流体分析装置用の流体無しインタフェース
【課題】1つまたは複数の機器、カートリッジインターフェースを有する流体分析装置。
【解決手段】流体分析装置は、機器と使い捨てカートリッジ61との間に漏れのないインターフェースを有するフローサイトメータ、血液分析装置等である。たとえば、また、1つの例証的な実施形態では、機器は、取り外し可能カートリッジ上の隔壁に貫入するようになっている針を含んでもよい。別の例証的な実施形態では、機器は、取り外し可能カートリッジ上で変形可能膜78を変形させるようになっているプランジャ70を含んでもよい。なお別の例証的な実施形態では、機器は、取り外し可能カートリッジ上で流路64に嵌りかつシールするようになっているノズルを含んでもよい。取り外し可能カートリッジ上で流路内の流量ならびに取り外し可能カートリッジの流路内の流体の位置を検出する技法も開示される。
【解決手段】流体分析装置は、機器と使い捨てカートリッジ61との間に漏れのないインターフェースを有するフローサイトメータ、血液分析装置等である。たとえば、また、1つの例証的な実施形態では、機器は、取り外し可能カートリッジ上の隔壁に貫入するようになっている針を含んでもよい。別の例証的な実施形態では、機器は、取り外し可能カートリッジ上で変形可能膜78を変形させるようになっているプランジャ70を含んでもよい。なお別の例証的な実施形態では、機器は、取り外し可能カートリッジ上で流路64に嵌りかつシールするようになっているノズルを含んでもよい。取り外し可能カートリッジ上で流路内の流量ならびに取り外し可能カートリッジの流路内の流体の位置を検出する技法も開示される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、流体分析装置に関し、より詳細には、機器−カートリッジインタフェースを有する流体分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
化学的および/または、生物学的分析は、生命科学研究、臨床診断、ならびに広い範囲の環境およびプロセスモニタリングについて重要である。ある場合には、分析装置を使用して、サンプル流体の化学的および/または生物学的分析が実施される、かつ/または、実施されるのが支援される。サンプル流体は、用途に応じて、液体または気体であってよい。
【0003】
一部の分析装置は、取り外し可能で、ある場合には、使い捨てのカートリッジを受け取る機器を含む。こうした分析装置では、サンプル流体は、取り外し可能カートリッジに導入される、または、その他の方法で提供されることが多く、機器は、1つまたは複数のインタフェースを通して、取り外し可能カートリッジと相互作用して、所望の化学的および/または生物学的分析を実施する、かつ/または、制御するのに役立つ。インタフェースは、たとえば、用途に応じて、流体インタフェース、電気インタフェース、および/または、他のタイプのインタフェースを含んでもよい。インタフェースの完全性は、デバイス全体の機能にとって重要であることが多い。たとえば、流体インタフェースは、取り外し可能カートリッジと機器との間、および/または、その逆に1つまたは複数の流体(流体または気体流体)を運ぶことが多く、流体インタフェースが、実質的に漏れが無く信頼性があり、費用効果的であることが望ましいことが多い。
【0004】
本発明の以下の要約は、本発明に固有の独創的な特徴の一部の理解を容易にするために提供され、完全な説明であることを意図されない。本発明の完全な理解は、明細書全体、特許請求の範囲、図面、および要約を全体として考えることによって得られる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、一般に、流体分析装置に関し、より詳細には、1つまたは複数の機器−カートリッジインタフェースを有する流体分析装置に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一部の実施形態では、流体分析装置は、機器と使い捨てカートリッジとの間に1つまたは複数の漏れの無いインタフェースを有するフローサイトメータおよび/または血液分析装置であってよいが、他の流体分析装置が使用されてもよい。
【0007】
1つの例証的な実施形態では、流路壁によって画定される第1流路を有するカートリッジおよびカートリッジの外から第1流路へ延びる開口を含む流体分析装置が提供される。隔壁が、開口の上に、または、開口を覆って配設され、流体が漏れないシールによって、カートリッジの少なくとも一部分に固定される。カートリッジを受け取る機器も設けられる。第1針が、機器に取り付けられてもよい。第1針は、カートリッジの第1流路の開口に嵌合し、隔壁を貫入する大きさに作られてもよい。第1針が、第1流路の開口内に位置し、隔壁を貫通した状態で、機器は、第1針内に流れを誘導し、流れは、次に、カートリッジの第1流路内に流れを誘導する可能性がある。ある場合には、機器は、第1針内に誘導された流れを検知するセンサなどを含んでもよい。第1針内に誘導される流れは、カートリッジの第1流路内で誘導される流れに関連してもよい。
【0008】
隔壁は、第1針が、隔壁に貫入し、隔壁を通って延びるときに、第1針の周りに比較的流体が漏れないシールを提供するようになっていてもよい。別法として、または、付加的に、隔壁は、隔壁から第1針を引き抜いた後に、開口を再シールするようになっていてもよい。
【0009】
ある場合には、第1針は、本体、先端、および停止機構を含んでもよい。停止機構は、第1針の本体の少なくとも一部の周りに配設され、第1針の先端からある距離だけ後方にオフセットされてもよい。停止機構は、第1針の先端が、隔壁に貫入するが、第1針の先端がカートリッジの第1流路の後ろ側に係合することを防止することを可能にする距離だけ、オフセットしてもよい。
【0010】
一部の実施形態では、カートリッジは、第2流路を含み、機器は、カートリッジの第2流路と機器との間に流体を流す第2針を含む。ある場合には、第2針は、機器の流体経路を介して第1針に流体連通する。機器は、所望である場合、機器の流体経路内の流体流量を検知する流量センサを含んでもよい。他の場合には、第2針は、カートリッジに独立に制御された圧力を提供してもよい。一部の実施形態では、カートリッジは、第1および/または第2針を含んでもよく、機器は、所望である場合、1つまたは複数の対応する隔壁を含んでもよい。
【0011】
別の例証的な実施形態では、流路壁によって画定される流路を有するカートリッジおよびカートリッジの外から流路へ延びる開口を含む流体分析装置が提供される。弾性および/または柔軟性膜は、開口内にまたは、開口を覆って配設され、流体が漏れないシールによってカートリッジの少なくとも一部分に固定されてもよい。流体分析装置は、さらに、カートリッジを受け取る機器を含んでもよい。機器は、カートリッジが機器によって受け取られたときに、カートリッジの弾性および/または柔軟性膜と位置合わせ状態になるプランジャを有してもよい。機器は、さらに、カートリッジの弾性および/または柔軟性膜に係合するようにプランジャの少なくとも一端を移動させて、弾性および/または柔軟性膜を変形させ、それにより、カートリッジ上の流体チャンバの体積を変化させ、次に、カートリッジの流路内に流れを誘導させる。
【0012】
プランジャは、任意のタイプのプランジャであってよい。たとえば、プランジャは、剛性端を含んでもよく、機器の移動機構は、プランジャの剛性端を弾性および/または柔軟性膜の方へ移動させて、弾性および/または柔軟性膜を変形させてもよい。あるいは、プランジャは、変形可能な弾性および/または柔軟性膜を含んでもよく、機器の移動機構は、プランジャ端の弾性および/または柔軟性膜の背後に圧力を生成して、プランジャ端の弾性および/または柔軟性膜をカートリッジの弾性および/または柔軟性膜の方へ変形させる圧力源を含んでもよい。それは、次に、カートリッジの弾性および/または柔軟性膜を変形させ、最終的に、カートリッジの流路内に流れを誘導する。
【0013】
別の例証的な実施形態では、第1主表面および対向する第2主表面を有し、第1主表面と第2主表面との間に流路が配置されたカートリッジを含む流体分析装置が提供される。カートリッジは、さらに、第1主表面を通って、第1流路内に延びる開口を有してもよい。流体カートリッジは、さらに、カートリッジを受け取る機器を有してもよい。機器は、ノズルに少なくとも選択的に流体連通する圧力源を有してもよい。圧力源は、正または負の圧力を生成する任意のタイプの圧力源であってよい。ノズルは、カートリッジ内の開口を覆って配置され、カートリッジが機器によって受け取られると、カートリッジと実質的に流体が漏れないシールを形成する。機器は、圧力源の圧力を制御するので、ノズル/開口インタフェースを介してカートリッジの流路内で、所望の流れが誘導される。一部の実施形態では、カートリッジは、開口または流路内に一方向弁を含んでもよく、一方向弁は、カートリッジが機器から取り外されるときに、流体が、カートリッジから出ることを防止するのに役立つ可能性がある。
【0014】
なお別の例証的な実施形態では、1つまたは複数のチャンバ壁によって画定されたチャンバを有するカートリッジを有する流体カートリッジが提供される。流体カートリッジは、さらに、カートリッジを受け取る機器を備えてもよい。機器は、チャンバ壁の1つまたは複数の少なくとも一部を変形させて、カートリッジ内に流れを誘導させる力をカートリッジに加える力機構を有してもよい。ある場合には、変形される1つまたは複数のチャンバ壁の少なくとも一部は、加えられた力の下で変形し、それにより、チャンバの体積を変え、カートリッジの流路内に流れを誘導する柔軟性膜を含む。他の場合には、変形される1つまたは複数のチャンバ壁の少なくとも一部は、加えられた力の下で圧壊し、それにより、カートリッジのチャンバの体積が変わる、比較的剛性がある壁である。力機構は、任意のタイプの力機構であってよい。たとえば、力機構は、カートリッジに沿って回転すると、チャンバ壁の1つまたは複数の少なくとも一部が、ローラによって変形して(圧縮されて)、カートリッジ内に流れを誘導するローラを含んでもよい。
【0015】
別の例証的な実施形態では、流路の下流に流体を搬送する流路を有する使い捨てカートリッジを含む流体カートリッジが提供され、流体は、1つまたは複数の検出可能な特性を有する。流体カートリッジは、また、使い捨てカートリッジを受け取る機器を含む。機器は、流体の1つまたは複数の検出可能な特性の少なくとも1つを検出するための、流路に沿う第1ロケーションに位置する第1検出器を有してもよい。機器は、第1検出器による流体の1つまたは複数の検出可能な特性の検出を使用して、カートリッジの流路内の流体の流量および/または流路内の流体の現在位置の尺度を決定してもよい。機器は、さらに、流体の1つまたは複数の検出可能な特性の少なくとも1つを検出するための、第1ロケーションの下流方向に間隔をあけて、流路に沿う第2ロケーションに配置された第2検出器を有してもよい。機器は、第1検出器と第2検出器による流体の1つまたは複数の検出可能な特性の検出を使用して、流路内の流体の流量および/または流路内の流体の現在位置の尺度を決定してもよい。検出される流体は、対象となるサンプル流体、対象となるサンプル流体を流路に沿って押し出すプッシャ流体、または、所望に応じて任意の他の流体であってよい。
【0016】
以下の説明は、図面を参照して読まれるべきである。図面では、同じ参照数字は、いくつかの図を通して同じ要素を指す。詳細な説明および図面は、請求された発明を例証することを意図されるいくつかの実施形態を示す。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】例証的な可搬型サイトメータの斜視図である。
【図2】機器/カートリッジインタフェース内に針を含む例証的な流体分析装置の略部分側断面図である。
【図3】流量センサが針と一列に並んだ状態の、図2の例証的な実施形態の略部分側断面図である。
【図4】機器/カートリッジインタフェース内に2つの(または3つ以上の)の針を含む別の例証的な分析装置の略図である。
【図5】別の例証的な機器/カートリッジインタフェースの略部分側断面図である。
【図6】なお別の例証的な機器/カートリッジインタフェースの略部分側断面図である。
【図7】別の例証的な機器/カートリッジインタフェースの略部分側断面図である。
【図8】カートリッジ上での流量を決定する例証的な実施形態の略部分側断面図である。
【図9】カートリッジ上での流量を決定する別の例証的な実施形態の略部分側断面図である。
【図10】圧壊可能な流路を有するカートリッジおよび流路を制御可能に圧壊するローラを有する機器を含む例証的な流体分析装置の略部分側断面図である。
【図11】圧壊可能な流路を有するカートリッジおよび流路を制御可能に圧壊するローラを有する機器を有する別の例証的な流体分析装置の略部分側断面図である。
【図12】カートリッジの流路内に流れを誘導する複数のギアを含むカートリッジの略平面図である。
【図13】カートリッジの流路内の流体の流量および/または現在位置を決定する検出器を有する機器を含む例証的な流体分析装置の略図である。
【図14A】カートリッジの流路内の流体の流量および/または現在位置を決定する2つの(または、3つ以上の)検出器を有する機器を含む例証的な流体分析装置の略図である。
【図14B】カートリッジの流路内の流体の流量および/または現在位置を決定する2つの(または、3つ以上の)検出器を有する機器を含む例証的な流体分析装置の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、一般に、流体分析装置に関し、より詳細には、1つまたは複数の流体機器−カートリッジインタフェースを有する流体分析装置に関する。一部の実施形態では、流体分析装置は、フローサイトメータ、血液分析装置、臨床化学分析装置(たとえば、グルコース分析装置、イオン分析装置、電解質分析装置、溶解ガス分析装置など)、尿分析装置、または、機器と使い捨てカートリッジとの間の1つまたは複数の漏れが無いインタフェースを有する任意の他の適切な分析装置であってよい。
【0019】
図1は、例証的な可搬型サイトメータの斜視図である。例証的なサイトメータ10は、機器12、および、取り外し可能な、ある場合には、使い捨てのカートリッジ14を含む。例証的な機器12は、ベース16、カバー18、および、ベース16をカバー18に取り付けるヒンジ20を含む。ベース16は、関連する光学部品およびサイトメータの動作のための必要な電気部品と共に、光源22aおよび22bを含んでもよい。カバー12は、関連光学部品を有する光検出器24aおよび24bを含んでもよい。
【0020】
取り外し可能カートリッジ14は、サンプル採取器ポート32を介して、たとえば血液などのサンプル流体を受け取ってもよい。キャップ38は、取り外し可能カートリッジ14が使用されていないときに、サンプル採取器ポート32を保護するのに使用されてもよい。取り外し可能カートリッジ14は、血液希釈、赤血球溶解、およびコア形成のための流体力学的収束を実施してもよい。取り外し可能カートリッジ14は、Micronics Technologiesから入手可能な流体回路と同様に構築されてもよく、流体回路の一部は、流路がエッチングされた積層構造を使用して作製される。
【0021】
使用中、カバー18が開いた位置にあるときに、取り外し可能カートリッジ14が、機器内に挿入される。取り外し可能カートリッジ14は、ベース16内の位置合わせピン28aおよび28bを受け取る穴26aおよび26bを含んでもよく、位置合わせピン28aおよび28bは、異なる部分間のアライメントおよび結合を可能にするのに役立つ場合がある。取り外し可能カートリッジ14は、また、光源22aおよび22bのアレイと光検出器24aおよび24bのアレイと整列した透明流れストリーム窓30aおよび30bを含んでもよい。
【0022】
試験を始動するために、カバー18が、持ち上げられ、新しいカートリッジ14が、ベース16上に設置され、位置合わせされてもよい。サンプル流体は、サンプル採取器32内に導入される。次いで、カバー18が閉じられる。ある場合には、取り外し可能カートリッジ14は、血液希釈、赤血球溶解、およびコア形成のための流体力学的収束を可能にする。ある場合には、機器12は、白血球サイトメトリ測定を実施する。たとえば、光源22aおよび22b、光検出器24aおよび24b、ならびに、関連する制御および処理電子部品は、光散乱信号および/または蛍光信号に基づいて白血球の弁別および計数を実施してもよい。ハウジング12用のヒンジ付構造を使用するのではなく、所望に応じて、摺動式カートリッジスロットまたは任意の他の適切な構造が使用されてもよいことが考えられる。
【0023】
こうした分析を実施するために、サンプル流体(たとえば、血液サンプル)は、カートリッジ14の1つまたは複数の流路を通して押し込まれる(または、引き出される)必要がある場合がある。試薬および/または他の流体はまた、1つまたは複数の流路を通して押し込まれる(または、引き出される)必要がある場合がある。ある場合には、機器12は、1つまたは複数の機器/カートリッジインタフェースを通してカートリッジ内に必要な流れを生成するのを支援してもよい。別法として、または、付加的に、機器12を使用して、カートリッジ上の流れが監視され、かつ/または、制御されてもよい。
【0024】
図2は、機器/カートリッジインタフェース内に針を含む例証的な流体分析装置の略部分側断面図である。例証的な実施形態では、カートリッジ41は、流路壁によって画定された流路48を有するものとして示される。流路48は、カートリッジ41の上部主表面43と下部主表面45との間に設けられる。ある場合には、流路48は、カートリッジ41内の長く薄い流路であってよい。しかし、流路48は、所望に応じて、任意の適切なサイズまたは形状をとってもよいことが考えられる。例証的な実施形態では、流路48と上部主表面43との間に、開口47が設けられる。
【0025】
隔壁42は、開口47内に、または、開口47を覆って配設されて、流体が漏れないシールを形成する。ある場合には、隔壁42はまた、図示するように、カートリッジ41の上部主表面43の全てまたは一部分にわたって延びるが、これは、必要とされない。隔壁42は、流体が、流路48内の開口47を通り、カートリッジ41から流れる出ることを防止するか、または、実質的に防止してもよい。
【0026】
隔壁42は、針40などの対象物または任意の他の適切な対象物が、隔壁42に貫入し、流路48と流体連通することを可能にするようになっていてもよい。隔壁42はまた、針40の周りにシールを形成して、流体が、針40の外と隔壁42との間に流れることを防止する、または、実質的に防止してもよい。隔壁42はまた、針40が隔壁42から取り外された後に、針40によって生成される開口を再シールするようになっていてもよい。ある場合には、針40が引き抜かれるにつれて、隔壁4は、針40を拭って、針40から残留流体を除去するのに役立ってもよい。隔壁42は、たとえば、エラストマ(たとえば、ゴム)などのような弾性および/または柔軟性材料で作られてもよい。
【0027】
例証的な実施形態では、針40は、流体がその中を通り抜ける中空コアを有する細長い管状本体を有する。本体は、機器の一端に取り付けられてもよい。針40の他端は、先端46で終端し、先端46は、隔壁42を通してカートリッジ41内に挿入するようになっていてもよい。例証的な実施形態では、先端は、隔壁42を芯抜きすることなく、針が、隔壁42により容易に貫入することを可能にするテーパ付の先の尖った先端を含む。しかし、任意の適切な針40の先端が、所望に応じて使用されてもよいことが考えられる。
【0028】
一部の実施形態では、針40はまた、針40の本体の周りに配設され、本体に対して固定された停止機構44を有してもよい。停止機構44は、本体から外側に横方向にある距離だけ延び、針40の先端46からオフセット距離だけオフセットしてもよい。停止機構44は、一貫しかつ適切な深さまで針40を挿入するのを支援してもよい。例証的な実施形態では、針40は、隔壁42に貫入し、針の先端46が流路48に流体連通し、停止機構44が隔壁42(またはカートリッジ41)の上部表面に係合するまで、下方に移動してもよい。針40が完全に挿入された状態で、停止機構のオフセット距離は、望まれる場合、針40の先端46が、流路48の背面壁51に係合しないことを保証するのに役立つように設定されてもよい。そのため、一部の例証的な実施形態では、停止機構44は、カートリッジ内への針40の過剰挿入または過小挿入を防止するのに役立ってもよい。
【0029】
挿入されると、針40の先端46の中空開口を使用して、機器(図1を参照されたい)とカートリッジ41の流路48との間で流体および/または圧力が搬送されてもよい。ある場合には、機器は、カートリッジ41の流路48内に所望の流れを生成する流体および/または圧力を提供してもよい。
【0030】
たとえば、また、ある場合には、機器は、機器上に流体のリザーバを有してもよい。流体は、所望に応じて、たとえば、試薬流体、溶解流体、シース流体、プッシャ流体、または、任意の他の適切な流体であってよい。機器からの流体は、針40を通してカートリッジ41の流路48に提供され、流路48内に流体の流れを生成してもよい。ある場合には、流体が機器を出る流量を知ることによって、流路48内での流量が決定される、かつ/または、制御されてもよい。
【0031】
カートリッジ41は、取り外し可能である、または、さらに使い捨て可能であってよいことが考えられる。取り外し可能カートリッジ41は、一部の実施形態では、カートリッジ41を受け取るようになっている機器内に挿入されてもよい。機器は、たとえば、ベース、カバー、および針41を含んでもよい。挿入されると、機器のカバーが閉じられてもよい。ある場合には、機器の針40は、隔壁に既に十分に整列していてもよく、一方、他の場合には、針40は、整列される必要がある場合がある。整列すると、針40は、カートリッジ41に向かって作動され、隔壁42に貫入し、針40の先端46が、カートリッジ41の流路48に流体連通する位置に移動してもよい。ある場合には、針40の作動または移動は、挿入位置と引き抜き位置との間で針40を作動させる、モータまたは同様なものなどによって自動化されてもよい。コントローラを使用して、モータが制御されてもよい。あるいは、手動で針40をカートリッジ41に挿入し、カートリッジ41から針40を引き抜くなどによって、針40は、手動で所定位置に移動してもよいことが考えられる。
【0032】
針40がカートリッジ41内に挿入され、先端46の開口がカートリッジ41の流路48内に配置されると、流体が、機器からカートリッジ41の流路48へ制御された流量で送出されてもよい。流体は、所望に応じて、気体または液体流体であってよい。自動化プロセスでは、流量は、所望である場合、コントローラによって制御されてもよい。
【0033】
針40および機器が、所望の流体をカートリッジ41に送出した後、針40は、引き抜かれてもよく、それにより、カートリッジ41は、機器から取り外され、ある場合には、適切に廃棄されることができる。やはり、針40の引き抜きは、所望に応じて、自動化されてもよく、または、手動で実施されてもよい。ある場合には、針40がカートリッジ41から引き抜かれるにつれて、残留流体が、隔壁42によって針40から拭い去られる。
【0034】
ある場合には、カートリッジ41内のサンプルの流量との相関関係を有する、機器によって提供される流体流量が、決定されることができる。これは、カートリッジ41の流路48内のサンプル流体の流量を正確に決定し、かつ/または、制御する比較的容易な方法を提供する可能性がある。
【0035】
測定に先立って、針40がカートリッジ41内に挿入される前に、機器が、針40の本体および先端46を流体でフラッシングしてもよいことが考えられる。これは、カートリッジごとに考えられる汚染源を取り除くのに役立つ可能性がある。測定の終了時に、針40の本体および先端46の外側は、引き抜き中に、隔壁42によって拭い去られ、考えられる汚染源を取り除くのにも役立つ。同様に、針40の先端46の小規模エリアまたは小表面積は、汚染源となる可能性があるサンプル流体の量を減少させるのに役立つ場合がある。
【0036】
ある場合には、カートリッジの測定と測定との間に針40の先端46を殺菌するために、熱殺菌プロセスが導入されてもよい。たとえば、殺菌プロセスは、熱移動ピンのサイクルと同様の急速な加熱および冷却サイクルであってよい。このプロセスは、ある場合には、所望に応じて、針40のそれぞれの使用後に設けられてもよい。さらに、一方向弁が、機器および/またはカートリッジ41内に設けられてもよく、一方向弁は、機器および/またはカートリッジ41内への流体の逆流を防止するのに役立つ可能性がある。これは、電力喪失期間中に特に有用である場合がある。
【0037】
図3は、センサ50が針40と一列に並んで設置された図2の例証的な実施形態の略部分側断面図である。示すように、センサ50は、機器の供給流路49内の流体の特性を検知する。流体が、依然として機器内にある間に、または、換言すれば、流体が針40を通して機器を出る前に、センサ50は、たとえば、流体の流量、圧力、または他の特性を測定してもよい。1つの例証的な実施形態では、センサ50は、たとえば、その全てが参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第4,478,076号、米国特許第4,478,077号、米国特許第4,501,144号、米国特許第4,651,564号、米国特許第4,683,159号、および米国特許第5,050,429号に開示されるような熱式風速計タイプの流量センサであってよい。しかし、センサ50は、所望に応じて、任意の適切なタイプの流量センサであってよいことが考えられる。
【0038】
センサ50を機器内の流路49に隣接して配置することによって、センサ50は、針40を通過する流体の流量を直接測定することができる場合がある。針40を通過する流量を知ることによって、カートリッジの流路48内の流量が決定されてもよい。別法として、または、付加的に、たとえば、流路49を通過する流体が、予想される流体か、または、予想される流体タイプであることを特定する、または、確認するのに役立てるために、センサ50を使用して、流体の熱伝導率、比熱、流体密度、電気抵抗率、および/または、他の特性が検出されてもよい。これは、予想される流体が、特定の分析またはプロシジャ中に、流路48内で実際に使用されていることを確認するのに役立つ場合がある。
【0039】
センサ50は、機器のコントローラ(図示せず)に結合されてもよい。コントローラ50は、所望に応じて、センサ50を起動させる信号を送出してもよく、また、センサ50を停止させる信号を送出してもよい。次に、センサ50は、所望に応じて、流路49を通過する流体の流量または他の特性に関するデータを、コントローラに提供してもよい。別法として、または、付加的に、センサ50は、カートリッジ41上に配置されてもよく、また、たとえば、カートリッジ41の流路48内の流量を直接測定するのに使用されてもよい。しかし、これは、カートリッジ41のコストを増加させる可能性がある。
【0040】
図4は、機器/カートリッジインタフェース内に2つの(または3つ以上の)の針40および52を含む別の例証的な分析装置の略図である。1つの例証的な実施形態では、カートリッジ41は、第1流路48aおよび第2流路48bを含む。第1流路48aおよび第2流路48bは、図4において点状クロスハッチで示す、壁53によって分離される。第1針40は、たとえば、カートリッジ41の第1流路48aから流体を抽出してもよく、また、第2針52は、カートリッジ41の第2流路48に流体を戻してもよい。機器は、第1針40と第2針52を流体接続する流路55を有してもよい。流量センサ50は、機器の流路55と一列に並んで設けられてもよく、また、カートリッジの第1流路48aおよび第2流路48b内の流量の尺度を提供してもよい。流量センサ50をカートリッジ41上に設けるのではなく、流量センサ50を機器に移動することによって、カートリッジ41のコストが、低減される可能性がある。別法として、または、付加的に、たとえば、カートリッジの第1流路48aおよび/または第2流路48bを通過する流体が、予想される流体であることを特定する、または、確認するのに役立てるために、流量センサ50を使用して、流体の熱伝導率、比熱、流体密度、電気抵抗率、および/または、他の特性が検出されてもよい。これは、予想される流体が、特定の分析またはプロシジャ中に、第1流路48aおよび/または第2流路48b内で実際に使用されていることを確認するのに役立つ場合がある。
【0041】
使用中、第1針40および第2針52は、それぞれの隔壁を通してカートリッジ41内に同時にまたは順次に挿入されてもよい。こうした挿入は、図2に関して上述した挿入と同様であってよい。針40と52の両方がカートリッジ41内に挿入されると、第1針40は、カートリッジ41内の流路48aから流体を抽出し、流体が、「カード外(off card)」流路55を通って流れるようにさせてもよい。「カード外」流路55内にあるとき、センサ50は、流体の流量(および/または、他の特性)を測定してもよい。流量が測定された後、流体は、第2針52に流れてもよく、第2針52にて、流体は、カートリッジ41の流路48bに戻る。カートリッジ41が使用された後、針40と52の両方が、やはり図2を参照して上述したのと同様に、カートリッジ41から引き抜かれてもよい。
【0042】
別の例証的な実施形態では、図4において点状クロスハッチで示す壁53は、存在しなくてもよい。すなわち、第1針40と第2針52は共に、48と表示された共通流路にアクセスしてもよい。第2針52は、第1針40の上流か、または、下流に配置されてもよい。この構成では、第1針40は、第1圧力をセンサ50に送ってもよく、第2針52は、第2圧力をセンサ50に送ってもよい。センサは、たとえば、差動圧力センサであてよい。流路48に沿う2つのロケーションにおいて検知される圧力差から、流路48に沿う流量が決定されてもよい。所望である場合、両者間の圧力降下を増加させるために、第1針40と第2針52との間の流路48内に制限部が配置されてもよい。所望である場合、先に説明した針は、取り外し可能カートリッジ上に設けられてもよく、対応する隔壁は、機器上に設けられてもよいことが考えられる。
【0043】
図5は、別の例証的な機器/カートリッジインタフェースの略部分側断面図である。例証的な実施形態では、機器は、比較的剛性のある端63を有するプランジャ60を含んでもよい。プランジャは、所望に応じて、たとえば、ねじ、ピストン、または任意の他の適切なデバイスであってよい。ねじタイプのプランジャの場合、ねじは、微細ピッチのねじであってよいことが考えられる。しかし、所望に応じて、任意の適切なねじが使用される。
【0044】
例証的な実施形態では、プランジャ60は、機器に取り付けられる、または、機器の一部であり、アクチュエータによって上下に作動されてもよい。ある場合には、アクチュエータは、自動化プロセスによって制御されてもよい。こうした場合、機器は、プランジャ60の位置を制御するために、マイクロステッパモータなどのモータ(図示せず)を含んでもよい。あるいは、ある状況下では、プランジャ60の作動は、たとえば、所望に応じて、レバー、圧力ボタン、または任意の他の手動方法などによって、手動で行われてもよいことが考えられる。
【0045】
例証的な実施形態では、取り外し可能カートリッジ61は、貯蔵キャビティ66の壁によって画定された、流体が貯蔵されてもよい流体貯蔵キャビティ66を有してもよい。ある場合、流体貯蔵キャビティ66は、比較的薄い使い捨てカートリッジに嵌合するために、高さに比べて半径が比較的大きい円柱形状貯蔵キャビティ66であってよい。しかし、貯蔵キャビティ66は、所望に応じて、任意の適切なサイズまたは形状であってよいことが考えられる。例証的な貯蔵キャビティ66は、カートリッジ61上の流路64に流体結合する。
【0046】
貯蔵キャビティ66の壁の1つまたは複数の少なくとも一部分、ほとんどの場合、カートリッジ61の外壁は、膜62を含んでもよい。ある場合には、膜62は、エラストマ膜などの弾性および/または柔軟性膜であってよい。ある場合には、膜62は、カートリッジ61の一部分を初めに除去して、貯蔵キャビティ66を形成する開口を画定することによって設けられてもよい。次に、膜62は、開口内に、かつ/または、開口を覆って、ある場合には、カートリッジ61の上部表面の一部分にわたって配設されて、流体が漏れないシールが形成されてもよい。
【0047】
開口のサイズは、プランジャ60の端63より大きくてもよく、そのため、プランジャ60が、膜62を変形させ、変位させて、貯蔵キャビティ66内に入ることが可能になる。ある場合には、開口を覆って配設される膜62の部分は、カートリッジ61の上部表面67から窪んでいてもよい。こうした窪んだ膜62は、カートリッジ61の流路64内に流れを誘導することを誤ってもたらす可能性がある膜62の誤った圧迫または変位を防止するのに役立つ場合がある。
【0048】
例証的な実施形態は、プランジャ60を膜62に当たるように移動し、膜62を貯蔵キャビティ66の方に変形させ、かつ、変位させ、次に、貯蔵キャビティ66内に貯蔵された流体を下方に流路64まで変位させることによって、カートリッジ61の流路64内の流体の流れを誘導してもよい。
【0049】
使用中、カートリッジ61は、最初に機器内に配置されてもよい。ある場合には、機器は、プランジャ60を、カートリッジ61の貯蔵キャビティ66と整列させてもよい。次に、機器は、まだ膜62を変位しないが、膜62と接触するようにプランジャ60を移動させてもよい。機器は、その後、プランジャ60を膜62内に押し込み、膜62を貯蔵キャビティ66内に変位させ、カートリッジの流路64内に流れを誘導してもよい。機器は、その後、プランジャ60を引き抜いてもよい。ある場合には、プランジャ60は、脈動方式または定常方式で作動されてもよい。より一般的には、機器は、カートリッジ61の流路64内に所望の流量を誘導するレートプロファイルでプランジャ60を移動してもよいことが考えられる。例証的な実施形態では、膜62は、機器とカートリッジ61内の流体との間の物理的障壁の役目を果たすのに役立ってもよい。この障壁があることは、カートリッジ61および/または機器の汚染のリスクを減少させる可能性がある。
【0050】
図6は、なお別の例証的な機器/カートリッジインタフェースの略部分側断面図である。この例証的な実施形態は、プランジャ70が、弾性および/または柔軟性膜78を含むことを除いて、図5と同様であり、弾性および/または柔軟性膜78は、流体圧力によって拡張して(たとえば、膨張して)、貯蔵キャビティ66内に膜62を変位させることができ、次に、カートリッジ61の流路64内に流れを誘導する。より具体的には、プランジャ70は、機器に取り付けられた第1端およびカートリッジ61の膜62に隣接して配置された第2端を有してもよい。1つまたは複数の流路79aおよび79bが、プランジャ70の軸方向に設けられてもよい。1つまたは複数の流路79aおよび79bは、機器内の圧力源と弾性および/または柔軟性膜78の背後のキャビティとの間に圧力伝達経路を形成してもよい。軸70は、コントローラに結合されてもよく、コントローラは、軸70の(上/下への)移動および/または、1つまたは複数の流路79aおよび79bを通した軸70から軸先端に近いキャビティまでの流体(気体または液体)の流れを制御する。
【0051】
使用中、カートリッジ61は、最初に機器内に配置されてもよい。ある場合には、機器は、軸70を、カートリッジ61の貯蔵キャビティ66と整列させてもよい。次に、所望である場合、機器は、まだ膜62を変位しないが、膜62と接触するように軸70を移動させてもよい。機器は、その後、軸70の弾性および/または柔軟性膜78の背後のキャビティを膨張させてもよく、それにより、膜62を貯蔵キャビティ66内に変位させ、カートリッジ61の流路64内に流れを誘導してもよい。機器は、その後、弾性および/または柔軟性膜78の背後のキャビティを膨張させ、軸70を引き抜いてもよい。ある場合には、弾性および/または柔軟性膜78の背後のキャビティの膨張は、脈動方式または定常方式で行われてもよい。より一般的には、機器は、カートリッジ61の流路64内に所望の流量を誘導するレートプロファイルで弾性および/または柔軟性膜78の背後のキャビティの膨張を制御してもよいことが考えられる。例証的なプロセスは、用途に応じて、自動化されてもよく、または、手動制御下にあってもよい。
【0052】
図7は、別の例証的な機器/カートリッジインタフェースの略部分側断面図である。例証的な実施形態は、カートリッジ81の流路84に所望の流量を提供するノズル80を有する機器を含む。ノズル80は、圧力源(図示せず)に流体結合されて、(正または負の)加圧流体(気体または液体)をノズル80に提供してもよい。圧力源は、所望に応じて、油圧ポンプ、圧縮ガス源、または任意の他の適切な圧力源であってよい。
【0053】
ノズル80は、機器に取り付けられた第1端およびカートリッジ81に係合するようになっている第2端を有してもよい。カートリッジ81は、一端に流路開口を有する流路84を有してもよい。ある場合には、ある体積の、サンプル流体(たとえば、血液)などの流体を貯蔵するための、流路84に流体結合した貯蔵キャビティ86が存在してもよい。ある場合には、流路開口は、一方向弁82を有してもよい。一方向弁82は、流体または気体が、ある方向に通過することを可能にするが、気体または流体が、他の方向に通過することを禁止するか、または、実質的に禁止する特性を有してもよい。ある場合には、弁82は、カートリッジ81からの流体および/または気体の逆流を防止するように構成されてもよく、ある場合には、機器または周囲の空間の汚染のリスクを減少させるのに役立つ可能性がある。
【0054】
ある場合には、例証的なノズル80は、カートリッジ81に隣接する第2端にガスケットまたはシールを含んでもよい。付加的に、または、別法として、カートリッジ81は、カートリッジ81の流路開口の周りにガスケットまたはシールを含んでもよい。ガスケットまたはシールは、ノズル80とカートリッジ81との間に漏れが無いインタフェースを提供するのに役立つ可能性がある。ある場合には、シールは、空気または流体が漏出しないように気密性があってよい。シールはまた、流体がインタフェースから漏出することを防止することによって、汚染を減少させるのに役立つ可能性がある。
【0055】
サンプル流体内に流れを誘導するために、カートリッジ81は、機器内に挿入され、搭載されてもよい(たとえば、図1を参照されたい)。ある場合には、カートリッジ81内の開口は、その後、ノズル80内の開口と整列してもよい。他の場合には、機器内へのカートリッジ81の搭載は、カートリッジ81内の開口が、ノズル80内の開口と十分に整列していることを自動的に保証する。ノズル80は、その後、カートリッジ81に係合させられて、両者間に漏れが無いインタフェースが設けられてもよい。ノズル80は、自動方式または手動方式で下方に移動してカートリッジ81に達してもよい。たとえば、モータまたは同様なものを使用して、カートリッジ81に係合するようにノズル80が移動されてもよい。あるいは、ユーザは、機器のカバーを閉じることなどによって、カートリッジ81に係合するようにノズル80を手動で移動してもよい(たとえば、図1を参照されたい)。
【0056】
配置され、シールされると、機器によって、カートリッジの開口内に、また、流路84内に圧力が加えられてもよい。圧力は、たとえば、ノズル80を通して、流路84内に流体または気体を圧送することによって、加えられてもよい。流路84内に圧送された流体または気体は、流体を流路84内に変位させ、流路84内に流れを誘導してもよい。ある場合には、流路84内に圧送された流体または気体は、貯蔵キャビティ86内に収容されたサンプル流体(たとえば、血液)を変位させてもよい。
【0057】
一部の実施形態では、可動ストッパまたは同様なものが、流路84内に設けられてもよい。ノズル80を通して流路84内に圧送された流体または気体は、ストッパの上流側にあってもよく、また、流路84内に既に存在する流体または気体(たとえば、サンプル流体)は、ストッパの下流側にあってもよい。ノズル80を通して流路84内に圧送される流体または気体は、ストッパを流路に沿って移動させ、それにより、流路84内に既に存在する流体または気体の流れを誘導する。ストッパは、ノズル80を通して流路84内に圧送される流体または気体を、流路84内に既に存在する流体または気体から分離してもよい。これは、所望される場合、ノズル80を通して流路84内に圧送される流体または気体が、流路84内に既に存在する流体または気体と混合することを防止するのに役立つ可能性がある。
【0058】
図8は、カートリッジ上での流量を決定する例証的な実施形態の略部分側断面図である。例証的な実施形態は、図7に関して上述したもの同様の、ノズル90およびカートリッジ91を含む。この実施形態では、カートリッジ91は、ノズル90の開口96と流体連通するようになっている少なくとも1つの開口を有する流路92を有してもよい。ある場合には、ノズル90によって提供される所与の入力圧について、既知の流量の流体が、流路92を通過することを可能にする制限部94が、流路92内に設けられてもよい。制限部94は、流路92自体であってよく、または、断面の小さな流路92のセクションなどの別個の特徴部であってよい。
【0059】
流路92を通る流体の流量を決定するために、制限部94の両側の圧力が検知されてもよい。制限部94のノズル90側の圧力は、たとえば、機器自体の中の圧力センサまたは同様なものによって検知されてもよい。制限部94の下流側の圧力は、カートリッジ上の圧力センサを使用して測定されてもよい。あるいは、圧力タップ98が、制限部の下流に設けられてもよい。圧力タップ98は、機器とのインタフェースを含んでもよく、また、機器は、圧力タップ98によって圧力を決定するための圧力センサを含んでもよい。インタフェースは、本明細書で説明したものを含む、任意のタイプの機器/カートリッジインタフェースを含んでもよい。ある状況下では、所望に応じて、複数の圧力タップが使用されてもよいことが考えられる。
【0060】
図9は、カートリッジ上での流量を決定する別の例証的な実施形態の略部分側断面図である。この例証的な実施形態は、2つの圧力タップ104および106(制限部102のそれぞれの側に1つ)がカートリッジ101上に設けられることを除いて、図8を参照して示し、述べたものと同様である。圧力タップ104および106は、図8のインタフェースと同様の機器とのインタフェースを有してもよい。2つの圧力を知ることによって、流体の流量が決定されてもよい。
【0061】
図10は、圧壊可能な流路114を有するカートリッジ111および流路114を制御可能に圧壊するローラ110を有する機器を含む例証的な流体分析装置の略部分側断面図である。例証的な実施形態では、カートリッジ111は、流路114の壁によって画定された流路114を含む。流路114の少なくとも1つは、圧壊可能膜112を少なくとも部分的に含んでもよい。ある場合には、圧壊可能膜112は、流路114の外壁の少なくとも一部分を画定してもよい。さらに、ある場合には、流路114の他の壁は、剛性があってもよい。例証的な膜112は、所望に応じて、エラストマ材料または任意の他の柔軟性材料であってよい。あるいは、例証的な膜112は、流路114の周りで流体が漏れないシールを依然として維持しながら、圧壊されることができるかなり剛性がある材料であってよい。
【0062】
機器は、機器内に搭載された後に、カートリッジ111の圧壊可能膜112に圧力を加えるためのローラ110を含んでもよい。ある場合、ローラ110は、圧壊可能膜112に力を加え、流路114を圧壊させ、膜112に沿って回転し続け、流路114をさらに圧壊させてもよい。別の実施形態では、ローラ110は、機器からカートリッジ111の方へ延びる複数の軸を含んでもよい。軸は、経時的に圧壊可能膜112に係合し、順次に力を加え、一端の第1軸が延び、膜112を圧壊し、その後、次の隣接軸が、膜112を圧壊するなどであり、ついには、軸が全て延び、したがって、流路114が完全に圧壊する。より一般的には、ローラ110は、所望に応じて、圧壊可能膜112に力を加えるための任意の適切なデバイス110であってよいことが考えられる。ローラ110によって加えられる力は、所望に応じて、定常力(steady force)、回転力、脈動力、または任意の他の適切な方法であってよいことも考えられる。さらに、ローラ110は、ローラ110の自動化制御のためのコントローラに結合されてもよい、または、別法として、ローラ110は、手動で制御されてもよいことが考えられる。自動化された状況では、ローラ110は、機器のコントローラによって制御されるモータまたは同様なものに結合されてもよい。
【0063】
使用中、カートリッジ111は、ローラ110が圧壊可能膜112に整列するように、最初に機器内に挿入され、搭載されてもよい。次に、ローラ110は、膜112に隣接して配置されてもよい。いつでも流路114内に流れを生成することができる状態になると、ローラ110が起動されて、圧壊可能膜112の一部を圧壊するのに十分な力が加えられてもよい。ローラ110は、流路114の長さに沿って力を加え続けて、流路14内に持続した流れが誘導されてもよい。サンプル流体の流量は、ローラ110の力と速度と共に流路114の断面積によって決定されてもよい。
【0064】
圧壊可能膜112があまりに柔軟である場合、圧壊可能膜112の1つの部分に加えられる力によって、流路114内の流体が、膜112の別の部分に力を生成し、圧壊可能膜112が、ある程度、膨れ上がる(bulge out)、または、拡張させられる。これは、ローラ110の位置および流路114内に誘導される実際の流れに非線形性を生じさせる場合がある。この非線形性は、機器を較正することによって補償されてもよい。
【0065】
あるいは、また、ある場合には、圧壊可能膜112は、圧壊可能膜の別の部分が圧壊すると、膨れない、または、外向きに変形しないようになっていてもよい。たとえば、圧壊可能膜112は、こうした膨れに抗する比較的剛性がある材料から作られてもよい。別法として、または、付加的に、こうした変形を防止するのに役立つように、別の物体が圧壊可能膜112の上に追加されてもよい。ローラ110が複数の軸を有する場合、軸は全て、最初の軸に力を加える前に、圧壊可能膜のところまで、または、その近くに下げられるため、膜112の好ましくない外向きの変形が防止される、または、実質的に防止される。
【0066】
図11は、圧壊可能な流路を有するカートリッジおよび流路を制御可能に圧壊するローラを有する機器を有する別の例証的な流体分析装置の略部分側断面図である。この例証的な実施形態では、機器は、図10を参照して示し、述べられたものと同様の、カートリッジ121に力を加えるようになっているローラ120を含んでもよい。カートリッジ121は、上部壁および底部壁を含む流路124の壁によって画定された流路124を含んでもよい。一実施形態では、流路124は、図示するように、流路124の上部壁と底部壁が旋回点を形成するようにヒンジで取り付けられた第1端を有することによって圧壊可能であってよい。力が、流路124の上部表面に加えられると、ヒンジによって、上部表面が、底部表面の方に圧壊することが可能になり、流体を流路124の下流に押し出す。ある場合には、流路124の上部表面は、弾性膜122などの柔軟性膜122によって囲まれた剛性構造を有するため、力にさらされると、膜122は、上部表面が底部表面に接触することを可能にする。より一般的には、所望に応じて、流路124を圧壊させる任意の適切な方法が使用されてもよいことが考えられる。
【0067】
図12は、カートリッジの流路内に流れを誘導する複数のギアを含むカートリッジの略平面図である。例証的な実施形態は、チャンバ138を持つ流路136を有するカートリッジ131を含む。チャンバ138は、複数のギア132および134を含む。ギア132および134は、流路136内に流れを誘導するように、流体を圧送することが可能なポンプを形成してもよい。ある場合には、各ギア132、134は、ギアの周縁の周りに複数のパドルに似た構造を有してもよい。パドルに似た構造は、チャンバ138を通して流体を押し出すのに役立ってもよい。図示するように、2つのギア132および134は、互いに反対方向に回転し、チャンバ138の外側の周りのサンプル流体を押し出すか、または、ギア132と134との間のサンプル流体を押し出してもよい。より一般的には、所望の流れを生成するために、所望に応じて、1つ、2つ、3つ、または、任意の数のギア132および134が使用されてもよいことが考えられる。
【0068】
ある場合には、ギア132および134は、モータと軸によって駆動されてもよい。他の場合では、ギア132および134は、電界または磁界によって駆動されてもよい。より一般的には、ギア132および134は、任意の適切な方法によって駆動されてもよいことが考えられる。
【0069】
例証的な実施形態では、機器は、ギア132および134用の駆動機構の少なくとも一部を含んでもよい。たとえば、機器は、モータと軸を含んでもよく、軸は、ギア132および134の1つまたは複数にインタフェースする。あるいは、ギア132および134は、鉄性材料を含んでもよく、またさらに、磁化されてもよく、機器は、ギア132および134を駆動する回転磁界を提供してもよい。機器の駆動機構は、コントローラによって制御されてもよい。コントローラは、所望に応じて、たとえば、ギア132および134の始動および停止、ギア132および134の回転速度、ギア132および134の回転方向、および/または、任意の他のパラメータなどのギア132および134の動作を制御してもよい。
【0070】
図13は、カートリッジの流路内の流体の流量および/または現在位置を決定する検出器を有する機器を含む例証的な流体分析装置の略図である。例証的な実施形態は、流路140を有するカートリッジ141を含む。検出器142は、機器内に設けられてもよい。一実施形態では、検出器142は、カートリッジ141の流路140に隣接して機器内に搭載されてもよい。検出器142は、光学的に、電気的に、磁気的に、または、任意の他の適切な方法によって、流体の存在またはいくつかの特性を検出してもよい。光学検出器用などの、ある場合には、カートリッジ141は、流路140内の流体を観察するために、検出器142用の窓を設けてもよい。検出器142は、検出器142を起動させ、停止させるための、かつ/または、検出器142からデータを受信するためのコントローラに結合されてもよいことが考えられる。
【0071】
ある場合には、また、カートリッジ141内のサンプル流体144の流量を測定するために、カートリッジ141を通してサンプル流体144を押し出す、プッシャ流体146などの別の流体が存在してもよい。プッシャ流体146は、所望に応じて、先に説明した任意の方法または任意の他の適切な方法によって、カートリッジ141に提供されてもよい。さらに、プッシャ流体146は、たとえば、光学的に、電気的に、または磁気的に検出されることができる粒子などの、検出器142によって測定される何らかの検出可能な特性を含んでもよい。そのため、サンプル流体144の流量を決定するために、プッシャ流体146の流量が検出され、決定されてもよい。
【0072】
同様な手法を使用して、流路に沿うある地点に流体が達するときが決定されてもよい。すなわち、検出器142は、流路に沿うロケーションに隣接して配置されてもよく、検出器142は、所望に応じて、光学的に、電気的に、または、磁気的に、そのロケーションにおける流体の存在を検出してもよい。これは、所望に応じて、たとえば、血液などのサンプル流体が、サンプル流体入力チャネルを十分に満たしたときを検出するため、シースまたは溶解流体が、カートリッジ141上の流体回路内のある地点に達したときを検出するため、または、任意の他の適切な目的のために使用されてもよい。
【0073】
図14A〜14Bは、カートリッジの流路内の流体の流量および/または現在位置を決定する2つの(または、3つ以上の)検出器を有する機器を含む例証的な流体分析装置の略図である。例証的な実施形態は、機器に取り付けられた2つの検出器152および154を含む。流路150を含むカートリッジ151も設けられる。図13と同様に、検出器152および154は、所望に応じて、光学的に、電気的に、磁気的に、または、任意の他の適切な方法によって、流路150内の流体の存在および/または流量を検出してもよい。ある場合には、カートリッジ151は、流路150内の流体を観察するために、流路150用の2つ以上の窓を有してもよい。2つ以上のセンサが、互いから離れた既知の距離のところに設けられてもよい。各センサは、所望に応じて、検出器152および154へ、また、検出器152および154から、受信する、かつ/または、送信するコントローラに結合されてもよい。
【0074】
流路150を通る流体流量は、たとえば、流路156の下流に流れを提供することによって決定されてもよい。ある場合には、流れは、たとえば、空気などの気体156で流体158を押し出すことによって提供されてもよい。例証的な実施形態では、気体156または空気は、サンプル流体158の端(end)を検出するのが容易になるように流体を押し出すために使用されてもよいが、これは必要とされない。2つ以上の検出器152および154を使用して、たとえば、サンプル流体158の全てまたはほぼ全てが各検出器を通過するときを検出することによって、流体158の流量が決定されてもよい。コントローラは、流体158が各検出器152および154を通過する時間経過を決定し、検出器152と154との間の距離を知って、流体158の流量を決定してもよい。第1検出器152がサンプル流体158の端を検出するときの例証的な時点は、図14Aに示される。第2検出器154がサンプル流体158の端を検出するときの例証的な時点は、図14Bに示される。別法として、または、付加的に、第1および第2検出器152および154を使用して、サンプル流体158が、流量を決定するために最初に到達するときが検出されてもよい。なお別の実施形態では、第1および第2検出器152および154を使用して、温度、熱伝導率、または同様なものなどの、流体の何らかの他の特性が検出されてもよい。熱パルスが、流体内で生成されてもよく、その後、検出器によって検出されることができる。流体の抵抗率および/または他の特性もまた、検出器152および154によって検出されてもよい。同様に、流体は、流体の流量を決定するのに役立つように、光学的に、電気的に、または、磁気的に検出されることができる、ビードまたは同様なものなどの粒子を含んでもよい。用途に応じて、3つ以上のセンサまたは1つだけのセンサが使用されることができることが考えられる。
【0075】
こうして本発明の好ましい実施形態を述べたが、添付特許請求項の範囲内で、なお他の実施形態が行われ、使用されてもよいことを当業者は容易に理解するであろう。本明細書によって包含される本発明のいくつかの利点は、先の説明において述べられた。しかし、本開示は、多くの点で例証的であるだけであることが理解されるであろう。本発明の範囲を超えることなく、細部、特に、形状、サイズ、および配置構成において変更が行われてもよい。本発明の範囲は、もちろん、添付特許請求の範囲が表現される言語で規定される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、流体分析装置に関し、より詳細には、機器−カートリッジインタフェースを有する流体分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
化学的および/または、生物学的分析は、生命科学研究、臨床診断、ならびに広い範囲の環境およびプロセスモニタリングについて重要である。ある場合には、分析装置を使用して、サンプル流体の化学的および/または生物学的分析が実施される、かつ/または、実施されるのが支援される。サンプル流体は、用途に応じて、液体または気体であってよい。
【0003】
一部の分析装置は、取り外し可能で、ある場合には、使い捨てのカートリッジを受け取る機器を含む。こうした分析装置では、サンプル流体は、取り外し可能カートリッジに導入される、または、その他の方法で提供されることが多く、機器は、1つまたは複数のインタフェースを通して、取り外し可能カートリッジと相互作用して、所望の化学的および/または生物学的分析を実施する、かつ/または、制御するのに役立つ。インタフェースは、たとえば、用途に応じて、流体インタフェース、電気インタフェース、および/または、他のタイプのインタフェースを含んでもよい。インタフェースの完全性は、デバイス全体の機能にとって重要であることが多い。たとえば、流体インタフェースは、取り外し可能カートリッジと機器との間、および/または、その逆に1つまたは複数の流体(流体または気体流体)を運ぶことが多く、流体インタフェースが、実質的に漏れが無く信頼性があり、費用効果的であることが望ましいことが多い。
【0004】
本発明の以下の要約は、本発明に固有の独創的な特徴の一部の理解を容易にするために提供され、完全な説明であることを意図されない。本発明の完全な理解は、明細書全体、特許請求の範囲、図面、および要約を全体として考えることによって得られる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、一般に、流体分析装置に関し、より詳細には、1つまたは複数の機器−カートリッジインタフェースを有する流体分析装置に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一部の実施形態では、流体分析装置は、機器と使い捨てカートリッジとの間に1つまたは複数の漏れの無いインタフェースを有するフローサイトメータおよび/または血液分析装置であってよいが、他の流体分析装置が使用されてもよい。
【0007】
1つの例証的な実施形態では、流路壁によって画定される第1流路を有するカートリッジおよびカートリッジの外から第1流路へ延びる開口を含む流体分析装置が提供される。隔壁が、開口の上に、または、開口を覆って配設され、流体が漏れないシールによって、カートリッジの少なくとも一部分に固定される。カートリッジを受け取る機器も設けられる。第1針が、機器に取り付けられてもよい。第1針は、カートリッジの第1流路の開口に嵌合し、隔壁を貫入する大きさに作られてもよい。第1針が、第1流路の開口内に位置し、隔壁を貫通した状態で、機器は、第1針内に流れを誘導し、流れは、次に、カートリッジの第1流路内に流れを誘導する可能性がある。ある場合には、機器は、第1針内に誘導された流れを検知するセンサなどを含んでもよい。第1針内に誘導される流れは、カートリッジの第1流路内で誘導される流れに関連してもよい。
【0008】
隔壁は、第1針が、隔壁に貫入し、隔壁を通って延びるときに、第1針の周りに比較的流体が漏れないシールを提供するようになっていてもよい。別法として、または、付加的に、隔壁は、隔壁から第1針を引き抜いた後に、開口を再シールするようになっていてもよい。
【0009】
ある場合には、第1針は、本体、先端、および停止機構を含んでもよい。停止機構は、第1針の本体の少なくとも一部の周りに配設され、第1針の先端からある距離だけ後方にオフセットされてもよい。停止機構は、第1針の先端が、隔壁に貫入するが、第1針の先端がカートリッジの第1流路の後ろ側に係合することを防止することを可能にする距離だけ、オフセットしてもよい。
【0010】
一部の実施形態では、カートリッジは、第2流路を含み、機器は、カートリッジの第2流路と機器との間に流体を流す第2針を含む。ある場合には、第2針は、機器の流体経路を介して第1針に流体連通する。機器は、所望である場合、機器の流体経路内の流体流量を検知する流量センサを含んでもよい。他の場合には、第2針は、カートリッジに独立に制御された圧力を提供してもよい。一部の実施形態では、カートリッジは、第1および/または第2針を含んでもよく、機器は、所望である場合、1つまたは複数の対応する隔壁を含んでもよい。
【0011】
別の例証的な実施形態では、流路壁によって画定される流路を有するカートリッジおよびカートリッジの外から流路へ延びる開口を含む流体分析装置が提供される。弾性および/または柔軟性膜は、開口内にまたは、開口を覆って配設され、流体が漏れないシールによってカートリッジの少なくとも一部分に固定されてもよい。流体分析装置は、さらに、カートリッジを受け取る機器を含んでもよい。機器は、カートリッジが機器によって受け取られたときに、カートリッジの弾性および/または柔軟性膜と位置合わせ状態になるプランジャを有してもよい。機器は、さらに、カートリッジの弾性および/または柔軟性膜に係合するようにプランジャの少なくとも一端を移動させて、弾性および/または柔軟性膜を変形させ、それにより、カートリッジ上の流体チャンバの体積を変化させ、次に、カートリッジの流路内に流れを誘導させる。
【0012】
プランジャは、任意のタイプのプランジャであってよい。たとえば、プランジャは、剛性端を含んでもよく、機器の移動機構は、プランジャの剛性端を弾性および/または柔軟性膜の方へ移動させて、弾性および/または柔軟性膜を変形させてもよい。あるいは、プランジャは、変形可能な弾性および/または柔軟性膜を含んでもよく、機器の移動機構は、プランジャ端の弾性および/または柔軟性膜の背後に圧力を生成して、プランジャ端の弾性および/または柔軟性膜をカートリッジの弾性および/または柔軟性膜の方へ変形させる圧力源を含んでもよい。それは、次に、カートリッジの弾性および/または柔軟性膜を変形させ、最終的に、カートリッジの流路内に流れを誘導する。
【0013】
別の例証的な実施形態では、第1主表面および対向する第2主表面を有し、第1主表面と第2主表面との間に流路が配置されたカートリッジを含む流体分析装置が提供される。カートリッジは、さらに、第1主表面を通って、第1流路内に延びる開口を有してもよい。流体カートリッジは、さらに、カートリッジを受け取る機器を有してもよい。機器は、ノズルに少なくとも選択的に流体連通する圧力源を有してもよい。圧力源は、正または負の圧力を生成する任意のタイプの圧力源であってよい。ノズルは、カートリッジ内の開口を覆って配置され、カートリッジが機器によって受け取られると、カートリッジと実質的に流体が漏れないシールを形成する。機器は、圧力源の圧力を制御するので、ノズル/開口インタフェースを介してカートリッジの流路内で、所望の流れが誘導される。一部の実施形態では、カートリッジは、開口または流路内に一方向弁を含んでもよく、一方向弁は、カートリッジが機器から取り外されるときに、流体が、カートリッジから出ることを防止するのに役立つ可能性がある。
【0014】
なお別の例証的な実施形態では、1つまたは複数のチャンバ壁によって画定されたチャンバを有するカートリッジを有する流体カートリッジが提供される。流体カートリッジは、さらに、カートリッジを受け取る機器を備えてもよい。機器は、チャンバ壁の1つまたは複数の少なくとも一部を変形させて、カートリッジ内に流れを誘導させる力をカートリッジに加える力機構を有してもよい。ある場合には、変形される1つまたは複数のチャンバ壁の少なくとも一部は、加えられた力の下で変形し、それにより、チャンバの体積を変え、カートリッジの流路内に流れを誘導する柔軟性膜を含む。他の場合には、変形される1つまたは複数のチャンバ壁の少なくとも一部は、加えられた力の下で圧壊し、それにより、カートリッジのチャンバの体積が変わる、比較的剛性がある壁である。力機構は、任意のタイプの力機構であってよい。たとえば、力機構は、カートリッジに沿って回転すると、チャンバ壁の1つまたは複数の少なくとも一部が、ローラによって変形して(圧縮されて)、カートリッジ内に流れを誘導するローラを含んでもよい。
【0015】
別の例証的な実施形態では、流路の下流に流体を搬送する流路を有する使い捨てカートリッジを含む流体カートリッジが提供され、流体は、1つまたは複数の検出可能な特性を有する。流体カートリッジは、また、使い捨てカートリッジを受け取る機器を含む。機器は、流体の1つまたは複数の検出可能な特性の少なくとも1つを検出するための、流路に沿う第1ロケーションに位置する第1検出器を有してもよい。機器は、第1検出器による流体の1つまたは複数の検出可能な特性の検出を使用して、カートリッジの流路内の流体の流量および/または流路内の流体の現在位置の尺度を決定してもよい。機器は、さらに、流体の1つまたは複数の検出可能な特性の少なくとも1つを検出するための、第1ロケーションの下流方向に間隔をあけて、流路に沿う第2ロケーションに配置された第2検出器を有してもよい。機器は、第1検出器と第2検出器による流体の1つまたは複数の検出可能な特性の検出を使用して、流路内の流体の流量および/または流路内の流体の現在位置の尺度を決定してもよい。検出される流体は、対象となるサンプル流体、対象となるサンプル流体を流路に沿って押し出すプッシャ流体、または、所望に応じて任意の他の流体であってよい。
【0016】
以下の説明は、図面を参照して読まれるべきである。図面では、同じ参照数字は、いくつかの図を通して同じ要素を指す。詳細な説明および図面は、請求された発明を例証することを意図されるいくつかの実施形態を示す。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】例証的な可搬型サイトメータの斜視図である。
【図2】機器/カートリッジインタフェース内に針を含む例証的な流体分析装置の略部分側断面図である。
【図3】流量センサが針と一列に並んだ状態の、図2の例証的な実施形態の略部分側断面図である。
【図4】機器/カートリッジインタフェース内に2つの(または3つ以上の)の針を含む別の例証的な分析装置の略図である。
【図5】別の例証的な機器/カートリッジインタフェースの略部分側断面図である。
【図6】なお別の例証的な機器/カートリッジインタフェースの略部分側断面図である。
【図7】別の例証的な機器/カートリッジインタフェースの略部分側断面図である。
【図8】カートリッジ上での流量を決定する例証的な実施形態の略部分側断面図である。
【図9】カートリッジ上での流量を決定する別の例証的な実施形態の略部分側断面図である。
【図10】圧壊可能な流路を有するカートリッジおよび流路を制御可能に圧壊するローラを有する機器を含む例証的な流体分析装置の略部分側断面図である。
【図11】圧壊可能な流路を有するカートリッジおよび流路を制御可能に圧壊するローラを有する機器を有する別の例証的な流体分析装置の略部分側断面図である。
【図12】カートリッジの流路内に流れを誘導する複数のギアを含むカートリッジの略平面図である。
【図13】カートリッジの流路内の流体の流量および/または現在位置を決定する検出器を有する機器を含む例証的な流体分析装置の略図である。
【図14A】カートリッジの流路内の流体の流量および/または現在位置を決定する2つの(または、3つ以上の)検出器を有する機器を含む例証的な流体分析装置の略図である。
【図14B】カートリッジの流路内の流体の流量および/または現在位置を決定する2つの(または、3つ以上の)検出器を有する機器を含む例証的な流体分析装置の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、一般に、流体分析装置に関し、より詳細には、1つまたは複数の流体機器−カートリッジインタフェースを有する流体分析装置に関する。一部の実施形態では、流体分析装置は、フローサイトメータ、血液分析装置、臨床化学分析装置(たとえば、グルコース分析装置、イオン分析装置、電解質分析装置、溶解ガス分析装置など)、尿分析装置、または、機器と使い捨てカートリッジとの間の1つまたは複数の漏れが無いインタフェースを有する任意の他の適切な分析装置であってよい。
【0019】
図1は、例証的な可搬型サイトメータの斜視図である。例証的なサイトメータ10は、機器12、および、取り外し可能な、ある場合には、使い捨てのカートリッジ14を含む。例証的な機器12は、ベース16、カバー18、および、ベース16をカバー18に取り付けるヒンジ20を含む。ベース16は、関連する光学部品およびサイトメータの動作のための必要な電気部品と共に、光源22aおよび22bを含んでもよい。カバー12は、関連光学部品を有する光検出器24aおよび24bを含んでもよい。
【0020】
取り外し可能カートリッジ14は、サンプル採取器ポート32を介して、たとえば血液などのサンプル流体を受け取ってもよい。キャップ38は、取り外し可能カートリッジ14が使用されていないときに、サンプル採取器ポート32を保護するのに使用されてもよい。取り外し可能カートリッジ14は、血液希釈、赤血球溶解、およびコア形成のための流体力学的収束を実施してもよい。取り外し可能カートリッジ14は、Micronics Technologiesから入手可能な流体回路と同様に構築されてもよく、流体回路の一部は、流路がエッチングされた積層構造を使用して作製される。
【0021】
使用中、カバー18が開いた位置にあるときに、取り外し可能カートリッジ14が、機器内に挿入される。取り外し可能カートリッジ14は、ベース16内の位置合わせピン28aおよび28bを受け取る穴26aおよび26bを含んでもよく、位置合わせピン28aおよび28bは、異なる部分間のアライメントおよび結合を可能にするのに役立つ場合がある。取り外し可能カートリッジ14は、また、光源22aおよび22bのアレイと光検出器24aおよび24bのアレイと整列した透明流れストリーム窓30aおよび30bを含んでもよい。
【0022】
試験を始動するために、カバー18が、持ち上げられ、新しいカートリッジ14が、ベース16上に設置され、位置合わせされてもよい。サンプル流体は、サンプル採取器32内に導入される。次いで、カバー18が閉じられる。ある場合には、取り外し可能カートリッジ14は、血液希釈、赤血球溶解、およびコア形成のための流体力学的収束を可能にする。ある場合には、機器12は、白血球サイトメトリ測定を実施する。たとえば、光源22aおよび22b、光検出器24aおよび24b、ならびに、関連する制御および処理電子部品は、光散乱信号および/または蛍光信号に基づいて白血球の弁別および計数を実施してもよい。ハウジング12用のヒンジ付構造を使用するのではなく、所望に応じて、摺動式カートリッジスロットまたは任意の他の適切な構造が使用されてもよいことが考えられる。
【0023】
こうした分析を実施するために、サンプル流体(たとえば、血液サンプル)は、カートリッジ14の1つまたは複数の流路を通して押し込まれる(または、引き出される)必要がある場合がある。試薬および/または他の流体はまた、1つまたは複数の流路を通して押し込まれる(または、引き出される)必要がある場合がある。ある場合には、機器12は、1つまたは複数の機器/カートリッジインタフェースを通してカートリッジ内に必要な流れを生成するのを支援してもよい。別法として、または、付加的に、機器12を使用して、カートリッジ上の流れが監視され、かつ/または、制御されてもよい。
【0024】
図2は、機器/カートリッジインタフェース内に針を含む例証的な流体分析装置の略部分側断面図である。例証的な実施形態では、カートリッジ41は、流路壁によって画定された流路48を有するものとして示される。流路48は、カートリッジ41の上部主表面43と下部主表面45との間に設けられる。ある場合には、流路48は、カートリッジ41内の長く薄い流路であってよい。しかし、流路48は、所望に応じて、任意の適切なサイズまたは形状をとってもよいことが考えられる。例証的な実施形態では、流路48と上部主表面43との間に、開口47が設けられる。
【0025】
隔壁42は、開口47内に、または、開口47を覆って配設されて、流体が漏れないシールを形成する。ある場合には、隔壁42はまた、図示するように、カートリッジ41の上部主表面43の全てまたは一部分にわたって延びるが、これは、必要とされない。隔壁42は、流体が、流路48内の開口47を通り、カートリッジ41から流れる出ることを防止するか、または、実質的に防止してもよい。
【0026】
隔壁42は、針40などの対象物または任意の他の適切な対象物が、隔壁42に貫入し、流路48と流体連通することを可能にするようになっていてもよい。隔壁42はまた、針40の周りにシールを形成して、流体が、針40の外と隔壁42との間に流れることを防止する、または、実質的に防止してもよい。隔壁42はまた、針40が隔壁42から取り外された後に、針40によって生成される開口を再シールするようになっていてもよい。ある場合には、針40が引き抜かれるにつれて、隔壁4は、針40を拭って、針40から残留流体を除去するのに役立ってもよい。隔壁42は、たとえば、エラストマ(たとえば、ゴム)などのような弾性および/または柔軟性材料で作られてもよい。
【0027】
例証的な実施形態では、針40は、流体がその中を通り抜ける中空コアを有する細長い管状本体を有する。本体は、機器の一端に取り付けられてもよい。針40の他端は、先端46で終端し、先端46は、隔壁42を通してカートリッジ41内に挿入するようになっていてもよい。例証的な実施形態では、先端は、隔壁42を芯抜きすることなく、針が、隔壁42により容易に貫入することを可能にするテーパ付の先の尖った先端を含む。しかし、任意の適切な針40の先端が、所望に応じて使用されてもよいことが考えられる。
【0028】
一部の実施形態では、針40はまた、針40の本体の周りに配設され、本体に対して固定された停止機構44を有してもよい。停止機構44は、本体から外側に横方向にある距離だけ延び、針40の先端46からオフセット距離だけオフセットしてもよい。停止機構44は、一貫しかつ適切な深さまで針40を挿入するのを支援してもよい。例証的な実施形態では、針40は、隔壁42に貫入し、針の先端46が流路48に流体連通し、停止機構44が隔壁42(またはカートリッジ41)の上部表面に係合するまで、下方に移動してもよい。針40が完全に挿入された状態で、停止機構のオフセット距離は、望まれる場合、針40の先端46が、流路48の背面壁51に係合しないことを保証するのに役立つように設定されてもよい。そのため、一部の例証的な実施形態では、停止機構44は、カートリッジ内への針40の過剰挿入または過小挿入を防止するのに役立ってもよい。
【0029】
挿入されると、針40の先端46の中空開口を使用して、機器(図1を参照されたい)とカートリッジ41の流路48との間で流体および/または圧力が搬送されてもよい。ある場合には、機器は、カートリッジ41の流路48内に所望の流れを生成する流体および/または圧力を提供してもよい。
【0030】
たとえば、また、ある場合には、機器は、機器上に流体のリザーバを有してもよい。流体は、所望に応じて、たとえば、試薬流体、溶解流体、シース流体、プッシャ流体、または、任意の他の適切な流体であってよい。機器からの流体は、針40を通してカートリッジ41の流路48に提供され、流路48内に流体の流れを生成してもよい。ある場合には、流体が機器を出る流量を知ることによって、流路48内での流量が決定される、かつ/または、制御されてもよい。
【0031】
カートリッジ41は、取り外し可能である、または、さらに使い捨て可能であってよいことが考えられる。取り外し可能カートリッジ41は、一部の実施形態では、カートリッジ41を受け取るようになっている機器内に挿入されてもよい。機器は、たとえば、ベース、カバー、および針41を含んでもよい。挿入されると、機器のカバーが閉じられてもよい。ある場合には、機器の針40は、隔壁に既に十分に整列していてもよく、一方、他の場合には、針40は、整列される必要がある場合がある。整列すると、針40は、カートリッジ41に向かって作動され、隔壁42に貫入し、針40の先端46が、カートリッジ41の流路48に流体連通する位置に移動してもよい。ある場合には、針40の作動または移動は、挿入位置と引き抜き位置との間で針40を作動させる、モータまたは同様なものなどによって自動化されてもよい。コントローラを使用して、モータが制御されてもよい。あるいは、手動で針40をカートリッジ41に挿入し、カートリッジ41から針40を引き抜くなどによって、針40は、手動で所定位置に移動してもよいことが考えられる。
【0032】
針40がカートリッジ41内に挿入され、先端46の開口がカートリッジ41の流路48内に配置されると、流体が、機器からカートリッジ41の流路48へ制御された流量で送出されてもよい。流体は、所望に応じて、気体または液体流体であってよい。自動化プロセスでは、流量は、所望である場合、コントローラによって制御されてもよい。
【0033】
針40および機器が、所望の流体をカートリッジ41に送出した後、針40は、引き抜かれてもよく、それにより、カートリッジ41は、機器から取り外され、ある場合には、適切に廃棄されることができる。やはり、針40の引き抜きは、所望に応じて、自動化されてもよく、または、手動で実施されてもよい。ある場合には、針40がカートリッジ41から引き抜かれるにつれて、残留流体が、隔壁42によって針40から拭い去られる。
【0034】
ある場合には、カートリッジ41内のサンプルの流量との相関関係を有する、機器によって提供される流体流量が、決定されることができる。これは、カートリッジ41の流路48内のサンプル流体の流量を正確に決定し、かつ/または、制御する比較的容易な方法を提供する可能性がある。
【0035】
測定に先立って、針40がカートリッジ41内に挿入される前に、機器が、針40の本体および先端46を流体でフラッシングしてもよいことが考えられる。これは、カートリッジごとに考えられる汚染源を取り除くのに役立つ可能性がある。測定の終了時に、針40の本体および先端46の外側は、引き抜き中に、隔壁42によって拭い去られ、考えられる汚染源を取り除くのにも役立つ。同様に、針40の先端46の小規模エリアまたは小表面積は、汚染源となる可能性があるサンプル流体の量を減少させるのに役立つ場合がある。
【0036】
ある場合には、カートリッジの測定と測定との間に針40の先端46を殺菌するために、熱殺菌プロセスが導入されてもよい。たとえば、殺菌プロセスは、熱移動ピンのサイクルと同様の急速な加熱および冷却サイクルであってよい。このプロセスは、ある場合には、所望に応じて、針40のそれぞれの使用後に設けられてもよい。さらに、一方向弁が、機器および/またはカートリッジ41内に設けられてもよく、一方向弁は、機器および/またはカートリッジ41内への流体の逆流を防止するのに役立つ可能性がある。これは、電力喪失期間中に特に有用である場合がある。
【0037】
図3は、センサ50が針40と一列に並んで設置された図2の例証的な実施形態の略部分側断面図である。示すように、センサ50は、機器の供給流路49内の流体の特性を検知する。流体が、依然として機器内にある間に、または、換言すれば、流体が針40を通して機器を出る前に、センサ50は、たとえば、流体の流量、圧力、または他の特性を測定してもよい。1つの例証的な実施形態では、センサ50は、たとえば、その全てが参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第4,478,076号、米国特許第4,478,077号、米国特許第4,501,144号、米国特許第4,651,564号、米国特許第4,683,159号、および米国特許第5,050,429号に開示されるような熱式風速計タイプの流量センサであってよい。しかし、センサ50は、所望に応じて、任意の適切なタイプの流量センサであってよいことが考えられる。
【0038】
センサ50を機器内の流路49に隣接して配置することによって、センサ50は、針40を通過する流体の流量を直接測定することができる場合がある。針40を通過する流量を知ることによって、カートリッジの流路48内の流量が決定されてもよい。別法として、または、付加的に、たとえば、流路49を通過する流体が、予想される流体か、または、予想される流体タイプであることを特定する、または、確認するのに役立てるために、センサ50を使用して、流体の熱伝導率、比熱、流体密度、電気抵抗率、および/または、他の特性が検出されてもよい。これは、予想される流体が、特定の分析またはプロシジャ中に、流路48内で実際に使用されていることを確認するのに役立つ場合がある。
【0039】
センサ50は、機器のコントローラ(図示せず)に結合されてもよい。コントローラ50は、所望に応じて、センサ50を起動させる信号を送出してもよく、また、センサ50を停止させる信号を送出してもよい。次に、センサ50は、所望に応じて、流路49を通過する流体の流量または他の特性に関するデータを、コントローラに提供してもよい。別法として、または、付加的に、センサ50は、カートリッジ41上に配置されてもよく、また、たとえば、カートリッジ41の流路48内の流量を直接測定するのに使用されてもよい。しかし、これは、カートリッジ41のコストを増加させる可能性がある。
【0040】
図4は、機器/カートリッジインタフェース内に2つの(または3つ以上の)の針40および52を含む別の例証的な分析装置の略図である。1つの例証的な実施形態では、カートリッジ41は、第1流路48aおよび第2流路48bを含む。第1流路48aおよび第2流路48bは、図4において点状クロスハッチで示す、壁53によって分離される。第1針40は、たとえば、カートリッジ41の第1流路48aから流体を抽出してもよく、また、第2針52は、カートリッジ41の第2流路48に流体を戻してもよい。機器は、第1針40と第2針52を流体接続する流路55を有してもよい。流量センサ50は、機器の流路55と一列に並んで設けられてもよく、また、カートリッジの第1流路48aおよび第2流路48b内の流量の尺度を提供してもよい。流量センサ50をカートリッジ41上に設けるのではなく、流量センサ50を機器に移動することによって、カートリッジ41のコストが、低減される可能性がある。別法として、または、付加的に、たとえば、カートリッジの第1流路48aおよび/または第2流路48bを通過する流体が、予想される流体であることを特定する、または、確認するのに役立てるために、流量センサ50を使用して、流体の熱伝導率、比熱、流体密度、電気抵抗率、および/または、他の特性が検出されてもよい。これは、予想される流体が、特定の分析またはプロシジャ中に、第1流路48aおよび/または第2流路48b内で実際に使用されていることを確認するのに役立つ場合がある。
【0041】
使用中、第1針40および第2針52は、それぞれの隔壁を通してカートリッジ41内に同時にまたは順次に挿入されてもよい。こうした挿入は、図2に関して上述した挿入と同様であってよい。針40と52の両方がカートリッジ41内に挿入されると、第1針40は、カートリッジ41内の流路48aから流体を抽出し、流体が、「カード外(off card)」流路55を通って流れるようにさせてもよい。「カード外」流路55内にあるとき、センサ50は、流体の流量(および/または、他の特性)を測定してもよい。流量が測定された後、流体は、第2針52に流れてもよく、第2針52にて、流体は、カートリッジ41の流路48bに戻る。カートリッジ41が使用された後、針40と52の両方が、やはり図2を参照して上述したのと同様に、カートリッジ41から引き抜かれてもよい。
【0042】
別の例証的な実施形態では、図4において点状クロスハッチで示す壁53は、存在しなくてもよい。すなわち、第1針40と第2針52は共に、48と表示された共通流路にアクセスしてもよい。第2針52は、第1針40の上流か、または、下流に配置されてもよい。この構成では、第1針40は、第1圧力をセンサ50に送ってもよく、第2針52は、第2圧力をセンサ50に送ってもよい。センサは、たとえば、差動圧力センサであてよい。流路48に沿う2つのロケーションにおいて検知される圧力差から、流路48に沿う流量が決定されてもよい。所望である場合、両者間の圧力降下を増加させるために、第1針40と第2針52との間の流路48内に制限部が配置されてもよい。所望である場合、先に説明した針は、取り外し可能カートリッジ上に設けられてもよく、対応する隔壁は、機器上に設けられてもよいことが考えられる。
【0043】
図5は、別の例証的な機器/カートリッジインタフェースの略部分側断面図である。例証的な実施形態では、機器は、比較的剛性のある端63を有するプランジャ60を含んでもよい。プランジャは、所望に応じて、たとえば、ねじ、ピストン、または任意の他の適切なデバイスであってよい。ねじタイプのプランジャの場合、ねじは、微細ピッチのねじであってよいことが考えられる。しかし、所望に応じて、任意の適切なねじが使用される。
【0044】
例証的な実施形態では、プランジャ60は、機器に取り付けられる、または、機器の一部であり、アクチュエータによって上下に作動されてもよい。ある場合には、アクチュエータは、自動化プロセスによって制御されてもよい。こうした場合、機器は、プランジャ60の位置を制御するために、マイクロステッパモータなどのモータ(図示せず)を含んでもよい。あるいは、ある状況下では、プランジャ60の作動は、たとえば、所望に応じて、レバー、圧力ボタン、または任意の他の手動方法などによって、手動で行われてもよいことが考えられる。
【0045】
例証的な実施形態では、取り外し可能カートリッジ61は、貯蔵キャビティ66の壁によって画定された、流体が貯蔵されてもよい流体貯蔵キャビティ66を有してもよい。ある場合、流体貯蔵キャビティ66は、比較的薄い使い捨てカートリッジに嵌合するために、高さに比べて半径が比較的大きい円柱形状貯蔵キャビティ66であってよい。しかし、貯蔵キャビティ66は、所望に応じて、任意の適切なサイズまたは形状であってよいことが考えられる。例証的な貯蔵キャビティ66は、カートリッジ61上の流路64に流体結合する。
【0046】
貯蔵キャビティ66の壁の1つまたは複数の少なくとも一部分、ほとんどの場合、カートリッジ61の外壁は、膜62を含んでもよい。ある場合には、膜62は、エラストマ膜などの弾性および/または柔軟性膜であってよい。ある場合には、膜62は、カートリッジ61の一部分を初めに除去して、貯蔵キャビティ66を形成する開口を画定することによって設けられてもよい。次に、膜62は、開口内に、かつ/または、開口を覆って、ある場合には、カートリッジ61の上部表面の一部分にわたって配設されて、流体が漏れないシールが形成されてもよい。
【0047】
開口のサイズは、プランジャ60の端63より大きくてもよく、そのため、プランジャ60が、膜62を変形させ、変位させて、貯蔵キャビティ66内に入ることが可能になる。ある場合には、開口を覆って配設される膜62の部分は、カートリッジ61の上部表面67から窪んでいてもよい。こうした窪んだ膜62は、カートリッジ61の流路64内に流れを誘導することを誤ってもたらす可能性がある膜62の誤った圧迫または変位を防止するのに役立つ場合がある。
【0048】
例証的な実施形態は、プランジャ60を膜62に当たるように移動し、膜62を貯蔵キャビティ66の方に変形させ、かつ、変位させ、次に、貯蔵キャビティ66内に貯蔵された流体を下方に流路64まで変位させることによって、カートリッジ61の流路64内の流体の流れを誘導してもよい。
【0049】
使用中、カートリッジ61は、最初に機器内に配置されてもよい。ある場合には、機器は、プランジャ60を、カートリッジ61の貯蔵キャビティ66と整列させてもよい。次に、機器は、まだ膜62を変位しないが、膜62と接触するようにプランジャ60を移動させてもよい。機器は、その後、プランジャ60を膜62内に押し込み、膜62を貯蔵キャビティ66内に変位させ、カートリッジの流路64内に流れを誘導してもよい。機器は、その後、プランジャ60を引き抜いてもよい。ある場合には、プランジャ60は、脈動方式または定常方式で作動されてもよい。より一般的には、機器は、カートリッジ61の流路64内に所望の流量を誘導するレートプロファイルでプランジャ60を移動してもよいことが考えられる。例証的な実施形態では、膜62は、機器とカートリッジ61内の流体との間の物理的障壁の役目を果たすのに役立ってもよい。この障壁があることは、カートリッジ61および/または機器の汚染のリスクを減少させる可能性がある。
【0050】
図6は、なお別の例証的な機器/カートリッジインタフェースの略部分側断面図である。この例証的な実施形態は、プランジャ70が、弾性および/または柔軟性膜78を含むことを除いて、図5と同様であり、弾性および/または柔軟性膜78は、流体圧力によって拡張して(たとえば、膨張して)、貯蔵キャビティ66内に膜62を変位させることができ、次に、カートリッジ61の流路64内に流れを誘導する。より具体的には、プランジャ70は、機器に取り付けられた第1端およびカートリッジ61の膜62に隣接して配置された第2端を有してもよい。1つまたは複数の流路79aおよび79bが、プランジャ70の軸方向に設けられてもよい。1つまたは複数の流路79aおよび79bは、機器内の圧力源と弾性および/または柔軟性膜78の背後のキャビティとの間に圧力伝達経路を形成してもよい。軸70は、コントローラに結合されてもよく、コントローラは、軸70の(上/下への)移動および/または、1つまたは複数の流路79aおよび79bを通した軸70から軸先端に近いキャビティまでの流体(気体または液体)の流れを制御する。
【0051】
使用中、カートリッジ61は、最初に機器内に配置されてもよい。ある場合には、機器は、軸70を、カートリッジ61の貯蔵キャビティ66と整列させてもよい。次に、所望である場合、機器は、まだ膜62を変位しないが、膜62と接触するように軸70を移動させてもよい。機器は、その後、軸70の弾性および/または柔軟性膜78の背後のキャビティを膨張させてもよく、それにより、膜62を貯蔵キャビティ66内に変位させ、カートリッジ61の流路64内に流れを誘導してもよい。機器は、その後、弾性および/または柔軟性膜78の背後のキャビティを膨張させ、軸70を引き抜いてもよい。ある場合には、弾性および/または柔軟性膜78の背後のキャビティの膨張は、脈動方式または定常方式で行われてもよい。より一般的には、機器は、カートリッジ61の流路64内に所望の流量を誘導するレートプロファイルで弾性および/または柔軟性膜78の背後のキャビティの膨張を制御してもよいことが考えられる。例証的なプロセスは、用途に応じて、自動化されてもよく、または、手動制御下にあってもよい。
【0052】
図7は、別の例証的な機器/カートリッジインタフェースの略部分側断面図である。例証的な実施形態は、カートリッジ81の流路84に所望の流量を提供するノズル80を有する機器を含む。ノズル80は、圧力源(図示せず)に流体結合されて、(正または負の)加圧流体(気体または液体)をノズル80に提供してもよい。圧力源は、所望に応じて、油圧ポンプ、圧縮ガス源、または任意の他の適切な圧力源であってよい。
【0053】
ノズル80は、機器に取り付けられた第1端およびカートリッジ81に係合するようになっている第2端を有してもよい。カートリッジ81は、一端に流路開口を有する流路84を有してもよい。ある場合には、ある体積の、サンプル流体(たとえば、血液)などの流体を貯蔵するための、流路84に流体結合した貯蔵キャビティ86が存在してもよい。ある場合には、流路開口は、一方向弁82を有してもよい。一方向弁82は、流体または気体が、ある方向に通過することを可能にするが、気体または流体が、他の方向に通過することを禁止するか、または、実質的に禁止する特性を有してもよい。ある場合には、弁82は、カートリッジ81からの流体および/または気体の逆流を防止するように構成されてもよく、ある場合には、機器または周囲の空間の汚染のリスクを減少させるのに役立つ可能性がある。
【0054】
ある場合には、例証的なノズル80は、カートリッジ81に隣接する第2端にガスケットまたはシールを含んでもよい。付加的に、または、別法として、カートリッジ81は、カートリッジ81の流路開口の周りにガスケットまたはシールを含んでもよい。ガスケットまたはシールは、ノズル80とカートリッジ81との間に漏れが無いインタフェースを提供するのに役立つ可能性がある。ある場合には、シールは、空気または流体が漏出しないように気密性があってよい。シールはまた、流体がインタフェースから漏出することを防止することによって、汚染を減少させるのに役立つ可能性がある。
【0055】
サンプル流体内に流れを誘導するために、カートリッジ81は、機器内に挿入され、搭載されてもよい(たとえば、図1を参照されたい)。ある場合には、カートリッジ81内の開口は、その後、ノズル80内の開口と整列してもよい。他の場合には、機器内へのカートリッジ81の搭載は、カートリッジ81内の開口が、ノズル80内の開口と十分に整列していることを自動的に保証する。ノズル80は、その後、カートリッジ81に係合させられて、両者間に漏れが無いインタフェースが設けられてもよい。ノズル80は、自動方式または手動方式で下方に移動してカートリッジ81に達してもよい。たとえば、モータまたは同様なものを使用して、カートリッジ81に係合するようにノズル80が移動されてもよい。あるいは、ユーザは、機器のカバーを閉じることなどによって、カートリッジ81に係合するようにノズル80を手動で移動してもよい(たとえば、図1を参照されたい)。
【0056】
配置され、シールされると、機器によって、カートリッジの開口内に、また、流路84内に圧力が加えられてもよい。圧力は、たとえば、ノズル80を通して、流路84内に流体または気体を圧送することによって、加えられてもよい。流路84内に圧送された流体または気体は、流体を流路84内に変位させ、流路84内に流れを誘導してもよい。ある場合には、流路84内に圧送された流体または気体は、貯蔵キャビティ86内に収容されたサンプル流体(たとえば、血液)を変位させてもよい。
【0057】
一部の実施形態では、可動ストッパまたは同様なものが、流路84内に設けられてもよい。ノズル80を通して流路84内に圧送された流体または気体は、ストッパの上流側にあってもよく、また、流路84内に既に存在する流体または気体(たとえば、サンプル流体)は、ストッパの下流側にあってもよい。ノズル80を通して流路84内に圧送される流体または気体は、ストッパを流路に沿って移動させ、それにより、流路84内に既に存在する流体または気体の流れを誘導する。ストッパは、ノズル80を通して流路84内に圧送される流体または気体を、流路84内に既に存在する流体または気体から分離してもよい。これは、所望される場合、ノズル80を通して流路84内に圧送される流体または気体が、流路84内に既に存在する流体または気体と混合することを防止するのに役立つ可能性がある。
【0058】
図8は、カートリッジ上での流量を決定する例証的な実施形態の略部分側断面図である。例証的な実施形態は、図7に関して上述したもの同様の、ノズル90およびカートリッジ91を含む。この実施形態では、カートリッジ91は、ノズル90の開口96と流体連通するようになっている少なくとも1つの開口を有する流路92を有してもよい。ある場合には、ノズル90によって提供される所与の入力圧について、既知の流量の流体が、流路92を通過することを可能にする制限部94が、流路92内に設けられてもよい。制限部94は、流路92自体であってよく、または、断面の小さな流路92のセクションなどの別個の特徴部であってよい。
【0059】
流路92を通る流体の流量を決定するために、制限部94の両側の圧力が検知されてもよい。制限部94のノズル90側の圧力は、たとえば、機器自体の中の圧力センサまたは同様なものによって検知されてもよい。制限部94の下流側の圧力は、カートリッジ上の圧力センサを使用して測定されてもよい。あるいは、圧力タップ98が、制限部の下流に設けられてもよい。圧力タップ98は、機器とのインタフェースを含んでもよく、また、機器は、圧力タップ98によって圧力を決定するための圧力センサを含んでもよい。インタフェースは、本明細書で説明したものを含む、任意のタイプの機器/カートリッジインタフェースを含んでもよい。ある状況下では、所望に応じて、複数の圧力タップが使用されてもよいことが考えられる。
【0060】
図9は、カートリッジ上での流量を決定する別の例証的な実施形態の略部分側断面図である。この例証的な実施形態は、2つの圧力タップ104および106(制限部102のそれぞれの側に1つ)がカートリッジ101上に設けられることを除いて、図8を参照して示し、述べたものと同様である。圧力タップ104および106は、図8のインタフェースと同様の機器とのインタフェースを有してもよい。2つの圧力を知ることによって、流体の流量が決定されてもよい。
【0061】
図10は、圧壊可能な流路114を有するカートリッジ111および流路114を制御可能に圧壊するローラ110を有する機器を含む例証的な流体分析装置の略部分側断面図である。例証的な実施形態では、カートリッジ111は、流路114の壁によって画定された流路114を含む。流路114の少なくとも1つは、圧壊可能膜112を少なくとも部分的に含んでもよい。ある場合には、圧壊可能膜112は、流路114の外壁の少なくとも一部分を画定してもよい。さらに、ある場合には、流路114の他の壁は、剛性があってもよい。例証的な膜112は、所望に応じて、エラストマ材料または任意の他の柔軟性材料であってよい。あるいは、例証的な膜112は、流路114の周りで流体が漏れないシールを依然として維持しながら、圧壊されることができるかなり剛性がある材料であってよい。
【0062】
機器は、機器内に搭載された後に、カートリッジ111の圧壊可能膜112に圧力を加えるためのローラ110を含んでもよい。ある場合、ローラ110は、圧壊可能膜112に力を加え、流路114を圧壊させ、膜112に沿って回転し続け、流路114をさらに圧壊させてもよい。別の実施形態では、ローラ110は、機器からカートリッジ111の方へ延びる複数の軸を含んでもよい。軸は、経時的に圧壊可能膜112に係合し、順次に力を加え、一端の第1軸が延び、膜112を圧壊し、その後、次の隣接軸が、膜112を圧壊するなどであり、ついには、軸が全て延び、したがって、流路114が完全に圧壊する。より一般的には、ローラ110は、所望に応じて、圧壊可能膜112に力を加えるための任意の適切なデバイス110であってよいことが考えられる。ローラ110によって加えられる力は、所望に応じて、定常力(steady force)、回転力、脈動力、または任意の他の適切な方法であってよいことも考えられる。さらに、ローラ110は、ローラ110の自動化制御のためのコントローラに結合されてもよい、または、別法として、ローラ110は、手動で制御されてもよいことが考えられる。自動化された状況では、ローラ110は、機器のコントローラによって制御されるモータまたは同様なものに結合されてもよい。
【0063】
使用中、カートリッジ111は、ローラ110が圧壊可能膜112に整列するように、最初に機器内に挿入され、搭載されてもよい。次に、ローラ110は、膜112に隣接して配置されてもよい。いつでも流路114内に流れを生成することができる状態になると、ローラ110が起動されて、圧壊可能膜112の一部を圧壊するのに十分な力が加えられてもよい。ローラ110は、流路114の長さに沿って力を加え続けて、流路14内に持続した流れが誘導されてもよい。サンプル流体の流量は、ローラ110の力と速度と共に流路114の断面積によって決定されてもよい。
【0064】
圧壊可能膜112があまりに柔軟である場合、圧壊可能膜112の1つの部分に加えられる力によって、流路114内の流体が、膜112の別の部分に力を生成し、圧壊可能膜112が、ある程度、膨れ上がる(bulge out)、または、拡張させられる。これは、ローラ110の位置および流路114内に誘導される実際の流れに非線形性を生じさせる場合がある。この非線形性は、機器を較正することによって補償されてもよい。
【0065】
あるいは、また、ある場合には、圧壊可能膜112は、圧壊可能膜の別の部分が圧壊すると、膨れない、または、外向きに変形しないようになっていてもよい。たとえば、圧壊可能膜112は、こうした膨れに抗する比較的剛性がある材料から作られてもよい。別法として、または、付加的に、こうした変形を防止するのに役立つように、別の物体が圧壊可能膜112の上に追加されてもよい。ローラ110が複数の軸を有する場合、軸は全て、最初の軸に力を加える前に、圧壊可能膜のところまで、または、その近くに下げられるため、膜112の好ましくない外向きの変形が防止される、または、実質的に防止される。
【0066】
図11は、圧壊可能な流路を有するカートリッジおよび流路を制御可能に圧壊するローラを有する機器を有する別の例証的な流体分析装置の略部分側断面図である。この例証的な実施形態では、機器は、図10を参照して示し、述べられたものと同様の、カートリッジ121に力を加えるようになっているローラ120を含んでもよい。カートリッジ121は、上部壁および底部壁を含む流路124の壁によって画定された流路124を含んでもよい。一実施形態では、流路124は、図示するように、流路124の上部壁と底部壁が旋回点を形成するようにヒンジで取り付けられた第1端を有することによって圧壊可能であってよい。力が、流路124の上部表面に加えられると、ヒンジによって、上部表面が、底部表面の方に圧壊することが可能になり、流体を流路124の下流に押し出す。ある場合には、流路124の上部表面は、弾性膜122などの柔軟性膜122によって囲まれた剛性構造を有するため、力にさらされると、膜122は、上部表面が底部表面に接触することを可能にする。より一般的には、所望に応じて、流路124を圧壊させる任意の適切な方法が使用されてもよいことが考えられる。
【0067】
図12は、カートリッジの流路内に流れを誘導する複数のギアを含むカートリッジの略平面図である。例証的な実施形態は、チャンバ138を持つ流路136を有するカートリッジ131を含む。チャンバ138は、複数のギア132および134を含む。ギア132および134は、流路136内に流れを誘導するように、流体を圧送することが可能なポンプを形成してもよい。ある場合には、各ギア132、134は、ギアの周縁の周りに複数のパドルに似た構造を有してもよい。パドルに似た構造は、チャンバ138を通して流体を押し出すのに役立ってもよい。図示するように、2つのギア132および134は、互いに反対方向に回転し、チャンバ138の外側の周りのサンプル流体を押し出すか、または、ギア132と134との間のサンプル流体を押し出してもよい。より一般的には、所望の流れを生成するために、所望に応じて、1つ、2つ、3つ、または、任意の数のギア132および134が使用されてもよいことが考えられる。
【0068】
ある場合には、ギア132および134は、モータと軸によって駆動されてもよい。他の場合では、ギア132および134は、電界または磁界によって駆動されてもよい。より一般的には、ギア132および134は、任意の適切な方法によって駆動されてもよいことが考えられる。
【0069】
例証的な実施形態では、機器は、ギア132および134用の駆動機構の少なくとも一部を含んでもよい。たとえば、機器は、モータと軸を含んでもよく、軸は、ギア132および134の1つまたは複数にインタフェースする。あるいは、ギア132および134は、鉄性材料を含んでもよく、またさらに、磁化されてもよく、機器は、ギア132および134を駆動する回転磁界を提供してもよい。機器の駆動機構は、コントローラによって制御されてもよい。コントローラは、所望に応じて、たとえば、ギア132および134の始動および停止、ギア132および134の回転速度、ギア132および134の回転方向、および/または、任意の他のパラメータなどのギア132および134の動作を制御してもよい。
【0070】
図13は、カートリッジの流路内の流体の流量および/または現在位置を決定する検出器を有する機器を含む例証的な流体分析装置の略図である。例証的な実施形態は、流路140を有するカートリッジ141を含む。検出器142は、機器内に設けられてもよい。一実施形態では、検出器142は、カートリッジ141の流路140に隣接して機器内に搭載されてもよい。検出器142は、光学的に、電気的に、磁気的に、または、任意の他の適切な方法によって、流体の存在またはいくつかの特性を検出してもよい。光学検出器用などの、ある場合には、カートリッジ141は、流路140内の流体を観察するために、検出器142用の窓を設けてもよい。検出器142は、検出器142を起動させ、停止させるための、かつ/または、検出器142からデータを受信するためのコントローラに結合されてもよいことが考えられる。
【0071】
ある場合には、また、カートリッジ141内のサンプル流体144の流量を測定するために、カートリッジ141を通してサンプル流体144を押し出す、プッシャ流体146などの別の流体が存在してもよい。プッシャ流体146は、所望に応じて、先に説明した任意の方法または任意の他の適切な方法によって、カートリッジ141に提供されてもよい。さらに、プッシャ流体146は、たとえば、光学的に、電気的に、または磁気的に検出されることができる粒子などの、検出器142によって測定される何らかの検出可能な特性を含んでもよい。そのため、サンプル流体144の流量を決定するために、プッシャ流体146の流量が検出され、決定されてもよい。
【0072】
同様な手法を使用して、流路に沿うある地点に流体が達するときが決定されてもよい。すなわち、検出器142は、流路に沿うロケーションに隣接して配置されてもよく、検出器142は、所望に応じて、光学的に、電気的に、または、磁気的に、そのロケーションにおける流体の存在を検出してもよい。これは、所望に応じて、たとえば、血液などのサンプル流体が、サンプル流体入力チャネルを十分に満たしたときを検出するため、シースまたは溶解流体が、カートリッジ141上の流体回路内のある地点に達したときを検出するため、または、任意の他の適切な目的のために使用されてもよい。
【0073】
図14A〜14Bは、カートリッジの流路内の流体の流量および/または現在位置を決定する2つの(または、3つ以上の)検出器を有する機器を含む例証的な流体分析装置の略図である。例証的な実施形態は、機器に取り付けられた2つの検出器152および154を含む。流路150を含むカートリッジ151も設けられる。図13と同様に、検出器152および154は、所望に応じて、光学的に、電気的に、磁気的に、または、任意の他の適切な方法によって、流路150内の流体の存在および/または流量を検出してもよい。ある場合には、カートリッジ151は、流路150内の流体を観察するために、流路150用の2つ以上の窓を有してもよい。2つ以上のセンサが、互いから離れた既知の距離のところに設けられてもよい。各センサは、所望に応じて、検出器152および154へ、また、検出器152および154から、受信する、かつ/または、送信するコントローラに結合されてもよい。
【0074】
流路150を通る流体流量は、たとえば、流路156の下流に流れを提供することによって決定されてもよい。ある場合には、流れは、たとえば、空気などの気体156で流体158を押し出すことによって提供されてもよい。例証的な実施形態では、気体156または空気は、サンプル流体158の端(end)を検出するのが容易になるように流体を押し出すために使用されてもよいが、これは必要とされない。2つ以上の検出器152および154を使用して、たとえば、サンプル流体158の全てまたはほぼ全てが各検出器を通過するときを検出することによって、流体158の流量が決定されてもよい。コントローラは、流体158が各検出器152および154を通過する時間経過を決定し、検出器152と154との間の距離を知って、流体158の流量を決定してもよい。第1検出器152がサンプル流体158の端を検出するときの例証的な時点は、図14Aに示される。第2検出器154がサンプル流体158の端を検出するときの例証的な時点は、図14Bに示される。別法として、または、付加的に、第1および第2検出器152および154を使用して、サンプル流体158が、流量を決定するために最初に到達するときが検出されてもよい。なお別の実施形態では、第1および第2検出器152および154を使用して、温度、熱伝導率、または同様なものなどの、流体の何らかの他の特性が検出されてもよい。熱パルスが、流体内で生成されてもよく、その後、検出器によって検出されることができる。流体の抵抗率および/または他の特性もまた、検出器152および154によって検出されてもよい。同様に、流体は、流体の流量を決定するのに役立つように、光学的に、電気的に、または、磁気的に検出されることができる、ビードまたは同様なものなどの粒子を含んでもよい。用途に応じて、3つ以上のセンサまたは1つだけのセンサが使用されることができることが考えられる。
【0075】
こうして本発明の好ましい実施形態を述べたが、添付特許請求項の範囲内で、なお他の実施形態が行われ、使用されてもよいことを当業者は容易に理解するであろう。本明細書によって包含される本発明のいくつかの利点は、先の説明において述べられた。しかし、本開示は、多くの点で例証的であるだけであることが理解されるであろう。本発明の範囲を超えることなく、細部、特に、形状、サイズ、および配置構成において変更が行われてもよい。本発明の範囲は、もちろん、添付特許請求の範囲が表現される言語で規定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体分析装置であって、
流路壁によって画定された流路を有するカートリッジと、
1つまたは複数のチャンバ壁によって画定された体積を有し、前記流路に流体連通する流体が充填されたチャンバと、
前記カートリッジを受け取る機器とを備え、前記機器は、前記チャンバ壁の少なくとも1つを少なくとも一時的に選択的に変形させて、前記チャンバの前記体積を変え、それにより、前記チャンバ内の前記流体の少なくとも一部に、前記カートリッジの前記流路内に流れを誘導するようになっている、流体分析装置。
【請求項2】
前記機器は、前記チャンバ壁の少なくとも1つを少なくとも一時的に変形して、前記チャンバの前記体積を変え、それにより、前記チャンバ内の前記流体の少なくとも一部に、前記カートリッジの前記流路内に流れを誘導するための、前記機器によって選択的に移動するプランジャを含む、請求項1に記載の流体分析装置。
【請求項3】
前記機器は、前記チャンバ壁の少なくとも1つを少なくとも一時的に変形して、前記チャンバの前記体積を変え、それにより、前記チャンバ内の前記流体の少なくとも一部に、前記カートリッジの前記流路内に流れを誘導するための、前記カートリッジに沿って前記機器によって選択的に回転するローラを含む、請求項1に記載の流体分析装置。
【請求項4】
流体分析装置であって、
流路壁によって画定された流路を有するカートリッジを備え、開口が、前記カートリッジの外側から前記流路内に延び、
前記分析装置はさらに、
前記開口内にまたは前記開口を覆って配設され、かつ、流体が漏れないシールによって前記カートリッジの少なくとも一部分に固定された、弾性および/または柔軟性膜と、
前記カートリッジを受け取る機器とを備え、前記機器は、前記カートリッジが前記機器によって受け取られたときに、前記弾性および/または柔軟性膜と位置合わせ状態になるプランジャを有し、
前記機器は、前記弾性および/または柔軟性膜に係合するように前記プランジャの少なくとも一端を移動させ、前記弾性および/または柔軟性膜を変形させ、それにより、前記カートリッジの前記流路内に流れを誘導する移動機構を含む、流体分析装置。
【請求項5】
前記プランジャは剛性端を含み、前記移動機構は、前記プランジャの前記剛性端を前記弾性および/または柔軟性膜の方へ移動させて、前記弾性および/または柔軟性膜を変形させる、請求項4に記載の流体分析装置。
【請求項6】
前記プランジャの前記端は、変形可能膜を含み、前記移動機構は、前記プランジャ端の前記弾性および/または柔軟性膜の背後に圧力を生成して、前記プランジャ端の前記弾性および/または柔軟性膜を前記カートリッジの前記弾性および/または柔軟性膜の方へ変形させ、それにより、前記カートリッジの前記弾性および/または柔軟性膜を変形させて、前記カートリッジの前記流路に流れを誘導する圧力源を含む、請求項4に記載の流体分析装置。
【請求項7】
前記移動機構は、前記カートリッジの前記流路内に所望の流量を誘導するレートプロファイルで、前記弾性および/または柔軟性膜に係合するように前記プランジャの前記端を移動させる、請求項4に記載の流体分析装置。
【請求項8】
使い捨てカートリッジ内で流れを誘導する方法であって、前記使い捨てカートリッジは
、前記カートリッジ内に流体チャンバの壁の少なくとも一部を形成する膜を含み、
前記方法は、対象物を前記膜の少なくとも一部に整列させるステップと、
前記膜の少なくとも一部を少なくとも一時的に変形させる力を加えるように、前記膜の少なくとも一部に係合するように前記対象物を移動させ、それにより、前記流体チャンバの体積を変化させ、前記使い捨てカートリッジ内に流れを誘導するステップと、を含む方法。
【請求項9】
前記対象物は、剛性端を有するプランジャを含み、前記プランジャの前記剛性端は、前記膜に係合するように移動する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、前記対象物は、端を有するプランジャを含み、前記プランジャの前記端は、変形可能な弾性および/または柔軟性膜を含み、
前記方法はさらに、前記プランジャの前記弾性および/または柔軟性膜を前記カートリッジの前記膜の方へ変形させるように、前記プランジャ端の前記弾性および/または柔軟性膜の背後に圧力を生成し、それにより、前記カートリッジの前記膜を変形させ、前記流体チャンバの前記体積を変えて、前記使い捨てカートリッジ内に流れを誘導するステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記対象物は、前記カートリッジ内に所望の流量を誘導するレートプロファイルで前記カートリッジの前記膜に係合するように移動する、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記対象物が、前記膜の少なくとも一部に係合するように移動したとき、前記対象物は、前記膜の少なくとも一部を前記カートリッジ内に変位させる、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
流体分析装置であって、
1つまたは複数のチャンバ壁によって画定されたチャンバを有するカートリッジと、
前記カートリッジを受け取る機器とを備え、前記機器は、前記チャンバ壁の1つまたは複数の少なくとも一部を変形させて、前記カートリッジ内に流れを誘導する力を前記カートリッジに加える力機構を有する、流体分析装置。
【請求項14】
前記1つまたは複数のチャンバ壁の前記少なくとも一部は、前記加えられた力の下で変形し、それにより、前記チャンバの体積を変え、前記カートリッジ内に流れを誘導する、柔軟性膜を含む、請求項13に記載の流体分析装置。
【請求項15】
前記1つまたは複数のチャンバ壁の前記少なくとも一部は、前記加えられた力の下で圧壊し、それにより、前記チャンバの前記体積を変える、剛性であるが圧壊可能な壁である、請求項13に記載の流体分析装置。
【請求項16】
前記力機構は、前記カートリッジに沿って回転すると、前記チャンバ壁の1つまたは複数の少なくとも一部を変形させて、前記カートリッジ内に流れを誘導する、ローラを含む請求項13に記載の流体分析装置。
【請求項17】
使い捨てカートリッジ内に流体の流れを提供する方法であって、前記カートリッジは、流体チャンバと、前記流体チャンバに流体連通する1つまたは複数の流路を有し、前記カートリッジは、機器が受け取るようになっており、前記機器はローラを含み、
前記方法は、前記カートリッジを前記機器内に挿入するステップと、
前記機器の前記ローラを前記カートリッジの前記流体チャンバに隣接して配置するステップと、
前記カートリッジの前記流体チャンバに対して、前記機器の前記ローラに力を加えて、前記カートリッジの前記流体チャンバの少なくとも一部を圧壊させるステップと、
前記流体チャンバに沿って前記ローラを回転させるステップと、を含む方法。
【請求項18】
カートリッジの流路内に流体の流れを提供する方法であって、
前記カートリッジ上に、かつ、前記カートリッジの前記流路に流体連通する少なくとも1つのポンピング機構を設けるステップと、
前記少なくとも1つのポンピング機構に動力を供給するようになっている機器内に前記カートリッジを挿入するステップと、
前記機器によって前記少なくとも1つのポンピング機構に動力を供給し、それにより、前記ポンピング機構が前記カートリッジの前記流路を通して流体を圧送するステップと、を含む方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つのポンピング機構はギアを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つのギアは、前記ギアが回転すると前記流体を押すための、前記ギアの周りのパドルに似た構造を有する請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記機器は、回転軸を介して前記少なくとも1つのポンピング機構に動力を供給する請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記機器は、少なくとも部分的に電気エネルギーによって前記少なくとも1つのポンピング機構に動力を供給する請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記機器は、少なくとも部分的に磁場によって前記少なくとも1つのポンピング機構に動力を供給する請求項18に記載の方法。
【請求項1】
流体分析装置であって、
流路壁によって画定された流路を有するカートリッジと、
1つまたは複数のチャンバ壁によって画定された体積を有し、前記流路に流体連通する流体が充填されたチャンバと、
前記カートリッジを受け取る機器とを備え、前記機器は、前記チャンバ壁の少なくとも1つを少なくとも一時的に選択的に変形させて、前記チャンバの前記体積を変え、それにより、前記チャンバ内の前記流体の少なくとも一部に、前記カートリッジの前記流路内に流れを誘導するようになっている、流体分析装置。
【請求項2】
前記機器は、前記チャンバ壁の少なくとも1つを少なくとも一時的に変形して、前記チャンバの前記体積を変え、それにより、前記チャンバ内の前記流体の少なくとも一部に、前記カートリッジの前記流路内に流れを誘導するための、前記機器によって選択的に移動するプランジャを含む、請求項1に記載の流体分析装置。
【請求項3】
前記機器は、前記チャンバ壁の少なくとも1つを少なくとも一時的に変形して、前記チャンバの前記体積を変え、それにより、前記チャンバ内の前記流体の少なくとも一部に、前記カートリッジの前記流路内に流れを誘導するための、前記カートリッジに沿って前記機器によって選択的に回転するローラを含む、請求項1に記載の流体分析装置。
【請求項4】
流体分析装置であって、
流路壁によって画定された流路を有するカートリッジを備え、開口が、前記カートリッジの外側から前記流路内に延び、
前記分析装置はさらに、
前記開口内にまたは前記開口を覆って配設され、かつ、流体が漏れないシールによって前記カートリッジの少なくとも一部分に固定された、弾性および/または柔軟性膜と、
前記カートリッジを受け取る機器とを備え、前記機器は、前記カートリッジが前記機器によって受け取られたときに、前記弾性および/または柔軟性膜と位置合わせ状態になるプランジャを有し、
前記機器は、前記弾性および/または柔軟性膜に係合するように前記プランジャの少なくとも一端を移動させ、前記弾性および/または柔軟性膜を変形させ、それにより、前記カートリッジの前記流路内に流れを誘導する移動機構を含む、流体分析装置。
【請求項5】
前記プランジャは剛性端を含み、前記移動機構は、前記プランジャの前記剛性端を前記弾性および/または柔軟性膜の方へ移動させて、前記弾性および/または柔軟性膜を変形させる、請求項4に記載の流体分析装置。
【請求項6】
前記プランジャの前記端は、変形可能膜を含み、前記移動機構は、前記プランジャ端の前記弾性および/または柔軟性膜の背後に圧力を生成して、前記プランジャ端の前記弾性および/または柔軟性膜を前記カートリッジの前記弾性および/または柔軟性膜の方へ変形させ、それにより、前記カートリッジの前記弾性および/または柔軟性膜を変形させて、前記カートリッジの前記流路に流れを誘導する圧力源を含む、請求項4に記載の流体分析装置。
【請求項7】
前記移動機構は、前記カートリッジの前記流路内に所望の流量を誘導するレートプロファイルで、前記弾性および/または柔軟性膜に係合するように前記プランジャの前記端を移動させる、請求項4に記載の流体分析装置。
【請求項8】
使い捨てカートリッジ内で流れを誘導する方法であって、前記使い捨てカートリッジは
、前記カートリッジ内に流体チャンバの壁の少なくとも一部を形成する膜を含み、
前記方法は、対象物を前記膜の少なくとも一部に整列させるステップと、
前記膜の少なくとも一部を少なくとも一時的に変形させる力を加えるように、前記膜の少なくとも一部に係合するように前記対象物を移動させ、それにより、前記流体チャンバの体積を変化させ、前記使い捨てカートリッジ内に流れを誘導するステップと、を含む方法。
【請求項9】
前記対象物は、剛性端を有するプランジャを含み、前記プランジャの前記剛性端は、前記膜に係合するように移動する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、前記対象物は、端を有するプランジャを含み、前記プランジャの前記端は、変形可能な弾性および/または柔軟性膜を含み、
前記方法はさらに、前記プランジャの前記弾性および/または柔軟性膜を前記カートリッジの前記膜の方へ変形させるように、前記プランジャ端の前記弾性および/または柔軟性膜の背後に圧力を生成し、それにより、前記カートリッジの前記膜を変形させ、前記流体チャンバの前記体積を変えて、前記使い捨てカートリッジ内に流れを誘導するステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記対象物は、前記カートリッジ内に所望の流量を誘導するレートプロファイルで前記カートリッジの前記膜に係合するように移動する、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記対象物が、前記膜の少なくとも一部に係合するように移動したとき、前記対象物は、前記膜の少なくとも一部を前記カートリッジ内に変位させる、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
流体分析装置であって、
1つまたは複数のチャンバ壁によって画定されたチャンバを有するカートリッジと、
前記カートリッジを受け取る機器とを備え、前記機器は、前記チャンバ壁の1つまたは複数の少なくとも一部を変形させて、前記カートリッジ内に流れを誘導する力を前記カートリッジに加える力機構を有する、流体分析装置。
【請求項14】
前記1つまたは複数のチャンバ壁の前記少なくとも一部は、前記加えられた力の下で変形し、それにより、前記チャンバの体積を変え、前記カートリッジ内に流れを誘導する、柔軟性膜を含む、請求項13に記載の流体分析装置。
【請求項15】
前記1つまたは複数のチャンバ壁の前記少なくとも一部は、前記加えられた力の下で圧壊し、それにより、前記チャンバの前記体積を変える、剛性であるが圧壊可能な壁である、請求項13に記載の流体分析装置。
【請求項16】
前記力機構は、前記カートリッジに沿って回転すると、前記チャンバ壁の1つまたは複数の少なくとも一部を変形させて、前記カートリッジ内に流れを誘導する、ローラを含む請求項13に記載の流体分析装置。
【請求項17】
使い捨てカートリッジ内に流体の流れを提供する方法であって、前記カートリッジは、流体チャンバと、前記流体チャンバに流体連通する1つまたは複数の流路を有し、前記カートリッジは、機器が受け取るようになっており、前記機器はローラを含み、
前記方法は、前記カートリッジを前記機器内に挿入するステップと、
前記機器の前記ローラを前記カートリッジの前記流体チャンバに隣接して配置するステップと、
前記カートリッジの前記流体チャンバに対して、前記機器の前記ローラに力を加えて、前記カートリッジの前記流体チャンバの少なくとも一部を圧壊させるステップと、
前記流体チャンバに沿って前記ローラを回転させるステップと、を含む方法。
【請求項18】
カートリッジの流路内に流体の流れを提供する方法であって、
前記カートリッジ上に、かつ、前記カートリッジの前記流路に流体連通する少なくとも1つのポンピング機構を設けるステップと、
前記少なくとも1つのポンピング機構に動力を供給するようになっている機器内に前記カートリッジを挿入するステップと、
前記機器によって前記少なくとも1つのポンピング機構に動力を供給し、それにより、前記ポンピング機構が前記カートリッジの前記流路を通して流体を圧送するステップと、を含む方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つのポンピング機構はギアを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つのギアは、前記ギアが回転すると前記流体を押すための、前記ギアの周りのパドルに似た構造を有する請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記機器は、回転軸を介して前記少なくとも1つのポンピング機構に動力を供給する請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記機器は、少なくとも部分的に電気エネルギーによって前記少なくとも1つのポンピング機構に動力を供給する請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記機器は、少なくとも部分的に磁場によって前記少なくとも1つのポンピング機構に動力を供給する請求項18に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【公開番号】特開2012−112969(P2012−112969A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−12657(P2012−12657)
【出願日】平成24年1月25日(2012.1.25)
【分割の表示】特願2008−548531(P2008−548531)の分割
【原出願日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−12657(P2012−12657)
【出願日】平成24年1月25日(2012.1.25)
【分割の表示】特願2008−548531(P2008−548531)の分割
【原出願日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】
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