説明

流体圧機器の接続装置

【課題】流体圧機器の接続装置において、構成の簡素化を図ると共に小型化を図る。
【解決手段】流体圧ユニット10を構成するフィルタ12、レギュレータ14及びルブリケータ16を互いに連結する接続装置18a、18bは、孔部98を有したベース部材86と、前記ベース部材86の一側面及び他側面に装着される一対の第1及び第2締結部材88、90と、前記第1及び第2締結部材88、90に保持される第1及び第2ホルダ92、94とを備える。そして、フィルタ12、レギュレータ14及びルブリケータ16の係合用突部にそれぞれ第1及び第2ホルダ92、94を係合させ、第1及び第2締結部材88、90に第1及び第2ナット126、128を螺合させることにより、前記第1及び第2ホルダ92、94を介して流体圧機器同士を連結する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、フィルタ、レギュレータ、ルブリケータ等の同種、あるいは異種の複数の流体圧機器を並列に連結することにより、複数の流体圧機器間の流体通路を連通させることが可能な流体圧機器の接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、空気圧回路において使用されるフィルタ、レギュレータ及びルブリケータ等の流体圧機器を一体的に連結する接続装置を提案している(特許文献1参照)この接続装置では、孔部を有したボディに貫通孔が形成され、該貫通孔に挿通されたボルトに係合部材が係合され、前記係合部材の係合用フランジを、隣接する2つの流体圧機器のポート近傍に設けられた突部にそれぞれ係合させた後に、前記ボルトを締結することによって前記係合用フランジを介して前記流体圧機器同士を連結している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3851119号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前記の提案に基づいてなされたものであり、構成の簡素化を図ると共に小型化を図ることが可能な流体圧機器の接続装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記の目的を達成するために、本発明は、一方及び他方の流体圧機器の間に配設され、流体圧機器同士を一体的に連結することにより、一方及び他方の流体圧機器の各流体通路を相互に連通させる流体圧機器の接続装置であって、
一方の流体通路と他方の流体通路とを相互に連通させる孔部を有したボディと、
前記孔部の軸方向と直交した前記ボディの一側面及び他側面に設けられ、一方及び他方の流体圧機器にそれぞれ設けられた突部に係合する保持部を有した一組のホルダと、
前記ボディの一側面及び他側面に設けられ、前記ホルダを固定可能な一組の締結部材と、
を備え、
前記締結部材は、前記ボディに保持される本体部と、前記本体部に対して突出し前記ホルダに挿通される軸部とを有し、前記軸部を介して前記ホルダと前記締結部材とが連結されると共に、前記締結部材が、前記ボディと略同一の厚さで形成されることを特徴とする。
【0006】
本発明によれば、軸部を有した締結部材を、一方及び他方の流体圧機器の間に配置されるボディの一側面及び他側面に設け、前記軸部に対してホルダを挿通させ連結することにより、前記ホルダの保持部を介して一方の流体圧機器の突部と他方の流体圧機器における突部とが連結される。
【0007】
従って、ボディに対してボルトの挿通される貫通孔を形成する場合と比較し、軸部を設けることで前記ボディと前記締結部材とを略同一の厚さで形成することができ、前記ボディの厚さ寸法を抑制することが可能となる。その結果、ボディを含む接続装置を厚さ方向に小型化でき、それに伴って、隣接する流体圧機器の間の距離を小さくして流体圧ユニットの小型化を図ることができる。また、一組のホルダを軸部にそれぞれ固定することで、流体圧機器同士を連結することができるため、従来技術に係る流体圧機器の接続装置と比較し、構成の簡素化を図ることができ、それに伴って、部品点数の削減及び組付工数の削減を図ることができる。
【0008】
また、軸部には、雄ねじが刻設され、前記軸部に対してナットを螺合させることにより、前記軸部に挿通されたホルダに対して前記突部側へ推力を付与するとよい。
【0009】
さらに、一組のホルダ及び締結部材を、ボディを間として対峙するように配置するとよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0011】
すなわち、ボディに対して貫通孔を形成する場合と比較し、前記ボディと前記締結部材とを略同一の厚さで形成することができ、前記ボディの厚さ寸法を抑制することができるため、前記ボディを含む接続装置を厚さ方向に小型化でき、それに伴って、隣接する流体圧機器の間の距離を小さくして流体圧ユニットの小型化を図ることができる。また、一組のホルダを軸部にそれぞれ固定することで、流体圧機器同士を連結することができるため、従来技術に係る流体圧機器の接続装置と比較し、構成の簡素化を図ることができ、それに伴って、部品点数の削減及び組付工数の削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態に係る流体圧機器の接続装置が適用された流体圧ユニットの外観斜視図である。
【図2】図1に示す流体圧ユニットの正面図である。
【図3】図1の流体圧ユニットを構成するフィルタの全体断面図である。
【図4】図1の流体圧ユニットを構成するルブリケータの全体断面図である。
【図5】図1に示す接続装置の外観斜視図である。
【図6】図5の接続装置の分解斜視図である。
【図7】図1の流体圧ユニットにおける接続装置近傍を示す拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係る流体圧機器の接続装置について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0014】
図1において、参照符号10は、本発明の実施の形態に係る流体圧機器の接続装置が適用された流体圧ユニット10を示す。なお、接続装置18a、18bは、それぞれ同一の構成要素からなるため、一方の接続装置18aについて以下に説明し、他方の接続装置18bについては同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0015】
この流体圧ユニット10は、図1及び図2に示されるように、圧力流体中に含まれる塵埃等を除去するフィルタ12と、前記圧力流体の圧力を減圧するレギュレータ14と、前記圧力流体に対して潤滑油を混合するルブリケータ16と、前記フィルタ12及びルブリケータ16を互いに連結する一組の接続装置18a、18bとから構成される。
【0016】
上述したフィルタ12、レギュレータ14及びルブリケータ16が、その内部に圧力流体の供給される流体圧機器として機能し、前記レギュレータ14が前記フィルタ12とルブリケータ16との間となるように配置される。
【0017】
フィルタ12は、図1〜図3に示されるように、第1ボディ20と、該第1ボディ20の下部に連結されるケースユニット22と、該ケースユニット22の内部に収納されるフィルタユニット24とを含む。
【0018】
第1ボディ20には、圧力流体の供給・排出される第1及び第2ポート26、28が側方に設けられ、前記第1ポート26は、図示しない配管と接続され、該配管を通じて圧力流体が供給される。第2ポート28は、第1ポート26に供給された圧力流体が後述するレギュレータ14へと排出される。
【0019】
また、第1ボディ20の側面には、第1及び第2ポート26、28が設けられた端面の外縁部に相互に対向して形成される一組の係合用突部30a、30bが設けられる。
【0020】
ケースユニット22は、有底筒状に形成されたアウターケース32と、該アウターケース32の内部に挿入されるインナーケース34と、前記アウターケース32に対して変位自在に設けられるリリースボタン36と、前記アウターケース32及びインナーケース34の底部に設けられるドレンコック38とを含む。
【0021】
そして、第1ボディ20の装着孔40に対してケースユニット22が装着された際、リリースボタン36の上端部が、第1ボディ20の装着孔40に形成された凹部(図示せず)に挿入される。これにより、第1ボディ20に対するケースユニット22の回転方向への変位が規制される。
【0022】
レギュレータ14は、図1及び図2に示されるように、第2ボディ42と、該第2ボディ42の下部に回転自在に設けられるハンドル44と、前記ハンドル44を操作することによって圧力流体を調圧可能な圧力調整機構(図示せず)とを備える。この第2ボディ42の側方には、圧力流体の供給・排出される一対のポート(図示せず)がそれぞれ形成され、一方のポートが、フィルタ12の第2ポート28と接続されて連通し、前記フィルタ12から圧力流体が供給され、他方のポートが、ルブリケータ16の第3ポート56(後述する)と接続されて連通し、前記圧力流体が排出される。
【0023】
また、第2ボディ42の側面には、一対のポートが設けられた端面の外縁部に相互に対向するように一組の係合用突部46a、46bが設けられる。
【0024】
そして、レギュレータ14は、その内部に圧力調整機構を備え、ハンドル44を回転させることによって前記圧力調整機構を駆動させ、一方のポートから供給された圧力流体の圧力を所望の圧力へと調圧した後、他方のポートから排出してルブリケータ16へと供給する。
【0025】
ルブリケータ16は、圧力流体中に潤滑油を滴下し、前記圧力流体の流れを利用して、流体圧機器における摺動部位等へ潤滑油を供給する目的で用いられ、図1、図2及び図4に示されるように、第3ボディ48と、該第3ボディ48の下部に連結されるケースユニット50と、前記第3ボディ48の内部に挿入される滴下部52と、前記滴下部52を前記第3ボディ48に対して固定するホルダ54とを含む。
【0026】
第3ボディ48には、圧力流体の供給・排出される第3及び第4ポート56、58が側方に設けられ、前記第3ポート56と第4ポート58とは、図示しない連通路を介して互いに連通している。なお、第3ポート56は、隣接して設けられたレギュレータ14における他方のポートと接続され、第4ポート58は図示しない配管と接続される。
【0027】
また、第3ボディ48の側面には、第3及び第4ポート56、58が設けられた端面の外縁部に相互に対向して形成される一組の係合用突部60a、60b(図2参照)が設けられる。
【0028】
ケースユニット50は、有底筒状に形成されたアウターケース62と、該アウターケース62の内部に挿入されるインナーケース64と、前記アウターケース62に対して変位自在に設けられるリリースボタン66とを含む。インナーケース64の内部には、第3ボディ48に設けられた給油プラグ68を通じて潤滑油が充填される。そして、ケースユニット50は、第3ボディ48の装着孔69に対して装着される。
【0029】
滴下部52は、図4に示されるように、第3ボディ48の内部に挿入されるインナー部材70と、該インナー部材70の上部に設けられる滴下プラグ72とを備え、前記インナー部材70には、インナーケース64から潤滑油の供給される貯留室74が形成される。この貯留室74は、下方に延在した油通路76と連通し、該油通路76を通じて潤滑油が供給されると共に、その略中央部には、滴下口78が下方に開口している。油通路76は、ホルダ54に形成される油供給ポート82と連通している。
【0030】
ホルダ54は、滴下部52を構成するインナー部材70の下部に装着され、ダンパ80の一部を挟持することによって保持すると共に、油通路76と連通する油供給ポート82を備える。この油供給ポート82は、下方(矢印B方向)に向かって突出してインナーケース64の内部に配置されると共に導油チューブ84が接続される。
【0031】
そして、インナーケース64内に充填された潤滑油が、導油チューブ84を通じてホルダ54側へと流通した後、油通路76を通じて貯留室74に供給され、該貯留室74から滴下口78を通じて連通路内へと滴下される。これにより、連通路を流通する圧力流体に潤滑油が所望量だけ混合される。
【0032】
接続装置18a(18b)は、図1、図2、図5〜図7に示されるように、略正方形で薄肉平板状に形成されたベース部材(ボディ)86と、前記ベース部材86の一側面及び他側面に設けられる一対の第1及び第2締結部材88、90と、前記第1及び第2締結部材88、90に保持され、流体圧機器同士を保持する一対の第1及び第2ホルダ92、94と、前記ベース部材86の他側面に連結される取付部材96とを含む。
【0033】
ベース部材86は、略一定厚さで形成され、その略中央部に孔部98が形成され、前記孔部98には、弾性材料からなるシールリング100が装着される。このシールリング100は、その外周面が孔部98の内周面に当接するように設けられる。
【0034】
また、ベース部材86の一側面及び他側面には、孔部98側に向かって窪み、後述する第1及び第2ホルダ92、94がそれぞれ装着される一対の第1及び第2凹部102、104と、前記第1及び第2凹部102、104に対してさらに前記孔部98側に設けられた溝部106と、前記溝部106と第1及び第2凹部102、104とをそれぞれ連通する連通孔108とが形成される。
【0035】
溝部106は、断面長方形状に開口した空間であり、第1及び第2凹部102、104と略平行に形成され、前記溝部106の長手方向に沿った略中央に連通孔108が形成される。
【0036】
さらに、ベース部材86の上面及び下面には、該ベース部材86の厚さ方向に拡幅した一対のフランジ部110がそれぞれ形成される。換言すれば、ベース部材86は、その上面及び下面側が幅広状に形成される。
【0037】
第1及び第2締結部材88、90は、断面略長方形状に形成された本体部112と、該本体部112の長手方向中央に設けられたねじ部(軸部)114とを備え、前記ねじ部114が前記本体部112に対して直交し、所定長さだけ突出するように形成される。
【0038】
すなわち、第1及び第2締結部材88、90は、本体部112及びねじ部114から断面略T字状に形成される。また、ねじ部114は、例えば、その外周面に雄ねじが刻設されたスタッドボルトである。
【0039】
そして、第1締結部材88は、その本体部112がベース部材86の一側面に形成された溝部106に、ねじ部114が連通孔108にそれぞれ挿通され、前記ねじ部114の先端は、第1凹部102内に突出する。一方、第2締結部材90は、その本体部112がベース部材86の他側面に形成された溝部106に、ねじ部114が連通孔108にそれぞれ挿通され、前記ねじ部114の先端は、第2凹部104内に突出する。
【0040】
また、第1及び第2締結部材88、90は、ベース部材86の厚さ寸法と略同一の厚さ寸法で形成されるため、前記第1及び第2締結部材88、90が装着された状態で、前記ベース部材86の厚さ方向に突出することがない。
【0041】
第1及び第2ホルダ92、94は、略中央部に形成された平坦部116と、該平坦部116の両端部にそれぞれ形成され、所定角度だけ傾斜した第1及び第2保持部118、120とからなる。そして、平坦部116が、ベース部材86の第1及び第2凹部102、104に挿入されると共に、第1及び第2保持部118、120がそれぞれフィルタ12及びレギュレータ14の係合用突部30b、46a側に配置され当接する。
【0042】
また、平坦部116の略中央には、第1及び第2締結部材88、90のねじ部114が挿通されるボルト孔122が形成される。そして、第1ホルダ92は、第1締結部材88のねじ部114がボルト孔122に挿通された状態で、第1ナット126が螺合されることによって該ねじ部114に対して保持され、一方、第2ホルダ94は、第2締結部材90のねじ部114が挿通された状態で、第2ナット128が螺合されることによって該ねじ部114に対して保持される。
【0043】
本発明の実施の形態に係る接続装置が適用された流体圧ユニット10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、接続装置18aの組み付けについて、図5及び図6を参照しながら説明する。
【0044】
先ず、図6に示される接続装置18aのように、ベース部材86の孔部98に対してシールリング100を挿入すると共に、前記孔部98の軸方向に沿って第1及び第2締結部材88、90の本体部112を、それぞれベース部材86の溝部106に、ねじ部114を連通孔108へと挿入する。これにより、第1及び第2締結部材88、90のねじ部114が、それぞれベース部材86の第1及び第2凹部102、104内へと突出した状態となる。
【0045】
次に、第1及び第2ホルダ92、94のボルト孔122にねじ部114をそれぞれ挿通させながら、その平坦部116を第1及び第2凹部102、104へと挿入した後、前記第1締結部材88のねじ部114に対して第1ナット126を螺合させ、一方、第2締結部材90のねじ部114は、取付部材96の略中央部に形成された貫通孔124に挿通させた後、第2ナット128を螺合させる。これにより、ベース部材86の他側面が取付部材96に対して連結されると共に、第1ホルダ92が前記ベース部材86の一側面側に保持される。
【0046】
最後に、図7に示されるように、フィルタ12における第2ポート28側の係合用突部30bと、該第2ポート28に接続するポート側のレギュレータ14の係合用突部46aとを対峙させ、前記フィルタ12と前記レギュレータ14との間に、ベース部材86を挟持すると共に前記第2ポート28及びポートが前記孔部98と略一直線上となるように配置する。
【0047】
そして、第1及び第2ホルダ92、94における第1及び第2保持部118、120をそれぞれ係合用突部30b、46aに係合させた後、第1及び第2ナット126、128を螺回させることにより、該第1及び第2ナット126、128がねじ部114に沿ってベース部材86側へと引張され、それに伴って、第1及び第2ホルダ92、94が前記ベース部材86側へと移動する。その結果、第1ホルダ92の第1及び第2保持部118、120と第2ホルダ94の第1及び第2保持部118、120とが互いに接近する方向に移動し、フィルタ12の係合用突部30bとレギュレータ14の係合用突部46aとが強固に挟持され互いに連結される。
【0048】
この際、フィルタ12の第2ポート28と、レギュレータ14におけるポートとは、ベース部材86の孔部98を通じて互いに連通すると共に、シールリング100によって前記孔部98を通じて流通する圧力流体が外部に漏出することが防止される。
【0049】
なお、接続装置18bによってレギュレータ14とルブリケータ16とを連結する場合も、上述した組み付け方法と略同一であるため、その詳細な説明は省略する。また、フィルタ12、レギュレータ14、ルブリケータ16の組み付け順序は、本説明の順序に限定されるものではない。
【0050】
以上のように、本実施の形態において、ねじ部114を有した第1及び第2締結部材88、90を、ベース部材86に対してそれぞれ保持可能な構成としているため、従来技術に係る接続装置のように、ボディ(ベース部材)に対してボルトの挿通される貫通孔を形成する場合と比較し、ベース部材86の厚さ寸法を抑制することができる。換言すれば、ボディに貫通孔を形成する場合には、該貫通孔の外周径に対して肉厚となるように前記ボディの厚さを設定する必要があり、前記ボディ(ベース部材)に対して雄ねじからなるねじ部114を設ける場合と比較し、厚さ寸法が大きくなってしまう。
【0051】
その結果、本実施の形態に係る接続装置18a、18bでは、ベース部材86を厚さ方向に小型化することが可能となり、それに伴って、隣接する流体圧機器の間の距離を小さくして流体圧ユニット10の小型化を図ることができる。
【0052】
また、第1及び第2ホルダ92、94を第1及び第2ナット126、128で締結する際のねじ部114の軸方向に沿った推力(図7中、F参照)を利用して流体圧機器であるフィルタ12、レギュレータ14及びルブリケータ16を互いに連結することができるため、前記フィルタ12、レギュレータ14及びルブリケータ16を強固に連結することができると共に、隣接する流体圧機器に対して前記第1及び第2ホルダ92、94を介して均一に力を付与することができる。その結果、流体圧機器同士をバランス良く連結することが可能である。
【0053】
さらに、従来技術に係る流体圧機器の接続装置と比較し、構成の簡素化を図ることができるため、部品点数の削減を図ることができると共に、組み付け工数の削減を図ることが可能となる。
【0054】
次に、上記のように組み立てられた接続装置18a、18bの適用された流体圧ユニット10は、図示しない圧力流体供給源より配管を通じてフィルタ12の第1ポート26へと圧力流体が供給され、前記圧力流体は、前記第1ポート26からケースユニット22の内部へと導入され、フィルタユニット24のフィルタエレメントを通過することによって前記圧力流体中に含まれた塵埃等が好適に除去される。その後、圧力流体は、フィルタユニット24内を上昇し、第2ポート28から清浄な圧力流体として排出される。
【0055】
次に、圧力流体は、接続装置18aの孔部98を通じてレギュレータ14における一方のポート(図示せず)へと供給され、ハンドル44によって予め設定された圧力値に調整された後、調圧された圧力流体が他方のポートを介して、接続装置18bによって一体的に連結されたルブリケータ16へと供給される。
【0056】
この調圧された圧力流体は、ルブリケータ16の第3ポート56から供給され、第4ポート58側へと流通すると同時に、圧力流体の一部がケースユニット50の内部へと供給される。そのため、インナーケース64内に供給された圧力流体によって潤滑油が押圧され、該潤滑油が導油チューブ84を通じてホルダ54側(矢印A方向)へと流通した後、油通路76を通じて貯留室74に供給され、滴下口78を通じて圧力流体に対して滴下される。これにより、圧力流体は、インナー部材70の内部を通過する際に潤滑油が所定量だけ混合された後に、第4ポート58から配管を通じて、潤滑が必要とされる別の流体圧機器へと供給される。
【0057】
なお、本発明に係る流体圧機器の接続装置は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【符号の説明】
【0058】
10…流体圧ユニット 12…フィルタ
14…レギュレータ 16…ルブリケータ
18a、18b…接続装置 20…第1ボディ
22、50…ケースユニット 24…フィルタユニット
30a、30b、46a、46b、60a、60b…係合用突部
42…第2ボディ 44…ハンドル
48…第3ボディ 52…滴下部
54…ホルダ 86…ベース部材
88…第1締結部材 90…第2締結部材
92…第1ホルダ 94…第2ホルダ
96…取付部材 100…シールリング
102…第1凹部 104…第2凹部
106…溝部 108…連通孔
112…本体部 114…ねじ部
116…平坦部 118…第1保持部
120…第2保持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方及び他方の流体圧機器の間に配設され、流体圧機器同士を一体的に連結することにより、一方及び他方の流体圧機器の各流体通路を相互に連通させる流体圧機器の接続装置であって、
一方の流体通路と他方の流体通路とを相互に連通させる孔部を有したボディと、
前記孔部の軸方向と直交した前記ボディの一側面及び他側面に設けられ、一方及び他方の流体圧機器にそれぞれ設けられた突部に係合する保持部を有した一組のホルダと、
前記ボディの一側面及び他側面に設けられ、前記ホルダを固定可能な一組の締結部材と、
を備え、
前記締結部材は、前記ボディに保持される本体部と、前記本体部に対して突出し前記ホルダに挿通される軸部とを有し、前記軸部を介して前記ホルダと前記締結部材とが連結されると共に、前記締結部材が、前記ボディと略同一の厚さで形成されることを特徴とする流体圧機器の接続装置。
【請求項2】
請求項1記載の接続装置において、
前記軸部には、雄ねじが刻設され、前記軸部に対してナットを螺合することにより、前記軸部に挿通された前記ホルダに対して前記突部側への推力が付与されることを特徴とする流体圧機器の接続装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の接続装置において、
前記一組のホルダ及び締結部材は、前記ボディを間として対峙するように配置されることを特徴とする流体圧機器の接続装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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