説明

流体中の粒子質量濃度測定装置及びその測定方法並びに流体中の粒子密度測定装置及びその測定方法

【課題】被測定対象が流動する流体であっても、誤差の少ない測定を可能とする流体中の粒子密度測定装置及びその測定方法並びに流体中の粒子質量濃度測定装置及びその測定方法を提供する。
【解決手段】流体中の粒子の散乱光強度を測定する第1光散乱検出器10と、第1光散乱検出器10を通過した流体中の粒子を分粒させる分粒装置20と、分粒装置20を通過した流体中の分粒後通過粒子の散乱光強度を測定する第2光散乱検出器10´と、第2光散乱検出器10´を通過した流体中の分粒後通過粒子を捕集するフィルタ40と、粒子質量濃度測定装置1の外部から被測定対象となる流体を第1光散乱検出器10→分粒装置20→第2光散乱検出器10´→フィルタ40と流動させる吸引装置50と、流体中の粒子の密度の算出処理や吸引装置50の制御などを行なう演算処理部60とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流動する大気や液体などの流体中の粒子の質量濃度及び密度を正確に測定する流体中の粒子質量濃度測定装置及びその測定方法並びに流体中の粒子密度測定装置及びその測定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、大気や液体など流体中の粒子を捕集しないで粒子の質量濃度を測定する方法として、流体中に含まれる粒子に光を照射して粒子により生じた散乱光量を計測する光散乱法が知られている。この光散乱法は、粒子により生じた散乱光の総量が粒子の質量濃度に相関性を持つことを利用し、粒子の相対濃度を計測する装置に広く用いられている。このような光散乱法を用いた装置は、粒子を捕集せずに計測が可能であり、短時間で場の評価が可能なことから、粒子の質量濃度の変化や粒子の除去効率の測定に広く用いられている(特許文献1)。
【0003】
このような装置を用いた粒子の質量濃度は、光散乱法によって計測された粒子径及び粒子径毎に区分した粒子個数、通過する大気の流量、並びに予め求められた質量濃度換算係数に基づいて算出されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−256363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、流体中の粒子の質が同一であれば同じ質量濃度換算係数を用いることができるが、流動する流体に含まれている粒子は、粒子の径と密度が変化することで光散乱との相関性が悪化することから、質量濃度換算係数が大きく変動し、流体中の粒子の質量濃度測定の妨げになるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、被測定対象が流動する流体であっても、誤差の少ない測定を可能とする流体中の粒子密度測定装置及びその測定方法並びに流体中の粒子質量濃度測定装置及びその測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の目的を達成するため、本発明に係る流体中の粒子質量濃度測定装置は、被測定対象となる流体中の粒子を分粒する分粒装置と、該分粒装置によって分粒される前の状態の流体にレーザー光をあて、該流体に含まれている複数の粒子の散乱光強度から前記複数の粒子のそれぞれの粒子径及びそれら粒子径毎の粒子個数を測定する第1光散乱検出器と、前記分粒装置によって分粒された後の状態の流体にレーザー光をあて、該流体に含まれている複数の粒子の散乱光強度から前記複数の粒子のそれぞれの粒子径及びそれら粒子径毎の粒子個数を測定する第2光散乱検出器と、前記分粒装置及び前記第2光散乱検出器を通過した流体の流量を測定する流量計と、前記第1光散乱検出器において測定された粒子径及び粒子径毎の粒子個数の値と、前記第2光散乱検出器において測定された粒子径及び粒子径毎の粒子個数の値とから、前記被測定対象となる流体に含まれている複数の粒子の密度を算出し、この粒子の密度の値と、前記第2光散乱検出器において測定された粒子径及び粒子径毎の粒子個数の値と、前記流量計において測定された流体の流量の値とから、前記被測定対象となる流体に含まれている粒子の質量濃度を算出する演算処理部とを備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明に係る流体中の粒子質量濃度測定装置において、前記演算処理部は、前記第1光散乱検出器において測定された粒子径(d)から算出される前記分粒装置の特有の分粒パラメータと、その粒子径(d)毎の粒子個数(n)の値とから、前記分粒装置を通過する仮想通過粒子の粒子径(d)毎の粒子個数(n´)を算出し、仮想通過粒子の粒子径(d)の値及び算出された仮想通過粒子の粒子径(d)毎の粒子個数(n´)の値を式(1)に当て嵌めることにより仮想通過粒子の幾何学的平均径(D)を算出すると共に、前記第2光散乱検出器において測定された粒子径(d´)及び粒子径(d´)毎の粒子個数(n´´)の値を式(2)に当て嵌めることにより、前記分粒装置によって分粒された後の状態の流体に含まれている分粒後通過粒子の幾何学的平均径(D´)を算出し、算出したこれら分粒される前の状態の流体に含まれている仮想通過粒子の幾何学的平均径(D)の値及び分粒された後の状態の流体に含まれている分粒後通過粒子の幾何学的平均径(D´)の値を式(3)に当て嵌めることより、前記被測定対象となる流体に含まれている粒子の密度(ρ)を算出し、更に、算出したこれら前記被測定対象となる流体に含まれている粒子の密度(ρ)の値と、前記第2光散乱検出器において測定された分粒後通過粒子の粒子径(d´)及び粒子径(d´)毎の粒子個数(n´´)の値と、前記流量計において測定された流体の流量(Q)の値とを式(4)に当て嵌めることにより、前記被測定対象となる流体に含まれている粒子の質量濃度(C)を算出することが好ましい。
【0009】
【数1】

【0010】
【数2】

【0011】
【数3】

【0012】
【数4】

【0013】
本発明に係る流体中の粒子質量濃度測定方法は、被測定対象となる流体中の粒子を分粒する分粒工程と、該分粒工程によって分粒される前の状態の流体にレーザー光をあて、該流体に含まれている複数の粒子の散乱光強度から前記複数の粒子のそれぞれの粒子径及びそれら粒子径毎の粒子個数を測定する第1光散乱検出工程と、前記分粒工程によって分粒された後の状態の流体にレーザー光をあて、該流体に含まれている複数の粒子の散乱光強度から前記複数の粒子のそれぞれの粒子径及びそれら粒子径毎の粒子個数を測定する第2光散乱検出工程と、前記分粒工程及び前記第2光散乱検出工程後の流体の流量を測定する流量測定工程と、前記第1光散乱検出工程において測定された粒子径及び粒子径毎の粒子個数の値と、前記第2光散乱検出工程において測定された粒子径及び粒子径毎の粒子個数の値とから、前記被測定対象となる流体に含まれている複数の粒子の密度を算出し、この粒子の密度の値と、前記第2光散乱検出工程において測定された粒子径及び粒子径毎の粒子個数の値と、前記流量測定工程において測定された流体の流量の値とから、前記被測定対象となる流体に含まれている粒子の質量濃度を算出する演算処理工程とを備えたことを特徴とする。
【0014】
本発明に係る流体中の粒子質量濃度測定方法において、前記演算処理工程は、前記第1光散乱検出工程において測定された粒子径(d)から算出される前記分粒工程の分粒パラメータとその粒子径(d)毎の粒子個数(n)の値とから、分粒される仮想通過粒子の粒子径(d)毎の粒子個数(n´)を算出し、仮想通過粒子の粒子径(d)の値及び算出された仮想通過粒子の粒子径(d)毎の粒子個数(n´)の値を式(1)に当て嵌めることにより仮想通過粒子の幾何学的平均径(D)を算出する第1演算処理工程と、前記第2光散乱検出工程において測定された粒子径(d´)及び粒子径(d´)毎の粒子個数(n´´)の値を式(2)に当て嵌めることにより、前記分粒工程によって分粒された後の状態の流体に含まれている分粒後通過粒子の幾何学的平均径(D´)を算出する第2演算処理工程と、前記第1演算処理工程により算出された分粒される前の状態の流体に含まれている仮想通過粒子の幾何学的平均径(D)の値及び前記第2演算処理工程により算出された分粒された後の状態の流体に含まれている分粒後通過粒子の幾何学的平均径(D´)の値を式(3)に当て嵌めることより、前記被測定対象となる流体に含まれている粒子の密度(ρ)を算出する第3演算処理工程と、前記第3演算処理工程により算出された前記被測定対象となる流体に含まれている粒子の密度(ρ)の値と、前記第2光散乱検出工程において測定された分粒後通過粒子の粒子径(d´)及び粒子径(d´)毎の粒子個数(n´´)の値と、前記流量測定工程において測定された流体の流量(Q)の値とを式(4)に当て嵌めることにより、前記被測定対象となる流体に含まれている粒子の質量濃度(C)を算出する第4演算処理工程とを備えることが好ましい。
【0015】
【数5】

【0016】
【数6】

【0017】
【数7】

【0018】
【数8】

【0019】
以上のように、本発明に係る流体中の粒子質量濃度測定装置及びその測定方法によれば、流体中の粒子の質量濃度を算出するにあたって、まず、光散乱法を利用して、分粒される前の状態の流体中の粒子の粒子径及び粒子径毎の粒子個数、並びに分粒された後の状態の流体中の分粒後通過粒子の粒子径及び粒子径毎の粒子個数を測定し、次いで、これら測定値から分粒される前の状態の流体中の仮想通過粒子の幾何学的平均径及び分粒された後の状態の流体中の分粒後通過粒子の幾何学的平均径を算出すると共に、これらの幾何学的平均径から被測定対象となる流体中の粒子の密度を算出し、これら粒子の密度の値と分粒された後の状態の流体中の分粒後通過粒子の粒子径及び粒子径毎の粒子個数の値と通過する流体の総量とから流体中の粒子の質量濃度を算出するため、被測定対象が流動する流体であっても、常に正確な粒子の質量濃度を算出することができる。
【0020】
本発明に係る流体中の粒子密度測定装置は、被測定対象となる流体中の粒子を分粒する分粒装置と、該分粒装置によって分粒される前の状態の流体にレーザー光をあて、該流体に含まれている複数の粒子の散乱光強度から前記複数の粒子のそれぞれの粒子径及びそれら粒子径毎の粒子個数を測定する第1光散乱検出器と、前記分粒装置によって分粒された後の状態の流体にレーザー光をあて、該流体に含まれている複数の粒子の散乱光強度から前記複数の粒子のそれぞれの粒子径及びそれら粒子径毎の粒子個数を測定する第2光散乱検出器と、前記第1光散乱検出器において測定された粒子径及び粒子径毎の粒子個数の値と、前記第2光散乱検出器において測定された粒子径及び粒子径毎の粒子個数の値とから、前記被測定対象となる流体に含まれている複数の粒子の密度を算出する演算処理部とを備えたことを特徴とする。
【0021】
本発明に係る流体中の粒子密度測定装置において、前記演算処理部は、前記第1光散乱検出器において測定された粒子径(d)から算出される前記分粒装置の特有の分粒パラメータと、その粒子径(d)毎の粒子個数(n)の値とから、前記分粒装置を通過する仮想通過粒子の粒子径(d)毎の粒子個数(n´)を算出し、仮想通過粒子の粒子径(d)の値及び算出された仮想通過粒子の粒子径(d)毎の粒子個数(n´)の値を式(1)に当て嵌めることにより仮想通過粒子の幾何学的平均径(D)を算出すると共に、前記第2光散乱検出器において測定された粒子径(d´)及び粒子径(d´)毎の粒子個数(n´´)の値を式(2)に当て嵌めることにより、前記分粒装置によって分粒された後の状態の流体に含まれている分粒後通過粒子の幾何学的平均径(D´)を算出し、算出したこれら分粒される前の状態の流体に含まれている仮想通過粒子の幾何学的平均径(D)の値及び分粒された後の状態の流体に含まれている分粒後通過粒子の幾何学的平均径(D´)の値を式(3)に当て嵌めることより、前記被測定対象となる流体に含まれている粒子の密度(ρ)を算出することが好ましい。
【0022】
【数9】

【0023】
【数10】

【0024】
【数11】

【0025】
本発明に係る流体中の粒子密度測定方法は、被測定対象となる流体中の粒子を分粒する分粒工程と、該分粒工程によって分粒される前の状態の流体にレーザー光をあて、該流体に含まれている複数の粒子の散乱光強度から前記複数の粒子のそれぞれの粒子径及びそれら粒子径毎の粒子個数を測定する第1光散乱検出工程と、前記分粒工程によって分粒された後の状態の流体にレーザー光をあて、該流体に含まれている複数の粒子の散乱光強度から前記複数の粒子のそれぞれの粒子径及びそれら粒子径毎の粒子個数を測定する第2光散乱検出工程と、前記第1光散乱検出工程において測定された粒子径及び粒子径毎の粒子個数の値と、前記第2光散乱検出工程において測定された粒子径及び粒子径毎の粒子個数の値とから、前記被測定対象となる流体に含まれている複数の粒子の密度を算出する演算処理工程とを備えたことを特徴とする。
【0026】
本発明に係る流体中の粒子密度測定方法において、前記演算処理工程は、前記第1光散乱検出工程において測定された粒子径(d)から算出される前記分粒工程の分粒パラメータとその粒子径(d)毎の粒子個数(n)の値とから、分粒される仮想通過粒子の粒子径(d)毎の粒子個数(n´)を算出し、仮想通過粒子の粒子径(d)の値及び算出された仮想通過粒子の粒子径(d)毎の粒子個数(n´)の値を式(1)に当て嵌めることにより仮想通過粒子の幾何学的平均径(D)を算出する第1演算処理工程と、前記第2光散乱検出工程において測定された粒子径(d´)及び粒子径(d´)毎の粒子個数(n´´)の値を式(2)に当て嵌めることにより、前記分粒工程によって分粒された後の状態の流体に含まれている分粒後通過粒子の幾何学的平均径(D´)を算出する第2演算処理工程と、前記第1演算処理工程により算出された分粒される前の状態の流体に含まれている仮想通過粒子の幾何学的平均径(D)の値及び前記第2演算処理工程により算出された分粒された後の状態の流体に含まれている分粒後通過粒子の幾何学的平均径(D´)の値を式(3)に当て嵌めることより、前記被測定対象となる流体に含まれている粒子の密度(ρ)を算出する第3演算処理工程とを備えることが好ましい。
【0027】
【数12】

【0028】
【数13】

【0029】
【数14】

【0030】
以上のように、本発明に係る流体中の粒子密度測定装置及びその測定方法によれば、流体中の粒子の密度を算出するにあたって、まず、光散乱法を利用して、分粒される前の状態の流体中の粒子の粒子径及び粒子径毎の粒子個数、並びに分粒された後の状態の流体中の分粒後通過粒子の粒子径及び粒子径毎の粒子個数を測定し、次いで、これら測定値から分粒される前の状態の流体中の仮想通過粒子の幾何学的平均径及び分粒された後の状態の流体中の分粒後通過粒子の幾何学的平均径を算出した上で、これらの幾何学的平均径から被測定対象となる流体中の粒子の密度を算出するため、被測定対象が流動する流体であっても、常に正確な粒子の密度を算出することができる。
【発明の効果】
【0031】
以上のように、本発明によれば、被測定対象が流動する流体であっても、誤差の少ない測定を可能とする流体中の粒子密度測定装置及びその測定方法並びに流体中の粒子質量濃度測定装置及びその測定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施形態に係る粒子密度測定装置の構成を示す模式図である。
【図2】本実施形態に係る粒子密度測定装置の第1光散乱検出器における光散乱を示す模式図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る粒子質量濃度測定装置の構成を示す模式図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係る粒子質量濃度測定装置の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
次に、本発明の一実施形態に係る流体中の粒子密度測定装置について、図面に基づいて説明する。本実施形態に係る流体中の粒子密度測定装置1は、大気中の粒子の密度を測定するものであり、図1に示すように、大気中の粒子の散乱光強度を測定する第1光散乱検出器10と、第1光散乱検出器10を通過した大気中の粒子を分粒させる分粒装置20と、分粒装置20を通過した大気中の分粒後通過粒子の散乱光強度を測定する第2光散乱検出器10´と、第2光散乱検出器10´を通過した大気中の分粒後通過粒子を捕集するフィルタ40と、粒子密度測定装置1の外部から被測定対象となる大気を第1光散乱検出器10→分粒装置20→第2光散乱検出器10´→フィルタ40と流動させる吸引装置50と、大気中の粒子の密度の算出処理や吸引装置50の制御などを行なう演算処理部60とを備えている。
【0034】
第1光散乱検出器10は、図2に示すように、密閉された空間11dを有するハウジング11と、ハウジング11内の空間11dに設けられ、その空間11dの中央に所定波長のレーザー光を発光するシート状の光源12と、ハウジング11の側面11c(図2の右側面)の内側に設けられ、散乱光15を検出する光検出部13と、空間11dの光検出部13と対向する位置に設けられ、粒子2が光源12を通過する際に発せられた散乱光15を反射して光検出部13に集光させる球面状の反射鏡14とを備えている。ハウジング11の上面11aには、被測定対象となる大気をハウジング11の空間11dに流入可能な流入孔16が形成され、ハウジング11の下面11bには、その空間11dの大気を流出させるための流出孔17が形成されている。この流入孔16には、粒子密度測定装置1の外部と連通する吸引路18が設けられている。光検出部13は、検出した散乱光15の散乱光強度が信号として増幅器(図示せず)を介して演算処理部60に送信されるように構成されている。ここで、第1光散乱検出器10は、球面状の反射鏡14により散乱光15を集光させる構成のものを用いたが、これに限定されず、例えば受光レンズにより集光させる構成のものなど、周知の光散乱検出器を用いることができる。
【0035】
分粒装置20は、慣性衝突式の分粒装置であり、図1に示すように、第1光散乱検出器10の下流側に流動路70aを介して配置され、被測定対象となる大気中の粒子2を分粒し、粒径の小さい粒子が含まれた大気を下流に流動可能に構成されている。この分粒装置20は、粒子の密度と幾何学的粒子径に反比例して通過する粒子の個数が増加するタイプのものであれば良く、例えば、慣性衝突式分粒装置の他に、重力沈降分粒装置や遠心分離式分粒装置などの周知の分粒装置を用いることができる。ここで、分粒装置20の分粒特性を測定規格に適合させることにより、測定規格に合わせた粒子密度測定を行なうことが可能になる。
【0036】
第2光散乱検出器10´は、図1に示すように、分粒装置20の下流側に流動路70bを介して配置され、第1光散乱検出器10と同様に構成されている。第2光散乱検出器10´の光検出部13´は、第1光散乱検出器10の光検出部13と同様に、検出した散乱光15の散乱光強度が信号として増幅器(図示せず)を介して演算処理部60に送信されるように構成されている。
【0037】
吸引装置50は、図1に示すように、流動路70c、フィルタ40及び流動路70dを介して分粒装置20の下流側に配置されている。また、吸引装置50は、密閉された空間を有するハウジングの内部にポンプ(図示せず)などの吸引手段が設けられていることにより、粒子密度測定装置1の外部から第1光散乱検出器10、分粒装置20、第2光散乱検出器10´及びフィルタ40を介して、被測定対象となる大気を吸引するように構成されている。
【0038】
演算処理部60は、第1光散乱検出器10からの信号に基づいて、第1光散乱検出器10を通過した大気中の粒子の幾何学的粒子径d及び幾何学的粒子径d毎に区分した粒子個数nを算出する第1演算処理部61と、第2光散乱検出器10´からの信号に基づいて、第2光散乱検出器10´を通過した大気中の分粒後通過粒子の幾何学的粒子径d´及び幾何学的粒子径d´毎に区分した粒子個数n´´を算出する第2演算処理部62と、これら第1演算処理部61及び第2演算処理部62の演算結果から被測定対象となる大気中の粒子の密度ρを算出する第3演算処理部63と、吸引装置50の動作制御等を行なう制御部64とを備えている。
【0039】
次に、本実施形態に係る流体中の粒子密度測定装置1を用いて大気中の粒子の密度ρを測定する方法について説明する。まず、吸引装置50を作動させ、粒子密度測定装置1の外部から被測定対象となる大気を第1光散乱検出器10の吸引路18から第1光散乱検出器10の空間11dに流入させる。第1光散乱検出器10の空間11dに流入した大気は、第1光散乱検出器10の光源12を通過した後、流動路70aを介して分粒装置20に流出される。この際、第1光散乱検出器10の光源12を通過する際に大気中の粒子2から生じた散乱光強度Iθが光検出部13により検出され、信号として増幅器を介して演算処理部60に送信される。
【0040】
演算処理部60の第1演算処理部61は、第1光散乱検出器10から受信した散乱光強度Iθの値を式(5)に当て嵌めることにより、粒子のサイズパラメータαを算出し、このサイズパラメータαの値を式(6)に当て嵌めることにより、第1光散乱検出器10を通過した大気中の粒子2の幾何学的粒子径dを算出する。また、演算処理部60の第1演算処理部61は、受信した散乱光強度Iθ毎にパルスの数を計数することにより、第1光散乱検出器10を通過した大気中の粒子2の幾何学的粒子径d毎に区分した粒子個数nを求める。
【0041】
【数15】

【0042】
【数16】

【0043】
ここで、Iは入射光強度、Rは粒子からの距離、i及びiは垂直または水平偏向散乱光成分、mは粒子の屈折率、λは入射光の波長、θは入射光と散乱光のなす角度であり、いずれも光散乱検出器から得られる値である。
【0044】
また、本実施形態に係る流体中の粒子密度測定装置1は、慣性衝突式の分粒装置を用いているので、演算処理部60の第1演算処理部61は、粒子の密度ρを1と仮定し、その密度ρの値と、第1光散乱検出器10を通過した大気中の粒子2の幾何学的平均径dとを式(7)に当て嵌めることにより、分粒装置の分粒特性である慣性パラメータψを算出し、算出された慣性パラメータψの値と、幾何学的粒子径d毎に区分した粒子個数nの値とを式(8)に当て嵌めることにより、粒子の密度ρを1と仮定した場合に分粒装置20を通過する粒子、すなわち、仮想通過粒子の幾何学的粒子径d毎に区分した粒子個数n´を算出する。
【0045】
【数17】

【0046】
【数18】

【0047】
ここで、Cはカニンガムの補正項、Vはノズル出口の気体平均流速、φは円形ノズルの直径、ηは気体の粘性係数であり、いずれも分粒装置から得られる値である。
【0048】
分粒装置20の内部に流入した大気中の粒子2は、分粒装置20の内部において分粒され、粒径の小さい粒子が含まれた大気が流動路70bを介して第2光散乱検出器10´に流出される。第2光散乱検出器10´の内部11d´に流入した大気は、第2光散乱検出器10´の光源12´を通過した後、流動路70cを介してフィルタ40に流出され、フィルタ40において大気中の分粒後通過粒子が捕集された後に、流動路70dを介して吸引装置50に吸引される。この際、第2光散乱検出器10´の光源12´を通過する際に大気中の分粒後通過粒子から生じた散乱光強度Iθ´が光検出部13´により検出され、信号として増幅器を介して演算処理部60に送信される。
【0049】
演算処理部60の第2演算処理部62は、第2光散乱検出器10´から受信した散乱光強度Iθ´の値を式(9)に当て嵌めることにより、粒子のサイズパラメータα´を算出し、このサイズパラメータα´の値を式(10)に当て嵌めることにより、第2光散乱検出器10´を通過した大気中の分粒後通過粒子の幾何学的粒子径d´を算出する。また、演算処理部60の第2演算処理部62は、受信した散乱光強度毎にパルスの数を計数することにより、第2光散乱検出器10´を通過した大気中の分粒後通過粒子の幾何学的粒子径d´毎に区分した粒子個数n´´を求める。
【0050】
【数19】

【0051】
【数20】

【0052】
次に、演算処理部60の第3演算処理部63において、第1演算処理部61により算出された大気中の仮想通過粒子の幾何学的粒子径d及び幾何学的粒子径d毎に区分した粒子個数n´の値を式(1)に当て嵌めることにより、分粒される前の状態の大気に含まれている仮想通過粒子の幾何学的平均径Dを算出する。
【0053】
【数21】

【0054】
また、演算処理部60の第3演算処理部63において、第2演算処理部62により算出された大気中の分粒後通過粒子の幾何学的粒子径d´及び幾何学的粒子径d´毎に区分した粒子個数n´´の値を式(2)に当て嵌めることにより、分粒された後の状態の大気に含まれている分粒後通過粒子の幾何学的平均径D´を算出する。
【0055】
【数22】

【0056】
次に、演算処理部60の第3演算処理部63は、分粒される前の状態の大気に含まれている仮想通過粒子の幾何学的平均径Dの値と、分粒された後の状態の大気に含まれている分粒後通過粒子の幾何学的平均径D´の値とを式(3)に当て嵌めることにより、被測定対象となる大気中の粒子の密度ρを算出する。
【0057】
【数23】

【0058】
次に、本発明の第1実施形態に係る流体中の粒子質量濃度測定装置について、図面に基づいて説明する。本実施形態に係る流体中の粒子質量濃度測定装置100は、図3に示すように、上述した粒子密度測定装置1の構成に加え、分粒された後の状態の大気の流量を計測する流量計80を更に備えている。なお、上述した粒子密度測定装置1と同様の構成に関する説明は省略し、異なる構成についてのみ説明する。
【0059】
流量計80は、流動路70eを介してフィルタ40の下流側に配置されると共に、流動路70fを介して吸引装置50の上流側に配置されている。また、流量計80は、マスフローセンサなどの周知の流量計測手段(図示せず)を備えていることにより、通過する大気の流量を測定すると共に、測定した大気の流量が信号として演算処理部60に送信されるように構成されている。
【0060】
演算処理部60は、上述した第1演算処理部61、第2演算処理部62、第3演算処理部63及び制御部64に加え、流量計80からの信号に基づいて、第2光散乱検出器10´を通過した大気の総量Qを演算する第4演算処理部65と、これら第1演算処理部61、第2演算処理部62、第3演算処理部63及び第4演算処理部65の演算結果から大気中の粒子の質量濃度Cを算出する第5演算処理部66とを更に備えている。
【0061】
次に、本実施形態に係る流体中の粒子質量濃度測定装置100を用いて大気中の粒子の質量濃度Cを測定する方法について説明する。まず、上述した粒子密度測定装置1と同様の方法により、第3演算処理部63において大気中の粒子の密度ρを算出する。また、演算処理部60の第4演算処理部65において、流量計80の測定値から評価に必要な時間内の大気の総量Qを算出する。
【0062】
その後、演算処理部60の第5演算処理部66において、第2演算処理部62により算出された分粒された後の状態の大気に含まれている分粒後通過粒子の幾何学的粒子径d´及び幾何学的粒子径d´毎に区分した粒子個数n´´の値と、第3演算処理部63により算出された大気中の粒子の密度ρの値と、第4演算処理部65により算出された大気の総量Qの値とを式(4)に当て嵌めることにより、被測定対象となる大気中の粒子の質量濃度Cを算出する。
【0063】
【数24】

【0064】
本実施形態に係る流体中の粒子密度測定装置1及び流体中の粒子質量濃度測定装置100において、第1光散乱検出器10は、分粒装置20及び第2光散乱検出器10´の上流側に配置したが、これに限定されず、分粒される前の状態の流体を測定可能に配置されていれば良く、例えば図4に示すように、第1光散乱検出器10と分粒装置20及び第2光散乱検出器10´とを並列的に配置することもできる。
【0065】
また、被測定対象となる流体を大気としたが、これに限定されず、例えば水やアルコール等の流動する液体であっても良い。
【0066】
さらに、本実施形態に係る流体中の粒子密度測定方法及び流体中の粒子質量濃度測定方法において、慣性衝突式分粒装置以外の分粒装置を用いる場合には、例えば、重力沈降分粒装置では、ストークスの沈降速度を用いることができ、遠心分離式分粒装置では、遠心沈降速度を用いることができる。
【0067】
以上のように、本実施形態に係る流体中の粒子密度測定装置1及び粒子質量濃度測定装置100によれば、粒子の密度を1と仮定した場合に分粒装置20を通過する仮想通過粒子の幾何学的平均径Dと、実際に分粒装置20を通過した流体中の分粒後通過粒子の幾何学的平均径D´との比により、被測定対象となる流体に含まれている粒子の密度ρを算出するため、被測定対象が流動する流体であっても、誤差の少ない測定が可能となる。
【符号の説明】
【0068】
1 粒子密度測定装置、10 第1光散乱検出器、10´ 第2散乱検出器、20 分粒装置、40 フィルタ、50 吸引装置、60 演算処理部、80 流量計、100 粒子質量濃度測定装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定対象となる流体中の粒子を分粒する分粒装置と、
該分粒装置によって分粒される前の状態の流体にレーザー光をあて、該流体に含まれている複数の粒子の散乱光強度から前記複数の粒子のそれぞれの粒子径及びそれら粒子径毎の粒子個数を測定する第1光散乱検出器と、
前記分粒装置によって分粒された後の状態の流体にレーザー光をあて、該流体に含まれている複数の粒子の散乱光強度から前記複数の粒子のそれぞれの粒子径及びそれら粒子径毎の粒子個数を測定する第2光散乱検出器と、
前記分粒装置及び前記第2光散乱検出器を通過した流体の流量を測定する流量計と、
前記第1光散乱検出器において測定された粒子径及び粒子径毎の粒子個数の値と、前記第2光散乱検出器において測定された粒子径及び粒子径毎の粒子個数の値とから、前記被測定対象となる流体に含まれている複数の粒子の密度を算出し、この粒子の密度の値と、前記第2光散乱検出器において測定された粒子径及び粒子径毎の粒子個数の値と、前記流量計において測定された流体の流量の値とから、前記被測定対象となる流体に含まれている粒子の質量濃度を算出する演算処理部と
を備えたことを特徴とする流体中の粒子質量濃度測定装置。
【請求項2】
前記演算処理部は、前記第1光散乱検出器において測定された粒子径(d)から算出される前記分粒装置の特有の分粒パラメータと、その粒子径(d)毎の粒子個数(n)の値とから、前記分粒装置を通過する仮想通過粒子の粒子径(d)毎の粒子個数(n´)を算出し、仮想通過粒子の粒子径(d)の値及び算出された仮想通過粒子の粒子径(d)毎の粒子個数(n´)の値を式(1)に当て嵌めることにより仮想通過粒子の幾何学的平均径(D)を算出すると共に、
前記第2光散乱検出器において測定された粒子径(d´)及び粒子径(d´)毎の粒子個数(n´´)の値を式(2)に当て嵌めることにより、前記分粒装置によって分粒された後の状態の流体に含まれている分粒後通過粒子の幾何学的平均径(D´)を算出し、
算出したこれら分粒される前の状態の流体に含まれている仮想通過粒子の幾何学的平均径(D)の値及び分粒された後の状態の流体に含まれている分粒後通過粒子の幾何学的平均径(D´)の値を式(3)に当て嵌めることより、前記被測定対象となる流体に含まれている粒子の密度(ρ)を算出し、
更に、算出したこれら前記被測定対象となる流体に含まれている粒子の密度(ρ)の値と、前記第2光散乱検出器において測定された分粒後通過粒子の粒子径(d´)及び粒子径(d´)毎の粒子個数(n´´)の値と、前記流量計において測定された流体の流量(Q)の値とを式(4)に当て嵌めることにより、前記被測定対象となる流体に含まれている粒子の質量濃度(C)を算出することを特徴とする請求項1記載の流体中の粒子質量濃度測定装置。
【数1】


【数2】


【数3】


【数4】

【請求項3】
被測定対象となる流体中の粒子を分粒する分粒工程と、
該分粒工程によって分粒される前の状態の流体にレーザー光をあて、該流体に含まれている複数の粒子の散乱光強度から前記複数の粒子のそれぞれの粒子径及びそれら粒子径毎の粒子個数を測定する第1光散乱検出工程と、
前記分粒工程によって分粒された後の状態の流体にレーザー光をあて、該流体に含まれている複数の粒子の散乱光強度から前記複数の粒子のそれぞれの粒子径及びそれら粒子径毎の粒子個数を測定する第2光散乱検出工程と、
前記分粒工程及び前記第2光散乱検出工程後の流体の流量を測定する流量測定工程と、
前記第1光散乱検出工程において測定された粒子径及び粒子径毎の粒子個数の値と、前記第2光散乱検出工程において測定された粒子径及び粒子径毎の粒子個数の値とから、前記被測定対象となる流体に含まれている複数の粒子の密度を算出し、この粒子の密度の値と、前記第2光散乱検出工程において測定された粒子径及び粒子径毎の粒子個数の値と、前記流量測定工程において測定された流体の流量の値とから、前記被測定対象となる流体に含まれている粒子の質量濃度を算出する演算処理工程と
を備えたことを特徴とする流体中の粒子質量濃度測定方法。
【請求項4】
前記演算処理工程は、前記第1光散乱検出工程において測定された粒子径(d)から算出される前記分粒工程の分粒パラメータとその粒子径(d)毎の粒子個数(n)の値とから、分粒される仮想通過粒子の粒子径(d)毎の粒子個数(n´)を算出し、仮想通過粒子の粒子径(d)の値及び算出された仮想通過粒子の粒子径(d)毎の粒子個数(n´)の値を式(1)に当て嵌めることにより仮想通過粒子の幾何学的平均径(D)を算出する第1演算処理工程と、
前記第2光散乱検出工程において測定された粒子径(d´)及び粒子径(d´)毎の粒子個数(n´´)の値を式(2)に当て嵌めることにより、前記分粒工程によって分粒された後の状態の流体に含まれている分粒後通過粒子の幾何学的平均径(D´)を算出する第2演算処理工程と、
前記第1演算処理工程により算出された分粒される前の状態の流体に含まれている仮想通過粒子の幾何学的平均径(D)の値及び前記第2演算処理工程により算出された分粒された後の状態の流体に含まれている分粒後通過粒子の幾何学的平均径(D´)の値を式(3)に当て嵌めることより、前記被測定対象となる流体に含まれている粒子の密度(ρ)を算出する第3演算処理工程と、
前記第3演算処理工程により算出された前記被測定対象となる流体に含まれている粒子の密度(ρ)の値と、前記第2光散乱検出工程において測定された分粒後通過粒子の粒子径(d´)及び粒子径(d´)毎の粒子個数(n´´)の値と、前記流量測定工程において測定された流体の流量(Q)の値とを式(4)に当て嵌めることにより、前記被測定対象となる流体に含まれている粒子の質量濃度(C)を算出する第4演算処理工程と
を備えたことを特徴とする請求項3記載の流体中の粒子質量濃度測定方法。
【数5】


【数6】


【数7】


【数8】

【請求項5】
被測定対象となる流体中の粒子を分粒する分粒装置と、
該分粒装置によって分粒される前の状態の流体にレーザー光をあて、該流体に含まれている複数の粒子の散乱光強度から前記複数の粒子のそれぞれの粒子径及びそれら粒子径毎の粒子個数を測定する第1光散乱検出器と、
前記分粒装置によって分粒された後の状態の流体にレーザー光をあて、該流体に含まれている複数の粒子の散乱光強度から前記複数の粒子のそれぞれの粒子径及びそれら粒子径毎の粒子個数を測定する第2光散乱検出器と、
前記第1光散乱検出器において測定された粒子径及び粒子径毎の粒子個数の値と、前記第2光散乱検出器において測定された粒子径及び粒子径毎の粒子個数の値とから、前記被測定対象となる流体に含まれている複数の粒子の密度を算出する演算処理部と
を備えたことを特徴とする流体中の粒子密度測定装置。
【請求項6】
前記演算処理部は、前記第1光散乱検出器において測定された粒子径(d)から算出される前記分粒装置の特有の分粒パラメータと、その粒子径(d)毎の粒子個数(n)の値とから、前記分粒装置を通過する仮想通過粒子の粒子径(d)毎の粒子個数(n´)を算出し、仮想通過粒子の粒子径(d)の値及び算出された仮想通過粒子の粒子径(d)毎の粒子個数(n´)の値を式(1)に当て嵌めることにより仮想通過粒子の幾何学的平均径(D)を算出すると共に、
前記第2光散乱検出器において測定された粒子径(d´)及び粒子径(d´)毎の粒子個数(n´´)の値を式(2)に当て嵌めることにより、前記分粒装置によって分粒された後の状態の流体に含まれている分粒後通過粒子の幾何学的平均径(D´)を算出し、
算出したこれら分粒される前の状態の流体に含まれている仮想通過粒子の幾何学的平均径(D)の値及び分粒された後の状態の流体に含まれている分粒後通過粒子の幾何学的平均径(D´)の値を式(3)に当て嵌めることより、前記被測定対象となる流体に含まれている粒子の密度(ρ)を算出することを特徴とする請求項5記載の流体中の粒子密度測定装置。
【数9】


【数10】


【数11】

【請求項7】
被測定対象となる流体中の粒子を分粒する分粒工程と、
該分粒工程によって分粒される前の状態の流体にレーザー光をあて、該流体に含まれている複数の粒子の散乱光強度から前記複数の粒子のそれぞれの粒子径及びそれら粒子径毎の粒子個数を測定する第1光散乱検出工程と、
前記分粒工程によって分粒された後の状態の流体にレーザー光をあて、該流体に含まれている複数の粒子の散乱光強度から前記複数の粒子のそれぞれの粒子径及びそれら粒子径毎の粒子個数を測定する第2光散乱検出工程と、
前記第1光散乱検出工程において測定された粒子径及び粒子径毎の粒子個数の値と、前記第2光散乱検出工程において測定された粒子径及び粒子径毎の粒子個数の値とから、前記被測定対象となる流体に含まれている複数の粒子の密度を算出する演算処理工程と
を備えたことを特徴とする流体中の粒子密度測定方法。
【請求項8】
前記演算処理工程は、前記第1光散乱検出工程において測定された粒子径(d)から算出される前記分粒工程の分粒パラメータとその粒子径(d)毎の粒子個数(n)の値とから、分粒される仮想通過粒子の粒子径(d)毎の粒子個数(n´)を算出し、仮想通過粒子の粒子径(d)の値及び算出された仮想通過粒子の粒子径(d)毎の粒子個数(n´)の値を式(1)に当て嵌めることにより仮想通過粒子の幾何学的平均径(D)を算出する第1演算処理工程と、
前記第2光散乱検出工程において測定された粒子径(d´)及び粒子径(d´)毎の粒子個数(n´´)の値を式(2)に当て嵌めることにより、前記分粒工程によって分粒された後の状態の流体に含まれている分粒後通過粒子の幾何学的平均径(D´)を算出する第2演算処理工程と、
前記第1演算処理工程により算出された分粒される前の状態の流体に含まれている仮想通過粒子の幾何学的平均径(D)の値及び前記第2演算処理工程により算出された分粒された後の状態の流体に含まれている分粒後通過粒子の幾何学的平均径(D´)の値を式(3)に当て嵌めることより、前記被測定対象となる流体に含まれている粒子の密度(ρ)を算出する第3演算処理工程と
を備えたことを特徴とする請求項7記載の流体中の粒子密度測定方法。
【数12】


【数13】


【数14】




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−95060(P2011−95060A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−248116(P2009−248116)
【出願日】平成21年10月28日(2009.10.28)
【出願人】(000181767)柴田科学株式会社 (32)