説明

流体管の接続方法、流体管の保護構造及び連結具

【課題】流体管の管継手への接続作業を容易に行ない、かつ管継手への接続部分における流体管の保護を確実かつ十分に行なう。
【解決手段】外面波付の鞘管4内に挿通された2本の通水管3を鞘管4の端部から所定長引き出してそれぞれ管継手61に接続し、各通水管3における管継手61と鞘管4との間に、全長が前記所定長より短く波付外面を有する保護管11を外挿し、1本の鞘管4と2本の保護管11とを、連結具21によって管軸方向に相対移動不能に連結するとともに、連結具21において、鞘管4及び保護管11の端部相互は、通水管3を管継手61に接続するための接続作業代分離間させた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給水器、給湯器等の管継手、これらの給水器、給湯器等から端末の各給水栓等に至る間に設けられた分水用のヘッダーの管継手、或いは床暖房などの管継手など各種接続箇所における管継手に通水管等の流体管を接続するとともに、管継手に接続された流体管の端部を保護部材で覆って保護する、流体管の接続方法、流体管の保護構造及び連結具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
住宅の台所、浴室、トイレ、洗面等の給水栓には通水管等の流体管が配管され、給水器、給湯器等からは各給水栓に水道水、温水等の流体が供給されており、また、配管経路中には、これらの流体を分流させるためのヘッダーが配設されている。これら給水器、給湯器、ヘッダー等には1個或いは複数個の管継手が設けられており、流体管は前記管継手を介して各機器、給水栓、ヘッダー等に接続されている。これらの管継手への流体管の接続に関しては、各種技術が開示されており、例えば、実開平4−50463号公報には、ヘッダーの管継手への流体管の接続構造が開示されている。
【0003】
図10は前記公報に掲載のヘッダーの管継手への流体管の接続構造を示し、図10において、ヘッダー5の管継手61に接続される通水管3は可撓性を有する合成樹脂製管からなり、二重配管を形成する外面波付の鞘管4内に挿通されている。このような二重配管構造とし、通水管3の外側に鞘管4が装着されることにより、通水管3は外部からの物体の接触、衝突による傷付きや損傷を防止し、また、紫外線による劣化を防ぎ、更には、管継手61からの漏水を一時的に鞘管4内に溜めて漏水による床面等の被害を防止することができる。通水管3は鞘管4の端部から引き出されてヘッダー5の管継手61に接続されており、鞘管4の端部から引き出された通水管3の露出部分は伸縮保護管71によって保護される。この伸縮保護管71は、管継手61に嵌合して止着されるとともに管継手61を収容する上筒部72と、鞘管4に嵌合して接続される下筒部73と、前記上筒部72と下筒部73との間に設けられて管軸方向に伸縮する蛇腹状の伸縮部74とで構成されている。
【0004】
前記ヘッダー5の管継手61に通水管3を接続するには、まず、鞘管4の端部から通水管3の先端部を所定長引き出す。次に、通水管3の引き出し部に伸縮保護管71を外挿し、この伸縮保護管71の下筒部73を鞘管4の端部に嵌合して接続する。次いで、図10の右から2番目の伸縮保護管71のように、その伸縮部74を縮めて上筒部72の上端から通水管3の端部を突出させる。このときの通水管3の突出長さは、管継手61に接続される接続代に、通水管3の端部を把持したり、接続工具の先端を挿入したりするなど接続作業を容易に行なうために必要な作業代を加えた接続作業代の長さに相当する。次に、伸縮保護管71の伸縮部74を収縮させた状態で、通水管3の端部を管継手61の接続筒部の外側に圧入し、その外側から締付ナット等を嵌めて締付けることにより通水管3の端部を管継手61に固定する。その後、伸縮保護管71の伸縮部74の収縮を解除し、元の伸張状態に戻し、上筒部72を管継手61に嵌合させ、止着する。伸縮保護管71を管継手61に止着した後は、図10の他の3本の伸縮保護管71と同じ状態となり、鞘管4の端部より突出する通水管3の突出部はこの伸縮保護管71によって保護される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平4−50463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、前記公報に記載されたような従来の、通水管の接続構造は、鞘管4の端部から通水管3の端部を引き出して管継手61に接続するときには、通水管3の端部において接続作業代を露出させるべく伸縮保護管71の伸縮部74を縮めなければならないところ、この伸縮保護管71は伸びた状態が定常状態であるため、手で伸縮部74を把持してその弾性力に抗して下方に押さえ付けていなければならず、更にこの状態で通水管3の端部を把持したり、工具を扱ったりしなければならないから、非常に作業しにくく、多大な手間を要した。
また、伸縮保護管71は上筒部72が単に管継手61に嵌合して止着されているにすぎないから、通水管3内を流れる流体の振動やウォーターハンマーによる衝撃等が加わることによって自重で下がり、伸縮部74が収縮して通水管3の端部が露出してしまい、伸縮保護管71による保護が不十分となることがあった。
【0007】
そこで、本発明は、流体管の管継手への接続作業が容易で、かつ管継手への接続部分における流体管の保護を確実かつ十分に行なうことのできる、流体管の接続方法、流体管の保護構造及び連結具の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の流体管の接続方法は、流体管を保護する外面波付の鞘管内に並列して挿通された複数の該流体管を該鞘管の端部から所定長引き出した後、全長が前記所定長より短い複数の保護管を前記複数の流体管の引き出し部にそれぞれ外挿し、更に前記鞘管側に移動させて該複数の流体管の各端部において管継手に接続するための接続作業代をそれぞれ露出させて、前記複数の流体管の各端部を前記管継手にそれぞれ接続する。次いで、前記複数の保護管をそれぞれ前記管継手側に移動させて、半割の筒状体で形成された連結具によって前記鞘管と前記複数の保護管とを管軸方向に相対移動不能に連結するとともに、前記管継手側への移動に伴って前記鞘管と前記複数の保護管との間に露出した前記複数の流体管を前記連結具で覆って保護するものである。
【0009】
請求項1の流体管の接続方法は、即ち、管継手への接続においては、鞘管の端部から流体管を所定長引き出した後、流体管の露出している引き出し部に保護管を外挿してこの引き出し部を保護するのであるが、管継手に接続するに際しては、流体管の端部を前記保護管から接続に必要となる接続作業代だけ露出させる必要がある。そこで、全長が流体管の引き出し部より短い保護管を外挿してからこの保護管を鞘管側に移動させて流体管の端部を露出させているのである。そして、管継手に接続した後は、保護管を逆に管継手側に移動させて流体管の前記露出部を覆うとともに、この移動に伴って保護管と鞘管との間の流体管には新たに露出部が生ずるので、この露出部に連結具を取付けて覆い、保護するのである。
【0010】
前記保護管は流体管の引き出し部より短く形成され、単に流体管に外挿されているにすぎないから、従来の伸縮保護管とは異なって、管継手への接続に際に、保護管を鞘管側に移動した後にこの保護管を手で鞘管側に押さえ付けていなくても流体管の端部を接続作業代だけ保護管の端部から突出させることができる。したがって、保護管を押さえ付けて縮めている必要がないから、接続作業は容易となる。
【0011】
また、管継手への接続後は、露出している流体管の端部は保護管を管継手側に移動することにより覆われて保護され、その移動により新たに生じた保護管と鞘管との間の流体管の露出部は連結具によって保護されるから、結局、鞘管から引き出された流体管はその引き出し部全体が保護管と連結具とによって覆われ、確実に保護されることとなる。
【0012】
連結具は、鞘管と保護管とを管軸方向に相対移動不能に連結する、即ち、鞘管と保護管との間隔を一定に保持する状態で連結するから、管継手に接続後、保護管は管継手側の一定位置に保持され、振動その他によって鞘管側にずれたりすることがない。これにより、従来のような、保護管が移動して管継手との間に隙間が生じ、その部分の流体管が露出してしまうという事態を確実に回避できる。
前記連結具は、その一端部に外面波付の鞘管の外面の谷部に嵌入される突起を設け、他端部に波付外面を有する保護管の外面の谷部に嵌入される突起を設けるなどして、鞘管と保護管とを嵌軸方向に移動不能に連結する。
【0013】
ここで、管継手への接続時に鞘管から引き出される流体管の引き出し部は、外面波付の鞘管を伸ばして直接覆うことも考えられるが、鞘管は可撓性はあっても伸縮性に乏しいものも多く、また、伸縮性はあったとしても、定常時に収縮状態にある鞘管をその弾性力に抗して長期間伸張状態に保持するのは無理を生じて好ましくなく、伸張状態に保持する手段も必要となる。更には、流体管の引き出し部はそれなりの長さを有する。このようなことから、流体管の引き出し部全体を鞘管で覆うことは実質上不可能である。それ故、本発明においては、流体管の引き出し部を保護管と連結具とを用いて覆い、保護しているのである。
【0014】
前記流体管の接続作業代とは、管継手に直接接続される部分である接続代と、接続の際に流体管の端部を把持したり接続工具の先端を挿入するなどの接続作業を行なうために必要な作業代とを加えた流体管の露出部の長さである。また、このうち、前記作業代は、およそ接続作業において広く必要とする流体管の露出部の長さを意味する。
【0015】
なお、鞘管は内部に流体管が1本のみ挿通されるものや、2本を並列状態で挿通されるものなどがある。内部に2本の流体管が挿通される鞘管が用いられるものでは、鞘管の端部から引き出された2本の流体管のそれぞれに保護管が外挿される。また、連結具は、一端部に1本の鞘管が連結され、他端部に2本の保護管が連結される。
また、保護管は、専用のものであってもよく、既存の波付管や鞘管を切断して使用するものであってもよい。
【0016】
請求項2の流体管の保護構造は、外面波付の鞘管内に挿通された流体管が該鞘管の端部から所定長引き出されて管継手に接続され、前記流体管における前記管継手と鞘管との間に、全長が前記所定長より短く波付外面を有する保護管が外挿され、前記鞘管と保護管とは、半割の筒状体で形成されて前記流体管を保護する連結具によって管軸方向に相対移動不能に連結されており、前記鞘管及び保護管の端部相互は、前記流体管を前記管継手に接続するための作業代分離間している。
【0017】
更に、請求項2の流体管の保護構造は、鞘管内に複数の流体管が並列して挿通され、この鞘管から引き出された複数の流体管は、各引き出し部にそれぞれ保護管が外挿され、連結具は、一端部に前記鞘管が連結され、他端部に複数の保護管が連結されるものとなっている。
【0018】
請求項3の連結具は、内部に流体管が挿通された外面波付の鞘管と、前記鞘管の端部から所定長引き出されて管継手に接続された前記流体管における該管継手と該鞘管との間に外挿され、波付外面を有する保護管とを連結するとともに前記鞘管と前記保護管との間の前記流体管を覆って保護するものであって、半割の筒状体で形成され、前記鞘管と前記保護管とを管軸方向に連結すべく、一端部に前記鞘管の外面に係止して連結する連結部が設けられているとともに、他端部に前記保護管の外面に係止して連結する連結部が設けられ、前記両連結部は、前記鞘管と前記保護管との端部相互が前記流体管を前記管継手に接続するための作業代分離間した状態で連結可能に設けられている。
【0019】
ここで、半割の筒状体は、例えば、2個の半割体の中間部にヒンジが形成され、このヒンジを軸に回動して筒状体が形成されるものとすることができる。また、鞘管及び保護管の外面に係止する連結部は、例えば、連結具の両端開口の周縁に管軸と直交して内部空間側に突出するフランジを形成して設けることができる。このフランジ等で形成された連結部が外面波付の鞘管及び波付外面を有する保護管の外面の谷部に嵌入することにより、鞘管と保護管とは、管軸方向に相対移動不能に連結される。なお、連結具の両端部は、必ずしも筒状体の両端開口部分のみを意味するのではなく、両端開口の周辺部分も含まれる。したがって、前記連結具の連結部は両端開口より僅かに内部に入った部分に設けることを妨げるものではない。
【0020】
連結具には、一端部に、2本の流体管が並列して挿通された1個の鞘管が連結され、他端部に2本の保護管が連結された態様などがある。例えば、給湯器の管継手に行きと戻りの流体管が接続されるものを挙げることができる。
【0021】
更に、請求項3の連結具は、連結具における保護管が連結される他端部に、複数の前記保護管を連結すべく、複数の連結部が設けられている。
【発明の効果】
【0022】
請求項1の発明は、管継手への接続に際しては、保護管を鞘管側に移動させるだけで、流体管の端部を接続作業代だけ保護管の端部から突出させ、この状態を維持できるから、手で保護管を押さえ付けて縮めておく必要がなく、したがって、流体管の管継手への接続作業が容易となり、かつ、管継手への締付けに専念できるから、確実かつ強固に流体管を接続することができる。
【0023】
また、鞘管から引き出された流体管はその引き出し部全体が保護管と連結具とによって確実に保護される。その結果、外部からの衝突等による傷付きや損傷の防止し、紫外線による劣化の防止を確実に行なうことができ、管継手などからの漏水を一時的に保護管及び鞘管内に溜めて、漏水による床面等の被害を確実に防止できる。
【0024】
請求項2の発明は、請求項1の流体管の接続方法を実施する構造を備えたものであり、請求項1と同様の効果を奏する。
【0025】
更に、請求項1及び請求項2の発明は、鞘管から引き出された複数の流体管の各引き出し部にそれぞれ保護管が外挿され、連結具の他端部に複数の保護管が連結されるものであるから、特に、給湯器の2箇所の管継手に行きと戻りの計2本の流体管が接続される構造などにおいて顕著な効果を奏する。
【0026】
請求項3の発明は、請求項1の流体管の接続方法の実施に使用される連結具であり、請求項1及び請求項2と同様の効果を奏する。特に、半割の筒状体で形成されているから、簡易な構成で連結具を形成できるとともに、流体管の引き出し部に保護管を外挿した後、後付けで簡単に保護管と鞘管との間に取付けて連結することができる。また、端部に鞘管及び保護管の外面の谷部に係止する連結部が設けられているので、簡易な構成で鞘管と保護管とを管軸方向に相対移動不能に連結することができる。また、請求項1及び請求項2の発明と同様に、連結具の端部に、複数の保護管を連結するための連結部が設けられているので、1つの連結具で複数の保護管を連結でき、部品コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施形態の通水管の保護構造を示す正面図である。
【図2】図1の管継手を示す分解正面図である。
【図3】図1の連結具の斜視図である。
【図4】図3の連結具を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。
【図5】図3の連結具を示し、(a)は図4(b)のA−A切断線による断面図、(b)は図4(b)のB−B切断線による断面図である。
【図6】本発明の実施形態における通水管の接続方法の手順を示す正面図である。
【図7】同じく、本発明の実施形態における通水管の接続方法の手順を示す正面図である。
【図8】同じく、本発明の実施形態における通水管の接続方法の手順を示す断面図である。
【図9】図1の保護管の変形例を示す正面図である。
【図10】従来の通水管の保護構造を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、流体管として通水管を使用し、給湯器の管継手に通水管を接続するものを例示する。ここで、図1は本発明の実施形態の通水管の保護構造を示し、図2は図1の管継手、図3乃至図5は図1の連結具を示す。また、図6乃至図8は通水管の管継手への接続方法を示す。
【0029】
図1において、住宅の追い炊き機能付きの給湯器2の底面には行きと戻りの通水のための2個の管継手61が設けられている。これらの管継手61にはそれぞれ給湯器2からの温水を図示しない台所、浴室、トイレ、洗面等の給水栓に送るための通水管3と、浴室や床暖房等から追い炊きするために戻る通水管3とが接続されている。これら両通水管3はこれを保護するための鞘管4内に挿通されており、2本を並列した状態で1本の鞘管4内に収められている。通水管3を給湯器2の管継手61に接続する部分には、接続のために鞘管4から所定長引き出された通水管3の外側に全長が通水管3の引き出し部の長さより短い保護管11が外挿され、また、この保護管11と鞘管4との間には連結具21が取付けられており、これら給湯器2の管継手61、通水管3の引き出し部、鞘管4の端部、保護管11及び連結具21によって通水管の保護構造1を構成している。以下、各構成部材について具体的に説明する。
【0030】
前記通水管3は、可撓性を有する架橋ポリエチレン管、ポリブテン管等の合成樹脂管からなり、内部を水道水、温水等の流体が流れる。
次に、この通水管3の配管経路全体に至ってその外側に外挿され、通水管3とで二重管を形成する鞘管4は、可撓性を有し、外面波付で、架橋ポリエチレン管等の合成樹脂管からなる。この鞘管4は、通水管3の外側を覆い、通水管3が外部物体によって傷付いたり、損傷するのを防止し、紫外線による劣化を防ぎ、更に、管継手61などからの漏水を一時的に溜めておくために用いられる。鞘管4は1本の通水管3が挿通されるもの、2本の通水管3が並列して挿通されるものなどがあり、本実施形態においては2本の通水管3が挿通される。
【0031】
次に、給湯器2の管継手61は、各種の接続構造により通水管3の端部を接続することができ、本実施形態においては、図2に示すように、金属製の継手本体62と金属製の締付リング63とで構成され、通水管3の先端部を接続し固定するものを示す。なお、他には、継手本体62と袋ナットとで通水管3を挟圧し固定するもの、通水管3の先端部に金属製の円筒状のインコアを差し込み、これを内部にロックリングを備えた継手本体にそのまま挿入して接続し固定するものなどを挙げることができるが、いずれも管継手61の内部材と外部材とで通水管3の端部を強固に挟み込んで圧縮固定している。
【0032】
本実施形態の管継手61の継手本体62は略中央に六角形状の鍔部64を備え、一側には外周面に雄ねじ部66を有する第1円筒部65が設けられ、継手本体62はこの第1円筒部65において給湯器2に接続されるようになっている。鍔部64の他側即ち通水管3の接続側には第2円筒部67が設けられている。この第2円筒部67の管軸方向の略中間位置には、外方に突出する断面略L字状の環状段部68が一体に設けられており、この環状段部68の内部側には通水管3の先端部が収容され、環状段部68の内側底面68aには通水管3の先端が当接するようになっている。第2円筒部67において環状段部68から管接続側の先端までの部分は通水管3の内径より僅かに大きい外径を有する接続筒部69となっており、この接続筒部69の外面には通水管3が圧入され、接続されるようになっている。そして、接続筒部69の外面の管軸方向の2箇所には、通水管3の内面に食い込んで該通水管3の抜脱を防止する環状突起69aが設けられている。更に、前記環状段部68の外周壁には周方向の複数箇所に円弧状の切欠窓70が形成されており、この切欠窓70を透して内部の通水管3の先端部の位置を視認し、通水管3の先端部の挿入状態を確認できるようになっている。
【0033】
本実施形態の管継手61の締付リング63は、略円筒状に形成され、内径は通水管3の外径より僅かに小さい大きさとなっていて、この締付リング63を通水管3の外面に強制的に圧入することにより、第2円筒部67の接続筒部69とで通水管3を強固に挟み込んで固定するようになっている。この締付リング63は、第2円筒部67の接続筒部69とほぼ同一長さに形成されている。但し、締付リング63は接続筒部69とほぼ同一長さであるのが望ましいものの、これに限定されるものではない。
ここで、管継手61の第2円筒部67の接続筒部69は通水管3が外挿されて接続される部分であり、その長さL1はこの部分に接続される通水管3の接続代T1に相当する。
【0034】
次に、前記保護管11は、内径が通水管3の外径より大きく、この通水管3の外側に嵌挿して保護するものであり、曲がり部にも対応できるよう可撓性を有し、外面波付で、架橋ポリエチレン管等の合成樹脂管からなる。また、保護管11は管継手61の締付リング63と略同一の外径に形成されており、保護管11と締付リング63とは端部相互が当接するものとなっている。保護管11の全長は鞘管4の端部から引き出された通水管3の引き出し部の長さより短いものとなっており、具体的には、前記接続代T1と接続作業に必要な作業代T2とを加えた接続作業代Tだけ短いものとなっている。したがって、通水管3は保護管11から前記接続作業代Tの長さだけ外部に突出することになる。
【0035】
なお、保護管11は、管継手61への接続時に、従来例のように管軸方向に縮めることにより通水管3の端部において接続作業代を露出させるものとは異なり、全体をそのまま管軸方向にずらすことにより所定の接続作業代Tを露出させるものであり、かつ通水管3を管継手61に接続した後の使用中に流体の脈動等による振動や物体の接触、自重等によって管軸方向に収縮するのを防いで通水管3の引き出し部を確実に保護すべきであることを考慮すると、伸縮しない一定長を維持するものが望まれる。但し、収縮によって通水管3に露出部が生ぜず、確実に保護し得れば、多少の伸縮性を有するものであっても許容される。
【0036】
次に、前記連結具21は、図3乃至図5に示すように、半割の筒状体で形成され、外壁22の管軸と直交する横断面の形状は略小判形状をなしている。連結具21の一端部には、鞘管4の端部が挿通される略小判形状の鞘管挿通孔23が1個設けられているとともに、鞘管4の端部が連結される鞘管連結部24が設けられている。一方、連結具21の他端部には、保護管11の端部が挿通される円形状の保護管挿通孔25が2個並設されているとともに、保護管11の端部が連結される保護管連結部26が設けられている。前記鞘管連結部24は鞘管4の断面形状に合致させて外壁22の端縁部から内部側に直角に屈曲したフランジ27によって形成され、このフランジ27の先端部は外面波付の鞘管4の谷部12に嵌入、係止してこの鞘管4を抜け止め状態に連結する。一方、前記保護管連結部26は並列状態の2本の保護管11を連結すべく、2本の保護管11の外面の断面形状に合致させて外壁22の端縁部から内部側に直角に屈曲し突出するフランジ27によって形成され、このフランジ27の先端部は外面波付の各保護管11の谷部12に嵌入、係止して各保護管11を抜け止め状態に連結する。
【0037】
本実施形態における連結具21は、割面28において分割された2つの半割体で構成され、左右略対象の第1半割体31と第2半割体41との間に管軸方向に薄肉形成してなる第1ヒンジ29が設けられ、この第1ヒンジ29を軸に第1半割体31と第2半割体41とを相対的に回動して閉じることにより、筒状体に形成されるものとなっている。この連結具21は合成樹脂で形成され、第1半割体31及び第2半割体41が展開された形態で樹脂の一体成形により形成することができる。したがって、安価に製造することができる。
【0038】
このように形成された連結具21により、鞘管4と保護管11とは端部相互が所定距離離間した状態で管軸方向に連結される。ここで、前記所定距離とは、通水管3を管継手61に接続するために必要な作業代T2に相当する。即ち、連結具21の両側の鞘管連結部24及び保護管連結部26は、鞘管4と保護管11との端部相互が作業代T2だけ離間した状態で連結可能に設けられている。
【0039】
更に、前記連結具21の第1半割体31は、展開状態の第1半割体31と第2半割体41とを第1ヒンジ29を軸に閉じてこの第1ヒンジ29と反対側の側端部32及び側端部42相互を係止して筒状体を形成すべく、半割の筒状体の外壁22の割面28である第1ヒンジ29と反対側の側端面33の中間部から僅かに第1ヒンジ29側に離間した側端部32の位置に、被係止突起34が一体に設けられている。この被係止突起34はL字板状に形成され、屈曲先端部は後述する第2半割体41の係止部48と係止する被係止部35を形成している。加えて、この被係止部35の管軸方向の両側には、コ字状に切欠され、1辺側が割面28である側端面33に開口する第1切欠孔36が形成されており、更にこの第1切欠孔36の周縁2辺には第1半割体31の外壁22の表面から僅かに突出する窓枠37が周縁に沿って一体に形成されている。
【0040】
一方、前記連結具21の第2半割体41は、第1半割体31の被係止部35に対応して、半割の筒状体の外壁22の割面28である第1ヒンジ29と反対側の側端面43の中間部から僅かに第1ヒンジ29側に離間した側端部42の位置に、矩形板状の係止片44が外壁22との接合部を基端として水平方向に一体に突設されている。この係止片44はその基端に薄肉形成により設けられた第2ヒンジ45を軸に回動できるようになっている。係止片44には角孔からなる係止孔46が設けられ、更に、この係止孔46より先端側は傾斜面となっており、この傾斜面は指で摘んで係止片44を回動操作するための摘み部47を形成している。また、係止孔46の摘み部47と隣接する周縁部は、第1半割体31の被係止部35に係止する係止部48を形成している。更に、係止片44の両側部には矩形板材からなり、後述する信号線引出孔30を閉塞する閉塞蓋49が側方に向けて一体に延設されている。この閉塞蓋49は、第2ヒンジ45を軸に係止片44を回動してその係止部48を第1半割体31の被係止部35に係止させる操作に連動して信号線引出孔30を閉塞するようになっている。加えて、閉塞蓋49は、係止片44との間に薄肉形成により設けられた第3ヒンジ50を軸に回動できるようになっており、更にはこの第3ヒンジ50に沿って折り取ることも可能となっている。
【0041】
また、第2半割体41の割面28周辺の外壁22には、第1半割体31の2個の第1切欠孔36と対向する位置にそれぞれ、コ字状に切欠され、1辺側が割面28である側端面43に開口する第2切欠孔51が形成されており、更にこの第2切欠孔51の周縁2辺には第2半割体41の外壁22の表面から僅かに突出する窓枠52が周縁に沿って一体に形成されている。第2半割体41の2個の第2切欠孔51は、第1半割体31と第2半割体41とを相対的に回動し閉じることによって筒状体に形成したときに、対向する第1半割体31の2個の第1切欠孔36と連通し、この第1切欠孔36と一体となって、連結具21の割面28に、2個の矩形状の信号線引出孔30を形成する。この信号線引出孔30は通水管3と並行して鞘管4内に挿通され、給湯器2等に電気信号を送る信号線を外部に引き出すための孔であり、第3ヒンジ50を軸に閉塞蓋49を開方向に回動することにより、或いは第3ヒンジ50に沿って閉塞蓋49を折り取ることにより、信号線引出孔30を開口し、ここから信号線を引き出すことができる。
【0042】
次に、上記のように構成された通水管の保護構造において、通水管を給湯器の管継手に接続するとともに通水管の接続端部を保護する方法を図6乃至図8に基づいて説明する。
まず、図6(a)に示すように、鞘管4内に並列に挿通されている行きと戻りの2本の通水管3を該鞘管4の端部から所定長引き出す。ここで、2個の管継手61は通常、給湯器2の底面において略同一高さに固定されているから、2本の通水管3の引き出し部の長さはほぼ等しい。通水管3が引き出されたとき、その先端部は管継手61の外側において接続筒部69の上端部即ち環状段部68の内側底面68aとほぼ同一高さにある。そこで、通水管3を引き出した後は、通水管3や鞘管4を水平方向に多少曲げたり、撓ませたりしながら、通水管3の先端部を管継手61の接続筒部69の直下に位置させる。なお、図6(a)はこの状態を示す。
【0043】
次に、図6(b)に示すように、2本の通水管3の引き出し部の外側にそれぞれ、全長が通水管3の引き出し部の長さより短い保護管11を外挿する。そして、通水管3に保護管11を外挿する一連の操作において、更にこの保護管11を通水管3に沿って鞘管4側に移動させ、図6(c)に示すように、保護管11の下端を鞘管4の端部に当接させて、保護管11の上端部から通水管3の端部を突出長さL2だけ突出させて露出させる。ここで、前記突出長さL2は接続代T1と作業代T2とを加えた接続作業代Tに相当する長さである。
【0044】
通水管3の端部において接続作業代Tを露出させたら、給湯器2の管継手61に通水管3を接続する。管継手61に接続するには、まず、図6(d)に示すように、管継手61の締付リング63を通水管3の端部に外挿しておき、この状態で通水管3の接続作業代Tの部分を把持し、工具を使用して、通水管3の端部を継手本体62の接続筒部69に外嵌し圧入する。具体的には、図示しないが、エキスパンダなどの拡径工具を使用してこれを回して拡径位置を変えながら通水管3を均一にある程度拡げておき、図7(e)に示すように、通水管3を継手本体62の接続筒部69に圧入し、外挿する。次いで、図示しないが、スライダ等の挟み工具を使用して、先端のクランプで継手本体62と締付リング63とを挟み、図7(f)に示すように締付リング63を継手本体62の環状段部68に当接するまで管軸方向に圧入し押し上げて通水管3の端部を継手本体62の接続筒部69とで強く挟み込む。このとき、継手本体62の接続筒部69の外周面には環状突起69aが設けられ、この環状突起69aが通水管3の内面に食い込むので、通水管3はより強固に管継手61に接続される。ここで、使用する工具はこれらに限定されるものではない。
【0045】
なお、このようにして接続された通水管3は、図7(e)及び図7(f)に示すように、管継手61の継手本体62の接続筒部69に接続された長さが接続代T1であり、管継手61の締付リング63は継手本体62の接続筒部69とほぼ同一長さに形成されているから、前記接続代T1のほぼ全体が締付リング63によって保護されることとなる。したがって、接続前に保護管11の端部から引き出された通水管3の突出長さL2即ち接続作業代Tのうちの前記接続代T1を差し引いた残りの作業代T2が露出状態となる。
【0046】
そこで、次に、図7(g)に示すように、保護管11を管継手61の締付リング63の下端に当接するまで上方に引き上げる。これにより、通水管3において管継手61の直下に露出している作業代T2の部分は保護管11によって覆われ、保護される。しかし、その一方、保護管11が管継手61側に移動した分、保護管11と鞘管4との間の通水管3には新たに露出部が生ずることとなる。そこで、次に、図7(h)に示すように、この保護管11と鞘管4との間の通水管3の露出部に連結具21を外側から嵌着し、この連結具21によって前記通水管3の露出部を覆って保護する。
【0047】
ここで、通水管3の露出部を覆う連結具21の取付けについて、図8に基づいて具体的に説明する。連結具21は通常、図8(a)に示すような展開状態となっているので、最初に、第1半割体31を2本の通水管3における保護管11と鞘管4との間の露出部の裏側に配置し、第1半割体31の両端部のフランジ27に設けられた鞘管連結部24及び保護管連結部26をそれぞれ外面波付の鞘管4及び外面波付の保護管11の外面の谷部12に嵌入させる。次いで、第1ヒンジ29を軸に第2半割体41を回動して、図8(b)に示すように、割面28である第1半割体31の側端面33と第2半割体41の側端面43とを相互に当接させて閉じる。このとき、第2半割体41はその両端部のフランジ27に設けられた鞘管連結部24及び保護管連結部26をそれぞれ外面波付の鞘管4及び外面波付の保護管11の外面の谷部12に嵌入させながら回動して閉じる。そして、両半割体を閉じたら、図8(c)に示すように、第2半割体41の係止片44を第2ヒンジ45を軸に回動して係止孔46の一側の係止部48を第1半割体31の被係止突起34に設けられた被係止部35に係止させる。
【0048】
これにより、連結具21の取付けが完了し、両半割体のそれぞれの両端部に設けられた鞘管連結部24及び保護管連結部26がそれぞれ鞘管4の外面の谷部12及び保護管11の外面の谷部12に嵌入し係止するので、鞘管4と保護管11とはこの連結具21を介して管軸方向に相対的に移動するのが阻止され、両者の端部相互の間隔は一定に保たれる。したがって、連結具21を取付けた後は、保護管11は把持しなくても落下することがない。ここで、前記間隔は、鞘管4と保護管11との間で通水管3に生じた露出部の長さ、即ち、通水管3の作業代T2に相当する。
【0049】
次に、通水管の保護方法及び保護構造の作用を説明する。
まず、管継手61への通水管3の接続時は、鞘管4の端部から引き出された通水管3の引き出し部より短い保護管11を該引き出し部に外挿し、鞘管4側に移動するだけで、通水管3の先端部は接続作業代Tだけ露出した状態に維持される。これにより、保護管11を外挿した後、従来のように、保護管11を手で押さえ付けて縮めている必要がないから、接続作業が容易となる。
【0050】
また、接続後は、作業代T2だけ露出した通水管3の端部は保護管11を管継手61側に移動することにより覆われて保護され、その移動に伴って生じた保護管11と鞘管4との間の流体管の露出部は連結具21によって保護される。したがって、結局、鞘管4から引き出された通水管3は保護管11と連結具21とによって保護される。
【0051】
そして、連結具21は、両端部の鞘管連結部24及び保護管連結部26がそれぞれ外面波付の鞘管4の外面の谷部12及び外面波付の保護管11の外面の谷部12に嵌入するので、鞘管4及び保護管11を一定位置に保持し、鞘管4と保護管11との端部相互を一定の接続作業代T2だけ離間した状態に確実に維持する。その結果、保護管11が振動、接触その他の原因により自重で落下して鞘管4側にずれ、保護管11と管継手61との間に隙間が生じ、通水管3が露出してしまうのが確実に防止される。そして、鞘管連結部24及び保護管連結部26はそれぞれ鞘管4の外面の谷部12及び保護管11の外面の谷部12に嵌入するだけの極く簡易な構成でこれら鞘管4及び保護管11を連結することができ、連結具21を安価に製造できる。
加えて、連結具21は、一端部に2個の保護管連結部26が設けられているので、1本の鞘管4内に並列して挿通された2本の通水管3を給湯器2の管継手61に接続するに際し、1個で、2本の保護管11と1本の鞘管4との間の通水管3の露出部を覆うことができ、部品コストを低減できる。
【0052】
ここで、前記作業代T2に関して付言すれば、連結具21によって鞘管4と保護管11とが連結された状態において、通水管3の保護上、前述のように、保護管11の端部は管継手61の締付リング63の下端に当接するまで上方に引き上げられ、保護管11と管継手61の下端との間には隙間を生じないのが理想であるが、通水管3が実質的に保護されるのであれば、保護管11と管継手61との間に若干の隙間が生じてもよい。この場合、作業代T2は、鞘管4と保護管11との間隔に前記保護管11と管継手61との隙間を加えた長さとなる。即ち、この場合には、前記鞘管4及び保護管11の端部相互の離間距離は、厳密には、作業代T2から前記保護管11と管継手61との隙間が差し引かれた長さとなる。しかし、前記保護管11と管継手61との間に隙間を生じたとしてもその程度は僅かであるから、請求項の「作業代」は、作業代T2そのものの他、この作業代T2から前記僅かな隙間が差し引かれたものも含まれるものとする。したがって、この場合も、請求項の、鞘管及び保護管の端部相互が「作業代」分、離間した状態に該当することとなる。
【0053】
ところで、上記実施形態の保護管11は、管継手61の締付リング63と略同一の外径を有し、締付リング63の下端と当接するものを用いているが、これに限られるものではなく、例えば、図9(a)に示すように、内径が締付リング63の外径より大きく、締付リング63に外挿され、先端が管継手61の鍔部64の下面に当接するものとしてもよい。或いは、図9(b)に示すように、上記実施形態の保護管11と同程度の径を有する筒部13と、管継手61側の端部のみに設けられ、内径が締付リング63の外径より大きく漏斗状に形成されたキャップ部14とで形成し、先端が管継手61の鍔部64の下面に当接するものとしてもよい。これらの保護管11の場合、管継手61に漏水が発生したときにこれを保護管11内に一時的に溜め込むことができる。なお、これらの先端が管継手61の鍔部64の下面に当接する保護管11にあっては、接続作業代Tは、接続代T1の全体と作業代T2とを加えた長さとなる。
【0054】
また、これらの保護管11は、上記実施形態の保護管11を含め、連結具21に連結される部分のみ、外面を波付に形成してもよい。請求項において、「波付外面を有する保護管」としたのは、それを考慮したものである。更には、連結具21における連結が可能であれば、外面全体が平滑なストレート管を用いることを妨げるものでもない。
加えて、保護管11は、専用品として設けてもよく、或いは、既存の波付管を利用し、これを切断して用いることもできる。この場合は、安価に保護管11を製作できる。
【0055】
なお、上記実施形態の2本の保護管11は、給湯器2の底面に設けられた2箇所の管継手に接続された通水管3にそれぞれ外挿されるものであり、ほぼ同一長さになっているが、2個の管継手が高さ等の異なる2箇所に設けられているときは、当然長さは相違することになる。
【0056】
そして、上記実施形態の連結具21は、第1半割体31と第2半割体41とを第1ヒンジ29を軸に回動し、第2半割体41の係止部48を第1半割体31の被係止部35に係止させて筒状体に形成しているが、この係止手段に限られるものではない。また、前記係止手段は、各半割体の側端部の中間位置の1箇所に設けているが、側端部の両端2箇所などに設けてもよい。更に、連結具21は、例えば、2個の半割体が互いに分離したものであって、各半割体のそれぞれの両側端部に係止手段を設け、両側端部において係止させて筒状体に形成するものとしてもよい。
【0057】
加えて、上記実施形態の連結具21は、割面28に信号線引出孔30を設けているが、本発明を実施する場合には、必ずしも設けることを要しない。割面28に信号線引出孔30を設けない場合には、第2半割体41には係止片44を突設することなく、外壁22の側端部42に直接係止部48を形成することもできる。
【0058】
更に、上記実施形態では、鞘管4内に2本の通水管3が並列して挿通されたものを例示したが、本発明は、これに限られるものではなく、鞘管4内に1本の流体管のみが挿通されたもの、或いは3本以上の流体管が挿通されたものにも同様に適用し得る。これらの場合において、例えば、流体管が1本であるときは、連結具21の一端には1個の円形状の鞘管挿通孔23が設けられ、他端には1個の円形状の保護管挿通孔25が設けられる。
【0059】
本発明に係る保護管11及び連結具21を備えた、通水管3の保護構造は、特に、上記実施形態に例示した、鞘管4内に挿通された2本の通水管3を給湯器2の2箇所に設けられた管継手61に接続する場合の保護構造として好適に用いられるが、他に、例えば、床暖房などにおいて2本の流体管が並列して鞘管4内に挿通され、この鞘管4の端部から引き出されて床暖房用床板に設けられた管継手61に接続される箇所においても同様に適用される。また、給水器、給湯器2等から端末の各給水栓等に至る間に設けられた分水用のヘッダーの管継手61に流体管を接続する場合にも同様に適用される。
【符号の説明】
【0060】
1 通水管の保護構造
3 通水管
4 鞘管
11 保護管
21 連結具
24 鞘管連結部
26 保護管連結部
31 第1半割体
41 第2半割体
61 管継手
T 接続作業代

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体管を保護する外面波付の鞘管内に並列して挿通された複数の該流体管を該鞘管の端部から所定長引き出した後、全長が前記所定長より短い複数の保護管を前記複数の流体管の引き出し部にそれぞれ外挿し、更に前記鞘管側に移動させて該複数の流体管の各端部において管継手に接続するための接続作業代をそれぞれ露出させて、前記複数の流体管の各端部を前記管継手にそれぞれ接続し、
次いで、前記複数の保護管をそれぞれ前記管継手側に移動させて、
半割の筒状体で形成された連結具によって前記鞘管と前記複数の保護管とを管軸方向に相対移動不能に連結するとともに、前記管継手側への移動に伴って前記鞘管と前記複数の保護管との間に露出した前記複数の流体管を前記連結具で覆って保護することを特徴とする流体管の接続方法。
【請求項2】
外面波付の鞘管内に並列して挿通された複数の流体管が該鞘管の端部から所定長引き出されて管継手にそれぞれ接続され、
前記複数の流体管における前記管継手と前記鞘管との間に、全長が前記所定長より短く波付外面を有する保護管がそれぞれ外挿され、
前記鞘管と前記複数の保護管とは、半割の筒状体で形成された連結具によって管軸方向に相対移動不能に連結されており、
前記鞘管及び前記複数の保護管の端部相互は、前記流体管を前記管継手に接続するための作業代分離間しており、該離間により露出した複数の流体管は前記連結具によって覆われて保護されていることを特徴とする流体管の保護構造。
【請求項3】
内部に複数の流体管が並列して挿通された外面波付の鞘管と、
前記鞘管の端部から所定長引き出されて管継手に接続された前記複数の流体管における該管継手と該鞘管との間にそれぞれ外挿され、波付外面を有する複数の保護管と
を連結するとともに前記鞘管と前記複数の保護管との間の前記複数の流体管を覆って保護する連結具であって、
半割の筒状体で形成され、
前記鞘管と前記複数の保護管とを管軸方向に連結すべく、一端部に前記鞘管の外面に係止して連結する連結部が設けられているとともに、他端部に前記保護管の外面に係止して連結する、前記複数の保護管に対応した複数の連結部が設けられ、
前記両連結部は、前記鞘管と前記複数の保護管との端部相互が前記流体管を前記管継手に接続するための作業代分離間した状態で連結可能に設けられていることを特徴とする連結具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−68326(P2013−68326A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−256996(P2012−256996)
【出願日】平成24年11月25日(2012.11.25)
【分割の表示】特願2007−263714(P2007−263714)の分割
【原出願日】平成19年10月9日(2007.10.9)
【出願人】(000243803)未来工業株式会社 (550)
【Fターム(参考)】