の圧板と前記第2の圧板の少なくとも一方の中に形成されたチャネルを用いて、前記第1のフィルムと第2のフィルムとの間に流体通路を形成することと、
前記通路を通じて流体を流動させることと、を含む、方法。
【請求項14】
前記第1のフィルム及び前記第2のフィルムは前記通路に表面を有し、前記表面は、前記通路を通じて流体を流動させる工程に先立って無菌性となる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記通路を通じた流動を遮るように、前記第1のフィルムと前記第2のフィルムの少なくとも一方に抗して前記チャネルの中へと弁要素を移動させることによって、前記通路を通じた流体の流動を妨げる工程を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記チャネルの中へと前記弁要素が移動することにより、前記通路を通じた流動が完全に阻止される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記チャネルの中へと前記弁要素が移動することにより、前記通路を通じた流動が部分的に阻止される、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の圧板と前記第2の圧板の少なくとも一方は各区間の行列を備え、各区間は、前記第1の圧板と前記第2の圧板のもう一方へ向かう延出位置から、前記第1の圧板と前記第2の圧板のもう一方から離れた後退位置に移動可能であり、前記方法は、前記各区間をそれらの後退位置に配列することによって前記チャネルを形成する工程を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記チャネルに沿った流動を誘発するように、前記チャネルに沿って波状のパターンをなして各区間を係合させることによって、前記チャネルに沿って流体をポンプ圧送することを更に含む、請求項18に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【公開番号】特開2013−79956(P2013−79956A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−216094(P2012−216094)
【出願日】平成24年9月28日(2012.9.28)
【出願人】(507083478)デピュイ・ミテック・エルエルシー (47)
【住所又は居所原語表記】325 Paramount Drive,Raynham,Massachusetts 02767 United States of America
【Fターム(参考)】