流体機器固定装置
【課題】流体機器を簡単に着脱でき、流体機器群を簡単に変更及び追加できるとともに、配管接続のために流体機器の位置を調整できる流体機器固定装置を提供する。
【解決手段】首部材11及びその下方に設けた台座本体12からなり、前記流体機器5の底面の下方に取り付けられた台座部材1と、前記ベース22上に上下動可能に配置され、上下に貫通する貫通溝が形成されたレール部材2と、前記レール部材2又は前記台座部材1を上下方向に付勢する付勢機構3とを具備し、前記首部材11を前記貫通溝に挿通させるとともに前記台座本体12を前記レール部材2と前記ベース22との間に挿入した状態において、前記付勢機構3を動作させると前記レール部材と前記台座本体とが押し付けられて当該台座部材1が固定される一方、前記付勢機構3の動作を解除すると当該台座部材1が前記貫通溝に沿って移動できるように構成した。
【解決手段】首部材11及びその下方に設けた台座本体12からなり、前記流体機器5の底面の下方に取り付けられた台座部材1と、前記ベース22上に上下動可能に配置され、上下に貫通する貫通溝が形成されたレール部材2と、前記レール部材2又は前記台座部材1を上下方向に付勢する付勢機構3とを具備し、前記首部材11を前記貫通溝に挿通させるとともに前記台座本体12を前記レール部材2と前記ベース22との間に挿入した状態において、前記付勢機構3を動作させると前記レール部材と前記台座本体とが押し付けられて当該台座部材1が固定される一方、前記付勢機構3の動作を解除すると当該台座部材1が前記貫通溝に沿って移動できるように構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造装置に用いられる流体装置等を構成するものであって、より詳しくは、配管接続される複数の流体機器を固定するための流体機器固定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体製造装置に用いられる流体装置は、複数の流体機器等を直列接続して形成した流体機器群を、並列状に複数配置し、隣接する流体機器群間を接続手段等によって接続することによって構成されている。この時、各流体機器を、下段部材を介して基板等に固定する方法がある。
【0003】
この方法を用いた装置として、特許文献1に示すように、細長い副基板の上に、複数の下段部材が直列状にねじで取り付けられ、これらの下段部材の上に、複数の流体機器が直列状にねじで取り付けられて、流体機器群が副基板に形成され、流体機器群がそれぞれ形成された複数の副基板が1つの主基板に取り付けられて構成された装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−245900号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の構成では、各流体機器を固定するために、各流体機器等をねじで1つ1つ取り付ける必要があるので、部品数及び工数が多くなり、手間が掛かる。一方、各流体機器を取り外す際も同様に、各流体機器等のねじ止めを1つ1つ取り外す必要があり、やはり手間が掛かる。さらに、各流体機器等の固定及び取り外しが煩雑であるので、流体機器群の追加や変更もまた煩雑となってしまう。
【0006】
また、各流体機器を基板等に固定するだけでなく、さらに、流体機器間の配管を接続する必要がある。しかしながら、下段部材を介して固定された流体機器は移動させることができず、流体機器の配管接続のために、流体機器の位置を調整することが困難となってしまう。
【0007】
そこで、本発明は、上記の問題を解決すべく、流体機器を簡単に着脱でき、流体機器群を簡単に変更及び追加できるとともに、配管接続のために流体機器の位置を調整できる流体機器固定装置を提供することをその主たる所期課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明に係る流体機器固定装置は、配管接続される複数の流体機器をベース上に固定するための流体機器固定装置であって、首部材及びその下方に設けた台座本体からなり、前記流体機器の底面の下方に取り付けられた台座部材と、前記ベース上に配置されるとともに、上下に貫通する貫通溝が形成されたレール部材と、前記レール部材又は前記台座部材を上下方向に付勢する付勢機構とを具備し、前記首部材を前記貫通溝に挿通させるとともに前記台座本体を前記レール部材と前記ベースとの間に挿入した状態において、前記付勢機構を動作させると前記レール部材と前記台座本体とが押し付けられて当該台座部材が固定される一方、前記付勢機構の動作を解除すると当該台座部材が前記貫通溝に沿って移動できるように構成したことを特徴とする。なお、ここで上下方向とは便宜的にベースと垂直な方向を言い、流体機器からベースに向かう方向を下方とするものであり、使用状態においては上下方向を逆にしたり、左右方向にしたり、斜めにしたりして用いてもよい。
【0009】
このようなものであれば、付勢機構の動作を解除すると、台座部材が貫通溝に沿って移動できるので、個々の流体機器又は配管接続された複数の流体機器全体のいずれであっても、貫通溝に沿って移動させることができ、配管接続のために流体機器の位置を調整することができる。
また、付勢機構を動作させると台座部材を固定できるので、各流体機器等を1つ1つねじで取り付けることなく、流体機器を簡単に取り付けることができる。一方、付勢機構の動作を解除すると台座部材を移動できるので、各流体機器等のねじ止めを1つ1つ取り外したりすることなく、流体機器を移動させて簡単に取り外すことができる。従って、流体機器を簡単に変更したり、追加したりすることができる。
【0010】
前記レール部材が上下動可能に設けられており、前記付勢機構が前記レール部材をベースに向かって付勢すると、前記台座本体が前記レール部材と前記ベースとの間で挟圧されるものであってもよい。
【0011】
前記レール部材の複数箇所に、前記台座本体を上下に挿通させることができる大きさの挿通孔を設け、該挿通孔を前記貫通溝に連続させているものであってもよい。このようなものであれば、挿通孔から台座本体を挿通させることができるので、変更しない流体機器を取り付けたままの状態で、変更する流体機器だけを着脱できる。
【0012】
より移動させやすくするためには、前記台座本体がベース上で転動する転動体を具備したものが望ましい。
【0013】
固定時にずれにくくするためには、前記ベースの表面が弾性変形可能に構成されているものが望ましい。
【発明の効果】
【0014】
このように構成した本発明によれば、流体機器を簡単に着脱でき、流体機器群を簡単に変更及び追加できるとともに、個々の流体機器又は配管接続された複数の流体機器全体のいずれであっても、配管接続のために流体機器の位置を調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態における流体機器固定装置を示す側面図。
【図2】同実施形態における流体機器固定装置を用いて流体機器を固定する手順を示す図。
【図3】同実施形態における流体機器固定装置を用いて流体機器を交換及び追加する手順を示す図。
【図4】他の実施形態における流体機器固定装置を用いて流体機器を固定する手順を示す図。
【図5】他の実施形態における流体機器固定装置を用いて流体機器を固定する手順を示す図。
【図6】さらに他の実施形態における流体機器固定装置を示す図。
【図7】さらに他の実施形態における流体機器固定装置を示す図。
【図8】実施形態で用いられる配管継ぎ手を平面方向から視たときの構成図。
【図9】同実施形態における位置決めリング等を示す分解斜視図。
【図10】同実施形態における結合リングを軸方向から視たときの構成図。
【図11】同実施形態における配管継ぎ手の縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0017】
本実施形態に係る流体機器固定装置100は、例えば半導体製造装置に材料ガス等を供給すべく、複数の流体機器5を平面的に接続して形成したいわゆるガスパネル装置に用いられるものであり、図1(a)等に示すように、各流体機器5の底面に取り付けた台座部材1と、この台座部材1を平板状のベース22との間で挟み込むためのレール部材2と、このレール部材2を下方に付勢して前記台座部材1をベース22に向かって押し付ける力を付与する付勢機構3とを具備している。なお、ここでの流体機器5とは、例えば、圧力センサ、マスフローコントローラ、バルブ等のことである。
【0018】
各部を説明すると、台座部材1は、図1(a)等に示すように、流体機器5の底面に取り付けるためのブラケット部材10と、このブラケット部材10の下面から垂下させた首部材11と、この首部材11の下方に連続して設けたボディ13と、このボディ13の下面に水平旋回自在に取り付けた転動体たるキャスタ14とを具備したものである。なお、ボディ13及びキャスタ14が請求項における台座本体12を構成する。
【0019】
首部材11は、柱状をなすものであり、ボディ13はそれよりも大きい径の円柱状をなすものである。つまり、上から見てボディ13はその外輪郭が首部材11よりも外方に突出し、その突出した上面部分が、後述する被押圧面13aとしてレール部材2の下面2aで押されるように構成してある。
レール部材2は、図1及び図2(a)等に示すように、ベース22上に上下動可能に配置された等厚平板状をなすものであり、この実施形態では、長手方向に沿って延びる、等幅直線状の貫通溝20が平行に複数(ここでは3つ)形成してある。このレール部材2にはさらに、円形状の挿通孔21が貫通溝20に連続して複数個所(ここでは各貫通溝20に5箇所ずつ、合計15箇所)設けられている。貫通溝20の幅はボディ13の直径よりも小さく、首部材11の太さよりも大きく設定される一方、挿通孔21の直径はボディ13及びキャスタ14を上下に挿通させることができる大きさである。
【0020】
付勢機構3は、図1(a)(b)等に示すように、例えば、レール部材2の端部を貫通させたボルト30を、ベース22に設けたねじ穴(図示しない)に螺合させたものであり、ボルト30を締めることによって、前述したように、レール部材2を下方に付勢するものである。さらに、ばね23が、ボルト30に巻きつくように外嵌している。なお、付勢機構3はボルト30及びねじ穴のような締結部材に限られるものではなく、ばね等の弾性体等を用いてレール部材2を下方に付勢するようにしてもよい。
【0021】
なお、この実施形態では、ベース22の表面22aを弾性板で形成している。
【0022】
次に、本実施形態の流体機器固定装置100を用いて、流体機器5を固定する手順を説明する。まず、付勢機構3の動作が解除された状態、すなわちボルト30を緩め、ばね23の力によってレール部材2が上方に持ち上げられた状態にしておく。(図2(a))
【0023】
そして、流体機器5の底部に取り付けられた台座部材1を、当該流体機器5に対応する挿通孔21に上から挿入する。キャスタ14がベース22に接した状態では、台座本体12がレール部材2とベース22との間に位置し、首部材11が挿通孔21に挿通している状態となる。そして、図2(b)に示すように、それら流体機器5を配管継ぎ手4を用いて配管で接続する。
【0024】
配管及び配管継ぎ手4の一例について説明しておく。配管は、特に図8に示すように、各流体機器5のインレットポートやアウトレットポートに予め基端が接続してあるもので、組み立て前の状態ではその先端部には後述するフランジ部61が設けられている。また、ここでは各配管に全て同一径のものを用いている。
【0025】
配管継ぎ手4は、図8〜図11に示すように、前記配管4の先端部外周に溶接等によって一体に形成したフランジ部61と、配管同士を接続すべく対向させた前記フランジ部61間に介在するガスケット62と、前記フランジ部61同士の軸合わせをする位置決めリング63と、これらフランジ部61を圧接結合する結合部材たる結合リング24とを具備したものである。
【0026】
フランジ部61は、図9等に示すように、円環板状をなすもので、その先端面(以下対向面とも言う)には閉じた円環状の突条61aが設けてある。また、その裏面には先端ほど径が拡がる向きの傾斜面61bが形成してあり、その外周面における先端部分61cには、段を形成してこの先端部分61cの外径が他の部分よりも小さくなるように構成してある。
【0027】
ガスケット62は、図9等に示すように、その内径が配管の内径と一致し、外径が前記フランジ部先端部分61cの外径と一致する薄い等厚円環板状をなすものである。
【0028】
位置決めリング63は、図9等に示すように、円筒状をなすものであり、弾性変形可能な金属を用いて構成してある。そして、前記フランジ部先端部分61cにガタ無く外嵌するように、この位置決めリング63の内径を前記先端部分61cの外径と一致させてある。
【0029】
結合リング24は、図10等に示すように、隣り合うもの同士が互いに回転可能に連結された一連のリングパーツ241と、両端のリングパーツ241同士を結合して環状とするための締結具242とを具備したものである。各リングパーツ241(ここでは3つ)の内周面には、周方向に延びる有底嵌合溝24aが設けてある。そして、この嵌合溝24aの側面には前記フランジ部61の裏面に形成した傾斜面61bに対応する傾斜面24a1が形成してある。
【0030】
かかる配管継ぎ手4によって前記配管同士を接続する際には、まず接続すべき一方の配管に設けたフランジ部先端部分61cに前記位置決めリング63の一端部を外嵌する。次に位置決めリング63の他端部にガスケット62と他方の配管に設けたフランジ部先端部分61cとをこの順で軸方向から嵌め込む。その結果、各フランジ部61及びガスケット62、ひいては各配管が中心軸を一致させて保持される。
【0031】
その後、対向近接した一対のフランジ部61に、端部リングパーツ241同士が連結されていないオープン状態とした結合リング24を回し込み、その嵌合溝24aをフランジ部61の外周縁部に嵌め込む。そして、この結合リング24の端部リングパーツ241同士を、前記締結具242によって結合し締め付ける。このことによって、結合リング24の内径が縮小し、嵌合溝24aの側面傾斜面24a1が各フランジ部61の裏面傾斜面61bを径方向に押圧する。その際、前記傾斜面61bによって各フランジ部61を軸方向に相寄る向きに移動させる分力が発生し、この分力によって、フランジ部61同士が、その円環突条61aをガスケット62に食い込ませながら圧着され、配管同士が気密に接続される。
【0032】
なお、この実施形態では、流体機器5の間隔に合わせて挿通孔21の間隔が設定されているので、先に流体機器5を配管接続してラインを形成しておき、互いに接続されたそれら流体機器5の台座部材1を、一挙に挿通孔21に挿入しても構わない。
【0033】
しかしてこの状態では、台座本体12が挿通孔21の直下にあるので、このままでは上方に抜けてしまう。そこで、図2(c)及び図1(a)に示すように、台座本体12が貫通溝20の下方に位置するように、キャスタ14を転動させながら、流体機器5を貫通溝20に沿って移動させる。この時、全ての台座本体12が貫通溝20の下方に位置する必要はなく、少なくとも1つの台座部材1が貫通溝20の下方に位置するものであればよい。
【0034】
この状態でボルト30を締め込み、付勢機構3を動作させる。そうすると、ばね23の力にさからってレール部材2が下方に移動し、貫通溝20近傍の下面2aが台座本体12の上面である被押圧面13aを下方に押し付ける。このことによって、台座本体12は、レール部材2とベース22の間に挟まれて固定される。(図1(b))
このとき、ベース22の表面22aは弾性板で形成されているので、台座本体12の下部が弾性板にくい込み、台座部材1がずれないように固定される。
【0035】
流体機器5を取り外すときは、逆の手順で行う。
【0036】
かかる構成の流体機器固定装置100によれば、流体機器5を簡単に着脱でき、流体機器5群を簡単に変更及び追加できるとともに、個々の流体機器5又は配管接続された複数の流体機器5全体のいずれであっても、配管接続のために流体機器5の位置を調整できる。
さらに、流体機器5の間隔に合わせて挿通孔21の間隔が設定されているので、配管接続された複数の流体機器5の台座部材1を、一挙に挿通孔21に挿入して、流体機器5を取り付けることも可能である。
【0037】
また、1つの流体機器5を交換するときも容易にできる。ボルト30を緩めてレール部材2を持ち上げ、流体機器5が貫通溝20の延伸方向に移動可能な状態にしておいて、交換したい流体機器5の配管継ぎ手4を取り外す。その後、図3(a)に示すように、その両隣の流体機器5を若干外側に移動させ、交換したい流体機器5を挿通孔21から引き抜く。
【0038】
次に別の流体機器5を当該挿通孔21から挿入し、両隣の流体機器5を引き寄せて配管接続する。その後、図3(b)に示すように、台座本体12が貫通溝20の下方に位置するように、流体機器5を貫通溝20に沿って移動させて、ボルト30を締め込み、台座本体12を固定する。
【0039】
更に、図3(c)に示すように、流体機器5を追加することも同様に容易にできる。
【0040】
なお、本発明は前記実施形態に限られない。例えば、図4(a)に示すように、挿通孔21は必ずしも流体機器5の数だけ必要なわけではなく、また、流体機器5の接続間隔に合わせる必要もない。挿通孔21が流体機器5より少ない場合の取り付け、取り外し方法については、次の通りである。すなわち、まず、ボルト30を緩め、レール部材2が上方に持ち上げられた状態で、図4(b)に示すように、流体機器5の底部に取り付けられた台座部材1を、挿通孔21に上から挿入し、貫通溝20に沿って移動させる。次に、図5(a)に示すように、他の流体機器5を順次挿通孔21に挿入し、隣り合う流体機器5を引き寄せて、それぞれ配管接続する。その後、図5(b)に示すように、台座本体12が貫通溝20の下方に位置するように流体機器5を移動させ、ボルト30を締め込むと、台座部材1が固定される。
【0041】
また、挿通孔21は設けなくともよい。その場合、図6に一例を示すように、貫通溝20をレール部材2の端面にまで延伸させる必要がある。
加えていえば、貫通溝20は互いに平行な複数の直方体形状である必要はなく、複数の貫通溝20が連続するように直交又は交差して設けられたり、貫通溝20がコの字型形状、L字型形状、十字型形状に設けられたりしてもよい。
【0042】
レール部材は上下方向に移動するものとしたが、斜め下方向、斜め上方向等に移動するものとしてもよい。要は、少なくとも上下方向に移動するものであればよい。
【0043】
さらに、キャスタは必ずしも必要ないし、台座本体は直方体形状の部材等であってもよい。
【0044】
全ての流体機器の底面に台座部材を取り付ける必要はなく、複数の流体機器の少なくとも1つに台座部材が取り付けられているものであればよい。また、台座部材を流体機器に1つ又は複数設けるものとしてもよい。
【0045】
加えて言えば、流体機器の接続間隔がそれぞれ異なる場合、1つの接続間隔を基準接続間隔として、各流体機器に対して、基準接続間隔ごとに1つ又は複数の台座部材を設けるようにしてもよい。さらに、挿通孔を基準接続間隔毎に等間隔に設けるものとしてもよい。このようなものであれば、各流体機器と対応する挿通孔からでなくとも、互いに接続された複数の流体機器の台座部材を一挙に挿通孔に挿入したり、抜き去ったりすることができる。
【0046】
本実施形態では台座部材は流体機器の各面のうち、ベースと対向する面である底面に取り付けられたものとしたが、流体機器の側面や天面等の各面に取り付けたブラケット部材等を介して取り付けるものとしてもよい。
【0047】
レール部材を上下に動かないものとし、台座本体が伸縮してベースとレール部材との間に挟まれて固定されるようにしたものでも構わない。また、図7に示すように、レール部材2’を上下方向に動かないものとし、付勢部材31及びばね32を備える付勢機構3’が台座部材1のブラケット部材10を上方に付勢することで、台座本体12とレール部材2’が押し付けられて台座部材1が固定されるようにしたものでも構わない。
【0048】
その他、本発明は各構成を組み合わせてもよく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0049】
100・・・流体装置固定装置
1・・・台座部材
10・・・ブラケット部材
11・・・首部材
12・・・台座本体
13・・・ボディ
13a・・・被押圧面
14・・・キャスタ
2・・・レール部材
2a・・・レール部材の下面
20・・・貫通溝
21・・・挿通孔
22・・・ベース
22a・・・ベースの表面
23・・・ばね
3・・・付勢機構
30・・・ボルト
4・・・配管継ぎ手
5・・・流体機器
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造装置に用いられる流体装置等を構成するものであって、より詳しくは、配管接続される複数の流体機器を固定するための流体機器固定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体製造装置に用いられる流体装置は、複数の流体機器等を直列接続して形成した流体機器群を、並列状に複数配置し、隣接する流体機器群間を接続手段等によって接続することによって構成されている。この時、各流体機器を、下段部材を介して基板等に固定する方法がある。
【0003】
この方法を用いた装置として、特許文献1に示すように、細長い副基板の上に、複数の下段部材が直列状にねじで取り付けられ、これらの下段部材の上に、複数の流体機器が直列状にねじで取り付けられて、流体機器群が副基板に形成され、流体機器群がそれぞれ形成された複数の副基板が1つの主基板に取り付けられて構成された装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−245900号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の構成では、各流体機器を固定するために、各流体機器等をねじで1つ1つ取り付ける必要があるので、部品数及び工数が多くなり、手間が掛かる。一方、各流体機器を取り外す際も同様に、各流体機器等のねじ止めを1つ1つ取り外す必要があり、やはり手間が掛かる。さらに、各流体機器等の固定及び取り外しが煩雑であるので、流体機器群の追加や変更もまた煩雑となってしまう。
【0006】
また、各流体機器を基板等に固定するだけでなく、さらに、流体機器間の配管を接続する必要がある。しかしながら、下段部材を介して固定された流体機器は移動させることができず、流体機器の配管接続のために、流体機器の位置を調整することが困難となってしまう。
【0007】
そこで、本発明は、上記の問題を解決すべく、流体機器を簡単に着脱でき、流体機器群を簡単に変更及び追加できるとともに、配管接続のために流体機器の位置を調整できる流体機器固定装置を提供することをその主たる所期課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明に係る流体機器固定装置は、配管接続される複数の流体機器をベース上に固定するための流体機器固定装置であって、首部材及びその下方に設けた台座本体からなり、前記流体機器の底面の下方に取り付けられた台座部材と、前記ベース上に配置されるとともに、上下に貫通する貫通溝が形成されたレール部材と、前記レール部材又は前記台座部材を上下方向に付勢する付勢機構とを具備し、前記首部材を前記貫通溝に挿通させるとともに前記台座本体を前記レール部材と前記ベースとの間に挿入した状態において、前記付勢機構を動作させると前記レール部材と前記台座本体とが押し付けられて当該台座部材が固定される一方、前記付勢機構の動作を解除すると当該台座部材が前記貫通溝に沿って移動できるように構成したことを特徴とする。なお、ここで上下方向とは便宜的にベースと垂直な方向を言い、流体機器からベースに向かう方向を下方とするものであり、使用状態においては上下方向を逆にしたり、左右方向にしたり、斜めにしたりして用いてもよい。
【0009】
このようなものであれば、付勢機構の動作を解除すると、台座部材が貫通溝に沿って移動できるので、個々の流体機器又は配管接続された複数の流体機器全体のいずれであっても、貫通溝に沿って移動させることができ、配管接続のために流体機器の位置を調整することができる。
また、付勢機構を動作させると台座部材を固定できるので、各流体機器等を1つ1つねじで取り付けることなく、流体機器を簡単に取り付けることができる。一方、付勢機構の動作を解除すると台座部材を移動できるので、各流体機器等のねじ止めを1つ1つ取り外したりすることなく、流体機器を移動させて簡単に取り外すことができる。従って、流体機器を簡単に変更したり、追加したりすることができる。
【0010】
前記レール部材が上下動可能に設けられており、前記付勢機構が前記レール部材をベースに向かって付勢すると、前記台座本体が前記レール部材と前記ベースとの間で挟圧されるものであってもよい。
【0011】
前記レール部材の複数箇所に、前記台座本体を上下に挿通させることができる大きさの挿通孔を設け、該挿通孔を前記貫通溝に連続させているものであってもよい。このようなものであれば、挿通孔から台座本体を挿通させることができるので、変更しない流体機器を取り付けたままの状態で、変更する流体機器だけを着脱できる。
【0012】
より移動させやすくするためには、前記台座本体がベース上で転動する転動体を具備したものが望ましい。
【0013】
固定時にずれにくくするためには、前記ベースの表面が弾性変形可能に構成されているものが望ましい。
【発明の効果】
【0014】
このように構成した本発明によれば、流体機器を簡単に着脱でき、流体機器群を簡単に変更及び追加できるとともに、個々の流体機器又は配管接続された複数の流体機器全体のいずれであっても、配管接続のために流体機器の位置を調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態における流体機器固定装置を示す側面図。
【図2】同実施形態における流体機器固定装置を用いて流体機器を固定する手順を示す図。
【図3】同実施形態における流体機器固定装置を用いて流体機器を交換及び追加する手順を示す図。
【図4】他の実施形態における流体機器固定装置を用いて流体機器を固定する手順を示す図。
【図5】他の実施形態における流体機器固定装置を用いて流体機器を固定する手順を示す図。
【図6】さらに他の実施形態における流体機器固定装置を示す図。
【図7】さらに他の実施形態における流体機器固定装置を示す図。
【図8】実施形態で用いられる配管継ぎ手を平面方向から視たときの構成図。
【図9】同実施形態における位置決めリング等を示す分解斜視図。
【図10】同実施形態における結合リングを軸方向から視たときの構成図。
【図11】同実施形態における配管継ぎ手の縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0017】
本実施形態に係る流体機器固定装置100は、例えば半導体製造装置に材料ガス等を供給すべく、複数の流体機器5を平面的に接続して形成したいわゆるガスパネル装置に用いられるものであり、図1(a)等に示すように、各流体機器5の底面に取り付けた台座部材1と、この台座部材1を平板状のベース22との間で挟み込むためのレール部材2と、このレール部材2を下方に付勢して前記台座部材1をベース22に向かって押し付ける力を付与する付勢機構3とを具備している。なお、ここでの流体機器5とは、例えば、圧力センサ、マスフローコントローラ、バルブ等のことである。
【0018】
各部を説明すると、台座部材1は、図1(a)等に示すように、流体機器5の底面に取り付けるためのブラケット部材10と、このブラケット部材10の下面から垂下させた首部材11と、この首部材11の下方に連続して設けたボディ13と、このボディ13の下面に水平旋回自在に取り付けた転動体たるキャスタ14とを具備したものである。なお、ボディ13及びキャスタ14が請求項における台座本体12を構成する。
【0019】
首部材11は、柱状をなすものであり、ボディ13はそれよりも大きい径の円柱状をなすものである。つまり、上から見てボディ13はその外輪郭が首部材11よりも外方に突出し、その突出した上面部分が、後述する被押圧面13aとしてレール部材2の下面2aで押されるように構成してある。
レール部材2は、図1及び図2(a)等に示すように、ベース22上に上下動可能に配置された等厚平板状をなすものであり、この実施形態では、長手方向に沿って延びる、等幅直線状の貫通溝20が平行に複数(ここでは3つ)形成してある。このレール部材2にはさらに、円形状の挿通孔21が貫通溝20に連続して複数個所(ここでは各貫通溝20に5箇所ずつ、合計15箇所)設けられている。貫通溝20の幅はボディ13の直径よりも小さく、首部材11の太さよりも大きく設定される一方、挿通孔21の直径はボディ13及びキャスタ14を上下に挿通させることができる大きさである。
【0020】
付勢機構3は、図1(a)(b)等に示すように、例えば、レール部材2の端部を貫通させたボルト30を、ベース22に設けたねじ穴(図示しない)に螺合させたものであり、ボルト30を締めることによって、前述したように、レール部材2を下方に付勢するものである。さらに、ばね23が、ボルト30に巻きつくように外嵌している。なお、付勢機構3はボルト30及びねじ穴のような締結部材に限られるものではなく、ばね等の弾性体等を用いてレール部材2を下方に付勢するようにしてもよい。
【0021】
なお、この実施形態では、ベース22の表面22aを弾性板で形成している。
【0022】
次に、本実施形態の流体機器固定装置100を用いて、流体機器5を固定する手順を説明する。まず、付勢機構3の動作が解除された状態、すなわちボルト30を緩め、ばね23の力によってレール部材2が上方に持ち上げられた状態にしておく。(図2(a))
【0023】
そして、流体機器5の底部に取り付けられた台座部材1を、当該流体機器5に対応する挿通孔21に上から挿入する。キャスタ14がベース22に接した状態では、台座本体12がレール部材2とベース22との間に位置し、首部材11が挿通孔21に挿通している状態となる。そして、図2(b)に示すように、それら流体機器5を配管継ぎ手4を用いて配管で接続する。
【0024】
配管及び配管継ぎ手4の一例について説明しておく。配管は、特に図8に示すように、各流体機器5のインレットポートやアウトレットポートに予め基端が接続してあるもので、組み立て前の状態ではその先端部には後述するフランジ部61が設けられている。また、ここでは各配管に全て同一径のものを用いている。
【0025】
配管継ぎ手4は、図8〜図11に示すように、前記配管4の先端部外周に溶接等によって一体に形成したフランジ部61と、配管同士を接続すべく対向させた前記フランジ部61間に介在するガスケット62と、前記フランジ部61同士の軸合わせをする位置決めリング63と、これらフランジ部61を圧接結合する結合部材たる結合リング24とを具備したものである。
【0026】
フランジ部61は、図9等に示すように、円環板状をなすもので、その先端面(以下対向面とも言う)には閉じた円環状の突条61aが設けてある。また、その裏面には先端ほど径が拡がる向きの傾斜面61bが形成してあり、その外周面における先端部分61cには、段を形成してこの先端部分61cの外径が他の部分よりも小さくなるように構成してある。
【0027】
ガスケット62は、図9等に示すように、その内径が配管の内径と一致し、外径が前記フランジ部先端部分61cの外径と一致する薄い等厚円環板状をなすものである。
【0028】
位置決めリング63は、図9等に示すように、円筒状をなすものであり、弾性変形可能な金属を用いて構成してある。そして、前記フランジ部先端部分61cにガタ無く外嵌するように、この位置決めリング63の内径を前記先端部分61cの外径と一致させてある。
【0029】
結合リング24は、図10等に示すように、隣り合うもの同士が互いに回転可能に連結された一連のリングパーツ241と、両端のリングパーツ241同士を結合して環状とするための締結具242とを具備したものである。各リングパーツ241(ここでは3つ)の内周面には、周方向に延びる有底嵌合溝24aが設けてある。そして、この嵌合溝24aの側面には前記フランジ部61の裏面に形成した傾斜面61bに対応する傾斜面24a1が形成してある。
【0030】
かかる配管継ぎ手4によって前記配管同士を接続する際には、まず接続すべき一方の配管に設けたフランジ部先端部分61cに前記位置決めリング63の一端部を外嵌する。次に位置決めリング63の他端部にガスケット62と他方の配管に設けたフランジ部先端部分61cとをこの順で軸方向から嵌め込む。その結果、各フランジ部61及びガスケット62、ひいては各配管が中心軸を一致させて保持される。
【0031】
その後、対向近接した一対のフランジ部61に、端部リングパーツ241同士が連結されていないオープン状態とした結合リング24を回し込み、その嵌合溝24aをフランジ部61の外周縁部に嵌め込む。そして、この結合リング24の端部リングパーツ241同士を、前記締結具242によって結合し締め付ける。このことによって、結合リング24の内径が縮小し、嵌合溝24aの側面傾斜面24a1が各フランジ部61の裏面傾斜面61bを径方向に押圧する。その際、前記傾斜面61bによって各フランジ部61を軸方向に相寄る向きに移動させる分力が発生し、この分力によって、フランジ部61同士が、その円環突条61aをガスケット62に食い込ませながら圧着され、配管同士が気密に接続される。
【0032】
なお、この実施形態では、流体機器5の間隔に合わせて挿通孔21の間隔が設定されているので、先に流体機器5を配管接続してラインを形成しておき、互いに接続されたそれら流体機器5の台座部材1を、一挙に挿通孔21に挿入しても構わない。
【0033】
しかしてこの状態では、台座本体12が挿通孔21の直下にあるので、このままでは上方に抜けてしまう。そこで、図2(c)及び図1(a)に示すように、台座本体12が貫通溝20の下方に位置するように、キャスタ14を転動させながら、流体機器5を貫通溝20に沿って移動させる。この時、全ての台座本体12が貫通溝20の下方に位置する必要はなく、少なくとも1つの台座部材1が貫通溝20の下方に位置するものであればよい。
【0034】
この状態でボルト30を締め込み、付勢機構3を動作させる。そうすると、ばね23の力にさからってレール部材2が下方に移動し、貫通溝20近傍の下面2aが台座本体12の上面である被押圧面13aを下方に押し付ける。このことによって、台座本体12は、レール部材2とベース22の間に挟まれて固定される。(図1(b))
このとき、ベース22の表面22aは弾性板で形成されているので、台座本体12の下部が弾性板にくい込み、台座部材1がずれないように固定される。
【0035】
流体機器5を取り外すときは、逆の手順で行う。
【0036】
かかる構成の流体機器固定装置100によれば、流体機器5を簡単に着脱でき、流体機器5群を簡単に変更及び追加できるとともに、個々の流体機器5又は配管接続された複数の流体機器5全体のいずれであっても、配管接続のために流体機器5の位置を調整できる。
さらに、流体機器5の間隔に合わせて挿通孔21の間隔が設定されているので、配管接続された複数の流体機器5の台座部材1を、一挙に挿通孔21に挿入して、流体機器5を取り付けることも可能である。
【0037】
また、1つの流体機器5を交換するときも容易にできる。ボルト30を緩めてレール部材2を持ち上げ、流体機器5が貫通溝20の延伸方向に移動可能な状態にしておいて、交換したい流体機器5の配管継ぎ手4を取り外す。その後、図3(a)に示すように、その両隣の流体機器5を若干外側に移動させ、交換したい流体機器5を挿通孔21から引き抜く。
【0038】
次に別の流体機器5を当該挿通孔21から挿入し、両隣の流体機器5を引き寄せて配管接続する。その後、図3(b)に示すように、台座本体12が貫通溝20の下方に位置するように、流体機器5を貫通溝20に沿って移動させて、ボルト30を締め込み、台座本体12を固定する。
【0039】
更に、図3(c)に示すように、流体機器5を追加することも同様に容易にできる。
【0040】
なお、本発明は前記実施形態に限られない。例えば、図4(a)に示すように、挿通孔21は必ずしも流体機器5の数だけ必要なわけではなく、また、流体機器5の接続間隔に合わせる必要もない。挿通孔21が流体機器5より少ない場合の取り付け、取り外し方法については、次の通りである。すなわち、まず、ボルト30を緩め、レール部材2が上方に持ち上げられた状態で、図4(b)に示すように、流体機器5の底部に取り付けられた台座部材1を、挿通孔21に上から挿入し、貫通溝20に沿って移動させる。次に、図5(a)に示すように、他の流体機器5を順次挿通孔21に挿入し、隣り合う流体機器5を引き寄せて、それぞれ配管接続する。その後、図5(b)に示すように、台座本体12が貫通溝20の下方に位置するように流体機器5を移動させ、ボルト30を締め込むと、台座部材1が固定される。
【0041】
また、挿通孔21は設けなくともよい。その場合、図6に一例を示すように、貫通溝20をレール部材2の端面にまで延伸させる必要がある。
加えていえば、貫通溝20は互いに平行な複数の直方体形状である必要はなく、複数の貫通溝20が連続するように直交又は交差して設けられたり、貫通溝20がコの字型形状、L字型形状、十字型形状に設けられたりしてもよい。
【0042】
レール部材は上下方向に移動するものとしたが、斜め下方向、斜め上方向等に移動するものとしてもよい。要は、少なくとも上下方向に移動するものであればよい。
【0043】
さらに、キャスタは必ずしも必要ないし、台座本体は直方体形状の部材等であってもよい。
【0044】
全ての流体機器の底面に台座部材を取り付ける必要はなく、複数の流体機器の少なくとも1つに台座部材が取り付けられているものであればよい。また、台座部材を流体機器に1つ又は複数設けるものとしてもよい。
【0045】
加えて言えば、流体機器の接続間隔がそれぞれ異なる場合、1つの接続間隔を基準接続間隔として、各流体機器に対して、基準接続間隔ごとに1つ又は複数の台座部材を設けるようにしてもよい。さらに、挿通孔を基準接続間隔毎に等間隔に設けるものとしてもよい。このようなものであれば、各流体機器と対応する挿通孔からでなくとも、互いに接続された複数の流体機器の台座部材を一挙に挿通孔に挿入したり、抜き去ったりすることができる。
【0046】
本実施形態では台座部材は流体機器の各面のうち、ベースと対向する面である底面に取り付けられたものとしたが、流体機器の側面や天面等の各面に取り付けたブラケット部材等を介して取り付けるものとしてもよい。
【0047】
レール部材を上下に動かないものとし、台座本体が伸縮してベースとレール部材との間に挟まれて固定されるようにしたものでも構わない。また、図7に示すように、レール部材2’を上下方向に動かないものとし、付勢部材31及びばね32を備える付勢機構3’が台座部材1のブラケット部材10を上方に付勢することで、台座本体12とレール部材2’が押し付けられて台座部材1が固定されるようにしたものでも構わない。
【0048】
その他、本発明は各構成を組み合わせてもよく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0049】
100・・・流体装置固定装置
1・・・台座部材
10・・・ブラケット部材
11・・・首部材
12・・・台座本体
13・・・ボディ
13a・・・被押圧面
14・・・キャスタ
2・・・レール部材
2a・・・レール部材の下面
20・・・貫通溝
21・・・挿通孔
22・・・ベース
22a・・・ベースの表面
23・・・ばね
3・・・付勢機構
30・・・ボルト
4・・・配管継ぎ手
5・・・流体機器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管接続される複数の流体機器をベース上に固定するための流体機器固定装置であって、
首部材及びその下方に設けた台座本体からなり、前記流体機器の底面の下方に取り付けられた台座部材と、
前記ベース上に配置されるとともに、上下に貫通する貫通溝が形成されたレール部材と、
前記レール部材又は前記台座部材を上下方向に付勢する付勢機構とを具備し、
前記首部材を前記貫通溝に挿通させるとともに前記台座本体を前記レール部材と前記ベースとの間に挿入した状態において、前記付勢機構を動作させると前記レール部材と前記台座本体とが押し付けられて当該台座部材が固定される一方、前記付勢機構の動作を解除すると当該台座部材が前記貫通溝に沿って移動できるように構成したことを特徴とする流体機器固定装置。
【請求項2】
前記レール部材が上下動可能に設けられており、
前記付勢機構が前記レール部材をベースに向かって付勢すると、前記台座本体が前記レール部材と前記ベースとの間で挟圧されることを特徴とする流体機器固定装置。
【請求項3】
前記レール部材の複数箇所に、前記台座本体を上下に挿通させることができる大きさの挿通孔を設け、該挿通孔を前記貫通溝に連続させていることを特徴とする請求項1又は2記載の流体機器固定装置。
【請求項4】
前記台座本体がベース上で転動する転動体を具備したものであることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の流体機器固定装置。
【請求項5】
前記ベースの表面が弾性変形可能に構成されている請求項1乃至4いずれか記載の流体機器固定装置。
【請求項6】
配管接続される複数の流体機器をベース上に固定すべく、首部材及びその下方に設けた台座本体からなり、前記流体機器の底面の下方に取り付けられた台座部材とともに用いられるものであって、
前記ベース上に上下動可能に配置されるとともに、上下に貫通する貫通溝が形成されており、前記首部材を前記貫通溝に挿通させるとともに、前記台座本体を前記ベースとの間に挿入した状態において、前記上下方向の付勢力を付与することによって前記台座本体が押し付けられて固定される一方、前記付勢力を解除することによって前記台座部材が貫通溝に沿ってベース上を移動できるように構成したものであることを特徴とするレール部材。
【請求項7】
配管接続される複数の流体機器をベース上に固定すべく、前記ベース上に上下動可能に配置されるとともに上下に貫通する貫通溝が形成されたレール部材と、上下方向の付勢力を付与する付勢機構とともに用いられるものであって、
首部材及びその下方に設けた台座本体とを具備するとともに、前記流体機器の底面の下方に取り付けられており、
前記首部材を前記貫通溝に挿通させるとともに前記台座本体を前記レール部材と前記ベースとの間に挿入した状態において、前記付勢機構を動作させると前記台座本体と前記レール部材とが押し付けられて固定される一方、前記付勢機構の動作を解除すると前記台座本体が貫通溝に沿ってベース上を移動できるように構成したことを特徴とする台座部材。
【請求項1】
配管接続される複数の流体機器をベース上に固定するための流体機器固定装置であって、
首部材及びその下方に設けた台座本体からなり、前記流体機器の底面の下方に取り付けられた台座部材と、
前記ベース上に配置されるとともに、上下に貫通する貫通溝が形成されたレール部材と、
前記レール部材又は前記台座部材を上下方向に付勢する付勢機構とを具備し、
前記首部材を前記貫通溝に挿通させるとともに前記台座本体を前記レール部材と前記ベースとの間に挿入した状態において、前記付勢機構を動作させると前記レール部材と前記台座本体とが押し付けられて当該台座部材が固定される一方、前記付勢機構の動作を解除すると当該台座部材が前記貫通溝に沿って移動できるように構成したことを特徴とする流体機器固定装置。
【請求項2】
前記レール部材が上下動可能に設けられており、
前記付勢機構が前記レール部材をベースに向かって付勢すると、前記台座本体が前記レール部材と前記ベースとの間で挟圧されることを特徴とする流体機器固定装置。
【請求項3】
前記レール部材の複数箇所に、前記台座本体を上下に挿通させることができる大きさの挿通孔を設け、該挿通孔を前記貫通溝に連続させていることを特徴とする請求項1又は2記載の流体機器固定装置。
【請求項4】
前記台座本体がベース上で転動する転動体を具備したものであることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の流体機器固定装置。
【請求項5】
前記ベースの表面が弾性変形可能に構成されている請求項1乃至4いずれか記載の流体機器固定装置。
【請求項6】
配管接続される複数の流体機器をベース上に固定すべく、首部材及びその下方に設けた台座本体からなり、前記流体機器の底面の下方に取り付けられた台座部材とともに用いられるものであって、
前記ベース上に上下動可能に配置されるとともに、上下に貫通する貫通溝が形成されており、前記首部材を前記貫通溝に挿通させるとともに、前記台座本体を前記ベースとの間に挿入した状態において、前記上下方向の付勢力を付与することによって前記台座本体が押し付けられて固定される一方、前記付勢力を解除することによって前記台座部材が貫通溝に沿ってベース上を移動できるように構成したものであることを特徴とするレール部材。
【請求項7】
配管接続される複数の流体機器をベース上に固定すべく、前記ベース上に上下動可能に配置されるとともに上下に貫通する貫通溝が形成されたレール部材と、上下方向の付勢力を付与する付勢機構とともに用いられるものであって、
首部材及びその下方に設けた台座本体とを具備するとともに、前記流体機器の底面の下方に取り付けられており、
前記首部材を前記貫通溝に挿通させるとともに前記台座本体を前記レール部材と前記ベースとの間に挿入した状態において、前記付勢機構を動作させると前記台座本体と前記レール部材とが押し付けられて固定される一方、前記付勢機構の動作を解除すると前記台座本体が貫通溝に沿ってベース上を移動できるように構成したことを特徴とする台座部材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−137487(P2011−137487A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−296396(P2009−296396)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000127961)株式会社堀場エステック (88)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000127961)株式会社堀場エステック (88)
【Fターム(参考)】
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