説明

流体処理方法及び流体処理装置

本発明は、流体を処理する方法及び遠心分離機で使用するための流体処理装置(1)に関するものであり、それは、(a)第1のチューブ(18)を保持するために前記第1のチューブ(18)の形状に対して形状適合する第1のホルダー(14)を備え、前記第1のチューブ(18)は第1の断面(A1)を有し、また、それは、(b)第2のチューブ(26)を保持するために前記第2のチューブ(26)の形状に対して形状適合する第2のホルダー(22)を備え、前記第2のチューブ(26)は、前記第1の断面(A1)とは異なる第2の断面(A2)を有する。本発明に係る流体処理装置及び方法によって、所与の流体処理系列についての遠心分離処理工程を簡略化し、それらを自動化することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体処理装置及び流体処理方法に関する。特に、本発明は、核酸、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、ヌクレオチド及び脂質を含むが、これらに限定されない生体分子を調製する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
化学、生物学、医学又は環境保護のような多数の技術分野において、流体を分析し、処理し、互いに反応させる必要に迫られる。この目的で、流体は、他の手順によってろ過され、冷却され、加熱され、分解され、洗浄され、ピペット処理され、又は処置される。流体を調製するために、長い系列の流体処理工程を経由する必要があることが多い。さらに、多くの場合、様々な流体の大きなセットを同一の系列に従って処理する必要があり、又は同一流体のバッチを平行して処理する必要がある。これは、時間がかかり、処理能力を限定し、手順の途中で間違いが起きる傾向がある可能性がある。
【0003】
流体処理は、たとえば、核酸又はタンパク質のような生体分子を抽出する及び/又は精製する分野で使用される。たとえば、生体分子を精製する広く知られた方法は、生体試料の内容物へのアクセスを生じる工程(「溶解」)、生体試料の内容物の成分の固形支持体又は担体材料への選択的結合の工程(「結合」)、固形支持体又は担体材料から望ましくない成分を除去する工程(「洗浄」)及び当該成分を溶出する工程(「溶出」)に基づく。
【0004】
生体分子の精製工程で、選択的な吸着及び脱離を可能にするために、一方では流体がフィルタ要素を通過できるように多孔性又はマトリクス様であり、他方では特異的な又は非特異的な工程で生体分子が結合する表面を有する、たとえば、シリカゲルでできたフィルタ要素が開発されている。他の精製手順では、サイズ排除の原理によって生体分子はフィルタ要素上に単に拘束される。いずれにしても、生体分子、たとえば、核酸を含有する流体がフィルタ要素を通過するのであれば、内容物の一部又は全部がフィルタ要素にとどまる一方で、残りはフィルタ要素を通過する。
【0005】
さらに、フィルタ要素から生体分子を回収するために、溶出流体、たとえば、ヌクレアーゼを含まない水が、生体分子を離脱させるためにフィルタ要素に分配される。このように、当該生体分子はフィルタ要素から溶出されて回収チューブ内に回収される。そのようなフィルタ要素は、入口開口部と出口開口部を有する単一チューブ又はマルチウエルのプレート導入される膜として適用されることが多く、遠心分離機(「回転形式」)又は真空系装置を用いて処理される。膜を有し、遠心分離機で回転することができる入口開口部と出口開口部を持つ単一チューブはまた、カラム、スピンカラム又は単一スピンカラムとしても知られる。
【0006】
一般に、真空系の方法を越える遠心分離系の手順の利点は、高い純度、高い濃度及び可能性の低い交差汚染である。一般に、生体分子の精製についての最良の結果は、質及び濃度に関して、高いg力(>10,000xg)と併せた単一スピンカラムを用いて、最低の交差汚染及び膜からの最大の回収として達成することができる。欠点は、様々な試料を同時に処置する又は処理すべきであれば、誤り傾向を高め、処理時間を増やすスピンカラムの労働集約的な手動の取り扱いである。高い処理能力と同様に高度な標準化及び自動化は、質及び/又は量をほとんど犠牲にしたマルチウエルのプレート形式を使用することによって達成することができる。
【0007】
キアゲンは、たとえば、特許文献1又は特許文献2に記載されているような様々な材料及び装置を用いることによってすべて、全体として結合−洗浄−溶出に基づいた種々の生体試料から様々な生体分子を精製する多種多様なプロトコールを提供している。市販製品である「キアゲンQIAプレップスピンミニプレップキット」は、たとえば、典型的な精製系列を開示し、標準化されたQIAスピンカラム及び遠心分離機用の2mLの回収チューブ、並びに数種の試薬及び緩衝液を提供している。
【0008】
遠心分離工程が関与する流体の自動処理に関する幾つかの出版物がある。特許文献3は、正確で且つ的確な複数量の試料(たとえば、血液血清)及び試薬を遠心分離装置の回転可能な移動ディスクに自動的に移すための分注器装置を記載している。特許文献4は、DNA試料のようなμL単位の液体の分析を自動化するように適用される化学的操作機を記載している。特許文献5は、自動的な遠心分離装置を含む自動化された試料処理システムを記載している。特許文献6は、遠心分離機の所定の回転速度にて複数の作用バケット角を得るための装置を記載している。特許文献7は、複数の試料チューブが支持ホイールにすぐにアクセスできるように位置取りされている血液用に適合させた試料採取システムを記載しており、特許文献8は、DNA調製用の遠心分離系装置を記載し、特許文献9は、遠心分離機を用いた一体型生体分子調製装置を記載している。
【0009】
遠心分離を用いた試料の調製のための装置は幾つか市販されている。「GENTRAオートピュアLS」(ゲントラ)及び「オートゲンフレックス3000」(オートゲン)は、フィルタ要素を用いないで沈殿させた後、たとえば、DNAの単離のための一体化された遠心分離機を伴う自動化システムである。「DNA−スピナー」(パーキンエルマー)、「ジェネシスFE500」(タッカン)及びマイクロラボSTARプラス(ハミルトン)は、マルチウエルプレートを使用するために液体取り扱い機器が自動化された遠心分離機と組み合わせられているさらに開放したシステムの例である。
【0010】
それに対して、たとえば、「バイオロボット3000/8000」(キアゲン)は、真空ろ過を用いて、試料、たとえば、核酸を96穴形式で調製するのに使用することができるが、「フジクイックジーン800」は単一カラムでの低圧ろ過原理に適用される。
【0011】
しかしながら、遠心分離を適用する流体からの生体分子の自動化された調製のための既存の一体化されたシステムはほとんど、特定の手順のみの調製用に設計されている。マルチウエルろ過プレートを用いて高い処理能力で調製するために、自動化された遠心分離機を備えたそのほかの機器設備が最適化される。既存の自動化システムの欠点は、手動の介入なしでスピンカラムに基づいた高品質調製手順を処理することができないことである。
【特許文献1】WO 03/040364
【特許文献2】US 6,277,648
【特許文献3】US 4,344,768
【特許文献4】EP 0 122 772
【特許文献5】US 6,060,022
【特許文献6】GB 535,188
【特許文献7】US 5,166,889
【特許文献8】EP 569 115 A3
【特許文献9】US 539 339
【0012】
[発明の要約]
上述の課題の1つ又は幾つかを克服するために、且つ流体を処理する既知の方法を改善するために、独立クレーム1、8、14、21、27及び35に記載の流体処理装置、独立クレーム74に記載のローター、並びに独立クレーム77及び79に記載の流体処理方法が提供される。
【0013】
本発明のさらなる側面、改善及び変異は、従属クレーム、図面及び説明において開示される。
【0014】
クレーム1、8、14、21、27及び35に記載の流体処理装置によって、及びクレーム77及び79に記載の流体処理方法によって、1つ及び同一の流体処理装置の内部において1以上のチューブ(たとえば、スピンカラム、回収チューブなど)を含む広範な様々な調製手順を実施することができる。特に、低速〜中速の処理能力の要求のために、好ましくはいかなる手動の介入もなしで定評のある手順及び証明されたスピンカラムに基づく化学反応を用いて、流体からの種々の生体分子の完全に自動化され、且つ標準化された調製を提供することができる。たとえば、フィルタ要素を用いた生体分子の自動化調製に流体処理装置を用いることができる。さらに、単一の流体処理装置における生体分子の抽出及び精製の手順のために、結合−洗浄−溶出の工程又は溶解−結合−洗浄−溶出の工程の自動化された手順にそれを使用することができる。これによって、処理された試料と流体処理装置との間の1対1の対応を可能になる。従って、試料の交差汚染及び誤配分のリスクをできるだけ抑えることができる。
【0015】
さらに、使い捨ての装置として使用される流体処理装置によって自動処理を実行することができる。さらに、第1のホルダーと第2のホルダーを有する流体処理装置によって、交差汚染及びチューブの取り違えの可能性をできるだけ抑えることができるように、チューブ(たとえば、スピンカラム及び回収チューブ)を各位置に独自に割り当てることができる。同時に、本発明に係る流体処理装置は、多種多様な調製手順のための作業台を提供する。さらに、マルチウエル形式に類似する高い標準化に到達するために、複数の個々のチューブ又はスピンカラムを平行して自動的に取り扱うことにそれを使用することができる。さらに、低速〜中速の処理能力の要求のために定評のある手順及び証明されたスピンカラムに基づく化学反応を用いて、流体からの種々の生体分子の自動化され、且つ標準化された調製のために装置及び方法を提供することができる。
【0016】
本発明の第1の側面によれば、第1の断面を有する第1のチューブを保持するための第1のホルダー及び別の第2の断面を有する第2のチューブを保持するための第2のホルダーを有する流体処理装置が提供される。これが、一度に異なった流体処理工程を実施するために一度に異なった種類のチューブを遠心分離することによって処理能力を高めるのに役立ってもよい。たとえば、第1のチューブが遠心分離の間に流体をろ過するフィルタチューブであり、第2のチューブが遠心分離の間に流体を保持する回収チューブであれば、異なった流体のろ過及びペレット化がたった1回の遠心分離工程で実施されてもよい。
【0017】
さらに、第1のチューブを第2のチューブに挿入することができるように第1のチューブと第2のチューブが互いに幾何学的に適合するのであれば、第1のホルダーから直接第1のチューブを第2のホルダーに移すことによって、遠心分離機での2つの異なった処理工程を連続して実施することができるように流体処理装置を調製することができる。各処理工程の前に、遠心分離機の外側でチューブを調製し、遠心分離機に戻す必要がある場合に比べて、これによって時間が節約され、間違い傾向が低減され、交差汚染のリスクが排除される。たとえば、流体のろ過に使用される第1のチューブと共に第1のホルダーを提供し、且つ流体の回収に使用される第2のチューブと共に第2のホルダーを提供することにより、第1のホルダーから第1のチューブを、第2のホルダーによって保持される第2のチューブに単に移すことによって流体のろ過から流体の回収への変更を実施することができる。
【0018】
特に、生体分子を結合するためのフィルタ要素を有する第1のチューブと共に、第1のチューブを保持するのに第1のホルダーを使用して結合及び1又は数回の洗浄工程を行うことができる一方で、第1のホルダーから第1のチューブを、第2のチューブを保持する第2のホルダーに移すことによって、第1のチューブから溶出される精製された生体分子を回収するための第2のチューブを保持するのに第2のホルダーを使用することができる。このように、本発明に係る流体処理装置によって、第1のチューブを回収チューブに挿入するために第1のチューブを遠心分離機から出し入れする必要に迫られることなく、遠心分離機の内部で連続して、結合、複数回の洗浄及び溶出の工程を実施することができる。従って、遠心分離機から遠心分離機への移動工程の間にてフィルタチューブの出口での液滴の飛跳ねによる交差汚染のリスクを排除することができる。
【0019】
好ましくは、流体処理装置は、流体を保持するための第1の容器容量を有する第1の容器を備え、それによって好ましくは、第1のチューブを貫流する流体が第1の容器内に流れ込むように第1に容器に関連して第1のホルダーが配置される。第1の容器によって、第1のチューブを通過した可能性がある流体を回収して、たとえば、遠心分離機内での隣接するチューブの試料との交差汚染を低減することができる。特に、十分に大きな第1の容器容量によって、結合工程及び洗浄工程に由来する大量の廃棄流体を第1の容器に廃棄することができる。これによって、追加の時間がかかる廃棄物処分工程が節約され、遠心分離機から取り外す及びそれに再搭載するための取り外す及び再搭載する工程の数が低減される。さらに、大きな第1の容器容量が一般に望まれる一方で、流体処理装置の全体としての寸法が小型遠心分離機でも使用可能なほど十分に小さくなるように第1のホルダーに関連して第1の容器を配置することが一般に好まれる。方法のどの工程においても第1のホルダーによって保持される第1のチューブが第1の容器における流体に接触しないような方法で、第1の容器に関連して第1のホルダーが配置されることがさらに好まれる。
【0020】
さらに、本発明の側面の1つによれば、第1のホルダーは第1のチューブの形状に対して形状適合し、第2のホルダーは第2のチューブの形状に対して形状適合して、流体処理装置の遠心分離の間、第2のチューブに関連して第1のチューブの安全な保持を提供する。
【0021】
本発明のさらなる側面によれば、第1の容器は、第2の位置にて第2のホルダーによって保持される第1のチューブを貫流する流体が流れ込む第2の容器容量とは異なる第1の容器容量を有する。このように、結合及び洗浄の工程の間に第1のチューブを貫流する大量の流体を回収するための大きな第1の容器容量を提供することができる一方で、溶出の間に精製された生体分子を回収するために小さな第2の容器容量のみを使用する。所与の処理系列の実際の要求に合わせた容器容量を有することによって、遠心力を作用させる必要がある機器の大き過ぎる大きさを回避することができ、言い換えれば、さらに小型の、さらに安価な遠心分離機の使用を促進する。
【0022】
本発明のさらなる側面によれば、第1のチューブの第1の断面よりも少なくとも10パーセント大きい容器断面を持つ容器容量を有する第1の容器が提供される。好ましくは、第1のホルダーによって保持される場合、第1のチューブの第1の断面に平行な平面に容器断面は取り込まれる。第1の断面に比べて大きな容器断面を提供することによって、結合及び洗浄の工程に由来する流体を回収するための容器容量を大きくしてもよい。
【0023】
本発明のさらなる側面によれば、第1の容器容量を規定するための内側表面を有する第1の容器が提供され、それによって内側表面は第2のホルダーに隣接する。第2のホルダーまで伸長する第1の容器の内側表面を有することが、結合及び洗浄の工程に由来する流体を回収するための第1の容器容量を最大化するのに役立つ。第1の容器の内側表面を第2のホルダーに隣接させることによって、たとえば、遠心力に対する流体処理装置の追加の安定性を提供することができる。
【0024】
第1のチューブを保持するための第1の止め具を有し、それによって第1の止め具平面を規定するホルダーを提供し、第2のチューブを保持するための第2の止め具を有し、それによって第2の止め具平面を規定する第2のホルダーを提供し、それによって第2の止め具平面が第1の止め具平面と異なることが、本発明のさらなる側面である。このように、それぞれのチューブの軸に対する投影に沿って測定するとき、第2のチューブの高さとは異なる高さで第1のチューブを保持することができる。異なった高さで第1のチューブと第2のチューブを保持することは、ホルダーが互いに関して密接に位置取りされているのであれば、チューブに対するより簡単なアクセスを促進する。それはさらに2つの保持位置の間で差異を見分ける機会を提供する。遠心分離の間、第1のホルダーに関連して規定された位置にて第1のチューブの第1のキャップを保持するための少なくとも1つの第1のキャップ固定手段を提供することは本発明のさらなる側面である。好ましくは、遠心分離の間、第1のチューブの入口開口部を開放したままにし、それをピペッティング手段にアクセスし易くする位置にて第1のキャップが保持されるように第1のキャップ固定手段は配置される。このように、遠心分離の間、第1のチューブの第1のキャップを緩めることによって生じる損傷について心配する必要に迫られることなく、開放した入口開口部と共に第1のチューブに遠心力を作用させることができる。遠心分離の間、第1のチューブの開放した入口開口部の利点は、遠心分離の後、入口開口部からキャップを外す必要に迫られることなく、たとえば、洗浄流体のような流体をチューブに分配することができる。
【0025】
本発明のさらなる側面は、遠心分離機内の第1の保持位置から直接、第1のチューブを、遠心分離機内の第2の保持位置に自動的に移す工程を含む方法である。直接的な移動を用いて、生体分子を精製するのに必要な工程を減らすことができる。それによってさらに、遠心分離機外での手動によるチューブの移動の間での試料チューブの取り違え又は配分ミスが原因で生じる間違いが排除される。
【0026】
本発明のさらなる側面は、少なくとも1つの流体処理装置の1つの前記ホルダーから第1のチューブを前記少なくとも1つの流体処理装置の1つの第2のホルダーに移す工程を含む方法である。このように、遠心分離機に搭載する及びそれから取り外す必要に迫られることなく、生体分子の結合、洗浄及び溶出を実施することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
遠心分離機を使用する流体の処理方法を改善することは本発明の側面の1つである。その目的で、本発明は、遠心分離機で使用するための流体処理装置を提供する。流体は、液体であるいかなるものであってもよく、当該液体が高い若しくは低い粘度を有するかどうか、又は該液体内で移動する粒子若しくは固形要素を含有するかどうかは無関係である。本発明に係る流体処理装置は、たとえば、流体をろ過すること、流体の特定の要素を特定の材料に吸着すること、特定の材料から特定の要素を脱離すること、流体から成分を分離すること、操作された流体を回収すること、又は廃棄流体を捨てることのような処理によって流体を操作する又は処置するのに使用されてもよい。好ましくは、本発明に係る流体処理装置は、核酸、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、ヌクレオチド及び脂質のような生体分子を精製するのに使用される。
【0028】
遠心分離機で使用可能であるためには、流体処理装置は遠心分離機のローターに接続可能であることがさらに好ましい。遠心分離機にローターを回転させることによって、遠心力を流体処理装置に適用することができる。好ましくは、ローターへの接続は、流体処理装置の一部であってもよく、そうでなくてもよい接続手段によって実現される。接続手段が流体処理装置の一部ではないのであれば、接続手段は、流体処理装置を取り外し可能に保持するための保持構造を有することが好ましい。この場合、及び流体処理装置が第1の容器を含むのであれば、第1の容器と一体化して接続される要素は、以下で第1の容器を備える構造と称されるユニットを形成する。
【0029】
流体処理装置を取り外し可能に保持するための保持構造は、当該技術で既知の異なった方法で実現されてもよい。たとえば、遠心分離の最中であっても安全に流体処理装置を支え、運ぶことができるように保持構造は、流体処理装置の外形に形状適合してもよい。流体処理装置を保持するための保持構造のためのそのほかの方法は、締め付け、緩み止め固定などであってもよい。
【0030】
接続手段が流体処理装置の一部であるかどうかに関係なく、接続手段が流体処理装置のローターへの取り外し可能な接続を円滑にすることが好ましい。このように、遠心分離工程を実施するために流体処理装置をローターに接続し、その後、遠心分離機から流体処理装置を取り外して遠心分離機の外側で流体によるさらなる工程を行うことができる。特に、ローターに取り外し可能に接続可能な流体処理装置を有することによって、流体処理装置を使い捨てとして使用してもよい。使い捨ての流体処理装置を有することは、再使用が原因で生じる試料の汚染を減らし、処理の安全性及び操作者の安全性を高めるのに役立つ。さらに、次の処理系列に必要とされる流体処理装置の搭載を進行中の処理系列の最中に、遠心分離機の外側で行うことができるので、それが時間を節約してもよい。
【0031】
複数の流体処理装置を一度にローターに接続することができるように流体処理装置はローターに比べて小さいことがさらに好ましい。このように、複数の流体試料を遠心分離工程の中で一度に遠心分離し、処理能力を高めることができる。また、流体処理装置が、使い捨て、たとえば、1回使用の物品として使用されるのであれば、流体処理装置を小さく保つことがコストを節約してもよい。
【0032】
本発明の側面の1つによれば、流体処理装置は、第1のチューブを保持するための第1のホルダー及び第2のチューブを保持するための第2のホルダーを含む。好ましくは、第1のホルダーは、好ましくは停止時及び遠心分離中に、第2のホルダーに関連した第1の保持位置にて第1のチューブを保持することが可能である。同様に、第2のホルダーは、好ましくは停止時及び遠心分離中に、第1のホルダーに関連した第2の保持位置にて第2のチューブを保持することが可能であることが好ましい。従って、第1のホルダーと第2のホルダーは互いに堅く接続されることが好ましい。さらに、第1のホルダーと第2のホルダーの少なくとも一方が、遠心分離中の変形によりよく耐えるために一塊で作製されることが好ましい。第1のホルダーと第2のホルダーは、それらがそれぞれ第1のチューブと第2のチューブを保持するならば、2つのチューブが平行して並ぶように、互いに関して配置されることがさらに好ましい。このように、流体をそれぞれのチューブに分配すること、又は第1のチューブと第2のチューブをそれぞれ第1のホルダーと第2のホルダーに入れることはさらに容易である。
【0033】
第1のホルダーと第2のホルダーの少なくとも一方が機械的手段によってそれぞれ第1のチューブと第2のチューブを保持することが一般に好ましい。好ましくは、第1のホルダーと第2のホルダーの少なくとも一方がそれぞれ第1のチューブと第2のチューブを保持するためにそれぞれ第1のチューブと第2のチューブの形状に対して形状適合する。たとえば、第1のチューブが円筒形状及び同軸のエリのような形状の縁(第1のエリ)を有するならば、第1のホルダーは、第1のチューブの外面に形状適合する円筒形状の内面を有することが好ましい。このように、第1のチューブを第1のホルダーに滑り込ませることができ、その場合、第1のチューブの保持位置は、滑り方向に直交する平面内に規定される。さらに好ましくは、第1のホルダーと第2のホルダーは、流体処理装置が操作されてもよいあらゆる振り子角αにて規定された位置で遠心分離の間、それらがチューブを保持するのに十分に剛性である。
【0034】
さらに、第1のホルダーは、たとえば、止め具と第1のチューブの第1のエリとの吻合によって、第1のチューブの第1のホルダーへの滑り込みを止める第1の止め具を提供することが好ましい。このように、第1のチューブの第1の保持位置は、滑り方向にて規定される。さらに一方向でのみ滑りを止める第1の止め具によって、第1のチューブは第1のホルダーに取り外し可能に接続され、すなわち、第1のチューブを必要に応じていつでも第1のホルダーから滑り出すことができる。止め具及び第1のホルダーの円筒形状の内面によって、遠心力が滑り方向を向く成分を有するという条件で、第1のチューブの第1の保持位置を遠心分離の間の維持することができる。
【0035】
同様に、第2のチューブが円筒形状及び同軸のエリのような形状の縁を有するならば、第2のホルダーは、第2のチューブの外面に形状適合する円筒形状の内面を有することが好ましい。このように、第2のチューブを第2のホルダーに滑り込ませることができ、その場合、第2のチューブの保持位置は、滑り方向に直交する平面内に規定される。
【0036】
さらに、第2のホルダーは、たとえば、止め具と第2のチューブの同軸のエリのような形状の縁(第2のエリ)との吻合によって、第2のチューブの滑り込みを止める第2の止め具を提供することが好ましい。このように、第2のチューブの第2の保持位置は、滑り方向内で規定される。さらに、一方向でのみ滑りを止める第2の止め具によって、第2のチューブは第2のホルダーに取り外し可能に接続され、すなわち、第2のチューブを必要に応じていつでも第2のホルダーから再び容易に滑り出すことができる。止め具及び第2のホルダーの円筒形状の内面によって、第2のチューブの第2の保持位置は、遠心力及び/又は重力が滑り方向を向く成分を有する限り維持することができる。
【0037】
用語「第1のチューブ」及び「第2のチューブ」の使用は、広い意味で理解されるべきである。チューブは、入口開口部を介して流体を分配することができるいかなる容器であることもできる。好ましくは、第1のチューブと第2のチューブは、それぞれ第1の軸と第2の軸に関して回転対称である。たとえば、チューブは、一方の端に入口開口部を有する円筒形状、一方の端に入口開口部を有する円錐形状、又はその組み合わせを有してもよい。さらに、円筒形状又は円錐形状は、円形、楕円形、四角形、長方形又はその組み合わせであるそれぞれ第1の軸又は第2の軸に直交する断面を有してもよい。好ましくは、第1のチューブの第1の断面は、第1のチューブが第1のホルダーによって保持される第1のチューブの位置にて規定される。同様に、第2のチューブの第2の断面は、第2のチューブが第2のホルダーによって保持される第2のチューブの位置にて規定されることが好ましい。
【0038】
好ましくは、第2のチューブの入口開口部を介して第2のチューブに第1のチューブを滑り込ませることができるように、第1のチューブの第1の断面と第2のチューブの第2の断面を互いに適合させる。第1のチューブの外面が第2のチューブの内面に対して形状適合することがさらに好ましい。このように、遠心分離の間、第1のチューブを保持するためのホルダーとして第2のチューブを使用することができる。ましてやさらに、第2のチューブを保持する第2のホルダー及び第1のチューブを保持する第2のチューブによって、遠心分離の間、第1のチューブを保持するのに流体処理装置の第2のホルダーを使用することができる。この場合、第1のホルダーの第1の円筒形状の内面の断面は、第2のホルダーの第2の円筒形状の内面の断面よりも60%以下、好ましくは50%以下、一層さらに好ましくは40%以下小さいことが好ましい。他方、この場合、第1のホルダーの第1の円筒形状の内面の断面は、第2の円筒形状の内面の断面よりも10%を超えて、好ましくは20%を超えて、一層さらに好ましくは30%を超えて小さいことが好ましい。好ましくは、第1のチューブの断面は、10mm2より大きい、好ましくは40mm2より大きい、たぶん80mm2より大きい面積を有する。他方、第1のチューブの断面は、1000mm2より小さい、好ましくは100mm2より小さい、たぶん60mm2より小さい面積を有することが好ましい。
【0039】
本発明の好ましい実施態様では、第1のチューブは入口開口部と出口開口部を有する。これらのチューブはまた、カラム又はスピンカラムとしても知られる。さらに、好ましくは、第1のチューブは、出口開口部から入口開口部を分離するフィルタ要素を有する。好ましくは、フィルタ要素は、核酸のような生体分子を選択的に結合する膜としても作用する。このように、第1のチューブを結合工程に使用することができ、その際、生体分子を含有する流体を第1のチューブの入口開口部に分配し、通過させることによって、生体分子は選択的にフィルタ要素に結合される。
【0040】
他方、第2のチューブは流体を回収するのに使用されることが好ましい(回収チューブ)。この場合、第2のチューブは入口開口部を有するが、出口開口部を有さないことが好ましい。この場合、第1のチューブのフィルタ要素から溶出された精製された生体分子を含む溶出流体を回収することによって、第2のチューブを溶出工程に使用することができる。
【0041】
本発明の好ましい実施態様では、流体処理装置は流体を保持するための第1の容器容量を有する第1の容器を含む。好ましくは、第1の容器は第1のホルダーと堅く接続される。好ましくは、第1のホルダーによって保持される第1のチューブを貫流する流体が第1の容器に流れ込むように第1のホルダーに関連して第1の容器が配置される。好ましくは、重力又は遠心力によって排出させるので、流体は第1のチューブを貫流する。このように、第1のチューブを貫流した流体を第1の容器に回収することによって(洗浄工程の間の廃棄流体)、遠心分離の間での隣接するチューブとの交差汚染を排除することができる。さらに、十分に大きな第1の容器容量によって、回収された流体を捨てるために遠心分離に介入する必要に迫られることなく、結合及び洗浄を実施することができる。これは、時間のかかる遠心分離機からの取り外し及びそれへの搭載の工程を低減するのに役立ち、これによって洗浄工程の数を増やす又は溶解物容量を増やすことが可能になる。好ましくは、第1の容器容量は1mLより大きく、好ましくは10mLより大きく、たぶん50mLより大きい。他方、第1の容器容量は、100mLより小さく、好ましくは50mLより小さく、多分10mLより小さい。好ましくは、容器容量は、遠心分離の間に第1の容器が保持することができる流体の量によって規定される。他方、実際に処理に使用される第1の容器容量、すなわち、第1の容器の正味の容量は、好ましくは第1の容器容量よりも、第1の容器容量の少なくとも25%、好ましくは少なくとも50%、一層されに好ましくは少なくとも75%小さい。これは、第1の容器内に保持される流体によるチューブの汚染及び遠心分離中の流体のこぼれを防ぐために、第1のチューブ及び/又は第2のチューブの入口開口部が、処理中に第1の容器内に保持された流体(たとえば、廃棄流体)に接触するのを回避するためである。
【0042】
好ましくは、第1の容器に流れ込んだ流体を捨てるために介入することなく結合及び洗浄の工程を可能にするために第1の容器容量は、第2のチューブの容量よりも大きい。その目的で、第1の容器の内側表面が第2のホルダーに隣接するように第1の容器を設計することが好ましい。このように、第1の容器容量は、流体処理装置の所与の大きさにて最大化することができる。さらに、第1の容器容量を最大化するために、流体処理装置の重量と第1の容器の容量の比が、10g/cm3より小さく、好ましくは5g/cm3より小さく、一層されに好ましくは1g/cm3より小さいことが好ましい。好ましい実施態様では、流体処理装置は7.23gの重量があり、約11cm3の容器容量を有するので、0.66g/cm3の比が結果として得られる。
【0043】
以下の図面は、本発明の幾つかの側面を説明するために本発明に係る実施態様の一部を模式的に開示する。しかしながら、図面及び説明の詳細及び特徴は、本発明の範囲を限定するとして理解されるべきではない。たとえば、明確にする目的で、特定の一連のチューブと関連して実施態様が開示される一方で、本発明は、この特定の一連のチューブの使用に限定されることはない。また、図中の流体処理装置の要素(たとえば、第1のホルダー、第2のホルダー、第1の容器、第2の容器など)が太線によって関連付けられるが、これは単に、固定的な接続を指すように模式的に理解されるべきである。しかしながら、本出願及びそのほかの状況によって、当業者は図面から遠心分離機で使用するために流体処理装置を接続することができる多数の様々な配置及び形状があることを理解する。
【0044】
図1A〜1Eは、本発明に従って生体分子を精製するために使用することができるチューブセットの第1の例を開示する。チューブセットは、図1A〜1Bに示されるような第1のチューブ18及び図1C〜Dで示されるような第2のチューブ26から成る。第1のチューブ18は、第1の軸11に関して回転対称であり、第1の軸11に対して直交する方向において円形の第1の断面A1(図1Bを参照のこと)を有する。第1のチューブ18はさらに、第1の入口開口部54、第1の出口開口部52、入口開口部54に分配された流体が第1の出口開口部52に到達するために貫流するフィルタ要素19、エリ様形状の縁(第1のエリ)56、及び任意で自由にエリ56に接続される第1のキャップ40を有する。チューブ内容物の汚染を回避するために第1のキャップ40を用いて入口開口部54を閉鎖することができる。図1A〜1Eのチューブセットの場合、フィルタ要素19は、生体分子を含有する流体が入口開口部54に分配される場合、たとえば、核酸のような生体分子をフィルタに結合するためのマトリクス材である。
【0045】
図1C〜1Dの第2のチューブ26は、第2の軸27に関して回転対称である。第2のチューブ26はさらに、第2の軸27に対して直交する円形の第2の断面A2(図1Dを参照のこと)、第2の入口開口部58を有するが、出口開口部は有さない(閉鎖チューブ)。さらに、第2のチューブ26は、エリ様形状の縁(第2のエリ)59、及び任意で、第2のエリ59に自由に接続される第2のキャップ41を有する。チューブ内容物の汚染を回避するために第2のキャップ41を用いて入口開口部を閉鎖する。第2のチューブ26の第2の断面A2は、第1のチューブ18の第1のエリ56が第2のチューブ26の第2のエリ59に当たる(図1Eを参照のこと)まで第1のチューブ18を第2のチューブ26に滑り込ませるように大きさを決める。このように、遠心分離の間、第1のチューブ18を保持するためのホルダーと同様に、第1のチューブ18の入口開口部54に分配された流体を受け取るための回収チューブ又は容器として第2のチューブ26を使用することができる。
【0046】
図1A〜1Eに示されるようなチューブは、適用に応じて様々な大きさ及びフィルタ材で市販されている。たとえば、出願者のQIAプレップスピンミニプレップ(商標)は、8.8mmの断面A1及び30mmの長さを有するスピンカラム(第1のチューブ)、並びに10.5mmの断面A2及び約2mLの回収容量を有する回収チューブ(第2のチューブ)を提供している。
【0047】
図2A〜2Eは、本発明に係る第1の流体処理装置を模式的に開示する。図2Aは、図1A及び1Cで示されたような種類の第1のチューブ18及び第2のチューブ26を保持する流体処理装置1の軸C1−C1’に沿った断面側面図を示す。図2Bは、図2Aの側面に対して直交する方向での軸C1−C1’に沿った相当する断面を示す。流体処理装置1は、互いに堅く接続された、第1の保持位置16における第1のホルダー14と第2の保持位置24における第2のホルダー22によって構成される。さらに、前述のように、流体処理装置1は、さらに詳細が後述されるような方法で接続手段(示さず)によって遠心分離機のローターに接続することができる。
【0048】
図2A及び図2Bから理解できるように、第1のホルダー14は、第2のホルダー22に関連して規定された第1の保持位置16にて第1のチューブ18を保持するように、第1のチューブ18の部分の形状に対して形状適合する内面を有する円筒形状の環−要素を備える。第1のホルダー14の環−要素はさらに、図2A〜2Eで第1のホルダーの環−要素の上縁に相当する第1の止め具60を提供する。このように、第1のチューブ18は、第1のチューブ18の第1のエリ56が環−要素に当たるまで環−要素に滑り込ませることができる。このように、重力又は遠心力が滑り方向、すなわち、図2Aにおける下向きの成分を有する限り、第1のチューブ18は第1のホルダー14によって保持される。さらに、環−要素から第1のチューブ18を滑り出させることによって第1のチューブ18は第1のホルダー14から容易に取り外すことができる。円筒形状の環−要素は、流体処理装置が操作されてもよいあらゆる振り子角αにて規定された位置で遠心分離の間、それらがチューブを保持するのに十分に成形され、十分に剛性であることが自己認識される。
【0049】
同様に、第2のホルダー22は、第1のホルダー14に関連して規定された第2の保持位置24にて第2のチューブ26を保持するように、第2のチューブ26の部分の形状に対して形状適合する内面を有する円筒形状の環−要素を備える。第2のホルダー22の環−要素はさらに、図2A〜2Eで第2のホルダーの環−要素の上縁に相当する第2の止め具62を提供する。このように、第2のチューブ26は、第2のチューブ26の第2のエリ59が環−要素に当たるまで環−要素に滑り込ませることができる。このように、重力又は遠心力が滑り方向の成分を有する限り、第2のチューブ26は第2のホルダー22によって保持される。さらに、環−要素から第2のチューブ26を滑り出させることによって第2のチューブ26は第2のホルダー22から容易に取り外すことができる。
【0050】
さらに、第1のホルダー14と第2のホルダー22は互いに堅く接続して、遠心力を作用させる際、十分な剛性を提供する。さらに、第1のホルダー14と第2のホルダー22は、それらが2つのチューブ18、26を平行に保持するように互いに関して配向される。互いに関して第1のチューブと第2のチューブを平行に配向させることによって各チューブへの流体の分配及び第1のチューブから第2のチューブへの自動的な移動を簡略化する。
【0051】
図2Cは、第1及び第2のチューブを取り外した図2Aの流体処理装置の側面図を説明する。本出願のほかの流体処理装置についてと同様に、図2Cの流体処理装置は、高分子材料から圧縮成形され、好ましくは、剛性を改善し、重量及びコストを低減するために一塊から作製されることが好ましい。
【0052】
図2D〜2Eは、第1の保持位置16から第2の保持位置24への第1のチューブ18の直接移動30(第1のチューブの移動)を説明する。直接移動30及び第2の保持位置24での定位置における第2のチューブ26によって、(a)第1のチューブ18を第2のチューブに入れるために第1のチューブ18を遠心分離機から取り出す工程及び(b)第1のチューブ18と一緒に第2のチューブ26を遠心分離機に戻す工程を経ることなく、第1の保持位置16にて第1のチューブ18と共に行われる結合及び洗浄の工程に、第2の保持位置24での溶出の工程が続くことができる。むしろ、図2A〜2Eの流体処理装置によって、3つの第1のチューブの動き:(a)第1のホルダー14からの第1のチューブ18の滑り出し、すなわち、第1のチューブ18の軸方向での動き(z−方向);(b)第1の保持位置16から第2の保持位置24への第1のチューブ18の動き、すなわち、側面から軸方向への動き(x−方向);及び(c)第1のチューブ18の第2のチューブ26への滑り込み、すなわち、第1のチューブ18の軸方向での動き(マイナスz−方向)を適用することによる結合及び洗浄の工程に溶出工程を続けることができる。従って、第1のチューブ18の直接移動は、たった2つの軸の動き、z−方向における一方及びマイナスz−方向における他方を含む。第1のチューブ18が第2のチューブ26に挿入されその位置で保持される方法は、図1A〜1Eにおいて以前記載されている。
【0053】
さらに、第2のチューブ26に入れられた第1のチューブ18と共に、第1のチューブ18の入口開口部に溶出流体を分配し、さらに遠心分離工程を実施することによって溶出を実施することができる。第1のチューブの出口開口部52に向かった軸方向での遠心力を発揮する遠心分離機によって、溶出流体はフィルタ要素19を通過し、核酸のような結合された生体分子をフィルタ要素19から脱離させ、第1のチューブ18を離れ、この場合、第2の容器64又は回収チューブとして作用する第2のチューブ26によって受け取られる。このように、精製された生体分子は、さらなる処理のために第2のチューブ26(すなわち、第2の容器64)に回収される。第2のチューブ26は流体処理装置1から取り外すことができ、好ましくは第2のチューブは標準の試験管なので、溶出物のさらなる処理に使用されてもよいそのほかの実験装置との第2のチューブの適合性のゆえに、溶出物のさらなる処理はさらに簡単であることに留意すること。
【0054】
図3A〜3Eは、本発明に係る第2の流体処理装置を開示する。図3Aは、図1A及び1Cで示されたような種類の第1のチューブ18及び第2のチューブ26を保持する流体処理装置1の軸C1−C1’に沿った断面側面図を示す。図3Bは、図3Aの側面に対して直交する方向での軸C1−C1’に沿った相当する断面を示す。図3A〜3Eの流体処理装置1は、図3A〜3Eの流体処理装置1が第1のホルダー14及び第2のホルダー22に堅く接続された第1の容器10を有することを除いて、図2A〜2Eに示されるものと同一である。第1の容器10は、第1のホルダー14によって保持される第1のチューブ18を貫流する流体が第1の容器10に流れ込むように、第1のホルダー14に関して位置取りされる。このように、結合及び洗浄の工程のために第1の保持位置16にて第1のチューブ18に分配され、フィルタ要素19を通過した流体(たとえば、溶解物又は洗浄緩衝液)を廃棄物として、第1の容器10の第1の容器容量12内に回収することができる。従って、第1の容器10は、廃棄物容器とみなされてもよい。第1の容器10を十分に大きく設計することによって、廃棄物を捨てるためにこれらの処理に介入する必要に迫られることなく、結合及び洗浄を実施することができる。廃棄物を捨てることは、時間のかかる遠心分離機からの取り外し及びそれへの再搭載を含蓄する。さらに、十分に大きな廃棄物容器10によって、時間のかかる廃棄物処分工程を経る必要に迫られることなく、追加の洗浄工程などが可能になる。
【0055】
第1の容器10は好ましくは、第1のホルダー14及び第2のホルダー22に堅く接続されて、高い遠心力に耐えるのに十分剛性である、第1の容器を備える構造103を形成する。第1の容器10、第1のホルダー14及び第2のホルダー22は、安定性及び製造理由から一塊で製造されることが必要ではないが、好ましい。さらに、第1の容器10は、第1のホルダー14によって提供される開口部を除いて密閉された閉鎖容器である。これによって、特に安定な構造を提供し、漏出する廃棄流体から周囲を保護する。しかしながら、分かっていることではあるが、ほとんどの処理について密閉した閉鎖容器を有する必要はない。さらに、一塊で流体処理装置を製造することは、第1の容器が上の領域で開放しているなら安価である。その上、対照目的で廃棄流体へのアクセスを有することが必要であってもよい。
【0056】
図3D〜3Eは、図2D〜2Eと同様に、第1の保持位置16から第2の保持位置24への第1のチューブ18の直接的な第1のチューブの移動30を説明する。再び、図3A〜3Eの流体処理装置によって、3つの第1のチューブの動き:(a)第1のホルダー14からの第1のチューブ18の滑り出し;(b)第1の保持位置16から第2の保持位置24への第1のチューブ18の動き;及び(c)第1のチューブ18の第2のチューブ26への滑り込みによる直接移動30を適用することにより結合及び洗浄の工程に溶出工程を続けることができる。しかしながら、図2A〜2Eとは異なった、ろ過された流体(溶解物又は廃棄流体)、すなわち、そのフィルタ要素19を通って第1のチューブ18を離れた廃棄流体を受け取ることができる第1の容器10がある。このように、他のチューブ又は流体を汚染しないような方法で廃棄流体を捨てることができる。さらに、第1のチューブを遠心分離機から取り外す又はそれに再搭載する必要に迫られることなく捨てることができる。
【0057】
図4A〜4Eは、本発明に係る第3の流体処理装置を開示する。図4Aは、図1A及び1Cで示されたような種類の第1のチューブ18及び第2のチューブ26を保持する流体処理装置1の軸C1−C1’に沿った断面側面図を示す。図4Bは、図4Aの側面に対して直交する方向での軸C1−C1’に沿った相当する断面を示す。図4A〜4Eの流体処理装置1は、第1のホルダー14によって保持される場合第1のチューブ18の第1の軸11に対して直交する投影において第2のホルダー22に重複するまで第1の容器10が広がるという差異はあるが、図3A〜3Eで示されるのと同様である。このように、第1の容器10の内側表面10aは第2のホルダー22に隣接する。設計は第1の容器容量12を有意に増大させるのに役立って容器の高さを増やす必要に迫られることなくさらに多量の廃棄物を可能にする。第1の容器の高さを大きくするということはさらに大きな遠心分離機の使用を必要とする。さらに、第2のホルダー22までの第1の容器10の示された広がりによって、第2のホルダー22はさらに堅く第1のホルダー14と接続され遠心分離の間、流体処理装置1の変形をできるだけ抑える。
【0058】
図4A〜4Eの流体処理装置1は、第2のホルダー22が、第2の断面A2を有する第2のチューブ26を保持する代わりに第1の断面A1を有する第1のチューブ18に対して形状適合する点で、図2A〜2E及び図3A〜3Eの実施態様とはさらに異なる。このように、第1のホルダー14及び第2のホルダー22の1つの円筒形状の内面は、同一の軸断面を有する。さらに、前の設計とは異なって、第2のホルダー22は、第1の容器10に伸長して第2の容器容量65を有する第2の容器64を形成する。このように、結合、洗浄及び溶出の工程を実施するためには、精製された生体分子を第2の容器64に溶出することができるので、第2のチューブ26を必要としない。しかしながら、この場合、第2の容器64は、第1のホルダー22及び第1の容器10と堅く接続されているので、精製された生体分子のさらなる処理には、流体処理装置1を遠心分離機から取り出さざるを得ない。その上、精製された生体分子の保存が望ましいのであれば、この実施態様は好適ではない。
【0059】
図4Cは第1のチューブを取り外した図4Aの流体処理装置1の側面図を説明する。再び、好ましくは、図4Cに示されるような流体処理装置1は、装置の剛性を改善し、コストを軽減するために一塊(第1の容器を備える構造103)から作製される。さらに、図4D〜4Eは、図3D〜3Eと同様に、第1の保持位置16から第2の保持位置24への第1のチューブ18の直接移動30(第1のチューブの移動)を説明する。
【0060】
図5A〜5Eは、本発明に係る第4の流体処理装置を開示する。図5Aは、図1A及び1Cで示されたような種類の第1のチューブ18及び第2のチューブ26を保持する流体処理装置1の軸C1−C1’に沿った断面側面図を示す。図5Bは、図5Aの側面に対して直交する方向での軸C1−C1’に沿った相当する断面を示す。図5A〜5Eの流体処理装置1は、第2のホルダー22が第2の容器を形成するように伸長していないという差異はあるが、図4A〜4Eで示されるのと同様である。代わりに、溶出のための第2の容器64を提供するために、第2のチューブ26を第2のホルダーに挿入する必要がある。従って、結合及び洗浄の工程から溶出の工程に進めるために、図1Eで開示されたように、第1のチューブ18を第1のホルダー14から第2のホルダー22に移し、第2のチューブ26に滑り込ませなければならない。この場合、第2のチューブ26は第1のチューブ18を保持すると同時に第1のチューブ18を貫通する溶出流体を保持するための第2の容器として役立つ。さらに、第2のチューブ26は流体処理装置1から取り外すことができるので、流体処理装置1を遠心分離機から取り外すことなく、さらなる処理又は保存の目的で、溶出された生体分子を伴う溶出流体を流体処理装置1から取り外すことができる。
【0061】
図5Cは、第1のチューブ18及び第2のチューブ26を取り外した図5Aの流体処理装置1の側面図を説明する。再び、好ましくは、図5Cに示されるような流体処理装置1は、装置の剛性を改善し、コストを軽減するために一塊(第1の容器を備える構造103)から作製される。さらに、図5D〜5Eは、図4D〜4Eと同様に、第1の保持位置16から第2の保持位置24への第1のチューブ18の直接移動30(第1のチューブの移動)を説明する。
【0062】
図6A〜6Eは、本発明に係る第5の流体処理装置を開示する。図6Aは、第1の保持位置16にて第1のチューブ18を及び第2の保持位置24にて第2のチューブ26を保持する流体処理装置1の軸C1−C1’に沿った断面側面図を示す。図6Bは、図6Aの側面に対して直交する方向での軸C1−C1’に沿った相当する断面を示す。図6A〜6Eの流体処理装置1は、第3の軸34、第3の断面A3及びチューブの縁にて第3のエリ33を有する第3のチューブ32を保持するために第3のホルダー66が付加されているという差異はあるが、図5A〜5Eで示されるものと同様である。
【0063】
図6Aにおいて、第3のチューブ32は、第3の入口開口部、第3の出口開口部及びフィルタ要素を有するさらなるスピンカラムである。多数の適用において、第3のチューブ32の形状は、第3の断面A3が第1の断面A1と同一であるように第1のチューブ18の形状に等しい。しかしながら、適用によっては、第1のチューブ18と第3のチューブ32は、そのフィルタ要素の種類で異なってもよい。第1の断面A1と第3の断面A3が同一であれば、処理によって必要に応じて、第1のチューブ18が第3のホルダー66によって保持されてもよく、第3のチューブ32が第1のホルダー14によって保持されてもよいように、第1のホルダー14の内面が第3のホルダーの内面と同一であってもよいことに留意すること。
【0064】
さらに、第3のホルダー66は伸長して第3の容器容量70を有する第3の容器68を提供する。さらに、適用によっては、第1の断面A1を有する第1のチューブ18を保持するように、又は第2の断面A2を有する第2のチューブ26を保持するように第3のホルダーを作製することができる。図面から理解できるように、第3のホルダー66は第3のチューブ32の形状に形状適合する円筒形状の内面を有する。このように、第3のチューブ32を円筒様形状の内面に滑り込ませることによって、第3のチューブ32の部分が滑り方向に対して直交する平面内で規定される。さらに、第3のホルダー32の円筒様形状の面の上縁は、第3のエリ33が止め具67に当たる瞬間に第3のチューブ32の第3のホルダー66への滑り込みを止める第3の止め具67としてそれが機能するようにする。この位置で、重力又は遠心力が、第3のエリ33を第3の止め具67に押し付ける成分を有する限り、第3のチューブ32の位置もまた、滑り方向で規定される。再び、第1のホルダー14によって保持される場合、第3のチューブ32が第1のチューブ18と平行であるようにそれが第3のチューブ32を保持するように第3のホルダー66が配置されることが好ましい。
【0065】
第3のホルダー66は、流体処理装置1で追加の精製を実行するのに有用である。たとえば、一部の適用は、異なった機能性を有する追加のフィルタ要素を必要とする。第3のホルダー66は、第1のチューブ18のフィルタ要素とは特異性又は機能性の異なるフィルタ要素を持つ第3のチューブ32を保持するのに使用することができる。第3の保持位置28にて第3のホルダー66によって保持される場合、所望の生体分子を含有する流体が第3のチューブ32を通って第3の容器70に流れ込むように第3のチューブ32が配置される。所望の生体分子を含有する流体へのアクセスを獲得する前に、第3のチューブ32を第3のホルダー66から取り外さなければならない。
【0066】
さらに、結合、洗浄及び溶出の工程を行う前に、当初の生体試料の溶解後、溶解物をきれいにするための別のフィルタ要素なしで、第3のホルダー66を使用することができる。たとえば、核酸のような生体分子を含有する細胞の細胞壁を粉砕するために試料流体に溶解緩衝液を分配することによって、生体試料を溶解することを別途実施してもよい。さらなる緩衝液、たとえば、中和緩衝液の添加の後、溶解物は、第3の容器68の第3の容器容量70に移される。第3の容器68で細胞の残骸をペレットにするために、流体処理装置1に遠心力を適用し、生体分子を含有する上清、すなわち、透明な核酸を含有する流体を第3の容器68から第1のチューブ18にピペットで移し、結合工程を開始する。
【0067】
第3のチューブ32が容器として形成され、第3の保持位置28に入れられれば、上記方法は第3のチューブ32と連動することも留意すること。この場合、当初の生体試料は、溶解後、第3のチューブ32に分配される。
【0068】
図6A〜Bから理解できるように、第1の容器10は、それが第2のホルダー22及び第3のホルダー66を覆うように第1のホルダー14によって保持される第1のチューブ18の第1の軸11に対して直交する投影において広がることも留意すること。再び、これは、廃棄物容量を最大化するために所与の高さで第1の容器容量12を最大化すべきである。
【0069】
図6Cは、第1のチューブ18、第2のチューブ26及び第3のチューブ32を取り外した図6Aの流体処理装置1の側面図を再び説明する。再び、好ましくは、図6Cに示されるような流体処理装置1は、装置の剛性を改善し、コストを軽減するために一塊(第1の容器を備える構造103)から作製される。さらに、図6D〜6Eは、図5D〜5Eと同様に、溶出工程のための、第1の保持位置16から第2の保持位置24への第1のチューブ18の直接移動30(第1のチューブの移動)を説明する。
【0070】
図7A〜7Bは、本発明に係る第6の流体処理装置1を通る2つの直交する断面を説明する。図7A〜7Bの流体処理装置1は、さらなる第1のチューブ18を保持するための第4のホルダー80を含有することを除いて図6A〜6Fのものと同様である。さらなる第1のチューブ18は、さらなる第1のチューブ18のホルダーを貫流する流体も第1の容器10に流れ込むようにホルダー80によって保持される。第1のチューブ18を保持する第1のホルダー14とさらなる第1のチューブ18を保持する第4のホルダー80によって、2つの異なる生体分子を一度に結合し、洗浄することが可能である。
【0071】
図8A〜8Bは、本発明に係る第6の流体処理装置1を通る2つの直交する断面を説明する。図8A〜8Bの流体処理装置1は、さらなる第2のチューブ26を保持するための第5のホルダー90を含有することを除いて図7A〜7Eの実施態様と同一である。本実施態様は、本発明が、少なくとも5つのホルダー、たとえば、第1のチューブ18を保持するための2つのホルダー、第2のチューブ26を保持するための2つのホルダー及び第3のチューブ32を保持するための1つのホルダーを含むことを可能にすることを示す。処理系列及び使用される遠心分離機の大きさによって、処理系列を簡略化するのに複数のホルダーが必要とされるのであれば、本発明は、異なった大きさの必要とされる複数のホルダーの提供を可能にする。また、説明の図面において種々のホルダーが軸C1−C1’に沿って直線的に並んでいる一方で、二次元、たとえば、二本線又は任意の列の範囲内に分布するホルダーを配置することも可能である。
【0072】
記載された流体処理装置は、今までのところ接続手段を含まない。しかしながら、上述のように、流体処理装置1を保持するための保持構造を有する接続手段によって、当業者が知るであろうように、それら流体処理装置をローターに接続することができる。
【0073】
図9A〜8Bは、本発明に係る8の流体処理装置1を通る2つの直交する断面を説明する。8の流体処理装置は、本実施態様が流体処理装置1を遠心分離機のローターに接続するための接続手段104を備えるという差異はあるが、図3A及び3Bの実施態様と同一である。本場合では、接続手段104は、第1の容器10の2つの対向する側で一体化して接続される2つの振り子型心棒要素105から成る。2つの振り子型心棒要素105は、第1の容器10に関して外側に向いている円錐台のような形状をとって第1の容器容量12を通って伸長する振り子軸106を規定する。詳細は後で分かるように、遠心分離機のローターに流体処理装置1を取り外し可能に接続するために、2つの円錐台形状の振り子型心棒要素105は、ローターの2つの対向する腕の一部である、たとえば、振り子心棒受入部128のような各受入ローターの接続手段134に取り付けられる。
【0074】
流体処理装置1が、遠心分離機のローターの回転に関して接線方向に伸長する振り子軸106の回りを回転できるように、流体処理装置1の振り子心棒要素105とローターの受入ローターの接続手段134、たとえば、振り子心棒受入部128は、互いに関して位置取りされ、適合させられる。このように、流体処理装置1が、遠心力によって振り子軸106の回りを外に向かって自由に向きを変えるように図9A〜9Bの1以上の流体処理装置1に遠心力を作用させることができる。このように、遠心力が重力に比べて非常に高ければ、流体処理装置は、チューブがほとんど水平の配向を有するほど外側に向きを変えてもよい。この場合、第1及び第2のチューブの内部の流体は、ほとんど軸方向にて遠心力のもとで、チューブの底に向かって又はチューブのフィルタ要素を介して圧迫される。一般に、振り子心棒要素105、たとえば、2つの円錐台又は円筒は、第1の容器10、第1のホルダー14及び第2のホルダー22と一体化して接続されることが好ましい。この場合では、流体処理装置1は、自立していると言われる。しかしながら、好ましい実施態様では、流体処理装置1は自立型ではない。この場合、接続手段104は、たとえば、図12で示されるように、遠心分離の間、流体処理装置1を保持するために適合させられる保持構造102を有することが好ましい。
【0075】
円筒形状の又は円錐台形状の振り子型心棒要素105は、遠心分離機のローターに対して流体処理装置1の向きを変えることを実行する多数の方法の1つに過ぎないことが言及されるべきである。たとえば、第1の容器10に関して外側に向ける振り子型心棒要素105の代わりに、流体処理装置1が遠心力のもとで外側に向きを変えることができるように、受入ローターの接続手段134、たとえば、振り子心棒受入部128とかみ合うように成形される、第1の容器10の各側での2つの凹部を使用することができる。さらに、第1の容器10に関して、それらが第1の容器容量12の外側で作動するような方法で、振り子型心棒要素105を配置することもできる。この場合、接続手段104は、円錐台形状の振り子型心棒要素を使用する代わりに、ローターと振り子型接続を行うためにバネによって一方に偏らせるヒンジ継手を使用してもよい。
【0076】
図10A〜10Bは、本発明に係る第9の流体処理装置1を通る2つの直交する断面を説明する。図10A〜10Bの流体処理装置1は、図9A〜9Bと同様に、流体処理装置1を遠心分離機のローターと接続するための一体化して接続された2つの円錐台105のために流体処理装置が自立型であることを除いて図4A〜4Eの実施態様と同一である。
【0077】
図11A〜11Bは、本発明に係る第10の流体処理装置1を通る2つの直交する断面を説明する。図11A〜11Bの流体処理装置1は、図10A〜10Bと同様に、流体処理装置1を遠心分離機のローターと接続するための一体化して接続された2つの円錐台105のために流体処理装置が自立型であることを除いて図6A〜6Eの実施態様に類似する。
【0078】
図12は、本発明に係る第11の流体処理装置を開示するが、それは、接続手段104が、振り子型心棒要素105に加えて、第1のホルダー14、第2のホルダー22及び第3のホルダー66と共に第1の容器10を保持するための保持構造102を備えることを除いて図11A〜11Bに係る実施態様と同一である。この場合、接続手段104と第1の容器10を備える構造は、互いに脱着可能であるように互いに適合させる別々のユニットとみなすことができる。さらに、図12では、保持構造102の内面が第1の容器10の外面10bに対して形状適合することで、遠心分離中と同様に停止時も、保持構造102及び第1の容器を備える構造103が互いに関して規定された位置にあることを確実にする。他方、取り扱いを簡略化するために、保持構造102から第1の容器を備える構造103を単に引き抜くことによって第1の容器を備える構造103を保持構造102から取り外すことができるように保持構造102は、十分に大きな開口部を有することが好ましい。たとえば、図12において、保持構造102は、第1の容器10の外形に形状適合するカップの内面を持つカップ形状である。このように、第1の容器10、第1のホルダー14、第2のホルダー22及び第3のホルダー66から成る第1の容器を備える構造103は、互いから2つを引き抜くことによってカップ形状の保持構造102から分離することができる。
【0079】
好ましい実施態様では、第1の容器を備える構造103が互いに関して1つだけの配向で保持構造102に挿入することができるように第1の容器を備える構造103及び保持構造102が成形される。これによって、たとえば、異なった配向で偶然、容器を備える構造を保持構造に挿入することによりユーザーが第1のチューブと第2のチューブを混同するのを防ぐ。
【0080】
さらに好ましい実施態様では、2つの異なった配向で、好ましくは2つの配向の間での180度の角度で、第1の容器を備える構造103を保持構造102に挿入することが可能であるように第1の容器を備える構造103と保持構造102を成形する。2つの配向を用いて2つの対向する方向で遠心分離機のローターに接続手段104が接続されるようにする。このことによって、言い換えれば、選択される配向によって、2つの異なった所定の振り子角α(図18Cを参照のこと)にてローターにおける流体処理装置に遠心力を作用させることが可能になる。所定の振り子角αは、流体処理装置が停止時の配向に関してローターの腕126の範囲内で向きを変える最大角を指す。
【0081】
保持構造102及び振り子心棒要素105を備える接続手段104は一塊で作製されることが好ましいことが留意されるべきである。さらに、第1の容器を備える構造103に及ぼされる遠心力に耐えるために、保持構造102は軽いが、強度の高い材料、たとえば、アルミニウムで作製されることが好ましい。また、第1の容器を備える構造103が保持構造102から取り外し可能であれば、振り子心棒要素105と受入ローターの接続手段134、たとえば、振り子心棒受入部128は永続的な接続を提供するように適合させることが任意選択であってもよい。
【0082】
図13は、本発明に係る第12の流体処理装置を開示するが、それは、本流体処理装置1が遠心分離の間、第1のチューブ18の第1のキャップ40を保持するための第1のキャップ固定手段44及び遠心分離の間、第2のチューブ26の第2のキャップ41を保持するための第2のキャップ固定手段46を含むことを除いて、図12に係る実施態様と同一である。第1のキャップ固定手段44及び第2のキャップ固定手段46によって、入口開口部を開放したままのチューブ、すなわち、それに接続されたキャップを有する遠心分離チューブに遠心力を作用させることができ、それらキャップが外される。入口開口部を開放した遠心分離チューブは、第1のホルダーから第1のチューブ18を第2のチューブ26に自動的に移す場合、第2のチューブ26から第2のキャップ41を外す工程を必要としないので有利である。さらに、開放した第1のチューブによって流体を第1のチューブ18から抜く又はそれに分配するために、第1のチューブ18から第1のキャップ40を外す必要がない。これによって自動化が有意に簡略化される。
【0083】
図13において、第1のチューブ18を第1のホルダー14に滑り込ませると同時に第1のキャップ40を滑り込ませることができるキャップ封入構造50によって第1のキャップ固定手段44が実現される。キャップ封入構造50に滑り込ませた第1のキャップ40によって、第1キャップ40は遠心分離の間、自由に動く自由度をもはや有さない。これによって、チューブに柔軟に接続される自由に動くキャップが遠心分離中に引き起こしてもよい損傷を回避する。好ましくは、キャップ封入構造50は、第1のホルダー14に一体化して接続される。当然、当業者は、保持されるべきチューブの種類によってキャップ封入構造50のために選択するどんな形状及び大きさも知るであろう。
【0084】
同様に、第2のチューブ26を第2のホルダー22に滑り込ませると同時に第2のキャップ41を滑り込ませることができるキャップ封入構造50によって図13における第2のキャップ固定手段46が実現される。第1のチューブ18についてと同様に、キャップ封入構造50に滑り込ませた第2のチューブ26によって、第2のキャップ41は、遠心分離の間、自由に動いて損傷を引き起こす自由度をもはや有さない。さらに、第1のチューブ18についてと同様に、第2のキャップ固定手段46のキャップ封入構造50は、第2のホルダー14に一体化して接続される。好ましくは、第1及び第2のキャップ固定手段は、第1の容器10の内側表面又は外側表面10a、10bに取り付けられる。
【0085】
図14A〜14Bは、多くの方法で図13に係る実施態様に類似する2つの直交する断面図において本発明に係るさらに好ましい実施態様を開示する。しかしながら、図13とは異なって、図14A〜14Bの実施態様は、図13で説明されたような2つの第1のキャップ固定手段44a、44bを備える。このように、第1のチューブ18が第2の保持位置24と同様に第1の保持位置16に位置取りする場合、第1のキャップ固定手段44によって保持される第1のチューブ18の第1のキャップ40を有することが可能である。このように、遠心分離の間、自由に動く第1のキャップによって引き起こされる損傷を心配する必要に迫られることなく、結合及び洗浄の工程のための第1のホルダー14から溶出工程のための第2のホルダー22に、第1のキャップ40を持つ第1のチューブ18を移すことが可能である。空間的な理由で、第1のホルダー14に隣接する第1の第1キャップ固定手段44aの配向は、第2のホルダー22に隣接する第2の第1キャップ固定手段44bに関しておよそ145度回転させる。このことは、第1のホルダー14から第2のホルダー22に第1のチューブを移すために、第1のキャップ40を保持する第2の第1キャップ固定手段についておよそ145度、第1のチューブ18を回転することが必要であることを意味する。図13に示すように、他の回転角も同様に可能である。
【0086】
3つのホルダー、すなわち、第1のホルダー14、第2のホルダー22及び第3のホルダー66が、第1の容器10の底から、それぞれのチューブを保持するそれぞれ第1、第2及び第3の止め具60、62、67によって規定される止め具の平面まで広がる円筒形状を有するという点で、図14A〜14Bの実施態様は、図13の実施態様とさらに異なる。さらに、本実施態様では、円筒形状の第2のホルダー22の外壁と円筒形状の第3のホルダーの外壁が第1の容器10の内壁10aと直接接触する。この配置は、遠心力の大きな成分がチューブの軸方向で作用する場合、遠心力による変形に対する良好な強度を提供する。遠心分離の間、流体処理装置1の剛性を改善するために、1より多くの、又はすべての円筒形状のホルダーは、それらが第1の容器10の内壁10aと底の双方に接触するように、第1の容器10内部に位置取りさせることが一般に好ましいことに留意すべきである。
【0087】
第1の容器容量12と第1のホルダー14の円筒被覆物の内側容量との間に流体接続を提供するために、第1のホルダー14の円筒被覆物には円筒の軸に平行に広がる円筒被覆物スリット14aが与えられることにさらに留意すべきである。これによって、第1の保持位置16における第1のチューブ18の出口開口部52を離れる流体が、確実に円筒の外側で第1の容器容量12に流れ込むようにする。たとえば、結合及び洗浄の工程を第1の保持位置16における第1のチューブで実施するのであれば、廃棄流体は、自由に第1のホルダー14を離れ、円筒被覆物スリット14aを通って第1の容器容量12に入る。
【0088】
図15は、本発明に係るさらなる流体処理装置1を開示し、その際、第1のホルダー14の第1の止め具60が、第2のホルダー22の第2の止め具62によって規定される第2の止め具の平面63とはことなる第1の止め具の平面61を規定する。このように、第1及び第2のチューブの軸11、27のそれぞれの投影に沿って測定するとき、第2のチューブ26の高さとは異なった高さで第1のチューブ18を保持することができる。第1及び第2のチューブ18、26を異なった高さで保持することは、第1のホルダー14と第2のホルダー22が互いに非常に密接に位置取りされている場合、ホルダーからチューブを取り外すために又はホルダーにチューブを入れるためにチューブにアクセスし易いという任意選択を提供する。一般に、この場合、自動方式では、第1のホルダー14から第2のホルダー22に第1のチューブを移し易いので、2つの止め具平面61、63は互いに平行であることが好ましい。
【0089】
図16は、本発明に係る流体処理装置1のさらなる変異を開示する。図15と同様に、流体処理装置1は、第1のチューブ18を保持するための第1のホルダー14と、第2のチューブ26を保持するために第2のホルダー22と、それぞれ異なる第1の止め具平面61及び第2の止め具平面63と規定するそれぞれ第1及び第2の止め具60、62を有する。しかしながら、図15とは異なって、流体処理装置1は、第1の容器10を備え、それによって、第1のチューブ18を貫流する流体が第1の容器10に流れ込むように第1のホルダー14は、第1の容器10に関して配置される。さらに、第1のホルダー14は第1の容器10の壁に搭載される一方で第2のホルダー22は第1の容器10の底に搭載される。このように、第1の容器10の内側表面10aが第1のホルダー14及び第2のホルダー22に隣接する。図16には明確には示されていないが、ホルダーは容器の側壁及び底に堅く接触することが一般に好ましい。
【0090】
図17Aは、遠心分離機(示さず)の一部である、本発明に係るローターを開示する。好ましい実施態様として、本ローターは、先行する記載に係る、同様にクレーム1〜73のいずれか1項に係る少なくとも1つの流体処理装置1を回転するローター110である。前記流体処理装置1を前記ローター110(図17Bに示すような)に接続するためのローター接続手段134を備える本ローター110。さらに、遠心分離中、前記振り子軸106の回りでの前記流体処理装置1の回転を所定の振り子角(α)に限定するためのローター振り子防止手段132を備える本ローター、それによって所定の振り子角(α)が、以下に記載されるように、好ましくは90度及び/又は45度である。図17Aは、同一型、たとえば、第1のホルダー14により保持される第1のチューブ18、第2のホルダー22により保持される第2のチューブ26及び第3のホルダー66により保持される第3のチューブ32を持つ図14A〜14Bに示されるような種類の12の同一流体処理装置1を扱うローター110を示す。第1、第2及び第3のチューブ18、26、32は第1の容器容量12を有する第1の容器に堅く接続される。図17Aはさらに、振り子心棒要素105及びその相方振り子心棒受入部128を介してそれぞれ2つのローターの腕126に第1の容器を備える構造103を接続するための、各流体処理装置1用の接続手段104を開示する。振り子心棒受入部128と振り子心棒要素105は、遠心力のもとで、流体処理装置1が、外側方向で、すなわち、回転軸120の回りで回転するローターの回転に対して接線方向での振り子軸106の回りで方向を変えるような方法で、互いに適合させる。さらに、第1の容器を備える構造103は日常的に、保持構造102から引き抜く又はそれに挿入することができるので、接続手段104はローター110に永続的に接続されてもよいし、されなくてもよい。
【0091】
ローター110は、適用に応じて10,000xgまで、好ましくは20,000xgまで、さらに50,000xg以上までの流体処理装置への遠心力を発揮する速度に、遠心分離機のモータによって駆動されてもよい回転軸120を有する。さらに、本発明は、一度にローターに接続することができる流体処理装置の数に依存しない、すなわち、適用及び遠心分離機の大きさに応じて、数は、1、4、8、12、24以上であってもよい。
【0092】
図17B〜17Cはそれぞれ、軸A−A’及びB−B’に沿った図17Aのローター110を通る2つの断面を模式的に説明する。図17Bは、第1のチューブ18、第2のチューブ26及び第3のチューブ32を保持する流体処理装置1(太字の最初の破線)を保持するローターの腕126に沿った断面を示す。停止時、第1のチューブ18、第2のチューブ26及び第3のチューブ32は重力方向で配向する。さらに、ローターの腕126は放射状に伸長して、流体処理装置1の振り子心棒要素105を保持するための軸受部として作用する振り子心棒受入部128を形成する。このように、回転軸120の回りでローター110を回転させることによって、遠心力により、流体処理装置1が振り子軸106(図14Bを参照のこと)の回りで外側に回ることを強いられる。このように、遠心力は、完全に又はほとんどチューブの軸方向に向く、チューブ内の流体に対する圧力を発揮する。図17Bはまた、高い回転速度での流体処理装置1に相当する向きを変える流体処理装置1a(細い破線)を示す。この場合、停止時の流体処理装置の配向に関して本質的に90度、振り子心棒要素105の回りで、方向を変える流体処理装置1aは外側に回る。流体処理装置1及び1aは、図17Bの断面の平面内には入らないので、破線で表す。
【0093】
図17Cは、流体処理装置1を通過するように軸A−A’(図17Aを参照のこと)に関してやや移動している軸B−B’に沿ったローター110の断面を示す。図17Cは、たとえば、第1のホルダー14からの第1のチューブ18の取り外し中、振り子軸106の回りでの流体処理装置1の回転、すなわち、向き変えを防ぐための第1の振り子防止手段108を開示する。図17Cのこの場合、第1の容器10の振り子防止区分10cとローターの一部であり、回転軸120に関して同軸に並ぶ堅い振り子防止相方111とのかみ合わせ又は接触を介して第1の振り子防止手段108は作用する。振り子防止区分10cと振り子防止相方111とのかみ合わせによって、第1のホルダー14からの第1のチューブ18の抜き取りの間の第1のチューブ18と第1のホルダー14の間で生じる摩擦力113のために流体処理装置1が内側の向こうに向きを変えるのを防ぐ。
【0094】
図17Cはまた、たとえば、第1のチューブ18を第2のホルダー22に挿入することによって引き起こされる第2の摩擦力114による振り子軸106の回りでの流体処理装置1の回転を防ぐための第2の振り子防止手段109も開示する。しかしながら、第2のホルダー22は振り子心棒要素105の別の側に位置取りされ、第2の摩擦力114は第1の摩擦力113に関して反対の方向に向くので、第2の振り子防止手段109も流体処理装置1が内側の向こうに向きを変えることを防がざるを得ない。従って、この場合、第2の振り子防止手段109と第1の振り子防止手段108は同一である。1つのホルダーから他のホルダーにチューブを移す間、流体処理装置1の意図されない向き変えを防止することは、それが移動過程の自動化に達する場合、本発明の重要な側面である。
【0095】
一般に、当業者は、振り子防止手段が、振り子防止区分と振り子防止相方との間の好適なかみ合わせを使用する種々のそのほかの関連する方法で得ることができることを理解するであろう。また、図17Cは、第1の容器10に一体化して接続された振り子防止区分10cを開示する一方で、第1の容器10を保持するための保持構造102が存在するならば、振り子防止区分10cを保持構造102の一部とすることが有利であってもよい。
【0096】
図18A〜18Cは、遠心分離中の振り子軸106の回りの流体処理装置1の回転を、停止時及び遠心分離中に第1のチューブによって与えられる方向間での所定の振り子角αに限定するための第3の振り子防止手段112を説明する(図18Cを参照のこと)。振り子軸106は、それぞれ2つの振り子心棒要素105によって規定される。流体に対するろ過効果は流体がフィルタ要素に入る角度に依存してもよいことが分かっているので、振り子角αを限定することは本発明の重要な側面である。従って、振り子角αを制御する要望が存在する。
【0097】
図18A〜18Cの場合、接続手段104の保持構造102の外側表面と平行して走り、それから突出する第1の縁部116によって振り子角の限定が実現される(図18Aを参照のこと)。遠心分離中、流体処理装置1が所定の振り子角αに対して外側に向きを変えてすぐに、互いにかみ合わせる又は互いに接触させるために(図18Cを参照のこと)、ローターの腕126の末端の表面に平行して走り、それから突出する第2の縁部118に、第1の縁部116の形状及び配向を適合させる(図18Bを参照のこと)。
【0098】
たとえば、流体処理装置1の表面で異なって配向された第1の縁部116を有する様々な流体処理装置の間で選択することによって所定の振り子角αが調整可能であることに留意すべきである。異なった配向を有する第1の縁部116によって、流体処理装置は、異なった振り子角αにてローター110の第2の縁部118とかみ合うであろう。しかしながら、上述のように、2つの異なった所定の振り子角にたった1種の流体処理装置1又は1種の接続手段104を提供することも可能である。この概念のさらなる例は、各流体処理装置について幾つかの振り子心棒受入部128を有し、その際、異なった形状を持つ振り子防止手段を有することによって各振り子心棒受入部128が異なった所定の振り子角を提供するローター110であってもよい。
【0099】
さらに、図18A〜18Cが、遠心分離機のローター110が停止してすぐに互いにかみ合わせる又は互いに接触させるために、第1の容器10(又は保持構造102)(図18Aを参照のこと)の外側表面から突出し、その形状及び配向を、ローターの腕126(図18Bを参照のこと)の一方から突出する第4の縁部119に適合させる第3の縁部117も開示することに留意すべきである。このように、流体処理装置1の内側への方向変えは阻止される。従って、第3の縁部117及び第4の縁部119は、図17Cで記載された第1及び第2の振り子防止手段108,109のさらなる実施態様を表す。
【0100】
図19A〜19Bは、遠心分離機(示さず)内の第1の保持位置16から遠心分離機内の第2の保持位置24に第1のチューブ(示さず)を自動的に直接移動させる(第1のチューブの直接移動30)、本発明に係る2つの方法を模式的に開示する。図19Aでは、第1のチューブの直接移動30は、遠心分離機におけるローターの回転に関して接線方向で実施されるが、図19Bでは、第1のチューブの直接移動30は、遠心分離機におけるローターの回転に関して放射状方向で実施される。好ましくは、第1のチューブの直接移動30は、ローター110に接続された第1のホルダー14からローター110に接続された第2のホルダー22への移動である。好ましくは、この移動は、第1のホルダー14から第2のホルダー22への途中で、第1のチューブをローター110から断絶されている第3のホルダー、たとえば、チューブ保持用の保持ラックのホルダーに移動させることなく実施される。自動化された第1のチューブの直接移動30によって、第1のチューブを遠心分離機から取り出してそれに戻す必要に迫られることなく、異なった流体処理工程を次々と実施することができるので、流体処理の速度を高めることができる。たとえば、第1のホルダー14により保持される第1のチューブによって、生体分子を含有する流体と共に結合及び洗浄の工程を実施することができるが、廃棄流体は第1の容器に捨てる。次いで、直接移動30の後、第2のホルダー22により保持される第1のチューブによって、溶出された流体がさらなる使用のための第2の容器又は第2のチューブに回収される溶出工程を実施することができる。
【0101】
図20A〜20Dは、本発明に係る流体処理装置1の第1のホルダー14から同一流体処理装置1(又は第2の流体処理装置1)の第2のホルダー22に第1のチューブ(示さず)を自動的に移動させる、本発明に係るさらなる方法を模式的に開示する。図20A〜20Dにおいて、ローターを駆動する遠心分離機(示さず)に接続されるローター110に接続される、本発明に係る8台の流体処理装置1が開示される。図20Aは、流体処理装置1の第1のホルダー14から同一流体処理装置1の第2のホルダー22への直接移動を開示する。さらに、直接移動はローター110の回転に関して放射状方向の移動である。図20Bは、流体処理装置1内のそれぞれ第1及び第2のホルダーが、ローター110の回転に関して接線方向で分離されるという差異をもって、図20Aと同様の直接移動を開示する。図20Cは、移動が、第1の流体処理装置1の第1のホルダーから同一ローター110に接続された第2の流体処理装置1’の第2のホルダーに対して行われるという差異をもって、図20Aと同様の直接移動を開示する。立ち代って図20Dは、流体処理装置1の第1のホルダー14から、遠心分離機の外側の位置へ、たとえば、ホルダーラックへ、そしてそこから同一の又は異なった流体処理装置1の第2のホルダー22に戻す第1のチューブの移動を開示する。しかしながら、該移動は、第1の、第2の又は第3のホルダー位置から遠心分離機の外側の位置へ、たとえば、廃棄物位置への移動であってもよく、その場合、遠心分離機に戻る、第2のホルダーへの移動はない。表現「遠心分離機の外側」は、表現「遠心分離機内」の反意語を言う。それは、たとえば、流体処理装置がローターから断絶される位置、又は遠心分離機の保護遮蔽板などの外側に関係してもよい。
【0102】
自動的な移動を実施するためには、遠心分離機内で第1の保持位置から第2の保持位置に第1のチューブを移動させるために、第1のチューブとかみ合い、且つ外れることが可能であり、三次元を自由に動くことができる把持部を単に必要とする。そのような把持部を設計することは、当業者が日常的に行っているものの範囲内にあるので、把持部の使用及び形状に関するさらなる詳細は提供しない。
【0103】
以下は、核酸を精製するための、第1のホルダーから第2のホルダーへの自動化された移動を用いた流体の処理方法の例である。該方法は、複数の流体処理装置1の使用を含み、それぞれが、第1のホルダー14、第2のホルダー22、第3のホルダー66、第1の容器10及び第3の容器68を有する。流体処理装置は、軽く、且つ遠心応力に耐える堅い高分子材料から一塊で圧縮成形される。第1のホルダー14は、たとえば、シリカゲルの膜のようなフィルタ要素19を有するQIAプレップスピンカラムのような第1のチューブ18を保持するために形状適合型であり、第2のホルダー22は第2のチューブ26、たとえば回収チューブ(2mL)を保持するために形状適合型であり、第3のホルダー66は、空であり、第3の容器68として使用される。チューブは、出願者から市販されている。第1のホルダー14によって保持される位置で60.8mm2(直径8.8mm)であるスピンカラム(第1のチューブ18)の外側断面が、回収チューブ(第2のチューブ26)の内側断面と形状適合することに留意すること。これによって、回収チューブが遠心分離の間、スピンカラムを保持し、スピンカラムを貫流する流体が回収チューブの第2の容器容量65に流れ込むようにスピンカラムを回収チューブに挿入することが可能になる。さらに、第1の容器容量の大きさ、すなわち、第1のチューブ18の出口52に接触することなく、又は流体処理装置の縁を越えて漏らすことなく遠心分離の間、それが保持することができる流体容量は、およそ4mLであり、通常そのうちの2mLを使用する。
【0104】
第1の工程では、スピンカラム(第1のチューブ18)を各流体処理装置1の各第1のホルダー14に挿入し、回収チューブ(第2のチューブ26)を各流体処理装置1の各第2のホルダー22に挿入する。第2の工程では、流体処理装置1を各接続手段104に挿入することによって流体処理装置1をローター110に接続する。遠心分離の間、流体処理装置1を保持するために接続手段を適合させる。同時に、接続手段104は、ローター110との振り子接続を提供して遠心分離の間、各流体処理装置が外側に向きを変えるようにする。
【0105】
第3の工程では、種々の生体試料、たとえば、再浮遊させた菌体を溶解し、遠心分離機内の複数の流体処理装置の各第3の容器68に分配する前に中和する。その後、種々の生体試料の細胞の残骸がペレットになるまで、およそ12000xgに相当する遠心力にて複数の流体処理装置に遠心力を作用させる。次いで、溶解物の上清分画(第1の流体)を各第3の容器68からそれぞれ抜き取り、各流体処理装置1の各スピンカラム(第1のチューブ18)に分配する。
【0106】
次いで、結合工程を実施するために、透明の溶解物が多かれ少なかれ完全に各シリカゲル膜を通過するまで、続いて約12000xgの加速にて、上清分画を含有するスピンカラム(第1のチューブ18)に遠心力を作用させる。シリカゲル膜(フィルタ要素19)を通過した流体を各第1の容器10に回収する。この時点で、シリカゲル膜の核酸への結合特性のために、核酸だけが各シリカゲル膜に残る。
【0107】
結合工程の後、1以上の洗浄工程を実施してフィルタ要素19に結合した核酸をさらに精製する。これは、第1の試薬、たとえば、洗浄緩衝液PB、PE(キアゲンから入手可能)を各スピンカラムに分配し、その後、第1の試薬及び除かれた核酸汚染物がフィルタ要素19を通過して各第1の容器10に入るまで、スピンカラムに遠心力を作用させる(12000xgで約1分間)ことによって行われる。この工程は、同一の又は異なった試薬によって数回反復されてもよい。
【0108】
結合及び洗浄の後、把持部によって各スピンカラム(第1のチューブ18)は各第1のホルダー14から引き抜かれ、すでに所定の位置にあり、第2のホルダー22によって保持される各回収チューブ(第2のチューブ26)に移され、入れられる。次の工程として、溶出流体(第2の流体)、たとえば、水又は溶出緩衝液EB(キアゲンから入手可能)を各スピンカラム(第1のチューブ18)に分配する。この工程には、溶出流体がシリカゲル膜(フィルタ要素19)を通過して各回収チューブ(第2のチューブ26)に入るまで、12000xgでの1分間のさらなる遠心分離が続く。遠心分離の間、各精製された核酸を一緒に伴った溶出流体は各流体処理装置1の第2のチューブ26に回収され、さらなる使用に備える。上記方法の詳細はまた、プロトコール:QIAプレップスピンミニプレップキット及び微量遠心分離機を用いたプラスミドDNAの精製(キアゲンQIAプレップ(登録商標)ミニプレップハンドブック、第2版、2005年6月)にも開示されている。
【0109】
以下の図面は説明目的のみのために本発明に係る幾つかの実施態様を以下に開示する。特に、図面内の開示は、本発明の保護の範囲を限定することを意味するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1A】入口開口部及び出口開口部を有する第1のチューブ。
【図1B】入口開口部及び出口開口部を有する第1のチューブ。
【図1C】第1のチューブを受け入れるような大きさである入口開口部を有する第2のチューブ。
【図1D】第1のチューブを受け入れるような大きさである入口開口部を有する第2のチューブ。
【図1E】第1のチューブを受け入れるような大きさである入口開口部を有する第2のチューブ。
【図2A】異なる断面を有する第1のチューブと第2のチューブを保持するための本発明に係る第1の流体処理装置。
【図2B】異なる断面を有する第1のチューブと第2のチューブを保持するための本発明に係る第1の流体処理装置。
【図2C】異なる断面を有する第1のチューブと第2のチューブを保持するための本発明に係る第1の流体処理装置。
【図2D】異なる断面を有する第1のチューブと第2のチューブを保持するための本発明に係る第1の流体処理装置。
【図2E】異なる断面を有する第1のチューブと第2のチューブを保持するための本発明に係る第1の流体処理装置。
【図3A】異なる断面を有する第1のチューブと第2のチューブを保持し、それによって流体処理装置が第1の容器を有する本発明に係る第2の流体処理装置。
【図3B】異なる断面を有する第1のチューブと第2のチューブを保持し、それによって流体処理装置が第1の容器を有する本発明に係る第2の流体処理装置。
【図3C】異なる断面を有する第1のチューブと第2のチューブを保持し、それによって流体処理装置が第1の容器を有する本発明に係る第2の流体処理装置。
【図3D】異なる断面を有する第1のチューブと第2のチューブを保持し、それによって流体処理装置が第1の容器を有する本発明に係る第2の流体処理装置。
【図3E】異なる断面を有する第1のチューブと第2のチューブを保持し、それによって流体処理装置が第1の容器を有する本発明に係る第2の流体処理装置。
【図4A】第1のチューブを保持し、それによって流体処理装置が大きさの異なる第1の容器と第2の容器を有する本発明に係る第3の流体処理装置。
【図4B】第1のチューブを保持し、それによって流体処理装置が大きさの異なる第1の容器と第2の容器を有する本発明に係る第3の流体処理装置。
【図4C】第1のチューブを保持し、それによって流体処理装置が大きさの異なる第1の容器と第2の容器を有する本発明に係る第3の流体処理装置。
【図4D】第1のチューブを保持し、それによって流体処理装置が大きさの異なる第1の容器と第2の容器を有する本発明に係る第3の流体処理装置。
【図4E】第1のチューブを保持し、それによって流体処理装置が大きさの異なる第1の容器と第2の容器を有する本発明に係る第3の流体処理装置。
【図5A】異なる断面を有する第1のチューブと第2のチューブを保持し、それによって流体処理装置が、第1の軸に垂直な投影における第2のホルダーを越えて広がる第1の容器を有する本発明に係る第4の流体処理装置。
【図5B】異なる断面を有する第1のチューブと第2のチューブを保持し、それによって流体処理装置が、第1の軸に垂直な投影における第2のホルダーを越えて広がる第1の容器を有する本発明に係る第4の流体処理装置。
【図5C】異なる断面を有する第1のチューブと第2のチューブを保持し、それによって流体処理装置が、第1の軸に垂直な投影における第2のホルダーを越えて広がる第1の容器を有する本発明に係る第4の流体処理装置。
【図5D】異なる断面を有する第1のチューブと第2のチューブを保持し、それによって流体処理装置が、第1の軸に垂直な投影における第2のホルダーを越えて広がる第1の容器を有する本発明に係る第4の流体処理装置。
【図5E】異なる断面を有する第1のチューブと第2のチューブを保持し、それによって流体処理装置が、第1の軸に垂直な投影における第2のホルダーを越えて広がる第1の容器を有する本発明に係る第4の流体処理装置。
【図6A】少なくとも2つの異なる断面を有する第1のチューブと第2のチューブと第3のチューブを保持し、それによって流体処理装置が、第1の容器を有する本発明に係る第5の流体処理装置。
【図6B】少なくとも2つの異なる断面を有する第1のチューブと第2のチューブと第3のチューブを保持し、それによって流体処理装置が、第1の容器を有する本発明に係る第5の流体処理装置。
【図6C】少なくとも2つの異なる断面を有する第1のチューブと第2のチューブと第3のチューブを保持し、それによって流体処理装置が、第1の容器を有する本発明に係る第5の流体処理装置。
【図6D】少なくとも2つの異なる断面を有する第1のチューブと第2のチューブと第3のチューブを保持し、それによって流体処理装置が、第1の容器を有する本発明に係る第5の流体処理装置。
【図6E】少なくとも2つの異なる断面を有する第1のチューブと第2のチューブと第3のチューブを保持し、それによって流体処理装置が、第1の容器を有する本発明に係る第5の流体処理装置。
【図7A】異なる断面を有する第1のチューブと第2のチューブと第3のチューブと第4のチューブを保持し、それによって流体処理装置が、第1の容器を有する本発明に係る第6の流体処理装置。
【図7B】異なる断面を有する第1のチューブと第2のチューブと第3のチューブと第4のチューブを保持し、それによって流体処理装置が、第1の容器を有する本発明に係る第6の流体処理装置。
【図8A】異なる断面を有する第1のチューブと第2のチューブと第3のチューブと第4のチューブと第5のチューブを保持し、それによって流体処理装置が、第1の容器を有する本発明に係る第7の流体処理装置。
【図8B】異なる断面を有する第1のチューブと第2のチューブと第3のチューブと第4のチューブと第5のチューブを保持し、それによって流体処理装置が、第1の容器を有する本発明に係る第7の流体処理装置。
【図9A】異なる断面を有する第1のチューブと第2のチューブを保持し、流体処理装置が、接続手段を有する第1の容器を有する本発明に係る第8の流体処理装置。
【図9B】異なる断面を有する第1のチューブと第2のチューブを保持し、流体処理装置が、接続手段を有する第1の容器を有する本発明に係る第8の流体処理装置。
【図10A】異なる断面を有する第1のチューブと第2のチューブを保持し、それによって流体処理装置が、第1の軸に垂直な投影における第2のホルダーを越えて広がる第1の容器を有し、さらに接続手段を有する本発明に係る第9の流体処理装置。
【図10B】異なる断面を有する第1のチューブと第2のチューブを保持し、それによって流体処理装置が、第1の軸に垂直な投影における第2のホルダーを越えて広がる第1の容器を有し、さらに接続手段を有する本発明に係る第9の流体処理装置。
【図11A】異なる断面を有する第1のチューブと第2のチューブと第3のチューブを保持し、それによって流体処理装置が、第1の容器、及びさらに接続手段を有する本発明に係る第10の流体処理装置。
【図11B】異なる断面を有する第1のチューブと第2のチューブと第3のチューブを保持し、それによって流体処理装置が、第1の容器、及びさらに接続手段を有する本発明に係る第10の流体処理装置。
【図12】異なる断面を有する第1のチューブと第2のチューブと第3のチューブを保持し、それによって流体処理装置が、第1の容器、及び第1の容器を取り外し可能に保持するための保持構造を含む接続手段を有する本発明に係る第11の流体処理装置。
【図13】第1及び第2のキャップを保持するための第1及び第2のキャップ固定手段を含む第11の流体処理装置のような本発明に係る第12の流体処理装置。
【図14A】第1のキャップ固定手段2つ及び第2のキャップ固定手段1つを含む第12の流体処理装置のような本発明に係る第13の流体処理装置。
【図14B】第1のキャップ固定手段2つ及び第2のキャップ固定手段1つを含む第12の流体処理装置のような本発明に係る第13の流体処理装置。
【図15】異なる止め具平面を規定する第1の止め具と第2の止め具を有する本発明に係る第14の流体処理装置。
【図16】第1の容器並びに異なる止め具平面を規定する第1の止め具と第2の止め具を有する本発明に係る第15の流体処理装置。
【図17A】本発明に係る12の流体処理装置に接続された本発明に係るローターの上面図。
【図17B】振り子型心棒受取部と相互作用する接続手段を説明する本発明に係るローターを通る第1の断面図。
【図17C】第1及び第2の振り子防止手段を説明する本発明に係るローターを通る第2の断面図。
【図18A】第1、第2及び第3の振り子防止手段を有する本発明に係る流体処理装置の斜視図。
【図18B】第1、第2及び第3の振り子防止手段を有する本発明に係る流体処理装置の斜視図。
【図18C】第1、第2及び第3の振り子防止手段を有する本発明に係る流体処理装置の斜視図。
【図19A】接線方向での遠心分離機内における直接的な第1の移動の説明図。
【図19B】放射状方向での遠心分離機内における直接的な第1の移動の説明図。
【図20A】本発明に係る流体処理装置内における第1のホルダーから第2のホルダーへの放射状方向での第1のチューブの移動の説明図。
【図20B】本発明に係る流体処理装置内における第1のホルダーから第2のホルダーへの接線方向での第1のチューブの移動の説明図。
【図20C】本発明に係る第1の流体処理装置の第1のホルダーから第2の流体処理装置の第2のホルダーへの第1のチューブの移動の説明図。
【図20D】本発明に係る第1の流体処理装置の第1のホルダーから遠心分離機より離れた位置への及び流体処理装置の第2のホルダーに戻す第1のチューブの移動の説明図。
【符号の説明】
【0111】
1.流体処理装置
1a.振り子流体処理装置
10.第1の容器
10a.容器の内側表面
10b.容器の外側表面
10c.振り子防止区分
11.第1の軸
12.第1の容器容量
14.第1のホルダー
14a.円筒被覆物スリット
16.第1の(保持)位置
18.第1のチューブ
19.フィルタ要素
22.第2のホルダー
24.第2の(保持)位置
26.第2のチューブ
27.第2の軸
28.第3の保持位置
30.第1のチューブ移動
32.第3のチューブ
33.第3のエリ
34.第3の軸
40.第1のキャップ
41.第2のキャップ
44.第1キャップ固定手段
44a.第1の第1キャップ固定手段
44b.第2の第1キャップ固定手段
46.少なくとも1つの第2キャップ固定手段
50.キャップ封入構造
52.第1のチューブの出口
54.第1の入口
56.第1のエリ
58.第2の入口
59.第2のエリ
60.第1の止め具
61.第1の止め具平面
62.第2の止め具
63.第2の止め具平面
64.第2の容器
65.第2の容器容量
66.少なくとも1つの第3のホルダー
67.第3の止め具
68.第3の容器
70.第3の容器容量
80.少なくとも1つの第4のホルダー
82.第4の(保持)位置
90.少なくとも1つの第5のホルダー
92.第5の保持位置
102.保持構造
103.第1の容器を備える構造
104.接続手段
105.振り子心棒要素
106.振り子軸
108.第1の振り子防止手段
109.第2の振り子防止手段
110.ローター
111.振り子防止相方
113.第1の摩擦力
114.第2の摩擦力
116.第1の縁
117.第3の縁
118.第2の縁
119.第4の縁
120.回転軸
126.ローターの腕
128.振り子心棒受入部
130.ローター遮蔽版
132.ローター振り子防止手段
134.ローター接続手段
A1.第1の断面
A2.第2の断面
A3.第3の断面
AC.容器断面
α.所定の振り子角
A,A’.ローターを通る第1の断面の軸
B,B’.ローターを通る第2の断面の軸
C,C’.流体処理装置を通る断面の軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠心分離機で使用するための流体処理装置(1)であって、
a)第1のチューブ(18)を保持するための、前記第1のチューブ(18)の形状に対して形状適合する第1のホルダー(14)と、
b)第2のチューブ(26)を保持するための、前記第2のチューブ(26)の形状に対して形状適合する第2のホルダー(22)を備え、
前記第1のチューブは第1の断面(A1)を有し、前記第2のチューブ(26)は前記第1の断面(A1)とは異なる第2の断面(A2)を有する流体処理装置(1)。
【請求項2】
第1の断面(A1)が前記第2の断面(A2)より小さい請求項1に記載の流体処理装置(1)。
【請求項3】
前記第1のホルダー(14)と前記第2のホルダー(22)の少なくとも1つが一塊で作製される上記請求項のいずれか1項に記載の流体処理装置(1)。
【請求項4】
流体を保持するための第1の容器容量(12)を有する第1の容器(10)を備える上記請求項のいずれか1項に記載の流体処理装置(1)。
【請求項5】
前記第1のチューブ(18)を貫流する流体が前記第1の容器(10)に流れ込むように、前記第1の容器(10)に関して前記第1のホルダー(14)が配置される請求項4に記載の流体処理装置(1)。
【請求項6】
前記第2のホルダー(22)によって保持される前記第2のチューブ(26)が第2の容器(64)である上記請求項のいずれか1項に記載の流体処理装置(1)。
【請求項7】
前記第1のチューブ(18)を貫流する流体が前記第2の容器(64)に流れ込むように、前記第1のチューブ(18)を保持するために前記第2の容器(64)が成形される請求項6に記載の流体処理装置(1)。
【請求項8】
遠心分離機で使用するための流体処理装置(1)であって、
a)第1の容器容量(12)を有する第1の容器(10)と、
b)第1の位置(16)にて第1のチューブ(18)を保持するための第1のホルダー(14)と
c)第2の位置(24)にて第1のチューブ(18)を保持するための第2のホルダー(22)を備え、
前記第1のホルダー(14)は、前記第1のチューブ(18)を貫流する流体が前記第1の容器(10)に流れ込むように配置され、
前記第2のホルダー(22)は、前記第1のチューブ(18)を貫流する流体が第2の容器容量(65)を有する前記第2の容器(64)に流れ込むように配置され、
前記第2の容器容量(65)が前記第1の容器容量(12)とは異なる流体処理装置(1)。
【請求項9】
前記第1の容器容量(12)が前記第2の容器容量(65)より大きい請求項8に記載の流体処理装置(1)。
【請求項10】
前記第2の容器(64)が取り外し可能に、前記流体処理装置(1)に接続される請求項8〜9のいずれか1項に記載の流体処理装置(1)。
【請求項11】
前記第2の容器(64)が第2のチューブ(26)である請求項8〜10のいずれか1項に記載の流体処理装置(1)。
【請求項12】
前記第1のチューブを保持するために、前記第1のホルダー(14)が第1のチューブ(18)の形状に対して形状適合する請求項8〜11のいずれか1項に記載の流体処理装置(1)。
【請求項13】
前記第2のホルダー(14)が、前記第1のチューブ(18)を保持するために第1のチューブ(18)の形状に対して形状適合する、又は前記第2のチューブ(26)を保持するために第2のチューブ(26)の形状に対して形状適合型する、のいずれかである請求項8〜12のいずれか1項に記載の流体処理装置(1)。
【請求項14】
ローターを有する遠心分離機で使用するための流体処理装置(1)であって、前記流体処理装置が、
a)第1の断面(A1)を有する第1のチューブ(18)を保持するための第1のホルダー(14)、前記第1のチューブは第1のキャップ(40)を有する、と、
b)前記遠心分離機における遠心分離の間、前記第1のホルダー(14)に関して規定された位置にて前記第1のキャップ(40)を保持するための少なくとも1つの第1のキャップ固定手段(44)を備える流体処理装置(1)。
【請求項15】
第1のチューブ(18)を保持するための第2のホルダー(22)を備える請求項14に記載の流体処理装置(1)。
【請求項16】
前記第2のホルダー(22)が、第2のチューブ(26)を保持するために配置される請求項15に記載の流体処理装置(1)。
【請求項17】
前記第2のチューブ(26)が、前記第1の断面(A1)とは異なる第2の断面(A2)を有する請求項16に記載の流体処理装置(1)。
【請求項18】
前記第2のホルダー(22)が、第2のチューブ(26)を保持するために前記第2のチューブ(26)の形状に対して形状適合する請求項16又は17に記載の流体処理装置(1)。
【請求項19】
前記第2のチューブ(26)が第2の容器(64)である請求項16〜18のいずれか1項に記載の流体処理装置(1)。
【請求項20】
前記第1のチューブ(18)を貫流する流体が前記第2の容器(64)に流れ込むように前記第1のチューブ(18)を保持するために前記第2の容器(64)が成形される請求項19に記載の流体処理装置(1)。
【請求項21】
遠心分離機で使用するための流体処理装置(1)であって、
a)第1の容器容量(12)を有する第1の容器(10)と、
b)第1のチューブ(18)を貫流する流体が前記第1の容器(10)に流れ込むように前記第1のチューブ(18)を保持するための第1のホルダー(14)と、
c)第2のチューブ(26)を保持するための第2のホルダー(22)を備え、
前記第1のチューブ(18)は、第1の軸(11)と前記第1の軸(11)に対して直交して広がる第1の断面(A1)とを有し、
前記第1のチューブ(18)が前記第1のホルダー(14)によって保持される場合、前記第1のチューブ(18)の前記第1の軸(11)に対して直交して広がる前記第1の容器容量(12)の少なくとも1つの容器断面(AC)よりも前記第1の断面(A1)が少なくとも10パーセント小さい流体処理装置(1)。
【請求項22】
前記第1のチューブ(18)を保持するために、前記第1のホルダー(14)が前記第1のチューブ(18)の形状に対して形状適合する請求項21に記載の流体処理装置(1)。
【請求項23】
前記第2のチューブ(26)を保持するために、前記第2のホルダー(22)が前記第2のチューブ(26)の形状に対して形状適合する請求項21又は22に記載の流体処理装置(1)。
【請求項24】
前記第2のチューブ(26)が、前記第1の断面(A1)とは異なる第2の断面(A2)を有する請求項21〜23のいずれか1項に記載の流体処理装置(1)。
【請求項25】
前記第1の断面(A1)が前記第2の断面(A2)より小さい請求項24に記載の流体処理装置(1)。
【請求項26】
前記第2のチューブ(26)が、前記第1のチューブ(18)を貫流する流体が第2の容器(64)に流れ込むように前記第1のチューブ(18)を保持するために成形される前記第2の容器(64)である請求項21〜25のいずれか1項に記載の流体処理装置(1)。
【請求項27】
遠心分離機で使用するための流体処理装置(1)であって、
a)流体を保持するための第1の容器容量(12)を有する第1の容器(10)と、
b)第1のチューブ(18)を保持するための第1の止め具(60)を有する第1のホルダー(14)、前記第1のホルダー(14)は前記第1のチューブ(18)を貫流する流体が第1の容器(10)に流れ込むように配置され、前記第1の止め具(60)は第1の止め具平面(61)を規定する、と
c)第2のチューブ(26)を保持するための第2の止め具(62)を有する第2のホルダー(22)、前記第2の止め具(62)は前記第1の止め具平面(61)とは異なる第2の止め具平面(63)を規定する、を備える流体処理装置(1)。
【請求項28】
前記第1の止め具平面及び前記第2の止め具平面が互いに関して平行してずれる請求項27に記載の流体処理装置(1)。
【請求項29】
前記第1のチューブ(26)を保持するために、前記第1のホルダー(14)が前記第1のチューブ(18)の形状に対して形状適合し、前記第1のチューブ(18)が断面(A1)を有する請求項27又は28に記載の流体処理装置(1)。
【請求項30】
前記第2のチューブ(26)を保持するために、前記第2のホルダー(22)が前記第2のチューブ(26)の形状に対して形状適合する請求項27〜29のいずれか1項に記載の流体処理装置(1)。
【請求項31】
前記第2のチューブが、前記第1の断面(A1)とは異なる第2の断面(A2)を有する請求項27〜30のいずれか1項に記載の流体処理装置(1)。
【請求項32】
前記第1の断面(A1)が前記第2の断面(A2)より小さい請求項27〜31のいずれか1項に記載の流体処理装置(1)。
【請求項33】
前記第1のチューブを貫流する流体が前記第1の容器(10)に流れ込むように前記第1のホルダー(18)が配置される請求項32に記載の流体処理装置(1)。
【請求項34】
前記第2のチューブ(26)が、前記第1のチューブ(18)を貫流する流体が第2の容器(64)に流れ込むように前記第1のチューブ(18)を保持するために成形される前記第2の容器(64)である請求項27〜33のいずれか1項に記載の流体処理装置(1)。
【請求項35】
遠心分離機で使用するための流体処理装置(1)であって、
a)第1の容器容量(12)を規定する内側表面(10a)を有する第1の容器(10)と、
b)第1のチューブを貫流する流体が第1の容器容量(12)に流れ込むように前記第1のチューブ(18)を保持するための第1のホルダー(14)と
c)第2のチューブ(26)を保持するための第2のホルダー(22)を備え、
前記第1の容器(10)の前記内側表面(10a)が前記第2のホルダー(22)に隣接する流体処理装置(1)。
【請求項36】
前記第1のチューブ(26)を保持するために、前記第1のホルダー(14)が前記第1のチューブ(18)の形状に対して形状適合型であり、そのために前記第1のチューブ(18)が断面(A1)を有する請求項35に記載の流体処理装置(1)。
【請求項37】
前記第2のチューブ(26)を保持するために、前記第2のホルダー(22)が前記第2のチューブ(26)の形状に対して形状適合する請求項35又は36に記載の流体処理装置(1)。
【請求項38】
前記第2のチューブ(26)が、前記第1の断面(A1)とは異なる第2の断面(A2)を有する請求項35〜37のいずれか1項に記載の流体処理装置(1)。
【請求項39】
前記第1の断面(A1)が前記第2の断面(A2)より小さい請求項38に記載の流体処理装置(1)。
【請求項40】
前記第2のチューブ(26)が、前記第1のチューブ(18)を貫流する流体が第2の容器(64)に流れ込むように前記第1のチューブ(18)を保持するために成形される前記第2の容器(64)である請求項35〜39のいずれか1項に記載の流体処理装置(1)。
【請求項41】
前記第2の容器(64)が、前記第1の容器容量(12)とは異なる第2の容器容量(65)を有する請求項40に記載の流体処理装置(1)。
【請求項42】
前記第2の容器(64)が取り外し可能に、前記流体処理装置(1)に接続される上記請求項のいずれか1項に記載の流体処理装置(1)。
【請求項43】
前記第1の容器(10)が、前記第2のホルダー(22)に隣接する内側表面(10a)を有する上記請求項のいずれか1項に記載の流体処理装置(1)。
【請求項44】
第3の断面(A3)を有する第3のチューブ(32)を保持するための少なくとも1つの第3のホルダー(66)を備える上記請求項のいずれか1項に記載の流体処理装置(1)。
【請求項45】
前記第3の断面(A3)が前記第1の断面(A1)に等しい請求項44に記載の流体処理装置(1)。
【請求項46】
前記第3のチューブ(32)が前記第1のチューブ(18)に等しい請求項44に記載の流体処理装置(1)。
【請求項47】
流体を保持するための第3の容器容量(70)を有する第3の容器(68)を備える上記請求項のいずれか1項に記載の流体処理装置(1)。
【請求項48】
前記第3のチューブ(32)を貫流する流体が第3の容器(68)に流れ込むように前記第3のホルダー(66)が配置される請求項44〜47のいずれか1項に記載の流体処理装置(1)。
【請求項49】
前記第1の容器容量(12)が、前記第2の容器容量(65)及び前記第3の容器容量(70)の少なくとも1つとは異なる上記請求項のいずれか1項に記載の流体処理装置(1)。
【請求項50】
前記第1の容器容量(12)が、前記第2の容器容量(65)及び前記第3の容器容量(70)の少なくとも1つより大きい上記請求項のいずれか1項に記載の流体処理装置(1)。
【請求項51】
前記第1のチューブ(18)を保持するために少なくとも1つの第4のホルダー(80)を備える上記請求項のいずれか1項に記載の流体処理装置(1)。
【請求項52】
前記第2のチューブ(26)を保持するために少なくとも1つの第5のホルダー(90)を備える上記請求項のいずれか1項に記載の流体処理装置(1)。
【請求項53】
前記第1のホルダー(14)、前記第2のホルダー(22)、前記第3のホルダー(66)の少なくとも1つ、前記少なくとも1つの第4のホルダー(80)及び前記少なくとも1つの第5のホルダー(90)が、それぞれ第1又は第2のチューブを取り外し可能に保持するために配置される上記請求項のいずれか1項に記載の流体処理装置(1)。
【請求項54】
前記第1のホルダー(14)、前記第2のホルダー(22)、前記第3のホルダー(66)の少なくとも2つ、前記少なくとも1つの第4のホルダー(80)及び前記少なくとも1つの第5のホルダー(90)が、それぞれ第1及び第2のチューブ(18、26)を互いに平行に保持するために配置される上記請求項のいずれか1項に記載の流体処理装置(1)。
【請求項55】
前記第1のチューブ(18)を保持するために前記第1のチューブ(18)の外面に対して形状適合する第1の円筒形状の内面を有するように、前記第1のホルダー(14)、前記少なくとも1つの第3のホルダー(66)及び前記少なくとも1つの第4のホルダー(80)の少なくとも1つが形成される、及び/又は前記第2のチューブ(26)を保持するために前記第2のチューブ(18)の外面に対して形状適合する第2の円筒形状の内面を有するように、前記第2のホルダー(22)及び前記少なくとも1つの第5のホルダー(90)の少なくとも1つが形成される上記請求項のいずれか1項に記載の流体処理装置(1)。
【請求項56】
遠心分離の間、前記少なくとも1つの第1のチューブ(18)の第1のキャップ(40)を保持するために少なくとも1つの第1のキャップ固定手段(44、44a、44b)を備える上記請求項のいずれか1項に記載の流体処理装置(1)。
【請求項57】
遠心分離の間、前記第2のチューブ(26)の第2のキャップ(41)を保持するために少なくとも1つの第2のキャップ固定手段(46)を備える上記請求項のいずれか1項に記載の流体処理装置(1)。
【請求項58】
前記第1のキャップ固定手段(44)及び前記第2のキャップ固定手段(46)の少なくとも1つが、遠心分離の間、それぞれ第1のキャップ(40)又は第2のキャップ(41)を部分的に封入するためのキャップ封入構造を含む請求項56又は57に記載の流体処理装置(1)。
【請求項59】
前記少なくとも1つの第1のキャップ固定手段(44)及び前記少なくとも1つの第2のキャップ固定手段(46)の少なくとも1つが、それぞれ第1のホルダー(14)又は第2のホルダー(22)と一体化する請求項56〜58のいずれか1項に記載の流体処理装置(1)。
【請求項60】
遠心分離の間、前記第1のチューブ(18)及び第2のチューブ(26)の少なくとも1つが、少なくとも100g、好ましくは少なくとも1000g、一層されに好ましくは少なくとも10000gの加速に暴露される上記請求項のいずれか1項に記載の流体処理装置(1)。
【請求項61】
前記遠心分離機のローター(110)と前記流体処理装置(1)を取り外し可能に接続する接続手段(104)を備える上記請求項のいずれか1項に記載の流体処理装置(1)。
【請求項62】
前記ローター(110)に接続される場合、振り子軸(106)に関して向きを変えるように前記流体処理装置(1)について前記振り子軸(106)を規定するように前記接続手段(104)が配置される請求項61に記載の流体処理装置(1)。
【請求項63】
前記振り子軸が、前記第1の容器容量(12)を通って横切るように配置される請求項62に記載の流体処理装置(1)。
【請求項64】
前記振り子軸(106)が、前記第1の容器容量(12)の外側に伸長するように配置される請求項62に記載の流体処理装置(1)。
【請求項65】
前記第1のチューブ(18)を前記第1のホルダー(14)から取り出す間、前記振り子軸(106)の回りでの前記流体処理装置(1)の回転を防止するための第1の振り子防止手段(108)を備える請求項62〜64のいずれか1項に記載の流体処理装置(1)。
【請求項66】
前記第1のチューブ(18)を前記第2のホルダー(22)に接続する間、前記振り子軸(106)の回りでの前記流体処理装置(1)の回転を防止するための第2の振り子防止手段(109)を備える請求項62〜65のいずれか1項に記載の流体処理装置(1)。
【請求項67】
遠心分離の間、前記振り子軸(106)の回りでの前記流体処理装置(1)の回転を所定の振り子角(αs)に限定するための第3の振り子防止手段(112)を備える請求項62〜66のいずれか1項に記載の流体処理装置(1)。
【請求項68】
前記接続手段(104)が、遠心分離の間、前記第1のホルダー(14)、前記第2のホルダー(22)、前記第3のホルダー(66)、前記少なくとも1つの第4のホルダー(80)、前記少なくとも1つの第5のホルダー(90)、前記第1の容器(10)、前記第2の容器(64)、前記第3の容器(68)、前記接続手段(104)、前記第1のキャップ固定手段(44、44a、44b)、前記第2のキャップ固定手段(46)、前記第3のキャップ固定手段、前記第1の振り子防止手段(108)、前記第2の振り子防止手段(109)及び前記第3の振り子防止手段(112)の少なくとも1つを保持するための保持構造(102)を備える請求項61〜67に記載の流体処理装置(1)。
【請求項69】
前記第1の容器(10)の外面が、前記保持構造(102)の内面によって脱着可能であるように大きさが決められ、成形される上記請求項のいずれか1項に記載の流体処理装置(1)。
【請求項70】
前記第1のホルダー(14)、前記第2のホルダー(22)、前記第3のホルダー(66)、前記少なくとも1つの第4のホルダー(80)、前記少なくとも1つの第5のホルダー(90)、前記第1の容器(10)、前記第2の容器(64)、前記第3の容器(68)、前記接続手段(104)、前記少なくとも1つの第1のキャップ固定手段(44、44a、44b)、前記少なくとも1つの第2のキャップ固定手段(46)、前記少なくとも1つの第3のキャップ固定手段、前記第1の防止手段(108)及び前記第2の防止手段(109)の少なくとも2つの材料が同一であり、好ましくは高分子材料で作製される上記請求項のいずれか1項に記載の流体処理装置(1)。
【請求項71】
前記第1のホルダー(14)、前記第2のホルダー(22)、前記第3のホルダー(66)、前記少なくとも1つの第4のホルダー(80)、前記少なくとも1つの第5のホルダー(90)、前記第1の容器(10)、前記第2の容器(64)、前記第3の容器(68)、前記接続手段(104)、前記第1のキャップ固定手段(44、44a、44b)、前記第2のキャップ固定手段(46)、前記第3のキャップ固定手段、前記第1の振り子防止手段(108)及び前記第2の振り子防止手段(109)の少なくとも1つが一塊で作製される上記請求項のいずれか1項に記載の流体処理装置(1)。
【請求項72】
前記第1のホルダー(14)、前記第2のホルダー(22)、前記第3のホルダー(66)、前記少なくとも1つの第4のホルダー(80)、前記少なくとも1つの第5のホルダー(90)、前記第1の容器(10)、前記第2の容器(64)、前記第3の容器(68)、前記接続手段(104)、前記第1のキャップ固定手段(44、44a、44b)、前記第2のキャップ固定手段(46)、前記第3のキャップ固定手段、前記第1の振り子防止手段(108)及び前記第2の振り子防止手段(109)の少なくとも2つが互いに一体化される上記請求項のいずれか1項に記載の流体処理装置(1)。
【請求項73】
前記流体処理装置(1)が一塊で作製される上記請求項のいずれか1項に記載の流体処理装置(1)。
【請求項74】
遠心分離機内の第1の保持位置(16)から直接、前記遠心分離機内の第2の保持位置(24)に第1のチューブ(18)を自動的に移動させる(30)工程を含む流体を処理する方法。
【請求項75】
前記第1のチューブ(18)が、接線方向及び/又は放射状方向にて遠心分離機内の第1の保持位置(16)から前記遠心分離機内の第2の保持位置(24)に直接移される請求項74に記載の方法。
【請求項76】
流体を処理する方法であって、
以下の工程
a)少なくとも1つの流体処理装置に遠心力を適用すること、
前記の少なくとも1つの流体処理装置のそれぞれは、チューブを保持するために第1の保持位置(16)にて第1のホルダー(14)を有し、かつ第2の保持位置(24)にて第2のホルダー(22)を有する、および
b)前記少なくとも1つの流体処理装置(1)の1つの前記第1のホルダー(14)から前記少なくとも1つの流体処理装置(1)の1つの前記第2のホルダー(22)に第1のチューブ(18)を自動的に移動させること(30)を伴う方法。
【請求項77】
前記自動的な移動が、前記少なくとも1つの流体処理装置(1)の1つの前記第1のホルダー(14)から同一流体処理装置(1)の前記第2のホルダー(22)に実施される請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記第1のチューブの自動的移動(30)が、前記第1のホルダー(14)から前記第2のホルダー(22)への直接移動である請求項76又は77に記載の方法。
【請求項79】
少なくとも2つの流体処理装置(1)が提供され、前記方法が、前記少なくとも2つの流体処理装置(1)の1つの前記第1のホルダー(14)及び前記第2のホルダー(22)の1つから前記それぞれ別の流体処理装置(1)の前記第1のホルダー(14)及び前記第2のホルダー(22)の1つに前記第1のチューブ(18)を自動的に移動させる工程を含む請求項76〜78のいずれか1項に記載の方法。
【請求項80】
前記第1のチューブの直接移動(30)が、第1のチューブ(18)の軸方向における多くても2つの動きを含む請求項74〜79のいずれか1項に記載の流体を処理する方法。
【請求項81】
遠心分離の間、前記第1のチューブ(18;26)から第1の容器(10)に第1の流体を動かす工程を含む請求項74〜80のいずれか1項に記載の方法。
【請求項82】
遠心分離の間、前記第1のチューブ(18;26)から第2の容器(64)に第2の流体を動かす工程を含む請求項74〜81のいずれか1項に記載の方法。
【請求項83】
前記第2の容器(64)が第2のチューブ(26)である請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記第1の流体を得るために第3の保持位置(28)にて第3の容器(68)における試料流体を遠心分離する工程を含む請求項74〜83のいずれか1項に記載の方法。
【請求項85】
前記第3の容器(68)から前記第1のチューブ(18)に前記第1の流体を移動させる工程を含む請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記第1の流体の移動が、前記第3の容器(68)から前記第1の流体を引き出し、前記第1のチューブ(18)に前記第1の流体を分配することによって実施される請求項85に記載の方法。
【請求項87】
第1の試薬を前記第1のチューブ(18)に分配する工程を含む請求項74〜86のいずれか1項に記載の方法。
【請求項88】
第2の試薬を前記第1のチューブ(18)に分配する工程を含む請求項74〜87のいずれか1項に記載の方法。
【請求項89】
遠心分離によって、前記第1の試薬及び前記第2の試薬の少なくとも1つを前記第1の容器に動かす工程を含む請求項87〜88のいずれか1項に記載の方法。
【請求項90】
前記第1のチューブ(18)が特定の分子を付着させるためのフィルタ要素(19)を含む請求項74〜89のいずれか1項に記載の方法。
【請求項91】
前記流体処理装置(1)が請求項1〜74のいずれか1項に記載の流体処理装置(1)である請求項76〜90のいずれか1項に記載の方法。
【請求項92】
前記直接移動が、軸の回りで前記第1のチューブを回転させる工程を含む請求項74〜91に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【図20D】
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【公表番号】特表2009−510398(P2009−510398A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−531722(P2008−531722)
【出願日】平成18年9月26日(2006.9.26)
【国際出願番号】PCT/EP2006/066759
【国際公開番号】WO2007/039523
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(599072611)キアゲン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (83)
【Fターム(参考)】