説明

流体処理エレメント及び流体処理エレメント間に空間を有する流体処理装置、並びにそれらエレメントと装置を製造及び使用する方法

流体処理装置並びに流体処理装置を製造及び使用する方法を開示する。透過性の流体処理メディアを含むリボンは、複数の巻回数において螺旋状に巻かれて、ディスク形の本体を有する流体処理エレメントを形成する。いくつかの実施形態では、リボンは第1及び第2層を有する複合体を備える。少なくとも2つ、及び多くは50以上の数の流体処理エレメントは、少なくともいくつかの隣接する流体処理エレメント間に空間を備えるようにして、コアアセンブリに沿って配置される。空間の多く、大部分又はすべてには実質的に構造体が存在しなくてもよい。流体処理装置はハウジング内に収納されて、流体処理アセンブリを形成する。ハウジングは入口ポート及び出口ポートを含み、入口ポートと出口ポートとの間の流体流路を画定する。流体処理装置はハウジング内に流体流路を横切って配置される。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
[0001]本願は2007年3月19日出願の米国特許仮出願番号第60/907,068号に基づく優先権を主張し、この仮出願の全開示内容は、参照により本明細書に引用したものとする。
【発明の開示】
【0002】
[0002]本発明は、流体処理装置及び流体処理エレメント並びにそれらを製造及び使用する方法に関する。具体的には、本発明は、流体処理装置と、1つ以上の螺旋状に巻かれた流体処理要素を含む流体処理装置を製造及び使用する方法とに関する。流体処理エレメントは、リボンを複数の巻回数で螺旋状に巻くことにより、略ディスク形の本体を形成するものとすることができる。リボンは、対向する第1及び第2主面と第1及び第2の対向する側端とを有する、透過性の流体処理メディアの細長いストリップ(strip)を含む。ディスク形の本体は、一方向に向く1つの端面と、反対方向に向く別の端面と、外端とを有するとよい。流体処理装置を形成するために、これらの流体処理エレメントのいくつかは、少なくともいくつかの流体処理エレメント間に空間を有する中空のコアアセンブリに沿って配置されるとよい。
【0003】
[0003]流体は、流体処理エレメントを通して、すなわち流体処理エレメントの一方の端面から反対側の端面に誘導されうる。流体は、端面に隣接する1つの空間から流体処理エレメントの一方の端面に入り、及び/又は流体は、流体処理エレメントの他方の端面から他方の端面に隣接する別の空間に出る。流体が流体処理エレメントを通過するとき、流体は概して、各巻回部の透過性流体処理メディアの端に沿って通過しうる。すなわち、流体は通常、第1及び第2の対向する主面とほぼ平行に透過性メディア内を横方向に流れうる。例えば、流体はリボンの1つの側端を通って透過性メディアに入り、透過性メディア内を横方向にリボンの反対側端にまで流れ、反対側の側縁を通って透過性メディアから出る。流体が流体処理エレメントを通過するとき、流体はまた、1つの巻回部の透過性流体処理エレメントから、1つ以上の隣接する又は近傍の巻回部の透過性メディア内に半径方向に流れ込み、その後にそのメディアに沿って横方向に流れる。
【0004】
[0004]本発明の1つ以上の態様を具体化する流体処理装置を使用して、様々な方法で、気体、液体、又は気体と液体の混合物、及び/又は固体を含む、流体を処理することができる。多くの実施形態では、分離プロセスにおいて流体処理装置を使用して、流体から1つ以上の物質を分離することができる。例えば、分離プロセスは濾過プロセスであってもよく、この濾過プロセスでは、流体を流体処理装置の流体処理エレメントを通して誘導し、流体中の物質、例えばある一定のサイズを超える粒子又は分子が、流体処理メディアによって流体と一緒に処理エレメントを通過するのを防止する。別の例として、分離プロセスは捕捉プロセスであってもよく、この捕捉プロセスでは、流体を流体処理エレメントを通して誘導し、流体中の物質、例えばイオン、分子、蛋白質、核酸又は他の化学物質を化学的又は物理的に流体処理メディアに結合する。他の実施形態では、合体プロセスにおいて流体処理装置を使用してもよく、この合体プロセスでは、流体を流体処理エレメントを通して誘導し、流体に同伴される液体の小さな液滴を、流体が流体処理メディアを通過するときに凝集して拡大することにより、より大きな液滴が処理エレメントから現れ、その液滴を流体からより簡単に除去することができる。
【発明の概要】
【0005】
[0005]本発明の一態様によれば、流体処理装置は、中空のコアアセンブリと、コアアセンブリに沿って取り付けられた少なくとも第1及び第2の隣接する流体処理エレメントとを備えるものとすることができる。コアアセンブリは、内部及び軸線を有する。第1流体処理エレメントが第2流体処理エレメントから軸線方向に分離され、それらの処理エレメント間に空間が画定される。各流体処理エレメントは、透過性流体処理メディアを有するリボンを含み、リボンは複数の巻回数で螺旋状に巻かれ、半径方向寸法を有する略ディスク形の本体を画定している。ディスク形の本体はまた、本体の一方の側面の第1端面と、本体の他方の側面の第2端面と、外端とを有する。各流体処理エレメントの端面は空間に直接開いている。空間は、第1及び第2流体処理エレメントの半径方向寸法の少なくとも約85%に沿って、第1及び第2流体処理エレメントの第1端面の間に広がり、空間の構造は実質的に自由である。流体経路は、各流体処理エレメントの第1端面と第2端面との間で、透過性流体処理メディアの概ね端を通って空間へ又は空間から延びる。
【0006】
[0006]本発明の別の態様によれば、流体処理装置は、中空のコアアセンブリと、少なくとも第1、第2及び第3流体処理エレメントとを備えるものとすることができる。コアアセンブリは、内部及び軸線を有する。第1、第2及び第3流体処理エレメントはコアアセンブリに沿って取り付けられる。第1流体処理エレメントは、第2流体処理エレメントに隣接し、第2流体処理エレメントから軸線方向に分離されており、それら処理エレメントの間に第1空間が画定される。第2流体処理エレメントは、第3流体処理エレメントに隣接し、第3流体エレメントから軸線方向に分離されており、それら処理エレメントの間に2空間が画定される。各流体処理エレメントは、透過性流体処理メディアを有するリボンを含む。リボンは複数の巻回数で螺旋状に巻かれ、略ディスク形の本体を画定している。ディスク形の本体は、本体の一方の側面の第1端面と、本体の他方の側面の第2端面と、外端とを有する。第1空間は、コアアセンブリから第1及び第2流体処理エレメントの外端までの距離の少なくとも約85%の距離に沿って、第1及び第2流体処理エレメントの第1端面の間に広がる。第2空間は、コアアセンブリから第2及び第3流体処理エレメントの外端までの距離の少なくとも約85%の距離に沿って、第2及び第3流体処理エレメントの第2端面の間に広がる。第1及び第2空間に構造体が実質的に存在しない。流体経路は、少なくとも第2流体処理エレメントの透過性流体処理メディアを通って、概ね端に沿って、第1空間と第2空間との間に延びる。
【0007】
[0007]本発明の別の態様によれば、流体処理装置は、中空のコアアセンブリと、複数のディスク形の流体処理エレメントと、周辺部材とを備えるものとすることができる。中空のコアアセンブリは、内部及び軸線を有する。各流体処理エレメントは、透過性流体処理メディアの少なくとも1つのストリップを有するリボンを含み、リボンは第1及び第2の対向する側端を有する。リボンは複数の巻回数で螺旋状に巻かれ、リボンの複数の巻回数の第1側端を備える第1の軸線方向に向く端面と、リボンの複数の巻回数の第2側端を備える第2の軸線方向に向く端面と、外端とを画定する。流体処理エレメントは、隣接する流体処理エレメントが相互に軸線方向に分離された状態でコアアセンブリに沿って配置され、これにより複数の第1空間と複数の第2空間とが画定される。各第1空間は、コアアセンブリから隣接する流体処理エレメントの外端までの距離の少なくとも約85%に沿って、隣接する流体処理エレメントの第1端面の間に広がる。各第1端面は第1空間に直接開いている。各第2空間は、コアアセンブリから隣接する流体処理エレメントの外端までの距離の少なくとも約85%に沿って、隣接する流体処理エレメントの第2端面の間に広がる。各第2端面は第2空間に直接開いている。各第1及び第2空間には実質的に構造体が存在しない。周辺部材を隣接する流体処理エレメントの外端において各第1空間の周りに配置して、第1空間の外端部を流体的に隔離する。
【0008】
[0008]本発明の別の態様によれば、流体処理装置を形成する方法は、中空のコアアセンブリに沿って、相互に軸線方向に分離されている第1及び第2の螺旋状に巻かれた流体処理エレメントを配置することにより空間を画定することを含み、この空間は、第1及び第2流体処理エレメントの半径方向寸法の少なくとも約85%に沿って、第1と第2流体処理エレメントとの間に広がり、空間構造は自由である。この方法はまた、第1及び第2流体処理エレメントの外端間で、実質的に自由な構造の空間を封止することを含む。
【0009】
[0009]本発明の別の態様によれば、流体を処理する方法は、流体処理装置の外部とコアアセンブリの内部との間で流体を誘導することを含んでもよい。流体処理装置とコアアセンブリとの間で流体を誘導することは、透過性流体処理メディアの螺旋状に巻かれたストリップの巻回部の概ね端に沿って流体を通過させることを含む。流体が流体処理メディアを通過するとき、流体は様々な方法のうちのいずれかで処理されてもよい。流体処理装置とコアアセンブリとの間で流体を誘導することは、実質的に自由な構造の、螺旋状に巻かれたストリップに隣接する、空間を通して流体を流すことを含む。
【0010】
[0010]本発明の実施形態は多くの利点を提供する。例えば、流体処理エレメント間に実質的に自由な構造の空間を提供することにより、流体処理装置は低コストで、優れた機能を実現しうる。多くの空間は実質的に自由な構造であるため、これらの空間内にプレート又はディスクなどのスペーサを含む構造体を設けることに関連する、材料コスト又は製造コストがかからず、より経済的な流体処理装置を提供できる。さらに、多くの空間は実質的に自由な構造、例えばプレート及びディスクがないことから、これらの空間及び流体処理装置を通る流体の流れに対する抵抗が極めて小さく、これにより流体処理装置の性能が大幅に向上する。多くの実施形態の流体処理装置の端面は空間に直接開いているため、流体の流れに対する抵抗はさらに低減することができる。加えて、空間の多くには実質的に構造体が存在しないため、流体処理装置が使い果たされたときの処分する廃棄物がより少なくなり、廃棄処理の環境への影響が減少する。
【0011】
[0011]本発明の別の態様によれば、流体処理エレメントは、複数の巻回数で螺旋状に巻かれてディスク形の本体を画定するリボンを含んでもよく、この本体は、半径方向寸法と、本体の一方の側面に第1端面と、本体の反対側面に第2端面と、内端と、外端とを有する。リボンは少なくとも第1及び第2の重ね合わせ層を有する多層複合体を含んでもよく、層のうちの少なくとも1つは透過性流体処理メディアのストリップを含む。
【0012】
[0012]本発明の別の態様によれば、流体処理エレメントを形成する方法は多層複合体を螺旋状に巻くことを含んでもよく、この多層複合体は、複数の巻回数の透過性流体処理メディアを含み、対向する端面と、内端と、外端とを有する略ディスク形の本体を形成している。
【0013】
[0013]さらに、透過性流体処理メディアのストリップに加えて少なくとも第2層を含む多層複合体から形成される流体処理エレメントは、様々な強化された特徴のいずれかを有してもよい。例えば、第2層が補強ストリップを含む場合、リボンをコアアセンブリ周りにより密に巻き、流体処理エレメントの構造的強度をより強化してもよい。第2層が接合ストリップを含む場合、リボンの巻回部を相互により強固に取り付けて、流体処理エレメントの信頼性をさらに強化してもよい。第2層が透過性流体処理メディアの別のストリップを含む場合、流体を処理する媒体の能力を変更及び/又は増大することにより、流体処理メディアの有効性をさらに強化してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】流体処理装置の4分の1断面図である。
【図2】図1の流体処理エレメントの正面図である。
【図3】リボンの斜投影図である。
【図4】別の流体処理エレメントの正面図である。
【図5】別の流体処理エレメントの正面図である。
【図6】別の流体処理エレメントの正面図である。
【図7】周辺部材を有する流体処理装置を含む流体処理アセンブリの4分の1断面図である。
【図8】別の流体処理装置の4分の1断面図である。
【図9】流体処理装置の一部の断面図である。
【図10】別の流体処理装置の一部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[0024]本発明の1つ以上の態様を具体化する流体処理装置は、様々な方法で構成されうる。図1及び2には流体処理装置の1つの例を示しているが、流体処理装置は、これらの図のいずれに示した特徴にも限定されない。図1及び2に示すように、流体処理装置10は、コアアセンブリ11と、コアアセンブリ11に沿って、例えばコアアセンブリ11の周囲に及びこれに接触して取り付けられた複数の螺旋状に巻かれた流体処理エレメント12とを備える。流体処理エレメント12の幅及び/又は半径方向寸法は同等、例えば実質的に等しくすることができ、あるいはコアアセンブリ11に沿って変化させてもよい。流体処理エレメント12のすべてを相互に軸線方向に分離して、隣接する流体処理エレメント12間に空間13、14を画定してもよい。あるいは、流体処理エレメントの一部を、極めて接近して、例えば相互に接触して、コアアセンブリに沿って軸線方向に並列に配置し、他の流体処理エレメントを隣接する流体処理エレメントから軸線方向に分離して、それら処理エレメントの間に空間を画定してもよい。コアアセンブリ11は、内部15を含む、軸線及びほぼ中空構造を有する、パイプ又はチューブのようなコアを備える。コアアセンブリ11は、2つの開放端、又は1つの開放端と1つの閉鎖端もしくは盲端とを有するとよい。コアアセンブリ11はまた、開口16、例えば軸線方向に分離された開口、例えば空間14のいくつかをコアアセンブリ11の内部15と流体的に連通させるスロット又は他の貫通孔を有してもよい。コアアセンブリ11の内部15と流体的に連通する空間14は、流体処理エレメント12の外部から、例えば流体処理エレメントを半径方向に超える領域から流体的に隔離されてもよい。他の空間13は、例えば、開口を有しておらず、また空間の内端を横切って延び、且つ内端を閉鎖する、コアアセンブリ11の堅固な壁部分によって、コアアセンブリ11の内部15から流体的に隔離されてもよく、これらの空間13は流体処理エレメント12の外部と流体的に連通してもよい。さらに他の空間はコアアセンブリの内部及び流体処理エレメントの外部の両方から隔離されてもよい。空間13、14の多くには実質的に構造物が存在しない。
【0016】
[0025]流体は、流体処理装置10の外部、例えば流体処理装置を半径方向に越えた領域と、コアアセンブリ11の内部15との間で、概ね内側方向又は外側方向に誘導されうる。例えば、図1に示す実施形態を含む多くの実施形態では、供給流体は、流体処理装置10の外部から供給空間13内に略半径方向内向きに、流体の流路に沿って誘導される。この供給空間13は、流体処理エレメント12の外部と流体的に連通しているが、コアアセンブリ11の内部15から隔離されている。流体は、供給空間13から、1つ以上の隣接する流体処理エレメント12を通って流体流路に沿って略軸線方向に流れてもよい。流体が流体処理エレメント12を通って流れるとき、流体は、処理エレメントの流体処理特性に従って処理されてもよい。流体は、流体処理エレメント12から透過空間14内に略軸線方向に流れ込んでもよい。透過空間14は流体処理エレメント12の外部から流体的に隔離されているが、コアアセンブリ11の開口16を通してコアアセンブリ11の内部15と流体的に連通している。流体は透過空間14から、開口16を通って略半径方向内向きに流体流路に沿ってコアアセンブリ11の内部15に流れ込み、その後コアアセンブリ11の内部15に沿って軸線方向に流れてもよい。あるいは、供給流体は、コアアセンブリの内部に誘導されてもよく、及びコアアセンブリの開口を通して、コアアセンブリの内部から流体の流れの経路に沿って略半径方向外向きに、流体処理装置の外部から流体的に隔離されている供給空間内に誘導されてもよい。流体は、供給空間から、1つ以上の隣接する流体処理エレメントを通って流体流路に沿って略軸線方向に流れて、透過空間内に入ってもよい。この透過空間は、流体処理装置の内部から流体的に隔離されているが、流体処理装置の外部と流体的に連通している。流体は透過空間から流体処理装置の外部に、流路に沿って略半径方向外向きに流れてもよい。
【0017】
[0026]図2には流体処理エレメント12の例を示すが、流体処理エレメントはこの図に示した形態に限定されない。図2に示すように、流体処理エレメント12は複数の巻回数で螺旋状に巻かれて略ディスク形の本体21を形成する、リボン20を含んでもよい。リボンは様々な方法で構成されてもよい。図3にはリボンの1つの例を示すが、リボンはこの図に示した形態に限定されない。図3に示すように、リボン20は対向する主面22、23及び対向する側端24、25を備える細長い構造を有してもよい。リボン20は、また対向する主面22a、23a及び対向する側端24a、25aを有する、透過性流体処理メディア26のストリップを含む。多孔性の流体処理メディアを含むリボン20は透過性であるが孔をあけられていなくてもよく、すなわち、対向する主面22、23、22a、23a間に延びる、貫通孔又は貫通スロットはいずれも存在しなくてもよい。
【0018】
[0027]透過性流体処理メディアは、例えば、天然又は合成高分子、ガラス、金属、炭素及び/又はセラミックを含む、様々な材料のうちのいずれかで形成されるとよい。透過性流体処理メディアは、例えば、織り繊維又は不織繊維状ストリップなどの繊維構造;織られた、押し出された又は伸張された網状ストリップなどの網目;支持又は非支持膜ストリップなどの透過性膜;多孔性の発泡性ストリップ;又は多孔性の焼結繊維金属又は粉末金属ストリップなどの多孔性金属を含む、様々な構造体のうちのいずれで形成されてもよい。透過性流体処理メディアは無数の処理特性のうちのいずれを有してもよい。例えば、透過性流体処理メディアは、いくつかの特性の内のいずれかを有するか、又は有するように改質されてもよい。透過性流体処理メディアは、正、負又は中性の電荷を有してもよい。透過性流体処理メディアは、例えば、疎水性又は親水性あるいは疎油性又は親油性を含む、疎液性又は親液性であってもよい。透過性流体処理メディアは、流体中の物質に化学的に結合できる、リガンド又は任意の他の反応性モイエティなどの付着官能基を含んでもよい。透過性流体処理メディアは、様々な方法のうちのいずれかで流体を処理するように作用する様々な物質から形成されるか、それら物質を含浸されるか、又はそれら物質を含んでもよい。これらの機能物質には、例えば、吸収剤、イオン交換樹脂、クロマトグラフィ媒体、酵素、反応物質、又はすべての種類の触媒を含んでもよい。上記の機能物質は、流体中の物質又は流体自体と、化学的又は物理的に結合、反応、触媒作用、送達作用するか、又は影響を与える。さらに、透過性流体処理メディアは、例えば超多孔性又はナノ多孔性又はそれ以下から、微小孔又はそれ以上を含む、任意の広範な除去率を有してもよい。例えば、除去率はサブミクロン範囲以下(例えば、最大約0.02μm以上、又は最大約0.1μm以上)であってもよく、あるいはミクロン範囲以上、(例えば、最大約1μm以上、又は約5μm以上、又は10μm以上、又は約50μm以上、又は75μm以上、又は約100μm以上、又は約200μm以上、又は約300μm以上、又は約500μm以上、又は約1000μm以上)であってもよい。多くの実施形態では、透過性流体処理メディアは、不織ガラス又は高分子ファイバのフィルタメディアを含んでもよく、透過性流体処理メディアの流体処理特性は、約0.02μm以上の除去率を有してもよい。
【0019】
[0028]透過性流体処理メディアのストリップを含むリボンは様々な長さ、厚み及び幅を有しうる。多くの実施形態では、リボンは連続的であり、十分な数の巻回数を提供するのに必要な全長に延びることにより、任意の所望の半径方向寸法を有する流体処理エレメントを形成してもよい。他の実施形態では、リボンのより短いセグメントの端と端を連結して全長を延ばしてもよい。さらに、多くの実施形態では、リボンは、ストリップの長さに沿って略直線であってもよい。しかし、リボンは曲げられてもよい。例えば、リボンは、ストリップの長さに沿って延びる、周期的、例えば正弦曲線又はのこぎり歯状のパターンを有してもよい。
【0020】
[0029]透過性流体処理メディアのストリップを含むリボンの厚み、すなわち1つの主面から対向する主面へのリボンを通過する距離は、例えば多孔性の流体処理メディアの構造に応じて、リボンごとに異なってもよい。厚みは、例えば薄い透過性の高分子膜では、約千分の2インチ以下から、例えば高繊維材料又は多孔性の発泡体では、約千分の250インチ以上までの範囲であってもよい。厚みは、リボンの長さに沿って不均一であってもよいが、多くの実施形態では、厚みはリボンの長さに沿って均一である。
【0021】
[0030]透過性流体処理メディアのストリップを含むリボンの幅、すなわち1つの側端から反対側の側端までのリボンを通過する距離は、リボンによって変化させてもよい。流体が流体処理エレメント12を通って流れるとき、流体の一部、大部分又はすべては、1つの側端24、25から反対側の側端25、24に、リボン及び透過性流体処理メディア26のストリップの端に沿って通過して流れうる。したがって、リボンの幅は流体が受ける圧力降下及び処理の度合いに影響を与える可能性がある。例えば、リボンの幅は濾過効率に影響を与える可能性がある。多くの実施形態では、幅は、約16分の1インチ以下から、約1インチ又は2インチ又は3インチ又はそれ以上の範囲であってもよい。例えば、幅は、約2インチ以下(例えば1インチ以下)から、約8分の1インチ以上から約2分の1インチ以下を含む、約16分の1インチ以上の範囲であってもよい。さらに、幅はリボンの長さに沿って均一であって、流体が流体処理エレメントを通って流れるとき、流体のより均一な処理を提供してもよい。あるいは、リボンの幅はストリップの長さに沿って不均一であってもよい。例えば、リボンの幅は、全長に沿った、より短い距離にわたって変化して、例えば1つ又は2つのギザギザの縁部を備えるリボンを提供してもよく、あるいはより長い距離にわたって変化して、例えば狭い縁部に先細りする又は幅広い縁部に広がる、流体処理エレメントを提供してもよい。ギザギザの縁部並びに縁の付いた又は縮小した縁部を有するリボンは、例えば、発明者としてThomas Welch, Jr.、 Stephen Geibel及びTanweer ul Haqが記載された、2007年3月19日出願の発明の名称「流体処理エレメント及び不均一な表面を有する流体処理エレメントを備える流体処理装置並びにそれらを製造及び使用する方法(Fluid Treatment Elements and Fluid Treatment Arrangements with Fluid Treatment Elements Having Uneven Surfaces and Methods for Making and Using Them)」である米国特許仮出願番号第60/907,065号と、この仮出願に基づいて優先権を主張するPCT国際出願に開示されており、これら両方の出願の全開示内容は参照により本明細書に引用してこれら及び他の特徴を支持するものとする。
【0022】
[0031]リボン20は、リボンの単体構成エレメントとして透過性流体処理メディア26のストリップを含んでもよく、流体処理メディアの主面は隣接する巻回部に沿って接触してもよい。あるいは、リボンは複数の構成要素を含んでもよい。例えば、リボンは、図3に示すように、相互に重ね合わせられる2つ以上の層を有する多層複合体30の1つの層として透過性流体処理メディアを含んでもよい。透過性流体処理メディア26aの追加層などの様々な追加層が含まれてもよい。流体処理メディア26、26aは相互に同一又は異なっていてもよい。例えば、透過性流体処理メディア層は、同一の流体処理特性又は異なる流体処理特性を有し、これにより、相互に平行な種々の流体処理特性を有する流体処理メディアを流体処理エレメントに提供してもよい。別の追加層は、リボンの構造的な強度を強化する補強ストリップ31であってもよい。リボンは、複数の巻回数で巻かれて流体処理エレメントを形成するとき、引張り状態になることもあり、透過性流体処理メディアのストリップが張力に耐えるには十分の強度を有していない場合もある。したがって、高分子フィルムのストリップなどの、張力に耐えることができる補強ストリップ31が、流体処理メディアに積み重ねられてもよい。別の追加層は、リボンの隣接する巻回部の隣接する表面を接着するための接着ストリップ32であってもよい。
【0023】
[0032]複合リボンの複数の層のすべてが、同一幅を有さなくても、又は一致していなくてもよいが、多くの実施形態では、図3に示すように、複数の層すべては実質的に同一幅を有し、側端は一致する。層の端部は一致するか又はジグザグであってもよい。多くの実施形態では、任意の追加の流体処理メディア層以外の、追加層の厚みは、流体処理エレメント内の流体処理メディアの相対容積を増加するために、流体処理メディア層の厚みより小さくてもよい。流体が流体処理エレメントを通って流れるときの、流体処理メディアを迂回する流体の量を低減するために、追加層の端に沿って通過する流体流れに対する抵抗は、流体処理メディア層の端に沿って通過する流体流れに対する抵抗に対し、少なくとも実質的に等しいか又はより大きくてもよい。いくつかの実施形態では、追加層の端に沿って通過する透過率は、高くても流体処理媒体層の端に沿って通過する透過率に実質的に等しいか、又はより小さくてもよく、及び/又は追加層の端に沿って通過する除去率は、流体処理メディア層の端に沿って通過する除去率に実質的に等しいか又はより小さくてもよい。多くの実施形態では、透過性流体処理メディア層以外の、複合リボンの層の一部又はすべては、不透過性であってもよい。あるいは、追加層の端に沿って通過する流体流れに対する抵抗は、流体処理メディア層を通り端に沿って流れる流体流れに対する抵抗より小さくてもよい。いくつかの実施形態では、追加層の端に沿って通過する透過率は、流体処理メディア層の端に沿って通過する透過率より大きくてもよく、及び/又は追加層の端に沿って通過する除去率は流体処理メディア層の端に沿って通過する除去率より大きくてもよい。
【0024】
[0033]代替的又は追加的に、リボンは複数の構成要素、例えば2、3、4、5又はそれ以上の構成要素を含んでもよく、それら構成要素はリボンの端に沿って通過する流体流路内に直列で並列にして配置されてもよい。並列の構成要素は、それら構成要素の間に空間又は介在構造体を有してもよく、又は極めて近接して、例えば接触して配置されてもよい。例えば、流体処理メディアの複数のストリップは側端を並列に配置されてもよい。図3に示す多孔性の流体処理メディアの追加層26aは、複数のストリップの並列配置の一例にすぎない。1つのストリップ26a’は隣接するストリップ26a’’に極めて近接して配置されてもよい。例えば、ストリップ26a’、26a’’の側端はリボン20の長さに沿って相互に接触してもよい。メディアは他のメディアと同類であっても、又は異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、2つ以上のメディアは異なる細孔サイズを有してもよく、例えば、各連続するメディアはより大きい又はより小さい除去率又は細孔構造を有し、これにより、リボンの幅を横切る細孔サイズの勾配を提供してもよい。例えば、流体処理メディアの下流側ストリップは、流体処理メディアの上流側ストリップより細かい除去率又は細孔構造を有してもよい。他の実施形態では、2つ以上のメディアは異なる種類の流体処理、例えば濾過、収着及びイオン交換を提供いてもよい。並行配置のストリップは、同類又は異なる幅、厚み及び/又は長さを有してもよい。並行のストリップは様々な方法で支持されてもよい。例えば、複数のストリップは支持層と重ね合わせられてもよい。支持層は薄く、不透過性であってもよく、流体処理メディアのストリップの結合された幅より小さい、ほぼ等しい又はより大きい幅を有してもよい。
【0025】
[0034]複数の巻回数でリボン20を螺旋状に巻くことにより形成される流体処理エレメント12は、任意の多数の不規則又は規則的な形状を有してもよい。例えば、流体処理エレメント12の螺旋状に巻かれたディスク形状の本体21並びにコアアセンブリ11は、図2に示すように略円形であってもよく、又は図4、5及び6にそれぞれ示すように、略楕円、三角形又は長方形であってもよい。流体処理エレメント12の半径方向寸法すなわち最内側の巻回部から最外側の巻回部へのコアアセンブリ11の軸線に対して略垂直の寸法は、例えば、巻回数及びリボンの厚みに応じて、変化させてよい。例えば、半径方向寸法は、最大約1/4インチ又は最大約1/8インチ又はそれ以下から、最大約1インチ又は最大約2インチ又は最大約6インチ又は最大約10インチ又は最大約25インチ又はそれ以上までの範囲であってもよい。流体処理エレメント12の容積は、例えば、リボンの幅及びディスク形状の本体の半径方向寸法に従って変化させてよい。いくつかの実施形態では、流体処理装置の流体処理エレメントのすべては同一容積を有してもよい。いくつかの実施形態では、流体処理エレメントは異なる容積を有してもよい。
【0026】
[0035]図1に示すように、各ディスク形の本体21は、1つの軸線方向に向く供給又は流入面33を備える端面と、反対の軸線方向に向く透過又は流出面34を備える端面と、流体処理エレメント12の外部に沿った外端35と、内端35aと、例えばコアアセンブリ近くの最初の巻回部から外端35への半径方向寸法と有してもよい。各供給面33は、透過性流体処理メディアのストリップ26の供給側端24aを含む、リボン20の一方の側端(例えば供給側端24)の複数の巻回部を備えてもよい。各透過面34は、透過性流体処理メディアのストリップ26の透過側端25aを含む、リボン20の他方の外側の側端(例えば透過性側端25)の複数の巻回部を備えてもよい。流体経路27は、流体処理エレメント12の一方の端面から他方の端面に、多孔性の流体処理ストリップ26を通って、側端24a、25aの間で概ね端に沿って延びてもよい。一方又は両方の端面は、例えば、以前に参照した米国特許仮出願番号第60/907,065号「流体処理エレメント及び不均一な表面を有する流体処理エレメントを備える流体処理装置並びにそれらを製造及び使用する方法(Fluid Treatment Elements and Fluid Treatment Arrangements with Fluid Treatment Elements Having Uneven Surfaces and Methods for Making and Using Them)」及びこの仮出願に基づいて優先権を主張するPCT国際出願に記載したように、均一な表面であっても、又は不均一な表面であってもよい。
【0027】
[0036]流体処理エレメントは、境界面に沿って相互に極めて接近して(例えば相互に接触して)、又は相互に軸線方向に分離されて、コアアセンブリに沿って配置されてもよい。いくつかの実施形態では、流体処理エレメント12の多数、大部分又は実質的にすべてが、相互に軸線方向に分離されてコアアセンブリ11に沿って配置されてもよい。隣接する流体処理エレメント12は、それらエレメント12の間の空間内で交互に構造的に分離していてもよい。さらに、隣接する流体処理エレメント12の隣接する端面は、これらの端面の間の接触点がないように、相互に間隔を空けられてもよい。加えて、各流体処理エレメント12の一方又は両方の端面は、すぐに空間に向かい、空間に直接開いていてもよく、各空間は隣接する流体処理エレメントの端面により閉じられてもいてもよい。多くの実施形態では、隣接する流体処理エレメント12の供給面33は相互に対向して、これらの間の供給空間13を画定し、隣接するエレメント12の透過面34は相互に対向して、これらの間の透過空間14を画定する。図1に示す実施形態では、透過空間14は、コアアセンブリ11の開口16を通してコアアセンブリ11の内部15と流体的に連通してもよく、供給空間13はコアアセンブリの堅固な壁部分によりコアアセンブリ11の内部から流体的に隔離されもよい。隣接する流体処理エレメント12間の距離が各空間13、14の幅を画定してもよく、空間13、14の幅は均一又は不均一であってもよい。例えば、隣接する供給面33の間の距離及び供給空間13の幅、並びに隣接する透過面34の間の距離及び透過空間14の幅は、相互に実質的に等しいか又は異なってもよい。さらに、隣接する供給面33の間の距離及び供給空間13の幅は、隣接する透過面34の間の距離及び透過空間14の幅と実質的に等しいか又は異なってもよい。
【0028】
[0037]空間13、14は、流体処理エレメント12の半径方向寸法の少なくとも約85%又は少なくとも約90%又は少なくとも約95%又は約100%に沿って、隣接する流体処理エレメント12間に広がっていてもよい。例えば、空間13、14は、エレメント12の外部においてコアアセンブリから外端35までの距離の、少なくとも約85%又は少なくとも約90%又は少なくとも約95%又は約100%に広がってもよい。さらに、空間13、14の多く(例えば最大約40%又はそれ以上)には、実質的に構造体が存在しなくてもよい。例えば、供給空間13の少なくとも約40%又は少なくとも約60%又は少なくとも約75%又は少なくとも約90%又は少なくとも約95%又は約100%を含む、供給空間13の多く又はすべてには、実質的に構造体が存在しなくてもよい。代替的又は追加的に、透過空間14の少なくとも約40%又は少なくとも約60%又は少なくとも約75%又は少なくとも約90%又は少なくとも約95%又は約100%を含む、透過空間14の多く又はすべてには実質的に構造体が存在しなくてもよい。より高い割合は多くの理由のため好ましい。例えば、実質的に構造体が存在しない、少なくとも約40%の供給空間及び/又は透過空間を有する流体処理装置の材料コスト及び/又は製造コストはより低くなり、より高い割合に関連するコストはさらに低下する。さらに、実質的に構造体が存在しない、少なくとも約40%の供給空間及び/又は透過空間を有する流体処理装置は、所定の圧力降下に対するより高い流量又は所定の流量に対するより低い圧力降下を含む、多くの操作上の利点を有し、より高い割合に関連する利点はさらにより大きくなる。
【0029】
[0038]実質的に構造体が存在しない空間は、それでもなお、空間内にいくつかの構造体を有してもよい。例えば、少量の構造体はコアアセンブリの近く又は隣接する流体処理エレメントの外端の近く又はそれらの間の空間内に延びてもよい。例えば、発明者としてThomas Welch, Jr.、 Stephen Geibel及びTanweer ul Haqが記載され、2007年3月19日出願の、米国特許仮出願番号第60/907,078号の発明の名称「流体処理エレメント及び流体処理エレメント間にポスト及び/又はバンドを有する流体処理装置及びそれらを製造する方法(Fluid Treatment Elements and Fluid Treatment Arrangements with Posts and/or Bands Between Fluid Treatment Elements and Methods for Making Them)」及びこの仮出願に基づいて優先権を主張するPCT国際出願に開示されているように、小直径のポストが空間内に突き出るか又は隣接する流体処理エレメントの外端間の空間にまたがるバンドが空間内に短い距離で突き出てもよい。これら両方の出願の全開示内容は参照により本明細書に引用してこれら及び他の特徴を支持するものとする。しかし、容積割合で、空間の少なくとも約75%又は少なくとも約85%又は少なくとも約90%又は少なくとも約95%又は約100%は、完全に構造体が存在しない。また、より高い割合は、上述と同様の理由から好ましい。
【0030】
[0039]流体処理装置はさらに、追加の構成要素(例えば空間に結合された周辺部材)を含み、これにより、例えば流体処理エレメントの外部から、空間の1つ以上を流体的に隔離してもよい。周辺部材は様々な方法で、例えば、流体処理エレメントから隔離しているが結合されている構成要素として構成されてもよい。図7には周辺部材36の多くの様々な例の1つを示す。図7に示す流体処理エレメント12及びコアアセンブリ11は上述のものと同一であってもよいが、周辺部材、流体処理エレメント及びコアアセンブリはいずれも、図7に示す形態に限定されない。図示した周辺部材36は軸線方向に間隔を空けた複数バンド37aを備え、このバンド37aは、透過空間14を取り囲み、各透過空間14に隣接する流体処素エレメント12の外端35間をブリッジする。周辺部材36はさらに、軸線方向に空間を空けた複数のバンド37bを備え、このバンド37bは供給空間13を取り囲み、隣接する流体処理エレメント12の外端35間をブリッジし、供給空間13と流体処理エレメント12の外部との間を流体的に連通する開口を有する。多くの実施形態では、バンド37a、37bは空間14、13をまたぐが、隣接する流体処理エレメント12の外端25の少なくとも一部を露出したままにするように配置されてもよい。他の実施形態では、バンドは空間をまたぎ、隣接する流体処理エレメントの外端を完全に覆ってもよく、又は空間をまたぐが隣接する流体処理エレメントの外端に沿って延びなくてもよい。あるいは、周辺部材は、空間の少なくともいくつか(例えば透過空間)の外側端を流体的に閉鎖し、及び他の空間(例えば供給空間)との流体的な連通を可能にする、任意の構成を有してもよい。例えば、周辺部材は、空間及び流体処理エレメントのすべてを取り囲むスリーブ、又は、空間及び流体処理エレメントのすべての周りに巻き付けられた螺旋状のラップを備えてもよく、周辺部材は、いくつかの空間の外端を流体的に閉鎖し、他の空間の外端における流体的な連通(例えば流体処理エレメントの外端及び外部と他の空間の間の流体的な連通)を可能にする開口を有する。周辺部材は、様々な方法で流体処理エレメントを封止してもよく、透過性又は不透過性であってもよい。多くの実施形態では、周辺部材36は不透過性であり、流体処理エレメント12に結合されてもよい。例えば、バンド37は不透過性のストリップ(例えば不透過性の高分子ストリップ)を含んでもよく、流体処理エレメント12の外端35に接着剤結合、溶剤接着又は熱接着されてもよい。あるいは、バンドは、ホットメルト接着、ポリウレタン又はエポキシなどの、硬化性材料を含んでもよい。周辺部材が透過性である場合、周辺部材は、流体処理メディアのストリップの端に沿って通過する透過率及び/又は除去率を実質的に超えない透過性及び/又は除去率を有し、これにより流体が流体処理エレメントを迂回するのを防止してもよい。この結果、空間とコアアセンブリの内部との間又は空間と流体処理エレメントの外部との間のすべての流体流路が、例えば流体処理エレメント、又は流体処理メディアのストリップの端に沿って通過する透過率及び/又は除去率を実質的に超えない透過性及び/又は除去率を有する周辺部材などの、構造体を通過するとき、空間はコアアセンブリの内部又は流体処理エレメントの外部から流体的に隔離される。
【0031】
[0040]流体処理装置は任意のいくつかの異なる方法のうちのいずれで形成されてもよい。1つの一般的な例によれば、流体処理装置を形成する方法は、中空のコアアセンブリに沿って、少なくとも第1及び第2の螺旋状に巻かれたディスク形の流体処理エレメントを配置するステップを備えてもよい。第1及び第2流体処理エレメントを相互に軸線方向に分離して、コアアセンブリからエレメントの外端まで第1エレメントと第2エレメント間に広がる空間を画定してもよく、空間には実質的に構造体が存在しなくてもよい。
【0032】
[0041]流体処理エレメントは様々な方法でコアアセンブリに沿って配置されてもよい。例えば、少なくとも2つ及び少なくとも10以上又は少なくとも25以上又は少なくとも50以上又は少なくとも100以上の数のリボンは、コアアセンブリの周囲に複数の巻回数で螺旋状に巻かれ、コアアセンブリに沿って異なる軸線方向位置において流体処理エレメントを形成してもよい。流体処理エレメントのすべてが空間によって分離されてもよく、又は流体処理エレメントのいくつかが並列に接触し、一方で他の流体処理エレメントが隣接する流体処理エレメントから分離されてもよい。流体処理エレメントのすべてが同一又は同様の処理特性を有してもよい。あるいは、流体処理エレメントは、例えば、発明者としてThomas Welch, Jr.、 Mark Hurwitz、Tanweer ul Haq及びJoseph Verschneiderが記載された、2007年3月19日出願の発明の名称「流体処理エレメント及び種々の流体処理特性を有する流体処理エレメントを備える流体処理装置並びにそれらを製造及び使用する方法(Fluid Treatment Elements and Fluid Treatment Arrangements with Fluid Treatment Elements Having Different Fluid Treatment Characteristics and Methods for Making and Using Them)」である米国特許仮出願番号第60/907,069号及びこの仮出願に基づいて優先権を主張するPCT国際出願に開示されているように、異なる処理特性を有してもよい。これら両方の出願の全開示内容は参照により本明細書に引用してこれらの及び他の特徴を支持するものとする。
【0033】
[0042]リボンは、1個ずつ、数個ずつ又は同時にすべて、例えば順次又は同時のいずれかでコアアセンブリの周囲に巻かれてもよい。リボンの内端領域、例えば第1の1、2又は3つの巻回部を画定する領域は、流体処理エレメントの迂回を防止するためにコアアセンブリを完全に封止してもよい。例えば、内端領域は、コアアセンブリに、内端領域を、熱接着、接着剤結合又は溶剤接着することによりコアアセンブリに固定されてもよい。あるいは、内端領域はコアアセンブリに結合されなくもよいが、例えば、コアアセンブリの周囲に最初の巻回部を堅く巻き付けることにより、コアアセンブリに対して圧力を加えて結合されてもよい。さらに、内端領域は先細りの厚みを有してもよく、又は十分に堅く巻かれてもよく、これにより第1巻回部の終端部と第2巻回部の始端部と間の移行部に形成される段差がなくなる。
【0034】
[0043]各リボンに張力を加えて複数の巻回数で螺旋状に巻き、任意の望ましい半径方向寸法の流体処理エレメントを形成してもよい。張力は一定であってもよく、又は流体処理エレメントの半径の増加に伴って変化させてよく、張力は多数の要因に基づいて経験的に選択されてもよい。例えば、リボンが損傷を受けるまで伸長する最大張力、例えば、流体処理メディアが過度に引き伸ばされるか、又は引き裂きを開始する張力が、決定されてもよい。リボンは次に、最大張力未満の張力、例えばこの最大張力の約80%以下又は約65%以下又は50%以下を用いて螺旋状に巻かれてもよい。さらに、リボンは、同様の圧縮、例えば、流体処理エレメントの半径方向寸法の大部分又はすべてに沿って、1つの巻回部から次の巻回部にまで、流体処理メディアの実質的に均一の圧縮を提供する張力を用いて、螺旋状に巻かれてもよい。1つの巻回部から次の巻回部まで同様の圧縮を提供することにより、流体処理エレメントは、流体処理メディアの複数の巻回部の端に沿って流れる流体をより均一に処理してもよい。例えば、流体処理メディアが濾過エレメントを含む場合、流体処理エレメントをエレメントの半径方向寸法に沿ってより均一に装填して、処理エレメントの収塵容量及び/又は使用期間を増加してもよい。加えて、リボンは十分な張力で螺旋状に巻かれて、隣接する巻回部の隣接面とリボンの隣接層との間の横方向の流体流れを抑制又は防止してもよい。例えば、流体が隣接面と隣接層間で横平方向に実質的通過しないだけの十分な張力を加えるか、又はリボンの隣接面と隣接層の間の横方向のすべての流体経路が、流体処理メディアの端に沿って通過する流体経路の透過率及び/又は除去率より実質的に小さい透過率及び/又は除去率を有するだけの十分は張力を加えることにより、リボンが螺旋状に巻かれてもよい。またリボンは十分な張力で巻かれて、安定性のある、堅固なディスク形状の本体を有する実質的に自立流体処理エレメントを形成してもよい。例えば、リボンは十分な張力で巻かれて、隣接する巻回部及び隣接層を相互に十分に堅く保持することにより、流体処理エレメントが受ける圧力差で、隣接する巻回部及び隣接層の横方向の滑り及び/又は半径方向の分離を防止してもよい。
【0035】
[0044]各リボンが所望の半径方向寸法に螺旋状に巻かれた後、リボンの外端領域は任意の様々な方法で所定の位置に保持されてもよい。例えば、外端領域は、例えば、熱接着、接着剤結合又は溶剤接着によって、隣接する巻回部に結合されてもよい。代替的又は追加的に、リボンの外端領域は他の巻回部に結合されてもよい。例えば、高温の金属ピンがリボンの外端領域及び外側の巻回部を通して略半径方向に挿入され、ピンと接触するリボンの部分を溶融してもよい。ピンが取り外されると、溶融した部分は相互に固体化し、リボンの任意の複数の層及び所定の位置に外側の巻回部を含む、外端領域を保持する略半径方向のステーク(stake)を形成する。代替的又は追加的に、高温であってもそうでなくてもよい中空の針が、外端領域及び外側の巻回部を通して略半径方向に挿入されるか、又は隣接する巻回部の間の空間に挿入されてもよい。例えば、ポリウレタン、エポキシ又はホットメルト接着を含む、液体の硬化接着合成物又は材料を、針が取り除かれると巻回部内に注入して、所定の位置に外端領域及び巻回部を保持する略半径方向のステークを形成してもよい。さらに別の代替方法として、溶着ビード又は硬化接着材料のビード形のステークは、リボンの外端領域及び外側の巻回部の片方又は両方の側端に沿って引き抜かれてもよい。
【0036】
[0045]螺旋状に巻かれた流体処理エレメントの安定性はさらに、多くの又はすべてのディスク形の本体を結合することにより、より強化されてもよい。例えば、略半径方向に延びるステークは、大部分の又は実質的にすべての巻回部を通して、及び/又はディスク形の本体周りの様々な角度的に間隔を空けた位置に形成されてもよい。同様に、ステークは、流体処理エレメントの一方又は両方の端面に沿って、及び/又は各面の周囲に様々な角度的に間隔を空けた位置に設けられてもよい。各ステークは、流体処理エレメントの大部分又は全体を貫通して又は処理エレメントに沿って延びて、例えばコアアセンブリにまで突き出て、流体処理エレメントをコアアセンブリに固定してもよい。
【0037】
[0046]螺旋状に巻かれた流体処理エレメントの安定性はまた、螺旋状に巻かれたリボンの長さに沿って、連続的又は不連続に、隣接する巻回部及び/又はリボンの隣接層を相互に結合することにより強化されてもよい。隣接する巻回部及び/又は層は様々な方法で結合されてもよい。例えば、リボンは、上述のように、接着層を含んでもよい。接着層は、リボンが螺旋状に巻かれるとき、隣接する巻回部及び/又は層を結合する接着剤を含んでもよい。あるいは、接着層は、エレメントが形成された後、流体処理エレメントに溶剤又は熱を加えることにより活性化されてもよい。さらに別の代替方法として、リボンが螺旋状に巻かれるとき、隣接する巻回部及び/又は層の間にホットメルト接着又は熱接着が、例えば不連続に適用されてもよい。
【0038】
[0047]流体処理エレメントは、処理エレメントの多く、大多数又は実質的にすべての間に空間を空けて、コアアセンブリに沿って配置されてもよい。いくつかの空間は、コアアセンブリの開口と流体的に連通して配置されてもよく、他の空間はコアアセンブリの内部から流体的に隔離されてもよい。流体処理エレメントがコアアセンブリに沿って配置される前、配置される間又は後に、処理エレメント間のいくつかの空間の内部に構造体が挿入されてもよい。例えば、空間のいくつかはポスト又はバンドによって小範囲が占有されてもよい。しかし、多くの、大部分の又は実質的にすべての空間(例えば、供給空間の多く及び/又は透過空間の多くを含む)は、実質的に構造体が存在しないままであってもよい。空間の多くを実質的に構造体が存在しないようにすることにより、空間内に任意の構造体を配置するのに必要な追加の手順が存在しないため、製造の複雑性が大幅に低減される。これは、結果として、流体処理装置に関連する製造コスト並びに材料コストを低減する。
【0039】
[0048]周辺部材は様々な方法で流体処理エレメント及び空間に結合されてもよい。例えば、複数のバンドを備える周辺部材は、実質的に構造体が存在しない空間を含む空間周りに配置されてもよく、バンドは、例えば外端において、隣接する流体処理エレメントを封止してもよい。あるいは、流体処理エレメント及び空間にまたがるシートを備える周辺部材が、処理エレメント及び空間周りの周辺に巻き付けられて、スリーブを形成してもよく、又は、事前に成形されたスリーブを備える周辺部材が、流体処理エレメント及び空間の上を軸線方向に摺動してもよい。スリーブは、例えば外端において、流体処理エレメントを封止してもよい。スリーブに開口を形成することにより、コアアセンブリから流体的に隔離された空間を、流体処理エレメントの外部と流体的に連通させてもよい。さらに別の代替方法として、幅広のストリップを含む周辺部材が、隣接する螺旋状の巻回部を相互に重複するようにして、流体処理エレメント及び空間周りに螺旋状に巻かれてもよい。ラップ部が流体処理エレメントを封止して、ラップ部に開口を形成することにより、コアアセンブリから流体的に隔離された空間を流体処理エレメントの外部と流体的に連通させてもよい。
【0040】
[0049]流体処理装置が形成された後、これら装置は各種のハウジング内に収納され、流体処理アセンブリを提供してもよい。流体処理アセンブリは単一流体処理装置のみを収納するハウジング、又はハウジング内に直列又は並列に配置された複数の流体処理装置を収納するハウジングを備えてもよい。例えば、ハウジングは1つ以上のチューブ状シートを含んでもよく、複数の流体処理装置は管板に連結されてもよい。ハウジングは永続的に流体処理装置を収納して、例えば使い捨ての流体処理装置を形成してもよく、又は、ハウジングは流体処理装置を着脱可能に収納することにより、使用済みの流体処理装置を再利用可能なハウジング内の新しい流体処理装置に交換できるようにしてもよい。
【0041】
[0050]ハウジングは、任意の不透過性材料、例えば金属材料又は高分子材料から形成されてもよい。これら材料は、プロセスパラメータ、例えば流体の圧力及び温度並びに化学成分に適合するものである。ハウジングは2つ以上の主ポート、例えば処理又は供給流体の入口ポート及び濾過又は透過の出口ポートを有してもよい。ハウジングはポート間の流体流路を画定してもよく、流体処理装置は流体流路内のハウジング内に配置されてもよい。ポートは、直列型構成、T型構成又はL型構成を含む、任意の様々な構成でハウジング上に位置してもよく、ポートは任意の様々な付属品を備えてもよい。ハウジングはさらに、例えば、保持又は濃縮出口ポートと、排水、排気又は洗浄(例えば逆洗)に関連する1つ以上のポートとを含む、追加のポートを含んでもよい。
【0042】
[0051]図7には、流体処理アセンブリ40及び少なくとも1つの流体処理装置10を収納するハウジング41の多くの例の1つを示すが、流体処理アセンブリ及びハウジングは図7に示した特徴に限定されない。ハウジング41はカバー42及びシェル43を含んでもよい。カバー42はシェル43の一端において、シェル43に永続的に又は着脱可能に取り付けられてもよい。シェル43の他端は供給入口ポート44(例えば偏心供給入口ポート)及び透過出口ポート45(例えば中心透過出口ポート)を有してもよい。流体処理アセンブリ40の図示した実施形態は、2つのポート44、45だけを有し、これらポートはハウジング41の一端上に配置される。他の実施形態では3つ以上ポートを含んでもよく、ポートはハウジングに沿ったどの位置にも、例えばハウジングの両端及び/又は側面に配置されてもよい。流体処理装置10は、シェル43が流体処理エレメント12を取り囲むようにして、供給入口ポート44と透過出口ポート45との間の、流体流路50を横切って、ハウジング41内に封止されてもよい。例えば、中空のコアアセンブリ11の一端はカバー42を閉鎖して封止してもよい。中空のコアアセンブリ11の反対端は開放され、透過出口ポート45においてシェル43を封止し、これによりコアアセンブリ11の内部15と透過出口ポート45と間の流体連通を可能にしてもよい。多くの実施形態では、いずれの流体処理エレメント12もハウジング41に対して封止されなくてもよい。例えば、コアアセンブリ11だけをハウジング41に対して封止して、封止部を最小化し、信頼性の高い流体処理アセンブリを提供してもよい。
【0043】
[0052]流体は、本発明を具体化する、流体処理アセンブリ、装置及びエレメントにより、様々な方法のうちのいずれかで処理されてもよい。動作の1つのモードでは、供給流体は、流体処理装置の外部とコアアセンブリの内部との間で誘導されてもよい。流体は概して、透過性流体処理メディアのストリップを含む螺旋状に巻かれたリボンの巻回部の端に沿って通過し、その位置で流体は様々な方法のうちのいずれかで処理される。流体はまた、実質的に構造体が存在しない、螺旋状に巻かれたリボンに隣接する空間を通過する。図示した流体処理アセンブリ40では、供給流体は、流体処理エレメント12の外部からコアアセンブリ11の内部15に、流体処理装置10を通って外側から内側に流体流路50に沿って誘導される。しかし、他の実施形態では、供給流体は、コアアセンブリの内部から流体処理エレメントの外部に、流体処理装置を通って内側から外側に誘導されてもよい。
【0044】
[0053]図7の実施形態では、供給流体は供給入口ポート44を通ってハウジング41に入り、流体流路50に沿って透過出口ポート45まで流れてもよい。供給流体は、供給入口ポート44から、流体処理エレメント12の外部とシェル43の内部との間でハウジング41に沿って略軸線方向に流れてもよい。その後、供給流体は、流体処理エレメント12の供給面33の間で略半径方向に内向きに流れて供給空間13に流れ込んでもよい。供給空間33の多く、大部分又は実質的にすべてには、実質的に構造体が存在しなくてもよい。供給流体は、供給空間13から、略軸線方向に流れて流体処理エレメント12の供給面33に流れ込み、流体処理エレメント12のディスク形状の本体21を通過してもよい。
【0045】
[0054]各流体処理エレメント12を通って流体流路50に沿って軸線方向に流れる流体の、大部分の又は実質的にすべての流体は、供給側端24、24aから半径方向に透過側端25、25aまで、各巻回部の流体処理メディア26を含む、リボン20を通る流体経路27に沿って流れてもよい。流体はまた、1つの巻回部の透過性流体処理メディアから、1つ以上の隣接する又は近傍の巻回部の透過性メディア内に半径方向に流れ込み、その後その透過性メディアに沿って横方向に流れてもよい。流体が流体処理メディア26を通って流れるとき、流体は、例えば、流体処理メディアの特性に応じて、様々な方法のうちのいずれかで処理されてもよい。処理された流体は、流体処理エレメント12の透過面34から現れ、流体処理エレメント12の透過面34の間の透過空間14に流れ込む。透過空間34の多く、大部分又は実質的にすべてには実質的に構造体が存在しなくてもよい。処理された流体は、透過空間14から、開口16を通って略半径方向に内向きにコアアセンブリ11の内部15に流れ込んでもよい。処理された流体は次に、コアアセンブリ11の内部15に沿って軸線方向にハウジング41の透過出口ポート34までそのポートを通って流れる。
【0046】
[0055]多くの利点が、本発明の1つ以上の態様を具体化する流体処理アセンブリ及び装置に関連して存在する。例えば、空間、例えば実質的に構造体が存在しない空間で、供給空間13、透過空間14又は供給及び透過空間13、14の両方を提供することにより、これらの空間を通って流れる流体に対する抵抗はより小さくなり、これにより流体処理装置の性能を強化することができる。例えば、流体処理装置に対して指定された任意の所定の圧力降下に対して、流体の流量はより大きくでき、又は流体処理装置に対して指定された任意の所定の流量に対して、圧力降下はより低くできる。空間に直接面する流体処理エレメントの端面を提供することにより、流体の流れに対する抵抗をさらに低減できる。さらに、本発明を具体化する流体処理アセンブリ及び装置内の構造体がより少ないため、流体処理アセンブリ及び装置が使い果たされたときの、処分する廃棄物がより少なくなる。これは、使用済みアセンブリ及び装置が有害な廃棄物を含む場合に特に重要である。結果として、本発明の実施形態は、より経済的、より有効で、より環境に無害の、流体処理アセンブリ及び装置を提供する。
【0047】
[0056]加えて、複数の流体処理エレメントのそれぞれを分離して形成する、螺旋状の巻回部の個別のリボンは、様々な構成の流体処理装置及びエレメントの製造を容易にする。各エレメントの半径方向寸法はコアアセンブリ周りにより多く又はより少なくリボンを巻くことにより容易に変更されてもよい。コアアセンブリに沿って設けられる流体処理エレメントの数は、コアアセンブリ周りにより多く又はより少なくリボンを巻くことにより容易に変更できる。コアアセンブリに沿った流体処理エレメントの位置は、コアアセンブリ周りに巻かれるリボンの間の間隔を簡単に調整することにより容易に変更できる。さらに、コアアセンブリの周りに螺旋状にリボンを高速で巻いて、製造時間を速めてもよい。シートにスロット又は他の貫通孔を備える単一の幅広シートの代わりに、例えば複数の個別の幅の狭いリボンを使用することにより、次に製造の柔軟性及び効率を大幅に向上させ、様々な数のエレメント及びエレメントの間の間隔を備える流体処理装置を、シートを異なる幅又は異なる貫通孔の構成に変更する必要なく形成できる。加えて、製造中に透過性流体処理メディアに孔又は引き裂きといった不具合が発生する場合、シート全体ではなく不具合のあるリボンだけを交換して、より高速でより有効な製造を可能にしてもよい。
【0048】
[0057]本発明の様々な態様を、いくつかの実施形態に関してこれまでに説明し、及び/又は図示してきたが、本発明はこれらの実施形態に限定されない。例えば、これらの実施形態の1つ以上の特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく削除されてもよい。例えば、上述のように、周辺部材36は、供給空間13を取り囲み、流体処理エレメント12の外部と供給空間13の間で流体的に連通する開口を有する、1つ以上のバンド37bを含んでもよい。これらのバンド37bは本発明の範囲から逸脱することなく完全に削除されてもよい。供給空間は単に、流体処理エレメントの外部に開いていてもよい。
【0049】
[0058]さらに、本発明の範囲から逸脱することなく、実施形態の1つ以上の特徴は変更されてもよく、又はいずれかの実施形態の1つ以上の特徴は、他の実施形態の1つ以上の特徴と組み合わせられてもよい。例えば、周辺部材はより硬質の構造体を備えることにより、流体処理エレメントの外端において追加の支持を提供してもよい。1つの実施形態では、周辺部材36は、図8に示すように、接合される半円筒形部分51、52を備えることにより、より硬質なケージ53を形成してもよい。図8に示す流体処理エレメント12及びコアアセンブリ11は、上述のものと同一であるが、周辺部材、流体処理エレメント又はコアアセンブリはいずれも、図8に示す特徴に限定されない。各流体処理エレメント12は、流体処理メディア26のストリップを含む、螺旋状に巻かれたリボン20を含んでもよい。周辺部材36の一部51、52は、流体処理エレメント12の外端35周りに取り付けられ、相互に永続的に又は着脱可能に結合されて、ケージ53を形成してもよい。流体処理エレメント12のディスク形の本体21の外端35は、様々な方法でケージ53に対して封止されてもよい。例えば、外端35は、ケージ53に接着結合又は熱接着されてもよい。代替的又は追加的に、外端35は、緊密な機械的結合により、ケージ53に対して封止されてもよい。例えば、ペアの周辺リブ54は各部分51、52から短い距離だけ内向きに突出してもよく、各流体処理エレメント12の外端35の幅と等しい又はわずかに短い距離だけ離れて間隔を空けられてもよい。各部分51、52は、各外端35が対応するペアのリブ54間に位置するようにして、流体処理装置10周りに設けられてもよい。ケージ53は、空間、例えば供給空間13のいくつかを流体処理エレメント12の外部と流体的に連通させる、開口55を含んでもよい。ケージ53は、他の空間、例えば透過空間14を流体処理エレメント12の外部から流体的に隔離してもよい。
【0050】
[0059]別の例として、隣接する流体処理エレメント間の空間のいくつかは、コアアセンブリの内部及び流体処理エレメントの外部の両方から流体的に隔離されるように配置されてもよい。図9には、流体処理エレメント12及びコアアセンブリ11を含む流体処理装置10の一部を示している。図9に示す流体処理エレメント12及びコアアセンブリ11は、上述のものと同一であるが、流体処理装置、流体処理エレメント、コアアセンブリ又は周辺部材はいずれも、図9に示す特徴に限定されない。各流体処理エレメント12はリボン20を含んでもよく、このリボンは、螺旋状に巻かれてディスク形の本体21を形成する流体処理メディア26を含む。流体処理装置10は、供給空間13と透過空間14との間に配置される中間空間56を含んでもよい。中間空間56は、コアアセンブリ11の堅固な壁部分によりコアアセンブリ11の内部15から流体的に隔離されてもよく、周辺部材36により流体処理エレメント12の外部から流体的に隔離されてもよい。透過空間14を取り囲むバンド37aと、開口を有し供給空間13を取り囲むバンド37bとに加えて、周辺部材36は、不透過性の孔のないバンド57などのバンド57を含んでもよく、このバンドが中間空間56を取り囲み、隣接する流体処理エレメント12の外端35を封止する。少なくとも透過空間のバンド37a及び中間空間のバンド57は相互に軸線方向に接触してもよい。中間空間には、実質的に構造体が存在しても存在しなくてもよく、又は機能材料を含んでも又は含まなくてもよい。流体は略半径方向に供給空間13に流れ込み、1つの流体処理エレメント12、中間空間56及び隣接する流体処理エレメント12を略軸線方向に通過して透過空間14まで流れ、次に、透過空間14から略半径方向に流れ出て、開口16を通ってコアアセンブリ11の内部15に流れ込んでもよい。
【0051】
[0060]さらに別の例として、流体処理エレメントは、コアアセンブリに沿って略軸線方向に、事前成形されたエレメントを摺動させることにより、コアアセンブリに沿って配置されてもよい。例えば、各リボンは、コアアセンブリ周りでなく中央ハブ周りに所望の半径方向寸法に複数の巻回数で螺旋状に巻かれて、流体処理エレメントを形成してもよい。事前成形された流体処理エレメントは次に、ハブの有無によらず、コアアセンブリに沿って軸線方向に所望の位置まで摺動され、所定の位置に固定されてもよい。
【0052】
[0061]さらに、異なる特徴を有する実施形態は、それでもなお、本発明の範囲内である。例えば、各リボンはハブ周りに螺旋状に巻かれて、流体処理エレメントを形成してもよい。各ハブはコアアセンブリの1つの部分を含んでもよく、隣接するエレメントのハブ部分は相互に連結されて、中空のコアアセンブリ及び流体処理装置を形成してもよい。ハブ部分は、相互に機械的に連結及び/又は相互に結合され、ハブ部分のいくつかは、コアアセンブリの内部との流体連通を可能にする開口を含んでもよい。
【0053】
[0062]別の例として、シートアセンブリは、単体構成要素として又は多層複合体の1つの層(例えばリボンの多層複合体と同様の)として、多孔性流体処理メディアシートを備えてもよい。シートアセンブリは複数の巻回数で螺旋状に巻かれて、望ましい半径方向寸法を有するロールを形成してもよい。次に、所望の幅を有する各部分を、ロールからロールの軸線に対して垂直な方向に切断して(例えば薄く切り取って)、流体処理エレメントを形成してもよい。流体処理エレメントは次に、例えば、事前成形されたエレメントをコアアセンブリに沿って軸線方向に摺動することにより、コアアセンブリに沿って配置されてもよく、又は流体処理エレメントはハブ部分上に配置されてもよく、ハブ部分を相互に連結して、中空のコアアセンブリを含む流体処理装置を形成してもよい。
【0054】
[0063]さらに別の実施形態として、流体処理装置は、例えば、発明者としてThomas Welch, Jr.、 Tanweer ul Haq及びJoseph Verschneiderが記載された、2007年3月19日出願の発明の名称「流体処理エレメントのセットを備える流体処理装置並びにそれらを製造及び使用する方法(Fluid Treatment Arrangements with Sets of Fluid Treatment Elements and Methods for Making and Using Them)」である米国特許仮出願番号第60/907,066号及びこの仮出願に基づいて優先権を主張するPCT国際出願に開示されているのと同様の方法で、相互に半径方向にずれたコアアセンブリに沿って取り付けられた、流体処理エレメントの複数のセット(例えば2、3、4以上のセット)を含んでもよく、これら両方の全開示内容は参照により本明細書に引用してこれら及び他の特徴を支持するものとする。各セットは複数の流体処理エレメントを含んでもよく、各エレメントはリボンを含み、リボンは複数の巻回数で螺旋状に巻かれて、半径方向寸法を有する略ディスク形の本体を形成している。流体処理エレメントの外側セットは、処理エレメントの内側及び外側セットを半径方向及び/又は軸線方向に整列又はずらせるようにして、流体処理エレメントの内側セットの上に置かれてもよい。例えば、処理エレメントの外側セットは、処理エレメントの内側セットの間の空間の少なくともいくつかにまたがってもよい。さらに、流体処理エレメントの外側セットのサイズ(例えば幅及び半径方向寸法)及び/又は処理特性は、流体処理エレメントの内側セットの特性と同一又は異なっていてもよい。
【0055】
[0064]図10に示す実施形態では、流体処理装置10は、少なくとも、コアアセンブリ11に沿って取り付けられた流体処理エレメント12’、12’’の内側及び外側セット60、61を含んでもよい。各セット60、61の各流体処理エレメント12’12’’は、流体処理メディア26を含むリボン20を備えてもよく、リボンは螺旋状に巻かれてディスク形の本体21を形成している。流体処理エレメント12’の内側セット60は、隣接する内側の流体処理エレメント12’の少なくともいくつか又はすべての間に空間62を備え、上述のように、コアアセンブリ11に沿って、該アセンブリのすぐ周辺のすぐ近くに配置されてもよい。例えば複数の内側バンド63を備える内側周辺部材は、隣接する内側の流体処理エレメント12’間の内側空間62の少なくともいくつかにまたがってもよい。内側バンド63はまた、内側のエレメント12’の外端35を封止してもよい。コアアセンブリ11と、内側セット60の流体処理エレメント12’と、内側空間62と、内側バンド63の特徴は、上述のものと同様であってもよい。具体的には、内側空間62多く又はすべてには実質的に構造体が存在しなくてもよい。
【0056】
[0065]外側セット61の流体処理エレメント12’’は、流体処理エレメント12’の内側セット60から半径方向にずれて、外側流体処理エレメント12’’の少なくともいくつか又はすべての間に空間64を備えて、コアアセンブリ11に沿って配置されてもよい。外側流体処理エレメント12’’は、内側流体処理エレメント12’及び/又は内側周辺部材(例えば内側バンド63)周りに螺旋状に巻かれてもよい。各外側流体処理エレメント12’’のリボンの内端領域は、各流体処理エレメント12のリボン及びコアアセンブリ11のリボンの内端領域に対して前に説明したように、内側流体処理エレメント12’又は内側バンド63に対して封止されてもよい。各外側流体処理エレメント12’’のサイズは各内側流体処理エレメント12’のサイズと同一又は異なっていてもよい。例えば、複数の外側バンド65を備える外側周辺部材は、隣接する外側流体処理エレメント12’’間の外側空間64の少なくともいくつかにまたがってもよい。流体処理エレメント12’’、外側空間64及び外側バンド65の特徴は、前に説明したのと同様であってもよい。具体的には、外側空間64の多くの又はすべてには実質的に構造体が存在しなくてもよい。
【0057】
[0066]流体が流体処理装置の外部からコアアセンブリの内部に流れるは又はその逆に流れるとき、流体処理エレメントの内側及び外側セット及び内側及び外側周辺部材は、1つ以上の外側の流体処理エレメントを通って軸線方向に、及び1つ以上の内側の流体処理エレメントを通って軸線方向に、直列及び/又は並列に流体を誘導するように配置されてもよい。例えば、図10の実施形態では、外側空間64のいくつかは流体処理装置10の外部に開いており、内側バンド63により外側のエレメント12’’の内径に沿って閉じられていてもよい。他の外側空間64は外側バンド65により流体処理装置10の外部から隔離され、外側のエレメント12’’の内径に沿って内側の空間62に開いていてもよい。外側空間64に開いている内側空間62は、コアアセンブリ11の堅固な壁により内側の流体処理エレメント12’ の内径に沿って閉じられていてもよい。内側バンド63により閉じられた内側空間62は、コアアセンブリ11の開口16を通してコアアセンブリ11の内部15に開いていてもよい。
【0058】
[0067]複数の半径方向にずれた流体処理エレメントのセットを有する流体処理装置は、図1から9の実施形態に関して前に説明したように、様々なハウジング内に収納されて流体処理アセンブリを提供してもよい。
【0059】
[0068]操作の1つのモードでは、供給流体は、流体処理装置10の外部とコアアセンブリ11の内部15との間の流体流路50に沿って、流体処理装置10を通して誘導されてもよい。例えば、図10の実施形態では、供給流体は、開いている外側空間64内に略半径方向に誘導され、さらに半径方向の流れは内側バンド63により遮断されてもよい。供給流体は、開いている外側空間64から、外側バンド65により流体処理装置10の外部から隔離されている外側空間64内に外側の流体処理エレメント12’’を通って略軸線方向に流れてもよい。流体が外側の流体処理エレメント12’’を通って軸線方向に流れるとき、流体は、各巻回部のリボン20(流体処理メディア26を含む)の概ね端に沿って通過してもよい。流体はまた、1つの巻回部の透過性流体処理メディアから、1つ以上の隣接する巻回部の透過性メディア内に半径方向に流れ込み、次にその透過性メディアに沿って横方向に流れてもよい。流体が外側の流体処理エレメント12’’を通って流れるときに、流体が処理される。流体は、隔離された外側空間64から外側空間64に開いている内側空間62内に略半径方向に流れ込み、さらに半径方向の流れはコアアセンブリ11の堅固な壁により遮断されてもより。流体は、これらの内側空間62から内側の流体処理エレメント12’を通って略軸線方向に流れて、内側バンド63により外側空間64から隔離された内側空間62内に流れ込んでもよい。流体が内側の流体処理エレメント12’を通って軸線方向に流れるとき、流体は、各巻回部の流体処理メディア26を含むリボン20を通って略端に沿って通過してもよい。流体はまた、1つの巻回部の透過性流体処理メディアから、1つ以上の隣接する巻回部の透過性メディア内に半径方向に流れ込み、次にそのメディアに沿って横方向に流れてもよい。流体が内側の流体処理エレメント12’を通って流れるとき、流体は再度処理される。内側及び外側セット60、61の流体処理エレメント12’、12’’は、同一又は同様の処理特徴又は異なる処理特徴を有してもよく、流体はそれに応じて処理されてもよい。流体は、外側空間64から隔離された内側空間62からコアアセンブリ11の内部15に開口16を通って略半径方向に流れてもよい。内側及び外側空間62、64には実質的に構造体が存在していなくてもよいため、流体が流体処理装置10の外部とコアアセンブリ11の内部15の間を通過するとき、これらの空間を通る流体流れに対する抵抗をより小さくできる。
【0060】
[0069]本発明は、本明細書に説明及び/又は図示した特定の実施形態に限定されず、特許請求の範囲に包含されるすべての実施形態及び変更形態を含むものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空のコアアセンブリと、互いに隣接する第1流体処理エレメント及び第2流体処理エレメントと、流体経路とを備える流体処理装置であって、
前記コアアセンブリは、内部及び軸線を有し、
前記第1流体処理エレメント及び前記第2流体処理エレメントは、前記コアアセンブリに沿って取り付けられており、前記第1流体処理エレメントが、前記第2流体処理エレメントから軸線方向に分離され、前記第1流体処理エレメントと前記第2流体処理エレメントとの間に空間を画定し、前記流体処理エレメントの各々がリボンを含み、このリボンが、透過性の流体処理メディアを有し、複数の巻回数で螺旋状に巻かれることにより、半径方向寸法を有する略ディスク形の本体を画定し、前記本体が、該本体の一方の側面に第1端面と、該本体の他方の側面に第2端面と、外端とを有し、前記流体処理エレメントの各々の端面が空間に直接開いており、前記空間が、前記第1流体処理エレメント及び前記第2流体処理エレメントの前記半径方向寸法の少なくとも約85%に沿って、前記第1流体処理エレメント及び前記第2流体処理エレメントの前記第1端面の間に広がっており、前記空間には実質的に構造体が存在しておらず、
前記流体経路が、前記流体処理エレメントの各々の前記第1端面と前記第2端面の間を、前記透過性の流体処理メディアの概ね端を通過して、前記空間まで又は前記空間から延びている、流体処理装置。
【請求項2】
前記透過性の流体処理メディアが、前記第1流体処理エレメント及び前記第2流体処理エレメントの少なくとも1つの前記リボンの単体構成エレメントである、請求項1に記載の流体処理装置。
【請求項3】
前記第1流体処理エレメント及び前記第2流体処理エレメントの少なくとも1つの前記リボンが、多層複合体を含み、前記透過性の流体処理メディアが前記複合体の1つの層である、請求項1に記載の流体処理装置。
【請求項4】
前記第1流体処理エレメント及び前記第2流体処理エレメントの少なくとも1つの前記リボンが、並列に配置された透過性の流体処理メディアの第1及び第2の同一平面上のストリップを含む、請求項1に記載の流体処理装置。
【請求項5】
前記空間が、前記コアアセンブリから前記流体処理エレメントの前記外端までの距離の少なくとも約90%に広がっている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項6】
前記空間が、前記半径方向寸法の少なくとも約90%に広がっている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項7】
前記空間を取り囲み、前記空間の外端を流体的に閉鎖する周辺部材をさらに備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項8】
前記コアアセンブリが開口を有し、前記空間が前記開口を通して前記コアアセンブリの前記内部と流体的に連通している、請求項1〜6のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項9】
前記流体処理装置が、前記空間を取り囲み、前記空間の外端を流体的に閉鎖する周辺部材をさらに備える、請求項8に記載の流体処理装置。
【請求項10】
前記空間が、前記コアアセンブリの前記内部から流体的に隔離され、前記流体処理エレメントの外部と流体的に連通している、請求項1〜6のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項11】
流体処理エレメントの第1セット及び第2セットをさらに備え、前記第1セットが前記第2セットから半径方向にずれており、互いに隣接する前記第1流体処理エレメント及び前記第2流体処理エレメントを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項12】
ハウジングと、前記ハウジングの内側に配置された、請求項1〜11のいずれか一項に記載の流体処理装置とを備える流体処理アセンブリであって、前記ハウジングが、第1ポート及び第2ポートを有し、前記第1ポートと前記第2ポートの間の流体流路を画定し、前記流体処理装置が前記ハウジング内に、前記流体流路を横切って配置されている、流体処理アセンブリ。
【請求項13】
中空のコアアセンブリと、第1流体処理エレメント、第2流体処理エレメント及び第3流体処理エレメントと、流体経路とを備える流体処理装置であって、
前記コアアセンブリは、内部及び軸線を有し、
前記する中空のコアアセンブリと、
前記第1流体処理エレメント、前記第2流体処理エレメント及び前記第3の流体処理エレメントは、コアアセンブリに沿って取り付けられ、前記第1流体処理エレメントが、前記第2流体処理エレメントに隣接し、前記第2流体処理エレメントから軸線方向に分離されており、前記第1流体処理エレメントと前記第2流体処理エレメントとの間に第1空間を画定し、前記第2流体処理エレメントが、前記第3流体処理エレメントに隣接し、前記第3流体処理エレメントから軸線方向に分離され、前記第2流体処理エレメントと前記第3流体処理エレメントとの間に第2空間を画定し、前記流体処理エレメントの各々がリボンを含み、このリボンが、透過性の流体処理メディアを有し、複数の巻回数で螺旋状に巻かれることにより、略ディスク形の本体を画定し、前記本体が、該本体の一方の側面に第1端面と、該本体の他方の側面に第2端面と、外端とを有し、前記第1空間が、前記コアアセンブリから前記第1流体処理エレメント及び前記第2流体処理エレメントの前記外端までの距離の少なくとも約85%に沿って、前記第1流体処理エレメント及び前記第2流体処理エレメントの前記第1端面の間に広がっており、前記第2空間が、前記コアアセンブリから前記第2流体処理エレメント及び前記第3流体処理エレメントの前記外端までの距離の少なくとも約85%に沿って、前記第2流体処理エレメント及び前記第3流体処理エレメントの前記第2端面の間に広がっており、前記第1空間及び前記第2空間には実質的に構造体が存在しておらず、
前記流体経路は、前記第1空間及び第2空間の間を、少なくとも前記第2流体処理エレメントの前記流体処理メディアの概ね端を通過して延びている、流体処理装置。
【請求項14】
前記第1空間が前記流体処理エレメントの外部から流体的に隔離され、前記コアアセンブリの前記内部と流体的に連通し、前記第2空間が前記流体処理エレメントの前記外部と流体的に連通し、前記コアアセンブリの前記内部から流体的に隔離されている、請求項13に記載の流体処理装置。
【請求項15】
前記第1空間を取り囲み、前記第1流体処理エレメント及び前記第2流体処理エレメントの前記外端を封止する周辺部材をさらに備え、前記周辺部材が前記第1空間の外端を閉鎖する、請求項13又は14に記載の流体処理装置。
【請求項16】
前記多孔性の流体処理メディアが、前記流体処理エレメントの少なくとも1つの前記リボンの前記単体構成要素を備える、請求項13、14又は15に記載の流体処理装置。
【請求項17】
前記流体処理エレメントの少なくとも1つの前記リボンが、多層複合体を備え、前記透過性の流体処理メディアが前記複合体の1つの層である、請求項13、14又は15に記載の流体処理装置。
【請求項18】
両方の空間に実質的に構造体が存在せず、両方の空間が前記コアアセンブリから前記流体処理エレメントの前記外端までの距離の少なくとも約90%に沿って広がっている、請求項13から17のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項19】
流体処理エレメントの第1セット及び第2セットをさらに備え、前記第1セットが前記第2セットから半径方向にずれており、前記第1流体処理エレメント、前記第2流体処理エレメント及び前記第3流体処理エレメントを含む、請求項13〜18のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項20】
ハウジングと、前記ハウジング内に配置された請求項13〜19のいずれか一項に記載の流体処理装置とを備える流体処理アセンブリであって、前記ハウジングが、第1ポート及び第2ポートを有し、前記第1ポートと前記第2ポートとの間に流体流路を画定し、前記流体処理装置が前記ハウジング内に前記流体流路を横切って配置されている、流体処理アセンブリ。
【請求項21】
中空のコアアセンブリと、複数のディスク形の流体処理エレメントと、周辺部材とを備える流体処理装置であって、
前記コアアセンブリは、内部及び軸線を有し、
前記複数のディスク形の流体処理エレメントは、それぞれが第1及び第2の対向する側端を有する、透過性の流体処理メディアの少なくとも1つのストリップを有するリボンを含み、前記リボンが、複数の巻回数で螺旋状に巻かれ、前記透過性の流体処理メディアのストリップの前記第1側端の複数の巻回部を備える第1の軸線方向に向く端面と、前記透過性の流体処理メディアのストリップの前記第2側端の複数の巻回部を備える第2の軸線方向に向く端面と、外端とを画定し、前記複数の流体処理エレメントが、前記隣接する流体処理エレメントが相互に軸線方向に分離されるようにして、前記コアアセンブリに沿って配置され、複数の第1空間及び複数の第2空間を画定し、前記第1空間の各々が、前記コアアセンブリから前記隣接する流体処理エレメントの前記外端までの距離の少なくとも約85%の距離に沿って、前記隣接する流体処理エレメントの前記第1端面の間に広がり、前記第1端面の各々が前記第1空間に直接開いており、前記第2空間の各々が、前記コアアセンブリから前記隣接する流体処理エレメントの前記外端までの距離の少なくとも約85%に沿って、前記隣接する流体処理エレメントの前記第2端面の間に広がり、前記第2端面の各々が前記第2空間に直接開いており、前記第1空間及び前記第2空間のそれぞれには実質的に構造体が存在しておらず、
前記周辺部材は、前記第1空間の外端を流体的に隔離するために、前記隣接する流体処理エレメントの前記外端において前記第1空間の各々の周りに配置されている、流体処理装置。
【請求項22】
前記多孔性の流体処理メディアのストリップが前記リボンの前記単体構成要素を備える、請求項21に記載の流体処理装置。
【請求項23】
前記リボンが、多層複合体を備え、前記多孔性の流体処理メディアのストリップが前記複合体の1つの層である、請求項21に記載の流体処理装置。
【請求項24】
前記第1空間及び前記第2空間のそれぞれが、前記コアアセンブリから前記流体処理エレメントの外端までの距離の少なくとも約90%に沿って広がり、前記第1空間及び前記第2空間の少なくとも約75%には実質的に構造体が存在しない、請求項21、22又は23に記載の流体処理装置。
【請求項25】
前記流体処理エレメントの第1セット及び第2セットをさらに備え、前記第1セットが、前記第2セットから半径方向にずれており、前記複数の流体処理エレメントを含む、請求項21、22、23又は24に記載の流体処理装置。
【請求項26】
ハウジングと、前記ハウジング内に配置された請求項21、22、23、24又は25に記載の流体処理装置とを備える流体処理アセンブリであって、
前記ハウジングが、第1ポート及び第2ポートを有し、前記第1ポートと前記第2ポートとの間に流体流路を画定し、前記流体処理装置が前記ハウジングの内に前記流体流路を横切って配置されている、流体処理アセンブリ。
【請求項27】
前記流体処理装置が前記ハウジング内に着脱可能に配置されている、請求項26に記載の流体処理アセンブリ。
【請求項28】
前記流体処理装置が前記ハウジング内に永続的に配置されている、請求項26に記載の流体処理装置。
【請求項29】
螺旋状に巻かれたディスク形の第1流体処理エレメント及び第2流体処理エレメントを、相互に軸線方向に分離されている中空のコアアセンブリに沿って流体処理エレメントを配置することにより空間を画定するステップであって、この空間が、前記第1流体処理エレメント及び前記第2流体処理エレメントの前記半径方向寸法の少なくとも約85%に沿って、前記第1流体処理エレメントと前記第2流体処理エレメントとの間に広がり、前記空間には実質的に構造体が存在しない、ステップと、
前記第1流体処理エレメント及び前記第2流体処理エレメントの前記外端の間の、実質的に構造体が存在しない前記空間を封止するステップと、
を含む流体処理装置を製造する方法。
【請求項30】
前記第1流体処理エレメントを形成するために複数の巻回数の透過性の流体処理メディアを含む第1リボンを螺旋状に巻くステップと、前記第2流体処理エレメントを形成するために複数の巻回数の透過性の流体処理メディアを含む第2リボンを螺旋状に巻くステップと、をさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記第1リボンを螺旋状に巻くステップと、前記第2リボンを螺旋状に巻くステップと、及び前記コアアセンブリの周りに前記第1及び第2流体処理エレメントを配置するステップが、前記コアアセンブリに沿った第1位置において前記コアアセンブリの周りに前記第1リボンを螺旋状に巻く工程と、及び前記コアアセンブリに沿った第2位置において前記コアアセンブリの周りに前記第2リボンを螺旋状に巻く工程とを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
複数の巻回数の多孔性の流体処理メディアを含むシートアセンブリを螺旋状に巻くステップと、前記螺旋状に巻かれたシートアセンブリから前記第1流体処理エレメント及び前記第2流体処理エレメントを切断するステップをさらに備える、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記コアアセンブリに沿って前記第1流体処理エレメント及び前記第2流体処理エレメントを配置するステップが、第1位置に前記コアアセンブリに沿って前記第1流体処理エレメントを軸線方向にスライド工程と、第2位置に前記コアアセンブリに沿って前記第2流体処理エレメントを軸線方向にスライドする工程とを含む、請求項29、30又は31に記載の方法。
【請求項34】
コアアセンブリに沿って前記第1流体処理エレメント及び前記第2流体処理エレメントを配置するステップが、前記中空のコアアセンブリの前記内部と流体的に連通するように前記空間を配置する工程を含む、請求項29〜33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
流体処理装置の外部とコアアセンブリの内部との間で流体を誘導するステップを備える、流体を処理する方法であって、
前記ステップが、
透過性の流体処理メディアの螺旋状に巻かれたストリップの巻回部の概ね端に沿って流体を流す工程であって、前記流体が前記透過性の流体処理メディアにより処理される、工程と、
螺旋状に巻かれたストリップに隣接する、実質的に構造体が存在しない空間を通して前記流体を流す工程と、
を含む、方法。
【請求項36】
前記流体を誘導するステップが、前記流体処理装置の前記外部から前記コアアセンブリの前記内部に前記流体を誘導する工程を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記流体を誘導するステップが、前記コアアセンブリの前記内部から前記流体処理装置の前記外部に前記流体を誘導する工程を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
半径方向寸法と、ディスク形の本体の一方の側面の第1端面と、前記本体の反対側の側面の第2端面と、外端とを有する前記本体を画定するために、複数の巻回数で螺旋状に巻かれたリボンを備え、前記リボンが少なくとも第1及び第2の重ね合わせ層を有する多層複合体を含み、前記第1層が透過性の流体処理メディアのストリップを含む、流体処理エレメント。
【請求項39】
前記第2層が補強ストリップを含む、請求項38に記載の流体処理エレメント。
【請求項40】
前記第2層が接合ストリップを含む、請求項38に記載の流体処理エレメント。
【請求項41】
前記第2層が透過性の流体処理メディアの別のストリップを備える、請求項38に記載の流体処理エレメント。
【請求項42】
前記透過性の流体処理メディアが、様々な流体処理特性を有する、請求項41に記載の流体処理エレメント。
【請求項43】
内部及び複数の開口を有する中空のコアアセンブリ及び前記コアアセンブリに沿って取り付けられた少なくとも第1流体処理エレメント及び第2流体処理エレメントを備え、前記流体処理エレメントの少なくとも1つが請求項38〜42のいずれか一項に記載の流体処理エレメントを備える、流体処理装置。
【請求項44】
ハウジングと、前記ハウジング内に配置された請求項43に記載の流体処理装置とを備える流体処理アセンブリであって、前記ハウジングが、第1ポート及び第2ポートを有し、前記第1ポートと前記第2ポートとの間に流体流路を画定し、前記流体処理装置が前記ハウジングの内に前記流体流路を横切って配置されている、流体処理アセンブリ。
【請求項45】
複数の巻回数の透過性の流体処理メディアを含む多層複合体を螺旋状に巻くステップと、対向する端面、内端及び外端を有する略ディスク形の本体を形成するステップとを含む、流体処理エレメントを製造する方法。
【請求項46】
多層複合体を螺旋状に巻くステップと、略ディスク形の本体を形成するステップが、前記複数の巻回数の前記多層複合体を備えるリボンを螺旋状に巻く工程を含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
多層複合体を螺旋状に巻くステップが、前記多層複合体を備えるシートアセンブリを螺旋状に巻く工程を含み、前記流体処理エレメントを形成するステップが、前記螺旋状に巻かれたシートアセンブリから前記流体処理エレメントを軸線方向に切断する工程を含む、請求項45に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2010−522075(P2010−522075A)
【公表日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−554666(P2009−554666)
【出願日】平成20年3月14日(2008.3.14)
【国際出願番号】PCT/US2008/057030
【国際公開番号】WO2008/115802
【国際公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(596064112)ポール・コーポレーション (70)
【氏名又は名称原語表記】Pall Corporation