説明

流体機器の接続構造及びその接続構造を備える流体機器ユニット

【課題】流体機器の配置に自由度を持たせつつ、流体機器の接続部分を確実にシールすることができる流体機器の接続構造を提供すること。
【解決手段】第1流体機器(7A)の第1接続部(13A)と第2流体機器(7B)の第2接続部(13B)との間に配置したシール部材(20)を介して、前記第1接続部(13A)と前記第2接続部(13B)とをシールさせる流体機器の接続構造(X)において、前記第1接続部(13A)と前記第2接続部(13B)とが接続する接続部分の外周に配置される筒状のガイド部材(27)と、前記ガイド部材(27)を前記第1流体機器(7A)に固定する第1固定部材(28)と、前記ガイド部材(27)を前記第2流体機器(7B)に固定する第2固定部材(29)と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体機器の接続構造及びその接続構造を備える流体機器ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、半導体製造工程や液晶製造工程などの薬液制御には、流量制御弁や開閉弁などのバルブ類や、フィルタ、圧力センサや流量センサなどのセンサ類、継手ブロックや流路ブロックなどの配管ブロック類など、流体機器が使用される。近年、装置のコンパクト化のため、これら流体機器の接続部同士を連結部材を用いて直接連結し、ユニット化することが行われている。図24は、従来の流体機器ユニット100の一例を示す。
【0003】
従来の流体機器ユニット100は、同一構造の第1バルブ101Aと第2バルブ101Bの接続部をシール部材102を介して突き合わせ、第1及び第2バルブ101A,101Bの接続部分を連結部材103を用いて連結している。第1及び第2バルブ101A,101Bは、樹脂製のバルブボディ104A,104Bに駆動部105A,105Bを図示しないボルトで固定したものである。バルブボディ104A,104Bは、流路106A,106Bが側面に開口し、各開口部の周りにフランジ部107A,107Bが突設されている。各フランジ部107A,107Bの接続面には、シール部材102を装着するための装着溝108A,108Bが流路106A,106Bの開口部の周りに沿って形成されている。
【0004】
連結部材103は、第1連結ブロック110と第2連結ブロック111とに分割されている。第1及び第2バルブ101A,101Bは、装着溝108A,108Bの間にシール部材102を配置してフランジ部107A,107Bの接続面同士を突き合わせ、フランジ部107A,107Bの接続部分の周りを覆うように第1連結ブロック110,111とを取り付ける。そして、第1及び第2連結ブロック110,111に上方から図示しないボルトを締結することにより、第1及び第2連結ブロック110,111を一体化してフランジ部107A,107Bの接続部分を固定する。これにより、第1及び第2バルブ101A,101Bは、フランジ部107A,107Bの接続部分でシール部材102を押し潰してシールした状態でフランジ部107A,107Bが接続される。
【0005】
流体機器ユニット100は、バルブボディ104A,104Bの下面に取り付けた取付ブロック112A,112Bを介して半導体製造装置に組み付けられる。
【0006】
【特許文献1】特開2007−2902号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の流体機器ユニット100は、第1バルブ101Aと第2バルブ101Bを連結部材103を介してのみ接続するため、接続部分の強度が弱く、取扱いにくかった。
【0008】
すなわち、流体機器ユニット100は、例えば、作業者が出荷時に第2バルブ101Bを手でつかんで持ち上げたときに、第1バルブ101Aの自重が第1及び第2バルブ101A,101Bの接続部分に作用し、第1及び第2バルブ101A,101Bの接続部分で撓むことがあった。第1及び第2バルブ101A,101Bの接続部分が撓むと、円周方向にほぼ均一であったシール部材102のシールバランスが崩れ、シール不良を招く。フランジ部107A,107Bを含むバルブボディ104A,104Bは、樹脂成形品で
あるため、フランジ部107A,107Bの接続面が外力によって塑性変形しやすく、流体機器ユニット100が見た目上もとの形状に戻っても、シール不良を起こす可能性があった。この場合、作業者は、流体機器ユニット100が取扱時に変形してシール不良を生じても、不良品を発見することが難しかった。よって、作業者は、流体機器ユニット100を取り扱う時に細かい注意を払わざるを得ず、流体機器ユニット100の取扱いにかかる負担が大きかった。
【0009】
上記問題点を解決するために、本出願人は、特願2007−85234号において、図25及び図26に示す流体機器ユニット200を提案した。図25は、出願人が特願2007−85234号において提案した流体機器の取付構造を示す図である。図26は、図25に示す流体機器の取付構造を利用した流体機器ユニット200の外観斜視図である。
【0010】
図25に示すように、流体機器の一例である第1バルブ201の下面に係合部202を突設し、その係合部202をレール210のレール溝211にスライド可能に係合させて、第1バルブ201をレール210に取り付ける。図26に示すように、第1バルブ201は、第2バルブ203に連結ブロック209を用いて接続される。尚、他の第3バルブ204や第4バルブ205、第5バルブ206、継手ブロック207、分岐ブロック208などの流体機器は、第1バルブ201と同様にしてレール210に取り付けられ、連結ブロック209を用いて互いに連結される。
【0011】
これによれば、例えば、第1バルブ201と第2バルブ203との接続部分は、レール部材210によって補強され、流体機器ユニット200を持ち上げた場合に、第1及び第2バルブ201,203の接続部分が撓んでシールを低下させることがない。
【0012】
もっとも、例えば、第1及び第2バルブ201,203の間を確実にシールするためには、第1及び第2バルブ201,203の接続部を同軸に配置する必要がある。このため、第1及び第2バルブ201,203は、レール部材210から第1及び第2バルブ201,203の接続部までの高さ寸法を精度良く合わせる必要があった。
【0013】
これに対して、係合部202とレール部材210との間に隙間を設ければ、第1及び第2バルブ201,203は、接続部の高さを調整して同軸に配置することができる。しかし、最近では、流体機器ユニットを使用する装置のコンパクト化が進み、それに伴って流体機器を三次元に配置するケースが増えている。第1及び第2バルブ201,203の接続部分をレール部材210で補強する技術では、第1及び第2バルブ201,203を二次元にしか配置できず、流体機器の配置設計を制限する。
【0014】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、流体機器の配置に自由度を持たせつつ、流体機器の接続部分を確実にシールすることができる流体機器の接続構造及びその接続構造を備える流体機器ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため、本発明の流体機器の接続構造及びその接続構造を備える流体機器ユニットは、以下の構成を有する。
(1)第1流体機器の第1接続部と第2流体機器の第2接続部との間に配置したシール部材を介して、前記第1接続部と前記第2接続部とをシールさせる流体機器の接続構造において、前記第1接続部と前記第2接続部とが接続する接続部分の外周に配置される筒状のガイド部材と、前記ガイド部材を前記第1流体機器に固定する第1固定部材と、前記ガイド部材を前記第2流体機器に固定する第2固定部材と、を有する。
【0016】
(2)(1)に記載の発明において、前記ガイド部材が、前記第1固定部材に係止される第1係止部と、前記第2固定部材に係止される第2係止部とを有し、前記第1固定部材は前記第1流体機器に螺合し、前記第2固定部材は前記第2流体機器に螺合する。
【0017】
(3)(2)に記載の発明において、前記第1固定部材と前記第2固定部材は、一端が閉鎖した円筒形状をなし、閉鎖面に前記ガイド部材が挿通される挿通孔が形成されており、前記ガイド部材は、前記第1及び前記第2係止部を複数に分割するように両端部からスリットが形成されている。
【0018】
(4)(1)乃至(4)の何れか一つに記載の発明において、雌ねじが内周面に形成された環状部材を有し、前記ガイド部材は、前記雌ねじに螺合する雄ねじ部が形成され、前記雄ねじ部の片側に外周面から突出するストッパ部を有し、貫通孔が有されたパネルに前記ストッパ部を突き当てるように前記ガイド部材を前記貫通孔に挿通し、前記環状部材の前記雌ねじを前記ガイド部材の前記雄ねじ部に締め付ける。
【0019】
(5)(1)乃至(4)の何れか一つに記載する流体機器の接続構造を用いて、流体機器を接続する流体機器ユニット。
【発明の効果】
【0020】
本発明の流体機器の接続構造は、第1接続部と第2接続部とが接続する接続部分の外周に配置したガイド部材が、第1固定部材によって第1流体機器に固定され、第2固定部材によって第2流体機器に固定され、第1及び第2接続部の同軸性を接続部分で直接出して支持している。そのため、流体機器は、二次元のみならず、三次元にも配置することが可能である。そして、第1及び第2接続部の軸線に対して直角方向に作用する荷重が第1及び第2接続部に作用しても、第1及び第2接続部がガイド部材に支持されて撓まず、シール性能が低下しない。
【0021】
よって、本発明の流体機器の接続構造によれば、流体機器の配置に自由度を持たせつつ、流体機器の接続部分を確実にシールすることができる。
【0022】
本発明の流体機器の接続構造は、第1接続部と、シール部材を装着した第2接続部とをガイド部材に挿入して同軸上に配置し、その状態で、第1固定部材を第1流体機器に螺合し、第2固定部材を第2流体機器に螺合する。すると、第1流体機器と第2流体機器が、ガイド部材の第1及び第2係止部に係止される第1固定部材と第2固定部材のねじ送りによって互いに近づく方向に移動し、ガイド部材内で第1接続部と第2接続部をシール部材を介して接続する。
【0023】
よって、本発明の流体機器の接続構造によれば、ガイド部材に係止される第1及び第2固定部材を第1及び第2流体機器に螺合するだけで、ガイド部材内で第1及び第2接続部の軸を合わせて第1及び第2接続部を接続することができる。
【0024】
本発明の流体機器の接続構造は、ガイド部材の両端部に形成したスリットを狭めることにより、第1及び第2係止部が設けられた部分の径を小さくして、第1及び第2固定部材の挿通孔にガイド部材を挿通する。ガイド部材の第1及び第2係止部が設けられた部分を第1及び第2固定部材の挿通孔に挿通したら、ガイド部材の両端部に形成したスリットを広げ、第1及び第2係止部を第1及び第2固定部材の挿通孔の縁に係止させる。この状態で、第1固定部材からガイド部材に第1接続部を挿入し、第2固定部材からガイド部材に第2接続部を挿入して、ガイド部材内に第1接続部と第2接続部を同軸上に配置する。
【0025】
よって、本発明の流体機器の接続構造によれば、第1及び第2固定部材をガイド部材に簡単に装着し、ガイド部材内で第1及び第2接続部を同軸上に容易に配置できる。
【0026】
本発明の流体機器の接続構造は、パネルにストッパ部を突き当てるようにガイド部材をパネルの貫通孔に挿通し、ガイド部材の雄ねじ部に環状部材の雌ねじを螺合させることにより、ストッパ部と環状部材との間でパネルを挟み込み、ガイド部材をパネルに取り付ける。よって、本発明の流体機器の接続構造によれば、第1流体機器の接続部と第2流体機器の接続部とを同軸に配置した状態で、第1流体機器と第2流体機器を装置のパネルに簡単に取り付けることができる。
【0027】
本発明の流体機器ユニットは、上記作用効果を有する流体機器の接続構造を用いて流体機器を接続するので、流体機器の配置に自由度を持たせつつ、流体機器の接続部分を確実にシールすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
次に、本発明に係る流体機器の接続構造及びその接続構造を備える流体機器ユニットの実施形態について図面を参照して説明する。
【0029】
<流体機器ユニットの回路構成例>
図1は、本発明の実施形態に係る流体機器ユニット1の回路図である。
本実施形態の流体機器ユニット10は、例えば、半導体製造装置に組み付けられる。半導体装置は、例えば、処理室を2個備える。各処理室には、ウエハに薬液を供給するノズル1が配置される。尚、以下、各処理室のノズル1を区別するために、「A」,「B」の添え字を付けて説明する。
【0030】
ノズル1A,1Bには、共通流路2から分岐した供給ライン3A,3Bがそれぞれ接続されている。供給ライン3A,3Bは、エアオペレイトバルブ4A,4Bと流量計5A,5Bと手動弁6A,6Bとが設置され、供給流路2から供給ライン3A,3Bに分岐した薬液を流量調整してノズル1A,1Bにそれぞれ供給する。流体機器ユニット10は、図中点線で囲まれた部分をユニット化している。
【0031】
<流体機器ユニットの全体構成>
図2は、図1に示す点線部を具体化した流体機器ユニット10の外観斜視図である。
流体機器ユニット10は、第1接続ユニット11(後述)と第2接続ユニット12(後述)を用いて、エアオペレイトバルブ4A,4Bと流量計5A,5Bと手動弁6A,6Bをパネル9に取り付けて、供給ライン3A,3Bを構成している。
【0032】
流体機器ユニット10は、T字形の分岐管7A,7Bが第1接続ユニット11によって接続され、共通流路2を構成している。分岐管7A,7Bは、第1接続ユニット11が装着された端部と反対側の端部に、継手部材8が第1接続ユニット11を用いて接続されている。
【0033】
分岐管7A,7Bは、第1接続ユニット11が装着された両端部の間から分岐した管路に、エアオペレイトバルブ4A,4Bの入力ポートが第1接続ユニット11を用いて接続されている。エアオペレイトバルブ4A,4Bの出力ポートは、パネル9を挟んで反対側に配置される流量計5A,5Bの入力ポートに、第2接続ユニット12を用いて接続されている。流量計5A,5Bの出力ポートは、パネル9を挟んで反対側に配置される手動弁6A,6Bの入力ポートに、第2接続ユニット12を用いて接続されている。手動弁6A,6Bの出力ポートには、継手部材8が第1接続ユニット11を用いて接続されている。
【0034】
このように、流体機器ユニット10は、第1及び第2接続ユニット11,12を用いて、エアオペレイトバルブ4A,4Bと流量計5A,5Bと手動弁6A,6Bと継手部材8を三次元に配置して、供給ライン3A,3Bを構成している。
【0035】
尚、流体機器ユニット10は、腐食性の高い薬液を使用することがある。そのため、流体機器ユニット10を構成する流体機器、つまり、エアオペレイトバルブ4A,4Bや流量計5A,5B、手動弁6A,6B、分岐管7A,7B、継手部材8は、機能上金属やゴムを材質とする必要がある部品を除き、PFA(四フッ化エチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PVDF(ふっ化ビニリデン)、ETFE(四ふっ化エチレン・エチレン共重合体)などの耐腐食性がある樹脂を材質とする部品を使用する。
【0036】
<第1接続ユニットを用いた流体機器の接続構造>
図3は、図2に示す第1接続ユニット11を用いた流体機器の接続構造Xの断面図である。分岐管7Aと分岐管7B、及び、分岐管7A,7Bと継手部材8、分岐管7A,7Bとエアオペレイトバルブ4A,4B、手動弁6A,6Bと継手部材8は、それぞれ、第1接続ユニット11を用いて同様に接続される。そこで、以下の説明では、分岐管7A(「第1流体機器」の一例)と分岐管7B(「第2流体機器」の一例)との接続部分を例に挙げて流体機器の接続構造Xを説明する。
【0037】
流体機器の接続構造Xは、分岐管7A,7Bに設けた接続部13A,13Bの間にシール部材20を配置し、その状態で、第1接続ユニット11を用いて分岐管7A,7Bを接続している。
【0038】
<流体機器に設けられた接続部の構成>
分岐管7A,7Bは、接続部13A,13Bが円筒状に形成されている。接続部13A,13Bは、PTFEやPFAなどの樹脂を材質とする。接続部13A,13Bは、外径寸法が分岐管7A,7Bの外径寸法より小径になるように設けられている。そのため、分岐管7A,7Bの外周面と接続部13A,13Bの外周面との間には、段差面14A,14Bが形成されている。
【0039】
接続部13A,13Bの端面には、流路15A,15Bが開口している。接続部13A,13Bは、シール部材20を装着するためのシール溝16A,16Bが、流路15A,15Bが開口する端面から、流路15A,15Bの開口部の周りに沿って環状に形成されている。シール溝16A,16Bは、接続部13A,13Bの端面と対向する底部に、環状突起17A,17Bが突設され、その環状突起17A,17Bを挟んで断面が対称形状をなす。シール溝16A,16Bの底部は、環状突起17A,17Bから内側と外側へ向かって傾斜している。分岐管7A,7Bの外周面には、段差面14A,14B側から雄ねじ18A,18Bが形成されている。雄ねじ18A,18Bは、接続部13A,13Bと同軸上に設けられてる。
【0040】
<シール部材の構成>
図4は、図3に示すシール部材20の平面図である。図5は、図4のA−A縦断面図である。
図4及び図5に示すように、シール部材20は、PFAなどの樹脂を材質とし、短い円筒形状に形作られている。シール部材20は、両端面に、接続部13A,13Bの環状突起17A,17Bに嵌合する環状溝21,22が形成されている。シール部材20は、断面H型をなし、環状溝21,22を挟んで断面が対象形状になっている。環状溝21,22の内側内壁と外側内壁面には、肉厚部23,24がそれぞれ設けられ、環状溝21,22の溝幅が環状突起17A,17Bの幅寸法より小さくなっている。シール部材20は、図5に示すように、内周面と外周面に、シール溝16A,16Bの底部に設けた傾斜と対応するように傾斜が設けられている。
【0041】
図4及び図5に示すように、シール部材20の外周面には、複数の張出部25が外向きに突設され、張出部25の先端部にガイド部26が一体に設けられている。図4に示すように、張出部25とガイド部26は、取り付けの制限を少なくするために、シール部材20の円周方向に等間隔に設けられている。図5に示すように、張出部25は、環状溝21,22の間に対応する位置に配置されている。ガイド部26は、接続部13A又は接続部13Bの外周に装着されてシール部材20の脱落を防止するように(図3参照)、張出部25の両側に延設されている。
【0042】
<流体機器ユニットの全体構成>
図3に示すように、第1接続ユニット11は、接続部13A,13Bが接続する接続部分の外周に装着されるガイド部材27と、ガイド部材27を分岐管7Aに固定する第1固定部材28と、ガイド部材27を分岐管7Bに固定する第2固定部材29とを有する。ガイド部材27と第1及び第2固定部材28,29は、PVDFなどの硬度が高くて剛性がある樹脂を材質とする。
【0043】
<ガイド部材の構成>
図6は、図4に示すガイド部材27の外観斜視図である。図7は、図6に示すガイド部材の上面図である。図8は、図7に示すガイド部材を図中右側から見た図であって、スリット34を開いた状態を示す。図9は、図7に示すガイド部材を図中右側から見た図であって、スリット34を閉じた状態を示す。
ガイド部材27は、接続部13A,13Bの外周に装着される本体31が円筒状に形成されている。本体31の両端外周面には、第1固定部材28に係止される第1係止部32と、第2固定部材29に係止される第2係止部33とが、外向きに突設されている。
【0044】
ガイド部材27は、第1及び第2係止部32,33を分割するように、複数のスリット34が軸線方向に形成されている。各スリット34は、ガイド部材27の一端から他端まで形成され、ガイド部材27を複数の分割片35に分割している。分割片35は、隣の分割片35と結合部36を介して連結されている。結合部36は、薄い膜状をなし、折り目に沿って折り曲げられたり伸ばされたりして伸縮するようになっている。結合部36は、ガイド部材27が接続部13A,13Bの軸を合わせる際に邪魔にならないように、図9に示すように、分割片35の外部へはみ出さないように折り畳まれる。各分割片35には、シール部材20のガイド部26を収納するための収納溝37が、軸線方向に長く形成されている。
【0045】
本実施形態では、ガイド部材27に3本のスリット34を形成し、3個の分割片35を設けている。これに対して、ガイド部材27にスリット34を2本又は4本以上形成し、ガイド部材27を2個又は4個以上に分割しても良いことは言うまでもない。
【0046】
<第1及び第2固定部材の構成>
図10は、図3に示す流体機器の接続構造Xの分解斜視図である。
第1及び第2固定部材28,29は、同一形状をなす。第1及び第2固定部材28,29は、一端が閉鎖された円筒形状をなす。第1及び第2固定部材28,29の閉鎖面には、ガイド部材27を挿通するための挿通孔41,43が中央に形成されている。
【0047】
挿通孔41,43の直径は、スリット34を閉じてガイド部材27の分割片35を互いに当接させた場合(図9参照)における第1及び第2係止部32,33の最外径寸法より大きく、且つ、スリット34を開いてガイド部材27を接続部13A,13Bの外周に装着した場合(図3参照)における第1及び第2係止部32,33の最外径寸法より小さくなるように、設定されている。第1及び第2固定部材28,29の内周面には、接続部13A,13Bの雄ねじ18A,18Bに対応する雌ねじ42,44がそれぞれ形成されている。
【0048】
<第1接続ユニットを用いた流体機器の接続方法>
分岐管7A,7Bは、流体機器の接続構造Xを用いて、次のようにして接続される。
図9に示すように、第1接続ユニット11のガイド部材27に内向きの力を加え、結合36を折り曲げながらスリット34を閉じ、分割片35を互いに当接させる。この状態で、ガイド部材27の第1係止部32を設けた端部を第1固定部材28の挿通孔41に挿通し、ガイド部材27の第2係止部33を設けた端部を第2固定部材29の挿通孔43に挿通する。
【0049】
そして、ガイド部材27に加えていた内向きの力を解除する。すると、分割片35の間で折り畳まれていた結合部36が復元して、スリット34を開き、分割片35を互いに離間させる。この結果、ガイド部材27の本体31が径を広げ、第1及び第2係止部32,33を、第1及び第2固定部材28,29の閉鎖面に設けた挿通孔41,43の縁部に引っ掛けて係止させる。
【0050】
その後、シール部材20のガイド部26を分岐管7Bに設けた接続部13Bの外周面に沿わせるようにして、接続部13Bに設けたシール溝16Bの環状突起17Bにシール部材20の環状溝22を軽く嵌め合わせる。
【0051】
それから、シール部材20のガイド部26にガイド部材27の収納溝37を位置合わせし、第2固定部材29とガイド部材27とを接続部13Bに嵌め合わせる。そして、第2固定部材29の雌ねじ44を分岐管7Bの雄ねじ18Bに螺合させる。このとき、ガイド部材27は、接続部13Bに装着したシール部材20のガイド部26が収納溝37に係合し、回転止めされているため、第2固定部材29と共回りしない。第2固定部材29のねじ送りによって、分岐管7Bは、接続部13Bをガイド部材27内へ挿入する。
【0052】
その後、分岐管7Aの接続部13Aを、第1固定部材28からガイド部材27に挿入し、第1固定部材28の雌ねじ42を分岐管7Aの雄ねじ18Aに螺合させる。このとき、第1固定部材28は、ねじ部の推力によって、分岐管7Aを分岐管7B側へスライドさせる。言い換えれば、接続部13Aがガイド部材27に挿入される。
【0053】
第1固定部材28を回転させていると、接続部13Aの端面外周面に、シール部材20のガイド部26が装着され、接続部13Aの環状突起17Aがシール部材20の環状溝21に嵌め込まれる。更に第1固定部材28を回転させると、ねじの推力によって、接続部13Aの端面が接続部13Bの端面に押し付けられ、接続部13A,13Bの環状突起17A,17Bがシール部材20の環状溝21,22に設けた圧入代23,24に圧入され、シール部を構成する。このとき、シール溝16A,16Bの底部とシール部材20の内周面及び外周面の端部に設けた傾斜面が当接し、シール部材20が流路15A,15B側に倒れ込むのを防止する。
【0054】
このようにして分岐管7A,7Bを接続する第1接続ユニット11は、第1ガイド部材27の第1係止部32側の端面と分岐管7Aの段差面14Aとの間に隙間S1を設け、ガイド部材27の第2係止部33側の端面と分岐管7Bの段差面14Bとの間に隙間S2を設ける。第1接続ユニット11は、隙間S1,S2を設けることにより、経時的または熱的にクリープした際に生じた緩みをなくす増し締めが可能となる。
【0055】
<第2接続ユニットを用いた流体機器の接続構造>
図11は、図2に示す第2接続ユニット12を用いた流体機器の接続構造Yの側面図である。
エアオペレイトバルブ4A,4Bと流量計5A,5B、及び、流量計5A,5Bと手動弁6A,6Bは、それぞれ、第2接続ユニット12を用いて同様に接続される。そこで、以下の説明では、エアオペレイトバルブ4A(「第1流体機器」の一例)と流量計5A(「第2流体機器」の一例)との接続部分を例に挙げて流体機器の接続構造Yを説明する。
【0056】
流体機器の接続構造Yは、第2接続ユニット12を用いて、パネル9の一方の側面にエアオペレイトバルブ4Aを配置し、パネル9の他方の側面に流量計5Aを配置している。
【0057】
図12は、図11に示す流体機器の接続構造YのB−B断面図である。
流体機器の接続構造Yは、エアオペレイトバルブ4Aと流量計5Aが、入力ポート57と出力ポート58が接続部13A,13Bの端面に開口している。エアオペレイトバルブ4Aと流量計5Aは、接続部13A,13Bの他、段差面14A,14B、シール溝16A,16B、環状突起17A,17B、雄ねじ18A,18Bを備える。接続部13A,13B、段差面14A,14B、シール溝16A,16B、環状突起17A,17B、雄ねじ18A,18Bは、分岐管7A,7Bと同様であるので、説明を省略する。
【0058】
エアオペレイトバルブ4Aと流量計5Aは、接続部13A,13Bがシール部材50を介して接続し、その接続部分の周りを支持するように第2接続ユニット12が配置されている。第2接続ユニット12は、パネル9の貫通孔9aに挿通されて支持されている。
【0059】
図13は、図12に示すシール部材50の縦断面図である。
シール部材50は、全長がシール部材20より短いことを除き、シール部材20と同様に構成されている。
【0060】
<第2接続ユニットの全体構成>
図12に示すように、第2接続ユニット12は、エアオペレイトバルブ4Aの接続部13Aと流量計5Aの接続部13Bとの接続部分の外周にガイド部材51を配置し、第1及び第2固定部材28,29によってガイド部材51をエアオペレイトバルブ4Aと流量計5Aに固定している。また、第2接続ユニット12は、ガイド部材51の外周に螺合する環状部材52によって、パネル9に固定されている。第1及び第2固定部材28,29の構成は、既に説明したので、ここではガイド部材51と環状部材52の構成を説明する。
【0061】
<ガイド部材の構成>
図14は、図12に示すガイド部材51の外観斜視図である。図15は、図14に示すガイド部材51の上面図である。図16は、図15に示すガイド部材51を図中右側から見た図であって、スリット34を開いた状態を示す。図17は、図15に示すガイド部材51を図中右側から見た図であって、スリット34を閉じた状態を示す。
ガイド部材51は、本体53の全長がガイド部材27を構成する本体31の全長より長く、雄ねじ部54とストッパ部55を備える点を除き、ガイド部材27と同じ構成を有する。
【0062】
図14及び図5に示すように、雄ねじ部54は、ガイド部材51をパネル9の貫通孔9aに挿通したときにガイド部材51をガタつかせないように設けられている。雄ねじ部54は、軸線方向の全長がパネル9の厚さより大きく設定され、外周面に雄ねじが形成されている。
【0063】
ストッパ部55は、雄ねじ部54の第2係止部33側の端部に環状に設けられている。ストッパ部55は、雄ねじ部54の一端外周面から外向きに突出し、その最外径寸法がパネル9の貫通孔9aの径より大きくされている。つまり、ストッパ部55は、ガイド部材51がパネル9の貫通孔9aから抜け落ちることを防止している。
【0064】
<環状部材の構成>
環状部材52は、環状をなし、雄ねじ部54に螺合する雌ねじ56が内周面に形成されている。
【0065】
<第1接続ユニットを用いた流体機器の接続方法>
エアオペレイトバルブ4Aと流量計5Aは、次のようにして接続される。図18は、図11に示す流体機器の接続構造Yの分解斜視図である。
ガイド部材51の第2係止部33を設けた端部をスリット34を閉じるように変形させ、第2固定部材29の挿通孔43に第2係止部33を挿通した後、スリット34を開くようにガイド部材51を変形させることにより、ガイド部材51に第2固定部材29を取り付ける。
【0066】
それから、流量計5Aの接続部13Bに設けた環状突起17Bをシール部材50の環状溝22に軽く嵌め合わせ、接続部13Bにシール部材50を装着する。そして、シール部材50のガイド部26をガイド部材51の収納溝37に位置合わせして、接続部13Bを第2固定部材29からガイド部材51へ挿入する。そして、第2固定部材29の雌ねじ43を流量計5Aの雄ねじ18Bに螺合する。
【0067】
それから、ガイド部材51のストッパ部55をパネル9に突き当てるように、ガイド部材51をパネル9の貫通孔9aに挿通する。そして、ストッパ部55と反対側から環状部材52を雄ねじ部54に締め付け、ガイド部材51をパネル9に固定する。
【0068】
その後、ガイド部材51の第1係止部32が設けられた端部をスリット34を閉じるように変形させ、第1固定部材28の挿通孔41に挿通した後、スリット34を開くように変形させる。これにより、第1固定部材28がガイド部材51に装着される。
【0069】
それから、エアオペレイトバルブ4Aの接続部13Aを第1固定部材28からガイド部材51に挿入し、第1固定部材28の雌ねじ42をエアオペレイトバルブ4Aの雄ねじ18Aにねじ込む。このねじ送りによって生じる推力によって、接続部13A,13Bの環状突起17A,17Bをシール部材50の環状溝21,22に設けた圧入代23,24に圧入し、シール部を構成する。
【0070】
ここで、例えば、エアオペレイトバルブ4Aと流量計5Aは、例えば、従来技術で説明したレール部材210に取り付けた場合に、接続部13A,13Bの高さが合わないものであるとする。このような場合でも、本実施形態では、エアオペレイトバルブ4Aの接続部13Aと流量計5Aの接続部13Bの接続部分を第2接続ユニット12を用いてパネル9に取り付けるので、ブラケットなどを使用してエアオペレイトバルブ4Aと流量計5Aの高さ調節をしなくても、エアオペレイトバルブ4Aの接続部13Aと流量計5Aの接続部13Bを同軸に配置して簡単に接続できる。
【0071】
<動作説明>
上記流体機器ユニット10は、分岐管7A,7Bが継手部材8を介して薬液の一次側配管と二次側配管に接続される。また、手動弁6A,6Bが、継手部材8を介して、ノズル1A,1Bに接続される。手動弁6A,6Bは、流体機器ユニット10を半導体製造装置に組み付けた後、弁開される。
【0072】
エアオペレイトバルブ4A,4Bが、弁閉状態の間は、一次側配管から供給される薬液は、供給ライン3A,3Bに入力せず、ノズル1A,1Bからウエハに供給されない。
【0073】
一方、例えば、エアオペレイトバルブ4Aが弁開状態にされ、エアオペレイトバルブ4Bが弁閉状態である場合には、一次側配管から供給された薬液がエアオペレイトバルブ4Aから流量計5A、手動弁6Aへと流れる。薬液は、手動弁6Aで流量調整された後、ノズル1Aからウエハに吐出される。手動弁6Aは、流量計5Aの測定値を確認しながら開度調整され、ノズル1Aからウエハに供給する薬液を所望の流量に調整する。
【0074】
ところで、流体機器ユニット10は、分岐管7A,7Bとエアオペレイトバルブ4A,4Bと流量計5A,Bと手動弁6A,6Bを水平方向に配置している。そして、流体機器ユニット10は、分岐管7A,7Bの上にエアオペレイトバルブ4A,4Bを配置し、さらにその上に手動弁6A,6Bを配置している。更に、流体機器ユニット10は、パネル9を挟んでエアオペレイトバルブ4A,4Bと流量計5A,5Bと手動弁6A,6Bを配置している。このように、流体機器ユニット10は、分岐管7A,7Bやエアオペレイトバルブ4A,4B等の流体機器を三次元に配置してコンパクトにしている。そのため、流体機器の接続部分には、流体機器の自重や何かがぶつかった衝撃などで、接続方向に対して直角方向に荷重がかかることがある。
【0075】
しかし、例えば、分岐管7A,7Bの接続部分は、第1接続ユニット11に支持されている。具体的には、図3に示すように、剛性がある樹脂を材質とするガイド部材27が、接続部13A,13Bの接続部分の周りを覆うように配置され、第1及び第2固定部材28,29を介して分岐管7A,7Bに固定されている。そのため、接続部13A,13Bの接続部分に、その接続方向(流路15A,15Bの軸線)に対して直角方向の荷重が作用しても、ガイド部材27がその荷重を受け、接続部13A,13Bを撓ませない。つまり、接続部13A,13の環状突起17A,17Bをシール部材20の環状溝21,22に圧入して構成したシール部を変形させない。
【0076】
また、例えば、エアオペレイトバルブ4Aと流量計5Aの接続部分は、第2接続ユニット12に支持されている。具体的には、図12に示すように、剛性がある樹脂を材質とするガイド部材51は、接続部13A,13Bの接続部分の周りを覆うように配置され、第1及び第2固定部材28,29を介してエアオペレイトバルブ4Aと流量計5Aに固定されている。そのため、接続部13A,13Bの接続部分に、その接続方向(入力ポート57と出力ポート58の軸線)に対して直角方向の荷重が作用しても、ガイド部材51がその荷重を受け、シール部材50を介して接続する接続部13A,13Bを撓ませない。特に、ガイド部材51は、パネル9の貫通孔9aに挿通され、外周面をパネル9に支持されて補強されているため、第1接続ユニット11より撓みにくい。すなわち、接続部13A,13Bの環状突起17A,17Bをシール部材50の環状溝21,22に圧入して構成したシール部が変形しにくい。
【0077】
ところで、例えば、ノズル1A,1Bが高温の薬液をウエハに供給した後、常温の純水をウエハに供給するような場合には、樹脂製の接続部13A,13Bや第1及び第2固定部材28,29等が、熱膨張と収縮を繰り返してクリープ変形するなどして、第1及び第2固定部材28,29の締結力が低下することがある。この場合には、第1及び第2固定部材28,29が、初期締結段階で、ガイド部材27,51と段差面14A,14Bとの間に隙間S1,S2を設けているため、第1及び第2固定部材28,29を増し締めしてシール機能の低下を防ぐことが可能である。
【0078】
<作用効果>
以上説明したように、本実施形態の流体機器の接続構造X(Y)は、接続部13Aと接続部13Bとが接続する接続部分の外周に配置したガイド部材27(51)が、第1固定部材28によって分岐管7A(エアオペレイトバルブ4A)に固定され、第2固定部材29によって分岐管7B(流量計5A)に固定され、接続部13A,13Bの同軸性を接続部分で直接出して支持している(図3、図12参照)。そのため、分岐管7A,7B(エアオペレイトバルブ4A、流量計5A)などの各種流体機器は、第1接続ユニット11(第2接続ユニット12)を用いれば、二次元のみならず、三次元にも配置することが可能である(図2参照)。そして、接続部13A,13Bの接続方向に対して直角方向に作用する荷重が接続部13A,13Bに作用しても、接続部13A,13Bがガイド部材27,51に支持されて撓まないため、接続部13A,13Bの接続部分(シール部)が変形せず、シール性能を低下させない。
【0079】
よって、本実施形態の流体機器の接続構造X(Y)によれば、流体機器4A,4B,5A,5B,6A,6B,7A,7B,8の配置に自由度を持たせつつ、流体機器4A,4B,5A,5B,6A,6B,7A,7B,8の接続部分を確実にシールすることができる。
【0080】
本実施形態の流体機器の接続構造X(Y)は、接続部13Aと、シール部材20(50)を装着した接続部13Bとをガイド部材27,51に挿入して同軸上に配置し、その状態で、第1固定部材28の雌ねじ42を分岐管7A(エアオペレイトバルブ4A)の雄ねじ18Aに螺合し、第2固定部材29の雌ねじ44を分岐管7B(流量計5A)の雄ねじ18Bに螺合する(図10、図18参照)。すると、分岐管7Aと分岐管7B(エアオペレイトバルブ4Aと流量計5A)は、ガイド部材27(51)の第1及び第2係止部32,33に係止される第1固定部材28と第2固定部材29のねじ送りによって互いに近づく方向に移動し、ガイド部材27(51)内で第1接続部13Aと第2接続部13Bをシール部材20(50)を介して接続させる(図3、図12参照)。
【0081】
よって、本実施形態の流体機器の接続構造X(Y)によれば、ガイド部材27(51)に係止される第1及び第2固定部材28,29を分岐管7A,7A(エアオペレイトバルブ4A,流量計5A)などの流体機器に螺合するだけで、ガイド部材27(51)内で接続部13A,13Bの軸を合わせて接続部13A,13Bを接続することができる。
【0082】
本実施形態の流体機器の接続構造X(Y)は、ガイド部材27(51)に形成したスリット34を狭めることにより、第1及び第2係止部32,33が設けられた部分の径を小さくして、第1及び第2固定部材28,29の挿通孔41,43にガイド部材27(51)を挿通する。ガイド部材27(51)の第1及び第2係止部32,33が設けられた部分を第1及び第2固定部材28,29の挿通孔41,43に挿通したら、ガイド部材27(51)に形成したスリット34を広げ、第1及び第2係止部32,33を第1及び第2固定部材28,29の挿通孔41,43の縁に係止させる。この状態で、第1固定部材28からガイド部材27(51)に接続部13Aを挿入し、第2固定部材29からガイド部材27(51)に接続部13Bを挿入して、ガイド部材27(51)内に接続部13Aと接続部13Bを同軸上に配置する(図10、図18参照)。
【0083】
よって、本実施形態の流体機器の接続構造X(Y)によれば、第1及び第2固定部材28,29をガイド部材27(51)に簡単に装着し、ガイド部材27(51)内で接続部13A,13Bを同軸上に容易に配置できる。
【0084】
本実施形態の流体機器の接続構造Yは、パネル9にストッパ部55を突き当てるようにガイド部材51をパネル9の貫通孔9aに挿通し、ガイド部材51の雄ねじ部54に環状部材52の雌ねじ56を螺合させることにより、ストッパ部55と環状部材52との間でパネル9を挟み込み、ガイド部材51をパネル9に取り付ける(図18参照)。よって、本実施形態の流体機器の接続構造Yによれば、エアオペレイトバルブ4Aの接続部13Aと流量計5Aの接続部13Bとを同軸に配置した状態で、エアオペレイトバルブ4Aと流量計5Aを半導体製造装置のパネル9に簡単に取り付けることができる。
【0085】
本実施形態の流体機器ユニット10は、上記作用効果を有する流体機器の接続構造X,Yを用いて流体機器4A,4B,5A,5B,6A,6B,7A,7B,8を接続するので(図2参照)、流体機器4A,4B,5A,5B,6A,6B,7A,7B,8の配置に自由度を持たせつつ、流体機器4A,4B,5A,5B,6A,6B,7A,7B,8の各接続部分を確実にシールすることができる。
【0086】
尚、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、色々な応用が可能である。
【0087】
(1)例えば、上記実施形態では、流体機器ユニット10が、第2接続ユニット12をパネル9で支持した。これに対して、図19に示す流体機器ユニット10Aのように、第2接続ユニット12をパネル9で支持しない状態で使用しても良い。
【0088】
また、図19に示す第2接続ユニット12を第1接続ユニット11に変え、エアオペレイトバルブ4A,4Bの出力ポートと流量計5A,5Bの入力ポートとを接続すると共に、流量計5A,5Bの出力ポートと手動弁6A,6Bの入力ポートとを接続しても良い。第1接続ユニット11は、第2接続ユニット12より全長が短い。そのため、この場合には、エアオペレイトバルブ4A,4Bの出力ポートと流量計5A,5Bの入力ポートとの間、及び、流量計5A,5Bの出力ポートと手動弁6A,6Bの入力ポートとの間には、図18に示すロングタイプのシール部材50ではなく、図10に示すショートタイプのシール部材20を使用する。
【0089】
このように、エアオペレイトバルブ4A,4B及び流量計5A,5B、手動弁6A,6Bは、第1接続ユニット11と第2接続ユニット12の何れを使用する場合でも、接続部13A,13Bを共通して使用できる。接続部13A,13Bは、エアオペレイトバルブ4A,4Bや流量計5A,5B、手動弁6A,6Bと一体に加工されるため、第1接続ユニット11を使用する場合と第2接続ユニット12を使用する場合とで形状が異なると、エアオペレイトバルブ4A,4B等の流体機器毎に種類が増え、加工する手間やコストがかかる上に、在庫管理が大変になる。一方、シール部材20,50は、流体機器の種類を問わず使用できるため、まとまった数で製作でき、加工の手間やコストがかからず、在庫管理が容易である。従って、第1及び第2接続ユニット11,12を使用する場合に、流体機器の接続部13A,13Bの形状を共通化し、シール部材20,50の種類を増やすことの方が、シール部材を共通化し、流体機器の接続部13A,13Bの形状を変えて流体機器の種類を増やすことより、流体機器ユニットの構造全体から見て、効率が良い。
【0090】
(2)例えば、上記実施形態では、ガイド部材27,21をスリット34により複数の分割片35に完全に分割し、各分割片35を結合部36を介して連結した。しかし、スリット34は、第1及び第2固定部材28,29の挿通孔41,43にガイド部材を挿通するために設ける。
【0091】
よって、例えば、図20に示すガイド部材27Aのように、本体61の両端部からスリット62,63を所定の深さまで形成して、第1及び第2係止部32,33を分割させて複数の爪部64,65を設けても良い。
また、例えば、図21及び図22に示すガイド部材51Aに示すように、本体65の両端部からスリット62,63を所定の深さで形成し、第1及び第2係止部32,33を分割させても良い。例えば、スリット62,63を雌ねじ部54及びストッパ部55まで形成し、複数の爪部66,67を設けても良い。
【0092】
図20〜図22に示すガイド部材27A,51Aは、本体61.65が円筒状であるため、接続部13A,13Bの接続方向に対して直角方向に作用する荷重に対する強度を向上させることができるメリットがある。
【0093】
(3)例えば、上記実施形態では、シール部材20,50にガイド部26を設けた。これに対して、図23に示すシール部材70のように、ガイド部26の代わりに、本体71の中央部に大径部72を設けてもよい。この場合、スリット34を開いたり閉じたりして本体の径を変化させることが可能なガイド部材の内周面に、大径部72を嵌合させる溝を形成すれば、その溝に大径部72を嵌合させることによりシール部材70をガイド部材に対して位置決めできる。
【0094】
(4)例えば、上記実施形態では、第1及び第2固定部材28,29を分岐管7A,7Bやエアオペレイトバルブ4A、流量計5Aに螺合接続させた。これに対して、第1及び第2固定部材28,29をピンなどで分岐管7A,7Bやエアオペレイトバルブ4A、流量計5A等の流体機器に固定するようにしても良い。
(5)例えば、上記実施形態では、第1及び第2係止部32,33をガイド部材27,51の両端部に環状に設けた。これに対して。ガイド部材27,51の外周面に複数の突起を設け、その突起を第1及び第2係止部としても良い。
(6)例えば、上記実施形態では、シール部材20,50の外周面に、張出部25とガイド部26を円周方向に等間隔に設けた。これに対して、張出部25とガイド部26は必ずしも円周方向に等間隔に設けなくても良い。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の実施形態に係る流体機器ユニットの回路図である。
【図2】図1に示す点線部を具体化した流体機器ユニットの外観斜視図である。
【図3】図2に示す第1接続ユニットを用いた流体機器の接続構造の断面図である。
【図4】図3に示すシール部材の平面図である。
【図5】図4のA−A断面図である。
【図6】図4に示すガイド部材の外観斜視図である。
【図7】図6に示すガイド部材の上面図である。
【図8】図7に示すガイド部材を図中右側から見た図であって、スリットを開いた状態を示す。
【図9】図7に示すガイド部材を図中右側から見た図であって、スリットを閉じた状態を示す。
【図10】図3に示す流体機器の接続構造の分解斜視図である。
【図11】図2に示す第2接続ユニットを用いた流体機器の接続構造の側面図である。
【図12】図11に示す流体機器の接続構造のB−B断面図である。
【図13】図12に示すシール部材の縦断面図である。
【図14】図12に示すガイド部材の外観斜視図である。
【図15】図14に示すガイド部材の上面図である。
【図16】図15に示すガイド部材を図中右側から見た図であって、スリットを開いた状態を示す。
【図17】図15に示すガイド部材を図中右側から見た図であって、スリットを閉じた状態を示す。
【図18】図11に示す流体機器の接続構造の分解斜視図である。
【図19】流体機器ユニットの変形例である。
【図20】ガイド部材の第1変形例である。
【図21】ガイド部材の第2変形例である。
【図22】図21に示すガイド部材の側面図である。
【図23】シール部材の変形例である。
【図24】従来の接続構造を適用した流体機器ユニットの断面図である。
【図25】出願人が特願2007−85234号において提案した流体機器の取付構造を示す図である。
【図26】図25に示す流体機器の取付構造を利用した流体機器ユニットの外観斜視図である。
【符号の説明】
【0096】
4A エアオペレイトバルブ(第1流体機器)
5A 流量計(第2流体機器)
7A 分岐管(第1流体機器)
7B 分岐管(第2流体機器)
9 パネル
9a 貫通孔
10A 流体機器ユニット
13A 接続部(第1接続部)
13B 接続部(第2接続部)
20,50 シール部材
27,51 ガイド部材
28 第1固定部材
29 第2固定部材
32 第1係止部
33 第2係止部
34 スリット
35 分割片
36 結合部
41,43 挿通孔
42 環状部材
54 雄ねじ部
55 ストッパ部
56 雌ねじ
X,Y 流体機器の接続構造

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1流体機器の第1接続部と第2流体機器の第2接続部との間に配置したシール部材を介して、前記第1接続部と前記第2接続部とをシールさせる流体機器の接続構造において、
前記第1接続部と前記第2接続部とが接続する接続部分の外周に配置される筒状のガイド部材と、
前記ガイド部材を前記第1流体機器に固定する第1固定部材と、
前記ガイド部材を前記第2流体機器に固定する第2固定部材と、
を有することを特徴とする流体機器の接続構造。
【請求項2】
請求項1に記載する流体機器の接続構造において、
前記ガイド部材が、前記第1固定部材に係止される第1係止部と、前記第2固定部材に係止される第2係止部とを有し、
前記第1固定部材は前記第1流体機器に螺合し、
前記第2固定部材は前記第2流体機器に螺合する
ことを特徴とする流体機器の接続構造。
【請求項3】
請求項2に記載する流体機器の接続構造において、
前記第1固定部材と前記第2固定部材は、一端が閉鎖した円筒形状をなし、閉鎖面に前記ガイド部材が挿通される挿通孔が形成されており、
前記ガイド部材は、前記第1及び前記第2係止部を複数に分割するように両端部からスリットが形成されている
ことを特徴とする流体機器の接続構造。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載する流体機器の接続構造において、
雌ねじが内周面に形成された環状部材を有し、
前記ガイド部材は、前記雌ねじに螺合する雄ねじ部が形成され、前記雄ねじ部の片側に外周面から突出するストッパ部を有し、
貫通孔が形成されたパネルに前記ストッパ部を突き当てるように前記ガイド部材を前記貫通孔に挿通し、前記環状部材の前記雌ねじを前記ガイド部材の前記雄ねじ部に締め付ける
ことを特徴とする流体機器の接続構造。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れか一つに記載する流体機器の接続構造を用いて、流体機器を接続することを特徴とする流体機器ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2009−36308(P2009−36308A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−201199(P2007−201199)
【出願日】平成19年8月1日(2007.8.1)
【出願人】(000106760)シーケーディ株式会社 (627)
【Fターム(参考)】