説明

流体制御弁

【課題】流体制御弁において、ソレノイド弁の開弁に伴いシリンダポート内の圧力が中間室に急速に伝播することに伴う不具合の発生を抑制する。
【解決手段】電磁ソレノイド弁10に、ソレノイド10aの磁力により吸引された際に開弁位置をとるとともにその他の際には閉弁位置をとるプランジャ10bと、このプランジャ10bに接続されて開弁位置と閉弁位置との間で前記プランジャ10bと一体的に移動する弁体10cと、これら弁体10c及びプランジャ10bを収納するハウジング10dと、これらプランジャ10bとハウジング10dとの間に設けられ前記プランジャ10bの閉弁位置から開弁位置への移動速度を抑制するための移動速度抑制手段10hとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弁本体内でスプールを変位させることにより流体の流路を変化させてリフトシリンダへの流体の供給及び排出を制御する流体制御弁に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、弁本体内でスプールを変位させることにより流体の流路を変化させてリフトシリンダへの流体の供給及び排出を制御する流体制御弁は、例えば以下に示すような構成を有する。
【0003】
この流体制御弁BBは、図5に示すように、図示しないポンプ等の液圧供給源から供給される作動液を吸入する吸入ポート3、及び図示しないタンクに作動液を排出する排出ポート4が接続されるスリーブ5、このスリーブ5に連通する中間室6、この中間室6に連通しリフトシリンダCへ作動液を送出するシリンダポート7、これら中間室6とシリンダポート7との間に設けられこれらの間の流路を開閉するとともに内部に背圧室8aを有するリフトロックポペット8、このリフトロックポペット8の背圧室8aと前記中間室6とを接続するパイロット通路9、及びこのパイロット通路9中に設けられ該パイロット通路9中の作動液の流れを許可又は遮断する電磁ソレノイド弁10を内部に備えた弁本体1と、前記スリーブ5に進退可能に組み込まれシリンダポート7と吸入ポート3とを連通させて作動液の流路を形成する上昇位置、シリンダポート7と排出ポート4とを連通させて作動液の流路を形成する下降位置、及びこれらポート間の流路を遮断する中立位置を選択的にとることが可能なスプール2とを具備する。
【0004】
前記電磁ソレノイド弁10は、図6及び図7に示すように、電圧の印加を受けた際に電磁石として作用するソレノイド10aと、このソレノイド10aの内部に配されるコア10kと、前記ソレノイド10aの磁力によりコア10kに向けて吸引された際に開弁位置をとるとともにその他の際には閉弁位置をとるプランジャ10bと、このプランジャ10bに接続されて開弁位置と閉弁位置との間で前記プランジャ10bと一体的に移動する弁体10cと、前記プランジャ10b及び弁体10cを収納する弁体収納室10e、及び前記弁体10cが閉弁位置をとる際に着座する弁座10fを内部に有するとともに前記プランジャ10b及び弁体10cを閉弁位置に向けて付勢する付勢手段であるばね10gを収納するハウジング10dとを備えている。前記プランジャ10bには、反応速度の向上を図るべく、その外周に作動液を流通させるための溝10mを設けている。
【0005】
ここで、前記電磁ソレノイド弁10は、ソレノイド10aに電圧が印加された際には磁力によりプランジャ10bを吸引しこのプランジャ10bに一体に設けた弁体10cを弁座10fから離間させて前記リフトロックポペット8の背圧室8aと前記中間室6との間の作動液の流れを許可する開弁状態をとる一方、ソレノイド10aに電圧が印加されない際には付勢手段であるばね10gによりプランジャ10b及び弁体10cを弁座10fに向けて付勢して弁体10cを弁座10fに着座させ、前記リフトロックポペット8の背圧室8aと前記中間室6との間の作動液の流れを遮断する閉弁状態をとる構成を有する。また、この電磁ソレノイド弁10のソレノイド10aには、所定の着座位置に操作を行う者が着座した場合にのみ電圧が印加されるようにしている。なお、前記所定の着座位置に操作を行う者が着座したことの検知は、図示しない着座センサを利用して行うようにしている。
【0006】
ここで、前記電磁ソレノイド弁10及びリフトロックポペット8が開弁状態をとり、前記スプール2が上昇位置又は下降位置をとる状態から前記スプール2を中立位置に移動させると、中間室6内はリフトシリンダCからの作動液で満たされる。その一方で、リフトシリンダCからの作動液はリフトロックポペット8の背圧室8aを経てパイロット通路9に達し、これら背圧室8a及びパイロット通路9内もリフトシリンダCからの作動液で満たされる。このことにより、中間室6内の液圧と背圧室8a内の液圧とが等しくなるので、リフトロックポペット8はその内部のばね8bによる付勢力のみを受けることとなり、リフトロックポペット8は閉弁状態に移行する。
【0007】
それから、前記電磁ソレノイド弁10が閉弁状態をとり、かつ前記スプール2が中立位置をとる状態に移行すると、リフトシリンダCからの作動液は、リフトロックポペット8の背圧室8aを経て電磁ソレノイド弁10内の前記弁体10cを収納する弁体室10e内まで導かれるが、この作動液は中間室6内には導かれない。一方、中間室6は、前記スプール2と前記スリーブ5との間の隙間を経て排出ポート4に連通しているので、中間室6内の圧力はシリンダポート7内の圧力よりも低くなり、リフトロックポペット8の閉弁状態が維持される。この状態で、前記スプール2を下降位置に移動させても、中間室6内の液圧はタンク圧となるものの、前記電磁ソレノイド弁10が閉弁状態をとっているので、リフトロックポペット8の背圧室8a内の圧力はシリンダポート7内の圧力と等しいままであり、リフトロックポペット8は閉弁状態を維持する。
【0008】
しかして、前記スプール2が中立位置または下降位置をとる状態で前記電磁ソレノイド弁10が閉弁状態から開弁状態に移行するとリフトロックポペット8の背圧室8aと中間室6とが連通するが、中間室6内の圧力は略タンク圧であるのに対して、リフトロックポペット8の背圧室8a内にはリフトシリンダCからの作動液圧が導入されており、この作動液圧が急速に中間室6に伝播する。その際に衝撃音が発生し、この衝撃音が不快に思われることがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】登録実用新案公報第3115605号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は以上の点に着目し、ソレノイド弁の開弁に伴いシリンダポート内の圧力が中間室に急速に伝播することに伴う不具合の発生を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
すなわち本発明に係る流体制御弁は、液圧供給源から供給される作動液を吸入する吸入ポート、及びタンクに作動液を排出する排出ポートが接続されるスリーブ、このスリーブに連通する中間室、この中間室に連通しリフトシリンダへ作動液を送出するシリンダポート、これら中間室とシリンダポートとの間に設けられこれらの間の流路を開閉するとともに内部に背圧室を有するリフトロックポペット、このリフトロックポペットの背圧室と前記中間室との間に設けられこれらの間の流路を開閉する電磁ソレノイド弁を内部に備えた弁本体と、前記スリーブに進退可能に組み込まれシリンダポートと吸入ポートとを連通させて作動液の流路を形成する上昇位置、シリンダポートと排出ポートとを連通させて作動液の流路を形成する下降位置、及びこれらポート間の流路を遮断する中立位置を選択的にとることが可能なスプールとを具備するものであって、前記電磁ソレノイド弁が、電圧の印加を受けた際に電磁石として作用するソレノイドと、前記ソレノイドの磁力により吸引された際に開弁位置をとるとともにその他の際には閉弁位置をとるプランジャと、このプランジャに接続されて開弁位置と閉弁位置との間で前記プランジャと一体的に移動する弁体と、これら弁体及びプランジャを収納するハウジングと、これらプランジャとハウジングとの間に設けられ前記プランジャの閉弁位置から開弁位置への移動速度を抑制するための移動速度抑制手段とを備えていることを特徴とする。
【0012】
このような構成によれば、電磁ソレノイド弁が電圧の印加を受け、前記プランジャが開弁位置に移動する際に、前記移動速度抑制手段により前記プランジャが開弁位置に移動する際の速度が抑制されるので、リフトロックポペットの背圧室内の液圧すなわちシリンダポート内の液圧は中間室に徐々に伝播することになり、従ってシリンダポート内の圧力が中間室に急速に伝播することに伴う不具合の発生を抑制することができる。
【0013】
このような移動速度抑制手段を容易に実現するための構成として、前記移動速度抑制手段を、前記ハウジング内における前記プランジャを挟んで前記中間室と反対側に設けた作動液室と、前記プランジャと前記ハウジングとの間の隙間とを利用して形成したものが挙げられる。このようなものであれば、移動速度抑制手段を形成するために特殊な部品及び加工を施す必要がないからである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の流体制御弁の構成によれば、ソレノイド弁の開弁に伴いシリンダポート内の圧力が中間室に急速に伝播することに伴う不具合の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る流体制御弁の側断面図。
【図2】同実施形態に係る流体制御弁を構成するソレノイド弁の縦断面図。
【図3】図2におけるA−A断面図。
【図4】本発明の他の実施態様に係る流体制御弁を構成するソレノイド弁の要部の縦断面図。
【図5】従来の流体制御弁の要部の側断面図。
【図6】従来の流体制御弁を構成するソレノイド弁の縦断面図。
【図7】図6におけるX−X断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態について述べる。
【0017】
本実施形態に係る流体制御弁Bは、図5〜図7を参照しつつ前述した流体制御弁BBと一部を除いてほぼ同様の構成を有する。すなわち、図1に示すように、図示しないポンプ等の液圧供給源から供給される作動液を吸入する吸入ポート3、及び図示しないタンクに作動液を排出する排出ポート4が接続されるスリーブ5、このスリーブ5に連通する中間室6、この中間室6に連通しリフトシリンダCへ作動液を送出するシリンダポート7、これら中間室6とシリンダポート7との間に設けられこれらの間の流路を開閉するとともに内部に背圧室8aを有するリフトロックポペット8、このリフトロックポペット8の背圧室8aと前記中間室6とを接続するパイロット通路9、及びこのパイロット通路9中に設けられ該パイロット通路9中の作動液の流れを許可又は遮断する電磁ソレノイド弁10を内部に備えた弁本体1と、前記スリーブ5に進退可能に組み込まれシリンダポート7と吸入ポート3とを連通させて作動液の流路を形成する上昇位置、シリンダポート7と排出ポート4とを連通させて作動液の流路を形成する下降位置、及びこれらポート間の流路を遮断する中立位置を選択的にとることが可能なスプール2とを具備する。なお、図5〜図7を参照しつつ前述した流体制御弁BBにおける各部位に対応する部位には、同一の名称及び符号を付している。
【0018】
本実施形態では、電磁ソレノイド弁10は、図2及び図3に示すように、電圧の印加を受けた際に電磁石として作用するソレノイド10aと、このソレノイド10aの内部に配されるコア10kと、前記ソレノイド10aの磁力によりコア10kに向けて吸引された際に開弁位置をとるとともにその他の際には閉弁位置をとるプランジャ10bと、このプランジャ10bに接続されて開弁位置と閉弁位置との間で前記プランジャ10bと一体的に移動する弁体10cと、前記プランジャ10b及び弁体10cを収納する弁体収納室10e、及び前記弁体10cが閉弁位置をとる際に着座する弁座10fを内部に有するハウジング10dと、固定端側を前記コア10k、自由端側を前記プランジャ10bにそれぞれ接続してなり前記プランジャ10b及び弁体10cを閉弁位置に向けて付勢する付勢手段であるばね10gと、前記プランジャ10bと前記ハウジング10dとの間に設けられ前記プランジャ10b及び弁体10cの閉弁位置から開弁位置への移動速度を抑制するための移動速度抑制手段10hとを備えている。
【0019】
前記移動速度抑制手段10hは、前記ハウジング10d内における前記プランジャ10bを挟んで前記中間室6と反対側、換言すればプランジャ10bとコア10kとの間に設けた作動液室10iと、前記プランジャ10bと前記ハウジング10dとの間の隙間10jとを利用して形成したものである。なお、作動液室10iは、前記ばね10gを収納すべく前記プランジャ10b内に設けた空間であるリテーナ部10i1、及びこのリテーナ部10i1から前記弁体10c側に延伸し前記弁体10cに達する空間10i2を含む。
【0020】
前記電磁ソレノイド弁10は、ソレノイド10aに電圧が印加された際には磁力によりプランジャ10bを吸引しこのプランジャ10bに一体的に移動可能に設けた弁体10cを弁座10fから離間させて前記リフトロックポペット8の背圧室8aと前記中間室6との間の作動液の流れを許可する開弁状態をとる一方、ソレノイド10aに電圧が印加されない際には付勢手段であるばね10gによりプランジャ10b及び弁体10cを弁座10fに向けて付勢して弁体10cを弁座10fに着座させ、前記リフトロックポペット8の背圧室8aと前記中間室6との間の作動液の流れを遮断する閉弁状態をとる構成を有する。また、この電磁ソレノイド弁10のソレノイド10aには、所定の着座位置に操作を行う者が着座した場合にのみ電圧が印加されるようにしている。なお、前記所定の着座位置に操作を行う者が着座したことの検知は、図示しない着座センサを利用して行うようにしている。
【0021】
ここで、前記電磁ソレノイド弁10及びリフトロックポペット8が開弁状態をとり、前記スプール2が上昇位置又は下降位置をとる状態から前記スプール2を中立位置に移動させると、中間室6内はリフトシリンダCからの作動液で満たされる。その一方で、リフトシリンダCからの作動液はリフトロックポペット8の背圧室8aを経てパイロット通路9に達し、これら背圧室8a及びパイロット通路9内もリフトシリンダCからの作動液で満たされる。このことにより、中間室6内の液圧と背圧室8a内の液圧とが等しくなるので、リフトロックポペット8はその内部のばね8bによる付勢力のみを受けることとなり、リフトロックポペット8は閉弁状態に移行する。
【0022】
それから、前記電磁ソレノイド弁10が閉弁状態をとり、かつ前記スプール2が中立位置をとる状態に移行すると、リフトシリンダCからの作動液は、リフトロックポペット8の背圧室8aを経て電磁ソレノイド弁10内の前記弁体10cを収納する弁体室10e内まで導かれるが、この作動液は中間室6内には導かれない。一方、中間室6は、前記スプール2と前記スリーブ5との間の隙間を経て排出ポート4に連通しているので、中間室6内の圧力はシリンダポート7内の圧力よりも低くなり、リフトロックポペット8の閉弁状態が維持される。この状態で、前記スプール2を下降位置に移動させても、中間室6内の液圧はタンク圧となるものの、前記電磁ソレノイド弁10が閉弁状態をとっているので、リフトロックポペット8の背圧室8a内の圧力はシリンダポート7内の圧力と等しいままであり、リフトロックポペット8は閉弁状態を維持する。
【0023】
この電磁ソレノイド弁10のソレノイド10aに電圧が印加されると、プランジャ10b及び弁体10cはコア10kに向かい吸引される。このとき、プランジャ10bとコア10kとの空間すなわち前記作動液室10iには作動液が満たされているので、プランジャ10bが開弁位置に向けて移動すると、この作動液は中間室6に向けて排出される。しかして、作動液の排出は前記プランジャ10bと前記ハウジング10dとの間の隙間10jを介してのみ行われる。従って、プランジャ10bに作動液を流通させるための溝を設けた従来の電磁ソレノイド弁と比較して、このプランジャ10b及び弁体10cが開弁位置に向けて移動する速度が抑制される。そして、前記シリンダポート7から前記リフトロックポペット8の背圧室8a及び前記パイロット通路9を経て前記作動液室10iに達している作動液が中間室6に向けて排出される速度も抑制される。
【0024】
以上に述べたように、本実施形態の流体制御弁Bの構成によれば、電磁ソレノイド弁10が電圧の印加を受け、前記プランジャ10b及び弁体10cが開弁位置に移動する際に、上述したように前記移動速度抑制手段10hにより前記プランジャ10b及び弁体10cが開弁位置に移動する際の速度、及び作動液が中間室6に向けて排出される速度が抑制される。従って、リフトロックポペット8の背圧室8a内の液圧すなわちシリンダポート5内の液圧を中間室6に徐々に伝播させることにより、シリンダポート5内の圧力が中間室6に急速に伝播することに伴う不具合の発生を抑制することができる。
【0025】
また、本実施形態では、前記移動速度抑制手段10hを、前記ハウジング10d内における前記プランジャ10bを挟んで前記中間室6と反対側に設けた作動液室10iと、前記プランジャ10bと前記ハウジング10dとの間の隙間10jとを利用して形成しているので、移動速度抑制手段10hを形成するために特殊な部品及び加工を施す必要がなく、上述した効果を得るための移動速度抑制手段10hを容易に実現することができる。
【0026】
そして本実施形態の構成によれば、前記プランジャ10bと前記ハウジング10dとの間の隙間10jの寸法を変更することにより、プランジャ10b及び弁体10cが開弁位置に移動する際の速度の設定、すなわちシリンダポート5内の圧力が中間室6に伝播する速度の設定を行うこともできる。
【0027】
なお、本発明は以上に述べた実施形態に限られない。
【0028】
例えば、プランジャ10bとハウジング10dとの接触する位置及び長さは、任意に変更が可能である。また、プランジャの弁体と反対側の端縁とハウジングとの間に設けられプランジャを閉弁位置に向けて付勢するばね等の付勢手段のみを利用して形成した移動速度抑制手段等、他の構成を有する移動速度抑制手段によりプランジャが開弁位置に移動する際の速度を抑制してもよい。
【0029】
また、図4に示すように、プランジャ10b及び弁体10cの内部に作動液が導かれる空間10s、及びこの空間10sの内部と外部とを連通するオリフィス10tを利用した絞り機構をさらに利用して形成した移動速度抑制手段を設けてもよい。なお、図4に示す電磁ソレノイド弁10は、前述した点以外上述した実施形態に係る電磁ソレノイド10と同一の構成を有し、対応する部位には同一の符号を付している。
【0030】
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変更してよい。
【符号の説明】
【0031】
B…流体制御弁
1…弁本体
2…スプール
3…吸入ポート
4…排出ポート
5…スリーブ
6…中間室
7…シリンダポート
8…リフトロックポペット
8a…背圧室
9…パイロット通路
10…電磁ソレノイド弁
10a…ソレノイド
10b…プランジャ
10c…弁体
10d…ハウジング
10h…移動速度抑制手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液圧供給源から供給される作動液を吸入する吸入ポート、及びタンクに作動液を排出する排出ポートが接続されるスリーブ、このスリーブに連通する中間室、この中間室に連通しリフトシリンダへ作動液を送出するシリンダポート、これら中間室とシリンダポートとの間に設けられこれらの間の流路を開閉するとともに内部に背圧室を有するリフトロックポペット、このリフトロックポペットの背圧室と前記中間室とを接続するパイロット通路、及びこのパイロット通路中に設けられ該パイロット通路中の作動液の流れを許可又は遮断する電磁ソレノイド弁を内部に備えた弁本体と、前記スリーブに進退可能に組み込まれシリンダポートと吸入ポートとを連通させて作動液の流路を形成する上昇位置、シリンダポートと排出ポートとを連通させて作動液の流路を形成する下降位置、及びこれらポート間の流路を遮断する中立位置を選択的にとることが可能なスプールとを具備するものであって、
前記電磁ソレノイド弁が、電圧の印加を受けた際に電磁石として作用するソレノイドと、前記ソレノイドの磁力により吸引された際に開弁位置をとるとともにその他の際には閉弁位置をとるプランジャと、このプランジャに接続されて開弁位置と閉弁位置との間で前記プランジャと一体的に移動する弁体と、これら弁体及びプランジャを収納するハウジングと、これらプランジャとハウジングとの間に設けられ前記プランジャの閉弁位置から開弁位置への移動速度を抑制するための移動速度抑制手段とを備えていることを特徴とする流体制御弁。
【請求項2】
前記移動速度抑制手段が、前記ハウジング内における前記プランジャを挟んで前記中間室と反対側に設けた作動液室と、前記プランジャと前記ハウジングとの間の隙間とを利用して形成したものである請求項1記載の流体制御弁。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−57363(P2013−57363A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−195863(P2011−195863)
【出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】