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流体制御システム
説明

流体制御システム

【課題】簡単かつ占有面積の小さいコンパクトな構成で二次流路2への流体の流量分配が可能な流量制御システム100を構築する。
【解決手段】
仮想平面と平行に延伸する一次流路1と、前記仮想平面方向から視て前記一次流路1と交差するとともに、その交差ポイントにおいて前記一次流路1と接続されて該一次流路1を流れる流体の一部が流れ込むように構成された複数の二次流路2と、前記交差ポイントに設定された設置領域4に配置され、前記一次流路1から二次流路2に流れ込む流体流量の割合を定める流体抵抗素子3とを設けるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造プロセスに用いられるガス供給システム等における流体制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体製造プロセスにおいては、種々の要素ガスを所定の比率で混合して材料ガスを生成し、この材料ガスをチャンバ内に供給するようにしている。そのために、例えば、特許文献1、2に示すようなガス供給装置が用いられている。
【0003】
さらに近時では、ウェハの大口径化により同一チャンバの複数箇所に設けたガス流入ポートから材料ガスを供給することもあるため、混合した材料ガスを任意の流量比に複数に分流するような分配器を備えたものも開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−204899号公報
【特許文献2】WO2008/023711号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、分配器では、分配した流路のそれぞれに流体抵抗素子を設けているため、分配数が増えると嵩張るという問題点が生じる。
【0006】
さらに分配器では、各ガス流入ポートへの材料ガスの流量比をコントロールできるが個々の濃度までコントロールすることはできない。個々の濃度をコントロールするためには、各ガス導入ポートへの材料ガス供給システムを互いに独立に設ければよいが、このような構成であると、規模や費用が嵩んで現実的ではない。
【0007】
本発明はかかる不具合を鑑みてなされたものであって、コンパクトかつ簡易な構成で流体の流量を所定比率に分流できるようにすることをその主たる所期課題としたものであり、さらには、コンパクト性、簡易性を維持しつつ、流体の混合をも同時に行えるようにすべく図ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明に係る流体制御システムは、仮想平面と平行に延伸する一次流路と、
前記仮想平面方向から視て前記一次流路と交差するとともに、その交差ポイントにおいて前記一次流路と接続されて該一次流路を流れる流体の一部が流れ込むように構成された複数の二次流路と、前記交差ポイントに設定された設置領域に配置され、前記一次流路から二次流路に流れ込む流体流量の割合を定める流体抵抗素子とを具備していることを特徴とする。
【0009】
このようなものであれば、一次流路と二次流路の交差ポイントに流体抵抗素子が配置されるので、流路の途中に流体抵抗素子を設けたものと比べ、流路を省略できるとともに、仮想平面方向から視て面積の小さなものにすることができる。すなわち、簡単かつ占有面積の小さいコンパクトな構成で二次流路への流体の流量分配が可能な流量制御システムを構築することが可能になる。
【0010】
複数の流体の混合が可能で、なおかつその混合比や濃度をもコントロールできるようにするには、前記一次流路の両端にそれぞれ接続された流体供給装置をさらに具備し、前記一次流路にその両端からそれぞれ流体が流れ込むように構成してあるものが好ましい。
【0011】
複数の流体の分配や混合の制御を自在に行えるようにして、成分、混合比、濃度等の異なる複数の混合流体を同時に生成でき、かつコンパクト性及び簡易構造を維持できるようにするには、複数の一次流路を具備し、それら複数の一次流路と前記複数の二次流路とが、前記仮想平面方向から視て格子状に構成されているものが望ましい。
【0012】
具体的には、前記設置領域が一次流路に設けてあるものを挙げることができ、さらに具体的には、前記流体抵抗素子が、実質的に抵抗が発生しない大径路と、この大径路から分岐して抵抗を発生する一対の小径路とを内部に形成したものであり、設置領域に配置された当該流体抵抗素子の大径路が前記二次流路に連通するとともに、各小径路がそれぞれ一次流路における当該設置領域の上流側及び下流側に連通するように構成してあるものを挙げることができる。
【発明の効果】
【0013】
以上に述べたように本発明によれば、簡単かつ占有面積の小さいコンパクトな構成で流体の流量分配が可能な流量制御システムを構築することが可能になる。また、一次流路にその両端からそれぞれ流体が流れ込むように構成することで混合も可能となり、さらに複数の一次流路を設けることにより、成分、混合比、濃度の異なる複数の混合流体を同時に生成することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態における流体制御システムの模式的平面図。
【図2】同実施形態における一次流路形成部材の縦断面図。
【図3】同実施形態における一次流路形成部材の平面図。
【図4】同実施形態において、一次流路形成部材に取り付けた流体抵抗素子を示す縦断面図。
【図5】同実施形態における流体抵抗素子の分解斜視図。
【図6】同実施形態において、一次流路形成部材に取り付けた接続部材を示す縦断面図。
【図7】同実施形態における流体制御システムの作用を示す作用説明図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る流体制御システム100は、例えば半導体製造プロセスにおいて使用される材料ガスを、要素ガスを混合して生成し、供給するものであって、図1に模式図を示すように、仮想平面(ここでは図1の紙面)に平行に配置された複数(ここでは例えば4本)の一次流路1及び複数(個々では例えば4本)の二次流路2を有するものである。
【0016】
各一次流路1は、直線状に延伸するもので、互いに平行に等間隔で配置されている。また、各二次流路2は、前記一次流路1と垂直な方向に沿って直線状に延伸するもので、等間隔で配置されており、これら一次流路1と二次流路2とが仮想平面方向から視て格子状をなすように形成してある。
【0017】
一次流路1の両端には、ガス供給装置(ここでは流量制御装置)5がそれぞれ接続してあり、それら流量制御装置5から別種(又は同種)の要素ガスが当該一次流路1に互いに相反する向きで流れ込むように構成してある。
【0018】
前記一次流路1は、二次流路2との仮想平面方向から視た交差ポイントにおいて、当該二次流路2と接続されている。ただし、全ての交差ポイントで接続されているわけではなく、所要の一部の交差ポイントでのみ接続されている。
【0019】
また、前記各交差ポイントには、それぞれ設置領域4が設けてあって、その設置領域4に流体抵抗素子3を着脱可能に設置できるように構成されている。なお、全ての設置領域4(あるいは交差ポイント)に流体抵抗素子3を設置する必要はなく、この実施形態では、所要の一部の設置領域4のみに流体抵抗素子34が設置してある。
【0020】
より詳細に説明すると、一次流路1は、図2、図3に示すように、矩形バー状をなす一次流路形成部材6の長手方向に貫通するように形成されている。また、二次流路2は、一次流路1同様、矩形バー状をなす二次流路形成部材9の長手方向に貫通するように形成されている。この二次流路形成部材9は、前記一次流路形成部材6に直交するとともにその底面に接するように配置されており、これらは交差ポイントにおいて積層する。したがって、一次流路1と二次流路2とはねじれの位置関係にあり、その間は、後述する連通孔7によって接続されるように構成されている。
【0021】
しかして一次流路形成部材6には、上面に開口する凹形状の前記設置領域4が一次流路1を分断するように複数設けてある。そして、この設置領域4に流体抵抗素子3を嵌め込むことにより、一次流路1上に流体抵抗素子3が配置される。なお、この設置領域4の上面開口は、一次流路形成部材6の上面に図示しない蓋体を配設することによって封止される。
また、各設置領域4の底面からは、当該一次流路形成部材6の底面に開口し、二次流路2に接続される前記連通孔7が設けてある。
【0022】
流体抵抗素子3は、図4、図5に示すように、複数の矩形状薄板3aを積層させた直方体状をなすものであり、流体が層流状態で内部を流れるように構成してあることから層流抵抗素子とも言うべきものである。この流体抵抗素子3には、中央に貫通する大径路3cと、この大径路3cに内方端が連通するとともに外方端が対向する各側面に開口する一対の小径路3dとが設けてあり、この小径路3dが実質的な抵抗流路となるように構成してある。なお、流体抵抗素子としては、層流抵抗素子のみならず、オリフィスのような乱流抵抗素子などでも構わない。
【0023】
この実施形態では、大径路3cは、実質的な抵抗流路とはならない径を有したもので、その底面が前記連通孔7に接続される。また、小径路3dは、前記簿板3aにスリット3bを設けて形成したものであり、簿板3aに形成するスリット3bの形状や数を異ならせることによって流路抵抗を調整することができるようにしてある。
【0024】
そして、該流体抵抗素子3を設置領域4に配置した状態では、当該流体抵抗素子3の大径路3cが前記二次流路2に連通するとともに、各小径路3dがそれぞれ一次流路1における当該設置領域4の上流側及び下流側に連通するように構成してある。
【0025】
なお、前記設置領域4には、流体抵抗素子3のみならず、他の部材を配置することもできるし、何も配置しないようにすることもできるように構成されている。例えば、この設置領域4に、図6に示すように、一次流路1と同一方向に貫通する連絡路8aを有するとともに底面に前記連通孔7の上面を封止する封止面が設けられた接続部材8を配置することにより、この交差ポイントでの一次流路1と二次流路2との接続を遮断することができる。また、この設置領域4に何も配置しなければ、この交差ポイントにおいては一次流路1と二次流路2とが実質的な流体抵抗なく接続されることとなる。
【0026】
次に、かかる構成の流体制御システム100について、その作用例を図7に基づいて説明する。ここでは流体として半導体製造に用いられるガスを例にとる。この図7で、符号4(1)は、何も設けていない設置領域4を示し、符号4(2)は、前記流体抵抗素子3が設けられている設置領域4、符号4(3)は、前記接続部材8が設けられている設置領域4を示している。また二次流路2は、図示しない半導体製造チャンバに設けられた複数のガス導入ポートにそれぞれ接続されている。
【0027】
この例によれば、初段の一次流路1において、要素ガスA、Bが混合され、その混合ガスABが、当該一次流路1に配置されている各流体抵抗素子3の抵抗特性に応じた比率で分配される。
【0028】
次に、次段の一次流路1において要素ガスC、Dが混合され、その混合ガスCDが、1列めと2列めの二次流路2に所定の比率で分配され、そこを流れる混合ガスABと混合する。つまり、1列めと2列めの二次流路2には、混合ガスABCDが流れ、3列めと4列めの二次流路2には、混合ガスABが流れることとなる。
【0029】
次に、第3段の一次流路1において要素ガスE、Fが混合され、その混合ガスEFが、3列めの二次流路2に全て流れ込む。このことによって、3列めの二次流路2には、混合ガスABEFが流れることとなる。
【0030】
最後に、最終段の一次流路1において要素ガスG、Hが混合され、その混合ガスGHが、4列めの二次流路2に全て流れ込む。このことによって、4列めの二次流路2には、混合ガスABGHが流れることとなる。
【0031】
このように、本実施形態によれば、複数の要素ガスを自在に混合し、かつ分配して、二次流路2に種々の混合ガスを流すことができる。しかも、各要素ガスは、流量制御装置5によってその流量をコントロールできるので、濃度も自在にコントロールできる。
【0032】
しかも、このように各二次流路2に流すガスの流量、成分及び濃度を極めて高い自由度でそれぞれコントロールできる構成にも拘わらず、その構成は、マトリクス状に一次流路1及び二次流路2を配置し、その交差ポイントに流体抵抗素子3乃至接続部材8を要求仕様に応じて設置するだけなので、コンパクトかつ簡単なものとなる。また、流体抵抗素子3乃至接続部材8は脱着可能で流体抵抗素子3もその抵抗特性を種々変更できるものなので、システムの仕様変更などにも柔軟に対応できる。
【0033】
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。例えば、流体抵抗素子3が配置されている設置領域4の上面開口に圧力センサを取り付ければ、設置領域4を封止できるとともに、別途二次流路2に設けた圧力センサとの測定圧力を利用することによって、二次流路2を流れる流体流量を測定することができる。
【0034】
また、流体抵抗素子3や接続部材8は、仮想平面方向から視た交差ポイントに設置すればよく、例えば前記実施形態における連通孔7の途中に設置領域を設けても構わない。
【0035】
さらに、前記実施形態では一次流路1と二次流路2とがねじれの位置関係にあったが、これらを同一平面上に設けてもよい。例えば、その態様は、前記実施形態における一次流路形成部材6を積層、すなわち、一の一次流路形成部材6の上面と別の一次流路形成部材6の底面とが密接するようにすれば、実現できる。この場合、二次流路は前記連通孔7と大径路3cによって形成される。
その他、本発明は前記図示例に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0036】
100・・・流体制御システム
1・・・一次流路
2・・・二次流路
3・・・流体抵抗素子
4・・・設置領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想平面と平行に延伸する一次流路と、
前記仮想平面方向から視て前記一次流路と交差するとともに、その交差ポイントにおいて前記一次流路と接続されて該一次流路を流れる流体の一部が流れ込むように構成された複数の二次流路と、
前記交差ポイントに設定された設置領域に配置され、前記一次流路から二次流路に流れ込む流体流量の割合を定める流体抵抗素子とを具備していることを特徴とする流体制御システム。
【請求項2】
前記一次流路の両端にそれぞれ接続された流体供給装置をさらに具備し、前記一次流路にその両端からそれぞれ流体が流れ込むように構成してあることを特徴とする請求項1記載の流体制御システム。
【請求項3】
複数の一次流路を具備し、それら複数の一次流路と前記複数の二次流路とが、前記仮想平面方向から視て格子状に構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の流体制御システム。
【請求項4】
前記設置領域が一次流路に設けてあることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の流体制御システム。
【請求項5】
前記流体抵抗素子が、実質的に抵抗が発生しない大径路と、この大径路から分岐して抵抗を発生する一対の小径路とを内部に形成したものであり、設置領域に配置された当該流体抵抗素子の大径路が前記二次流路に連通するとともに、各小径路がそれぞれ一次流路における当該設置領域の上流側及び下流側に連通するように構成してあることを特徴とする請求項1乃至4記載の流体制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−80424(P2013−80424A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−221065(P2011−221065)
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(000127961)株式会社堀場エステック (88)
【Fターム(参考)】