説明

流体噴出装置とそれを用いた衛生洗浄便座

【課題】流体噴出手段の噴出性能を向上するためのものである。
【解決手段】層状に粗密の水粒または水塊を形成する噴流が、層面に対して垂直方向に揺動して噴出するノズル孔26を備えた構成とすることにより、ノズル22、23から層状に粗密の水粒または水塊を揺動させて発生させることで、層状で広い面積を洗浄することができると共に、水粒または水塊にして噴流に粗密を生じさせることで、噴流の強さに強弱が発生し、強い洗浄感を際立たせ、強さと広範囲洗浄の両立を実現することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体を噴出する流体噴出装置と、それを用いて便器を使用する人の局部に向けて洗浄水を噴出する衛生洗浄便座に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の流体噴出装置は、図12に示すように、吐水口1が人体洗浄ノズル内にある軸2の周りに所定軌跡で移動するような構成からなり、3は人体洗浄ノズル、4は不動通水路、5は移動通水路、6は吐水口駆動モーター、7は洗浄面積可変手段である。そして、吐水口駆動モーター6より突出している回転シャフト8に、回転シャフト8と一体で、回転突出部9を設ける。回転突出部9は、移動通水路5と吐水口1で構成される。ここで、10はシール部である。
【0003】
上記構成において、吐水口駆動モーター6を駆動し、洗浄水を吐水することにより、移動通水路5を回転シャフト8の軸2の周りに回転させ、ひいては吐水口1を軸2の周りに回転させることができ、洗浄水を回転又は略回転させながら吐水することができる(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−79071号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の構成では、回転した噴流で洗浄面積を可変しているので、面積を広げようとすると、中心部への吐出が少なくなり、中心部の洗浄力を低減させるという課題があった。また、中心部の洗浄力を高めるために洗浄面積を小さくすると、スポット的に当たるので痛さを感じることがあるとともに、全体が洗えず、洗浄感に不満が生じる洗浄となっていた。よって、限られた流量で、流量たっぷりの洗浄感と強い洗浄感の両立を実現することは困難となっていた。
【0005】
本発明は、層状に粗密の水粒または水塊を形成する噴流を層面に垂直方向に揺動して噴出するノズル孔を備えた流体噴出装置とすることにより、流量たっぷりの洗浄感と強い洗浄感の両立を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記従来の課題を解決するために、本発明の流体噴出装置は、層状に粗密の水粒または水塊を形成する噴流が、層面に対して垂直方向に揺動して噴出するノズル孔を備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の流体噴出装置は、層状に粗密の水粒または水塊を形成する噴流が、層面に対して垂直方向に揺動して噴出するノズル孔を備えた構成とすることにより、ノズルから層状に粗密の水粒または水塊を発生させ層面垂直方向に揺動させることで、層の幅で揺動させて広い面積を洗浄することができると共に、水粒または水塊にして噴流に粗密を生じさせることで、噴流の強さに強弱が発生し、強い洗浄感を際立たせ、強さと広範囲洗浄の両立を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
第1の発明は、層状に粗密の水粒または水塊を形成する噴流が、層面に対して垂直方向に揺動して噴出するノズル孔を備えた構成とすることにより、ノズルから層状に粗密の水粒または水塊を発生させ層面垂直方向に揺動させることで、層の幅で広い面積を洗浄することができると共に、水粒または水塊にして噴流に粗密を生じさせることで、噴流の強さに強弱が発生し、強い洗浄感を際立たせ、強さと広範囲洗浄の両立を実現することができる。
【0009】
第2の発明は、扇形状の薄膜流を吐出するノズル孔を備えた噴出ノズルと、前記噴出ノズルの上流側流路内に流速分布変動を発生させる流体変動手段を備え、前記ノズル孔から層状に粗密の水粒または水塊を形成する噴流が、膜面に対して垂直方向に揺動して噴出する構成とすることにより、ノズルから扇形状の幅広い粗密の水粒または水塊を揺動させながら発生させることができ、強い洗浄と広範囲洗浄の両立を実現すると共に、気泡混入によって噴流にメリハリのある粗密を実現することができるので、より強い洗浄感を際立たせることができる。
【0010】
第3の発明は、特に、第2の発明の流体噴出装置の流体変動手段は、気泡を混入する気泡混入手段であって、流体内に気泡混入して流路内の流速分布に変動を与える構成とした。よって、気泡により流速分布を変動させて噴流を揺動させることができるので、信頼性の高い流体噴出装置とすることができる。
【0011】
第4の発明は、特に、第3の発明の流体噴出装置の気泡混入手段は、エジェクタ手段によって空気を混入する構成とすることにより、駆動部を用いないで揺動させることができ、信頼性の高い流体噴出装置とすることができる。
【0012】
第5の発明は、特に、第3の発明の流体噴出装置の気泡混入手段は、噴出ノズルの上流側の空気ポンプ手段によって空気を混入する構成とすることにより、強制的に空気量を変更することができるので、水粒または水塊の粗密を大きく変化させることができ、洗浄強さの強弱を強調することができるとともに、揺動の有り無しを実現することができる。
【0013】
第6の発明は、特に、第5の発明の流体噴出装置の気泡混入手段は、間欠的に空気を混入する空気ポンプ手段を備えた構成とすることで、水粒または水塊の粗密や間隔を大きく変化させることができるので、洗浄強さの強弱を強調することができる。
【0014】
第7の発明は、特に、第2の発明の流体噴出装置の流体変動手段は、流体素子により流向が変更させられて流路内の流速分布に変動を与える構成とすることにより、流路内の流速分布が変動しノズル孔からの噴流を揺動させることができる。
【0015】
第8の発明は、特に、第2の発明の流体噴出装置の流体変動手段は、流体変動手段は、ノズル孔に連通する複数流路と前記複数流路の流量比を変動させる流量変動手段とを備え、少なくともノズル孔開口部付近の流路で流量比の異なる複数の流体が合流するようにした。これにより、複数個の流路の流量を変動させることでノズル孔からの噴流を揺動させることができる。
【0016】
第9の発明は、特に、第8の発明の流体噴出装置の流量変動手段は、複数の流路への流量比をステッピングモータを使用した流量調整弁により行う構成とすることにより、モータの正確な制御により揺動を周期的に行うことができ、周期を変化させたりすることで洗浄感に変化を持たせて刺激感のある洗浄とすることができる。
【0017】
第10の発明は、特に、第8の発明の流体噴出装置の流量変動手段は、複数の流路への流量を電磁弁により切り替えることで変動させる構成とすることで、電磁弁の正確でかつ高速な制御により揺動を速いスピードで周期的に行うことができ、周期を高速変化させたりすることで洗浄感に変化を持たせて刺激感のある洗浄とすることができる。
【0018】
第11の発明は、特に、第1から10の発明の流体噴出装置を備えた衛生洗浄便座装置とする構成とし、層状の噴流がお尻の割れ目に沿うようにノズルから発生させることができ、広範囲の洗浄感と粗密による強い洗浄感の両立を実現することができる。
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0020】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における流体噴出装置を用いた衛生洗浄装置のブロック図を示すものである。
【0021】
図1において、流体としての水を供給する本管11から分岐手段12によって分岐された配管13に、上流側から順に、フィルター14と、遮断弁15と、流量センサー16と、入水温度センサー17と、加熱手段18と、出湯温度センサー19と、流路切り替えと流量調節を兼用した切替調整弁20と、これらを制御する制御手段21と、噴出ノズルとしてのお尻洗浄ノズル22と、噴出ノズルとしてのビデ洗浄ノズル23を備えた構成とした。
【0022】
そして、図2から図4に示すように、例えば、お尻洗浄ノズル22の上流側には、流体変動手段としての気泡混入手段であるエジェクタ効果によって空気を吸入するエジェクタノズル24と、吸入孔25を噴出方向に対して左右にそれぞれ備えている。ここで、26は吐出孔、27は吐出孔直前流路、28はエジェクタノズル24の下流流路、29はエジェクタノズル24の上流流路、30は噴流の水塊または水粒、31は噴流の空気層、32は気泡を示す。また、説明は割愛するが、ビデ洗浄ノズル23においても同様の構成としている。
【0023】
以上のように構成された衛生洗浄装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0024】
まず、水は、本管11から供給され、フィルター14を介して遮断弁15に流れこむ。そして、洗浄動作を開始する時に遮断弁15が開き、通水が開始される。そして、流量センサー16と入水温度センサー17と出湯温度センサー19との情報により、加熱手段18が瞬時に水を適温に加熱し、切替調整弁22で設定されるノズル、例えばお尻洗浄ノズル22に適切な温水を通水するものである。
【0025】
この時、お尻ノズル22内部の流路においては、エジェクタノズル24によって流路面積が縮小されており、流速が速くなっている。その速い流速によって吸入孔25から空気が混入され、混合流が吐出孔26から噴出されるものである。
【0026】
このような動作において、噴出される噴流について説明する。お尻洗浄ノズル22は、図2と図3に示すような流路から構成され、扇形状の薄膜流を噴出するように設計されている。すなわち、吐出孔26上流の直前流路27は、吐出孔直前が球面状に形成され、吐出孔直前で水流は、流路の壁面に沿って中央に向かうように流れる。そして、その中央に向かった流れが、V字にカットされた吐出孔26で流体バランスが層状に分配され、扇形状の水流を噴出することができるものである。
【0027】
ここで、水流には、空気が混入されているので、吐出孔から噴出される扇形の水流は、図2に示すように水粒30(または水塊)の部分と空気層31の部分に層が分かれて、輪状の水粒を形成することができる。
【0028】
また、上流側でエジェクタにより混入された空気は、エジェクタノズル24の下流流路28内では均等混合されず、不均一な状態で混入される。その不均一な混合流は、吐出孔直前の球面状の流路で流量バランスを崩すことになり、正面方向に吐出せず、気泡の混入具合によって、右に噴出したり、左に噴出したりするようになり、噴流を揺動させることができるのである。図4に揺動の様子を模式的に示す。噴流33が、噴流34、噴流35へ揺動し、また噴流34、噴流33に戻るように繰り返し動作を行うものである。
【0029】
特にエジェクタの吸入孔25は、流路28より小さい断面積として、小さな気泡が混入されるようにすることによって、混合流のバランスを崩すことができるのである。ここでは、お尻ノズル22について説明したが、ビデ洗浄ノズル23においても、寸法に差はあるが、同様の動作を行うものである。
【0030】
次に、本流体噴出装置を衛生洗浄装置に用いた場合について説明する。図5に示すように、36は便器、37は便座、38は人体、39は衛生洗浄便座の本体部、40は熱交換器などを備えた制御部である。図6に示すように、お尻洗浄の時、左右に揺動して満遍なく肛門周辺を洗浄することができるのである。
【0031】
このような噴流によって、お尻洗浄は、吐出孔から吐出した層状の粗密水粒または粗密水塊を発生させ、さらにそれを揺動させることで、層状で前後に幅広い面積を洗浄することができると共に、左右にも洗浄することができるので、肛門全体を広い範囲で洗浄することができる。そして、水粒または水塊にして噴流に粗密を生じさせることで、噴流の強さに強弱が発生し、強い洗浄感を際立たせ、強さと広範囲洗浄の両立を実現することができるのである。
【0032】
また、お尻の前後方向に扇形状が広がっているので、お尻の後ろ側から見た場合、図6に示すように、肛門41を含むお尻の窪み部42の周辺を揺動して噴流を当てることができる。前後方向には、扇形状に広がって広い範囲で噴流を当てることができるので、洗浄のボリューム感を感じることができ、多くの湯量で洗浄しているように感じることができるとともに、気泡混入により粗密の水粒または水塊を揺動させることができ、より強い洗浄感を得ることができるのである。
【0033】
また、流体変動手段は、エジェクタ方式で空気を混入した方法で説明したが、図6に示すように、噴出ノズルの上流流側に備えた流体素子手段を用いても同様の効果が得られる。以下、その実施例について説明する。
【0034】
図6と図7に示すように、噴出ノズルの上流側に流体素子としての絞り流路43と、窪み部44と、付着流路45と、空気吸入孔46を備えた構成とした。
【0035】
このような構成において、流れは、絞り流路43で流速を速め、窪み部44の圧力が負圧になることで、一方の付着流路45に付着して偏って流れることになる。そして、窪み部44が負圧になることで、空気吸入孔46から空気が混入され、負圧が解消される。そして、今度は他方の窪み部44に負圧ができ、他方の付着面に付着して流れることになる。これらの動作を繰り返すことで、流路内の流速分布に変動が発生する。その結果、層状の噴流を噴出する吐出孔26からは、吐出孔26直前の球面状の流路で、不均一な状態で混入されため、流量バランスを崩すことになり、正面方向に吐出せず、気泡の混入具合によって、右に噴出したり、左に噴出したりするようになり、噴流を揺動させることができるのである。また、空気吸入孔46からの気泡により、噴流に粗密を発生させることができ、輪状の粗密水粒を形成し、かつそれを左右に揺動させることができる。
【0036】
このように、層状の噴流に気泡を混入して流速分布に変動を与えることですることで、輪状の粗密水粒を形成するとともに、噴流を左右に揺動させることができ、少ない流量で強い洗浄感とボリューム感のある洗浄感を両立させることができる。
【0037】
なお、層面に垂直方向に揺動することで説明したが、面全体が揺動する場合や、面がねじれながら揺動する場合も含まれることを補足しておく。また、衛生洗浄便座について説明したが、食器洗浄装置や、自動車などの洗浄装置や、あるいは単なる噴水や散水機のような流体噴出装置でも用いても、層状の粗密水粒または水塊を揺動して発生させることができ、一方向に広がった強い噴流を広い範囲で吐出させることができる。
【0038】
(実施の形態2)
図9は本発明の第2の実施の形態の流体噴出装置を用いた衛生洗浄便座のブロック図である。第1の実施の形態と異なる点は、流体変動手段としての気泡混入手段が、空気ポンプを用いて行う構成とした点である。ここで、47は空気ポンプ、48は流路を切り替える手段と流量を調整する手段を兼用した流量切替調整手段としての流量制御弁、49は気泡の混入を制御する気泡混入制御弁である。
【0039】
以下その動作、作用を説明する。
【0040】
図10は、空気ポンプ47を動作させたときの流体と気泡の流れを模式的に図示したものである。空気ポンプ47を動作させると流体としての水流50の中に気泡51が混入される。この空気の不均一性によって、流速が変動し、実施の形態1と同様に噴流が揺動するのである。この時の空気流量は、流体としての湯水の流量より少ない流量(例えば、1/2以下)とすることで、流路内に不均一性を持たせることができる。
【0041】
そして、空気ポンプ47の動作と気泡混入制御弁49を利用して、気泡混入の周期を調整している。例えば、図11に示すように、空気ポンプ47の動作時に、気泡混入制御弁49をオン/オフすることで、気泡混入のタイミングを強制的に間欠動作させる。その結果、気泡が混入されるタイミングを、長くしたり、短くしたりすることができ、揺動を発生する時間を変更することができる。
【0042】
また、空気ポンプ47を連続的にオン状態で、気泡混入制御弁49をオン/オフ制御することで、蓄圧された状態から一気に水流に気泡を混入させることができ、素速い気泡の混入を実現することができるので、揺動の周期を速く切り替えることができる。
【0043】
なお、気泡混入制御弁21のオン/オフのタイミングをランダムにすることでも同様の効果が得られる。
【0044】
(実施の形態3)
図12は本発明の第3の実施の形態の流体噴出装置に用いる噴出ノズルの構成とブロック図である。第1の実施の形態と異なる点は、流体変動手段をノズル孔の上流側の複数流路に流入する流量を変動させる流量変動手段を備えた点である。そして、複数の流路への流量比は、ステッピングモータを使用した流量調整弁により行う構成とした。ここで、52はステッピングモータ、53は流量調整弁、54a、54bはノズル孔までの複数流路である。図13には、噴出ノズルの正面断面図を示す。ここで、スリット26は流路の流れ方向に対して平行に設けており、スリット(噴出孔)手前で複数に分岐していた流路が合流するようになっている。そして、噴出孔の噴出方向に対して左右両側に、複数流路(本実施の形態では2つであるので左右両側1経路ずつ)54a、54bが配設されている。
【0045】
以下その動作、作用を説明する。
【0046】
図13に示すような複数の2つの流路54に、それぞれ流量を分配して流すことで、吐出孔26の直前の流速バランスがぐずれ扇形状の噴流が層面(すなわちスリットの方向となる)に対して垂直方向に偏向する。流速の速い方が強く偏向するので傾くのである。よって、この原理を使用して2つの流路54a、54bへの流量比を時間的に変動させることで、噴流の噴出方向が変更される。
【0047】
また、ステッピングモータ52を用いて流量比を変更するので、図14のように噴出方向も徐々に変化させることができる。図14には上からノズル孔から噴出する噴流の方向とそのときの左右のそれぞれの経路の流量比を示す。ステッピングモータ52によるスピード変化によって偏向の速度は調整することができ、人体の局部を洗浄するときに使用者各自の適した揺動速度を設定することができる。さらに、ステッピングモータ52を用いているので、特定の流量比で固定させることも可能で、偏向角度を特定の角度で止めることもできるので、目的洗浄方向を定めて洗浄することも可能となる。
【0048】
また、図15に示すように3方向切替の電磁弁55を用いて2つの流路を切り替えることで、同様に噴流を揺動させることができる。そして、電磁弁55を用いることで、瞬時に流路を切り替えることができるので、図16に示すように噴出方向を瞬時に変更させることができる。また、流量の有無で切り替わるので偏向角度を大きくすることができる。例えば、図16の切り替わり周期を数Hz程度で行うことで、衛生洗浄装置として十分に洗浄可能となる。
【0049】
このように、複数の流路への流量比や流量の有無を切り替えることで噴流の噴出方向を揺動させることができ、人体局部洗浄などの場合には、ほどよい刺激になって心地よい洗浄感を得ることができる。
【0050】
なお、気泡を混入することを併用しても、同様の効果が得られるものである。そして、お尻洗浄で説明したが、ビデ洗浄の場合も同様の効果が得られるものである。
【産業上の利用可能性】
【0051】
以上のように、本発明にかかる流体噴出装置は、層状に粗密の水粒または水塊を形成する噴流が、層面に対して垂直方向に揺動するノズル孔を備えた構成とすることにより、ノズルから層状に粗密の水粒または水塊を揺動させて発生させることで、層状で広い面積を洗浄することができると共に、水粒または水塊にして噴流に粗密を生じさせることで、噴流の強さに強弱が発生し、強い洗浄感を際立たせ、強さと広範囲洗浄の両立を実現することができるので、衛生洗浄便座のほか、食器洗浄、車洗浄など、多様な洗浄用途への適用が可能で効果的な洗浄が可能となる。また、液体のみならず気体の噴出に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施形態1における流体噴出装置を用いた衛生洗浄装置のブロック図
【図2】同流体噴出装置のノズル部の側面断面図と噴流模式図
【図3】同流体噴出装置のノズル部の正面断面図
【図4】同流体噴出装置のノズル部の側面断面図と噴流模式図
【図5】同流体噴出装置を衛生洗浄装置に用いたおしり洗浄時の構成図
【図6】おしり洗浄時の噴流模式図
【図7】同流体噴出装置の他の実施例を示すノズル部の側面断面図と噴流模式図
【図8】同流体噴出装置のノズル部の正面断面図
【図9】本発明の実施の形態2におけるの流体噴出装置を用いた衛生洗浄装置のブロック図
【図10】同流体噴出装置のノズル部の側面断面図
【図11】同流体噴出装置の動作タイミングチャート
【図12】本発明の実施の形態3におけるの流体噴出装置を用いた衛生洗浄装置のブロック図
【図13】同流体噴出装置の正面断面図
【図14】同流体噴出装置の動作タイミング図
【図15】同流体噴出装置の他の実施例を用いた衛生洗浄装置のブロック図
【図16】同流体噴出装置の他の動作タイミング図
【図17】従来の流体噴出装置の断面図
【符号の説明】
【0053】
22 噴出ノズルとしてのおしり洗浄ノズル
23 噴出ノズルとしてのビデ洗浄ノズル
24 流体変動手段としてのエジェクタノズル
26 ノズル孔
30 水塊または水粒
47 気泡混入手段としての空気ポンプ
52 ステッピングモータ
54a、54b 複数流路
55 電磁弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
層状に粗密の水粒または水塊を形成する噴流が、層面に対して垂直方向に揺動して噴出するノズル孔を備えた流体噴出装置。
【請求項2】
扇形状の薄膜流を吐出するノズル孔を備えた噴出ノズルと、前記噴出ノズルの上流側流路内に流速分布変動を発生させる流体変動手段を備え、前記ノズル孔から層状に粗密の水粒または水塊を形成する噴流が、膜面に対して垂直方向に揺動して噴出する流体噴出装置。
【請求項3】
流体変動手段は、気泡を混入する気泡混入手段であって、流体内に気泡混入して流路内の流速分布に変動を与える請求項2記載の流体噴出装置。
【請求項4】
気泡混入手段は、エジェクタ手段によって空気を混入する請求孔3記載の流体噴出装置。
【請求項5】
気泡混入手段は、噴出ノズルの上流側の空気ポンプ手段によって空気を混入する請求項3記載の流体噴出装置。
【請求項6】
空気ポンプ手段は、空気混入を間欠的に行うようにした請求項5記載の流体噴出装置。
【請求項7】
流体変動手段は、流路中に流体素子を備え、前記流体素子により流向を変更して流路内の流速分布に変動を与える構成とした請求項2記載の流体噴出装置。
【請求項8】
流体変動手段は、ノズル孔に連通する複数流路と前記複数流路の流量比を変動させる流量変動手段とを備え、少なくともノズル孔開口部付近の流路で流量比の異なる複数の流体が合流するようにした請求項2記載の流体噴出装置。
【請求項9】
流量変動手段は、ステッピングモータを使用した流量調整弁を複数流路の上流の分岐部に設けて複数流路のそれぞれの流量比を変動させる請求項8記載の流体噴出装置。
【請求項10】
流量変動手段は、電磁弁を複数流路の上流の分岐部に設けて複数流路のそれぞれの流量比を変動させる請求項8記載の流体噴出装置。
【請求項11】
請求項1から10記載の流体噴出装置を備えた衛生洗浄便座。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−89988(P2006−89988A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−275300(P2004−275300)
【出願日】平成16年9月22日(2004.9.22)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】